JP2004103626A - セラミックパッケージの封止構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子デバイスの低背化を進めると共に、組み立て作業を簡易化するセラミックパッケージの封止構造を提供する。
【解決手段】本実施例は、水晶振動素子4を内底部の所定のパッド6に導電性接着剤9を用いて固定したセラミックパッケージ8と、コバール材等の金属にニッケルメッキを施した金属蓋5とを、ろう接法により気密封止する例を示し、そのため、セラミックパッケージ8の開口部外周縁には、ろう付け用のメタライズ層としてタングステンメタライズ等を施した後、ろう材12を積層する。次に、ニッケルメッキを施したコバール材からなる金属蓋5を、セラミックパッケージ8に搭載後、セラミックパッケージ8の開口部外周縁に圧接したろう材12を溶融させて溶接することによりセラミックパッケージ8を金属蓋5により機密封止する。
【選択図】 図1
【解決手段】本実施例は、水晶振動素子4を内底部の所定のパッド6に導電性接着剤9を用いて固定したセラミックパッケージ8と、コバール材等の金属にニッケルメッキを施した金属蓋5とを、ろう接法により気密封止する例を示し、そのため、セラミックパッケージ8の開口部外周縁には、ろう付け用のメタライズ層としてタングステンメタライズ等を施した後、ろう材12を積層する。次に、ニッケルメッキを施したコバール材からなる金属蓋5を、セラミックパッケージ8に搭載後、セラミックパッケージ8の開口部外周縁に圧接したろう材12を溶融させて溶接することによりセラミックパッケージ8を金属蓋5により機密封止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセラミックパッケージの封止構造に関し、特に水晶素子等のような電子部品をセラミックパッケージ凹部に搭載後、外気の影響を排除するために、金属性のリッド(蓋)によりセラミックパッケージの開口部を気密封止するセラミックパッケージの封止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子デバイス、例えば水晶振動子のように水晶振動素子をセラミックパッケージの凹部内底部に搭載後、金属性のリッドによりセラミックパッケージの開口部を気密封止し、外気の影響を排除した電子デバイスが多く提供されてきた。そこで、以降の説明は電子デバイスの一例として、水晶応用部品である水晶振動子について説明する。
図4に、従来の電子デバイスの一例である水晶振動子の分解斜視図を示す。同図は、所定の大きさに加工された水晶基板1の対向する表裏両面に励振電極2と夫々の励振電極2からは水晶基板縁端に導出されたリード電極3とを形成した水晶振動素子4と、コバール材などからなる金属蓋5と、凹所内底面には水晶振動素子4を接続固定するパッド6を備え、前記パッド6と電気的に接続した外底面に設けた出力電極7を有するセラミックパッケージ8とからなる。水晶振動子は、セラミックパッケージ8の凹所内底面の片隅に配置されたパッド6に、導電性接着剤を介して水晶振動素子4を片持ち状態で接続固定した上で、セラミックパッケージ8の開口部を金属蓋5によって機密封止する構造を有している。
【0003】
セラミックパッケージの開口部を金属蓋により気密封止する手段としては、多種多様な方法が実用化されているが、その代表的な手段としてシーム溶接による気密封止法が挙げられる。
図5は、水晶振動子において、シーム溶接により気密封止を行う際に必要な構造例を示す断面図である。同図は、水晶振動素子4を内底部の所定のパッド6に導電性接着剤9を用いて固定したセラミックパッケージ8に、コバール材からなる金属蓋5を、シーム溶接により固定した例である。セラミックパッケージ8の開口部外周縁には、コバール材にNi+Auメッキを施したシーム溶接用のシールリング10が銀ろう等のろう材により、ろう接されており、ニッケルメッキを施したコバール材からなる金属蓋5を、前記シールリング10に搭載後、ローラ電極等を使用して溶接し、セラミックパッケージ8を気密封止する。
【0004】
一方、セラミックパッケージの他の気密封止法として、ろう接法による封止方法が実用化されている。
図6は、水晶振動子において、ろう接による封止を行う際に必要な構造例を示す断面図である。同図は、水晶振動素子4を凹部内底部の所定のパッド6に導電性接着剤9を用いて固定したセラミックパッケージ8と、コバール材からなる金属蓋5とを、ろう接法により固定して気密封止する例を示しており、セラミックパッケージ8の開口部外周縁には、ろう付け用のメタライズ層としてタングステンメタライズを施してある。そこで、ニッケルメッキを施したコバール材からなる金属蓋5には、セラミックパッケージ8と接触する裏面の全面にろう材11を圧接しておき、該金属蓋5をセラミックパッケージ8に搭載後、ろう材を溶融させて溶接する。ろう材としては、銀ろう、或るいは金とすずとの合金等が使用され、ろう材を溶融させる手段として、例えばレーザビームが用いられる。
本方法は、シールリングが不要であり、水晶振動子の小型、低背化には有利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のろう接法による封止方法は、以下のような問題点が生じていた。
近年、電子デバイスの低背化が進んだことにより、セラミックパッケージを気密封止する手段においても、従来のろう接法による封止方法では、金属蓋の裏面に圧接されたろう材の厚みがセラミックパッケージの内部空間を狭めており、所定の空間を確保した状態での低背化に支障を来たし問題となっていた。
図7に、水晶振動子において、ろう接による封止を行った構造例を示す断面図を示す。同図に示すように、セラミックパッケージ8の内部空間は、図5の場合に比べてろう材11の厚さ分狭くなっている。
【0006】
一方、従来のろう接法による封止方法は、金属蓋の裏面にろう材を圧接したため、金属蓋に表裏が存在し、金属蓋を用いてセラミックパッケージを機密封止する際に、金属蓋の表裏の判別が必要となり、組み立て作業を複雑化させていた。本発明は、上述したような従来のろう接法による封止方法に関する問題点を解決するためになされたものであって、電子デバイスの低背化を進めると共に、組み立て作業を簡易化するセラミックパッケージの封止構造を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係わるセラミックパッケージの封止構造は、以下の構成をとる。
請求項1記載のセラミックパッケージの封止構造は、セラミックパッケージの開口部内底面に電子部品を搭載した後、前記開口部を金属蓋により気密封止するセラミックパッケージの封止構造において、前記セラミックパッケージの開口部外周縁上面にメタライズ層を形成し、該メタライズ層の表面にろう材を積層して、該ろう材を所定の手段で溶融させることにより前記セラミックパッケージ開口面と前記金属蓋とを溶接し、セラミックパッケージの内部空間を気密封止するよう構成する。
【0008】
請求項2記載のセラミックパッケージの封止構造は、前記メタライズ層が、セラミックパッケージの開口部外周縁上面に形成したタングステンメタライズ層と、該タングステンメタライズ層の表面にニッケルメッキを施して積層したNi層と、該Ni層の表面に金メッキを施して積層したAu層とにより構成する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
本発明においては、セラミックパッケージ内の空間が、金属蓋に形成したろう材により狭められるという問題を解決するため、金属蓋の裏面へのろう材の圧接をやめ、金属蓋を溶接するためのろう材をセラミックパッケージの開口部外周縁上面に積層したことが特徴である。従って、セラミックパッケージの凹部内部空間は、該凹部内部空間に当接する金属蓋のろう材が排除されたため、排除されたろう材の厚み分拡張された。その結果、セラミックパッケージの低背化を行う際にセラミックパッケージの凹部内部空間が有効に活用出来ることから、セラミックパッケージの低背化を進める上で有利となった。そこで、以降の説明は電子デバイスの一例として、水晶応用部品である水晶振動子について説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る電子デバイスの一実施例である水晶振動子において、ろう接による封止を行う際に必要な構造例を示す断面図である。同図は、水晶振動素子4を内底部の所定のパッド6に導電性接着剤9を用いて固定したセラミックパッケージ8と、コバール材等の金属にニッケルメッキを施した金属蓋5とを、ろう接法により気密封止する例であり、そのため、セラミックパッケージ8の開口部外周縁上面には、ろう付け用のメタライズ層としてタングステンメタライズ等を施した後、該メタライズ層上にろう材12を積層している。
【0011】
次に、ニッケルメッキを施したコバール材からなる金属蓋5を、セラミックパッケージ8に搭載後、セラミックパッケージ8の開口部外周縁に積層したろう材12を溶融させて溶接することによりセラミックパッケージ8を金属蓋5により気密封止する。封止に使用するろう材12としては、銀ろう、或るいは金とすずとの合金等が使用されることが多く、又、ろう材12を溶融させる手段としては、例えば金属蓋のろう接部にレーザビームを照射し、ろう材を加熱溶融する方法が用いられる。従って、本実施例の如くセラミックパッケージを気密封止することにより、セラミックパッケージ8の内部空間は、ろう材の厚さ分拡張される。又、本実施例によれば、金属蓋5にろう材を形成しないことから金属蓋5に表裏がなく、水晶振動子を組み立てる際に金属蓋5の表裏を判別する必要がなくなり、ろう接法を用いて封止を行う溶接設備を簡易化することが可能となる。
【0012】
図2は、セラミックパッケージの開口部外周縁上面のろう材を含むシールリングの断面構造の様子を示す拡大図である。本実施例においては、図2に示す如くセラミックパッケージ8の開口部外周縁にろう材12を確実に積層するため、メタライズ層としてタングステンメタライズ13を形成した後、タングステンメタライズの表面にニッケルメッキを施してNi層14を積層し、更に、Ni層14の表面に金メッキを施してAu層15を積層して、Au層15の表面にろう材12を積層した。このように、セラミックパッケージ8の開口部外周縁に4層構造でろう材を形成したので、ろう接法による封止の信頼性も向上している。
【0013】
次に、本実施例の構造について具体的な数値例を示して説明する。
図3は、本発明に係わる電子デバイスの一実施例である水晶振動子の断面を示す図である。同図は、図1と構成は同一であり、本実施例においては、ろう材の形成箇所を金属蓋からセラミックパッケージの開口外周縁図に変更したことにより、セラミックパッケージの内部空間は、図に示す如くろう材の厚さ分の20μm拡張された。ろう接法により封止する際に使用されるろう材の厚みは、通常20μm程度である。そこで、セラミックパッケージの内部空間が20μm拡張されたことにより、水晶振動子に内蔵されている水晶振動素子の厚みを、更に20μm厚くすることが可能となるが、その厚さ20μmを水晶振動子の周波数に換算すると具体的数値は次の通りである。
【0014】
水晶素板の厚さは周波数に反比例し次式から求められることは周知のところである。
t(mm)=1.67/freq.(MHz)・・・(1)
t:水晶素板の厚さ、freq.:周波数
仮に、従来の気密封止方法によるセラミックパッケージは、水晶振動素子の厚みが周波数14MHzまで対応する水晶振動素子を搭載出来るとすると、本実施例を用いることにより、セラミックパッケージは、20μm厚みが増加した水晶振動素子を搭載可能となる。そこで、(1)式から、従来の水晶振動素子を20μm厚くした際に可能な周波数を求めると、周波数は12MHzとなることから、本実施例においては、従来より2MHzさらに低い周波数まで対応する水晶振動素子を搭載出来るセラミックパッケージを提供することが可能となる。
尚、水晶振動子では、セラミックパッケージの高さ寸法は、低いものでは0.5mm程度となっており、本実施例において拡大した20μmは、その4%に相当する寸法である。
【0015】
本実施例では水晶振動子を用いて説明したが、本発明はこれに限らず封止構造を有する電子デバイスに広く適用できることは言うまでもない。
【0016】
【発明の効果】
上述したように本発明は、請求項1及び2共、セラミックパッケージを気密封止するためにろう接法を用いて封止する際に、ろう材をセラミックパッケージの開口部外周縁に形成したので、ろう材の厚み分セラミックパッケージの内部空間が拡張され、セラミックパッケージの低背化を行う上で大きな効果を発揮する。又、本発明を採用することにより、セラミックパッケージに金属蓋を搭載して気密封止する際に、金属蓋の表裏を判別する必要が無くなり、組み立て時間が低減すると共に、溶接設備の簡易化が図られることから、製造コストを低減する上で著しい効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子デバイスの一実施例である水晶振動子において、ろう接による封止を行う際に必要な構造例を示す断面図である。
【図2】セラミックパッケージの開口部外周縁にろう材を含むシールリングの断面構造の様子を示す拡大図である。
【図3】本発明に係わる電子デバイスの一実施例である水晶振動子の断面を示す図である。
【図4】従来の電子デバイスの一例である水晶振動子の分解斜視図を示す。
【図5】従来の電子デバイスの一例である水晶振動子において、シーム溶接を行う際に必要な構造例を示す断面図である。
【図6】従来の電子デバイスの一例である水晶振動子において、ろう接による封止を行う際に必要な構造例を示す断面図である。
【図7】従来の電子デバイスの一例である水晶振動子において、ろう接による封止を行った構造例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・水晶基板、 2・・励振電極、
3・・リード電極、 4・・水晶振動素子、
5・・金属蓋、 6・・パッド、
7・・出力電極、 8・・セラミックパッケージ、
9・・導電性接着剤、 10・・シールリング、
11・・ろう材、 12・・ろう材、
13・・タングステンメタライズ、 14・・Ni層、
15・・Au層
【発明の属する技術分野】
本発明はセラミックパッケージの封止構造に関し、特に水晶素子等のような電子部品をセラミックパッケージ凹部に搭載後、外気の影響を排除するために、金属性のリッド(蓋)によりセラミックパッケージの開口部を気密封止するセラミックパッケージの封止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子デバイス、例えば水晶振動子のように水晶振動素子をセラミックパッケージの凹部内底部に搭載後、金属性のリッドによりセラミックパッケージの開口部を気密封止し、外気の影響を排除した電子デバイスが多く提供されてきた。そこで、以降の説明は電子デバイスの一例として、水晶応用部品である水晶振動子について説明する。
図4に、従来の電子デバイスの一例である水晶振動子の分解斜視図を示す。同図は、所定の大きさに加工された水晶基板1の対向する表裏両面に励振電極2と夫々の励振電極2からは水晶基板縁端に導出されたリード電極3とを形成した水晶振動素子4と、コバール材などからなる金属蓋5と、凹所内底面には水晶振動素子4を接続固定するパッド6を備え、前記パッド6と電気的に接続した外底面に設けた出力電極7を有するセラミックパッケージ8とからなる。水晶振動子は、セラミックパッケージ8の凹所内底面の片隅に配置されたパッド6に、導電性接着剤を介して水晶振動素子4を片持ち状態で接続固定した上で、セラミックパッケージ8の開口部を金属蓋5によって機密封止する構造を有している。
【0003】
セラミックパッケージの開口部を金属蓋により気密封止する手段としては、多種多様な方法が実用化されているが、その代表的な手段としてシーム溶接による気密封止法が挙げられる。
図5は、水晶振動子において、シーム溶接により気密封止を行う際に必要な構造例を示す断面図である。同図は、水晶振動素子4を内底部の所定のパッド6に導電性接着剤9を用いて固定したセラミックパッケージ8に、コバール材からなる金属蓋5を、シーム溶接により固定した例である。セラミックパッケージ8の開口部外周縁には、コバール材にNi+Auメッキを施したシーム溶接用のシールリング10が銀ろう等のろう材により、ろう接されており、ニッケルメッキを施したコバール材からなる金属蓋5を、前記シールリング10に搭載後、ローラ電極等を使用して溶接し、セラミックパッケージ8を気密封止する。
【0004】
一方、セラミックパッケージの他の気密封止法として、ろう接法による封止方法が実用化されている。
図6は、水晶振動子において、ろう接による封止を行う際に必要な構造例を示す断面図である。同図は、水晶振動素子4を凹部内底部の所定のパッド6に導電性接着剤9を用いて固定したセラミックパッケージ8と、コバール材からなる金属蓋5とを、ろう接法により固定して気密封止する例を示しており、セラミックパッケージ8の開口部外周縁には、ろう付け用のメタライズ層としてタングステンメタライズを施してある。そこで、ニッケルメッキを施したコバール材からなる金属蓋5には、セラミックパッケージ8と接触する裏面の全面にろう材11を圧接しておき、該金属蓋5をセラミックパッケージ8に搭載後、ろう材を溶融させて溶接する。ろう材としては、銀ろう、或るいは金とすずとの合金等が使用され、ろう材を溶融させる手段として、例えばレーザビームが用いられる。
本方法は、シールリングが不要であり、水晶振動子の小型、低背化には有利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のろう接法による封止方法は、以下のような問題点が生じていた。
近年、電子デバイスの低背化が進んだことにより、セラミックパッケージを気密封止する手段においても、従来のろう接法による封止方法では、金属蓋の裏面に圧接されたろう材の厚みがセラミックパッケージの内部空間を狭めており、所定の空間を確保した状態での低背化に支障を来たし問題となっていた。
図7に、水晶振動子において、ろう接による封止を行った構造例を示す断面図を示す。同図に示すように、セラミックパッケージ8の内部空間は、図5の場合に比べてろう材11の厚さ分狭くなっている。
【0006】
一方、従来のろう接法による封止方法は、金属蓋の裏面にろう材を圧接したため、金属蓋に表裏が存在し、金属蓋を用いてセラミックパッケージを機密封止する際に、金属蓋の表裏の判別が必要となり、組み立て作業を複雑化させていた。本発明は、上述したような従来のろう接法による封止方法に関する問題点を解決するためになされたものであって、電子デバイスの低背化を進めると共に、組み立て作業を簡易化するセラミックパッケージの封止構造を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係わるセラミックパッケージの封止構造は、以下の構成をとる。
請求項1記載のセラミックパッケージの封止構造は、セラミックパッケージの開口部内底面に電子部品を搭載した後、前記開口部を金属蓋により気密封止するセラミックパッケージの封止構造において、前記セラミックパッケージの開口部外周縁上面にメタライズ層を形成し、該メタライズ層の表面にろう材を積層して、該ろう材を所定の手段で溶融させることにより前記セラミックパッケージ開口面と前記金属蓋とを溶接し、セラミックパッケージの内部空間を気密封止するよう構成する。
【0008】
請求項2記載のセラミックパッケージの封止構造は、前記メタライズ層が、セラミックパッケージの開口部外周縁上面に形成したタングステンメタライズ層と、該タングステンメタライズ層の表面にニッケルメッキを施して積層したNi層と、該Ni層の表面に金メッキを施して積層したAu層とにより構成する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
本発明においては、セラミックパッケージ内の空間が、金属蓋に形成したろう材により狭められるという問題を解決するため、金属蓋の裏面へのろう材の圧接をやめ、金属蓋を溶接するためのろう材をセラミックパッケージの開口部外周縁上面に積層したことが特徴である。従って、セラミックパッケージの凹部内部空間は、該凹部内部空間に当接する金属蓋のろう材が排除されたため、排除されたろう材の厚み分拡張された。その結果、セラミックパッケージの低背化を行う際にセラミックパッケージの凹部内部空間が有効に活用出来ることから、セラミックパッケージの低背化を進める上で有利となった。そこで、以降の説明は電子デバイスの一例として、水晶応用部品である水晶振動子について説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る電子デバイスの一実施例である水晶振動子において、ろう接による封止を行う際に必要な構造例を示す断面図である。同図は、水晶振動素子4を内底部の所定のパッド6に導電性接着剤9を用いて固定したセラミックパッケージ8と、コバール材等の金属にニッケルメッキを施した金属蓋5とを、ろう接法により気密封止する例であり、そのため、セラミックパッケージ8の開口部外周縁上面には、ろう付け用のメタライズ層としてタングステンメタライズ等を施した後、該メタライズ層上にろう材12を積層している。
【0011】
次に、ニッケルメッキを施したコバール材からなる金属蓋5を、セラミックパッケージ8に搭載後、セラミックパッケージ8の開口部外周縁に積層したろう材12を溶融させて溶接することによりセラミックパッケージ8を金属蓋5により気密封止する。封止に使用するろう材12としては、銀ろう、或るいは金とすずとの合金等が使用されることが多く、又、ろう材12を溶融させる手段としては、例えば金属蓋のろう接部にレーザビームを照射し、ろう材を加熱溶融する方法が用いられる。従って、本実施例の如くセラミックパッケージを気密封止することにより、セラミックパッケージ8の内部空間は、ろう材の厚さ分拡張される。又、本実施例によれば、金属蓋5にろう材を形成しないことから金属蓋5に表裏がなく、水晶振動子を組み立てる際に金属蓋5の表裏を判別する必要がなくなり、ろう接法を用いて封止を行う溶接設備を簡易化することが可能となる。
【0012】
図2は、セラミックパッケージの開口部外周縁上面のろう材を含むシールリングの断面構造の様子を示す拡大図である。本実施例においては、図2に示す如くセラミックパッケージ8の開口部外周縁にろう材12を確実に積層するため、メタライズ層としてタングステンメタライズ13を形成した後、タングステンメタライズの表面にニッケルメッキを施してNi層14を積層し、更に、Ni層14の表面に金メッキを施してAu層15を積層して、Au層15の表面にろう材12を積層した。このように、セラミックパッケージ8の開口部外周縁に4層構造でろう材を形成したので、ろう接法による封止の信頼性も向上している。
【0013】
次に、本実施例の構造について具体的な数値例を示して説明する。
図3は、本発明に係わる電子デバイスの一実施例である水晶振動子の断面を示す図である。同図は、図1と構成は同一であり、本実施例においては、ろう材の形成箇所を金属蓋からセラミックパッケージの開口外周縁図に変更したことにより、セラミックパッケージの内部空間は、図に示す如くろう材の厚さ分の20μm拡張された。ろう接法により封止する際に使用されるろう材の厚みは、通常20μm程度である。そこで、セラミックパッケージの内部空間が20μm拡張されたことにより、水晶振動子に内蔵されている水晶振動素子の厚みを、更に20μm厚くすることが可能となるが、その厚さ20μmを水晶振動子の周波数に換算すると具体的数値は次の通りである。
【0014】
水晶素板の厚さは周波数に反比例し次式から求められることは周知のところである。
t(mm)=1.67/freq.(MHz)・・・(1)
t:水晶素板の厚さ、freq.:周波数
仮に、従来の気密封止方法によるセラミックパッケージは、水晶振動素子の厚みが周波数14MHzまで対応する水晶振動素子を搭載出来るとすると、本実施例を用いることにより、セラミックパッケージは、20μm厚みが増加した水晶振動素子を搭載可能となる。そこで、(1)式から、従来の水晶振動素子を20μm厚くした際に可能な周波数を求めると、周波数は12MHzとなることから、本実施例においては、従来より2MHzさらに低い周波数まで対応する水晶振動素子を搭載出来るセラミックパッケージを提供することが可能となる。
尚、水晶振動子では、セラミックパッケージの高さ寸法は、低いものでは0.5mm程度となっており、本実施例において拡大した20μmは、その4%に相当する寸法である。
【0015】
本実施例では水晶振動子を用いて説明したが、本発明はこれに限らず封止構造を有する電子デバイスに広く適用できることは言うまでもない。
【0016】
【発明の効果】
上述したように本発明は、請求項1及び2共、セラミックパッケージを気密封止するためにろう接法を用いて封止する際に、ろう材をセラミックパッケージの開口部外周縁に形成したので、ろう材の厚み分セラミックパッケージの内部空間が拡張され、セラミックパッケージの低背化を行う上で大きな効果を発揮する。又、本発明を採用することにより、セラミックパッケージに金属蓋を搭載して気密封止する際に、金属蓋の表裏を判別する必要が無くなり、組み立て時間が低減すると共に、溶接設備の簡易化が図られることから、製造コストを低減する上で著しい効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子デバイスの一実施例である水晶振動子において、ろう接による封止を行う際に必要な構造例を示す断面図である。
【図2】セラミックパッケージの開口部外周縁にろう材を含むシールリングの断面構造の様子を示す拡大図である。
【図3】本発明に係わる電子デバイスの一実施例である水晶振動子の断面を示す図である。
【図4】従来の電子デバイスの一例である水晶振動子の分解斜視図を示す。
【図5】従来の電子デバイスの一例である水晶振動子において、シーム溶接を行う際に必要な構造例を示す断面図である。
【図6】従来の電子デバイスの一例である水晶振動子において、ろう接による封止を行う際に必要な構造例を示す断面図である。
【図7】従来の電子デバイスの一例である水晶振動子において、ろう接による封止を行った構造例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・水晶基板、 2・・励振電極、
3・・リード電極、 4・・水晶振動素子、
5・・金属蓋、 6・・パッド、
7・・出力電極、 8・・セラミックパッケージ、
9・・導電性接着剤、 10・・シールリング、
11・・ろう材、 12・・ろう材、
13・・タングステンメタライズ、 14・・Ni層、
15・・Au層
Claims (2)
- セラミックパッケージの開口部内底面に電子部品を搭載した後、前記開口部を金属蓋により気密封止するセラミックパッケージの封止構造において、
前記セラミックパッケージの開口部外周縁上面にメタライズ層を形成し、
該メタライズ層の表面にろう材を積層して、
該ろう材を所定の手段で溶融させることにより前記セラミックパッケージ開口面と前記金属蓋とを溶接し、セラミックパッケージの内部空間を気密封止したことを特徴とするセラミックパッケージの封止構造。 - 前記メタライズ層が、
セラミックパッケージの開口部外周縁上面に形成したタングステンメタライズ層と、
該タングステンメタライズ層の表面にニッケルメッキを施して積層したNi層と、該Ni層の表面に金メッキを施して積層したAu層とにより構成したことを特徴とする請求項1記載のセラミックパッケージの封止構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002259507A JP2004103626A (ja) | 2002-09-05 | 2002-09-05 | セラミックパッケージの封止構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002259507A JP2004103626A (ja) | 2002-09-05 | 2002-09-05 | セラミックパッケージの封止構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004103626A true JP2004103626A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32260491
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004103626A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010093544A (ja) * | 2008-10-08 | 2010-04-22 | Nippon Dempa Kogyo Co Ltd | 表面実装用の水晶振動子 |
CN114279896A (zh) * | 2020-09-27 | 2022-04-05 | 上海交通大学 | 观测铝熔液润湿角的密封室座滴法 |
-
2002
- 2002-09-05 JP JP2002259507A patent/JP2004103626A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010093544A (ja) * | 2008-10-08 | 2010-04-22 | Nippon Dempa Kogyo Co Ltd | 表面実装用の水晶振動子 |
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