JP2004109504A - カラー画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感光体ドラム22aの周速度Vpと現像ローラ34aの周速度Vdとの比Vd/Vpの値を0.8〜0.95とし、ドクターブレード36aによって規制された後の現像ローラ34aに担持されたトナーの量を0.5〜1.0mg/cm2とした。また、現像ローラ34aにコート層を備え、ドクターブレード36aと現像ローラ34aとの接触線圧は25〜70gf/cm未満とし、トナーの粒径を4〜9μmとした。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の色成分の画像夫々を同一の転写材に重ね合わせることによってカラー画像を形成するカラー画像形成方法、及びタンデム方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を採用した画像形成装置に使用される現像剤は、トナーのみからなる1成分現像剤と、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤とが知られている。
【0003】
2成分現像剤を用いる場合は、トナー及びキャリアからなる現像剤を現像槽内部において攪拌させ、トナーを帯電させることによってキャリアの表面にトナーを付着させた状態にする。この状態の現像剤を現像ローラに担持させ、静電潜像が担持される感光体ドラムと現像ローラとの対向位置にある現像領域に搬送させる。これにより十分な搬送量が得られ、高濃度の画像を得ることができる。しかし、2成分現像剤を用いた場合は、現像濃度を一定に維持するためにトナーとキャリアとの混合比を一定に維持する必要があり、現像槽等を備える現像装置全体の構成が複雑になるという問題がある。
【0004】
一方、1成分現像剤を用いる場合は、2成分現像剤を用いる場合に対して取り扱いが簡便である。1成分現像剤(以下、トナーという)としては、非磁性トナーが知られており、この非磁性トナーを用いる場合は、現像ローラとトナーの層厚を規制するブレード板との間のニップにトナーを搬送する。これにより、現像ローラの周面には、一定膜厚のトナー層が形成され、このトナー層を感光体ドラムと現像ローラとの対向位置にある現像領域に搬送させる。
【0005】
このような非磁性トナーを用いる画像形成装置として、現像ローラと感光体ドラムとの圧接面において、夫々の周面が同方向に移動するように現像ローラ及び感光体ドラムを回転させ、現像ローラの周速度Vdと、感光体ドラムの周速度Vpとの比であるVd/Vpの値を1.1以上から1.5以下の間に設定するものが開示されている(特許文献1参照)。
【0006】
この画像形成装置は、感光体ドラムの周速度Vpに対して現像ローラの周速度Vdの方を速くすることにより、感光体ドラムと現像ローラとの間に摩擦を生じさせ、トナー供給量を増大させる事によって画像濃度を満足させると共に、感光体ドラム表面に発生するコロナ生成物及び付着力の弱いトナーを機械的に除去できるという効果を有する。しかし、このような画像形成装置は、感光体ドラムの周速度に対して現像ローラの周速度を速くする必要があるため、現像ローラの駆動系としてパワーのある大型部品を備える必要があり、画像形成装置の大型化を招き、装置価格の低減を図ることが難しいという問題点があった。
【0007】
この問題点を解決する画像形成方法として、現像ローラによるトナーの搬送量を0.6mg/cm2 以上から1.2mg/cm2 以下の間とし、Vd/Vp比の値を0.6以上から0.9以下の間に設定するものが開示されている。つまり、現像ローラの周速度Vdを感光体ドラムの周速度Vpよりも遅くすることによって現像ローラの駆動系に小型部品を採用でき、前述した問題を解決すると共に、前記のトナー搬送量及びVd/Vp比の設定にすることによって充分に濃度が確保され良好な画像が得られるとしている。尚、使用するトナーの平均粒径は9μm以上から12μm以下の間とされている(特許文献2参照)。
【0008】
近年、フルカラーの画像形成を行うカラー電子写真方式を採用する画像形成装置が普及してきており、このような画像形成装置においては、感光体ドラムに対して帯電、露光、現像の各工程を行うトナー像形成部を横方向に複数配置すると共に、各トナー像形成部の感光体ドラムに順次対向して転写材を送する転写搬送ベルトを備え、各トナー像形成部において感光体ドラム上にブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの互いに異なる色のトナー像を形成し、これらのトナー像を、中間転写部材である転写搬送ベルトを介して、又は、転写搬送ベルト上を搬送中に直接に、普通紙やOHPシート等の最終的な転写材上に順次転写させてカラー画像を得るタンデム方式の画像形成装置がある。
【0009】
このようなタンデム方式の画像形成装置は、従来の一つの感光体ドラムを用いて転写ドラムに紙を巻き付けてトナー画像を重ね合わせする方式に対して、画像形成速度が速い等の利点を有している。また、前述した非磁性トナーを用いる場合は、高画質化及びカラー対応等の点において優れていると言われている。
【0010】
近年の環境問題への配慮等から、転写材上に転写されたトナーを定着する装置に使用していたシリコンオイル等を使用せず、定着装置との離形性を上げるためにワックス等の各種添加物をトナー自身に添加する技術が採用されている。また、カラー電子写真方式を採用する画像形成装置においては、2色以上のトナーを重ねた後に定着を行うため、より定着性の高いトナーが求められている。さらに省エネのため、より低い温度において定着可能とするために平均分子量の低いトナーを用いる方向にある。
【0011】
【特許文献1】
特公昭62−12510号公報
【特許文献2】
特公平7−117788号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前述したようなトナーは、従来のトナーに対して柔らかく、感光体ドラムの表面に付着し易い。このようなトナーを、特許文献1に開示されたような画像形成装置に使用した場合、トナーに添加された添加物が感光体ドラムの表面にこびりつく現象(以下、感光体フィルミングという)が起こる場合があるという問題があった。
【0013】
また、前述したタンデム方式の画像形成装置においては、上流側のトナー像形成部において一旦転写材上に転写された未定着トナーが、下流側のトナー像形成部の感光体ドラムに転写する、所謂、逆転写現象(リトランスファー)が発生する場合があり、この逆転写現象が発生した場合は良好なカラー画像を得ることが難しい。すなわち、最上流部に位置する第1色目のトナー像形成部の感光体ドラムにおいて転写材上に転写されたトナー像が、下流の第2〜第4色目の転写時にそれらの感光体ドラムに逆転写され、また、同様に第2色目のトナー像が、第3色目及び第4色目の転写時にそれらの感光体ドラムに逆転写され、さらに、第3色目のトナー像が、第4色目の転写時にその感光体ドラムに逆転写される。このようにして第4色目のトナー像が転写材上に転写された後では、転写材上の第1色目のトナー像のトナー付着量は、転写材に転写された直後の付着量に対して数10%も減少する場合があり、逆転写現象が発生した場合は良好なカラー画像を得ることが難しいという問題もあった。
【0014】
さらに、本来はトナーを付着させない白地部にトナーが薄く付着する「かぶり」と呼ばれる現象は、トナー像を重ね合わせる回数によって増加するため、前述したタンデム方式の画像形成装置においては、従来に対して各色とも小さいレベルに抑制しなければならないという問題もあった。
【0015】
前述の特許文献2に記載された画像形成方法は、カラー画像形成を行うタンデム方式の画像形成装置については考慮されておらず、各色の転写が繰り返されるタンデム方式の画像形成装置においては、逆転写現象によるトナー像の濃度低下、及び各色のかぶりが重ね合わされることによるかぶりの程度悪化が容易に予測でき、高画質な画像形成装置を実現することは困難である。また、近年のプリンター及びコピー機等は高解像度かつ高画質を要求されており、トナー像の濃度及びかぶりを達成しつつ高画質を実現するためには、前述の特許文献2に記載されたように、粒径が9μm以上から12μm以下の間であるトナーでは不十分である。
【0016】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、感光体ドラム及び現像ローラの速度比を最適にすることにより、感光体フィルミングを防止すると共に、かぶりを抑制することができるカラー画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、トナーの搬送量を最適にすることにより、転写材上に転写されたトナー像の濃度を確保すると共に、かぶりを抑制することができるカラー画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明は、ブレード板を現像ローラへ付勢する力を最適にすることにより、感光体ドラムに供給するトナー量を適正値にできるカラー画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は、より小さい粒径のトナーを使用することにより高画質を実現できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0020】
さらに、本発明は、現像ローラによってトナーを十分に帯電させることにより、トナー像の濃度を確保できるだけのトナーを感光体ドラムに供給することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカラー画像形成方法は、静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体に、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持させ、担持された現像剤の層厚を、前記現像剤担持体へ向けて付勢された規制部材により規制し、規制後の現像剤を前記潜像形成体に供給して前記静電潜像を現像し、現像した像を転写材に転写する一連の動作によって形成される複数の色成分夫々の画像を同一の転写材に重ね合わせることによりカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、前記潜像形成体の周速度Vpと、前記現像剤担持体の周速度Vdとの比Vd/Vpの値を0.8以上から0.95以下の間となるように前記潜像形成体及び現像剤担持体を回転させることを特徴とする。
【0022】
本発明に係る画像形成装置は、静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持し、前記潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体と、該現像剤担持体を回転させる回転駆動部と、前記現像剤担持体に向けて付勢され、担持された現像剤の層厚を規制する規制部材とを備える像形成部が複数並設されており、前記静電潜像を現像した像が転写される転写材を前記像形成部の夫々に順次搬送して画像形成をする画像形成装置において、前記回転駆動部を、前記潜像形成体の周速度Vpと、前記現像剤担持体の周速度Vdとの比Vd/Vpの値が0.8以上から0.95以下の間となるように構成したことを特徴とする。
【0023】
前記各発明においては、潜像形成体の周速度Vpと現像剤担持体の周速度Vdとの比Vd/Vpの値を0.8以上から0.95以下の間としたから、現像剤担持体が潜像形成体に対して十分な掻き取り効果を有しており、現像剤が付着する必要のない白地部のかぶりを抑制することができると共に、感光体フィルミングを防止できる。Vd/Vp比の値を0.8未満とした場合は、潜像形成体に現像剤を十分に供給できず、画像濃度が薄くなり要件を満足しない。また、Vd/Vp比の値を0.95超過とした場合は、現像剤担持体の掻き取り効果が十分でなく、かぶりの要件を満足しない。
【0024】
本発明に係るカラー画像形成方法は、静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体に、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持させ、担持された現像剤の層厚を、前記現像剤担持体へ向けて付勢された規制部材により規制し、規制後の現像剤を前記潜像形成体に供給して前記静電潜像を現像し、現像した像を転写材に転写する一連の動作によって形成される複数の色成分夫々の画像を同一の転写材に重ね合わせることによりカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、前記規制部材を付勢する力によって、規制後に担持された現像剤の量が0.5mg/cm2 以上から1.0mg/cm2 以下の間となるように設定することを特徴とする。
【0025】
本発明に係る画像形成装置は、静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持し、前記潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体と、該現像剤担持体を回転させる回転駆動部と、前記現像剤担持体に向けて付勢され、担持された現像剤の層厚を規制する規制部材とを備える像形成部が複数並設されており、前記静電潜像を現像した像が転写される転写材を前記像形成部の夫々に順次搬送して画像形成をする画像形成装置において、前記規制部材を付勢する力によって、規制後に担持された現像剤の量が0.5mg/cm2 以上から1.0mg/cm2 以下の間となるように構成したことを特徴とする。
【0026】
前記各発明においては、規制部材を付勢する力によって、規制後に担持された現像剤の量が0.5mg/cm2 以上から1.0mg/cm2 以下の間となるようにしたから、逆転写現象が生じ易いタンデム方式においても、画像濃度を確保できる十分な現像剤の量を潜像形成体に供給できると共に、かぶりを抑制することができる。規制後に担持された現像剤の量を0.5mg/cm2 未満とした場合は、画像濃度が薄くなり要件を満足しない。また、規制後に担持された現像剤の量を1.0mg/cm2 超過とした場合は、かぶりの要件を満足しない。
【0027】
本発明に係るカラー画像形成方法は、静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体に、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持させ、担持された現像剤の層厚を、前記現像剤担持体へ向けて付勢された規制部材により規制し、規制後の現像剤を前記潜像形成体に供給して前記静電潜像を現像し、現像した像を転写材に転写する一連の動作によって形成される複数の色成分夫々の画像を同一の転写材に重ね合わせることによりカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、前記現像剤担持体に現像剤が担持されていない状態における前記現像剤担持体と前記規制部材との接触線圧を25gf/cm以上から70gf/cm未満の間にすることを特徴とする。
【0028】
本発明に係る画像形成装置は、静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持し、前記潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体と、該現像剤担持体を回転させる回転駆動部と、前記現像剤担持体に向けて付勢され、担持された現像剤の層厚を規制する規制部材とを備える像形成部が複数並設されており、前記静電潜像を現像した像が転写される転写材を前記像形成部の夫々に順次搬送して画像形成をする画像形成装置において、前記現像剤担持体に現像剤が担持されていない状態における前記現像剤担持体と前記規制部材との接触線圧が25gf/cm以上から70gf/cm未満の間になるように構成したことを特徴とする。
【0029】
前記各発明においては、現像剤担持体に現像剤が担持されていない状態における現像剤担持体と規制部材との接触線圧を25gf/cm以上から70gf/cm未満の間としたから、潜像形成体に供給する現像剤の量を最適にすることができ、画像濃度を確保できる十分な現像剤の量を潜像形成体に供給すると共に、かぶりを抑制することができる。接触線圧を25gf/cm未満にした場合は、規制後の現像剤の量が多くなり、かぶりの要件を満足しない。また、接触線圧を70gf/cm以上とした場合は、規制後の現像剤の量が少なくなり、画像濃度が薄く、要件を満足しない。
【0030】
本発明に係るカラー画像形成方法は、静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体に、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持させ、担持された現像剤の層厚を、前記現像剤担持体へ向けて付勢された規制部材により規制し、規制後の現像剤を前記潜像形成体に供給して前記静電潜像を現像し、現像した像を転写材に転写する一連の動作によって形成される複数の色成分夫々の画像を同一の転写材に重ね合わせることによりカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、前記潜像形成体の周速度Vpと、前記現像剤担持体の周速度Vdとの比Vd/Vpの値を0.8以上から0.95以下の間となるように前記潜像形成体及び現像剤担持体を回転させ、かつ、前記規制部材を付勢する力によって、規制後に担持された現像剤の量が0.5mg/cm2 以上から1.0mg/cm2 以下の間となるように設定することを特徴とする。
【0031】
本発明に係る画像形成装置は、静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持し、前記潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体と、該現像剤担持体を回転させる回転駆動部と、前記現像剤担持体に向けて付勢され、担持された現像剤の層厚を規制する規制部材とを備える像形成部が複数並設されており、前記静電潜像を現像した像が転写される転写材を前記像形成部の夫々に順次搬送して画像形成をする画像形成装置において、前記回転駆動部を、前記潜像形成体の周速度Vpと、前記現像剤担持体の周速度Vdとの比Vd/Vpの値が0.8以上から0.95以下の間となるように構成し、かつ、前記規制部材を付勢する力によって、規制後に担持された現像剤の量が0.5mg/cm2 以上から1.0mg/cm2 以下の間となるように構成したことを特徴とする。
【0032】
前記各発明においては、潜像形成体の周速度Vpと現像剤担持体の周速度Vdとの比Vd/Vpの値を0.8以上から0.95以下の間とし、かつ、規制部材を付勢する力によって、規制後に担持された現像剤の量が0.5mg/cm2 以上から1.0mg/cm2 以下の間となるようにしたから、潜像形成体に適量の現像剤を供給でき、感光体フィルミングの防止、かぶりの抑制及び画像濃度の確保ができる。
【0033】
本発明に係るカラー画像形成方法においては、前記現像剤担持体に現像剤が担持されていない状態における前記現像剤担持体と前記規制部材との接触線圧を25gf/cm以上から70gf/cm未満の間にすることを特徴とする。
【0034】
本発明に係る画像形成装置においては、前記現像剤担持体に現像剤が担持されていない状態における前記現像剤担持体と前記規制部材との接触線圧が25gf/cm以上から70gf/cm未満の間になるように構成したことを特徴とする。
【0035】
前記各発明においては、更に、現像剤担持体に現像剤が担持されていない状態における現像剤担持体と規制部材との接触線圧を25gf/cm以上から70gf/cm未満の間としたから、現像剤担持体に担持される現像剤を適量に規制でき、適量となった現像剤を潜像形成体に供給できる。よって、感光体フィルミングの防止、かぶりの抑制及び画像濃度の確保ができる。
【0036】
本発明に係るカラー画像形成方法においては、前記現像剤は、粒径が4μm以上から9μm以下の間のものを使用することを特徴とする。
【0037】
本発明に係る画像形成装置においては、前記現像剤の粒径を4μm以上から9μm以下の間としたことを特徴とする。
【0038】
本発明においては、更に、現像剤の粒径を4μm以上から9μm以下の間としたから、高画質な画像形成ができる。粒径が4μm未満の現像剤は、現像剤製造上の問題及び潜像形成体の現像剤を掃除するクリーニング装置の問題等から実使用上、困難であり、粒径が9μm超過の現像剤は、現像剤の飛び散り及び文字の潰れ等から高画質の画像形成ができない。
【0039】
本発明に係る画像形成装置においては、前記現像剤担持体は、表層にコート層を備えることを特徴とする。
【0040】
本発明においては、更に、現像剤担持体に表層をなすコート層を備えたから、コート層によって現像剤を十分に帯電させることができ、画像濃度を確保できる十分な現像剤の量を潜像形成体に供給できる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置であるデジタルカラー複写機の構成を示す一部の縦断面図である。
【0042】
図において1は複写機本体であり、複写機本体1の上部には、原稿台111及び操作パネル(図示せず)が配設されており、この原稿台111の上側には原稿台111に対して開閉可能な状態に支持され、原稿台111の面に対して所定の位置関係をもって両面自動原稿送り装置(RADF:Reversing Automatic DocumentFeeder )112が装着されている。
【0043】
この両面自動原稿送り装置112は、複写しようとする原稿の一方の面が原稿台111の所定位置に位置するように原稿を搬送し、この一方の面についての画像読み取りが終了した後に、他方の面が原稿台111の所定位置に位置するように原稿を反転して原稿台111に向かって搬送するようになしてある。また、1枚の原稿について両面の画像読み取りが終了した後にこの原稿を排出し、次の原稿についての両面搬送動作を実行するようになしてある。この原稿の搬送および表裏反転の動作は、複写機本体1の動作に関連して制御されている。
【0044】
原稿台111の下側には、両面自動原稿送り装置112により原稿台111上に搬送されてきた原稿の画像を読み取るために、原稿台111の下面に沿って平行に往復移動する原稿走査体113,114と、光学レンズ115と、光電変換素子であるCCDラインセンサ116とを備える画像読み取り部110が配設されている。
【0045】
原稿走査体113は、読み取りしようとする原稿の一面を露光する露光ランプ1131と、原稿からの反射光像を所定の方向に向かって偏向する第1ミラー1132とを備え、原稿台111の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査速度において平行に往復移動するようになしてある。
【0046】
原稿走査体114は、原稿走査体113の第1ミラー1132により偏向された原稿からの反射光像をさらに所定の方向に向かって偏向する第2ミラー1141及び第3ミラー1142を備え、原稿走査体113と一定の速度関係を保って平行に往復移動するようになしてある。
【0047】
光学レンズ115は、原稿走査体114の第3ミラー1142により偏向された原稿からの反射光像を縮小し、縮小された光像をCCDラインセンサ116上の所定位置に結像させるようになしてある。
【0048】
CCDラインセンサ116は、結像された光像を順次光電変換して電気信号として出力するものであり、白黒画像又はカラー画像を読み取り、R(赤),G(緑),B(青)の各色成分に色分解したラインデータを出力することのできる3ラインのカラーCCDである。このCCDラインセンサ116により電気信号に変換された原稿画像情報は、さらに、図示しない画像処理部へ転送されて所定の画像データ処理が施される。
【0049】
次に、画像形成部210の構成及びこれに関係する各部の構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置である図1に示されているデジタルカラー複写機の画像形成部210の構成を示す縦断面図である。
【0050】
画像読み取り部110の下側には、画像形成部210が配設されており、この画像形成部210の更に下側には、用紙トレイ内に積載収容されている用紙(記録媒体)Pを1枚ずつ分離して画像形成部210に向かって供給する給紙機構11が配設されている。
【0051】
1枚ずつ分離供給された用紙Pは、画像形成部210の上流側に配設された一対のレジストローラ12によりタイミングが制御されて画像形成部210に搬送されるようになしてある。また、片面に画像が形成された用紙Pは、画像形成部210の画像形成にタイミングを合わせて画像形成部210に再供給搬送されるようになしてある。
【0052】
画像形成部210と給紙機構11との間には、駆動ローラ14と従動ローラ15との間に略平行に伸びるように張架された転写搬送ベルト16に用紙Pを静電吸着させ、図2において矢印Zにより示す方向に搬送させる転写搬送ベルト機構13が配設されている。この転写搬送ベルト機構13の転写搬送ベルト16の下側には、画像調整用の基準パターン画像の濃度を検出するパターン画像検出ユニット32が近接して配設されている。
【0053】
転写搬送ベルト機構13の下流側には、用紙P上に転写形成されたトナー像を用紙P上に定着させるための定着装置17が配設されている。この定着装置17が備える一対の定着ローラ間のニップを通過した用紙Pは、搬送方向を切り換える切り換えゲート18を経て、排出ローラ19により複写機本体1の外壁に取り付けられている排紙トレイ20上に排出されるようになしてある。
【0054】
切り換えゲート18は、定着後の用紙Pの搬送経路を、複写機本体1の外部へ用紙Pを排出する経路と、画像形成部210に向かって用紙Pを再供給する経路との間を選択的に切り換えるものである。切り換えゲート18により再び画像形成部210に向かって搬送方向が切り換えられた用紙Pは、スイッチバック搬送経路21を介して表裏反転された後、画像形成部210へと再度供給される。
【0055】
画像形成部210は、用紙P上にトナー画像を形成する像形成部である画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdと、画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdが備える感光体ドラム22a,22b,22c,22dを露光するためのレーザービームスキャナユニット27a,27b,27c,27dとを備える。
【0056】
画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdは、前述した転写搬送ベルト16に近接して、第1の画像形成ステーションPa、第2の画像形成ステーションPb、第3の画像形成ステーションPc及び第4の画像形成ステーションPdが、転写搬送ベルト16の上流側から順に並設されている。これらの画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdは実質的に同一の構成とされており、また、レーザービームスキャナユニット27a,27b,27c,27dも実質的に同一の構成とされている。このため、以下の説明において、同一構成の説明の符号は、第1の画像形成ステーションPa及びレーザービームスキャナユニット27aのものを代表して記載し、第2、3及び4の画像形成ステーションPb,Pc,Pd並びにレーザービームスキャナユニット27b,27c,27dのものに対応する符号は省略する。
【0057】
第1の画像形成ステーションPaは、図2に示す矢印F方向に回転駆動され、静電潜像が形成される潜像形成体である感光体ドラム22aと、感光体ドラム22aをそれぞれ一様に帯電する帯電器23aと、感光体ドラム22a上に形成された静電潜像をそれぞれ現像する現像装置24aと、現像された感光体ドラム22a上のトナー像を用紙Pへ転写する転写用放電器25aと、感光体ドラム22a上に残留するトナーを除去するクリーニング装置26aとを備える。これらの帯電器23a、現像装置24a、転写用放電器25a及びクリーニング装置26aは、感光体ドラム22aの回転方向Fに沿って周辺に順次配設されている。
【0058】
レーザービームスキャナユニット27aは、感光体ドラム22aの上側に配設されており、画像データに応じて変調されたドット光を発する半導体レーザ素子(図示せず)と、半導体レーザ素子からのレーザービームを主走査方向に偏向させるためのポリゴンミラー40と、ポリゴンミラー40により偏向されたレーザビームを感光体ドラム22aの表面に結像させるための非軸対称非球面レンズ(fθレンズ)41と、ミラー42,43とを備える。
【0059】
レーザービームスキャナユニット27aにはカラー原稿画像の黒色成分像に対応する画素信号が、レーザービームスキャナユニット27bにはカラー原稿画像のシアン色成分像に対応する画素信号が、レーザービームスキャナユニット27cにはカラー原稿画像のマゼンタ色成分像に対応する画素信号が、そして、レーザービームスキャナユニット27dにはカラー原稿画像のイエロー色成分像に対応する画素信号がそれぞれ入力されるようになしてある。
【0060】
これにより色変換された原稿画像情報に対応する静電潜像が各感光体ドラム22a,22b,22c,22d上に形成される。現像装置24aには黒色のトナーが、現像装置24bにはシアン色のトナーが、現像装置24cにはマゼンタ色のトナーが、現像装置24dにはイエロー色のトナーがそれぞれ収容されており、各感光体ドラム22a,22b,22c,22d上の静電潜像は、これら各色のトナーにより現像される。これにより、画像読み取り部110にて色変換された原稿画像情報が各色のトナー像として再現される。
【0061】
前述した第1の画像形成ステーションPaと給紙機構11との間には用紙吸着用帯電器28が配設されており、この吸着用帯電器28は、転写搬送ベルト16の表面を帯電させることにより、給紙機構11から供給された用紙Pを転写搬送ベルト16上に確実に吸着させた状態にして第1の画像形成ステーションPaから第4の画像形成ステーションPdの間をずれることなく搬送させるものである。
【0062】
また、第4の画像形成ステーションPdと定着装置17との間、かつ、駆動ローラ14の略真上には除電器29が配設されている。この除電器29には転写搬送ベルト16に静電吸着されている用紙Pを転写搬送ベルト16から分離するための交流電流が印加されている。
【0063】
前述したような構成のデジタルカラー複写機においては、用紙Pとしてカットシート状の紙が使用される。この用紙Pは、給紙カセットから送り出されて給紙機構11の給紙搬送経路のガイド内に供給されると、その用紙Pの先端部分がセンサ(図示せず)にて検知され、このセンサから出力される検知信号に基づいて一対のレジストローラ12により一旦停止される。
【0064】
この用紙Pは、各画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdとタイミングをとって図2の矢印Z方向に回転している転写搬送ベルト16上に送られる。このとき、転写搬送ベルト16には、前述したように吸着用帯電器28によって所定の帯電が施されていることより、用紙Pは、各画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdを通過する間、安定して搬送供給される。
【0065】
各画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdにおいては各色のトナー像がそれぞれ形成され、トナー像夫々は、転写搬送ベルト16により静電吸着されて搬送される用紙P上に重ね合わされる。第4の画像形成ステーションPdによる画像の転写が完了すると、用紙Pは、その先端部分から順次、除電器29により転写搬送ベルト16上から剥離され、定着装置17へと導かれる。最後に、トナー画像が定着された用紙Pは、用紙排出口(図示せず)から排紙トレイ20上へと排出される。
【0066】
尚、前述のデジタルカラー複写機では、レーザービームスキャナユニット27aによってレーザービームを走査して感光体ドラム22aを露光することにより、光書き込みを行なう。しかし、レーザービームスキャナユニット27aの代わりに、発光ダイオードアレイと結像レンズアレイからなる書き込み光学系(LEDヘッド)を用いてもよい。LEDヘッドは、レーザービームスキャナユニット27aに比べてサイズも小さく、また可動部分がなく無音である。よって、複数個の光書き込みユニットを必要とするタンデム方式のデジタルカラー複写機などの画像形成装置では、好適に用いることができる。
【0067】
図3は、本発明に係る画像形成装置の第1の画像形成ステーションPaを示す模式図であり、この第1の画像形成ステーションPaは、前述したLEDヘッドによって露光されるものである。尚、その他の画像形成ステーションPb,Pc,Pdについては、同一構成のため説明を省略する。
図4は、本発明に係る画像形成装置の現像ローラ34aの軸断面図である。その他の現像ローラ34b,34c,34dは、現像ローラ34aと同一構成のため説明を省略する。
【0068】
感光体ドラム22aの周辺には、感光体ドラム22aの表面電位を−500V一定になるように帯電させる帯電器23aと、感光体ドラム22aを露光し、静電潜像を感光体ドラム22aの表面上に形成するLEDヘッド37aと、感光体ドラム22aと所定のニップ幅において接触し、担持したトナーを感光体ドラム22aに供給することにより感光体ドラム22aの表面上に形成された静電潜像を現像する現像剤担持体である現像ローラ34aと、感光体ドラム22aの表面上に残留するトナーを除去するクリーニング装置26aとが、感光体ドラム22aの回転方向Fに沿って周辺に順次配設されている。
【0069】
感光体ドラム22aは、金属又は合成樹脂材料製の導電性基体と、導電性基体の表面に形成される下引き層と、下引き層の表面に形成される感光層とを備え、図に示すFの方向に回転するように構成されている。
【0070】
現像ローラ34aは、図に示すEの方向に回転するように構成されており、この回転は、モータ等の動力源と、歯車等により構成される動力伝達機構とを備える回転駆動部38aによって実現されている。
【0071】
現像ローラ34aは、導電性支持体340aを中心とし、その周りを弾性体341aによって覆うようにしてある。弾性体341aは、体積抵抗が例えば5×106 Ωcmのポリウレタンゴムにて形成されている。尚、現像ローラ34aと感光体ドラム22aとを所定のニップ幅にして接触させるために、弾性体341aは、カーボンブラックなどの導電化剤を添加することによって導電性と弾性とを有するゴム材料から選択される。例えば、ウレタン系ゴム、シリコン系ゴム、NBR(Nitrile−Butadiene Rubber)系ゴムを挙げることができる。また、弾性体341aは、天然ゴム(NR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)等のゴム材料によって形成してもよく、前述のように、ゴム材料中にカーボンブラックなどの導電性微粉末を含有せしめて、導電体化又は半導電体化したもの、また、導電性微粉末を含有しない絶縁層と、導電性微粉末を含有する導電層との二層構造にしてもよい。
【0072】
弾性体341aの表面には現像ローラ34aの表層をなすコート層342aを設けてある。このコート層342aは、トナーを担持する層であるため、トナーの搬送性、トナーフィルミングの防止性、耐摩性、トナーの所定極性への帯電性、弾性体341aとの接着性、及び弾性体341aの機械的変形への追従性等が良好となるような材料が選択される。例えば、ナイロンあるいはビニール、ウレタン樹脂やシリコーン樹脂や含フッ素樹脂などの材料が好適であり、コート層342aは、これらの合成樹脂をベース材料とし、トナーとの帯電を促進する材料と、導電性を確保するためのカーボンとを分散するなどの処理を行い、弾性体341a上にコーティングされたものである。
【0073】
現像ローラ34aの硬度は、アスカーCにおいて50〜90度が好ましく、体積抵抗率は、104 〜108 Ωcmが好ましく、106 〜107 Ωcmのとき、現像ローラ34aの特性が最も良くなる。
【0074】
尚、アスカーCとは、日本ゴム協会における硬度の規格であり、先端形状を球になした硬度測定用の針をスプリングの力によって試料の表面に押しつけ、試料の抗力とスプリングの力とがバランスしたときに、針が試料を押し込んでいる深さ(押し込み深さ)によって硬度を表したものである。アスカーCの規格では、55gの荷重をスプリングに与えたときの針の押し込み深さが、その針の最大変位と等しくなるような試料の硬度を0度とし、855gの荷重をスプリングに与えたときの針の押し込み深さが0となるような試料の硬度を100度に定めている。
【0075】
現像ローラ34aには、トナーを現像ローラ34aに供給するためのスポンジローラ35aを接触させて配設してあり、また、現像ローラ34aの表面上のトナー層厚を規制すると共に、トナーを帯電させる規制部材であるドクターブレード36aも接触させて配設してある。
【0076】
スポンジローラ35aは、体積抵抗率約105 Ωcm、セル密度80〜140個/インチ、アスカーC硬度60度〜アスカーC硬度30度の導電性ウレタンフォームからなる直径20mmの導電性弾性発泡体ローラである。
【0077】
ドクターブレード36aは、ステンレスやリン青銅等の薄板状バネ部材を用い、所要の圧接力を付与するように現像ローラ34aに当接させている。当接方法としては、自由端の方が固定端よりも現像ローラ34aの回転方向上流側に位置するカウンター当接方式を採用している。
【0078】
前述したような画像形成装置に使用されるトナーは、平均粒子径が4〜9μmとされた微粒子である。このような微粒子の製造方法としては、樹脂や着色剤等を溶融混練後、粉砕、分級するいわゆる粉砕法が一般的である。また、湿式法と呼ばれるトナーの製造方法が提案されており、この湿式法は、着色剤や添加剤などを分散させた単量体(モノマー)を分散安定剤の存在下に、水性媒体中において重合させる懸濁重合法、乳化重合法、又は特開平5−66600号公報若しくは特開平5−119529号公報等に記載されている転相乳化法等がある。
【0079】
トナーに使用する結着樹脂材料には、例えば、ポリスチレン又はポリスチレン−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂又はポリビニルブチラール樹脂等の群から選ばれる1種又は2種以上が用いられてもよい。また結着樹脂材料は、合成段階から結晶姓ワックス類又は非相溶性物質が予め微分散されたものであってもよい。しかしながら前述した結着樹脂材料の中でも、ポリエステル樹脂又はポリエーテルポリオール樹脂が、樹脂弾性などの熱的性質に優れていることから、これらを結着樹脂材料に用いることが望ましい。
【0080】
ポリエステル樹脂又はポリエーテルポリオール樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、トナーの熱定着性、保存安定性などの点から、50〜90℃なる範囲内が適切である。また、ポリエステル樹脂又はポリエーテルポリオール樹脂の数平均分子量(Mn)としては、3,000〜100,000なる範囲内が適切である。3,000未満である場合には粒子化が困難であり、100,000以上の場合には、転相乳化の際に高粘度となり、粒子径や分布の制御などに影響を与えるために好ましくない。
【0081】
トナーに用いられる着色剤としては、これまでに、トナー用材料として用いられているような各種の染料類や顔料類等であれば特別の制限は無く、以下に示されるような有機又は無機の各種、各色の染料や顔料が使用可能である。すなわち、黒色の着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリン・ブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト又はマグネタイト等が挙げられる。
【0082】
また、黄色の着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルーイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー…10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG又はタートラジンレーキ等の化合物が挙げられる。
【0083】
また、橙色の着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、べンジジンオレンジG又はインダスレンブリリアントオレンジGK等の化合物を挙げられる。
【0084】
また、赤色の着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ビラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ又はブリリアントカーミン3B等の化合物が挙げられる。
【0085】
また、紫色の着色剤としては、マンガン紫、ファストバイオレットB又はメチルバイオレットレーキ等の化合物が挙げられる。
【0086】
また、青色の着色剤としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー又はインダスレンブルーBC等の化合物が挙げられる。
【0087】
また、緑色の着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ又はファイナルイエローグリーンG等の化合物が挙げられる。
【0088】
さらに、白色の着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白又は硫化亜鉛等の化合物が挙げられる。
【0089】
静電潜像を現像するトナー中には、上記のような材料以外にも、マグネタイト、ヘマタイト若しくは各種フェライト等の磁性粉、オフセット防止剤又は帯電制御剤などの成分も必要に応じて配合できる。
【0090】
トナーの定着性の改良などの目的で用いられるオフセット防止剤は、これまでにトナー用材料として用いられているようなものであれば特別の制限は無く、以下に示されるようなものが使用可能である。例えば、パラフィンワックス、酸化パラフィンワックス若しくはマイクロクリスタリンワックス等のような石油ワックス、モンタンワックス等のような鉱物ワックス、みつろう若しくはカルナバワックス等のような動植物ワックス、又は、ポリオレフィンワックス(ポリエチレン若しくはポリプロピレン等)、酸化ポリオレフィンワックス若しくはフィッシャートロプシュワックス等のような合成ワックス等が挙げられる。これらオフセット防止剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0091】
帯電制御剤は、低分子化合物から高分子化合物まで種々の物質が使用できるが、例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、有機金属錯体、キレート化合物、アミノ基を育するモノマーを、単独重合、あるいは、共重合させた高分子化合物等が挙げられる。
【0092】
また、帯電調整及び表面抵抗調整などの目的で添加される外添剤又は流動化剤には、シリカ微粉体、酸化チタン微粉体又はアルミナ微粉体などの無機微粉体が好適に用いられる。これらの無機微粉体は、疎水化及び帯電性コントロールのために、シリコンワニス、各種変性シリコンワニス、シリコンオイル、各種変性シリコンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物のような処理剤で処理されているものであってもよい。また、前述した処理剤から選ばれる1種または2種以上が用いられてもよい。
【0093】
さらに、他の添加剤として、例えばポリテトラフルオロニチレン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッソ化ビニリデン又はシリコンオイル粒子(約40%のシリカ含有)等の滑剤が好適に用いられる。またトナー粒子と逆極性の白色微粒子を現像性向上剤として少量用いてもよい。
【0094】
以上、詳述したようなタンデム方式の画像形成装置において、本発明者らは、鋭意検討の結果、現像ローラ34aの周速度を感光体ドラム22aの周速度よりも遅くしつつ、その速度比と、現像ローラ34aによって感光体ドラム22aに供給されるトナーの搬送量とをある一定の範囲内に制御することにより、感光体フィルミングの防止、トナー像の濃度要件達成及びかぶりの要件達成を実現できることを見い出した。これについて以下に説明する。
【0095】
図5は、図3に示した第1の画像形成ステーションPa及びその他の画像形成ステーションPb,Pc,Pdを備えるタンデム方式の画像形成装置において、ドクターブレード36aによって規制された後に現像ローラ34aに担持されたトナー量を0.7mg/cm2 に設定し、感光体ドラム22aの周速度Vpと現像ローラ34aの周速度Vdとの比であるVd/Vpの値と、繰り返し画像形成を行って感光体フィルミングが発生したときの枚数との関係を示した図表である。
【0096】
他のトナー量でも同様のテストを行ったが、トナー量と感光体フィルミングが発生したときの枚数とが関連するデータは得られず、図5より感光体フィルミングを抑制するためには、Vd/Vp比の値を1.05未満にする必要があることが分かる。
【0097】
感光体フィルミングは、例えば、クリーニング装置26aが備えるクリーニングブレードを感光体ドラム22aに強く押しつけることにより、清掃することができるが、感光体ドラム22aが有機感光体のような柔らかい場合には、感光体ドラム22aの表層の膜厚の減少を引き起こし、感光体ドラム22aの寿命低下を招来することになり、望ましいものではない。
【0098】
図6は、感光体ドラム22aの周速度Vpと現像ローラ34aの周速度Vdとの比であるVd/Vpの値と、転写材に転写されたトナー像の濃度との関係を示すグラフであり、ドクターブレード36aによって規制された後に現像ローラ34aに担持されたトナー量を0.5mg/cm2 とした場合と、1.0mg/cm2 とした場合とを示している。尚、トナー像の濃度の測定はマクベス濃度計RD−914(マクベス社製)にて行った。
【0099】
このグラフより、トナー量を増加させた場合、トナー像の濃度が高くなる傾向にあり、また、Vd/Vp比の値を大きくした場合も、トナー像の濃度が高くなる傾向にあることが分かる。しかし、前述したように、感光体フィルミングを抑制するためには、Vd/Vp比の値を1.05未満にする必要がある。タンデム方式の画像形成装置においてフルカラーの画像を形成する場合は、トナー像の濃度を1.35以上に保つ必要があり、このことから、トナー量を0.5mg/cm2 とした場合は、Vd/Vp比の値を0.8以上にする必要があることが分かる。
【0100】
図7は、感光体ドラム22aの周速度Vpと現像ローラ34aの周速度Vdとの比であるVd/Vpの値と、かぶりとの関係を示すグラフであり、ドクターブレード36aによって規制された後に現像ローラ34aに担持されたトナー量を0.5mg/cm2 とした場合と、1.0mg/cm2 とした場合とを示している。尚、かぶりの測定は日本電色(株)型番Σ90を使用した。画像出力前の白紙の白度を測定し、その紙を使用して白地部の画像出力を行い、同じ場所を再度測定し、出力前と出力後の白度の差分値をかぶりの値とした。
【0101】
トナー量が多くなると、かぶりが悪い傾向であることがわかる。ユーザーを満足させるためには、かぶりの値を1.0以下とする必要があり、これを満たすには、トナー量を1.0mg/cm2 とした場合、Vd/Vp比の値を0.95以下又は1.05以上とした場合のみ満たすことになる。尚、トナー量をこれよりも多くした場合、Vd/Vp比の値を何れにしても、かぶりの値を1.0以下にできない。
【0102】
以上のことから、タンデム方式の画像形成装置において、感光体フィルミングの防止、トナー像の濃度要件達成及びかぶりの要件達成を実現できる条件は、感光体ドラム22aの周速度Vpと現像ローラ34aの周速度Vdとの比であるVd/Vpの値を0.8以上から0.95以下の間とし、かつ、ドクターブレード36aによって規制された後の現像ローラ34aに担持されたトナーの量を0.5mg/cm2 以上から1.0mg/cm2 以下の間としたときであった。
【0103】
図8は、現像ローラ34aのコート層342aの厚みと、トナーの帯電量との関係を示したグラフである。
【0104】
トナーの帯電量が15μc/gより小さい場合、トナーの追従性が悪くなり、ベタ画像の後端が薄くなる現象が生じる。図8のグラフから分かるように、現像ローラ34aにコート層を設けることによって、トナーを安定して帯電することが可能になる。コート層の適正な厚さは、システム、及びトナーの種類などにより、特性は変化するため、コート層の厚みはそれに応じて適正に設ける必要がある。
【0105】
図9は、ドクターブレード36aと現像ローラ34aとの接触線圧(gf/cm)と、ドクターブレード36aによって規制された後に現像ローラ34aに担持されたトナー層厚との関係を示したグラフである。
【0106】
このグラフから、ドクターブレード36aと現像ローラ34aとの接触線圧が上昇した場合、トナー量が減少することが分かる。トナー量を前述した範囲に設定するためには、25gf/cm以上から70gf/cm未満の間に設定することが好ましい。ドクターブレード36aと現像ローラ34aとの接触線圧を上昇しすぎた場合、ドクターブレード36aの作用により、現像ローラ34aを回転させるためのトルクが上昇する。また、現像ローラ34a上にドクターブレード36aの押し跡が付く等の不具合が発生するため、ドクターブレード36aと現像ローラ34aとの接触線圧を無為に上昇させるのは好ましくない。
【0107】
図10(a)は、本発明に係る画像形成装置において、平均粒径12μmのトナーを使用して出力した画像を示す図面であり、図10(b)は、平均粒径9μmのトナーを使用して出力した画像を示す図面である。
【0108】
平均粒径12μmのトナーを使用した場合と、平均粒径9μmのトナーを使用した場合とでは、画質の差が大きく、平均粒径12μmのトナーを使用した場合、「雨」の部分の4つの点は潰れて上下の点が1つになるのに対し、平均粒径9μmのトナーを使用した場合、「雨」の部分の4つの点は潰れず区別できる。また、線の輪郭にも差があり、平均粒径12μmのトナーを使用した場合は高画質と言えない。尚、トナー製造装置及びクリーニング装置26a上の問題から、平均粒径4μm未満のトナーは実使用が困難である。よって本発明の画像形成装置において、高画質を実現できるトナーの平均粒径は4μm以上から9μm以下の間であった。
【0109】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明に係るカラー画像形成方法においては、静電潜像が形成される回転可能な感光体ドラムと接触した回転可能な現像ローラにトナーを担持させ、担持されたトナーの層厚を、現像ローラへ向けて付勢されたドクターブレードにより規制し、規制後のトナーを感光体ドラムに供給して静電潜像を現像し、現像した像を転写材に転写する一連の動作によって形成される複数の色成分夫々の画像を同一の転写材に重ね合わせることによりカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、感光体ドラムの周速度Vpと、現像ローラの周速度Vdとの比Vd/Vpの値を0.8以上から0.95以下の間となるように前記感光体ドラム及び現像ローラを回転させるから、現像ローラが感光体ドラムに対して十分な掻き取り効果を有しており、トナーが付着する必要のない白地部のかぶりを抑制することができると共に、感光体フィルミングを防止できる。よって、要求される高画質のカラー画像形成が実現できる。
【0110】
また、本発明に係るカラー画像形成方法においては、静電潜像が形成される回転可能な感光体ドラムと接触した回転可能な現像ローラにトナーを担持させ、担持されたトナーの層厚を、現像ローラへ向けて付勢されたドクターブレードにより規制し、規制後のトナーを感光体ドラムに供給して静電潜像を現像し、現像した像を転写材に転写する一連の動作によって形成される複数の色成分夫々の画像を同一の転写材に重ね合わせることによりカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、ドクターブレードを付勢する力によって、規制後に担持されたトナーの量が0.5mg/cm2 以上から1.0mg/cm2 以下の間となるように設定するから、逆転写現象が生じ易いタンデム方式においても十分な画像濃度を確保できるトナーを感光体ドラムに供給できると共に、かぶりを抑制することができる。よって、要求される高画質のカラー画像形成が実現できる。
【0111】
また、本発明に係るカラー画像形成方法においては、静電潜像が形成される回転可能な感光体ドラムと接触した回転可能な現像ローラにトナーを担持させ、担持されたトナーの層厚を、現像ローラへ向けて付勢されたドクターブレードにより規制し、規制後のトナーを感光体ドラムに供給して静電潜像を現像し、現像した像を転写材に転写する一連の動作によって形成される複数の色成分夫々の画像を同一の転写材に重ね合わせることによりカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、現像ローラにトナーが担持されていない状態における現像ローラとドクターブレードとの接触線圧を25gf/cm以上から70gf/cm未満の間とするから、感光体ドラムに供給するトナーの量を最適にすることができ、画像濃度を確保できる十分なトナーの量を感光体ドラムに供給すると共に、かぶりを抑制することができる。よって、要求される高画質のカラー画像形成が実現できる。
【0112】
また、本発明に係るカラー画像形成方法においては、静電潜像が形成される回転可能な感光体ドラムと接触した回転可能な現像ローラにトナーを担持させ、担持されたトナーの層厚を、現像ローラへ向けて付勢されたドクターブレードにより規制し、規制後のトナーを感光体ドラムに供給して静電潜像を現像し、現像した像を転写材に転写する一連の動作によって形成される複数の色成分夫々の画像を同一の転写材に重ね合わせることによりカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、感光体ドラムの周速度Vpと、現像ローラの周速度Vdとの比Vd/Vpの値を0.8以上から0.95以下の間となるように前記感光体ドラム及び現像ローラを回転させ、かつ、ドクターブレードを付勢する力によって、規制後に担持されたトナーの量が0.5mg/cm2 以上から1.0mg/cm2 以下の間となるように設定するから、感光体ドラムに適量のトナーを供給でき、感光体フィルミングの防止、かぶりの抑制及び画像濃度の確保ができる。よって、要求される高画質のカラー画像形成が実現できる。
【0113】
また、本発明に係るカラー画像形成方法においては、現像ローラとドクターブレードとの接触線圧を25gf/cm以上から70gf/cm未満の間とするから、現像ローラに担持されるトナーを適量に規制でき、適量となったトナーを感光体ドラムに供給できる。よって、感光体フィルミングの防止、かぶりの抑制及び画像濃度の確保ができ、要求される高画質のカラー画像形成が実現できる。
【0114】
また、本発明に係るカラー画像形成方法においては、粒径が4μm以上から9μm以下の間のトナーを使用するから、要求される高画質のカラー画像形成が実現できる。
【0115】
また、本発明に係る画像形成装置においては、静電潜像が形成される回転可能な感光体ドラムと、トナーを担持し、感光体ドラムと接触する回転可能な現像ローラと、現像ローラを回転させる回転駆動部と、現像ローラに向けて付勢され、現像ローラに担持されたトナーの層厚を規制するドクターブレードとを備える画像形成ステーションが複数並設されており、静電潜像を現像した像が転写される転写材を画像形成ステーションの夫々に順次搬送して画像形成をする画像形成装置において、回転駆動部を、感光体ドラムの周速度Vpと、現像ローラの周速度Vdとの比Vd/Vpの値が0.8以上から0.95以下の間となるように構成したから、現像ローラが感光体ドラムに対して十分な掻き取り効果を有しており、トナーが付着する必要のない白地部のかぶりを抑制することができると共に、感光体フィルミングを防止できる。よって、要求される高画質の画像形成が可能な画像形成装置が実現できる。
【0116】
また、本発明に係る画像形成装置においては、静電潜像が形成される回転可能な感光体ドラムと、トナーを担持し、感光体ドラムと接触する回転可能な現像ローラと、現像ローラを回転させる回転駆動部と、現像ローラに向けて付勢され、現像ローラに担持されたトナーの層厚を規制するドクターブレードとを備える画像形成ステーションが複数並設されており、静電潜像を現像した像が転写される転写材を画像形成ステーションの夫々に順次搬送して画像形成をする画像形成装置において、ドクターブレードを付勢する力によって、規制後に担持されたトナーの量が0.5mg/cm2 以上から1.0mg/cm2 以下の間となるように構成したから、逆転写現象が生じ易いタンデム方式においても十分な画像濃度を確保できるトナーを感光体ドラムに供給できると共に、かぶりを抑制することができる。よって、要求される高画質の画像形成が可能な画像形成装置が実現できる。
【0117】
また、本発明に係る画像形成装置においては、静電潜像が形成される回転可能な感光体ドラムと、トナーを担持し、感光体ドラムと接触する回転可能な現像ローラと、現像ローラを回転させる回転駆動部と、現像ローラに向けて付勢され、現像ローラに担持されたトナーの層厚を規制するドクターブレードとを備える画像形成ステーションが複数並設されており、静電潜像を現像した像が転写される転写材を画像形成ステーションの夫々に順次搬送して画像形成をする画像形成装置において、現像ローラとドクターブレードとの接触線圧を25gf/cm以上から70gf/cm未満の間となるように構成したから、感光体ドラムに供給するトナーの量を最適にすることができ、画像濃度を確保できる十分なトナーの量を感光体ドラムに供給すると共に、かぶりを抑制することができる。よって、要求される高画質の画像形成が可能な画像形成装置が実現できる。
【0118】
また、本発明に係る画像形成装置においては、静電潜像が形成される回転可能な感光体ドラムと、トナーを担持し、感光体ドラムと接触する回転可能な現像ローラと、現像ローラを回転させる回転駆動部と、現像ローラに向けて付勢され、現像ローラに担持されたトナーの層厚を規制するドクターブレードとを備える画像形成ステーションが複数並設されており、静電潜像を現像した像が転写される転写材を画像形成ステーションの夫々に順次搬送して画像形成をする画像形成装置において、回転駆動部を、感光体ドラムの周速度Vpと、現像ローラの周速度Vdとの比Vd/Vpの値が0.8以上から0.95以下の間となるように構成し、かつ、ドクターブレードを付勢する力によって、規制後に担持されたトナーの量が0.5mg/cm2 以上から1.0mg/cm2 以下の間となるように構成したから、感光体ドラムに適量のトナーを供給でき、感光体フィルミングの防止、かぶりの抑制及び画像濃度の確保ができる。よって、要求される高画質の画像形成が可能な画像形成装置が実現できる。
【0119】
また、本発明に係る画像形成装置においては、現像ローラとドクターブレードとの接触線圧を25gf/cm以上から70gf/cm未満の間となるように構成したから、現像ローラに担持されるトナーを適量に規制でき、適量となったトナーを感光体ドラムに供給できる。よって、感光体フィルミングの防止、かぶりの抑制及び画像濃度の確保ができ、要求される高画質の画像形成が可能な画像形成装置が実現できる。
【0120】
また、本発明に係る画像形成装置においては、トナーの粒径を4μm以上から9μm以下の間としたから、高画質な画像形成装置を提供することができる。
【0121】
さらに、本発明に係る画像形成装置においては、表層をなすコート層を現像ローラに備えたから、コート層によってトナーを十分に帯電させることができ、画像濃度を確保できる十分な現像剤の量を潜像形成体に供給できる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置であるデジタルカラー複写機の構成を示す一部の縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置である図1に示されているデジタルカラー複写機の画像形成部の構成を示す縦断面図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の第1の画像形成ステーションを示す模式図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の現像ローラの軸断面図である。
【図5】感光体ドラムの周速度Vpと現像ローラの周速度Vdとの比であるVd/Vpの値と、繰り返し画像形成を行って感光体フィルミングが発生したときの枚数との関係を示した図表である。
【図6】感光体ドラムの周速度Vpと現像ローラの周速度Vdとの比であるVd/Vpの値と、転写材に転写されたトナー像の濃度との関係を示すグラフである。
【図7】感光体ドラムの周速度Vpと現像ローラの周速度Vdとの比であるVd/Vpの値と、かぶりとの関係を示すグラフである。
【図8】現像ローラのコート層の厚みと、トナーの帯電量との関係を示したグラフである。
【図9】ドクターブレードと現像ローラとの接触線圧(gf/cm)と、ドクターブレードによって規制された後に現像ローラに担持されたトナー層厚との関係を示したグラフである。
【図10】本発明に係る画像形成装置において、平均粒径12μmのトナーを使用して出力した画像を示す図面、及び平均粒径9μmのトナーを使用して出力した画像を示す図面である。
【符号の説明】
1 複写機本体(画像形成装置)
22a 感光体ドラム(潜像形成体)
34a 現像ローラ(現像剤担持体)
36a ドクターブレード(規制部材)
38a 回転駆動部
Pa 画像形成ステーション(像形成部)
342a コート層
Claims (13)
- 静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体に、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持させ、担持された現像剤の層厚を、前記現像剤担持体へ向けて付勢された規制部材により規制し、規制後の現像剤を前記潜像形成体に供給して前記静電潜像を現像し、現像した像を転写材に転写する一連の動作によって形成される複数の色成分夫々の画像を同一の転写材に重ね合わせることによりカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、
前記潜像形成体の周速度Vpと、前記現像剤担持体の周速度Vdとの比Vd/Vpの値を0.8以上から0.95以下の間となるように前記潜像形成体及び現像剤担持体を回転させることを特徴とするカラー画像形成方法。 - 静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体に、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持させ、担持された現像剤の層厚を、前記現像剤担持体へ向けて付勢された規制部材により規制し、規制後の現像剤を前記潜像形成体に供給して前記静電潜像を現像し、現像した像を転写材に転写する一連の動作によって形成される複数の色成分夫々の画像を同一の転写材に重ね合わせることによりカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、
前記規制部材を付勢する力によって、規制後に担持された現像剤の量が0.5mg/cm2 以上から1.0mg/cm2 以下の間となるように設定することを特徴とするカラー画像形成方法。 - 静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体に、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持させ、担持された現像剤の層厚を、前記現像剤担持体へ向けて付勢された規制部材により規制し、規制後の現像剤を前記潜像形成体に供給して前記静電潜像を現像し、現像した像を転写材に転写する一連の動作によって形成される複数の色成分夫々の画像を同一の転写材に重ね合わせることによりカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、
前記現像剤担持体に現像剤が担持されていない状態における前記現像剤担持体と前記規制部材との接触線圧を25gf/cm以上から70gf/cm未満の間にすることを特徴とするカラー画像形成方法。 - 静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体に、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持させ、担持された現像剤の層厚を、前記現像剤担持体へ向けて付勢された規制部材により規制し、規制後の現像剤を前記潜像形成体に供給して前記静電潜像を現像し、現像した像を転写材に転写する一連の動作によって形成される複数の色成分夫々の画像を同一の転写材に重ね合わせることによりカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、
前記潜像形成体の周速度Vpと、前記現像剤担持体の周速度Vdとの比Vd/Vpの値を0.8以上から0.95以下の間となるように前記潜像形成体及び現像剤担持体を回転させ、かつ、前記規制部材を付勢する力によって、規制後に担持された現像剤の量が0.5mg/cm2 以上から1.0mg/cm2 以下の間となるように設定することを特徴とするカラー画像形成方法。 - 前記現像剤担持体に現像剤が担持されていない状態における前記現像剤担持体と前記規制部材との接触線圧を25gf/cm以上から70gf/cm未満の間にすることを特徴とする請求項1、2又は4に記載のカラー画像形成方法。
- 前記現像剤は、粒径が4μm以上から9μm以下の間のものを使用することを特徴とする請求項1乃至5に記載のカラー画像形成方法。
- 静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持し、前記潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体と、該現像剤担持体を回転させる回転駆動部と、前記現像剤担持体に向けて付勢され、担持された現像剤の層厚を規制する規制部材とを備える像形成部が複数並設されており、前記静電潜像を現像した像が転写される転写材を前記像形成部の夫々に順次搬送して画像形成をする画像形成装置において、
前記回転駆動部を、前記潜像形成体の周速度Vpと、前記現像剤担持体の周速度Vdとの比Vd/Vpの値が0.8以上から0.95以下の間となるように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持し、前記潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体と、該現像剤担持体を回転させる回転駆動部と、前記現像剤担持体に向けて付勢され、担持された現像剤の層厚を規制する規制部材とを備える像形成部が複数並設されており、前記静電潜像を現像した像が転写される転写材を前記像形成部の夫々に順次搬送して画像形成をする画像形成装置において、
前記規制部材を付勢する力によって、規制後に担持された現像剤の量が0.5mg/cm2 以上から1.0mg/cm2 以下の間となるように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持し、前記潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体と、該現像剤担持体を回転させる回転駆動部と、前記現像剤担持体に向けて付勢され、担持された現像剤の層厚を規制する規制部材とを備える像形成部が複数並設されており、前記静電潜像を現像した像が転写される転写材を前記像形成部の夫々に順次搬送して画像形成をする画像形成装置において、
前記現像剤担持体に現像剤が担持されていない状態における前記現像剤担持体と前記規制部材との接触線圧が25gf/cm以上から70gf/cm未満の間になるように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 静電潜像が形成される回転可能な潜像形成体と、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持し、前記潜像形成体と接触する回転可能な現像剤担持体と、該現像剤担持体を回転させる回転駆動部と、前記現像剤担持体に向けて付勢され、担持された現像剤の層厚を規制する規制部材とを備える像形成部が複数並設されており、前記静電潜像を現像した像が転写される転写材を前記像形成部の夫々に順次搬送して画像形成をする画像形成装置において、
前記回転駆動部を、前記潜像形成体の周速度Vpと、前記現像剤担持体の周速度Vdとの比Vd/Vpの値が0.8以上から0.95以下の間となるように構成し、かつ、前記規制部材を付勢する力によって、規制後に担持された現像剤の量が0.5mg/cm2 以上から1.0mg/cm2 以下の間となるように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 前記現像剤担持体に現像剤が担持されていない状態における前記現像剤担持体と前記規制部材との接触線圧が25gf/cm以上から70gf/cm未満の間になるように構成したことを特徴とする請求項7、8又は10に記載の画像形成装置。
- 前記現像剤の粒径を4μm以上から9μm以下の間としたことを特徴とする請求項7乃至11に記載の画像形成装置。
- 前記現像剤担持体は、表層にコート層を備えることを特徴とする請求項7乃至12に記載の画像形成装置。
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JP2002272200A JP2004109504A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | カラー画像形成方法及び画像形成装置 |
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JP2006208994A (ja) * | 2005-01-31 | 2006-08-10 | Oki Data Corp | 現像装置及び画像形成装置 |
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2002
- 2002-09-18 JP JP2002272200A patent/JP2004109504A/ja active Pending
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