JP2004104317A - フィルムスキャナの制御プログラム、この制御プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体及びフィルム画像読取システム - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルムスキャナの種類(分解能)に応じたスキャンを行って、画質の低下を抑制しつつ、できるだけ短い時間で画像を得ることのできるフィルム画像読取システム等を提供する。
【解決手段】フィルムスキャナ100として16ビットの機種と12ビットの機種とがある場合、露光時間を16ビットの場合はT1に12ビットの場合はT2(>T1)に制限した。A/Dコンバータの分解能が高い場合には大きなアナログゲインでゲイン調整を行っても、画像の階調がつぶれることが少ないので、スキャンを高速化すべく露光時間を短く設定し、比較的大きなアナログゲインでゲイン調整する。分解能が低い場合には、比較的濃度の高いフィルムFに対し大きなアナログゲインでゲイン調整を行うと階調がつぶれる虞が高いので、露光時間を分解能が高い場合より長く設定した。
【選択図】 図4
【解決手段】フィルムスキャナ100として16ビットの機種と12ビットの機種とがある場合、露光時間を16ビットの場合はT1に12ビットの場合はT2(>T1)に制限した。A/Dコンバータの分解能が高い場合には大きなアナログゲインでゲイン調整を行っても、画像の階調がつぶれることが少ないので、スキャンを高速化すべく露光時間を短く設定し、比較的大きなアナログゲインでゲイン調整する。分解能が低い場合には、比較的濃度の高いフィルムFに対し大きなアナログゲインでゲイン調整を行うと階調がつぶれる虞が高いので、露光時間を分解能が高い場合より長く設定した。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムスキャナの制御プログラム、この制御プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体及びフィルム画像読取システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータの周辺装置として、35mmフィルムのコマ画像を撮像し、この撮像した画像信号をデジタルデータに信号処理してコンピュータに転送するフィルムスキャナが商品化されている。
【0003】
この種のフィルムスキャナは、例えばCCD(Charge Coupled Device)からなるラインセンサを備え、このラインセンサをスライド若しくはストリップフィルムに対して相対的に副走査方向(フィルムの長手方向)にスキャンして各コマの画像をライン単位で撮像するように構成されている。そして、まずプリスキャンを行って得られたデータに基づいて露光時間等の条件を算出し、算出された条件でスキャンが行われるようになっている。その際、フィルムの画像濃度に応じた露光時間で露光を行うようにした場合、その露光時間が長くなると、読み取った画像の画像データがフィルムスキャナからコンピュータへ出力されるまでに要する時間が長くなることにより、フィルムスキャナの操作性が低下するため、露光時間を所定時間でカットするとともに、CCDから出力される画像信号のゲイン調整を行うことで、上記操作性の低下を抑制する技術が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、フィルムスキャナに備えられるA/Dコンバータの分解能が高い場合には、上記のゲイン調整の比率を大きくしても、画質の低下は比較的小さいが、分解能が低い場合には、ゲイン調整の比率が大きいと、階調がつぶれて画質が劣化することがある。特に、S/Nが良好でない場合には、ゲイン調整によりノイズも増大して画質が著しく劣化することとなる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、フィルムスキャナの種類(A/Dコンバータの分解能)に応じたスキャンを行って、画質の低下を抑制しつつ、できるだけ短い時間で画像を得ることのできるフィルムスキャナの制御プログラム、この制御プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体及びフィルム画像読取システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、フィルムの光像を画像信号に光電変換して出力するフィルムスキャナの動作をコンピュータで制御するための制御プログラムであって、コンピュータを、前記フィルムスキャナから出力される画像信号を用いてフィルム濃度を算出する濃度算出手段と、前記濃度算出手段により算出されたフィルム濃度に基づいて前記フィルムスキャナの露光時間を算出する露光時間算出手段と、フィルム濃度に応じて予め設定された前記フィルムスキャナの露光時間を記憶する記憶手段と、前記濃度算出手段により算出されたフィルム濃度に対応する露光時間を前記記憶手段から読み出す読出手段と、フィルムスキャナの種類を判別する判別手段と、前記読出手段により読み出される露光時間をフィルムスキャナの種類に応じて変更する変更手段と、前記変更手段により変更された露光時間と前記露光時間算出手段により算出された露光時間との差分に応じて、前記フィルムスキャナから出力される画像信号のゲイン調整を行うためのゲインを算出するゲイン算出手段と、前記変更手段により変更された露光時間と前記ゲイン算出手段により算出されたゲインとに基づいて、前記フィルムスキャナにフィルムの画像信号を出力させる制御手段として機能させるための制御プログラムである。
【0007】
この発明によれば、コンピュータは、フィルムスキャナから画像信号を入力すると、この画像信号を用いてフィルム濃度を算出し、この算出されたフィルム濃度に基づいてフィルムスキャナの露光時間を算出する。また、コンピュータは、フィルム濃度に応じて予め設定された前記フィルムスキャナの露光時間を記憶しており、フィルム濃度が算出されると、このフィルム濃度に対応する露光時間を前記記憶手段から読み出す。さらに、コンピュータは、当該コンピュータに接続されているフィルムスキャナの種類を判別し、記憶手段から読み出された露光時間をフィルムスキャナの種類に応じて変更する。そして、コンピュータは、この変更された露光時間と上記算出された露光時間との差分に応じて、フィルムスキャナから出力される画像信号のゲイン調整を行うためのゲインを算出し、上記変更された露光時間と上記算出されたゲインとに基づいて、フィルムスキャナにフィルムの画像信号を出力させる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、フィルムの光像を画像信号に光電変換して出力するフィルムスキャナの動作をコンピュータで制御するための制御プログラムであって、コンピュータを、前記フィルムスキャナから出力される画像信号を用いてフィルム濃度を算出する濃度算出手段と、前記濃度算出手段により算出されたフィルム濃度に基づいて前記フィルムスキャナの露光時間を算出する露光時間算出手段と、フィルム濃度に応じて予め設定された前記フィルムスキャナの露光時間を記憶する記憶手段と、前記濃度算出手段により算出されたフィルム濃度に対応する露光時間を前記記憶手段から読み出す読出手段と、フィルムスキャナの種類を設定すべく操作される操作手段と、前記読出手段により読み出される露光時間を前記操作手段により設定されたフィルムスキャナの種類に応じて変更する変更手段と、前記変更手段により変更された露光時間と前記露光時間算出手段により算出された露光時間との差分に応じて、前記フィルムスキャナから出力される画像信号のゲイン調整を行うためのゲインを算出するゲイン算出手段と、前記変更手段により変更された露光時間と前記ゲイン算出手段により算出されたゲインとに基づいて、前記フィルムスキャナにフィルムの画像信号を出力させる制御手段として機能させるための制御プログラムである。
【0009】
この発明によれば、コンピュータは、フィルムスキャナから画像信号を入力すると、この画像信号を用いてフィルム濃度を算出し、この算出されたフィルム濃度に基づいてフィルムスキャナの露光時間を算出する。また、コンピュータは、フィルム濃度に応じて予め設定された前記フィルムスキャナの露光時間を記憶しており、フィルム濃度が算出されると、このフィルム濃度に対応する露光時間を前記記憶手段から読み出す。さらに、コンピュータは、操作手段によりフィルムスキャナの種類が設定されると、その設定されたフィルムスキャナの種類に応じて前記読出手段により読み出された露光時間を変更する。そして、コンピュータは、この変更された露光時間と上記算出された露光時間との差分に応じて、フィルムスキャナから出力される画像信号のゲイン調整を行うためのゲインを算出し、上記変更された露光時間と上記算出されたゲインとに基づいて、フィルムスキャナにフィルムの画像信号を出力させる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の制御プログラムにおいて、前記記憶手段に記憶されている露光時間は、フィルム濃度の増加に伴って増加し、且つ、所定のフィルム濃度以上で所定値に制限されているものであることを特徴とするものである。
【0011】
この発明によれば、フィルム濃度の高い場合に露光時間が長くなることによるフィルムスキャナの操作性の低下を抑制することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の制御プログラムにおいて、前記変更手段は、フィルムスキャナの撮像手段から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換手段の分解能が高くなるほど、露光時間を短く設定するものであることを特徴とするものである。
【0013】
この発明によれば、フィルムスキャナの撮像手段から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換手段の分解能に応じた適切な露光量の制御を行うことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の制御プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の制御プログラムにより前記各手段を備えたコンピュータと、フィルムの光像を画像信号に光電変換して出力する撮像手段を備え、前記コンピュータの前記制御手段による制御によりフィルムの撮像及び画像信号の出力を行うフィルムスキャナとを備えてなるフィルム画像読取システムである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るフィルム画像読取システムの実施形態の全体構成図、図2は、フィルムスキャナ100の外観を示す斜視図である。
【0018】
フィルム画像読取システム1は、図1に示すように、フィルムスキャナ100と、ホストコンピュータ200(以下、ホストPC200という)とから構成される。
【0019】
フィルムスキャナ100は、図2に示すように、前面の下部に電源スイッチ101と焦点調整用操作ボタン102とが設けられ、この焦点調整用操作ボタン102の上部にフィルム挿入口103が設けられている。焦点調整用操作ボタン102は、現像済みのフィルムFの光像を後述する撮像素子としてのCCD(Charge Coupled Device)104の撮像面に結像するレンズ系105(図3参照)の焦点調節を行うものである。また、フィルム挿入口103はフィルムFの各コマに撮影された画像(以下、フィルム画像という)を読み取るべくフィルムFをセットするためのもので、ごみ等の侵入を防止するためシャッタ106が開閉可能に設けられている。
【0020】
フィルムスキャナ100は、スライド(マウントされたポジフィルム)F1及び専用のネガキャリアに装着されたネガフィルムF2のフィルム画像の読取りが可能で、フィルム挿入口103にはスライドF1又はネガフィルムF2のいずれもセット可能になっている。また、スリーブやカートリッジその他のフィルム収納方式に対応可能にしてもよい。
【0021】
ホストPC200は、図1に示すように、制御本体201と、モニタ202と、キーボードからなる入力操作部203とを備えてなり、フィルムスキャナ100は、SCSIケーブル215を介して制御本体201に接続され、ホストPC200からの制御コマンドに従って画像読取動作が行われる。
【0022】
すなわち、ホストPC200は、フィルム画像が必要になると、所定のコマンドをフィルムスキャナ100に送出してフィルム画像の撮像を行わせる。フィルムスキャナ100はホストPC200から送信されるコマンドに従って装置の初期化を行ったのち、CCD104をフィルムFのフィルム画像に対して相対的にスキャンしてフィルム画像のデータ(画像データ)を取り込み、各画像データに所定の画像処理を施した後、順次、ホストPC200に転送する。ホストPC200は転送された画像データをモニタ202に表示するとともに、制御本体201内の後述する記憶部212に記憶する。
【0023】
そして、ライン単位でフィルム画像の撮像及び画像データのホストPC200への転送が繰り返され、全フィルム画像を構成する画像データの転送が終了すると、フィルムスキャナ100はフィルム画像の読取動作を終了する。
【0024】
次に、フィルム画像読取システム1の制御構成について説明する。図3は、制御構成を示すブロック図である。フィルムスキャナ100は、ホストPC200に例えばSCSI規格で接続され、ホストPC200上で起動する画像処理ソフトウェアをサポートするホストPC200の周辺装置として機能するものである。なお、フィルムスキャナ100をホストPC200に接続するための規格は、上記のSCSI規格に限らずUSB規格でもよい。
【0025】
フィルムスキャナ100は、光学系107、CCD104、アンプ部108、アナログマルチプレクサ109(以下、MPX110という)、クランプ回路部109、D/Aコンバータ111、A/Dコンバータ112、デジタル信号処理部113、出力データバッファ114、DMAコントローラ115、SCSIコントローラ116、タイミング発生部117及び制御部118から構成されている。
【0026】
光学系107は、詳しくは説明しないが、光軸L上に配設された照明系119、レンズ系105、遮光板120及び図略の駆動系などから構成されている。
【0027】
照明系119は、例えば蛍光灯、キセノンランプあるいはハロゲンランプ等から構成されるランプを有し、フィルムFを照明するものである。
【0028】
遮光板120は、レンズ系105とフィルムFとの間に介設されている。遮光板120の適所にはスリット状の露光窓120aが穿設されている。
【0029】
駆動系は、フィルムスキャナ100にセットされたフィルムと遮光板120の露光窓120aとを所定の方向に相対移動させるものである。これにより、照明系119により照明されたフィルムFの光像は、露光窓120aによりスリット光像に分割されてCCD104に導かれるようになっている。
【0030】
CCD104は、例えばフォトダイオード等の複数の光電変換素子(以下、画素という)がライン状に1次元配列されたラインセンサが3本並列に配列されてなり、各ラインセンサの受光面にはそれぞれR(赤),G(緑),B(青)の色フィルタが配設され、受光面に結像したフィルム画像の光像を電気信号に変換して、ライン単位でR,G,B各色の画像信号として出力するカラーCCDである。
【0031】
アンプ部108は、R,G,B各チャンネルに対応して配設されたアンプ108G,108R,108Bを備える。アンプ108R,108G,108Bは、制御部118からD/Aコンバータ111を介して入力されるアナログゲインによって、R,G,B各チャンネルの画像信号のゲイン調整を行うものである。アナログゲインは、後述するようにホストPC200で算出される。
【0032】
クランプ回路109(クランプ回路109G,109R,109B)は、制御部118からD/Aコンバータ111を介して入力されるクランプレベルによって、R,G,Bの各色の画像信号の黒レベルを、CCD104の黒基準出力部から出力されるクランプレベルに調整するものである。
【0033】
MPX110は、R,G,B各チャンネルの画像信号を選択的にシリアル出力するものである。
【0034】
A/Dコンバータ112は、アナログのR,G,Bの画像信号を、フィルムスキャナ固有のビット数、例えば16ビットや12ビットのデジタル信号にそれぞれ変換するものである。
【0035】
デジタル信号処理部113は、デジタル化されたR,G,B各チャンネルの画像信号に、A/Dコンバータ112への入力レベルのオフセットをキャンセルする黒補正、光学系107及びCCD104によって生じるシェーディングをキャンセルするシェーディング補正、G,R,B信号のγ変換等の処理を行うものである。黒補正は、露光窓120aが閉じられた無信号状態でCCD104の1ライン分の画像信号を取り込み、この画像信号をホストPC200に転送する。シェーディング補正は、照明系119の照明光を直接CCD104に入射して、すなわちフィルムFの無い、素通しの状態でCCD104を照明して画像信号を取り込み、この画像信号をホストPC200に転送する。以下、デジタル信号処理部113により上記各処理が施された画像信号を画像データという。
【0036】
出力データバッファ114は、R,G,Bの各色の画像データを一時的に記憶するメモリで、各画像データは、出力データバッファ114からDMAコントローラ115とSCSIコントローラ116とを介してホストPC200に出力されるようになっている。
【0037】
DMAコントローラ115は、制御部118からの制御信号に基づき、デジタル信号処理部113や出力データバッファ114と、SCSIコントローラ116との間の画像データ等の転送を制御するものである。
【0038】
SCSIコントローラ116は、フィルムスキャナ100とホストPC200との間での画像データを含む種々のデータの送受信におけるインターフェース制御を行うものである。
【0039】
タイミング発生部117は、制御部118からの制御信号に基づき、各部の駆動タイミングを制御するタイミング信号を出力するものである。CCD104には、電荷の蓄積時間(以下、露光時間という)等を制御するタイミング信号が入力される。クランプ回路部109には、クランプレベル調整のタイミング信号が入力される。また、MPX110及びA/Dコンバータ112には、それぞれ同期用のクロック信号が入力される。
【0040】
制御部118は、例えば制御プログラムを記憶するROM121や一時的にデータを記憶するRAM122が内蔵されたマイクロコンピュータからなり、フィルムスキャナ100の各部の動作を制御するもので、フィルムFのスキャンを行う際の光学系107や駆動系などの制御、SCSIコントローラ116を介してホストPC200から送信される露光時間データに基づくタイミング発生部117のタイミング信号出力制御、SCSIコントローラ116を介してホストPC200から送信されるアナログゲインに基づいてD/Aコンバータ111を介して行うアンプ部108のゲイン調整制御等の機能を有している。
【0041】
また、制御部118は、本スキャンで画像データを取り込む際の露光時間及びアナログゲインの算出等を行うために、本スキャンの前にプリスキャンを行い、プリスキャン時に算出された露光時間及びアナログゲイン等の条件で、画像の取り込み(本スキャン)を行う。取り込まれた画像データは、出力データバッファ114からDMAコントローラ115及びSCSIコントローラ116を介してホストPC200に転送される。
【0042】
さらに、制御部118のROM121には、A/Dコンバータ112の出力信号のビット数情報やフィルムスキャナ100の機種名情報を含むフィルムスキャナの種類に関する情報(以下、スキャナ情報という)が記憶されており、このスキャナ情報はスキャンを開始する際にホストPC200に送信される。
【0043】
ホストPC200には、複数の機種のフィルムスキャナ100が接続可能とされている。ホストPC200は、各機種のフィルムスキャナ100のスキャナ情報を有しており、例えば起動時に、接続されているフィルムスキャナ100の機種を判別する機能を備えている。
【0044】
次に、ホストPC200について説明する。ホストPC200は、SCSIコントローラ204、制御部205及びフレームメモリ206を備える制御本体201と、モニタ202と、入力操作部203とから構成されている。
【0045】
SCSIコントローラ204は、フィルムスキャナ100とホストPC200との間でのデータの送受信におけるインターフェース制御を行うものである。
【0046】
制御部205は、機能的に、接続判定部207、スキャナ判別部208、データ受信部209、フィルム濃度算出部210、露光時間算出部211、記憶部212、アナログゲイン算出部213及びデータ転送部214を備える。
【0047】
接続判定部207は、フィルムスキャナ100が当該ホストPC200に接続されているか否かを判定するものである。
【0048】
スキャナ判別部208は、ホストPC200に接続されたフィルムスキャナ100の種類(フィルムスキャナ100のA/Dコンバータ112の分解能を含む)を判別するものである。本実施形態では、フィルム濃度が同じであっても、フィルムスキャナ100の種類(A/Dコンバータ112の出力信号のビット数)に応じて、フィルムスキャナ100によるスキャンの際の露光時間等を異ならせている。スキャナ判別部208は、フィルムスキャナ100のROM121に記憶されているスキャナ情報がデータ受信部209により受信されると、そのスキャナ情報からフィルムスキャナ100が、例えば16ビットの機種か12ビットの機種かを判別する。なお、本実施形態では、フィルムスキャナ100またはホストPC200に何らかの不具合が生じ、ホストPC200がフィルムスキャナ100からスキャナ情報を得ることができない場合には、当該ホストPC200に登録されているフィルムスキャナ100の機種名をモニタ202の表示画面に一覧表示して、その中からフィルムスキャナ100の機種を操作者に選択させるようになっている。
【0049】
データ受信部209は、フィルムスキャナ100から送信される画像データやスキャナ情報を受信するものである。受信した画像データ等は、記憶部212に記録される。
【0050】
フィルム濃度算出部210は、フィルムスキャナ100から送信される画像データに基づいて、フィルム濃度を算出するものである。
【0051】
露光時間算出部211は、フィルム濃度算出部210により算出されたフィルム濃度等に基づいて、本スキャン時の露光時間を算出するものである。
【0052】
記憶部212は、当該ホストPC200に接続可能なフィルムスキャナ100のスキャナ情報を記憶するスキャナ情報記憶部や、データ受信部209により受信された画像データ等を記憶する画像データ等記憶部を含むものである。また、露光時間算出部211により算出された露光時間でフィルムFの露光を行うようにした場合、フィルムの濃度が大きいと露光時間が長くなり、フィルム画像読取システム1の操作性が悪化することから、本実施形態では、この操作性の悪化を防止すべく、後述するように、フィルム濃度算出部210により算出されたフィルム濃度に応じて、フィルムFの露光時間が上限値を設けて予め設定されており、記憶部212(露光時間記憶部)はこのフィルム濃度と露光時間との関係を記憶している。なお、後述するように、本実施形態では、上記の制限によりカットされた露光時間分に対応する画像信号のレベルについては、アンプ部108によるゲイン調整によって補うようにしている。
【0053】
図4は、記憶部212(露光時間記憶部)に記憶されている、上記のフィルム濃度とフィルムの露光時間との関係を示すものである。
【0054】
図4に示すように、フィルムスキャナ100による露光時間Tは、閾値α1までフィルム濃度αにほぼ比例して設定され、閾値α1以上で所定の露光時間に制限するように設定されている。このように露光時間Tに上限値を設定しているのは、上述したように露光時間が長時間に及ぶことによるフィルム画像読取システム1の操作性の悪化を防止するためである。
【0055】
さらに、本実施形態では、ホストPC200に接続されるフィルムスキャナ100の種類(フィルムスキャナ100のA/Dコンバータ112の分解能)に応じて露光時間を設定している。すなわち、フィルムスキャナ100のA/Dコンバータ112の分解能が高いほど(A/Dコンバータ112の出力信号のビット数が多いほど)、露光時間、特にその上限値を低く設定している。例えば、16ビットの機種のフィルムスキャナ100と12ビットの機種のフィルムスキャナ100がホストPC200に接続可能とされている場合、図4の制御曲線▲1▼▲2▼に示すように、A/Dコンバータ112の出力信号のビット数が16ビットの場合は露光時間の上限値をT1に、12ビットの場合は上限値をT2(>T1)に設定している。これは、A/Dコンバータ112の分解能が高い場合には、比較的濃度の高いフィルムFに対して大きなアナログゲインでゲイン調整を行っても、画像の階調がつぶれることが少ないことから、フィルムスキャナ100によるスキャンをより高速化できるように露光時間を短く設定するとともに、比較的大きなアナログゲインでゲイン調整を行って、所定レベルの画像信号を得るようにしている。一方、A/Dコンバータ112の分解能が低い場合には、比較的濃度の高いフィルムFに対して大きなアナログゲインでゲイン調整を行うと、階調がつぶれる虞が高いので、露光時間を上記分解能が高い場合に比して長く設定して、ゲイン調整の比率を分解能が高い場合より小さくしている。
【0056】
アナログゲイン算出部213は、記憶部212(露光時間記憶部)を参照してフィルムスキャナ100にセットされたフィルムFのフィルム濃度に応じて露光時間を読み出し、この露光時間と露光時間算出部211により算出された露光時間との差分に応じたアナログゲインを算出するものである。すなわち、図4では、直線Lが露光時間算出部211により算出される露光時間を示すものとすると、フィルム濃度αがα2(>α1)で、フィルムスキャナが12ビットの機種のときには、アナログゲイン算出部213は、差分ΔTに相当するアナログゲインを算出する。なお、このとき、フィルムスキャナの露光時間はT2に設定される。
【0057】
データ転送部214は、露光時間算出部211及びアナログゲイン算出部213で算出された露光時間及びアナログゲインを含む各種のデータを転送データ形式に変換するもので、変換された転送データは、SCSIコントローラ204を介してフィルムスキャナ100の各部に転送される。
【0058】
フレームメモリ206は、設定された取り込み条件で本スキャンして得られた1コマ分の画像データを記憶するものである。
【0059】
モニタ202は、CRT等からなり、フレームメモリ206に記憶されたフィルム画像を表示するものである。
【0060】
入力操作部203は、フィルムスキャナ100によるフィルムFのスキャン開始の指示を行うための指示部、フィルムスキャナ100からスキャナ情報が送信されない場合にモニタ202に表示されたフィルムスキャナ100の機種名一覧から操作者が特定の機種を選択するための選択操作部を含むものである。
【0061】
次に、本実施形態に係るフィルム画像読取システム1の露光時間等設定処理を含むフィルム画像読取処理について説明する。図5は、フィルム画像読取処理を示すフローチャートである。なお、ホストPC200は、フィルムFのフィルム濃度を予め算出しているものとする。
【0062】
図5に示すように、先ず、ホストPC200は、接続判定部207によりフィルムスキャナ100が接続されているか否かを判定する(ステップ♯1)。その結果、フィルムスキャナ100が接続されている場合(ステップ♯1でYES)には、スキャナ判別部208によりフィルムスキャナ100の種類が判別可能か否かを判定し(ステップ♯2)、判別できる場合(ステップ♯2でYES)には、ステップ♯3の処理に進む一方、判別できない場合(ステップ♯2でNO)には、登録されているフィルムスキャナ100の機種名をモニタ202に一覧表示する(ステップ♯9)。そして、操作者により特定の機種名が指定される(ステップ♯10でYES)と、ステップ♯3の処理に進む。
【0063】
ステップ♯3では、スキャナ判別部208によりA/Dコンバータ112の出力信号のビット数が16ビットか否かを判定し、16ビットの場合(ステップ♯3でYES)には、アナログ算出部213により図4の制御曲線▲1▼に基づいて露光時間の読出し及びアナログゲインの算出を行う(ステップ♯4,♯6)一方、12ビットの場合(ステップ♯3でNO)には、図4の制御曲線▲2▼に基づいて露光時間の読出し及びアナログゲインの算出を行う(ステップ♯5,♯6)。
【0064】
そして、操作者により本スキャンの指示がなされる(ステップ♯7でYES)と、ステップ♯4または♯5で算出等された露光時間及びアナログゲインに基づいてフィルムをスキャンする(ステップ♯8)。
【0065】
このように、フィルムスキャナ100の露光時間Tを、閾値α1以上で所定の露光時間に制限したので、露光時間が長くなることによるフィルム画像読取システム1の操作性の低下を抑制することができる。また、特に、本実施形態では、フィルムスキャナ100におけるA/Dコンバータ112の出力信号のビット数が小さいほど、上記露光時間の上限値を高く設定したので、特にA/Dコンバータ112の出力信号のビット数が小さいフィルムスキャナ100でフィルム濃度が比較的高いフィルムをスキャンする場合の画質の低下を抑制することができる。
【0066】
また、フィルムスキャナ100からスキャナ情報が送信されない場合は、登録されているフィルムスキャナ100の機種名をモニタ202に一覧表示して、操作者により特定の機種名を選択させるようにしたので、フィルム画像読取システム1の操作性を向上することができる。
【0067】
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、以下の変形形態(1),(2)が採用可能である。
(1)上記実施形態では、フィルムスキャナ100からスキャナ情報が送信されない場合に、操作者に特定の機種を選択させるように構成されているが、これに限られず、フィルムスキャナ100からのスキャナ情報の送信の有無に関わらず、操作者が入力操作部203でホストPC200に登録されているフィルムスキャナ100の機種名の中から選択できるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、露光時間の制限によりカットされた露光時間分に対応する画像信号のレベルを、アンプ部108に入力されるアナログゲインでゲイン調整することで補うようにしているが、これに限られず、例えば特開平9−51410号公報に記載されているように、デジタル信号処理部113においてゲイン調整(デジタルゲインによるゲイン調整)を行うようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、コンピュータに、フィルムスキャナから画像信号を入力すると、この画像信号を用いてフィルム濃度を算出させ、このフィルム濃度に基づいてフィルムスキャナの露光時間を算出させ、このフィルム濃度に対応する露光時間を記憶手段から読み出させる。また、コンピュータに接続されているフィルムスキャナの種類を判別させ、記憶手段から読み出された露光時間をフィルムスキャナの種類に応じて変更させる。そして、この変更された露光時間と上記算出された露光時間との差分に応じて、フィルムスキャナから出力される画像信号のゲイン調整を行うためのゲインを算出させ、上記変更された露光時間と上記算出されたゲインとに基づいて、フィルムスキャナにフィルムの画像信号の出力を実行させるように動作させるので、コンピュータに接続されるフィルムスキャナの種類に応じた露光量の制御を行うことができる。
【0069】
また、本発明によれば、操作手段により設定されたフィルムスキャナの種類に応じた露光量の制御を行うことができる。
【0070】
また、本発明によれば、記憶手段に記憶されている露光時間を、フィルム濃度の増加に伴って前記露光時間が増加し、且つ、所定のフィルム濃度以上で所定値に制限されているものとしたので、フィルム濃度の高い場合に露光時間が長くなることによるフィルムスキャナの操作性の低下を抑制することができる。
【0071】
また、本発明によれば、変更手段を、フィルムスキャナに備えられるA/D変換手段の分解能が高くなるほど、露光時間を短く設定するものとしたので、フィルムスキャナの撮像手段から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換手段の分解能に応じた適切な露光量の制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の全体構成図である。
【図2】フィルムスキャナの外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態のブロック図である。
【図4】記憶部(露光時間記憶部)に記憶されている、フィルム濃度とフィルムの露光時間との関係を示す図である。
【図5】フィルム画像読取処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 フィルム画像読取システム
100 フィルムスキャナ
104 CCD
108 アンプ部
200 ホストPC
205 制御部
202 モニタ
203 入力操作部
207 接続判定部
208 スキャナ判別部
209 データ受信部
210 フィルム濃度算出部
211 露光時間算出部
212 記憶部
213 アナログゲイン算出部
214 データ転送部
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムスキャナの制御プログラム、この制御プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体及びフィルム画像読取システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータの周辺装置として、35mmフィルムのコマ画像を撮像し、この撮像した画像信号をデジタルデータに信号処理してコンピュータに転送するフィルムスキャナが商品化されている。
【0003】
この種のフィルムスキャナは、例えばCCD(Charge Coupled Device)からなるラインセンサを備え、このラインセンサをスライド若しくはストリップフィルムに対して相対的に副走査方向(フィルムの長手方向)にスキャンして各コマの画像をライン単位で撮像するように構成されている。そして、まずプリスキャンを行って得られたデータに基づいて露光時間等の条件を算出し、算出された条件でスキャンが行われるようになっている。その際、フィルムの画像濃度に応じた露光時間で露光を行うようにした場合、その露光時間が長くなると、読み取った画像の画像データがフィルムスキャナからコンピュータへ出力されるまでに要する時間が長くなることにより、フィルムスキャナの操作性が低下するため、露光時間を所定時間でカットするとともに、CCDから出力される画像信号のゲイン調整を行うことで、上記操作性の低下を抑制する技術が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、フィルムスキャナに備えられるA/Dコンバータの分解能が高い場合には、上記のゲイン調整の比率を大きくしても、画質の低下は比較的小さいが、分解能が低い場合には、ゲイン調整の比率が大きいと、階調がつぶれて画質が劣化することがある。特に、S/Nが良好でない場合には、ゲイン調整によりノイズも増大して画質が著しく劣化することとなる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、フィルムスキャナの種類(A/Dコンバータの分解能)に応じたスキャンを行って、画質の低下を抑制しつつ、できるだけ短い時間で画像を得ることのできるフィルムスキャナの制御プログラム、この制御プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体及びフィルム画像読取システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、フィルムの光像を画像信号に光電変換して出力するフィルムスキャナの動作をコンピュータで制御するための制御プログラムであって、コンピュータを、前記フィルムスキャナから出力される画像信号を用いてフィルム濃度を算出する濃度算出手段と、前記濃度算出手段により算出されたフィルム濃度に基づいて前記フィルムスキャナの露光時間を算出する露光時間算出手段と、フィルム濃度に応じて予め設定された前記フィルムスキャナの露光時間を記憶する記憶手段と、前記濃度算出手段により算出されたフィルム濃度に対応する露光時間を前記記憶手段から読み出す読出手段と、フィルムスキャナの種類を判別する判別手段と、前記読出手段により読み出される露光時間をフィルムスキャナの種類に応じて変更する変更手段と、前記変更手段により変更された露光時間と前記露光時間算出手段により算出された露光時間との差分に応じて、前記フィルムスキャナから出力される画像信号のゲイン調整を行うためのゲインを算出するゲイン算出手段と、前記変更手段により変更された露光時間と前記ゲイン算出手段により算出されたゲインとに基づいて、前記フィルムスキャナにフィルムの画像信号を出力させる制御手段として機能させるための制御プログラムである。
【0007】
この発明によれば、コンピュータは、フィルムスキャナから画像信号を入力すると、この画像信号を用いてフィルム濃度を算出し、この算出されたフィルム濃度に基づいてフィルムスキャナの露光時間を算出する。また、コンピュータは、フィルム濃度に応じて予め設定された前記フィルムスキャナの露光時間を記憶しており、フィルム濃度が算出されると、このフィルム濃度に対応する露光時間を前記記憶手段から読み出す。さらに、コンピュータは、当該コンピュータに接続されているフィルムスキャナの種類を判別し、記憶手段から読み出された露光時間をフィルムスキャナの種類に応じて変更する。そして、コンピュータは、この変更された露光時間と上記算出された露光時間との差分に応じて、フィルムスキャナから出力される画像信号のゲイン調整を行うためのゲインを算出し、上記変更された露光時間と上記算出されたゲインとに基づいて、フィルムスキャナにフィルムの画像信号を出力させる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、フィルムの光像を画像信号に光電変換して出力するフィルムスキャナの動作をコンピュータで制御するための制御プログラムであって、コンピュータを、前記フィルムスキャナから出力される画像信号を用いてフィルム濃度を算出する濃度算出手段と、前記濃度算出手段により算出されたフィルム濃度に基づいて前記フィルムスキャナの露光時間を算出する露光時間算出手段と、フィルム濃度に応じて予め設定された前記フィルムスキャナの露光時間を記憶する記憶手段と、前記濃度算出手段により算出されたフィルム濃度に対応する露光時間を前記記憶手段から読み出す読出手段と、フィルムスキャナの種類を設定すべく操作される操作手段と、前記読出手段により読み出される露光時間を前記操作手段により設定されたフィルムスキャナの種類に応じて変更する変更手段と、前記変更手段により変更された露光時間と前記露光時間算出手段により算出された露光時間との差分に応じて、前記フィルムスキャナから出力される画像信号のゲイン調整を行うためのゲインを算出するゲイン算出手段と、前記変更手段により変更された露光時間と前記ゲイン算出手段により算出されたゲインとに基づいて、前記フィルムスキャナにフィルムの画像信号を出力させる制御手段として機能させるための制御プログラムである。
【0009】
この発明によれば、コンピュータは、フィルムスキャナから画像信号を入力すると、この画像信号を用いてフィルム濃度を算出し、この算出されたフィルム濃度に基づいてフィルムスキャナの露光時間を算出する。また、コンピュータは、フィルム濃度に応じて予め設定された前記フィルムスキャナの露光時間を記憶しており、フィルム濃度が算出されると、このフィルム濃度に対応する露光時間を前記記憶手段から読み出す。さらに、コンピュータは、操作手段によりフィルムスキャナの種類が設定されると、その設定されたフィルムスキャナの種類に応じて前記読出手段により読み出された露光時間を変更する。そして、コンピュータは、この変更された露光時間と上記算出された露光時間との差分に応じて、フィルムスキャナから出力される画像信号のゲイン調整を行うためのゲインを算出し、上記変更された露光時間と上記算出されたゲインとに基づいて、フィルムスキャナにフィルムの画像信号を出力させる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の制御プログラムにおいて、前記記憶手段に記憶されている露光時間は、フィルム濃度の増加に伴って増加し、且つ、所定のフィルム濃度以上で所定値に制限されているものであることを特徴とするものである。
【0011】
この発明によれば、フィルム濃度の高い場合に露光時間が長くなることによるフィルムスキャナの操作性の低下を抑制することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の制御プログラムにおいて、前記変更手段は、フィルムスキャナの撮像手段から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換手段の分解能が高くなるほど、露光時間を短く設定するものであることを特徴とするものである。
【0013】
この発明によれば、フィルムスキャナの撮像手段から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換手段の分解能に応じた適切な露光量の制御を行うことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の制御プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の制御プログラムにより前記各手段を備えたコンピュータと、フィルムの光像を画像信号に光電変換して出力する撮像手段を備え、前記コンピュータの前記制御手段による制御によりフィルムの撮像及び画像信号の出力を行うフィルムスキャナとを備えてなるフィルム画像読取システムである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るフィルム画像読取システムの実施形態の全体構成図、図2は、フィルムスキャナ100の外観を示す斜視図である。
【0018】
フィルム画像読取システム1は、図1に示すように、フィルムスキャナ100と、ホストコンピュータ200(以下、ホストPC200という)とから構成される。
【0019】
フィルムスキャナ100は、図2に示すように、前面の下部に電源スイッチ101と焦点調整用操作ボタン102とが設けられ、この焦点調整用操作ボタン102の上部にフィルム挿入口103が設けられている。焦点調整用操作ボタン102は、現像済みのフィルムFの光像を後述する撮像素子としてのCCD(Charge Coupled Device)104の撮像面に結像するレンズ系105(図3参照)の焦点調節を行うものである。また、フィルム挿入口103はフィルムFの各コマに撮影された画像(以下、フィルム画像という)を読み取るべくフィルムFをセットするためのもので、ごみ等の侵入を防止するためシャッタ106が開閉可能に設けられている。
【0020】
フィルムスキャナ100は、スライド(マウントされたポジフィルム)F1及び専用のネガキャリアに装着されたネガフィルムF2のフィルム画像の読取りが可能で、フィルム挿入口103にはスライドF1又はネガフィルムF2のいずれもセット可能になっている。また、スリーブやカートリッジその他のフィルム収納方式に対応可能にしてもよい。
【0021】
ホストPC200は、図1に示すように、制御本体201と、モニタ202と、キーボードからなる入力操作部203とを備えてなり、フィルムスキャナ100は、SCSIケーブル215を介して制御本体201に接続され、ホストPC200からの制御コマンドに従って画像読取動作が行われる。
【0022】
すなわち、ホストPC200は、フィルム画像が必要になると、所定のコマンドをフィルムスキャナ100に送出してフィルム画像の撮像を行わせる。フィルムスキャナ100はホストPC200から送信されるコマンドに従って装置の初期化を行ったのち、CCD104をフィルムFのフィルム画像に対して相対的にスキャンしてフィルム画像のデータ(画像データ)を取り込み、各画像データに所定の画像処理を施した後、順次、ホストPC200に転送する。ホストPC200は転送された画像データをモニタ202に表示するとともに、制御本体201内の後述する記憶部212に記憶する。
【0023】
そして、ライン単位でフィルム画像の撮像及び画像データのホストPC200への転送が繰り返され、全フィルム画像を構成する画像データの転送が終了すると、フィルムスキャナ100はフィルム画像の読取動作を終了する。
【0024】
次に、フィルム画像読取システム1の制御構成について説明する。図3は、制御構成を示すブロック図である。フィルムスキャナ100は、ホストPC200に例えばSCSI規格で接続され、ホストPC200上で起動する画像処理ソフトウェアをサポートするホストPC200の周辺装置として機能するものである。なお、フィルムスキャナ100をホストPC200に接続するための規格は、上記のSCSI規格に限らずUSB規格でもよい。
【0025】
フィルムスキャナ100は、光学系107、CCD104、アンプ部108、アナログマルチプレクサ109(以下、MPX110という)、クランプ回路部109、D/Aコンバータ111、A/Dコンバータ112、デジタル信号処理部113、出力データバッファ114、DMAコントローラ115、SCSIコントローラ116、タイミング発生部117及び制御部118から構成されている。
【0026】
光学系107は、詳しくは説明しないが、光軸L上に配設された照明系119、レンズ系105、遮光板120及び図略の駆動系などから構成されている。
【0027】
照明系119は、例えば蛍光灯、キセノンランプあるいはハロゲンランプ等から構成されるランプを有し、フィルムFを照明するものである。
【0028】
遮光板120は、レンズ系105とフィルムFとの間に介設されている。遮光板120の適所にはスリット状の露光窓120aが穿設されている。
【0029】
駆動系は、フィルムスキャナ100にセットされたフィルムと遮光板120の露光窓120aとを所定の方向に相対移動させるものである。これにより、照明系119により照明されたフィルムFの光像は、露光窓120aによりスリット光像に分割されてCCD104に導かれるようになっている。
【0030】
CCD104は、例えばフォトダイオード等の複数の光電変換素子(以下、画素という)がライン状に1次元配列されたラインセンサが3本並列に配列されてなり、各ラインセンサの受光面にはそれぞれR(赤),G(緑),B(青)の色フィルタが配設され、受光面に結像したフィルム画像の光像を電気信号に変換して、ライン単位でR,G,B各色の画像信号として出力するカラーCCDである。
【0031】
アンプ部108は、R,G,B各チャンネルに対応して配設されたアンプ108G,108R,108Bを備える。アンプ108R,108G,108Bは、制御部118からD/Aコンバータ111を介して入力されるアナログゲインによって、R,G,B各チャンネルの画像信号のゲイン調整を行うものである。アナログゲインは、後述するようにホストPC200で算出される。
【0032】
クランプ回路109(クランプ回路109G,109R,109B)は、制御部118からD/Aコンバータ111を介して入力されるクランプレベルによって、R,G,Bの各色の画像信号の黒レベルを、CCD104の黒基準出力部から出力されるクランプレベルに調整するものである。
【0033】
MPX110は、R,G,B各チャンネルの画像信号を選択的にシリアル出力するものである。
【0034】
A/Dコンバータ112は、アナログのR,G,Bの画像信号を、フィルムスキャナ固有のビット数、例えば16ビットや12ビットのデジタル信号にそれぞれ変換するものである。
【0035】
デジタル信号処理部113は、デジタル化されたR,G,B各チャンネルの画像信号に、A/Dコンバータ112への入力レベルのオフセットをキャンセルする黒補正、光学系107及びCCD104によって生じるシェーディングをキャンセルするシェーディング補正、G,R,B信号のγ変換等の処理を行うものである。黒補正は、露光窓120aが閉じられた無信号状態でCCD104の1ライン分の画像信号を取り込み、この画像信号をホストPC200に転送する。シェーディング補正は、照明系119の照明光を直接CCD104に入射して、すなわちフィルムFの無い、素通しの状態でCCD104を照明して画像信号を取り込み、この画像信号をホストPC200に転送する。以下、デジタル信号処理部113により上記各処理が施された画像信号を画像データという。
【0036】
出力データバッファ114は、R,G,Bの各色の画像データを一時的に記憶するメモリで、各画像データは、出力データバッファ114からDMAコントローラ115とSCSIコントローラ116とを介してホストPC200に出力されるようになっている。
【0037】
DMAコントローラ115は、制御部118からの制御信号に基づき、デジタル信号処理部113や出力データバッファ114と、SCSIコントローラ116との間の画像データ等の転送を制御するものである。
【0038】
SCSIコントローラ116は、フィルムスキャナ100とホストPC200との間での画像データを含む種々のデータの送受信におけるインターフェース制御を行うものである。
【0039】
タイミング発生部117は、制御部118からの制御信号に基づき、各部の駆動タイミングを制御するタイミング信号を出力するものである。CCD104には、電荷の蓄積時間(以下、露光時間という)等を制御するタイミング信号が入力される。クランプ回路部109には、クランプレベル調整のタイミング信号が入力される。また、MPX110及びA/Dコンバータ112には、それぞれ同期用のクロック信号が入力される。
【0040】
制御部118は、例えば制御プログラムを記憶するROM121や一時的にデータを記憶するRAM122が内蔵されたマイクロコンピュータからなり、フィルムスキャナ100の各部の動作を制御するもので、フィルムFのスキャンを行う際の光学系107や駆動系などの制御、SCSIコントローラ116を介してホストPC200から送信される露光時間データに基づくタイミング発生部117のタイミング信号出力制御、SCSIコントローラ116を介してホストPC200から送信されるアナログゲインに基づいてD/Aコンバータ111を介して行うアンプ部108のゲイン調整制御等の機能を有している。
【0041】
また、制御部118は、本スキャンで画像データを取り込む際の露光時間及びアナログゲインの算出等を行うために、本スキャンの前にプリスキャンを行い、プリスキャン時に算出された露光時間及びアナログゲイン等の条件で、画像の取り込み(本スキャン)を行う。取り込まれた画像データは、出力データバッファ114からDMAコントローラ115及びSCSIコントローラ116を介してホストPC200に転送される。
【0042】
さらに、制御部118のROM121には、A/Dコンバータ112の出力信号のビット数情報やフィルムスキャナ100の機種名情報を含むフィルムスキャナの種類に関する情報(以下、スキャナ情報という)が記憶されており、このスキャナ情報はスキャンを開始する際にホストPC200に送信される。
【0043】
ホストPC200には、複数の機種のフィルムスキャナ100が接続可能とされている。ホストPC200は、各機種のフィルムスキャナ100のスキャナ情報を有しており、例えば起動時に、接続されているフィルムスキャナ100の機種を判別する機能を備えている。
【0044】
次に、ホストPC200について説明する。ホストPC200は、SCSIコントローラ204、制御部205及びフレームメモリ206を備える制御本体201と、モニタ202と、入力操作部203とから構成されている。
【0045】
SCSIコントローラ204は、フィルムスキャナ100とホストPC200との間でのデータの送受信におけるインターフェース制御を行うものである。
【0046】
制御部205は、機能的に、接続判定部207、スキャナ判別部208、データ受信部209、フィルム濃度算出部210、露光時間算出部211、記憶部212、アナログゲイン算出部213及びデータ転送部214を備える。
【0047】
接続判定部207は、フィルムスキャナ100が当該ホストPC200に接続されているか否かを判定するものである。
【0048】
スキャナ判別部208は、ホストPC200に接続されたフィルムスキャナ100の種類(フィルムスキャナ100のA/Dコンバータ112の分解能を含む)を判別するものである。本実施形態では、フィルム濃度が同じであっても、フィルムスキャナ100の種類(A/Dコンバータ112の出力信号のビット数)に応じて、フィルムスキャナ100によるスキャンの際の露光時間等を異ならせている。スキャナ判別部208は、フィルムスキャナ100のROM121に記憶されているスキャナ情報がデータ受信部209により受信されると、そのスキャナ情報からフィルムスキャナ100が、例えば16ビットの機種か12ビットの機種かを判別する。なお、本実施形態では、フィルムスキャナ100またはホストPC200に何らかの不具合が生じ、ホストPC200がフィルムスキャナ100からスキャナ情報を得ることができない場合には、当該ホストPC200に登録されているフィルムスキャナ100の機種名をモニタ202の表示画面に一覧表示して、その中からフィルムスキャナ100の機種を操作者に選択させるようになっている。
【0049】
データ受信部209は、フィルムスキャナ100から送信される画像データやスキャナ情報を受信するものである。受信した画像データ等は、記憶部212に記録される。
【0050】
フィルム濃度算出部210は、フィルムスキャナ100から送信される画像データに基づいて、フィルム濃度を算出するものである。
【0051】
露光時間算出部211は、フィルム濃度算出部210により算出されたフィルム濃度等に基づいて、本スキャン時の露光時間を算出するものである。
【0052】
記憶部212は、当該ホストPC200に接続可能なフィルムスキャナ100のスキャナ情報を記憶するスキャナ情報記憶部や、データ受信部209により受信された画像データ等を記憶する画像データ等記憶部を含むものである。また、露光時間算出部211により算出された露光時間でフィルムFの露光を行うようにした場合、フィルムの濃度が大きいと露光時間が長くなり、フィルム画像読取システム1の操作性が悪化することから、本実施形態では、この操作性の悪化を防止すべく、後述するように、フィルム濃度算出部210により算出されたフィルム濃度に応じて、フィルムFの露光時間が上限値を設けて予め設定されており、記憶部212(露光時間記憶部)はこのフィルム濃度と露光時間との関係を記憶している。なお、後述するように、本実施形態では、上記の制限によりカットされた露光時間分に対応する画像信号のレベルについては、アンプ部108によるゲイン調整によって補うようにしている。
【0053】
図4は、記憶部212(露光時間記憶部)に記憶されている、上記のフィルム濃度とフィルムの露光時間との関係を示すものである。
【0054】
図4に示すように、フィルムスキャナ100による露光時間Tは、閾値α1までフィルム濃度αにほぼ比例して設定され、閾値α1以上で所定の露光時間に制限するように設定されている。このように露光時間Tに上限値を設定しているのは、上述したように露光時間が長時間に及ぶことによるフィルム画像読取システム1の操作性の悪化を防止するためである。
【0055】
さらに、本実施形態では、ホストPC200に接続されるフィルムスキャナ100の種類(フィルムスキャナ100のA/Dコンバータ112の分解能)に応じて露光時間を設定している。すなわち、フィルムスキャナ100のA/Dコンバータ112の分解能が高いほど(A/Dコンバータ112の出力信号のビット数が多いほど)、露光時間、特にその上限値を低く設定している。例えば、16ビットの機種のフィルムスキャナ100と12ビットの機種のフィルムスキャナ100がホストPC200に接続可能とされている場合、図4の制御曲線▲1▼▲2▼に示すように、A/Dコンバータ112の出力信号のビット数が16ビットの場合は露光時間の上限値をT1に、12ビットの場合は上限値をT2(>T1)に設定している。これは、A/Dコンバータ112の分解能が高い場合には、比較的濃度の高いフィルムFに対して大きなアナログゲインでゲイン調整を行っても、画像の階調がつぶれることが少ないことから、フィルムスキャナ100によるスキャンをより高速化できるように露光時間を短く設定するとともに、比較的大きなアナログゲインでゲイン調整を行って、所定レベルの画像信号を得るようにしている。一方、A/Dコンバータ112の分解能が低い場合には、比較的濃度の高いフィルムFに対して大きなアナログゲインでゲイン調整を行うと、階調がつぶれる虞が高いので、露光時間を上記分解能が高い場合に比して長く設定して、ゲイン調整の比率を分解能が高い場合より小さくしている。
【0056】
アナログゲイン算出部213は、記憶部212(露光時間記憶部)を参照してフィルムスキャナ100にセットされたフィルムFのフィルム濃度に応じて露光時間を読み出し、この露光時間と露光時間算出部211により算出された露光時間との差分に応じたアナログゲインを算出するものである。すなわち、図4では、直線Lが露光時間算出部211により算出される露光時間を示すものとすると、フィルム濃度αがα2(>α1)で、フィルムスキャナが12ビットの機種のときには、アナログゲイン算出部213は、差分ΔTに相当するアナログゲインを算出する。なお、このとき、フィルムスキャナの露光時間はT2に設定される。
【0057】
データ転送部214は、露光時間算出部211及びアナログゲイン算出部213で算出された露光時間及びアナログゲインを含む各種のデータを転送データ形式に変換するもので、変換された転送データは、SCSIコントローラ204を介してフィルムスキャナ100の各部に転送される。
【0058】
フレームメモリ206は、設定された取り込み条件で本スキャンして得られた1コマ分の画像データを記憶するものである。
【0059】
モニタ202は、CRT等からなり、フレームメモリ206に記憶されたフィルム画像を表示するものである。
【0060】
入力操作部203は、フィルムスキャナ100によるフィルムFのスキャン開始の指示を行うための指示部、フィルムスキャナ100からスキャナ情報が送信されない場合にモニタ202に表示されたフィルムスキャナ100の機種名一覧から操作者が特定の機種を選択するための選択操作部を含むものである。
【0061】
次に、本実施形態に係るフィルム画像読取システム1の露光時間等設定処理を含むフィルム画像読取処理について説明する。図5は、フィルム画像読取処理を示すフローチャートである。なお、ホストPC200は、フィルムFのフィルム濃度を予め算出しているものとする。
【0062】
図5に示すように、先ず、ホストPC200は、接続判定部207によりフィルムスキャナ100が接続されているか否かを判定する(ステップ♯1)。その結果、フィルムスキャナ100が接続されている場合(ステップ♯1でYES)には、スキャナ判別部208によりフィルムスキャナ100の種類が判別可能か否かを判定し(ステップ♯2)、判別できる場合(ステップ♯2でYES)には、ステップ♯3の処理に進む一方、判別できない場合(ステップ♯2でNO)には、登録されているフィルムスキャナ100の機種名をモニタ202に一覧表示する(ステップ♯9)。そして、操作者により特定の機種名が指定される(ステップ♯10でYES)と、ステップ♯3の処理に進む。
【0063】
ステップ♯3では、スキャナ判別部208によりA/Dコンバータ112の出力信号のビット数が16ビットか否かを判定し、16ビットの場合(ステップ♯3でYES)には、アナログ算出部213により図4の制御曲線▲1▼に基づいて露光時間の読出し及びアナログゲインの算出を行う(ステップ♯4,♯6)一方、12ビットの場合(ステップ♯3でNO)には、図4の制御曲線▲2▼に基づいて露光時間の読出し及びアナログゲインの算出を行う(ステップ♯5,♯6)。
【0064】
そして、操作者により本スキャンの指示がなされる(ステップ♯7でYES)と、ステップ♯4または♯5で算出等された露光時間及びアナログゲインに基づいてフィルムをスキャンする(ステップ♯8)。
【0065】
このように、フィルムスキャナ100の露光時間Tを、閾値α1以上で所定の露光時間に制限したので、露光時間が長くなることによるフィルム画像読取システム1の操作性の低下を抑制することができる。また、特に、本実施形態では、フィルムスキャナ100におけるA/Dコンバータ112の出力信号のビット数が小さいほど、上記露光時間の上限値を高く設定したので、特にA/Dコンバータ112の出力信号のビット数が小さいフィルムスキャナ100でフィルム濃度が比較的高いフィルムをスキャンする場合の画質の低下を抑制することができる。
【0066】
また、フィルムスキャナ100からスキャナ情報が送信されない場合は、登録されているフィルムスキャナ100の機種名をモニタ202に一覧表示して、操作者により特定の機種名を選択させるようにしたので、フィルム画像読取システム1の操作性を向上することができる。
【0067】
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、以下の変形形態(1),(2)が採用可能である。
(1)上記実施形態では、フィルムスキャナ100からスキャナ情報が送信されない場合に、操作者に特定の機種を選択させるように構成されているが、これに限られず、フィルムスキャナ100からのスキャナ情報の送信の有無に関わらず、操作者が入力操作部203でホストPC200に登録されているフィルムスキャナ100の機種名の中から選択できるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、露光時間の制限によりカットされた露光時間分に対応する画像信号のレベルを、アンプ部108に入力されるアナログゲインでゲイン調整することで補うようにしているが、これに限られず、例えば特開平9−51410号公報に記載されているように、デジタル信号処理部113においてゲイン調整(デジタルゲインによるゲイン調整)を行うようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、コンピュータに、フィルムスキャナから画像信号を入力すると、この画像信号を用いてフィルム濃度を算出させ、このフィルム濃度に基づいてフィルムスキャナの露光時間を算出させ、このフィルム濃度に対応する露光時間を記憶手段から読み出させる。また、コンピュータに接続されているフィルムスキャナの種類を判別させ、記憶手段から読み出された露光時間をフィルムスキャナの種類に応じて変更させる。そして、この変更された露光時間と上記算出された露光時間との差分に応じて、フィルムスキャナから出力される画像信号のゲイン調整を行うためのゲインを算出させ、上記変更された露光時間と上記算出されたゲインとに基づいて、フィルムスキャナにフィルムの画像信号の出力を実行させるように動作させるので、コンピュータに接続されるフィルムスキャナの種類に応じた露光量の制御を行うことができる。
【0069】
また、本発明によれば、操作手段により設定されたフィルムスキャナの種類に応じた露光量の制御を行うことができる。
【0070】
また、本発明によれば、記憶手段に記憶されている露光時間を、フィルム濃度の増加に伴って前記露光時間が増加し、且つ、所定のフィルム濃度以上で所定値に制限されているものとしたので、フィルム濃度の高い場合に露光時間が長くなることによるフィルムスキャナの操作性の低下を抑制することができる。
【0071】
また、本発明によれば、変更手段を、フィルムスキャナに備えられるA/D変換手段の分解能が高くなるほど、露光時間を短く設定するものとしたので、フィルムスキャナの撮像手段から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換手段の分解能に応じた適切な露光量の制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の全体構成図である。
【図2】フィルムスキャナの外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態のブロック図である。
【図4】記憶部(露光時間記憶部)に記憶されている、フィルム濃度とフィルムの露光時間との関係を示す図である。
【図5】フィルム画像読取処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 フィルム画像読取システム
100 フィルムスキャナ
104 CCD
108 アンプ部
200 ホストPC
205 制御部
202 モニタ
203 入力操作部
207 接続判定部
208 スキャナ判別部
209 データ受信部
210 フィルム濃度算出部
211 露光時間算出部
212 記憶部
213 アナログゲイン算出部
214 データ転送部
Claims (6)
- フィルムの光像を画像信号に光電変換して出力するフィルムスキャナの動作をコンピュータで制御するための制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記フィルムスキャナから出力される画像信号を用いてフィルム濃度を算出する濃度算出手段と、
前記濃度算出手段により算出されたフィルム濃度に基づいて前記フィルムスキャナの露光時間を算出する露光時間算出手段と、
フィルム濃度に応じて予め設定された前記フィルムスキャナの露光時間を記憶する記憶手段と、
前記濃度算出手段により算出されたフィルム濃度に対応する露光時間を前記記憶手段から読み出す読出手段と、
フィルムスキャナの種類を判別する判別手段と、
前記読出手段により読み出される露光時間をフィルムスキャナの種類に応じて変更する変更手段と、
前記変更手段により変更された露光時間と前記露光時間算出手段により算出された露光時間との差分に応じて、前記フィルムスキャナから出力される画像信号のゲイン調整を行うためのゲインを算出するゲイン算出手段と、
前記変更手段により変更された露光時間と前記ゲイン算出手段により算出されたゲインとに基づいて、前記フィルムスキャナにフィルムの画像信号を出力させる制御手段と、
して機能させるための制御プログラム。 - フィルムの光像を画像信号に光電変換して出力するフィルムスキャナの動作をコンピュータで制御するための制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記フィルムスキャナから出力される画像信号を用いてフィルム濃度を算出する濃度算出手段と、
前記濃度算出手段により算出されたフィルム濃度に基づいて前記フィルムスキャナの露光時間を算出する露光時間算出手段と、
フィルム濃度に応じて予め設定された前記フィルムスキャナの露光時間を記憶する記憶手段と、
前記濃度算出手段により算出されたフィルム濃度に対応する露光時間を前記記憶手段から読み出す読出手段と、
フィルムスキャナの種類を設定すべく操作される操作手段と、
前記読出手段により読み出される露光時間を前記操作手段により設定されたフィルムスキャナの種類に応じて変更する変更手段と、
前記変更手段により変更された露光時間と前記露光時間算出手段により算出された露光時間との差分に応じて、前記フィルムスキャナから出力される画像信号のゲイン調整を行うためのゲインを算出するゲイン算出手段と、
前記変更手段により変更された露光時間と前記ゲイン算出手段により算出されたゲインとに基づいて、前記フィルムスキャナにフィルムの画像信号を出力させる制御手段と、
して機能させるための制御プログラム。 - 前記記憶手段に記憶されている露光時間は、フィルム濃度の増加に伴って増加し、且つ、所定のフィルム濃度以上で所定値に制限されているものであることを特徴とする請求項1または2に記載の制御プログラム。
- 前記変更手段は、フィルムスキャナの撮像手段から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換手段の分解能が高くなるほど、露光時間を短く設定するものであることを特徴とする請求項3に記載の制御プログラム。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の制御プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の制御プログラムにより前記各手段を備えたコンピュータと、
フィルムの光像を画像信号に光電変換して出力する撮像手段を備え、前記コンピュータの前記制御手段による制御によりフィルムの撮像及び画像信号の出力を行うフィルムスキャナとを備えてなるフィルム画像読取システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002261247A JP2004104317A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | フィルムスキャナの制御プログラム、この制御プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体及びフィルム画像読取システム |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2002261247A JP2004104317A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | フィルムスキャナの制御プログラム、この制御プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体及びフィルム画像読取システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004104317A true JP2004104317A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32261679
Family Applications (1)
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JP2002261247A Pending JP2004104317A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | フィルムスキャナの制御プログラム、この制御プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体及びフィルム画像読取システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004104317A (ja) |
-
2002
- 2002-09-06 JP JP2002261247A patent/JP2004104317A/ja active Pending
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