JP2004099817A - 防振ゴム用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを主成分とし、耐熱性、耐久性に優れ、しかも動倍率が低い防振ゴム用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】下記の条件(イ)〜(ハ)を充足する1種又は2種以上のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体100重量部に対し、窒素吸着比表面積が15〜30m2/gでジブチルフタレート吸着量が100〜140ml/100g未満のカーボンブラックを配合してなる防振ゴム用ゴム組成物。
(イ):エチレン/α−オレフィンの重量比が80/20〜40/60であること
(ロ):ムーニー粘度(ML1+4 121℃)が100以上
(ハ)非共役ジエンの含有量がヨウ素価で8〜36であること
【選択図】 なし
【解決手段】下記の条件(イ)〜(ハ)を充足する1種又は2種以上のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体100重量部に対し、窒素吸着比表面積が15〜30m2/gでジブチルフタレート吸着量が100〜140ml/100g未満のカーボンブラックを配合してなる防振ゴム用ゴム組成物。
(イ):エチレン/α−オレフィンの重量比が80/20〜40/60であること
(ロ):ムーニー粘度(ML1+4 121℃)が100以上
(ハ)非共役ジエンの含有量がヨウ素価で8〜36であること
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム組成物に関するものである。更に詳しくは、本発明は、耐熱性、耐久性に優れ、かつ動倍率が小さい防振ゴム用エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム組成物に関するものである。本発明のゴム組成物は、例えば、エンジンマウント、マフラーハンガー、ストラットマウント等の自動車用および産業機器用の防振ゴムとして最適に使用され得る。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車やオートバイ等の交通手段、さらには産業機械、OA機器、家庭電気機器等においては、騒音や振動を防止するために多種多様の防振ゴムが使用されている。特に、自動車分野においては、近年、エンジンの高性能化、低ボンネット化、騒音規制対策に伴い、耐熱性ならびに耐久性に優れ、かつ騒音や振動を防止できる防振ゴムに対する要求が強まっている。
【0003】
かかる防振ゴムが具備すべき特性としては、▲1▼耐熱性に優れること。▲2▼長期間の繰り返し外力に対する耐久性に優れること。▲3▼高速走行時の騒音や振動を防止するため、動倍率(動的弾性率/静的弾性率)が低いこと。などがあげられる。ここで動倍率とは、高周波数域の振動入力時における弾性率(動的弾性率)の変化度であり、動的弾性率と静的弾性率との比によって表されるものである。振動絶縁の目的からは、該動倍率が低いことが要求される。
その他、引張強度や圧縮永久歪などの静的なゴム特性においても、通常のゴムに比べて劣らないことも、もちろん重要である。
【0004】
従来の防振ゴムとしては、主として、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)などの高不飽和ゴムが使用されている。それは、NRやSBRなどの高不飽和ゴムは、低不飽和ゴムに比べて耐久性や動倍率に優れるという長所を有することによるのであるが、一方、これらの不飽和ゴムは、例えば、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムのような低不飽和ゴムに比べて、耐熱性に劣ることが知られており、そのため、高不飽和ゴムの使用は比較的低温での使用に限られる傾向にあった(たとえば、特許文献1参照。)。
【0005】
逆に、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムなどの低不飽和ゴムは、優れた耐熱性は示すが、長期間の繰り返し外力に対する耐久性に劣るという欠点を有する。エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムにおいて、この耐久性を改良するためには、▲1▼より高分子量のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを用いる。▲2▼ゴム中のエチレン含有量を高くする。▲3▼ゴム組成物に使用されるカーボンブラックのストラクチャーを高くして補強性を上げる。などが一般によく知られている。
【0006】
ここで、分子量の指標として、一般にムーニー粘度(ここではML1+4 121℃の測定値で示す)が用いられるが、耐久性を必要とする用途ではムーニー粘度が100以上の高分子量のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムが使用されてきたことは公知である。しかし、高不飽和ゴムに比べると耐久性の点ではまだ不十分であった。
【0007】
そこで更に、高分子量で高エチレン含量のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムが用いられる場合、この具体例としてはゴム成分中のエチレン/α−オレフィンの重量比が85/15以上のものがあげられる。しかし、このようなエチレン含有量の高いエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを配合すると、耐久性は改良されるものの、ゴム組成物の耐寒性が非常に悪化するために動倍率の温度依存性が著しく大きくなり、常温での防振性能が冬季あるいは寒冷地において発揮されないという問題が発生した。
【0008】
また、配合面からは使用するカーボンブラックのストラクチャーを高くすることよって、耐久性が改良されることはよく知られているが、この際にはゴム組成物の動的弾性率が静的弾性率の上昇以上に高くなるために動倍率が高くなるという欠点があった。
【0009】
【特許文献1】
特開平3−227343号公報(第2頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを主成分とし、耐熱性、耐久性に優れ、しかも動倍率が低い防振ゴム用ゴム組成物を提供する点に存する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のうち第一の発明は、下記の条件(イ)〜(ハ)を充足する1種又は2種以上のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体100重量部に対し、下記(i)の構造を含有するポリシロキサン系化合物を配合してなる防振ゴム用ゴム組成物に係るものである。
(イ):エチレン/α−オレフィンの重量比が80/20〜40/60であること
(ロ):ムーニー粘度(ML1+4 121℃)が100以上
(ハ)非共役ジエンの含有量がヨウ素価で8〜36であること
また、本発明のうち第二の発明は、上記のゴム組成物を加硫して得られる防振ゴムに係るものである。
更に、本発明のうち第三の発明は、上記の防振ゴムを用いたエンジンマウント又はマフラーマンガーに係るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、なかでもプロピレン及び1−ブテンが好ましい。
【0013】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体中のエチレン/α−オレフィンの重量比は80/20〜40/60であり、好ましくは65/35〜45/55である。エチレン比率が過大であると、ゴム組成物の耐寒性が非常に悪化するために動倍率の温度依存性が著しく大きくなり、常温での防振性能が冬季あるいは寒冷地において発揮されず、不適当なものとなる。一方、エチレン比率が過小であると耐久性が劣り、不適当なものとなる。
【0014】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体のムーニー粘度(ML1+4121℃)は100以上である。ムーニー粘度が100未満では耐久性が非常に劣り、不適当である。
【0015】
本発明における非共役ジエンにおけるジエンとは、ジエンの他にトリエン以上のポリエンを含む用語であり、たとえば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのような鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエンのようなトリエンがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。なお、5−エチリデン−2−ノルボルネン及び/又はジシクロペンタジエンが好ましい。更に、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエンを例示することができる。
【0016】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体中の非共役ジエンの含有量は、ヨウ素価で8〜36であり、好ましくは10〜30である。ヨウ素価が過小であると、十分な架橋密度が得られないために耐久性が劣り、不適当である。逆に、ヨウ素価が過大であると動倍率が高くなり、不適当である。
【0017】
本発明に使用されるゴム成分としては、上記のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体が単独で、又は2種類以上をブレンドして上記のエチレン/α−オレフィン比、ムーニー粘度、非共役ジエン含有量になるものが用いられる。また、本発明のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体として、伸展油を含有する油展ゴムを用いてもよい。
【0018】
本発明に用いられるポリシロキサン系化合物としては、下記(i)の構造を含有するものである。
【0019】
R、R’はアルキル基、エーテル基、フェニル基、エポキシ基、アミノ基などがあげられる。nは通常、1〜1000である。
【0020】
本発明に用いられるポリシロキサン系化合物の配合量は0.05〜30重量部であり、好ましくは0.1〜10重量部である。ポリシロキサン系化合物の配合量が0.05重量部未満であると動倍率が不十分となる場合があり、一方、ポリシロキサンの配合量が30重量部を超えると耐久性が不十分となる場合がある。
【0021】
本発明のゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムは、エンジンマウント又はマフラーハンガー等の防振ゴムとして最適に用いられる。
【0022】
本発明のゴム組成物には、必要に応じて可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、充填剤、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂等の各種配合剤が適宜添加配合される。この可塑剤としては、通常ゴムに使用される可塑剤が使用されるが、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン、コールタールピッチ、ヒマシ油、アマニ油、サブ、密ロウ、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂などをあげることができる。中でも、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。これらの可塑剤はエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体100重量部に対して20〜150重量部、好ましくは30〜100重量部用いられる。かかる範囲で可塑剤を用いることにより、目的とする柔らかさのゴム組成物を得ることができる。
【0023】
本発明で使用される加硫剤としては、イオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、4,4′−ジチオジモルホリン、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、第三ブチルヒドロペルオキシドなどの有機過酸化物などをあげることができる。特にイオウ、ジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。
【0024】
イオウは、通常、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の割合で使用される。また、有機過酸化物は、通常、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体100重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜8重量部の割合で使用される。
【0025】
また、加硫剤とともに必要に応じて加硫促進剤、加硫助剤が併用される。加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフエンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフエニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル−ジスルフイド、ジフエニルグアニジン、トリフエニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、オルソトリル−バイ−グアナイド、ジフエニルグアニジン−フタレート、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア、2−メルカプトイミダゾリン、チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア、テトラメチルチウラムモノスルフイド、テトラメチルチウラムジスルフイド、テトラエチルチウラムジスルフイド、テトラブチルチウラムジスルフイド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフイド、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジブチルキサントゲン酸亜鉛、エチレンチオウレアなどをあげることができる。これら加硫促進剤はエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の割合で使用される。
【0026】
加硫助剤としては酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物をあげることができるが、酸化亜鉛の使用が好ましい。通常、これらの加硫助剤はエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体100重量部に対して対して3〜20重量部使用される。
【0027】
また、過酸化物による架橋に際しては、硫黄、P−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレンジメタクリレート、ジビニルベンゼンなどの架橋助剤を使用してもよい。
【0028】
本発明で使用される充填剤としては、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTなどの通常ゴムに用いられるカーボンブラック、微粉ケイ酸、炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの無機充填剤が好ましく使用される。
【0029】
また、ゴム加硫物のゴム成分として、本発明のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体と共に他の種類のゴムを混合使用してもさしつかえない。
【0030】
本発明のゴム組成物を用いて加硫ゴム組成物を得るには、例えば、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体、並びにカーボンブラックの他、必要に応じて酸化防止剤、加硫促進剤、加工助剤、ステアリン酸、充填剤、可塑剤、軟化剤などをロール、バンバリー、ニーダーなどの通常の混練機を用いて混合することにより、加硫可能なゴム組成物とし、通常、120℃以上、好ましくは140℃〜220℃の温度で約1〜60分間で加硫すればよい。なお、加硫は熱プレス、射出成形機、圧縮成形機など、いずれも適用できる。
【0031】
本発明のゴム組成物により得られる加硫ゴム組成物は、通常の方法によりエンジンマウント又はマフラーハンガーとして加工することができ、これらの製品はすでに説明したとおりの特徴を有する、極めて優れたものである。
【0032】
【実施例】
次に、実施例をあげ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】
比較例1及び実施例1
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体成分として、EPDM(エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、エチレン/プロピレンの重量比70/30、ムーニー粘度ML1+4 121℃ 60(伸展油40PHR添加後のML1+4 121℃ 60)、5−エチリデン−2−ノルボルネン含量ヨウ素価10、40PHR油展品)140重量部に対し、表1の「添加した化合物」欄に記した化合物の他、酸化亜鉛2種5重量部、ステアリン酸1重量部及びダイアナPW90(出光興産社製 パラフィン系オイル)20重量部を添加し、スタート温度80℃に調整した1700mlのバンバリーミキサーを用い、ローター回転数60rpmで5分間混練した。その後、8インチのオープンロールを用いて、パークミルD(40)(日本油脂社製 ジクミルペルオキシド(40%品))8重量部及びアクリエステルED(三菱レーヨン社製 エチレングリコールジメタクリレート)2重量部を添加・混練し、ゴム組成物を得た。次に、該ゴム組成物を170℃×15分間でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。加硫ゴム組成物の評価は動倍率と耐久性の評価を行った。動倍率(動的弾性率/静的弾性率)は次のとおり測定した。JIS K 6254に準拠して測定した静的せん断弾性率を3倍したものを静的弾性率とした。動的弾性率は防振特性自動測定装置(ヨシミズ社製)を用い、温度23℃にて振動周波数100Hz、振幅±0.1%の条件で測定した。動倍率は、温度条件23℃で測定した静的弾性率と動的弾性率の比(動的弾性率/静的弾性率)で表示した。耐久性は定荷重疲労試験機NRF−08S(ヨシミズ社製)を用い、JIS K 6251に記載のダンベル状3号型試験片を雰囲気80℃にて、荷重値0.1〜1.9kg、周波数300cpmで繰り返し伸張し、破断するまでの伸張回数を測定した。各評価結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
※1 添加した化合物
・Si ポリジメチルシロキサン
SH200−10cs(東レ・ダウコーニング、シリコーン社製)
・添加した化合物の量:伸展油を除くエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体成分100重量部あたりの重量部で示した
本発明の要件を満足する実施例1は動倍率、耐久性いずれも良好である。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを主成分とし、耐熱性、耐久性に優れ、しかも動倍率が低い防振ゴム用ゴム組成物を提供することができた。
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム組成物に関するものである。更に詳しくは、本発明は、耐熱性、耐久性に優れ、かつ動倍率が小さい防振ゴム用エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム組成物に関するものである。本発明のゴム組成物は、例えば、エンジンマウント、マフラーハンガー、ストラットマウント等の自動車用および産業機器用の防振ゴムとして最適に使用され得る。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車やオートバイ等の交通手段、さらには産業機械、OA機器、家庭電気機器等においては、騒音や振動を防止するために多種多様の防振ゴムが使用されている。特に、自動車分野においては、近年、エンジンの高性能化、低ボンネット化、騒音規制対策に伴い、耐熱性ならびに耐久性に優れ、かつ騒音や振動を防止できる防振ゴムに対する要求が強まっている。
【0003】
かかる防振ゴムが具備すべき特性としては、▲1▼耐熱性に優れること。▲2▼長期間の繰り返し外力に対する耐久性に優れること。▲3▼高速走行時の騒音や振動を防止するため、動倍率(動的弾性率/静的弾性率)が低いこと。などがあげられる。ここで動倍率とは、高周波数域の振動入力時における弾性率(動的弾性率)の変化度であり、動的弾性率と静的弾性率との比によって表されるものである。振動絶縁の目的からは、該動倍率が低いことが要求される。
その他、引張強度や圧縮永久歪などの静的なゴム特性においても、通常のゴムに比べて劣らないことも、もちろん重要である。
【0004】
従来の防振ゴムとしては、主として、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)などの高不飽和ゴムが使用されている。それは、NRやSBRなどの高不飽和ゴムは、低不飽和ゴムに比べて耐久性や動倍率に優れるという長所を有することによるのであるが、一方、これらの不飽和ゴムは、例えば、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムのような低不飽和ゴムに比べて、耐熱性に劣ることが知られており、そのため、高不飽和ゴムの使用は比較的低温での使用に限られる傾向にあった(たとえば、特許文献1参照。)。
【0005】
逆に、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムなどの低不飽和ゴムは、優れた耐熱性は示すが、長期間の繰り返し外力に対する耐久性に劣るという欠点を有する。エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムにおいて、この耐久性を改良するためには、▲1▼より高分子量のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを用いる。▲2▼ゴム中のエチレン含有量を高くする。▲3▼ゴム組成物に使用されるカーボンブラックのストラクチャーを高くして補強性を上げる。などが一般によく知られている。
【0006】
ここで、分子量の指標として、一般にムーニー粘度(ここではML1+4 121℃の測定値で示す)が用いられるが、耐久性を必要とする用途ではムーニー粘度が100以上の高分子量のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムが使用されてきたことは公知である。しかし、高不飽和ゴムに比べると耐久性の点ではまだ不十分であった。
【0007】
そこで更に、高分子量で高エチレン含量のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムが用いられる場合、この具体例としてはゴム成分中のエチレン/α−オレフィンの重量比が85/15以上のものがあげられる。しかし、このようなエチレン含有量の高いエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを配合すると、耐久性は改良されるものの、ゴム組成物の耐寒性が非常に悪化するために動倍率の温度依存性が著しく大きくなり、常温での防振性能が冬季あるいは寒冷地において発揮されないという問題が発生した。
【0008】
また、配合面からは使用するカーボンブラックのストラクチャーを高くすることよって、耐久性が改良されることはよく知られているが、この際にはゴム組成物の動的弾性率が静的弾性率の上昇以上に高くなるために動倍率が高くなるという欠点があった。
【0009】
【特許文献1】
特開平3−227343号公報(第2頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを主成分とし、耐熱性、耐久性に優れ、しかも動倍率が低い防振ゴム用ゴム組成物を提供する点に存する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のうち第一の発明は、下記の条件(イ)〜(ハ)を充足する1種又は2種以上のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体100重量部に対し、下記(i)の構造を含有するポリシロキサン系化合物を配合してなる防振ゴム用ゴム組成物に係るものである。
(イ):エチレン/α−オレフィンの重量比が80/20〜40/60であること
(ロ):ムーニー粘度(ML1+4 121℃)が100以上
(ハ)非共役ジエンの含有量がヨウ素価で8〜36であること
また、本発明のうち第二の発明は、上記のゴム組成物を加硫して得られる防振ゴムに係るものである。
更に、本発明のうち第三の発明は、上記の防振ゴムを用いたエンジンマウント又はマフラーマンガーに係るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、なかでもプロピレン及び1−ブテンが好ましい。
【0013】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体中のエチレン/α−オレフィンの重量比は80/20〜40/60であり、好ましくは65/35〜45/55である。エチレン比率が過大であると、ゴム組成物の耐寒性が非常に悪化するために動倍率の温度依存性が著しく大きくなり、常温での防振性能が冬季あるいは寒冷地において発揮されず、不適当なものとなる。一方、エチレン比率が過小であると耐久性が劣り、不適当なものとなる。
【0014】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体のムーニー粘度(ML1+4121℃)は100以上である。ムーニー粘度が100未満では耐久性が非常に劣り、不適当である。
【0015】
本発明における非共役ジエンにおけるジエンとは、ジエンの他にトリエン以上のポリエンを含む用語であり、たとえば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのような鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエンのようなトリエンがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。なお、5−エチリデン−2−ノルボルネン及び/又はジシクロペンタジエンが好ましい。更に、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエンを例示することができる。
【0016】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体中の非共役ジエンの含有量は、ヨウ素価で8〜36であり、好ましくは10〜30である。ヨウ素価が過小であると、十分な架橋密度が得られないために耐久性が劣り、不適当である。逆に、ヨウ素価が過大であると動倍率が高くなり、不適当である。
【0017】
本発明に使用されるゴム成分としては、上記のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体が単独で、又は2種類以上をブレンドして上記のエチレン/α−オレフィン比、ムーニー粘度、非共役ジエン含有量になるものが用いられる。また、本発明のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体として、伸展油を含有する油展ゴムを用いてもよい。
【0018】
本発明に用いられるポリシロキサン系化合物としては、下記(i)の構造を含有するものである。
【0019】
R、R’はアルキル基、エーテル基、フェニル基、エポキシ基、アミノ基などがあげられる。nは通常、1〜1000である。
【0020】
本発明に用いられるポリシロキサン系化合物の配合量は0.05〜30重量部であり、好ましくは0.1〜10重量部である。ポリシロキサン系化合物の配合量が0.05重量部未満であると動倍率が不十分となる場合があり、一方、ポリシロキサンの配合量が30重量部を超えると耐久性が不十分となる場合がある。
【0021】
本発明のゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムは、エンジンマウント又はマフラーハンガー等の防振ゴムとして最適に用いられる。
【0022】
本発明のゴム組成物には、必要に応じて可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、充填剤、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂等の各種配合剤が適宜添加配合される。この可塑剤としては、通常ゴムに使用される可塑剤が使用されるが、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン、コールタールピッチ、ヒマシ油、アマニ油、サブ、密ロウ、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂などをあげることができる。中でも、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。これらの可塑剤はエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体100重量部に対して20〜150重量部、好ましくは30〜100重量部用いられる。かかる範囲で可塑剤を用いることにより、目的とする柔らかさのゴム組成物を得ることができる。
【0023】
本発明で使用される加硫剤としては、イオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、4,4′−ジチオジモルホリン、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、第三ブチルヒドロペルオキシドなどの有機過酸化物などをあげることができる。特にイオウ、ジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。
【0024】
イオウは、通常、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の割合で使用される。また、有機過酸化物は、通常、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体100重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜8重量部の割合で使用される。
【0025】
また、加硫剤とともに必要に応じて加硫促進剤、加硫助剤が併用される。加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフエンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフエニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル−ジスルフイド、ジフエニルグアニジン、トリフエニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、オルソトリル−バイ−グアナイド、ジフエニルグアニジン−フタレート、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア、2−メルカプトイミダゾリン、チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア、テトラメチルチウラムモノスルフイド、テトラメチルチウラムジスルフイド、テトラエチルチウラムジスルフイド、テトラブチルチウラムジスルフイド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフイド、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジブチルキサントゲン酸亜鉛、エチレンチオウレアなどをあげることができる。これら加硫促進剤はエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の割合で使用される。
【0026】
加硫助剤としては酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物をあげることができるが、酸化亜鉛の使用が好ましい。通常、これらの加硫助剤はエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体100重量部に対して対して3〜20重量部使用される。
【0027】
また、過酸化物による架橋に際しては、硫黄、P−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレンジメタクリレート、ジビニルベンゼンなどの架橋助剤を使用してもよい。
【0028】
本発明で使用される充填剤としては、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTなどの通常ゴムに用いられるカーボンブラック、微粉ケイ酸、炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの無機充填剤が好ましく使用される。
【0029】
また、ゴム加硫物のゴム成分として、本発明のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体と共に他の種類のゴムを混合使用してもさしつかえない。
【0030】
本発明のゴム組成物を用いて加硫ゴム組成物を得るには、例えば、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体、並びにカーボンブラックの他、必要に応じて酸化防止剤、加硫促進剤、加工助剤、ステアリン酸、充填剤、可塑剤、軟化剤などをロール、バンバリー、ニーダーなどの通常の混練機を用いて混合することにより、加硫可能なゴム組成物とし、通常、120℃以上、好ましくは140℃〜220℃の温度で約1〜60分間で加硫すればよい。なお、加硫は熱プレス、射出成形機、圧縮成形機など、いずれも適用できる。
【0031】
本発明のゴム組成物により得られる加硫ゴム組成物は、通常の方法によりエンジンマウント又はマフラーハンガーとして加工することができ、これらの製品はすでに説明したとおりの特徴を有する、極めて優れたものである。
【0032】
【実施例】
次に、実施例をあげ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】
比較例1及び実施例1
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体成分として、EPDM(エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、エチレン/プロピレンの重量比70/30、ムーニー粘度ML1+4 121℃ 60(伸展油40PHR添加後のML1+4 121℃ 60)、5−エチリデン−2−ノルボルネン含量ヨウ素価10、40PHR油展品)140重量部に対し、表1の「添加した化合物」欄に記した化合物の他、酸化亜鉛2種5重量部、ステアリン酸1重量部及びダイアナPW90(出光興産社製 パラフィン系オイル)20重量部を添加し、スタート温度80℃に調整した1700mlのバンバリーミキサーを用い、ローター回転数60rpmで5分間混練した。その後、8インチのオープンロールを用いて、パークミルD(40)(日本油脂社製 ジクミルペルオキシド(40%品))8重量部及びアクリエステルED(三菱レーヨン社製 エチレングリコールジメタクリレート)2重量部を添加・混練し、ゴム組成物を得た。次に、該ゴム組成物を170℃×15分間でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。加硫ゴム組成物の評価は動倍率と耐久性の評価を行った。動倍率(動的弾性率/静的弾性率)は次のとおり測定した。JIS K 6254に準拠して測定した静的せん断弾性率を3倍したものを静的弾性率とした。動的弾性率は防振特性自動測定装置(ヨシミズ社製)を用い、温度23℃にて振動周波数100Hz、振幅±0.1%の条件で測定した。動倍率は、温度条件23℃で測定した静的弾性率と動的弾性率の比(動的弾性率/静的弾性率)で表示した。耐久性は定荷重疲労試験機NRF−08S(ヨシミズ社製)を用い、JIS K 6251に記載のダンベル状3号型試験片を雰囲気80℃にて、荷重値0.1〜1.9kg、周波数300cpmで繰り返し伸張し、破断するまでの伸張回数を測定した。各評価結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
※1 添加した化合物
・Si ポリジメチルシロキサン
SH200−10cs(東レ・ダウコーニング、シリコーン社製)
・添加した化合物の量:伸展油を除くエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体成分100重量部あたりの重量部で示した
本発明の要件を満足する実施例1は動倍率、耐久性いずれも良好である。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを主成分とし、耐熱性、耐久性に優れ、しかも動倍率が低い防振ゴム用ゴム組成物を提供することができた。
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