JP2004100964A - プラスチック管の離脱防止リング - Google Patents
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Abstract
【課題】常に正常に締め付けが行え、しかもプラスチック管の離脱を防止するリングにおいて再分離が行える離脱防止リングを提供する。
【解決手段】プラスチック管1の外周面に外嵌装着され、C型リング状を成したリング本体15の両端面側に設けられたフランジ13b,13cどうしをボルト11及びナット14で締結することにより、プラスチック管1の外周面に固定された離脱防止リング17において、該離脱防止リング17を本締めしたときに、両フランジの内径側の端面19a〜19dどうしが先に接合するか又はほとんど同時に外径側の端面18a〜18dどうしも接合し、内径側が先に接合する場合は外径側の端面18a〜18dどうしの間にはプラスチック管外径の1%以内の隙間があり、その後に接合して成り、最終的にはプラスチック管1は管外径の0.5〜2.0%の範囲内で縮径しているようにする。
【選択図】 図3
【解決手段】プラスチック管1の外周面に外嵌装着され、C型リング状を成したリング本体15の両端面側に設けられたフランジ13b,13cどうしをボルト11及びナット14で締結することにより、プラスチック管1の外周面に固定された離脱防止リング17において、該離脱防止リング17を本締めしたときに、両フランジの内径側の端面19a〜19dどうしが先に接合するか又はほとんど同時に外径側の端面18a〜18dどうしも接合し、内径側が先に接合する場合は外径側の端面18a〜18dどうしの間にはプラスチック管外径の1%以内の隙間があり、その後に接合して成り、最終的にはプラスチック管1は管外径の0.5〜2.0%の範囲内で縮径しているようにする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、地中に埋設されるプラスチック製の水道管等の管継手等に用いられる抜止防止用の離脱防止リングに関するものである。
硬質塩化ビニール管やインコア内装のポリエチレン管等のプラスチック管は、例えば、地中に埋設される水道管によく用いられている。図9は、従来のこのプラスチック管1の管継手部分の一例を示す縦断面図である。同図に示す如く、この管継手は、テーパー状受口部3の内径がプラスチック管1の外径よりも大きく設定され、軸線方向の中央部が太鼓状に膨れて内部に広い空腔4の形成された受口管としての継手本体2を有している。プラスチック管1は、この継手本体2の受口部3に挿口部5が挿入されている。
そして、継手本体2の挿口部外周面と、継手本体2の受口部3との間にシール用のゴムパッキン6を嵌挿し、背後から押輪7で継手本体2に対して押し込むようにしている。この押し込みは、継手本体2の端面外周に形成された突出部8のボルト孔10と、該ボルト孔10に対応する押輪7のボルト孔9とに、緊締ボルト11を挿通して袋状のナット12で緊締することにより行っている。
そして、継手本体2の挿口部外周面と、継手本体2の受口部3との間にシール用のゴムパッキン6を嵌挿し、背後から押輪7で継手本体2に対して押し込むようにしている。この押し込みは、継手本体2の端面外周に形成された突出部8のボルト孔10と、該ボルト孔10に対応する押輪7のボルト孔9とに、緊締ボルト11を挿通して袋状のナット12で緊締することにより行っている。
また袋状のナット12は筒状部12aと膨出径大部12bとを有しており、この膨出径大部12bがプラスチック管1の外周面に固定された離脱防止リング13の抜止用フランジ13aと係合することで、プラスチック管1の抜け止めを行うことができるようになされている。なお、離脱防止リング13は、図10に示すように、円周上の一部が開口し、該開口部の両端に締結用のフランジ13b及び13cが形成されており、緊締用ボルト11及び袋状のナット14で締結するようにしている。
これにより、ゴムパッキン6の外周くさび面と内周くさび面とが、継手本体2のテーパー状受口部3とプラスチック管1の外周面との間に押圧され、プラスチック管1と継手本体2とが同心的に保持され、また接続部位からの流体の漏洩をシールする。この状態にあっては、プラスチック管1の管端は、継手本体2の空腔4で継手本体2の内壁と干渉することなく、自由に動き得ることが可能であり、継手本体2の軸線に対して屈折することができ、可撓性を有している。また離脱防止リング13のフランジ部13aが押輪7の端面とナット12の膨出径大部12bとの間を移動できる範囲内で、伸縮することが可能である。
また特許文献1には、二つ割の管離脱防止金具を用いた管離脱防止装置が開示されている。この管離脱防止金具は、対向するフランジどうしの内径側端面及び外径側端面に、凸部を形成した技術が開示されている。この特許文献2の技術では、二つ割の管接続金具をボルト及びナットで締結する関係上、これらの金具を管外周面上へ装着した後、本締めをする前及び本締め完了後においても、各対向するフランジどうしの凸部間には、締代としての隙間が必ず形成されていた。
特開平7−190276号公報
ところで、前記プラスチック管1の管継手の離脱防止金具においては、図10に示す袋ナット14と、締付ボルト11とを締め付ける時、トルクレンチ等のトルクを数値的に表示及び設定できる工具を用いて行っている。これは、締付力が足りないと、離脱防止リング13のプラスチック管1を縮径させる効果が小さく、プラスチック管1内を流れる水道水の水圧によってプラスチック管1が滑り出し、継手本体2から逸脱する虞れがあるためである。
一方、締付力が強すぎると、図11に示すように、離脱防止リング13のフランジ13b及び13cが、リング本体15との付け根の部分16において異常変形を起こし、内径側へ変形して折損してしまうことや、永久変形(塑性変形)を起こし、袋ナット14や締付ボルト11を緩めてもプラスチック管1を外すことができない状態になったり、締付ボルト11が変形及び折損する等の問題があった。またプラスチック管1が硬質塩化ビニール管である場合は、管自体が永久変形を起こし、破壊に至る虞れがあった。
またプラスチック管1と継手本体2との間に、管軸線方向の高離脱力が作用した時に、図12に示すように、離脱防止リング13のフランジ13b,13cどうしの間が開いているため、その応力が両フランジ13b,13cどうしを連結している締付ボルト11を中心にしてフランジ13b,13cの受口本体側が狭くなり、反対側が広くなる変形を起こすと同時に、締付ボルト11も変形を起こすということがあった。そのため、離脱防止リング13の離脱力が作用する側とは反対側の端縁側がプラスチック管1に食い込んで管自体をも変形させ、袋ナット14及びボルト11を緩めてもプラスチック管1の分離ができなくなり、再使用ができないという欠点があった。
しかも、高離脱力が作用し、離脱防止リング13が図12の如く変形すると、離脱防止リング13の抜止用フランジ13aと、継手本体2側へ連結固定された袋ナット12の鍔部12bとの係合関係が外れ易くなり、実用に供することができないという問題があった。これは、ポリエチレン管の場合に顕著であった。
更に、図10に示すように、正常な締付トルクで締め付けた場合であっても、5年〜10年という長い期間の経過により、リング本体15とフランジ13b,13cとの付け根の部分16b,16cが元の曲率へ戻ろうとする復元力が低下することがあった。そのため、次第にフランジ13bとフランジ13cとの特に外径側部分の間隔が狭くなり、結果として袋ナット14と締付ボルト11による締付力が緩み出すという現象が生じ、プラスチック管1の離脱防止を図る性能が低下するという問題があった。
更にまた、プラスチック管1では、正常な締付トルクで締め付けた場合であっても、夏のように30℃を越えると軟らかくなり、冬のように0℃に近づくと硬くなる説質があるため、冬に締め付けたものは夏になると緩む傾向があり、離脱防止の性能が不安定であった。
更にまた、プラスチック管1では、正常な締付トルクで締め付けた場合であっても、夏のように30℃を越えると軟らかくなり、冬のように0℃に近づくと硬くなる説質があるため、冬に締め付けたものは夏になると緩む傾向があり、離脱防止の性能が不安定であった。
また特許文献1に示す技術では、二つ割の管離脱防止金具を管外周面上へ装着した後、本締めを完了した状態で、各対向するフランジどうしの凸部間には、締代としての隙間が必ず形成されていた。これは本締めする場合、交互に均等にボルト及びナットを締め付けていき、同一の締め付け状態で均一に管に締め付けるためである。もし、片方が接すると、隙間の大きく開いたもう一方の方との間で片締めになり、締付力にムラが生じ、離脱力が作用すると密着力の劣る部分にて滑りを生じ、管が離脱してしまうことがあるからである。また不均一な締め方により、隙間の大きく開いた部分で更に過剰締め付けを行うと、図11に示すような局部変形を起こし、管に悪い影響を与えていた。この特許文献1の技術では、均一にボルト及びナットを締め付けるためには、トルク計を必要とし、実際の埋設現場では作業者側から隙間は目にて確認できないため、両端の隙間を大きくとることにより、片締めを防ぐしか方法がなかった。
本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、常に正常に締め付けが行え、過剰締め付けされた場合でも管が局部変形せず、更にプラスチック管の離脱を防止するリングにおいて再分離が行える離脱防止リングを提供せんとするものである。
前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、受口管にパッキンを介して挿入されたプラスチック管の外周面に外嵌装着され、C型リング状を成したリング本体の両端面側に設けられたフランジどうしをボルト及びナットで締結することにより、プラスチック管の外周面に固定され、受口管とリング本体とを締付ボルト及びナットで締結してプラスチック管が受口管から離脱しないようにした離脱防止リングにおいて、該離脱防止リングを本締めしたときに、両フランジの内径側の端面どうしが先に接合するか又はほとんど同時に外径側の端面どうしも接合し、内径側が先に接合する場合は外径側の端面どうしの間にはプラスチック管外径の1%以内の隙間があり、その後に接合して成り、最終的にはプラスチック管は管外径の0.5〜2.0%の範囲内で縮径していることを特徴とするプラスチック管の離脱防止リングである。
この発明によれば、離脱防止リングを本締めしたときに、両フランジの内径側及び外径側の端面どうしが接合するので、作業者は外径側の端面どうしが接合したことを目視で確認することにより、本締めが終了したことを知ることができる。このとき、プラスチック管は、前記離脱防止リングの締付力により縮径しており、離脱防止リングから容易に逸脱することはない。そして、このときのプラスチック管の縮径量は、管外径の0.5〜2.0%の範囲が最適である。0.5%に満たない場合は、離脱防止リングのプラスチック管に対する締付力不足となり、プラスチック管が高水圧時に逸脱する虞れがあるからである。また2.0%を超えた場合には、プラスチック管が永久変形を起こし、従来の場合と同一の問題があるからである。また離脱防止リングの開放時からの内径の縮径量は、4%以内が最適である。
つまり、予め設計しておいた締付トルクで締付作業を行ったか否かを、目視により確認することができ、トルクレンチ等の特殊な工具を用いずとも、適正な締付を行うことが可能であり、両フランジの内径側及び外径側の端面どうしが接合するので、更に過剰締め付けを行っても管に力が作用しないため、プラスチック管の異常変形等を起こすことがない。また離脱防止リングの一部が内径側へ異常変形を起こすこともない。従って、管継手部を分解して再組立を行い、繰り返し使用が可能である。更に、経年変化で離脱防止リングの靱性が劣化し、復元力を失ったような場合であっても袋ナット及び締付ボルトが緩むようなことがなく、管の離脱防止を継続して維持することが可能である。更にまた、温度変化に関係なく、確実にプラスチック管の離脱防止を図ることが可能である。それに加えて、高離脱力が管軸線方向に対して傾斜した状態で作用した場合であっても、離脱防止リング及びこれらの付属金具は管軸方向の変形をすることがなく、分解して更に再組立が可能である。
以下に、本発明の構成を図面に示す実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。なお、従来の場合と同一符号は同一部材である。図1乃至図4は本発明の第1の実施の形態に係るものであり、図1の図(A)は離脱防止リング17をプラスチック管1へ外嵌装着した締付前の状態を示す正面図、図(B)はそのときのフランジ13b,13cの平面図である。また図2の図(A)は離脱防止リング17の内周面がプラスチック管1の外周面へ接した状態の正面図であり、図(B)はそのときのフランジ13b,13cの平面図、図3の図(A)は締付が完了し、プラスチック管1が0.5〜1.5%縮径した状態の正面図であり、図(B)はそのときのフランジ13b,13cの平面図である。更に、図4は高離脱力が作用したときの離脱防止リング17を示す平面図である。
図1〜図4に示すように、この第1の実施の形態にあっては、C型リング状をなす離脱防止リング17のフランジ13b,13cの外径側の端面どうしにそれぞれ対向する凸部18a〜18dを突出形成している。またフランジ13b,13cの内径側の端面どうしにも同様にしてそれぞれ対向する凸部19a〜19dを突出形成している。なお、図面では凸部19aと、凸部19cのみを示している。そして、本締めに際し、袋ナット14及び締付ボルト11を緊締したときに、これらの凸部18a〜18d及び19a〜19dが当接接合した時点で本締めが完了するようにしている。
この本締めにおいて、凸部18a〜18d及び19a〜19dの関係は、外径側の端面18a〜18dどうしと、内径側の端面19a〜19dどうしが殆ど同時に接合するか又は内径側の端面19a〜19dどうしが先に接合し、その後に外径側の端面18a〜18dどうしが接合するような場合であってもよい。なお、内径側の端面19a〜19dどうしが先に接合し、その後に外径側の端面18a〜18dどうしが接合する場合は、内径側の端面19a〜19dどうしが先に接合した時点において、外径側の端面18a〜18dどうしの間にプラスチック管1の外径の1%以内の隙間があり、その後すぐに外径側の端面18a〜18dどうしも接合して最終的にはプラスチック管1の縮径量が管外径の0.5〜2.0%の範囲内にあることが必要である。
この数値の限定理由は、前記外径側の端面18a〜18dどうしの隙間が1%を越える場合は、離脱防止リング17自体が両フランジ13b,13cの管と接する部分にて管側へ異常変形するからである。また隙間が大きいと、外径側端面18a〜18dどうしが接するまで、相当大きな締付力で増し締めする必要あり、作業性が悪くなるからである。縮径量を前記範囲に限定した理由は、0.5%に満たない場合は、離脱防止リング17のプラスチック管1に対する締付力不足となり、プラスチック管1が高水圧時に逸脱する虞れがあるからである。また2.0%を超えた場合には、プラスチック管1が永久変形を起こし、従来の場合と同一の問題があるからである。
また、この本締め完了時点において、離脱防止リング17の内径は開放状態の内径よりも4%以内の縮径量としている。4%以内としたのは、離脱防止リング17がダクタイル鋳鉄でできているため、それ以上縮径した場合は、締め付けを緩めたときに、離脱防止リングの内径がプラスチック管1の外径以上に復元しなくなり、プラスチック管1を分離できなくなるためである。
このように構成されたプラスチック管1の離脱防止リング17は、先ず、図1の図(A)に示すように、プラスチック管1の外周面上に外嵌装着される。このとき、フランジ13b,13cはプラスチック管1の上方に位置するように配設される。これは、袋ナット14及び締付ボルト11の締結作業を、プラスチック管1の上方の何も無い空間領域で容易に行えるようにするためである。また離脱防止リング17をプラスチック管1の外周面上へ外嵌装着した状態では、離脱防止リング17の内周面の直径の方が、プラスチック管1の外周面の直径よりも大きく両者間には空間20が形成されている。
次に、袋ナット14及び締付ボルト11を締結していくと、図2の図(A)に示すように、離脱防止リング17の内周面がプラスチック管1の外周面に接合するようになる。そして、更に袋ナット14及び締付ボルト11の締め付けを増して所定の本締めとなるトルクまで締め付けていくと、やがて図3の図(A)及び図(B)に示すように、フランジ13b,13cの内径側に対向して突出形成した凸部19a及び19bと、凸部19c及び19dとが相互に当接接合すると同時に、外径側に対向して突出形成した凸部18a及び18bと、凸部18c及び18dとが相互に当接接合するようになる。又は内径側の凸部19a〜19cどうしの当接接合が行われた直後に、外径側の凸部18a〜18dどうしの当接接合が行われる。締結作業者は、これらの凸部18a及び18bと、凸部18c及び18dとが当接したことを目視により直接確認して本締めが完了したことを知ることができる。
このとき、プラスチック管1は、その外径寸法が0.5〜2.0%の範囲で縮径しており、プラスチック管1に対して離脱防止リング17が強固に締結されたことになる。またその時、離脱防止リング17は、内径寸法が開放時より4%以内の縮径となっている。このように本締めの完了を目視により直接確認できるため、トルクレンチ等の締付トルクを表示並びに設定できる特殊な工具を用いずとも、通常の締付工具で作業を行うことが可能である。また温度変化に関係なく、確実にプラスチック管1を締め付けることが可能である。
ところで、このような離脱防止リング17にあっては、仮に、この本締めが完了した時点から更に袋ナット14及び締め付けボルト11の締付力を増やした場合であっても、従来のようにプラスチック管1が異常変形を起こすようなことはない。すなわち、本締め完了後に、更に締付力を増加させた場合、図3の図(A)に示すように、既にフランジ内径側の凸部19a及び19bと、凸部19c及び19d並びに外径側の凸部18a及び18bと、凸部18c及び18dとが当接しているため、締め付け力を両方のフランジで受けることとなり、管に変形を与える力が作用しなくなる。そのため、プラスチック管1は、離脱防止リング17の一部が内径側に永久変形、つまりは異常変形するようなことはなく、また締付ボルト11が曲がったり、折損するようなことがない。
このように離脱防止リング17は、締め付けを強くしてもそれ以上変形を与えないため、フランジ13b,13cの内側端面どうしの隙間は、リング内径の縮径量の4%以内でプラスチック管1の管外径の2%以内の縮径量で両端面どうしが接合するようにし、変形を防止している。それ故、袋ナット14及び締付ボルト11を外して管継手全体を分解し、更に再組立を行うことが可能であって、繰り返し使用が可能である。
またこのような離脱防止リング17にあっては、図4に示すように、プラスチック管1に高離脱力が作用した場合、締付ボルト11を挟んだその両側においてフランジ内外径側の凸部19a〜19dと、凸部18a〜18dとが当接しているため、管軸線方向に引っ張られて変形するということがなく、前述の場合と同じように分解、再組立が可能であって、繰り返し使用が可能である。
ところで、前記凸部18a,18b及び18c,18dは、離脱防止リング17の全幅寸法に対して少なくとも80%以上あればよい。また凸部18a,18bの間及び18c,18dの間は、それぞれ空間が開いてしてもよく、また空間がなく連続したものであってもよい。
更に、5年〜10年という長い年月が経過し、リング本体15のフランジ13b及び13cとの付け根の部分において、元の曲率に戻ろうとする復元力が低下した場合であっても、フランジ13b,13cの内外径側の凸部19a〜19dと、凸部18a〜18dとが当接しているためフランジ13b及び13c間の間隔が狭まるということがない。そのため、長期間の使用経過後であっても、袋ナット14及び締付ボルト11による締結力が低下するというようなこともなく、高水準の離脱防止力を発揮することが可能である。
図5及び図6は本発明をインコア内装のポリエチレン管へ適用した場合の第2の実施形態に係るものであり、図5は継手部分の縦断面図、図6は正面図である。同図に示す如く、ポリエチレン管21はステンレス製等のインコア22を継手部分に内装されている。この実施の形態の離脱防止リング23は、ボルト挿通孔24が楕円状に形成されており、その小径側の寸法は袋ナット14の端面の外径よりも小さく設定されている。
而して、この離脱防止リング23では、先に袋ナット12と締付ボルト11で押輪7を介してパッキン6を押圧して縮径させ、ポリエチレン管21の外周面へ緊密に接合させてシール性を確保している。その後に、離脱防止リング23の袋ナット14と締付ボルト11で離脱防止リング23の締結を行えばよい。これにより、そのフランジ13b,13cの外径側に設けた凸部18a及び18bと凸部18c及び18dとにより、締付完了が目視により確認できること及び適正な締付トルクが維持でき、ポリエチレン管21を異常変形させないこと等の基本的な作用効果については、前記第1の実施の形態の場合と同じである。
なお、インコア内装のポリエチレン管21では、その先端部が空腔4内で挙動できる範囲内で可撓自在であり、ポリエチレン管21の両端側の継手部どうしの間(インコア22が存在しない中間部分)において、管自体が伸び縮みを行い、伸縮性を有している。
図7及び図8は本発明をインコア内装のポリエチレン管へ適用した場合の第3の実施形態に係るものであり、図7は継手部分の縦断面図、図8は正面図である。同図に示す如く、この実施の形態では、押輪7を省略し、離脱防止リング25に設けた環状の凸部26によってワッシャ27を介してパッキン6を押圧付勢するようにしている。その他の構成並びに作用効果については、前記第2の実施の形態の場合と同じである。
1…プラスチック管、2…継手本体、4…空腔、6…ゴムパッキン、7…押輪、11…締付ボルト、12…押輪の袋ナット、13b,13c…離脱防止リングのフランジ、14…離脱防止リングの袋ナット、15…リング本体、17…離脱防止リング、18a〜18d…フランジ外径側の凸部、19a〜19d…フランジ内径側の凸部
Claims (1)
- 受口管にパッキンを介して挿入されたプラスチック管の外周面に外嵌装着され、C型リング状を成したリング本体の両端面側に設けられたフランジどうしをボルト及びナットで締結することにより、プラスチック管の外周面に固定され、受口管とリング本体とを締付ボルト及びナットで締結してプラスチック管が受口管から離脱しないようにした離脱防止リングにおいて、該離脱防止リングを本締めしたときに、両フランジの内径側の端面どうしが先に接合するか又はほとんど同時に外径側の端面どうしも接合し、内径側が先に接合する場合は外径側の端面どうしの間にはプラスチック管外径の1%以内の隙間があり、その後に接合して成り、最終的にはプラスチック管は管外径の0.5〜2.0%の範囲内で縮径していることを特徴とするプラスチック管の離脱防止リング。
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