JP2004101067A - ファンフィルタユニットの逆回転検知装置 - Google Patents
ファンフィルタユニットの逆回転検知装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004101067A JP2004101067A JP2002263524A JP2002263524A JP2004101067A JP 2004101067 A JP2004101067 A JP 2004101067A JP 2002263524 A JP2002263524 A JP 2002263524A JP 2002263524 A JP2002263524 A JP 2002263524A JP 2004101067 A JP2004101067 A JP 2004101067A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fan
- reverse rotation
- filter unit
- rotation
- suction port
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Air-Conditioning Room Units, And Self-Contained Units In General (AREA)
- Ventilation (AREA)
- Air Conditioning Control Device (AREA)
Abstract
【課題】半導体製造工場や病院などで使用されているクリーンルームのファンフィルタユニットが、正回転なのか逆回転となっているのかを容易に検知する。
【解決手段】ファンフィルタユニット(以下FFU)のファンを正回転時と逆回転時とでその排気方向が変化するようになし、このファンが正回転時に空気を外部から吸入する吸入口をFFU本体上部に複数配設する。そしてファンが逆回転したときその排出流で開閉板を動作して前記吸入口を閉止すると共に、排出流を強制的に集束して前記吸入口近傍に設置した笛を通過させて外部に排出する。それによって逆回転を笛の鳴動で検知できる。
【選択図】 図4
【解決手段】ファンフィルタユニット(以下FFU)のファンを正回転時と逆回転時とでその排気方向が変化するようになし、このファンが正回転時に空気を外部から吸入する吸入口をFFU本体上部に複数配設する。そしてファンが逆回転したときその排出流で開閉板を動作して前記吸入口を閉止すると共に、排出流を強制的に集束して前記吸入口近傍に設置した笛を通過させて外部に排出する。それによって逆回転を笛の鳴動で検知できる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクリーンルームのファンフィルタユニットに関するもので、詳しくはファンフィルタユニット内のファンが誤結線などによって逆回転した時、それを音によって検知できるようにしたファンフィルタユニットの逆回転検知装置を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工場や精密機械工場、食品加工工場、病院などでは、塵埃や各種の雑菌を排除するためクリーンルームが多く使用されている。このクリーンルームには使用目的やクリーン度合いによって幾つかのグレードに分類が設けられている。しかしどのグレードによるものも室内を浄化するための手段としてファンフィルタユニット(以下FFUという)を使用している場合が多い。このFFUは外部より供給される空気をファンで吸引し、内部に収容したフィルタを通過させて除塵、除菌し、清浄化した空気として室内に送り出し、クリーンルームとするようにしている。
このようなFFUが数百から数千も設置されて1つのクリーンルームが構成される例が多いが、この設置時に各種の理由によってファンが逆回転してしまう場合が僅かな割合で発生するときがあった。
【0003】
モータ動作回路の組立時ミスや誤配線、チェック時の操作ミスなど各種の理由によってファンが逆回転すると、本来清浄空気をクリーンルーム内に吹き出すべきものがクリーンルームから吸い出すことになって、FFUの機能が根本的に損なうことになる。そのため従来は僅かな確率で発生するかも知れない誤作動するFFUを検出するため、FFUを天井などに取り付けるときその全数を検査するようにしていた。これは作業者がFFUを天井などに取り付けたとき1台1台通電して回転方向を目で確認し、排出流の方向が正常に室内側に向かっているかを肌で感じる等してチェックするようにしていた。ところが取り付けたFFUの数が数千台になるようなときは、通電する作業者と回転方向を確認するための作業者の両方に多くの労力が要求され、またどうしても誤認という問題が発生していた。
【0004】
このような人的な無駄や誤認、誤判定という問題をなくすため回転体自身に直接検知手段を取り付けて自動認識させるという方法が提案されている。例えば特許文献1によるものは、電動送風機の動作回路に逆転起動判定回路を付加して電動送風機の回転方向を判定するようにしている。また機械的な逆転防止機構を組み込んだ特許文献2によるものは、オルゴールの回転駆動源の回転軸が逆転しようとしたとき、回転部材と回転体の当接部間に楔状の金具を挿入契合させるようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−180302号公報
【特許文献2】
特開平8−61458号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前者の電気的な手段で逆回転を検知するものも、後者の機械的な機構を組み込んで逆回転を防止するものも、いずれも新たな手段を付加しなければならず、そのため構成が複雑となりコスト上昇もさけられない。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、FFUのファン自身が発生する排出流を利用して逆回転を検知するようにしたものである。それによって構成が簡単で安価なFFUの逆回転検知装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明に係るファンフィルタユニットの逆回転検知装置は、ファンフィルタユニット本体に逆回転時の通風路を設け、当該逆回転通風路に笛を形成して、当該笛の発生した音によってファンの逆回転を検知するようにしたことを特徴としている。前記逆回転通風路は正回転通風路と選択的に開放されるようにすればよい。
【0009】
更に、本発明に係るファンフィルタユニットの逆回転検知装置は、正回転、逆回転で排出する排気方向を変えるようにした羽根をもつファンと、前記ファンを取り付けたファンフィルタユニット本体に設けた正回転時用空気吸入口と、前記本体の吸入口内側に設置され、ファン正回転時は自重で降下して吸入口を開放し、ファン逆回転時にはその排出流によって上昇して吸入口を閉止する吸入口開閉板と、前記開閉板近傍に設置され、ファン逆回転時にその排出流を吸入して音を発生する笛とを備え、笛の発生した音によってファンの逆回転を検知するようにしたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係わるFFUの逆回転検知装置の具体的実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明による逆回転検知装置を備えたFFUが使用されたクリーンルームの説明用概略構成図である。図においてクリーンルーム1の天井部2には幾つかの(図では4)のFFU群3A〜3Dが設置されていて、通常10〜15個のFFUで1つの群が形成され、この群単位でFFU3の起動や停止が制御される。4は給気ダクトで外部からの空気が供給されている。給気ダクト4からの空気はFFU3内のファンによっても吸引され、FFU内のフィルタを通過して除塵、除菌が実施され、清浄空気としてクリーンルーム1内に送り込まれる。室内1に送り込まれた空気は矢印5のような空気流となって壁面に設けた排気口6より排気流7として外部に排出される。
【0011】
図2はFFU本体8の説明用正断面図で、図3はその平面図である。本体8内にはフィルタ9とモータ10が設置される。フィルタ9は使用目的に応じて高性能フィルタ(HEPA)、超高性能フィルタ(ULPA)、またはケミカルフィルタが使用される。モータ10は本体8に固定された受け台11に取り付けられ、ファン12が軸支されている。そしてこのファン12は正回転時と逆回転時とでその排出方向が変化するよう予め羽根形状が設計されている。この例では図3の矢印13のよう反時計方向にファン12が回転するのを正回転とし、その時羽根によって作り出される空気流5は図2のようにファン12から下方室内1方向に向かって吹き出される。
【0012】
今、仮にファン12が矢印13のように正回転したとすると、ファン12は本体8上部に同心円状に設けた複数の正回転時用空気吸入口14より空気を取り込んでフィルタ9を通過させ、図2のように下方へ空気流5として排出する。そして逆にファン12が逆回転したとすると、ファン12は室内1側から空気を取り込んでフィルタ9を通過させ、本体1上部より空気を排出する。この時詳細は後に説明するが、前記正回転時用空気吸入口14が閉止して吸入口近傍に設置した笛15に空気を通過させて外部に排出させる。この笛15を通過するとき音が発生するが、笛15は図3のように吸入口14に沿って同心円状に複数配置されている。このような構成のFFU3が複数まとまって図1の各群3A〜3Dとなり、このFFU群がクリーンルーム1の天井2に設置される。
【0013】
尚、ファン12の羽根構造は任意のものを採用できるが、その回転方向が正逆変化したとき排出流の吹き出す方向も逆転するようになっていればよい。例えばモータ10の垂直回転軸に対して角度を持たせた羽根としておけば、排出流はその回転方向によって変化する。
【0014】
図4は空気吸入口14と笛15の関係を説明するための正面略図である。本体8の上部には図3の平面図で明らかなように複数の正回転時用空気吸入口14が同心円状に配設されている。そしてこの各吸入口14の下側には、吸入口開閉板16が蝶番17などによって取り付けられる。開閉板16は通常自重によって蝶番17を支点として降下しており、本体8に植立したピン18によってその位置が規定される。このピン18に開閉板16が接しているとき吸入口14は開放され、ここから空気が吸引されてFFU3内部に取り込まれる。
【0015】
このような開閉板16が各吸入口14毎に設置され、モータ10が正回転しているとき開閉板16は自重で降下して全吸入口14を開放している。そしてモータ10が動作するとファン12はモータ軸19を中心に回転し、その羽根が全吸入口14より空気を吸引し、図1、2に示した空気流5として室内1に送り込む。
【0016】
一方、笛15は図3のように吸入口14の開閉板16近傍に複数配される。笛15は基部20から終端方向に向かって拡がった漏斗状21の形状をしていて、基部20がFFU本体8に固定されている。そして基部20内には気圧差によって音を発生するようにした発音部が設けられている。ファン12が逆回転し、クリーンルーム1内から空気を吸い込んで本体8内部から外部へ排出しようとするとき、ファン12から排出された空気を漏斗状部21が取り込み、基部20を通過させて本体8外部へ排出する。この時基部20内の発音部が音を発生する。図では漏斗状部21に向かう空気の流れを矢印22で示している。
【0017】
ファン12が逆回転し、本体8外部へ排出しようとする空気流22は漏斗状部21近域だけに発生するのではなく、前記した開閉板16近域でも発生する。この開閉板16近域で発生した空気流(図の23)は、ピン18で係止していた開閉板16を蝶番17を支点として上昇させ吸入口14を閉止する。吸入口14が閉止されるとファン12からの逆回転排気流は行き場が無くなり、一層漏斗状部21へ集中していく。基部20内では漏斗状部21で集められた空気が急速に圧縮され、高速移動して本体8外に排出されていく。このとき発音部がその機能を発揮する。
【0018】
このような笛15を吸入口14の開閉板16近傍に設置するが、ファン12の逆回転が停止すると上昇流23が無くなって開閉板16が降下し、吸入口14を開放する。そして漏斗状部21は上昇流22を捉えられなくなって発音部の機能が停止する。
【0019】
以上のように本発明では、ファン12が回転しているときは開閉板16を自重で降下させて吸入口14を開放し、そこから空気を取り込んでクリーンルーム1内へ流し込むようにした。そして何等かの理由によってファン12が逆回転したとき、ファン自身が発生する排出流を利用して前記開閉板16を上昇させて吸入口14を閉止し、そこから排出流が逸散するのを防ぐようにすると共に、開閉板16近傍に設置した漏斗状部21に排出流を集中させてそこを通過するとき笛としての機能を作動させるようにした。そして音によって異常であることが検知されたFFU3は、不具合箇所を修復したりあるいは正常品と交換するなどして復帰させる。
【0020】
図5は他の実施形態を図3に合わせて示した平面図で、図3と同じ部材には同じ番号を付してある。同図において24は本体8上部の吸入口14近傍に設けた排出口で、ファン12が逆回転したとき、その上昇流(図4の22、23)を本体8外部に排出するもので、図では四角状にしたものが2つ示されている。これは図4の場合、全ての上昇流22、23を笛15の漏斗状部21で集めて本体8外部に排出しているが、この上昇流は開閉板16の上昇と笛15を鳴動させるだけのエネルギーだけあればよい。従ってそれ以外のエネルギーは余分なものとして排出口24より排出させるようにした。排出口24の数や大きさは前記必要エネルギーと関連づけて定めれば良く、その配置する位置も吸入口14近傍にこだわることはない。
【0021】
また笛が発生する音は、その機能上から1つのFFU3から1つだけが発生すればよいから、1つだけを残して他の基部20から発音部を除去して上昇流を排出させるためだけの笛15としておくことも有効である。図では笛15の設置数を吸入口14より少なくした例となっている。同じように開閉板16が設置されていない吸入口14だけのものを幾つか配置すれば、排出口24を新たに設けることなく余剰エネルギーを排除することが出来る。
【0022】
さらに笛15の漏斗状部21は空気流を捉えて集束するためのものであるから、風を捉えやすい形状が好ましいが、その大きさはファン12の回転数や羽根の形状などによって影響される上昇排出流の量と関連づけて定めることが出来る。
【0023】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、FFUのファン12自身が発生する排出流を利用して逆回転を検知できるようにしたから、構造簡単で安価な装置を提供することが出来る。しかも視覚だけに頼ることなく聴覚によっても判断できるようにしたので、作業者の負担を大幅に軽減することが出来る。また図1のようにFFU3を群管理している場合は、1つの群に対して一度のチェックで合否を判定できるから、作業の効率を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による逆転検知装置を備えたファンフィルタユニットが使用されたクリーンルームの説明用概略構成図である。
【図2】ファンフィルタユニット本体の説明用正断面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】空気吸入口と笛の関係を説明するための図である。
【図5】他の実施形態を図3に合わせて示した平面図である。
【符号の説明】
1………クリーンルーム、2………天井、3………ファンフィルタユニット(FFU)、4………給気ダクト、5………空気流、6………排気口、7………空気流、8………本体、9………フィルタ、10………モータ、11………受け台、12………ファン、13………正回転方向、14………正回転時用空気吸入口、15………笛、16………吸入口開閉板、17………蝶番、 18………ピン、19………モータ軸、20………基部、21………漏斗状部、22………空気流、23………空気流、24………排出口。
【発明の属する技術分野】
本発明はクリーンルームのファンフィルタユニットに関するもので、詳しくはファンフィルタユニット内のファンが誤結線などによって逆回転した時、それを音によって検知できるようにしたファンフィルタユニットの逆回転検知装置を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工場や精密機械工場、食品加工工場、病院などでは、塵埃や各種の雑菌を排除するためクリーンルームが多く使用されている。このクリーンルームには使用目的やクリーン度合いによって幾つかのグレードに分類が設けられている。しかしどのグレードによるものも室内を浄化するための手段としてファンフィルタユニット(以下FFUという)を使用している場合が多い。このFFUは外部より供給される空気をファンで吸引し、内部に収容したフィルタを通過させて除塵、除菌し、清浄化した空気として室内に送り出し、クリーンルームとするようにしている。
このようなFFUが数百から数千も設置されて1つのクリーンルームが構成される例が多いが、この設置時に各種の理由によってファンが逆回転してしまう場合が僅かな割合で発生するときがあった。
【0003】
モータ動作回路の組立時ミスや誤配線、チェック時の操作ミスなど各種の理由によってファンが逆回転すると、本来清浄空気をクリーンルーム内に吹き出すべきものがクリーンルームから吸い出すことになって、FFUの機能が根本的に損なうことになる。そのため従来は僅かな確率で発生するかも知れない誤作動するFFUを検出するため、FFUを天井などに取り付けるときその全数を検査するようにしていた。これは作業者がFFUを天井などに取り付けたとき1台1台通電して回転方向を目で確認し、排出流の方向が正常に室内側に向かっているかを肌で感じる等してチェックするようにしていた。ところが取り付けたFFUの数が数千台になるようなときは、通電する作業者と回転方向を確認するための作業者の両方に多くの労力が要求され、またどうしても誤認という問題が発生していた。
【0004】
このような人的な無駄や誤認、誤判定という問題をなくすため回転体自身に直接検知手段を取り付けて自動認識させるという方法が提案されている。例えば特許文献1によるものは、電動送風機の動作回路に逆転起動判定回路を付加して電動送風機の回転方向を判定するようにしている。また機械的な逆転防止機構を組み込んだ特許文献2によるものは、オルゴールの回転駆動源の回転軸が逆転しようとしたとき、回転部材と回転体の当接部間に楔状の金具を挿入契合させるようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−180302号公報
【特許文献2】
特開平8−61458号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前者の電気的な手段で逆回転を検知するものも、後者の機械的な機構を組み込んで逆回転を防止するものも、いずれも新たな手段を付加しなければならず、そのため構成が複雑となりコスト上昇もさけられない。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、FFUのファン自身が発生する排出流を利用して逆回転を検知するようにしたものである。それによって構成が簡単で安価なFFUの逆回転検知装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明に係るファンフィルタユニットの逆回転検知装置は、ファンフィルタユニット本体に逆回転時の通風路を設け、当該逆回転通風路に笛を形成して、当該笛の発生した音によってファンの逆回転を検知するようにしたことを特徴としている。前記逆回転通風路は正回転通風路と選択的に開放されるようにすればよい。
【0009】
更に、本発明に係るファンフィルタユニットの逆回転検知装置は、正回転、逆回転で排出する排気方向を変えるようにした羽根をもつファンと、前記ファンを取り付けたファンフィルタユニット本体に設けた正回転時用空気吸入口と、前記本体の吸入口内側に設置され、ファン正回転時は自重で降下して吸入口を開放し、ファン逆回転時にはその排出流によって上昇して吸入口を閉止する吸入口開閉板と、前記開閉板近傍に設置され、ファン逆回転時にその排出流を吸入して音を発生する笛とを備え、笛の発生した音によってファンの逆回転を検知するようにしたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係わるFFUの逆回転検知装置の具体的実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明による逆回転検知装置を備えたFFUが使用されたクリーンルームの説明用概略構成図である。図においてクリーンルーム1の天井部2には幾つかの(図では4)のFFU群3A〜3Dが設置されていて、通常10〜15個のFFUで1つの群が形成され、この群単位でFFU3の起動や停止が制御される。4は給気ダクトで外部からの空気が供給されている。給気ダクト4からの空気はFFU3内のファンによっても吸引され、FFU内のフィルタを通過して除塵、除菌が実施され、清浄空気としてクリーンルーム1内に送り込まれる。室内1に送り込まれた空気は矢印5のような空気流となって壁面に設けた排気口6より排気流7として外部に排出される。
【0011】
図2はFFU本体8の説明用正断面図で、図3はその平面図である。本体8内にはフィルタ9とモータ10が設置される。フィルタ9は使用目的に応じて高性能フィルタ(HEPA)、超高性能フィルタ(ULPA)、またはケミカルフィルタが使用される。モータ10は本体8に固定された受け台11に取り付けられ、ファン12が軸支されている。そしてこのファン12は正回転時と逆回転時とでその排出方向が変化するよう予め羽根形状が設計されている。この例では図3の矢印13のよう反時計方向にファン12が回転するのを正回転とし、その時羽根によって作り出される空気流5は図2のようにファン12から下方室内1方向に向かって吹き出される。
【0012】
今、仮にファン12が矢印13のように正回転したとすると、ファン12は本体8上部に同心円状に設けた複数の正回転時用空気吸入口14より空気を取り込んでフィルタ9を通過させ、図2のように下方へ空気流5として排出する。そして逆にファン12が逆回転したとすると、ファン12は室内1側から空気を取り込んでフィルタ9を通過させ、本体1上部より空気を排出する。この時詳細は後に説明するが、前記正回転時用空気吸入口14が閉止して吸入口近傍に設置した笛15に空気を通過させて外部に排出させる。この笛15を通過するとき音が発生するが、笛15は図3のように吸入口14に沿って同心円状に複数配置されている。このような構成のFFU3が複数まとまって図1の各群3A〜3Dとなり、このFFU群がクリーンルーム1の天井2に設置される。
【0013】
尚、ファン12の羽根構造は任意のものを採用できるが、その回転方向が正逆変化したとき排出流の吹き出す方向も逆転するようになっていればよい。例えばモータ10の垂直回転軸に対して角度を持たせた羽根としておけば、排出流はその回転方向によって変化する。
【0014】
図4は空気吸入口14と笛15の関係を説明するための正面略図である。本体8の上部には図3の平面図で明らかなように複数の正回転時用空気吸入口14が同心円状に配設されている。そしてこの各吸入口14の下側には、吸入口開閉板16が蝶番17などによって取り付けられる。開閉板16は通常自重によって蝶番17を支点として降下しており、本体8に植立したピン18によってその位置が規定される。このピン18に開閉板16が接しているとき吸入口14は開放され、ここから空気が吸引されてFFU3内部に取り込まれる。
【0015】
このような開閉板16が各吸入口14毎に設置され、モータ10が正回転しているとき開閉板16は自重で降下して全吸入口14を開放している。そしてモータ10が動作するとファン12はモータ軸19を中心に回転し、その羽根が全吸入口14より空気を吸引し、図1、2に示した空気流5として室内1に送り込む。
【0016】
一方、笛15は図3のように吸入口14の開閉板16近傍に複数配される。笛15は基部20から終端方向に向かって拡がった漏斗状21の形状をしていて、基部20がFFU本体8に固定されている。そして基部20内には気圧差によって音を発生するようにした発音部が設けられている。ファン12が逆回転し、クリーンルーム1内から空気を吸い込んで本体8内部から外部へ排出しようとするとき、ファン12から排出された空気を漏斗状部21が取り込み、基部20を通過させて本体8外部へ排出する。この時基部20内の発音部が音を発生する。図では漏斗状部21に向かう空気の流れを矢印22で示している。
【0017】
ファン12が逆回転し、本体8外部へ排出しようとする空気流22は漏斗状部21近域だけに発生するのではなく、前記した開閉板16近域でも発生する。この開閉板16近域で発生した空気流(図の23)は、ピン18で係止していた開閉板16を蝶番17を支点として上昇させ吸入口14を閉止する。吸入口14が閉止されるとファン12からの逆回転排気流は行き場が無くなり、一層漏斗状部21へ集中していく。基部20内では漏斗状部21で集められた空気が急速に圧縮され、高速移動して本体8外に排出されていく。このとき発音部がその機能を発揮する。
【0018】
このような笛15を吸入口14の開閉板16近傍に設置するが、ファン12の逆回転が停止すると上昇流23が無くなって開閉板16が降下し、吸入口14を開放する。そして漏斗状部21は上昇流22を捉えられなくなって発音部の機能が停止する。
【0019】
以上のように本発明では、ファン12が回転しているときは開閉板16を自重で降下させて吸入口14を開放し、そこから空気を取り込んでクリーンルーム1内へ流し込むようにした。そして何等かの理由によってファン12が逆回転したとき、ファン自身が発生する排出流を利用して前記開閉板16を上昇させて吸入口14を閉止し、そこから排出流が逸散するのを防ぐようにすると共に、開閉板16近傍に設置した漏斗状部21に排出流を集中させてそこを通過するとき笛としての機能を作動させるようにした。そして音によって異常であることが検知されたFFU3は、不具合箇所を修復したりあるいは正常品と交換するなどして復帰させる。
【0020】
図5は他の実施形態を図3に合わせて示した平面図で、図3と同じ部材には同じ番号を付してある。同図において24は本体8上部の吸入口14近傍に設けた排出口で、ファン12が逆回転したとき、その上昇流(図4の22、23)を本体8外部に排出するもので、図では四角状にしたものが2つ示されている。これは図4の場合、全ての上昇流22、23を笛15の漏斗状部21で集めて本体8外部に排出しているが、この上昇流は開閉板16の上昇と笛15を鳴動させるだけのエネルギーだけあればよい。従ってそれ以外のエネルギーは余分なものとして排出口24より排出させるようにした。排出口24の数や大きさは前記必要エネルギーと関連づけて定めれば良く、その配置する位置も吸入口14近傍にこだわることはない。
【0021】
また笛が発生する音は、その機能上から1つのFFU3から1つだけが発生すればよいから、1つだけを残して他の基部20から発音部を除去して上昇流を排出させるためだけの笛15としておくことも有効である。図では笛15の設置数を吸入口14より少なくした例となっている。同じように開閉板16が設置されていない吸入口14だけのものを幾つか配置すれば、排出口24を新たに設けることなく余剰エネルギーを排除することが出来る。
【0022】
さらに笛15の漏斗状部21は空気流を捉えて集束するためのものであるから、風を捉えやすい形状が好ましいが、その大きさはファン12の回転数や羽根の形状などによって影響される上昇排出流の量と関連づけて定めることが出来る。
【0023】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、FFUのファン12自身が発生する排出流を利用して逆回転を検知できるようにしたから、構造簡単で安価な装置を提供することが出来る。しかも視覚だけに頼ることなく聴覚によっても判断できるようにしたので、作業者の負担を大幅に軽減することが出来る。また図1のようにFFU3を群管理している場合は、1つの群に対して一度のチェックで合否を判定できるから、作業の効率を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による逆転検知装置を備えたファンフィルタユニットが使用されたクリーンルームの説明用概略構成図である。
【図2】ファンフィルタユニット本体の説明用正断面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】空気吸入口と笛の関係を説明するための図である。
【図5】他の実施形態を図3に合わせて示した平面図である。
【符号の説明】
1………クリーンルーム、2………天井、3………ファンフィルタユニット(FFU)、4………給気ダクト、5………空気流、6………排気口、7………空気流、8………本体、9………フィルタ、10………モータ、11………受け台、12………ファン、13………正回転方向、14………正回転時用空気吸入口、15………笛、16………吸入口開閉板、17………蝶番、 18………ピン、19………モータ軸、20………基部、21………漏斗状部、22………空気流、23………空気流、24………排出口。
Claims (3)
- ファンフィルタユニット本体に逆回転時の通風路を設け、当該逆回転通風路に笛を形成して、当該笛の発生した音によってファンの逆回転を検知するようにしたことを特徴とするファンフィルタユニットの逆回転検知装置。
- 前記逆回転通風路は正回転通風路と選択的に開放されるようにしてなることを特徴とする請求項1記載のファンフィルタユニットの逆回転検知装置。
- 正回転、逆回転で排出する排気方向を変えるようにした羽根をもつファンと、前記ファンを取り付けたファンフィルタユニット本体に設けた正回転時用空気吸入口と、前記本体の吸入口内側に設置され、ファン正回転時は自重で降下して吸入口を開放し、ファン逆回転時にはその排出流によって上昇し吸入口を閉止する吸入口開閉板と、前記開閉板近傍に設置され、ファン逆回転時にその排出流を吸入して音を発生する笛とを備え、笛の発生した音によってファンの逆回転を検知するようにしたことを特徴とするファンフィルタユニットの逆回転検知装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002263524A JP2004101067A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | ファンフィルタユニットの逆回転検知装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002263524A JP2004101067A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | ファンフィルタユニットの逆回転検知装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004101067A true JP2004101067A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32263220
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002263524A Pending JP2004101067A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | ファンフィルタユニットの逆回転検知装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004101067A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7990640B2 (en) | 2006-12-20 | 2011-08-02 | Hitachi Global Storage Technologies, Netherlands, B.V. | Apparatus and method for determining motor spin direction of a hard disk drive |
US20210048207A1 (en) * | 2018-01-31 | 2021-02-18 | SYS Technologies Ltd. | Air conditioning system and method |
-
2002
- 2002-09-10 JP JP2002263524A patent/JP2004101067A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7990640B2 (en) | 2006-12-20 | 2011-08-02 | Hitachi Global Storage Technologies, Netherlands, B.V. | Apparatus and method for determining motor spin direction of a hard disk drive |
US20210048207A1 (en) * | 2018-01-31 | 2021-02-18 | SYS Technologies Ltd. | Air conditioning system and method |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5121878B2 (ja) | 空気清浄機 | |
KR102122917B1 (ko) | 음압기를 이용한 실내 공기 정화장치 및 그 음압기를 이용한 실내 공기 정화방법 | |
KR20170105948A (ko) | 사물인터넷 기반의 공기청정 환풍기 시스템 | |
JP2018054165A (ja) | レンジフード | |
DK1559359T3 (da) | Støvsuger | |
US8934212B2 (en) | Ion generating apparatus and air cleaner | |
JP2010062036A (ja) | イオン発生器並びにそれを備えた空気清浄機及び空気調和機 | |
WO2014002159A1 (ja) | 空気調和機 | |
JP2004101067A (ja) | ファンフィルタユニットの逆回転検知装置 | |
JP2006057919A (ja) | 空気清浄機 | |
JP2003103129A (ja) | 空気清浄機及び空気清浄機の運転方法 | |
JPH05106883A (ja) | 給気量可変式空気清浄システム | |
CN211144853U (zh) | 小型低噪音智能集尘机 | |
KR100561808B1 (ko) | 역기류방지 수단이 부착된 팬필터 유니트 | |
EP2420259A1 (en) | Ion generating apparatus and air cleaning apparatus | |
JP2013017971A (ja) | 空気清浄機 | |
CN106907790B (zh) | 空气净化装置 | |
KR100669026B1 (ko) | 공기정화장치 | |
JP2007196183A (ja) | 空気清浄機 | |
JP2004251497A5 (ja) | ||
WO2022130458A1 (ja) | 空気清浄システム及び空気清浄方法 | |
JP2010054113A (ja) | 加湿機能付空気清浄機 | |
JP2011106768A (ja) | 加湿機能付き空気清浄機 | |
KR102163624B1 (ko) | 공기조화기 | |
JP5871570B2 (ja) | イオン発生装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040910 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060613 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061017 |