JP2004104441A - 無線ネットワークシステム、中継装置プログラム及び記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】通信規格が異なる通信端末間においても、通信方式を切り替えることなく、データの送受信が可能な無線ネットワークシステムを提供する。
【解決手段】前記課題を解決すべく、本発明は、中継装置10は、無線通信機器としての基本的機能としてデータを受信し、送信する手段を備える。図では、データの受信と転送手段100と示す。その他、各通信端末から送られてきたデータがいずれの通信規格に基づくものかを判断する通信規格判別手段101と、各通信規格に基づいてデータの処理を行うデータ処理手段103と、転送先の通信端末の通信規格を選定する通信規格選定手段105と、選定された通信規格に合致するように前記データを変換するデータ変換手段107とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】前記課題を解決すべく、本発明は、中継装置10は、無線通信機器としての基本的機能としてデータを受信し、送信する手段を備える。図では、データの受信と転送手段100と示す。その他、各通信端末から送られてきたデータがいずれの通信規格に基づくものかを判断する通信規格判別手段101と、各通信規格に基づいてデータの処理を行うデータ処理手段103と、転送先の通信端末の通信規格を選定する通信規格選定手段105と、選定された通信規格に合致するように前記データを変換するデータ変換手段107とを備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信を行うネットワークシステムに関する。特に、複数の通信規格に基づきデータの送受信を行う無線ネットワークに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ(以下、PC)や、プリンタ、スキャナなどの各種機器間で無線通信が行われている。これら各端末で行われる無線通信は、各種の通信規格に基づいて行われる。
従来、無線通信によりデータの送受信を行えるのは同一の通信規格に対応した端末間に限られていた。そのため、通信規格の異なる端末にデータを送信するためには、送信先の通信規格に基づいたデータに変換し、通信方式も切り替えて行う必要があった。このように、通信規格の異なる端末にデータを送信する度に、データを変換し、かつ、通信方式を切り替えなければならいといった不便さがあった。
特開2002−26994公報には、ネットワーク間のプロトコルの違いを補うプロトコルマッピングに関する無線ネットワークシステムが開示される。これによると、既存のセルラ基地局サブシステム(BBS)のパケットデータネットワークとのインターワーキングを可能にするインターネットワーキング機能(IWF)が開示されている。
【特許文献1】特開2002−26994公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開2002−26994公報に開示されるIWFでは、既存のBBSとの無線通信は可能であるが、規格の異なるパケットデータ同士のネットワークを確立することはできない。
本発明は、かかる課題に鑑み、通信規格が異なる通信端末間においても、通信方式を切り替えることなく、データの送受信が可能な無線ネットワークシステムを提供することを目的とする。更に、通信規格の特徴や電波環境を考慮して、データの送信に適した通信規格を選定することで、より効率的でかつ安定したデータの送受信を可能にするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、無線通信を行う複数の通信端末と、少なくとも一つの中継装置とからなる無線ネットワークシステムにおいて、前記中継装置は、前記通信端末から受信したデータがいずれの通信規格に基づくものかを判別する通信規格判別手段と、該通信規格判別手段により判別された通信規格に基づいて前記データの処理を実行する複数のデータ処理手段と、該データ処理手段に基づいて得られたネットワーク上の通信規格の散在状況、及び使用状況を判断する特徴判断手段と、電波環境、及び電波の干渉具合を計測する電波環境判断手段と、前記特徴判断手段、及び電波環境判断手段の結果に基づいて通信規格の使用を選定する通信規格選定手段と、該通信規格選定手段により選定された通信規格に合致するように前記データを変換するデータ変換手段と、を備えたことを特徴とする。
かかる発明によれば、通信規格の異なる通信端末間であっても、規格間の互換性を保ち、異なる通信規格の通信端末同士であっても、データの無線通信が可能となる。また、通信規格の特徴や電波環境を考慮して、データの送信に適した通信規格を選定することで、より効率的でかつ安定したデータ送信が可能となる。
【0005】
本発明における「通信端末」とは、PC及びその周辺機器等を主として意味し、デスクトップPCや、ノートブックPCのほか、スキャナ、プリンタ、携帯電話、ファクシミリ、PDA(携帯情報端末)などが含まれる。「通信規格」とは、前記通信端末と無線通信を行う各種の通信規格等をいい、IEEE、IrDA(Infrared Date Association)、ブルートゥース(Bluetooth)、HomeRFなどが該当する。更に、その他の通信規格として、WAP(Wireless Application Protocol)、FWA(Fixed Wireless Access)、ワイヤレス1394規格、その他、今後制定されるすべての無線通信規格が該当する。
本発明における無線ネットワークシステムにおける通信端末には、前記機能以外の機能を備えた通信端末を含んでもよい。また、前記通信規格以外の規格に対応した通信端末を含んでもよい。
本発明において、「送信する」とは、ある通信端末から中継装置に向けてデータを送ることをいう。一方、中継装置からある通信端末に向けてデータが送られる場合、前記送信と区別するために、データを「転送する」とする。転送の形態としては、すべてのデータを中継装置が一旦記憶し、その後に送信する形態のほか、受信したデータを逐次送信する形態など、様々な形態で実施可能である。
【0006】
請求項2は、前記中継装置は、前記通信端末から受信した受信データの通信規格に基づいて前記受信データを処理し、該受信データを転送先の通信規格の散在状況、使用状況、及び電波環境に応じて前記転送先の通信規格を選定し、前記受信データを選定された通信規格に変換して前記転送先に送信することを特徴とする。
このように通信規格の散在状況や電波環境を考慮して、データの転送に適した通信規格を選定することで、より効率的でかつ安定したデータの転送を可能とする。
請求項3は、前記データ処理手段は、複数の通信端末でネットワークを構築する処理と共に、前記判別された通信規格に基づいて前記データの処理を並列的に実行することを特徴とする。
このようにデータの処理を並列的に実行することにより、複数の無線通信から送信要求があった場合であっても、中継装置は複数の無線通信を同時期に確立することが可能となる。また、既に無線通信が行われている環境において、新たに通信を始める利用者は、既存の通信が完了するまで、送信処理を待たされることがなくなる。データの処理を並列的に実行する形態としては、一つのCPU上で各データ処理手段がタイム・シェアリングを行う形態の他、複数のCPUを配置し、各CPUが独立してデータ処理を実行する形態でもよい。
請求項4は、前記特徴判断手段は、前記通信端末から受信したデータのデータ量、データの種類、省エネルギー、前記通信端末同士の位置関係の把握、及びセキュリティレベルの把握を自動的に判断することを特徴とする。
このように受信したデータのデータ量、データ種類など判断し、この判断に基づいて、データの転送に適した通信規格を選定することで、より効率的でかつ安定したデータ通信を可能とする。また、これらを自動的に判断することで、利用者の希望に応じた無線通信環境を、容易に確立することができる。
【0007】
請求項5は、前記電波環境判断手段は、受信したデータを転送する際の中継装置周囲の電波環境を自動的に判断することを特徴とする。
このように電波環境を判断し、この判断に基づいてデータの転送に適した通信規格を選定することで、電波干渉が少ない、安定した無線ネットワークシステムを構築することができる。また、これらを自動的に判断することで、利用者の希望に応じた無線通信環境を、容易に確立することができる。
請求項6は、無線通信を行う複数の通信端末と、少なくとも一つの中継装置とからなる無線ネットワークシステムにおいて、前記中継装置は、前記通信端末から受信したデータがいずれの通信規格に基づくものかを判別する通信規格判別手段と、該通信規格判別手段により判別された通信規格に基づいて前記データの処理を実行する複数のデータ処理手段と、該データ処理手段に基づいて通信規格の使用を選定する通信規格選定手段と、該通信規格選定手段により選定された通信規格に合致するように前記データを変換するデータ変換手段と、を備えたことを特徴とする。
このように、通信規格判別手段と、データ処理手段と、通信規格選定手段と、データ変換手段により、中継装置を構成することで、簡易な構造でありながら、様々な通信規格に基づく通信端末間のデータ通信を可能にすることができる。そして、望ましくは、転送先の各通信規格に関する各種情報を記憶する規格情報記憶手段を備え、前記通信規格選定手段がこの規格情報記憶手段を参照して転送先の通信規格を選定することを特徴とする。
このように規格情報記憶手段を備え、かつ、これを参照して通信規格を選定することにより、迅速かつ多様な選択が可能となる。
【0008】
請求項7は、複数の通信規格に基づいて通信端末と無線通信を行う中継装置で実行される中継装置プログラムであって、ある通信端末からデータを受信すると、いずれの通信規格に基づく通信であるかを判別し、前記判別した通信規格に基づいてデータを処理し、受信した前記データを転送する通信端末の通信規格の特徴、または/及び、前記データを受信した際の中継装置周囲の電波環境を判断し、前記判断した通信規格の特徴、または/及び、電波環境に従い、転送するデータの通信規格を選定し、選定された前記通信規格に基づき、前記受信したデータを変換し、これを所定の通信端末に転送する処理を実行することを特徴とする。また、同様に、請求項8は、請求項7に記載の中継装置プログラムをコンピュータが実行可能な形態に記憶したことを特徴とする。
これらのプログラム及びその記憶媒体を用いて、前記中継装置にプログラムをインストールし、上記発明を実施することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の無線ネットワークシステムの全体構成図の一実施形態である。図2は、各通信端末の互換性を実現するための中継装置の機能ブロック図である。図3は、前記中継装置に記憶される規格情報記憶手段としての規格情報ファイルのデータ構成図である。図4は、前記中継装置のデータ処理を示すフローチャートである。図5は、中継装置が受信したパケット・データと、変換されて転送されるパケット・データの概略図である。
【0010】
図1に示すように、本発明における無線ネットワークシステムの一実施形態は、中央に位置する中継装置10と、その周りの無線通信を行う複数の通信端末11〜23により構成される。図1は、デスクトップPC13や、ノートブックPC19のほか、スキャナ11、プリンタ15、携帯電話17、ファクシミリ21、PDA(携帯情報端末)23などを示す。これら各通信端末は、無線通信を行う機能を備え、通信規格が合致すれば、双方の端末同士で無線通信を行えるものである。
本発明は、上記通信端末同士が無線通信を行うのではなく、ある通信端末から送信されたデータは一旦中継装置10に送られ、ここで転送先の通信端末の規格に変換され、これを他の通信端末に転送してデータ通信を行うものである。
この通信端末11〜23の集合には、少なくとも二つの通信規格に基づいて無線通信を行う通信端末が含まれる。この実施形態の各通信端末は、中継装置10と以下の規格で通信を行うものとする。
・スキャナ11: IEEE
・デスクトップPC13: IEEEの802.11aと802.11b
・プリンタ15: IrDAとIEEE
・携帯電話17: ブルートゥース
・ノートブックPC19: ブルートゥースとIEEE
・ファックス21: HomeRF
・PDA23: IrDA
これら各通信規格に基づく各通信端末の構成は従来技術と同様である。本発明は以下説明する中継装置10を用いることで、通信規格の異なる通信端末間の通信を可能とするものである。
中継装置10は、無線通信だけでなく有線通信を行う手段を備えていてもよい。図ではEthernet(登録商標)規格に基づきサーバ31との送受信可能としたものである。これにより、中継装置10は、サーバ31からの各種データを上記各通信端末11〜23に送信することができる。また、サーバ31を介してインターネットと本発明における無線ネットワークシステムとを連結させることも可能となる。
【0011】
前記無線ネットワークシステムに用いられる中継装置10の構成を以下説明する。図2は、この中継装置10の機能ブロックである。図中、左側には前記無線ネットワークシステムの通信端末であるスキャナ11、デスクトップPC13、プリンタ15、携帯電話17・・・サーバ31を記す。
中継装置10は、無線通信機器としての基本的機能としてデータを受信し、送信する手段を備える。図では、データの受信と転送手段100と示す。その他、各通信端末から送られてきたデータがいずれの通信規格に基づくものかを判断する通信規格判別手段101と、各通信規格に基づいてデータの処理を行うデータ処理手段103と、転送先の通信端末の通信規格を選定する通信規格選定手段105と、選定された通信規格に合致するように前記データを変換するデータ変換手段107とを備える。
そして、本発明の望ましい実施形態として、より適切な通信規格の選定を可能とすべく、受信したデータのデータ量、データの種類などを自動的に判断する特徴判断手段105aと、中継装置10の周囲の電波環境を自動的に判断する電波環境判断手段105bと、各通信端末とその通信規格に対応した規格情報を記憶する規格情報記憶手段105cを備える。
データの受信と転送手段100は、既存の通信機器と同様に、その基本的機能として送られてきたデータを受信する機能と、指定された通信端末に向けてデータを送信する機能(本発明においては転送する機能)を備える。その具体的構成は既存の構成と同様である。
通信規格判別手段101は、ある通信端末からデータが送られてくるとそのデータの通信規格を定め、データの受信の準備を行う。データの通信規格を定める形態としては、パケットのヘッダーを解析する形態や、通信に先立ち予め通信規格を定めた通信規格パケットを受信する形態、また、送信元の通信端末アドレスとその通信規格とを対応させたデータを規格情報記憶手段105cとしての規格情報ファイルに予め記憶し、そのファイルに基づき判断する形態など、さまざまな形態で実施可能である。
【0012】
データ処理手段103は、前記通信規格判断手段101により、通信規格が定められたデータをその通信規格に基づいて処理する機能を備える。このデータの処理を行うための構造は、従来からある各通信規格に基づくモジュールや通信カードなどを用いて実現可能である。図2では、通信端末の各通信規格に対応すべく、IEEEの802.11a、11b、11gのほかブルートゥース、Ethernet(登録商標)規格に対応するデータ処理手段(符号103a〜d・・・)を示す。IrDA規格やHomeRF規格に対応するデータ処理手段については省略する。そして、中継装置10が新しい通信規格に対応する場合には、このデータ処理手段103に新しい通信規格に対応したモジュール等を組み込むことで対応する。すなわち、この中継装置10としては、このデータ処理手段103の追加を可能とすべく、通信用モジュールや通信カードの追加を可能とする手段を備えるものが望ましい。具体的に、この中継装置10をコンピュータで実現する場合は、通信用モジュールを挿入するスロットを複数配置しておく。
通信規格選定手段105は、前記受信したデータの転送先の通信規格を定める機能を備える。転送先の通信規格を定める機能は、通信端末とその通信規格とを対応させたファイル(規格情報記憶手段105c)を予め記憶しておき、データの送り先(転送先)のアドレス情報から、転送先の通信端末を特定し、前記ファイルを参照することで実現可能である。その他、上記ファイルを記憶しない形態として、転送先の通信端末が特定されると、この通信端末に対して各通信規格に基づく送信要求のパケットを送り、返信がされたパケットの規格を参照することで当該通信端末の通信規格を定める形態でもよい。
【0013】
特徴判断手段105aは、受信したデータのデータ量、データの種類などを自動的に判断する機能を備える。その実施例を以下示す。
・データ量
例えば、IEEE規格に基づいてデータの転送を行う場合に、受信したデータ量が所定の量より多い場合には、802.11b規格より通信速度が大きい802.11a規格を優先的に選定する形態である。
・通信距離(通信規格の散在状態)
中継装置10と転送先の通信端末との距離が所定の距離より大きい場合には通信距離が大きいIEEE規格を採用し、一方、距離が短い場合には消費電力が少ないといった利点を備えたブルートゥース規格を選定する形態である。
・消費電力
消費電力を少なくデータの受信を行いたいとする通信端末に対しては、優先的に消費電力の少ない通信規格(例えばブルートゥース規格)を選定する形態である。
・セキュリティ
セキュリティを強化した通信を望む場合(セキュリティ・モード)、よりセキュリティが高い通信規格を優先的に選定する形態である。例えば、セキュリティ対策のとられていないIrDA規格と、暗号化対策が施されたIEEE規格による通信を行う場合、IEEE規格を優先的に選定する形態である。
また、通信規格にセキュリティのレベルが設けられている場合、利用者が特定したレベルでのデータ通信を選定する形態である。例えば、ブルートゥース規格に基づく通信の場合、ビット長の異なるリンク・キーを予め数種類用意しておく。ビット長の長いものはセキュリティのレベルが高いものである。そして、利用者がセキュリティのレベルを選んだ場合は、そのレベルに応じたビット長のリンク・キーを用いて通信を行う形態である。
電波環境判断手段105bは、データを転送する際に、中継装置10の周囲の電波環境をモニターし、使用されている周波数帯域以外の周波数帯域の通信規格を選定する機能を備える。
使用されている周波数帯域を避ける形態としては、次の形態が挙げられる。
・IEEE規格の場合、中継装置10の周囲で2.4MHzが使用されているときに2.4MHzを使用するIEEE802.11bではなく、5MHzを使用するIEEE802.11aを採用する。このように、使用する周波数帯域が異なる通信規格を選定する形態である。
・2.4MHzを使用する802.11b規格の場合、モニターする周波数帯域をより厳密に測定し、2400〜2420Hzが使用されている場合に、2450〜2470Hzの周波数帯域を選定する。このように、一つの通信規格について使用する周波数帯域を細分化して考え、厳密に使用されている周波数帯域以外の周波数帯域を選定する形態も該当する。
【0014】
この実施形態では、各通信規格の通信速度、セキュリティ・モードの有無、消費電力モードの有無、使用する周波数帯域などに関する規格情報ファイルを記憶する。この規格情報記憶手段としての規格情報ファイル105cのデータ構造、その概略を図3に示す。
図3に示す規格情報ファイル105cは、通信端末を特定する端末フィールド列201と、その通信端末における各種条件を定めた条件フィールド列203、通信規格に関する規格フィールド列205を備えたものであり、端末フィールド列201と条件フィールド列203とは通信端末IDをキーに関連づけたものであり、端末フィールド列201と規格フィールド列205とは通信規格をキーに関連づけたものである。
・デバイス名には、各種通信端末の名称を記憶させる。例えば、プリンタやデスクトップPC等である。
・通信端末IDには、各通信端末を特定すべく、固有の数字と記号の列を記憶させる。なお、ネットワークには各通信端末に各固有のアドレスが付されることから、アドレスを通信端末IDとして利用してもよい。
・通信規格には、対応する通信規格を記憶させる。対応する通信規格は一つに限定する必要はなく、一つの通信端末が複数の通信規格に対応する形態でもよい。複数の通信規格に対応する形態としては、IEEE802.11gのように11a及び11bの通信規格と互換性を備えた形態のほか、図1に示すプリンタ15のようにIrDA規格とIEEE規格の双方に対応するといった形態であってもよい。
【0015】
・アドレスには、ネットワークにおける各通信端末のアドレスを記憶させる。アドレスはネットワーク固有のローカルアドレスのほか、IPアドレスを用いてもよい。また、ブルートゥースに対応する機器の場合は、IEEE802に準拠するブルートゥースアドレスを用いる。
・データ量の条件には、大容量に適した通信規格を選定するか否かの境界を定めるデータのデータ量を定める。例えば、802.11bの最大のデータ量が定められている場合、それを超えるデータ量の場合は大容量に適した通信規格とする。
・セキュリティ情報には、セキュリティ・モードがONとなったときに、優先的に選択すべき通信規格を記憶させる。セキュリティ・モードのON/OFFは、データを送信する利用者がデータ送信に併せて送信する。また、セキュリティにレベルを設けた場合は、レベルごとの条件を定める。
また、各通信端末と併せて記憶する暗号化キーや復元化キー、上記リンク・キーなども記憶し、データの送受信を行う際に参照する。
・消費電力の条件には、消費電力モードがONとなったときに、優先的に選択すべき通信規格を記憶させる。消費電力モードのON/OFFはデータを送信する利用者がデータ送信に併せて送信する。
・位置条件には、近接範囲の通信か否かの境界を定める距離データを記憶させる。この距離データは、中継装置10と該当する通信端末との距離を特定するデータとする。例えば、距離データとして10mが記憶されている場合、10m以内であれば近接範囲とし、近接範囲に適した通信規格を採用する。一方、10mと越えると遠距離範囲として、遠距離範囲に適した通信規格を採用する。
・周波数帯域、通信速度には、各通信規格が用いる周波数帯域及びその通信速度を記憶させる。
・パケットの形態には、各通信規格が定める送受信するデータ形態を記憶させる。具体的に、パケット通信であれば、そのヘッダーやフッダーの形態を記憶させる。
・その他、各プロトコルに基づく情報には、各通信規格のプロトコルに関する情報を記憶させる。
【0016】
上記中継装置10は、物理的に単一の機器である必要はなく、ネットワークを活用し、複数の機器の集合として上記機能を達成できるものであればよい。例えば、規格情報記憶手段105cをデータベースとして独立させる形態などである。
上記説明した中継装置10がブルートゥース規格に対応する携帯電話17からデータを受信し、これをIEEE規格の802.11aと11bの双方に対応しているデスクトップPC13へ転送する処理を図2と図4に基づいて以下説明する。
デスクトップPC13にデータを送信するために、携帯電話17の利用者は、送信先をデスクトップPC13として、送信要求を無線ネットワーク上に送信する。無線ネットワーク上に送信された上記送信要求の信号を受信した中継装置Aは、送信確認の信号を携帯電話17に対して送信する。この信号を携帯電話17が受信することで携帯電話17と中継装置10との通信環境が確立する。
上記通信環境が確立されたことを条件として、携帯電話17はデータを送信する。データの送信形態はブルートゥース規格に従いパケット通信とする。パケットの形態を図5(a)に示す。図に示すように、パケットは、先頭にパケットの識別や送受信のタイミング抽出を行うためのアクセス・コード、その次にリアルタイム制御などの設定を行うパケット・ヘッダ、更に、送信したいデータを細分化したユーザデータを含むペイロードとする。
【0017】
中継装置10は、図2に示すデータ受信手段100を用いてこのパケットを受信する。これにより、中継装置10の処理が開始する。受信したデータは、通信判別手段101に送られる。
(S1) 中継装置10は、通信規格判別手段101により、受信したデータがいずれの通信規格に基づく通信であるかを判別する。判別の形態は、受信したパケットを解析し、ブルートゥース規格に基づく通信と判別する。
(S2) 該当する通信規格が見つかり、通信規格をブルートゥースと特定できたので、中継装置10におけるデータ処理手段103dはブルートゥース規格に従いパケット・データのデータ処理を行う。なお、通信規格を特定できなかった場合、処理を終了する
(S3) 上記データ処理を終了後、中継装置10の特徴判断手段105aは、前記データを転送する通信端末の特徴の判断を行う。転送先のアドレスは受信したパケットのアクセス・コードに含まれる送信先アドレスから特定する。前記特徴判断手段105aは、転送先のアドレスを一旦記憶し、このアドレスをキーとして前記規格情報記憶ファイル105cを検索し、転送先の通信端末の通信規格が802.11aと11bであると認識する。
そして、特徴判断手段105aは、受信したデータ量が10MB(メガバイト)の場合、前記規格情報ファイル105cに記憶するデータ量の条件フィールドに記憶されるデータと比較し、受信したデータ量が大きいとして、高速通信に適した801.11a規格の採用を優先する。通信規格を判別できない場合には、処理を終了する
(S4) また、中継装置10は、電波環境判断手段105bにより、データを受信した際の中継装置10周囲の電波環境を自動的に判断する。具体的には、中継装置10の周囲で使用されている電波の周波数をモニターする。そして、2.4GHzの周波数帯域が使用されているとして、この周波数帯域を除いた通信規格である802.11a規格(周波数帯域5GHz)の採用を優先する。通信規格を判別できない場合は処理を終了する。
なお、上記特徴判断を実行するステップS3と、電波環境判断を実行するステップS4とは、どちらを先に実行してもよい。
【0018】
(S5) 中継装置10は、通信規格選定手段105により、前記判断した通信規格の特徴、周囲の電波環境に従い、転送するデータの通信規格を選定する。前記特徴判断のステップS3と電波環境を判断するステップS4はいずれも通信規格802.11aを優先する結果だったので、通信規格選定手段105は転送する通信規格として802.11aを選定する。
(S6) 中継装置10は、データ変換手段107により、前記選定された通信規格に従い、前記受信したブルートゥース規格のパケット・データを802.11aに対応したパケット・データに変換する。変換したパケット・データを図5(b)に示す。図5に示すように、ユーザデータの部分を除き、パケットの先頭にプリアンブル、ヘッダを取り付け、その後にユーザデータを設ける。変換の前後でユーザデータは同一とする。プリアンブルは同期を取るためのビット列を記憶する。ヘッダ(OFDMヘッダ)は、パケット長や通信速度(伝送速度)等の制御信号を記憶する。
(S7) 中継装置10は、データの転送手段100により、IEEE規格(802.11a)に基づき、5GHzの周波数帯域を使用し、所定の通信速度(伝送レート)で前記変換したパケットを送信先のデスクトップPC13に転送する。実際には、上記通信の前に、送信要求とその確認のパケットの交換を行い、通信環境を確立した後にパケットの転送を行う。
携帯電話17から送信されたデータのすべてをデスクトップPC13に転送し、中継装置10は処理を終了する。
なお、上記ステップ2(S2)のデータ処理中に、他の通信端末からデータの通信要求が中継装置10に送られたとき、また、データ自身が送られたとき、中継装置10は、データの処理手段としてのCPUのタイムシェアリングを行い、データ処理を交互に行う。本実施形態では、このようにして、データの処理を並行的に実行する。
【0019】
(その他の実施形態)
中継装置10とデータを受信する通信端末との位置関係を考慮して、通信規格を選定する形態を以下に説明する。
この実施形態では、前記規格情報ファイルにプリンタ15が対応する通信規格としてIEEEとIrDAを記憶する。そして、端末フィールド列203の位置条件として、IrDAを優先的に選定する旨を記憶する。ここで、IrDA規格に基づく通信は、赤外線を用いるものであり、データの送信に指向性が強い。また、その通信距離も1m程度である。一方、IEEE規格は2.4GHzもしくは5GHzの電波を用いるもので、データの送信に指向性が弱く、その通信距離も大きい。
前記中継装置10の処理におけるステップ4(電波環境判断)において(図4参照)、中継装置10は、電波環境判断手段105bにより、プリンタ15に対して送信要求のデータを送信する。この際、中継装置10とプリンタ15の間に障害物がなく、かつ、その位置関係が1m以内であれば、プリンタ15は、そのデータを受信することができ、送信確認のデータを返信する。この場合、中継装置10とプリンタ15とはIrDA規格に基づき通信を行う。
一方、中継装置10とプリンタ15との間に障害物がある場合や、また、その距離が離れている場合、ステップ4において、プリンタ15は送信確認のデータを返信できない。そこで、データの返信がない場合、中継装置10は、プリンタ15との位置関係を考慮して、指向性のない、もしくは、遠距離通信が可能なIEEE規格を選定し、この規格に従って通信を行う。
【0020】
消費電力を考慮して通信規格を選定する形態を以下に説明する。
この実施形態では、前記規格情報ファイルに携帯電話17が対応する通信規格として、ブルートゥースとIEEEを記憶する。そして、端末フィールド列203の消費電力の条件として、消費電力モードがONのときはブルートゥースを優先的に選定する旨を記憶する。
データを送信する利用者は、通信端末から中継装置10を介してデータを送信する際、消費電力モードである情報を併せて送信する。前記中継装置10は、特徴判断手段105により、図4におけるステップ3(特徴判断)において、消費電力モードをONにする旨の情報を読み取り、これを規格情報ファイルに検索し、前記消費電力モードがONであることを条件にブルートゥースを選定すべきことを認識する。この結果に基づき、通信規格選定手段105では、ブルートゥースを選定する。このように、本発明における無線ネットワークシステムでは、消費電力を考慮した電波環境を確立することができる。
なお、消費電力モードがONのときであっても、そのほかの条件により優先すべき通信規格が定められている場合、他の規格を選定することも可能である。
【0021】
利用者の要望に応じてセキュリティ機能を変化させる実施形態を以下説明する。この実施形態は、セキュリティ対策が施されたブルートゥースと、セキュリティ対策が施されていないIEEEの双方に対応したノートブックPC19の通信として説明する。規格情報ファイルにおけるセキュリティ情報には、ノートブックPC19のリンク・キーを記憶し、更に、セキュリティ・モードがONのとき、ブルートゥース規格で通信を行う旨を記憶する。ノートブックPC19にも、前記リンク・キーと同じキーを記憶する。(中継装置10とノートブックPC19でリンク・キーをペアで記憶する。)
セキュリティを高めて通信を行いたい利用者は、データを送信する際に併せてセキュリティ・モードをONにする旨を送信する。この情報を受信した中継装置10における通信規格判断手段105aでは、規格情報ファイルを参照し、通信規格としてブルートゥースを選定する。更に、前記リンク・キーを用いて、ノートブックPC19と接続認証を行い、認証されたことをもって電波環境を確立する。
このように、本発明における通信規格判断手段は、セキュリティを考慮して通信規格を選定することを特徴としてもよい。
【0022】
同一の機能を備え、かつ、通信規格の異なる通信端末が、この無線ネットワークシステムに複数台存在する形態を以下説明する。この実施形態は、無線ネットワークシステムに、通信規格がIEEEに対応したプリンタAと、IrDAに対応したプリンタBが存在する場合として説明する(プリンタA、Bは図中明記しない)。中継装置10の規格情報ファイル105cには、データ量の条件として、IrDAは10MBの情報量を上限とする旨を記憶しておく。
利用者は、ある通信端末から、送信先のアドレスを指定するのではなく、デバイス名としてプリンタを特定してデータを送信する。このデータを受信した中継装置10の特徴判断手段105aは、デバイス名をキーとして、前記規格情報ファイル105cを検索し、プリンタAとプリンタBを抽出する。中継装置10の特徴判断手段105aは、受信したデータを記憶し、データ全体のデータ量を算出する。この算出されたデータ量と前記データ量の条件に記憶されているデータ量の上限を比較し、上限より大きなデータであれば、IEEE規格に対応するプリンタAを選定する。一方、上限以下のデータであれば、IrDA規格に対応するプリンタBを選定する。
このように、本発明における特徴判断手段105aは、同一機能であって、かつ、通信規格の異なる通信端末のうち、より適宜な通信端末を選定するよう自動的に判断する機能を特徴として備えてもよい。
パケットの変換形態としては、図5に示すように、ユーザデータを同じにして、ヘッダー部分を変換する形態のほか、中継装置10が受信したパケットに、転送先の規格に基づくヘッダー、フッダーを追加する形態でも実施可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、請求項1は、特徴判断手段と電波環境判断手段とデータ変換手段などを備え、通信規格の異なる通信端末間であっても、規格間の互換性を保ち、異なる通信規格の通信端末同士であっても、データの無線通信を行うことができる。また、通信規格の特徴や電波環境を考慮して、データの送信に適した通信規格を選定することで、より効率的でかつ安定したデータ送信を行うことができる。
また請求項2は、前記中継装置は、前記通信端末から受信した受信データの通信規格に基づいて前記受信データを処理し、該受信データを転送先の通信規格の散在状況、使用状況、及び電波環境に応じて前記転送先の通信規格を選定し、前記受信データを選定された通信規格に変換して前記転送先に送信する。このように通信規格の散在状況や電波環境を考慮して、データの転送に適した通信規格を選定することで、より効率的でかつ安定したデータの転送を行うことができる。また請求項3は、前記データ処理手段は前記データの処理を並列的に実行する。このようにデータの処理を並列的に実行することにより、複数の無線通信から送信要求があった場合であっても、中継装置は複数の無線通信を同時期に確立することができる。
また請求項4は、前記特徴判断手段は、受信したデータのデータ量やデータの種類などを判断する。この判断に基づいて、データの転送に適した通信規格を選定することで、より効率的でかつ安定したデータ通信を行うことができる。また、これらを自動的に判断することで、利用者の希望に応じた無線通信環境を、容易に確立することができる。
また請求項5は、前記電波環境判断手段は、電波環境を自動的に判断する。このように電波環境を判断し、この判断に基づいてデータの転送に適した通信規格を選定することで、電波干渉が少ない、安定した無線ネットワークシステムを構築することができる。また、これらを自動的に判断することで、利用者の希望に応じた無線通信環境を、容易に確立することができる。
また請求項6は、通信規格判別手段と、複数のデータ処理手段と、通信規格選定手段と、データ変換手段とを備える。これにより、簡易な構造でありながら、様々な通信規格に基づく通信端末間のデータ通信を可能にすることができる。
また請求項7は前記中継装置で実行されるプログラムの発明であり、請求項8はそのプログラムを記憶した記憶媒体の発明である。
これらのプログラム及びその記憶媒体を用いて、前記中継装置にプログラムをインストールし、上記発明を実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施形態である無線ネットワークシステムの全体構成図である。
【図2】
各通信端末の互換性を実現するための中継装置の機能ブロック図である。
【図3】
中継装置に記憶される規格情報記憶手段としての規格情報ファイルのデータ構成図である。
【図4】
前記中継装置のデータ処理を示すフローチャートである。
【図5】
中継装置が受信したパケット・データと、変換されて転送されるパケット・データの概略図である。
【符号の説明】
10 中継装置、11 スキャナー、13 デスクトップPC、15 プリンタ、17 携帯電話、19 ノートブックPC、21 ファクシミリ、23 PDA、31 サーバ、101 通信規格判別手段、103 データ処理手段、105 通信規格選定手段、105a 特徴判断手段、105b 電波環境判断手段、105c 規格情報記憶手段(規格情報記憶ファイル)、107 データ変換手段、201 端末フィールド列、203 条件フィールド列、205 規格フィールド列
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信を行うネットワークシステムに関する。特に、複数の通信規格に基づきデータの送受信を行う無線ネットワークに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ(以下、PC)や、プリンタ、スキャナなどの各種機器間で無線通信が行われている。これら各端末で行われる無線通信は、各種の通信規格に基づいて行われる。
従来、無線通信によりデータの送受信を行えるのは同一の通信規格に対応した端末間に限られていた。そのため、通信規格の異なる端末にデータを送信するためには、送信先の通信規格に基づいたデータに変換し、通信方式も切り替えて行う必要があった。このように、通信規格の異なる端末にデータを送信する度に、データを変換し、かつ、通信方式を切り替えなければならいといった不便さがあった。
特開2002−26994公報には、ネットワーク間のプロトコルの違いを補うプロトコルマッピングに関する無線ネットワークシステムが開示される。これによると、既存のセルラ基地局サブシステム(BBS)のパケットデータネットワークとのインターワーキングを可能にするインターネットワーキング機能(IWF)が開示されている。
【特許文献1】特開2002−26994公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開2002−26994公報に開示されるIWFでは、既存のBBSとの無線通信は可能であるが、規格の異なるパケットデータ同士のネットワークを確立することはできない。
本発明は、かかる課題に鑑み、通信規格が異なる通信端末間においても、通信方式を切り替えることなく、データの送受信が可能な無線ネットワークシステムを提供することを目的とする。更に、通信規格の特徴や電波環境を考慮して、データの送信に適した通信規格を選定することで、より効率的でかつ安定したデータの送受信を可能にするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、無線通信を行う複数の通信端末と、少なくとも一つの中継装置とからなる無線ネットワークシステムにおいて、前記中継装置は、前記通信端末から受信したデータがいずれの通信規格に基づくものかを判別する通信規格判別手段と、該通信規格判別手段により判別された通信規格に基づいて前記データの処理を実行する複数のデータ処理手段と、該データ処理手段に基づいて得られたネットワーク上の通信規格の散在状況、及び使用状況を判断する特徴判断手段と、電波環境、及び電波の干渉具合を計測する電波環境判断手段と、前記特徴判断手段、及び電波環境判断手段の結果に基づいて通信規格の使用を選定する通信規格選定手段と、該通信規格選定手段により選定された通信規格に合致するように前記データを変換するデータ変換手段と、を備えたことを特徴とする。
かかる発明によれば、通信規格の異なる通信端末間であっても、規格間の互換性を保ち、異なる通信規格の通信端末同士であっても、データの無線通信が可能となる。また、通信規格の特徴や電波環境を考慮して、データの送信に適した通信規格を選定することで、より効率的でかつ安定したデータ送信が可能となる。
【0005】
本発明における「通信端末」とは、PC及びその周辺機器等を主として意味し、デスクトップPCや、ノートブックPCのほか、スキャナ、プリンタ、携帯電話、ファクシミリ、PDA(携帯情報端末)などが含まれる。「通信規格」とは、前記通信端末と無線通信を行う各種の通信規格等をいい、IEEE、IrDA(Infrared Date Association)、ブルートゥース(Bluetooth)、HomeRFなどが該当する。更に、その他の通信規格として、WAP(Wireless Application Protocol)、FWA(Fixed Wireless Access)、ワイヤレス1394規格、その他、今後制定されるすべての無線通信規格が該当する。
本発明における無線ネットワークシステムにおける通信端末には、前記機能以外の機能を備えた通信端末を含んでもよい。また、前記通信規格以外の規格に対応した通信端末を含んでもよい。
本発明において、「送信する」とは、ある通信端末から中継装置に向けてデータを送ることをいう。一方、中継装置からある通信端末に向けてデータが送られる場合、前記送信と区別するために、データを「転送する」とする。転送の形態としては、すべてのデータを中継装置が一旦記憶し、その後に送信する形態のほか、受信したデータを逐次送信する形態など、様々な形態で実施可能である。
【0006】
請求項2は、前記中継装置は、前記通信端末から受信した受信データの通信規格に基づいて前記受信データを処理し、該受信データを転送先の通信規格の散在状況、使用状況、及び電波環境に応じて前記転送先の通信規格を選定し、前記受信データを選定された通信規格に変換して前記転送先に送信することを特徴とする。
このように通信規格の散在状況や電波環境を考慮して、データの転送に適した通信規格を選定することで、より効率的でかつ安定したデータの転送を可能とする。
請求項3は、前記データ処理手段は、複数の通信端末でネットワークを構築する処理と共に、前記判別された通信規格に基づいて前記データの処理を並列的に実行することを特徴とする。
このようにデータの処理を並列的に実行することにより、複数の無線通信から送信要求があった場合であっても、中継装置は複数の無線通信を同時期に確立することが可能となる。また、既に無線通信が行われている環境において、新たに通信を始める利用者は、既存の通信が完了するまで、送信処理を待たされることがなくなる。データの処理を並列的に実行する形態としては、一つのCPU上で各データ処理手段がタイム・シェアリングを行う形態の他、複数のCPUを配置し、各CPUが独立してデータ処理を実行する形態でもよい。
請求項4は、前記特徴判断手段は、前記通信端末から受信したデータのデータ量、データの種類、省エネルギー、前記通信端末同士の位置関係の把握、及びセキュリティレベルの把握を自動的に判断することを特徴とする。
このように受信したデータのデータ量、データ種類など判断し、この判断に基づいて、データの転送に適した通信規格を選定することで、より効率的でかつ安定したデータ通信を可能とする。また、これらを自動的に判断することで、利用者の希望に応じた無線通信環境を、容易に確立することができる。
【0007】
請求項5は、前記電波環境判断手段は、受信したデータを転送する際の中継装置周囲の電波環境を自動的に判断することを特徴とする。
このように電波環境を判断し、この判断に基づいてデータの転送に適した通信規格を選定することで、電波干渉が少ない、安定した無線ネットワークシステムを構築することができる。また、これらを自動的に判断することで、利用者の希望に応じた無線通信環境を、容易に確立することができる。
請求項6は、無線通信を行う複数の通信端末と、少なくとも一つの中継装置とからなる無線ネットワークシステムにおいて、前記中継装置は、前記通信端末から受信したデータがいずれの通信規格に基づくものかを判別する通信規格判別手段と、該通信規格判別手段により判別された通信規格に基づいて前記データの処理を実行する複数のデータ処理手段と、該データ処理手段に基づいて通信規格の使用を選定する通信規格選定手段と、該通信規格選定手段により選定された通信規格に合致するように前記データを変換するデータ変換手段と、を備えたことを特徴とする。
このように、通信規格判別手段と、データ処理手段と、通信規格選定手段と、データ変換手段により、中継装置を構成することで、簡易な構造でありながら、様々な通信規格に基づく通信端末間のデータ通信を可能にすることができる。そして、望ましくは、転送先の各通信規格に関する各種情報を記憶する規格情報記憶手段を備え、前記通信規格選定手段がこの規格情報記憶手段を参照して転送先の通信規格を選定することを特徴とする。
このように規格情報記憶手段を備え、かつ、これを参照して通信規格を選定することにより、迅速かつ多様な選択が可能となる。
【0008】
請求項7は、複数の通信規格に基づいて通信端末と無線通信を行う中継装置で実行される中継装置プログラムであって、ある通信端末からデータを受信すると、いずれの通信規格に基づく通信であるかを判別し、前記判別した通信規格に基づいてデータを処理し、受信した前記データを転送する通信端末の通信規格の特徴、または/及び、前記データを受信した際の中継装置周囲の電波環境を判断し、前記判断した通信規格の特徴、または/及び、電波環境に従い、転送するデータの通信規格を選定し、選定された前記通信規格に基づき、前記受信したデータを変換し、これを所定の通信端末に転送する処理を実行することを特徴とする。また、同様に、請求項8は、請求項7に記載の中継装置プログラムをコンピュータが実行可能な形態に記憶したことを特徴とする。
これらのプログラム及びその記憶媒体を用いて、前記中継装置にプログラムをインストールし、上記発明を実施することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の無線ネットワークシステムの全体構成図の一実施形態である。図2は、各通信端末の互換性を実現するための中継装置の機能ブロック図である。図3は、前記中継装置に記憶される規格情報記憶手段としての規格情報ファイルのデータ構成図である。図4は、前記中継装置のデータ処理を示すフローチャートである。図5は、中継装置が受信したパケット・データと、変換されて転送されるパケット・データの概略図である。
【0010】
図1に示すように、本発明における無線ネットワークシステムの一実施形態は、中央に位置する中継装置10と、その周りの無線通信を行う複数の通信端末11〜23により構成される。図1は、デスクトップPC13や、ノートブックPC19のほか、スキャナ11、プリンタ15、携帯電話17、ファクシミリ21、PDA(携帯情報端末)23などを示す。これら各通信端末は、無線通信を行う機能を備え、通信規格が合致すれば、双方の端末同士で無線通信を行えるものである。
本発明は、上記通信端末同士が無線通信を行うのではなく、ある通信端末から送信されたデータは一旦中継装置10に送られ、ここで転送先の通信端末の規格に変換され、これを他の通信端末に転送してデータ通信を行うものである。
この通信端末11〜23の集合には、少なくとも二つの通信規格に基づいて無線通信を行う通信端末が含まれる。この実施形態の各通信端末は、中継装置10と以下の規格で通信を行うものとする。
・スキャナ11: IEEE
・デスクトップPC13: IEEEの802.11aと802.11b
・プリンタ15: IrDAとIEEE
・携帯電話17: ブルートゥース
・ノートブックPC19: ブルートゥースとIEEE
・ファックス21: HomeRF
・PDA23: IrDA
これら各通信規格に基づく各通信端末の構成は従来技術と同様である。本発明は以下説明する中継装置10を用いることで、通信規格の異なる通信端末間の通信を可能とするものである。
中継装置10は、無線通信だけでなく有線通信を行う手段を備えていてもよい。図ではEthernet(登録商標)規格に基づきサーバ31との送受信可能としたものである。これにより、中継装置10は、サーバ31からの各種データを上記各通信端末11〜23に送信することができる。また、サーバ31を介してインターネットと本発明における無線ネットワークシステムとを連結させることも可能となる。
【0011】
前記無線ネットワークシステムに用いられる中継装置10の構成を以下説明する。図2は、この中継装置10の機能ブロックである。図中、左側には前記無線ネットワークシステムの通信端末であるスキャナ11、デスクトップPC13、プリンタ15、携帯電話17・・・サーバ31を記す。
中継装置10は、無線通信機器としての基本的機能としてデータを受信し、送信する手段を備える。図では、データの受信と転送手段100と示す。その他、各通信端末から送られてきたデータがいずれの通信規格に基づくものかを判断する通信規格判別手段101と、各通信規格に基づいてデータの処理を行うデータ処理手段103と、転送先の通信端末の通信規格を選定する通信規格選定手段105と、選定された通信規格に合致するように前記データを変換するデータ変換手段107とを備える。
そして、本発明の望ましい実施形態として、より適切な通信規格の選定を可能とすべく、受信したデータのデータ量、データの種類などを自動的に判断する特徴判断手段105aと、中継装置10の周囲の電波環境を自動的に判断する電波環境判断手段105bと、各通信端末とその通信規格に対応した規格情報を記憶する規格情報記憶手段105cを備える。
データの受信と転送手段100は、既存の通信機器と同様に、その基本的機能として送られてきたデータを受信する機能と、指定された通信端末に向けてデータを送信する機能(本発明においては転送する機能)を備える。その具体的構成は既存の構成と同様である。
通信規格判別手段101は、ある通信端末からデータが送られてくるとそのデータの通信規格を定め、データの受信の準備を行う。データの通信規格を定める形態としては、パケットのヘッダーを解析する形態や、通信に先立ち予め通信規格を定めた通信規格パケットを受信する形態、また、送信元の通信端末アドレスとその通信規格とを対応させたデータを規格情報記憶手段105cとしての規格情報ファイルに予め記憶し、そのファイルに基づき判断する形態など、さまざまな形態で実施可能である。
【0012】
データ処理手段103は、前記通信規格判断手段101により、通信規格が定められたデータをその通信規格に基づいて処理する機能を備える。このデータの処理を行うための構造は、従来からある各通信規格に基づくモジュールや通信カードなどを用いて実現可能である。図2では、通信端末の各通信規格に対応すべく、IEEEの802.11a、11b、11gのほかブルートゥース、Ethernet(登録商標)規格に対応するデータ処理手段(符号103a〜d・・・)を示す。IrDA規格やHomeRF規格に対応するデータ処理手段については省略する。そして、中継装置10が新しい通信規格に対応する場合には、このデータ処理手段103に新しい通信規格に対応したモジュール等を組み込むことで対応する。すなわち、この中継装置10としては、このデータ処理手段103の追加を可能とすべく、通信用モジュールや通信カードの追加を可能とする手段を備えるものが望ましい。具体的に、この中継装置10をコンピュータで実現する場合は、通信用モジュールを挿入するスロットを複数配置しておく。
通信規格選定手段105は、前記受信したデータの転送先の通信規格を定める機能を備える。転送先の通信規格を定める機能は、通信端末とその通信規格とを対応させたファイル(規格情報記憶手段105c)を予め記憶しておき、データの送り先(転送先)のアドレス情報から、転送先の通信端末を特定し、前記ファイルを参照することで実現可能である。その他、上記ファイルを記憶しない形態として、転送先の通信端末が特定されると、この通信端末に対して各通信規格に基づく送信要求のパケットを送り、返信がされたパケットの規格を参照することで当該通信端末の通信規格を定める形態でもよい。
【0013】
特徴判断手段105aは、受信したデータのデータ量、データの種類などを自動的に判断する機能を備える。その実施例を以下示す。
・データ量
例えば、IEEE規格に基づいてデータの転送を行う場合に、受信したデータ量が所定の量より多い場合には、802.11b規格より通信速度が大きい802.11a規格を優先的に選定する形態である。
・通信距離(通信規格の散在状態)
中継装置10と転送先の通信端末との距離が所定の距離より大きい場合には通信距離が大きいIEEE規格を採用し、一方、距離が短い場合には消費電力が少ないといった利点を備えたブルートゥース規格を選定する形態である。
・消費電力
消費電力を少なくデータの受信を行いたいとする通信端末に対しては、優先的に消費電力の少ない通信規格(例えばブルートゥース規格)を選定する形態である。
・セキュリティ
セキュリティを強化した通信を望む場合(セキュリティ・モード)、よりセキュリティが高い通信規格を優先的に選定する形態である。例えば、セキュリティ対策のとられていないIrDA規格と、暗号化対策が施されたIEEE規格による通信を行う場合、IEEE規格を優先的に選定する形態である。
また、通信規格にセキュリティのレベルが設けられている場合、利用者が特定したレベルでのデータ通信を選定する形態である。例えば、ブルートゥース規格に基づく通信の場合、ビット長の異なるリンク・キーを予め数種類用意しておく。ビット長の長いものはセキュリティのレベルが高いものである。そして、利用者がセキュリティのレベルを選んだ場合は、そのレベルに応じたビット長のリンク・キーを用いて通信を行う形態である。
電波環境判断手段105bは、データを転送する際に、中継装置10の周囲の電波環境をモニターし、使用されている周波数帯域以外の周波数帯域の通信規格を選定する機能を備える。
使用されている周波数帯域を避ける形態としては、次の形態が挙げられる。
・IEEE規格の場合、中継装置10の周囲で2.4MHzが使用されているときに2.4MHzを使用するIEEE802.11bではなく、5MHzを使用するIEEE802.11aを採用する。このように、使用する周波数帯域が異なる通信規格を選定する形態である。
・2.4MHzを使用する802.11b規格の場合、モニターする周波数帯域をより厳密に測定し、2400〜2420Hzが使用されている場合に、2450〜2470Hzの周波数帯域を選定する。このように、一つの通信規格について使用する周波数帯域を細分化して考え、厳密に使用されている周波数帯域以外の周波数帯域を選定する形態も該当する。
【0014】
この実施形態では、各通信規格の通信速度、セキュリティ・モードの有無、消費電力モードの有無、使用する周波数帯域などに関する規格情報ファイルを記憶する。この規格情報記憶手段としての規格情報ファイル105cのデータ構造、その概略を図3に示す。
図3に示す規格情報ファイル105cは、通信端末を特定する端末フィールド列201と、その通信端末における各種条件を定めた条件フィールド列203、通信規格に関する規格フィールド列205を備えたものであり、端末フィールド列201と条件フィールド列203とは通信端末IDをキーに関連づけたものであり、端末フィールド列201と規格フィールド列205とは通信規格をキーに関連づけたものである。
・デバイス名には、各種通信端末の名称を記憶させる。例えば、プリンタやデスクトップPC等である。
・通信端末IDには、各通信端末を特定すべく、固有の数字と記号の列を記憶させる。なお、ネットワークには各通信端末に各固有のアドレスが付されることから、アドレスを通信端末IDとして利用してもよい。
・通信規格には、対応する通信規格を記憶させる。対応する通信規格は一つに限定する必要はなく、一つの通信端末が複数の通信規格に対応する形態でもよい。複数の通信規格に対応する形態としては、IEEE802.11gのように11a及び11bの通信規格と互換性を備えた形態のほか、図1に示すプリンタ15のようにIrDA規格とIEEE規格の双方に対応するといった形態であってもよい。
【0015】
・アドレスには、ネットワークにおける各通信端末のアドレスを記憶させる。アドレスはネットワーク固有のローカルアドレスのほか、IPアドレスを用いてもよい。また、ブルートゥースに対応する機器の場合は、IEEE802に準拠するブルートゥースアドレスを用いる。
・データ量の条件には、大容量に適した通信規格を選定するか否かの境界を定めるデータのデータ量を定める。例えば、802.11bの最大のデータ量が定められている場合、それを超えるデータ量の場合は大容量に適した通信規格とする。
・セキュリティ情報には、セキュリティ・モードがONとなったときに、優先的に選択すべき通信規格を記憶させる。セキュリティ・モードのON/OFFは、データを送信する利用者がデータ送信に併せて送信する。また、セキュリティにレベルを設けた場合は、レベルごとの条件を定める。
また、各通信端末と併せて記憶する暗号化キーや復元化キー、上記リンク・キーなども記憶し、データの送受信を行う際に参照する。
・消費電力の条件には、消費電力モードがONとなったときに、優先的に選択すべき通信規格を記憶させる。消費電力モードのON/OFFはデータを送信する利用者がデータ送信に併せて送信する。
・位置条件には、近接範囲の通信か否かの境界を定める距離データを記憶させる。この距離データは、中継装置10と該当する通信端末との距離を特定するデータとする。例えば、距離データとして10mが記憶されている場合、10m以内であれば近接範囲とし、近接範囲に適した通信規格を採用する。一方、10mと越えると遠距離範囲として、遠距離範囲に適した通信規格を採用する。
・周波数帯域、通信速度には、各通信規格が用いる周波数帯域及びその通信速度を記憶させる。
・パケットの形態には、各通信規格が定める送受信するデータ形態を記憶させる。具体的に、パケット通信であれば、そのヘッダーやフッダーの形態を記憶させる。
・その他、各プロトコルに基づく情報には、各通信規格のプロトコルに関する情報を記憶させる。
【0016】
上記中継装置10は、物理的に単一の機器である必要はなく、ネットワークを活用し、複数の機器の集合として上記機能を達成できるものであればよい。例えば、規格情報記憶手段105cをデータベースとして独立させる形態などである。
上記説明した中継装置10がブルートゥース規格に対応する携帯電話17からデータを受信し、これをIEEE規格の802.11aと11bの双方に対応しているデスクトップPC13へ転送する処理を図2と図4に基づいて以下説明する。
デスクトップPC13にデータを送信するために、携帯電話17の利用者は、送信先をデスクトップPC13として、送信要求を無線ネットワーク上に送信する。無線ネットワーク上に送信された上記送信要求の信号を受信した中継装置Aは、送信確認の信号を携帯電話17に対して送信する。この信号を携帯電話17が受信することで携帯電話17と中継装置10との通信環境が確立する。
上記通信環境が確立されたことを条件として、携帯電話17はデータを送信する。データの送信形態はブルートゥース規格に従いパケット通信とする。パケットの形態を図5(a)に示す。図に示すように、パケットは、先頭にパケットの識別や送受信のタイミング抽出を行うためのアクセス・コード、その次にリアルタイム制御などの設定を行うパケット・ヘッダ、更に、送信したいデータを細分化したユーザデータを含むペイロードとする。
【0017】
中継装置10は、図2に示すデータ受信手段100を用いてこのパケットを受信する。これにより、中継装置10の処理が開始する。受信したデータは、通信判別手段101に送られる。
(S1) 中継装置10は、通信規格判別手段101により、受信したデータがいずれの通信規格に基づく通信であるかを判別する。判別の形態は、受信したパケットを解析し、ブルートゥース規格に基づく通信と判別する。
(S2) 該当する通信規格が見つかり、通信規格をブルートゥースと特定できたので、中継装置10におけるデータ処理手段103dはブルートゥース規格に従いパケット・データのデータ処理を行う。なお、通信規格を特定できなかった場合、処理を終了する
(S3) 上記データ処理を終了後、中継装置10の特徴判断手段105aは、前記データを転送する通信端末の特徴の判断を行う。転送先のアドレスは受信したパケットのアクセス・コードに含まれる送信先アドレスから特定する。前記特徴判断手段105aは、転送先のアドレスを一旦記憶し、このアドレスをキーとして前記規格情報記憶ファイル105cを検索し、転送先の通信端末の通信規格が802.11aと11bであると認識する。
そして、特徴判断手段105aは、受信したデータ量が10MB(メガバイト)の場合、前記規格情報ファイル105cに記憶するデータ量の条件フィールドに記憶されるデータと比較し、受信したデータ量が大きいとして、高速通信に適した801.11a規格の採用を優先する。通信規格を判別できない場合には、処理を終了する
(S4) また、中継装置10は、電波環境判断手段105bにより、データを受信した際の中継装置10周囲の電波環境を自動的に判断する。具体的には、中継装置10の周囲で使用されている電波の周波数をモニターする。そして、2.4GHzの周波数帯域が使用されているとして、この周波数帯域を除いた通信規格である802.11a規格(周波数帯域5GHz)の採用を優先する。通信規格を判別できない場合は処理を終了する。
なお、上記特徴判断を実行するステップS3と、電波環境判断を実行するステップS4とは、どちらを先に実行してもよい。
【0018】
(S5) 中継装置10は、通信規格選定手段105により、前記判断した通信規格の特徴、周囲の電波環境に従い、転送するデータの通信規格を選定する。前記特徴判断のステップS3と電波環境を判断するステップS4はいずれも通信規格802.11aを優先する結果だったので、通信規格選定手段105は転送する通信規格として802.11aを選定する。
(S6) 中継装置10は、データ変換手段107により、前記選定された通信規格に従い、前記受信したブルートゥース規格のパケット・データを802.11aに対応したパケット・データに変換する。変換したパケット・データを図5(b)に示す。図5に示すように、ユーザデータの部分を除き、パケットの先頭にプリアンブル、ヘッダを取り付け、その後にユーザデータを設ける。変換の前後でユーザデータは同一とする。プリアンブルは同期を取るためのビット列を記憶する。ヘッダ(OFDMヘッダ)は、パケット長や通信速度(伝送速度)等の制御信号を記憶する。
(S7) 中継装置10は、データの転送手段100により、IEEE規格(802.11a)に基づき、5GHzの周波数帯域を使用し、所定の通信速度(伝送レート)で前記変換したパケットを送信先のデスクトップPC13に転送する。実際には、上記通信の前に、送信要求とその確認のパケットの交換を行い、通信環境を確立した後にパケットの転送を行う。
携帯電話17から送信されたデータのすべてをデスクトップPC13に転送し、中継装置10は処理を終了する。
なお、上記ステップ2(S2)のデータ処理中に、他の通信端末からデータの通信要求が中継装置10に送られたとき、また、データ自身が送られたとき、中継装置10は、データの処理手段としてのCPUのタイムシェアリングを行い、データ処理を交互に行う。本実施形態では、このようにして、データの処理を並行的に実行する。
【0019】
(その他の実施形態)
中継装置10とデータを受信する通信端末との位置関係を考慮して、通信規格を選定する形態を以下に説明する。
この実施形態では、前記規格情報ファイルにプリンタ15が対応する通信規格としてIEEEとIrDAを記憶する。そして、端末フィールド列203の位置条件として、IrDAを優先的に選定する旨を記憶する。ここで、IrDA規格に基づく通信は、赤外線を用いるものであり、データの送信に指向性が強い。また、その通信距離も1m程度である。一方、IEEE規格は2.4GHzもしくは5GHzの電波を用いるもので、データの送信に指向性が弱く、その通信距離も大きい。
前記中継装置10の処理におけるステップ4(電波環境判断)において(図4参照)、中継装置10は、電波環境判断手段105bにより、プリンタ15に対して送信要求のデータを送信する。この際、中継装置10とプリンタ15の間に障害物がなく、かつ、その位置関係が1m以内であれば、プリンタ15は、そのデータを受信することができ、送信確認のデータを返信する。この場合、中継装置10とプリンタ15とはIrDA規格に基づき通信を行う。
一方、中継装置10とプリンタ15との間に障害物がある場合や、また、その距離が離れている場合、ステップ4において、プリンタ15は送信確認のデータを返信できない。そこで、データの返信がない場合、中継装置10は、プリンタ15との位置関係を考慮して、指向性のない、もしくは、遠距離通信が可能なIEEE規格を選定し、この規格に従って通信を行う。
【0020】
消費電力を考慮して通信規格を選定する形態を以下に説明する。
この実施形態では、前記規格情報ファイルに携帯電話17が対応する通信規格として、ブルートゥースとIEEEを記憶する。そして、端末フィールド列203の消費電力の条件として、消費電力モードがONのときはブルートゥースを優先的に選定する旨を記憶する。
データを送信する利用者は、通信端末から中継装置10を介してデータを送信する際、消費電力モードである情報を併せて送信する。前記中継装置10は、特徴判断手段105により、図4におけるステップ3(特徴判断)において、消費電力モードをONにする旨の情報を読み取り、これを規格情報ファイルに検索し、前記消費電力モードがONであることを条件にブルートゥースを選定すべきことを認識する。この結果に基づき、通信規格選定手段105では、ブルートゥースを選定する。このように、本発明における無線ネットワークシステムでは、消費電力を考慮した電波環境を確立することができる。
なお、消費電力モードがONのときであっても、そのほかの条件により優先すべき通信規格が定められている場合、他の規格を選定することも可能である。
【0021】
利用者の要望に応じてセキュリティ機能を変化させる実施形態を以下説明する。この実施形態は、セキュリティ対策が施されたブルートゥースと、セキュリティ対策が施されていないIEEEの双方に対応したノートブックPC19の通信として説明する。規格情報ファイルにおけるセキュリティ情報には、ノートブックPC19のリンク・キーを記憶し、更に、セキュリティ・モードがONのとき、ブルートゥース規格で通信を行う旨を記憶する。ノートブックPC19にも、前記リンク・キーと同じキーを記憶する。(中継装置10とノートブックPC19でリンク・キーをペアで記憶する。)
セキュリティを高めて通信を行いたい利用者は、データを送信する際に併せてセキュリティ・モードをONにする旨を送信する。この情報を受信した中継装置10における通信規格判断手段105aでは、規格情報ファイルを参照し、通信規格としてブルートゥースを選定する。更に、前記リンク・キーを用いて、ノートブックPC19と接続認証を行い、認証されたことをもって電波環境を確立する。
このように、本発明における通信規格判断手段は、セキュリティを考慮して通信規格を選定することを特徴としてもよい。
【0022】
同一の機能を備え、かつ、通信規格の異なる通信端末が、この無線ネットワークシステムに複数台存在する形態を以下説明する。この実施形態は、無線ネットワークシステムに、通信規格がIEEEに対応したプリンタAと、IrDAに対応したプリンタBが存在する場合として説明する(プリンタA、Bは図中明記しない)。中継装置10の規格情報ファイル105cには、データ量の条件として、IrDAは10MBの情報量を上限とする旨を記憶しておく。
利用者は、ある通信端末から、送信先のアドレスを指定するのではなく、デバイス名としてプリンタを特定してデータを送信する。このデータを受信した中継装置10の特徴判断手段105aは、デバイス名をキーとして、前記規格情報ファイル105cを検索し、プリンタAとプリンタBを抽出する。中継装置10の特徴判断手段105aは、受信したデータを記憶し、データ全体のデータ量を算出する。この算出されたデータ量と前記データ量の条件に記憶されているデータ量の上限を比較し、上限より大きなデータであれば、IEEE規格に対応するプリンタAを選定する。一方、上限以下のデータであれば、IrDA規格に対応するプリンタBを選定する。
このように、本発明における特徴判断手段105aは、同一機能であって、かつ、通信規格の異なる通信端末のうち、より適宜な通信端末を選定するよう自動的に判断する機能を特徴として備えてもよい。
パケットの変換形態としては、図5に示すように、ユーザデータを同じにして、ヘッダー部分を変換する形態のほか、中継装置10が受信したパケットに、転送先の規格に基づくヘッダー、フッダーを追加する形態でも実施可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、請求項1は、特徴判断手段と電波環境判断手段とデータ変換手段などを備え、通信規格の異なる通信端末間であっても、規格間の互換性を保ち、異なる通信規格の通信端末同士であっても、データの無線通信を行うことができる。また、通信規格の特徴や電波環境を考慮して、データの送信に適した通信規格を選定することで、より効率的でかつ安定したデータ送信を行うことができる。
また請求項2は、前記中継装置は、前記通信端末から受信した受信データの通信規格に基づいて前記受信データを処理し、該受信データを転送先の通信規格の散在状況、使用状況、及び電波環境に応じて前記転送先の通信規格を選定し、前記受信データを選定された通信規格に変換して前記転送先に送信する。このように通信規格の散在状況や電波環境を考慮して、データの転送に適した通信規格を選定することで、より効率的でかつ安定したデータの転送を行うことができる。また請求項3は、前記データ処理手段は前記データの処理を並列的に実行する。このようにデータの処理を並列的に実行することにより、複数の無線通信から送信要求があった場合であっても、中継装置は複数の無線通信を同時期に確立することができる。
また請求項4は、前記特徴判断手段は、受信したデータのデータ量やデータの種類などを判断する。この判断に基づいて、データの転送に適した通信規格を選定することで、より効率的でかつ安定したデータ通信を行うことができる。また、これらを自動的に判断することで、利用者の希望に応じた無線通信環境を、容易に確立することができる。
また請求項5は、前記電波環境判断手段は、電波環境を自動的に判断する。このように電波環境を判断し、この判断に基づいてデータの転送に適した通信規格を選定することで、電波干渉が少ない、安定した無線ネットワークシステムを構築することができる。また、これらを自動的に判断することで、利用者の希望に応じた無線通信環境を、容易に確立することができる。
また請求項6は、通信規格判別手段と、複数のデータ処理手段と、通信規格選定手段と、データ変換手段とを備える。これにより、簡易な構造でありながら、様々な通信規格に基づく通信端末間のデータ通信を可能にすることができる。
また請求項7は前記中継装置で実行されるプログラムの発明であり、請求項8はそのプログラムを記憶した記憶媒体の発明である。
これらのプログラム及びその記憶媒体を用いて、前記中継装置にプログラムをインストールし、上記発明を実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施形態である無線ネットワークシステムの全体構成図である。
【図2】
各通信端末の互換性を実現するための中継装置の機能ブロック図である。
【図3】
中継装置に記憶される規格情報記憶手段としての規格情報ファイルのデータ構成図である。
【図4】
前記中継装置のデータ処理を示すフローチャートである。
【図5】
中継装置が受信したパケット・データと、変換されて転送されるパケット・データの概略図である。
【符号の説明】
10 中継装置、11 スキャナー、13 デスクトップPC、15 プリンタ、17 携帯電話、19 ノートブックPC、21 ファクシミリ、23 PDA、31 サーバ、101 通信規格判別手段、103 データ処理手段、105 通信規格選定手段、105a 特徴判断手段、105b 電波環境判断手段、105c 規格情報記憶手段(規格情報記憶ファイル)、107 データ変換手段、201 端末フィールド列、203 条件フィールド列、205 規格フィールド列
Claims (8)
- 無線通信を行う複数の通信端末と、少なくとも一つの中継装置とからなる無線ネットワークシステムにおいて、
前記中継装置は、前記通信端末から受信したデータがいずれの通信規格に基づくものかを判別する通信規格判別手段と、該通信規格判別手段により判別された通信規格に基づいて前記データの処理を実行する複数のデータ処理手段と、該データ処理手段に基づいて得られたネットワーク上の通信規格の散在状況、及び使用状況を判断する特徴判断手段と、電波環境、及び電波の干渉具合を計測する電波環境判断手段と、前記特徴判断手段、及び電波環境判断手段の結果に基づいて通信規格の使用を選定する通信規格選定手段と、該通信規格選定手段により選定された通信規格に合致するように前記データを変換するデータ変換手段と、を備えたことを特徴とする無線ネットワークシステム。 - 前記中継装置は、前記通信端末から受信した受信データの通信規格に基づいて前記受信データを処理し、該受信データを転送先の通信規格の散在状況、使用状況、及び電波環境に応じて前記転送先の通信規格を選定し、前記受信データを選定された通信規格に変換して前記転送先に転送することを特徴とする請求項1に記載の無線ネットワークシステム。
- 前記データ処理手段は、複数の通信端末でネットワークを構築する処理と共に、前記判別された通信規格に基づいて前記データの処理を並列的に実行することを特徴とする請求項1に記載の無線ネットワークシステム。
- 前記特徴判断手段は、前記通信端末から受信したデータのデータ量、データの種類、省エネルギー、前記通信端末同士の位置関係の把握、及びセキュリティレベルの把握を自動的に判断することを特徴とする請求項1に記載の無線ネットワークシステム。
- 前記電波環境判断手段は、受信したデータを転送する際の中継装置周囲の電波環境を自動的に判断することを特徴とする請求項1に記載の無線ネットワークシステム。
- 無線通信を行う複数の通信端末と、少なくとも一つの中継装置とからなる無線ネットワークシステムにおいて、
前記中継装置は、前記通信端末から受信したデータがいずれの通信規格に基づくものかを判別する通信規格判別手段と、該通信規格判別手段により判別された通信規格に基づいて前記データの処理を実行する複数のデータ処理手段と、該データ処理手段に基づいて通信規格の使用を選定する通信規格選定手段と、該通信規格選定手段により選定された通信規格に合致するように前記データを変換するデータ変換手段と、を備えたことを特徴とする無線ネットワークシステム。 - 複数の通信規格に基づいて通信端末と無線通信を行う中継装置で実行される中継装置プログラムであって、
ある通信端末からデータを受信すると、いずれの通信規格に基づく通信であるかを判別し、前記判別した通信規格に基づいてデータを処理し、
受信した前記データを転送する通信端末の通信規格の特徴、または/及び、前記データを受信した際の中継装置周囲の電波環境を判断し、
前記判断した通信規格の特徴、または/及び、電波環境に従い、転送するデータの通信規格を選定し、
選定された前記通信規格に基づき、前記受信したデータを変換し、これを所定の通信端末に転送する処理を実行することを特徴とする中継装置で実行される中継装置プログラム。 - 請求項7に記載の中継装置プログラムをコンピュータが実行可能な形態に記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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