JP2004108589A - 自動車の勾配推定装置 - Google Patents

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北野 耕司
Nobuo Kurihara
栗原 伸夫
Mitsuo Kayano
萱野 光男
Hiroshi Katayama
片山 博
Hiroshi Onishi
大西 浩史
Junichi Ishii
石井 潤市
Toshimichi Minowa
箕輪 利通
Michimasa Horiuchi
堀内 道正
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Abstract

【課題】 本発明の目的は、車重と走行負荷を推定し車重及び走行負荷にあわせた的確な変速を実行し、燃費向上を図ることである。
【解決手段】 自動車の車重の推定を行なう車重推定手段と、出力トルクの推定を行なうトルク推定手段と、加速度信号を受付ける加速度入力手段と、得られた車重、出力トルク、加速度から走行負荷を推定する負荷推定手段と、複数の変速スケジュ−ルの記憶手段と、得られた車重と走行負荷に応じて上記変速スケジュ−ルから一つを選択し、選択された変速スケジュ−ルに従ってギア位置の決定を行なうギア位置決定手段とを有する。
【選択図】   図1

Description

産業上の利用分野
 本発明は、自動車の変速制御装置及び勾配推定装置に関する。
 自動車の変速制御装置は、車速及びスロットル開度を電気信号として検知し、車速及びスロットル開度を変数としてあらかじめ設定されている変速パターンに基づいて、現在の車速及びスロットル開度に対応する所定の変速段を選択する。変速パターンは複数組設定されており、運転者の操作により選択される。
 また、変速パターンの選択は運転者の運転操作により自動的に切り替えるようにしたものもある。
 従来の変速機の制御は車速及びスロットル開度を変数としてあらかじめ設定されている変速パターンに基づいて、現在の車速及びスロットル開度に対応する所定のギア位置を選択するようにしてある。
 また、特公昭63−45976号公報には、吸気管圧力からトルクを求め、トルクから変速比(内燃機関の回転数/車速)を決定する技術が公開されている。 これらの方法では運転状況の変動、特に走行負荷の変化に対して的確な変速を行うことが困難であった。たとえば平坦路または緩い下り坂では、登り坂に比べて早めにシフトアップすることにより運転を損なわずしかも燃費が向上すると考えられるが、従来はアクセル開度と車速のみから変速を行っていたので、このような変速は行えなかった。
 また発進加速の際の車重による加速特性の変化に対応するように変速制御を行うことが車両の軽量化に伴って重要となる。そこで走行負荷ならびに車重を推定し、加速の際には車重ならびに走行負荷によって変速パターンを変化させ、また減速の際にも走行負荷に応じて変速パターンを変えることによって、燃費が向上し運転状況に応じた的確な変速が行えると考えられる。
 この様に、従来技術は、変速パターンが代表的な2〜3の運転状況に基づいて決められているため、運転状況を的確に反映した変速が行えない場合があった。その結果燃費の悪化をまねくことが多かった。
 本発明の第1の目的は、トルクを求めることにより、精度良く走行負荷を推定し、走行負荷にあわせた変速を実行する自動車の自動変速制御装置を提供することである。
 さらに、勾配の推定及びその利用に関して、従来の装置は、特開平3ー24362号公報に記載のように、車速やスロットル開度やその変化速度から勾配の状況を判断し(勾配の値ではなく、勾配が大きいか小さいかというふうに定性的に判断する)、勾配に応じた変速をしているが、勾配を正確に求めて、快適な運転環境を提供するという点に関して、不十分であった。
 なお、勾配を精度良く、かつきめ細かく求めようとするとエンジンの状態や変速機の機械特性の影響を受ける場合がある。例えば、スロットル開度の急変、ブレーキ時、また変速中などの場合には勾配の判定に誤差が生じやすいという課題がある。
 本発明の第2の目的は、勾配を高精度に推定する勾配推定装置を提供することである。
 上記の場合に、出力軸トルクを算出し、加速トルクを車速の微分より高精度に求めるものであるが、エンジンや変速機の機械的特性により、推定誤差が生じる場合がある。そこで本発明ではきめ細かく勾配を推定する場合の課題であるエンジンや変速機の機械的特性による推定誤差を機械特性の物理現象に合わせてその誤差のノイズを取り去るようにして、勾配を提供し制御に供給するものである。
 すなわち、本発明の第3の目的は、精度の高い勾配推定を安定して出力する勾配推定装置を提供することである。
 上記第1の目的を達成するために、本発明は自動車の自動変速制御装置において、自動車の負荷を計算する負荷計算手段と、駆動系のトルク特性を参照して、出力トルクを算出する出力トルク推定手段と、上記負荷と出力トルクとより走行負荷を推定する走行負荷推定手段と、少なくとも2つの変速スケジュ−ルの記憶手段と、上記走行負荷と上記変速スケジュ−ルより実走行時の自動変速機の変速スケジュールを決定する変速スケジュール可変制御部とを有することとしたものである。
 また、走行負荷のみならず、推定された自動車の車重と走行負荷とより変速するために、自動車の車重の推定を行なう車重推定手段と、出力トルクの推定を行なうトルク推定手段と、加速度信号を受付ける加速度入力手段と、得られた車重、出力トルク、加速度から走行負荷を推定する走行負荷推定手段と、複数の変速スケジュ−ルの記憶手段と、得られた車重と走行負荷に応じて上記変速スケジュ−ルから一つを選択し、選択された変速スケジュ−ルに従ってギア位置の決定を行なうギア位置決定手段とを有することとしてもよい。
 本発明は、上記第2の課題を解決するために、道路の勾配を推定する勾配推定装置において、車両のトルクを算出するトルク算出手段と、車速を検出する車速検出手段とを有し、上記車速より走行抵抗を求め、上記車両のトルクから上記走行抵抗を減算して勾配抵抗を求めることにより、道路の勾配を推定することとしたものである。
 また、上記第3の課題を解決するために、上記勾配推定装置において、推定された勾配に含まれるノイズを除去するノイズ除去部を有し、上記ノイズ除去部は、ノイズが発生していることを判定する判定部を有し、ノイズが発生している時に、その時の推定値を無効とすることとしたものである。
 本発明によれば、走行負荷を推定し、車重および走行負荷にあわせた変速を実行するため、運転環境(山道、多人数乗車時)に応じて最適な変速パターンが形成され、運転性が向上し、平地走行時には従来に比べ燃費が向上した自動車の自動変速制御装置を提供することができる。
 また、勾配を高精度に推定する勾配推定装置を提供できる。
 さらに、精度の高い勾配推定を安定して出力する勾配推定装置を提供できる。
作用
 上記第1の課題を解決するために、自動車の自動変速制御装置において、負荷計算手段は、自動車の負荷を計算する。出力トルク推定手段は、駆動系のトルク特性を参照して、出力トルクを算出する。走行負荷推定手段は、上記負荷と出力トルクとより走行負荷を推定する。変速スケジュール可変制御部は、上記走行負荷と上記変速スケジュ−ルより実走行時の自動変速機の変速スケジュールを決定する。
 また、走行負荷のみならず、推定された自動車の車重と走行負荷とより変速するために、自動車の自動変速制御装置において、車重推定手段は、自動車の車重の推定を行なう。トルク推定手段は、出力トルクの推定を行なう。加速度入力手段は、加速度信号を受付ける。負荷推定手段は、得られた車重、出力トルク、加速度から走行負荷を推定する。記憶手段は、複数の変速スケジュ−ルを記憶する。ギア位置決定手段は、得られた車重と走行負荷に応じて上記変速スケジュ−ルから一つを選択し、選択された変速スケジュ−ルに従ってギア位置の決定を行なう。 上記第2の課題を解決するために、道路の勾配を推定する勾配推定装置において、トルク算出手段は、車両のトルクを算出する。車速検出手段は、車速を検出する。上記車速より走行抵抗を求め、上記車両のトルクから上記走行抵抗を減算して勾配抵抗を求めることにより、道路の勾配を推定する。
 また、上記第3の課題を解決するために、上記勾配推定装置において、判定部は、ノイズが発生していることを判定する。そして、ノイズ除去部は、ノイズが発生している時に、その時の推定値を無効とする。
 以下本発明の実施例を図に従って説明する。なお以下の説明では変速比またはギア比はトランスミッションのギア比とファイナルギア比をかけたものとする。
 本発明の構成の概略を図1に示す。
 スロットル開度を検知するスロットル開度検知手段101からはスロットル開度121が、車重推定手段106およびエンジン発生トルク推定手段108およびギア位置決定手段109に出力される。
 加速度を検知する加速度検知手段102からは加速度122が車重推定手段106および負荷推定手段110に出力される。
 車速を検知する車速検知手段103からは車速123が車重推定手段106およびギア位置決定手段109に出力される。
 エンジン回転数を検知するエンジン回転数検知手段104からはエンジン回転数124がトルクコンバータ発生トルク推定手段107およびエンジン発生トルク推定手段1001に出力される。トルクコンバータ発生トルク推定手段107およびエンジン発生トルク推定手段108は、トルク推定手段である。
 タービン回転数を検知するタービン回転数検知手段105からはタービン回転数125がトルクコンバータ発生トルク推定手段107に出力される。
 車重推定手段106ではスロットル開度121、加速度122、車速123をもとにして車重の推定が行われ、推定された車重126はギア位置決定手段109および負荷推定手段110に出力される。
 トルクコンバータ発生トルク推定手段107ではエンジン回転数124、タービン回転数125からトルクコンバータの発生トルクの推定が行われる。推定されたトルクコンバータの発生トルク1022は負荷推定手段110に出力される。
 エンジン発生トルク推定手段1001ではスロットル開度121、エンジン回転数124からエンジン発生トルク1015の推定が行われる。推定されたエンジン発生トルク1015はトルクコンバータ発生トルク推定手段107に出力される。
 負荷推定手段110では推定車重126、トルクコンバータの推定発生トルク1022から負荷トルクの推定が行われる。推定された負荷トルク128はギア位置決定手段109に出力される。
 ギア位置決定手段(変速スケジュ−ルの記憶手段でもある)109ではスロットル開度121、車速123、車重126、負荷トルク1028をもとにギア位置129の決定が行われる。決定されたギア位置129は油圧駆動手段111に出力される。
 油圧駆動手段111では決定されたギア位置になるように自動変速機のクラッチの駆動油圧が決定されクラッチを駆動する。
 図2は、本発明において用いられるエンジン駆動系とその制御ユニットの構成を示している。エンジン201及びトランスミッション202からはそれぞれの運転状態を示す信号がATコントロールユニット203に出力される。また車両信号207及びASCDコントロール(定速走行制御)ユニット信号208もATコントロールユニット203に入力される。ATコントロールユニット203ではこれらの信号からギア位置を決定しトランスミッション202に変速指令信号206を出力する。
 図3は図2において示された信号の詳細な説明である。信号304から信号307までがエンジンからの信号204に対応し、信号308から310までがトランスミッションからの信号205に対応し、信号311から信号314までが車両信号207に対応し、信号315,316がASCDコントロールユニット信号208に対応し、信号317から信号321までがATコントロールユニット信号206に対応する。これらの信号は入力信号処理ユニット302を介してATコントロールユニット301に入力され、ATコントロールユニット301から出力信号処理ユニット303を介して出力される。
 車重推定の方法はスロットルを踏み込んだときの加速度、車速の加速対応が車重によって違うことを利用して加速応答波形から車重を認識する方式である。この方式では、車重測定用のセンサを用いることによってコストをあげることがなく、自動変速機の変速制御を行うのに十分な精度で車重を推定することができる。
 図4は車重推定手段の詳細なブロック図である。加速度検知手段401から加速度411が時系列化手段(加速度入力手段)405および時系列化開始信号発生手段404に出力される。車速検知手段402から車速412が時系列化手段405に出力される。スロットル開度検知手段403からスロットル開度413が時系列化手段405および時系列化開始信号発生手段404に出力される。
 時系列化開始信号発生手段404では加速度411とスロットル開度413の両方の信号を見てスロットルが踏み込まれ、加速度が立ち上がった時つまり加速応答波形に対して時系列化を開始させるように時系列化手段405に信号を送る。
 時系列化手段405では時系列化開始信号416が出力された時点から、加速度、車速、スロットル開度を時系列化して時系列信号414をニューロ車重推定手段406に出力する。ニューロ車重推定手段406では加速度、車速、スロットル開度の時系列信号414を入力して車重の推定を行い推定車重415を出力する。
 図5は加速度、車速、スロットル開度の加速応答の時系列化について説明した図である。加速度があらかじめ定められたしきい値αthを越えた時点tsoから時系列化を開始し、周期Δtで加速度、車速、スロットル開度をサンプリングする。
 加速度にしきい値を設けた理由を図6に示す。加速時に時系列化を行う目的でスロットル開度にしきい値を設け、スロットル開度の立ち上がりに同期してサンプリングを開始することにした場合、スロットル開度の踏み方に個人差があるため前後加速度の立ち上がりにずれが生じてしまう。このずれを解消するために加速度にしきい値を設け、加速度がしきい値を越えた時点からサンプリングを開始することにしている。
 図7に時系列化開始信号発生手段の処理の手順を示す。まずスロットル開度が閉じていることを確認する。次にスロットルが設定されたしきい値を越え、立ち上がったあと、加速度がしきい値を越えた時点から時系列化を開始する。
 図8に図5の時系列化開始信号発生手段の処理の流れを示す。
step801:スロットル開度が閉じていればstep702へ。そうでなければstep701へ。
step802:スロットル開度がしきい値θthを越えたならstep703へ。そうでなければstep702へ。
step803:加速度αがしきい値αthを越えたならstep704へ。そうでなければstep703へ。
step804:時系列化開始信号を出力する。
 図9は車重推定に用いるニューラルネットの学習方法を示した図である。車重推定手段901は入力層、中間層、出力層の3層からなるラメルハート型のニューラルネットで構成されている。各層にはユニットがあり各層間のユニットの間は枝によってつながっている。信号は入力層→中間層→出力層と伝わっていく。枝には重みが与えられておりユニットから出力された信号は枝の重みを乗算されて次のユニットの入力となる。各ユニットでは入力信号の和からシグモイド関数を用いて変換が行われ出力される。
 ニューラルネットの車重学習は加速度、車速、スロットル開度が入力されたときの推定車重と実車重との誤差が小さくなるように各枝の重みを変更することによって行われる。いろいろなスロットル開度の踏み込み方に対応するために、あらかじめ一つの車に対して車重、スロットル開度を変えて加速応答波形を図4に示す時系列化方法によって実験によって測定しておき、ニューラルネットに加速度、速度、スロットル開度の時系列波形を入力して推定車重911を出力させる。そして実車重912との誤差913を求める。
 重み変更手段902では推定車重911と実車重912との誤差913を基に各層間の枝の重みを誤差が小さくなるように変更する。重みの変更アルゴリズムはバックプロパゲーションアルゴリズムが代表的であるが他のアルゴリズムを用いてもよい。
 走行負荷を推定し、それに応じて変速制御を行うための方法は、出力トルクを推定し、推定出力トルクと加速度、推定車重から運動方程式を解いて走行負荷を求めることにした。
 出力トルクの推定方法はトルコンの滑りと回転数からトルコン特性に従って出力トルクを推定する方法とエンジンの回転数とスロットル開度からエンジントルク特性に従って推定トルクを求める方法がある。
 トルコンの滑りから出力トルクを推定する方法はトルコンの滑りが大きい、すなわち入力と出力の回転比が小さいときには精度よく推定することができるが、滑りが小さいところ、すなわち入力と出力の回転比が大きいところでは精度が悪くなる。
 一方エンジンの特性から出力トルクを推定する方法は運転の全領域で精度は一定だが、補機類やエアコンの稼働に必要なトルクがわからないという問題がある。そこでトルコンの滑りの大きい領域ではトルコンから出力トルクを推定し、同時に補機やエアコンの稼働に必要なトルクも推定し、トルコンの滑りの小さい領域ではエンジンからの推定トルクに先に求めておいた補機類のトルクを引いて出力トルクとすることにした。
 図10は出力トルクの推定方法および負荷の推定方法を表した図である。エンジンの発生トルクから出力トルクを推定するにはスロットル開度1011とエンジン回転数1012からエンジントルクマップエンジン発生トルク推定手段)1001を用いてエンジン出力トルク1015を求める。エンジン出力トルク1015から補機等の負荷トルク1016を引いたものにトルコンのトルク比1017をかけてエンジン回転数から求めたタービントルク1014を求める。
 またトルコンのポンプ回転数(エンジン回転数)1012とタービン回転数1013から出力トルクを求めるにはタービン回転数1013とエンジン回転数1012からタービン回転数とエンジン回転数の比Nt/Neを求め、トルコントルク特性マップ1002からトルコンのトルク比1017とポンプトルク容量係数τ1018を求める。トルコンのポンプトルク容量係数τ1018にエンジン回転数1012の2乗をかけポンプトルクを求める。さらにこれにトルク比1017をかけてタービントルク1019を求める。
補機トルク推定手段1003ではエンジンからの推定タービントルク1014
とトルコンからの推定タービントルク1019を比較し、タービン回転数とエンジン回転数の比Nt/Neが0.8より小さいときはエンジンからのタービン出力トルク1014とトルコンからのタービン出力トルク1019との誤差がなくなるように推定補機トルク1016を出力する。タービン回転数とエンジン回転数の比Nt/Neが0.8より大きいときは最新の推定補機トルクTacc1016を
出力する。
 ここでNt/Ne=0.8で切り替えることとしたが、0.8という値は、トルクコンバータの特性により変わるが、トルクコンバータのクラッチポイント付近の値を用いると良い。これは、トルコンのポンプ容量係数の誤差が大きくなるNt/Neの値がクラッチポイントを境にするからである。
 タービントルク推定手段1004ではトルコンのタービン回転数とエンジン回転数の比Nt/Ne1021が0.8より小さい時はトルコンからタービントルクを推定トルクとして出力し、0.8より大きいときはエンジンからのタービントルクを推定タービントルクとして出力する。このようにして求めた推定タービントルク1022にギア比r1024をかけて推定出力トルクTo1023を求め
る。推定走行負荷トルクTL1028はこの推定出力トルク1023から推定車
重にタイヤの有効径と加速度1026をかけたものを引いて求める。
 図11はエンジントルクマップを(a)に、トルコン特性マップを(b)に表したものである。エンジントルクマップはエンジンの回転数を横軸にとり、スロットル開度をパラメ-タとして、発生トルクを表している。トルコン特性マップは横軸
にトルコンの入力と出力の回転比をとりポンプトルク容量係数τとトルコンの入力と出力のトルク比tを表している。
 図12は補機トルク推定手段1003の処理の流れを表したものである。以下に処理の流れを示す。
STEP1201:補機トルクTacc=0とする。
STEP1202:トルコンのすべりeが0.8より小さいときはSTEP1203へ。そうでないときはSTEP1202へ。
STEP1203:エンジンからの推定タービントルクTt1とトルコンからの推定タービントルクTt2の差を求める。Terr=Tt1−Tt2
STEP1204:補機推定トルクを求める。Tacc=Tacc+Terr/t
但しtはトルコントルク比
 図13はエンジンからの推定タービントルクを求める処理の流れである。以下にその処理を示す。
STEP1301:エンジン回転数Neとスロットル開度TVOの値を読み込む
STEP1302:エンジン回転数Neとスロットル開度TVOからエンジント
ルクマップに従ってエンジントルクTeを求める。
STEP1303:エンジントルクTeから補機トルクTaccを引いてトルコンのトルク比tをかけてエンジンからのタービントルクTt1を求める。
 図14はトルコンの回転からタービントルクを求める処理の流れである。以下にその処理を示す。
STEP1401:車速Vsp、エンジン回転数Ne、ギア比rの値を読み込む。
STEP1403:タービン回転数を車速とタイヤの有効径rwから計算する。
STEP1405:トルコンの滑りeを求めトルコン特性マップからポンプトルク容量係数τとトルコンのトルク比tを求める。
STEP1406:エンジン回転数Neを2乗したものにポンプトルク容量係数
τをかけて、ポンプトルクTpを求め、さらにポンプトルクTpにトルコンのトルク比tをかけてトルコンからのタービントルクTt21019を求める。
なおこの処理は車速からタービン回転数を求めるかわりに直接タービン回転数を求めてもよい。この場合STEP1401,STEP1403は以下の処理で置き換えられる。
STEP1402:エンジン回転数Neの値を読み込む。
STEP1404:タービン回転数Ntの値を読み込む。
 図15は推定出力トルクと加速度から推定負荷トルクTLを求める処理の流れ
である。以下に処理を示す。
STEP1501:トルコンの回転比eが0.8より小さいならばSTEP1502へ、そうでなければSTEP1503へ。
STEP1502:推定タービントルクTtをトルコンからのタービントルクTt2とする。STEP1504へ。
STEP1503:推定タービントルクTtをエンジンからのタービントルクTt1とする。
STEP1504:推定タービントルクTtにギア比rをかけて推定出力トルク
Toを求める。
STEP1505:推定出力トルクToから推定車重Mに有効タイヤ径rwと加速度αをかけたものを引いて推定負荷トルクTLを求める。
 図16は補機類のトルクを求める別の方法を示している。この方法は補機類のトルクをあらかじめ機器ごとに設定しておきその機器がONになっているときにはその値を加えるというものである。この図ではエアコンのトルクを例にとっている。
STEP1601:Tacc=0
STEP1602:エアコンがONになっていればSTEP1603へ、そうでなければ終りへ。
STEP1630:Tacc=Tacc+Tac
 次に推定負荷及び推定車重をもとに変速パターンを変える制御について説明する。図17は推定車重および推定負荷からギア位置を決定するギア位置決定手段のブロック図である。
シフトアップ変速線選択部1701は車重信号1711および負荷信号1712を入力とし、シフトアップ変速線1714をギア位置最終決定手段1703に出力する。シフトダウン変速線選択部1702は負荷信号1712を入力としてシフトダウン変速線1715を出力する。ギア位置最終決定手段1703は車速信号1716とスロットル開度信号1717とシフトアップ変速線1714とシフトダウン変速線1715を入力として変速信号1713を出力する。
図18はシフトアップとシフトダウンの車重と負荷による制御について示したものである。シフトアップの場合には図18(a)のような変速マップを用い、シ
フトダウンの場合には(b)のような変速マップを用いる。
 シフトアップの場合には車重、負荷が大きくなるにつれ変速線は1,2,3と移動する。またシフトダウンの場合には負荷が大きくなるにつれA,B,Cと変速線が移動する。
 シフトダウンの場合に変速線Aがスロットル開度が小さい場合に車速が高いほうに変速線が移動しているのはエンジンブレーキを意図している。
 上記の実施例では、車重と走行負荷から変速線を決定したが、走行負荷のみから変速線を決定することとしても良い。
 上記の実施例では、予め設定された変速線のいずれかを選択したが、推定負荷や車重や勾配から変速線を連続的に変えることとしても良い。連続的に変える方法としては、交差しない2つの変速線を用い、これを例えば、車速方向に内分または外分することとすれば良い。以下これを説明する。
 図19に傾斜角(勾配)と車重から変速線を決定する自動車の自動変速制御装置のブロック図を示す。
 本装置は、勾配抵抗算出部(負荷推定手段)1901と、連続可変量算出部1902と、連続可変部1903と、変速パターンA記憶手段1904と、変速パターンB記憶手段1905とを有する。連続可変量算出部1902と、連続可変部1903とは変速スケジュール可変制御部であり、変速パターンA記憶手段1904と、変速パターンB記憶手段1905とは、変速スケジュールの記憶手段である。
 勾配抵抗算出部(負荷推定手段)1901は、勾配θと、車重Wとを入力されて、以下の数1により、勾配増分抵抗ΔLを求める。
Figure 2004108589
 連続可変量算出部1902は、以下の数2、数3により連続可変量Zを求める。
Figure 2004108589
Figure 2004108589
 ここで、yは勾配相当係数であり、上記の数2よりy≒W・θ/Wstで求めても良い。Wstは、デフォルトで設定されている標準車重、εは、連続可変量変換係数である。
 連続可変部1903は、連続可変量Zより以下の数4で示すxを求め、このxとスロットル開度より図20に示すように可変に変速線を求めて、ギヤ位置を決定する。
Figure 2004108589
 変速パターンA,Bは、変速パターンA記憶手段1904と、変速パターンB記憶手段1905から送られてくる。これにより、勾配に応じた滑らかな変速が可能となる。
 次に、車重と勾配と加速要求からギヤ位置を決定する場合について述べる。この場合は、上記の図19において勾配増分抵抗を以下のように求める。勾配増分抵抗を求めた後の処理は、図19のままである。まず、図21(a)に示すスロットル開度の時間変化を測定する。次に、図21(b)に示す様に、スロットル開度の時間微分を求める。これらのスロットル開度の時間微分、スロットル開度より予め定められた関数関係に基ずいて、以下の数5により加速要求αを求める。
Figure 2004108589
 加速要求αを求めた結果の1例を図21(c)に示す。この様にスロトル開度およびスロトル開度の微分が1定値以上のときに加速要求があるとする。
 得られた加速要求αと車重Wと勾配θとより、以下の数6により勾配増分抵抗ΔLを求める。
Figure 2004108589
 上記に依れば、加速要求も考慮した滑らかな変速が可能となる。
 以上述べたように本発明に依れば、自動車の運転特性から車重を推定し、出力トルクについてはトルコンのすべりまたはエンジンの回転数とスロットル開度から推定して、出力トルクと加速度から走行負荷を推定し、シフトアップ時には車重および走行負荷の両方を利用して変速線を移動し、シフトダウン時には走行負荷のみを考慮して変速線を移動することにより、燃費が向上し、運転状況に応じた的確な変速が可能となる。
 なお、本実施例は、車重を推定することとしてが、本発明は、これに限られるものではなく、車重をセンサにより、直接計測することとしても良い。
 つぎに、本発明のうち勾配推定及びそれを利用した変速制御装置について述べる。図42は、本発明の1実施例のブロック図であり、図43、44は勾配推定部、図45、46はトルク推定部のブロック図である。図47は勾配推定例のチャート図である。図48は本発明に係るノイズ除去部をホールド機能により実現した具体的な構成ブロック図である。図49はスロットル加減速によるノイズ除去の処理手順を示すブロック図、図50はスロットル加減速判定のフローチャート図、図51はスロットル開度差分によるノイズ除去の処理手順を示すタイムチャート図、図52はブレーキ操作判定によるノイズ除去の処理手順を示すブロック図、図53はブレーキ操作判定によるノイズ除去の処理手順のタイムチャート図、図54は車速ホールド判定によるノイズ除去の処理手順のブロック図、図55は車速ホールド判定によるノイズ除去の処理を示すタイムチャート図、図56は加速度によるノイズ除去の処理手順を示すブロック図、図57は加速度によるノイズ除去の処理手順のタイムチャート図、図58は複合要因が重なった時のホールド例、図59は複合要因の和としてのホールド信号の生成ブロック図、図60はマスクフラグによるノイズ除去の実現例である。
 図61は変速機制御への応用の1実施例、図62は変速機制御への応用の他の実施例、図22は変速パターン生成のブロック図、図23は変速パターン可変量X算出のブロック図、図24は変速パターン勾配分可変量関数のグラフ、図25は変速機制御への応用の他の実施例、図26は変速パターン切り換えで使う変速パターン、図27は勾配対応変速機制御を行うハード構成図、図28はエンジン、変速機の構成図、図29は車速計測の処理を示すタイムチャート図、図30は車速計測の処理手順を示すブロック図、図31はN分周の周期計測による車速計測の処理手順を示すブロック図、図32は可変分周の周期計測による車速計測の処理手順を示すブロック図、図33はヒステリシス付可変分周の周期計測による車速計測の処理手順を示すブロック図、図34はヒステリシス付可変分周の動作を示すグラフ図である。
 図35はタービンセンサとエンジン回転センサによる速度比eの計算処理手順を示すブロック図、図36は車速センサとエンジン回転センサによる速度比eの計算処理手順を示すブロック図、図37はトルコントルクとエンジントルクの切り換え処理手順を示すブロック図、図38はトルコントルクとエンジントルクの切り換えによる出力軸トルク推定部の処理手順を示すブロック図、図39は悪路によるノイズ除去の処理手順を示すブロック図、図40はノイズ除去全体の処理手順を示すブロック図、図41はエンジントルク特性によるポンプトルク推定の処理手順を示すブロック図である。
 まず、図42において、本発明に係る勾配対応自動車制御装置は、勾配推定装置と自動車制御部5とを有する。勾配推定装置は、勾配推定部1と、ノイズ除去部3とを有する。勾配対応自動車制御装置は、車速、スロットル開度、エンジン回転数、及びギヤ位置等の自動車のエンジン及び自動変速機の内部状態より、勾配推定部1で勾配を推定し、推定勾配2を車速、スロットル開度、エンジン回転数、ギヤ位置及びブレーキの作動に係わるブレーキ信号等の自動車のエンジン及び自動変速機の内部状態より推定勾配に重畳する機械的メカニズムにより発生するノイズを除去するノイズ除去部3を付加する。
 ここで、推定勾配に重畳する機械的メカニズムは予めその特性を把握し、プログラムされ、上記内部状態よりノイズ除去信号を生成するものである。例えば、自動変速機の変速中は、変速中であることをギア位置から求め、その変速中及び、その後に及ぶ影響の時間区間をノイズ除去時間帯としてノイズを除去する。ここで上記その後に及ぶ時間区間とは内部の処理のローパスフィルタにより発生するものでその対策も実施している。ノイズ除去後の推定勾配4を用い自動車制御部5では、例えば自動変速機(AT)の変速パターンを勾配に応じて可変化する。
 具体的には、高速時の変速頻度が増すビジィシフトの回避を勾配5−6%を参考にして、ビジィシフトの開始の確認及びその終了検出に使う。ビジィシフトの回避は最高速段のギア位置からシフトダウンしたらそのギア位置を維持する制御である。
 このほか、景勝地によく見られる登坂屈曲路のコーナ前での足離しによるアップシフトをなくす変速パターンの制御がある。これは、勾配が6−7%以上となると、変速パターンのスロットルが低開度のときのアップシフトの変速パターンを高車速側にし、アップシフトを防止するという制御である。
 また降り坂では、降りの勾配を検知すると、車速が低いときはエンジンブレーキがかるようにギア位置及びエンジンブレーキ用ワンウェイクラッチの制御を行なうもので、降り坂を安心して降りることができる。
 このほか、車速一定制御では、勾配が先行的に取得できる特長を活かし、勾配路での応答性を向上できる。
 このほかにもエンジン制御、電子スロットル制御、スリップを防止するブレーキ制御、トラクション制御、ナビゲーション制御等の自動車の制御をおこなう。 たとえば、ナビゲーションシステムにおいては、自動車の勾配により、傾斜の評定の誤差の補正ができる。その効果として、位置評定の累積誤差を小さくすることができる。
 図43は図42の勾配推定部1の1実施例のブロック図を示したものである。まず、図43の考え方を以下数式により説明する。自動車が走行するときの走行抵抗FRは下記の数1にしめすようにころがり抵抗、空気抵抗、勾配抵抗の和か
らなる。
Figure 2004108589
 それぞれ下記の数8−10にその表現をしめす。
Figure 2004108589
Figure 2004108589
Figure 2004108589
 ここで、Wは自動車総重量、Wrは回転部相当重量、μrはころがり抵抗係数、μ1は空気抵抗係数、Aは自動車の全面投影面積、及びθが勾配の角度をしめす
。以上の数7−10を使って、下記の数11に変形できる。
Figure 2004108589
 また加速に必要な加速抵抗Fαは下記の数12となる。
Figure 2004108589
 ここで下記の数13をもちいて、勾配抵抗を求めると、下記の数14となり、変形すると、下記の数15となり、更にトルクで表現すると下記の数16となる。
Figure 2004108589
Figure 2004108589
Figure 2004108589
















Figure 2004108589
 ここで、エンジンそして、トルクコンバータ及びギアトレインから伝達される駆動力がFo、駆動トルクが下記の数17である。
Figure 2004108589
 また、平地の走行抵抗による平地走行トルクを下記の数12に示す。
Figure 2004108589
 車両の加速度αは車速の微分(差分)より求める。
図43は数10の展開例のブロック図である。図44は車速の加速度相当量であるDVSPがローパスフィルタを通した結果を説明する図である。同時に図の他の実施例でもある。図44固有の効果としては、単体でDVSPを利用できるため加速度を他の制御に利用できるという特長がある。
 図45は、駆動トルク(出力軸トルク)Toを具体的に算出する方法を示す。
ここでは、トルクコンバータの機械的特性より求め方式により実現している。トルコントルク特性記憶部1015を利用し、1010を実行する。その詳細を図46に示す。
 トルクコンバータの入出力回転速度比eの定義式は下記の数19に示す。
Figure 2004108589
 トルクコンバータの入力側のポンプトルクTpの定義式は下記の数20に示す
Figure 2004108589
 さらに出力側のタービントルクの定義式は下記の数21であり、駆動力トルクToの定義式は下記の数22で表現される。
Figure 2004108589








Figure 2004108589
 この数22の実現ブロック図が図46である。ここではトルクコンバータの特性を用いたが、エンジンのトルク特性をスロットル開度とエンジン回転数から予め記憶したマップを検索しアクセサリ負荷を差し引いたのち使う方式としてもよい。また両者の併用も他の実現手段である。これらの特長は付加センサなしに算出できるという効果がある。付加センサとして車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサを追加し、そのセンサが勾配路走行時には勾配抵抗と車両の加速度を重畳して、検出することを利用し、センサの出力から車速の微分DVSPを差し引き勾配を求めてもよい。この場合始動時等、エンジン等の特性が定常に達しない場合でも利用できるという特長効果がある。
 再度、ブロック図の説明を加える。図43において、勾配推定の1実施例の動作を説明する。車速、スロットル開度、エンジン回転数、及びギヤ位置等車両走行条件より出力軸トルク推定部1010で推定した出力軸トルクから、車速より平地走行抵抗部1030で求めた平地走行抵抗と、車速差分部1040で求めた車速の差分に自動車総重量1050とタイヤ半径1060を掛けたものを引き、LPF1020に通し、自動車総重量とタイヤ半径1070で割り、勾配2を求める。この時の車速は出力軸の回転パルスを周期計測して高精度に求めている。
 図28において、車速計測のためのエンジン、変速機の構成を説明をする。エンジン1110の回転がAT1120に伝わりトルコンを介して駆動軸に伝わる。駆動軸に取り付けられた歯車1122が回転すると磁気ピックアップの車速センサ1121によりパルス信号1123が発生する。この回転パルスを周期計測して車速を求める。また歯車1122と車速センサ1121を車輪軸に設けてもよい。
 図29において、駆動軸または車輪軸に設けた歯車から車速を求めるタイムチャートの動作説明をする。歯車1122が回転すると磁気ピックアップの車速センサ1121によりパルス信号1123が発生する。このパルス間をクロック1125でカウントし、周期Tを求める。この周期Tを一定時間Tt毎にサンプリングし、車速1126に変換する。
 図30において、車速を求めるブロック図の動作説明をする。パルス信号1123を周期計測部1127においてクロック1125でカウントし周期Tを求め、一定時間サンプリング部1128でTt毎にサンプリングし、車速変換部1129で車速に変換する。
 図31において、車速を求める他の実施例のブロック図の動作説明をする。歯車の歯の間隔は必ずしも一定ではないので、1周期毎の周期計測では歯車のピッチエラーによる周期計測誤差が大きくあらわれる。そこで歯車の1回転分の周期を計測することにより計測誤差を小さくすることが可能になる。パルス信号1123を周期計測部1127においてクロック1125でカウントし周期Tを求め、N分周カウント部1130でN個分のパルス信号1123をカウントするまで積算手段1131で周期Tを積算していく。この積算値を一定時間サンプリング部1128でTt毎にサンプリングし、車速変換部1129で車速に変換する。
 図32において、車速を求める他の実施例のブロック図の動作説明をする。図31で示したように分周比を増加した方が計測誤差を小さくできる。しかし低車速では周期計測値がオーバーフローするおそれがある。また車速とクロックと車速変換のタイミングの関係で変換した車速にノイズがのる領域がある。そこで車速に応じて分周比を変更することにより車速を高精度に計測することができる。パルス信号1123を周期計測部1127においてクロック1125でカウントし周期Tを求め、可変分周カウント部1132で周期Tに応じて決定された分周比M個分のパルス信号1123をカウントするまで積算手段1131で周期Tを積算していく。この積算値を一定時間サンプリング部1128でTt毎にサンプリングし、車速変換部1129で分周比Mに応じた車速に変換する。
 図33において、車速を求める他の実施例のブロック図の動作説明をする。図114の可変分周カウント部1132に車速によるヒステリシスをもたせたものがヒステリシス付可変分周カウント部1133である。ヒステリシスをもたせることにより分周が切り換わる車速付近で走っていても分周比が忙しく切り換らず分周比の違いによる変動を小さくすることができる。
 図34において、ヒステリシスをもった可変分周の動作説明をする。低車速から高車速に移るときは車速V1までは分周比N1、V1からV2まではN3、V2からV3まではN2、V3以上はN3となる。高車速から低車速に移るときはV3’以上
はN3、V3’からV2’まではN2、V2’からV1’まではN3、V1’以下は分周比N1となる。
 図44において、勾配推定の他の実施例の動作を説明する。車速、スロットル開度、エンジン回転数、及びギヤ位置等車両走行条件より出力軸トルク推定部1010で推定した出力軸トルクから車速より平地走行抵抗部1030で求めた平地走行抵抗を引きLPF1021に通したものから、車速差分部1040で求めた車速の差分に自動車総重量1050とタイヤ半径1060を掛けLPF1022に通したものを引き、自動車総重量とタイヤ半径1070で割り、勾配2を求める。
 図45において、出力軸トルク推定部の動作の説明をする。スロットル開度、エンジン回転数、及びギヤ位置等車両走行条件より出力軸トルク推定部1010とトルコントルク記憶部1015で出力軸トルクを推定する。
 図46において、出力軸トルク推定部の詳細な動作の説明をする。タービン回転数とエンジン回転数を速度比計算部1011に入力し、速度比eを求め、これよりポンプトルクマップ1016よりポンプトルク係数、トルクマップ1017よりトルク比を求め、ポンプトルク係数にエンジン回転数の2乗とトルク比を掛ける。これにギヤ比計算部1012でギヤ位置により求めたギヤ比とファイナルギヤ比を掛けて出力軸トルクを算出する。これはトルコンの特性から出力軸トルクを算出しているが、スロットル開度とエンジン回転数からエンジンの出力トルクを計算して出力軸トルクを算出してもよい。この時、エアコン等のアクセサリー負荷を考慮にいれなければならない。また両者の併用も他の実現手段である。
 図41にエンジントルク特性によるポンプトルク推定のブロック図の説明をする。エンジントルク算出部1911でスロットル開度とエンジン回転数から予め記憶したマップを検索し、エンジンの出力トルクTeを計算する。このエンジントル
クTeからエアコン等に使われるトルクTaccを引きポンプトルクTpを算出する
 図35に速度比eを求めるブロック図の説明をする。タービンセンサ1710のパルス信号をタービン回転数計算部1711で周期計測し、タービン回転数に変換する。エンジン回転センサ1712のパルス信号をエンジン回転数計算部1713で周期計測し、エンジン回転数に変換する。この計算されたタービン回転数とエンジン回転数を速度比計算部714に入力し、速度比eを求める。
 図36に速度比eを求める他の実施例のブロック図の説明をする。車速センサ1121のパルス信号を車速変換部1129で周期計測し、車速を求め、ギヤ位置と車速によりタービン回転数換算部でタービン回転数に変換する。エンジン回転センサ1712のパルス信号をエンジン回転数計算部1713で周期計測し、エンジン回転数に変換する。この計算されたタービン回転数とエンジン回転数を速度比計算部1011に入力し、速度比eを求める。
 図37にトルコントルクとエンジントルク併用のポンプトルク推定の実施例のブロック図を示す。速度比eが高い時や、コースト、エンブレ、L/U時はトルクコンバータの特性から求めるトルクよりもエンジンのトルク特性から求めるトルクの方が精度が良いので、速度比e、L/U、TVO等の状態により使用するトルクを切り換えてトルク推定誤差を小さくすることが可能になる。図5で説明したようにトルコントルク算出部1910でトルコントルクTp1を算出する。また、エンジントルク算出部1911でスロットル開度とエンジン回転数から予め記憶したマップを検索しエンジントルクTeを算出し、補器トルク学習部1912で計算され
たアクセサリ負荷Tacc1を差し引きポンプトルクTp2を算出する。このアクセサリ負荷Tacc1は変速中及び速度比eがある一定の範囲内の時は学習計算しない。また、トルクを0としたものをTp3とする。コースト、エンブレ、L/U判定部1917に速度比e、L/U、TVOの信号を入力し、コースト、エンブレ、L/Uを判定し、その状態と速度比eをトルク切り換え部1916に入力する。トルク切り換え部1916では速度比eがある値以下の時はTp1、そうでない時及びL/U時
はTp2、コースト時はTp3、エンブレ時はTp2を選択しTp4として出力しポンプトルク推定誤差を小さくする。
 図38にトルコントルクとエンジントルク併用の出力軸トルク推定の実施例のブロック図を示す。図46で説明したようにトルコントルク算出部1910でトルコントルクTp1を算出する。また、エンジントルク算出部1911でスロットル開度とエンジン回転数から予め記憶したマップを検索しエンジントルクTeを算出し、
補器トルク学習部1912で計算されたアクセサリ負荷Tacc1を差し引きポンプトルクTp2を算出する。このアクセサリ負荷Tacc1は現在のギヤ位置CURGPと次の指令ギヤ位置NXTGPにより変速中検出部1913で変速中と判定された時及び速度比eがある一定の範囲内の時は学習計算しない。また、トルクを0としたものをTp3とする。コースト、エンブレ、L/U判定部1917に速度比e、L/U、TVOの信号を入力し、e<1でTVO=0の時はコースト、e>1でTVO=0の時はエンブレ、L/U信号がONの時はL/Uと判定し、その状態と速度比eをトルク切り換え部1916に入力する。トルク切り換え部1916では速度比eがある値以下の時はTp1、そうでない時及びL/U時はTp2、コースト時はTp3、
エンブレ時はTp2を選択しTp4として出力しポンプトルク推定誤差を小さくする。このTp4に1017でeから予め記憶したマップを検索し算出したトルク比t掛け、ギヤ比テーブル1012で現在のギヤ位置CURGPから検索したギヤ比を掛け、ファイナルギヤ比1013を掛け出力軸トルクToを算出する。ギヤ比テーブル1012
でギヤ比を求めるギヤ位置信号は次の指令ギヤ位置NXTGPでもよい。または現在のギヤ位置CURGPと次の指令ギヤ位置NXTGPの併用でもよい。
 図47において、ギヤ位置によるノイズ除去のタイムチャートの1実施例を説明する。変速中及び変速完了後一定時間は推定勾配のように誤差を生じる。このため変速中及び変速完了後一定時間はノイズ除去をする必要がある。現在のギヤ位置信号CURGPが次のギヤ位置信号NXTGPと違う時及び現在のギヤ位置信号と次のギヤ位置信号が同じになってから一定時間(T1秒)は推定勾配をホールドし、ホールド後の推定勾配のようにノイズ除去をする。
 図48において、ギヤ位置によるノイズ除去の処理手順の1実施例を説明する。推定勾配はエンジン/変速機のメカに依存しているので変速中はギヤ位置及びギヤ比がはっきりせず推定勾配に誤差が生じる。このため変速中はノイズ除去をする必要がある。またLPFに通しているので変速完了後一定時間はスパイク状の誤差が生じる。このため変速完了後一定時間はノイズ除去をする必要がある。変速機制御部60より出力される現在のギヤ位置信号と次のギヤ位置信号が同じか否かにより変速状態を変速中判定部3010で判定し、変速中フラグを出力する。ディレイ部3020で変速中フラグがONの時及び変速中判定部3010の判定がONからOFFに変わった後一定時間(T1秒)はホールドONとし、勾配ホールド部3030でホールドON時はホールドON直前の値を保ちノイズ除去をおこなう。
 図49において、スロットル開度によるノイズ除去の処理手順の1実施例を説明する。スロットルを急に開いたり閉じたりするとトルクが大きく変動する。このためスロットルの急開閉時は推定勾配に誤差を生じる。このためスロットル急開閉時はノイズ除去する必要がある。またLPFに通しているのでスロットル急開閉時後一定時間にも誤差が生じる。このためスロットル急開閉時後一定時間はノイズ除去する必要がある。スロットル開度の一定時間の差分をスロットル開度差分部70で求め、スロットル加減速判定部3011でスロットル加減速中か判定し、スロットル加減速中フラグを出力する。ディレイ部3020でスロットル加減速中フラグがON及びスロットル加減速判定部の判定がONからOFFに変わった後一定時間(T2秒)はホールドONとし、勾配ホールド部3030でホールドON時はホールドON直前の値を保ちノイズ除去をおこなう。
 図50において、スロットル加減速判定のフローチャートの1実施例を説明する。スロットル差分とスロットル加速スレッシュホールド値とを比較し(3040)、スロットル差分がスロットル加速スレッシュホールド値より大きければ加速中と判定し、スロットル加減速中フラグをONし(3041)、そうでなければOFFする(3042)。次にスロットル差分とスロットル減速スレッシュホールド値とを比較し(3043)、スロットル差分がスロットル減速スレッシュホールド値より小さければ減速中と判定し、スロットル加減速中フラグをONし(3044)、そうでなければOFFする(3045)。
 図51において、スロットル開度によるノイズ除去のタイムチャートの1実施例を説明する。スロットル加減速中及びスロットル加減速後一定時間は推定勾配のように誤差を生じる。このためスロットル加減速中及びスロットル加減速後一定時間はノイズ除去をする必要がある。スロットル差分がスロットル加減速スレッシュホールド値の範囲外になった時及びその後一定時間(T2−1,T2−2秒)は推定勾配をホールドし、ホールド後の推定勾配のようにノイズ除去をする。
 図52において、ブレーキによるノイズ除去の処理手順の1実施例を説明する。ブレーキを踏むとタイヤが拘束され走行抵抗に誤差を生じ、推定勾配に誤差を生じる。ブレーキ操作時はノイズ除去をする必要がある。またLPFに通しているのでブレーキを離した後一定時間はスパイク状の誤差が生じる。このためブレーキを離した後一定時間はノイズ除去をする必要がある。ブレーキ操作判定部3012でブレーキを踏んでいるか否か判定し、ブレーキ操作中フラグを出力する。ディレイ部3020でブレーキ操作中フラグがONの時及びブレーキ操作判定部3012の判定がONからOFFに変わった後一定時間(T3秒)はホールドONとし、勾配ホールド部3030でホールドON時はホールドON直前の値を保ちノイズ除去をおこなう。
 図53において、ブレーキによるノイズ除去のタイムチャートの1実施例を説明する。ブレーキ操作中及びブレーキ操作後一定時間は推定勾配のように誤差を生じる。このためブレーキ操作中及びブレーキ操作後一定時間はノイズ除去をする必要がある。ブレーキを踏んでいる時及びブレーキを離した後一定時間(T3)は推定勾配をホールドし、ホールド後の推定勾配のようにノイズ除去をする。
 図54において、車速によるノイズ除去の処理手順の1実施例を説明する。車速は出力軸の回転パルスを周期計測して高精度に求めているので車速数km/h以下で計測不可能な領域があり、推定勾配に誤差を生じる。このため車速数km/h以下でノイズ除去をする必要がある。車速ホールド判定部3013で車速数km/h以下か否か判定し、車速ホールドフラグを出力し、勾配ホールド部3030で車速が数km/h以下の時はホールドON直前の値を保ちノイズ除去をおこなう。
 図55において、車速によるノイズ除去のタイムチャートの1実施例を説明する。車速数km/h以下では推定勾配に誤差を生じる。このため車速数km/h以下でノイズ除去をする必要がある。車速が車速スレッシュホールド以下の時推定勾配をホールドし、ホールド後の推定勾配のようにノイズ除去をする。
 図56において、車速差分によるノイズ除去の処理手順の1実施例を説明する。急な速度変化があるとLPF等のために推定勾配に誤差が生じる。また、計算の時オーバーフローで推定勾配に誤差がでる場合がある。このため急な速度変化があった時ノイズ除去をする必要がある。また、メモリ節約のためリミッタを設け入力を制限する必要がある。車速差分部1040で現在の車速と一定時間前の車速の差をとり、LPF1022に通し、車速差分ホールド判定部3014で車速差分スレッシュホールド値より大きいか否かによりホールドON・OFFを判定し、車速差分ホールドフラグを出力し、勾配ホールド部3030でホールドONの時はホールドON直前の値を保ちノイズ除去をおこなう。
 図57において、車速差分によるノイズ除去のタイムチャートの1実施例を説明する。急な車速変化があると推定勾配に誤差が生じる。車速差分が車速差分スレッシュホールド値よりも高い時は推定勾配はホールドされ、ホールド後の推定勾配のようになる。
 図39において、悪路によるノイズ除去の処理手順の1実施例を説明する。悪路では車体が急激に前後左右に傾くので推定勾配に誤差を生じる。また低μ路を走行すると車輪がスリップしたりして走行抵抗が変化するので推定勾配に誤差を生じる。このため悪路や低μ路を走行するときはノイズ除去をする必要がある。車速と車速差分部1040で現在の車速と一定時間前の車速の差をとった車速差分とスロットル開度とスロットル開度差分部70で現在のスロットル開度と一定時間前のスロットル開度の差をとったスロットル開度差分を悪路判定部3015に入力し、それらがある一定範囲内にあるか否かにより悪路ホールドON・OFFを判定し、悪路ホールドフラグを出力し、ディレイ部3020で悪路ホールドフラグがONの時及び悪路判定部3015の判定がONからOFFに変わった後一定時間はホールドONとし、勾配ホールド部3030でホールドON時はホールドON直前の値を保ちノイズ除去をおこなう。低μ路も同様に検出し、ノイズ除去ができる。
 図40において、ノイズ除去処理の全体のブロック図の動作説明をする。車速、スロットル開度、ブレーキ信号、ギヤ位置信号が入力され、それぞれの判定部3010〜3015で判定する。このうちの一つでもホールドONになると勾配ホールド部3030でホールドON時はホールドON直前の値を保ちノイズ除去をおこなう。
 図58において、複合要因が重なった時のホールド例を説明する。スロットル加速と変速が重なった時それぞれのホールドフラグはそれぞれの条件を満たした時のみ出力され、全体のホールドフラグはそれらの和で出力される。
 図59において、複合要因の和としてのホールド信号生成の動作説明をする。変速ホールドフラグ、スロットル差分ホールドフラグ、ブレーキホールドフラグ、車速ホールドフラグ、車速差分ホールドフラグの和が全体のホールドフラグとなる。
 図60において、マスクフラグによるノイズ除去の実現例を説明する。変速機制御部60より出力される現在のギヤ位置信号と次のギヤ位置信号が同じか否かにより変速状態を変速中判定部3010で判定し、変速中フラグを出力する。ディレイ部3020で変速中フラグがONの時及び変速中判定部3010の判定がONからOFFに変わった後一定時間(T6秒)はマスクONとし、勾配2と共にマスクフラグを自動車制御部5に出力し、マスクフラグの値を見て勾配2を使うか否かを決めノイズ除去をおこなう。
 図61において、変速機制御への応用の1実施例を説明する。変速機制御部5010に勾配、車速、スロットル開度を入力し、勾配により変速マップを変え、車速とスロットル開度によりギヤ位置を決め制御する。これにより登り坂を高車速で走る場合に起こりやすいビジィシフトの回避や登り坂のコーナーでのアップシフト防止や下り坂での走りすぎ防止等が実現できる。
 図62において、変速機制御への応用の他の実施例を説明する。低車速側に変速線が寄っていて低車速ですぐアップシフトする変速パターンA5022と高車速側に変速線が寄っていて高車速にならないとアップシフトしないパターンB5023からTVO,VSP,DTVO,θを用いて現在の走行状態に最適な変速パターンを変速パターン生成部5021で生成する。この生成された変速パターンを用いCURGP,TVO,VSPで次の指令ギヤ位置NXTGPNEWを検索し出力する。ここで用いているパターンA5022とパターンB5023は車速方向に変速線を動かしているがTVO方向に動かしてもよい。変速線を高開度側に寄せればすぐシフトアップし、低開度側に寄せればシフトアップしにくいパターンとなる。
 図22において、変速パターン生成のブロック図を説明する。可変量X算出部5024でTVO,VSP,DTVO,θを用いて可変量Xを算出する。変速パターン計算部5025でパターンA5022とパターンB5023の間を可変量Xに応じて補間し変速パターンを生成する。
 図23において、可変量X算出のブロック図を説明する。可変量X算出部5024は勾配による変速パターンの可変量x1を算出する勾配分可変量算出部5026と運
転者の加速意図による変速パターンの可変量x2を算出する加速意図分可変量算
出部5027で構成されており、これらの出力x1,x2をたしたものが可変量Xとなる。勾配分可変量算出部5026はθを引数とする関数によりx1を算出する。例え
ばθ1からθ2の間はx1は一定値でθ1以下はθが小さくにつれx1が大きくなり
、θ2以上はθに比例してx1が大きくなるような関数により算出される。この場合θ1からθ2の範囲では変速パターンに変化はないが、この範囲外の登り坂や下り坂になると変速線が勾配に応じて高車速側に移動し、適切な変速パターンを生成する。加速意図分可変量算出部5027はDTVOスレッシュホールド算出部5028でTVOとVSPによりDTVOスレッシュホールド値Wnを検索し、DTVO
をDTVOスレッシュホールド値Wnで割り、定数kを掛けてx2を算出する。そしてX=x1+x2として可変量Xを算出する。
 図24において、勾配分可変量関数の説明をする。(A)はθ0以下ではθが
小さくなるにつれてx1が大きくなり、θ0以上はθに比例してx1が大きくなる
。この関数を用いると勾配に比例して変速パターンを変更することができる。(B)は(A)の関数にリミッタを設けたものでθ1からθ2の範囲内では(A)の関数と同じ動きをするが、範囲外ではx1=xaとなる。(C)は勾配範囲で段階的に変速パターンを変更する関数である。θ1以下ではxa、θ1からθ2の範囲ではxb、θ2からθ3の範囲ではxc、θ3からθ4の範囲ではx0、θ4からθ5の範
囲ではxc、θ5からθ6の範囲ではxb、θ6以上ではxaとなる。この段階はいくらでもよい。(D)はθ1からθ2の範囲では一定だが、θ1以下ではθが小さく
なるにつれてx1が大きくなり、θ2以上ではθが大きくなるにつれてx1が大き
くなる。この時θ0から離れるにしたがってx1の増加のしかたが小さくなる動きをする。これらの関数を図23の勾配分可変量算出部5026の関数としてもよい。
 図25において、変速機制御への応用の他の実施例を説明する。変速パターン切り換え部5031でTVO,VSP,DTVO,θを用いて変速パターン部5032のどの変速パターンを使うか判断し切り換え、ギヤ位置検索部5020で選択された変速パターンを用いてCURGP,TVO,VSPで次の指令ギヤ位置NXTGPNEWを検索し出力する。これにより登り坂を高車速で走る場合に起こりやすいビジィシフトの回避や登り坂のコーナーでのアップシフト防止や下り坂での走りすぎ防止等が実現できる。
 図26において、図25の変速パターン部5032で使う変速パターンの説明をする。(A)は1速でしか登れないようなものすごく急な登り坂や1速のエンブレを使わないといけないものすごく急な下り坂の時に選択する。(B)は1速か2速でしか登れないような急な登り坂や2速のエンブレを使わないといけない急な下り坂の時に選択する。(C)は3速まででしか登れないような登り坂や3速のエンブレを使わないといけない下り坂の時に選択する。(D)は高速登坂時に選択しビジィシフトを回避する。(E)は平地通常走行時に選択される。(F)は鋭い加速感やパワーがいる時に選択される。(G)は鈍い加速感や低燃費で走行したい時に選択される。(H)は低速登坂屈曲路時に選択しアップシフトを防止する。(I)は高速走行緩加速時に選択され不意のダウンシフトを防止する。(J)は低μ路や下り坂で2速で発進したい時選択される。(K)は低μ路や下り坂で3速で発進したい時選択される。
 図27において、勾配対応変速機制御を行うハード構成図の説明をする。エンジン1110、AT1120等に付いているエンジン回転数センサ2713とタービン回転数センサ2714と車速センサ1121とその他のスロットルセンサ2710とブレーキSW2711とシフトレンジSW2712等の信号を自動変速機のコントロールユニット2740に入力する。これらの信号を入力回路2730や波形整形回路2731を通しマイコン2750のI/Oポート2755に入力し、A/D変換や周期計測を行う。この時の時間管理はROM2753に書き込まれたプログラムをCPU2751で実行しシステムコントローラ2752を動かし行う。取り込まれたデータはRAM2754に格納されROM2753に書き込まれたプログラムに従いトルク推定、勾配推定、変速パターンの変更等の計算をCPU2751で実行する。この結果出てくるギヤ位置とL/U信号をI/Oポート2755からシフトソレノイドA,B,Cドライバ2732〜2734とL/Uソレノイドドライバ2735に出力し油圧機構2720を動かし変速機制御を行う。ROM2753には変速パターン、ポンプトルクマップ、エンジントルクマップ等のテーブルも入っている。
 なお、推定された勾配を制御に用いる方法としては、上記の変速制御に限らず、速度調整手段を制御して、車速一定制御を行う車速一定制御手段とを有する勾配対応自動車制御装置において、車速を記憶する記憶手段と、勾配によらず所定の加速度になるように、前記速度調整手段の状態を勾配を考慮して決定し、上記車速一定制御手段への制御信号を出力する状態決定手段とを有することとしてもよい。
 また、車両の位置を検出する位置検出手段と、傾斜を検出する傾斜検出手段とを有するナビゲーション装置において、勾配により、傾斜検出手段により得られた傾斜を補正する補正部を有することといてもよい。
 さらに、勾配対応自動車制御装置において、スロットルを駆動するスロットル駆動手段と、アクセルの踏み込み量に見合った加速を、勾配によらず実現するスロットル制御装置とを有することといてもよい。
 このように、全ての自動車の走行状態でノイズ除去された推定勾配が用いられるので安定した自動車制御ができる。
本発明に係る自動変速制御装置を含む変速制御系のブロック図。 本発明に係る自動変速制御装置を含む変速制御系のハードウェアのブロック図。 ATコントロールユニットへの入力信号と出力信号の詳細を示す説明図。 車重推定手段を含む車重推定系の構成図。 加速応答波形の時系列化について示した説明図。 時系列化を開始するための方法について示した説明図。 時系列化開始信号発生の処理の流れを示した説明図。 時系列化開始信号発生手段の処理の流れについて示したフロ−チャ−ト。 車重推定手段に使うニューラルネットの学習方法について示した説明図。 トルクコンバータ発生トルク推定手段とエンジン発生トルク推定手段と負荷推定手段を含む変速制御系のブロック図。 エンジンのトルクマップとトルコン特性マップの説明図。 補機トルクの推定処理の流れを示したフロ−チャ−ト。 エンジン発生トルク推定の処理の流れを示したフロ−チャ−ト。 トルコンから出力トルクを推定する処理の流れを示すフロ−チャ−ト。 推定出力トルクから走行負荷トルクを推定する処理の流れを示すフロ−チャ−ト。 補機トルクの推定の別の方法の処理の流れを示すフロ−チャ−ト。 ギア位置決定手段の構成図。 負荷推定及び車重推定による変速スケジュールの変更方法の変速マップを示した説明図。 勾配を考慮して、変速スケジュールを連続的に可変する自動変速制御装置のブロック図。 変速スケジュールを連続的に可変する場合の変速マップを示した説明図。 加速要求の求め方を示した説明図。 変速パターン生成のブロック図。 変速パターン可変量X算出のブロック図。 変速パターン勾配分可変量関数のグラフ。 変速機制御への応用の他の説明図。 変速パターン切り換えで使う変速パターンの説明図。 勾配対応変速機制御を行うハードウェアの構成図。 エンジン、変速機の構成図。 車速計測の処理を示すタイムチャート図。 車速計測の処理手順を示すブロック図。 N分周の周期計測による車速計測の処理手順を示すブロック図。 可変分周の周期計測による車速計測の処理手順を示すブロック図。 ヒステリシス付可変分周の周期計測による車速計測の処理手順を示すブロック図。 ヒステリシス付可変分周の動作を示すグラフ タービンセンサとエンジン回転センサによる速度比eの計算処理手順を示すブロック図。 車速センサとエンジン回転センサによる速度比eの計算処理手順を示すブロック図。 トルコントルクとエンジントルクの切り換え処理手順を示すブロック図。 トルコントルクとエンジントルクの切り換えによる出力軸トルク推定部の処理手順を示すブロック図。 悪路によるノイズ除去の処理手順を示すブロック図。 ノイズ除去全体の処理手順を示すブロック図。 エンジントルク特性によるポンプトルク推定の処理手順を示すブロック図。 ノイズ除去部を設けた自動車制御装置の1実施例を示すブロック図。 勾配推定の1実施例を示すブロック図。 勾配推定の他の実施例を示すブロック図。 出力軸トルク推定部のブロック図。 出力軸トルク推定部の詳細なブロック図。 変速時の勾配推定例のタイムチャート図。 変速中ホールドによるノイズ除去の処理手順を示すブロック図。 スロットル加減速によるノイズ除去の処理手順を示すブロック図。 スロットル加減速判定のフローチャート図。 スロットル開度差分によるノイズ除去の処理手順のタイムチャート図。 ブレーキ操作判定によるノイズ除去の処理手順を示すブロック図。 ブレーキ操作判定によるノイズ除去の処理手順のタイムチャート図。 車速ホールド判定によるノイズ除去の処理手順のブロック図。 車速ホールド判定によるノイズ除去の処理を示すタイムチャート図。 加速度によるノイズ除去の処理手順を示すブロック図。 加速度によるノイズ除去の処理手順のタイムチャート図。 複合要因が重なった時のホールドの仕方の説明図。 複合要因の和としてのホールド信号の生成ブロック図。 マスクフラグによるノイズ除去の説明図。 変速機制御への応用の説明図。 変速機制御への応用の他の説明図。
符号の説明
   1    勾配推定部、
   3    ノイズ除去部、
   5    自動車の制御部
   101  スロットル開度検知手段
   102  加速度検知手段
   103  車速検知手段
   104  エンジン回転数検知手段
   105  タービン回転数検知手段
   106  車重推定手段
   107  トルクコンバータ発生トルク推定手段
   108  エンジン発生トルク推定手段
   109  ギア位置決定手段
   110  負荷推定手段
   111  油圧駆動手段
   1010 トルク推定部

Claims (6)

  1.  自動車の負荷を計算する負荷計算手段と、
     駆動系のトルク特性を参照して、出力トルクを算出する出力トルク推定手段と、
     上記負荷と出力トルクとより走行負荷を推定する走行負荷推定手段と、
     少なくとも2つの変速スケジュ−ルの記憶手段と、
     上記走行負荷と上記変速スケジュ−ルより、実走行時の自動変速機の変速スケジュールを決定する変速スケジュール可変制御部と、
     少なくともスロットル開度及び加速度車重を入力しこれらに対応する車重を予め学習させたニューロと、
     を有し、
     上記負荷計算手段は、自動車の車重の推定を行なう車重推定手段であり、
     上記車重推定手段は、少なくともスロットル開度及び加速度の各々を時系列化して上記ニューロに入力し、車重を推定する、
     ことを特徴とする自動車の自動変速制御装置。
  2.  請求項1記載の自動車の自動変速制御装置において、
     上記車重推定手段は、時系列化した上記スロットル開度及び加速度の取り込みタイミングは、スロットル開度が所定の値を越え、更に加速度か所定の値を越えた時に、上記スロットル開度及び加速度を取り込む、
     ことを特徴とする自動車の自動変速制御装置。
  3.  道路の勾配を推定する勾配推定装置であって、
     車両のトルクを算出するトルク算出手段と、
     車速を検出する車速検出手段と、
     上記車速より走行抵抗を求め、上記車両のトルクから上記走行抵抗を減算して勾配抵抗を求めることにより、道路の勾配を推定する勾配推定手段と、
     を有し、
     上記車速検出手段は、
     トルクコンバータの出力側にある車軸の回転によりパルスを生成するパルス生成手段と、
     得られたパルス信号の周期を計測する周期計測手段と、
     得られた周期を換算して車速を算出する車速変換手段と、
     を有し、
     一定時間間隔毎に、車速を検出する、
     ことを特徴とする勾配推定装置。
  4.  請求項3記載の勾配推定装置において、
     上記車速検出手段は、
     上記周期計測手段の出力する周期を予め定められたパルス数の間積算する積算手段を有し、
     上記車速変換手段は、積算された周期より車速を算出する、
     ことを特徴とする勾配推定装置。
  5.  請求項3記載の勾配推定装置において、
     上記車速検出手段は、
     上記周期計測手段の出力する周期を、上記周期計測手段の出力する周期の長さにより決められるパルス数の間積算する積算手段を有し、
     上記車速変換手段は、積算された周期より車速を算出する、
     ことを特徴とする勾配推定装置。
  6.  請求項5記載の勾配推定装置において、
     上記周期計測手段の出力する周期の長さにより決められるパルス数は、車速の変化に対して、ヒステリシスを有する、
     ことを特徴とする勾配推定装置。
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