JP2004099472A - 新規な配糖体もしくはその混合物、製法及び用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マルトオリゴ糖とグリセロールとが、1分子対1分子の割合で、α−グルコシド結合した配糖体;その混合物;グリセロールとα−グルカンとの混合物に、シクロデキストリン合成酵素を作用させることよりなる上記配糖体又は混合物の製法;上記配糖体又は混合物を配合した飲食品等;上記配糖体又は混合物にグルコアミラーゼを作用させることよりなるα−グルコシルグリセロールの製法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な配糖体もしくはそれらの混合物、及びその製法及び用途に関する。さらに、詳しくは、本発明は、マルトオリゴ糖とグリセロールとが結合した新規な配糖体もしくはそれらの混合物、シクロデキストリン合成酵素を用いるそれらの製造方法、かかる配糖体もしくはそれらの混合物を配合した飲食品、化粧品もしくは医薬品、及びかかる配糖体もしくはそれらの混合物を原料とするα−グルコシルグリセロールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
グリセロールとグルコースとが、1分子対1分子の割合で、α−グルコシド結合したα−グルコシルグリセロール(α−D−グルコピラノシルグリセロール)は、酒もろみ、みりん、味噌などに0.1〜0.5%程度含まれる非還元性の配糖体であり、日本酒にはキレの良い甘味とボディ感を付与するといわれている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。また、この配糖体は、甘味度が50(砂糖の半分の甘味)で低褐変性、低メイラード反応性、熱安定性、非う蝕性、難消化性、低吸湿性、高保湿性などの性質を有する甘味料として、食品や飲料などへの利用が提唱されている(例えば、特許文献1、非特許文献2参照)。しかしながら、例えば日本酒にボディ感を付与するに足る量配合したいが、甘味は抑えたい場合のように、ある程度の量は配合する必要があるが、甘味は抑えたい場合には、α−グルコシルグリセロールではその要望に常に十分に添えない場合を生ずる。
【0003】
一方、近年、我が国では食生活が豊かになり、代謝性疾患が急増している。その中でも、糖尿病の増加率は高く、その予防方法として、血糖を急激に上昇させないよう食事を制限することが行われている。食事を制限せずに糖尿病を予防する方法として、シュクロースやデンプン質を含む食品を摂取する際に、消化酵素阻害剤を同時に摂取する方法が注目されている。例えば、オールスパイス、コウケイテン、ラフマ又はチョウジの抽出物を有効成分とするα−アミラーゼ阻害物質(例えば、特許文献2参照)、羅布麻葉又は山査子の抽出物を有効成分とするα−アミラーゼ阻害物質(例えば、特許文献3参照)、ハバナ熱水抽出物を有効成分とするマルターゼ阻害物質(例えば、特許文献4参照)、月桂樹の抽出物を有効成分とするα−アミラーゼ阻害物質(例えば、特許文献5参照)などが報告されている。しかしながら、これらの植物からの抽出物は、高価で、安定的に原料確保することは難しいため、大量生産し難い。さらに、植物抽出物の特有の風味や苦みを有する。このような特有の風味や苦みのないα−グルコシルグリセロールは、ラット小腸に存在するシュクロース等の2糖類の加水分解酵素活性を緩やかに阻害することが知られている(例えば、非特許文献3参照)。しかしながら、消化酵素であるα−アミラーゼの阻害活性は弱く、実用効果を得るためには大量の摂取が必要であるという欠点があった。
【0004】
α−グルコシルグリセロールには、グリセロールとグルコースとの結合位置が異なる2種類の異性体(1(もしくは3)−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール及び2−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール)が存在する。かかるα−グルコシルグリセロールを酵素を触媒に用いて製造する方法には、デンプンもしくはデキストリンとグリセロールとの混合物に、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)由来のα−グルコシダーゼ(原報ではアミラーゼ又はトランスグルコシルアミラーゼと呼ばれているが、本質的にはα−グルカン糖鎖の非還元末端側からグルコース単位で切断するα−グルコシダーゼである)を作用させる方法(例えば、非特許文献4参照)が知られていた。
【0005】
また最近、グルコース、マルトース等の糖類とグリセロールとの混合物に、カビの一種であるアスペルジルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のα−グルコシダーゼを作用させる方法(例えば、非特許文献2参照)が報告されている。
【0006】
しかしカンジダ由来の酵素は、工業的には生産されていないため、市販品の入手は不可能である。しかも本酵素あるいはその生産微生物の毒性、安全性等も確認されていないため、飲食品、医薬品、化粧品等への応用が期待されるα−グルコシルグリセロールの工業的な製造には適当でない。
【0007】
さらに上記した酵素類は、いずれも加水分解酵素であるため、転移反応の効率が低く、反応中にグルコースなどの還元糖が多量に残存することは避けられない。例えば、カビのα−グルコシダーゼを、マルトースとグリセロールとからなる基質に作用させる方法では、仮にα−グルコシルグリセロールを合成するための転移反応の効率が100%であったとしても、マルトースを構成するグルコースの半量はグルコースとして残存する。また加水分解酵素を使用する限り、転移反応の効率が上記の仮定のように100%であることは起こり得ない。したがって、これらの方法でα−グルコシルグリセロールを製造した場合には、残存する還元糖を適当なクロマトグラフィー工程等で分離除去しなければ、本糖類が有する低褐変性、低メイラード反応性、非う蝕性、難消化性等の有用な特性を、食品中等で活用することは不可能である。
【0008】
また、α−グルコシダーゼなどの加水分解酵素は、反応中、マルトースなどの供与体基質が減少すると共に、転移反応で生成したα−グルコシルグリセロールを再び加水分解する。したがって、生成物が最大量となった時点で反応を終結させなければならず、そのために反応条件の厳密なコントロールや反応進行状況の煩雑なモニタリングなどが不可欠である。
【0009】
次に、α−グルコシダーゼを使用する方法では、一般的にデンプンは良好な基質ではなく、デンプンを原料として製造される、マルトースやデキストリン等、デンプンより高価な糖質を糖供与体基質として使用する必要がある。
【0010】
さらに、α−グルコシダーゼを用いる反応では、マルトース、マルトトリオース等のマルトオリゴ糖がグリセロールに結合した生成物が合成されるためには、一旦生成したα−グルコシルグリセロールに、グルコース単位で転移する反応がさらに一段ずつ起こらなければならない。したがって、マルトオリゴ糖とグリセロールとがα−グルコシド結合した配糖体を、α−グルコシダーゼを用いて得る方法は、原理的に適当でなく、事実、本酵素を用いた反応で得られたという報告もみられない。
【0011】
一方、本発明では、本発明の新規な配糖体の製造にシクロデキストリン合成酵素を用いる。シクロデキストリン合成酵素は、シクロデキストリン、カップリングシュガー(グリコシルスクロース)等の、飲食品、医薬品、化粧品等の素材や添加物として利用されている糖質の工業的な製造に使用されてきた実績がある。シクロデキストリン合成酵素を使用する配糖体又は糖転移生成物の製造法として、例えば特許文献6に記載された製造法が挙げられる。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−222496号公報(第3〜8頁、図1〜5)
【特許文献2】
特開2001−240552号公報(第1頁)
【特許文献3】
特開2002−53486号公報(第1頁)
【特許文献4】
特開2002−12547号公報(第1頁)
【特許文献5】
特公平6−46944号公報(第1頁)
【特許文献6】
特開平9−9987号公報(第1、2頁)
【非特許文献1】
F. Takenaka et al., Biosci. Biotechnol. Biochem., 64, 378−385 (2000)
【非特許文献2】
F. Takenaka and H. Uchiyama, Biosci. Biotechnol. Biochem., 64,1821−1826 (2000)
【非特許文献3】
F. Takenaka and H. Uchiyama, Biosci. Biotechnol. Biochem., 65,1458−1463 (2001)
【非特許文献4】
T.Sawai and E. J. Hhere, J. Biol. Chem., 237, 2047−2052 (1962)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、α−グルコシルグリセロールと同様に、甘味を有し、低メイラード反応性、非う蝕性、高保湿性、低吸湿性であるが、甘味度がα−グルコシルグリセロールと比較して低く、かつ加熱下で幅広いpHに対して安定で、さらにα−アミラーゼ活性阻害作用、デンプン老化抑制作用、蛋白質変性抑制作用、ビタミン安定化作用及びカルシウム可溶化作用を有する新規な配糖体もしくはそれらの混合物;かかる配糖体もしくはそれらの混合物の、安価で効率が良くかつ簡便な製造方法;かかる配糖体もしくはそれらの混合物の用途を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、マルトオリゴ糖とグリセロールとが、1分子対1分子の割合で、α−グルコシド結合した配糖体;マルトオリゴ糖のグルコース重合度が異なる、上記配糖体の混合物;グリセロールとα−グルカンとの混合物に、シクロデキストリン合成酵素を作用させることを特徴とする該配糖体もしくは混合物の製造方法;及び該配糖体もしくは混合物の用途によって解決された。該配糖体の用途は、該配糖体もしくは混合物を配合した飲食品、医薬品もしくは化粧品;及び該配糖体もしくは混合物にグルコアミラーゼを作用させることを特徴とするα−グルコシルグリセロールの製造方法を包含する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の配糖体を構成するマルトオリゴ糖は、マルトデキストリンとも称される、グルコースのα−1,4結合からなる直鎖状のオリゴ糖であり、グルコース重合度は特に制限はないが、2〜15のものが好ましく、2〜5のものがさらに好ましく、具体例として、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトオクタオース、マルトデカオース、マルトドデカオース、マルトペンタデカオース等が挙げられる。マルトオリゴ糖とグリセロールとの結合様式はα−グルコシド結合であり、結合割合は1分子対1分子である。マルトオリゴ糖を構成するグルコースはピラノース形でD−グルコースである。マルトオリゴ糖のグリセロールへの結合位置は1(又は3)位と2位とがあるが、本発明はその両方の場合を含む。後述する製法によれば、通常、1(又は3)位に結合している配糖体が85〜95%を占め、残余が2位に結合している。なお、本発明におけるα−グルコシルグリセロールもグルコースのグリセロールへの結合位置は1(又は3)位と2位とがあるが、本発明はその両方の場合を含む。
【0016】
本発明の配糖体の構造式を以下に示す。構造式中、n及びmは(重合度−1)を表す。本発明の好ましい態様にあってはn及びmは1〜14であり、さらに好ましい態様にあってはn及びmは1〜4である。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】
本発明の配糖体は、甘味を有し、低メイラード反応性、非う蝕性、高保湿性、低吸湿性で、加熱下で幅広いpHに対して安定であり、さらにα−アミラーゼ活性阻害作用、デンプン老化抑制作用、蛋白質変性抑制作用、ビタミン安定化作用及びカルシウム可溶化作用を有する。
本発明の配糖体において、グルコース重合度1のものは、既知物質のα−グルコシルグリセロールである。本発明の配糖体は、甘味を有し、低メイラード反応性、非う蝕性、高保湿性、低吸湿性である点で、α−グルコシルグリセロールと共通するが、甘味度がα−グルコシルグリセロールより低く、かつ加熱下で幅広いpHに対して安定で、さらにα−アミラーゼ活性阻害作用、デンプン老化抑制作用、蛋白質変性抑制作用、ビタミン安定化作用及びカルシウム可溶化作用(可溶化によるカルシウム吸収の向上を期待できる)を有する。したがって、日本酒、清涼飲料水等の飲食品、特に飲料に甘味を抑えてボディ感を付与する場合、α−グルコシルグリセロールより有利に使用することができる。また、より強力なα−アミラーゼ活性阻害作用を有するため、糖尿病あるいは肥満の予防剤及び/又は治療剤として利用できる。さらに、本発明の配糖体はデンプン老化抑制作用、蛋白質変性抑制作用、ビタミン安定化作用及び/又はカルシウム可溶化作用などを期待して、飲食品、医薬品、化粧品などに配合することができる。また、本発明の配糖体は、飲食品等に配合する場合、上記効果に加え、一般に、風味、食感、柔らかさ(餅、ケーキなど)、エマルジョン安定性(ドレッシング、マヨネーズなど)等を改善する。
【0020】
本発明は、上記配糖体の混合物にも関し、該混合物はα−グルコシルグリセロールを含有していてもよい。後述する上記配糖体の製法によれば、生成物は、通常、複数の上記配糖体とα−グルコシルグリセロールとの混合物として得られる。α−グルコシルグリセロールを含有していてもよい、上記配糖体の混合物は、そのまま上記用途に用いることができるので、分離を要しない点で、経済上メリットがある。なお、本発明者らにより、α−グルコシルグリセロールも上記デンプン老化抑制作用、蛋白質変性抑制作用、ビタミン安定化作用及びカルシウム可溶化作用を有することが判明した。さらに、α−グルコシルグリセロールは、本発明の配糖体と同様、飲食品等に配合する場合、一般に、風味、食感、柔らかさ、エマルジョン安定性等を改善する。
【0021】
飲食品、医薬品、化粧品などに配合する場合の、配合量は、配合目的、配合対象、他の配合成分などにより変化し、一概に論じられないが、含量として、一般に0.01〜100質量%、好ましくは0.1〜80質量%程度が適当である。
【0022】
本発明の配糖体又はα−グルコシルグリセロールを含有していてもよいその混合物を配合する対象としての飲食品、医薬品、化粧品に特に制限はない。飲食品としては、種類を問わず、いずれの飲食品も配合の対象となり得る。また、加工食品、冷凍食品、健康補助食品等のいずれでもよい。医薬品としては、薬効に関係なく、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等の経口剤、軟膏、硬膏、坐剤等が挙げられる。化粧品としては、特に制限はなく、例えばファンデーション、化粧水、乳液、クリーム、リップクリーム、ハンドクリーム、パック、洗浄剤等が挙げられる。
【0023】
本発明の配糖体、又はα−グルコシルグリセロールを含有していてもよい配糖体混合物は、グリセロールとα−グルカンとの混合物に、シクロデキストリン合成酵素(EC 2.4.1.19 、シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼ又はシクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェラーゼ)を作用させ、ついで適宜常用の分離手段に付すことにより得ることができる。この方法は、グルコースやマルトースなどの還元糖をほとんど含まない、安価で効率的でかつ簡便な製法である。
【0024】
シクロデキストリン合成酵素としては、特に限定されないが、バチラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来の酵素(林原生物化学研究所社製)、テルモアナエロバクター属(Thermoanaerobacter sp.)もしくはテルモアナエロビウム属(Thermoanaerobium sp.)由来の酵素(ノボ・ノルディスク・インダストリィ社製「CGTase ACN0002」、特開平2−500247号公報、B.E. Norman and S.T. Jφrensen, Denpun Kagaku, 39, 101−108 (1992)、以下の記述では、「テルモアナエロバクター属」の酵素という)、バチラス・サーキュランス(Bacillus circulans)由来の酵素(林原生物化学研究所社製)、バチラス・マセランス(Bacillus macerans)由来の酵素(天野エンザイム社製「コンチザイム」)等が挙げられる。これらのうちで、特にバチラス・ステアロサーモフィラス由来の酵素とテルモアナエロバクター属由来の酵素は、本発明の配糖体又は混合物の合成収率が高い。酵素は、アミラーゼやα−グルコシダーゼなど、本発明の反応に悪影響を及ぼすような他の酵素活性を含まない限り、必ずしも純度の高いものを使用する必要はない。またその含有物、固定化酵素などいかなる形態のものでも使用できる。
【0025】
シクロデキストリン合成酵素は転移酵素であるので、デンプン等のα−グルカンを糖供与体基質として使用した場合には、グルコースやマルトースなどの還元糖を生じる反応がほとんど起こらない。そのため本発明では、これらの還元糖を含まない配糖体又はその混合物を得ることが可能になる。したがって、還元糖を分離除去するためのクロマト操作等、煩雑な工程は必要なく、反応後に得られる配糖体を、そのまま食品などに添加しても褐変やメイラード反応などを起こさないという利点が得られる。
【0026】
また、本発明の反応では、反応経過と共に重合度が異なる個々の転移生成物の割合は変化するが、加水分解反応が起こって転移生成物の合計量が減少することはほとんどないため、厳密な反応のコントロールや反応中の生成物の頻繁なモニタリング等は不要である。
【0027】
受容体基質であるグリセロールは、単品のみならず、シクロデキストリン合成酵素活性の阻害物を含まず、本酵素の受容体となり得るものを含まなければ、その含有物も使用することができる。
【0028】
糖供与体基質には、デンプン、アミロース、アミロペクチン、デキストリン、シクロデキストリン等、α結合したグルカン、及びそれらの含有物を使用することができる。デンプンとしては、可溶性デンプン、馬鈴薯デンプン、コーンスターチなどが例示される。また、これらのα−グルカンを使用する場合は、本発明の配糖体又は混合物の収量を低下させないため、グルコース、マルトース等のシクロデキストリン合成酵素の良好な受容体となり得る還元糖を含まないことが好ましい。デンプンなどの多糖を含む基質溶液を調製する場合は、酵素添加前に煮沸などにより、デンプンを十分糊化させる。なお、反応生成物に還元糖が相当量含まれてもよく、本発明の配糖体又は混合物の合成収率が問題とならない場合には、糖供与体基質として、本酵素の基質となり得るマルトース、マルトトリオース等のマルトオリゴ糖類あるいはそれらの混合物、低分子量のデキストリン等を使用することも可能である。
上記のごとく、糖供与体基質としてデンプン等を用いることができるが、特にデンプンは、それを原料として製造されるグルコースやマルトース等より安価である。
【0029】
本発明の反応系において、受容体基質であるグリセロールの濃度は0.1〜70質量/容量%(=g/dl)の範囲内であることが好ましく、5〜40質量/容量%の範囲内であることがさらに好ましいが、これに限定されるものではない。この範囲内でグリセロール濃度の上昇と共に、本発明の配糖体又は混合物の合成量も増加する。
【0030】
デンプンなどの糖供与体基質濃度は0.1〜50質量/容量%の範囲内であることが好ましく、1〜30質量/容量%の範囲内であることがさらに好ましいが、これに限定されるものではない。高濃度の供与体基質を用いた場合、反応を初期で停止すれば、グルコース重合度が大きい本発明の配糖体の割合が多い配糖体を得ることができる。反応時間を長くすると、重合度の小さいものの割合が徐々に増加する。低濃度のα−グルカンを用いた場合は、グルコース1残基〜5残基を含む低重合度のものを主成分とする配糖体を、短時間で得ることができる。ただしこの場合も、適当な酵素濃度や反応温度などの他の条件に依存することは言うまでもなく、予備的な実験を行って決定することが好ましい。
【0031】
反応に使用するシクロデキストリン合成酵素が、バチラス・ステアロサーモフィラスやテルモアナエロバクター属由来のものである場合は、1gのデンプン当たり1〜2000単位を添加する。多量に添加すれば、短時間で本発明の配糖体混合物を多量に含む糖質を製造することができる。また、グリセロールへの転移活性が低いバチラス・サーキュランスやバチラス・マセランス由来の酵素を使用する場合は、それらのさらに10〜1000倍の活性単位が必要である。
【0032】
溶媒は水を使用できる。反応pHについては、pH3〜10の範囲が好ましく、pH5〜7の範囲がさらに好ましい。緩衝液は必ずしも必要ないが、このpH範囲の10〜500mM酢酸緩衝液やリン酸緩衝液などを使用することも可能である。反応系が5〜10容量%程度のメタノール、エタノール、イソプロパノール等の水溶性の有機溶媒を含んでいても、本発明の配糖体混合物の収率にはほとんど影響はないが、これらも非常に弱い受容体となるため、存在しないことが好ましい。カルシウム、マグネシウム等の金属の塩の添加は特に必要としない。
【0033】
反応温度については、10〜100℃の範囲が好ましく、40〜90℃の範囲がさらに好ましい。バチラス・ステアロサーモフィラスやテルモアナエロバクター属由来のシクロデキストリン合成酵素は耐熱性が高く、前者は80℃、後者は90℃において、数日間の反応にも十分使用することができる。
【0034】
上記の反応によって生成する本発明の配糖体又はそれらの混合物におけるグルコース残基の重合度は、通常は1(すなわち、α−グルコシルグリセロール)〜15であり、1〜5のものが比較的多い。ただしこれらの割合は、反応条件によって変化するため、限定されるものではない。長時間反応を行うと、1残基のグルコースを含むものが多く、重合度の高いものが徐々に減少する。通常、マルトオリゴ糖もしくはグルコースがグリセロールの1又は3位に結合した配糖体が85〜95%を占め、残余が2位に結合した配糖体となる。グルコースとグリセロール間及びグルコース間の結合のアノマー型はα型に限定される。グリセロールの複数の水酸基に糖が結合したものは認められない。グルコースの重合度が2以上の場合、グルコース間の結合様式はα−1,4結合のみの直鎖構造であり、枝分かれ構造は認められない。
【0035】
本発明の配糖体又はα−グルコシルグリセロールを含んでいてもよいその混合物の定量的な分析は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、簡便に行うことができる。その際、アミド系カラムとしてアサヒパックNH2P−50(ショーデックス社製)、アミド80(東ソー社製)等を使用できる。通液する溶媒には65〜85容量%アセトニトリル水溶液が適当であり、配糖体のグルコース残基の重合度が高くなるほど、カラムへの保持時間は長くなる。また、グルコースとグリセロールの結合位置が異なる2種類の配糖体は、アセトニトリル溶媒濃度が高くなるほど良好に分離し、同一重合度のものでは、2位に結合した配糖体が1(又は3位)に結合した配糖体に先立って溶出する。ただしこれらのカラムを使用する場合には、カラム保護のため、分析対象とする試料溶液に対して、同容量のアセトニトリル又はエタノール等を添加し、予め未反応の高分子グルカン等を沈殿として除去しておくことが望ましい。このような沈殿処理を必要としない、シムパック SPR−PB、シムパック SCR−101C(いずれも島津製作所社製)等のキレート系糖分析用カラムも本配糖体の分析に使用できる。ただしこの場合には、グルコース重合度の高い生成物ほど、カラムへの保持時間は短く、またグルコース重合度が3以上の生成物の分離は不完全であり、かつ上記した2種類のグリセロールへの結合位置異性体の分離定量には適当でない。
【0036】
グルコアミラーゼは、グリセロールとグルコース間の結合は加水分解しない。また、基質にα−1,4結合したグルコース残基を2個以上含む場合には、そのグルコース間の結合を非還元末端側から切断する性質を有する。これらの性質を利用して、本発明の配糖体又はα−グルコシルグリセロールを含んでいてもよいその混合物にグルコアミラーゼを作用させることにより、それらをグルコース1残基のみを含むα−グルコシルグリセロールに収束させて定量することが可能である(この酵素処理を、以下、「グルコアミラーゼ消化」と称する)。反応液0.1mlを50mM酢酸緩衝液(pH4.5)0.89mlで希釈し、グルコアミラーゼ(Rhizopus niveus(リゾパス・ニベウス)由来、生化学工業社製、1.5mg/ml)溶液10μlを添加して、40℃で2時間保温するという反応条件を例示できる。このような処理をした試料中の、α−グルコシルグリセロールは上記いずれかのカラムを装着したHPLC法で定量する。
【0037】
本発明の配糖体又はα−グルコシルグリセロールを含んでいてもよいその混合物の定性的な分析には、薄層クロマトグラフィーを用いることができる。例えば薄層板(キーゼルゲル60、メルク社製)に反応液の一部をスポットし、酢酸エチル:酢酸:水(3:1:1、容量比)を展開溶媒として、上昇法で展開する。生成物を検出するためには、風乾後の薄層板に50%硫酸/メタノール溶液を噴霧して、120℃で加熱する。ただし、グリセロールは、この検出条件では発色しない。本発明の配糖体は、グルコース重合度の大きいものほど展開移動度は小さくなる。また、グルコース残基数が同じでグリセロールを含まないα−1,4結合したマルトオリゴ糖類と比較すると、それらの移動度よりも、やや小さい移動度を示す。
【0038】
グルコース残基数の異なる本発明の配糖体又はα−グルコシルグリセロールを含んでいてもよいその混合物の大量の単離は、活性炭クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィーなどの液体クロマトグラフィーで行うことができる。活性炭クロマトグラフィーでは、グリセロールやグルコースは活性炭に吸着されない。吸着された本発明の配糖体又はα−グルコシルグリセロールを含んでいてもよいその混合物は、エタノール濃度を直線的に上昇させることで、グルコース重合度の低いものから順番に溶出される。上限のエタノール濃度は30〜50容量%程度が適当である。ゲル濾過クロマトグラフィーでは、担体として、セファデックスG−15もしくはG−25(ファルマシア社製)、バイオゲルP−2(バイオラド社製)等が適当である。溶媒は蒸留水、5%エタノールなどを使用できる。
グルコース残基数が同一で、グリセロールとの結合位置が異なる2種類の異性体の単離は、活性炭クロマトグラフィーで行うことができる。この場合、2位に結合したものが、1もしくは3位に結合したものより、やや遅れて溶出される。
【0039】
単離した本発明の配糖体及びα−グルコシルグリセロールの構造は、低分子量のものについては、核磁気共鳴スペクトル(NMR)などで同定することができる。またグルコースの結合数の異なる配糖体の分子量については、マススペクトルで確認することができる。なお、グルコース間の結合様式は、α−1,4結合のみであり、単離した各重合度の生成物をNMR等で詳細に解析するまでもなく、シクロデキストリン合成酵素の特異性から自明である。
【0040】
上述のごとく、本発明の配糖体又はその混合物にグルコアミラーゼを作用させるとα−グルコシルグリセロールが生成する。したがって、本発明はまた、本発明の配糖体又はその混合物にグルコアミラーゼを作用させることを特徴とするα−グルコシルグリセロールの製法に関する。グルコアミラーゼとしては、特に制限はなく、例えば上述のごとく、リゾパス・ニベウス由来のもの(生化学工業社製)を用いることができる。利用し得るグルコアミラーゼとしては、さらに、天野エンザイム社製の「グルクザイム(Aspergillus nigerやRhizopus niveus由来)、新日本化学社製の「スミチーム」(Aspergillus sp.やRhizopus sp.由来)、ノボザイム社製の「AMG」(Aspergillus niger由来)も挙げることができる。酵素反応条件は特に限定されないが、各酵素の至適反応条件付近で酵素反応行うのが好ましい。また、酵素の添加量も必要十分量であればよく、添加量と反応時間はHPLCで確認しながら決定することが好ましい。グルコースとα−グルコシルグリセロール類の分画方法は特に限定されないが、活性炭やゲル濾過などのクロマトグラフィーや限外濾過膜などが利用可能である。
【0041】
【実施例】
以下の実施例において、濃度を表す%は、別に定義されている場合を除き、質量/容量%である。
実施例1
10%もしくは20%グリセロール、10%可溶性デンプン(関東化学社製)、50mM酢酸緩衝液(pH6.0)を含む基質溶液(2.0ml)に対して、バチラス・ステアロサーモフィラス、テルモアナエロバクター属、バチラス・サーキュランスもしくはバチラス・マセランス由来のシクロデキストリン合成酵素(各20単位)を加え、50℃で3日間反応させた。100℃で10分間煮沸して酵素を失活させ、グルコアミラーゼ消化後、α−グルコシルグリセロール量を、アサヒパックNH2P−50カラムを装着したHPLCで分析した。その結果を図1に示す。α−グルコシルグリセロールの合成量は、酵素の起源によって大きく相違していた。バチラス・ステアロサーモフィラスとテルモアナエロバクター属の酵素がほぼ同程度に高い合成率を示し、本発明の目的には最も適すると考えられた。一方、バチラス・マセランスの酵素を用いた場合、生成物は非常に僅かであった。また、いずれのグリセロール濃度でもほぼ同様の傾向が見られた。
【0042】
実施例2
20%グリセロール、20%可溶性デンプン、50mM酢酸緩衝液(pH6.0)を含む基質溶液(12.5ml)に対して、バチラス・ステアロサーモフィラスのシクロデキストリン合成酵素を添加して、50℃で2日間反応させた。反応後、25mlのエタノールを加えて、未反応のデンプン等を沈殿させ、遠心分離で沈殿を除去した上清を減圧濃縮しながら、エタノールを留去した。水(約100ml)を加えて糖を溶解させた試料を、水で平衡化させた活性炭カラム(5.5×50cm)に添加して、水(約2L)でカラムを洗浄後、水と50%エタノール、各2Lを用いて、エタノール濃度を直線的に上昇させた。溶出は40ml/時間の流速で行い、約20mlずつ分画した。各画分の全糖量をフェノール−硫酸法で定量した結果を、図2に示す。少なくとも5つのピークが認められたので、ピーク1〜5の画分をそれぞれ集めて、減圧濃縮した。各ピークの試料を凍結乾燥後、トフ−マススペクトル(TOF MS)で分析した結果、ピーク1〜5では、グリセロールとグルコース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオースもしくはマルトペンタオースとが結合した配糖体に相当する分子量である254、416、578、740もしくは902の“adduct ion”として、すなわち、[分子量+23]に相当するイオンピークが得られた。これらのマススペクトルの結果を図3〜7に示す。
【0043】
実施例3
実施例2で分画した各ピーク部分を、分析カラムにアサヒパックNH2P−50を用い、溶出溶媒75容量%アセトニトリル水溶液、カラム温度40℃、流速1.0ml/minのHPLC条件で分析した結果を図8に示す。各ピークの溶出順序と活性炭クロマトグラフィーの溶出順序とが一致することから、グルコース重合度1〜5程度の配糖体類は、このカラムでグルコース重合度の少ない順番に溶出することが判明した。
【0044】
実施例4
実施例2で分画したα−グルコシルグリセロールに相当するピーク1の画分を、再度、活性炭クロマトグラフィーに供した。同様に溶出した試料を、溶出溶媒として80容量%のアセトニトリル水溶液を用いた以外は実施例と同様な条件のHPLCでチェックし、α−グルコシルグリセロールAとBとをそれぞれ含む2つの画分に分離した。HPLCで分析した純度が約95%のAの標品及び純度90%以上のBの標品が得られた。それらのHPLC分析結果を図9に示す。さらにA及びBの標品を13C−NMRで分析した結果及び各炭素ピークの帰属結果を、それぞれ図10及び図11に示す。これらの結果から、Aはグリセロールの1(もしくは3)位にグルコースがα結合したα−グルコシルグリセロール、Bはグリセロールの2位にグルコースが結合したα−グルコシルグリセロールであることを確認できた。
【0045】
実施例5
5〜40%グリセロール、10%可溶性デンプン、50mM酢酸緩衝液(pH6.0)を含む基質溶液(2.0ml)に対して、バチラス・ステアロサーモフィラスもしくはテルモアナエロバクター属のシクロデキストリン合成酵素(各20単位)を加え、50℃で24時間反応させた。100℃、10分間の加熱失活処理後、その0.1mlをグルコアミラーゼ消化して、HPLCで分析した。その結果を図12に示す。両酵素とも受容体であるグリセロール濃度の上昇に伴って、転移生成物量を表すα−グルコシルグリセロール量が増加した。
【0046】
実施例6
10%グリセロール、10%可溶性デンプン、50mM酢酸緩衝液(pH6.0)を含む基質溶液(2.0ml)に対して、バチラス・ステアロサーモフィラスもしくはテルモアナエロバクター属のシクロデキストリン合成酵素(各20単位)を加え、30〜90℃で24時間反応させた。100℃、10分間処理して反応停止後、その0.1mlをグルコアミラーゼ消化して、HPLCで分析した。その結果を図13に示す。バチラス・ステアロサーモフィラスの酵素は、70℃まで合成率が上昇したが、80℃ではやや低下した。テルモアナエロバクター属の酵素は、約85℃までは十分反応可能であった。
【0047】
実施例7(GM、GGの調製)
GM:配糖体混合物、GG:α−グルコシルグリセロール
実施例2に準じて調製を行った。すなわち、酵素反応から未反応デンプンの除去までの工程は100倍スケールで実施した。その後、反応溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、エタノールを完全に除去した。この濃縮物に蒸留水を加え、固形分含量が50%になるように調整した。GG及びGMの分画は、オルガノ社製の小型クロマト分離装置「トレソーネ」を用いて、できるだけ不純物が混入しないようにピークトップを分取することにより行った。分画したGG及びGM画分をロータリーエバポレーターで固形分含量が50%になるように濃縮し、再度クロマト分離装置に付し、再分画を行った。再分画したGG及びGM画分は固形分含量が20%程度になるまで濃縮し、凍結乾燥した。濃縮し、凍結乾燥したGG及びGMをHPLC分析しても目的物以外のピークは検出されず、また、ソモギーネルソン法にしたがって還元力を測定したが、還元性は確認できなかった。
【0048】
実施例7で調製したGM、GGを用いて、種々の試験を行った。以下の試験例において、濃度を表す%は、別に定義する場合を除き、質量/容量%である。
試験例1 甘味度
方法:1.5〜5%のシュクロース水溶液、5%もしくは10%のGM水溶液及びGG水溶液を調製し、GM水溶液及びGG水溶液の甘味に相当するシュクロース水溶液を、8名のパネラーによる官能試験により判定した。
結果:5%GG水溶液を、2.5%シュクロース水溶液と同じ甘味であるとする者が4名、3%シュクロース水溶液と同じ甘味であるとする者が4名であり、GGの甘味度は約55であった。10%GM水溶液を、3%シュクロース水溶液と同じ甘味であるとする者が6名、3.5%シュクロース水溶液と同じ甘味であるとする者が1名であり、2.5%シュクロース水溶液と同じ甘味であるとする者が1名であり、GMの甘味度は約30であった。
【0049】
試験例2 メイラード反応
方法:1%グリシンを含む、グルコース、マルトース、シュクロース、GG、GMの各10%水溶液を調製した。これらの試料50mlをネスラー管(φ25×190mm)に入れ、沸騰浴中に浸漬し、経時的にサンプリングして着色度を測定した。着色度は1cmセルで測定した420nmでの吸光度と720nmでの吸光度との差とした。その結果を図14に示す。縦軸は着色度、横軸は時間を表す。
結果:GG及びGMはグルコース、マルトースに比べ、加熱に対し安定で褐変が少なく、メイラード反応を起こしにくいことが分かった。
【0050】
試験例3 pH加熱安定性
方法:グルコース、シュクロース、GG、GMの各12%水溶液(pH3〜10)を調製した。これらの試料50mlをネスラー管(φ25×190mm)に入れ、沸騰浴中に30分浸漬した後、急冷した。これらの試料をオルガノ製MB3でイオン精製した後、試料の残存量をHPLCで分析した。その結果を図15に示す。縦軸は残存糖量、横軸はpHを表す。
結果:グルコースはpH8以上で、シュクロースはpH5以下で、糖量が減少するのに対し、GG及びGMでは減少が認められず、GG及びGMが幅広いpHに対して安定であることが分かった。
【0051】
試験例4 非う蝕性
方法:常広ら(Biosci. Biotech. Biochem., 61(8), 1317−1322 (1997))の方法に準じて、GG及びGMの非う蝕性について確認した。ハートインフュージョン培地にStreptococcus mutans MT8148を接種し、37℃で18時間培養した。この菌体を1mM PBS緩衝液(pH7.0)で2回洗浄した後、菌体懸濁液を調製した。この菌体懸濁液0.6mlにシュクロース、マルチトール、GG又はGMの各5%糖溶液2.6mlを加え、37℃のインキュベーターで保温し、経時的なpHの変化を測定した。その結果を図16に示す。縦軸はpH、横軸は培養時間を表す。
結果:シュクロースでは培養直後から酸の産生によるpHの低下が認められたのに対し、GG及びGMではpHの低下がほとんどなく、その低下は非う蝕性糖質であるマルチトールと同等であった。
【0052】
試験例5 保湿性、吸湿性
方法:グリセロール、ソルビトール、GG、GMを58%相対湿度で平衡状態にした。吸湿性は79%相対湿度に移したとき、放湿性は32%相対湿度に移したときの質量変化率で示した。その結果を図17に示す。縦軸は質量変化率、横軸は時間を表す。
結果:GG及びGMは、保湿剤として現在広く使用されているグリセロールやソルビトールに比べ、高い保湿性と低い吸湿性を示した。また、GMはGGに比べて保湿性が高く吸湿性は低かった。
【0053】
試験例6 デンプンの老化抑制
方法:2%片栗粉溶液と12%各種糖質溶液とを5mlずつ混合して糊化させた後、4℃で12時間保存した。保存前後の各試料の濁りの比を老化率とし、720nmの吸光度を濁度として測定した。その結果を図18に示す。
結果:GG及びGMは最も高い老化抑制効果を示した。
【0054】
試験例7 蛋白変性抑制
方法:卵白に各種糖質5%を加えて十分に混合し、−20℃の冷凍庫で3日間保存した。冷凍前後の各試料の濁りの比を変性率とし、720nmでの吸光度を濁度として測定した。その結果を図19に示す。
結果:魚肉すり身の蛋白変性防止剤として用いられているソルビトールより、GG及びGMは高い蛋白変性抑制効果を示した。
【0055】
試験例8 ビタミンの安定化
方法:GG又はGMを20%添加したビタミンC水溶液(40mg/100g)水溶液を調製し、経時的に高速液体クロマトグラフィーで残存ビタミンC量を測定した。その結果を図20に示す。縦軸は残存糖量、横軸は時間を表す。
ビタミンCの分析条件
カラム:Shedex Asahipak NH2P−50 4E
溶離液:60mMリン酸(pH2.0)/アセトニトリル=20/80(容量比)
流速:1.0ml/min
検出:254nm
カラム温度:40℃
結果:GG及びGMはビタミンC安定化作用を示し、その作用はGMの方が若干高かった。
【0056】
実施例3におけるピーク1〜4の画分をそれぞれ集めて、減圧濃縮、凍結乾燥して調製したグルコシルグリセロール、及びマルトシルグリセロール、マルトトリオシルグリセロール及びマルトテトラオシルグリセロールを用いて、以下の試験を行った。
試験例9 α−アミラーゼの阻害
方法:α−アミラーゼの阻害活性の測定キットであるダイヤカラー・AMYレート(東洋紡、小野薬品工業)を使用して、グルコシルグリセロール、マルトシルグリセロール、マルトトリオシルグリセロール及びマルトテトラオシルグリセロールのα−アミラーゼ阻害活性を測定した。これらの配糖体の各々の水溶液(1〜100mM)100μl、キット中の基質溶液500μl、及びキット中の500μg/mlブタ膵臓α−アミラーゼ(Sigma)(pH7.0)5μlをセル(1cm×1cm)内で混合し、室温で5分後の吸光度(400nm)を測定した。配糖体を添加しない場合(反応100%)の吸光度をA、配糖体を添加した場合の吸光度をB、酵素及び配糖体を添加しない場合(反応0%)の吸光度をCとして、下記計算式より各々の濃度の阻害率を求めた。
阻害率(%)={(A−B)/(A−C)}×100
これらの阻害率より、α−アミラーゼを50%阻害するときの配糖体の濃度(50%阻害濃度)を求めた(表1)。50%阻害濃度は数値が小さいほど、阻害活性が高いことを示す。グルコシルグリセロールでは、酵素活性を50%阻害するためには終濃度で10mM以上の添加が必要である。それに対して、本発明の配糖体の50%阻害濃度は一桁以上低く、特に、マルトトリオシルグリセロール及びマルトテトラオシルグリセロールでは1mM以下であることから、本発明の配糖体が高いα−アミラーゼ阻害活性を有することが分かる。また、酵素反応液をTLCで展開発色したところ、この条件下では、グルコシルグリセロール及び上記本発明の配糖体はいずれもα−アミラーゼにより加水分解されなかった。
【0057】
【表1】
【0058】
以下に、食品組成物の例を示す。以下の組成物例において、配合率の%は質量%である。
組成物例1 牛乳コーヒー
コーヒー抽出液、砂糖、GM、3.5牛乳、重曹、乳化剤、水を表2の配合率で混合して、牛乳コーヒーを調製した。このGM添加牛乳コーヒーは、対象区に比べて程良く甘みが抑えられている上に十分なボディ感を有しており、良好な風味であった。
【0059】
【表2】
【0060】
組成物例2 清涼飲料水
砂糖、GM、乳酸カルシウム、クエン酸を表3の配合率で予備混合し、45℃の温湯に分散した。濃縮りんご果汁及び香料を加え、容器に充填し、加熱殺菌して清涼飲料水を調製した。このGMを添加した清涼飲料水は、程良く甘みが抑えられている上に十分なボディ感を有しており、良好な風味であった。また、GM添加による濁りなどは確認できなかった。
【0061】
【表3】
【0062】
組成物例3 餡子
グラニュー糖550g、GM150g、水300gを加熱して溶解した。これに赤生餡1000gを3〜4回に分けて加え、加熱し続け、糖度計でBrix58まで煮詰め、餡子を調製した。対照区はグラニュー糖を700gとする以外は全く同じ操作を行った。このGMを添加した餡子は、対照区程に比べて、程良く甘みが抑えられていた。また、風味・食感も良く、表面に十分な照りがあり性状も対照区と同等に良好であった。
【0063】
組成物例4 杵もち
もち米1kgを水でとぎ、水2Lに一夜浸した。水切り後、GMを20g添加し、蒸し釜で蒸した。蒸したもち米を臼に移し、米粒がなくなるまで杵でつき、厚さ2cmくらいにのし棒で伸ばし、冷却した後、適度の大きさに切り分けた。対照区はGMを添加しないことを除き、同様な処理を行った。このGMを添加した杵もちは食感・風味ともに良好であり、対照区に比べて柔らかさが長続きし、長期の保存でもひび割れが発生しにくかった。また、切り分け後、冷凍保存した杵もちを焼いてた場合、ダレの発生がなかった。
【0064】
組成物例5 スポンジケーキ
卵、砂糖及び用いる場合のGMを表4の配合率で予備混合し、60℃で5分、室温で10分間泡立てた。小麦粉を少しずつ混合した後、湯煎で溶かした無塩バターを混合し、型に入れた。180℃のオーブンで30分間焼いてスポンジケーキを調製した。このGMを添加したスポンジケーキは性状・風味・食感が良好であり、対照区に比べて柔らかさが長時間持続していた。
【0065】
【表4】
【0066】
組成物例6 ビタミン・カルシウム錠剤
砂糖、濃縮ヨーグルト、炭酸カルシウム、ビタミンC、ゼラチンを表5の配合率で予備混合し、造粒した。さらに、クエン酸及び香料を混合し、打錠機で打錠してビタミン・カルシウム錠剤を調製した。このGMを添加した打錠菓子は対照区に比べて同等に成型性も良く、良好な風味・食感であった。
【0067】
【表5】
【0068】
組成物例7 うどん
GM、食塩、水を表6の配合割合で予備混合した。小麦粉をミキサーで攪拌しながら、予備混合物を少量ずつ加え15分間ミキシングした。ロールでめん帯を作り、45分間熟成させた。これを圧延ロールで伸ばし、適度な幅と長さに切断した。沸騰水中で12分間ゆで、水洗い後、袋に入れて冷凍した。このGMを添加した冷凍うどんは対照区に比べて保存中の老化や離水が抑えられ、風味・食感も良好であった。
【0069】
【表6】
【0070】
組成物例8 ドレッシング
各原材料を表7の配合割合で混合し、油含量の低い低カロリーのサラダドレッシングを調製した。このGMを添加したドレッシングは対照区に比べてエマルジョン安定性が著しく良く、風味・食感は良好であった。
【0071】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において、数種類のシクロデキストリン合成酵素を、α−グルコシルグリセロールとしての配糖体生成量について比較した結果を示す図である。Aはテルモアナエロバクター、Bはバチラス・ステアロサーモフィラス、Cはバチラス・マセランス、Dはバチラス・サーキュランス由来のシクロデキストリン合成酵素である。
【図2】実施例2において、活性炭カラムクロマトグラフィーにおける生成配糖体の溶出パターンを示す図である。
【図3】実施例2において、得られたピーク1の試料をTOF MSで分析した結果を示す図である。
【図4】実施例2において、得られたピーク2の試料をTOF MSで分析した結果を示す図である。
【図5】実施例2において、得られたピーク3の試料をTOF MSで分析した結果を示す図である。
【図6】実施例2において、得られたピーク4の試料をTOF MSで分析した結果を示す図である。
【図7】実施例2において、得られたピーク5の試料をTOF MSで分析した結果を示す図である。
【図8】実施例2において活性炭カラムクロマトグラフィーで分画した各ピーク画分を、実施例3の条件下でのHPLC(アサヒパックNH2P−50)で分析したクロマトグラムを示す図である。各ピーク番号は図2の各ピーク番号と一致している。図8において、Aは反応液、Bはα−グルコシルグリセロール画分、Cはマルトシルグリセロール画分、Dはマルトトリオシルグリセロール画分、Eはマルトテトラオシルグリセロール画分、Fはマルトペンタオシルグリセロール画分である。B、Cはほぼ単一であり、Aは未反応デンプン沈殿のためのエタノールを含む。またGLはグリセロールである。
【図9】実施例4で得られたα−グルコシルグリセロールA及びBをHPLCで分析したクロマトグラムを示す図である。「活性炭クロマト前」は実施例2で分画したピーク1の画分である。
【図10】実施例4で得られたα−グルコシルグリセロールAの13C−NMR分析スペクトルと構造及び各炭素の帰属結果を示す図である。
【図11】実施例4で得られたα−グルコシルグリセロールBの13C−NMR分析スペクトルと構造及び各炭素の帰属結果を示す図である。
【図12】実施例5において、起源の異なるシクロデキストリン合成酵素をグリセロール濃度の異なる条件で用いて生成する配糖体を、グルコアミラーゼ消化後にHPLC分析して、各条件での生成物量を比較した結果を示す図である。
【図13】実施例6において、起源の異なるシクロデキストリン合成酵素を反応温度の異なる条件で用いて生成する配糖体を、グルコアミラーゼ消化後にHPLC分析して、各条件での生成物量を比較した結果を示す図である。
【図14】メイラード反応の着色度を、実施例7で調製した配糖体混合物(以下、GMという)、α−グルコシルグリセロール(以下、GGという)、グルコース、マルトース、シュクロースについて比較した結果を示す図である(試験例2)。
【図15】pH加熱安定性を、GM、GG、グルコース、シュクロースについて比較した結果を示す図である(試験例3)。
【図16】う蝕性を、GM、GG、シュクロース、マルチトールについて比較した結果を示す図である(試験例4)。
【図17】保湿性、吸湿性を、GM、GG、グリセロール、ソルビトールについて比較した結果を示す図である(試験例5)。
【図18】片栗粉溶液の老化の度合いを、GM、GG、シュクロース、水飴、ソルビトール添加について比較した結果を示す図である(試験例6)。
【図19】卵白の変性率を、GM、GG、シュクロース、マルトース、ソルビトール、水飴添加について比較した結果を示す図である(試験例7)。
【図20】ビタミンCの残存率を、GM、GG、無添加について比較した結果を示す図である(試験例8)。
Claims (10)
- マルトオリゴ糖とグリセロールとが、1分子対1分子の割合で、α−グルコシド結合した配糖体。
- マルトオリゴ糖がグルコース重合度2〜15のものである請求項1記載の配糖体。
- マルトオリゴ糖がグルコース重合度2〜5のものである請求項1記載の配糖体。
- マルトオリゴ糖のグルコース重合度が異なる、請求項1〜3のいずれかに記載の配糖体の混合物。
- α−グルコシルグリセロールを含有する請求項4記載の混合物。
- グリセロールとα−グルカンとの混合物に、シクロデキストリン合成酵素を作用させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の配糖体又は請求項4もしくは5に記載の混合物の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の配糖体又は請求項4もしくは5に記載の混合物を配合した飲食品。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の配糖体又は請求項4もしくは5に記載の混合物を配合した化粧品。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の配糖体又は請求項4もしくは5に記載の混合物を配合した医薬品。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の配糖体又は請求項4もしくは5に記載の混合物にグルコアミラーゼを作用させることを特徴とするα−グルコシルグリセロールの製造方法。
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