JP2004108687A - 遷臨界冷媒サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧側が超臨界圧力となる遷臨界冷媒サイクル装置において、低圧側のレシーバータンクを設けることなく、コンプレッサの液圧縮による損傷の発生を防止すると共に、蒸発器における冷却能力を向上させる。
【解決手段】中間冷却回路150と、オイルセパレータ170と、オイルリターン回路175と、ガスクーラから出た第2の回転圧縮要素からの冷媒と蒸発器157を出た冷媒とを熱交換させるための第1の内部熱交換器160と、オイルリターン回路を流れるオイルと第1の内部熱交換器を出た蒸発器からの冷媒とを熱交換させるための第2の内部熱交換器162とを備え、膨張機構156を第1の膨張弁156Aとこの第1の膨張弁156Aの下流側に設けられた第2の膨張弁156Bとから構成され、第1及び第2の膨張弁156A、156Bの間を流れる冷媒の一部を第2の回転圧縮要素の吸込側に注入するインジェクション回路210を備える。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンプレッサ、ガスクーラ、絞り手段及び蒸発器を順次接続して構成され、高圧側が超臨界圧力となる遷臨界冷媒サイクル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種冷媒サイクル装置は、ロータリコンプレッサ(コンプレッサ)、ガスクーラ、絞り手段(膨張弁等)及び蒸発器等を順次環状に配管接続して冷媒サイクル(冷媒回路)が構成されている。そして、ロータリコンプレッサの回転圧縮要素の吸込ポートから冷媒ガスがシリンダの低圧室側に吸入され、ローラとベーンの動作により圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなり、高圧室側より吐出ポート、吐出消音室を経てガスクーラに吐出される。このガスクーラにて冷媒ガスは放熱した後、絞り手段で絞られて蒸発器に供給される。そこで冷媒が蒸発し、そのときに周囲から吸熱することにより冷却作用を発揮するものであった。
【0003】
ここで、近年では地球環境問題に対処するため、この種の冷媒サイクルにおいても、従来のフロンを用いずに自然冷媒である二酸化炭素(CO)を冷媒として用い、高圧側を超臨界圧力として運転する遷臨界冷媒サイクルを用いた装置が開発されて来ている。
【0004】
このような遷臨界冷媒サイクル装置では、コンプレッサ内に液冷媒が戻って、液圧縮することを防ぐために、蒸発器の出口側とコンプレッサの吸込側と間の低圧側にレシーバタンクを配設し、このレシーバタンクに液冷媒を溜め、ガスのみをコンプレッサに吸い込ませる構成とされていた。そして、レシーバータンク内の液冷媒がコンプレッサに戻らないように絞り手段を調整していた(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特公平7−18602号公報
【0006】
しかしながら、冷媒サイクルの低圧側にレシーバータンクを設けることは、その分多くの冷媒充填量を必要とする。また、液バックを防止するためには絞り手段の開度を小さくし、或いは、レシーバータンクの容量を拡大しなければならず、冷却能力の低下や設置スペースの拡大を招く。そこで、係るレシーバータンクを設けること無く、コンプレッサにおける液圧縮を解消するために、出願人は従来図4に示す冷媒サイクル装置の開発を試みた。
【0007】
図4において、10は内部中間圧型多段(2段)圧縮式ロータリコンプレッサを示しており、密閉容器12内の電動要素(駆動要素)14とこの電動要素14の回転軸16で駆動される第1の回転圧縮要素32及び第2の回転圧縮要素34を備えて構成されている。
【0008】
この場合の冷媒サイクル装置の動作を説明する。コンプレッサ10の冷媒導入管94から吸い込まれた冷媒は、第1の回転圧縮要素32で圧縮されて中間圧となり、密閉容器12内に吐出される。その後、冷媒導入管92から出て中間冷却回路150Aに流入する。中間冷却回路150Aはガスクーラ154を通過するように設けられており、そこで、空冷方式により放熱される。ここで中間圧の冷媒はガスクーラにて熱が奪われる。
【0009】
その後、第2の回転圧縮要素34に吸い込まれて2段目の圧縮が行われて高圧高温の冷媒ガスとなり、冷媒吐出管96より外部に吐出される。このとき、冷媒は適切な超臨界圧力まで圧縮されている。
【0010】
冷媒吐出管96から吐出された冷媒ガスはガスクーラ154に流入し、そこで空冷方式により放熱された後、内部熱交換器160を通過する。冷媒はそこで蒸発器157を出た低圧側の冷媒に熱を奪われて更に冷却される。その後、冷媒は膨張弁156にて減圧され、その過程でガス/液混合状態となり、次に蒸発器157に流入して蒸発する。蒸発器157から出た冷媒は内部熱交換器160を通過し、そこで前記高圧側の冷媒から熱を奪って加熱される。
【0011】
そして、内部熱交換器160で加熱された冷媒は冷媒導入管94からロータリコンプレッサ10の第1の回転圧縮要素32内に吸い込まれるサイクルを繰り返す。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように、図4の遷臨界冷媒サイクル装置でも蒸発器157から出た冷媒を内部熱交換器160により高圧側の冷媒にて加熱することで過熱度を取ることができるので、低圧側のレシーバータンクを廃止することも可能であるが、運転条件によっては余剰冷媒が生じるため、コンプレッサ10に液バックが起こり、液圧縮による損傷が発生する危険性があった。
【0013】
また、このような遷臨界冷媒サイクル装置で、蒸発器での蒸発温度が−50℃以下の超低温域となるようにすることは、圧縮比が非常に高くなり、コンプレッサ10自体の温度が高くなる関係上極めて困難となっていた。
【0014】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、高圧側が超臨界圧力となる遷臨界冷媒サイクル装置において、低圧側のレシーバータンクを設けることなく、コンプレッサの液圧縮による損傷の発生を防止すると共に、蒸発器における冷却能力を向上させることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の遷臨界冷媒サイクル装置では、コンプレッサは、密閉容器内に駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、第1の回転圧縮要素で圧縮されて吐出された冷媒を第2の回転圧縮要素に吸い込んで圧縮し、ガスクーラに吐出すると共に、第1の回転圧縮要素から吐出された冷媒をガスクーラにて放熱させるための中間冷却回路と、第2の回転圧縮要素で圧縮された冷媒からオイルを分離するためのオイル分離手段と、このオイル分離手段にて分離されたオイルを減圧してコンプレッサ内に戻すためのオイルリターン回路と、ガスクーラから出た第2の回転圧縮要素からの冷媒と蒸発器を出た冷媒とを熱交換させるための第1の内部熱交換器と、オイルリターン回路を流れるオイルと第1の内部熱交換器を出た蒸発器からの冷媒とを熱交換させるための第2の内部熱交換器とを備え、絞り手段を、第1の絞り手段とこの第1の絞り手段の下流側に設けられた第2の絞り手段とから構成され、第1及び第2の絞り手段の間を流れる冷媒の一部をコンプレッサの第2の回転圧縮要素の吸込側に注入するインジェクション回路とを備えているので、蒸発器から出た冷媒は第1の内部熱交換器でガスクーラを出た第2の回転圧縮要素からの冷媒と熱交換して熱を奪い、第2の内部熱交換器においてはオイルリターン回路を流れるオイルと熱交換して熱を奪うので、確実に冷媒の過熱度を確保してコンプレッサにおける液圧縮を回避できるようになる。
【0016】
一方、ガスクーラを出た第2の回転圧縮要素からの冷媒は、第1の内部熱交換器において蒸発器を出た冷媒に熱を奪われるので、それにより、冷媒の蒸発温度を下げられる。また、中間冷却回路を備えているので、コンプレッサの内部の温度も下げることができる。
【0017】
また、オイルリターン回路を流れるオイルは、第2の内部熱交換器にて第1の内部熱交換器を出た蒸発器からの冷媒に熱を奪われた後、コンプレッサ内に戻るので、コンプレッサ内部の温度をより一層下げることができるようになる。
【0018】
更に、第1及び第2の絞り手段の間を流れる冷媒の一部はインジェクション回路を通過して、コンプレッサの第2の回転圧縮要素の吸込側に注入されるので、このインジェクション冷媒によって第2の回転圧縮要素を冷却することができるようになる。これにより、第2の回転圧縮要素の圧縮効率を改善し、且つ、コンプレッサ自体の温度も更に下げることができるようになる。これらにより冷媒サイクルの蒸発器における冷媒の蒸発温度を低下させることが可能となる。
【0019】
請求項2の発明では上記発明に加えて、第1及び第2の絞り手段の間に気液分離手段を設け、インジェクション回路は、気液分離手段にて分離された液冷媒を減圧してコンプレッサの第2の回転圧縮要素の吸込側に注入するので、インジェクション冷媒の蒸発に伴う吸熱作用で第2の回転圧縮要素をより一層効果的に冷却することができるようになる。これにより、冷媒サイクルの蒸発器における冷媒の蒸発温度をより一層低下させることができるようになる。
【0020】
請求項3の発明では上記各発明に加えて、オイルリターン回路は、オイル分離手段によって分離されたオイルを、第2の内部熱交換器にて第1の内部熱交換器を出た蒸発器からの冷媒と熱交換させた後、コンプレッサの密閉容器内に戻すので、このオイルによりコンプレッサの密閉容器内の温度を効果的に下げることができるようなる。
【0021】
請求項4の発明では請求項1又は請求項2の発明に加えて、オイルリターン回路は、オイル分離手段によって分離されたオイルを、第2の内部熱交換器にて第1の内部熱交換器を出た蒸発器からの冷媒と熱交換させた後、コンプレッサの第2の回転圧縮要素の吸込側に戻すので、第2の回転圧縮要素を潤滑しながら、圧縮効率を改善し、且つ、コンプレッサ自体の温度も効果的に下げることができるようになる。
【0022】
請求項5の発明では上記各発明に加えて、冷媒として二酸化炭素、HFC系冷媒のR23、亜酸化窒素のうち少なくとも何れか一種の冷媒を用いるので、所望の冷却能力を得ることができると共に、環境問題にも寄与できるようになる。
【0023】
また、本発明では請求項6の如く蒸発器における冷媒の蒸発温度を−50℃以下とする場合に極めて有効となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の遷臨界冷媒サイクル装置に使用するコンプレッサの実施例として、第1及び第2の回転圧縮要素32、34を備えた内部中間圧型多段(2段)圧縮式ロータリコンプレッサ10の縦断側面図、図2は本発明の遷臨界冷媒サイクル装置の冷媒回路図である。
【0025】
各図において、10は二酸化炭素(CO)を冷媒として使用する内部中間圧型多段圧縮式ロータリコンプレッサで、このコンプレッサ10は鋼板からなる円筒状の密閉容器12と、この密閉容器12の内部空間の上側に配置収納された駆動要素としての電動要素14及びこの電動要素14の下側に配置され、電動要素14の回転軸16により駆動される第1の回転圧縮要素32(1段目)及び第2の回転圧縮要素34(2段目)から成る回転圧縮機構部18にて構成されている。
【0026】
密閉容器12は底部をオイル溜めとし、電動要素14と回転圧縮機構部18を収納する容器本体12Aと、この容器本体12Aの上部開口を閉塞する略椀状のエンドキャップ(蓋体)12Bとで構成され、且つ、このエンドキャップ12Bの上面中心には円形の取付孔12Dが形成されており、この取付孔12Dには電動要素14に電力を供給するためのターミナル(配線を省略)20が取り付けられている。
【0027】
電動要素14は所謂磁極集中巻き式のDCモータであり、密閉容器12の上部空間の内周面に沿って環状に取り付けられたステータ22と、このステータ22の内側に若干の間隔を設けて挿入設置されたロータ24とからなる。このロータ24は中心を通り鉛直方向に延びる回転軸16に固定されている。ステータ22は、ドーナッツ状の電磁鋼板を積層した積層体26と、この積層体26の歯部に直巻き(集中巻き)方式により巻装されたステータコイル28を有している。また、ロータ24はステータ22と同様に電磁鋼板の積層体30で形成され、この積層体30内に永久磁石MGを挿入して形成されている。
【0028】
前記第1の回転圧縮要素32と第2の回転圧縮要素34との間には中間仕切板36が狭持されている。即ち、第1の回転圧縮要素32と第2の回転圧縮要素34は、中間仕切板36と、この中間仕切板36の上下に配置された上シリンダ38、下シリンダ40と、この上下シリンダ38、40内を、180度の位相差を有して回転軸16に設けられた上下偏心部42、44により偏心回転される上下ローラ46、48と、この上下ローラ46、48に当接して上下シリンダ38、40内をそれぞれ低圧室側と高圧室側に区画するベーン50、52と、上シリンダ38の上側の開口面及び下シリンダ40の下側の開口面を閉塞して回転軸16の軸受けを兼用する支持部材としての上部支持部材54及び下部支持部材56にて構成されている。
【0029】
一方、上部支持部材54及び下部支持部材56には、図示しない吸込ポートにて上下シリンダ38、40の内部とそれぞれ連通する吸込通路60(上側の吸込通路は図示せず)と、一部を凹陥させ、この凹陥部を上部カバー66、下部カバー68にて閉塞することにより形成される吐出消音室62、64とが設けられている。
【0030】
尚、吐出消音室64と密閉容器12内とは、上下シリンダ38、40や中間仕切板36を貫通する連通路にて連通されており、連通路の上端には中間吐出管121が立設され、この中間吐出管121から第1の回転圧縮要素32で圧縮された中間圧の冷媒ガスが密閉容器12内に吐出される。
【0031】
そして、冷媒としては地球環境にやさしく、可燃性及び毒性等を考慮して自然冷媒である前述した二酸化炭素(CO)が使用され、潤滑油としてのオイルは、例えば鉱物油(ミネラルオイル)、アルキルベンゼン油、エーテル油、エステル油、PAG(ポリアルキルグリコール)など既存のオイルが使用される。
【0032】
密閉容器12の容器本体12Aの側面には、上部支持部材54と下部支持部材56の吸込通路60(上側は図示せず)、吐出消音室62、上部カバー66の上側(電動要素14の下端に略対応する位置)に対応する位置に、スリーブ141、142、143及び144がそれぞれ溶接固定されている。そして、スリーブ141内には上シリンダ38に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管92の一端が挿入接続され、この冷媒導入管92の一端は上シリンダ38の図示しない吸込通路と連通する。この冷媒導入管92は後述するガスクーラ154を通過する中間冷却回路150を経てスリーブ144に至り、他端はスリーブ144内に挿入接続されて密閉容器12内に連通する。
【0033】
また、スリーブ142内には下シリンダ40に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管94の一端が挿入接続され、この冷媒導入管94の一端は下シリンダ40の吸込通路60と連通する。この冷媒導入管94の他端は第2の内部熱交換器162に接続されている。
【0034】
ここで、第2の内部熱交換器162は後述するオイルリターン回路175を流れるオイルと、後述する第1の内部熱交換器160を出た蒸発器157からの低圧側の冷媒とを熱交換させるためのものである。
【0035】
そして、スリーブ143内には冷媒吐出管96が挿入接続され、この冷媒吐出管96の一端は吐出消音室62と連通する。
【0036】
次に図2において、上述したコンプレッサ10は図2に示す冷媒回路の一部を構成する。即ち、コンプレッサ10の冷媒吐出管96はガスクーラ154の入口に接続される。そして、このガスクーラ154を出た配管はオイル分離手段としてのオイルセパレータ170の入口に接続される。このオイルセパレータ170は、第2の回転圧縮要素34で圧縮された冷媒と共に吐出されたオイルを分離するためのものである。
【0037】
オイルセパレータ170を出た冷媒配管は前述した第1の内部熱交換器160を通過する。この第1の内部熱交換器160はオイルセパレータ170から出た第2の回転圧縮要素34からの高圧側の冷媒と蒸発器157から出た低圧側の冷媒とを熱交換させるためのものである。
【0038】
そして、この第1の内部熱交換器160を通過した高圧側の冷媒は、絞り手段としての膨張機構156に至る。ここで、膨張機構156は、第1の絞り手段としての第1の膨張弁156Aと、この第1の膨張弁156Aの下流側に設けられた第2の絞り手段としての第2の膨張弁156Bとから構成されている。また、前記第1の膨張弁156Aは、当該第1の膨張弁156Aにて減圧された後の冷媒の圧力が、コンプレッサ10内の中間圧より高くなるように開度が調整されている。
【0039】
また、第1の膨張弁156Aと第2の膨張弁156Bの間の冷媒配管には、気液分離手段としての気液分離器200が設けられており、第1の膨張弁156Aを出た冷媒配管は気液分離器200の入口に接続されている。気液分離器200のガス出口側の冷媒配管は前述した第2の膨張弁156Bの入口に接続されている。そして、この第2の膨張弁156Bの出口は蒸発器157の入口に接続され、蒸発器157を出た冷媒配管は第1の内部熱交換器160を経て前記第2の内部熱交換器162に至る。そして、第2の内部熱交換器162から出た冷媒配管は冷媒導入管94に接続されている。
【0040】
一方、前記オイルセパレータ170には、当該オイルセパレータ170にて分離されたオイルをコンプレッサ10内に戻すための前述したオイルリターン回路175が接続されている。このオイルリターン回路175にはオイルセパレータ170にて分離されたオイルを減圧するための減圧手段としてのキャピラリチューブ176が設けられ、前記第2の内部熱交換器162を経てコンプレッサ10の密閉容器12内に連通接続されている。
【0041】
また、前記気液分離器200の液出口側には、当該気液分離器200にて分離された液冷媒をコンプレッサ10内に戻すためのインジェクション回路210が接続されている。このインジェクション回路210には気液分離器200にて分離された液冷媒を減圧するための減圧手段としてのキャピラリチューブ220が設けられ、係るインジェクション回路210は第2の回転圧縮要素34の吸込側と連通する前記冷媒導入管92に接続されている。
【0042】
以上の構成で次に本発明の遷臨界冷媒サイクル装置の動作を説明する。ターミナル20及び図示されない配線を介してコンプレッサ10の電動要素14のステータコイル28に通電されると、電動要素14が起動してロータ24が回転する。この回転により回転軸16と一体に設けた上下偏心部42、44に嵌合された上下ローラ46、48が上下シリンダ38、40内を偏心回転する。
【0043】
これにより、冷媒導入管94及び下部支持部材56に形成された吸込通路60を経由して図示しない吸込ポートからシリンダ40の低圧室側に吸入された低圧の冷媒ガスは、ローラ48とベーン52の動作により圧縮されて中間圧となり下シリンダ40の高圧室側より図示しない連通路を経て中間吐出管121から密閉容器12内に吐出される。これによって、密閉容器12内は中間圧となる。
【0044】
そして、密閉容器12内の中間圧の冷媒ガスは冷媒導入管92に入り、中間冷却回路150に流入する。そして、この中間冷却回路150がガスクーラ154を通過する過程で空冷方式により放熱する。
【0045】
このように、第1の回転圧縮要素32で圧縮された中間圧の冷媒ガスを中間冷却回路150を通過させることで、ガスクーラ154にて効果的に冷却することができるので、密閉容器12内の温度上昇を抑え、第2の回転圧縮要素34における圧縮効率も向上させることができるようになる。
【0046】
そして、冷却された中間圧の冷媒ガスは上部支持部材54に形成された図示しない吸込通路を経由して、図示しない吸込ポートから第2の回転圧縮要素34の上シリンダ38の低圧室側に吸入され、ローラ46とベーン50の動作により2段目の圧縮が行われて高圧高温の冷媒ガスとなり、高圧室側から図示しない吐出ポートを通り上部支持部材54に形成された吐出消音室62を経て冷媒吐出管96より外部に吐出される。このとき、冷媒は適切な超臨界圧力まで圧縮されている。
【0047】
冷媒吐出管96から吐出された冷媒ガスはガスクーラ154に流入し、そこで空冷方式により放熱した後、前記オイルセパレータ170に至る。ここで、冷媒ガスとオイルが分離される。
【0048】
そして、冷媒ガスから分離されたオイルは、オイルリターン回路175に流入する。オイルはオイルリターン回路175に設けられたキャピラリチューブ176にて減圧された後、第2の内部熱交換器162を通過する。オイルはそこで第1の内部熱交換器160からの低圧側の冷媒に熱を奪われて冷却され、コンプレッサ10の密閉容器12内に戻る。
【0049】
このように、冷却されたオイルがコンプレッサ10の密閉容器12内に戻るので、オイルにより密閉容器12内を効果的に冷却することができるようなり、密閉容器12内の温度上昇を抑え、第2の回転圧縮要素34における圧縮効率を向上させることができるようになる。
【0050】
また、密閉容器12内のオイル溜めの油面が低下する不都合も回避することができるようになる。
【0051】
一方、オイルセパレータ170から出た冷媒ガスは第1の内部熱交換器160を通過する。冷媒はそこで低圧側の冷媒に熱を奪われて更に冷却される。この第1の内部熱交換器160の存在により、低圧側の冷媒に熱を奪われるので、この分、蒸発器157における冷媒の蒸発温度が低くなる。そのため、蒸発器157における冷却能力が向上する。
【0052】
係る第1の内部熱交換器160で冷却された高圧側の冷媒ガスは膨張機構156の第1の膨張弁156Aに至る。尚、第1の膨張弁156Aの入口では冷媒ガスはまだ気体の状態である。第1の膨張弁156Aは冷媒の圧力が前述する如くコンプレッサ10の第2の回転圧縮要素34の吸込側の圧力(中間圧)よりも高い圧力となるように開度が調整されており、ここで冷媒は、中間圧より高い圧力まで減圧される。これにより、冷媒は一部液化し、ガス/液の二相混合体となり、気液分離器200に流入する。ここで、ガス冷媒と液冷媒とが分離される。
【0053】
そして、気液分離器200内の液冷媒はインジェクション回路210に流入する。そして、液冷媒はインジェクション回路210に設けられたキャピラリチューブ220にて減圧されて、中間圧より若干高い圧力とされ、冷媒導入管92を経て、コンプレッサ10の第2の回転圧縮要素34の吸込側に注入される。そこで冷媒は蒸発し、周囲から吸熱することにより冷却作用を発揮する。これにより、第2の回転圧縮要素34を含むコンプレッサ10自体が冷却される。
【0054】
このように、インジェクション回路210にて液冷媒を減圧して、コンプレッサ10の第2の回転圧縮要素34の吸込側に注入し、そこで蒸発させることで第2の回転圧縮要素34が冷却されるので、第2の回転圧縮要素34を効果的に冷却することができるようなる。これにより、第2の回転圧縮要素34の圧縮効率を向上させることができるようになる。
【0055】
一方、気液分離器200から出たガス冷媒は、第2の膨張弁156Bに至る。冷媒は第2の膨張弁156Bにおける圧力低下により、最終的な液化が行われ、ガス/液の二相混合体とされた状態で蒸発器157内に流入する。そこで冷媒は蒸発し、空気から吸熱することにより冷却作用を発揮する。
【0056】
以上のように、第1の回転圧縮要素32で圧縮された中間圧の冷媒ガスを中間冷却回路150を通過させて、密閉容器12内の温度上昇を抑えるという効果と、オイルセパレータ170にて冷媒ガスから分離されたオイルを第2の内部熱交換器162を通過させて、密閉容器12内の温度上昇を抑えるという効果と、更に、前記気液分離器200にてガス冷媒と液冷媒を分離して、分離された液冷媒をキャピラリチューブ220にて減圧した後、第2の回転圧縮要素34で周囲から吸熱して蒸発させて、第2の回転圧縮要素34を冷却するという効果によって、第2の回転圧縮要素34における圧縮効率の向上を図ることができるようになり、加えて、第2の回転圧縮要素34で圧縮された冷媒ガスを、第1の内部熱交換器160を通過させて、蒸発器157における冷媒の蒸発温度が低くなるという効果によって、蒸発器157における冷媒の蒸発温度も下げられるようになる。
【0057】
即ち、この場合における蒸発器157での蒸発温度を、例えば−50℃以下の超低温域に容易に到達させることができるようになる。また、同時にコンプレッサ10での消費電力の低減も図ることができるようになる。
【0058】
その後、冷媒は蒸発器157から流出して、第1の内部熱交換器160を通過する。そこで前述の高圧側の冷媒から熱を奪い、加熱作用を受けた後、第2の内部熱交換器162に至る。そして、第2の内部熱交換器162でオイルリターン回路175を流れるオイルから熱を奪い、更に加熱作用を受ける。
【0059】
ここで、蒸発器157で蒸発して低温となり、蒸発器157を出た冷媒は、完全に気体の状態ではなく液体が混在した状態であるが、第1の内部熱交換器160を通過させて高圧側の冷媒と熱交換させることで、冷媒が加熱される。これにより、冷媒は略完全に気体の状態となる。更に、第2の内部熱交換器162を通過させて、オイルと熱交換させることで、冷媒が加熱され、確実に過熱度が取れて完全に気体となる。
【0060】
これにより、蒸発器157から出た冷媒を確実にガス化させることができるようになる。特に、運転条件により余剰冷媒が発生するような場合においても、第1の内部熱交換器160と第2の内部熱交換器162により、二段階で低圧側冷媒を加熱しているので、低圧側にレシーバータンクなどを設けること無く、コンプレッサ10に液冷媒が吸い込まれる液バックを確実に防止し、コンプレッサ10が液圧縮にて損傷を受ける不都合を回避することができるようになる。
【0061】
また、コンプレッサ10の吐出温度や内部温度を上昇させずに過熱度を充分に確保することができるようになるので、遷臨界冷媒サイクル装置の信頼性の向上を図ることができるようになる。
【0062】
尚、第2の内部熱交換器162で加熱された冷媒は、冷媒導入管94からコンプレッサ10の第1の回転圧縮要素32内に吸い込まれるサイクルを繰り返す。
【0063】
このように、第1の回転圧縮要素32から吐出された冷媒をガスクーラ154にて放熱させるための中間冷却回路150と、第2の回転圧縮要素34で圧縮された冷媒からオイルを分離するためのオイルセパレータ170と、このオイルセパレータ170にて分離されたオイルを減圧してコンプレッサ10内に戻すためのオイルリターン回路175と、ガスクーラ154から出た第2の回転圧縮要素34からの冷媒と蒸発器157を出た冷媒とを熱交換させるための第1の内部熱交換器160と、オイルリターン回路175を流れるオイルと第1の内部熱交換器160を出た蒸発器157からの冷媒とを熱交換させるための第2の内部熱交換器162とを備え、絞り手段としての膨張機構156を、第1の膨張弁156Aとこの第1の膨張弁156Aの下流側に設けられた第2の膨張弁156Bとから構成され、第1の膨張弁156Aと第2の膨張弁156Bの間を流れる冷媒の一部を減圧してコンプレッサ10の第2の回転圧縮要素34の吸込側に注入するインジェクション回路210とを備えているので、蒸発器157から出た冷媒は第1の内部熱交換器160でガスクーラ154を出た第2の回転圧縮要素34からの冷媒と熱交換して熱を奪い、第2の内部熱交換器162においてはオイルリターン回路175を流れるオイルと熱交換して熱を奪うので、確実に冷媒の過熱度を確保してコンプレッサ10における液圧縮を回避できるようになる。
【0064】
一方、ガスクーラ154を出た第2の回転圧縮要素34からの冷媒は、オイルセパレータ170を通過させた後、第1の内部熱交換器160において蒸発器157を出た冷媒に熱を奪われるので、それにより、冷媒の蒸発温度を下げられる。それにより、蒸発器157における冷媒ガスの冷却能力が向上する。また、中間冷却回路150を備えているので、コンプレッサ10の内部の温度を下げることができる。
【0065】
また、オイルリターン回路175を流れるオイルは、第2の内部熱交換器162にて第1の内部熱交換器160を出た蒸発器157からの冷媒に熱を奪われた後、コンプレッサ10内に戻るので、コンプレッサ10内部の温度をより一層下げることができるようになる。
【0066】
更に、第1及び第2の膨張弁156A、156Bの間に気液分離器200を設け、インジェクション回路210は、気液分離器200にて分離された液冷媒を減圧してコンプレッサ10の第2の回転圧縮要素34の吸込側に注入するので、インジェクション回路210からの冷媒が蒸発して、周囲から吸熱し、第2の回転圧縮要素34を含むコンプレッサ10全体を効果的に冷却することができる。これにより、冷媒サイクルの蒸発器157における冷媒の蒸発温度をより一層低下させることができるようになる。
【0067】
これらにより冷媒サイクルの蒸発器157における冷媒の蒸発温度を低下させることが可能となり、例えば蒸発器157での蒸発温度を−50℃以下の超低温域とすることを容易に達成することができるようになる。また、コンプレッサ10での消費電力の低減も図ることができるようになる。
【0068】
次に、図3を参照して本発明の遷臨界冷媒サイクル装置の他の実施形態について詳述する。図3はこの場合の遷臨界冷媒サイクル装置の冷媒回路図を示している。尚、図3において、図1及び図2と同一の符号が付されているものは同一若しくは同様の作用を奏するものとする。
【0069】
図3に示すオイルリターン回路175Aには同様にキャピラリチューブ176が設けられているが、この場合は、第2の内部熱交換器162を経て、第2の回転圧縮要素34の上シリンダ38の図示しない吸込通路と連通する冷媒導入管92に接続されている。これにより、第2の内部熱交換器162にて冷却されたオイルが第2の回転圧縮要素34に供給されることになる。
【0070】
このように、オイルリターン回路175Aは、オイルセパレータ170によって分離されたオイルをキャピラリチューブ176にて減圧し、第2の内部熱交換器162にて第1の内部熱交換器160を出た蒸発器157からの冷媒と熱交換させた後、冷媒導入管92からコンプレッサ10の第2の回転圧縮要素34の吸込側に戻す。
【0071】
これにより、第2の回転圧縮要素34を効果的に冷却することができるようになり、第2の回転圧縮要素34の圧縮効率を向上させることができるようになる。
【0072】
また、第2の回転圧縮要素34に直接オイルが供給されるので、第2の回転圧縮要素34がオイル不足となる不都合も回避することができるようになる。
【0073】
尚、本実施例では気液分離器200で分離された液冷媒をインジェクション回路210に設けたキャピラリチューブ220にて減圧して冷媒導入管92から第2の回転圧縮要素34の吸込側に戻すこととしたが、気液分離器200を設けなくても構わない。この場合、第1の膨張弁156Aを出た冷媒(気液分離器がないため、冷媒の状態はガス、液、若しくは、それらの混合状態となる)はインジェクション回路210に設けられたキャピラリチューブ220にて適切な圧力(中間圧より若干高い圧力)に下げられて冷媒導入管92から第2の回転圧縮要素34の吸込側に吸い込まれる。
【0074】
更に、第1の膨張弁156Aを出た冷媒が適切な圧力(中間圧より若干高い程度の圧力)まで減圧され、且つ、この場合の冷媒の状態がガスであるような設定状況では、キャピラリチューブ220は設ける必要はない。
【0075】
また、実施例ではオイル分離手段としてのオイルセパレータ170をガスクーラ154と第1の内部熱交換器160の間の冷媒配管に設けるものとしたが、それに限らず、例えばコンプレッサ10とガスクーラ154の間の配管に設けても良い。また、オイルリターン回路175に設けた減圧手段としてのキャピラリチューブ176を第1の内部熱交換器160からの冷媒配管に交熱的に巻き付けて第2の内部熱交換器162を構成しても良い。
【0076】
更に、実施例では二酸化炭素を冷媒として使用したが、本発明ではそれに限定されるものではなく、遷臨界冷媒サイクルにおいて使用可能な冷媒、即ち、高圧側が超臨界となるHFC系冷媒のR23(CHF3)や亜酸化窒素(NO)などの冷媒が適用可能である。また、このようにHFC系冷媒のR23(CHF3)や亜酸化窒素(NO)冷媒を用いた場合には、蒸発器157における冷媒の蒸発温度を−80℃以下の超低温に到達させることができるようになる。
【0077】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明によればコンプレッサは、密閉容器内に駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、第1の回転圧縮要素で圧縮されて吐出された冷媒を第2の回転圧縮要素に吸い込んで圧縮し、ガスクーラに吐出すると共に、第1の回転圧縮要素から吐出された冷媒をガスクーラにて放熱させるための中間冷却回路と、第2の回転圧縮要素で圧縮された冷媒からオイルを分離するためのオイル分離手段と、このオイル分離手段にて分離されたオイルを減圧してコンプレッサ内に戻すためのオイルリターン回路と、ガスクーラから出た第2の回転圧縮要素からの冷媒と蒸発器を出た冷媒とを熱交換させるための第1の内部熱交換器と、オイルリターン回路を流れるオイルと第1の内部熱交換器を出た蒸発器からの冷媒とを熱交換させるための第2の内部熱交換器とを備え、絞り手段を、第1の絞り手段とこの第1の絞り手段の下流側に設けられた第2の絞り手段とから構成され、第1及び第2の絞り手段の間を流れる冷媒の一部をコンプレッサの第2の回転圧縮要素の吸込側に注入するインジェクション回路とを備えているので、 蒸発器から出た冷媒は第1の内部熱交換器でガスクーラを出た第2の回転圧縮要素からの冷媒と熱交換して熱を奪い、第2の内部熱交換器においてはオイルリターン回路を流れるオイルと熱交換して熱を奪うので、確実に冷媒の過熱度を確保してコンプレッサにおける液圧縮を回避できるようになる。
【0078】
一方、ガスクーラを出た第2の回転圧縮要素からの冷媒は、第1の内部熱交換器において蒸発器を出た冷媒に熱を奪われるので、それにより、冷媒の蒸発温度を下げられる。また、中間冷却回路を備えているので、コンプレッサの内部の温度も下げることができる。
【0079】
また、オイルリターン回路を流れるオイルは、第2の内部熱交換器にて第1の内部熱交換器を出た蒸発器からの冷媒に熱を奪われた後、コンプレッサ内に戻るので、コンプレッサ内部の温度をより一層下げることができるようになる。
【0080】
更に、第1及び第2の絞り手段の間を流れる冷媒の一部はインジェクション回路を通過して、コンプレッサの第2の回転圧縮要素の吸込側に注入されるので、このインジェクション冷媒によって第2の回転圧縮要素を冷却することができるようになる。これにより、第2の回転圧縮要素の圧縮効率を改善し、且つ、コンプレッサ自体の温度も効果的に下げることができるようになる。
【0081】
即ち、第1の回転圧縮要素で圧縮された中間圧の冷媒ガスを中間冷却回路を通過させて、密閉容器内の温度上昇を抑えるという効果と、オイルセパレータにて冷媒ガスから分離されたオイルを第2の内部熱交換器を通過させて、密閉容器内の温度上昇を抑えるという効果と、更に、第1の絞り手段と第2の絞り手段の間の配管を流れる冷媒の一部をコンプレッサの第2の回転圧縮要素の吸込側に注入し、周囲から吸熱して蒸発させて、第2の回転圧縮要素を冷却するという効果によって、第2の回転圧縮要素における圧縮効率の向上を図ることができるようになり、加えて、第2の回転圧縮要素で圧縮された冷媒ガスを、第1の内部熱交換器を通過させて、蒸発器における冷媒の蒸発温度が低くなるという効果によって、蒸発器における冷却能力を著しく向上させながら、コンプレッサでの消費電力の低減も図ることができるようになる。
【0082】
請求項2の発明によれば上記発明に加えて、第1及び第2の絞り手段の間に気液分離手段を設け、インジェクション回路は、気液分離手段にて分離された液冷媒を減圧してコンプレッサの第2の回転圧縮要素の吸込側に注入するので、インジェクション回路からの冷媒が蒸発して周囲から吸熱し、第2の回転圧縮要素を含むコンプレッサ自体を一層効果的に冷却することができる。これにより、冷媒サイクルの蒸発器における冷媒の蒸発温度をより一層低下させることができるようになる。
【0083】
請求項3の発明によれば上記各発明に加えて、オイルリターン回路は、オイル分離手段によって分離されたオイルを、第2の内部熱交換器にて第1の内部熱交換器を出た蒸発器からの冷媒と熱交換させた後、コンプレッサの密閉容器内に戻すので、このオイルによりコンプレッサの密閉容器内の温度を効果的に下げることができるようなる。
【0084】
請求項4の発明によれば請求項1又は請求項2の発明に加えて、オイルリターン回路は、オイル分離手段によって分離されたオイルを、第2の内部熱交換器にて第1の内部熱交換器を出た蒸発器からの冷媒と熱交換させた後、コンプレッサの第2の回転圧縮要素の吸込側に戻すので、第2の回転圧縮要素を潤滑しながら、圧縮効率を改善し、且つ、コンプレッサ自体の温度も効果的に下げることができるようになる。
【0085】
請求項5の発明によれば上記各発明に加えて、冷媒として二酸化炭素、HFC系冷媒のR23、亜酸化窒素のうち少なくとも何れか一種の冷媒を用いるので、所望の冷却能力を得ることができると共に、環境問題にも寄与できるようになる。
【0086】
また、上記構成により請求項6の如く蒸発器における冷媒の蒸発温度を−50℃以下とする場合に極めて有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遷臨界冷媒サイクル装置を構成する内部中間圧型多段圧縮式ロータリコンプレッサの縦断面図である。
【図2】本発明の遷臨界冷媒サイクル装置の冷媒回路図である。
【図3】本発明の他の実施例の遷臨界冷媒サイクル装置の冷媒回路図である。
【図4】従来の遷臨界冷媒サイクル装置の冷媒回路図である。
【符号の説明】
10 多段圧縮式ロータリコンプレッサ
12 密閉容器
14 電動要素
32 第1の回転圧縮要素
34 第2の回転圧縮要素
92、94 冷媒導入管
96 冷媒吐出管
150 中間冷却回路
154 ガスクーラ
156 膨張機構(絞り手段)
156A 第1の膨張弁(第1の絞り手段)
156B 第2の膨張弁(第2の絞り手段)
157 蒸発器
160 第1の内部熱交換器
162 第2の内部熱交換器
170 オイルセパレータ
175 オイルリターン回路
176 キャピラリチューブ
200 気液分離器
210 インジェクション回路
220 キャピラリチューブ

Claims (6)

  1. コンプレッサ、ガスクーラ、絞り手段及び蒸発器を順次接続して構成され、高圧側が超臨界圧力となる冷媒サイクル装置であって、
    前記コンプレッサは、密閉容器内に駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、前記第1の回転圧縮要素で圧縮されて吐出された冷媒を前記第2の回転圧縮要素に吸い込んで圧縮し、前記ガスクーラに吐出すると共に、
    前記第1の回転圧縮要素から吐出された冷媒を前記ガスクーラにて放熱させるための中間冷却回路と、
    前記第2の回転圧縮要素で圧縮された冷媒からオイルを分離するためのオイル分離手段と、
    該オイル分離手段にて分離されたオイルを減圧して前記コンプレッサ内に戻すためのオイルリターン回路と、
    前記ガスクーラから出た前記第2の回転圧縮要素からの冷媒と前記蒸発器を出た冷媒とを熱交換させるための第1の内部熱交換器と、
    前記オイルリターン回路を流れるオイルと前記第1の内部熱交換器を出た前記蒸発器からの冷媒とを熱交換させるための第2の内部熱交換器とを備え、
    前記絞り手段を、第1の絞り手段と該第1の絞り手段の下流側に設けられた第2の絞り手段とから構成され、
    前記第1及び第2の絞り手段の間を流れる冷媒の一部を前記コンプレッサの第2の回転圧縮要素の吸込側に注入するインジェクション回路とを備えていることを特徴とする遷臨界冷媒サイクル装置。
  2. 前記第1及び第2の絞り手段の間に気液分離手段を設け、
    前記インジェクション回路は、前記気液分離手段にて分離された液冷媒を減圧して前記コンプレッサの第2の回転圧縮要素の吸込側に注入することを特徴とする請求項1の遷臨界冷媒サイクル装置。
  3. 前記オイルリターン回路は、前記オイル分離手段によって分離されたオイルを、前記第2の内部熱交換器にて前記第1の内部熱交換器を出た前記蒸発器からの冷媒と熱交換させた後、前記コンプレッサの密閉容器内に戻すことを特徴とする請求項1又は請求項2の遷臨界冷媒サイクル装置。
  4. 前記オイルリターン回路は、前記オイル分離手段によって分離されたオイルを、前記第2の内部熱交換器にて前記第1の内部熱交換器を出た前記蒸発器からの冷媒と熱交換させた後、前記コンプレッサの第2の回転圧縮要素の吸込側に戻すことを特徴とする請求項1又は請求項2の遷臨界冷媒サイクル装置。
  5. 前記冷媒として二酸化炭素、HFC系冷媒のR23、亜酸化窒素のうち少なくとも何れか一種の冷媒を用いることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4の遷臨界冷媒サイクル装置。
  6. 前記蒸発器における冷媒の蒸発温度は−50℃以下であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5の遷臨界冷媒サイクル装置。
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