JP2004108151A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】蓄圧式燃料噴射制御装置であって、燃料噴射ノズル3のそれぞれの燃料供給通路43が連通する供給蓄圧室41と、燃料噴射ノズル3のそれぞれのリターン燃料通路44を介して、燃料噴射ノズル3のそれぞれの制御室34と連通するリターン蓄圧室42と、燃料噴射ノズル3のそれぞれの制御室34からリターン蓄圧室42への燃料の流出を制御する燃料制御弁36と、リターン蓄圧室42内の圧力を調整する蓄圧調整手段45、46と、を備える。
【選択図】図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄圧式燃料噴射装置に関する。
【従来の技術】
【0002】
蓄圧室(コモンレール)に高圧の燃料を貯留し、この蓄圧室から内燃機関の各気筒の燃料噴射ノズルに燃料を分配する、いわゆる蓄圧式燃料噴射装置が知られている。蓄圧式燃料噴射装置では、常に蓄圧室に高圧の燃料を貯留しているため、機関の回転数にかかわらず燃料噴射圧を高く設定することができる。このため、従来の機関駆動式の燃料噴射ポンプ(いわゆるジャーク式燃料噴射ポンプ)に較べて、低回転時にも燃料噴射ノズルから噴射された燃料の微粒化が良好になり、機関の燃焼状態と排気性状とが向上する利点がある。
【0003】
一方、ジャーク式燃料噴射ポンプでは、燃料噴射圧は燃料噴射初期には比較的低く、噴射後期には高くなる変動を繰り返す。一般に燃料噴射初期に噴射された燃料は燃料室温度上昇に寄与する程度が高く、燃料噴射初期に噴射される燃料量が多いと燃焼温度の上昇によりNOx(窒素酸化物)の生成量が増大する問題がある。ジャーク式ポンプでは、上述したように燃料噴射初期の燃料噴射圧が低く、燃料噴射率も低くなるため燃料噴射初期に噴射される燃料は比較的少なくなっており、NOxの抑制の上では好ましい噴射特性を有している。
【0004】
ところが、前記蓄圧式燃料噴射装置では燃料噴射圧は噴射期間を通じてほぼ一定になるため、燃料の噴射率もほぼ一定になる。そこで、燃料噴射期間初期の燃料噴射量が比較的大きくなってしまい、NOxの生成を抑制することが困難な問題がある。このため、蓄圧式燃料噴射装置のように一定の燃料噴射圧力においてもジャーク式燃料噴射ポンプと同様な噴射特性を得られる燃料噴射制御装置が種々提案されている。
【0005】
例えば、燃料噴射ノズルのニードル弁上部にニードル弁を閉弁方向に付勢する油圧を保持する制御室を設け、制御室は2本の油圧リターン通路を介してリーク室に連通し、リーク室は制御弁を介して低圧リーク通路に接続される。制御弁は、リーク室と低圧リーク通路とを遮断する第1の位置と、一方の油圧リターン通路を閉鎖し、他方の油圧リターン通路のみをリーク室を介して低圧リーク通路に連通させる第2の位置と、両方の油圧リターン通路を、リーク室を介して低圧リーク通路に連通させる第3の位置とをとる。第2の位置と第3の位置とを切り換えることにより、制御室の油圧低下速度を変化させ、ニードルのリフト速度を変化させることが可能となる(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−355533号公報
【特許文献2】
特開2000−234544号公報
【特許文献3】
特開2001−159379号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の先行技術に示される燃料噴射制御装置においては、制御弁を3つの配置をとるべく制御することによって、ニードル弁の上昇速度を変え、以て噴射率に高低差をつけるものであるため、制御弁の配置制御において高い精度が要求される。そのため、燃料噴射装置の製品間における組立精度等のばらつきによって、噴射率の安定性を維持するのが困難となる。また、複数の気筒によって構成される内燃機関であっては、各気筒の制御弁をそれぞれ制御する必要があり、燃料噴射制御装置全体の構成が複雑となる。
【0008】
そこで、前記課題に鑑み、本発明では、蓄圧式燃料噴射制御装置のように一定の燃料噴射圧力で燃料の噴射を行う燃料噴射装置において、燃料の噴射率を可変とするとともに燃料噴射量の安定性を確保する簡潔な構成である燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題を解決するために以下のような手段を採用した。即ち、燃料を噴射する燃料噴孔を有するノズルボディと、前記ノズルボディの内部に形成され、前記燃料噴孔に連通する燃料室と、前記燃料室に燃料を供給する燃料供給通路と、前記燃料噴孔の開閉を行うニードル弁と、前記ニードル弁の前記燃料噴孔とは反対の端部に形成され、前記燃料供給通路と連通する制御室と、から構成される複数の燃料噴射ノズルと、前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれの前記燃料供給通路が連通する供給蓄圧室と、前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれの前記制御室から延出する複数のリターン燃料通路を介して、前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれの前記制御室と連通するリターン蓄圧室と、前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれの前記制御室から前記リターン蓄圧室への燃料の流出を制御する複数の燃料制御弁と、前記リターン蓄圧室内の圧力を調整する蓄圧調整手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
このように構成された燃料噴射制御装置が備える燃料噴射ノズルは、前記供給蓄圧室から、前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれの前記燃料供給通路を介して前記燃料室と前記制御室へと燃料が供給され、前記ニードル弁は、前記燃料室及び前記制御室内の燃料から油圧を受ける。この両室の油圧のバランスによって、前記ニードル弁を上昇方向に移動させる力が発生する。このとき、前記ニードル弁が前記燃料噴孔から遠ざかる方向、即ち燃料噴射ノズルが閉弁状態から開弁状態へと移行する際のニードル弁の移動方向を上昇方向とし、その反対の方向を下降方向とする。
【0011】
ここで、前記燃料制御弁が閉弁し前記制御室から前記リターン蓄圧室への燃料の流出が禁止されているときは、前記制御室内の圧力と前記燃料室内の圧力がほぼ同一となり、前記制御室内における前記ニードル面の軸方向の受圧面積が、前記燃料室内における前記ニードル面の軸方向の受圧面積より大きいため、前記ニードル弁は下降方向に力を受け、前記ニードル弁によって前記燃料噴孔が閉じられた状態となる。一方で、前記燃料制御弁が開弁し前記制御室から前記リターン蓄圧室へ燃料が流出するときは、前記制御室内の圧力が前記燃料室内の圧力より低くなり、一定の値より低くなると前記制御室内における前記ニードル面の受圧面が受ける力が、前記燃料室内における前記ニードル面の受圧面が受ける力より小さくなるため、前記ニードル弁は上昇方向に力を受け、前記ニードル弁は上昇方向へ移動し、前記燃料噴孔が開かれた状態となる。即ち、前記制御室内の圧力が変動することによって前記ニードル弁が上昇方向又は下降方向へ移動するが、その上昇速度は前記ニードル弁が受ける力、即ち前記制御室内の圧力と前記燃料室内の圧力との差圧によって生じる力によって決定される。
【0012】
上記の構成における燃料噴射制御装置では、前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれの前記制御室は、前記複数のリターン燃料通路を介して、前記リターン蓄圧室に連通している。従って、それぞれの前記燃料制御弁が開弁することで、前記リターン蓄圧室と開弁された前記燃料制御弁に対応する前記制御室との間において、燃料の流路が形成される。従って、前記リターン蓄圧室内の圧力によって前記制御室からリターン燃料通路を介して流出する燃料の流量を調整でき、その結果、前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれの制御室内の圧力を調整することが可能となる。
【0013】
従って、前記蓄圧調整手段によって前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれの前記制御室内の圧力を調整することで、それぞれの前記ニードル弁の上昇速度を変更し、噴射率を可変とすることができる。また、前記蓄圧調整手段によって調整されるのは、前記リターン蓄圧室内の圧力のみであり、前記蓄圧調整手段によって複数の燃料噴射ノズルの噴射率を同時に可変とすることが可能となるため、燃料噴射制御装置全体の構成が簡潔なものとなり、安定した燃料噴射量が確保される。
【0014】
更に、前記蓄圧調整手段は、前記リターン蓄圧室内の圧力を上昇させることによって、前記リターン燃料通路を介して前記制御室内の圧力が上昇するとともに前記制御室内の圧力と前記燃料室内の圧力との差圧が縮小することで前記ニードル弁の上昇速度を低下させ、前記リターン蓄圧室内の圧力を低減させることによって、前記リターン燃料通路を介して前記制御室内の圧力が低減するとともに前記制御室内の圧力と前記燃料室内の圧力との差圧が拡大することで前記ニードル弁の上昇速度を上昇させることを特徴とする。
【0015】
従って、前記蓄圧調整手段によってそれぞれの前記ニードル弁の上昇速度を変更し、噴射率を可変とすることができる。また、前記蓄圧調整手段によって調整されるのは、前記リターン蓄圧室内の圧力のみであり、前記蓄圧調整手段によって複数の燃料噴射ノズルの噴射率を同時に可変とすることが可能となるため、燃料噴射制御装置全体の構成が簡潔なものとなり、安定した燃料噴射量が確保される。
【0016】
ここで、前記蓄圧調整手段は、前記リターン蓄圧室内の圧力を調整する手段であるが、その具体的な手段として以下に示す手段が考えられる。先ず、前記リターン蓄圧室から流出する燃料の流量を調整することで前記リターン蓄圧室内の圧力を調整する手段が考えられる。流出する燃料の流量を調整する手段としては、ニードルの移動によって燃料が流出する開口部の開口面積が徐々に変動する手段や、スロットルバルブのような絞り弁等が有用である。ここで、前記リターン蓄圧室内から流出する燃料の流量は、前記リターン蓄圧室内の圧力とその外部の圧力との差圧と、その流出部における開口面積等のパラメータによって決定される。よって、前記リターン蓄圧室内から流出する燃料の流量を制御することで、前記蓄圧室内の圧力と燃料が流れ出る外部の圧力との差圧が決定され、特に外部の圧力が一定であれば前記リターン蓄圧室内の圧力が決定されることとなる。
【0017】
前記リターン蓄圧室内の圧力を調整する別の手段として、前記リターン蓄圧室は、前記制御室より前記リターン燃料通路流入する燃料を前記リターン室の外部へ排出する少なくとも一つのオリフィス通路を有するとともに、前記蓄圧調整手段は、前記オリフィス通路を開閉することによって前記リターン室から流出する燃料の流量を調整することで前記リターン蓄圧室内の圧力を調整する手段が考えられる。この手段においては、前記蓄圧室から燃料が流出する前記オリフィス通路の合計開口面積を調整することで、前記リターン蓄圧室内から流出する燃料の流量を調整し、上述と同様に、前記リターン蓄圧室内の圧力とその外部の圧力との差圧が決定され、特に外部の圧力が一定であれば前記蓄圧室内の圧力が決定されることとなる。従って、前記リターン蓄圧室内の圧力を増加させる場合は、前記オリフィス通路の合計開口面積を減らすべく、前記オリフィス通路の少なくとも一部を閉じればよく、前記リターン蓄圧室内の圧力を減少させる場合は、前記オリフィス通路の合計開口面積を増やすべく、前記オリフィス通路の少なくとも一部を開けばよい。
【0018】
従って、このような前記蓄圧調整手段によって前記リターン蓄圧室内の圧力を調整することによってそれぞれの前記制御室内の圧力を調整することで、前記制御室に対応するそれぞれの前記ニードル弁にかかる力を調整でき、以てそれぞれの前記ニードル弁の上昇速度を変更し、噴射率を可変とすることができる。また、前記蓄圧調整手段によって調整されるのは、前記リターン蓄圧室内の圧力のみであり、前記蓄圧調整手段によって複数の燃料噴射ノズルの噴射率を同時に可変とすることが可能となるため、燃料噴射制御装置全体の構成が簡潔なものとなり、安定した燃料噴射量が確保される。
【0019】
更に、前記リターン蓄圧室内の圧力を調整する手段として、前記リターン蓄圧室の容積を可変とする手段が考えられる。ここで、前記オリフィス通路を用いた蓄圧調整手段においては、オリフィス通路の断面積は小さいため、比較的容量の大きい前記リターン蓄圧室の全体の圧力を変化させるために、ある程度の時間を要することとなる。しかし、本手段は、前記リターン蓄圧室の容積変化によってその内部の圧力を調整する手段ではあるため、前記リターン蓄圧室内の圧力変化に伴い燃料の流入が行われる部位の断面積を、オリフィス通路のごとく小さくする必要はなく、比較的広く設定することができる。従って、燃料の流入が円滑に行われるため、前記リターン蓄圧室内の圧力変化に要する時間を短縮できる。
【0020】
ここで、高圧力がかけられた燃料が低圧力の雰囲気に曝されることによって、燃料から熱が発生する。前記燃料噴射ノズルにおいては、前記供給蓄圧室において高圧力下におかれていた加圧燃料が、前記燃料供給通路を介して、前記制御室、前記リターン燃料通路および前記リターン蓄圧室へと流出する流路において、燃料にかかる圧力は低下していく。従って、上記流路における燃料の流れに従い、燃料から熱が発生し、燃料の性状変化を起こす虞がある。そこで、この課題を解決すべく、以下のような手段を更に採用した。即ち、更に、前記リターン蓄圧室内の燃料温度を検出する燃料温度検出手段を備え、前記蓄圧調整手段は、前記燃料温度検出手段によって検出された燃料温度の上昇に応じて前記リターン蓄圧室内の圧力を上昇させる手段であることを特徴とする。
【0021】
このように構成される燃料噴射制御装置では、前記燃料温度検出手段によって検出された燃料温度が上昇するにつれて、前記蓄圧調整手段によって前記リターン蓄圧室内の圧力を上昇させることとなる。即ち、前記リターン蓄圧室内の圧力を上昇させることで、燃料にかかる圧力の変動を低く抑え、以て燃料の発熱を抑制するものである。尚、燃料温度検出手段としては、温度センサによって前記リターン蓄圧室内の燃料温度を検出する他に、供給蓄圧室内の圧力とリターン蓄圧室内の圧力とを測定し、その圧力差から前記リターン蓄圧室内の燃料温度を推定してもよい。
【0022】
また、上述までの構成の燃料噴射制御装置においては、前記蓄圧調整手段によって前記リターン蓄圧室内の圧力を調整することで、それぞれの燃料噴射ノズルの噴射率を可変とすることができるが、前記リターン蓄圧室内の圧力は一定の時間を要して目的の圧力へ推移するため、目的の噴射率における燃料噴射への移行にも一定の時間を要する。従って、その目的の圧力及び噴射率への推移中においては、正確な燃料噴射を行えない虞がある。そこで、この課題を解決すべく、以下のような手段を更に採用した。即ち、更に、前記リターン蓄圧室内の圧力を検出する蓄圧室内圧検出手段を備え、前記蓄圧室内圧検出手段によって検出されたリターン蓄圧室内の圧力に応じて、前記複数の燃料噴射ノズルにおいて少なくとも開弁時期又は開弁時間の何れか一を補正制御することを特徴とする。
【0023】
このように構成される燃料噴射制御装置では、前記燃料噴射ノズルの噴射率を決定する前記リターン蓄圧室内の圧力を前記蓄圧室内圧検出手段によって検出し、その検出された圧力に応じて、燃料噴射ノズルの少なくとも開弁時期又は開弁時間の何れか一を補正することなる。即ち、前記リターン蓄圧室内の圧力推移に伴う噴射率の推移を、前記蓄圧室内圧検出手段によって把握し、想定の燃料噴射と実際の燃料噴射との誤差を補正するものである。
【0024】
また、上述までの構成の燃料噴射制御装置においては、前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれの制御室と前記リターン蓄圧室とは、前記複数のリターン燃料通路を介して連通されており、前記燃料制御弁を開弁することによって、それぞれの前記制御室から前記リターン蓄圧室に至るまで、燃料の流路が形成される。このような燃料噴射制御装置では、前記蓄圧調整手段によって前記リターン蓄圧室内の圧力が変更される際、燃料の内部に圧力波が発生し、前記複数の燃料噴射ノズルに伝播する。この際、圧力波の伝播が不均一となると、それぞれの燃料噴射ノズルの前記制御室内の圧力が均一とならないため、燃料噴射ノズル毎に噴射率が異なってしまい、正確な噴射を行えない虞がある。そこで、この課題を解決すべく、以下のような手段を採用した。即ち、前記複数のリターン燃料通路は、前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれの制御室から前記リターン蓄圧室に至るそれぞれの流路の長さがほぼ同一であることを特徴とする。
【0025】
このように構成される燃料噴射制御装置では、前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれは、ほぼ同一の長さの流路を形成する前記複数のリターン燃料通路を介して前記リターン蓄圧室へと連通する。従って、前記蓄圧調整手段によって前記リターン蓄圧室内の圧力を変更する際に発生する圧力波は、前記複数の燃料噴射ノズルへ均等に伝播することとなり、それぞれの燃料噴射ノズルの噴射率が同一となり、正確な噴射が可能となる。
【0026】
また、上述までの燃料噴射ノズルにおいて、前記供給蓄圧室と前記リターン蓄圧室とを隣接して形成することによって、燃料噴射制御装置の構成に要する空間を小さく抑えることが可能となり、その小型化を図ることが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
<第1の実施例>
以下、本発明に係る燃料噴射制御装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態に係る燃料噴射制御装置4が備えられる内燃機関1の概略構成図であって、内燃機関1に対して指令を送る電子制御ユニット(ECU)15をも含めて示すものである。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を有する4サイクルエンジンである。また、図2は、本実施の形態に係る燃料噴射制御装置4の概略的な外観を表す図であり、図4中に示される矢印は、燃料の流れを意味する。
【0028】
ここで、内燃機関1は、各気筒2の燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射ノズル3を備えている。各燃料噴射ノズル3は、燃料噴射制御装置4の一部を構成する燃料供給通路43を介して供給蓄圧室41と連通する。前記供給蓄圧室41は、燃料供給管5を介して燃料ポンプ6と連通し、更に燃料ポンプ6は、燃料配管7を介して燃料タンク8へと連通する。このように構成された燃料噴射系では、燃料ポンプ6は、燃料タンク8内に貯蔵されている燃料を供給蓄圧室41へと供給し、供給蓄圧室41内はほぼ一定の圧力に保たれる。供給蓄圧室41にて所定圧に蓄圧された後、各気筒2の燃料噴射ノズル3へ分配される。そして、ECU15から燃料噴射ノズル3に対して噴射指令が出されると、燃料噴射ノズル3が開弁し、その結果、燃料噴射ノズル3から気筒2内へ燃料が噴射される。燃料噴射ノズル3の構成については、後述する。
【0029】
次に、各燃料噴射ノズル3は、燃料噴射制御装置4の一部を構成するリターン燃料通路44を介してリターン蓄圧室42とも連通する。更に、リターン蓄圧室42は、燃料回収管9を介して、燃料タンク8へと連通する。このように構成された燃料噴射系では、供給蓄圧室41より燃料噴射ノズル3へ供給された燃料であって、先述のように燃料噴射ノズル3から噴射された燃料以外の燃料は、リターン燃料通路44を介して、一旦、リターン蓄圧室42へと流入し、リターン蓄圧室42にて所定圧に蓄圧された後、燃料回収管9を介して燃料タンク8へと回収される。燃料タンク8へ回収された燃料は、再び燃料ポンプによって、供給蓄圧室41等へ供給される。
【0030】
ここで、内燃機関1には、気筒2において設けられる図示されない入力カムの回転角度を検出するカム角センサ12と、図示されないクランクシャフトの回転角度を検出するクランク角センサ13とが設けられており、これらのセンサからの信号はECU15へと送られる。更に、内燃機関1におけるアクセルの開度を検出するアクセル開度センサ14からの信号もECU15へと送られる。ECU15において、これらの信号に基づいて、内燃機関1が必要とするトルクに対応する燃料量を算出する。その後、ECU15は、算出された燃料量に基づいて、燃料噴射ノズル3に燃料を供給すべく燃料ポンプ6に供給指令を送るとともに、燃料噴射ノズル3に開弁指令を送ることで、気筒2内へ燃料が噴射される。
【0031】
尚、リターン蓄圧室42には、その蓄圧室内の圧力を調整する蓄圧調整手段45が設けられている。この蓄圧調整手段45によって、リターン蓄圧室42内の油圧の高低を調整することが可能となるが、構成については後述する。
【0032】
また、内燃機関1には、吸気枝管10が接続されており、吸気枝管10の各枝管は、各気筒2の燃焼室と吸気ポート(図示省略)を介して連通している。吸気枝管10は図示されない吸気管に接続されている。また、内燃機関1には、排気枝管11が接続され、排気枝管11の各枝管が排気ポート(図示省略)を介して各気筒2の燃焼室と連通している。排気枝管11は図示されない排気管に接続されている。
【0033】
ここで、燃料噴射ノズル3の構成について、図3に基づいて説明する。図3(a)は、燃料噴射ノズル3の断面における概略構成図である。燃料噴射ノズル3のハウジングは、ノズルボディ31で構成されている。ここで、供給蓄圧室41から延出する燃料供給通路43は、ノズルボディ31の内部へと連通している。更に、ノズルボディ31の内部において、燃料供給通路43は燃料室33へと連通するとともに、燃料供給通路43の途中においてオリフィス通路である燃料供給通路43bを形成し、燃料供給通路43bは制御室34へと連通する。また、ノズルボディ31には、燃料室33とノズルボディ31の外部とを連通する燃料噴孔32が設けられている。
【0034】
このノズルボディ31の内部において、ニードル弁35が摺動自在に嵌挿されるとともに、ニードル弁35の先端部が燃料室33に曝されており、一方で該先端部とは反対側の後端部が制御室34に曝されている。ここで、燃料室33と制御室34との間において、ニードル弁35又はニードル弁35が摺動自在に嵌挿されているノズルボディ31内部の孔部を介しての燃料の往来は無い構成となっている。更に、制御室34は、オリフィス通路であるリターン燃料通路44bを介して、別のリターン燃料通路44へと連通している。ここで、リターン燃料通路44において、燃料制御弁36が設けられている。燃料制御弁36は、直線移動を行うピストン部36bを有し、このピストン部36bの直線移動によってリターン燃料通路44bにおける燃料の流れの遮断もしくは開放を行う。
【0035】
このように構成される燃料噴射ノズル3において、燃料噴射ノズル3の動作を説明する。先ず、燃料制御弁36はピストン部36bを下降方向へ移動させることで、リターン燃料通路44bにおける燃料の流れを遮断する。ここで、所定圧の圧力を有する燃料が供給蓄圧室41から燃料供給通路43へ供給される。燃料供給通路43へ供給された燃料は、一部が燃料室33へと流入し、残りの燃料は制御室34へと流入する。このとき、ニードル弁35は、燃料室33内の燃料と制御室34内の燃料の油圧によって負荷を受けるが、ニードル弁35の軸方向(上昇方向もしくは下降方向)におけるニードル弁35の受圧面積については、制御室34側の受圧面積が燃料室33側の受圧面積より広いため、その負荷はニードル弁35を下降方向へ押しつける力となる。その結果、ニードル弁35が燃料噴孔32を塞ぐこととなり、燃料室33内部の燃料は燃料噴孔32より、ノズルボディ31の外部へと噴射されない。
【0036】
次に、燃料制御弁36のピストン部36bが上昇方向へ移動することによって、リターン燃料通路44bにおける燃料の流れが開放される。従って、制御室34内部に貯蔵されていた燃料は、リターン燃料通路44bを介して、リターン燃料通路44へと流れ、更にはリターン蓄圧室42へ流入し、制御室34内部の圧力が低下する。制御室内部の圧力がある程度低下することによって、ニードル弁35が制御室34側から受ける負荷の大きさが、燃料室33側から受ける負荷の大きさより小さくなり、ニードル弁35に上昇方向への負荷がかかることになる。その結果、ニードル弁35が上昇方向へ移動し、燃料室33の内部に貯蔵されていた燃料は、燃料噴孔32から噴射される。
【0037】
更に、燃料制御弁36のピストン部36bを下降させ、再度リターン燃料通路44bにおける燃料の流れを遮断すると、制御室34からの燃料の流出が禁止されるとともに燃料供給通路43bを介して燃料が供給される。従って、制御室34の内部の圧力が上昇し、圧力によってニードル弁35が制御室34側から受ける負荷の大きさが、燃料室33側から受ける負荷の大きさより大きくなり、ニードル弁35に下降方向への負荷がかかることになる。その結果、ニードル弁35が下降方向へ移動し、燃料噴孔32を塞いでしまうため、燃料噴孔32からの燃料の噴射は行われなくなる。本実施例には示されていないが、ニードル弁35を下降方向に付勢する弾性部材を制御室33内に設けてもよい。付勢力により、ニードル弁35の下降方向への移動、即ち燃料の噴射停止が迅速に行われることとなる。
【0038】
ここで、燃料噴射ノズル3から噴射される燃料の噴射率は、ニードル弁35の上昇速度に追従する関係である。即ち、ニードル弁35が高速で上昇方向へ移動すると、燃料噴射ノズル3の噴射率は高くなり、ニードル弁35が低速で上昇方向へ移動すると、燃料噴射ノズル3の噴射率は低くなる。図3(b)は、燃料噴射ノズル3のニードルリフトの時間推移を示している。先述の通り、制御室34の内部の圧力が低下することによって、ニードル弁35が上昇方向へ移動するため、制御室34の内部の圧力を調整することで、ニードル弁35の上昇速度、即ち燃料噴射ノズル3の噴射率を調整することができる。図3(b)において、高噴射率での噴射を行う場合は、制御室34の内部の圧力が小さくなるように調整し、低噴射率での噴射を行う場合は、制御室34の内部の圧力が大きくなるように調整する。
【0039】
ここで、燃料噴射ノズル3において、制御室34はオリフィス通路であるリターン燃料通路44bを介してリターン燃料通路44へと連通しているため、制御室34の内部の圧力を調整するには、リターン燃料通路44bを流れる燃料の流量を調整すればよい。一般にオリフィス通路を流れる流体の流量は、オリフィス通路を挟んだ前後における圧力の差に比例する。従って、オリフィス通路であるリターン燃料通路44bの流量を調整するためには、リターン燃料通路44の内部の圧力を調整すればよい。即ち、リターン燃料通路44の内部の圧力が高い場合は、リターン燃料通路44bを流れる燃料の流量が小さくなるため、制御室34の内部の圧力の低下は小さくなり、その結果、ニードル弁35の上昇速度は低く、燃料噴射ノズル3の噴射率も低い。一方で、リターン燃料通路44の内部の圧力が低い場合は、リターン燃料通路44bを流れる燃料の流量が大きくなるため、制御室34の内部の圧力の低下は大きくなり、その結果、ニードル弁35の上昇速度は高く、燃料噴射ノズル3の噴射率も高い。このように、リターン燃料通路44の内部の圧力を調整することによって、燃料噴射ノズル3の噴射率を調整することができる。
【0040】
尚、ニードル弁35の下降については、燃料制御弁36のピストン部36bがリターン燃料通路44bにおける燃料の流れを遮断することによって行うため、リターン燃料通路44の内部の圧力にかかわらず、その下降速度は一定となる。
【0041】
次に、リターン燃料通路44の内部の圧力を調整する構成について、図4に基づいて説明する。図4には、本発明に係る燃料噴射制御装置の概略図であって、内燃機関1における4つの気筒2に設けられる4つの燃料噴射ノズル3、各々の燃料噴射ノズル3が連通するリターン蓄圧室42近傍の概略構成が示されている。各燃料噴射ノズル3のリターン燃料通路44は、リターン蓄圧室42に連通し、リターン蓄圧室42は、オリフィス通路である排出通路42bを介して燃料回収管9に連通している。従って、リターン蓄圧室42の内部の圧力を調整することによって、各燃料噴射ノズル3のリターン燃料通路44の内部の圧力を一斉に調整することが可能となる。本実施例においては、リターン蓄圧室42の内部の圧力を調整する蓄圧調整手段45及び蓄圧調整手段46が設けられている。
【0042】
蓄圧調整手段45は、リターン蓄圧室42から延出するオリフィス通路である調整通路45cと、調整通路45cが連通する調整室45bと、調整室45bから延出し燃料回収管9へと連通する調整バイパス管45d及び調整通路45cにおける燃料の流れを遮断又は開放するピストン部を有する調整弁45aと、から構成される。この蓄圧調整手段45の調整弁45aによって調整通路45cにおける燃料の流れを遮断する場合は、リターン蓄圧室42から燃料が流出する通路は、排出通路42bのみである。一方で、蓄圧調整手段45の調整弁45aによって調整通路45cにおける燃料の流れを開放する場合は、リターン蓄圧室42から燃料が流出する通路は、排出通路42bと調整通路45cの二つとなる。従って、調整弁45aによってリターン蓄圧室42から流出するオリフィス通路の断面積を切り替えることにより流出量を切り替えることが可能となり、以てリターン蓄圧室42の内部の圧力を切り替えることが可能となる。本実施例では、調整通路45c及び調整弁45aの一組であるが、調整通路およびそれに対応する調整弁を複数組設けることによって、リターン蓄圧室42内部の圧力を多段的に切り替えることも可能である。
【0043】
また、蓄圧調整手段46は、リターン蓄圧室42と連通する調節室46cを有しており、その連通部位の断面積は、蓄圧調整手段45においてリターン蓄圧室42と調整室45bとを連通するオリフィス通路である調整通路45cの断面積より、広くなっている。更に、調整室46cの内部には調整室46cの内壁面に摺動状態を保ちながら移動自在に設けられた調整壁46fが備えられている。従って、調整壁46fによって、調整室46cは、リターン蓄圧室42と連通する側の第一調整室46c1とリターン蓄圧室42と連通しない側の第二調整室46c2とに区別される。ここで、オリフィス通路である燃料通路46eが、蓄圧調整手段46の外部から、第二調整室46c2の内部へと連通している。更に、第二調整室46c2は、オリフィス通路である燃料通路46dを介して、燃料排出室46bへと連通している。ここで、燃料通路46dにおける燃料の流れを遮断又は開放する燃料制御弁46aが備えられている。
【0044】
このように構成される蓄圧調整手段46は、加圧燃料が燃料ポンプ6によって、燃料通路46eを介して第二調整室46c2へと供給される。ここで、燃料制御弁46aによって、燃料通路46dにおける燃料の流れを遮断されている場合は、第二調整室46c2から燃料が流出することはないため、第二調整室46c2の内部の圧力が高くなり、調整壁46fが、リターン蓄圧室42側へ移動する。次に、燃料調整弁46aによって、燃料通路46dにおける燃料の流れが開放されている場合は、第二調整室46c2から燃料通路46dを介して燃料排出室46bへ燃料が流出する。従って、第二調整室46c2の内部の圧力が低下するため、リターン蓄圧室42の内部の圧力によって、調整壁46fが、先述の燃料調整弁46aによって燃料通路46dにおける燃料の流れが遮断されている場合の位置より、リターン蓄圧室42側とは反対側の方向へ移動を開始する。その結果、調整壁46fの移動に伴い、リターン蓄圧室42の容積が拡大することとなり、以てリターン蓄圧室42の内部の圧力を低下させる。
【0045】
上述までのように構成される燃料噴射制御装置では、各燃料噴射ノズル3の燃料制御弁36によってリターン燃料通路44bにおける燃料の流れが開放されていれば、蓄圧調整手段45もしくは蓄圧調整手段46によって、リターン蓄圧室42の内部の圧力が調整されることに伴い、リターン蓄圧室42と連通する各燃料噴射ノズル3のリターン燃料通路44および制御室34の内部の圧力が調整される。その結果、ニードル弁35の上昇速度を可変とし、燃料噴射ノズル3における噴射率を調整することができる。即ち、リターン蓄圧室42の内部の圧力を調整することにより、複数の燃料噴射ノズル3における噴射率を一斉に調整することが可能となるため、燃料噴射量の安定性を確保する簡潔な構成となる。
【0046】
ここで、リターン燃料通路44において、図4に示される各燃料噴射ノズル3の制御室34からリターン蓄圧室42に至るまでの流路が、ほぼ同一の長さで構成されている。このように構成することで、蓄圧調整手段45もしくは蓄圧調整手段46によって発生したリターン蓄圧室42内の圧力変化、即ち圧力波が、各燃料噴射ノズル3の制御室34に均一に到達することになり、各燃料噴射ノズル3における噴射率の変化が同一となる。従って、更に、燃料噴射量の安定性を確保する構成となる。
【0047】
ここで、図5には、蓄圧調整手段45および蓄圧調整手段46によって、リターン蓄圧室42の内部の圧力をP2からP1へと変更するときの、圧力の時間推移を示されている。図5において、横軸は時間、縦軸はリターン蓄圧室42の内部の圧力を示す。ここで、ECU15によって、時間t1において、蓄圧調整手段45または蓄圧調整手段46にリターン蓄圧室42の内部の圧力をP2からP1へ変更すべく指令が出されている。この指令に対し、蓄圧調整手段45および蓄圧調整手段46によって変更されたリターン蓄圧室42の内部の圧力の時間推移が、それぞれL2及びL1である。蓄圧調整手段45によってリターン蓄圧室の内部の圧力がP1に至った時間がt3、蓄圧調整手段46によってリターン蓄圧室の内部の圧力がP1に至った時間がt2となり、蓄圧調整手段46による方が、圧力変更に要する時間は短くなる。
【0048】
これは、蓄圧調整手段46は、調整室46cの内部に設けられた調整壁46fによって、リターン蓄圧室42の容積を変化させることで、リターン蓄圧室42の内部の圧力を調整するものであるが、調整室46cとリターン蓄圧室42の連通部位の断面積は、蓄圧調整手段45においてリターン蓄圧室と調整室45bとを連通するオリフィス通路である調整通路45cの断面積より、広くなっているため、リターン蓄圧室42の内部の燃料が調整室46c内部へ迅速に流入する。その結果、蓄圧調整手段46によってリターン蓄圧室42の内部の圧力を調整するときに要する時間は、蓄圧調整手段45によってリターン蓄圧室42の内部の圧力を調整するときに要する時間よりも短くなり、リターン蓄圧室の内部の圧力をより正確に制御することが可能となる。これは、燃料噴射ノズル3における噴射率を正確に調整し、燃料噴射量の安定性の維持に資するものである。
【0049】
更に、図4に示す本実施の形態に係る燃料噴射制御装置には、リターン蓄圧室42の内部の燃料温度を検出する燃料温度検出手段47が設けられている。一般に、高圧下の雰囲気において加圧された流体が、低圧化の雰囲気に曝されると、その流体は熱を発生する。本実施の形態に係る燃料噴射制御装置においては、供給蓄圧室41からリターン蓄圧室42に至るまでに、曝される圧力が低下する。従って、加圧燃料が制御室34からリターン蓄圧室42へと流入する過程において、熱が発生することとなる。このとき、発熱により燃料の性状が変化する虞がある。そこで、発熱による燃料の性状変化を回避する制御手段を図6に示す。図6には、燃料温度検出手段47によって得られるリターン蓄圧室42の内部の燃料温度に基づいたリターン蓄圧室42の内部の圧力の制御のフローチャートが示される。
【0050】
図6に示されるフローチャートは、内燃機関1が駆動しているときに、ECU15によって繰り返し実行される制御を表すフローチャートである。先ず、S501において、燃料温度検出手段47によって、リターン蓄圧室の内部の燃料温度THOが検出される。S501の処理が終了すると、S502へと進む。
【0051】
S502においては、S501で取得したTHOの値と、基準値であるT1とを比較する。ここで、T1は、リターン蓄圧室42の内部の燃料が、発熱によって燃料の性状変化を判断するためのしきい値である。従って、THOの値がT1より大きい場合は、発熱が大きいため燃料の性状変化の虞があると考えられ、THOの値がT1以下の場合は、発熱が小さいため燃料の性状変化の虞はないと考えられる。S502において、THOの値がT1の値より大きいと判断された場合は、S503へ進む。一方で、S502において、THOの値がT1の値以下と判断された場合は、S504へ進む。
【0052】
S503においては、リターン蓄圧室42の内部の圧力を昇圧すべく、蓄圧調整手段45もしくは蓄圧調整手段46によってリターン蓄圧室42の内部の圧力が調整される。これにより、各燃料噴射ノズル3における制御室34の内部の圧力とリターン蓄圧室42の内部の圧力との差が小さくなり、燃料の発熱を抑制することが可能となる。尚、この場合、リターン蓄圧室42の内部の圧力が昇圧されることにより、燃料噴射ノズル3における噴射率は低くなる。S503の処理が終了すると、再びS501から本制御が、繰り返し実行される。
【0053】
S504においては、内燃機関1の運転状況によって、高噴射率の燃料噴射が要求されているか否かを判断する。S504において、高噴射率の燃料噴射が要求されていると判断された場合は、S505に進む。S505においては、リターン蓄圧室42の内部の圧力を降圧すべく、蓄圧調整手段45もしくは蓄圧調整手段46によってリターン蓄圧室42の内部の圧力が調整される。これにより、各燃料噴射ノズル3における制御室34の内部の圧力とリターン蓄圧室42の内部の圧力との差は大きくなるため燃料の発熱が促進されるが、燃料噴射ノズル3における噴射率は向上する。
【0054】
一方、S504において、高噴射率の燃料噴射が要求されていないと判断された場合は、S506に進む。S506においては、リターン蓄圧室42の内部の圧力を昇圧すべく、蓄圧調整手段45もしくは蓄圧調整手段46によってリターン蓄圧室42の内部の圧力が調整される。これにより、各燃料噴射ノズル3における制御室34の内部の圧力とリターン蓄圧室42の内部の圧力との差は小さくなるため燃料の発熱が抑制される。
S505及びS506の処理が終了すると、再びS501から本制御が、繰り返し実行される。
【0055】
更に、図4に示す本実施の形態に係る燃料噴射制御装置には、リターン蓄圧室42の内部の燃料圧力を検出する蓄圧室内圧検出手段48が設けられている。図5に示すように、例えば、蓄圧調整手段45または蓄圧調整手段46によって、リターン蓄圧室42の内部の圧力を変更する場合、実際の圧力の時間推移は、ECU15による変更指令に対して遅れる傾向がある。これは、燃料は一般に流体であるため、圧力の変化がリターン蓄圧室42内へ伝播するまでに一定の時間を要するためである。従って、圧力の変化がリターン蓄圧室42内へ伝播するまでに要する時間(図5において、t1からt2までの時間、もしくはt1からt3までの時間で表される時間)においては、リターン蓄圧室42の内部の圧力は目的の圧力まで至っておらず、その間の燃料噴射ノズル3における噴射率も目的の噴射率へ至ってはいない。一方で、ECU15は、リターン蓄圧室の内部の圧力は瞬時に切り替わり、噴射率も目的の噴射率へ至っているとの前提で、燃料噴射ノズルの開弁時間を算出している場合、実際に燃料噴射ノズル3から噴射される燃料量が、ECU15が想定している燃料量と異なる虞がある。そこで、リターン蓄圧室42の内部の圧力が推移している間において、噴射燃料量が適正な量となるべく燃料噴射ノズル3の開弁時間を補正する必要がある。また、リターン蓄圧室42の内部の圧力が推移することにより、目的の噴射率に至るまでに一定の遅れ時間を要することとなるため、内燃機関1の運転状況によっては、所定の時期に目的の噴射率にて燃料を噴射すべく、燃料噴射ノズル3の開弁時期を補正する必要がある。
【0056】
そこで、図7に基づいて、リターン蓄圧室42の内部の圧力に応じた燃料噴射ノズル3の開弁時間及び開弁時期の補正について説明する。図7(a)には、燃料噴射ノズル3における噴射率の時間推移が示されており、図7(b)には、図7(a)に示された噴射率に対応するリターン蓄圧室42の内部の圧力の時間推移が示されている。図7(a)、(b)において、L5及びL3は、例えばECU15から蓄圧調整手段45もしくは蓄圧調整手段46に対して、リターン蓄圧室42内の圧力をP2からP1へ切り替えるために出される圧力切替指令とそれに対応する噴射率の切替を表している。また、L6及びL4は、実際の圧力の時間推移とそれに対応する噴射率の推移を表している。
【0057】
ここで、図7(a)において、L3とL4が相違する部分の面積A1は、ECU15が噴射を想定した燃料量のうち、実際には噴射されなかった燃料量を意味する。従って、噴射当初において、ECU15が想定した燃料量を噴射するために要する燃料噴射ノズル3の開弁時間t5では、その想定した燃料量より少ない燃料を噴射することになるため、面積A1で表せる量に相当する燃料を補正して追加的に噴射する必要がある。そこで、ECU15は、面積A2で表される燃料量を追加噴射すべく、燃料噴射ノズル3の開弁時間をt5からt6へ延長する。ここで、面積A2は、横軸において時間(t6−t5)、縦軸においてQ2で表される長方形の面積であり、その面積は面積A1と同一である。また、時間(t6−t5)は、蓄圧室内圧検出手段48から得られる圧力信号の推移から燃料噴射ノズル3の噴射率の推移を算出したうえで、決定される。
【0058】
次に、図7(a)において、ECU15の噴射率のQ1からQ2への切替指令は時間t4において行われているが、実際には時間t4+Δtに至って初めて噴射率がQ2に達している。即ち、ECU15の、内燃機関の運転状況に応じて、時間t4において噴射率Q2の噴射を行う必要があるとの要求に対して、遅れ時間Δtが介在し、十分な応答が為されていない。従って、所定の時間(例えばt4)において、噴射率Q2の噴射を行う必要がある場合は、遅れ時間Δt分だけ切替指令を早める必要がある。遅れ時間Δtは、蓄圧室内圧検出手段48から得られる現在の圧力(例えばP2)と目的の噴射率Q2に対応する圧力(例えばP1)との差分から決定される。
【0059】
このように、蓄圧室内圧検出手段48によって検出されるリターン蓄圧室42の内部の圧力に応じて、燃料噴射ノズル3の開弁時間又は開弁時期を補正することによって、正確な燃料噴射を実施することができる。
【0060】
<第2の実施例>
図8は、本発明に係る燃料噴射制御装置の別の実施例を示す。図8に示される燃料噴射制御装置は、図4に示される燃料噴射制御装置に対して、リターン蓄圧室42の内部の圧力を調整する蓄圧調整手段の構成が変更されている。従って、図4に示される燃料噴射制御装置と同様の構成を有する部位については、同一の参照番号を付し、説明を省略する。
【0061】
図8に示される燃料噴射制御装置は、リターン蓄圧室42の内部の圧力を調整する蓄圧調整手段49を備える。蓄圧調整手段49は、開口部49iを介して、リターン蓄圧室42に連通する調整室49cを有する。調整室49cの内部には、調整室49cの内壁と摺動自在に配置される調整壁49fが設けられており、調整壁49fによって、調整室49cは、第一調整室49c1と第二調整室49c2に分割されている。尚、第一調整室49c1は、リターン蓄圧室42側に位置する調整室である。ここで、第一調整室49c1の内部には、開口部49iにおける燃料の流れを遮断もしくは開放する調整弁49hが設けられており、さらに調整弁49hは、調整スプリング49gを介して調整壁49fに連結されている。また、第一調整室49c1内であって、調整壁49fが到達しない部位から、燃料タンク8へ連通する燃料回収管9が延出している。一方で、第二調整室49c2には、蓄圧調整手段49の外部から燃料を供給するオリフィス通路である燃料通路49eが連通しており、また第二調整室49c2から燃料排出室49bへ燃料を排出するオリフィス通路である燃料通路49dが設けられている。更に、燃料通路49dにおける燃料の流れを遮断又は開放するピストン部を有する燃料調整弁49aが設けられている。
【0062】
このように、構成される蓄圧調整手段49を有する燃料噴射制御装置において、燃料調整弁49aによって、燃料通路49dにおける燃料の流れが遮断されている場合、第二制御室49c2の内部には高圧の燃料が貯蔵され、その圧力によって調整壁49fが開口部49i側へ押される。その結果、調整弁49hは、リターン蓄圧室42の内部に有する燃料から圧力を受ける一方で、調整壁49fから調整スプリング49gを介して、圧力を受ける。そのため、開口部49iと調整弁49hとの間に介在する燃料の流路面積はもっと小さくなる。
【0063】
一方で、燃料調整弁49aによって、燃料通路49dにおける燃料の流れが開放されている場合、第二調整室49c2に貯蔵される燃料が燃料通路49dを介して排出されるため、第二調整室49c2の内部の圧力は、燃料調整弁49aによって、燃料通路49dにおける燃料の流れが遮断されている場合と比べ、低くなる。そのため、調整弁49hが、調整スプリング49gを介して調整壁49fより受ける圧力は低下するため、開口部49iと調整弁49hの間に介在する燃料の流路面積は、燃料調整弁49aによって、燃料通路49dにおける燃料の流れが遮断されている場合と比べ、広くなる。
【0064】
このように、燃料調整弁49aによって燃料通路49dにおける燃料の流れを遮断又は開放することによって、開口部49iと調整弁49hの間に介在する燃料の流路面積を変更することができる。ここで、流路面積が大きくなる場合は、リターン蓄圧室42から流出する燃料の流量が大きくなるため、リターン蓄圧室42の内部の圧力が低下し、流路面積が小さくなる場合は、リターン蓄圧室42から流出する燃料の流量が相対的に小さくなるため、リターン蓄圧室42の内部の圧力が相対的に上昇する。この結果、蓄圧調整手段49によって、リターン蓄圧室42の内部の圧力が調整されることに伴い、リターン蓄圧室42と連通する各燃料噴射ノズル3のリターン燃料通路44および制御室34の内部の圧力が調整される。その結果、ニードル弁35の上昇速度を可変とし、燃料噴射ノズル3における噴射率を調整することができる。即ち、リターン蓄圧室42の内部の圧力を調整することにより、複数の燃料噴射ノズル3における噴射率を一斉に調整することが可能となるため、燃料噴射量の安定性を確保する簡潔な構成となる。
【0065】
<第3の実施例>
図9は、本発明に係る燃料噴射制御装置の別の実施例を示す。図9に示される燃料噴射制御装置は、図4に示される燃料噴射制御装置に対して、リターン蓄圧室42の内部の圧力を調整する蓄圧調整手段の構成が変更されている。従って、図4に示される燃料噴射制御装置と同様の構成を有する部位については、同一の参照番号を付し、説明を省略する。
【0066】
図9に示される燃料噴射制御装置は、リターン蓄圧室42から燃料タンク8へと連通する燃料回収管9において、燃料の流量を調整するスロットルバルブ51、及びそのアクチュエータ50が設けられている。このように、スロットルバルブによって燃料回収管9における燃料の流量を調整することで、リターン蓄圧室42の内部の圧力が調整され、それに伴いリターン蓄圧室42と連通する各燃料噴射ノズル3のリターン燃料通路44および制御室34の内部の圧力が調整される。その結果、ニードル弁35の上昇速度を可変とし、燃料噴射ノズル3における噴射率を調整することができる。即ち、リターン蓄圧室42の内部の圧力を調整することにより、複数の燃料噴射ノズル3における噴射率を同時に調整することが可能となるため、燃料噴射量の安定性を確保する簡潔な構成となる。
【0067】
<第4の実施例>
上述までの燃料噴射制御装置において、供給蓄圧室41とリターン蓄圧室42の配置態様について、図10に示す態様が考えられる。図10には、本発明に係る燃料噴射制御装置の断面図が示されている。図10においては、上述までと同様に、各燃料噴射ノズル3が、燃料供給通路43を介して供給蓄圧室41と、リターン燃料通路44を介してリターン蓄圧室42と連結されている。ここで、供給蓄圧室41とリターン蓄圧室42は、蓄圧筐体52の内部に、隣接した状態で設けられている。このように供給蓄圧室41とリターン蓄圧室42を設けることで、本発明に係る燃料噴射制御装置の構成に要する空間を小さくし、装置の小型化を図ることが可能となる。
【0068】
【発明の効果】
本発明による燃料噴射制御装置は、各燃料噴射ノズルの燃料制御弁によってリターン燃料通路における燃料の流れが開放されていれば、蓄圧調整手段によって、リターン蓄圧室の内部の圧力が調整されることに伴い、リターン蓄圧室と連通する各燃料噴射ノズルのリターン燃料通路および制御室の内部の圧力が調整される。その結果、ニードル弁の上昇速度を可変とし、燃料噴射ノズルにおける噴射率を調整することができる。即ち、リターン蓄圧室の内部の圧力を調整することにより、複数の燃料噴射ノズルにおける噴射率を一斉に調整することが可能となるため、燃料噴射量の安定性を確保する簡潔な構成となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る燃料噴射制御装置が使用される内燃機関の概略構成を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る燃料噴射制御装置の概略的な外観を示す図である。
【図3】本実施の形態に係る燃料噴射制御装置において使用される燃料噴射ノズルの概略構成、及び燃料噴射ノズルのニードルリフトの時間推移を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る燃料噴射制御装置の概略構成を示す図である。
【図5】本実施の形態に係る燃料噴射制御装置におけるリターン蓄圧室内の圧力の時間推移を示す図である。
【図6】本実施の形態に係る燃料噴射制御装置におけるリターン蓄圧室内の圧力の制御を示すフロー図である。
【図7】本実施の形態に係る燃料噴射制御装置にの各燃料噴射ノズルにおける噴射率の時間推移と、リターン蓄圧室内の圧力の時間推移を示す図である。
【図8】本実施の形態に係る燃料噴射制御装置の第2の実施例の概略構成を示す図である。
【図9】本実施の形態に係る燃料噴射制御装置の第3の実施例の概略構成を示す図である。
【図10】本実施の形態に係る燃料噴射制御装置の第4の実施例であって、該装置の横断面を示す図である。
【符号の説明】
3・・・・燃料噴射ノズル
4・・・・燃料噴射制御装置
31・・・・ノズルボディ
32・・・・燃料噴孔
33・・・・燃料室
34・・・・制御室
35・・・・ニードル弁
36・・・・燃料制御弁
41・・・・供給蓄圧室
42・・・・リターン蓄圧室
43・・・・燃料供給通路
44・・・・リターン燃料通路
45・・・・蓄圧調整手段
46・・・・蓄圧調整手段
47・・・・燃料温度検出手段
48・・・・蓄圧室内圧検出手段
49・・・・蓄圧調整手段
Claims (9)
- 燃料を噴射する燃料噴孔を有するノズルボディと、
前記ノズルボディの内部に形成され、前記燃料噴孔に連通する燃料室と、
前記燃料室に燃料を供給する燃料供給通路と、
前記燃料噴孔の開閉を行うニードル弁と、
前記ニードル弁の前記燃料噴孔とは反対の端部に形成され、前記燃料供給通路と連通する制御室と、から構成される複数の燃料噴射ノズルと、
前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれの前記燃料供給通路が連通する供給蓄圧室と、
前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれの前記制御室から延出する複数のリターン燃料通路を介して、前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれの前記制御室と連通するリターン蓄圧室と、
前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれの前記制御室から前記リターン蓄圧室への燃料の流出を制御する複数の燃料制御弁と、
前記リターン蓄圧室内の圧力を調整する蓄圧調整手段と、を備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。 - 前記蓄圧調整手段は、前記リターン蓄圧室内の圧力を上昇させることによって、前記リターン燃料通路を介して前記制御室内の圧力が上昇するとともに前記制御室内の圧力と前記燃料室内の圧力との差圧が縮小することで前記ニードル弁の上昇速度を低下させ、
前記リターン蓄圧室内の圧力を低減させることによって、前記リターン燃料通路を介して前記制御室内の圧力が低減するとともに前記制御室内の圧力と前記燃料室内の圧力との差圧が拡大することで前記ニードル弁の上昇速度を上昇させることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。 - 前記蓄圧調整手段は、前記リターン蓄圧室から流出する燃料の流量を調整することで前記リターン蓄圧室内の圧力を調整する手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射制御装置。
- 前記リターン蓄圧室は、前記制御室より前記リターン燃料通路に流入する燃料を前記リターン室の外部へ排出する少なくとも一つのオリフィス通路を有し、
前記蓄圧調整手段は、前記オリフィス通路を開閉することによって前記リターン室から流出する燃料の流量を調整することで前記リターン蓄圧室内の圧力を調整する手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射制御装置。 - 前記蓄圧調整手段は、前記リターン蓄圧室の容積を可変とする手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射制御装置。
- 更に、前記リターン蓄圧室内の燃料温度を検出する燃料温度検出手段を備え、
前記蓄圧調整手段は、前記燃料温度検出手段によって検出された燃料温度の上昇に応じて前記リターン蓄圧室内の圧力を上昇させる手段であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の燃料噴射制御装置。 - 更に、前記リターン蓄圧室内の圧力を検出する蓄圧室内圧検出手段を備え、
前記蓄圧室内圧検出手段によって検出されたリターン背圧に応じて、前記複数の燃料噴射ノズルにおいて少なくとも開弁時間又は開弁時期の何れか一を補正することを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の燃料噴射制御装置。 - 前記複数のリターン燃料通路は、前記複数の燃料噴射ノズルのそれぞれの制御室から前記リターン蓄圧室に至るそれぞれの流路の長さがほぼ同一であることを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の燃料噴射制御装置。
- 前記供給蓄圧室と前記リターン蓄圧室とは隣接して形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の燃料噴射制御装置。
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