JP2004107822A - 集球ネット材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粗目編織物からなる基布と、その構成糸条の少なくとも露出周面を被覆する樹脂被覆層とを有するメッシュシートであって、前記基布が15%以上の質量比率の短繊維紡績糸を含み、樹脂被覆層のメッシュシートに対する質量比率が15〜60%であり、メッシュシートの網目寸法が10mm以下であり、透孔面積率が0.1〜0.7である集球ネット材。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフ練習場のフェアウェイ敷物用途に好適な繊維シート構造物からなる集球ネット材に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、擦過耐久性、耐候性、ぎらつき防止性、集球性に優れ、上記の用途に好適な集球ネット材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフ練習場のフェアウェイには、実際のゴルフ場の臨場感を出すために天然芝が用いられていることが好ましい。しかし天然芝の維持管理に多大な労力を必要とするため、現状では人工芝が広く使用されている。
また、打ち放ったゴルフボールを回収するために、フェアウェイにスロープを設け、ボールが容易に回収出来るように工夫されている。しかしながら、多くのゴルフ練習場は屋外に施工されており、耐候耐久性の低い人工芝が用いられていると、落下するボールによる衝撃等により人工芝のパイルが破損し、かつ脱落し、その痕跡が練習場のフェアウェイの外観を不良にし、かつパイルが破損、脱落した部分にボールが滞留してボールの回収作業が滞ることが多く、これが集球効率を低下させる原因になっている。上記問題点に対応するために安価な養生シートや養生ネットを人工芝の上に敷設することも行われているが、養生シートには通水性が無く、このためフェアウェイ上に水が溜まりそれがボールの回収を妨げるという問題を生じ、また、養生ネット(例えば実公平1−21793号公報参照)には通水性もあり、ボールの回収も効率よく行うことが出来るが、やはり落下するボールの衝撃によって損傷し、また養生ネットを被覆している樹脂がボールに付着し、ボールを汚す原因にもなるなどの問題を生じている。また従来の養生ネットの多くは高い光沢を有し、これをフェアウェイに敷き詰めた時に、光線の反射によってぎらつき、プレーヤーに不快感を与えることも大きな問題となっている。しかしながら、上記問題点を解決できる手段は知られていなかった。
【0003】
【特許文献1】
実公平1−21793号公報 第1〜3頁、第1図A〜第4図B
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ゴルフ練習場のフェアウェイ敷物用途に好適な集球ネット材を提供しようとするものである。特に本発明は、屋外など過酷な使用条件下においても、ボールの衝撃による損傷が少なく、フェアウェイに敷き詰めたときに光線の反射によるぎらつきの発生が少なく、プレーヤーに不快感を与えることが無く、集球効率の良い集球ネット材を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の集球ネット材は、繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布と、この基布構成糸条の少なくもと露出周面の全面上に形成された樹脂被覆層とを有するメッシュシートであって、
(1)前記粗目編織物からなる基布が、短繊維紡績糸を質量比率で15%以上含む繊維糸条からなり、
(2)前記樹脂被覆層が少なくとも1種の可撓性高分子材料からなる樹脂により形成され、メッシュシートにおける樹脂被覆層の質量比率が15〜60%であり、
(3)前記樹脂で被覆された前記粗目編織物の網目寸法が10mm以下で且つ、透孔面積率が0.1〜0.7であることを特徴とするものである。
本発明の集球ネット材なおいて、前記繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布が、着色されていることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の集球ネット材において、基布として用いられる繊維糸条から構成された粗目編織物は、天然繊維、例えば木綿、麻など、再生繊維、例えばビスコースレーヨン、キュプラなど、半合成繊維、例えば、ジ−及びトリアセテート繊維など、及び合成繊維、例えば、ナイロン6、及びナイロン66などのポリアミド繊維、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、及びポリオレフィン繊維などから選ばれた少なくとも1種からなる布帛である。
【0007】
前記基布用の繊維編織物には、短繊維紡績糸が質量比率で15%以上含まれており、この短繊維紡績糸は、長繊維、スプリットヤーン、テープヤーンなどの繊維又は糸条と短繊維との混紡であってもよく、経糸及び緯糸のいずれか一方に長繊維糸条を用い、他方に短繊維紡績糸を用いるという編織組織でもよい。また繊維糸条が、長繊維糸条からなる芯と、それを被覆する短繊維紡績糸からなる鞘とにより構成される芯鞘構造を有するものであってもよい。短繊維紡績糸の質量比率が15%未満の場合には、短繊維紡績糸に起因する繊維糸条のバルキー性が不十分になり、このような非バルキー糸条に、樹脂被覆を施したとき、光沢度の高いものとなってしまい、製品のぎらつき防止性が不十分になる。また基布用編織物の組織は織物及び編物のいずれであってもよい。
【0008】
更にこの編織組織にも格別の制限はないが、例えば、少なくともそれぞれ、糸間間隙をおいて平行に配置された経糸及び緯糸を含む糸条により構成された粗目布状の編織物であり、樹脂被覆を施したときに編織物の網目寸法が10mm以下で且つ、透孔面積率が0.1〜0.7であることが好ましい。網目寸法とは、透孔部を形成する対向糸条の中心間隙を意味し、透孔面積率とは、粗目編織物の全表面積に対する、透孔の合計面積の比(%)である。網目寸法が10mmを超えるとボール回収時にボールがネット上に滞り回収効率が不十分になり、透孔面積率が0.1未満では、通水性及び通気性が不十分であって、フェアウェイに水が溜まったり、強風時にネットが煽られる等の問題が発生する。透孔面積率が0.7を超える粗い目合いでは、網目寸法10mm以下のメッシュシートの場合、短繊維紡績糸を含む糸条を用いると、メッシュシートの強度が不十分になるという問題を生ずる。
【0009】
本発明の集球ネット材の基布を形成する前記粗目編織物の目付は50〜700g/m2 であることが好ましい。また前記粗目編織物は着色された糸からなる編織物であってもよい。着色する方法には格別の制限はないが、例えば、予め原着された糸からなる編織物を用いる方法、又は樹脂バインダーを含むエマルジョンによる顔料染めにより着色する方法、基布用布帛を染料をもって染色する方法、及び着色された高分子材料で被覆する方法などがある。また、耐水性、及び吸水防止性を向上させる目的をもって、顔料染め用エマルジョンに撥水処理剤等を添加して用いてもよい。
【0010】
本発明の集球ネット材の被覆層に用いられる可撓性高分子材料としては、エチレンとエチレン性不飽和単量体との共重合樹脂、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−バーサチック酸ビニル共重合体;アクリル系樹脂、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;及びその他の汎用熱可塑性樹脂、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、及びポリ酢酸ビニル系樹脂並びに、熱可塑性エラストマー樹脂、例えばアクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体などのゴム系樹脂、及び天然又は合成ゴムなどから選ばれた少なくとも1種からなる樹脂である。また可撓性高分子材料に、その可撓性を著しく妨げない範囲内で、熱硬化性樹脂、その他の高分子材料を混用することもできる。
【0011】
本発明の集球ネット材において、樹脂被覆層は少なくとも1種の可撓性高分子材料からなる樹脂を含有するエマルジョン、又は溶液により、繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布をディッピング及び/又はコーティングすることにより、繊維糸条の露出全周面に形成される。樹脂被覆層配合組成物中には、難燃剤、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機充填剤、顔料、増粘剤、及び消泡剤などの1種以上を適宜添加してもよい。
【0012】
本発明の集球ネット材において、メッシュシートの全質量に対する樹脂被覆層の質量比率は15〜60%であることが好ましく、更に好ましくは25〜50%である。樹脂被覆層の質量比率が15%未満では、繊維糸条の集束性が不十分となり衝撃耐久性が不十分になる、また樹脂被覆層の質量比率が60%を超えると、樹脂の過付着により短繊維紡績糸のバルキー性が失われ、光沢度の高いものとなり、フェアウェイに敷き詰めたときに、光線を反射してぎらつき、プレーヤーに不快感を与えるものとなる。
【0013】
【実施例】
本発明を下記実施例により更に具体的に説明する。製品の性能評価に用いられた試験方法は下記の通りである。
(1)初期耐久性及び耐候耐久性
供試試料に初期及びサンシャインカーボンアーク燈式促進暴露試験(JIS規格A−1415)により500時間の耐候促進後に、JIS L1096のスコット法に従って、つかみ間隔2cm、押圧荷重9.8N(1kgf )の条件下に、回数1,000回の屈曲試験を、施し、その結果を目視で評価し、初期耐久性及び耐候耐久性を評価した。
【0014】
剪断強度
供試試料に、初期及び、サンシャインカーボンアーク燈式促進暴露試験(JIS規格A−1415)、500時間を施した後に、JIS L1096のA法による剪断強度を測定した。剪断強度491N/3cm未満のものは、施工及びメンテナンスの作業時や、打ち放たれたボールが当たった時にメッシュシートが破ける等の問題を生ずる。
擦過耐久性
供試試料に、JIS L1096のテーパ形摩擦試験機を用い、摩耗輪CS−17を使用し荷重9.81Nで1000回の摩擦を施した後の加工布減量を測定し、別に、同一供試試料にサンシャインカーボンアーク燈式促進暴露試験(JIS規格A−1415)で500時間促進試験を行ったのちに前記、摩擦試験を施した加工布減量を測定し、供試試料の集球シートとしての擦過耐久性を評価した。摩耗減量80mg以下のものはボールによる損傷が少なく実用性の良好なものである。
【0015】
ぎらつき防止性
供試試料の裏面を、黒色艶消し標準版にて覆い、初期及び、サンシャインカーボンアーク燈式促進暴露試験(JIS規格A−1415)で500時間の耐候促進後に、JIS Z8741に準拠して、デジタル変角光沢計VG−1D(日本電色工業(株)製)を用いて、入射角度80°にて供試試料の光沢度を測定してぎらつき防止性を評価した。光沢度10以下のものはぎらつき防止性が高く実用性の良好なものである。
集球性
寸法:30cm(巾方向)×50cm(長さ方向)の供試試料を、人工芝(ユニチカ(株)製:商標グリーンアイUG800)のパイル上に重ねて載置し、その一端にゴルフボールを静置し、ゴルフボールを乗せた試料を、人工芝とともに、1秒当たり1度の速度で水平から垂直方向に緩やかに傾斜させ、ボールが転がり出す角度を測定し、それにより試料の集球性を評価した。転がり出す角度が5度以下のものは集球性に富むものであった。
【0016】
実施例1
を使用した。
別に下記組成の軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾルを調製した。
(軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾル組成)
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP 65質量部
エポキシ化大豆油 2.0質量部
Ba−Zn系安定剤 1.5質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
二酸化チタン 3質量部
緑色顔料トーナー 5質量部
前記軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾル中に前記粗目編織物からなる基布を浸漬し、引き出してマングルで絞った後180℃で熱処理して樹脂被覆層を形成した。集球ネット材が得られた。樹脂被覆層の付着量は180g/m2 であり、得られた集球ネット材における樹脂被覆層の質量比率は、およそ50%であった。前記粗目編織物からなる基布に占める短繊維紡績糸の質量比率は100%であり、樹脂で被覆された前記粗目編織物の網目寸法はおよそ2mmで、透孔面積率が0.3であった。得られた集球ネット材の試験結果を表1に示す。
【0017】
実施例2
を使用した。
別に下染めのための下記組成の下染め液を調製した。
(下染め液)
アクリル系樹脂エマルジョン(固形分:45質量%) 5質量部
水性緑色顔料 3質量部
希釈水 92質量部
前記下染め液中に、前記粗目編織物からなる基布を浸漬し、引き出してピックアップ率50%にてマングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目編織物を得た。
別にアクリル系樹脂エマルジョンを用いて、下記組成の樹脂被覆層用エマルジョンを調製した。
(樹脂被覆層用エマルジョン組成)
アクリル系樹脂エマルジョン(固形分:45質量%) 100質量部
紫外線吸収剤 0.5質量部
前記樹脂被覆層用エマルジョン中に、前記着色粗目織物を浸漬し、引き出してマングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して樹脂被覆層を形成した。集球ネット材が得られた。その樹脂被覆層の付着量は100g/m2 であり、得られた集球ネット材における樹脂被覆層の質量比率は、およそ36%であった。前記粗目編織物からなる基布に占める短繊維紡績糸の質量比率は51.5%であり、樹脂で被覆された前記粗目編織物の網目寸法はおよそ2mmで、透孔面積率が0.3であった。得られた集球ネット材の試験結果を表1に示す。
【0018】
実施例3
実施例2と同様にして集球ネット材を製造した。但し、基布用粗目編織物として、経糸がポリエステルフィラメント糸(1111dtex)からなり、緯糸がポリエステル短繊維スパン糸(1182dtex)1本と、ポリエステルマルチフィラメント糸(1111dtex)2本で構成された合糸を用いて、紗織りからなる、下記組織の粗目状織物:
を用いた。樹脂被覆層の付着量は100g/m2 であり、得られた集球ネット材における樹脂被覆層の質量比率は、およそ36%であった。前記粗目編織物からなる基布に占める短繊維紡績糸の質量比率は17.5%であり、樹脂で被覆された前記粗目編織物の網目寸法はおよそ2mmであり、透孔面積率は0.3であった。得られた集球ネット材の試験結果を表1に示す。
【0019】
実施例4
基布用粗目編織物として、予め緑色に原着されたポリエステル短繊維スパン糸(1182dtex)の3本合糸からなる下記組織の模紗織り粗目状織物:
を使用した。
別に下記組成の樹脂被覆層用エマルジョンを調製した。
(樹脂被覆層用エマルジョン組成)
アクリル系樹脂エマルジョン(固形分:45質量%) 100質量部
紫外線吸収剤 0.5質量部
前記樹脂被覆層用エマルジョン中に、前記着色粗目織物を浸漬し、引き出してマングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して樹脂被覆層を形成して集球ネット材を製造した。樹脂被覆層の付着量は100g/m2 であり、得られた集球ネットにおける樹脂被覆層の質量比率は、およそ36%であった。前記粗目編織物からなる基布に占める短繊維紡績糸の質量比率は100%であり、樹脂で被覆された前記粗目編織物の網目寸法はおよそ2mmであり、透孔面積率は0.3であった。得られた集球ネット材の試験結果を表1に示す。
【0020】
実施例5
粗目編織物からなる基布として、278dtexのポリエステルマルチフィラメント糸を芯糸として、それを被覆する鞘として1.6dtexでステープル長100mmのポリエステル短繊維スパン糸を、質量比65/35になるように絡ませた芯鞘構造の複合糸を2本撚りあわせた撚糸(855dtex)3本合糸からなる模紗織り粗目状織物:
を使用した。
別に下記組成の下染め液を調製した。
(下染め液)
アクリル系樹脂エマルジョン(固形分:45質量%) 5質量部
水性緑色顔料 3質量部
希釈水 92質量部
前記下染め液中に、前記粗目編織物からなる基布を浸漬し、引き出してピックアップ率50%にてマングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、着色粗目編織物を得た。
別にウレタン系樹脂エマルジョンを用いて、下記組成の樹脂被覆層用エマルジョンを調製した。
(樹脂被覆層用エマルジョン組成)
ウレタン系樹脂エマルジョン(固形分:30質量%) 100質量部
紫外線吸収剤 0.5質量部
前記樹脂被覆層用エマルジョン中に、前記着色粗目織物を浸漬し、引き出してマングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して樹脂被覆層を形成した。樹脂被覆層の付着量は120g/m2 であり、得られた集球ネット材における樹脂被覆層の質量比率は、およそ35%であった。前記粗目編織物からなる基布に占める短繊維紡績糸の質量比率は35%であり、樹脂で被覆された前記粗目編織物の網目寸法はおよそ0.5mmであり、透孔面積率は0.2であった。得られた集球ネット材の試験結果を表1に示す。
【0021】
比較例1
実施例4と同様にして集球ネット材を作製し、試験を行った。但し、樹脂被覆層を形成しなかった。得られたネット材は樹脂被覆層が無いため織物組織の形態保持性に劣り、屈曲試験及び摩耗試験では、糸を構成する繊維がばらけて使用に耐えるものではなかった。また、樹脂被覆層が無いため耐候耐久性に劣るものであった。得られた集球ネット材の試験結果を表1に示す。
【0022】
比較例2
を使用した。
別に下記組成の軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾルを調製した。
(軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾル組成)
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP 65質量部
エポキシ化大豆油 2.0質量部
Ba−Zn系安定剤 1.5質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
二酸化チタン 3質量部
緑色顔料トーナー 5質量部
前記軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾル中に前記粗目編織物からなる基布を浸漬し、引き出してマングルで絞った後180℃で熱処理して樹脂被覆層を形成して集球ネット材を製造した。樹脂被覆層の付着量は300g/m2 であり、得られた集球ネットにおける樹脂被覆層の質量比率は、およそ63%であった。前記粗目編織物からなる基布に占める短繊維紡績糸の質量比率は100%であり、樹脂で被覆された前記粗目編織物の網目寸法はおよそ2mmであり、透孔面積率は0.3であった。樹脂被覆層の付着比率が高いため、短繊維紡績糸のバルキー性が失われ、樹脂被覆層の光沢度の高いものとなり、フェアウェイに敷き詰めたときに光線を反射してぎらつき、プレーヤーに不快感を与えるものであった。得られた集球ネット材の試験結果を表1に示す。
【0023】
比較例3
粗目編織物からなる基布として、予め緑色に原着されたポリエステルマルチフィラメント糸(1111dtex)の3本合糸による模紗織り粗目状織物:
を使用した。
別に下記組成の樹脂被覆層用エマルジョンを調製した。
(樹脂被覆層用エマルジョン組成)
アクリル系樹脂エマルジョン(固形分:45質量%) 100質量部
紫外線吸収剤 0.5質量部
前記樹脂被覆層用エマルジョン中に、前記着色粗目織物を浸漬し、引き出してマングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して樹脂被覆層を形成した。樹脂被覆層の付着量は100g/m2 であり、得られた集球ネット材における樹脂被覆層の質量比率は、およそ36%であった。前記粗目編織物はフィラメント糸のみにより構成されており、樹脂で被覆された前記粗目編織物の網目寸法はおよそ2mmであり、透孔面積率は0.3であった。ポリエステルフィラメント糸基布であるため、繊維糸条のバルキー性が不十分であり、樹脂被覆を施したときに光沢度の高いものとなり、フェアウェイに敷き詰めたときに光線を反射してぎらつき、プレーヤーに不快感を与えるものであった。得られた集球ネット材の試験結果を表1に示す。
【0024】
比較例4
を使用した。
別に下記組成の軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾルを調製した。
(軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾル組成)
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP 65質量部
エポキシ化大豆油 2.0質量部
Ba−Zn系安定剤 1.5質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
二酸化チタン 3質量部
緑色顔料トーナー 5質量部
前記軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾル中に前記粗目編織物からなる基布を浸漬し、引き出してマングルで絞った後、180℃で熱処理して樹脂被覆層を形成して集球ネット材を製造した。樹脂被覆層の付着量は80g/m2 であり、得られた集球ネットにおける樹脂被覆層の質量比率は、およそ50%であった。前記粗目編織物からなる基布に占める短繊維紡績糸の質量比率は100%であり、樹脂で被覆された前記粗目編織物の網目寸法はおよそ12mmであり、透孔面積率は0.9であった。この集球ネット材は、網目寸法が大きく粗いメッシュシートであったために、これを人工芝の上に重ねた場合、粗目間隙から人工芝パイルが突出してゴルフボールの転がりを阻害し、集球効率の悪いものであった。またメッシュシートの強度が低く施工やメンテナンスの作業時にネットが破けるという問題が発生した。得られた集球ネット材の試験結果を表1に示す。
【0025】
比較例5
基布として、下記のポリエステルスパン糸高密度平織布:
を使用した。
別に下記組成の軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾルを調製した。
(軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾル組成)
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP 65質量部
エポキシ化大豆油 2.0質量部
Ba−Zn系安定剤 1.5質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
二酸化チタン 3質量部
緑色顔料トーナー 5質量部
前記軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾル中に前記編織物からなる基布を浸漬し、引き出してマングルで絞った後180℃で熱処理して樹脂被覆層を形成し、集球シート材を製造した。樹脂被覆層の付着量は240g/m2 であり、得られた集球シート材における樹脂被覆層の質量比率は、およそ47%であった。前記編織物からなる基布に占める短繊維紡績糸の質量比率は100%であり、樹脂で被覆された前記編織物には糸間間隙が全く無く、従って通水性が無いため、フェアウェイ上の集球シート上に水が溜まりボールの回収効率が劣るものであった。また、通気性がないため強風時には煽られプレーの妨げとなった。更に摩耗減量も比較的多くゴルフボールを汚しやすかった。得られた集球シート材の試験結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
表1から明らかなように、本発明の集球ネット材において、短繊維紡績糸を含む繊維糸条からなる粗目編織物を基布として使用し、樹脂付着比率を15〜60質量%に調整することにより、短繊維紡績糸のバルキー性を活かしかつ光沢度を低くすることが可能となり、得られた本発明の集球ネット材は、それをフェアウェイに敷き詰めた時もぎらつきが少なくプレーヤーに不快感を与えることがないものであった。本発明の集球ネットは、基布構成糸条の露出表面上に樹脂被覆層を設けることにより、耐候耐久性及び擦過耐久性に富むものとなり、屋外の過酷な使用条件下でも良好な耐久性を示し、また、その透光面積率を0.1〜0.7に調整することにより、適度な通水性と通気性を有し、風雨の気象条件下でも集球効率が低下することのない集球ネット用材料として実用性に優れたものであった。
【0028】
【発明の効果】
本発明の集球ネット材は、耐候性、擦過耐久性、集球性に優れており、特に屋外で使用されるゴルフ練習場の集球ネットの用途などに好適なものである。
Claims (2)
- 繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布と、この基布構成糸条の少なくとも露出周面の全面上に形成された樹脂被覆層とを有するメッシュシートであって、
(1)前記粗目編織物からなる基布が、短繊維紡績糸を質量比率で15%以上含む繊維糸条からなり、
(2)前記樹脂被覆層が少なくとも1種の可撓性高分子材料からなる樹脂により形成され、メッシュシートにおける樹脂被覆層の質量比率が15〜60%であり、
(3)前記樹脂で被覆された前記粗目編織物の網目寸法が10mm以下で且つ、透孔面積率が0.1〜0.7であることを特徴とする集球ネット。 - 前記繊維糸条から構成された粗目編織物からなる基布が、着色されている、請求項1に記載の集球ネット材。
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Cited By (3)
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JP2007327161A (ja) * | 2006-06-09 | 2007-12-20 | Teijin Fibers Ltd | 紫外線カット性と通気性と光沢感に優れた織物および衣料 |
CN105013161A (zh) * | 2015-07-24 | 2015-11-04 | 陕西学前师范学院 | 一种排球扣球训练装置 |
JP2022507071A (ja) * | 2018-12-19 | 2022-01-18 | コーロン インダストリーズ インク | スポーツ用防護ネット、これを利用したゴルフ用防護ネット、サッカー用防護ネット、野球用防護ネット、テニス用防護ネット、およびバレーボール用防護ネット |
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- 2002-09-18 JP JP2002271820A patent/JP3893515B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2007327161A (ja) * | 2006-06-09 | 2007-12-20 | Teijin Fibers Ltd | 紫外線カット性と通気性と光沢感に優れた織物および衣料 |
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