JP2004105213A - 液体加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度センサーの損傷を防止し、均一に調理することを目的とする。
【解決手段】油槽10の前面部13には、油槽10内の調理油の温度を検出する温度センサー53と、その直上に上から見てU字形状の保護環54とが溶接される。
また、油槽10の左側面部15,右側面部16に形成される段部15a,16aには、食材を収納するバスケット43を載置して支持するための載置部44aを備えた底網44が着脱可能に載置される。
この載置部44aの前部中央には、温度センサー53および保護環54の上方で油槽10の前面部13まで延びたガード部44aが前方上り傾斜して形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】油槽10の前面部13には、油槽10内の調理油の温度を検出する温度センサー53と、その直上に上から見てU字形状の保護環54とが溶接される。
また、油槽10の左側面部15,右側面部16に形成される段部15a,16aには、食材を収納するバスケット43を載置して支持するための載置部44aを備えた底網44が着脱可能に載置される。
この載置部44aの前部中央には、温度センサー53および保護環54の上方で油槽10の前面部13まで延びたガード部44aが前方上り傾斜して形成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液槽に満たされた調理油や水等の加熱媒体をバーナ等の加熱手段により加熱してポテト等の食材を調理するフライヤーやゆで麺機等の液体加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ファーストフード店等の外食産業においては、ポテトやチキン等の揚げ物調理に業務用フライヤーが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
図18に示すように、フライヤー201は、調理油が満たされた油槽210の外側からバーナ220を燃焼させて調理油を加熱し、食材を入れたバスケット243を油槽210の底部に設けられる底網244に載置して食材を揚げる。
この油槽210の前壁213には、底網244の上方でかつバスケット243の手前で調理油の温度を検出する温度センサー253と、温度センサー253の上方に設けられバスケット243を沈める際に温度センサー253との接触を防ぐU字状の保護環254とが溶接される。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−43063号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、食材を投入する時、毎回バスケット243が保護環254にぶつかるような落とし込みが行われると、保護環254が変形し、ついには温度センサー253を保護できなくなってしまう。早めに保護環254を交換すれば温度センサー253を保護できるものの、保護環254が油槽前壁213に溶接されているため、油槽210ごと交換しなければならず、非常にコスト高となる。しかも、バスケット243が保護環254にひっかかった状態(図18中、破線)で調理されると、調理むらができてしまう。
本発明の液体加熱調理器は上記課題を解決し、温度センサーの損傷を防止し、均一に調理することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の液体加熱調理器は、
加熱媒体が満たされる液槽と、該液槽内の加熱媒体を加熱して食材を調理する加熱手段と、該食材を収容して該液槽内の該加熱媒体内に沈めるためのバスケットと、該液槽内に設けられ該バスケット用の載置部を形成した着脱可能な底網と、該載置部より上方で該液槽の壁面に設けられ該加熱媒体の温度を検出する温度センサーとを備えた液体加熱調理器において、
上記バスケットが上記温度センサーに衝突することを防止するガード部を上記底網に形成したことを要旨とする。
【0006】
また、本発明の請求項2記載の液体加熱調理器は、上記請求項1記載の液体加熱調理器において、
上記バスケットを上記載置部へ案内するように、上記ガード部を上記温度センサーより上方の上記液槽壁面まで上り傾斜して延ばしたことを要旨とする。
【0007】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の液体加熱調理器によれば、バスケットが温度センサーに向けて落とし込まれても、底網に形成されたガード部により、バスケットと温度センサーとの衝突が防止される。
そして、ガード部が変形した場合には、底網を交換することで簡単にもとのガード機能が維持される。
【0008】
また、本発明の請求項2記載の液体加熱調理器によれば、食材の投入時にバスケットが無造作に沈められても、バスケットは、傾斜したガード部を自然に滑り落ちて正しい位置に載置される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の液体加熱調理器の好適な実施形態について説明する。
【0010】
本発明の一実施形態としての業務用フライヤーについて図1〜図17を用いて説明する。このフライヤーは、油槽(バット)を左右に分割したスプリットバット式であり、各油槽で異なる食材を同時に調理できる。以下の説明および図において左右が対称であるときは符号の末尾にL,Rを付けるが、左右を区別しない場合には省略する。
【0011】
フライヤー1は、図1に示すように、器具上部に設けられ調理油を満たす油槽10と、後述の油槽底面部11に外側から対向して設けられ調理油を加熱するバーナ20と、油槽10と下部でネジ止めにより一体化されバーナ20を収納支持するバーナケース80と、バーナ20へ燃焼用空気,燃料ガスを供給する供給部70と、バーナ20からの燃焼ガスを器体外へ導くと共にその途中で調理油を加熱する排気通路30と、調理時間や調理温度を制御するコントローラ100と、油槽10の下方に設けられ調理油を濾過する濾過装置60とを本体ケース2内に備える。
【0012】
油槽10には、図2〜図4に示すように、上端全周を外側へ曲折させたフランジ17が形成され、また、油槽10を左右の左油槽10Lと右油槽10Rとに分割する油槽分割板10aが設けられる。
この油槽10を構成する壁面は、大別すると底面部11,油カス収納部12,前面部13,後面部14,左側面部15,右側面部16からなる。
油槽10の左側面部15,右側面部16には、排気通路30を形成する段部15a,16aが形成される。また、油槽分割板10aには、後述する底網44を支える上から見てU字状の底網支え10bが、段部15a,16aと同じ高さ位置に左右に設けられる。また、前面部13には、図1に示すように、後方へ下り傾斜した前傾斜部13aが形成される。
【0013】
油槽10の底面部11は、前面部13の下端から後方に下り傾斜した平面で、その後方端には後面部14との間に油カスを収納する油カス収納部12が形成される。この油カス収納部12は、左右方向に延びた溝状に形成される。
【0014】
本体ケース2には、バーナケース80と一体化した油槽10のフランジ17を前側上部と左右両側上部で支持するための載置面部2cが形成される。この載置面部2cの開口となる上開口部2dは、油槽10とバーナケース80とを落とし込みやすいように、前後方向において油槽10の壁面およびバーナケース80よりやや大きめに形成される。
また、本体ケース2には、正面に扉2aが設けられる。尚、図1の左側が器具の正面であり、作業者が調理作業を行うエリアとなる。
【0015】
バーナケース80は、図2に示すように、バーナ20を所定位置に固定するものであり、油槽10の側面部15,16に所定間隔をあけて対向する側板81と、側板81の下端で固定され油槽底面部11(図1)と略平行に形成される下板82と、側板81と下板82とにより前部に形成されるバーナ20の出入口部となる前開口部85(図3)を覆い側板81,下板82に固定される前板83と、油槽10の後面部14に固定されコの字状に上下を曲折した後板84(図1)とから構成される。
【0016】
このバーナケース80は、その構成板81〜84をボルト,ナットによりそれぞれ固定して気密に形成される。側板81の上端は、図2に示すように、左右側面部15,16に段部15a,16aより上部で固定される。
【0017】
バーナ20は、図1に示すように、複数の炎口を形成したセラミックプレート22を燃焼面(炎口面22a)として備えた全一次空気式バーナで、その燃焼面が油槽10の底面部11から所定間隔をあけ向い合って設けられ、両者間に燃焼室29を形成する。つまり、炎口面22aは、油槽底面部11と同様に後方に下り傾斜している。このバーナ20は、後で詳述するが、バーナケース80から着脱自在に設けられる。
【0018】
燃焼室29には、セラミックプレート22に臨んで、バーナ20に点火させる点火電極ロッド51と火炎状態を検知するフレームロッド52(図14,図15)とが設けられる。点火電極ロッド51とフレームロッド52とは、同一部品で構成され、両者を区別するために点火電極ロッド51の末端には識別接手98が嵌着される。
【0019】
図4は、フライヤー1の一部を正面からみたA−A断面図(切断線A−Aは図1を参照)で、バーナ20とその周囲の部品を詳細に示している。
バーナ20は、上面が開口した平たい箱状のバーナ本体23と、バーナ本体23の上面を覆うセラミックプレート22とを備え、これらの間に、燃料ガスと燃焼用空気とを混合させる混合室21が形成される。
【0020】
バーナ本体23には、上端全周を外側へ曲折させて段部23aが形成され、更にこの段部23aの上端を外側へ曲折させて左右両端部23b,前端部23c,後端部23d(図1,図3)が形成される。バーナ本体23の底面部23gは、油槽底面部11と略平行に、つまり、後方下り傾斜して形成される。
左右両端部23bは、図3に示すように、前後方向に延び、後述する左右の外押さえ板26の下端面26aと溶接され、バーナ20のフランジ20aとして形成される。
【0021】
また、前端部23c,後端部23dは、図1,図3,図5に示すように、それぞれ下方に折り曲げられてバーナ本体23の取付面を形成し、後端部23dは、図3に示すように、取付面の左右両端に溝23eが形成され、後述するレール90に後端部23dが当たらないようにしている。
また、バーナ本体23の前面には、入口部23fが開口される。
また、バーナ20の前後には、燃焼排気漏れを防ぐ前後パッキン87が設けられる。
【0022】
また、バーナ本体23の底面中央には、図4に示すように、混合室21を左右の左混合室21Lと右混合室21Rとに分割する混合室分離台24が溶接されており、この混合室分離台24の上部の左右両側には段部24aが形成される。セラミックプレート22は、図3,図4に示すように、前後左右6枚に分割されており、それぞれ中央の混合室分離台24の段部24aと左右外側のバーナ本体23の段部23aとに載置される。このようにして、バーナ20は、左バーナ20Lと右バーナ20Rとに左右に分割される。
【0023】
混合室分離台24には、バーナ20の後部まで延びて中央に溝部を形成した内押さえ板25が載置され、また、バーナ本体23の左右両端部23bには、バーナ20の後部まで延びた外押さえ板26が溶接される。セラミックプレート22は、この内押さえ板25と外押さえ板26とによって、上から左右両端が押さえられる。
【0024】
内押さえ板25には、前後方向に分割されたセラミックプレート22間の火移りをさせる火移り板25aが上部に形成される。
また、内押さえ板25の中央溝部には、バーナ20を収納したとき燃焼室29を左燃焼室29Lと右燃焼室29Rとの左右に分割するようにバーナ20の後部まで延びたセラミックウール製の燃焼室仕切棒27が、上からはめ込まれる。この燃焼室仕切棒27には、その上面部と略同一形状の熱膨張パッキン92が載置され、この熱膨張パッキン92の成分には、加熱されると膨張するバーミキュライトが含まれる。尚、バーナ20の収納時には、油槽10の底面部11と熱膨張パッキン92との間に隙間Gが形成されている。
【0025】
バーナケース80の側板81には、図4に示すように、内側で前後方向に延びバーナ20を前後方向にスライドさせるレール90が形成される。このレール90は、バーナ20のフランジ20aを支持する下レール90bと、バーナ20が油槽10の底面部11に当たらないように上方向の動きを制限する上レール90aとから構成される。
【0026】
バーナ20は、図3に示すように、レール90に案内されて前開口部85からバーナケース80に収納される。この時、バーナケース80は、図4に示すように、バーナ20,レール90により上下に分割されて、セラミックプレート22の燃焼面と油槽10の底面部11との間に形成される燃焼室29と、バーナ本体23の底面部23gとバーナケース80の下板82との間に形成される下チャンバー88(非燃焼室)とが形成される。
【0027】
また、バーナ本体23内には、図1,図4に示すように、バーナ本体23の前面から混合室21の中央まで延びたスロート上板28a,スロート下板28bで構成されるスロート28が設けられ、燃料ガスと燃焼用空気とを混合しながらバーナ20の中央へ導く。
【0028】
バーナ20からの燃焼ガスを器体外へ導く排気通路30は、図1,図2に示すように、油槽10の前方下部に設けられた燃焼室29に連通し油槽10の左右外側に設けられる左通路31L,右通路31R(総称して左右通路31)と、左右通路31に連通し油槽10の後方に設けられる後部通路32と、後部通路32に連通し上部が開口した鉛直方向に延びる排気ダクト33とから構成される。
【0029】
左右通路31は、図2に示すように、側板81,後板84と油槽10の左右側面部15,16とで囲まれる空間により形成される。この左右通路31内には、左右側面部15,16に、断面コの字形状の側部フィン41が上下にそれぞれ水平に並んで面接触した状態で溶接される。
【0030】
一方、後部通路32は、図1,図2に示すように、油槽10の後面部14と後板84とで囲まれる空間により形成される。この後部通路32内には、後面部14に、左右両側にそれぞれ列をなし中央側へ上り傾斜して平行に並んで断面コの字形状の斜め後部フィン42aと、油槽10の側面部15,16近傍に鉛直方向に延びた断面コの字形状の鉛直後部フィン42bとがそれぞれ面接触した状態で溶接される。
これらのフィン41,42は、燃焼ガスと調理油との熱交換を促進する。
【0031】
このように排気通路30が油槽10の周囲を囲むように形成されるため、燃焼ガスからの受熱面積が大きくなり、熱効率が高くなって省エネとなる。
この結果、バーナ20を1箇所に設けるだけでも十分に調理油を加熱でき、複数のバーナユニットを必要とせず、製造コストを抑えることができる。
【0032】
また、側面部15,16,後面部14には、側部フィン41,斜め後部フィン42aが設けられるため、上昇する高温の燃焼ガスを後部通路32へ導くと共に、各フィン41,42の受熱面全体に確実に接触させることができる。この結果、燃焼ガスと調理油との熱交換が非常に促進されて熱効率が良くなる。
更に、左右通路31は、油槽10の左右側面部15,16の段部15a,16aの下方に形成されるため、油槽10上部の幅からはみ出すことがなく、器具がコンパクトになる。
【0033】
次に、バーナケース80の前板83およびその周囲の部品について説明する。バーナケース80の前板83の上部83aは、図1に示すように、側板81よりも更に上方に延び、油槽10の前面部13の前傾斜部13aから所定間隔をあけて形成される。
一方、前板83の下部は、図5に示すように、後方下り傾斜したバーナ20の炎口面22aと垂直となるように、つまり、後方上り傾斜するように、前板83を折り曲げて形成される。
【0034】
この前板83の下部は、ビス止めにより点火電極ロッド51とフレームロッド52(図14)とをバーナ20の炎口面22aと平行に挿入する挿入面部83cとして形成されたものであり、図3,図14に示すように、点火電極ロッド51とフレームロッド52とを後述する第1固定部材48と共に遊挿するために第1固定部材48よりも大きな長方形の遊挿孔83d(中央側),83e(左右外側)がそれぞれ形成される。つまり、点火電極ロッド51が中央側に、フレームロッド52が左右外側に遊挿されることになる。
更に、この挿入面部83cには、バーナ20の点火を確認するための長方形の点火確認窓50と、後述する混合管74を挿通するための円形の挿通孔83bとが形成される。
【0035】
バーナ本体23の前端部23cの上面には、図11,図14に示すように、点火電極ロッド51,フレームロッド52をそれぞれバーナ20に固定することにより位置決めする固定具40がそれぞれ設けられ、この固定具40は、ロッド51,52を挿通させる第1固定部材48と、第1固定部材48をバーナ20に固定させる第2固定部材49と、ロッド51,52を手前側から被せて装着する押さえ板94とからなる。
【0036】
第1固定部材48は、1枚の板をコの字状に曲折して形成され、ロッド51,52をそれぞれ挿通させて位置決めする円形の位置決め孔48aを形成した鉛直面部48cと、点火電極ロッド51のスパーク用のターゲット部48bと、これらを繋ぐ繋ぎ部48dとからなる。
【0037】
一方、第2固定部材49は、水平面部49aと鉛直面部49bとを備えた断面L字形状の板材であり、この水平面部49aが前端部23cの上面に上方からビス止め固定され、また、鉛直面部49bによって第1固定部材48の鉛直面部48cが正面からビス99によって固定される。
ロッド51,52にはフランジ51aがそれぞれ形成され、押さえ板94は、このフランジ51aを第1固定部材48の鉛直面部48cに当てて手前側から押さえた状態で、正面からビス止めされる。
【0038】
また、前板83の挿入面部83cには、遊挿孔83d,83eの両方を外側から覆う正面からみて楕円形状の蓋体95(図15)が設けられ、この蓋体95は、側面からみて略台形状の絞り加工をした板材である。
この蓋体95の外周部となる平坦な取付面部95dは、取付面部95dの裏側に設けられる環状のグラファイトパッキン96を介して、上部がナットで締められると共に、下部がバーナ本体23の前端部23cとビスで共締めされる。この蓋体95には、点火電極ロッド51,フレームロッド52を遊挿する蓋体遊挿孔95a,95bが形成されると共に、前板83の点火確認窓50に対向する長方形の外側窓95cが形成される。この蓋体95の内側には、各押さえ板94を覆うセラミックウール製の前断熱材86cが1枚設けられる。
【0039】
蓋体95には、蓋体遊挿孔95a,95bと各ロッド51,52との隙間を埋める真鍮製で略円筒形状の密閉接手45がそれぞれ設けられ、ビス97により蓋体95のビス孔95eにおいて固定される。密閉接手45には、このビス97を遊挿させる締結孔45bがビス孔95eよりも大きく形成されており、バーナ本体23に固定される各ロッド51,52の位置が密閉接手45によって制限されないよう構成されている。
この密閉接手45には、各ロッド51,52を挿通するロッド挿通孔45aが形成され、このロッド挿通孔45aの内周面には各ロッド51,52との隙間を埋めるOリング47が填められ、また、密閉接手45の蓋体95との当接面には蓋体95との隙間を埋める平坦な環状のグラファイトパッキン46が填められる。
【0040】
図17は、出願人が先に出願したフライヤーの一部を側面から見た断面図であり、点火電極ロッド251とフレームロッド(図示略)とを前板283の挿通孔283dに挿通してフランジ251aで前板283に固定すると共に、点火電極ロッド251のターゲット板248をバーナ220に固定した状態を示している。
このフライヤーでは、各フランジ251aと前板283との間にセラミックウール製の排気漏れ防止板245が挟まれ、挿通孔283dから燃焼室229内の燃焼排気が漏出することを防止している。
しかしながら、排気漏れ防止板245がセラミックウール製で厚みが変化しやすいため、ロッドの先端位置がずれやすい。しかも、バーナ220と前板283との間には多くの部品が介在されているため寸法誤差が累積してこれらの位置がずれやすく、前板283に固定されたロッドとバーナ220との位置関係がずれてしまう。しかし、ロッドは前板283に固定されているため、位置ずれを調整できず、点火の失敗や火炎状態の誤検知をする可能性があった。
【0041】
これに対して本実施形態のフライヤー1では、図14に示すように、バーナケース80の挿入面部83cの遊挿孔83d,83eが第1固定部材48よりも大きく形成されており、しかも、蓋体95の蓋体遊挿孔95a,95bが点火電極ロッド51およびフレームロッド52よりも大きく形成されているため、各ロッド51,52は、遊挿孔83d,83eおよび蓋体遊挿孔95a,95bによって位置決めされることなく、バーナ20に固定された固定具40によって位置決めされる。
この結果、燃焼室29の壁面である前板83とバーナ20との間で多少の寸法誤差があって正規の位置より互いにずれても、点火電極ロッド51とバーナ20との位置関係、およびフレームロッド52とバーナ20との位置関係がずれることはない。
【0042】
本実施形態では、位置関係を正確にするために様々な隙間が形成されているが、次の様なシール構造により、燃焼ガスの漏出を防止している。
つまり、ロッド挿通孔45aと点火電極ロッド51,フレームロッド52との間に形成される隙間をOリング47でシールし、また、蓋体遊挿孔95a,95bと密閉接手45との間に形成される隙間をグラファイトパッキン46でシールし、更に、挿入面部83cの遊挿孔83d,83eと蓋体95の取付面部95dとの隙間をグラファイトパッキン96でシールする。
この結果、排気漏れすることなく点火電極ロッド51およびフレームロッド52をバーナ20に対して正確に位置決めできる。従って、点火性能や火炎の検知精度が向上する。
【0043】
フライヤー1を長期間使用しているうちに点火電極ロッド51やフレームロッド52の修理が必要になった場合には、先ず、本体ケース2の正面に設けられた扉2a(図1)を開ける。
次に、密閉接手45のビス97を外して密閉接手45を各ロッド51,52から引き抜いた後で蓋体95およびその内側の前断熱材86cを外す。
そして、修理したい方のロッドを位置決めしている第1固定部材48と第2固定部材49とを固定するビス99を正面から外して、そのロッドを取り付けたまま第1固定部材48を前板83の遊挿孔(83dあるいは83e)から取り出す。
【0044】
このように、バーナケース80から前板83を外さずに、しかも、バーナ20を丸ごと器具から取り外さずに、ロッド51,52をバーナ20から簡単に着脱できるため、メンテナンス作業がしやすい。
更に、ロッドを第1固定部材48から外さずに器具から取り出すことができるため、点火電極ロッド51を点検する際に、ターゲット部48bとの位置関係を崩すことなく、第2固定部材49を介して再びバーナ20に固定することができる。
【0045】
また、Oリング47は、断面が円形であるためロッド51,52の挿入方向のずれを調整でき、点火性能や炎の検知精度を一層向上できる。
一方、密閉接手45と蓋体95との間および蓋体95と燃焼室壁面となる挿入面部83cとの間に設けられたグラファイトパッキン46,96は、耐熱性があるため、挿入面部83cや蓋体95が高温になっても熱変形しない。従って、熱変形による隙間が生じることはなく、確実に排気漏れを防止できる。
加えて、グラファイトパッキン46,96やOリング47のシール材は、セラミックウールのように脆くはないため、密閉接手45や蓋体95を取り外してもシール材の形状を維持でき、何度も繰り返して使用できる。従って、メンテナンスの度にシール材を交換する必要がない。
【0046】
また、点火電極ロッド51とフレームロッド52とを同一部品で構成して、これらの固定具40も同一部品で構成しているため、部品の共通化によりこれらの製造コストを低く抑えることができる。また、点火電極ロッド51は、フレームロッド52に識別接手98を設けたものであるため、ロッドに接続するコードの取付間違いを簡単に防止できる。
しかも、製品開発時において、バーナ20における燃料ガスの分布に応じて、点火性能の良いロッドの方に(例えば右側のロッドに)点火電極ロッド用コードを接続して点火電極ロッドとして用いたり、また、火炎検知性能の良いロッドの方にフレームロッド用コードを接続してフレームロッドとして用いることができるため、わざわざ点火電極ロッド,フレームロッド,固定具を着脱しなくてもよい。
【0047】
また、点火確認窓50が、図3に示すように、後方上り傾斜した挿入面部83c上に形成されるため、メンテナンス作業者は、点火時の様子や火炎状態を点火確認窓50よりも高い位置から斜め下方向(図1中、矢印)に見ることができ、低い姿勢にならなくても良好に確認できる。
【0048】
また、作業者は、バーナ20や点火電極ロッド51,フレームロッド52をメンテナンスするために、挿入面部83cに対して垂直方向にドライバー等の工具を保持するが、挿入面部83cが後方上り傾斜しているため力がかけやすく、ロッド51,52を容易に着脱できる。また、この挿入面部83cが見やすいため作業しやすい。
このようにして、楽な姿勢でメンテナンス作業を行うことができる。
更に、挿入面部83cがバーナ20の炎口面22aと垂直に形成されるため、ロッド51,52を炎口面22aと平行でかつ挿入面部83cと垂直な状態で挿入でき、炎口面22aとの位置決めが正確になる。
【0049】
次に、左右のバーナ20L,20Rへそれぞれ燃料ガスと燃焼用空気を供給する供給部70について説明する。
供給部70は、図1に示すように、燃料ガス供給部70Gと、空気供給部70Aと、燃料ガス供給部70Gおよび空気供給部70Aの合流部としての混合供給部70Mとからなる。尚、70G,70A,70Mの符号の末尾は、GAS,AIR,MIXの頭文字である。
【0050】
混合供給部70Mは、図5に示すように、燃料ガス供給部70Gから燃料ガスが導入されるガス導入口74aと、空気供給部70Aから燃焼用空気が導入される空気導入口74cとを備え、混合気をバーナ20に送るU字状の混合管74により構成される。混合管74の下流側には、前板83とビス止めされるフランジ74bが形成される。この混合管74は、前板83の挿通孔83bとバーナ本体23の入口部23fとに挿通され、バーナ20のスロート28に当接させることにより混合気流路としてスロート28と一体化されるものである。
【0051】
空気供給部70Aは、図1,図15に示すように、上流側から、1台のターボファン71,ターボファン71の噴出口71aに接続される給気分配器89,この給気分配器89から分岐して左右の混合管74L,74Rにそれぞれ接続される左右の送風管72L,72Rを備える。
この送風管72L,72Rは、バーナケース80の下板82と略平行に延びてつまり、後方下り傾斜して形成され、その上流端には給気接手89aが2つ設けられ、一方、下流端には可撓性のシリコンチューブ73L,73Rが設けられる。また、ターボファン71は、本体ケース2の底面となるケース底面部2b上の後方位置に配置される。
【0052】
燃料ガス供給部70Gは、図1に示すように、上流側から、ケース底面部2bに設けられ燃料ガスの供給・停止を制御するガス制御部75と、前後に2分割された上流ガス管76,下流ガス管77とを備える。
【0053】
下流ガス管77には、図5に示すように、その下流端に、ガスノズル78が混合管74の側面に臨んで嵌着されると共に、その近傍にフランジ77cが形成され、フランジ77cより下流端側にOリング114が填められる。一方、下流ガス管77の上流端には、Oリング112を外周に備えた大径筒部77dが形成される。
この下流ガス管77は、混合管74のガス導入口74aにフランジ77cを当接させて袋ナット77aにより接続され、Oリング114によりガス導入口74aと下流ガス管77との隙間がシールされる。
【0054】
上流ガス管76は、前後方向に長く延びた下流側の水平部76aと、上流側の鉛直部76b(図1)と、水平部76aの先端に溶接され下流ガス管77の大径筒部77dより大きな外径を有し外周が溝切り加工されたネジ筒部76cとから構成される。このネジ筒部76cに下流ガス管77の大径筒部77dを挿入することにより、下流ガス管77が上流ガス管76に前後に摺動可能に接続されると共に、袋ナット77bによって、上流ガス管76が下流ガス管77から抜けることを防止している。
このネジ筒部76cと大径筒部77dとOリング112とによりスライド連結部110が構成され、シール性を維持した状態で下流ガス管77を上流ガス管76に対してスライド自在に連結している。
【0055】
このように構成されたフライヤー1では、バーナ20の修理が必要になった場合には、図1,図5に示すように、本体ケース2の扉2aを開けた後、上流ガス管76のネジ筒部76cに嵌着される下流ガス管77の袋ナット77bを緩めると共に、混合管74のフランジ74bのビスを外して、下流ガス管77と一体になった混合管74をシリコンチューブ73から抜いてバーナケース80の前板83から取り外す。
そして、ビスやナットを外して前板83を本体ケース2から取り出す。次に、図3,図4に示すように、バーナ20のフランジ20aを下レール90b上で滑らせて、バーナ20をバーナケース80の前面の前開口部85から斜め上方向(略水平面上)に引き出して、セラミックプレート22の交換等の修理を行う。
このように、バーナ20を手前にスライドさせるだけで簡単に取り出すことができる。また、バーナ20の故障に対して油槽10ごと新品に交換する必要がなく、そのメンテナンス費用を低減できる。
しかも、バーナケース80の下板82を外す必要がないため、下方からナットを緩める作業がなく、容易にバーナ20を取り出すことができる。
また、バーナ本体23の入口部23fが前面に形成されるため、混合管74を正面から着脱でき、バーナ20のメンテナンスがしやすくなる。
【0056】
また、バーナ20をレール90に沿って手前側にスライドさせるため、軽い力で出し入れできる。しかも、このレール90により、バーナ20と油槽10との位置関係が正確になり、適切な位置で油槽10を加熱して食材を調理できる。
また、バーナ20は、全一次空気式バーナで、燃焼面の向きの制限が少ないため、その出し入れがしやすく良好な調理性能を維持できる位置・向きに配置できる。
【0057】
一般に、ファーストフード店等の厨房ではフライヤー1の前後左右にはスペースがあまり取れないが、バーナ20を油槽10の底面に設けたため、器体をコンパクト化できる。しかも、調理油は、油槽10の下方から加熱されるためスムーズに対流し、食材を均一に加熱調理できる。
また、使用者が調理作業を行う器体正面からバーナ20を引き出すため、新たにバーナ取り出し用スペースを設けなくてもよく、器体の設置場所の自由度が大きい。
【0058】
更に、バーナ20の収納時には、図4に示すように、燃焼室仕切棒27と油槽底面部11との間に隙間Gが形成されるため、バーナ20をスムーズに出し入れできる。
【0059】
そして、バーナ20の燃焼が開始されると、熱膨張パッキン92が加熱されて膨張して隙間Gを塞ぎ、燃焼室29を完全に左右に分離する。
この結果、例えば、左油槽10Lのみで調理を行う場合には、左バーナ20Lから発生した燃焼ガスは全て、左燃焼室29Lから左通路31L,後部通路32内の左側を通って左油槽10Lと熱交換しながら排気ダクト33から器体外へ排出される。つまり、この高温の燃焼ガスが隙間Gから隣の右燃焼室29Rへ漏れ出ることがない。
【0060】
従って、調理を行わず空の状態の右油槽10Rの過熱を防止でき、仮にこの右油槽10Rに調理油が付着していても、右油槽10Rから油煙が発生することはなく、安心して器具を使用できる。
しかも、燃焼ガスが右油槽10Rの加熱に使われることがなく、左油槽10Lの加熱に全ての燃焼ガスを利用できるので、熱効率が高くなり、経済的である。また、バーナ20をバーナケース80に収納するだけで、燃焼室29を燃焼室仕切棒27で簡単に仕切れるため、左右独立した燃焼室を備えたバーナを設ける必要が無く、バーナ20の製造コストを抑えることができる。
【0061】
バーナケース80は、図1に示すように、ケース底面部2bに固定された供給部70との位置関係が前後方向でずれやすい。具体的には、ターボファン71に固定された送風管72の中心軸と、混合管74の上流端の中心軸とがずれやすい。
これは、油槽10は大きく、しかも熱溶接により形成されることから、その構成板が若干上下にずれた状態で溶接されやすいためである。この場合にバーナケース80は、上流ガス管76,送風管72との位置関係がずれる。具体的には、図5に示すように、上流ガス管76の水平部76aの中心軸と下流ガス管77の中心軸とのずれ、および前後方向のずれを生じる。同様に、空気供給路においても、送風管72の中心軸と混合管74の空気導入口74cの中心軸とのずれを生じる。尚、図9は、設計寸法通りに製造されたフライヤーを示している。
【0062】
そこで、本実施形態のフライヤー1では、図1に示すように、空気供給部70Aの送風管72と混合管74の空気導入口74cとをシリコンチューブ73で連結しているため、図1,図9を比較しても分かるように、シリコンチューブ73が3次元的に撓んでずれを吸収して無理なく送風管72を配管できる。この結果、送風管72は、割れたり変形することがなく、空気漏れを防止できる。しかも、シリコンチューブ73という安価な部材で簡単に実施できる。
特に、送風管72は、管径が大きいため、後述する上流ガス管76のように首振りすることができず、空気供給部70Aでのずれを吸収する構成が必要となり、3次元的に撓むことのできるシリコンチューブ73が好適となる。
【0063】
一方、燃料ガス供給部70Gでは、確実にガス漏れを防止する必要があることから、シリコンチューブの代わりに、図5に示すように、スライド連結部110が用いられる。このスライド連結部110によって下流ガス管77を上流ガス管76に対して進退させることで、上流ガス管76と下流ガス管77との合計長さを調節して前後方向のずれを吸収する。
また、この上流ガス管76の水平部76aは、図1,図9に示すように、前後方向に長く延びているため、鉛直部76b上端を支点にして上下左右に首振りすることができ、それに伴って先端のスライド連結部110も上下左右に移動できる。このため、上流ガス管76と下流ガス管77との上下左右のずれを吸収して両者を向い合わせることができる。このようにして、燃料ガス供給部70Gのずれもまた3次元的に吸収できる。
【0064】
この結果、組立性やメンテナンス性が向上すると共に、上流ガス管76,下流ガス管77,混合管74の割れや異常変形によるガス漏れを防止できる。
尚、空気供給部70Aや燃料ガス供給部70Gを分割せずに混合供給部70Mとなる混合管74を分割することも考えられるが、その間をシリコンチューブで連結すると確実なガス漏れ防止が期待できず、一方、スライド連結部で連結すると空気供給部70Aにより動きが拘束されて3次元的にずれを吸収できない。こうしたことから、本実施形態では、混合供給部70Mではなく空気供給部70Aおよび燃料ガス供給部70Gで分割している。
【0065】
次に、空気供給部70Aの左送風管72Lの配設について説明する。
バーナケース80の下板82の下方には、図1に示すように、後方下り傾斜した下板82を斜辺とする三角柱形状のスペースS1が形成される。このスペースS1を利用して左送風管72Lが配設される。
【0066】
送風管72は、図15に示すように、正面から見ると左右で形状が異なり、右送風管72Rが給気分配器89から右シリコンチューブ73Rまで真っ直ぐに延びているのに対して、左送風管72Lは2箇所で90度曲折しており、給気分配器89からスペースS1内まで右送風管72Rと平行に延びた上流部72Laと、スペースS1内で幅方向にバーナケース80の左側の側板81近傍まで延びた中間部72Lbと、スペースS1内で左シリコンチューブ73Lまで右送風管72Rと平行に延びた下流部72Lcとから構成される。
【0067】
送風管72の近傍には、図1に示すように、濾過装置60の合流ボックス61bが下板82から吊設されるため、この合流ボックス61bの後方に左送風管72Lの左右に延びた中間部72Lbを配置すると、メンテナンスの時に邪魔になって左送風管72Lを正面から取り出すことができないが、バーナ20の下方には側面から見て断面三角形状のスペースS1が形成されるため、そのスペースS1を利用して、左送風管72Lの中間部72Lbを器具内で横切らせることができる。
ここで、送風管72のレイアウトについて図6を用いて説明する。図6(a)は後方下り傾斜した油槽底面部11を示し、図6(b)では水平に形成された油槽底面部211を示す。スペースS1は、図6(a)中では太い破線で、図15中ではハッチングで示される。
【0068】
図6(a)の油槽10と同一体積を有し底面部211が水平に形成された油槽210を備えたフライヤー201では、図6(b)に示すように、バーナ220も底面部211と平行に形成されて、バーナケース280の下板282も同様に水平に形成され、この下板282の前部が低くなる。
この結果、図6(a)の左送風管72Lと同じ太さの左送風管272Lを用いようとすると、その中間部272Lbを三角スペースS1よりも低い位置に配置せざるをえず、三角スペースS1より下方の他の部品を避けるために左送風管272Lを何回も曲げる必要があり、給気流路の抵抗が大きくなってしまう。
【0069】
これに対して、本実施形態のフライヤー1では、三角形スペースS1が形成されるため、他部品によってスペースの制限が受けにくく送風管72を比較的自由に配置できる。このようにレイアウトが容易であるため、障害物を避けるために曲がり部を設ける必要がなく、給気抵抗が小さくなってスムーズに給気できる。また、送風管72をスペースS1に収めるため、他の部品のレイアウトが容易になる。
しかも、送風管72を高温の油槽10に近づけて配置できるため、そこを通過する燃焼用空気が周囲の熱を受けてバーナ20へ送られ、熱効率が高くなる。
【0070】
次に、濾過装置60について説明する。
濾過装置60は、図1に示すように、油カス収納部12の前面中央下部から油を排出する排油部61と、フィルター63aを備え排油部61から排出された調理油を濾過する油タンク63と、濾過された調理油を給油管66を介して油槽10へ送り戻すポンプ64とを備える。排油部61は、左右の油カス収納部12に接続される2本の排油管61aと、各排油管61aを流れる油を1箇所に回収するための合流ボックス61bとからなり、合流ボックス61bの底面には、油タンク63のタンク入口63bに対向して排油口61cが1つ形成される。排油管61aと給油管66とには、それぞれ排油弁62,給油弁65が設けられる。この給油管66,給油弁65は、器具後方に配置される。給油弁65における給油管66の管軸方向は、鉛直方向に対して45度傾斜している。
この給油弁65は、器具正面に設けられた操作レバー68の操作によりリンクレバー67を介して開閉される。
【0071】
このようにして開閉される給油弁65は、ボールバルブであり、図10に示すように、円筒状に弁体開口55aを形成した球状で金属製の弁体55と、シート部開口56bを形成した樹脂製のシート部56aとを備える。
尚、図10(a)は給油弁65の閉弁状態を、図10(c)は完全に開弁した状態を、図10(b)はその中間で少し開弁した状態を示している。
【0072】
給油弁65は、図12,図13に示すように、リンクレバー67の後端に固定され弁体55(図10)を直接回動する弁体レバー57と、弁体レバー57を上面部58aで回動支持する円筒形の支持筒体58と、弁体レバー57に固定され支持筒体58の側面部58bに沿って回動する板バネ59とを備える。
【0073】
弁体レバー57は、給油管66の管軸方向に対して平行状態から垂直状態へ回動自在に構成され、支持筒体58の上面部58aに平行なリンク取付部57aと、支持筒体58の側面部58bに対向するバネ取付部57bとを備える。
また、支持筒体58の側面部58bには、前後にそれぞれ突出した前突起部58c,後突起部58dが形成される。
また、板バネ59は、弁体レバー57のバネ取付部57bに固定された固定部59aと、固定部59aから前後に延びて回動により各突起部58c,58dに係合可能な前係合部59c,後係合部59dとを備える。但し、前後係合部59c,59dの両方が同時に係合することはない。
【0074】
油タンク63から油槽10へ給油しない通常時、つまり、給油弁65の閉成時では、図1に示すように、操作レバー68が鉛直状態になっており、リンクレバー67によって操作レバー68と連結された弁体レバー57は、図12に示すように、後ろ下方向を向いている(図1では実線)。この時、弁体レバー57に固定された板バネ59の前係合部59cは前突起部58cに係合している。一方、後係合部59dは、支持筒体58の後突起部58dに係合していない。
従って、通常時には、前係合部59cと前突起部58cとの係合により弁体レバー57の回動開始抵抗を大きくしているため、リンクレバー67や操作レバー68の自重によって給油弁65が知らないうちに開いてしまうことがない。
【0075】
特に、調理油を濾過して油槽10へ戻した直後は、給油弁65を通過した高温の調理油によって、金属製の弁体55と樹脂製のシート部56aとが加熱され、これらの熱膨張係数の違いによりシート部56aが弁体55よりも大きく膨張して隙間が生じたり、調理油が潤滑油のように作用してこれらの摺動抵抗が減少するため、閉弁保持力が低下しやすいが、弁体レバー57が係合されているため、弁体55が図10(b)のように傾くことはなく、給油弁65が上述の自重により勝手に開弁することを防止できる。
【0076】
この結果、濾過動作を終えた後、油槽10中の調理油が給油弁65を通って油タンク63へ逆流することがない。
従って、弁体55に対して弁体開口55aおよびシート部開口56bを大きく形成しても調理油が漏出しないため、濾過油を油槽10へ戻す流量を増やして、濾過油の戻し時間を短縮できる。
【0077】
一方、濾過油を油槽10へ戻す時には、操作レバー68を開操作をして、図13(図1では破線)に示すように、リンクレバー67を介して弁体レバー57を前方へ回動し、板バネ59の前係合部59cを支持筒体58の前突起部58cから乗り越えさせて外すと共に、後係合部59dを後突起部58dに係合させる。ポンプ64の作動中は、後係合部59dが後突起部58dと係合しているため、給油弁65が勝手に閉じて油タンク63から油槽10への給油を中断したり、その開度が小さくなって給油時間が長くなるといった不具合がない。
このように、板バネ59と支持筒体58との係合・解除という簡単な構成で調理油の漏出および給油の中断あるいは給油時間の延長を防止でき、製造コストを低く抑えることができる。
また、作業者は、こうした不具合の発生を把握するために操作レバー68の回動位置(つまり、給油弁65の開閉状態)を常時監視しなくてもよくなり、安心して他の作業に専念できる。
【0078】
次に、供給部70のターボファン71について説明する。
一般的にファンのケーシングは、図1に示すように、回転軸からの距離がa<b<c<d<eと空気流路の下流側ほど大きくなっていく。
ターボファン71は、その噴出口71a(回転軸からの距離が最も大きい部分)が回転軸のほぼ真上に位置するように、ターボファン71の噴出方向を鉛直方向よりも傾斜させている。従って、噴出口71aは、ターボファン71の重心軸GF近傍に配置される。また、ターボファン71の設置に必要な奥行寸法Wが小さい。
【0079】
ターボファン71は、羽根車が送風方向に対して後ろ向きに形成されるもので、風圧の変動に対して風量の変化が小さいという特性を持っている。これに対して従来から使われているシロッコファン(多翼ファン)は、羽根車が前向きに形成されるもので、風圧の変動に対して風量の変化が大きい。
【0080】
このため、ターボファン71を採用したフライヤー1では、排気ダクト33の出口に向かって強い風が吹いても、この出口での排気圧が高く維持されて風圧に打ち勝つため、外気が排気ダクト33から逆流することはない。
しかも、同じ送風量の場合では、ターボファンの出入口の圧力差がシロッコファンよりもかなり大きいため、燃焼用空気を十分吸引することができる。
【0081】
従って、外気の逆流や給気不足による着火不良や燃焼不良を防止でき、ユーザーは安全に器具を使用でき、また、運転途中に停止するといった不具合が起きない。
加えて、ターボファンでは、ファンの回転数の増大により大きな差圧を作り出す必要がなく、器具からの騒音を抑制できる。
【0082】
更に、ターボファン71は、シロッコファンよりも羽根同士の間隔が大きく、また羽根幅が長く、しかも羽根の湾曲が小さいため、埃が詰まりにくい。この結果、長期に渡ってファンの送風性能を高く維持することができ、耐久性が向上する。
【0083】
フライヤー1では、ターボファン71の設置スペースがガス制御部75や濾過装置60のポンプ64によって水平方向にあまり余裕がないが、ターボファン71をその噴出方向を鉛直方向よりも傾斜させて配置するため、その設置に必要な奥行寸法Wが小さくなり、狭い場所にも配置できる。
【0084】
このように、ターボファン71の奥行寸法Wが小さくなるため、ターボファン71の周囲にできたスペースを利用して他の部品をレイアウトできる。
また、ガス制御部75の最上部が高い位置にあっても、ターボファン71を傾斜して配置したため、送風管72をガス制御部75を避けて配設できる。
【0085】
また、油煙を吸い込みにくい位置(つまり、油槽10や油タンク63のタンク入口63bから離れた後方下部)等の最適位置にターボファン71を設置することができるようになる。
ターボファン71は、埃詰まりしにくいため、ファンの埃除去のためのメンテナンスを頻繁に行う必要がなくなって便利になる。この結果、器具正面の扉2aから遠くてメンテナンス作業が非常に面倒な器具内の奥側(油煙が少ない場所)にファンを配置でき、ターボファン71の閉塞を一層防止して、燃焼不良を確実に防ぐことができる。
【0086】
ターボファン71が器具の後方下部に設けられるため、上部のバーナ20に接続される混合管74と下部のターボファン71とを結ぶ送風管72が長くなり流路抵抗の増大が懸念されるが、実際には、ターボファン71の噴出方向が、前方にあるバーナ本体23の入口部23fの方へ向いているため、側面から見て送風管72を真っ直ぐに形成でき、流路抵抗が減少して給気効率が向上する。つまり、ファンの所定能力に対してバーナ20への供給空気流量が増える。
【0087】
また、ターボファン71の噴出口71aがターボファン71の重心軸GF近傍にあるため、給気分配器89や給気接手89aといった比較的重い部品の重心GDが重心軸GFに近づく。この結果、こうした自重により荷重が偏ってかかることがなくターボファン71が安定する。
【0088】
次に、排気閉塞検知について説明する。
排気ダクト33は、何等かの異物によって閉塞することがある。
一方、バーナ20の閉塞は、油槽10から発生して器具周囲を浮遊している油煙や、油タンク63から出てくる油煙をターボファン71が燃焼用空気や埃と共に吸引して、その油がバーナ20の炎口内に付着し埃が詰まることによって起きる。
【0089】
こうした排気閉塞を検出するために、ターボファン71の噴出口71aには、図8に示すように、2本のファン検圧導管35が接続され、一方、供給部70の送風管72L,72Rには、それぞれバーナ検圧導管36L,36Rが接続され、これらの検圧導管35,36の先端には、差圧スイッチ34L,34Rが接続される。
この差圧スイッチ34L,34Rは、そのケースがダイアフラム34La,34Raで一次室34pと二次室34sとに仕切られ、一次室34pにバーナ検圧導管36L,36Rが接続され、一方、二次室34sにファン検圧導管35が接続される。そして、一次室34pの上部には、ダイアフラム34La,34Raの変形によりオン・オフするマイクロスイッチ34Lb,34Rbが設けられる。
【0090】
例えば、排気閉塞していない場合には、バーナ検圧導管36L,36Rでの内圧がファン検圧導管35での内圧より低くなり、一次室34pの内圧と二次室34sの内圧との差圧が所定値以上となって、ダイアフラム34La,34Raが変形しマイクロスイッチ34Lb,34Rbを押して差圧スイッチ34L,34Rがオンする。
一方、右バーナ20Rの炎口が詰まり始めると、右バーナ検圧導管36Rでの内圧とファン検圧導管35での内圧とがほぼ等しくなり(これらの差圧が所定値未満となり)、右ダイアフラム34Raが元の形状に戻って右マイクロスイッチ34Rbを押さなくなり差圧スイッチ34Rがオフになる。また、左バーナ20Lが閉塞すると、差圧スイッチ34Lがオフになる。また、左右両方のバーナ20L,20Rが閉塞する場合や、排気ダクト33が閉塞する場合には、左右両方の差圧スイッチ34L,34Rがオフになる。
【0091】
図16は、この差圧スイッチ34を用いてコントローラ100が行う閉塞検出制御のフローチャートである。
コントローラ100は、ターボファン71の回転数が目標回転数の80%以上になると、先ず差圧スイッチ34L,34R(図16では、SW1,SW2として示す)からの信号を読み込む(S1)。
SW1,SW2の両方がオンであれば、バーナ20や給排気流路は閉塞していないとしてステップ1に戻って閉塞検出制御を繰り返す。
SW1,SW2の少なくとも一方がオフであればSW1,SW2のオン・オフ状態に応じて異常判別をしてステップ4〜6へ進む(S3)。
【0092】
ステップ3において、SW1がオフでSW2がオンである場合には、左バーナ20Lが閉塞していると判断して、左バーナ20Lの閉塞を示すエラーコードをコントローラ100の図示しないディスプレイに表示すると共に警報アラーム(図示略)を鳴らし(S4)、左バーナ20Lへの燃料ガスの供給を停止する(S7)。
【0093】
一方、SW1がオンでSW2がオフである場合には、右バーナ20Rが閉塞していると判断して、右バーナ20Rの閉塞を示すエラーコードを表示すると共に警報アラームを鳴らし(S5)、右バーナ20Rへの燃料ガスの供給を停止する(S7)。
【0094】
また、SW1,SW2の両方がオフである場合には、排気ダクト33または左右両方のバーナ20L,20Rが閉塞しているとして、排気流路の閉塞を示すエラーコードを表示すると共に警報アラームを鳴らし(S6)、左右両方のバーナ20L,20Rへの燃料ガスの供給を停止する(S7)。
【0095】
この閉塞検出制御処理によれば、片方のバーナが閉塞する場合においても、コントローラ100は、左右それぞれのバーナ20L,20Rの詰まり具合を個別に把握して、エラーコードによりその旨を報知することで、メンテナンスの必要な方のバーナを知らせることができる。つまり、エラーコードから閉塞原因の見当がつき、閉塞とは関係ない部品(例えば、右バーナ20Rの閉塞を示すエラーコードが表示される場合では、左バーナ20Lや排気ダクト33)の点検を省略でき、メンテナンスの作業時間が短縮される。
【0096】
そして、コントローラ100は、左右のバーナ20L,20Rおよびその給排気流路の少なくとも一方が閉塞されていると判断する場合には、閉塞と判断されたバーナ20へは燃料ガスを供給させないため、燃焼不良を防止できる。
また、片方のバーナ20(例えば、右バーナ20R)のみ閉塞していると判断される場合には、閉塞していないバーナ(左バーナ20L)の燃焼を継続できる。このため、閉塞したバーナ(右バーナ20R)の修理を待たなくても、片方の油槽(左油槽10L)では調理を行うことができる。
このように個々のバーナ20の閉塞判断を各差圧スイッチ34からの信号の判別のみで簡単に実施できる。
また、こうしてバーナ20の閉塞を検知するため、炎口詰まりしやすい全一次空気式プレートバーナを安心して用いることができ、燃焼面の向きを自由に配置できるという利点を活かすことができる。
また、ターボファン71の噴出口71aでの風圧は、同じ送風量の場合に従来から用いられるシロッコファンよりも高いため、大きな差圧が得られ、閉塞検知の精度が高くなる。
【0097】
次に、器具の断熱構造について説明する。
バーナケース80と油槽10との間には、図1,図2に示すように、全周に渡ってセラミックウール製の外側断熱材86bがそれぞれ設けられる。また、後面部14には、後ろ側の外側断熱材86bに面接触して覆う金属製の耐熱板91が設けられる。一方、左右側面部15,16と左右両側の外側断熱材86bとの間には、左右側面部15,16の段部15a,16aの下方で、同じくセラミックウール製の内側断熱材86a(図9では、太い破線内のハッチング部)と、内側断熱材86aの下面と内側の側面とに面接触して覆う金属製の耐熱板93とが設けられる。この耐熱板93の内側側面には、断面L字形状の整流板39がビス止めされ、整流板39の一端が左右側面部15,16と線接触している。
【0098】
バーナ20から発生した燃焼ガスは、燃焼室29から器体外へ排出される際に排気通路30を通って、整流板39によって整流されながらフィン41,42および油槽10の壁面と熱交換して油槽10内の調理油を加熱する。この燃焼ガスの通過により排気通路30が加熱されるが、内側断熱材86a,外側断熱材86bによって本体ケース2の外壁への伝熱が抑制される。
また、内側断熱材86a,外側断熱材86bは、耐熱板93,91によってそれぞれ覆われるため、燃焼ガスによって直接加熱されることはなく、剥離してしまうほど脆くはならない。仮に劣化して剥がれやすくなっても、耐熱板93,91で覆われているため、その破片が排気通路30内を流れて器体外へ排出されることはない。また、内側断熱材86a,外側断熱材86bが倒れないため、排気通路30内で障害物になることもない。
従って、排気抵抗は増加せず、燃焼不良が起きにくくなって安全である。
【0099】
ところで、この排気通路30は、燃焼ガスから排気通路壁面への熱伝達を促進するために、通路を狭くしていることから、内側断熱材86a,外側断熱材86bの剥離や倒れにより排気通過抵抗に影響が出やすいが、耐熱板93,91によってこれらを防止しているため、高い熱効率を維持したまま排気抵抗の増加を防ぐことができる。
【0100】
次に、温度センサーを保護する構成について説明する。
各油槽10L,10Rの前面部13には、図1,図7に示すように、油槽10内の調理油の温度を検出する温度センサー53と、その直上に上から見てU字形状の保護環54とがそれぞれ溶接される。
また、各油槽10内には、複数の金属丸棒を溶接して形成される底網44が設けられる。この底網44は、バスケット43を支持する平坦な載置部44aと、この載置部44aの前部中央に前方へ上り傾斜して形成されるガード部44bとから構成される。
載置部44aは、油槽10の左側面部15,右側面部16に形成される段部15a,16aと、油槽分割板10aに設けられた左右の底網支え10bとによって支えられる。
一方、ガード部44bは、保護環54の上方で油槽10の前面部13まで延び、上から見ると保護環54よりも幅が大きいコの字形状をしている。
【0101】
このように、温度センサー53の上方には、底網44の載置部44aから延びたガード部44bが油槽10の前面部13まで前方上り傾斜した状態で配置されているため、油槽10にバスケット43を無造作に沈めても、バスケット43は、ガード部44b上を滑って底網44の所定位置に案内される。従って、バスケット43がガード部44bにひっかからないように注意を払わなくてもよく、使い勝手がよい。
こうして、バスケット43を正しい位置に配置するため、常に均一に食材を調理できる。
【0102】
また、食材を投入する度にバスケット243がガード部44bにぶつかるような落とし込みが行われて次第にガード部44bが変形しても、底網44を新品と交換するだけで、簡単に温度センサー53の保護機能を維持できる。
【0103】
また、油槽10の掃除の際に底網44を外しても、掃除道具が温度センサー53に当たることを保護環54によって防ぐことができる。このようにして、温度センサー53は、調理の際にも掃除の際にも保護される。
また、ガード部44bが載置部44aから上方に延びてハンドルのように形成されているため、ガード部44bを持って底網44を油槽10から簡単に取り出すことができる。
【0104】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、本発明をフライヤーに代えてゆで麺機等の他の液体加熱調理器に適用してもよい。
また、底網44のガード部44bを側面から見て曲折した形状にせず真っ直ぐにしてもよい。
また、本実施形態のフライヤー1は、液槽が左右に分割されたスプリットバットタイプであるが、液槽が分割されないフルバットタイプに本発明を適用しても構わない。
尚、本発明の加熱媒体は調理油に相当し、また、液槽は油槽10に、加熱手段はバーナ20に相当する。
【0105】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1の液体加熱調理器によれば、温度センサーは、底網に形成されたガード部によりバスケットとの衝突から保護され、破損を防止でき、しかも、ガード部が変形しても底網を交換することによりガード機能を維持できる。
【0106】
更に、本発明の請求項2の液体加熱調理器によれば、バスケットがガード部により正しい位置に案内され、常に均一な調理を行うことができる。
また、バスケットを沈める位置に注意を払わなくてもすみ、使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態としてのフライヤーを側面から見た断面図である。
【図2】一実施形態としてのフライヤーを正面から見た断面図である。
【図3】一実施形態としてのフライヤーの一部の分解斜視図である。
【図4】一実施形態としてのバーナとその周囲の部品を正面から見た断面図である。
【図5】一実施形態としてのフライヤーの一部を側面から見た断面図である。
【図6】フライヤーの一部を側面から見た説明図である。
【図7】一実施形態としてのフライヤーの底網を載置した油槽を上から見た断面図である。
【図8】一実施形態としてのフライヤーの概略説明図である。
【図9】一実施形態としてのフライヤーを側面から見た断面図である。
【図10】一実施形態としての給油弁を側面から見た断面図である。
【図11】一実施形態としてのフライヤーの点火電極ロッドとその周囲の部品を側面から見た断面図である。
【図12】一実施形態としての給油弁の閉弁時の斜視図である。
【図13】一実施形態としての給油弁の開弁時の斜視図である。
【図14】一実施形態としてのフライヤーの一部の分解斜視図である。
【図15】一実施形態としてのフライヤーを正面から見た断面図である。
【図16】一実施形態としてのフライヤーの閉塞検知制御のフローチャートである。
【図17】従来例としてのフライヤーの一部を側面から見た断面図である。
【図18】従来例としてのフライヤーの一部の側面から見た断面図である。
【符号の説明】
1…フライヤー、2…本体ケース、2b…ケース底面部、10…油槽、11…底面部、20…バーナ、20a…フランジ、22…セラミックプレート、23…バーナ本体、27…燃焼室仕切棒、29…燃焼室、30…排気通路、31…左右通路、34L,34R…差圧スイッチ、35…ファン検圧導管、36…バーナ検圧導管、40…固定具、41…側部フィン、42…後部フィン、43…バスケット、44…底網、44a…載置部、44b…ガード部、45…密閉接手、45b…締結孔、46,96…グラファイトパッキン、47,112,114…Oリング、48…第1固定部材、48a…ターゲット部、49…第2固定部材、50…点火確認窓、51…点火電極ロッド、52…フレームロッド、53…温度センサー、54…保護環、55…弁体、57…弁体レバー、58…支持筒体、58c,58d…前後突起部、59…板バネ、59c,59d…前後係合部、60…濾過装置、65…給油弁、66…給油管、67…リンクレバー、68…操作レバー、70…供給部、71…ターボファン、71a…噴出口、72L,72R…送風管、73…シリコンチューブ、76…上流ガス管、77…下流ガス管、77b…袋ナット、80…バーナケース、82…下板、83…前板、83c…挿入面部、83d,83e…遊挿孔、85…前開口部、90…レール、92…熱膨張パッキン、95…蓋体、95a,95b…蓋体遊挿孔、95c…外側窓、97…ビス、100…コントローラ、110…スライド連結部、G…隙間、S1…スペース。
【発明の属する技術分野】
本発明は液槽に満たされた調理油や水等の加熱媒体をバーナ等の加熱手段により加熱してポテト等の食材を調理するフライヤーやゆで麺機等の液体加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ファーストフード店等の外食産業においては、ポテトやチキン等の揚げ物調理に業務用フライヤーが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
図18に示すように、フライヤー201は、調理油が満たされた油槽210の外側からバーナ220を燃焼させて調理油を加熱し、食材を入れたバスケット243を油槽210の底部に設けられる底網244に載置して食材を揚げる。
この油槽210の前壁213には、底網244の上方でかつバスケット243の手前で調理油の温度を検出する温度センサー253と、温度センサー253の上方に設けられバスケット243を沈める際に温度センサー253との接触を防ぐU字状の保護環254とが溶接される。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−43063号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、食材を投入する時、毎回バスケット243が保護環254にぶつかるような落とし込みが行われると、保護環254が変形し、ついには温度センサー253を保護できなくなってしまう。早めに保護環254を交換すれば温度センサー253を保護できるものの、保護環254が油槽前壁213に溶接されているため、油槽210ごと交換しなければならず、非常にコスト高となる。しかも、バスケット243が保護環254にひっかかった状態(図18中、破線)で調理されると、調理むらができてしまう。
本発明の液体加熱調理器は上記課題を解決し、温度センサーの損傷を防止し、均一に調理することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の液体加熱調理器は、
加熱媒体が満たされる液槽と、該液槽内の加熱媒体を加熱して食材を調理する加熱手段と、該食材を収容して該液槽内の該加熱媒体内に沈めるためのバスケットと、該液槽内に設けられ該バスケット用の載置部を形成した着脱可能な底網と、該載置部より上方で該液槽の壁面に設けられ該加熱媒体の温度を検出する温度センサーとを備えた液体加熱調理器において、
上記バスケットが上記温度センサーに衝突することを防止するガード部を上記底網に形成したことを要旨とする。
【0006】
また、本発明の請求項2記載の液体加熱調理器は、上記請求項1記載の液体加熱調理器において、
上記バスケットを上記載置部へ案内するように、上記ガード部を上記温度センサーより上方の上記液槽壁面まで上り傾斜して延ばしたことを要旨とする。
【0007】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の液体加熱調理器によれば、バスケットが温度センサーに向けて落とし込まれても、底網に形成されたガード部により、バスケットと温度センサーとの衝突が防止される。
そして、ガード部が変形した場合には、底網を交換することで簡単にもとのガード機能が維持される。
【0008】
また、本発明の請求項2記載の液体加熱調理器によれば、食材の投入時にバスケットが無造作に沈められても、バスケットは、傾斜したガード部を自然に滑り落ちて正しい位置に載置される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の液体加熱調理器の好適な実施形態について説明する。
【0010】
本発明の一実施形態としての業務用フライヤーについて図1〜図17を用いて説明する。このフライヤーは、油槽(バット)を左右に分割したスプリットバット式であり、各油槽で異なる食材を同時に調理できる。以下の説明および図において左右が対称であるときは符号の末尾にL,Rを付けるが、左右を区別しない場合には省略する。
【0011】
フライヤー1は、図1に示すように、器具上部に設けられ調理油を満たす油槽10と、後述の油槽底面部11に外側から対向して設けられ調理油を加熱するバーナ20と、油槽10と下部でネジ止めにより一体化されバーナ20を収納支持するバーナケース80と、バーナ20へ燃焼用空気,燃料ガスを供給する供給部70と、バーナ20からの燃焼ガスを器体外へ導くと共にその途中で調理油を加熱する排気通路30と、調理時間や調理温度を制御するコントローラ100と、油槽10の下方に設けられ調理油を濾過する濾過装置60とを本体ケース2内に備える。
【0012】
油槽10には、図2〜図4に示すように、上端全周を外側へ曲折させたフランジ17が形成され、また、油槽10を左右の左油槽10Lと右油槽10Rとに分割する油槽分割板10aが設けられる。
この油槽10を構成する壁面は、大別すると底面部11,油カス収納部12,前面部13,後面部14,左側面部15,右側面部16からなる。
油槽10の左側面部15,右側面部16には、排気通路30を形成する段部15a,16aが形成される。また、油槽分割板10aには、後述する底網44を支える上から見てU字状の底網支え10bが、段部15a,16aと同じ高さ位置に左右に設けられる。また、前面部13には、図1に示すように、後方へ下り傾斜した前傾斜部13aが形成される。
【0013】
油槽10の底面部11は、前面部13の下端から後方に下り傾斜した平面で、その後方端には後面部14との間に油カスを収納する油カス収納部12が形成される。この油カス収納部12は、左右方向に延びた溝状に形成される。
【0014】
本体ケース2には、バーナケース80と一体化した油槽10のフランジ17を前側上部と左右両側上部で支持するための載置面部2cが形成される。この載置面部2cの開口となる上開口部2dは、油槽10とバーナケース80とを落とし込みやすいように、前後方向において油槽10の壁面およびバーナケース80よりやや大きめに形成される。
また、本体ケース2には、正面に扉2aが設けられる。尚、図1の左側が器具の正面であり、作業者が調理作業を行うエリアとなる。
【0015】
バーナケース80は、図2に示すように、バーナ20を所定位置に固定するものであり、油槽10の側面部15,16に所定間隔をあけて対向する側板81と、側板81の下端で固定され油槽底面部11(図1)と略平行に形成される下板82と、側板81と下板82とにより前部に形成されるバーナ20の出入口部となる前開口部85(図3)を覆い側板81,下板82に固定される前板83と、油槽10の後面部14に固定されコの字状に上下を曲折した後板84(図1)とから構成される。
【0016】
このバーナケース80は、その構成板81〜84をボルト,ナットによりそれぞれ固定して気密に形成される。側板81の上端は、図2に示すように、左右側面部15,16に段部15a,16aより上部で固定される。
【0017】
バーナ20は、図1に示すように、複数の炎口を形成したセラミックプレート22を燃焼面(炎口面22a)として備えた全一次空気式バーナで、その燃焼面が油槽10の底面部11から所定間隔をあけ向い合って設けられ、両者間に燃焼室29を形成する。つまり、炎口面22aは、油槽底面部11と同様に後方に下り傾斜している。このバーナ20は、後で詳述するが、バーナケース80から着脱自在に設けられる。
【0018】
燃焼室29には、セラミックプレート22に臨んで、バーナ20に点火させる点火電極ロッド51と火炎状態を検知するフレームロッド52(図14,図15)とが設けられる。点火電極ロッド51とフレームロッド52とは、同一部品で構成され、両者を区別するために点火電極ロッド51の末端には識別接手98が嵌着される。
【0019】
図4は、フライヤー1の一部を正面からみたA−A断面図(切断線A−Aは図1を参照)で、バーナ20とその周囲の部品を詳細に示している。
バーナ20は、上面が開口した平たい箱状のバーナ本体23と、バーナ本体23の上面を覆うセラミックプレート22とを備え、これらの間に、燃料ガスと燃焼用空気とを混合させる混合室21が形成される。
【0020】
バーナ本体23には、上端全周を外側へ曲折させて段部23aが形成され、更にこの段部23aの上端を外側へ曲折させて左右両端部23b,前端部23c,後端部23d(図1,図3)が形成される。バーナ本体23の底面部23gは、油槽底面部11と略平行に、つまり、後方下り傾斜して形成される。
左右両端部23bは、図3に示すように、前後方向に延び、後述する左右の外押さえ板26の下端面26aと溶接され、バーナ20のフランジ20aとして形成される。
【0021】
また、前端部23c,後端部23dは、図1,図3,図5に示すように、それぞれ下方に折り曲げられてバーナ本体23の取付面を形成し、後端部23dは、図3に示すように、取付面の左右両端に溝23eが形成され、後述するレール90に後端部23dが当たらないようにしている。
また、バーナ本体23の前面には、入口部23fが開口される。
また、バーナ20の前後には、燃焼排気漏れを防ぐ前後パッキン87が設けられる。
【0022】
また、バーナ本体23の底面中央には、図4に示すように、混合室21を左右の左混合室21Lと右混合室21Rとに分割する混合室分離台24が溶接されており、この混合室分離台24の上部の左右両側には段部24aが形成される。セラミックプレート22は、図3,図4に示すように、前後左右6枚に分割されており、それぞれ中央の混合室分離台24の段部24aと左右外側のバーナ本体23の段部23aとに載置される。このようにして、バーナ20は、左バーナ20Lと右バーナ20Rとに左右に分割される。
【0023】
混合室分離台24には、バーナ20の後部まで延びて中央に溝部を形成した内押さえ板25が載置され、また、バーナ本体23の左右両端部23bには、バーナ20の後部まで延びた外押さえ板26が溶接される。セラミックプレート22は、この内押さえ板25と外押さえ板26とによって、上から左右両端が押さえられる。
【0024】
内押さえ板25には、前後方向に分割されたセラミックプレート22間の火移りをさせる火移り板25aが上部に形成される。
また、内押さえ板25の中央溝部には、バーナ20を収納したとき燃焼室29を左燃焼室29Lと右燃焼室29Rとの左右に分割するようにバーナ20の後部まで延びたセラミックウール製の燃焼室仕切棒27が、上からはめ込まれる。この燃焼室仕切棒27には、その上面部と略同一形状の熱膨張パッキン92が載置され、この熱膨張パッキン92の成分には、加熱されると膨張するバーミキュライトが含まれる。尚、バーナ20の収納時には、油槽10の底面部11と熱膨張パッキン92との間に隙間Gが形成されている。
【0025】
バーナケース80の側板81には、図4に示すように、内側で前後方向に延びバーナ20を前後方向にスライドさせるレール90が形成される。このレール90は、バーナ20のフランジ20aを支持する下レール90bと、バーナ20が油槽10の底面部11に当たらないように上方向の動きを制限する上レール90aとから構成される。
【0026】
バーナ20は、図3に示すように、レール90に案内されて前開口部85からバーナケース80に収納される。この時、バーナケース80は、図4に示すように、バーナ20,レール90により上下に分割されて、セラミックプレート22の燃焼面と油槽10の底面部11との間に形成される燃焼室29と、バーナ本体23の底面部23gとバーナケース80の下板82との間に形成される下チャンバー88(非燃焼室)とが形成される。
【0027】
また、バーナ本体23内には、図1,図4に示すように、バーナ本体23の前面から混合室21の中央まで延びたスロート上板28a,スロート下板28bで構成されるスロート28が設けられ、燃料ガスと燃焼用空気とを混合しながらバーナ20の中央へ導く。
【0028】
バーナ20からの燃焼ガスを器体外へ導く排気通路30は、図1,図2に示すように、油槽10の前方下部に設けられた燃焼室29に連通し油槽10の左右外側に設けられる左通路31L,右通路31R(総称して左右通路31)と、左右通路31に連通し油槽10の後方に設けられる後部通路32と、後部通路32に連通し上部が開口した鉛直方向に延びる排気ダクト33とから構成される。
【0029】
左右通路31は、図2に示すように、側板81,後板84と油槽10の左右側面部15,16とで囲まれる空間により形成される。この左右通路31内には、左右側面部15,16に、断面コの字形状の側部フィン41が上下にそれぞれ水平に並んで面接触した状態で溶接される。
【0030】
一方、後部通路32は、図1,図2に示すように、油槽10の後面部14と後板84とで囲まれる空間により形成される。この後部通路32内には、後面部14に、左右両側にそれぞれ列をなし中央側へ上り傾斜して平行に並んで断面コの字形状の斜め後部フィン42aと、油槽10の側面部15,16近傍に鉛直方向に延びた断面コの字形状の鉛直後部フィン42bとがそれぞれ面接触した状態で溶接される。
これらのフィン41,42は、燃焼ガスと調理油との熱交換を促進する。
【0031】
このように排気通路30が油槽10の周囲を囲むように形成されるため、燃焼ガスからの受熱面積が大きくなり、熱効率が高くなって省エネとなる。
この結果、バーナ20を1箇所に設けるだけでも十分に調理油を加熱でき、複数のバーナユニットを必要とせず、製造コストを抑えることができる。
【0032】
また、側面部15,16,後面部14には、側部フィン41,斜め後部フィン42aが設けられるため、上昇する高温の燃焼ガスを後部通路32へ導くと共に、各フィン41,42の受熱面全体に確実に接触させることができる。この結果、燃焼ガスと調理油との熱交換が非常に促進されて熱効率が良くなる。
更に、左右通路31は、油槽10の左右側面部15,16の段部15a,16aの下方に形成されるため、油槽10上部の幅からはみ出すことがなく、器具がコンパクトになる。
【0033】
次に、バーナケース80の前板83およびその周囲の部品について説明する。バーナケース80の前板83の上部83aは、図1に示すように、側板81よりも更に上方に延び、油槽10の前面部13の前傾斜部13aから所定間隔をあけて形成される。
一方、前板83の下部は、図5に示すように、後方下り傾斜したバーナ20の炎口面22aと垂直となるように、つまり、後方上り傾斜するように、前板83を折り曲げて形成される。
【0034】
この前板83の下部は、ビス止めにより点火電極ロッド51とフレームロッド52(図14)とをバーナ20の炎口面22aと平行に挿入する挿入面部83cとして形成されたものであり、図3,図14に示すように、点火電極ロッド51とフレームロッド52とを後述する第1固定部材48と共に遊挿するために第1固定部材48よりも大きな長方形の遊挿孔83d(中央側),83e(左右外側)がそれぞれ形成される。つまり、点火電極ロッド51が中央側に、フレームロッド52が左右外側に遊挿されることになる。
更に、この挿入面部83cには、バーナ20の点火を確認するための長方形の点火確認窓50と、後述する混合管74を挿通するための円形の挿通孔83bとが形成される。
【0035】
バーナ本体23の前端部23cの上面には、図11,図14に示すように、点火電極ロッド51,フレームロッド52をそれぞれバーナ20に固定することにより位置決めする固定具40がそれぞれ設けられ、この固定具40は、ロッド51,52を挿通させる第1固定部材48と、第1固定部材48をバーナ20に固定させる第2固定部材49と、ロッド51,52を手前側から被せて装着する押さえ板94とからなる。
【0036】
第1固定部材48は、1枚の板をコの字状に曲折して形成され、ロッド51,52をそれぞれ挿通させて位置決めする円形の位置決め孔48aを形成した鉛直面部48cと、点火電極ロッド51のスパーク用のターゲット部48bと、これらを繋ぐ繋ぎ部48dとからなる。
【0037】
一方、第2固定部材49は、水平面部49aと鉛直面部49bとを備えた断面L字形状の板材であり、この水平面部49aが前端部23cの上面に上方からビス止め固定され、また、鉛直面部49bによって第1固定部材48の鉛直面部48cが正面からビス99によって固定される。
ロッド51,52にはフランジ51aがそれぞれ形成され、押さえ板94は、このフランジ51aを第1固定部材48の鉛直面部48cに当てて手前側から押さえた状態で、正面からビス止めされる。
【0038】
また、前板83の挿入面部83cには、遊挿孔83d,83eの両方を外側から覆う正面からみて楕円形状の蓋体95(図15)が設けられ、この蓋体95は、側面からみて略台形状の絞り加工をした板材である。
この蓋体95の外周部となる平坦な取付面部95dは、取付面部95dの裏側に設けられる環状のグラファイトパッキン96を介して、上部がナットで締められると共に、下部がバーナ本体23の前端部23cとビスで共締めされる。この蓋体95には、点火電極ロッド51,フレームロッド52を遊挿する蓋体遊挿孔95a,95bが形成されると共に、前板83の点火確認窓50に対向する長方形の外側窓95cが形成される。この蓋体95の内側には、各押さえ板94を覆うセラミックウール製の前断熱材86cが1枚設けられる。
【0039】
蓋体95には、蓋体遊挿孔95a,95bと各ロッド51,52との隙間を埋める真鍮製で略円筒形状の密閉接手45がそれぞれ設けられ、ビス97により蓋体95のビス孔95eにおいて固定される。密閉接手45には、このビス97を遊挿させる締結孔45bがビス孔95eよりも大きく形成されており、バーナ本体23に固定される各ロッド51,52の位置が密閉接手45によって制限されないよう構成されている。
この密閉接手45には、各ロッド51,52を挿通するロッド挿通孔45aが形成され、このロッド挿通孔45aの内周面には各ロッド51,52との隙間を埋めるOリング47が填められ、また、密閉接手45の蓋体95との当接面には蓋体95との隙間を埋める平坦な環状のグラファイトパッキン46が填められる。
【0040】
図17は、出願人が先に出願したフライヤーの一部を側面から見た断面図であり、点火電極ロッド251とフレームロッド(図示略)とを前板283の挿通孔283dに挿通してフランジ251aで前板283に固定すると共に、点火電極ロッド251のターゲット板248をバーナ220に固定した状態を示している。
このフライヤーでは、各フランジ251aと前板283との間にセラミックウール製の排気漏れ防止板245が挟まれ、挿通孔283dから燃焼室229内の燃焼排気が漏出することを防止している。
しかしながら、排気漏れ防止板245がセラミックウール製で厚みが変化しやすいため、ロッドの先端位置がずれやすい。しかも、バーナ220と前板283との間には多くの部品が介在されているため寸法誤差が累積してこれらの位置がずれやすく、前板283に固定されたロッドとバーナ220との位置関係がずれてしまう。しかし、ロッドは前板283に固定されているため、位置ずれを調整できず、点火の失敗や火炎状態の誤検知をする可能性があった。
【0041】
これに対して本実施形態のフライヤー1では、図14に示すように、バーナケース80の挿入面部83cの遊挿孔83d,83eが第1固定部材48よりも大きく形成されており、しかも、蓋体95の蓋体遊挿孔95a,95bが点火電極ロッド51およびフレームロッド52よりも大きく形成されているため、各ロッド51,52は、遊挿孔83d,83eおよび蓋体遊挿孔95a,95bによって位置決めされることなく、バーナ20に固定された固定具40によって位置決めされる。
この結果、燃焼室29の壁面である前板83とバーナ20との間で多少の寸法誤差があって正規の位置より互いにずれても、点火電極ロッド51とバーナ20との位置関係、およびフレームロッド52とバーナ20との位置関係がずれることはない。
【0042】
本実施形態では、位置関係を正確にするために様々な隙間が形成されているが、次の様なシール構造により、燃焼ガスの漏出を防止している。
つまり、ロッド挿通孔45aと点火電極ロッド51,フレームロッド52との間に形成される隙間をOリング47でシールし、また、蓋体遊挿孔95a,95bと密閉接手45との間に形成される隙間をグラファイトパッキン46でシールし、更に、挿入面部83cの遊挿孔83d,83eと蓋体95の取付面部95dとの隙間をグラファイトパッキン96でシールする。
この結果、排気漏れすることなく点火電極ロッド51およびフレームロッド52をバーナ20に対して正確に位置決めできる。従って、点火性能や火炎の検知精度が向上する。
【0043】
フライヤー1を長期間使用しているうちに点火電極ロッド51やフレームロッド52の修理が必要になった場合には、先ず、本体ケース2の正面に設けられた扉2a(図1)を開ける。
次に、密閉接手45のビス97を外して密閉接手45を各ロッド51,52から引き抜いた後で蓋体95およびその内側の前断熱材86cを外す。
そして、修理したい方のロッドを位置決めしている第1固定部材48と第2固定部材49とを固定するビス99を正面から外して、そのロッドを取り付けたまま第1固定部材48を前板83の遊挿孔(83dあるいは83e)から取り出す。
【0044】
このように、バーナケース80から前板83を外さずに、しかも、バーナ20を丸ごと器具から取り外さずに、ロッド51,52をバーナ20から簡単に着脱できるため、メンテナンス作業がしやすい。
更に、ロッドを第1固定部材48から外さずに器具から取り出すことができるため、点火電極ロッド51を点検する際に、ターゲット部48bとの位置関係を崩すことなく、第2固定部材49を介して再びバーナ20に固定することができる。
【0045】
また、Oリング47は、断面が円形であるためロッド51,52の挿入方向のずれを調整でき、点火性能や炎の検知精度を一層向上できる。
一方、密閉接手45と蓋体95との間および蓋体95と燃焼室壁面となる挿入面部83cとの間に設けられたグラファイトパッキン46,96は、耐熱性があるため、挿入面部83cや蓋体95が高温になっても熱変形しない。従って、熱変形による隙間が生じることはなく、確実に排気漏れを防止できる。
加えて、グラファイトパッキン46,96やOリング47のシール材は、セラミックウールのように脆くはないため、密閉接手45や蓋体95を取り外してもシール材の形状を維持でき、何度も繰り返して使用できる。従って、メンテナンスの度にシール材を交換する必要がない。
【0046】
また、点火電極ロッド51とフレームロッド52とを同一部品で構成して、これらの固定具40も同一部品で構成しているため、部品の共通化によりこれらの製造コストを低く抑えることができる。また、点火電極ロッド51は、フレームロッド52に識別接手98を設けたものであるため、ロッドに接続するコードの取付間違いを簡単に防止できる。
しかも、製品開発時において、バーナ20における燃料ガスの分布に応じて、点火性能の良いロッドの方に(例えば右側のロッドに)点火電極ロッド用コードを接続して点火電極ロッドとして用いたり、また、火炎検知性能の良いロッドの方にフレームロッド用コードを接続してフレームロッドとして用いることができるため、わざわざ点火電極ロッド,フレームロッド,固定具を着脱しなくてもよい。
【0047】
また、点火確認窓50が、図3に示すように、後方上り傾斜した挿入面部83c上に形成されるため、メンテナンス作業者は、点火時の様子や火炎状態を点火確認窓50よりも高い位置から斜め下方向(図1中、矢印)に見ることができ、低い姿勢にならなくても良好に確認できる。
【0048】
また、作業者は、バーナ20や点火電極ロッド51,フレームロッド52をメンテナンスするために、挿入面部83cに対して垂直方向にドライバー等の工具を保持するが、挿入面部83cが後方上り傾斜しているため力がかけやすく、ロッド51,52を容易に着脱できる。また、この挿入面部83cが見やすいため作業しやすい。
このようにして、楽な姿勢でメンテナンス作業を行うことができる。
更に、挿入面部83cがバーナ20の炎口面22aと垂直に形成されるため、ロッド51,52を炎口面22aと平行でかつ挿入面部83cと垂直な状態で挿入でき、炎口面22aとの位置決めが正確になる。
【0049】
次に、左右のバーナ20L,20Rへそれぞれ燃料ガスと燃焼用空気を供給する供給部70について説明する。
供給部70は、図1に示すように、燃料ガス供給部70Gと、空気供給部70Aと、燃料ガス供給部70Gおよび空気供給部70Aの合流部としての混合供給部70Mとからなる。尚、70G,70A,70Mの符号の末尾は、GAS,AIR,MIXの頭文字である。
【0050】
混合供給部70Mは、図5に示すように、燃料ガス供給部70Gから燃料ガスが導入されるガス導入口74aと、空気供給部70Aから燃焼用空気が導入される空気導入口74cとを備え、混合気をバーナ20に送るU字状の混合管74により構成される。混合管74の下流側には、前板83とビス止めされるフランジ74bが形成される。この混合管74は、前板83の挿通孔83bとバーナ本体23の入口部23fとに挿通され、バーナ20のスロート28に当接させることにより混合気流路としてスロート28と一体化されるものである。
【0051】
空気供給部70Aは、図1,図15に示すように、上流側から、1台のターボファン71,ターボファン71の噴出口71aに接続される給気分配器89,この給気分配器89から分岐して左右の混合管74L,74Rにそれぞれ接続される左右の送風管72L,72Rを備える。
この送風管72L,72Rは、バーナケース80の下板82と略平行に延びてつまり、後方下り傾斜して形成され、その上流端には給気接手89aが2つ設けられ、一方、下流端には可撓性のシリコンチューブ73L,73Rが設けられる。また、ターボファン71は、本体ケース2の底面となるケース底面部2b上の後方位置に配置される。
【0052】
燃料ガス供給部70Gは、図1に示すように、上流側から、ケース底面部2bに設けられ燃料ガスの供給・停止を制御するガス制御部75と、前後に2分割された上流ガス管76,下流ガス管77とを備える。
【0053】
下流ガス管77には、図5に示すように、その下流端に、ガスノズル78が混合管74の側面に臨んで嵌着されると共に、その近傍にフランジ77cが形成され、フランジ77cより下流端側にOリング114が填められる。一方、下流ガス管77の上流端には、Oリング112を外周に備えた大径筒部77dが形成される。
この下流ガス管77は、混合管74のガス導入口74aにフランジ77cを当接させて袋ナット77aにより接続され、Oリング114によりガス導入口74aと下流ガス管77との隙間がシールされる。
【0054】
上流ガス管76は、前後方向に長く延びた下流側の水平部76aと、上流側の鉛直部76b(図1)と、水平部76aの先端に溶接され下流ガス管77の大径筒部77dより大きな外径を有し外周が溝切り加工されたネジ筒部76cとから構成される。このネジ筒部76cに下流ガス管77の大径筒部77dを挿入することにより、下流ガス管77が上流ガス管76に前後に摺動可能に接続されると共に、袋ナット77bによって、上流ガス管76が下流ガス管77から抜けることを防止している。
このネジ筒部76cと大径筒部77dとOリング112とによりスライド連結部110が構成され、シール性を維持した状態で下流ガス管77を上流ガス管76に対してスライド自在に連結している。
【0055】
このように構成されたフライヤー1では、バーナ20の修理が必要になった場合には、図1,図5に示すように、本体ケース2の扉2aを開けた後、上流ガス管76のネジ筒部76cに嵌着される下流ガス管77の袋ナット77bを緩めると共に、混合管74のフランジ74bのビスを外して、下流ガス管77と一体になった混合管74をシリコンチューブ73から抜いてバーナケース80の前板83から取り外す。
そして、ビスやナットを外して前板83を本体ケース2から取り出す。次に、図3,図4に示すように、バーナ20のフランジ20aを下レール90b上で滑らせて、バーナ20をバーナケース80の前面の前開口部85から斜め上方向(略水平面上)に引き出して、セラミックプレート22の交換等の修理を行う。
このように、バーナ20を手前にスライドさせるだけで簡単に取り出すことができる。また、バーナ20の故障に対して油槽10ごと新品に交換する必要がなく、そのメンテナンス費用を低減できる。
しかも、バーナケース80の下板82を外す必要がないため、下方からナットを緩める作業がなく、容易にバーナ20を取り出すことができる。
また、バーナ本体23の入口部23fが前面に形成されるため、混合管74を正面から着脱でき、バーナ20のメンテナンスがしやすくなる。
【0056】
また、バーナ20をレール90に沿って手前側にスライドさせるため、軽い力で出し入れできる。しかも、このレール90により、バーナ20と油槽10との位置関係が正確になり、適切な位置で油槽10を加熱して食材を調理できる。
また、バーナ20は、全一次空気式バーナで、燃焼面の向きの制限が少ないため、その出し入れがしやすく良好な調理性能を維持できる位置・向きに配置できる。
【0057】
一般に、ファーストフード店等の厨房ではフライヤー1の前後左右にはスペースがあまり取れないが、バーナ20を油槽10の底面に設けたため、器体をコンパクト化できる。しかも、調理油は、油槽10の下方から加熱されるためスムーズに対流し、食材を均一に加熱調理できる。
また、使用者が調理作業を行う器体正面からバーナ20を引き出すため、新たにバーナ取り出し用スペースを設けなくてもよく、器体の設置場所の自由度が大きい。
【0058】
更に、バーナ20の収納時には、図4に示すように、燃焼室仕切棒27と油槽底面部11との間に隙間Gが形成されるため、バーナ20をスムーズに出し入れできる。
【0059】
そして、バーナ20の燃焼が開始されると、熱膨張パッキン92が加熱されて膨張して隙間Gを塞ぎ、燃焼室29を完全に左右に分離する。
この結果、例えば、左油槽10Lのみで調理を行う場合には、左バーナ20Lから発生した燃焼ガスは全て、左燃焼室29Lから左通路31L,後部通路32内の左側を通って左油槽10Lと熱交換しながら排気ダクト33から器体外へ排出される。つまり、この高温の燃焼ガスが隙間Gから隣の右燃焼室29Rへ漏れ出ることがない。
【0060】
従って、調理を行わず空の状態の右油槽10Rの過熱を防止でき、仮にこの右油槽10Rに調理油が付着していても、右油槽10Rから油煙が発生することはなく、安心して器具を使用できる。
しかも、燃焼ガスが右油槽10Rの加熱に使われることがなく、左油槽10Lの加熱に全ての燃焼ガスを利用できるので、熱効率が高くなり、経済的である。また、バーナ20をバーナケース80に収納するだけで、燃焼室29を燃焼室仕切棒27で簡単に仕切れるため、左右独立した燃焼室を備えたバーナを設ける必要が無く、バーナ20の製造コストを抑えることができる。
【0061】
バーナケース80は、図1に示すように、ケース底面部2bに固定された供給部70との位置関係が前後方向でずれやすい。具体的には、ターボファン71に固定された送風管72の中心軸と、混合管74の上流端の中心軸とがずれやすい。
これは、油槽10は大きく、しかも熱溶接により形成されることから、その構成板が若干上下にずれた状態で溶接されやすいためである。この場合にバーナケース80は、上流ガス管76,送風管72との位置関係がずれる。具体的には、図5に示すように、上流ガス管76の水平部76aの中心軸と下流ガス管77の中心軸とのずれ、および前後方向のずれを生じる。同様に、空気供給路においても、送風管72の中心軸と混合管74の空気導入口74cの中心軸とのずれを生じる。尚、図9は、設計寸法通りに製造されたフライヤーを示している。
【0062】
そこで、本実施形態のフライヤー1では、図1に示すように、空気供給部70Aの送風管72と混合管74の空気導入口74cとをシリコンチューブ73で連結しているため、図1,図9を比較しても分かるように、シリコンチューブ73が3次元的に撓んでずれを吸収して無理なく送風管72を配管できる。この結果、送風管72は、割れたり変形することがなく、空気漏れを防止できる。しかも、シリコンチューブ73という安価な部材で簡単に実施できる。
特に、送風管72は、管径が大きいため、後述する上流ガス管76のように首振りすることができず、空気供給部70Aでのずれを吸収する構成が必要となり、3次元的に撓むことのできるシリコンチューブ73が好適となる。
【0063】
一方、燃料ガス供給部70Gでは、確実にガス漏れを防止する必要があることから、シリコンチューブの代わりに、図5に示すように、スライド連結部110が用いられる。このスライド連結部110によって下流ガス管77を上流ガス管76に対して進退させることで、上流ガス管76と下流ガス管77との合計長さを調節して前後方向のずれを吸収する。
また、この上流ガス管76の水平部76aは、図1,図9に示すように、前後方向に長く延びているため、鉛直部76b上端を支点にして上下左右に首振りすることができ、それに伴って先端のスライド連結部110も上下左右に移動できる。このため、上流ガス管76と下流ガス管77との上下左右のずれを吸収して両者を向い合わせることができる。このようにして、燃料ガス供給部70Gのずれもまた3次元的に吸収できる。
【0064】
この結果、組立性やメンテナンス性が向上すると共に、上流ガス管76,下流ガス管77,混合管74の割れや異常変形によるガス漏れを防止できる。
尚、空気供給部70Aや燃料ガス供給部70Gを分割せずに混合供給部70Mとなる混合管74を分割することも考えられるが、その間をシリコンチューブで連結すると確実なガス漏れ防止が期待できず、一方、スライド連結部で連結すると空気供給部70Aにより動きが拘束されて3次元的にずれを吸収できない。こうしたことから、本実施形態では、混合供給部70Mではなく空気供給部70Aおよび燃料ガス供給部70Gで分割している。
【0065】
次に、空気供給部70Aの左送風管72Lの配設について説明する。
バーナケース80の下板82の下方には、図1に示すように、後方下り傾斜した下板82を斜辺とする三角柱形状のスペースS1が形成される。このスペースS1を利用して左送風管72Lが配設される。
【0066】
送風管72は、図15に示すように、正面から見ると左右で形状が異なり、右送風管72Rが給気分配器89から右シリコンチューブ73Rまで真っ直ぐに延びているのに対して、左送風管72Lは2箇所で90度曲折しており、給気分配器89からスペースS1内まで右送風管72Rと平行に延びた上流部72Laと、スペースS1内で幅方向にバーナケース80の左側の側板81近傍まで延びた中間部72Lbと、スペースS1内で左シリコンチューブ73Lまで右送風管72Rと平行に延びた下流部72Lcとから構成される。
【0067】
送風管72の近傍には、図1に示すように、濾過装置60の合流ボックス61bが下板82から吊設されるため、この合流ボックス61bの後方に左送風管72Lの左右に延びた中間部72Lbを配置すると、メンテナンスの時に邪魔になって左送風管72Lを正面から取り出すことができないが、バーナ20の下方には側面から見て断面三角形状のスペースS1が形成されるため、そのスペースS1を利用して、左送風管72Lの中間部72Lbを器具内で横切らせることができる。
ここで、送風管72のレイアウトについて図6を用いて説明する。図6(a)は後方下り傾斜した油槽底面部11を示し、図6(b)では水平に形成された油槽底面部211を示す。スペースS1は、図6(a)中では太い破線で、図15中ではハッチングで示される。
【0068】
図6(a)の油槽10と同一体積を有し底面部211が水平に形成された油槽210を備えたフライヤー201では、図6(b)に示すように、バーナ220も底面部211と平行に形成されて、バーナケース280の下板282も同様に水平に形成され、この下板282の前部が低くなる。
この結果、図6(a)の左送風管72Lと同じ太さの左送風管272Lを用いようとすると、その中間部272Lbを三角スペースS1よりも低い位置に配置せざるをえず、三角スペースS1より下方の他の部品を避けるために左送風管272Lを何回も曲げる必要があり、給気流路の抵抗が大きくなってしまう。
【0069】
これに対して、本実施形態のフライヤー1では、三角形スペースS1が形成されるため、他部品によってスペースの制限が受けにくく送風管72を比較的自由に配置できる。このようにレイアウトが容易であるため、障害物を避けるために曲がり部を設ける必要がなく、給気抵抗が小さくなってスムーズに給気できる。また、送風管72をスペースS1に収めるため、他の部品のレイアウトが容易になる。
しかも、送風管72を高温の油槽10に近づけて配置できるため、そこを通過する燃焼用空気が周囲の熱を受けてバーナ20へ送られ、熱効率が高くなる。
【0070】
次に、濾過装置60について説明する。
濾過装置60は、図1に示すように、油カス収納部12の前面中央下部から油を排出する排油部61と、フィルター63aを備え排油部61から排出された調理油を濾過する油タンク63と、濾過された調理油を給油管66を介して油槽10へ送り戻すポンプ64とを備える。排油部61は、左右の油カス収納部12に接続される2本の排油管61aと、各排油管61aを流れる油を1箇所に回収するための合流ボックス61bとからなり、合流ボックス61bの底面には、油タンク63のタンク入口63bに対向して排油口61cが1つ形成される。排油管61aと給油管66とには、それぞれ排油弁62,給油弁65が設けられる。この給油管66,給油弁65は、器具後方に配置される。給油弁65における給油管66の管軸方向は、鉛直方向に対して45度傾斜している。
この給油弁65は、器具正面に設けられた操作レバー68の操作によりリンクレバー67を介して開閉される。
【0071】
このようにして開閉される給油弁65は、ボールバルブであり、図10に示すように、円筒状に弁体開口55aを形成した球状で金属製の弁体55と、シート部開口56bを形成した樹脂製のシート部56aとを備える。
尚、図10(a)は給油弁65の閉弁状態を、図10(c)は完全に開弁した状態を、図10(b)はその中間で少し開弁した状態を示している。
【0072】
給油弁65は、図12,図13に示すように、リンクレバー67の後端に固定され弁体55(図10)を直接回動する弁体レバー57と、弁体レバー57を上面部58aで回動支持する円筒形の支持筒体58と、弁体レバー57に固定され支持筒体58の側面部58bに沿って回動する板バネ59とを備える。
【0073】
弁体レバー57は、給油管66の管軸方向に対して平行状態から垂直状態へ回動自在に構成され、支持筒体58の上面部58aに平行なリンク取付部57aと、支持筒体58の側面部58bに対向するバネ取付部57bとを備える。
また、支持筒体58の側面部58bには、前後にそれぞれ突出した前突起部58c,後突起部58dが形成される。
また、板バネ59は、弁体レバー57のバネ取付部57bに固定された固定部59aと、固定部59aから前後に延びて回動により各突起部58c,58dに係合可能な前係合部59c,後係合部59dとを備える。但し、前後係合部59c,59dの両方が同時に係合することはない。
【0074】
油タンク63から油槽10へ給油しない通常時、つまり、給油弁65の閉成時では、図1に示すように、操作レバー68が鉛直状態になっており、リンクレバー67によって操作レバー68と連結された弁体レバー57は、図12に示すように、後ろ下方向を向いている(図1では実線)。この時、弁体レバー57に固定された板バネ59の前係合部59cは前突起部58cに係合している。一方、後係合部59dは、支持筒体58の後突起部58dに係合していない。
従って、通常時には、前係合部59cと前突起部58cとの係合により弁体レバー57の回動開始抵抗を大きくしているため、リンクレバー67や操作レバー68の自重によって給油弁65が知らないうちに開いてしまうことがない。
【0075】
特に、調理油を濾過して油槽10へ戻した直後は、給油弁65を通過した高温の調理油によって、金属製の弁体55と樹脂製のシート部56aとが加熱され、これらの熱膨張係数の違いによりシート部56aが弁体55よりも大きく膨張して隙間が生じたり、調理油が潤滑油のように作用してこれらの摺動抵抗が減少するため、閉弁保持力が低下しやすいが、弁体レバー57が係合されているため、弁体55が図10(b)のように傾くことはなく、給油弁65が上述の自重により勝手に開弁することを防止できる。
【0076】
この結果、濾過動作を終えた後、油槽10中の調理油が給油弁65を通って油タンク63へ逆流することがない。
従って、弁体55に対して弁体開口55aおよびシート部開口56bを大きく形成しても調理油が漏出しないため、濾過油を油槽10へ戻す流量を増やして、濾過油の戻し時間を短縮できる。
【0077】
一方、濾過油を油槽10へ戻す時には、操作レバー68を開操作をして、図13(図1では破線)に示すように、リンクレバー67を介して弁体レバー57を前方へ回動し、板バネ59の前係合部59cを支持筒体58の前突起部58cから乗り越えさせて外すと共に、後係合部59dを後突起部58dに係合させる。ポンプ64の作動中は、後係合部59dが後突起部58dと係合しているため、給油弁65が勝手に閉じて油タンク63から油槽10への給油を中断したり、その開度が小さくなって給油時間が長くなるといった不具合がない。
このように、板バネ59と支持筒体58との係合・解除という簡単な構成で調理油の漏出および給油の中断あるいは給油時間の延長を防止でき、製造コストを低く抑えることができる。
また、作業者は、こうした不具合の発生を把握するために操作レバー68の回動位置(つまり、給油弁65の開閉状態)を常時監視しなくてもよくなり、安心して他の作業に専念できる。
【0078】
次に、供給部70のターボファン71について説明する。
一般的にファンのケーシングは、図1に示すように、回転軸からの距離がa<b<c<d<eと空気流路の下流側ほど大きくなっていく。
ターボファン71は、その噴出口71a(回転軸からの距離が最も大きい部分)が回転軸のほぼ真上に位置するように、ターボファン71の噴出方向を鉛直方向よりも傾斜させている。従って、噴出口71aは、ターボファン71の重心軸GF近傍に配置される。また、ターボファン71の設置に必要な奥行寸法Wが小さい。
【0079】
ターボファン71は、羽根車が送風方向に対して後ろ向きに形成されるもので、風圧の変動に対して風量の変化が小さいという特性を持っている。これに対して従来から使われているシロッコファン(多翼ファン)は、羽根車が前向きに形成されるもので、風圧の変動に対して風量の変化が大きい。
【0080】
このため、ターボファン71を採用したフライヤー1では、排気ダクト33の出口に向かって強い風が吹いても、この出口での排気圧が高く維持されて風圧に打ち勝つため、外気が排気ダクト33から逆流することはない。
しかも、同じ送風量の場合では、ターボファンの出入口の圧力差がシロッコファンよりもかなり大きいため、燃焼用空気を十分吸引することができる。
【0081】
従って、外気の逆流や給気不足による着火不良や燃焼不良を防止でき、ユーザーは安全に器具を使用でき、また、運転途中に停止するといった不具合が起きない。
加えて、ターボファンでは、ファンの回転数の増大により大きな差圧を作り出す必要がなく、器具からの騒音を抑制できる。
【0082】
更に、ターボファン71は、シロッコファンよりも羽根同士の間隔が大きく、また羽根幅が長く、しかも羽根の湾曲が小さいため、埃が詰まりにくい。この結果、長期に渡ってファンの送風性能を高く維持することができ、耐久性が向上する。
【0083】
フライヤー1では、ターボファン71の設置スペースがガス制御部75や濾過装置60のポンプ64によって水平方向にあまり余裕がないが、ターボファン71をその噴出方向を鉛直方向よりも傾斜させて配置するため、その設置に必要な奥行寸法Wが小さくなり、狭い場所にも配置できる。
【0084】
このように、ターボファン71の奥行寸法Wが小さくなるため、ターボファン71の周囲にできたスペースを利用して他の部品をレイアウトできる。
また、ガス制御部75の最上部が高い位置にあっても、ターボファン71を傾斜して配置したため、送風管72をガス制御部75を避けて配設できる。
【0085】
また、油煙を吸い込みにくい位置(つまり、油槽10や油タンク63のタンク入口63bから離れた後方下部)等の最適位置にターボファン71を設置することができるようになる。
ターボファン71は、埃詰まりしにくいため、ファンの埃除去のためのメンテナンスを頻繁に行う必要がなくなって便利になる。この結果、器具正面の扉2aから遠くてメンテナンス作業が非常に面倒な器具内の奥側(油煙が少ない場所)にファンを配置でき、ターボファン71の閉塞を一層防止して、燃焼不良を確実に防ぐことができる。
【0086】
ターボファン71が器具の後方下部に設けられるため、上部のバーナ20に接続される混合管74と下部のターボファン71とを結ぶ送風管72が長くなり流路抵抗の増大が懸念されるが、実際には、ターボファン71の噴出方向が、前方にあるバーナ本体23の入口部23fの方へ向いているため、側面から見て送風管72を真っ直ぐに形成でき、流路抵抗が減少して給気効率が向上する。つまり、ファンの所定能力に対してバーナ20への供給空気流量が増える。
【0087】
また、ターボファン71の噴出口71aがターボファン71の重心軸GF近傍にあるため、給気分配器89や給気接手89aといった比較的重い部品の重心GDが重心軸GFに近づく。この結果、こうした自重により荷重が偏ってかかることがなくターボファン71が安定する。
【0088】
次に、排気閉塞検知について説明する。
排気ダクト33は、何等かの異物によって閉塞することがある。
一方、バーナ20の閉塞は、油槽10から発生して器具周囲を浮遊している油煙や、油タンク63から出てくる油煙をターボファン71が燃焼用空気や埃と共に吸引して、その油がバーナ20の炎口内に付着し埃が詰まることによって起きる。
【0089】
こうした排気閉塞を検出するために、ターボファン71の噴出口71aには、図8に示すように、2本のファン検圧導管35が接続され、一方、供給部70の送風管72L,72Rには、それぞれバーナ検圧導管36L,36Rが接続され、これらの検圧導管35,36の先端には、差圧スイッチ34L,34Rが接続される。
この差圧スイッチ34L,34Rは、そのケースがダイアフラム34La,34Raで一次室34pと二次室34sとに仕切られ、一次室34pにバーナ検圧導管36L,36Rが接続され、一方、二次室34sにファン検圧導管35が接続される。そして、一次室34pの上部には、ダイアフラム34La,34Raの変形によりオン・オフするマイクロスイッチ34Lb,34Rbが設けられる。
【0090】
例えば、排気閉塞していない場合には、バーナ検圧導管36L,36Rでの内圧がファン検圧導管35での内圧より低くなり、一次室34pの内圧と二次室34sの内圧との差圧が所定値以上となって、ダイアフラム34La,34Raが変形しマイクロスイッチ34Lb,34Rbを押して差圧スイッチ34L,34Rがオンする。
一方、右バーナ20Rの炎口が詰まり始めると、右バーナ検圧導管36Rでの内圧とファン検圧導管35での内圧とがほぼ等しくなり(これらの差圧が所定値未満となり)、右ダイアフラム34Raが元の形状に戻って右マイクロスイッチ34Rbを押さなくなり差圧スイッチ34Rがオフになる。また、左バーナ20Lが閉塞すると、差圧スイッチ34Lがオフになる。また、左右両方のバーナ20L,20Rが閉塞する場合や、排気ダクト33が閉塞する場合には、左右両方の差圧スイッチ34L,34Rがオフになる。
【0091】
図16は、この差圧スイッチ34を用いてコントローラ100が行う閉塞検出制御のフローチャートである。
コントローラ100は、ターボファン71の回転数が目標回転数の80%以上になると、先ず差圧スイッチ34L,34R(図16では、SW1,SW2として示す)からの信号を読み込む(S1)。
SW1,SW2の両方がオンであれば、バーナ20や給排気流路は閉塞していないとしてステップ1に戻って閉塞検出制御を繰り返す。
SW1,SW2の少なくとも一方がオフであればSW1,SW2のオン・オフ状態に応じて異常判別をしてステップ4〜6へ進む(S3)。
【0092】
ステップ3において、SW1がオフでSW2がオンである場合には、左バーナ20Lが閉塞していると判断して、左バーナ20Lの閉塞を示すエラーコードをコントローラ100の図示しないディスプレイに表示すると共に警報アラーム(図示略)を鳴らし(S4)、左バーナ20Lへの燃料ガスの供給を停止する(S7)。
【0093】
一方、SW1がオンでSW2がオフである場合には、右バーナ20Rが閉塞していると判断して、右バーナ20Rの閉塞を示すエラーコードを表示すると共に警報アラームを鳴らし(S5)、右バーナ20Rへの燃料ガスの供給を停止する(S7)。
【0094】
また、SW1,SW2の両方がオフである場合には、排気ダクト33または左右両方のバーナ20L,20Rが閉塞しているとして、排気流路の閉塞を示すエラーコードを表示すると共に警報アラームを鳴らし(S6)、左右両方のバーナ20L,20Rへの燃料ガスの供給を停止する(S7)。
【0095】
この閉塞検出制御処理によれば、片方のバーナが閉塞する場合においても、コントローラ100は、左右それぞれのバーナ20L,20Rの詰まり具合を個別に把握して、エラーコードによりその旨を報知することで、メンテナンスの必要な方のバーナを知らせることができる。つまり、エラーコードから閉塞原因の見当がつき、閉塞とは関係ない部品(例えば、右バーナ20Rの閉塞を示すエラーコードが表示される場合では、左バーナ20Lや排気ダクト33)の点検を省略でき、メンテナンスの作業時間が短縮される。
【0096】
そして、コントローラ100は、左右のバーナ20L,20Rおよびその給排気流路の少なくとも一方が閉塞されていると判断する場合には、閉塞と判断されたバーナ20へは燃料ガスを供給させないため、燃焼不良を防止できる。
また、片方のバーナ20(例えば、右バーナ20R)のみ閉塞していると判断される場合には、閉塞していないバーナ(左バーナ20L)の燃焼を継続できる。このため、閉塞したバーナ(右バーナ20R)の修理を待たなくても、片方の油槽(左油槽10L)では調理を行うことができる。
このように個々のバーナ20の閉塞判断を各差圧スイッチ34からの信号の判別のみで簡単に実施できる。
また、こうしてバーナ20の閉塞を検知するため、炎口詰まりしやすい全一次空気式プレートバーナを安心して用いることができ、燃焼面の向きを自由に配置できるという利点を活かすことができる。
また、ターボファン71の噴出口71aでの風圧は、同じ送風量の場合に従来から用いられるシロッコファンよりも高いため、大きな差圧が得られ、閉塞検知の精度が高くなる。
【0097】
次に、器具の断熱構造について説明する。
バーナケース80と油槽10との間には、図1,図2に示すように、全周に渡ってセラミックウール製の外側断熱材86bがそれぞれ設けられる。また、後面部14には、後ろ側の外側断熱材86bに面接触して覆う金属製の耐熱板91が設けられる。一方、左右側面部15,16と左右両側の外側断熱材86bとの間には、左右側面部15,16の段部15a,16aの下方で、同じくセラミックウール製の内側断熱材86a(図9では、太い破線内のハッチング部)と、内側断熱材86aの下面と内側の側面とに面接触して覆う金属製の耐熱板93とが設けられる。この耐熱板93の内側側面には、断面L字形状の整流板39がビス止めされ、整流板39の一端が左右側面部15,16と線接触している。
【0098】
バーナ20から発生した燃焼ガスは、燃焼室29から器体外へ排出される際に排気通路30を通って、整流板39によって整流されながらフィン41,42および油槽10の壁面と熱交換して油槽10内の調理油を加熱する。この燃焼ガスの通過により排気通路30が加熱されるが、内側断熱材86a,外側断熱材86bによって本体ケース2の外壁への伝熱が抑制される。
また、内側断熱材86a,外側断熱材86bは、耐熱板93,91によってそれぞれ覆われるため、燃焼ガスによって直接加熱されることはなく、剥離してしまうほど脆くはならない。仮に劣化して剥がれやすくなっても、耐熱板93,91で覆われているため、その破片が排気通路30内を流れて器体外へ排出されることはない。また、内側断熱材86a,外側断熱材86bが倒れないため、排気通路30内で障害物になることもない。
従って、排気抵抗は増加せず、燃焼不良が起きにくくなって安全である。
【0099】
ところで、この排気通路30は、燃焼ガスから排気通路壁面への熱伝達を促進するために、通路を狭くしていることから、内側断熱材86a,外側断熱材86bの剥離や倒れにより排気通過抵抗に影響が出やすいが、耐熱板93,91によってこれらを防止しているため、高い熱効率を維持したまま排気抵抗の増加を防ぐことができる。
【0100】
次に、温度センサーを保護する構成について説明する。
各油槽10L,10Rの前面部13には、図1,図7に示すように、油槽10内の調理油の温度を検出する温度センサー53と、その直上に上から見てU字形状の保護環54とがそれぞれ溶接される。
また、各油槽10内には、複数の金属丸棒を溶接して形成される底網44が設けられる。この底網44は、バスケット43を支持する平坦な載置部44aと、この載置部44aの前部中央に前方へ上り傾斜して形成されるガード部44bとから構成される。
載置部44aは、油槽10の左側面部15,右側面部16に形成される段部15a,16aと、油槽分割板10aに設けられた左右の底網支え10bとによって支えられる。
一方、ガード部44bは、保護環54の上方で油槽10の前面部13まで延び、上から見ると保護環54よりも幅が大きいコの字形状をしている。
【0101】
このように、温度センサー53の上方には、底網44の載置部44aから延びたガード部44bが油槽10の前面部13まで前方上り傾斜した状態で配置されているため、油槽10にバスケット43を無造作に沈めても、バスケット43は、ガード部44b上を滑って底網44の所定位置に案内される。従って、バスケット43がガード部44bにひっかからないように注意を払わなくてもよく、使い勝手がよい。
こうして、バスケット43を正しい位置に配置するため、常に均一に食材を調理できる。
【0102】
また、食材を投入する度にバスケット243がガード部44bにぶつかるような落とし込みが行われて次第にガード部44bが変形しても、底網44を新品と交換するだけで、簡単に温度センサー53の保護機能を維持できる。
【0103】
また、油槽10の掃除の際に底網44を外しても、掃除道具が温度センサー53に当たることを保護環54によって防ぐことができる。このようにして、温度センサー53は、調理の際にも掃除の際にも保護される。
また、ガード部44bが載置部44aから上方に延びてハンドルのように形成されているため、ガード部44bを持って底網44を油槽10から簡単に取り出すことができる。
【0104】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、本発明をフライヤーに代えてゆで麺機等の他の液体加熱調理器に適用してもよい。
また、底網44のガード部44bを側面から見て曲折した形状にせず真っ直ぐにしてもよい。
また、本実施形態のフライヤー1は、液槽が左右に分割されたスプリットバットタイプであるが、液槽が分割されないフルバットタイプに本発明を適用しても構わない。
尚、本発明の加熱媒体は調理油に相当し、また、液槽は油槽10に、加熱手段はバーナ20に相当する。
【0105】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1の液体加熱調理器によれば、温度センサーは、底網に形成されたガード部によりバスケットとの衝突から保護され、破損を防止でき、しかも、ガード部が変形しても底網を交換することによりガード機能を維持できる。
【0106】
更に、本発明の請求項2の液体加熱調理器によれば、バスケットがガード部により正しい位置に案内され、常に均一な調理を行うことができる。
また、バスケットを沈める位置に注意を払わなくてもすみ、使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態としてのフライヤーを側面から見た断面図である。
【図2】一実施形態としてのフライヤーを正面から見た断面図である。
【図3】一実施形態としてのフライヤーの一部の分解斜視図である。
【図4】一実施形態としてのバーナとその周囲の部品を正面から見た断面図である。
【図5】一実施形態としてのフライヤーの一部を側面から見た断面図である。
【図6】フライヤーの一部を側面から見た説明図である。
【図7】一実施形態としてのフライヤーの底網を載置した油槽を上から見た断面図である。
【図8】一実施形態としてのフライヤーの概略説明図である。
【図9】一実施形態としてのフライヤーを側面から見た断面図である。
【図10】一実施形態としての給油弁を側面から見た断面図である。
【図11】一実施形態としてのフライヤーの点火電極ロッドとその周囲の部品を側面から見た断面図である。
【図12】一実施形態としての給油弁の閉弁時の斜視図である。
【図13】一実施形態としての給油弁の開弁時の斜視図である。
【図14】一実施形態としてのフライヤーの一部の分解斜視図である。
【図15】一実施形態としてのフライヤーを正面から見た断面図である。
【図16】一実施形態としてのフライヤーの閉塞検知制御のフローチャートである。
【図17】従来例としてのフライヤーの一部を側面から見た断面図である。
【図18】従来例としてのフライヤーの一部の側面から見た断面図である。
【符号の説明】
1…フライヤー、2…本体ケース、2b…ケース底面部、10…油槽、11…底面部、20…バーナ、20a…フランジ、22…セラミックプレート、23…バーナ本体、27…燃焼室仕切棒、29…燃焼室、30…排気通路、31…左右通路、34L,34R…差圧スイッチ、35…ファン検圧導管、36…バーナ検圧導管、40…固定具、41…側部フィン、42…後部フィン、43…バスケット、44…底網、44a…載置部、44b…ガード部、45…密閉接手、45b…締結孔、46,96…グラファイトパッキン、47,112,114…Oリング、48…第1固定部材、48a…ターゲット部、49…第2固定部材、50…点火確認窓、51…点火電極ロッド、52…フレームロッド、53…温度センサー、54…保護環、55…弁体、57…弁体レバー、58…支持筒体、58c,58d…前後突起部、59…板バネ、59c,59d…前後係合部、60…濾過装置、65…給油弁、66…給油管、67…リンクレバー、68…操作レバー、70…供給部、71…ターボファン、71a…噴出口、72L,72R…送風管、73…シリコンチューブ、76…上流ガス管、77…下流ガス管、77b…袋ナット、80…バーナケース、82…下板、83…前板、83c…挿入面部、83d,83e…遊挿孔、85…前開口部、90…レール、92…熱膨張パッキン、95…蓋体、95a,95b…蓋体遊挿孔、95c…外側窓、97…ビス、100…コントローラ、110…スライド連結部、G…隙間、S1…スペース。
Claims (2)
- 加熱媒体が満たされる液槽と、該液槽内の加熱媒体を加熱して食材を調理する加熱手段と、該食材を収容して該液槽内の該加熱媒体内に沈めるためのバスケットと、該液槽内に設けられ該バスケット用の載置部を形成した着脱可能な底網と、該載置部より上方で該液槽の壁面に設けられ該加熱媒体の温度を検出する温度センサーとを備えた液体加熱調理器において、
上記バスケットが上記温度センサーに衝突することを防止するガード部を上記底網に形成したことを特徴とする液体加熱調理器。 - 上記バスケットを上記載置部へ案内するように、上記ガード部を上記温度センサーより上方の上記液槽壁面まで上り傾斜して延ばしたことを特徴とする請求項1記載の液体加熱調理器。
Priority Applications (1)
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JP (1) | JP2004105213A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012152464A (ja) * | 2011-01-27 | 2012-08-16 | Nichiwa Denki Kk | 麺茹で機 |
CN110584499A (zh) * | 2019-09-25 | 2019-12-20 | 深圳厨奇自胜智能装备技术有限公司 | 一种面篓以及洗面装置 |
-
2002
- 2002-09-13 JP JP2002267741A patent/JP2004105213A/ja active Pending
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