JP2004101222A - バイオセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】特定成分を迅速かつ容易に定量分析できるとともに反復測定を可能としその精度向上がはかれるバイオセンサを提供すること。
【解決手段】酵素2に検体を供給する検体供給部7と、酵素に酸素を供給する酸素供給部8と、検体中の電極活物質の量を検出する検出部と、これらを装備した筐体10とを備え、検出部は、電極活物質が反応するイオンを移動させるゲル状の電解質を含浸したポリカーボネートフィルムと電極3、4からなる電荷伝達体1と、前記酵素2とを有するバイオセンサとしたことにより、特定成分を迅速かつ容易に定量分析できるとともに反復測定を可能としその精度向上がはかれる。
【選択図】 図1
【解決手段】酵素2に検体を供給する検体供給部7と、酵素に酸素を供給する酸素供給部8と、検体中の電極活物質の量を検出する検出部と、これらを装備した筐体10とを備え、検出部は、電極活物質が反応するイオンを移動させるゲル状の電解質を含浸したポリカーボネートフィルムと電極3、4からなる電荷伝達体1と、前記酵素2とを有するバイオセンサとしたことにより、特定成分を迅速かつ容易に定量分析できるとともに反復測定を可能としその精度向上がはかれる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はグルコース濃度を計測するバイオセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、グルコース濃度の計測は医療分野のみならず、農業分野、醸造分野等、種々の領域で利用されている。特に、人尿におけるブドウ糖(以下グルコースと記載)濃度計測については以下に述べる特徴がある。
【0003】
尿は個人の健康状態に関する重要な情報源であり、尿成分を定量分析することで各種の機能障害を検査することができる。このニーズに対応するための手段として、健康診断や医療機関で用いられている尿検査紙が知られている。この尿検査紙は、糖、たんぱく、ウロビリノーゲン、潜血などが尿中に排出されていることを化学反応により検知し、尿検査紙の色調の変化により示すものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、尿検査紙は簡便で誰れにでも扱えるという長所があるが、定性的または半定量的であるため定量分析という観点からは問題があり、他の手段が要請されている。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、特定成分を迅速かつ容易に定量分析できるとともに反復測定を可能としその精度向上をはかったバイオセンサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のバイオセンサは、電極活物質の量を検出する検出部は、電極活物質が反応するイオンを移動させるゲル状の電解質を含浸したポリカーボネートフィルムと電極からなる電荷伝達体と、酵素とを有するものである。
【0007】
これにより、酵素反応により発生する電流を計測することで、特定成分を迅速かつ容易に定量分析できるとともに反復測定を可能としその精度向上がはかれる。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、酵素に検体を供給する検体供給部と、前記酵素に酸素を供給する酸素供給部と、検体中の電極活物質の量を検出する検出部と、これらを装備した筐体とを備え、前記検出部は、前記電極活物質が反応するイオンを移動させるゲル状の電解質を含浸したポリカーボネートフィルムと電極からなる電荷伝達体と、前記酵素とを有するバイオセンサとしたことにより、酵素反応により発生する電流を計測することで、特定成分を迅速かつ容易に定量分析できるとともに反復測定を可能としその精度向上がはかれる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、ゲル状の電解質がポリアクリルアミドである請求項1に記載のバイオセンサとしたことにより、特定成分を迅速かつ容易に定量分析できるとともに反復測定を可能としその精度向上がはかれる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、電極活物質が反応するポリカーボネートフィルムはアルカリ処理を施した請求項1または2に記載のバイオセンサとしたことにより、多孔質構造を構成する孔の表面が浸食され、ポリアクリルアミド等の電解質との物理的な結合力が増加する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、アルカリ処理はpH10の水酸化ナトリウムにより実施する請求項3に記載のバイオセンサとしたことにより、使用時また洗浄時に使い勝手がよいもので、かつ、多孔質孔内部がほどよく浸食される。
【0012】
請求項5に記載の発明は、水酸化ナトリウムによる処理時間は30分以上である請求項4に記載のバイオセンサとしたことにより、ポリカーボネートフイルムの多孔質孔内部が浸食され、その表面が無処理のものと比較するとさらに凹凸となり、ポリアクリルアミドとの結合力が増強される。
【0013】
請求項6に記載の発明は、ポリアクリルアミドを4倍架橋構造とし、これにスチレンスルホン酸ナトリウムを添加した請求項2〜5のいずれか1項に記載のバイオセンサとしたことにより、ポリアクリルアミドの分子篩効果を発揮させるとともに溶液のぬれ状態が改善され、ポリカーボネートフイルムの多孔質の孔中にポリアクリルアミドを含浸することができる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、ポリカーボネートフイルムには、スチレンスルホン酸ナトリウムを添加したポリアクリルアミドを脱気により含浸させた請求項2〜6のいずれか1項に記載のバイオセンサとしたことにより、ポリカーボネートフィルム内の多孔質からなる孔にアクリルアミドを完全に含浸させるものである。
【0015】
請求項8に記載の発明は、ポリアクリルアミドを含浸したポリカーボネートフィルムは40℃から70℃に加温した請求項2〜7のいずれか1項に記載のバイオセンサとしたことにより、ポリアクリルアミドの重合速度を制御しやすい。
【0016】
請求項9に記載の発明は、筐体には、銀を共有結合したリン酸ジルコニウムを0.3〜1.5w/w%の割合で添加した請求項1に記載のバイオセンサとしたことにより、微生物の増殖が抑制され、微生物汚染による酵素失活を防ぐことができる。
【0017】
【実施例】
本発明の実施例について図1〜図3に基づき説明する。
【0018】
図1はバイオセンサを示すものであり、1は電荷伝達体で、これに固定化して設けた酵素2とともに電極活物質の量を検出する検出部を構成している。3および4は電荷伝達体1と導通するように上下に設けた正電極および負電極、5は電荷伝達体1を挟み込むように上下に設けたベース、6は電荷伝達体1の両側に浸水防止のために施したシールである。7は酵素2に検体を供給する検体供給部で、上側のベース5に電荷伝達体1と対向して設けた開口部よりなる。8は酵素2に酸素を供給する酸素供給部で、下側のベース5に電荷伝達体1と対向して設けた開口部よりなり、検体供給部7の開口部とは同心円となっている。9は電荷伝達体1、酵素2、正電極3、負電極4等よりなるセンサ主体を保持したセンサホルダー、10はセンサ主体およびセンサホルダー9を内部に装備した筐体である。
【0019】
そして、上記バイオセンサは、センサホルダー9、筐体10構成により、酸素供給ゾーン8a、酸素供給口8b、開口部9a、9bがそれぞれ形成され、電荷伝達体1、酵素2を有する検出部に対し、検体および酸素の供給がなされるようになっている。
【0020】
また、図2に示すように、電荷伝達体1は、ポリカーボネートフィルム11と、これに含浸したポリアクリルアミド12によって構成されている。ポリアクリルアミド12は電極活物質が反応するイオンを移動させるものである。
【0021】
先述したように、電荷伝達体1の一部は正電極3および負電極4と接触しており、ポリアクリルアミド12が含浸されていないポリカーボネートフィルム11部には前記したシール6が施されている。つまり、ポリカーボネートフィルム11は、極小径の孔を有する表から裏へダイレクトに孔が開いた多孔質状の構成となっており、その孔には導通を確保する材料としてのポリアクリルアミド12、絶縁を確保するシール6の材料が含浸されている。この電荷伝達体1の膜は、検体であるグルコースの選択透過を行うとともにグルコース以外の巨大な固形成分、例えば、尿タンパク(アルブミンが主成分)などを除去する。また、この膜はすべての酸素を透過することができる。さらに、電荷伝達体1は酵素2を保持する役割を有し、その位置は酸素供給部7にある。酵素2は酸素供給部7の全体に設けるのではなく、ポリアクリルアミド12が含浸された場所で、かつ電荷伝達体1上のグルコースと酵素2の反応面で、直接、酸素が供給される場所に設けている。
【0022】
また、酵素2としては、グルコースオキシダーゼを使用しており、電荷伝達体1に直接吸着させて設けている。
【0023】
上記したバイオセンサは、非使用時には保存液(リン酸緩衝生理食塩水)に浸して保存し、使用時には保存液から取り出して用いるものである。ここで、人尿におけるグルコース量計測においては、酵素反応により電流が発生する。この電流の大きさから、(化1)の反応により被験者の尿中のグルコース量が求められるものである。
【0024】
【化1】
【0025】
すなわち(化1)に示している過酸化水素の分解反応で生ずる電子が電極間を伝達され、電極3、4間に電流が流れるものである。この電流が流れる回路中に抵抗を配置して、抵抗の両端の電圧を測定することによって流れた電流を測定し、この電流を特定物質の濃度に換算しているものである。本実施例によるバイオセンサはグルコース濃度2000mg/dlまで計測できる。
【0026】
さらに、バイオセンサによる検体の計測について詳述する。検体は筐体10の開口部9aからセンサ内部に侵入する。すなわち、検体はベース5の検体供給部7を通過し、電荷伝達体1の内部に湿潤していく。電荷移動体1は、ポリカーボネートフィルム11、ポリアクリルアミド12より構成されているので、検体はポリカーボネートフィルム11による分子の大きさの選定、ポリアクリルアミド12の分子篩効果により、グルコースが選択的に酵素2まで到達し反応が起こる。こうして、グルコースは、酵素2によってグルコン酸と過酸化水素に分解する。この過酸化水素は、更に水酸基イオンと水素イオンに分解される。この水素イオンは、負電極4と正電極3間に直流電圧を印加すると電荷伝達体1を流れて、負電極4と正電極3の間を流れるものである。この電流値をグルコース濃度に換算しているものである。
【0027】
なお、このとき、負電極4と正電極3との間に印加する直流電圧は、1V程度以下が好ましいものである。この理由は印加する直流電圧が大きくなると、尿中の水が電気分解されることによって流れる電流がグルコースの量に応じたものとはならないためである。
【0028】
本実施例では、正電極3を検体と直接接触する位置に設けているため、前記反応の結果生じた正電極3の近傍に付着した泡が簡単に大気中に放出されるものである。泡が正電極3に付着した状態では、電荷の伝達能力が低下するが、本実施例ではそのようなことがなく、従って、検体の糖分の含有量を連続的に測定することが可能になる。なお、酵素反応に必要な酸素は酸素供給部8bを通じて筐体10からセンサ内部に供給される。供給された酸素は開口部9bを通じ、酸素供給部8に導かれ、反応の場に供給され、反応律速となる酸素供給不足を解消する。
【0029】
上記において、電極活物質が反応するイオンを移動させるものとして、ポリアクリルアミド12を用いたが、水素イオンが電子伝達体となり泳動可能なフリーの陰イオンを持った電解質でゲル状のものであれば、ポリアクリルアミドに限られるものでなく、例えば、グルコースデヒドロゲナーゼを利用した反応においても、同様な導通が確保されるものである。
【0030】
次に、ポリアクリルアミド12をポリカーボネートフィルム11に含浸する手段について図2を基に説明する。
【0031】
図2(A)はリン酸緩衝生理食塩水を用い洗浄したポリカーボネートフィルム11をポリアクリルアミド12の水溶液に浸す、いわゆるフィルム全体を漬けて重合したものである。これは、ポリカーボネートフィルム11の多孔質の孔中に空気が入っている状態、つまり空気が抜けていないため、ポリアクリルアミド12とポリカーボネートフィルム11の間に空隙14が生じやすい。さらに、ポリアクリルアミド12を重合後、乾燥するときに、ポリカーボネートフィルム11とポリアクリルアミド12の収縮率が異なることから、空隙14が発生する。さらにこの方法では、ポリカーボネートフィルム11の多孔質の孔は、その一部にはポリアクリルアミド12が全く含浸できないところが発生しやすいものである。これにより、ポリアクリルアミド12がポリカーボネートフィルム11から剥がれやすくなる可能性がある。
【0032】
図2(B)はポリカーボネートフィルム11をpH10の水酸化ナトリウムで30分以上処理することで、ポリカーボネートフィルム11はその表面が凹凸化した構造となる。凹凸構造により、ポリアクリルアミド12とポリカーボネートフィルム11のかみ合わせがよくなる。これにより、長期使用や保存液での保存にも耐え、ポリアクリルアミド12がポリカーボネートフィルム11から剥がれることがなくなる。pHの決定因子は、ポリカーボネートフィルムの劣化から判断した。pH14では5分も水酸化ナトリウム溶液に漬けておくと、フィルムが脆くなり、原型をとどめることができない。ポリカーボネートフィルムの厚さはおよそ10μmである。また、pH8では3時間以上浸漬しても、フィルム表面に変化がないことを、電子顕微鏡レベルで確認した。処理時間は30分未満では、十分な凹凸構造が得られない。以上のことから、pHおよび処理の条件を導き出した。
【0033】
次に、ポリカーボネートフィルム11へ、ポリアクリルアミド12を含浸させる際の脱気について説明する。ポリカーボネートフィルム11をアクリルアミド12の水溶液に、そのまま含浸するとポリカーボネートフィルム11の多孔質中に存在する空気が気泡となり、多孔質中に存在したままとなる。そこで、多孔質の孔からろ過あるいは減圧による脱気を行っている。これらろ過と減圧の2手段ともに、多孔質から空気が抜け出ることを確認した。
【0034】
さらに、多孔質の孔に万遍なく、ポリアクリルアミド12を含浸するために、ポリアクリルアミド12の液性を改良し、すべり性をよくしている。そのため、ポリアクリルアミドを4倍架橋構造とし、これにスチレンスルホン酸ナトリウムを添加した。4倍架橋構造となるポリアクリルアミド12は分子量2万以下のものがその架橋内部に侵入することができる。さらに、スチレンスルホン酸ナトリウムはポリアクリルアミド12の重合に影響を与えることなく、すべり性を改良する。なお、添加量は0.5%である。電子顕微鏡でポリアクリルアミド12を含浸したポリカーボネートフィルム11の断面を観察すると図2(B)に示されたように観察できる。
【0035】
さらに、重合するときの条件について説明する。重合開始方法として、温度、紫外線照射、テトタエチルメトキシジアミンを添加することがある。紫外線およびテトタエチルメトキシジアミンを添加は、急激に重合がはじまるので、図2(B)に示すような構成がとれず、ポリアクリルアミド12とポリカーボネートフィルム11の間に空隙が生じる。この空隙を生じさせないために加温するものである。加温は実行する温度により、重合速度を簡単に制御できる。本実施例では、加温を40〜70℃の範囲ですると、約5分で重合が終了する。これにより、図2(B)に示すような、空隙のない、ポリアクリルアミド12が含浸されたポリカーボネートフィルム11を得ることができた。
【0036】
次に、筐体10の抗菌加工について説明する。検体である尿はアミノ酸、タンパク質、糖等があり、さらにpHが弱酸性であるため、微生物が増殖しやすい環境にある。また、バイオセンサの保存液はリン酸緩衝生理食塩水であるため、センサを使用するたびに洗浄することによるリスク回避、つまり、尿成分の保存液への混入に対する対策を十分に講ずる必要がある。さらに、筐体10に付着した微生物が増殖すると、その二次代謝物として、菌体外酵素を産生するものがある。菌体外酵素のなかでも、アミラーゼがあると、使用する酵素、すなわちグルコースオキシダーゼがそれにより失活する。
【0037】
そこで、微生物汚染による酵素失活を防ぐために、銀を共有結合したリン酸ジルコニウム、いわゆる銀系無機抗菌剤を、筐体10を構成する材料、例えば、プラスチック樹脂に混練して添加した。抗菌加工することにより、筐体10表面における微生物の増殖が抑制され、微生物の二次代謝物に由来する酵素の失活がなくなる。つまり、銀表面で活性酸素が産生され、それが微生物の細胞膜を酸化させることにより、微生物が死滅することになり、アミラーゼ等の消化酵素がセンサ内部に侵入することがなくなる。
【0038】
抗菌剤の添加量はプラスチック樹脂の違いにより異なるもので、ポリプロピレンではその表面に抗菌剤が露呈しやすいため、低添加量で、0.3w/w%添加で効果が発揮される。一方、ABS樹脂では、表面局在化が困難であるため、高添加量が必要となる。1.5w/w%の添加量が必要となる。以上のことから、抗菌剤の添加濃度は0.3〜1.5w/w%とした。
【0039】
さらに、今回使用した抗菌剤は銀がリン酸ジルコニウムに共有結合しているため、検体や保存液に銀が溶出することがない。したがって、電極表面のイオン化傾向により影響を最小限に制御できる。
【0040】
以上説明した本実施例におけるバイオセンサの実験例を(表1)に示した。これから明らかなとおり、90日間保存液に浸漬したセンサにおいても、新品センサとほぼ同様なグルコース濃度計測(10%の範囲内)ができた。なお、この実験例は、2000mg/dlまでに調製したグルコース濃度を計測したときの電流値を示す。
【0041】
【表1】
【0042】
なお、図2(A)で説明した、リン酸緩衝生理食塩水を用い洗浄したポリカーボネートフィルムをポリアクリルアミドの水溶液に浸す、いわゆるフィルム全体を漬けて重合したものにおいては、従来の尿検査紙に比して、特定成分を迅速かつ容易に定量分析できるとともに反復測定を可能としその精度向上をはかったバイオセンサとなるが、保存液に1ヶ月程度の浸漬までは使用可能なものである。
【0043】
上記した各手段はそれぞれ適宜組み合わせて使用することができるものであり、各手段を独立して単独でのみ実施するものではない。
【0044】
【発明の効果】
上記のように本発明のバイオセンサは、酵素反応により発生する電流を計測することで、特定成分を迅速かつ容易に定量分析できるとともに反復測定を可能としその精度向上がはかれるものである。特に、電荷伝達体を構成するポリカーボネートフィルムを各種処理することにより、さらに大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるバイオセンサの構成を示す断面図
【図2】同バイオセンサの主要部の拡大断面図
【図3】(A)同バイオセンサの電荷伝達体を構成するポリカーボネートフィルムをポリアクリルアミドの水溶液に浸し重合した状態を示す模式図
(B)同ポリカーボネートフィルムを予め処理しポリアクリルアミドを重合した状態を示す模式図
【符号の説明】
1 電荷伝達体
2 酵素
3 正電極
4 負電極
5 ベース
6 シール
7 検体供給部
8 酸素供給部
10 筐体
11 ポリカーボネートフィルム
12 ポリアクリルアミド
【発明の属する技術分野】
本発明はグルコース濃度を計測するバイオセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、グルコース濃度の計測は医療分野のみならず、農業分野、醸造分野等、種々の領域で利用されている。特に、人尿におけるブドウ糖(以下グルコースと記載)濃度計測については以下に述べる特徴がある。
【0003】
尿は個人の健康状態に関する重要な情報源であり、尿成分を定量分析することで各種の機能障害を検査することができる。このニーズに対応するための手段として、健康診断や医療機関で用いられている尿検査紙が知られている。この尿検査紙は、糖、たんぱく、ウロビリノーゲン、潜血などが尿中に排出されていることを化学反応により検知し、尿検査紙の色調の変化により示すものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、尿検査紙は簡便で誰れにでも扱えるという長所があるが、定性的または半定量的であるため定量分析という観点からは問題があり、他の手段が要請されている。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、特定成分を迅速かつ容易に定量分析できるとともに反復測定を可能としその精度向上をはかったバイオセンサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のバイオセンサは、電極活物質の量を検出する検出部は、電極活物質が反応するイオンを移動させるゲル状の電解質を含浸したポリカーボネートフィルムと電極からなる電荷伝達体と、酵素とを有するものである。
【0007】
これにより、酵素反応により発生する電流を計測することで、特定成分を迅速かつ容易に定量分析できるとともに反復測定を可能としその精度向上がはかれる。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、酵素に検体を供給する検体供給部と、前記酵素に酸素を供給する酸素供給部と、検体中の電極活物質の量を検出する検出部と、これらを装備した筐体とを備え、前記検出部は、前記電極活物質が反応するイオンを移動させるゲル状の電解質を含浸したポリカーボネートフィルムと電極からなる電荷伝達体と、前記酵素とを有するバイオセンサとしたことにより、酵素反応により発生する電流を計測することで、特定成分を迅速かつ容易に定量分析できるとともに反復測定を可能としその精度向上がはかれる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、ゲル状の電解質がポリアクリルアミドである請求項1に記載のバイオセンサとしたことにより、特定成分を迅速かつ容易に定量分析できるとともに反復測定を可能としその精度向上がはかれる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、電極活物質が反応するポリカーボネートフィルムはアルカリ処理を施した請求項1または2に記載のバイオセンサとしたことにより、多孔質構造を構成する孔の表面が浸食され、ポリアクリルアミド等の電解質との物理的な結合力が増加する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、アルカリ処理はpH10の水酸化ナトリウムにより実施する請求項3に記載のバイオセンサとしたことにより、使用時また洗浄時に使い勝手がよいもので、かつ、多孔質孔内部がほどよく浸食される。
【0012】
請求項5に記載の発明は、水酸化ナトリウムによる処理時間は30分以上である請求項4に記載のバイオセンサとしたことにより、ポリカーボネートフイルムの多孔質孔内部が浸食され、その表面が無処理のものと比較するとさらに凹凸となり、ポリアクリルアミドとの結合力が増強される。
【0013】
請求項6に記載の発明は、ポリアクリルアミドを4倍架橋構造とし、これにスチレンスルホン酸ナトリウムを添加した請求項2〜5のいずれか1項に記載のバイオセンサとしたことにより、ポリアクリルアミドの分子篩効果を発揮させるとともに溶液のぬれ状態が改善され、ポリカーボネートフイルムの多孔質の孔中にポリアクリルアミドを含浸することができる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、ポリカーボネートフイルムには、スチレンスルホン酸ナトリウムを添加したポリアクリルアミドを脱気により含浸させた請求項2〜6のいずれか1項に記載のバイオセンサとしたことにより、ポリカーボネートフィルム内の多孔質からなる孔にアクリルアミドを完全に含浸させるものである。
【0015】
請求項8に記載の発明は、ポリアクリルアミドを含浸したポリカーボネートフィルムは40℃から70℃に加温した請求項2〜7のいずれか1項に記載のバイオセンサとしたことにより、ポリアクリルアミドの重合速度を制御しやすい。
【0016】
請求項9に記載の発明は、筐体には、銀を共有結合したリン酸ジルコニウムを0.3〜1.5w/w%の割合で添加した請求項1に記載のバイオセンサとしたことにより、微生物の増殖が抑制され、微生物汚染による酵素失活を防ぐことができる。
【0017】
【実施例】
本発明の実施例について図1〜図3に基づき説明する。
【0018】
図1はバイオセンサを示すものであり、1は電荷伝達体で、これに固定化して設けた酵素2とともに電極活物質の量を検出する検出部を構成している。3および4は電荷伝達体1と導通するように上下に設けた正電極および負電極、5は電荷伝達体1を挟み込むように上下に設けたベース、6は電荷伝達体1の両側に浸水防止のために施したシールである。7は酵素2に検体を供給する検体供給部で、上側のベース5に電荷伝達体1と対向して設けた開口部よりなる。8は酵素2に酸素を供給する酸素供給部で、下側のベース5に電荷伝達体1と対向して設けた開口部よりなり、検体供給部7の開口部とは同心円となっている。9は電荷伝達体1、酵素2、正電極3、負電極4等よりなるセンサ主体を保持したセンサホルダー、10はセンサ主体およびセンサホルダー9を内部に装備した筐体である。
【0019】
そして、上記バイオセンサは、センサホルダー9、筐体10構成により、酸素供給ゾーン8a、酸素供給口8b、開口部9a、9bがそれぞれ形成され、電荷伝達体1、酵素2を有する検出部に対し、検体および酸素の供給がなされるようになっている。
【0020】
また、図2に示すように、電荷伝達体1は、ポリカーボネートフィルム11と、これに含浸したポリアクリルアミド12によって構成されている。ポリアクリルアミド12は電極活物質が反応するイオンを移動させるものである。
【0021】
先述したように、電荷伝達体1の一部は正電極3および負電極4と接触しており、ポリアクリルアミド12が含浸されていないポリカーボネートフィルム11部には前記したシール6が施されている。つまり、ポリカーボネートフィルム11は、極小径の孔を有する表から裏へダイレクトに孔が開いた多孔質状の構成となっており、その孔には導通を確保する材料としてのポリアクリルアミド12、絶縁を確保するシール6の材料が含浸されている。この電荷伝達体1の膜は、検体であるグルコースの選択透過を行うとともにグルコース以外の巨大な固形成分、例えば、尿タンパク(アルブミンが主成分)などを除去する。また、この膜はすべての酸素を透過することができる。さらに、電荷伝達体1は酵素2を保持する役割を有し、その位置は酸素供給部7にある。酵素2は酸素供給部7の全体に設けるのではなく、ポリアクリルアミド12が含浸された場所で、かつ電荷伝達体1上のグルコースと酵素2の反応面で、直接、酸素が供給される場所に設けている。
【0022】
また、酵素2としては、グルコースオキシダーゼを使用しており、電荷伝達体1に直接吸着させて設けている。
【0023】
上記したバイオセンサは、非使用時には保存液(リン酸緩衝生理食塩水)に浸して保存し、使用時には保存液から取り出して用いるものである。ここで、人尿におけるグルコース量計測においては、酵素反応により電流が発生する。この電流の大きさから、(化1)の反応により被験者の尿中のグルコース量が求められるものである。
【0024】
【化1】
【0025】
すなわち(化1)に示している過酸化水素の分解反応で生ずる電子が電極間を伝達され、電極3、4間に電流が流れるものである。この電流が流れる回路中に抵抗を配置して、抵抗の両端の電圧を測定することによって流れた電流を測定し、この電流を特定物質の濃度に換算しているものである。本実施例によるバイオセンサはグルコース濃度2000mg/dlまで計測できる。
【0026】
さらに、バイオセンサによる検体の計測について詳述する。検体は筐体10の開口部9aからセンサ内部に侵入する。すなわち、検体はベース5の検体供給部7を通過し、電荷伝達体1の内部に湿潤していく。電荷移動体1は、ポリカーボネートフィルム11、ポリアクリルアミド12より構成されているので、検体はポリカーボネートフィルム11による分子の大きさの選定、ポリアクリルアミド12の分子篩効果により、グルコースが選択的に酵素2まで到達し反応が起こる。こうして、グルコースは、酵素2によってグルコン酸と過酸化水素に分解する。この過酸化水素は、更に水酸基イオンと水素イオンに分解される。この水素イオンは、負電極4と正電極3間に直流電圧を印加すると電荷伝達体1を流れて、負電極4と正電極3の間を流れるものである。この電流値をグルコース濃度に換算しているものである。
【0027】
なお、このとき、負電極4と正電極3との間に印加する直流電圧は、1V程度以下が好ましいものである。この理由は印加する直流電圧が大きくなると、尿中の水が電気分解されることによって流れる電流がグルコースの量に応じたものとはならないためである。
【0028】
本実施例では、正電極3を検体と直接接触する位置に設けているため、前記反応の結果生じた正電極3の近傍に付着した泡が簡単に大気中に放出されるものである。泡が正電極3に付着した状態では、電荷の伝達能力が低下するが、本実施例ではそのようなことがなく、従って、検体の糖分の含有量を連続的に測定することが可能になる。なお、酵素反応に必要な酸素は酸素供給部8bを通じて筐体10からセンサ内部に供給される。供給された酸素は開口部9bを通じ、酸素供給部8に導かれ、反応の場に供給され、反応律速となる酸素供給不足を解消する。
【0029】
上記において、電極活物質が反応するイオンを移動させるものとして、ポリアクリルアミド12を用いたが、水素イオンが電子伝達体となり泳動可能なフリーの陰イオンを持った電解質でゲル状のものであれば、ポリアクリルアミドに限られるものでなく、例えば、グルコースデヒドロゲナーゼを利用した反応においても、同様な導通が確保されるものである。
【0030】
次に、ポリアクリルアミド12をポリカーボネートフィルム11に含浸する手段について図2を基に説明する。
【0031】
図2(A)はリン酸緩衝生理食塩水を用い洗浄したポリカーボネートフィルム11をポリアクリルアミド12の水溶液に浸す、いわゆるフィルム全体を漬けて重合したものである。これは、ポリカーボネートフィルム11の多孔質の孔中に空気が入っている状態、つまり空気が抜けていないため、ポリアクリルアミド12とポリカーボネートフィルム11の間に空隙14が生じやすい。さらに、ポリアクリルアミド12を重合後、乾燥するときに、ポリカーボネートフィルム11とポリアクリルアミド12の収縮率が異なることから、空隙14が発生する。さらにこの方法では、ポリカーボネートフィルム11の多孔質の孔は、その一部にはポリアクリルアミド12が全く含浸できないところが発生しやすいものである。これにより、ポリアクリルアミド12がポリカーボネートフィルム11から剥がれやすくなる可能性がある。
【0032】
図2(B)はポリカーボネートフィルム11をpH10の水酸化ナトリウムで30分以上処理することで、ポリカーボネートフィルム11はその表面が凹凸化した構造となる。凹凸構造により、ポリアクリルアミド12とポリカーボネートフィルム11のかみ合わせがよくなる。これにより、長期使用や保存液での保存にも耐え、ポリアクリルアミド12がポリカーボネートフィルム11から剥がれることがなくなる。pHの決定因子は、ポリカーボネートフィルムの劣化から判断した。pH14では5分も水酸化ナトリウム溶液に漬けておくと、フィルムが脆くなり、原型をとどめることができない。ポリカーボネートフィルムの厚さはおよそ10μmである。また、pH8では3時間以上浸漬しても、フィルム表面に変化がないことを、電子顕微鏡レベルで確認した。処理時間は30分未満では、十分な凹凸構造が得られない。以上のことから、pHおよび処理の条件を導き出した。
【0033】
次に、ポリカーボネートフィルム11へ、ポリアクリルアミド12を含浸させる際の脱気について説明する。ポリカーボネートフィルム11をアクリルアミド12の水溶液に、そのまま含浸するとポリカーボネートフィルム11の多孔質中に存在する空気が気泡となり、多孔質中に存在したままとなる。そこで、多孔質の孔からろ過あるいは減圧による脱気を行っている。これらろ過と減圧の2手段ともに、多孔質から空気が抜け出ることを確認した。
【0034】
さらに、多孔質の孔に万遍なく、ポリアクリルアミド12を含浸するために、ポリアクリルアミド12の液性を改良し、すべり性をよくしている。そのため、ポリアクリルアミドを4倍架橋構造とし、これにスチレンスルホン酸ナトリウムを添加した。4倍架橋構造となるポリアクリルアミド12は分子量2万以下のものがその架橋内部に侵入することができる。さらに、スチレンスルホン酸ナトリウムはポリアクリルアミド12の重合に影響を与えることなく、すべり性を改良する。なお、添加量は0.5%である。電子顕微鏡でポリアクリルアミド12を含浸したポリカーボネートフィルム11の断面を観察すると図2(B)に示されたように観察できる。
【0035】
さらに、重合するときの条件について説明する。重合開始方法として、温度、紫外線照射、テトタエチルメトキシジアミンを添加することがある。紫外線およびテトタエチルメトキシジアミンを添加は、急激に重合がはじまるので、図2(B)に示すような構成がとれず、ポリアクリルアミド12とポリカーボネートフィルム11の間に空隙が生じる。この空隙を生じさせないために加温するものである。加温は実行する温度により、重合速度を簡単に制御できる。本実施例では、加温を40〜70℃の範囲ですると、約5分で重合が終了する。これにより、図2(B)に示すような、空隙のない、ポリアクリルアミド12が含浸されたポリカーボネートフィルム11を得ることができた。
【0036】
次に、筐体10の抗菌加工について説明する。検体である尿はアミノ酸、タンパク質、糖等があり、さらにpHが弱酸性であるため、微生物が増殖しやすい環境にある。また、バイオセンサの保存液はリン酸緩衝生理食塩水であるため、センサを使用するたびに洗浄することによるリスク回避、つまり、尿成分の保存液への混入に対する対策を十分に講ずる必要がある。さらに、筐体10に付着した微生物が増殖すると、その二次代謝物として、菌体外酵素を産生するものがある。菌体外酵素のなかでも、アミラーゼがあると、使用する酵素、すなわちグルコースオキシダーゼがそれにより失活する。
【0037】
そこで、微生物汚染による酵素失活を防ぐために、銀を共有結合したリン酸ジルコニウム、いわゆる銀系無機抗菌剤を、筐体10を構成する材料、例えば、プラスチック樹脂に混練して添加した。抗菌加工することにより、筐体10表面における微生物の増殖が抑制され、微生物の二次代謝物に由来する酵素の失活がなくなる。つまり、銀表面で活性酸素が産生され、それが微生物の細胞膜を酸化させることにより、微生物が死滅することになり、アミラーゼ等の消化酵素がセンサ内部に侵入することがなくなる。
【0038】
抗菌剤の添加量はプラスチック樹脂の違いにより異なるもので、ポリプロピレンではその表面に抗菌剤が露呈しやすいため、低添加量で、0.3w/w%添加で効果が発揮される。一方、ABS樹脂では、表面局在化が困難であるため、高添加量が必要となる。1.5w/w%の添加量が必要となる。以上のことから、抗菌剤の添加濃度は0.3〜1.5w/w%とした。
【0039】
さらに、今回使用した抗菌剤は銀がリン酸ジルコニウムに共有結合しているため、検体や保存液に銀が溶出することがない。したがって、電極表面のイオン化傾向により影響を最小限に制御できる。
【0040】
以上説明した本実施例におけるバイオセンサの実験例を(表1)に示した。これから明らかなとおり、90日間保存液に浸漬したセンサにおいても、新品センサとほぼ同様なグルコース濃度計測(10%の範囲内)ができた。なお、この実験例は、2000mg/dlまでに調製したグルコース濃度を計測したときの電流値を示す。
【0041】
【表1】
【0042】
なお、図2(A)で説明した、リン酸緩衝生理食塩水を用い洗浄したポリカーボネートフィルムをポリアクリルアミドの水溶液に浸す、いわゆるフィルム全体を漬けて重合したものにおいては、従来の尿検査紙に比して、特定成分を迅速かつ容易に定量分析できるとともに反復測定を可能としその精度向上をはかったバイオセンサとなるが、保存液に1ヶ月程度の浸漬までは使用可能なものである。
【0043】
上記した各手段はそれぞれ適宜組み合わせて使用することができるものであり、各手段を独立して単独でのみ実施するものではない。
【0044】
【発明の効果】
上記のように本発明のバイオセンサは、酵素反応により発生する電流を計測することで、特定成分を迅速かつ容易に定量分析できるとともに反復測定を可能としその精度向上がはかれるものである。特に、電荷伝達体を構成するポリカーボネートフィルムを各種処理することにより、さらに大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるバイオセンサの構成を示す断面図
【図2】同バイオセンサの主要部の拡大断面図
【図3】(A)同バイオセンサの電荷伝達体を構成するポリカーボネートフィルムをポリアクリルアミドの水溶液に浸し重合した状態を示す模式図
(B)同ポリカーボネートフィルムを予め処理しポリアクリルアミドを重合した状態を示す模式図
【符号の説明】
1 電荷伝達体
2 酵素
3 正電極
4 負電極
5 ベース
6 シール
7 検体供給部
8 酸素供給部
10 筐体
11 ポリカーボネートフィルム
12 ポリアクリルアミド
Claims (9)
- 酵素に検体を供給する検体供給部と、前記酵素に酸素を供給する酸素供給部と、検体中の電極活物質の量を検出する検出部と、これらを装備した筐体とを備え、前記検出部は、前記電極活物質が反応するイオンを移動させるゲル状の電解質を含浸したポリカーボネートフィルムと電極からなる電荷伝達体と、前記酵素とを有するバイオセンサ。
- ゲル状の電解質がポリアクリルアミドである請求項1に記載のバイオセンサ。
- 電極活物質が反応するポリカーボネートフィルムはアルカリ処理を施した請求項1または2に記載のバイオセンサ。
- アルカリ処理はpH10の水酸化ナトリウムにより実施する請求項3に記載のバイオセンサ。
- 水酸化ナトリウムによる処理時間は30分以上である請求項4に記載のバイオセンサ。
- ポリアクリルアミドを4倍架橋構造とし、これにスチレンスルホン酸ナトリウムを添加した請求項2〜5のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
- ポリカーボネートフイルムには、スチレンスルホン酸ナトリウムを添加したポリアクリルアミドを脱気により含浸させた請求項2〜6のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
- ポリアクリルアミドを含浸したポリカーボネートフィルムは40℃〜70℃に加温した請求項2〜7のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
- 筐体には、銀を共有結合したリン酸ジルコニウムを0.3〜1.5w/w%の割合で添加した請求項1に記載のバイオセンサ。
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JP2006126046A (ja) * | 2004-10-29 | 2006-05-18 | Horiba Ltd | 電極式センサの洗浄処理方法及び洗浄処理機構並びにその機構を備えた濃度測定装置 |
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