JP2004098821A - 作業車及び作業車の伝動装置 - Google Patents

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Shigemi Hidaka
日高 茂實
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Yanmar Co Ltd
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Abstract

【課題】油圧変速機構40による駆動速度との違いにより、定速機構76・121の定速出力により駆動を開始するとき、ショックが生じるような過負荷をトルクリミッタ126によって吸収することができ、切換時の速度差によるショックを低減させ、運転性及び取扱い性を向上させる。
【解決手段】駆動速度を変更する油圧変速機構40と、略定速で駆動する定速機構76・121を備える作業車において、定速機構76・121の定速出力の伝動系にトルクリミッタ126を設けることを特徴とする。
【選択図】   図41

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば左右一対の走行クローラを装設して移動するコンバインまたはトラクタまたは建設車輌などの作業車及び作業車の伝動装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、例えば左右走行クローラを装設したコンバインにおいて、駆動速度を変更する油圧変速機構と、略定速で駆動する定速機構を備え、油圧変速機構と定速機構のいずれか一方によって走行部(走行クローラ)または作業部(刈取部)に駆動力を伝える場合、油圧変速機構と定速機構を切換えるときの車速差または駆動トルク差によってショックが発生し易く、運転性及び取扱い性の向上などを図り得ない等の問題がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
然るに、本発明は、請求項1の如く、駆動速度を変更する油圧変速機構と、略定速で駆動する定速機構を備える作業車において、定速機構の定速出力の伝動系にトルクリミッタを設けるもので、油圧変速機構による駆動速度との違いにより、定速機構の定速出力により駆動を開始するとき、ショックが生じるような過負荷をトルクリミッタによって吸収させ得、切換時の速度差によるショックを低減させることができ、運転性及び取扱い性を向上させ得る。
【0004】
また、請求項2の如く、油圧変速機構と定速機構のいずれか一方によって走行部に駆動力を伝えると共に、走行部を定速回転させる車速定速軸にトルクリミッタを設けるもので、油圧変速機構と定速機構を切換えるときの車速差によって生じるショックをトルクリミッタによって吸収させ得、前記の各機構を切換えるときのショックを低減させ得、運転性を向上させ得る。
【0005】
また、請求項3の如く、油圧変速機構と定速機構のいずれか一方によって作業部に駆動力を伝えると共に、作業部を定速回転させる作業定速軸にトルクリミッタを設けるもので、油圧変速機構と定速機構を切換えるときの駆動トルク差によって生じるショックをトルクリミッタによって吸収させ得、前記の各機構を切換えるときのショックを低減させ得、取扱い性を向上させ得る。
【0006】
また、請求項4の如く、トルクリミッタを内設させる伝動ケース内部の作動油面をトルクリミッタの軸の設置位置よりも高くするものでトルクリミッタに対して充分に潤滑を行わせ得、耐久性を向上させ得、安定したトルクを得られる。
【0007】
また、請求項5の如く、トルクリミッタの軸に油穴を設け、遠心力により強制潤滑するもので、トルクリミッタに対して充分に潤滑油を供給させ得、耐久性を向上させ得、安定したトルクを得られる。
【0008】
また、請求項6の如く、トルクリミッタを内設させる伝動ケースの一部を形成する取外し自在な分離ケースの内側にトルクリミッタを配設させるもので、分離ケースの脱着によってトルクリミッタのメンテナンスを容易に行い得、潤沢な作動油量によってトルクリミッタの耐久性を向上させ得る。
【0009】
また、請求項7の如く、回転軸上で受板と押板を対向させ、複数組の内板とトルク板と外板を前記受板と押板の間に設け、内板を回転軸に係合させ、外板をアウタケースに係合させ、トルク板にトルクローラを設けると共に、回転軸に螺着させるトルクナットにバネ座板を係止させ、バネ座板と押板の間にバネを設け、トルクリミッタを形成するもので、回転軸上にトルクリミッタをコンパクトに配置し得、回転軸にトルクリミッタをユニット構成して組立性及びメンテナンス性などを向上させ得る。
【0010】
また、請求項8の如く、トルク板の長方形の支持孔にトルクローラを回転自在に内挿させ、支持孔の対向する長辺側の開口縁にローラホルダを設け、ローラの軸芯方向の中間の外周をローラホルダによって回転自在に支持するもので、トルクローラの回転抵抗の低減並びにトルクローラの脱落防止を行い得、組立性及びメンテナンス性などを向上させ得る。
【0011】
また、請求項9の如く、回転軸の軸芯を中心とする放射線方向をトルクローラの長手方向とし、トルク板の内周側のトルクローラ端部が伝動回転方向の上手側となり、かつトルク板の外周側のトルクローラ端部が伝動回転方向の下手側になるように、配列させる円周方向に傾斜させるトルクローラをトルク板のローラホルダに支持させるもので、トルクローラの回転抵抗の低減並びにトルクローラの脱落防止を行い得、組立性及びメンテナンス性などを向上させ得る。
【0012】
また、請求項10の如く、回転軸にベアリング軸受を介して伝動ギヤを回転自在に軸支させ、前記伝動ギヤの一側にアウタケースを一体形成するもので、トルクリミッタの構成部品数の削減並びにコンパクト化を行い得、かつ回転軸に対してトルクリミッタをユニット構成して組立性及びメンテナンス性などを向上させ得る。
【0013】
また、請求項11の如く、回転軸の中間を伝動ケースに軸受を介して軸支させ、伝動ケースの内部に突設させる回転軸の一端側にトルクリミッタを設け、伝動ケースの外部に突設させる回転軸の他端側に伝動輪を設けるもので、例えば分離自在な伝動ケースの側面に回転軸を軸支させることにより、分離する側の伝動ケースと一体的にトルクリミッタを着脱し得、組立性及びメンテナンス性などを向上させ得る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1はコンバインの全体の斜視図、図2は同右側面図、図3は平面説明図であり、図中1は左右一対の走行クローラ2を装設する左右一対のトラックフレーム、3は前記の左右トラックフレーム1に架設する機台、4はフィードチェン5を左側に張架し扱胴6及び処理胴を内蔵している脱穀機である脱穀部、7は引起機構8及び刈刃9及び穀稈搬送機構10などを備える刈取部、11は刈取フレーム12を介して刈取部7を昇降させる油圧昇降シリンダ、13は排藁チェン14終端を臨ませる排藁処理部、15は脱穀部4からの穀粒を揚穀筒を介して搬入する穀物タンク、16・17は前記タンク15の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、18は運転操作ハンドル19及び運転席20を備える運転キャビン、21は運転キャビン18下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0015】
さらに、図4乃至図8に示す如く、機台3前側で左右の走行クローラ2の間にミッションケース22を配設させ、ミッションケース22とエンジン21を略直列に前後に設け、ミッションケース22を介して走行クローラ2にエンジン21の駆動力を伝えると共に、脱穀部4前側の機台3上面に左右の支持台23・24を立設させ、支持台23・24に刈取フレーム12を介して刈取部7を昇降自在及び横移動可能に設ける。また、支持台23・24後側の機台3上面にカウンタケース25を設け、脱穀部4及び刈取部7にカウンタケース25を介してエンジン21の駆動力を伝える。
【0016】
さらに、ミッションケース22側方の機台3にキャビン前フレーム26を立設させ、キャビン18のステップフレーム27前部を前フレーム26上部に回動支点軸28を介して設け、支点軸28回りにキャビン18を前方に回動自在に支持させると共に、右の支持台24に左のキャビン後フレーム29を立設させ、機台3に立設させる右のキャビン後フレーム30との間の機台3上面にエンジン21を設け、エンジン21をエンジンルームカバー31で覆う。また、前記カバー31の上方で左右の後フレーム29・30上部をキャビン横フレーム32によって連結させ、キャビン横フレーム32にフックレバー33を設け、キャビン18のステップフレーム27後部を横フレーム32に上載させてフックレバー33により係脱自在に固定させると共に、右の支持台24と前フレーム26の間に水平連結フレーム34を固定させ、水平連結フレーム34中間と横フレーム32中間に傾斜連結フレーム35を固定させ、連結フレーム34・35によってフレーム剛性を確保する。また、左の後フレーム29にオーガ支柱36を連結させて上側にオーガレスト37を設け、昇降及び旋回自在に設ける排出オーガ17をオーガレスト37の本機収納位置に支持させる。
【0017】
さらに、図9乃至図14に示す如く、前記走行クローラ2を駆動するミッションケース22は、1対の油圧走行ポンプ38及び油圧走行モータ39を設けて走行主変速用の油圧式無段変速機構を形成する走行変速部材40と、1対の油圧旋回ポンプ41及び油圧旋回モータ42を設けて旋回用の油圧式無段変速機構を形成する旋回部材43とを備え、前記エンジン21の出力軸44にミッションケース22の入力軸45を介して連結させて前記各ポンプ38・41を駆動するように構成している。
【0018】
また、前記走行モータ39のモータ軸46に、副変速機構47及び差動機構48を介して左右走行クローラ2の各駆動輪49を連動連結させるもので、前記差動機構48は左右対称の1対の遊星ギヤ機構50を有し、各遊星ギヤ機構50は1つのサンギヤ51と、該サンギヤ51の外周で噛合う3つのプラネタリギヤ52と、これらプラネタリギヤ52に噛合うリングギヤ53などで形成している。
【0019】
前記プラネタリギヤ52は、サンギヤ51の遊転軸54と同軸線上の車軸55のキャリヤ56にそれぞれ回転自在に軸支させ、左右のサンギヤ51を挾んで左右のキャリヤ56を対向配置させると共に、前記リングギヤ53は各プラネタリギヤ52に噛み合う内歯を有して車軸55に回転自在に軸支させ、車軸55を延設して駆動輪49を軸支させている。
【0020】
また、走行変速部材40は、走行ポンプ38の斜板角度の変更により走行モータ39の正逆回転と回転数の制御を行うもので、走行モータ39の回転を、モータ軸46と副変速機構47の低速及び高速ギヤ57・58とブレーキ軸59と分岐軸60を介して、左右のリングギヤ53に伝達して左右のキャリヤ56を回転させるように構成している。また前記ブレーキ軸59に駐車ブレーキ61を設けると共に、刈取部7に回転力を伝達する刈取駆動プーリ62を前記モータ軸46に設け、刈取部7を車速同調速度で駆動させる。
【0021】
上記のように、前記分岐軸60を介しリングギヤ53に伝達された走行モータ39の駆動力を、左右の遊星ギヤ機構50を介して左右キャリヤ56に伝達させると共に、左右キャリヤ56に伝達された回転を左右の駆動輪49にそれぞれ伝え、左右走行クローラ2を同一方向に同一速度で駆動するように構成している。
【0022】
さらに、旋回用の油圧式無段変速機構で形成する旋回部材43は、旋回ポンプ41の斜板角度の変更により旋回モータ42の正逆回転と回転数の制御を行うもので、操向出力ブレーキ63を設けるモータ軸64と、操向出力クラッチ65を設けるクラッチ軸66と、前記の左右サンギヤ51に常時噛合させる左右入力ギヤ67・68を設け、旋回モータ42の出力用の前記モータ軸64及び操向出力クラッチ65を介してクラッチ軸66を連結させ、クラッチ軸66に正転ギヤ69及び逆転ギヤ70を介して左右の入力ギヤ67・68を連結させる。そして、右側のサンギヤ51に正転ギヤ69を介してモータ42回転力を伝え、また左側のサンギヤ51に逆転ギヤ70を介してモータ42回転を伝え、旋回モータ42を正転(逆転)時、左右同一回転数で、左サンギヤ51を逆転(正転)させ、かつ右サンギヤ51を正転(逆転)させ、左右走行クローラ2を逆方向に同一速度で駆動するように構成している。
【0023】
而して、旋回モータ42を停止させて左右サンギヤ51を静止固定させた状態で、走行モータ39を駆動すると、走行モータ39の回転は左右のリングギヤ53に同一回転数で伝達され、左右遊星ギヤ機構50のキャリヤ56を介して左右の走行クローラ2が左右同一回転方向で同一回転数によって駆動され、機体の前後方向直進走行が行われる。一方、走行モータ39を停止させて左右のリングギヤ53を静止固定させた状態で、旋回モータ42を正逆回転駆動すると、左側の遊星ギヤ機構50が正或いは逆回転、また右側の遊星ギヤ機構50が逆或いは正回転し、左右走行クローラ2を逆方向に駆動し、機体を左或いは右に旋回させる。また、走行モータ39を駆動させながら、旋回モータ42を駆動することにより、機体が左右に旋回して進路が修正されるもので、機体の旋回半径は旋回モータ42の出力回転数によって決定される。
【0024】
また、前記入力軸45にファン軸71を連結させ、ファン軸71によってエンジン21水冷用のラジエータの冷却ファン72を駆動させると共に、前記の走行及び旋回ポンプ38・41の各ポンプ軸73・74にギヤ群75を介して前記ファン軸71を連結させ、各ポンプ38・41に入力軸45を連結させると共に、走行ポンプ38のポンプ軸73と、走行モータ39のモータ軸46を、定速クラッチ76を介して連結させる定速軸77を設け、定速クラッチ76を入にしたとき、定速軸77を介してポンプ軸73とモータ軸46をギヤ連結させ、走行変速部材40を介することなく、入力軸45の回転を副変速機構47に伝え、エンジン21の定速回転によって左右の走行クローラ2を駆動させ、略一定の車速で走行して収穫作業などを行わせる。なお、旋回ポンプ軸74上にチャージポンプ78を設けて駆動する。
【0025】
さらに、図15に示す如く、走行ポンプ38の斜板79角度を変更して出力調整する主変速シリンダ80と、主変速レバー81及び操向ハンドル19に連結させて切換える変速バルブ82と、走行ポンプ38出力を一定量減速するバルブ83を設け、前記チャージポンプ78を各バルブ82・83を介して主変速シリンダ80に油圧接続させるもので、主変速レバー81によって変速バルブ82を切換え、主変速シリンダ80を作動させて走行ポンプ38の斜板79角度を変更させ、走行モータ39のモータ軸46の回転数を無段階に変化させたり、逆転させる走行変速動作を行わせ、また前記斜板79の角度調節動作によって変速バルブ82が中立復帰するフィードバック動作を行わせ、主変速レバー81の操作量に比例させて前記斜板79角度を変化させ、走行モータ39の回転数を変化させて車速を変更させる。
【0026】
また、走行モータ39の斜板84角度を変更して出力調整する副変速シリンダ85を設け、前記チャージポンプ78に電磁副変速バルブ86を介して副変速シリンダ85を油圧接続させ、副変速バルブ86が中立のときに副変速シリンダ85を油タンクであるミッションケース22に短絡させ、走行モータ39の斜板84角度を主回路油圧によって変化させると共に、副変速バルブ86の切換によって斜板84角度を強制的に変化させ、走行モータ39の出力を高速または低速に変更させる。
【0027】
さらに、旋回ポンプ41の斜板87角度を変更して出力調整する旋回シリンダ88を設け、操向ハンドル19及び主変速レバー81に連結させて切換える旋回バルブ89並びに電磁自動操向バルブ90を介してチャージポンプ78を旋回シリンダ88に油圧接続させ、操向ハンドル19によって旋回バルブ89を切換え、旋回シリンダ88を作動させて旋回ポンプ41の斜板87角度を変更させ、旋回モータ42のモータ軸64の回転数を無段階に変化させたり、逆転させる左右旋回動作を行わせ、また前記斜板87の角度調節動作によって旋回バルブ89が中立復帰するフィードバック動作を行わせ、操向ハンドル19の操作量に比例させて前記斜板87角度を変化させ、旋回モータ42の回転数を変化させて左右旋回角度を変更させる。
【0028】
また、主変速レバー81が中立以外の位置に操作され、操向ハンドル19が直進以外に操作されることにより、主変速レバー81の操作方向と操作量に比例させて走行ポンプ38の油圧出力を増減させ、油圧モータ39を正逆転または増減速させて前後進速度(車速)を変更させると共に、主変速レバー81の操作量に比例させて旋回ポンプ41出力を変化させるもので、高速側走行変速によって旋回半径を自動的に小さくし、かつ低速側走行変速によって旋回半径を自動的に大きくし、操向ハンドル19の一定操作によって走行速度に関係なく左右走行クローラ2の旋回半径を略一定に維持させ、作業走行速度の変更並びに未刈り穀稈列などに機体を沿わせる進路修正などを行わせる。一方、操向ハンドル19の操作量に比例させて各バルブ82・89の制御により旋回ポンプ41出力と走行ポンプ38出力を変化させ、旋回半径(操舵角)を小さく(大きく)したとき、走行速度(車速)を比例させて減速させ乍ら、左右の走行クローラ2の速度差を大きくし、左右に旋回させるもので、左右走行クローラ2の駆動速度を変更して条合せ進路修正並びに圃場枕地でのスピンターンによる方向転換を行い、連続的に穀稈を刈取って脱穀する収穫作業を行う。なお、主変速レバー81が中立のとき、操向ハンドル19の操作に関係なく、旋回バルブ89が中立維持され、旋回ポンプ41の油圧出力が略零に保たれ、旋回モータ42を停止させる。
【0029】
さらに、図14乃至図22に示す如く、前記エンジン21の出力軸44を前側及び後側に突設させ、出力軸44の前側に前記入力軸45を連結させ、出力軸44の後側に作業出力プーリ91を設けると共に、エンジン21の左側で脱穀部4前側の機台3上面にカウンタケース25を設け、入力プーリ92、車速同調プーリ93、脱穀プーリ94、刈取プーリ95、選別プーリ96をカウンタケース25に軸支させ、ケース25後側の入力プーリ92を作業出力プーリ91にテンション脱穀クラッチ97を介してベルト98連結させ、エンジン21の駆動力をカウンタケース25に伝える。また、右支持台24前側のアイドルプーリ99を介してミッションケース22の刈取駆動プーリ62に前記カウンタケース25右側の車速同調プーリ93をベルト100連結させると共に、機台3の前側上面に立設させる支持台23・24に刈取入力ケース101を回転自在に軸支させ、前記ケース101に刈取フレーム12を連結させてケース101回りに刈取部7を回転させて昇降させるもので、前記ケース101左側に刈取入力軸102を介して刈取入力プーリ103を軸支させ、前記カウンタケース25左側の刈取プーリ95を刈取入力プーリ103にベルト104連結させ、刈取部7の各部に駆動力を伝える。
【0030】
また、前記扱胴6の駆動入力プーリ105にカウンタケース25前側の脱穀プーリ94をベルト106連結させ、扱胴6下側の選別唐箕及び揺動選別機構に選別プーリ96から駆動力を伝え、脱穀部6の各部を駆動すると共に、前記カウンタケース25の左側面にフィードチェン入力軸107を設け、外側に移動可能な前記フィードチェン5の駆動スプロケット108に入力軸107から動力を伝える。また、前記穀物タンク15の前側に排出駆動プーリ109を設け、該プーリ109を前記作業出力プーリ91に排出クラッチ110を介してベルト連結させ、排出オーガ17にエンジン21出力を伝えてタンク15の穀粒を排出させる。
【0031】
さらに、前記カウンタケース25に扱胴入力軸111を軸支させ、該軸111を前後方向に延設させ、カウンタケース25前面外側の前記軸111前側に脱穀プーリ94を設け、カウンタケース25の後面外側の前記軸111後側に入力プーリ92を設け、扱胴入力軸111にエンジン21の一定回転動力を入力させて定速回転させる。また、前記カウンタケース25の右側に同調入力軸112を軸支させ、カウンタケース25の右側外側の前記軸112右側に車速同調プーリ93を設け、アイドルプーリ99を介してプーリ62・93間にベルト100を緊張させ、ミッションケース22からカウンタケース25に車速同調動力を入力させる。
【0032】
さらに、前記扱胴入力軸111に右側をベベルギヤ113連結させるカウンタ軸または選別入力軸である定速軸114と、該軸114の前側に略平行に設ける車速同調軸115とを、カウンタケース25に軸支させると共に、刈取変速機構116を形成する低速ギヤ117及び高速ギヤ118を前記各軸114・115の間に設け、低速及び中立及び高速の各刈取変速を行う刈取変速スライダ119によって前記各ギヤ117・118を車速同調軸115に択一的に係合させ、刈取変速を行う。また、前記各ギヤ117・118に同調入力軸112の車速同調回転力を伝える一方向クラッチ120を同調入力軸112上に設け、車速同調プーリ93からの動力を一方向クラッチ120によって伝える前記ギヤ117・118を介して車速同調軸115を回転させるように構成する。
【0033】
さらに、刈取定速機構121を形成する流し込みギヤ122と高速カットギヤ123を前記各軸114・115の間に設け、刈取部7を流し込み駆動または高速カット駆動させる切換スライダ124によって前記各軸114・115に前記各ギヤ122・123を択一的に係合させ、刈取部7を流し込み駆動して走行状態に関係なく刈取部7の穀稈をフィードチェン5側に搬送させる一方、刈取部7を高速カット駆動して車速同調の最高速よりも早い一定回転速度で刈取部7を駆動して倒伏穀稈を刈取る。
【0034】
また、前記カウンタケース25の左側で下部後側に定速軸114の左側端を突出させ、該軸114左側端部に選別プーリ96を軸支させる。さらに、カウンタケース25の左側で下部前側に刈取伝動軸125を軸支させ、該軸125右側を車速同調軸115にトルクリミッタ126を介して連結させ、カウンタケース25左側に突出させる前記軸125の左側端部に刈取プーリ95を軸支させると共に、前記刈取入力軸102に刈取駆動軸127をギヤ128連結させ、刈取駆動軸127に刈取入力プーリ103を軸支させるもので、前記の左の支持台23に支点軸129を介してギヤ128のケースを縦軸回りに回転自在に設け、刈取入力ケース101の左側をギヤ128のケースに固定させ、各ケース101に前記ギヤ128を内設させ、刈取入力軸102の左端側から刈取り動力を入力させ、前記ケース101右端側の刈取フレーム12に内挿させる刈取伝動軸130を介して刈取部7の駆動を行わせる一方、支点軸129回りに機体左側に略水平に刈取部7を回転移動させ、機体内側の各ケース22・25付近のメンテナンス等を行う。
【0035】
さらに、前記カウンタケース25の左側上部に前記フィードチェン入力軸107を軸支させ、フィードチェンクラッチ131を設けるフィードチェン駆動軸132に前記入力軸107をチェン133連結させると共に、定速軸114の回転を車速同調軸115の回転数変化によって変速して伝えるフィードチェン変速機構134を設け、サンギヤ135とプラネタリギヤ136とリングギヤ137を備える遊星ギヤ機構138によって無段変速可能に前記機構134を形成するもので、定速軸114にサンギヤ135を係合軸支させ、定速軸114に遊転支持させるリングギヤ137を車速同調軸115にギヤ139連結させると共に、プラネタリギヤ136を遊転支持させる軸受体140を定速軸114に遊転支持させ、前記フィードチェンクラッチ131を介して前記フィードチェン駆動軸132に軸受体140をギヤ141連結させ、穀稈の搬送に必要な最低回転を確保し乍ら、低い一定回転から高回転にフィードチェン5速度を車速と同調させて変更可能に構成している。
【0036】
また、刈取変速スライダ119を作動させる油圧刈取変速シリンダ142と、切換スライダ124を作動させる油圧刈取定速シリンダ143と、脱穀クラッチ97を入にする油圧脱穀シリンダ144を、前記カウンタケース25の上面蓋である油路ベース145に固定させると共に、前記定速クラッチ76を入にする車速定速シリンダ146を作動させる車速定速バルブ147と、刈取変速シリンダ142を作動させる刈取変速バルブ148と、刈取定速シリンダ143を作動させる刈取定速バルブ149と、脱穀シリンダ144を作動させる脱穀バルブ150とを、前記チャージポンプ78に並列に油圧接続させる。
【0037】
さらに、図15、図23乃至図28に示す如く、前記脱穀クラッチ97をテンションアーム151に軸支させ、カウンタケース25の支軸152にテンションアーム151を回転自在に軸支させ、折曲自在な2本のリンク153・154を介して脱穀シリンダ144のピストンロッド155をテンションアーム151に連結させ、ピストンロッド155の押し(進出)動作により、脱穀クラッチ97を入動作させてベルト98を緊張させる一方、ピストンロッド155の引き(退入)動作により、脱穀クラッチ97を切動作させてベルト98を弛める。また、脱穀クラッチ97を切り側に弾圧させるバネ156をリンク154に連結させると共に、複動型の脱穀シリンダ144のピストンロッド155進出側の油路の戻り側に絞り弁157を設け、ピストンロッド155を遅い速度で進出させて脱穀クラッチ97を入にする一方、ピストンロッド155を速い速度で退入させて脱穀クラッチ97を切にする。
【0038】
上記から明らかなように、エンジン21からの動力を、走行部である走行クローラ2と作業部である脱穀部4及び刈取部7に分配する伝動ケースであるカウンタケース25を備える作業車において、カウンタケース25の一部を形成する油路ベース145に、作業クラッチである脱穀クラッチ97または作業変速用の複数の油圧シリンダ142・143・144を設けるもので、カウンタケース25の内部または外部の両方の切換用として油圧シリンダ142・143・144を利用することができ、油圧切換え構造のコンパクト化並びにメンテナンス性の向上などを行うと共に、作業変速用の油圧シリンダ142・143のピストン160・161をカウンタケース25に内装させ、脱穀クラッチ97用の油圧シリンダ144のピストンロッド155をカウンタケース25に外装させるもので、カウンタケース25の内外に設ける変速またはクラッチ等の切換え構造を、カウンタケース25の一部である油路ベース145周りにコンパクトに配置することができ、切換え反力に対する油圧シリンダ142・143・144の支持剛性を油路ベース145の取付けにより容易に確保でき、組付け取外し性及びメンテナンス性の向上などを行うことができる。
【0039】
また、脱穀クラッチ97を形成するベルトクラッチのテンションアーム151に脱穀クラッチ97用油圧シリンダ144のピストンロッド155を連結させるもので、前記油圧シリンダ144の容量を大きくすることによってベルトクラッチに必要なテンション力を充分に得ることができ、コンパクト化及びメンテナンス性の向上などを行うと共に、脱穀クラッチ97用油圧シリンダ144を複動形にしてベルトクラッチの入と切の両方を油圧操作するもので、前記油圧シリンダ144の容量を大きくすることによってベルトクラッチに必要なテンション力を充分に得ることができ、コンパクト化及びメンテナンス性の向上などを行う。また、油圧チャージポンプ78を利用して脱穀クラッチ97用油圧シリンダ144を駆動するもので、チャージポンプ78の油圧力と、油圧シリンダ144のピストン155径と、テンションアーム151比によりテンション力を容易に決定することができ、テンション調整を不要にしてメンテナンス性の向上させると共に、ベルト98の最大伸び量よりも脱穀クラッチ97用油圧シリンダ144のピストンロッド155ロークを大きくするもので、前記ベルト98が伸びても、テンション調整をすることなく、適正なテンション力を容易に確保することができる。
【0040】
さらに、図15、図27乃至図32に示す如く、前記カウンタケース25の上面に油路ベース145を着脱自在にボルト158止め固定させ、カウンタケース25の上面開口159を閉塞すると共に、油路ベース145上面側に前記の各バルブ148・149・150を固定させ、油路ベース145の下面側に前記の各シリンダ142・143・144を固定させ、カウンタケース25の外側に脱穀シリンダ144を設け、刈取変速シリンダ142と刈取定速シリンダ143をカウンタケース25に内設させる。また、各シリンダ142・143対向する側面から各ピストンロッド160・161を互に反対の方向に突設させると共に、各シリンダ142・143の後側蓋を形成するアーム台162・163に変速アーム164及び定速アーム165一端側の各支点軸166・167を回転自在に下方側から差込んで軸支させ、各アーム164・165の他端側に各ピストンロッド160・161を連結させる。
【0041】
また、前記カウンタケース25内部で車速同調軸115と略平行にフォーク軸168を軸芯回りに回転自在に設け、刈取変速スライダ119を切換える変速フォーク169、並びに切換スライダ124を切換える定速フォーク170を、フォーク軸168に軸芯方向に摺動自在に設けると共に、前記各アーム164・165の中間に設ける各ピン171・172を各フォーク169・170に係合させ、各アーム164・165を各フォーク169・170に連結させ、前記各バルブ148・149制御により各シリンダ142・143のピストンロッド160・161を進出または退入させ、前記各アーム164・165を支点軸166・167回りに揺動させ、変速フォーク169を中立から高速または標準(低速)出力側に移動させる一方、定速フォーク170を中立から高速カットまたは流し込み回転出力側に移動させるように構成している。
【0042】
また、図14、図29、図30に示す如く、前記ピストンロッド160・161にピストンヘッド173を介して背圧ロッド174を固定させ、背圧ロッド174の外周にリング形退入ピストン175を設け、ピストンロッド160・161よりも大径でピストンヘッド173よりも小径に背圧ロッド174を形成し、退入ピストン175の外径をピストンヘッド173よりも大径に形成し、前記バルブ148・149が中立のとき、チャージポンプ78のAポート176圧油によって退入ピストン175をシリンダ142・143の段差177に当接させ、チャージポンプ78のBポート178圧油によってピストンヘッド173を退入ピストン175に当接させるもので、ピストンロッド160・161を油圧力によって中立位置に復動させて支持させる。そして、前記バルブ148・149を切換えたとき、Bポート178を前記バルブ148・149のタンク通路に開放することにより、Aポート176圧油によって背圧ロッド174とヘッド173とピストンロッド160・161が進出する一方、Aポート176を前記バルブ148・149のタンク通路に開放することにより、Bポート178圧油によってヘッド173と背圧ロッド174と退入ピストン175とピストンロッド160,・161が退入するもので、ピストンロッド160・161を介してアーム164・165が中立位置に加圧状態で復動して固定され、バネ等を設けることなくスライダ119・124を中立位置に復帰させて支持できる。また、前記シリンダ142・143の段差177に潤滑ポート179を開設させ、該ポート179をAポート176またはBポート178に連通させる。
【0043】
上記から明らかなように、複動形の油圧刈取変速及び刈取定速シリンダ142・143のピストンロッド160・161及び退入ピストン175を二重構造にして両側に圧力をかけることにより中立に支持されるもので、3位置切換バルブ148・149の中立操作によりピストンロッド160・161及び退入ピストン175を油圧によって中立位置に保持でき、シリンダ142・143本体の一方にピストンロッド160・161を突出させる複動形のシリンダ142・143によって3ポジション切換を適正に行わせることができ、コンパクトで確実な切換え機構を構成でき、刈取変速機構116または定速機構121の一方または両方の切換え構造の簡略化並びに操作性の向上などを図る。
【0044】
さらに、図32に示す如く、前記フォーク169・170をデテントボール180によって中立位置に支持させると共に、フォーク軸168の軸芯方向と直交する方向に頂角を位置させる四角孔形の変速カム181を変速フォーク169のボス部に設け、フォーク軸168と変速カム181にピン182を貫挿させると共に、フォーク軸168に対して斜交させる長孔形の定速カム183を定速フォーク170のボス部に設け、フォーク軸168と定速カム183にピン184を貫挿させる。そして、変速フォーク169を刈取標準(低速)または高速側に切換えることにより、フォーク軸168の軸芯方向の変速カム181の頂角部にピン182が当接し、フォーク軸168の軸芯回りの回転を阻止し、定速フォーク170を中立位置に支持させる。一方、定速フォーク170を高速カットまたは流込回転側に切換えることにより、定速カム180によってピン184を押してフォーク軸168を軸芯回りに回転させ、フォーク軸168の軸芯と直交する方向の変速カム181の頂角部にピン182を当接させ、変速フォーク169の軸芯方向の移動を阻止し、変速フォーク169を中立位置に支持させる。このように、1本のフォーク軸168上に変速フォーク169と定速フォーク170を設け、変速カム181と定速カム183によって各フォーク169・170の動作を相互に規制し、同時切換によるギヤ117・118・122・123噛みなどの発生を防止している。
【0045】
上記から明らかなように、刈取部7の駆動速度を変更する刈取変速機構116と、刈取部7を略定速で駆動する刈取定速機構121を備えるコンバインにおいて、刈取定速機構121が中立のときに刈取変速機構116の切換を可能にしたもので、前記の各機構116・121の異なる回転数の出力が同時に刈取部7に伝えられる不具合をなくすことができ、刈取定速機構121の定速出力を刈取変速機構116の出力に優先させて刈取部7に伝えることにより、刈取部7をスムーズに駆動でき、刈取部7の駆動トラブルの発生を低減させることができ、運転操作性を向上させると共に、刈取定速機構121の定回転操作具である定速フォーク170を中立以外に操作することにより、刈取変速機構116を中立にするもので、刈取定速機構121を中立以外の出力に切換えるとき、刈取変速機構116を中立に戻したり、中立であることを確認する等の手間を省くことができ、運転操作性を向上させる。
【0046】
また、刈取変速機構116を切換える変速操作具である変速フォーク169と、定速機構121を切換える定速フォーク170を、同一の操作軸であるフォーク軸168に設けると共に、前記の各フォーク169・170の切換動作を相互に牽制する規制機構である変速カム181と定速カム183を設けるもので、同一のフォーク軸168を共用して前記の各フォーク169・170を設けるから、各フォーク169・170の組立及び調整を容易に行うことができ、かつ各フォーク169・170をカム181・183により容易に連結させることができ、変速操作構造の簡略化及びコンパクト化並びに変速操作性の向上などを図ると共に、変速及び定回転フォーク169・170を設けるカム軸168を回転自在に設け、フォーク軸168のピン182・184をフォーク169・170の貫通穴に挿入させてカム181・183を形成するもので、前記フォーク軸168を有効に利用してカム181・183を設けることができ、前記ピン182・184と貫通穴によってカム181・183を簡単な構造であり乍ら高機能に構成でき、変速操作構造の簡略化及びコンパクト化並びに変速操作性の向上などを図る。
【0047】
さらに、図17、図20乃至図22に示す如く、前記カウンタケース25に形成する締結座185を機台3にボルト186止め固定させると共に、カウンタケース25の機外側に分離ケース187を着脱自在にボルト188止め固定させ、カウンタケース25の一部を分離ケース187によって形成し、分離ケース187の脱着によってカウンタケース25の機外側面を開閉自在に形成するもので、カウンタケース25と分離ケース187とに、前記各軸107・114・115・125・132を軸支させ、カウンタケース25上面開口159に比べ、分離ケース187を外したときのケース25機外側面の開口面積を大きくし、各軸107・114・115・125・132の脱着及びギヤ交換などを行えるように構成している。
【0048】
上記から明らかなように、エンジン21からの動力を、走行部である走行クローラ2と作業部である脱穀部4及び刈取部7に分配するカウンタケース25を備える作業車において、カウンタケース25の上面に開閉自在な開口部159を設けるもので、前記開口部159を開放させることにより、開口部159を介してカウンタケース25内部のメンテナンスを行うことができ、取扱い性を向上させることができると共に、カウンタケース25の一部を形成する分離ケース187を、カウンタケース25の機外側部の蓋として取外し自在に設け、分離ケース187を取外したときのカウンタケース25の機外側部の開口面積を上面の開口部159よりも大きく形成したもので、前記分離ケース187を取外すことにより、カウンタケース25内部のギヤまたは軸などを交換したり損傷チェックを行うことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
【0049】
また、油圧シリンダ142・143・144及び油圧バルブ148・149・150を装備する油路ベース145によってカウンタケース25上面の開口部159を開閉自在に閉塞するもので、油圧構成部品をユニット化してカウンタケース25の蓋を兼用させるから、コンパクトに構成することができ、かつメンテナンス性を向上させることができると共に、刈取部7の支持部材23・24と分離ケース187を各別に構成すると共に、カウンタケース25を本機に固定させ、カウンタケース25に分離ケース187を固定させるもので、分離ケース187の取付けまたは取外し作業を容易に行うことができ、メンテナンス等の取扱い性を向上させることができる。
【0050】
さらに、図33に示す如く、作業レバー189の脱穀操作を検出する脱穀スイッチ190と、作業レバー189の刈取操作を検出する刈取スイッチ191と、刈取変速スライダ119の低速・高速の切換を行う刈取変速スイッチ192と、主変速レバー81の高速前進及び後進の切換を検出する高速運転スイッチ193及び後進スイッチ194と、作業者の流し込みペダル195の足踏み操作を検出する手動流し込みスイッチ196と、低速・高速の副変速切換を行う副変速スイッチ197とを、マイクロコンピュータで構成する作業コントローラ198に接続させる。
【0051】
また、エンジン21の一定回転出力によって刈取部7を駆動する動作に手動で切換える直接駆動スイッチ199と、該スイッチ199の手動入力を入切する自動スイッチ200と、左右の走行クローラ2の速度(車速)を検出する左及び右車速センサ201・202と、刈取部7の搬送穀稈の有無を検出する穀稈センサ203と、刈取部7に車速同調の駆動力を入力する同調入力軸112の入力回転数を低速ギヤ117を介して検出する刈取入力センサ204と、刈取変速シリンダ142を低速または高速に切換える刈取低速及び刈取高速ソレノイド205・206と、フィードチェンクラッチ131を切にするようにフィードチェンクラッチシリンダを作動させるフィードチェンソレノイド191と、一定回転シリンダ143により切換スライダ124を流し込みギヤ122に係合動作させる流し込みソレノイド208と、定速シリンダ143により切換スライダ124を高速カットギヤ123係合動作させる高速カットソレノイド209とを、作業コントローラ198に接続させ、図34のフローチャートのように、刈取部7を、流し込み速度、または高速カット速度、または車速同調速度で作動させる。
【0052】
また、前記の自動スイッチ200がオンの状態下で高速運転スイッチ193がオンになったときに定速クラッチ76を入にする高速運転ソレノイド211と、前記の副変速スイッチ197の切換によって副変速シリンダ85を作動させて走行モータ39を低速または高速出力にする副変速用低速及び高速ソレノイド212・213と、前記脱穀スイッチ190のオンによって脱穀クラッチ97を入にする脱穀クラッチソレノイド214とを、作業コントローラ198に接続させる。
【0053】
さらに、図34のフローチャートに示す如く、作業レバー189の操作により脱穀スイッチ190がオンになると、フィードチェンソレノイド207をオフにしてフィードチェンクラッチ131を入にし、フィードチェン5の駆動を開始し、かつ脱穀クラッチソレノイド214を作動させて脱穀クラッチ97を入にし、脱穀部4とフィードチェン5を駆動する。
【0054】
また、作業レバー189の操作により刈取スイッチ191がオンになると、車速同調プーリ93を介して主変速駆動力が刈取部7に伝達される。このとき、流し込みペダル195の足踏み操作が行われて流し込みスイッチ196がオンになると、刈取入力センサ204が検出する刈取部7の車速同調の入力回転数が流し込みギヤ122による回転設定以下のとき、刈取変速スライダ119を中立位置に移動させて刈取変速機構116の刈取変速出力を中立にして車速同調入力軸122の伝動をオフにし、かつ流し込みソレノイド208を作動させて流し込みギヤ122を介して刈取部7を高速カットギヤ123よりも低速で定速駆動する。一方、流し込みスイッチ196がオンになったとき、刈取部7の車速同調の入力回転数が流し込みギヤ122による回転設定以上の場合、刈取変速機構116の刈取変速出力を中立にして同調入力軸112の伝動をオフにし、かつ高速カットソレノイド209の動作によって高速カットギヤ123を介して刈取部7を流し込みギヤ122よりも高速の最高回転で定速駆動する。
【0055】
また、後進スイッチ194がオフのときで、車速センサ201・202によって検出する車軸55が停止しているとき、刈取変速機構116を中立にして刈取部7の車速同調駆動を中止する。一方、車軸55が駆動されていると、走行モータ39の副変速出力が低速のときで、刈取入力センサ204が検出する刈取部7の車速同調の入力回転が高速カットギヤ123による回転設定以上のとき、高速カットソレノイド209を作動させ、刈取変速機構116を中立にし、高速カットギヤ123を介して刈取部7を最高速で定速駆動する高速カット動作を行わせる。
【0056】
また、走行モータ39の副変速出力が低速のときで、刈取部7の入力回転が設定以下のときで、自動スイッチ200がオンのとき、直接駆動スイッチ199がオン操作されると、高速運転ソレノイド211を作動させて定速クラッチ76を入にし、走行変速部材40を介することなく、エンジン21の駆動力を定速クラッチ76から副変速機構47に直接伝達させ、高速運転動作させる。
【0057】
また、直接駆動スイッチ199がオフのとき、刈取変速スイッチ197の操作により、刈取変速機構116の刈取変速出力を低速または高速に切換え、各ギヤ117・118の一方を介して車速同調入力により刈取部7を低速または高速駆動し、起立している穀稈を低速で、または倒伏している穀稈を高速で刈取る。
【0058】
上記から明らかなように、最高速手前以下の速度で、油圧変速機構である走行変速部材40の油圧走行ポンプ38の変速出力により、走行部である走行クローラ2及び作業部である刈取部7を駆動すると共に、最高速付近で油圧変速機構40の入力側と出力側を定速機構である定速クラッチ76により直結させる作業車において、最高速の手前の増速により車速を上げた後、刈取部7を車速同調から定速駆動に移行させるもので、最高速手前以下のときに車速に同調した作業速度でスムーズに作業を行うことができる構造で、最高速付近での馬力損失を低減することができると共に、走行変速部材40の入力側と出力側を直結させるときのショック、または刈取部7を車速同調から定速駆動に切換えるときのショックなど、作業者が感じるショックを緩和させることができ、取扱い性を向上させると共に、最高速付近からの減速により、刈取部7を定速駆動から車速同調に移行させた後、車速を下げて最高速手前以下に減速させるもので、刈取部7を定速駆動から車速同調に切換えるときのショック、または走行変速部材40の入力側と出力側の直結を解除させるときのショックなど、作業者が感じるショックを緩和させることができ、取扱い性を向上させる。
【0059】
また、走行変速部材40の油圧走行モータ39を出力可変構造とし、最高速付近よりも低速側で油圧走行モータ39の出力可変を固定させるもので、定速クラッチ76の定速出力によって走行クローラ2及び刈取部7を駆動するとき、走行変速部材40の油圧走行ポンプ38の吐出量と油圧走行モータ39の吐出量が略一致し、油圧走行ポンプ38とモータ39の主油圧回路の圧力がチャージ圧にまで低下することにより、走行変速部材40の損失馬力を回収し得るが、油圧伝動特性が不均一な油圧走行変速機構では、油圧走行ポンプとモータの各吐出量を一致させるのが困難であり、損失馬力の回収を効果的に行えなかったり、負荷を増大させる等の不具合がある。また、油圧走行モータの出力を可変にすることによって油圧走行モータの吐出量を油圧走行ポンプの吐出量に一致させることが行えるが、油圧走行変速機構の出力が不安定になり易い不具合がある。そこで、走行変速部材40の出力によって走行クローラ2及び刈取部7を駆動するとき、油圧走行モータ39の出力を略一定にロックさせるから、油圧走行ポンプ38だけの出力を可変して走行変速部材40の安定した出力により走行クローラ2及び刈取部7を駆動することができ、運転操作性及び取扱い性を向上させると共に、定速クラッチ76の出力操作により油圧走行モータ39の出力可変をフリーにするもので、油圧走行ポンプ38の入力側と油圧走行モータ39の出力側を直結させたとき、油圧走行モータ39の出力調整をフリーにすることにより、油圧走行ポンプ38側の吐出量に応じて主回路油圧が最低になるように油圧走行モータ39が出力調整され、油圧走行ポンプ38とモータ39の各吐出量を容易に一致させることができ、主油圧回路油圧をチャージ圧にスムーズに低下させることができ、油圧変速機構の損失馬力を有効に回収することができる。また、前記のように、走行モータ39の出力可変をフリーにする代わりに、定速クラッチ76を入にする出力操作により、主油圧回路の油圧がチャージ圧になって走行モータ39の出力負荷が略零になるように、低速または高速ソレノイド212・213を自動制御して副変速シリンダ85を作動させ、走行モータ39の吐出量が走行ポンプ38と一致するようにモータ39斜板を強制的に制御することも行える。
【0060】
さらに、図35、図36に示す如く、前記定速軸77とモータ軸46を、低速及び高速ギヤ216・217を備えるロックアップ変速機構218によって連結させ、前記各ギヤ216・217によって複数段のロックアップ車速を作業車速の最高速付近に設定すると共に、副変速シリンダ85によって変更される走行モータ39の低出力(遅い車速)と高出力(速い車速)の間になるように、前記ギヤ216・217のロックアップ車速を設定し、通常の収穫作業中に走行モータ39が低出力から高出力になったときにロックアップ車速に変更できるように構成し、走行モータ39出力をフリーにしてロックアップ車速を出力させる。
【0061】
上記から明らかなように、駆動速度を変更する油圧変速機構である走行変速部材40と、略定速で駆動する定速機構である定速クラッチ76を備える作業車において、定速クラッチ76の定速出力を複数の速度から選択するもので、定速クラッチ76から出力可能な複数段のロックアップ速度を負荷に応じて選択することができ、自動的に選択させることによって出力損失を極めて少なくすることができ、高効率の作業を行うことができ、運転性を向上させる。また、油圧変速機構である走行変速部材40の最高速付近の出力状態下で、走行変速部材40の入力側と出力側を、定速機構である定速クラッチ76とギヤ変速機構であるロックアップ変速機構218により連結させるもので、例えば走行部である走行クローラ2を駆動する車速などを負荷に応じて選択でき、エンジン21の出力損失を低減させて作業効率及び運転性を向上させる。また、走行変速部材40に備える油圧モータである走行モータ39の通常作業用の出力を基準とする一定範囲で変速可能にロックアップ変速機構218の変速出力を設定するもので、例えば走行クローラ2を駆動する車速などを負荷に応じて選択でき、エンジン21の出力損失を低減させて作業効率及び運転性を向上させる。また、定速クラッチ76及びロックアップ変速機構218の略一定出力により駆動しているとき、走行変速部材40に備える走行モータ39の出力設定をフリーにするもので、走行変速部材40に備える油圧ポンプである走行ポンプ38と走行モータ39を油圧接続させる主回路の油圧が最低のチャージ圧になるように走行モータ39が駆動され、エンジン21の出力損失を低減させて作業効率及び運転性を向上させる。
【0062】
さらに、図16、図17、図37乃至図41に示す如く、前記刈取伝動軸125にトルクリミッタ126を設けるもので、前記カウンタケース25の側壁の一部を形成する着脱自在な分離ケース187にトルクリミッタ取付け孔219を開設させ、前記取付け孔219に軸受蓋220を外側から嵌合させて着脱自在にボルト221止め固定させ、カウンタケース25の一部を形成する着脱自在な軸受蓋220に刈取伝動軸125の中間をベアリング軸受222により回転自在に軸支させる。
【0063】
また、前記カウンタケース25の外側に突出させる刈取伝動軸125の一端側に刈取プーリ95を着脱自在なナット223によりキー嵌合固定させると共に、カウンタケース25の内側に挿入させる刈取伝動軸125の他端側に、軸受段部224と、スプライン225と、ネジ226を形成し、平ギヤ形のリミッタ伝動ギヤ227を軸受段部224にベアリング軸受228を介して回転自在に軸支させる。なお、前記プーリ95の外径を軸受蓋220の外形よりも大きく形成し、プーリ95を軸125から取外した状態で軸受蓋220及びボルト221の着脱を行うと共に、前記ギヤ227の外径を取付け孔219よりも小さく形成し、ギヤ227を軸125に取付けた状態で、取付け孔219に軸125と軸受蓋220の嵌合部を出入させるもので、前記ギヤ227を噛合させる平ギヤ229を前記車速同調軸115に係合軸支させ、車速同調軸115にリミッタ伝動ギヤ227を連結させる。
【0064】
さらに、前記リミッタ伝動ギヤ227の側面に一体形成する円筒形のアウタケース230と、刈取伝動軸125上で対向させるドーナツ板形の受板231及び押板232と、同一円周上に複数のトルクローラ233を略等間隔に配列させるドーナツ板形のトルク板234と、刈取伝動軸125の軸芯方向の対向する両側方からトルク板234のトルクローラ233を挾持させるドーナツ平板形の内板235及び外板236と、トルクナット237及びバネ座238を用いて押板232に圧接させる二枚重ねの皿バネ形のトルクバネ239とを、前記トルクリミッタ126に備える。
【0065】
そして、軸受蓋220に刈取伝動軸125を軸支させ、該軸125の軸受段部224にリミッタ伝動ギヤ227を抜出し自在に軸支させ、アウタケース230の内孔240に受板231を内挿させ、複数組の内板235とトルク板234と外板236をアウタケース230に内挿させ、刈取伝動軸125のスプライン225に内板235の内孔を係合軸支させ、略120度間隔に設けるアウタケース230のキー溝241に外板236外周の突起形キー242を係合させる。また、押板232と、トルクバネ239を支持させた座板238を刈取伝動軸125に回転自在に軸支させ、前記軸125のネジ226にトルクナット237を螺着させ、トルクリミッタ126を軸受蓋220及び刈取伝動軸125とユニット構造に組立てるもので、トルクナット237を締付けてトルクバネ239力を調節し、トルクローラ233の伝達トルクを設定する。
【0066】
また、刈取伝動軸125の軸芯部にL形の油穴243を形成し、油穴243の一端側をカウンタケース25の内部に軸125端面で開口させ、油穴243の他端側を刈取伝動軸125のスプライン225形成部の周面に開口させると共に、スプライン225に嵌合させる内板235の内孔に油通し用の切欠244を形成し、多層形の各トルク板234のトルクローラ233に、油穴243及び切欠244を介し、刈取伝動軸125の回転によって発生する遠心力により油穴243からトルクローラ233方向にケース25の油を移動させ、遠心力によって強制的にトルクローラ233に油を送って強制潤滑する。
【0067】
さらに、前記トルクローラ233の円柱形に対して平面視で相似する長方形の支持孔245をトルク板234に形成し、トルクローラ233を支持孔245に回転自在に内挿させると共に、支持孔245の対向する長辺側の開口縁に一対の舌片246を対向させて儲け、トルクローラ233の外周に舌片246を摺接させる。また、トルク板234の外周に形成する折曲げ縁247と同一方向に舌片246を突設させ、トルク板234の軸芯方向の幅をトルクローラ233の外径よりも小さく形成し、トルク板234の両側面にトルクローラ233の外周側を突出させて内板235と外板236に摺接させると共に、ホルダを形成する一対の舌片246の先端側をトルクローラ233の円周方向に折曲げ、トルクローラ233の外周を一対の舌片246によって回転自在に挾持させる。
【0068】
さらに、前記トルク板234の回転中心247を通過する放射線248に対してトルクローラ233の軸芯線249をトルク板234の回転下手側に一定の傾斜角度θで傾斜させるもので、転動軸芯線249がトルク板234の回転中心を含む平面(放射線248)に対して角度θだけ傾斜するようにトルクローラ233を配置させる構成において、車速同調軸114の平ギヤ229を介してアウタケース230を回転駆動させると、各トルクローラ233が内板235と外板236に接しながら転動してトルク板234も回転する。このとき、各トルクローラ233は、外板236の回転軌道に対して前記角度θだけ傾斜した方向に転動しようとするのを、トルク板234で規制されながら外板236の回転軌道の方向に移動するため、前記トルクバネ239圧に比例した摩擦抵抗が発生し、しかも、各トルクローラ233は転動しながら滑り摩擦を発生させるので、静摩擦は発生せず、常に動摩擦による安定した摩擦抵抗力が得られる。また、刈取伝動軸125側の刈取駆動負荷が増加したとき、または平ギヤ229側の入力速度の変更によりアウタケース230の回転速度が高速側に急変したとき、内板235と外板236の各回転トルク差が増大してトルクローラ233の摩擦抵抗力よりも大きくなることにより、内板235と外板236がトルクローラ233に対して摺動して伝達動力が遮断される。
【0069】
上記から明らかなように、油圧変速機構40と定速機構121のいずれか一方によって作業部である刈取部7に駆動力を伝えると共に、刈取部7を定速回転させる刈取作業定速軸125にトルクリミッタ126を設けるもので、油圧変速機構40と定速機構121を切換えるときの駆動トルク差によって生じるショックをトルクリミッタ126によって吸収させ、前記の各機構40・121を切換えるときのショックを低減させ、取扱い性を向上させると共に、トルクリミッタ126を内設させる伝動ケースであるカウンタケース25内部の作動油面をトルクリミッタ126の軸125の設置位置よりも高くするもので、トルクリミッタ126に対して充分に潤滑を行わせ、耐久性を向上させ、安定したトルクを得る。また、トルクリミッタ126の軸125に油穴243を設け、遠心力により強制潤滑するもので、トルクリミッタ126に対して充分に潤滑油を供給させ、耐久性を向上させ、安定したトルクを得ると共に、トルクリミッタ126を内設させるカウンタケース25の一部を形成する取外し自在な分離ケース187の内側にトルクリミッタ126を配設させるもので、分離ケース187の脱着によってトルクリミッタ126のメンテナンスを容易に行わせ、潤沢な作動油量によってトルクリミッタ126の耐久性を向上させる。
【0070】
また、回転軸である刈取伝動軸125上で受板231と押板232を対向させ、複数組の内板235とトルク板234と外板236を前記受板231と押板232の間に設け、内板235を伝動軸125に係合させ、外板236をアウタケース230に係合させ、トルク板234にトルクローラ233を設けると共に、伝動軸125に螺着させるトルクナット237にバネ座板238を係止させ、バネ座板238と押板232の間に皿バネ形のトルクバネ239を設け、トルクリミッタ126を形成するもので、伝動軸125上にトルクリミッタ126をコンパクトに配置させ、伝動軸125にトルクリミッタ126をユニット構成して組立性及びメンテナンス性などを向上させる。また、トルク板234の長方形の支持孔245にトルクローラ233を回転自在に内挿させ、支持孔245の対向する長辺側の開口縁にローラホルダである一対の舌片246を対向させて設け、ローラ233の軸芯方向の中間の外周を一対の舌片246によって回転自在に挾むもので、トルクローラ233の回転抵抗の低減並びにトルクローラ233の脱落防止を行い、組立性及びメンテナンス性などを向上させる。
【0071】
また、伝動軸125の軸芯を中心とする放射線方向をトルクローラ233の長手方向とし、トルク板234の内周側のトルクローラ233端部が伝動回転方向の上手側となり、かつトルク板234の外周側のトルクローラ233端部が伝動回転方向の下手側になるように、配列させる円周方向に傾斜させるトルクローラ233をトルク板234の一対の舌片246に支持させるもので、トルクローラ233の回転抵抗の低減並びにトルクローラ233の脱落防止を行い、組立性及びメンテナンス性などを向上させる。
【0072】
また、伝動軸125にベアリング軸受228を介して伝動ギヤ227を回転自在に軸支させ、前記伝動ギヤ227の一側にアウタケース230を一体形成するもので、トルクリミッタ126の構成部品数の削減並びにコンパクト化を行い、かつ伝動軸125に対してトルクリミッタ126をユニット構成して組立性及びメンテナンス性などを向上させる。また、伝動軸125の中間を伝動ケースである軸受蓋220に軸受222を介して軸支させ、軸受蓋220の内部に突設させる伝動軸125の一端側にトルクリミッタ126を設け、軸受蓋220の外部に突設させる伝動軸125の他端側に伝動輪であるプーリ95を設けるもので、例えば分離自在な軸受蓋220に伝動軸125を軸支させることにより、分離する側の軸受蓋220と一体的にトルクリミッタ126を着脱させ、組立性及びメンテナンス性などを向上させる。
【0073】
さらに、図42、図43に示す如く、ミッションケース22の定速軸77上に、図40及び図41に示すトルクリミッタ126を設けるもので、定速クラッチ76と平ギヤ229を介してポンプ軸73に伝動ギヤ227を連結させるもので、油圧変速機構である走行変速部材40と車速定速機構である定速クラッチ76のいずれか一方によって走行部である走行クローラ2に駆動力を伝えると共に、走行クローラ2を定速回転させる車速定速軸77にトルクリミッタ126を設けるもので、油圧変速機構40と定速クラッチ76を切換えるときの車速差によって生じるショックをトルクリミッタ126によって吸収させ、前記の各機構を切換えるときのショックを低減させ、運転性を向上させる。
【0074】
上記から明らかなように、駆動速度を変更する油圧変速機構である走行変速部材40と、略定速で駆動する車速定速機構である定速クラッチ76または刈取定速機構121を備える作業車において、定速クラッチ76または定速機構121の定速出力の伝動系にトルクリミッタ126を設けるもので、走行変速部材40による駆動速度との違いにより、定速クラッチ76または定速機構121の定速出力により駆動を開始するとき、ショックが生じるような過負荷をトルクリミッタ126によって吸収させ、切換時の速度差によるショックを低減させ、運転性及び取扱い性を向上させる。
【0075】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、請求項1の如く、駆動速度を変更する油圧変速機構40と、略定速で駆動する定速機構76・121を備える作業車において、定速機構76・121の定速出力の伝動系にトルクリミッタ126を設けるもので、油圧変速機構40による駆動速度との違いにより、定速機構76・121の定速出力により駆動を開始するとき、ショックが生じるような過負荷をトルクリミッタ126によって吸収することができ、切換時の速度差によるショックを低減させることができ、運転性及び取扱い性を向上させることができる。
【0076】
また、請求項2の如く、油圧変速機構40と定速機構76のいずれか一方によって走行部2に駆動力を伝えると共に、走行部2を定速回転させる車速定速軸にトルクリミッタ126を設けるもので、油圧変速機構40と定速機構76を切換えるときの車速差によって生じるショックをトルクリミッタ126によって吸収することができ、前記の各機構を切換えるときのショックを低減させることができ、運転性を向上させることができる。
【0077】
また、請求項3の如く、油圧変速機構40と定速機構121のいずれか一方によって作業部7に駆動力を伝えると共に、作業部7を定速回転させる作業定速軸125にトルクリミッタ126を設けるもので、油圧変速機構40と定速機構121を切換えるときの駆動トルク差によって生じるショックをトルクリミッタ126によって吸収することができ、前記の各機構40・121を切換えるときのショックを低減させることができ、取扱い性を向上させることができる。
【0078】
また、請求項4の如く、トルクリミッタ126を内設させる伝動ケース25内部の作動油面をトルクリミッタ126の軸125の設置位置よりも高くするもので、トルクリミッタ126に対して充分に潤滑を行わせることができ、耐久性を向上させることができ、安定したトルクを得ることができる。
【0079】
また、請求項5の如く、トルクリミッタ126の軸125に油穴243を設け、遠心力により強制潤滑するもので、トルクリミッタ126に対して充分に潤滑油を供給させることができ、耐久性を向上させることができ、安定したトルクを得ることができる。
【0080】
また、請求項6の如く、トルクリミッタ126を内設させる伝動ケース25の一部を形成する取外し自在な分離ケース187の内側にトルクリミッタ126を配設させるもので、分離ケース187の脱着によってトルクリミッタ126のメンテナンスを容易に行うことができ、潤沢な作動油量によってトルクリミッタ126の耐久性を向上させることができる。
【0081】
また、請求項7の如く、回転軸125上で受板231と押板232を対向させ、複数組の内板235とトルク板234と外板236を前記受板231と押板232の間に設け、内板235を回転軸125に係合させ、外板236をアウタケース230に係合させ、トルク板234にトルクローラ233を設けると共に、回転軸125に螺着させるトルクナット237にバネ座板238を係止させ、バネ座板238と押板232の間にトルクバネ239を設け、トルクリミッタ126を形成するもので、回転軸125上にトルクリミッタ126をコンパクトに配置でき、回転軸125にトルクリミッタ126をユニット構成して組立性及びメンテナンス性などを向上させることができる。
【0082】
また、請求項8の如く、トルク板234の長方形の支持孔245にトルクローラ233を回転自在に内挿させ、支持孔245の対向する長辺側の開口縁にローラホルダ246を設け、ローラ233の軸芯方向の中間の外周をローラホルダ246によって回転自在に支持するもので、トルクローラ233の回転抵抗の低減並びにトルクローラ233の脱落防止を行うことができ、組立性及びメンテナンス性などを向上させることができる。
【0083】
また、請求項9の如く、回転軸125の軸芯を中心とする放射線方向をトルクローラ233の長手方向とし、トルク板234の内周側のトルクローラ233端部が伝動回転方向の上手側となり、かつトルク板234の外周側のトルクローラ233端部が伝動回転方向の下手側になるように、配列させる円周方向に傾斜させるトルクローラ233をトルク板234のローラホルダ246に支持させるもので、トルクローラ233の回転抵抗の低減並びにトルクローラ233の脱落防止を行うことができ、組立性及びメンテナンス性などを向上させることができる。
【0084】
また、請求項10の如く、回転軸125にベアリング軸受228を介して伝動ギヤ227を回転自在に軸支させ、前記伝動ギヤ227の一側にアウタケース230を一体形成するもので、トルクリミッタ126の構成部品数の削減並びにコンパクト化を行うことができ、かつ回転軸125に対してトルクリミッタ126をユニット構成して組立性及びメンテナンス性などを向上させることができる。
【0085】
また、請求項11の如く、回転軸125の中間を伝動ケース220に軸受222を介して軸支させ、伝動ケース220の内部に突設させる回転軸125の一端側にトルクリミッタ126を設け、伝動ケース220の外部に突設させる回転軸125の他端側に伝動輪95を設けるもので、例えば分離自在な伝動ケース220の側面に回転軸125を軸支させることにより、分離する側の伝動ケース220と一体的にトルクリミッタ126を着脱でき、組立性及びメンテナンス性などを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの斜視図。
【図2】同側面図。
【図3】同平面説明図。
【図4】前部機体の側面説明図。
【図5】同正面説明図。
【図6】駆動部の側面説明図。
【図7】同正面説明図。
【図8】同平面説明図。
【図9】同ミッションケースの駆動系統図。
【図10】同平面図。
【図11】同断面背面図。
【図12】前図の拡大図。
【図13】同拡大図。
【図14】エンジン出力系統図。
【図15】油圧回路図。
【図16】カウンタケースの駆動系統図。
【図17】同断面平面図。
【図18】同拡大図。
【図19】同断面側面図。
【図20】同外観正面図。
【図21】同平面図。
【図22】同側面図。
【図23】脱穀クラッチ部の平面図。
【図24】同背面図。
【図25】同部分図。
【図26】脱穀シリンダ部の断面図。
【図27】油路ベースの底面図。
【図28】同断面側面図。
【図29】刈取変速シリンダ部の断面図。
【図30】刈取定速シリンダ部の断面図。
【図31】フォーク軸部の断面背面図。
【図32】同説明図。
【図33】制御回路図。
【図34】前図のフローチャート。
【図35】図9の変形例を示す説明図。
【図36】図12の変形例を示す説明図。
【図37】トルクリミッタ取付説明図。
【図38】同拡大説明図。
【図39】同分解説明図。
【図40】同展開説明図。
【図41】図39の拡大説明図。
【図42】図9の変形例の説明図。
【図43】ミッションケースの断面説明図。
【符号の説明】
2    走行クローラ(走行部)
7    刈取部(作業部)
25   カウンタケース(伝動ケース)
40   油圧変速機構
76   定速クラッチ(車速定速機構)
77   車速定速軸
95   プーリ(伝動輪)
121  定速機構
125  刈取伝動軸(回転軸、刈取作業定速軸)
126  トルクリミッタ
187  分離ケース
220  軸受蓋(伝動ケース)
227  伝動ギヤ
228  ベアリング軸受
230  アウタケース
231  受板
232  押板
233  トルクローラ
234  トルク板
235  内板
236  外板
237  トルクナット
238  バネ座板
239  バネ
243  油穴
245  支持孔
246  舌片(ローラホルダ)

Claims (11)

  1. 駆動速度を変更する油圧変速機構と、略定速で駆動する定速機構を備える作業車において、定速機構の定速出力の伝動系にトルクリミッタを設けることを特徴とする作業車。
  2. 油圧変速機構と定速機構のいずれか一方によって走行部に駆動力を伝えると共に、走行部を定速回転させる車速定速軸にトルクリミッタを設けることを特徴とする作業車。
  3. 油圧変速機構と定速機構のいずれか一方によって作業部に駆動力を伝えると共に、作業部を定速回転させる作業定速軸にトルクリミッタを設けることを特徴とする作業車。
  4. トルクリミッタを内設させる伝動ケース内部の作動油面をトルクリミッタの軸の設置位置よりも高くすることを特徴とする作業車。
  5. トルクリミッタの軸に油穴を設け、遠心力により強制潤滑することを特徴とする作業車。
  6. トルクリミッタを内設させる伝動ケースの一部を形成する取外し自在な分離ケースの内側にトルクリミッタを配設させることを特徴とする作業車。
  7. 回転軸上で受板と押板を対向させ、複数組の内板とトルク板と外板を前記受板と押板の間に設け、内板を回転軸に係合させ、外板をアウタケースに係合させ、トルク板にトルクローラを設けると共に、回転軸に螺着させるトルクナットにバネ座板を係止させ、バネ座板と押板の間にバネを設け、トルクリミッタを形成することを特徴とする作業車の伝動装置。
  8. トルク板の長方形の支持孔にトルクローラを回転自在に内挿させ、支持孔の対向する長辺側の開口縁にローラホルダを設け、ローラの軸芯方向の中間の外周をローラホルダによって回転自在に支持することを特徴とする作業車の伝動装置。
  9. 回転軸の軸芯を中心とする放射線方向をトルクローラの長手方向とし、トルク板の内周側のトルクローラ端部が伝動回転方向の上手側となり、かつトルク板の外周側のトルクローラ端部が伝動回転方向の下手側になるように、配列させる円周方向に傾斜させるトルクローラをトルク板のローラホルダに支持させることを特徴とする作業車の伝動装置。
  10. 回転軸にベアリング軸受を介して伝動ギヤを回転自在に軸支させ、前記伝動ギヤの一側にアウタケースを一体形成することを特徴とする作業車。
  11. 回転軸の中間を伝動ケースに軸受を介して軸支させ、伝動ケースの内部に突設させる回転軸の一端側にトルクリミッタを設け、伝動ケースの外部に突設させる回転軸の他端側に伝動輪を設けることを特徴とする作業車。
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