JP2004107625A - Dendritic polymer and electronic device element using the same - Google Patents

Dendritic polymer and electronic device element using the same Download PDF

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a new dendritic polymer that is an isotropic organic semiconductor material having an extremely high carrier conductivity, and an electronic device using the same. <P>SOLUTION: This dendritic polymer having branched structure containing a recurring unit having branched parts has a recurring unit of which structure is expressed by general formula (1), consisting of a linear part X of a divalent organic group which may have a substituting group and a branched part Y of a trivalent organic group which may have a substituting group, and has an insulated state and a metallic state reversibly depending on the presence or absence of an outside factor since the linear part X contains at least one thienylene structure and is conjugated at least partially with the branched part. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャリア伝導性を有する新規なデンドリマー又はハイパーブランチポリマーであるデンドリック高分子及びそれを用いた電子デバイスに関する。特に、本発明のデンドリック高分子は、キャリアを極めて高い効率で伝導するので、キャリア伝導を必要とするデバイス用途、例えば、有機トランジスタ(有機FET、有機TFT)等のスイッチング素子や、太陽電池や、有機EL等の材料に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
導電性有機高分子は、1970年代後半から、科学的及び技術的に注目されている。これらの比較的新しい技術は、金属の電子的及び磁気的特性を有すると同時に、従来の有機重合体の物理的及び機械的特性を保持している。導電性有機高分子の例には、ポリp−フェニレン類、ポリp−フェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリアジン類、ポリフラン類、ポリセノフェン類、ポリ硫化p−フェニレン類、これらの混合物、これらと他の重合体とのブレンド、及びこれらの単量体の共重合体がある。導電性有機重合体はドーピングにより導電性となる共役系である。ドーピング反応は、酸化、還元、プロトン化等が関連する。
【0003】
さらに近年、これらの導電性有機高分子を用いて、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL、OLED)の発光素子や、電界効果型トランジスタ(有機FET、有機TFT)のアクティブ素子を実現することが考えられている。現行のアモルファスシリコンやポリシリコンTFTの絶縁層や半導体層を作製するプラズマ化学気相成長(CVD)装置や、電極形成に使用するスパッタ装置は高額である。また、CVD法は230〜350℃と成膜温度が高く、また、クリーニング等の保守を頻繁に行う必要があり、スループットが低い。一方、有機FET等を作製する塗布装置、インクジェット装置等はCVD装置やスパッタ装置と比較して安価であり、成膜温度が低く、メンテナンスが簡単である。従って、液晶表示装置や有機EL等の表示装置に有機FETを適用した場合は、大幅な低コスト化が期待できる。
【0004】
一般的な有機ELは、ガラス等の透明基板、透明電極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、及び金属電極の構成からなり、ホール輸送層、発光層、電子輸送層は、1層でホール輸送と発光層を兼ねたり、電子輸送と発光層を兼ねることが可能である(特許文献1〜3参照)。しかし、未だ寿命等の問題があり、改良研究が行われている。
【0005】
一般的な有機TFTは、ガラス等の透明基板、ゲート基板、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、及び有機半導体膜の構成からなる。ゲート電圧を変化させることで、ゲート絶縁層と有機半導体膜の界面の電荷量を過剰、或いは不足にし、ソース電極と有機半導体膜とドレイン電極間を流れるドレイン電流値を変化させ、スイッチングを行う。
【0006】
前記有機半導体膜にポリチオフェンやポリチオフェン誘導体を用いて有機TFTを作製することが開示されている文献がある(特許文献4参照)。また、ペンタセンを用いて有機TFTを作製することが開示されている文献がある(非特許文献1参照)。
【0007】
上記ペンタセンを用いた場合、蒸着法を用いなければならず、特性を向上するのに高結晶化等の課題がある。また、加工性を向上する為にペンタセン誘導体を用いて、可溶性にしたものも検討されているが、充分な特性は得られていない。
【0008】
また、ポリチオフェンやポリチオフェン誘導体、チオフェンオリゴマーを用いた有機半導体は、電解重合法や溶液塗布法等で、容易に薄膜状に出来るなど成形性に優れることから、応用開発が進められているが、未だ充分な特性は得られていない。
【0009】
一方、近年デンドリマーやハイパーブランチポリマーといった超分岐高分子材料が注目されている。デンドリマーやハイパーブランチポリマーは非晶質であり、有機溶媒に可溶であり、機能性基を導入可能な末端が多く存在する等の特徴がある。そこで、4級ピリジニウム塩を結合した1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド残基を分岐末端に有するポリアミドデンドリマーが、等方的な電子伝導性(「輸送性」ともいう)を有し、この伝導性は該分岐末端構造の空間的な重なり合いによるπ電子相互作用によることが示されている(非特許文献2参照)。また、分岐末端にホール(正孔)伝導性構造を有し、カルボニル基とベンゼン環を含むπ電子共役系を含まないデンドロンを用いたデンドリマーとそれを用いた光電変換デバイスについて開示されている文献がある(特許文献5参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−126616号公報
【特許文献2】
特開平8−18125号公報
【特許文献3】
特開平10−92576号公報
【特許文献4】
特開昭63−076378号公報
【特許文献5】
特開2000−336171号公報
【特許文献6】
特開平4−133351号公報
【特許文献7】
特開平5−110069号公報
【特許文献8】
特開平7−206599号公報
【特許文献9】
特許第3074277号公報
【非特許文献1】
Yen−Yi Lin,David J.Gundlach,Shelby F. Nelson,and Thomas N. Jackson,IEEE Transaction on Electron Device,Vol.44,No.8 p.1325(1997)
【非特許文献2】
L.L.Millerら;J,Am,Chem.Soc.119,1005(1997)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記に記載の有機半導体は、共役性高分子等の半導体性或いは導電性高分子を用いた機能素子について、高い電荷伝導性は分子鎖の配向方向にあり、分子の構造にも影響を受ける。さらに、共役性高分子等の半導体性或いは導電性高分子は、普通、剛直で不溶不融性のものが多く溶媒に溶けない。そこで、側鎖を導入したポリマー誘導体やオリゴマーが用いられている(特許文献4、6及び7参照)。しかし、側鎖を導入することにより、ガラス転移点が発現し、ミクロブラウン運動によるサーモクロミズムが生じ、温度による特性の変化がある。また、オリゴマーを用いることにより、信頼性の問題等が生じる。また、充分な移動度が得られておらず、重合度を上げるか、配向膜を用いて導電性有機化合物の配向性を高める必要性等の問題がある(特許文献8参照)。
【0012】
また、共役系高分子を用いる場合、酸素や水分の影響を受け易く、劣化し易い。従って、従来の有機FET素子は、安定性に乏しく、電気特性が劣り、且つ、寿命が短いという課題がある。
【0013】
さらに、チエニレン−フェニレン構造を繰り返し構造単位とするハイパーブランチポリマーが開示されている文献がある(特許文献9参照)。しかしながら、この化合物は、電子受容性試薬をドーピングして導電性を付与した導電性重合体として、導電材料として使用されるものである。なお、この文献に記載された製造方法はGrignard反応による重合反応を利用しているため、デンドリマーのような規則性の高い繰り返し構造を制御することは不可能である。したがって、この製造方法で合成した化合物は、一般的な高分子重合体と同様に広い分子量分布を有し、中心構造となる核や外殻となる末端基へ機能基を導入しようとしても、ランダムに導入されるため、所望の機能を得ることは難しいという課題もある。
【0014】
本発明は、このような従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、等方性で極めて高いキャリア伝導性を有する有機半導体材料となる新規デンドリック高分子及びそれを用いた電子デバイスを提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために研究を重ねた結果、少なくとも1つのチエニレン構造を繰り返し単位として含むデンドリック高分子は、半導体特性を有し、ドーピングを必要とせずに等方性で極めて高いキャリア伝導性を有する有機半導体材料となることを知見し、本発明を完成させた。
【0016】
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、分岐部を有する繰り返し単位を含んだ分岐構造を有するデンドリック高分子において、前記繰り返し単位が置換基を有してもよい2価の有機基である線状部Xと、置換基を有してもよい3価の有機基である分岐部Yとからなる下記一般式(1)で表される構造であって、前記線状部Xは少なくとも1つのチエニレン構造を含み且つ前記分岐部と少なくとも部分的に共役しており、外的要因の有無により絶縁状態と金属状態とを可逆的に有することを特徴とするデンドリック高分子にある。
【0017】
【化6】

Figure 2004107625
【0018】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記外的要因が電気的外力であることを特徴とするデンドリック高分子にある。
【0019】
本発明の第3の態様は、第1の態様において、前記外的要因が光励起であることを特徴とするデンドリック高分子にある。
【0020】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、ドーピング試薬を実質的に含有していないことを特徴とするデンドリック高分子にある。
【0021】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、さらに、前記分岐構造の開始点となる前記繰り返し単位のXに、コアとなる中心構造が接続されていることを特徴とするデンドリック高分子にある。
【0022】
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記コアは、前記繰り返し単位が2つ以上直接接続する2価以上の基であることを特徴とするデンドリック高分子にある。
【0023】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様において、さらに、前記分岐構造の末端となる前記繰り返し単位のYに、前記繰り返し単位とは異なる末端構造が接続されていることを特徴とするデンドリック高分子にある。
【0024】
本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様において、前記分岐部Yが、分岐中心として、鎖式炭化水素(脂肪族炭化水素)、環式炭化水素(脂環式化合物及び芳香族化合物)、及び複素環式化合物(芳香族性を持つもの及び芳香族性を持たないもの)から選択される化合物を含むことを特徴とするデンドリック高分子にある。
【0025】
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記分岐部Yが、下記式(2)から選択されることを特徴とするデンドリック高分子にある。
【0026】
【化7】
Figure 2004107625
【0027】
本発明の第10の態様は、第1〜9の何れかの態様において、前記線状部Xが、下記一般式(3)で表され且つ前記分岐部Yと少なくとも部分的に共役していることを特徴とするデンドリック高分子にある。
【0028】
【化8】
Figure 2004107625
(式中Zは、チエニレンと少なくとも部分的に共役した、置換基を有してもよい2価の有機基又は単結合であり、R、Rは、水素、アルキル基及びアルコキシ基から選択される。)
【0029】
本発明の第11の態様は、第10の態様において、前記置換基Zは、置換または非置換の鎖式炭化水素(脂肪族炭化水素)、環式炭化水素(脂環式化合物及び芳香族化合物)、及び複素環式化合物(芳香族性を持つもの及び芳香族性を持たないもの)から選択される1種で構成される基、1種が複数個連続して構成される基又は複数種が連続して構成される基であることを特徴とするデンドリック高分子にある。
【0030】
本発明の第12の態様は、第11の態様において、前記置換基Zは、置換または非置換の不飽和脂肪族炭化水素、及び環式若しくは複素環式の芳香族化合物から選択される1種で構成される基、1種が複数個連続して構成される基又は複数種が連続して構成される基であることを特徴とするデンドリック高分子にある。
【0031】
本発明の第13の態様は、第12の態様において、前記置換基Zが、下記式(4)から選択される1種で構成される基、1種が複数個連続して構成される基又は複数種が連続して構成される基であることを特徴とするデンドリック高分子にある。
【0032】
【化9】
Figure 2004107625
【0033】
本発明の第14の態様は、第1〜9の何れかの態様において、前記繰り返し単位が、下記一般式(5)で表されることを特徴とするデンドリック高分子にある。
【0034】
【化10】
Figure 2004107625
【0035】
(式中R、R10は、水素、アルキル基及びアルコキシ基から選択され、nは1〜10までの整数を表す。)
【0036】
本発明の第15の態様は、第1〜14の何れかの態様において、前記デンドリック高分子がデンドリマーであることを特徴とするデンドリック高分子にある。
【0037】
本発明の第16の態様は、第1〜15の何れかの態様のデンドリック高分子を用いたことを特徴とする電子デバイス素子にある。
【0038】
本発明の第17の態様は、第16の態様において、電荷輸送デバイス素子であることを特徴とする電子デバイス素子にある。
【0039】
本発明の第18の態様は、第16の態様において、スイッチングトランジスタ素子であることを特徴とする電子デバイス素子にある。
【0040】
本発明の第19の態様は、第16の態様において、発光デバイス素子であることを特徴とする電子デバイス素子にある。
【0041】
本発明の第20の態様は、第16の態様において、光電変換デバイス素子であることを特徴とする電子デバイス素子にある。
【0042】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0043】
本発明において、デンドリック高分子とは、一般的に定義されるデンドリマー及びハイパーブランチポリマーを包含する概念であり、上述した一般式(1)の繰り返し構造単位、すなわちデンドリック構造単位を少なくとも2段以上繰り返した構造を有するものを全て包含する。なお、この一般式(1)の繰り返し単位を含んだ構造、すなわち、繰り返し単位を分岐状に繰り返して連結した構造を分岐構造という。
【0044】
デンドリマー及びハイパーブランチポリマーは、一般的には下記式に示すように分類され、分岐構造が規則的であるものをデンドリマー、分岐構造が規則的でないものをハイパーブランチポリマーといい、1つの開始点から樹木状に分岐した構造か、複数の開始点をコアとなる多官能高分子に結合して放射状に分岐した構造かは問わない。勿論、これとは異なる定義もあるが、何れにしても、本発明のデンドリック高分子は、分岐構造が規則的なもの、分岐構造が規則的でないものも包含し、また、それぞれについて樹木状分岐構造のもの、放射状分岐構造のものを包含する。
【0045】
また、一般的な定義では、完全にデンドリック構造単位が繰り返された場合を世代というが、基本的な構造が同一であるが類似するデンドリック構造単位を2段以上連結した構造も本発明のデンドリック高分子に含むものとする。
【0046】
なお、デンドリック高分子、デンドリマー、ハイパーブランチポリマーなどの概念は、柿本雅明,化学,50巻,608頁(1995)、高分子,Vol.47,P.804(1998)等に記載されており、これらを参照することができるが、これらに記載されたものに限定されるものではない。
【0047】
【化11】
Figure 2004107625
【0048】
【化12】
Figure 2004107625
【0049】
本発明のデンドリック高分子において、デンドリック構造単位は、線状部Xと分岐部Yとからなり、これを2段繰り返した構造とは、分岐部Yの結合手のそれぞれに、同一のデンドリック構造単位が結合した構造をいい、これを第1世代デンドロンという。また、第1世代デンドロンの分岐部Yの結合手に順次同一のデンドリック構造単位が結合したものを第2世代、・・・第n世代デンドロンといい、このもの自体、又は、この末端や開始点に所望の置換基を結合させたものを樹木状分岐構造のデンドリマー又はハイパーブランチポリマーという。また、これをサブユニットとし、同一又は非同一の複数のサブユニットを複数価の核(コア)に結合させたものを放射状分岐構造のデンドリマー又はハイパーブランチポリマーという。なお、第n世代デンドロンをr価のコアに結合させた場合、第n世代r分岐デンドリマーとして定義できる。ここで、第1世代のデンドロンを1価のコアに結合させた第1世代1分岐のものも、本発明で定義するデンドリック高分子に含まれることとなるが、本発明の目的を達成するためには、第1世代2分岐又は第2世代1分岐以上のものであることが好ましい。また、このようなデンドリック高分子は、一般的には分子量が600以上のものが好ましい。
【0050】
本発明のデンドリック高分子は、線状部Xが少なくとも1つのチエニレン構造を含み且つ分岐部Yと少なくとも部分的に共役している構造を有し、好適には上記一般式(3)で表される線状部Xを具備するので、等方性で極めて高いキャリア伝導性を有する有機半導体材料となる。
【0051】
ここで、「少なくとも部分的に共役する」とは、完全共役系だけではなく、π電子系が全て非局在化していない共役系も含むことを意味し、例えばベンゼン核のメタ配位が含まれる共役系の場合も含まれることを意味する。
【0052】
本発明のデンドリック高分子は、このような構造を有することにより、外的要因の有無により絶縁状態と金属状態とを可逆的に有する。ここで、外的要因としては、一般的には、電気的外力又は光励起などを挙げることができるが、電磁気による励起や機械的外力であってもよい。
【0053】
本発明のデンドリック高分子は、例えば、外的要因が印加されると、バイポーラロンとはエネルギー的に異なる軌道・状態である、ポーラロン状態を形成し、ポーラロンホッピング伝導を利用した半導体特性を示す。すなわち、本発明のデンドリック高分子がポーラロン状態となると、高分子のエネルギーバンドの禁止帯に、ポーラロン軌道が生じることはバイポーラロンと同様であるが、ポーラロン状態は不安定な状態である。したがって、外的要因が働いている間は、ポーラロン状態を形成しているが、外的要因が弱い又はない場合には、ポーラロン状態が形成されない、又は消滅した状態となる。
【0054】
従って、このような外的要因の有無により、本発明のデンドリック高分子は、絶縁状態と金属状態とをとる、すなわち半導体特性を示すものであり、例えば、外的要因が印加された場合に絶縁状態となるか金属状態となるかは問わないが、一般的には、外的要因が印加された状態で金属状態となる。ここで、絶縁状態とは、絶縁性を示す状態で、バンドギャップ(禁止帯幅)としては、例えば、2.5eV程度である。また、金属状態とは、導電性を示す状態であり、バンドギャップ(禁止帯幅)としては、例えば、価電子帯とエネルギーの低い方のポーラロンバンドとの間が0.4eV程度である。
【0055】
また、本発明のデンドリック高分子は、上述したような半導体特性を、ドーピング試薬を実質的に含有していない状態で示すものであるが、何らかのドーピングを施すことにより、半導体特性を安定化させたり、ドーピングを施すことにより半導体特性を発現させたものであってもよい。
【0056】
ここで、ドーピング試薬としては、一般的な導電性高分子で使用されるn型あるいはp型ドーパント等が挙げられ、具体的にはアルカリ金属、アルキルアンモニウムイオン、ハロゲン類、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属ハライドなどが例示される。また、高分子エレクトロニクス、コロナ社出版、p.32および導電性高分子の基礎と応用、アイピーシー社出版、p.24に記載されたドーパント類が挙げられる。
【0057】
なお、本発明で用いられるデンドリック高分子は、上述したような半導体性やキャリア伝導性を向上させるために、分子表面にホール伝導性や電子伝導性、又はイオン伝導性を持つものでも構わない。
【0058】
本発明のデンドリック高分子において、線状部Xは少なくとも1つのチエニレン構造を含み且つ前記分岐部Yと少なくとも部分的に共役していれば、その構造は特に制限されないが、本発明では高いキャリア伝導性を達成することを目的としているため、好ましくは上記一般式(3)で表される構造となる。
【0059】
上記一般式中Zは、チエニレンと少なくとも部分的に共役した、置換基を有しても良い2価の有機基または単結合であり、例えば、置換または非置換の鎖式炭化水素(脂肪族炭化水素)、環式炭化水素(脂環式化合物及び芳香族化合物)および複素環式化合物(芳香族性を持つもの及び芳香族性を持たないもの)から選択される1種で構成される基、1種が複数個連続して構成される基又は複数種が連続して構成される基である。なお、これらの各構成要素は互いに少なくとも部分的に共役するような構造である。また、R、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基であり、互いに異なっていてもかまわない。なおこの明細書において、特に限定しない場合には、アルキル基及びアルコキシ基等は炭素数が1〜20のものを示すものとする。
【0060】
なお置換基Zは、好ましくは、置換または非置換の不飽和脂肪族炭化水素、及び環式若しくは複素環式の芳香族化合物から選択される1種で構成される基、1種が複数個連続して構成される基又は複数種が連続して構成される基である。さらに好ましくは、置換基Zは、上記式(4)から選択される1種で構成される基、1種が複数個連続して構成される基又は複数種が連続して構成される基である。
【0061】
線状部Xの好適な具体例としては下記式(6)で表される構造が挙げられるが、これらの構造に限定されるものではない。
【0062】
【化13】
Figure 2004107625
【0063】
本発明のデンドリック高分子において、分岐部Yは少なくとも線状部Xと少なくとも部分的に共役した3価の有機基であれば、その構造は特に制限されないが、好ましくは、分岐中心として、鎖式炭化水素(脂肪族炭化水素)、環式炭化水素(脂環式化合物及び芳香族化合物)、及び複素環式化合物(芳香族性を持つもの及び芳香族性を持たないもの)から選択される化合物を含む。
【0064】
また、分岐部Y全体としては、例えば置換または非置換の、鎖式炭化水素、環式炭化水素、及び複素環式化合物から選択される1種で構成される3価の有機基、1種が複数個連続して構成される3価の有機基又は複数種が連続して構成される3価の有機基で、各構成成分は互いに少なくとも部分的に共役するような構造である。
【0065】
分岐部Yの好適な例としては上記式(2)で表される構造が挙げられるが、これらの構造に限定されるものではない。
【0066】
なお本発明のデンドリック高分子の好ましい具体例の一つは、一般式(1)で表される繰り返し単位が、特に上記一般式(5)で表される構造である。ここで、一般式(5)中nは、1〜10までの整数を表すが、好ましくは1〜3である。
【0067】
本発明のデンドリック高分子は、さらに、分岐構造の開始点となる繰り返し単位のXに、コアとなる中心構造が接続されている場合がある。すなわち、コアとは、任意数の樹木状分岐構造の開始点と結合し、該樹木状分岐構造の開始点以降の構造を除いた部分構造、即ち、該デンドリック高分子の分子中心に位置し、繰り返し単位を含まない部分を意味する。
【0068】
コアは、繰り返し単位が2つ以上直接接続する2価以上の基であることが好ましく、具体的には、炭素数が1〜20のアルキレン基、炭素数が6〜20のアリーレン基、これらのアルキレン基とアリーレン基が結合した基を挙げることができる。ここで、アルキレン基は、O、NH、N(CH)、S、SO等のヘテロ原子が介在しても良く、非置換は勿論、水酸基、カルボキシル基、アシル基又はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲンなどの基で置換されていてもよい。また、コアとしては、これら各基の炭素原子に結合した水素原子が脱離した多価の基、及び多価のヘテロ環基、このヘテロ環基と上記炭化水素基とが結合した基や、ポルフィリンやポルフィリン錯体等も挙げることができる。なお、コアとして2価以上の例を挙げたが、コアはこれらの基に水素が結合した1価の基でもよい。
【0069】
本発明のデンドリック高分子は、さらに、分岐構造の末端となる繰り返し単位のYに、繰り返し単位とは異なる末端構造が接続されていてもよい。このような末端構造は、任意数の樹木状又は放射状分岐構造の末端と結合し、該樹木状又は放射状分岐構造を除いた部分構造、即ち、該デンドリック高分子の分子表面に位置し、繰り返し単位を含まない部分を意味する。本発明のデンドリック高分子の末端構造については、その構造は特に制限されないが、高いキャリア伝導性を達成するために、ホール伝導性や電子伝導性、又はイオン伝導性を持つ構造が好適に利用できる。末端構造としては、具体的には下記式(7)で表わされる構造が例示されるが、これらに限定されるものではない。また、これらの末端構造とデンドリック構造単位との結合様式に制限はないが、炭素−炭素結合、炭素−窒素結合、アミド結合、エーテル結合、エステル結合、尿素結合等が例示される。
【0070】
【化14】
Figure 2004107625
【0071】
なお、本発明のデンドリック高分子は上記コア又は末端構造を有しないものでもよく、この場合、本発明のデンドリック高分子の分岐構造の開始点側及び末端側の構造は、当該分岐構造を構成する繰り返し単位の原料に依存して決まるが、原料の活性基を水素で置換したものでもよい。
【0072】
本発明で用いるデンドリック高分子はデンドリック構造を有する限り、その分岐構造には制限はなく、完全に制御されたデンドリマーでなくても差し支えなく、その世代数にも制限はない。なお、デンドリック高分子の世代とは上述したとおりであるが、デンドリック高分子の世代数として、中心構造が大きいものや長いものを含めると、一般的には1〜10であるが、末端構造の密集性と合成の容易性から1〜8が好ましく、更に好ましくは1〜7であり、最も好ましいのは2〜5である。
【0073】
また、本発明のデンドリック高分子は、上述したように分岐数が多いことから端数が多く、その末端を利用して、キャリア数を増加させることが可能である。
【0074】
さらに、キャリアの通り道が多く、従来の共役系高分子や低分子の有機半導体材料のように分子を配向させたり、高結晶化させる必要もなく、キャリア移動度を効果的に高めることができる。
【0075】
本発明のデンドリック高分子は、チエニレン構造を含有する単量体単位(モノマー)を用いて構築、合成することができる。ここでいう単量体単位とは、上記式(1)を部分構造として有する低分子化合物で、互いに反応するような置換基を導入した誘導体やその前駆体となる化合物群を示す。単量体単位からデンドリック高分子構造を構築する合成方法に制限はないが、開始点から順次枝を伸ばしていく「Divergent法」、末端から分岐ユニットをつなぎ合せて最後に開始点に結合させる「Convergent法」、さらにAB型の多官能モノマーの重縮合(ここでAとBは互いに反応する官能基)などの方法が挙げられる。欠陥がなく高純度のデンドリック高分子を効率的に合成するには、過剰の原料を必要とせず精製が容易な「Convergent法」による合成が好ましい。
【0076】
例えば、下記式(8)で表される繰り返し構造単位を有するデンドリック高分子は、下記式(9)で表される「Convergent法」による反応工程で製造することができる。
【0077】
【化15】
Figure 2004107625
【0078】
【化16】
Figure 2004107625
【0079】
上記式(9)の反応工程は、末端部分を構成する化合物(a)のチオフェン環のα位水素を活性基Vに変換して化合物(b)とする反応工程1と、線状部および分岐部を有すると共に分岐部に2つの活性基Vを有する化合物(c)と、前記化合物(b)とを反応させて化合物(d)を得る反応工程2と、この生成物(d)のチオフェン環のα位水素を活性基Vに変換すると共にこれに化合物(c)を反応させて次世代デンドロン(e)を得る反応工程3で構成される。さらに中心構造分子に結合される場合には、前記化合物(e)のチオフェン環のα位水素を活性基Vに変換すると共にこれに中心構造となる化合物(f)を反応させて化合物(g)を得る反応工程4を行う。
【0080】
ここで、上記反応式(9)において、VおよびVは活性基、Wは、置換基を有してもよい活性基を含まない1価の有機基を表す。なお、「活性基を含まない」とは、VとVとの反応に関与する基を含まないことを意味する。
【0081】
また、Yはコアとなるr価の有機基(rは1以上の整数)であり、化合物(g)におけるrは中心構造からの分岐数を表す次数である。なお、第n世代デンドロンにrが2以上のコアを結合させた場合は、第n世代r分岐である放射状分岐構造のデンドリック高分子となる。rが1の場合には、樹木状分岐構造のデンドリック高分子となるが、この場合でもYをコアとよぶものとする。
【0082】
この例において化合物(d)は第1世代デンドリマー、化合物(e)は第2世代デンドリマーと定義することができる。上記式(9)の反応工程1〜3には便宜上、第2世代デンドリマーまでの反応工程を記載したが、反応工程3を繰り返すことでさらに高世代のデンドリマーを製造することができる。
【0083】
さらに、得られたデンドリマーは、反応工程4により中心構造となる化合物に結合させることができる。なお、この例では第2世代デンドリマー(e)を中心構造となる化合物(f)に結合させているが、あらゆる世代数のデンドリマーも、同様の反応工程により中心構造分子に結合させることができる。ただし、デンドリック構造単位の密集性と合成の容易性からデンドリマーの世代数は上述したように1〜8が好ましく、さらに好ましくは1〜7であり、最も好ましいのは2〜5であり、また、中心構造からの分岐数は1〜6が好ましく、さらに好ましくは1〜4である。
【0084】
また、反応工程1の原料である化合物(a)の合成法に特に制限はないが、下記反応式(10)に示される反応工程、すなわち、VとVの反応により末端構造となるWをYに結合させる反応工程で得ることができる。
【0085】
【化17】
Figure 2004107625
【0086】
なお、上記式(9)及び(10)では、得られるデンドリック高分子の末端部分が、YにWが2個結合した構造である例を示したが、Wが一つ結合した構造、又は、Wがない構造でもよい。さらにYが他の有機基でもよく、この場合は反応工程3が第1世代の合成となる。
【0087】
また、末端部にホール伝導材料である3級芳香族アミン骨格を構築する場合、Yをベンゼン核のような3価の芳香族基とし、この骨格に直接、窒素原子を結合させて構築することもできる。すなわち、前記式(10)においてVがハロゲンで、V−Wが下記式で表わされる2級芳香族アミン化合物との縮合反応を利用することで合成できる。
【0088】
【化18】
Figure 2004107625
【0089】
ここで1価又は3価の芳香族基としては、置換又は非置換の、芳香族炭化水素基、芳香族複素環式残基、縮合多環式芳香族炭化水素基、縮合複素環芳香族残基、およびこれらの基が環集合した1価又は3価の芳香族基が例示される。具体的には3価又は1価の、置換又は非置換の、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセン、フェナントレン、フェナレン、ピレン、クリセン、ベンゾアントラセン、ペリレン、トリフェニレン、コロネン、ペンタフェン、ピセン、ナフトアントラセン、トリナフチレン、オバレン、ビフェニル、テルフェニル、クワテルフェニル、キンクフェニル、セクシフェニル、セプチフェニル、フェニルアントラセン、フェニルナフタレン、ジフェニルアントラセン、ビフェニレン、ビナフタレニル、フルオレン、アセナフチレン、ジベンゾペリレン、インデン、ペンタレン、アセフェナントリレン、インダセン、アセアントリレン、テトラフェニレン、フルオランテン、アズレン、シクロオクタテトラエン、オクタレン、ルブレン、チオフェン、フラン、ピロール、シロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、フラザン、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピリジン、チオピラン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾシロール、インドール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、キノリン、チオクロメン、キナゾリン、カルバゾール、ジベンゾシロール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、フェナントロリン、アクリジン、ベンゾキノリン、フェナントリジン、フェナジン、フェノチアジン、チアントレン、フェノキサチイン、フェノキサジン、ビチオフェン、テルチオフェン、クワテルチオフェン、ビフラン、テルフラン、クワテルフラン、ビピロール、テルピロール、クワテルピロール、ビシロール、テルシロール、クワテルシロール、ビピリジン、テルピリジン、クワテルピリジン、フェニルピロール、フェニルピリジン、フェニルフラン、フェニルチオフェン、フェニルオキサジアゾール等を挙げることができる。
【0090】
この反応としては、銅と塩基触媒を用いるUllmann縮合(Chem.Lett.,1145,(1989)、Synth.Commu383,(1987)等、参照)や、パラジウム触媒とトリ−t−ブチルホスフィン配位子の組合せ及び塩基触媒を用いる東ソー法(特開平10−310561号公報)が利用でき、温和な条件下で行なえ収率や選択性が高いことから、後者の方法が好適である。この反応の利用により、例えば下記式で表わされるような反応様式により、3級芳香族アミン骨格が構築できる。
【0091】
【化19】
Figure 2004107625
【0092】
以下反応等について、さらに詳述する。
【0093】
反応工程2または反応工程3において化合物(c)と反応させる、VとVの反応には、Suzukiクロスカップリング等のクロスカップリング反応が好適に利用できる。その場合の活性基VおよびVの組合せとしては、Vが下記式に示されるグループ1から選択され且つVがグループ2から選択される基の組合せ、または、Vがグループ3から選択され且つVがグループ4から選択される基の組合せを挙げることができる。
【0094】
【化20】
Figure 2004107625
【0095】
【化21】
Figure 2004107625
【0096】
【化22】
Figure 2004107625
【0097】
【化23】
Figure 2004107625
【0098】
なお、Suzukiクロスカップリング反応は官能基に対する制約が少なく、反応の選択性も高くホモカップリングなどの副反応が少ないことが知られており、特に芳香族化合物やビニル化合物誘導体のクロスカップリング反応に広く利用されている(鈴木ら,有機合成化学協会誌,46,848,(1988)、鈴木ら,Chem.Rev.,95,2457(1995)、鈴木,J. Organomet. Chem.,576,147(1999)参照)。反応収率や選択性の高さ、さらに汎用性の高さなどから、VがB(OH)またはB(OR)で表わされるホウ酸エステル型の置換基で、VがBrまたはIである場合の組合せが好適に利用できる。
【0099】
以下に、上記Suzukiクロスカップリング反応を利用した場合のチオフェン環のα位水素を活性基Vに変換する反応及び、活性基VとVの反応の条件について述べる。
【0100】
[チオフェン環のα位水素を活性基Vに変換する反応]
反応工程1および反応工程3において、チオフェン環のα位水素を上記グループ1から選択される活性基Vに変換する反応の反応条件について記述する。
【0101】
がB(OR)又は下記式で表わされるホウ酸エステルである場合には、例えば、n−ブチルリチウムに代表されるアルキルリチウムやリチウムジイソプロピルアミド等を作用させチオフェン環のα位水素を引き抜きカルボアニオンとした後、対応するアルコキシボラン、すなわちトリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリイソプロポキシボラン、トリブトキシボラン又は2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを求電子付加させる。
【0102】
【化24】
Figure 2004107625
【0103】
溶媒としてはテトラヒドロフラン、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、トルエン等の有機溶媒が好適に利用できる。反応温度は−100〜30℃が好ましく、より好ましくは−78〜0℃である。反応時間は、10分〜3時間が好ましく、より好ましくは30分〜2時間である。
【0104】
がB(OH)である場合には、上記の方法で得られたホウ酸エステル類に水を添加して加水分解する。反応溶媒は特に限定されないが、製造上、上記の方法でホウ酸エステルを合成した反応混合物に、直接水を加えて加水分解することが簡便である。反応温度は0〜50℃が好ましく、反応時間は1時間〜3時間が好ましい。
【0105】
次に、反応工程1および反応工程3において、チオフェン環のα位水素を上記グループ3から選択される活性基Vに変換する反応の反応条件について記述する。
【0106】
がCl、BrまたはIのいずれの場合においても、対応するハロゲン化試薬を作用させ、チオフェン環のα位水素をハロゲン置換する。ハロゲン化試薬としては、例えば、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドやN−ヨードスクシンイミド等が挙げられる。反応溶媒としてはテトラヒドロフラン、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、四塩化炭素、二硫化炭素、ジメチルホルムアミド、酢酸等の有機溶媒が好適に利用できる。反応温度は、−20〜80℃が好ましく、反応時間は1時間〜24時間が好ましい。
【0107】
[活性基VとVとの反応]
反応工程2および3において、Suzukiクロスカップリング反応により、VとVを反応させる反応条件について記述する。
【0108】
Suzukiクロスカップリング反応においては、反応に用いる触媒としては、種々のパラジウム触媒と塩基触媒の組合せが利用できる。
【0109】
パラジウム触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、パラジウム黒、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、ビス(トリ−o−トシルホスフィン)パラジウムジクロリド、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジアセタート、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウムジクロリド、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウムジクロリド等が挙げられる。また、これらのパラジウム触媒に配位子となる化合物を併用することが有効な場合もあり、配位子となる化合物としては、トリフェニルホスフィン、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、ジフェニルホスフィノベンゼン−3−スルホン酸ナトリウム塩、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ(2−フリル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン等が挙げられる。またパラジウム触媒の代わりにニッケル触媒の[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ニッケルジクロリドを使用することもできる。
【0110】
塩基触媒としては、炭酸ナトリウム、ナトリウムエトキシド等のナトリウムアルコキシド類、t−ブトキシカリウム、水酸化バリウム、トリエチルアミン、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
【0111】
また、Suzukiクロスカップリング反応の場合、溶媒としては種々の有機溶媒とその混合溶媒、それらの有機溶媒と水との混合溶媒が一般的に用いられ、有機溶媒としてはジメチルホルムアミド、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジメチルアセトアミド、キシレン等が好適に利用できる。なお反応温度は、25〜150℃が好ましく、より好ましくは25〜80℃であり、反応時間は、30分〜24時間が好ましく、より好ましくは1時間〜12時間である。
【0112】
なお、反応工程4や反応式(10)においても、チオフェン環のα位水素を活性基Vに変換する反応やVとVの反応は、上述の反応工程1〜3と同様である。
【0113】
上記した工程毎に精製処理を行なうことで、欠陥の少ない高純度のデンドリック高分子が合成できる。精製方法は特に限定されないが、再結晶、晶析、昇華精製、カラム精製等が例示される。
【0114】
上記記載の製造法によれば、末端部分を構成する化合物(a)およびデンドリック構造の単量体単位となる化合物(c)および中心構造となる化合物(f)を選択することで、種々のデンドリック高分子が製造できる。さらに、反応工程毎に精製処理を行なうことが容易な「Convergent法」を利用しているため、欠陥の少ない高純度のデンドリック高分子であるデンドリマーも製造可能である。
【0115】
本発明のデンドリック高分子はキャリア伝導性を有するため、様々な分野への応用が期待できる。ここで、本発明のデンドリック高分子は、その構造により、または、ドーピング等によって、ホール輸送性(p型)及び電子輸送性(n型)、さらには、各種機能を有する電子材料とすることができる。したがって、例えば、有機トランジスタ素子、有機FET素子、有機TFT素子等のスイッチング素子、太陽電池、光電変換素子、コンデンサ、発光素子、エレクトロクロミック素子、ポリマー二次電池等に用いることができる。以下に各用途に適した素子構造の詳細について述べる。
【0116】
有機トランジスタ素子においては、ホール輸送性及び/又は電子輸送性のある有機層を半導体層とし、上記半導体層とゲート電極である導電層の界面に絶縁層を挿入し形成される。この形成体に、ソース電極とドレイン電極を形成することにより実現できる。上記有機層は、本発明のデンドリック高分子によって形成される。
【0117】
発光素子において、平行平板電極に挟まれて本発明の材料を含む有機層が配置された構成をなす。多くの場合は、ITO等の透明電極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、及び金属電極から構成される。また、キャリア輸送機能と発光機能を構造的に兼ね備えても構わない。上記有機層は、本発明のデンドリック高分子によって形成される。
【0118】
光電変換素子あるいは太陽電池においては、一般的に有機層が平行平板電極で挟まれて配置されるが、櫛形電極上に形成されてもよく、これに限定されるものではない。電極材料は特に限定されないが、平行平板電極である場合、少なくとも一方の電極はITO電極、フッ素をドーピングさせた酸化錫等の透明電極であることが好ましい。また、上記有機層はp型半導体性またはホール輸送性の本発明のデンドリック高分子と、n型半導体性または電子輸送性の本発明のデンドリック高分子から形成される。また、上記2層のどちらか一方のデンドリック高分子に光増感色素基を導入したり、上記2層の間にHOMO(最高被占荷電子帯)準位がホール輸送性デンドリック高分子のHOMOよりも低く、LUMO(最低非占荷電子帯)準位が電子輸送性デンドリック高分子のLUMOよりも高い光増感色素分子構造を導入した高分子や超分岐高分子を導入すると更に向上し、太陽電池などとして用いる場合、高効率な発電を行うことができる。
【0119】
さらには上記ホール輸送性層と、電子輸送性層との間に、ホール輸送層が光励起される場合や、電子輸送層が光励起される場合によって、その条件に合うイオン伝導性高分子、またはデンドリック高分子を導入することにより、電気化学光電変換素子を形成することができる。また、必要に応じて各層の何れかに光増感色素基を導入しても構わない。
【0120】
コンデンサに対しても、ホール輸送層及び電子輸送層の一方を導電層とし、他方を半導体層とし、上記導電層と半導体層の界面に絶縁層を挿入し形成される。さらに、ホール輸送層及び電子輸送層を導電層とし、導電層同士の界面にイオン伝導性層を挿入したり、ホール輸送層をp型半導体層とし、電子輸送層をn型半導体層とし、これらの連続層を形成しても構わない。上記半導体層は本発明のデンドリック高分子によって形成される。
【0121】
エレクトロクロミック素子については、ホール輸送層をp型ドーピング可能な高分子層とし、酸化還元反応で変色し、電子輸送性層をn型ドーピング可能な高分子層とし、酸化還元反応で変色し、その層間に支持電解質塩を含んだ層から形成される。また、この素子構造はポリマー二次電池としても用いることができ、高容量、低内部抵抗の二次電池を提供できる。
【0122】
以上のように本発明の材料によれば、極めて高いキャリア伝導性を持ち、簡便なプロセスでキャリア伝導を必要とするデバイスを実現することができる。
【0123】
【発明の実施の形態】
本発明のデンドリック高分子及びそれを用いた機能素子を以下に示す実施例に基づいて説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、測定に用いた装置等は以下の通りである。
【0124】
H−NMR:JEOL製JNM−AL400型FT−NMR(400MHz)、溶媒:CDCl又はDMSO−d、室温測定、ケミカルシフトの基準(0ppm)はテトラメチルシラン(TMS)とした。
【0125】
GPC:東ソー(株)製HLC−8220GPC、カラム:TSKgelSuperHZM−M、溶離液:THF、検出器:UV254nm、測定値(重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn)は標準ポリスチレン換算による値である。
【0126】
[合成実施例1] 第3世代デンドリック高分子の合成
(合成実施例1−1) デンドリック構造の単量体単位の化合物(c)となる、下記式で示される5−(3,5−ジブロモフェニル)−2,2′−ビチオフェンの合成
【0127】
【化25】
Figure 2004107625
【0128】
窒素雰囲気下、2,2′−ビチオフェン4.6gを脱水テトラヒドロフランに溶解し、ドライアイス−メタノール浴中で冷却した。冷却後、1.6M−n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液18mlを滴下し、そのまま1時間反応させた。続いてトリメトキシボラン3.4gを滴下し、そのまま1時間反応させた。反応終了後、水を添加し加水分解させた後、冷却浴をはずして室温へ温度を上げた。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液及びジエチルエーテルを添加し、撹拌、静置してから有機層を分離した。さらに水層をテトラヒドロフラン/ジエチルエーテル(1/2容量比)混合溶媒で抽出し、先の有機層をあわせた。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。さらに硫酸ナトリウムで乾燥処理を行なった後、溶媒を減圧留去して粗製物を得た。粗製物をテトラヒドロフラン/n−ヘキサンで再結晶し、下記式で表される中間体化合物2,2′−ビチオフェン−5−ボロン酸4.3g(淡青白色固体)を収率73%で得た。
【0129】
【化26】
Figure 2004107625
【0130】
その構造はH−NMRスペクトルにて確認した。測定データを以下に示す。
【0131】
H NMR (DMSO−d) δ8.30 (s, BOH, 2H), δ7.60 (d, J = 3.6Hz, チオフェン環, 1H), δ7.51 (dd, J = 5.2Hz, J = 1.2 Hz, チオフェン環, 1H), δ7.34−7.32 (m, チオフェン環, 2H), δ7.10 (dd, J = 5.2Hz, J = 3.6Hz, チオフェン環, 1H).
【0132】
次に,窒素雰囲気下、得られた中間体化合物2,2′−ビチオフェン−5−ボロン酸4.0g及び1,3,5−トリブロモベンゼン9.0gをテトラヒドロフランに溶解した。この溶液に酢酸パラジウム0.1g、トリフェニルホスフィン0.30gを加え、さらに水34mlに溶解した炭酸ナトリウム4.4gを添加し80℃の油浴中で6時間加熱撹拌しながら反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、水30mlを添加した。得られた反応混合物を塩化メチレンで抽出し、得られた有機層を水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥処理し、溶媒を減圧留去することで粗製物を得た。カラムクロマトグラフィー(充填剤:Merck製 Silicagel 60, 溶離液:塩化メチレン/n−ヘキサン)により単離精製し、目的物4.6g(淡黄色固体)を収率61%で得た。その構造はH−NMRスペクトルにて、確認した。測定データを以下に示す。
【0133】
H NMR (CDCl) δ7.65 (d, J = 1.6Hz, ベンゼン環, 2H), δ7.55 (t, J = 1.6Hz, ベンゼン環, 1H), δ7.26−7.25 (チオフェン環, 1H), δ7.23 (d, J = 3.6Hz, チオフェン環, 1H), δ7.22 (d, J = 3.6Hz, チオフェン環, 1H), δ7.15 (d, J = 3.6Hz, チオフェン環, 1H), δ7.05 (dd, J = 5.2Hz, J = 3.6Hz, チオフェン環, 1H).
【0134】
(合成実施例1−2) デンドリック構造の末端部分を構成する化合物(a)となる、下記式で示される5−[2,2′]ビチオフェニル−5−イル−N,N,N′,N′−テトラフェニル−1,3−フェニレンジアミンの合成
【0135】
【化27】
Figure 2004107625
【0136】
〈触媒の調製〉
酢酸パラジウム10mgにキシレン4.5mlを加え、窒素雰囲気下、トリ−t−ブチルホスフィン36mgを添加後、80℃で30分間加熱して、触媒溶液を得た。
【0137】
〈5−[2,2′]ビチオフェニル−5−イル−N,N,N′,N′−テトラフェニル−1,3−フェニレンジアミンの合成〉
合成実施例1−1で得られた5−(3,5−ジブロモフェニル)−2, 2′−ビチオフェン1.80g、ジフェニルアミン1.60gおよびt−ブトキシカリウム1.21gにキシレン4.5mlを加え、窒素雰囲気下、80℃で先に調製した触媒溶液を滴下した。滴下終了後、120℃に温度を上げ、そのまま18時間反応させた。反応後、室温まで冷却して水10mlを添加した。有機層を分離し、水層は塩化メチレンで抽出して、先の有機層と合わせた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥処理し、溶媒を減圧留去することで粗製物を得た。カラムクロマトグラフィー(充填剤:Merck製 Silicagel 60, 溶離液:塩化メチレン/n−ヘキサン)により単離精製し、目的物2.20 g(淡黄色固体)を収率85%で得た。その構造はH−NMRスペクトルにて確認した。測定データを以下に示す。
【0138】
H NMR (CDCl) δ7.22 (t, J = 7.8Hz, ベンゼン環, 8H), δ7.16 (dd, J = 1.2Hz, J = 5.2Hz, チオフェン環, 1H), δ7.11−7.09 (m, チオフェン環, 1H および ベンゼン環, 8H), δ7.02−6.96 (m, ベンゼン環, 4H および チオフェン環, 3H), δ6.90 (d, J = 2.0Hz, ベンゼン環, 2H), δ6.73 (t, J = 2.0Hz, ベンゼン環, 1H).
【0139】
(合成実施例1−3) デンドリック構造の末端部分を構成する化合物(a)のチオフェン環のα水素を活性基B(OH)に変換して化合物(b)とする、下記式で示される5−(5′−ボロン酸−[2,2′]ビチオフェニル−5−イル)−N,N,N′,N′−テトラフェニル−1,3−フェニレンジアミンの合成
【0140】
【化28】
Figure 2004107625
【0141】
窒素雰囲気下、合成実施例1−2で得られた5−[2,2′]ビチオフェニル−5−イル−N,N,N′,N′−テトラフェニル−1,3−フェニレンジアミン2.0gを脱水テトラヒドロフランに溶解し、ドライアイス−メタノール浴中で冷却した。冷却後、10wt%−リチウムジイソプロピルアミド/n−ヘキサン懸濁液4.5g(Aldrich社製)を滴下し、そのまま1時間反応させた。続いてトリメトキシボラン0.5gを滴下し、そのまま1時間反応させた。反応終了後、水を添加し加水分解させた後、冷却浴をはずして室温へ温度を上げた。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液及びジエチルエーテルを添加し、撹拌、静置してから有機層を分離した。さらに水層をテトラヒドロフラン/ジエチルエーテル(1/2容量比)混合溶媒で抽出し、先の有機層をあわせた。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。さらに硫酸ナトリウムで乾燥処理を行なった後、溶媒を減圧留去して粗製物を得た。粗製物をテトラヒドロフラン/n−ヘキサンで再結晶し、目的物1.5 g(淡黄色固体)を収率70%で得た。その構造はH−NMRスペクトル(測定溶媒:DMSO−d)にて、8.3ppm付近にボロン酸のOHプロトンが観測されたこと、およびベンゼン環由来のプロトンとチオフェン環由来のプロトンの積分比が目的構造と一致したことより確認した。
【0142】
(合成実施例1−4) 前記化合物(b)と(c)のSuzukiクロスカップリング反応による、下記式(11)で示される第1世代デンドリック高分子の合成
【0143】
【化29】
Figure 2004107625
【0144】
合成実施例1−3で得られた5−(5′−ボロン酸−[2,2′]ビチオフェニル−5−イル)−N,N,N′,N′−テトラフェニル−1,3−フェニレンジアミン1.30g、合成実施例1−1で得られた5−(3,5−ジブロモフェニル)−2, 2′−ビチオフェン0.40g、パラジウム酢酸13mg、トリフェニルホスフィン46mgおよび炭酸ナトリウム0.22gに、窒素雰囲気下、THF10mlと水2mlを加え、還流下で8時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、水20mlを添加した。得られた反応混合物を塩化メチレンで抽出し、得られた有機層を水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥処理し、溶媒を減圧留去することで粗製物を得た。カラムクロマトグラフィー(充填剤:Merck製 Silicagel 60, 溶離液:塩化メチレン/n−ヘキサン)により単離精製し、目的物0.84g(淡黄色固体)を収率60%で得た。その構造はH−NMRスペクトル(測定溶媒:CDCl)にて、6.74ppmに観測される窒素原子が2つ隣接したベンゼン環プロトンHaを基準(2H分。式(11)参照。以下、その他の世代についてもHaは窒素原子が2つ隣接したベンゼン核プロトンを示す)とし、ベンゼン環由来のプロトンおよびチオフェン環由来のプロトンの積分比が目的構造と一致したことより確認した。測定データを以下に示す。また、GPC測定値は、重量平均分子量(Mw)=1265、数平均分子量(Mn)=1241、分子量分布(Mw/Mn)=1.019であり、目的物が高純度、単分散であることを確認した。
【0145】
H NMR (CDCl) δ7.66 (d, J = 1.2Hz, ベンゼン環, 2H), δ7.65 (t, J = 1.2Hz, ベンゼン環, 1H), δ7.32 (d, J = 3.6Hz, チオフェン環, 1H), δ7.30 (d, J = 3.6Hz, チオフェン環, 2H), δ7.25−7.22 (m,ベンゼン環, 16H および チオフェン環, 2H), δ7.18 (d, J = 3.6Hz, チオフェン環, 1H), δ7.13−7.10 (m, ベンゼン環, 16H および チオフェン環, 2H), 7.08 (d, J = 3.6Hz, チオフェン環, 2H), 7.05 (dd, J = 5.2Hz, J = 3.6Hz, チオフェン環, 1H), 7.02−6.98 (m, ベンゼン環, 8H および チオフェン環, 2H), 6.92 (d, J = 2.0Hz, ベンゼン環, 4H), 6.74 (t, J = 2.0Hz, ベンゼン環, 2H).
【0146】
(合成実施例1−5) 下記式で示される第2世代デンドリック高分子の合成
【0147】
【化30】
Figure 2004107625
【0148】
〈第1世代デンドリック高分子のチオフェン環のα水素を活性基B(OH)に変換する反応により下記式(12)で示される第1世代デンドリック高分子のボロン酸誘導体の合成〉
【0149】
【化31】
Figure 2004107625
【0150】
窒素雰囲気下、合成実施例1−4で得られた第1世代デンドリック高分子1.4gを脱水テトラヒドロフランに溶解し、ドライアイス−メタノール浴中で冷却した。冷却後、10wt%−リチウムジイソプロピルアミド/n−ヘキサン懸濁液2.1g(Aldrich社製)を滴下し、そのまま1時間反応させた。続いてトリメトキシボラン0.42gを滴下し、そのまま1時間反応させた。反応終了後、水を添加し加水分解させた後、冷却浴をはずして室温へ温度を上げた。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液及びジエチルエーテルを添加し、撹拌、静置してから有機層を分離した。さらに水層をテトラヒドロフラン/ジエチルエーテル(1/2容量比)混合溶媒で抽出し、先の有機層をあわせた。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。さらに硫酸ナトリウムで乾燥処理を行なった後、溶媒を減圧留去して粗製物を得た。粗製物をテトラヒドロフラン/n−ヘキサンで再結晶し、目的物である第1世代のボロン酸誘導体(以下、「G1−B(OH)」と略す)0.9g(淡黄色固体)を収率63%で得た。その構造はH−NMRスペクトル(測定溶媒:DMSO−d)にて、8.3ppm付近にボロン酸のOHプロトンが観測されたこと、およびベンゼン環由来のプロトンとチオフェン環由来のプロトンの積分比が目的構造と一致したことより確認した。
【0151】
〈Suzukiクロスカップリング反応〉
G1−B(OH)0.9g、合成実施例1−1で得られた5−(3,5−ジブロモフェニル)−2, 2′−ビチオフェン0.12g、パラジウム酢酸4mg、トリフェニルホスフィン14mgおよび炭酸ナトリウム66mgに、窒素雰囲気下、THF3mlと水0.6mlを加え、還流下で8時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、水3mlを添加した。得られた反応混合物を塩化メチレンで抽出し、得られた有機層を水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥処理し、溶媒を減圧留去することで粗製物を得た。カラムクロマトグラフィー(充填剤:Merck製 Silicagel 60, 溶離液:塩化メチレン/n−ヘキサン)により単離精製し、目的物である第2世代デンドリック高分子0.47g(淡黄色固体)を収率52%で得た。その構造はH−NMRスペクトル(測定溶媒:CDCl)にて、6.7ppm付近に観測される窒素原子が2つ隣接したベンゼン環プロトンHaを基準(4H分)とし、6.9−7.4ppm付近および7.6−7.8ppm付近に観測される、ベンゼン環由来のプロトンおよびチオフェン環由来のプロトンの積分比が目的構造と一致したことより確認した。また、GPC測定値は、重量平均分子量(Mw)=3514、数平均分子量(Mn)=3385、分子量分布(Mw/Mn)=1.038であり、目的物が高純度、単分散であることを確認した。
【0152】
(合成実施例1−6) 下記式(13)で示される第3世代デンドリック高分子の合成
【0153】
【化32】
Figure 2004107625
【0154】
合成実施例1−5で得られた第2世代デンドリック高分子のチオフェン環のα水素を活性基B(OH)に変換する反応により第2世代デンドリック高分子のボロン酸誘導体を合成し、次いで合成実施例1−1で得られた5−(3,5−ジブロモフェニル)−2, 2′−ビチオフェンとSuzukiクロスカップリング反応を行い、第3世代デンドリック高分子を合成した。なお、実施例1−5の条件で、第1世代デンドリック高分子の代わりに第2世代デンドリック高分子を用いる以外は全て同じ条件で行なった。得られた物質の構造はH−NMRスペクトル(測定溶媒:CDCl)にて、6.7ppm付近に観測される窒素原子が2つ隣接したベンゼン環プロトンHaを基準(8H分)とし、6.9−7.4ppm付近および7.6−7.8ppm付近に観測される、ベンゼン環由来のプロトンおよびチオフェン環由来のプロトンの積分比が目的構造と一致したことより確認した。また、GPC測定値は、重量平均分子量(Mw)=7890、数平均分子量(Mn)=7610、分子量分布(Mw/Mn)=1.037であり、目的物が高純度、単分散であることを確認した。
【0155】
[合成実施例2] 下記式(14)で表わされる第1世代3分岐デンドリック高分子(第1世代デンドリック高分子のベンゼン核コアへの結合)。
【0156】
【化33】
Figure 2004107625
【0157】
合成実施例(1−5)の〈第1世代デンドリック高分子のチオフェン環のα水素を活性基B(OH)に変換する反応〉により得られた式(12)で表わされる第1世代デンドリック高分子のボロン酸誘導体G1−B(OH)1.03g、1,3,5−トリブロモベンゼン68mg、パラジウム酢酸15mg、トリフェニルホスフィン51mgおよび炭酸ナトリウム95mgに、窒素雰囲気下、THF6mlと水1mlを加え、還流下で8時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、水3mlを添加した。得られた反応混合物をクロロホルムで抽出し、得られた有機層を水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥処理し、溶媒を減圧留去することで粗製物を得た。カラムクロマトグラフィー(充填剤:Merck製 Silicagel 60, 溶離液:塩化メチレン/n−ヘキサン)により単離精製し、さらにクロロホルムで再結晶し、目的物である第1世代3分岐デンドリック高分子0.35g(淡黄色固体)を収率39%で得た。その構造はH−NMRスペクトル(測定溶媒: CDCl)にて、6.7ppm付近に観測される窒素原子が2つ隣接したベンゼン環プロトンHaを基準(6H分)とし、6.9−7.2ppm付近および7.4−7.5ppm付近に観測される、ベンゼン環由来のプロトンおよびチオフェン環由来のプロトンの積分比が目的構造と一致したことより確認した。測定データを以下に示す。また、GPC測定値は、重量平均分子量(Mw)=5017、数平均分子量(Mn)=4667、分子量分布(Mw/Mn)=1.073であり、目的物が高純度、単分散であることを確認した。
【0158】
H NMR (CDCl) 7.48 (s, ベンゼン環, 3H), 7.46 (s, ベンゼン環, 6H), 7.43 (s, ベンゼン環, 3H), 7.22−7.18 (m, ベンゼン環およびチオフェン環, 57H),7.10−7.08 (m, ベンゼン環およびチオフェン環, 60H), 6.99−6.94 (m, ベンゼン環およびチオフェン環, 33H), 6.90 (d, J = 0.8Hz, ベンゼン環, 12H), 6.87(d, J = 3.2Hz, チオフェン環, 6H), 6.73 (t, J = 2.0Hz, ベンゼン環, 6H).
【0159】
[実施例1] 有機スイッチングトランジスタ素子
本発明のデンドリック高分子を有する逆スタガー構造の有機薄膜スイッチングトランジスタを作製した。図1に概略断面図を示す。
【0160】
図1に示すように、本発明のデンドリック高分子を有する逆スタガー構造の有機薄膜スイッチングトランジスタは、ガラスを代表例として挙げることができる電気絶縁性基板1上にゲート電極2が設けられ、このゲート電極2上にゲート絶縁層3を介してドレイン電極4及びソース電極5が形成され、これらを覆うように有機半導体層6が設けられている。なお、ゲート電極2はTaで形成され、ドレイン電極4とソース電極5はAuで形成されている。また、有機半導体層6は合成実施例1−6で合成した式(13)で表されるホール及び電子伝導性を有する構造からなる第3世代デンドリック高分子とした。
【0161】
かかる有機薄膜スイッチングトランジスタは以下の手順で作製した。まず、ゲート電極2としてTaをマスクを用いて電気絶縁性基板1上に蒸着した後、ゲート電極2の表面を酸化することによりゲート絶縁層3を形成した。次に、ドレイン電極4及びソース電極5としてAuをマスクを用いて蒸着し、その後、有機半導体層6として合成実施例1−6のデンドリック高分子(式(13))をインクジェット法により塗布した。なお、チャネル長は12μmとした。
【0162】
この有機薄膜スイッチングトランジスタのキャリア移動度をタイムオブフライト法により測定したところ、3cm−1−1であった。また電流一電圧特性評価より得られたオン/オフ電流比はおよそ7桁であった。移動度、オン/オフ電流比の両結果は共に現行のa−Siの性能に匹敵するものであった。
【0163】
この結果を以下の比較例1と比較すると、本発明のデンドリック高分子を用いることにより、有機薄膜スイッチングトランジスタの性能を飛躍的に向上することが確認された。
【0164】
[比較例1]
有機半導体層にオリゴチオフェンを用いた以外は実施例1と同様にして、有機半導体層にオリゴチオフェンを用いた有機薄膜スイッチングトランジスタを作製した。
【0165】
この有機薄膜スイッチングトランジスタのキャリア移動度は8.5×10−3cm−1−1であり、またオン/オフ電流比はおよそ4桁程度であった。
【0166】
[実施例2] 発光素子
本発明のデンドリック高分子を有する発光素子を作製した。図2に概略図を示す。
【0167】
図2に示すように、本発明のデンドリック高分子を有する発光素子は、透明な有機発光素子ガラス基板11に形成された電極12と、電極15との間に、ホール注入層13及びデンドリック高分子層(ホール輸送、電子輸送、発光)14が設けられている。
【0168】
かかる発光素子は以下の手順で作製した。まず、有機発光素子ガラス基板11に陽極となる電極12としてITO(インジウム錫酸化物)を形成し、ホール注入層13としてポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸ナトリウムの混合物を用いて、スピンコーティング法により室温で成膜を行った。なお、膜厚は50nmとした。また、デンドリック高分子層(ホール輸送、電子輸送、発光)14として合成実施例1−6のデンドリック高分子(式(13))のテトラヒドロフラン溶液を用い、スピンコーティング法により室温で成膜を行った。なお、膜厚は50nmとした。そして、アルミニウム/リチウム(9:1)の合金を蒸着し陰極としての電極15を形成して発光素子を作製した。
【0169】
この発光素子に所定の電圧を印加し、駆動させて発光させて、初期輝度を測定したところ、1500cd/mの輝度を示した。さらに、初期輝度が半減するのに3000時間以上を要した。
【0170】
この結果を以下の比較例2と比較すると、本発明のデンドリック高分子を用いることにより、特性が飛躍的に向上することが確認された。
【0171】
[比較例2]
発光層としてポリヘキシルチオフェンを用いた以外、実施例2と同様の構造の発光素子を作製した。
【0172】
この発光素子に所定の電圧を印加し、駆動させて発光させ、初期輝度を測定したところ、800cd/mの輝度を示した。さらに、初期輝度が半減するのに800時間を要した。
【0173】
[実施例3] 有機太陽電池素子
本発明のデンドリック高分子を有する有機太陽電池素子を作製した。図3に概略図を示す。
【0174】
図3に示すように、本発明のデンドリック高分子を有する有機太陽電池素子は、透明なガラス基板21上の電極22及と電極24との間に、デンドリック高分子層23が設けられている。
【0175】
かかる有機太陽電池素子は以下の手順で作製した。まず、ガラス基板21に電極22としてITOを形成し、ホール及び電子伝導性を有する合成実施例1−6のデンドリック高分子(式(13))のテトラヒドロフラン溶液に銅フタロシアニンを混合した混合液を用いて、スピンコーティング法により室温で成膜を行い、デンドリック高分子層(ホール輸送、電子輸送、発光)23を形成した。なお、膜厚は50nmとした。そして、銀を蒸着して電極24を形成し、図3に示す有機太陽電池素子を作製した。
【0176】
この太陽電池素子に400nm以下をカットしたタングステンランプ光を照射し、初期エネルギー変換効率を測定したところ、2.3〜3.0%と良好な値が得られた。
【0177】
この結果を以下の比較例3と比較すると、本発明のデンドリック高分子を用いることにより、特性が飛躍的に向上することが確認された。
【0178】
[比較例3]
図4の概略図に示す構造の有機太陽電池素子を作製した。
【0179】
図4に示すように、比較例3の有機太陽電池素子は、透明なガラス基板101上の電極102と電極106との間に、順に、銅フタロシアニンからなる電荷発生層103、ヘキサアザトリフェニレン誘導体からなる電子伝導層104、及びポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸ナトリウムの混合物からなるホール伝導層105を具備する。
【0180】
この太陽電池素子に400nm以下をカットしたタングステンランプ光を照射し、初期エネルギー変換効率を測定したところ、1.7〜2.0%という値が得られた。
【0181】
[実施例4] 有機整流素子
本発明のデンドリック高分子を有する有機整流素子を作製した。図5に概略図を示す。
【0182】
図5に示すように、本発明のデンドリック高分子を有する有機整流素子は、透明なガラス基板31上の電極32及と電極34との間に、デンドリック高分子層33を有する。
【0183】
かかる有機整流素子は以下の手順で作製した。まず、ガラス基板31に電極32としてITO蒸着膜を形成し、ホール及び電子伝導性を有する合成実施例2のデンドリック高分子(式(14))のNMP(N−メチルピロリドン)溶液を用いてスピンコーティング法により室温で成膜を行って、デンドリック高分子層33を形成した。なお、膜厚は50nmとした。そして、Li−Al合金を蒸着して電極34を形成し、図5に示す有機整流素子を作製した。
【0184】
この有機整流素子を、光を遮断して電流−電圧特性を測定した結果を図6に示す。この結果、図6に示すように、―1.3V〜0.3V付近まで絶縁性を示すと共にそれより電圧を上げると金属状態を示し、良好な整流特性が得られた。
【0185】
[比較例4]
実施例4のデンドリック高分子層33の代わりに、フッ化アンチモンをドーピングさせたポリ3−ヘキシルチオフェンを用いた以外は同様にして比較例4の有機整流素子を作製した。
【0186】
この有機整流素子を、光を遮断して電流−電圧特性を測定した結果を図7に示す。この結果、図7に示すように、導電性を示すだけで整流特性は得られなかった。
【0187】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、等方性で極めて高いキャリア伝導性を有する有機半導体材料となる新規デンドリック高分子を提供することができ、また、極めて高いキャリア伝導性を持ち、簡便なプロセスで得られるキャリア伝導を必要とする電子デバイス素子を提供することができる。
【0188】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る有機薄膜スイッチングトランジスタの概略断面図である。
【図2】本発明の実施例2に係る発光素子の概略図である。
【図3】本発明の実施例3に係る有機太陽電池素子の概略図である。
【図4】本発明の比較例3に係る有機太陽電池素子の概略図である。
【図5】本発明の実施例4に係る有機整流素子の概略図である。
【図6】実施例4の有機整流素子の電流−電圧特性を測定した結果を示す図である。
【図7】比較例4の有機整流素子の電流−電圧特性を測定した結果を示す図である。
【符号の説明】
1…電気絶縁性基板
2…ゲート電極
3…ゲート絶縁層
4…ドレイン電極
5…ソース電極
6…有機半導体層
11…有機発光素子ガラス基板
12,15,22,24,32,34,102,106…電極
13…ホール注入層
14,23…デンドリック高分子層(ホール輸送、電子輸送、発光)
21,31,101…ガラス基板
103…電荷発生層
104…電子伝導層
105…ホール伝導層[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a dendritic polymer which is a novel dendrimer or hyperbranched polymer having carrier conductivity, and an electronic device using the same. In particular, since the dendritic polymer of the present invention conducts carriers with extremely high efficiency, device applications requiring carrier conduction, for example, switching elements such as organic transistors (organic FETs, organic TFTs), solar cells, It is suitable for use in materials such as organic EL.
[0002]
[Prior art]
Conductive organic polymers have attracted scientific and technical attention since the late 1970s. These relatively new technologies have the electronic and magnetic properties of metals while retaining the physical and mechanical properties of conventional organic polymers. Examples of conductive organic polymers include poly-p-phenylenes, poly-p-phenylenevinylenes, polyanilines, polythiophenes, polypyrroles, polyazines, polyfurans, polysenophenes, polysulfonated p-phenylenes, and the like. There are mixtures, blends of these with other polymers, and copolymers of these monomers. Conductive organic polymers are conjugated systems that become conductive by doping. The doping reaction involves oxidation, reduction, protonation and the like.
[0003]
Furthermore, in recent years, it has been considered that a light emitting element of organic electroluminescence (organic EL, OLED) and an active element of a field effect transistor (organic FET, organic TFT) are realized by using these conductive organic polymers. I have. Current plasma-enhanced chemical vapor deposition (CVD) apparatuses for producing insulating layers and semiconductor layers of amorphous silicon and polysilicon TFTs and sputtering apparatuses used for forming electrodes are expensive. In addition, the CVD method has a high film forming temperature of 230 to 350 ° C., requires frequent maintenance such as cleaning, and has a low throughput. On the other hand, a coating apparatus, an inkjet apparatus, and the like for producing an organic FET and the like are inexpensive, have a low film forming temperature, and are easy to maintain as compared with a CVD apparatus or a sputtering apparatus. Therefore, when the organic FET is applied to a display device such as a liquid crystal display device and an organic EL, a significant cost reduction can be expected.
[0004]
A general organic EL has a structure of a transparent substrate such as glass, a transparent electrode, a hole injection layer, a hole transport layer, a light emitting layer, an electron transport layer, and a metal electrode. A single layer can serve both as a hole transporter and a light-emitting layer, or as an electron transporter and a light-emitting layer (see Patent Documents 1 to 3). However, there is still a problem such as life span and improvement research is being conducted.
[0005]
A general organic TFT includes a transparent substrate such as glass, a gate substrate, a gate insulating film, a source electrode, a drain electrode, and an organic semiconductor film. By changing the gate voltage, the amount of charge at the interface between the gate insulating layer and the organic semiconductor film becomes excessive or insufficient, and the value of a drain current flowing between the source electrode, the organic semiconductor film, and the drain electrode is changed, and switching is performed.
[0006]
There is a document which discloses that an organic TFT is manufactured using polythiophene or a polythiophene derivative for the organic semiconductor film (see Patent Document 4). In addition, there is a document that discloses manufacturing an organic TFT using pentacene (see Non-Patent Document 1).
[0007]
When the above-mentioned pentacene is used, a vapor deposition method must be used, and there is a problem such as high crystallization to improve the characteristics. Further, in order to improve processability, pentacene derivatives that have been made soluble have been studied, but sufficient characteristics have not been obtained.
[0008]
In addition, organic semiconductors using polythiophene, polythiophene derivatives, and thiophene oligomers have excellent moldability, such as being easily formed into a thin film by an electrolytic polymerization method or a solution coating method. Sufficient properties have not been obtained.
[0009]
On the other hand, hyperbranched polymer materials such as dendrimers and hyperbranched polymers have recently attracted attention. Dendrimers and hyperbranched polymers are characterized by being amorphous, soluble in organic solvents, and having many terminals into which functional groups can be introduced. Therefore, a polyamide dendrimer having a 1,4,5,8-naphthalenetetracarboxylic acid diimide residue bonded to a quaternary pyridinium salt at a branched terminal has isotropic electron conductivity (also referred to as “transport property”). However, it has been shown that this conductivity is due to π-electron interaction due to the spatial overlap of the branched terminal structures (see Non-Patent Document 2). Further, a literature discloses a dendrimer using a dendron having a hole (hole) conductive structure at a branch terminal and containing no π-electron conjugated system containing a carbonyl group and a benzene ring, and a photoelectric conversion device using the dendrimer. (See Patent Document 5).
[0010]
[Patent Document 1]
JP-A-7-126616
[Patent Document 2]
JP-A-8-18125
[Patent Document 3]
JP-A-10-92576
[Patent Document 4]
JP-A-63-076378
[Patent Document 5]
JP 2000-336171 A
[Patent Document 6]
JP-A-4-133351
[Patent Document 7]
JP-A-5-110069
[Patent Document 8]
JP-A-7-206599
[Patent Document 9]
Japanese Patent No. 3074277
[Non-patent document 1]
Yen-Yi Lin, David J. et al. Gundlach, Shelby F.S. Nelson, and Thomas N.M. Jackson, IEEE Transaction on Electron Device, Vol. 44, no. 8 p. 1325 (1997)
[Non-patent document 2]
L. L. Miller et al .; J, Am, Chem. Soc. 119, 1005 (1997)
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
However, the organic semiconductor described above has a high charge conductivity in a functional element using a semiconductive or conductive polymer such as a conjugated polymer and the like in the orientation direction of a molecular chain, and has an influence on a molecular structure. receive. Further, semiconductor or conductive polymers such as conjugated polymers are usually rigid, insoluble and infusible, and are often insoluble in solvents. Therefore, a polymer derivative or oligomer having a side chain introduced therein is used (see Patent Documents 4, 6, and 7). However, by introducing a side chain, a glass transition point appears, thermochromism occurs due to micro-Brownian motion, and there is a change in characteristics due to temperature. In addition, the use of the oligomer causes a problem of reliability and the like. In addition, sufficient mobility is not obtained, and there is a problem that the degree of polymerization needs to be increased or the orientation of the conductive organic compound needs to be increased by using an alignment film (see Patent Document 8).
[0012]
Further, when a conjugated polymer is used, it is easily affected by oxygen and moisture and easily deteriorated. Therefore, the conventional organic FET device has problems that the stability is poor, the electric characteristics are inferior, and the life is short.
[0013]
Further, there is a document that discloses a hyperbranched polymer having a thienylene-phenylene structure as a repeating structural unit (see Patent Document 9). However, this compound is used as a conductive material as a conductive polymer provided with conductivity by doping an electron-accepting reagent. In addition, since the production method described in this document utilizes a polymerization reaction by a Grignard reaction, it is impossible to control a highly regular repeating structure such as a dendrimer. Therefore, the compound synthesized by this production method has a wide molecular weight distribution like a general high-molecular polymer, and even if a functional group is introduced into a nucleus serving as a central structure or a terminal group serving as an outer shell, it is random. Therefore, it is difficult to obtain a desired function.
[0014]
The present invention has been made in order to solve such problems of the related art, and provides a novel dendric polymer which is an organic semiconductor material having isotropic and extremely high carrier conductivity, and an electronic device using the same. The task is to
[0015]
[Means for Solving the Problems]
As a result of repeated studies to solve the above-mentioned problems, a dendritic polymer containing at least one thienylene structure as a repeating unit has semiconductor properties, isotropic and has extremely high carrier conductivity without requiring doping. The present inventors have found that the organic semiconductor material has an organic semiconductor material and completed the present invention.
[0016]
According to a first aspect of the present invention, there is provided a dendritic polymer having a branched structure including a repeating unit having a branch, wherein the repeating unit is a divalent organic group which may have a substituent. A structure represented by the following general formula (1) comprising a certain linear portion X and a branch portion Y which is a trivalent organic group which may have a substituent, wherein the linear portion X has at least A dendritic polymer comprising one thienylene structure and at least partially conjugated to the branch portion, and having an insulating state and a metal state reversibly depending on the presence or absence of an external factor.
[0017]
Embedded image
Figure 2004107625
[0018]
According to a second aspect of the present invention, there is provided the dendric polymer according to the first aspect, wherein the external factor is an electric external force.
[0019]
A third aspect of the present invention resides in the dendritic polymer according to the first aspect, wherein the external factor is photoexcitation.
[0020]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided a dendritic polymer according to any one of the first to third aspects, which is substantially free of a doping reagent.
[0021]
According to a fifth aspect of the present invention, in any one of the first to fourth aspects, a central structure serving as a core is further connected to X of the repeating unit serving as a starting point of the branched structure. Is a dendritic polymer.
[0022]
According to a sixth aspect of the present invention, there is provided a dendritic polymer according to the fifth aspect, wherein the core is a divalent or higher valent group in which two or more of the repeating units are directly connected.
[0023]
According to a seventh aspect of the present invention, in any one of the first to sixth aspects, a terminal structure different from the repeating unit is connected to Y of the repeating unit that is a terminal of the branched structure. The dendritic polymer characterized by the following.
[0024]
According to an eighth aspect of the present invention, in any one of the first to seventh aspects, the branch portion Y serves as a branch center, which is a chain hydrocarbon (aliphatic hydrocarbon), a cyclic hydrocarbon (alicyclic compound). And aromatic compounds) and heterocyclic compounds (aromatic compounds and non-aromatic compounds).
[0025]
A ninth aspect of the present invention is the dendric polymer according to the eighth aspect, wherein the branch portion Y is selected from the following formula (2).
[0026]
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Figure 2004107625
[0027]
According to a tenth aspect of the present invention, in any one of the first to ninth aspects, the linear portion X is represented by the following general formula (3) and is at least partially conjugated to the branch portion Y. A dendritic polymer characterized by the following.
[0028]
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Figure 2004107625
(In the formula, Z is a divalent organic group or a single bond which may have a substituent and is at least partially conjugated with thienylene; 4 , R 5 Is selected from hydrogen, an alkyl group and an alkoxy group. )
[0029]
According to an eleventh aspect of the present invention, in the tenth aspect, the substituent Z is a substituted or unsubstituted chain hydrocarbon (aliphatic hydrocarbon), cyclic hydrocarbon (alicyclic compound and aromatic compound). ), And one group selected from heterocyclic compounds (one having aromaticity and one not having aromaticity), a group consisting of one kind or a group consisting of two or more kinds, or a plurality of kinds Is a group constituted continuously.
[0030]
According to a twelfth aspect of the present invention, in the eleventh aspect, the substituent Z is one kind selected from a substituted or unsubstituted unsaturated aliphatic hydrocarbon and a cyclic or heterocyclic aromatic compound. Wherein the dendritic polymer is a group composed of: a group composed of one kind; a group composed of a plurality of kinds continuously; or a group composed of a plurality of kinds continuously.
[0031]
According to a thirteenth aspect of the present invention, in the twelfth aspect, the substituent Z is a group composed of one kind selected from the following formula (4) and a group composed of two or more kinds. Alternatively, there is provided a dendritic polymer characterized in that a plurality of types are continuously formed.
[0032]
Embedded image
Figure 2004107625
[0033]
A fourteenth aspect of the present invention resides in the dendritic polymer according to any one of the first to ninth aspects, wherein the repeating unit is represented by the following general formula (5).
[0034]
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Figure 2004107625
[0035]
(Where R 9 , R 10 Is selected from hydrogen, an alkyl group and an alkoxy group, and n represents an integer of 1 to 10. )
[0036]
A fifteenth aspect of the present invention resides in the dendric polymer according to any one of the first to fourteenth aspects, wherein the dendritic polymer is a dendrimer.
[0037]
According to a sixteenth aspect of the present invention, there is provided an electronic device element using the dendritic polymer according to any one of the first to fifteenth aspects.
[0038]
A seventeenth aspect of the present invention resides in an electronic device element according to the sixteenth aspect, which is a charge transport device element.
[0039]
An eighteenth aspect of the present invention resides in an electronic device element according to the sixteenth aspect, wherein the electronic device element is a switching transistor element.
[0040]
A nineteenth aspect of the present invention resides in an electronic device element according to the sixteenth aspect, which is a light-emitting device element.
[0041]
A twentieth aspect of the present invention is the electronic device element according to the sixteenth aspect, wherein the electronic device element is a photoelectric conversion device element.
[0042]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0043]
In the present invention, the dendritic polymer is a concept including a dendrimer and a hyperbranched polymer that are generally defined, and the repeating structural unit of the above-mentioned general formula (1), that is, the dendritic structural unit is repeated at least two steps or more. Including those having the following structures. Note that a structure containing the repeating unit of the general formula (1), that is, a structure in which repeating units are repeatedly connected in a branched manner is referred to as a branched structure.
[0044]
Dendrimers and hyperbranched polymers are generally classified as shown in the following formula. Those having a regular branched structure are called dendrimers, and those having a non-regular branch structure are called hyperbranched polymers. It does not matter whether it is a tree-branched structure or a radially branched structure in which a plurality of starting points are bonded to a polyfunctional polymer serving as a core. Of course, there is a different definition, but in any case, the dendritic polymer of the present invention includes those having a regular branch structure and those having a non-regular branch structure. Structures and radially branched structures are included.
[0045]
In addition, in the general definition, a case where a dendric structural unit is completely repeated is referred to as a generation. However, a structure in which two or more similar dendric structural units having the same basic structure but similar are connected is also referred to as a dendric height according to the present invention. Shall be included in the molecule.
[0046]
The concepts of dendric polymer, dendrimer, hyperbranched polymer and the like are described in Masaaki Kakimoto, Kagaku, Vol. 50, p. 608 (1995), Polymer, Vol. 47, p. 804 (1998) and the like, and these can be referred to, but are not limited to those described therein.
[0047]
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Figure 2004107625
[0048]
Embedded image
Figure 2004107625
[0049]
In the dendritic polymer of the present invention, the dendric structural unit is composed of a linear portion X and a branch portion Y, and a structure in which this is repeated in two steps means that the same dendric structural unit is attached to each of the bonds of the branch portion Y. Are referred to as a first-generation dendron. Further, the one in which the same dendric structural unit is sequentially bonded to the bond at the branching portion Y of the first generation dendron is referred to as a second generation... N-th generation dendron, which is itself or its terminal or starting point. Is a dendrimer or a hyperbranched polymer having a dendritic branch structure. In addition, a dendrimer or a hyperbranched polymer having a radially branched structure in which a plurality of the same or non-identical subunits are bonded to a multivalent nucleus (core) is called a subunit. When the n-th generation dendron is bonded to an r-valent core, it can be defined as an n-th generation r-branch dendrimer. Here, the first-generation one-branched one in which the first-generation dendron is bonded to a monovalent core is also included in the dendritic polymer defined in the present invention, but in order to achieve the object of the present invention. It is preferable that the first generation has two or more branches. In general, such a dendritic polymer preferably has a molecular weight of 600 or more.
[0050]
The dendritic polymer of the present invention has a structure in which the linear portion X contains at least one thienylene structure and is at least partially conjugated to the branch portion Y, and is preferably represented by the above general formula (3). Because of the provision of the linear portion X, an organic semiconductor material having isotropic and extremely high carrier conductivity is obtained.
[0051]
Here, “at least partially conjugated” means not only a completely conjugated system but also a conjugated system in which all π-electron systems are not delocalized. Conjugated system is also included.
[0052]
By having such a structure, the dendritic polymer of the present invention reversibly has an insulating state and a metal state depending on the presence or absence of an external factor. Here, the external factor generally includes an electric external force or optical excitation, but may be an electromagnetic excitation or a mechanical external force.
[0053]
For example, when an external factor is applied, the dendritic polymer of the present invention forms a polaron state, which is an orbit and state different in energy from bipolaron, and exhibits semiconductor characteristics using polaron hopping conduction. That is, when the dendritic polymer of the present invention is in the polaron state, a polaron orbit is formed in the forbidden band of the energy band of the polymer in the same manner as the bipolaron, but the polaron state is an unstable state. Therefore, the polaron state is formed while the external factor is working, but when the external factor is weak or absent, the polaron state is not formed or disappears.
[0054]
Therefore, depending on the presence or absence of such external factors, the dendritic polymer of the present invention takes an insulating state and a metal state, that is, exhibits a semiconductor characteristic. It does not matter whether the state is a metal state or a metal state, but generally, the metal state is obtained when an external factor is applied. Here, the insulating state refers to a state showing an insulating property, and a band gap (forbidden band width) is, for example, about 2.5 eV. The metal state is a state showing conductivity, and the band gap (forbidden band width) is, for example, about 0.4 eV between the valence band and the lower energy polaron band.
[0055]
The dendritic polymer of the present invention exhibits the above-described semiconductor properties in a state where the doping reagent is not substantially contained. Alternatively, the semiconductor characteristics may be exhibited by doping.
[0056]
Here, examples of the doping reagent include n-type or p-type dopants used in general conductive polymers, and specifically, alkali metals, alkylammonium ions, halogens, Lewis acids, protonic acids, Transition metal halides are exemplified. Also, Polymer Electronics, Corona Publishing, p. 32 and Basics and Applications of Conducting Polymers, IPC Publishing, p. 24.
[0057]
The dendritic polymer used in the present invention may have hole conductivity, electron conductivity, or ionic conductivity on the molecular surface in order to improve the semiconductor properties and carrier conductivity as described above.
[0058]
In the dendritic polymer of the present invention, the structure is not particularly limited as long as the linear portion X contains at least one thienylene structure and is at least partially conjugated with the branch portion Y. Since the object is to achieve the property, the structure is preferably represented by the general formula (3).
[0059]
In the above general formula, Z is a divalent organic group or a single bond which may be substituted, which is at least partially conjugated with thienylene, and is, for example, a substituted or unsubstituted chain hydrocarbon (aliphatic hydrocarbon). Hydrogen), a group composed of one selected from cyclic hydrocarbons (alicyclic and aromatic compounds) and heterocyclic compounds (aromatic and non-aromatic) A group in which one kind is continuously formed or a group in which a plurality of kinds are continuously formed. Each of these components has a structure that is at least partially conjugate to each other. Also, R 4 , R 5 Represents a hydrogen atom, an alkyl group, or an alkoxy group, which may be different from each other. In this specification, unless otherwise limited, alkyl groups, alkoxy groups, and the like have 1 to 20 carbon atoms.
[0060]
In addition, the substituent Z is preferably a group composed of one selected from a substituted or unsubstituted unsaturated aliphatic hydrocarbon and a cyclic or heterocyclic aromatic compound, and one kind is a group of plural groups. Or a group in which a plurality of types are continuously formed. More preferably, the substituent Z is a group composed of one kind selected from the above formula (4), a group composed of a plurality of consecutive kinds or a group composed of a plurality of kinds consecutively. is there.
[0061]
Preferable specific examples of the linear portion X include structures represented by the following formula (6), but are not limited to these structures.
[0062]
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Figure 2004107625
[0063]
In the dendritic polymer of the present invention, the structure is not particularly limited as long as the branch portion Y is a trivalent organic group at least partially conjugated with the linear portion X, but preferably, the branch center is a chain type. Compounds selected from hydrocarbons (aliphatic hydrocarbons), cyclic hydrocarbons (alicyclic compounds and aromatic compounds), and heterocyclic compounds (aromatic and non-aromatic) including.
[0064]
Further, as the entire branch portion Y, for example, a trivalent organic group composed of one kind selected from a substituted or unsubstituted chain hydrocarbon, a cyclic hydrocarbon, and a heterocyclic compound, and one kind thereof It is a trivalent organic group consisting of a plurality of continuous groups or a trivalent organic group consisting of a plurality of continuous groups. Each component has a structure that is at least partially conjugated to each other.
[0065]
Preferable examples of the branch portion Y include structures represented by the above formula (2), but are not limited to these structures.
[0066]
One preferred specific example of the dendritic polymer of the present invention is a structure in which the repeating unit represented by the general formula (1) is particularly represented by the general formula (5). Here, in the general formula (5), n represents an integer of 1 to 10, and preferably 1 to 3.
[0067]
In the dendritic polymer of the present invention, a central structure serving as a core may be further connected to X of a repeating unit serving as a starting point of a branched structure. That is, the core is bonded to an arbitrary number of starting points of the dendritic branch structure, and is located at a partial structure excluding the structure after the starting point of the dendritic branch structure, that is, located at the molecular center of the dendritic polymer, It means a part that does not include a repeating unit.
[0068]
The core is preferably a divalent or higher valent group in which two or more repeating units are directly connected, and specifically, an alkylene group having 1 to 20 carbon atoms, an arylene group having 6 to 20 carbon atoms, Examples thereof include a group in which an alkylene group and an arylene group are bonded. Here, the alkylene group is O, NH, N (CH 3 ), S, SO 2 And a hetero atom such as a hydroxyl group, a carboxyl group, an acyl group, or a halogen atom such as a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom or an iodine atom. Further, as the core, a polyvalent group in which a hydrogen atom bonded to a carbon atom of each of these groups has been eliminated, and a polyvalent heterocyclic group, a group in which the heterocyclic group is bonded to the hydrocarbon group, Porphyrin and porphyrin complexes can also be mentioned. Although examples of divalent or higher valent are given as the core, the core may be a monovalent group in which hydrogen is bonded to these groups.
[0069]
In the dendritic polymer of the present invention, a terminal structure different from the repeating unit may be further connected to Y of the repeating unit at the terminal of the branched structure. Such a terminal structure is bonded to the terminal of an arbitrary number of dendritic or radially branched structures, and is a partial structure excluding the dendritic or radially branched structure, that is, located on the molecular surface of the dendritic polymer, and has a repeating unit. Means the part that does not include Regarding the terminal structure of the dendritic polymer of the present invention, the structure is not particularly limited, but in order to achieve high carrier conductivity, a structure having hole conductivity, electron conductivity, or ionic conductivity can be suitably used. . Specific examples of the terminal structure include, but are not limited to, a structure represented by the following formula (7). There is no particular limitation on the mode of bonding between these terminal structures and the dendric structural unit, and examples thereof include a carbon-carbon bond, a carbon-nitrogen bond, an amide bond, an ether bond, an ester bond, and a urea bond.
[0070]
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Figure 2004107625
[0071]
The dendritic polymer of the present invention may not have the above-mentioned core or terminal structure. In this case, the structures on the starting point side and the terminal side of the branched structure of the dendritic polymer of the present invention constitute the branched structure. Although it depends on the raw material of the repeating unit, it may be one in which the active group of the raw material is replaced with hydrogen.
[0072]
As long as the dendric polymer used in the present invention has a dendric structure, its branched structure is not limited, and may not be a completely controlled dendrimer, and its generation number is not limited. The generation of the dendritic polymer is as described above, and the number of generations of the dendric polymer is generally 1 to 10 when including those having a large or long central structure, but generally 1 to 10, From the viewpoint of compactness and ease of synthesis, 1 to 8 is preferable, 1 to 7 is more preferable, and 2 to 5 is most preferable.
[0073]
In addition, the dendritic polymer of the present invention has a large number of fractions due to a large number of branches as described above, and it is possible to increase the number of carriers by using the terminal.
[0074]
Further, there are many paths for carriers, and there is no need to align molecules or make crystals highly crystalline as in conventional conjugated polymers and low-molecular organic semiconductor materials, so that carrier mobility can be effectively increased.
[0075]
The dendritic polymer of the present invention can be constructed and synthesized using a monomer unit (monomer) having a thienylene structure. The monomer unit as used herein refers to a low molecular weight compound having the above formula (1) as a partial structure, and a group of derivatives having a substituent introduced therein to react with each other, or a precursor thereof. There is no limitation on the synthesis method for constructing a dendritic polymer structure from monomer units, but the "Divergent method" in which branches are sequentially extended from the starting point, and the branching units are connected from the end and finally bonded to the starting point " Convergent Method ”and AB 2 And polycondensation of a polyfunctional monomer of the type (where A and B are functional groups that react with each other). In order to efficiently synthesize a high-purity dendric polymer having no defects, synthesis by the “Convergent method” which does not require an excessive amount of raw materials and is easy to purify is preferable.
[0076]
For example, a dendritic polymer having a repeating structural unit represented by the following formula (8) can be produced by a reaction process according to the “Convergent method” represented by the following formula (9).
[0077]
Embedded image
Figure 2004107625
[0078]
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Figure 2004107625
[0079]
In the reaction step of the above formula (9), the α-position hydrogen of the thiophene ring of the compound (a) constituting the terminal portion is converted to the active group V 1 In the reaction step 1 to give a compound (b) by converting two active groups V having a linear portion and a branched portion into the branched portion. 2 Reaction step 2 of reacting the compound (c) having the formula (b) with the compound (b) to obtain a compound (d), and converting the α-position hydrogen of the thiophene ring of the product (d) into an active group V 1 And a reaction step 3 of reacting the compound (c) with the compound to obtain a next-generation dendron (e). Further, when bonded to the central structure molecule, the hydrogen at the α-position of the thiophene ring of the compound (e) is changed to the active group V 1 And reacting the compound (f) having a central structure with the compound (g) to obtain a compound (g).
[0080]
Here, in the above reaction formula (9), V 1 And V 2 Represents an active group, and W represents a monovalent organic group containing no active group which may have a substituent. It should be noted that “not containing an active group” means that V 1 And V 2 Does not include a group that participates in the reaction with
[0081]
Also, Y 2 Is an r-valent organic group serving as a core (r is an integer of 1 or more), and r in the compound (g) is an order representing the number of branches from the central structure. When a core having r of 2 or more is bonded to the n-th generation dendron, a dendric polymer having a radially branched structure that is an n-th generation r-branch is obtained. When r is 1, a dendritic polymer having a dendritic branched structure is obtained. 2 Is called a core.
[0082]
In this example, compound (d) can be defined as a first generation dendrimer and compound (e) can be defined as a second generation dendrimer. Although the reaction steps up to the second generation dendrimer are described in the reaction steps 1 to 3 of the formula (9) for convenience, a higher generation dendrimer can be produced by repeating the reaction step 3.
[0083]
Further, the obtained dendrimer can be bound to a compound that becomes a central structure in the reaction step 4. In this example, the second generation dendrimer (e) is bonded to the compound (f) having the central structure. However, dendrimers of any number of generations can be bonded to the central structure molecule by the same reaction process. However, the number of dendrimers is preferably 1 to 8 as described above, more preferably 1 to 7, most preferably 2 to 5, and most preferably 2 to 5 in view of the density of the dendric structural units and the ease of synthesis. The number of branches from the central structure is preferably from 1 to 6, more preferably from 1 to 4.
[0084]
The method for synthesizing compound (a), which is a raw material of reaction step 1, is not particularly limited, but the reaction step represented by the following reaction formula (10), that is, V 1 And V 2 Can be obtained in a reaction step in which W that becomes a terminal structure is bonded to Y by the reaction of
[0085]
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Figure 2004107625
[0086]
In the above formulas (9) and (10), an example is shown in which the terminal portion of the obtained dendritic polymer has a structure in which two Ws are bonded to Y, but a structure in which one W is bonded, or A structure without W may be used. Furthermore, Y may be another organic group, in which case reaction step 3 is a first generation synthesis.
[0087]
When a tertiary aromatic amine skeleton, which is a hole conductive material, is constructed at the terminal, Y is a trivalent aromatic group such as a benzene nucleus, and a nitrogen atom is directly bonded to the skeleton. You can also. That is, in the equation (10), V 2 Is halogen and V 1 -W can be synthesized by utilizing a condensation reaction with a secondary aromatic amine compound represented by the following formula.
[0088]
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Figure 2004107625
[0089]
Here, the monovalent or trivalent aromatic group includes a substituted or unsubstituted aromatic hydrocarbon group, aromatic heterocyclic residue, condensed polycyclic aromatic hydrocarbon group, condensed heterocyclic aromatic residue. Examples thereof include groups and monovalent or trivalent aromatic groups in which these groups are assembled into a ring. Specifically, trivalent or monovalent, substituted or unsubstituted benzene, naphthalene, anthracene, naphthacene, pentacene, hexacene, phenanthrene, phenalene, pyrene, chrysene, benzoanthracene, perylene, triphenylene, coronene, pentaphene, picene, Naphthoanthracene, trinaphthylene, ovalene, biphenyl, terphenyl, quaterphenyl, kinkphenyl, sexiphenyl, septiphenyl, phenylanthracene, phenylnaphthalene, diphenylanthracene, biphenylene, binaphthalenyl, fluorene, acenaphthylene, dibenzoperylene, indene, pentalene, acephe Nanthrylene, indacene, aceanthrylene, tetraphenylene, fluoranthene, azulene, cyclooctatetraene, octane Ren, rubrene, thiophene, furan, pyrrole, silole, oxazole, thiazole, imidazole, pyrazole, furazane, oxadiazole, thiadiazole, pyridine, thiopyran, pyrimidine, pyrazine, pyridazine, triazine, benzothiophene, benzofuran, benzosilole, indole, benzo Oxazole, benzothiazole, benzimidazole, quinoline, thiochromene, quinazoline, carbazole, dibenzosilole, dibenzofuran, dibenzothiophene, phenanthroline, acridine, benzoquinoline, phenanthridine, phenazine, phenothiazine, thianthrene, phenoxatiin, phenoxazine, bithiophene, Terthiophene, quaterthiophene, bifuran, terfuran, quateruf Emissions can bipyrrole, Terupiroru, mulberry Tel pyrrole, Bishiroru, Terushiroru, Kuwaterushiroru, bipyridine, terpyridine, mulberry terpyridine, phenyl pyrrole, phenylpyridine, phenylfuran, phenylthiophene, include a phenyl-oxadiazole and the like.
[0090]
Examples of this reaction include Ullmann condensation using copper and a base catalyst (see Chem. Lett., 1145, (1989), Synth. Commu 383, (1987), etc.), a palladium catalyst and a tri-t-butylphosphine ligand. The Tosoh method (Japanese Patent Laid-Open No. 10-310561) using a combination of the above and a base catalyst can be used, and the yield is high and the selectivity is high under mild conditions. By utilizing this reaction, for example, a tertiary aromatic amine skeleton can be constructed by a reaction mode represented by the following formula.
[0091]
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Figure 2004107625
[0092]
Hereinafter, the reaction and the like will be described in more detail.
[0093]
Reacting with compound (c) in reaction step 2 or 3; 1 And V 2 In the above reaction, a cross-coupling reaction such as Suzuki cross-coupling can be suitably used. Active group V in that case 1 And V 2 The combination of 1 Is selected from group 1 represented by the following formula, and V 2 Is a combination of groups selected from Group 2, or V 1 Is selected from group 3 and V 2 Is a combination of groups selected from Group 4.
[0094]
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Figure 2004107625
[0095]
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Figure 2004107625
[0096]
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Figure 2004107625
[0097]
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Figure 2004107625
[0098]
It is known that the Suzuki cross-coupling reaction has few restrictions on functional groups, has high selectivity for the reaction, and has few side reactions such as homocoupling. (Suzuki et al., Journal of Synthetic Organic Chemistry, 46,848, (1988), Suzuki et al., Chem. Rev., 95, 2457 (1995), Suzuki, J. Organomet. Chem., 576. 147 (1999)). Due to the high reaction yield, high selectivity, and high versatility, 1 Is B (OH) 2 Or B (OR) 2 A borate ester type substituent represented by 2 Is preferably Br or I.
[0099]
Hereinafter, the hydrogen at the α-position of the thiophene ring when the Suzuki cross-coupling reaction is used is converted to an active group V 1 And the active group V 1 And V 2 The conditions for the reaction are described.
[0100]
[The hydrogen at the α-position of the thiophene ring is 1 Reaction to convert to
In the reaction step 1 and the reaction step 3, the α-position hydrogen of the thiophene ring is replaced with an active group V selected from the above group 1. 1 The reaction conditions for the reaction to be converted into are described.
[0101]
V 1 Is B (OR) 2 Or, in the case of a borate ester represented by the following formula, for example, after the action of alkyllithium represented by n-butyllithium or lithium diisopropylamide to extract the α-position hydrogen of the thiophene ring to obtain a carbanion, Electrophilic addition of the following alkoxyboranes: trimethoxyborane, triethoxyborane, triisopropoxyborane, tributoxyborane or 2-isopropoxy-4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolane. .
[0102]
Embedded image
Figure 2004107625
[0103]
As a solvent, an organic solvent such as tetrahydrofuran, n-hexane, diethyl ether, and toluene can be suitably used. The reaction temperature is preferably -100 to 30C, more preferably -78 to 0C. The reaction time is preferably from 10 minutes to 3 hours, more preferably from 30 minutes to 2 hours.
[0104]
V 1 Is B (OH) 2 In the case of, water is added to the borate esters obtained by the above method to hydrolyze them. The reaction solvent is not particularly limited, but for production, it is convenient to directly add water to the reaction mixture obtained by synthesizing the boric acid ester by the above-mentioned method to hydrolyze. The reaction temperature is preferably from 0 to 50C, and the reaction time is preferably from 1 hour to 3 hours.
[0105]
Next, in the reaction step 1 and the reaction step 3, the α-position hydrogen of the thiophene ring is replaced with an active group V selected from the group 3. 1 The reaction conditions for the reaction to be converted into are described.
[0106]
V 1 Is Cl, Br or I, the corresponding halogenating reagent is allowed to act to halogenate the hydrogen at the α-position of the thiophene ring. Examples of the halogenating reagent include N-chlorosuccinimide, N-bromosuccinimide, N-iodosuccinimide and the like. As a reaction solvent, an organic solvent such as tetrahydrofuran, n-hexane, diethyl ether, benzene, carbon tetrachloride, carbon disulfide, dimethylformamide, and acetic acid can be suitably used. The reaction temperature is preferably from -20 to 80C, and the reaction time is preferably from 1 hour to 24 hours.
[0107]
[Active group V 1 And V 2 Reaction with
In Reaction Steps 2 and 3, Vuzu was carried out by Suzuki cross-coupling reaction. 1 And V 2 Are described below.
[0108]
In the Suzuki cross-coupling reaction, various combinations of palladium catalysts and base catalysts can be used as the catalyst for the reaction.
[0109]
As the palladium catalyst, tetrakis (triphenylphosphine) palladium, palladium acetate, palladium chloride, palladium black, bis (triphenylphosphine) palladium dichloride, bis (tri-o-tosylphosphine) palladium dichloride, bis (dibenzylideneacetone) palladium , Bis (tricyclohexylphosphine) palladium dichloride, bis (triphenylphosphine) palladium diacetate, [1,2-bis (diphenylphosphino) butane] palladium dichloride, [1,2-bis (diphenylphosphino) ethane] Palladium dichloride and the like can be mentioned. In some cases, it is effective to use a compound serving as a ligand together with these palladium catalysts. Examples of the compound serving as a ligand include triphenylphosphine, 1,1′-bis (diphenylphosphino) ferrocene, 1,2-bis (diphenylphosphino) ethane, 1,3-bis (diphenylphosphino) propane, 1,4-bis (diphenylphosphino) butane, diphenylphosphinobenzene-3-sulfonic acid sodium salt, tricyclohexyl Phosphine, tri (2-furyl) phosphine, tris (2,6-dimethoxyphenyl) phosphine, tris (4-methoxyphenyl) phosphine, tris (4-methylphenyl) phosphine, tris (3-methylphenyl) phosphine, tris ( 2-methylphenyl) phosphine and the like. Instead of the palladium catalyst, nickel catalyst [1,1'-bis (diphenylphosphino) ferrocene] nickel dichloride can be used.
[0110]
Examples of the base catalyst include sodium alkoxides such as sodium carbonate and sodium ethoxide, potassium t-butoxide, barium hydroxide, triethylamine, potassium phosphate, sodium hydroxide, potassium carbonate and the like.
[0111]
In the case of the Suzuki cross-coupling reaction, various organic solvents and their mixed solvents, and mixed solvents of these organic solvents and water are generally used as solvents, and dimethylformamide, ethanol, methanol, and the like are used as organic solvents. Dimethyl sulfoxide, dioxane, benzene, toluene, tetrahydrofuran, dimethoxyethane, dimethylacetamide, xylene and the like can be suitably used. The reaction temperature is preferably from 25 to 150C, more preferably from 25 to 80C, and the reaction time is preferably from 30 minutes to 24 hours, more preferably from 1 hour to 12 hours.
[0112]
In the reaction step 4 and the reaction formula (10), the hydrogen at the α-position of the thiophene ring is replaced with the active group V. 1 Reaction to convert to V 1 And V 2 Is similar to the above-described reaction steps 1 to 3.
[0113]
By performing the purification treatment for each of the above steps, a high-purity dendric polymer with few defects can be synthesized. The purification method is not particularly limited, and examples thereof include recrystallization, crystallization, sublimation purification, and column purification.
[0114]
According to the production method described above, by selecting the compound (a) constituting the terminal portion, the compound (c) serving as a monomer unit having a dendric structure, and the compound (f) serving as a central structure, various types of dendric can be obtained. High polymers can be produced. Furthermore, since the “Convergent method”, in which the purification treatment can be easily performed for each reaction step, is used, a dendrimer that is a high-purity dendric polymer with few defects can be produced.
[0115]
Since the dendritic polymer of the present invention has carrier conductivity, application to various fields can be expected. Here, the dendritic polymer of the present invention can be made into an electronic material having a hole transporting property (p-type) and an electron transporting property (n-type), and further, various functions depending on its structure or doping. it can. Therefore, for example, it can be used for switching elements such as organic transistor elements, organic FET elements, and organic TFT elements, solar cells, photoelectric conversion elements, capacitors, light emitting elements, electrochromic elements, polymer secondary batteries, and the like. The details of the element structure suitable for each application will be described below.
[0116]
In an organic transistor element, an organic layer having a hole transporting property and / or an electron transporting property is used as a semiconductor layer, and an insulating layer is inserted at an interface between the semiconductor layer and a conductive layer serving as a gate electrode. This can be realized by forming a source electrode and a drain electrode on this formed body. The organic layer is formed by the dendritic polymer of the present invention.
[0117]
The light-emitting element has a structure in which an organic layer containing the material of the present invention is interposed between parallel plate electrodes. In many cases, it is composed of a transparent electrode such as ITO, a hole injection layer, a hole transport layer, a light emitting layer, an electron transport layer, and a metal electrode. Further, the carrier transport function and the light emitting function may be structurally combined. The organic layer is formed by the dendritic polymer of the present invention.
[0118]
In a photoelectric conversion element or a solar cell, an organic layer is generally disposed between parallel plate electrodes, but may be formed on a comb-shaped electrode and is not limited to this. The electrode material is not particularly limited, but in the case of a parallel plate electrode, at least one electrode is preferably an ITO electrode or a transparent electrode such as tin oxide doped with fluorine. The organic layer is formed of the p-type semiconductive or hole transporting dendritic polymer of the present invention and the n-type semiconductive or electron transporting dendritic polymer of the present invention. In addition, a photosensitizing dye group may be introduced into one of the dendritic polymers of the two layers, or a HOMO (highest occupied electron band) level between the two layers may be a HOMO of a hole transporting dendric polymer. Is higher than that of the electron transporting dendritic polymer, LUMO (lowest unoccupied electron band). When used as a solar cell or the like, highly efficient power generation can be performed.
[0119]
Further, between the hole transporting layer and the electron transporting layer, depending on whether the hole transporting layer is photo-excited or the electron transporting layer is photo-excited, an ion conductive polymer or a dendric that meets the conditions. By introducing a polymer, an electrochemical photoelectric conversion element can be formed. If necessary, a photosensitizing dye group may be introduced into any of the layers.
[0120]
The capacitor is also formed by inserting one of the hole transport layer and the electron transport layer as a conductive layer and the other as a semiconductor layer, and inserting an insulating layer at the interface between the conductive layer and the semiconductor layer. Further, the hole transport layer and the electron transport layer are conductive layers, an ion conductive layer is inserted at the interface between the conductive layers, the hole transport layer is a p-type semiconductor layer, the electron transport layer is an n-type semiconductor layer, May be formed. The semiconductor layer is formed by the dendritic polymer of the present invention.
[0121]
For the electrochromic element, the hole transport layer is a polymer layer capable of p-type doping, and the color is changed by an oxidation-reduction reaction. It is formed from a layer containing a supporting electrolyte salt between the layers. Further, this element structure can be used also as a polymer secondary battery, and a secondary battery with high capacity and low internal resistance can be provided.
[0122]
As described above, according to the material of the present invention, a device having extremely high carrier conductivity and requiring carrier conduction by a simple process can be realized.
[0123]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The dendritic polymer of the present invention and a functional device using the same will be described based on Examples shown below. However, the present invention is not limited to these examples. The devices used for the measurement are as follows.
[0124]
1 H-NMR: JNM-AL400 type FT-NMR (400 MHz) manufactured by JEOL, solvent: CDCl 3 Or DMSO-d 6 , Room temperature measurement, and standard of chemical shift (0 ppm) were tetramethylsilane (TMS).
[0125]
GPC: HLC-8220GPC manufactured by Tosoh Corporation, Column: TSKgelSuperHZM-M, Eluent: THF, Detector: UV254 nm, Measurement values (weight average molecular weight Mw, number average molecular weight Mn, molecular weight distribution Mw / Mn) are converted into standard polystyrene. It is a value according to.
[0126]
[Synthesis Example 1] Synthesis of third-generation dendric polymer
(Synthesis Example 1-1) Synthesis of 5- (3,5-dibromophenyl) -2,2′-bithiophene represented by the following formula to be a compound (c) having a monomer unit having a dendric structure
[0127]
Embedded image
Figure 2004107625
[0128]
Under a nitrogen atmosphere, 4.6 g of 2,2'-bithiophene was dissolved in dehydrated tetrahydrofuran and cooled in a dry ice-methanol bath. After cooling, 18 ml of a 1.6 M n-butyllithium / hexane solution was added dropwise, and the mixture was reacted for 1 hour. Subsequently, 3.4 g of trimethoxyborane was added dropwise, and the mixture was reacted for 1 hour. After the completion of the reaction, water was added for hydrolysis, and then the cooling bath was removed and the temperature was raised to room temperature. A saturated aqueous ammonium chloride solution and diethyl ether were added to the reaction mixture, and the mixture was stirred and allowed to stand, and then the organic layer was separated. Further, the aqueous layer was extracted with a mixed solvent of tetrahydrofuran / diethyl ether (1/2 by volume), and the organic layers were combined. The obtained organic layer was washed with a saturated aqueous solution of sodium chloride. After further drying with sodium sulfate, the solvent was distilled off under reduced pressure to obtain a crude product. The crude product was recrystallized from tetrahydrofuran / n-hexane to obtain 4.3 g of an intermediate compound 2,2'-bithiophene-5-boronic acid (light blue-white solid) represented by the following formula in a yield of 73%.
[0129]
Embedded image
Figure 2004107625
[0130]
Its structure is 1 It was confirmed by the H-NMR spectrum. The measurement data is shown below.
[0131]
1 H NMR (DMSO-d 6 ) Δ 8.30 (s, BOH, 2H), δ 7.60 (d, J = 3.6 Hz, thiophene ring, 1H), δ 7.51 (dd, J = 5.2 Hz, J = 1.2 Hz, thiophene) Ring, 1H), δ7.34-7.32 (m, thiophene ring, 2H), δ7.10 (dd, J = 5.2 Hz, J = 3.6 Hz, thiophene ring, 1H).
[0132]
Next, under a nitrogen atmosphere, 4.0 g of the obtained intermediate compound 2,2'-bithiophene-5-boronic acid and 9.0 g of 1,3,5-tribromobenzene were dissolved in tetrahydrofuran. 0.1 g of palladium acetate and 0.30 g of triphenylphosphine were added to this solution, and 4.4 g of sodium carbonate dissolved in 34 ml of water was further added. The mixture was reacted while heating and stirring in an oil bath at 80 ° C. for 6 hours. After the completion of the reaction, the mixture was cooled to room temperature, and 30 ml of water was added. The obtained reaction mixture was extracted with methylene chloride, and the obtained organic layer was washed with water. The organic layer was dried with sodium sulfate, and the solvent was distilled off under reduced pressure to obtain a crude product. The residue was isolated and purified by column chromatography (filler: Silicagel 60 manufactured by Merck, eluent: methylene chloride / n-hexane) to obtain 4.6 g of the desired product (light yellow solid) in a yield of 61%. Its structure is 1 It was confirmed by the H-NMR spectrum. The measurement data is shown below.
[0133]
1 H NMR (CDCl 3 ) 7.65 (d, J = 1.6 Hz, benzene ring, 2H), δ 7.55 (t, J = 1.6 Hz, benzene ring, 1H), δ 7.26-7.25 (thiophene ring, 1H) , Δ7.23 (d, J = 3.6 Hz, thiophene ring, 1H), δ7.22 (d, J = 3.6 Hz, thiophene ring, 1H), δ7.15 (d, J = 3.6 Hz, thiophene) Ring, 1H), δ 7.05 (dd, J = 5.2 Hz, J = 3.6 Hz, thiophene ring, 1H).
[0134]
(Synthesis Example 1-2) 5- [2,2 '] bithiophenyl-5-yl-N, N, N', N represented by the following formula, which becomes the compound (a) constituting the terminal portion of the dendric structure: Synthesis of '-tetraphenyl-1,3-phenylenediamine
[0135]
Embedded image
Figure 2004107625
[0136]
<Preparation of catalyst>
Xylene (4.5 ml) was added to palladium acetate (10 mg), and tri-t-butylphosphine (36 mg) was added under a nitrogen atmosphere, followed by heating at 80 ° C. for 30 minutes to obtain a catalyst solution.
[0137]
<Synthesis of 5- [2,2 ′] bithiophenyl-5-yl-N, N, N ′, N′-tetraphenyl-1,3-phenylenediamine>
4.5 ml of xylene was added to 1.80 g of 5- (3,5-dibromophenyl) -2,2'-bithiophene obtained in Synthesis Example 1-1, 1.60 g of diphenylamine and 1.21 g of potassium t-butoxy. The catalyst solution prepared above was added dropwise at 80 ° C. under a nitrogen atmosphere. After completion of the dropwise addition, the temperature was raised to 120 ° C., and the reaction was continued for 18 hours. After the reaction, the mixture was cooled to room temperature and 10 ml of water was added. The organic layer was separated, the aqueous layer was extracted with methylene chloride and combined with the previous organic layer. The organic layer was dried with sodium sulfate, and the solvent was distilled off under reduced pressure to obtain a crude product. The residue was isolated and purified by column chromatography (filler: Silicagel 60 manufactured by Merck, eluent: methylene chloride / n-hexane) to obtain 2.20 g of the desired product (light yellow solid) in a yield of 85%. Its structure is 1 It was confirmed by the H-NMR spectrum. The measurement data is shown below.
[0138]
1 H NMR (CDCl 3 ) Δ 7.22 (t, J = 7.8 Hz, benzene ring, 8H), δ 7.16 (dd, J = 1.2 Hz, J = 5.2 Hz, thiophene ring, 1H), δ 7.11-7.09 (M, thiophene ring, 1H and benzene ring, 8H), δ 7.02-6.96 (m, benzene ring, 4H and thiophene ring, 3H), δ 6.90 (d, J = 2.0 Hz, benzene ring, 2H), δ 6.73 (t, J = 2.0 Hz, benzene ring, 1H).
[0139]
(Synthesis Example 1-3) The α-hydrogen of the thiophene ring of the compound (a) constituting the terminal portion of the dendric structure was converted to an active group B (OH) 2 To a compound (b) represented by the following formula: 5- (5'-boronic acid- [2,2 '] bithiophenyl-5-yl) -N, N, N', N'-tetraphenyl Synthesis of -1,3-phenylenediamine
[0140]
Embedded image
Figure 2004107625
[0141]
2.0 g of 5- [2,2 '] bithiophenyl-5-yl-N, N, N', N'-tetraphenyl-1,3-phenylenediamine obtained in Synthesis Example 1-2 under a nitrogen atmosphere Was dissolved in dehydrated tetrahydrofuran and cooled in a dry ice-methanol bath. After cooling, 4.5 g of a 10 wt% lithium diisopropylamide / n-hexane suspension (manufactured by Aldrich) was added dropwise, and the mixture was allowed to react for 1 hour. Subsequently, 0.5 g of trimethoxyborane was added dropwise, and the mixture was reacted for 1 hour. After the completion of the reaction, water was added for hydrolysis, and then the cooling bath was removed and the temperature was raised to room temperature. A saturated aqueous ammonium chloride solution and diethyl ether were added to the reaction mixture, and the mixture was stirred and allowed to stand, and then the organic layer was separated. Further, the aqueous layer was extracted with a mixed solvent of tetrahydrofuran / diethyl ether (1/2 by volume), and the organic layers were combined. The obtained organic layer was washed with a saturated aqueous solution of sodium chloride. After further drying with sodium sulfate, the solvent was distilled off under reduced pressure to obtain a crude product. The crude product was recrystallized from tetrahydrofuran / n-hexane to obtain 1.5 g of the desired product (light yellow solid) in a yield of 70%. Its structure is 1 H-NMR spectrum (solvent: DMSO-d 6 ), It was confirmed that an OH proton of boronic acid was observed at about 8.3 ppm, and that the integral ratio of the proton derived from the benzene ring to the proton derived from the thiophene ring matched the target structure.
[0142]
(Synthesis Example 1-4) Synthesis of the first generation dendric polymer represented by the following formula (11) by the Suzuki cross-coupling reaction between the compounds (b) and (c)
[0143]
Embedded image
Figure 2004107625
[0144]
5- (5'-boronic acid- [2,2 '] bithiophenyl-5-yl) -N, N, N', N'-tetraphenyl-1,3-phenylene obtained in Synthesis Example 1-3 1.30 g of diamine, 0.40 g of 5- (3,5-dibromophenyl) -2,2'-bithiophene obtained in Synthesis Example 1-1, 13 mg of palladium acetate, 46 mg of triphenylphosphine, and 0.22 g of sodium carbonate Was added with 10 ml of THF and 2 ml of water under a nitrogen atmosphere, and reacted under reflux for 8 hours. After completion of the reaction, the mixture was cooled to room temperature, and 20 ml of water was added. The obtained reaction mixture was extracted with methylene chloride, and the obtained organic layer was washed with water. The organic layer was dried with sodium sulfate, and the solvent was distilled off under reduced pressure to obtain a crude product. The residue was isolated and purified by column chromatography (filler: Silicagel 60 manufactured by Merck, eluent: methylene chloride / n-hexane) to obtain 0.84 g (light yellow solid) of the target product in a yield of 60%. Its structure is 1 H-NMR spectrum (solvent: CDCl 3 ), Based on the benzene ring proton Ha having two adjacent nitrogen atoms observed at 6.74 ppm (for 2H; see formula (11). In the other generations, Ha also has two adjacent nitrogen atoms). (Indicating a benzene nuclear proton), which was confirmed by the fact that the integral ratio of the proton derived from the benzene ring and the proton derived from the thiophene ring matched the target structure. The measurement data is shown below. The GPC measurement values were as follows: the weight average molecular weight (Mw) = 1265, the number average molecular weight (Mn) = 11241, and the molecular weight distribution (Mw / Mn) = 1.019. It was confirmed.
[0145]
1 H NMR (CDCl 3 ) Δ 7.66 (d, J = 1.2 Hz, benzene ring, 2H), δ 7.65 (t, J = 1.2 Hz, benzene ring, 1H), δ 7.32 (d, J = 3.6 Hz, thiophene) Ring, 1H), δ 7.30 (d, J = 3.6 Hz, thiophene ring, 2H), δ 7.25-7.22 (m, benzene ring, 16H and thiophene ring, 2H), δ 7.18 (d, J = 3.6 Hz, thiophene ring, 1H), δ 7.13-7.10 (m, benzene ring, 16H and thiophene ring, 2H), 7.08 (d, J = 3.6 Hz, thiophene ring, 2H) , 7.05 (dd, J = 5.2 Hz, J = 3.6 Hz, thiophene ring, 1H), 7.02-6.98 (m, benzene ring, 8H and thiophene ring, 2H), 6.92 ( d, J = 2.0 Hz, benzene ring, 4H), 6.74 (t, J = 2.0 Hz, benzene ring, 2H).
[0146]
(Synthesis Example 1-5) Synthesis of second-generation dendric polymer represented by the following formula
[0147]
Embedded image
Figure 2004107625
[0148]
<First generation dendritic polymer α-hydrogen of the thiophene ring is converted to an active group B (OH) 2 Synthesis of Boronic Acid Derivative of First-generation Dendrick Polymer Represented by Formula (12)
[0149]
Embedded image
Figure 2004107625
[0150]
Under a nitrogen atmosphere, 1.4 g of the first-generation dendric polymer obtained in Synthesis Example 1-4 was dissolved in dehydrated tetrahydrofuran and cooled in a dry ice-methanol bath. After cooling, 2.1 g of a 10 wt% lithium diisopropylamide / n-hexane suspension (manufactured by Aldrich) was added dropwise, and the reaction was allowed to proceed for 1 hour. Subsequently, 0.42 g of trimethoxyborane was added dropwise, and the mixture was reacted for 1 hour. After the completion of the reaction, water was added for hydrolysis, and then the cooling bath was removed and the temperature was raised to room temperature. A saturated aqueous ammonium chloride solution and diethyl ether were added to the reaction mixture, and the mixture was stirred and allowed to stand, and then the organic layer was separated. Further, the aqueous layer was extracted with a mixed solvent of tetrahydrofuran / diethyl ether (1/2 by volume), and the organic layers were combined. The obtained organic layer was washed with a saturated aqueous solution of sodium chloride. After further drying with sodium sulfate, the solvent was distilled off under reduced pressure to obtain a crude product. The crude product was recrystallized from tetrahydrofuran / n-hexane to obtain a first-generation boronic acid derivative (hereinafter referred to as “G1-B (OH)”). 2 0.9 g (light yellow solid) was obtained in a yield of 63%. Its structure is 1 H-NMR spectrum (solvent: DMSO-d 6 ), It was confirmed that an OH proton of boronic acid was observed at about 8.3 ppm, and that the integral ratio of the proton derived from the benzene ring to the proton derived from the thiophene ring matched the target structure.
[0151]
<Suzuki cross-coupling reaction>
G1-B (OH) 2 0.9 g, 0.12 g of 5- (3,5-dibromophenyl) -2,2'-bithiophene obtained in Synthesis Example 1-1, 4 mg of palladium acetate, 14 mg of triphenylphosphine and 66 mg of sodium carbonate, Under an atmosphere, 3 ml of THF and 0.6 ml of water were added, and the mixture was reacted under reflux for 8 hours. After completion of the reaction, the mixture was cooled to room temperature, and 3 ml of water was added. The obtained reaction mixture was extracted with methylene chloride, and the obtained organic layer was washed with water. The organic layer was dried with sodium sulfate, and the solvent was distilled off under reduced pressure to obtain a crude product. The product was isolated and purified by column chromatography (filler: Silicagel 60 manufactured by Merck, eluent: methylene chloride / n-hexane) to obtain 0.47 g (light yellow solid) of the target substance of the second generation dendric polymer in a yield of 52. %. Its structure is 1 H-NMR spectrum (solvent: CDCl 3 ), The benzene ring proton Ha adjacent to two nitrogen atoms observed near 6.7 ppm is used as a reference (for 4H), and is observed near 6.9-7.4 ppm and 7.6-7.8 ppm. It was confirmed that the integral ratio of the proton derived from the benzene ring and the proton derived from the thiophene ring matched the target structure. The GPC measurement values were as follows: weight average molecular weight (Mw) = 3514, number average molecular weight (Mn) = 3385, molecular weight distribution (Mw / Mn) = 1.038, and the target substance was highly pure and monodisperse. It was confirmed.
[0152]
(Synthesis Example 1-6) Synthesis of third-generation dendric polymer represented by the following formula (13)
[0153]
Embedded image
Figure 2004107625
[0154]
The α-hydrogen of the thiophene ring of the second-generation dendric polymer obtained in Synthesis Example 1-5 is replaced with an active group B (OH) 2 A boronic acid derivative of a second-generation dendric polymer is synthesized by a reaction for conversion to 5- (3,5-dibromophenyl) -2,2'-bithiophene obtained in Synthesis Example 1-1 and Suzuki cloth. A third-generation dendric polymer was synthesized by performing a coupling reaction. In addition, it carried out on the same conditions as Example 1-5 except having used the 2nd generation dendric polymer instead of the 1st generation dendric polymer. The structure of the obtained substance is 1 H-NMR spectrum (solvent: CDCl 3 )), The benzene ring proton Ha adjacent to two nitrogen atoms observed near 6.7 ppm is used as a reference (for 8H), and is observed near 6.9-7.4 ppm and 7.6-7.8 ppm. It was confirmed that the integral ratio of the proton derived from the benzene ring and the proton derived from the thiophene ring matched the target structure. The GPC measurement values were as follows: weight average molecular weight (Mw) = 7890, number average molecular weight (Mn) = 7610, molecular weight distribution (Mw / Mn) = 1.037, and the target substance was highly pure and monodisperse. It was confirmed.
[0155]
[Synthesis Example 2] A first-generation three-branched dendric polymer represented by the following formula (14) (bonding of the first-generation dendric polymer to a benzene nucleus core).
[0156]
Embedded image
Figure 2004107625
[0157]
In Synthesis Example (1-5), the α hydrogen of the thiophene ring of the first-generation dendric polymer was replaced with the active group B (OH) 2 Of the first-generation dendric polymer represented by the formula (12) obtained by the above-mentioned reaction (G1-B (OH)). 2 To 1.03 g, 68 mg of 1,3,5-tribromobenzene, 15 mg of palladium acetic acid, 51 mg of triphenylphosphine and 95 mg of sodium carbonate, 6 ml of THF and 1 ml of water were added under a nitrogen atmosphere, and the mixture was reacted under reflux for 8 hours. After completion of the reaction, the mixture was cooled to room temperature, and 3 ml of water was added. The obtained reaction mixture was extracted with chloroform, and the obtained organic layer was washed with water. The organic layer was dried with sodium sulfate, and the solvent was distilled off under reduced pressure to obtain a crude product. It was isolated and purified by column chromatography (filler: Silicagel 60 manufactured by Merck, eluent: methylene chloride / n-hexane), and further recrystallized from chloroform to obtain 0.35 g of the first-generation, three-branched dendric polymer as a target substance. (Light yellow solid) was obtained in a yield of 39%. Its structure is 1 H-NMR spectrum (solvent: CDCl 3 ), The benzene ring proton Ha adjacent to two nitrogen atoms observed at around 6.7 ppm is used as a reference (for 6H), and observed around 6.9-7.2 ppm and around 7.4-7.5 ppm. It was confirmed that the integral ratio of the proton derived from the benzene ring and the proton derived from the thiophene ring matched the target structure. The measurement data is shown below. The GPC measurement values were as follows: weight average molecular weight (Mw) = 5017, number average molecular weight (Mn) = 4667, molecular weight distribution (Mw / Mn) = 1.073, and the target substance was highly pure and monodisperse. It was confirmed.
[0158]
1 H NMR (CDCl 3 7.48 (s, benzene ring, 3H), 7.46 (s, benzene ring, 6H), 7.43 (s, benzene ring, 3H), 7.22-7.18 (m, benzene ring and Thiophene ring, 57H), 7.10-7.08 (m, benzene ring and thiophene ring, 60H), 6.99-6.94 (m, benzene ring and thiophene ring, 33H), 6.90 (d, J = 0.8 Hz, benzene ring, 12H), 6.87 (d, J = 3.2 Hz, thiophene ring, 6H), 6.73 (t, J = 2.0 Hz, benzene ring, 6H).
[0159]
[Example 1] Organic switching transistor element
An inverted staggered organic thin-film switching transistor having the dendritic polymer of the present invention was produced. FIG. 1 shows a schematic sectional view.
[0160]
As shown in FIG. 1, the organic thin film switching transistor of the present invention having an inverted staggered structure having a dendritic polymer is provided with a gate electrode 2 on an electrically insulating substrate 1 which can be exemplified by glass. A drain electrode 4 and a source electrode 5 are formed on the electrode 2 with a gate insulating layer 3 interposed therebetween, and an organic semiconductor layer 6 is provided so as to cover these. The gate electrode 2 is formed of Ta, and the drain electrode 4 and the source electrode 5 are formed of Au. The organic semiconductor layer 6 was a third-generation dendric polymer having a hole and electron conductivity structure represented by the formula (13) synthesized in Synthesis Example 1-6.
[0161]
Such an organic thin film switching transistor was manufactured by the following procedure. First, a gate insulating layer 3 was formed by depositing Ta on the electrically insulating substrate 1 using a mask as a gate electrode 2 and then oxidizing the surface of the gate electrode 2. Next, Au was vapor-deposited using a mask as the drain electrode 4 and the source electrode 5, and thereafter, the dendritic polymer (Formula (13)) of Synthesis Example 1-6 (formula (13)) was applied as the organic semiconductor layer 6 by an inkjet method. The channel length was 12 μm.
[0162]
When the carrier mobility of this organic thin film switching transistor was measured by the time of flight method, it was 3 cm. 2 V -1 s -1 Met. The on / off current ratio obtained from the current-voltage characteristic evaluation was about 7 digits. Both the mobility and on / off current ratio results were comparable to current a-Si performance.
[0163]
Comparing this result with Comparative Example 1 below, it was confirmed that the use of the dendritic polymer of the present invention significantly improved the performance of the organic thin film switching transistor.
[0164]
[Comparative Example 1]
An organic thin-film switching transistor using oligothiophene for the organic semiconductor layer was produced in the same manner as in Example 1 except that oligothiophene was used for the organic semiconductor layer.
[0165]
The carrier mobility of this organic thin film switching transistor is 8.5 × 10 -3 cm 2 V -1 s -1 And the on / off current ratio was about four digits.
[0166]
[Example 2] Light emitting element
A light emitting device having the dendritic polymer of the present invention was manufactured. FIG. 2 shows a schematic diagram.
[0167]
As shown in FIG. 2, the light emitting device having the dendritic polymer of the present invention includes a hole injection layer 13 and a dendric polymer between an electrode 12 formed on a transparent organic light emitting device glass substrate 11 and an electrode 15. A layer (hole transport, electron transport, light emission) 14 is provided.
[0168]
Such a light emitting device was manufactured by the following procedure. First, ITO (indium tin oxide) is formed as an electrode 12 serving as an anode on an organic light emitting element glass substrate 11, and a mixture of polyethylene dioxythiophene and sodium polystyrene sulfonate is used as a hole injection layer 13 by a spin coating method. Film formation was performed at room temperature. Note that the film thickness was 50 nm. In addition, a film was formed at room temperature by a spin coating method using the tetrahydrofuran solution of the dendritic polymer (Formula (13)) of Synthesis Example 1-6 as the dendric polymer layer (hole transport, electron transport, and light emission) 14. . Note that the film thickness was 50 nm. Then, an aluminum / lithium (9: 1) alloy was vapor-deposited to form an electrode 15 as a cathode, whereby a light-emitting element was manufactured.
[0169]
A predetermined voltage was applied to the light emitting element, the light emitting element was driven to emit light, and the initial luminance was measured. 2 Luminance was shown. Furthermore, it took 3000 hours or more for the initial luminance to be reduced by half.
[0170]
Comparing this result with Comparative Example 2 below, it was confirmed that the characteristics were dramatically improved by using the dendritic polymer of the present invention.
[0171]
[Comparative Example 2]
A light emitting device having the same structure as in Example 2 was produced except that polyhexylthiophene was used as the light emitting layer.
[0172]
A predetermined voltage was applied to the light emitting device, the device was driven to emit light, and the initial luminance was measured. 2 Luminance was shown. Further, it took 800 hours for the initial luminance to be reduced by half.
[0173]
Example 3 Organic Solar Cell Element
An organic solar cell device having the dendritic polymer of the present invention was produced. FIG. 3 shows a schematic diagram.
[0174]
As shown in FIG. 3, in the organic solar cell element having a dendritic polymer of the present invention, a dendric polymer layer 23 is provided between an electrode 22 and an electrode 24 on a transparent glass substrate 21.
[0175]
Such an organic solar cell element was produced by the following procedure. First, ITO is formed as an electrode 22 on a glass substrate 21, and a mixed solution obtained by mixing copper phthalocyanine with a tetrahydrofuran solution of a dendritic polymer (formula (13)) of Synthesis Example 1-6 having hole and electron conductivity is used. Then, a film was formed at room temperature by spin coating to form a dendritic polymer layer (hole transport, electron transport, light emission) 23. Note that the film thickness was 50 nm. Then, silver was deposited to form the electrode 24, and the organic solar cell device shown in FIG. 3 was produced.
[0176]
When this solar cell element was irradiated with a tungsten lamp light cut at 400 nm or less and the initial energy conversion efficiency was measured, a good value of 2.3 to 3.0% was obtained.
[0177]
Comparing this result with Comparative Example 3 below, it was confirmed that the use of the dendritic polymer of the present invention significantly improved the characteristics.
[0178]
[Comparative Example 3]
An organic solar cell element having a structure shown in the schematic diagram of FIG. 4 was produced.
[0179]
As shown in FIG. 4, the organic solar cell element of Comparative Example 3 includes a charge generation layer 103 made of copper phthalocyanine and a hexaazatriphenylene derivative between an electrode 102 and an electrode 106 on a transparent glass substrate 101 in that order. And a hole conductive layer 105 made of a mixture of polyethylene dioxythiophene and sodium polystyrene sulfonate.
[0180]
When this solar cell element was irradiated with a tungsten lamp light cut at 400 nm or less and the initial energy conversion efficiency was measured, a value of 1.7 to 2.0% was obtained.
[0181]
Example 4 Organic Rectifier
An organic rectifier having the dendritic polymer of the present invention was produced. FIG. 5 is a schematic diagram.
[0182]
As shown in FIG. 5, the organic rectifier having a dendritic polymer according to the present invention has a dendritic polymer layer 33 between an electrode 32 and an electrode 34 on a transparent glass substrate 31.
[0183]
Such an organic rectifying device was manufactured by the following procedure. First, an ITO vapor-deposited film is formed as an electrode 32 on a glass substrate 31, and spinning is performed using an NMP (N-methylpyrrolidone) solution of a dendritic polymer (Formula (14)) of Synthesis Example 2 having hole and electron conductivity. A film was formed at room temperature by a coating method to form a dendritic polymer layer 33. Note that the film thickness was 50 nm. Then, an electrode 34 was formed by evaporating a Li-Al alloy, and the organic rectifying device shown in FIG. 5 was manufactured.
[0184]
FIG. 6 shows the results of measuring the current-voltage characteristics of this organic rectifying element by blocking light. As a result, as shown in FIG. 6, the insulating property was exhibited up to about −1.3 V to about 0.3 V, and when the voltage was further increased, the metal state was exhibited, and good rectification characteristics were obtained.
[0185]
[Comparative Example 4]
An organic rectifying device of Comparative Example 4 was manufactured in the same manner except that poly-3-hexylthiophene doped with antimony fluoride was used instead of the dendritic polymer layer 33 of Example 4.
[0186]
FIG. 7 shows the results of measuring the current-voltage characteristics of this organic rectifying element by blocking light. As a result, as shown in FIG. 7, rectification characteristics were not obtained only by showing conductivity.
[0187]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide a novel dendritic polymer which is an organic semiconductor material having an isotropic and extremely high carrier conductivity, and also has an extremely high carrier conductivity, which is simple and convenient. An electronic device element requiring carrier conduction obtained by a process can be provided.
[0188]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic sectional view of an organic thin-film switching transistor according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic view of a light emitting device according to Example 2 of the present invention.
FIG. 3 is a schematic view of an organic solar cell element according to Example 3 of the present invention.
FIG. 4 is a schematic view of an organic solar cell element according to Comparative Example 3 of the present invention.
FIG. 5 is a schematic view of an organic rectifying device according to Example 4 of the present invention.
FIG. 6 is a view showing a result of measuring current-voltage characteristics of the organic rectifying device of Example 4.
FIG. 7 is a view showing a result of measuring current-voltage characteristics of the organic rectifying element of Comparative Example 4.
[Explanation of symbols]
1. Electrically insulating substrate
2 ... Gate electrode
3 ... Gate insulating layer
4 ... Drain electrode
5 Source electrode
6 Organic semiconductor layer
11: Organic light emitting element glass substrate
12, 15, 22, 24, 32, 34, 102, 106 ... electrodes
13 Hole injection layer
14,23 ... Dendrick polymer layer (hole transport, electron transport, light emission)
21, 31, 101: glass substrate
103 ... Charge generation layer
104 ... Electron conductive layer
105: Hole conduction layer

Claims (20)

分岐部を有する繰り返し単位を含んだ分岐構造を有するデンドリック高分子において、前記繰り返し単位が置換基を有してもよい2価の有機基である線状部Xと、置換基を有してもよい3価の有機基である分岐部Yとからなる下記一般式(1)で表される構造であって、前記線状部Xは少なくとも1つのチエニレン構造を含み且つ前記分岐部と少なくとも部分的に共役しており、外的要因の有無により絶縁状態と金属状態とを可逆的に有することを特徴とするデンドリック高分子。
Figure 2004107625
In a dendritic polymer having a branched structure including a repeating unit having a branching unit, the repeating unit may have a linear part X which is a divalent organic group which may have a substituent, and may have a substituent. A structure represented by the following general formula (1) comprising a branch portion Y which is a good trivalent organic group, wherein the linear portion X includes at least one thienylene structure and is at least partially A dendritic polymer conjugated to a polymer and having an insulating state and a metal state reversibly depending on the presence or absence of an external factor.
Figure 2004107625
請求項1において、前記外的要因が電気的外力であることを特徴とするデンドリック高分子。2. The dendritic polymer according to claim 1, wherein the external factor is an electric external force. 請求項1において、前記外的要因が光励起であることを特徴とするデンドリック高分子。2. The dendritic polymer according to claim 1, wherein the external factor is photoexcitation. 請求項1〜3の何れかにおいて、ドーピング試薬を実質的に含有していないことを特徴とするデンドリック高分子。The dendritic polymer according to any one of claims 1 to 3, substantially free of a doping reagent. 請求項1〜4の何れかにおいて、さらに、前記分岐構造の開始点となる前記繰り返し単位のXに、コアとなる中心構造が接続されていることを特徴とするデンドリック高分子。The dendritic polymer according to any one of claims 1 to 4, wherein a core central structure is connected to X of the repeating unit that is a starting point of the branched structure. 請求項5において、前記コアは、前記繰り返し単位が2つ以上直接接続する2価以上の基であることを特徴とするデンドリック高分子。The dendritic polymer according to claim 5, wherein the core is a divalent or higher valent group in which two or more of the repeating units are directly connected. 請求項1〜6の何れかにおいて、さらに、前記分岐構造の末端となる前記繰り返し単位のYに、前記繰り返し単位とは異なる末端構造が接続されていることを特徴とするデンドリック高分子。The dendritic polymer according to any one of claims 1 to 6, wherein a terminal structure different from the repeating unit is connected to Y of the repeating unit which is a terminal of the branched structure. 請求項1〜7の何れかにおいて、前記分岐部Yが、分岐中心として、鎖式炭化水素(脂肪族炭化水素)、環式炭化水素(脂環式化合物及び芳香族化合物)、及び複素環式化合物(芳香族性を持つもの及び芳香族性を持たないもの)から選択される化合物を含むことを特徴とするデンドリック高分子。The branch part Y according to any one of claims 1 to 7, wherein a branched hydrocarbon is a chain hydrocarbon (aliphatic hydrocarbon), a cyclic hydrocarbon (alicyclic compound and aromatic compound), and a heterocyclic compound. A dendritic polymer comprising a compound selected from compounds (one having aromaticity and one having no aromaticity). 請求項8において、前記分岐部Yが、下記式(2)から選択されることを特徴とするデンドリック高分子。
Figure 2004107625
9. The dendritic polymer according to claim 8, wherein the branch portion Y is selected from the following formula (2).
Figure 2004107625
請求項1〜9の何れかにおいて、前記線状部Xが、下記一般式(3)で表され且つ前記分岐部Yと少なくとも部分的に共役していることを特徴とするデンドリック高分子。
Figure 2004107625
(式中Zは、チエニレンと少なくとも部分的に共役した、置換基を有してもよい2価の有機基又は単結合であり、R、Rは、水素、アルキル基及びアルコキシ基から選択される。)
The dendritic polymer according to any one of claims 1 to 9, wherein the linear portion X is represented by the following general formula (3) and is at least partially conjugated to the branch portion Y.
Figure 2004107625
(Wherein Z is a divalent organic group or a single bond which may have a substituent and is at least partially conjugated to thienylene, and R 4 and R 5 are selected from hydrogen, an alkyl group and an alkoxy group. Is done.)
請求項10において、前記置換基Zは、置換または非置換の鎖式炭化水素(脂肪族炭化水素)、環式炭化水素(脂環式化合物及び芳香族化合物)、及び複素環式化合物(芳香族性を持つもの及び芳香族性を持たないもの)から選択される1種で構成される基、1種が複数個連続して構成される基又は複数種が連続して構成される基であることを特徴とするデンドリック高分子。In claim 10, the substituent Z is a substituted or unsubstituted chain hydrocarbon (aliphatic hydrocarbon), cyclic hydrocarbon (alicyclic compound and aromatic compound), and heterocyclic compound (aromatic compound). A group selected from the group consisting of a group having a non-aromatic property and a group having a non-aromatic property); A dendritic polymer, characterized in that: 請求項11において、前記置換基Zは、置換または非置換の不飽和脂肪族炭化水素、及び環式若しくは複素環式の芳香族化合物から選択される1種で構成される基、1種が複数個連続して構成される基又は複数種が連続して構成される基であることを特徴とするデンドリック高分子。12. The group according to claim 11, wherein the substituent Z is a group composed of one selected from a substituted or unsubstituted unsaturated aliphatic hydrocarbon and a cyclic or heterocyclic aromatic compound. A dendritic polymer, characterized in that it is a group constituted continuously or a group constituted by a plurality of kinds continuously. 請求項12において、前記置換基Zが、下記式(4)から選択される1種で構成される基、1種が複数個連続して構成される基又は複数種が連続して構成される基であることを特徴とするデンドリック高分子。
Figure 2004107625
13. The method according to claim 12, wherein the substituent Z is a group composed of one selected from the following formula (4), a group composed of a plurality of consecutive groups, or a group composed of a plurality of groups. A dendritic polymer characterized by being a group.
Figure 2004107625
請求項1〜9の何れかにおいて、前記繰り返し単位が、下記一般式(5)で表されることを特徴とするデンドリック高分子。
Figure 2004107625
(式中R、R10は、水素、アルキル基及びアルコキシ基から選択され、nは1〜10までの整数を表す。)
The dendritic polymer according to any one of claims 1 to 9, wherein the repeating unit is represented by the following general formula (5).
Figure 2004107625
(Wherein R 9 and R 10 are selected from hydrogen, an alkyl group and an alkoxy group, and n represents an integer of 1 to 10.)
請求項1〜14の何れかにおいて、前記デンドリック高分子がデンドリマーであることを特徴とするデンドリック高分子。The dendritic polymer according to any one of claims 1 to 14, wherein the dendritic polymer is a dendrimer. 請求項1〜15の何れかのデンドリック高分子を用いたことを特徴とする電子デバイス素子。An electronic device element comprising the dendritic polymer according to claim 1. 請求項16において、電荷輸送デバイス素子であることを特徴とする電子デバイス素子。17. The electronic device according to claim 16, which is a charge transport device. 請求項16において、スイッチングトランジスタ素子であることを特徴とする電子デバイス素子。17. The electronic device element according to claim 16, wherein the electronic device element is a switching transistor element. 請求項16において、発光デバイス素子であることを特徴とする電子デバイス素子。17. The electronic device according to claim 16, wherein the electronic device is a light emitting device. 請求項16において、光電変換デバイス素子であることを特徴とする電子デバイス素子。17. The electronic device element according to claim 16, wherein the electronic device element is a photoelectric conversion device element.
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