JP2004100299A - 鋼製天井野縁システム - Google Patents

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Terufusa Oshima
大島 輝興
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Misawa Homes Co Ltd
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Misawa Homes Co Ltd
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Abstract

【課題】鋼製野縁受けと木製の吊り木の連結作業を簡単に行うことができ、しかも天井の施工作業の効率化を図った鋼製天井の吊り構造を提供すること。
【解決手段】天井材8が取り付けられる鋼製野縁10を吊り下げる鋼製天井野縁システムであって、天井梁16から垂下した吊り木18と、その吊り木に対して水平方向に配置される鋼製野縁受け12と、その鋼製野縁受けを水平方向に移動可能に吊り木に固定するハンガー部材20と、鋼製野縁受けに対してその鋼製野縁受けと直交する水平方向に配置される鋼製野縁10と、その鋼製野縁を水平方向に移動可能に鋼製野縁受けに支持させるクリップ部材14とを備える。鋼製野縁受12けは、リップ片12a、12b間の開口部が水平方向に延びるリップみぞ形鋼により構成され、ハンガー部材20は、鋼製野縁受けの溝12c内に係合してその鋼製野縁受けの長手方向に移動自在な部分を有している。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鋼製天井野縁システムに関し、特に、施工性に配慮した天井材を支持する鋼製野縁、鋼製野縁受けを備えた鋼製天井野縁システムに関する。
【0002】
【背景の技術】
天井の吊り構造として、下部に天井材を取り付けた鋼製野縁と、この鋼製野縁の上部に直交配置して水平方向に延在する鋼製野縁受けとを、天井梁から垂下した木製の吊り木に鋼製野縁受けを連結することで天井材を吊り上げ支持する構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このように、天井の吊り構造に鋼製野縁や鋼製野縁受けを使用することで、それらの部材のスパンが長くても撓まず、十分に吊り木に支持された状態で天井材が撓んだり、天井材の下面が下がることがない。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−54545
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、野縁受けが吊り木と同様の木製部材であれば、釘打ち等の締結手段で野縁受け及び吊り木の両者を連結し、簡単に天井の施工を行うことができるが、上述したように鋼製野縁受けを使用すると、木製の吊り木に対して鋼製野縁受けを簡単に連結することが難しい。
【0006】
そこで、釘孔を設けたハンガー部材を鋼製野縁受けに固定しておき、このハンガー部材を介して木製の吊り木と鋼製野縁受けとを連結すると、吊り木に対する連結作業が容易となる。しかし、吊り木は、天井梁の特定の位置から垂下しているとは限らず、吊り木の位置に合わせてハンガー部材を鋼製野縁受けに固定しなければならないので、ハンガー部材の位置決め、固定作業に多くの手間と時間を要してしまう。
【0007】
よって、本発明の課題は、鋼製野縁受けと木製の吊り木の連結作業を簡単に行うことができて天井の施工作業を効率良く行うことができる鋼製天井野縁システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明は、天井材が取り付けられる鋼製野縁を吊り下げる鋼製天井野縁システムであって、天井梁から垂下した吊り木と、その吊り木に対して水平方向に配置される鋼製野縁受けと、その鋼製野縁受けを水平方向に移動可能に前記吊り木に固定するハンガー部材と、前記鋼製野縁受けに対してその鋼製野縁受けと直交する水平方向に配置される鋼製野縁と、その鋼製野縁を水平方向に移動可能に前記鋼製野縁受けに支持させるクリップ部材とを備え、前記鋼製野縁受けは、リップ片の間の開口部が水平方向に延びるリップみぞ形鋼により構成され、前記ハンガー部材は、前記鋼製野縁受けの溝内に係合してその鋼製野縁受けの長手方向に移動自在な部分を有している構成とした。
【0009】
本発明によれば、鋼製野縁受けが延在する方向(長手方向)にハンガー部材を移動させることで、木製の吊り木に対するハンガー部材の配置位置を自由に調整することができる。これにより、ハンガー部材の位置決めが簡単になるとともに、吊り木に対する鋼製野縁受けの固定作業も簡単に行うことができる。
【0010】
ここで、前記ハンガー部材を、前記鋼製野縁受けの溝内の横断面形状と略同一の形状を有し、該鋼製野縁受けの長手方向を摺動自在な係合部と、この係合部から前記開口部を通過する首部を介して前記鋼製野縁受けの外部に位置し、前記吊り木の側面に当接してねじ部材により該吊り木に固定される固定部とを備えている構造としてもよい。このようなハンガー部材の構造にすると、鋼製野縁受けに対するハンガー部材の移動がスムーズになり、ハンガー部材の位置決めがさらに簡単になるともに、簡便な構造のハンガー部材を提供することができる。
【0011】
また、前記鋼製野縁を、リップ片の間の開口部が上方を向いているリップみぞ形鋼により構成するとともに、この鋼製野縁の溝内に係合して該鋼製野縁の長手方向に移動自在としたクリップ部材を、前記鋼製野縁受けに着脱自在に連結してもよい。このようにすると、鋼製野縁が延在する方向(長手方向)にクリップ部材を移動させることで、鋼製野縁に対して直交している鋼製野縁受けの配置位置を自由に調整できる。そして、鋼製野縁受けの配置位置を調整できることから、鋼製野縁受けに連結しているハンガー部材の移動調整範囲も広くなり、さらにハンガー部材の位置決めと、吊り木に対する鋼製野縁受けの固定作業が簡単となる。そして、天井の施工作業を効率良く行うことができる。
【0012】
また、前記クリップ部材を、前記鋼製野縁の溝内の横断面形状と略同一の形状を有し、該鋼製野縁の長手方向を摺動する係合部と、この係合部から前記開口部を通過する首部を介して前記鋼製野縁の上部に位置し、前記鋼製野縁受けの外周の一部に嵌合する嵌合部とを備えた構造としてもよい。このようにすると、鋼製野縁に対するクリップ部材の移動がスムーズになり、鋼製野縁の所定位置に、鋼製野縁受けを簡単に直交配置することができる。
【0013】
さらに、前記嵌合部を、前記鋼製野縁受けの上部の外周形状と略同形状に形成した弾性を有する弾性板状部を備え、当該弾性板状部の弾性変形により前記鋼製野縁受けの上部外周を上方から囲みながら着脱自在に嵌合するようにしてもよい。このようにすると、鋼製野縁に対する鋼製野縁受けの固定、取り外しが容易となって鋼製野縁受けの配置位置を簡単に変更することができるので、さらに、天井の施工作業を効率良く行うことができる。
【0014】
また、前記鋼製野縁と並行に固定配置された木製の被覆野縁と、その被覆野縁と前記鋼製野縁受けとの間に設けられ、被覆野縁に対して前記鋼製野縁受けを位置決めする振れ止め金具とを更に備えている構成としてもよい。このようにすると、鋼製野縁受けを被覆野縁に対して位置決めできるので、鋼製野縁受けが定位置に固定的に配置される。これにより、鋼製野縁も定位置に位置決めすることことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1を参照して本発明に係る鋼製天井野縁システムについて説明する。符号2bは、建物内部の壁の上部を示している。この壁の上部2bには、木製の被覆野縁である壁際野縁4が水平方向に延在して固定されており、この壁際野縁4の側面に、開口部を室内側に向けた横断面コ字状のランナ−(図示せず)が固定されている。
【0016】
このランナ−に、下部に天井材としての石膏ボード8を取り付けた鋼製野縁10の端部が差し込まれて水平に配置されている。なお、図示していなが、他の複数の鋼製野縁も、この鋼製野縁10に対して平行に離間して水平方向に配置された状態でランナーに差し込まれている。
【0017】
また、鋼製野縁10と他の鋼製野縁の上部に、これら鋼製野縁に対して直交して水平方向に延在する鋼製野縁受け12がクリップ部材14を介して連結しており、鋼製野縁受け12は、天井梁16から垂下した木製の吊り木18にハンガー部材20を介して吊り下げ支持されている。
【0018】
ここで、符号22は、他方の壁の上部2bに固定されている木製の壁際野縁4に固定され、鋼製野縁受け12を水平に保持している振れ止め金具である。この振れ止め金具22は、壁際野縁4にビス等のねじ部材21により固定される固定板部22aと、鋼製野縁受け12の溝12c内に挿入されて係合される係合板部22bとを有している。
【0019】
次に、各部材の構造を詳細に説明する。鋼製野縁受け12は、リップ片12a、12bの間の開口部が水平方向を向いているリップみぞ形鋼により構成されている。
【0020】
この鋼製野縁受け12に連結しているハンガー部材20は、鋼製野縁受け12の溝12c内の横断面形状と略同一の形状を有して鋼製野縁受け12の長手方向を摺動自在な係合部20aと、この係合部20aからリップ片12a、12bの間の開口部を通過する首部20bを介して鋼製野縁受け12の外部に位置して吊り木18の側面に当接する固定部20cとを備え、固定部20cには予めねじ孔(図示せず)が形成されており、このねじ孔を通過して吊り木18にビス21を留めることで吊り木18に固定されている。
【0021】
鋼製野縁10は、リップ片10a、10bの間の開口部が上方を向いているリップみぞ形鋼により構成されている。この鋼製野縁10に連結しているクリップ部材14は板状の金属部材で構成されており、鋼製野縁10の溝10c内の横断面形状と略同一の形状を有して鋼製野縁10の長手方向を摺動自在な係合部14aと、この係合部14aからリップ片10a、10bの間の開口部を通過する首部14bを介して鋼製野縁10の上部に位置し、鋼製野縁受け12の外周の一部に嵌合する嵌合部14cとを備えている。
【0022】
ここで、嵌合部14cは、鋼製野縁受け12の上部外周より僅かに小さな形状の逆L字型に形成した弾性を有する弾性板状部であり、鋼製野縁受け12の上部に嵌合部14cを当接することにより、嵌合部14cが弾性変形して鋼製野縁受け12の上部外周を上方から囲みながら着脱自在に嵌合している。
【0023】
このような鋼製天井の吊り構造によると、鋼製野縁受け12が延在する方向(長手方向)の水平方向にハンガー部材20を移動させることで、吊り木18に対するハンガー部材20の配置位置を自由に調整することができる。これにより、ハンガー部材20の位置決めが簡単になるとともに、吊り木18に対する鋼製野縁受け12の固定作業も簡単に行うことができる。
【0024】
また、ハンガー部材20を、鋼製野縁受け12の溝12c内の横断面形状と略同一の形状を有する係合部20aと、この係合部20aと一体で吊り木18に固定される固定部20cとを備えた構造にしているので、鋼製野縁受け12に対するハンガー部材20の移動がスムーズになるとともに、簡便な構造のハンガー部材20を提供することができる。
【0025】
また、鋼製野縁10をリップみぞ形鋼により構成しているとともに、この鋼製野縁10の溝10c内に係合して鋼製野縁の長手方向の水平方向に移動自在としたクリップ部材14を鋼製野縁受け12に着脱自在に連結した構成としており、鋼製野縁10が延在する方向(長手方向)の水平方向にクリップ部材14を移動させることで、鋼製野縁10に対して直交している鋼製野縁受け12の配置位置をさらに自由に調整することができる。このことから、鋼製野縁受け12に連結しているハンガー部材20の水平方向の移動調整範囲も広くなり、さらにハンガー部材20の位置決めと、吊り木18に対する鋼製野縁受け12の固定作業が簡単となるとともに、天井の施工作業を効率良く行うことができる。
【0026】
また、クリップ部材14を、鋼製野縁10の溝10c内の横断面形状と略同一の形状を有する係合部14aと、この係合部14aに一体化した嵌合部14cとを備えた構造としたので、鋼製野縁10に対するクリップ部材14の移動がスムーズになり、鋼製野縁10の所定位置に鋼製野縁受け12を簡単に直交配置することができる。
【0027】
さらに、嵌合部14cは、鋼製野縁受け12の上部の外周形状と略同形状に形成した弾性を有する弾性板状部とし、鋼製野縁受け12の上部に嵌合部14cを当接することにより、嵌合部14cが弾性変形して鋼製野縁受け12の上部外周を上方から囲みながら着脱自在に嵌合するので、鋼製野縁10に対する鋼製野縁受け12の固定、取り外しが容易となって鋼製野縁受け12の配置位置を簡単に変更することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鋼製野縁受けと木製の吊り木の連結作業を簡単に行うことができ、しかも天井の施工作業の効率化を図った鋼製天井の吊り構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼製天井野縁システムを示す斜視図である。
【符号の説明】
2a、2b 壁
4 壁際野縁
8 石膏ボード(天井材)
10 鋼製野縁
10a、10b リップ片
10c 溝
12 鋼製野縁受け
12a、12b リップ片
12c 溝
14 クリップ部材
14a 係合部
14b 首部
14c 嵌合部
16 天井梁
18 吊り木
20 ハンガー部材
20a 係合部
20b 首部
20c 固定部
21 ビス
22 振れ止め部材
22a 固定板部
22b 係合板部

Claims (6)

  1. 天井材が取り付けられる鋼製野縁を吊り下げる鋼製天井野縁システムであって、天井梁から垂下した吊り木と、その吊り木に対して水平方向に配置される鋼製野縁受けと、その鋼製野縁受けを水平方向に移動可能に前記吊り木に固定するハンガー部材と、前記鋼製野縁受けに対してその鋼製野縁受けと直交する水平方向に配置される鋼製野縁と、その鋼製野縁を水平方向に移動可能に前記鋼製野縁受けに支持させるクリップ部材とを備え、前記鋼製野縁受けは、リップ片の間の開口部が水平方向に延びるリップみぞ形鋼により構成され、前記ハンガー部材は、前記鋼製野縁受けの溝内に係合してその鋼製野縁受けの長手方向に移動自在な部分を有していることを特徴とする鋼製天井野縁システム。
  2. 請求項1記載の鋼製天井野縁システムにおいて、前記ハンガー部材は、前記鋼製野縁受けの溝内の横断面形状と略同一の形状を有し、前記鋼製野縁受けの長手方向に摺動自在な係合部と、この係合部から前記開口部を通過する首部を介して前記鋼製野縁受けの外部に位置し、前記吊り木の側面に当接してその吊り木に対してねじ部材により固定される固定部とを備えていることを特徴とする鋼製天井野縁システム。
  3. 請求項1又は2記載の鋼製天井野縁システムにおいて、前記鋼製野縁を、リップ片の間の開口部が上方を向いているリップみぞ形鋼により構成するとともに、その鋼製野縁の溝内に係合して鋼製野縁の長手方向に移動自在としたクリップ部材を、前記鋼製野縁受けに着脱自在に連結したことを特徴とする鋼製天井野縁システム。
  4. 請求項3記載の鋼製天井野縁システムにおいて、前記クリップ部材は、前記鋼製野縁の溝内の横断面形状と略同一の形状を有し、前記鋼製野縁の長手方向を摺動する係合部と、この係合部から前記開口部を通過する首部を介して前記鋼製野縁の上部に位置し、前記鋼製野縁受けの外周の一部に嵌合する嵌合部とを備えていることを特徴とする鋼製天井野縁システム。
  5. 請求項4記載の鋼製天井野縁システムにおいて、前記嵌合部は、前記鋼製野縁受けの上部の外周形状と略同形状に形成した弾性を有する弾性板状部を備えており、その弾性板状部の弾性変形により前記鋼製野縁受けの上部外周を上方から囲みながら着脱自在に嵌合することを特徴とする鋼製天井野縁システム。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の鋼製天井野縁システムにおいて、前記鋼製野縁と並行に固定配置された木製の被覆野縁と、その被覆野縁と前記鋼製野縁受けとの間に設けられ、被覆野縁に対して前記鋼製野縁受けを位置決めする振れ止め金具とを更に備えていることを特徴とする鋼製天井野縁システム。
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