JP2004103535A - ダイヤモンド冷陰極を用いた長寿命・超高感度フォト・ディテクター及びフォトン・ディテクター - Google Patents

ダイヤモンド冷陰極を用いた長寿命・超高感度フォト・ディテクター及びフォトン・ディテクター Download PDF

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岡村 憲伯
Katsutaka Suzuki
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Hirosuke Onuki
大貫 宏祐
Naoto Yamaguchi
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Abstract

【課題】ダイヤモンド冷陰極を用いた長寿命・超高感度フォト・ディテクター及びフォトン・ディテクターを提供する。
【解決手段】天然・高圧・高温合成法・気相成長法・燃焼炎法など製法によらず、ダイヤモンドを撮像素子の冷陰極として使用することを特徴とする。ダイヤモンドの表面は化学的に安定であり、低真空でも動作可能な電子放出源として使用可能である。さらに、金属・半導体などを用いた他の冷陰極と比べて、低い電界での電子放出が確認されている。既存の光電変換素子と合わせてダイヤモンド冷陰極を用いれば、製造が比較的容易で、かつ長寿命・超高感度な撮像素子が作成可能となる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】広波長領域の光及び光子検知素子、またそれを平面上に集積化した撮像素子
【0002】
【従来の技術】フォト・ディテクターおよびフォトン・ディテクターに用いられる陽極側のターゲットは、低残像、高感度、高解像度、低暗電流であるかどうかでその性能が左右される。それら四つの特性が優れていればいるほど、撮像管のターゲットとして優れているとされる。従来のターゲットでは、残像が小さくできるが低感度、すなわち光電変換効率の利得が1より低いものや、利得が1より大きく高感度だが残像が大きいものなどがある。このように、低残像、高感度、高解像度、低暗電流などのすべてにおいて、優れた特性をしめすような撮像ターゲットは得られていなかった。
【0003】しかし、特開平6−96688に開示されているように、非晶質セレンを主体とすることにより、低暗電流、高解像度、低残像を保ちながら高感度を実現するような優れた撮像ターゲットが開発されている。同時に、非晶質セレンが持つ電荷増倍効果を利用して、かつその性質を有効的に利用できるような構造にすることにより、光電変換効率による利得、すなわち量子効率10を得ることができることも報告されている。すなわち、非晶質セレンを主体とするターゲットを用いることにより、低暗電流、高解像度、低残像、超高感度を実現可能なのである。さらに、非晶質セレンを用いたこのようなターゲット部分の薄膜形成が、容易なプロセスにて均質かつ大面積で得られることも、この撮像ターゲットが極めて有効であることを示している。このように様々な面で優れているものの、以下にあげるような陰極側が抱えるさまざまな問題のために、非晶質セレンを主体としたターゲットの活用は制限されてきた。
【0004】
本発明以前に開発された真空管フォト・ディテクターおよびフォトン・ディテクターまたは撮像素子では、主に熱電子放出を利用した熱陰極、あるいは金属や半導体を用いた冷陰極が電子放出源として用いられてきた。
【0005】しかし、このような既存の技術のうち前者では、熱電子放出に起因した陰極の温度上昇がデバイス全体の温度上昇を招き、これによりガラス封止した真空管素子内の封止部分の劣化が進み、ガラス管内の真空度が徐々に上昇することで、素子の寿命が著しく短くなってしまうことが知られていた。
【0006】一方後者では、陰極から電子放出させるために、一般にかなりの高電圧を印加する必要があり、デバイスを設計する際にはデバイス全体として高耐圧が達成される必要があった。
【0007】さらに、これらの陰極から安定した電流を取り出すためには高真空が必要であり、封止時の残留ガスの分圧やその種類によってはこれらの残留ガスが活性化し、陰極として用いられる金属や半導体表面に吸着することで、電子放出を阻害するために、素子の寿命が著しく短くなってしまうことが知られていた。
【0008】
【本発明が解決しようとしている課題】本発明の技術によれば、陰極としてダイヤモンドを利用することを想定しており、熱電子放出を利用することに起因した温度上昇は起こり得ない。また熱陰極ではなく冷陰極からの電子放出であっても、一般的にデバイスの動作のために必要な定常電流が陰極の温度上昇を招く可能性も残されているが、これについても、ダイヤモンドの熱伝導性が銅の約5倍あることから、本発明によるデバイスにおいては、デバイス動作を劣化させる程度の温度上昇は考えにくい。
【0009】一方、負の電子親和力を有するダイヤモンドは、特開平07−094081に開示されているように、他の物質と比較して、電子放出のために必要な電圧/電界が著しく低いことが知られている。このため、他の冷陰極を用いた場合と比較し、デバイス設計時の耐電圧に関しても圧倒的に低い値でデバイス化が達成できる可能性が示唆される。また、結果としてこのデバイスを駆動するために必要となる回路設計の自由度も大きくなることが予想される。
【0010】さらに、たとえば水素終端あるいは酸素終端したダイヤモンド表面が、化学的に非常に安定であり、ガラス管内の残留ガスがダイヤモンド表面に吸着し、ダイヤモンド表面からの電子放出が阻害されてしまう可能性も低いため、必ずしも高真空が必要でなくなる。
【0011】もちろん原理的には、ダイヤモンドが持つこのような素晴らしい特徴を利用しなくても、フォト・ディテクターおよびフォトン・ディテクターの試作は可能であると思われるが、実用的なデバイス化のためには、上述のような理想的な特徴を持つダイヤンモンドを陰極として用いることが、唯一の解決策となるものと考えられる。
【0012】
【本発明の効果】ダイヤモンドを冷陰極とした二極構造のフォト・ディテクターの代表的な構造を図1に示す。このデバイスの基本構造は、以下の通りである。まず陽極として、ガラス面板上に透明電極が堆積され、この上に非晶質セレンを主材料とした光導電膜が塗布されている。
【0013】一方、陰極にはシリコン基板上に成長された窒素添加ダイヤンモンドが用いられる。このセットアップを、ダイヤモンド陰極からの電子放出が阻害されない程度の真空下に設置し、ガラス面板に、陰極とは反対側から光が照射される。
【0014】
このデバイスの動作原理は以下の通りである。ガラス面板上の貫通穴を通じて、透明電極と非晶質セレンに正の電圧が印加されると、非晶質セレンの表面電位が、ダイヤモンド陰極表面から電子を引き出し、陽極・陰極間に電流が定常的に流れる。
【0015】次にガラス面板に、陰極とは反対側から光が照射されると、光導電性を持つ非晶質セレン内に電子・正孔対が多数生成されるため、光が照射される前と比較し、非晶質セレンの陰極側の表面電位が高くなる。
【0016】これによりダイヤモンド陰極表面から電子を引き出す電圧/電界が高くなるため、陽極・陰極間の電流が定常状態と比較し増加することになり、入射光量を電流値として検出可能となる。
【0017】
このフォト・ディテクターにある時間間隔ごとに光を照射した際の放出電流の変化は、図2に示す通りである。この図から明らかなように、光が照射された際にはそれに追従して放出電流が増加し、光が照射されないとそれに追従して放出電流は減少し、本発明によるデバイスが、フォト・ディテクターとして安定した機能を果たしていることがわかる。
【0018】このような安定した動作の原因として、酸素終端した窒素添加ダイヤモンド表面からの電子放出が非常に低い電圧/電界(〜200V)でおこり、かつ長時間にわたり非常に安定しており、ダイヤモンド冷陰極に対する特別な駆動回路を用いずとも、数千時間の安定動作が可能であることがあげられる。
【0019】さらに、図2は10−5Torr程度の真空度で測定された結果であるが、この真空度は、ダイヤモンド以外の既存の冷陰極では表面吸着の影響などで、電子を放出できない程度の真空度であり、このことはダイヤモンド表面が非常に安定であり、表面吸着などの影響をほとんど受けないことを表している。
【0020】実装技術的には10−5Torr程度の真空度というのは、ガラス管に封止する際にも特別な処理などを施さなくても容易に達成できる“悪い”真空度であり、この程度の真空度でフォト・ディテクターとしての動作が確認されたことは、このデバイスの将来における実用化および大量生産化に大きな貢献をすることを示唆している。
【0021】以上の動作原理において、特開平06−096688に開示してあるように、非晶質セレンを主原料した光導電性膜を有するフォト・ディテクターでは、光導電性膜内部での電荷増倍作用を利用することにより、さらにこのような動作を有効に発生させるような構造にすることにより、量子効率が1より大の高い感度を実現することが可能であるため、それを利用したフォトン・ディテクターの実現が可能になる。
【0022】
【ダイヤモンド冷陰極と非晶質セレン・ターゲットの作製】
この発明に用いられるダイヤモンド冷陰極と陽極ならびに非晶質セレン・ターゲットの作成方法を以下に示す。
【0023】「ダイヤモンド陰極の作成」
陰極に使用するダイヤモンドは、その製法や添加物また構造については特に問わない。しかし、ここでは窒素添加多結晶ダイヤモンドを用いることとし、以下にその作成法を記す。
【0024】窒素添加多結晶ダイヤモンドは、尿素を不純物源とした熱フィラメント化学気相成長法を製法に用い、作成する。作成に際する反応ガスは、尿素飽和メタノールをアセトンで希釈した反応溶液を気化したものを使用する。
【0025】反応溶液の作成は以下のように行う。
尿素を電子天秤により、重量を測定する。メタノール2mlに対して尿素の飽和量は約0.5gである。メスシリンダーでメタノールを量り、試料瓶に移す。重量を測定した尿素をメタノールに投入し溶解するまで超音波洗浄器にかけて攪拌し、尿素飽和メタノールを作成する。アセトンをメスシリンダーで量り、新たな試料瓶に移す。そこに尿素飽和メタノールの上澄み液を投入する。この反応溶液の尿素飽和メタノールとアセトンの混合比により、不純物である窒素の量を任意に制御することが出来る。ここでは、アセトンで尿素飽和メタノールを体積比で10倍になるように希釈する。
【0026】窒素添加多結晶ダイヤモンドの下地基板として、ダイヤモンド成長初期の核発生密度を向上させるため傷つけ処理を行ったn型シリコン基板を用いる。シリコン基板への傷つけ処理は、基板上に大きさ1μm程度のダイヤモンド粒が混入されたダイヤモンドペーストを少量のせ、研磨用のロッドを用いて磨くことで行う。
【0027】以下に熱フィラメント化学気相成長法を用いた窒素添加ダイヤモンドの作成方法をしめす。
傷つけ処理を行ったシリコン基板を所望の大きさに切り出し、反応容器内の試料台に設置し、装置を充分に排気する。排気後、反応ガスを流量0.6ccm、水素ガスを流量100sccmで導入し、排気系のバルブをすべて閉じ、反応容器内の圧力が100Torrに達するまで反応ガス、水素ガスを溜める。反応容器とフィラメント用電流導入端子をそれぞれ水冷、空冷する。ガス溜め終了後、排気速度を調節し反応容器内圧力を100Torrに維持する。この圧力が保たれた状態下で化学気相成長を開始する。フィラメントに電圧を印加し、フィラメント温度は赤外線温度計、基板温度は熱電対を用いてモニターし、それぞれ2300℃、850℃にて保つ。反応時間経過後、反応ガスの供給を止める。フィラメントへの電圧の印加を停止した後に水素ガスの供給を停止する。残留ガスを排気し終えたら、反応容器を大気圧に戻し、ダイヤモンドが成長したシリコン基板を取り出す。なお、このようにして2時間成長させて得られたダイヤモンドは、膜厚約10μm、不純物濃度は1021cm−3程度であることが確認されている。
【0028】「ターゲット部の作製」
【0029】以下に、導電性貫通穴の作成、透明電極の成膜、光導電性膜の蒸着の方法を記す。この発明において、光導電性膜の組成は請求項3,4を除き特に問わないものとする。請求項3,4またそれらを包含するデバイスにおいては、光導電性膜にセレンを主原料として用いる。ここではターゲットの作製に特開平06−096688の発明を転用する。
【0030】厚さ1mm、縦×横3.0×3.0mmのガラス面板を用意する。図14に示す位置に導電性貫通穴を作る。
【0031】酸化スズを主体とする透光性電極(ITO)をスパッタリング装置により蒸着する。透明電極は、ガラス面板の中心に2.5×2.5mmの大きさ、0.1μmの厚さで、かつ導電性貫通穴と透明電極光導電成膜との間に導通がとれるように、堆積させる。真空装置内を排気して、2.0×10−6Torr以上の真空度にする。次にアルゴンガスの流量を約25scc/minになるように調節し、アルゴンガスの圧力を2.0×10−4Torrにする。その状態を維持したまま、ガラス面板に透明電極を約45分間スパッタリングする。透明電極が堆積されて面板の色が茶から紫、最後に青と変化したところで、蒸着を終了する。アルゴンガスを止めて、30分程度冷却をした後、窒素ガスで真空装置を昇圧させ、大気圧にした後、ガラス面板を取り出す。
【0032】透明電極の上に光導電性膜を,特開平6−96688に開示され、同実施例に詳細に示してあるように以下(1)、(2)の手順で成膜する。
【0033】(1)ITOを蒸着したガラス基板上に、透光性電極と光導電性膜
との間に成功注入素子機能を高めるために酸化セシウム(
【化1】
CeO)0.3μm
を、5.0×10−6Torrの真空にて蒸着する。真空装置内に酸化セシウムを入れたボート、ならびにすでに透明電極を堆積してある面板を設置した後、装置内を排気する。5×10−6Torrに真空度が到達したら、膜厚計を用いて蒸着速度をコントロールしながら、規定の膜厚約0.3μmに達するまで蒸着する。蒸着終了後、窒素ガスで真空装置内を大気圧まで非常にゆっくり昇圧させていき、その後ガラス面板を取り出す。
【0034】この上に、セレンとヒ素からなる膜厚0.1〜10μmの光導電膜層を真空蒸着法にて形成する。成膜のさい、セレンとヒ素はそれぞれ別のボートから、同時に蒸発させて基板上に蒸着し、ヒ素の濃度が平均2重量%になるようにする。真空装置内に各試料をいれたボート並びにガラス面板を設置した後、装置内を排気する。真空度が2.0×10−6Torr以下に達したとき、蒸着を開始する。各層の組成比ならびに膜厚が前述のとおりになるように、セレン、ヒ素、テルルそれぞれの蒸着速度を膜厚計で正確に制御して蒸着を行う。規定の膜厚になったときに蒸着を終了する。
【0035】その上に、三硫化アンチモン(
【化2】
Sb
を1.0×10−1Torrの不活性ガス雰囲気で0.8μmの厚さに蒸着する。窒素ガス導入口から乾燥窒素を装置内に導入して、排気速度を調節することによって、真空度を約1.0×10−1Torrに維持する。その真空度が保たれた状態になれば、蒸着を開始し、膜厚計で得たい膜厚に到達したら蒸着を終了する。蒸着終了後、窒素ガスで真空装置内を徐々に昇圧していき、大気圧になったらガスを止め、ガラス面板を取り出す。
【0036】(2)上記と同様にして酸化セシウム0.3μmを真空蒸着法にて形成する。
透明電極に近い方から、セレンを95%、ヒ素を5%からなる厚さ約30nmの第一層、セレンを約70%、テルルを約27%、ヒ素を約3%からなる厚さ約20nmの第二層、セレンを97%、ヒ素を3%からなる厚さ約0.5〜10μmの第三層を順に蒸着していく。これら各層はいずれも真空蒸着法を用い、蒸着の際には、セレン、ヒ素、テルルそれぞれ別のボートから、同時に蒸発させて基板上に蒸着する。その上に、三硫化アンチモンを1.0×10−1Torrの不活性ガス雰囲気で約0.8μmの厚さに蒸着する。
【0037】以上のようにして、ターゲット部分が形成される。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施形態の例を列挙する。これらは代表的な実施の例であり、上述の「陰極の作成」と「ターゲット部の作製」にあるようなダイヤモンドとセレンをそれぞれ陰極、ターゲットに用いる光電変換素子であれば、この発明の範疇とする。さらに、それらの作製方法によらず、ダイヤモンドを使用した真空管撮像素子であれば、請求項3,4を除くこの発明の範疇とする。
【0039】「実施形態1」ターゲット部に非晶質セレンを主原料とした光導電性膜を用い、陰極にリン・ホウ素・窒素などが添加されているもしくは無添加の、天然・高圧・高温合成法・気相成長法・燃焼炎法など製法によらないダイヤモンドを用いた、図3に示すようなターゲットと陰極の二極からなるフォト・ディテクター。
【0040】「実施例1」陰極をステンレスなどの導電性の板上に設置する。この際に使用する陰極は上述の方法によって作成するが、ダイヤモンドであればその製法や添加物などについては、この限りではない。
【0041】ターゲットは上述「ターゲット部の作製」にて作製したものをここでは用いる。ターゲットを、図3に示すようにガラス棒などのスペーサを用いて、陰極の上に、100μmの距離を保ち設置する。スペーサにはデバイス内の真空を考慮した上で問題のない材質であれば、ガラス以外のものでもかまわない。ここでは、テフロンを絶縁スペーサの材料として用いた。
【0042】陽極と陰極の設置板を挟み込み、かつターゲット表面を覆わないような絶縁性の冶具により、ターゲット部と陰極を固定する。
【0043】スペーサを用いて陽極と陰極を一体に設置した後、陽極に設けられた導電性貫通穴に電極を付す。陰極にも電極を付し、双方の電極が短絡しないように、真空管の外に配線できるように設置する。
【0044】真空管を排気し、10−5Torr程度の圧力にする。ターゲット部の電極(陽極)に1000Vを印加する。陰極には、直列に電流計を配置した後、接地する。この際、陽極の印加電圧や陰極の接地電位等は、作成した陰極や陽極によって変化するものであり、必ずしもこの値ではない。
【0045】ターゲット面を表にして、検知したい光源の方にデバイスを向ける。入射光量に対応して、陰極電流が増減する。入射光量が多いときには、陰極電流がそれに伴い増加し、入射光量が少ないときには陰極電流も減少する。
【0046】図2にこのようにして作成したフォト・ディテクターの特性を示す。陽極には1000Vを印加し、LEDの白色可視光を光源に用いてターゲットを照らす。LEDを10mHzの周期で点滅させ、陰極電流の変化を測定した結果である。
【0047】入射光に対応した電流値が得られていることが分かる。入射光源のLEDはパルス上に点滅しており、電流の増減はパルスに追従してはいるものの、反応が比較的遅い。しかし、LEDがON時、OFF時それぞれについて電流量が一定時間内に飽和するため、フォト・ディテクターとしての動作には問題ないことが分かる。
【0048】ここで製作したフォト・ディテクターの特性は以上のようであるが、この特性は陰極や陽極の作成方法に大きく依存するため、定性・定量的にこのような特性であるとは限らない。このように、陰極電流の増減により入射光量が測定可能となる。
【0049】「実施形態2」実施形態1にあるデバイスを単位構造とし、図4に示すように、それを二次元的に集積もしくは配置することにより、広面積で受光可能なフォト・ディテクター。
【0050】「実施形態2の効果」従来の金属や半導体などの冷陰極を用いた撮像素子では、真空管内の圧力を約10−8Torr程度まで減圧しなければ安定した動作が得られなかった。しかし、ダイヤモンドを冷陰極として用いることにより、10−5Torr程の低真空でも安定した動作が可能となる。
【0051】さらに、ダイヤモンド冷陰極は低電圧/電界で電子放出が可能であるため、実施形態2においても低電圧駆動が可能である。それにより、周辺回路の設計・実装が容易になる。
【0052】「実施例2」実施例1に示したような構造のフォト・ディテクターを単位構造として、それを二次元的に平面に配置することによって、大面積かつ複数画素のフォト・ディテクターを得ることができる。
【0053】複数個あるターゲットと陰極の設置板をすべてまとめて挟み込み、かつターゲット面を覆わないような絶縁性の治具により複数個ある陽極と陰極を、図4にあるように平面的に固定する。陽極ならびに陰極に電極を付し、真空管の外に導線を出す。
【0054】素子を設置した真空管を排気し、10−5Torr程度の真空にし、シフトレジスタICを用いて順々に陽極の電極に電圧を印加する。実施形態2における単位構造であるターゲットと陰極の一対は、実施形態1におけるフォト・ディテクターと同様の動作原理で、光電変換を行う。
【0055】このフォト・ディテクターが平面上に配置されていることにより、広範囲での受光が可能であり、かつ単位構造であるフォト・ディテクターの大きさによる制約のなかで空間的分解能を持するフォト・ディテクター、の作成が可能となる。
【0056】「実施形態3」実施形態1のデバイスのうち、陽極での光電変換における電荷増倍作用に好適な印加電圧を用いることにより、光子単位の感度を有するフォトン・ディテクター。
【0057】
「実施形態3の効果」光子を検出できる素子は、光電子倍増管などがすでに存在するが、それらの素子は構造上大きくならざるを得ない。しかしこの発明では電荷増倍を非晶質セレン固体内で行い、それをダイヤモンド冷陰極を用いて出力信号を取り出す事により、素子の大きさを格段に小さく出来る。
【0058】さらに、単位構造を小さくすることが可能であるため、二次元的に集積でき、フォトン・ディテクターのみならずフォトン・イメージング、つまり極暗下での撮像が可能となる。
【0059】「実施例3」実施例1にあるように陰極ならびにターゲットを設置する。ただしこのときに用いられるターゲットは、非晶質セレン膜内での電荷増倍作用を有効的に引き起こさせるような構造を持ったものが必要とされる。
【0060】真空管を排気し、10−5Torr程度の圧力にする。陽極に、光電変換の量子効率を1以上にし、かつ光子単位の感度を有するように電圧を調節し印加する。たとえば、陽極の電極に1000Vを印加する。陰極には、直列に電流計を配置し接地する。
【0061】ターゲット面を表にして、検知したい光源の方にデバイスを向ける。入射光子量に対応して、陰極電流が増減する。入射光子量が多いときには、陰極電流がそれに伴い増加し、入射光量が少ないときには陰極電流も減少する。このようにして、光子単位での感度を有する検出器が作製される。
【0062】「実施形態4」実施形態3にあるデバイスを単位構造とし、二次元的に集積することによって、広範囲で受光可能でありかつ、光子単位の感度を有するフォトン・ディテクター。
【0063】「実施例4」
この実施例にて作製するデバイスの構造のほとんどはターゲットの作製方法を除いて実施例2と同様とする。ターゲットの作製方法については、これが実施例3にて用いられているものを使用する。
これにより、広範囲で受光可能な高感度フォト・ディテクターもしくはフォトン・ディテクターの作製が可能である。
【0064】「実施形態5」実施形態1のデバイスのうち、図5に示すような、金網(メッシュ)を引き出し電極(グリッド)として用いて、陽極・グリッド・陰極の三極構造としたフォト・ディテクター。
【0065】「実施例5」実施例1のように、陰極をステンレスなどの導電性の板上に設置したのちに、ガラス棒などのスペーサを用いて、陰極の上に、100μmの距離を保ち設置する。スペーサにはデバイス内の真空を考慮した上で問題のない材質であれば、ガラス以外のものでもかまわない。ここでは、テフロンを絶縁スペーサの材料として用いた。さらにこの上に、メッシュ上の引き出し電極を設置する。メッシュの開口度は使用目的に応じて様々なものを用いることが可能である。メッシュ上に、陽極との間隔を保つためにスペーサを挿入する。このスペーサも前述のスペーサ同様、絶縁性の高く、真空に対して悪影響を及ぼさないものであれば、どのようなものでもかまわない。陽極とメッシュとの距離は、デバイスの動作に最適な条件のものを使用する。
【0066】ターゲット、メッシュと陰極の設置板を挟み込み、かつターゲット面を覆わないような絶縁性の冶具により、ターゲットと陰極を固定する。その後、ターゲットに設けられた導電性貫通穴に電極を付す。陰極、メッシュ上電極にも電極を付し、すべての電極が短絡しないように、真空管の外に配線できるように設置する。
【0067】真空管を排気し、10−5Torr.程度の圧力にする。例えば、陽極の電極に200V、メッシュ状電極(グリッド)には1000Vを印加する。陽極には、直列に電流計を配置した後、接地する。この際、陽極の印加電圧や陰極の接地電位等は、作成した陰極や陽極によって変化するものであり、必ずしもこの値ではない。
【0068】ターゲット面を表にして、検知したい光源の方にデバイスを向ける。入射光量に対応して、陽極からの信号電流が増減する。入射光量が多いときには、信号電流がそれに伴い増加し、入射光量が少ないときには信号電流も減少する。
【0069】「実施形態6」実施形態5にあるデバイスを二次元的に集積もしくは配置することにより、広面積で受光可能なフォト・ディテクター。
【0070】「実施例6」実施例5に示したような構造のフォト・ディテクターを単位構造として、それを二次元的に平面に配置することによって、大面積かつ複数画素のフォト・ディテクターを得ることができる。基本的に実施例2に記してあるとおりにしてデバイスを組立てる。
【0071】それら素子を設置した真空管を排気し、10−5Torr程度の真空にし、シフトレジスタICを用いて順々に陽極に電圧を印加する。実施形態5における単位構造であるターゲット、メッシュと陰極の一対は、実施形態5におけるフォト・ディテクターと同様の動作原理で、光に対して応答する。
【0072】このフォト・ディテクターが平面上に配置されていることにより、広範囲での受光が可能であり、かつ空間的分解能を有するフォト・ディテクターの作成が可能となる。
【0073】「実施形態7」実施形態5のデバイスのうち、ターゲットに光導電性膜内部での電荷増倍作用を有効的に発生させるような光導電性膜を用いることで光子単位の感度を有する、三極構造のフォトン・ディテクター。
【0074】「実施例7」実施例5にあるように陰極、メッシュ状電極ならびにターゲットを設置する。ただし、このときに用いられるターゲットは非晶質セレン膜内での電荷増倍作用を有効的に引き起こさせるような構造を有するものが、必要とされる。
【0075】真空管を排気し、10−5Torr程度の圧力にする。陽極に、光電変換の量子効率を1以上、かつ光子単位の感度を有するように電圧を調節し印加する。たとえば、メッシュ状電極に1000V、陽極には200Vを印加する。図6に示すような回路になるように、陽極に直列に電流計を配置した後、接地する。
【0076】ターゲット面を表にして、検知したい光源の方にデバイスを向ける。非晶質セレン膜が持つ電荷増倍作用により、光電変化時における量子効率が1以上になるために、わずかな入射光子量にも対応して、陽極からの信号電流が増減する。入射光子量が多いときには、信号電流がそれに伴い増加し、入射光量が少ないときには信号電流も減少する。このようにして、光子単位での感度を有するデバイスが作製される。
【0077】「実施形態8」実施形態7にあるデバイスを二次元的に集積もしくは配置することにより、広面積で受光可能なフォトン・ディテクター。
【0078】「実施例8」実施例7に示したような構造のフォトン・ディテクターを単位構造として、それを二次元的に平面に配置することによって、大面積かつ複数画素のフォトン・ディテクターを得ることができる。基本的に実施例2に記してあるとおりにして、二次元的にデバイスを組立てる。
【0079】それら素子を設置した真空管を排気し、10−5Torr程度の真空にし、シフトレジスタICを用いて順々に陽極の電極に電圧を印加する。実施形態7における単位構造である陽極、メッシュと陰極の一対は、実施形態5におけるフォト・ディテクターと同様の動作原理で、光に対して応答する。
【0080】このフォトン・ディテクターが平面上に配置されていることにより、広範囲での受光が可能、かつ空間的分解能を有するフォトン・ディテクターが作製可能となる。
【0081】「実施形態9」実施形態1にあるデバイスのうち、図7に示すような、ダイヤモンドのターゲット側表面に短冊状の電極をつけて、陰極・短冊状電極・ターゲットの三極構造の、マルチピクセルを実現するフォト・ディテクター。
【0082】「実施例9」
陰極にはダイヤモンドを用いるが、その製法や添加物、構造には特に依存しないものとする。この実施例では、陰極・ターゲットに関して、上述の「陰極の作成」と「ターゲット部の作製」にある方法により作製したものを用いる。
【0083】「陰極の作製」により合成したダイヤモンドの表面に、図7に示すような短冊状の電極を設置する。真空蒸着により、金を厚さ4μm程度蒸着する。短冊状電極の材質は特に限定しないが、ダイヤモンド表面からの電子放出を防げないものとする。短冊状電極のそれぞれは直接触れないように設置し、他のどの電極とも絶縁されていることが必要とされる。
【0084】各短冊状電極と陰極、陽極の全てに導線を設置し、真空管のなかに封じた後にそれぞれの電極に独立に電圧を印加できるようにする。
【0085】真空管内を10−5Torr程度の真空に排気した後、真空管を封じる。
【0086】陽極に200V、陰極を0V、短冊状電極の一つに10Vを印加する。短冊状電極を選択的に印加することにより、ダイヤモンド表面からの電子放出箇所を限定することが可能である。これにより、陽極を一次元的に空間分解した信号が取り出され、マルチピクセル化されたフォト・ディテクターの動作が可能となる。
【0087】「実施形態10」実施形態9にあるデバイスのうち、それを二次元的に集積もしくは配置することにより、広面積で受光可能なマルチピクセル・フォト・ディテクター。
【0088】「実施例10」実施例9に示したような構造のフォト・ディテクターを単位構造として、それを二次元的に平面に配置することによって、広面積で受光可能なマルチピクセル・フォト・ディテクターが可能となる。
【0089】複数個あるターゲットと陰極の設置板をすべてまとめて挟み込み、かつ陽極表面を覆わないような絶縁性の治具により複数個ある陽極と陰極を、図4にあるように平面的に固定する。陽極ならびに陰極に電極を付し、真空管の外に導線を出す。
短冊状電極については図8にあるように、単位構造であるフォト・ディテクター内で短冊状電極のどの二つも短絡しないように配線する。デバイス内の全ての短冊状電極を独立に制御してももちろん可能であるが、デバイス外部に取り出す電極数を少なくするために、ことなるフォト・ディテクターに接続されている短冊状電極の導線は共通のものとする。
【0090】素子を設置した真空管を排気し、10−5Torr程度の真空にし、封止する。
【0091】短冊状電極に接続されている電極の一つにシフトレジスタICを用いて10Vを印加する。すると、各単位構造フォト・ディテクターのなかの一つの短冊状電極に10Vが印加され、全てのフォト・ディテクターダイヤモンド冷陰極において、印加されている短冊状電極付近より電子放出が起こる。
【0092】シフトレジスタICを用いて順々に陽極に電圧を印加する。実施形態9における単位構造であるターゲットと陰極の一対は、実施形態1におけるフォト・ディテクターと同様の動作原理で、光電変換を行う。
【0093】各フォト・ディテクターの光電変換後の信号を取り出した後、短冊状電極の電圧印加箇所をシフトレジスタICにより動かす。これにより、ダイヤモンド冷陰極の電子放出箇所が動き、新たなターゲット上の箇所から信号を取り出すことが可能となる。
【0094】この動作を繰り返すことにより、デバイス内の全ての短冊状電極に対応するターゲット上の一点より光電変換信号を独立に取り出すことが可能となる。
【0095】このフォト・ディテクターが平面上に配置されていることにより、広範囲での受光が可能であり、かつ単位構造であるフォト・ディテクターの大きさによる制約のなかで空間的分解能を持するフォト・ディテクター、の作成が可能となる。
【0096】「実施形態11」実施形態9にあるデバイスのうち、ターゲットに光導電性膜内部での電荷増倍作用を有効的に発生させるような非晶質セレン・ターゲットを用いることで光子単位の感度を有するフォトン・ディテクター。
【0097】「実施例11」陰極にはダイヤモンドを用いるが、その製法や添加物、構造には特に依存しないものとする。この実施例では、陰極・ターゲットに関して、上述の「陰極の作成」と「ターゲット部の作製」にある方法により作製したものを用いる。
【0098】実施例9にあるように、「陰極の作製」により合成したダイヤモンドの表面に、図7に示すような短冊状の電極を設置する。真空蒸着により、金を厚さ4μm程度蒸着する。短冊状電極の材質はここでは金を用いるが、ダイヤモンド表面からの電子放出を防げない限りこれを問わない。短冊状電極のそれぞれは直接触れないように設置し、他のどの電極とも絶縁されていることが必要である。
【0099】各短冊状電極と陰極、陽極の全てに導線を設置し、真空管のなかに封じた後にそれぞれの電極に独立に電圧を印加できるようにする。
【0100】真空管内を10−5Torr程度の真空に排気した後、真空管を封じる。ターゲットに印加する電圧を調整して量子効率が1以上になる領域で使用する。陰極を0V、短冊状電極の一つに10Vを印加する。短冊状電極を選択的に印加することにより、ダイヤモンド表面からの電子放出箇所を限定することが可能になり、これにより、陽極を一次元的に空間分解した信号が取り出され、マルチピクセル化されたフォト・ディテクターの動作が可能となる。
【0101】「実施形態12」実施形態11にあるデバイスのうち、それを二次元的に集積もしくは配置することにより、広面積で受光可能なマルチピクセル・フォトン・ディテクター。
【0102】「実施例12」実施例11に示したような構造のフォトン・ディテクターを単位構造として、それを二次元的に平面に配置することによって、広面積で受光可能なマルチピクセル・フォトン・ディテクターが可能となる。
【0103】実施例10と同じようにデバイスを構成する。実施例10と異なる点は、ターゲットに電子増倍効果を有効的に利用できる光導電性膜を用いていることだけである。
【0104】素子を設置した真空管を排気し、10−5Torr程度の真空にし、封止する。
【0105】短冊状電極に接続されている電極の一つにシフトレジスタICを用いて10Vを印加する。すると、それぞれの単位構造中における一つの短冊状電極に10Vが印加され、電圧が印加されている短冊状電極付近のダイヤモンド表面より電子放出が起こる。
【0106】それと同時に、シフトレジスタICを用いて順々に陽極の電極に電圧を印加する。実施形態11における単位構造である陽極と陰極の一対は、実施形態3におけるフォトン・ディテクターと同様の動作原理で、光電変換を行う。
【0107】各フォトン・ディテクターの光電変換後の信号を取り出した後、短冊状電極の電圧印加箇所をシフトレジスタICにより移行していく。これにより、ダイヤモンド冷陰極の電子放出箇所が動き、新たな陽極上の箇所から信号を取り出すことが可能となる。この動作を繰り返すことにより、デバイス内の全ての短冊状電極に対応する陽極上の一点より光電変換信号を独立に取り出すことが可能となる。
【0108】このフォトン・ディテクターが平面上に配置されていることにより、広範囲での受光が可能であり、かつ単位構造であるフォトン・ディテクターの大きさによる制約のなかで空間的分解能を持するフォトン・ディテクターの作製が可能となる。
【0109】「実施形態13」実施形態9にあるデバイスのうち、図9に示すように、ダイヤモンド陰極の陽極側表面側にある短冊状の電極に加えて、引き出し電極(グリッド)を用いた、陰極・短冊状電極・グリッド・ターゲットの四極構造のフォト・ディテクター。
【0110】「実施例13」実施例9の構造に、メッシュ状の電極を加えた構造をしているのが、このフォト・ディテクターの特徴である。実施例9と同様に、ダイヤモンド冷陰極状に金を短冊状に真空蒸着して成膜する。その上に、絶縁性が高く、真空に悪影響を及ぼさないような素材でできたスペーサをのせる。そのスペーサ上にグリッドとなる金網をのせる。このとき、短冊状電極とメッシュとの距離は50μmとする。ただし、この数値は用途、目的に応じて変動する可能性があるものである。メッシュの上に、同様にしてスペーサとターゲットを設置する。これが、陰極・短冊状電極・グリッド・ターゲットの四極構造フォト・ディテクターの主構造である。
【0111】素子を設置した真空管を排気し、10−5Torr程度の真空にし、封止する。実施例9と同様に、陰極と短冊状電極との間に10Vを選択的に印加することによって、電子を放出させたい場所から限定的に電子を放出させることができる。放出された電子は、グリッドによって陽極側に加速される。限定的に電子を放出させることによって、陽極側では一次元的に信号電流を取り出すことができるようになる。
【0112】実施例9と異なる点は、グリッドが陰極と短冊状電極との間に電圧(10V)を印加したときに放出された電子を加速するとともに、ターゲットに印加する電圧を実施例9よりも確実に制御することができることである。これによって、より正確にターゲットの動作点を制御することが可能となる。
【0113】「実施形態14」実施形態13にあるデバイスのうち、それを二次元的に集積もしくは配置することにより、広面積で受光可能なマルチピクセル・フォト・ディテクター。
【0114】「実施例14」実施例13に示したような構造のフォト・ディテクターを単位構造として、それを二次元的に平面に配置することによって、広面積で受光可能なマルチピクセル・フォト・ディテクターが可能となる。
【0115】複数個あるターゲット、グリッド、陰極からなる設置板をすべてまとめて挟み込み、かつターゲット面を覆わないような絶縁性の治具により複数個あるターゲットと陰極を、図4にあるように平面的に固定する。陽極ならびに陰極に電極を付し、真空管の外に導線を出す。
短冊状電極については図8にあるように、単位構造であるフォト・ディテクター内で短冊状電極のどの二つも短絡しないように配線する。デバイス内の全ての短冊状電極を独立に制御してももちろん可能であるが、デバイス外部に取り出す電極数を少なくするために、異なるフォト・ディテクターに接続されている短冊状電極の導線は共通のものとする。
【0116】素子を設置した真空管を排気し、10−5Torr程度の真空にし、封止する。
【0117】短冊状電極に接続されている電極の一つにシフトレジスタICを用いて10Vを印加する。すると、各単位構造フォト・ディテクター中の一つの短冊状電極に10Vが印加され、全てのフォト・ディテクターのダイヤモンド冷陰極において、印加されている短冊状電極付近より電子放出が起こる。放出された電子はグリッドによって陽極側へと加速される。
【0118】シフトレジスタICを用いて順々に陽極に電圧を印加する。実施形態13におけるフォト・ディテクターは、実施形態1におけるフォト・ディテクターと同様の動作原理で、光電変換を行う。
【0119】各フォト・ディテクターの光電変換後の信号を取り出した後、短冊状電極の電圧印加箇所をシフトレジスタICにより動かす。これにより、ダイヤモンド冷陰極の電子放出箇所が動き、新たなターゲット上の箇所から信号を取り出すことが可能となる。
【0120】この動作を繰り返すことにより、デバイス内の全ての短冊状電極に対応する陽極上の一点より光電変換信号を独立に取り出すことが可能となる。
【0121】このフォト・ディテクターが平面上に配置されていることにより、広範囲での受光が可能であり、かつ単位構造であるフォト・ディテクターの大きさによる制約のなかで空間的分解能を持するフォト・ディテクター、の作成が可能となる。
【0122】「実施形態15」実施形態13にあるデバイスのうち、ターゲットに光導電性膜内部での電荷増倍作用を有効的に発生させるような非晶質セレン・ターゲットを用いることで光子単位の感度を有するフォトン・ディテクター。
【0123】「実施例15」実施例13の構造のターゲット部を、電荷増倍作用を示すターゲットで置き換えたものが実施形態15にあるフォトン・ディテクターである。
【0124】メッシュ状の電極を加えた構造をしているのが、このフォト・ディテクターの特徴である。実施例9と同様に、ダイヤモンド冷陰極上に金を短冊状に真空蒸着して成膜する。その上に、絶縁性が高く、真空に悪影響を及ぼさないような素材でできたスペーサをのせる。そのスペーサにグリッドとなる金網をのせる。このとき、短冊状電極とメッシュとの距離は50μmとする。ただし、この数値は用途、目的に応じて変動する可能性があるものである。メッシュの上に、同様にしてスペーサと陽極を設置する。これが、陰極・短冊状電極・グリッド・陽極の四極構造フォト・ディテクターの主構造である。
【0125】素子を設置した真空管を排気し、10−5Torr程度の真空にし、封止する。実施例9と同様に、陰極と短冊状電極との間に10Vを選択的に印加することによって、電子を放出させたい場所から限定的に電子を放出させることができる。放出された電子は、グリッドによって陽極側に加速される。限定的に電子を放出させることによって、陽極側では一次元的に信号電流を取り出すことができるようになる。
【0126】実施例9と異なる点は、グリッドが陰極と短冊状電極との間に電圧10Vを印加したときに放出された電子を加速するとともに、ターゲットに印加する電圧を実施例9よりも確実に制御することができることである。これによって、より正確にターゲットの動作点を制御することが可能となる。
【0127】「実施形態16」実施形態15にあるデバイスのうち、それを二次元的に集積もしくは配置することにより、広面積で受光可能なマルチピクセル・フォトン・ディテクター。
【0128】「実施形態17」実施形態1にあるデバイスのうち、図10に示すように、ダイヤモンドの上下両表面に互いに交差するようにして蒸着された短冊状電極を用いた、短冊状の電極上側、下側、ターゲットの三極構造の撮像素子。
【0129】「実施例17」
【0130】(1)陰極の準備
ここで、ダイヤモンド冷陰極は上述「陰極の作成方法」に従って準備する。しかし、ダイヤモンドであればその製法、添加物またその構造には特に依存しない。ダイヤモンドが合成された基板に、図10に示すような短冊状電極を蒸着する。電極の大きさは幅5μm、長さ2.0mmとし、長さ方向にはダイヤモンド表面を覆うように蒸着する。幅方向の電極間の距離は5μmとする。抵抗加熱真空蒸着法を用い、蒸着源には金を使用する。ダイヤモンド膜の一辺を2.0mmとし、結果として200本の短冊状電極を蒸着する。
【0131】電極が蒸着されたのち、基板のシリコンを除去する。フッ硝酸(
【化1】
HF+HNO
中に基盤をつけ、シリコン基盤が除去されるのを待つ。
【0132】すでに電極が蒸着されているのと反対のダイヤモンド膜表面に、その電極と90度対向させて、同様に短冊状電極を蒸着する。短冊状電極の線幅・電極間距離は同様とし、それぞれ5μmとする。以上で、ダイヤモンド膜の両面にそれぞれ90度対向した短冊状電極が堆積された。
【0133】(2)陰極台と周辺回路の作成
厚さ1mm、縦×横50×30mmのガラス面板の上に、金を膜厚4μmほど蒸着し図11のように配線する。これを陰極台とする。
【0134】200本の電極を独立に制御できるシフトレジスタを2つ内蔵した、汎用シフトレジスタを、陰極台左側部分の金電極に設置する。
【0135】ダイヤモンド膜のシリコン基盤を除去した面を下にして、陰極台右側部分の金電極に、ダイヤモンド上の電極が触れるように設置する。これで陰極の作成は完了である。
【0136】直径50μmのガラス棒2本を、ダイヤモンド冷陰極の表面に図10に示すように配置する。さらにその上に、作成したターゲット部を、非晶質セレンが塗布してある面を下にして設置し、ガラス棒のスペーサを挟み込むようにする。
【0137】図12に示すガラス管に組立てた陰極とターゲットを設置する。陰極台のシフトレジスタより出ている電極を、ガラス管に用意された電極棒に触れるように設置する。
【0138】真空排気装置により、ガラス管内を排気する。ダイヤモンド陰極の動作可能圧力は10−5Torr程度なので、その圧力まで排気する。排気しながら、ガラス管を封止する。
【0139】
【デバイスの動作】電極25のうち、デバイス内部に設置されたシフトレジスタの電源に供給されている端子2つに5V、0Vを印加する。
【0140】電極25のうち、シフトレジスタのドレイン、ソースに供給されている端子2つに−10V、10Vを印加する。この2極はダイヤモンド冷陰極の各ピクセルから電子放出を起こすために直接使われる電源である。
【0141】電極25のうち、シフトレジスタの同期端子に供給されている端子に60kHzの周波数でTTLに合わせた矩形波電圧を印加する。この矩形波によりデバイスに組込まれたシフトレジスタが順次、短冊状電極13に−10Vを印加してゆく。それと同時に、短冊状電極15には10Vが順次印加されてゆく。この行列動作により、短冊状電極13、15のそれぞれによって指定されたダイヤモンド上の点には絶対値で20Vの電圧が膜厚方向に印加される。ダイヤモンドは良絶縁体なので電極を直接、膜上に堆積しても電極間には電流が流れない。よって、ダイヤモンド表面の負電子親和力により、低い電圧でデバイスの垂直方向に電子放出が起こる。ここで、短冊状電極13はダイヤモンド表面に直接堆積されていなくても良い。
【0142】電極7に50Vから250Vの電圧を印加する。非晶質セレンに入射してきた光は、固体内で電子・正孔対を生成する。
【0143】生成された電子・正孔はそれぞれ、非晶質セレンの膜厚方向の電位差により加速され、電子は透明電極側へ、正孔は陰極側へ加速される。
【0144】シフトレジスタによりダイヤモンド膜上の短冊状電極の各交差点より順次に電子が放出され、光導電性膜上に到達する。光導電性膜上の正孔を放出電子が相殺していくと次第に光導電性膜上の電位が下がってくるため、放出電子は光導電性膜に到達せず、網状電極に押し戻されるようになる。よって、ターゲット膜上の入射光量に対応した電流が各交差点で得られる。
【0145】電極7の電圧が大きいほど、非晶質セレン固体内で電子・正孔の雪崩増幅効果が起こりやすくなり、またその増倍係数も大きくなる。この現象により微少な入射光でも出力電流が大きく取れ、原理的には各交差点が光子一個を検知できるほど高感度な撮像素子が可能となる。ここで、印加電圧を大きくするのではなく、受光面の非晶質セレンの膜を厚くすることで電荷増倍効果を得ても良い。
【0146】さらにダイヤモンド冷陰極は、その化学的な表面安定性より、10−5Torr程度の真空度でも安定した電子放出動作が可能である。従って、デバイス全体においても、低真空であることによる製造過程の容易さと、光電変換の安定動作を同時に実現可能である。
【0147】「実施形態18」実施形態17にあるデバイスのうち、それを二次元的に集積もしくは配置することにより、より広面積で受光可能な撮像素子。
【0148】「実施形態19」実施形態17にあるデバイスのうち、図13に示すように、ダイヤモンド上の上下短冊状電極のほかに、引き出し電極(グリッド)を用いた、上下短冊状電極・グリッド・陽極の四極構造のフォト・ディテクター。
【0149】(1)陰極の準備
ここで、ダイヤモンド冷陰極は上述「陰極の作成方法」に従って準備する。しかし、ダイヤモンドであればその製法、添加物またその構造には特に依存しない。ダイヤモンドが合成された基板に、図13に示すような短冊状電極を蒸着する。電極の大きさは幅5μm、長さ2.0mmとし、長さ方向にはダイヤモンド表面を覆うように蒸着する。幅方向の電極間の距離は5μmとする。抵抗加熱真空蒸着法を用い、蒸着源には金を使用する。ダイヤモンド膜の一辺を2.0mmとし、結果として200本の短冊状電極を蒸着する。
【0150】電極が蒸着されたのち、基板のシリコンを除去する。フッ硝酸(
【化1】
HF+HNO
中に基板を浸し、シリコン基板が除去されるのを待つ。
【0151】すでに電極が蒸着されているのと反対のダイヤモンド膜表面に、その電極と90度対向させて、同様に短冊状電極を蒸着する。短冊状電極の線幅・電極間距離は同様とし、それぞれ5μmとする。以上で、ダイヤモンド膜の両面にそれぞれ90度対向した短冊状電極が堆積された。
【0152】(2)陰極台と周辺回路の作成
厚さ1mm、縦×横50×30mmのガラス面板の上に、金を膜厚4μmほど蒸着し図11のように配線する。これを陰極台とする。
【0153】200本の電極を独立に制御できるシフトレジスタを2つ内蔵した、汎用シフトレジスタを、陰極台左側部分の金電極に設置する。
【0154】ダイヤモンド膜のシリコン基盤を除去した面を下にして、陰極台右側部分の金電極に、ダイヤモンド上の電極が触れるように設置する。これで陰極の作成は完了である。
【0155】(3)ターゲット部の作製
陽極の作成は、ここでは上述「ターゲット部の作製」に従うものとする。しかし、その製法や材料、また構造はこの限りではない。
【0156】(4)デバイスの組立てと真空封入
【0157】直径50μmのガラス棒をスペーサとして、網状電極をダイヤモンド膜の上に設置する。スペーサは2本使用し、図10に示すように設置する。網状電極は、1インチあたり200mesh、線幅50μmのものを使用する。
【0158】同じく直径50μmのガラス棒2本を、上記のガラス棒に90度対向させて網状電極の上に設置する。さらにその上に、作成した陽極部を、非晶質セレンが塗布してある面を下にして設置する。
【0159】図12に示すガラス管に組立てた陰極と陽極を設置する。陰極台のシフトレジスタより出ている電極を、ガラス管に用意された電極棒に触れるように設置する。
【0160】真空排気装置により、ガラス管内を排気する。ダイヤモンド陰極の動作可能圧力は10−5Torr程度なので、その圧力まで排気する。排気しながら、ガラス管を封止する。
【0161】
【デバイスの動作】
【0162】電極25のうちシフトレジスタの同期信号線に60kHzの周波数でTTLに合わせた矩形波電圧を印加する。この矩形波によりデバイスに組込まれたシフトレジスタが順次、短冊状電極14に−10Vを印加してゆく。それと同時に、短冊状電極12には10Vが順次印加されてゆく。この行列動作により、短冊状電極12、14のそれぞれによって指定されたダイヤモンド上の点には絶対値で20Vの電圧が膜厚方向に印加される。ダイヤモンドは良絶縁体なので電極を直接、膜上に堆積しても電極間には電流が流れない。よって、ダイヤモンド表面の負電子親和力により、低い電圧で電子放出が起こる。
【0163】網状電極11に10Vの電圧を印加する。この電極は基本原理的には必要のないものである。しかし、この電極の電圧を独立に制御することにより、ダイヤモンド表面から放出された電子の非晶質セレンに到達する割合(有効開口率)が制御可能となる。
【0164】陽極に50Vから250Vの電圧を印加する。陽極と網状電極の電位差が非晶質セレンの膜厚方向に印加される電圧である。ターゲット部に入射してきた光は、固体内で電子・正孔対を生成する。
【0165】生成された電子・正孔はそれぞれ、非晶質セレンの膜厚方向の電位差により加速され、電子は透明電極側へ、正孔は網状電極側へ加速される。
【0166】シフトレジスタによりダイヤモンド膜上の短冊状電極の各交差点より順次に電子が放出され、光導電性膜上に到達する。光導電性膜上の正孔を放出電子が相殺していくと次第に光導電性膜上の電位が下がってくるため、放出電子は光導電性膜に到達せず、網状電極に押し戻されるようになる。よって、膜上の入射光量に対応した電流が各交差点で得られる。
【0167】陽極の電圧が大きいほど、非晶質セレン固体内で電子・正孔の雪崩増幅効果が起こりやすくなり、またその増倍係数も大きくなる。この現象により微少な入射光でも出力電流が大きく取れ、原理的には各交差点が光子一個を検知できるほど高感度な撮像素子が可能となる。
【0168】さらに、ダイヤモンド冷陰極を用いているため、低真空でも安定した動作が可能であり、かつ、入射光が多い場合には、陽極の電圧を下げれば、出力信号が飽和することなく取り出される。つまり陽極の電圧を変化させることによって、暗黒下から直射日光の中での撮影を一つのデバイスで可能とする撮像素子である。
【0169】「実施形態20」実施形態19にあるデバイスのうち、それを二次元的に集積もしくは配置することにより、より広面積で受光可能な撮像素子。
【0170】「実施形態21」実施形態1〜20のデバイスのうち、電極を単数または複数枚加えることによって、実現されるフォト・ディテクターまたは撮像素子。
【0171】「実施例21」
実施形態19に於ける網状電極を単数もしくは複数重ねる事により、電子ビームの加速や陽極の印加電圧のより詳細な制御を可能とする。このデバイスの組立ては網状電極を除いて実施形態19と同様とする。ここでは、陰極・陽極の他2枚の網状電極を持するデバイスを作製する。
【0172】デバイスの組立て
【0173】陰極・ターゲットの作製は上述「陰極の作製」「ターゲット部の作製」に従うものとするが、他の実施例同様、陰極はダイヤモンドであればその製法・添加物また構造に依存せず、ターゲットは撮像管に適したものであれば、この例の限りではない。
【0174】以下にデバイスの組立て過程を示す。直径50μmのガラス棒をスペーサとして、網状電極をダイヤモンド膜の上に設置する。スペーサは2本使用し、図10に示すように設置する。網状電極は、1インチあたり200mesh、線幅50μmのものを使用する。
【0175】同じく直径50μmのガラス棒2本を、上記のガラス棒に90度対向させて網状電極の上に設置する。さらにその上に同様の網状電極をその下の網状電極とは独立・絶縁して設置する。
【0176】さらに同様に直径50μmのガラス棒2本を、上記のガラス棒に90度対向させて網状電極の上に設置する。その上に作成したターゲット部を、非晶質セレンが塗布してある面を下にして設置する。
【0177】このようにして、網状電極を2枚設置した後、真空封入を上述の実施例同様に行う。
【0178】「デバイスの動作」
陰極側網状電極と陽極側網状電極は独立に電圧を印加することが出来るため、陽極側網状電極は常に10Vを印加しておき、陰極側網状電極にはデバイス動作に最適な電子ビーム量を得られるような電圧を印加する。
【0179】網状電極が無いまたは1枚のみのデバイスに比べて、陽極側網状電極を独立に印加する事により、電子ビーム量の制御と独立して陽極の加速電位を保つことが出来る。これにより、さらなるデバイスの光電変換の安定動作が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】2極構造フォト・ディテクターの代表的な構造を示す。各部分の大きさの比率は実際のデバイスとは異なる。
【図2】2極構造フォト・ディテクターの、光に対する出力電流の変化を示す。
【図3】陽極・陰極の2極構造ディテクターの構造図を示す。
【図4】フォト・ディテクター又はフォトン・ディテクターを二次元的に配置した模式図を示す。
【図5】陽極・グリッド・陰極の3極構造ディテクターの構造図を示す。
【図6】図5に示す構造のディテクターの陽極より信号電流を取り出す回路の模式図を示す。
【図7】陽極・短冊状電極・陰極の3極構造ディテクターの構造図を示す。
【図8】図7に示す構造のディテクターを二次元的に配置したときの短冊状電極配線を模式的に示す。
【図9】陽極・グリッド・短冊状電極・陰極の4極構造ディテクターの模式図を示す。
【図10】陽極・上下短冊状電極の3極構造ディテクターの模式図を示す。
【図11】陰極台
【図12】ディテクターを封入するガラス管の模式図を示す。
【図13】陽極・グリッド・上下短冊状電極の4極構造ディテクターの模式図を示す。
【図14】ターゲット部用ガラス面板とその導電性貫通穴の模式図を示す。
【符号の説明】
1 陽極ガラス面板
2 導電性貫通穴
3 透明電極(ITO)
4 非晶質セレン膜
5 ダイヤモンド膜
6 陰極台ステンレス板
7 導電性貫通穴
8 陽極ガラス面板
9 透明電極(ITO)
10 光導電性膜
11 スペーサ(ガラス棒)
12 網状電極
13 短冊状電極
14 ダイヤモンド膜
15 陰極
16 陰極台(ガラス面板)
17 陰極走査用回路(シフトレジスタ)
18 陰極走査用回路の電極
19 陰極走査用回路(シフトレジスタ)と短冊状の電極間の導線
20 光導電性膜
21 速結された短冊状電極
22 ダイヤモンド
23 18 陰極走査用回路の電極
24 陰極走査用回路(シフトレジスタ)
25 導線
26 短冊状陰極

Claims (11)

  1. ダイヤモンド冷陰極を用いたフォト・ディテクター。
  2. ダイヤモンド冷陰極を用いたフォトン・ディテクター。
  3. 請求項1に記載のディテクターにおいて、陽極としてセレンを主体とした光導電膜を有することを特徴とするフォト・ディテクター。
  4. 請求項2に記載のディテクターにおいて、陽極としてセレンを主体とした光導電膜を有することを特徴とするフォトン・ディテクター。
  5. 請求項1〜4に記載のディテクターにおいて、冷陰極のみでなく周辺回路もダイヤモンド上に作りこむことを特徴とするフォト・ディテクターまたはフォトン・ディテクター。
  6. 請求項1〜5に記載のディテクターにおいて、天然・高圧・高温合成法・気相成長法・燃焼炎法などの製法によらず、不純物を添加したダイヤモンドを冷陰極として用いることを特徴とするフォト・ディテクターまたはフォトン・ディテクター。
  7. 請求項1〜6に記載のディテクターにおいて、天然・高圧・高温合成法・気相成長法・燃焼炎法などの製法によらず、高濃度に窒素を添加したダイヤモンドを冷陰極として用いることを特徴とするフォト・ディテクターまたはフォトン・ディテクター。
  8. 請求項1〜7に記載のディテクターにおいて、ダイヤモンド冷陰極と陽極の他に、引き出し電極としてまたは、陰極からの電子線の集束度を高めるために、電子線の偏向のために、もしくは電子線の加速減速を正確に制御するために、単数または複数の電極をもつフォト・ディテクターまたはフォトン・ディテクター。
  9. 請求項1〜8に記載フォト・ディテクターまたはフォトン・ディテクターにおいて、ダイヤモンド冷陰極からの電子線を加速、集束かつ偏向させターゲット表面を走査させるための制御装置が備わっている撮像素子。
  10. 請求項1〜8に記載のダイヤモンド冷陰極を用いたフォト・ディテクターまたはフォトン・ディテクターをマトリックス動作させることを特徴とする撮像素子。
  11. 請求項9及び10の撮像素子を一つのデバイス内に複数組み込むことを特徴とする撮像素子。
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