JP2004098459A - 発泡構造体及びその成形方法 - Google Patents

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小池 寧
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Abstract

【課題】外観の良い発泡成形品を低コストで生産できるようにする。
【解決手段】成形前の熱可塑性樹脂材料123に不活性ガスを浸透させ、射出成形機によって射出成形することにより、微細なセル構造の発泡構造体を成形するための発泡構造体の成形方法であって、射出成形機の金型21,22内に、発泡構造体を装飾する装飾部材3を配置する配置工程と、装飾部材が配置された金型内に溶融状態の熱可塑性樹脂材料を射出する射出工程とを備える。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱可塑性樹脂の射出成形技術に関し、詳しくは不活性ガスを用いて射出成形時に主に金型内で樹脂を発泡させ、微細な独立セル構造の発泡構造体を成形する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂の微細発泡成形技術としては、米国のマサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology。以下、「MIT」と略す)が開発したマイクロセルラ・フォーム(MicroCellular Foam。以下、「MCF」と略す)が知られている。この成形方法によれば表皮は無発泡のスキン層を形成する一方で、内部は独立した微細な発泡セルで構成される。
【0003】
MITが出願したMCFに関する特許のうち、セル構造の生成に関するものの一つは米国特許第4473665号である。高分子材料に独立セルを生成する方法はクレーム6に記載されており、その内容は、「(a)高い圧力下の、材料のガラス転移温度より低温で、一定濃度のガスを材料に浸透させ、(b)成形可能なように溶融状態まで加熱し、(c)材料の中で核生成(nucleation)が起きないように十分に圧力を高くし、(d)材料にガスが過浸透し、非常に多くのセルが核生成を起こす状態まで温度と圧力を下げ、(e)核生成が起きた後、2〜25μmの気泡(voids)が生成された発泡高分子材料が出来るよう、セルが成長しないように、すぐに材料の温度を下げる。」というものである。その他、ガスが不活性ガス(non−reactive gas)であること、材料に浸透させるガスの量が1〜4cc/gであること、生成される気泡の比率(fraction)を5〜30%とすること、なども提案されている。
【0004】
従来の発泡成形法としては化学的発泡(chemical blowing)や物理的発泡(physical blowing)などがあるが、これら成形法による成形品は発泡セルが100μm以上と大きく、結果として材料強度を落としてしまっていた。
【0005】
一方MCF成形は、通常のソリッド成形と比較して5〜30%の軽量化による材料削減効果が得られるのに加え、剛性がわずかに劣化するもほぼ同じ強度が得られることから、小型軽量化、コストダウンが必須な電気電子機器等の部品への応用が期待できるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、MCF成形法では成形品表面にスワールマーク(swirl mark)が発生し、少なくとも外観意匠を持つ部品としては美観的に受け入れられないものであった。このスワールマークは、通常の射出成形でシルバーストリーク(銀状、silver streak)として見られる成形品表面の箒状模様と同じ原理で発生するとされている。図3を用いてその原理を説明する。
【0007】
樹脂は、金型1001、1002で作られたキャビティ内を図中左側から矢印Aの方向に流れる(図3(a))。このとき樹脂の流動先端(フローフロント、flow front)1003が移動するに連れ、材料中の気泡がファウンテンフロー(fountain flow)1004によりキャビティ壁面(金型面)に噴出し(図3(b))、さらに樹脂流動により押し付けられ、1005のように引き伸ばされて、最終的に箒状模様となるものである(図3(c))。
【0008】
外観意匠に適用する部品にとって、スワールマークは商品の価値を下げるものであり、改善する必要があった。
【0009】
特公昭62−016166号公報には、所謂カウンタープレッシャー法による成形方法が開示されており、スワールマーク改善の有効な技術のひとつではある。しかしながらこの方法では金型を密閉金型とする必要があり、金型加工の当初から成形方法を決定している必要がある。また、通常の射出成形に比べると金型にかかる費用が増大してしまう。
【0010】
また、特許第3218397号公報には、前記カウンタープレッシャー法によりスワールマークを改善するのに加え、特定量の二酸化炭素を溶融樹脂に溶解させ粘度を低減させることにより、生産性を向上させる、経済的にも優れた成形技術が開示されている。溶融粘度が下がるため、特に薄肉部品での成形性に効果を発揮する技術のひとつである。ところが、金型は密閉金型とする必要があり、特に外観部品のような大型の金型を密閉系に保つためには、金型費用はかなり増大してしまう。
【0011】
特開2002−036288号公報には、外装面にフィルム層を形成したサンドイッチ成形の技術が開示されている。この技術は、スキン層の外にはみ出したコア層を隠すために、スキン層の上にフィルム層を形成するものである。しかしながらスキン層がコア層により破られた状態においては、スキン層の一体性が崩れ、成形品の強度が落ちてしまう。この強度低下をフィルム層で補おうとした場合、フィルムと成形品の材料に相溶性がないと密着性に劣るため、強度低下を補うのに十分な補強をすることができない。
【0012】
更に、サンドイッチ成形とフィルムインモールド成形のそれぞれの工程を組み合わせているため、特にサンドイッチ成形の部分で高額な設備投資が必要となり、また成形コストも高額になってしまう。
【0013】
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、外観の良い発泡成形品を低コストで生産できるようにすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる発泡構造体の成形方法は、成形前の熱可塑性樹脂材料に不活性ガスを浸透させ、射出成形機によって射出成形することにより、微細なセル構造の発泡構造体を成形するための発泡構造体の成形方法であって、前記射出成形機の金型内に、前記発泡構造体を装飾する装飾部材を配置する配置工程と、前記装飾部材が配置された金型内に溶融状態の前記熱可塑性樹脂材料を射出する射出工程とを備えることを特徴としている。
【0015】
また、この発明に係わる発泡構造体の成形方法において、前記配置工程では、前記金型の固定側の金型部材と可動側の金型部材の間にフィルムを挟持させ、前記発泡構造体の表面の少なくとも一部にフィルム層を形成することを特徴としている。
【0016】
また、この発明に係わる発泡構造体の成形方法において、前記フィルムには意匠デザインが施されていることを特徴としている。
【0017】
また、この発明に係わる発泡構造体の成形方法において、前記配置工程では、前記金型の固定側の金型部材と可動側の金型部材の間に転写層を有する転写フィルムを挟持させ、前記発泡構造体の表面の少なくとも一部に転写層を転写することを特徴としている。
【0018】
また、この発明に係わる発泡構造体の成形方法において、前記転写フィルムの転写層には意匠デザインが施されていることを特徴としている。
【0019】
また、本発明に係わる発泡構造体は、上記の成形方法により成形されたことを特徴としている。
【0020】
また、この発明に係わる発泡構造体において、前記発泡構造体は所定の装置の外観を構成する部品であり、前記フィルム層又は転写層を外観面とすることを特徴としている。
【0021】
また、この発明に係わる発泡構造体において、前記発泡構造体の表面に形成された前記フィルム層又は転写層は、前記熱可塑性樹脂に対して相溶性のある材質からなることを特徴としている。
【0022】
また、この発明に係わる発泡構造体において、前記発泡構造体の表面に形成された前記フィルム層又は転写層の重量は、前記発泡構造体の重量の0.5%以下の重量であることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0024】
本実施形態では、成形前の熱可塑性樹脂ペレットに適当な温度と圧力の状態下で不活性ガスを浸透させ、射出成形機によって射出成形することによって温度と圧力を開放し、射出成形品に微細な独立セル構造の発泡構造体を形成する微細発泡品の成形方法において、成形同時加飾技術により、樹脂成形品の一部または全部に加飾を施している。
【0025】
前記成形同時加飾技術としては、成形用金型の固定側と可動側の間にフィルムを挟持した状態で、前記熱可塑性樹脂ペレットを射出成形することにより、樹脂成形品の一部または全部にフィルム層を形成するラミネート成形であるとか、または、前記フィルムを転写フィルムとすることによって、樹脂成形品の一部または全部に転写層を転写する転写成形であるとよい。
【0026】
加えて、前記樹脂成形品が外観部品の場合は、前記フィルム層形成面を外観面とするとよい。
【0027】
上記技術により、スワールマークをフィルム層あるいは転写層で隠すことができるため、商品の外観を損なうことがない。
【0028】
更に、フィルムに予め意匠模様などを印刷するとよい。これによりスワールマークを隠すだけでなく、逆にコストを上げずに意匠性を高めることができる。例えば、カラーコンパウンディング(color compounding)により樹脂そのものに着色する場合、色の分散や再現性に限りがあるが、フィルムへの印刷であれば、特に金属・メタリック調の色表現の自由度が高くなり、意匠性を高めることができる。
【0029】
ラミネート成形のフィルムに予め印刷を施す場合、フィルムの材質は前記熱可塑性樹脂と相溶性のある樹脂から成るとよい。
【0030】
近年、環境保護意識の高まりとともに、従来から行われている金属材料リサイクルの他に、石油化学製品のリサイクル、再利用等の動きが強まってきている。代表的な環境規格にドイツ国の「Blue Angel」があるが、日本でも日本環境協会により各カテゴリーで「エコマーク」認定が行われている。事務機製品関連でも1999年11月にパーソナルコンピュータと複写機、2001年10月にプリンタの「エコマーク」が制定されている。この中に「材料の適合性をチェック」あるいは「VDI2243を満たすこと」という表記があり、これが材料間に相溶性を要求している事項となっている。
【0031】
図4は材料間の相溶性を示す図であり、VDI2243(Verien Deutscher Ingenieure:ドイツ技術者協会、1993年10月版)に掲載されている。図4において、例えば樹脂成形品をABS樹脂(Acrylonitrile_Butadiene_Styrene RESIN )製とした場合には、フィルムはABS樹脂、PC樹脂(Polycarbonate RESIN)、PMMA樹脂(Polymethyl Methacrylate RESIN)、のいずれかの材質から成るものであるとよい。
【0032】
上記微細発泡成形品のリサイクルを考慮した場合、前記ラミネート成形に用いるフィルムの重量が、前記微細発泡成形品の重量の0.5%以下であるとよい。その場合、該フィルム表面において、印刷するために使用されるインクの全表面積と該フィルムの全表面積との間の比率は任意でよい。
【0033】
リサイクルの中でも技術的なハードルの高い、ホリゾンタルリサイクル(horizontal recycle:使用済み品の品質を、元の製品のヴァージン材の品質と同程度にして再利用すること)を行うために必要な技術を、本願出願人は特願2001−188517号公報に開示している。これによれば、熱可塑性樹脂成形品に相溶性シートを貼付する場合、該シートの重量を被着体である熱可塑性樹脂成形品の重量の0.5%以下にすることにより、ヴァージン材に対して物性劣化のほとんどない再生プラスチック材料を得ることができる。
【0034】
この技術は微細発泡成形品にも有効である。前記ラミネート成形に用いるフィルムが被着体である前記熱可塑性樹脂と相溶性があり、該フィルムの重量を、前記微細発泡成形品の重量の0.5%以下とすることにより、ラミネートされた微細発泡成形品の材料としての再利用が容易となる。
【0035】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
【0036】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る射出成形装置の全体構成を説明する概要図であり、図2の(a)から(d)は、本実施形態の射出成形プロセスを説明する概略断面図であり、インモールドラミネート成形を例に挙げている。
【0037】
1は射出成型機、2は金型、3は加飾フィルム、5は超臨界流体発生装置(SCF装置)、7はフィルム搬送装置である。11は材料ホッパ、12は可塑化装置(シリンダ)、13はスクリュー制御装置、14は固定側型盤、15は可動側型盤、16は型締め装置、17は射出成型機の制御装置、51は不活性ガスボンベ、53、54はガス供給管、52はSCF注入装置、71はフィルム巻出しロール、72はフィルム巻取りロール、73、74はガイドロール、75、76はロールホルダ、である。
【0038】
不図示の除湿乾燥機によって乾燥された熱可塑性樹脂ペレットは、例えば給送ポンプなどにより一定量が材料ホッパ11に供給される。材料ホッパ11内の材料は、成形が進むに従い、順次可塑化装置12に送られていく。
【0039】
次に樹脂は、可塑化装置12の中で、スクリュー120の回転と射出成形機1からの背圧により、順次ノズル124の側に可塑化しつつ送られていく。不活性ガスボンベ51のガスは、SCF装置5により超臨界状態とされ、SCF注入装置52を介して可塑化装置12に送り込まれる。
【0040】
超臨界流体が浸透した溶融樹脂は、スクリュー120の移動により金型2内に射出される。金型2にはインモールドフィルム3が配置されており、溶融樹脂の射出成形とともに熱融着し、フィルムインモールドされた微細発泡成形品を得ることができる。
【0041】
図2を用いて、それぞれの工程を更に詳しく説明する。
【0042】
図2において、(a)は金型が開いた状態を示す。可動側型盤15に取付けられた可動側金型22は、型締め装置16の動作により図中左に移動された位置にある。このとき、フィルム巻出し装置71から加飾フィルム3が所定量送り出され、定位置に位置決めされる。加飾フィルム3はPC樹脂製であり、例えば会社ロゴや製品名称、地色などがスクリーン印刷などにより印刷されている。
【0043】
本実施形態で使用する熱可塑性樹脂ペレットはPC+ABSアロイ樹脂(PC+ABS Polymer Alloy)であり、加飾フィルムと相溶性のある材料である。樹脂ペレットは、後述する(d)の工程で既に可塑化されており、CSF注入装置52を通じて不活性ガスが含浸され、所定量が溶融部123に保持されている。
【0044】
この状態で、シリンダ12のノズル124の先端は固定側金型21のスプルーブッシュ(不図示)にタッチしており、射出の準備がなされている。
【0045】
次に図2の(b)の工程に移る。型締め装置16の動作により加飾フィルム3を固定側金型21、可動側金型22で挟持した状態で、所定の型締め力で金型内にキャビティ20を構成する。加飾フィルムを供給するフィルム搬送装置7は可動側型盤15に保持されているため、可動側金型22が移動した場合でも、加飾フィルム3は必要以上に伸延されることなく、可動側金型22に追従して移動する。
【0046】
キャビティの形状が3次元形状などのように凹凸の大きい形状の場合、そのままではフィルムが成形品の表面に倣って成形されない場合がある。この場合には、例えば真空成形によりフィルムを可動側金型に密着させ、溶融樹脂を射出し成形する方法がある。更には特公平4−042172号公報に開示されているように、加熱したフィルムを位置決め装置とともに移動し、成形品に対してフィルムを正確に位置決めする方法なども知られている。
【0047】
図2の(c)の工程は射出工程である。スクリュー120を図中左側に所定速度で移動し、シリンダ12の溶融部123に溜められた溶融樹脂がキャビティ20に射出される。溶融樹脂はノズル内およびスプルー/ランナー内では高い圧力により発泡していないが、キャビティ内に入った瞬間から大気圧以下の圧力となるため、急速に発泡を開始する。発泡を開始した溶融樹脂は、図2の(c)に示すようにキャビティ内に充填されながら、その表面にスワールマークを形成する。
【0048】
加飾フィルム3は、例えば上述の技術により可動側金型22の表面に密着されており、射出された溶融樹脂と加飾フィルム3とが熱融着することにより、スワールマークを加飾フィルムで覆った複合化した成形品を製造することができる。
【0049】
図2の(d)の工程は成形品の取出し工程であり、樹脂の計量工程である。
【0050】
樹脂の充填が終了すると、スクリュー120はスクリュー制御装置13により直ちに後退する。その際、計量部121で計量された樹脂ペレットは、スクリュー120の回転と射出成形機1からの背圧により、順次ノズル124側に送られていく。可塑化装置12には外周にヒータが装備されており、ノズル124側にいくに従って高温になるように制御されている。そのため樹脂ペレットは、可塑化部122において加熱溶融され、溶融部123では完全な溶融状態となっている。
【0051】
不活性ガスはこの溶融状態の樹脂に浸透させる。不活性ガスとしては、例えば二酸化炭素ガスを使用する。ガスボンベ51の二酸化炭素ガスはガス供給管53を通じてCSF装置5に運ばれ、ここで超臨界状態になるまで高圧化される。
【0052】
図5は、温度と圧力における二酸化炭素の相変化状態を示す図である。二酸化炭素の場合、臨界温度が31.1℃と比較的常温に近いため、少しの温度上昇と7.38MPa(72.8気圧)以上の高圧をかけることにより、超臨界状態の二酸化炭素を作り出すことができる。
【0053】
超臨界状態となった二酸化炭素ガスは、ガス供給管54を通じて、シリンダ12の可塑化部122付近に設けられたCSF注入装置52から溶融樹脂に浸透される。二酸化炭素ガスの注入タイミングなどは、樹脂の射出圧力、スクリューの可塑化制御などと同様に、制御装置17により制御、管理されている。
【0054】
スクリュー120が所定位置まで後退すると、次の成形に必要な樹脂の計量、可塑化も終了し、同時に超臨界状態の二酸化炭素の浸透も終了し、次の射出成形を待つ状態となる。
【0055】
樹脂成形品23は、樹脂の充填後冷却時間をおき、キャビティ20が開くとランナーを含んだ状態で取出される。
【0056】
こうして、図3の工程(a)から(d)を繰り返すことにより、PCラミネートされたPC+ABSアロイ樹脂の発泡樹脂成形品を得ることができる。外観面である被ラミネート面にはスワールマークが見えることはなく、またラミネート材であるPC樹脂製の加飾フィルムと、成形品の材料であるPC+ABSアロイ樹脂とは相溶性がある。そのため、フィルムと成形品の密着性が高くフィルムと成形品が剥がれることもなく、更に、保存などで発生する成形品のアウトガスにより成形品からフィルムが浮き上がることもない。これらの効果により、非常に意匠性の高い外観部品を得ることができる。
【0057】
(第2の実施形態)
上記の第1の実施形態では、成形同時加飾技術としてラミネート式のフィルムインモールド成形を用いる場合について説明したが、打抜きシートによるラベルインサート成形などの他のラミネート成形、インモールド転写などの転写成形でも、同様の効果を得ることができる。
【0058】
インモールド転写成形の場合、上記実施形態と同様の装置を使用可能であるが、上述のようにラミネートフィルムが転写されるのではなく、転写フィルム上のインク層が樹脂成形品に転写される。このインクを、成形品の材料と相溶性のある樹脂バインダーで構成するとよい。
【0059】
成形品の表面に、インク層のインクが熱により溶融されるが、相溶性のインクは樹脂との密着が強いため、例えばスワールマークが形成された場合、インク層はこのスワールマークの凹部に入り込み、強固に密着する。他方、成形品に転写されたインクの転写フィルム面側の表層は、フィルムおよびフィルムの配置された金型面に倣うため平滑となる。したがって、成形品のインク転写面は意匠性の高い外観面を形成する。
【0060】
更に、手などが外観部へ接触する場合などにおいて、インクの密着性がよいためインクによる意匠が剥がれることも少ない。
【0061】
(第3の実施形態)
上記第1の実施形態では、シリンダーに設けたCSF注入装置により可塑化部に超臨界流体を浸透させるとして説明したが、例えば特開平8−258096号公報に開示されているように、スクリューの内側から溶融樹脂に不活性ガスを供給するとか、特開2001−353750号公報に開示されているように、前処理装置を用いて不活性ガスを含浸させるとか、の技術を用いてもよい。
【0062】
更に上記第1の実施形態では、熱可塑性樹脂としてPC+ABSアロイ樹脂を、ラミネートフィルムとしてPCフィルムを例に挙げて説明したが、発泡性の良好な樹脂と、その樹脂に対して相溶性を有するフィルムとを選択すれば、樹脂の材質にとらわれるものではない。
【0063】
以上説明したように、上記の実施形態によれば、微細発泡成形特有の、外観表面のスワールマークない発泡成形品を得るとともに、加飾フィルムに意匠印刷を施すことにより、自由度の高い外観意匠部品を提供することができる。
【0064】
更に、フィルムと樹脂に相溶性を持たせることにより、ラミネート後の微細発泡部品のリサイクルを容易にし、これからの環境問題に対してマテリアルリサイクルという解を提供することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、外観の良い発泡成形品を低コストで生産できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る射出成形装置の全体構成を説明する概要図である。
【図2】射出成形プロセスを説明する概略図である。
【図3】樹脂の流動先端部での気泡の動きを説明する図である。
【図4】材料の相溶性を示す図である。
【図5】圧力と温度による二酸化炭素の相変化状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 射出成型機
2 金型
3 加飾フィルム
5 調臨界流体発生装置(SCF装置)
7 フィルム搬送装置
11 材料ホッパ
12 可塑化装置(シリンダ)
13 スクリュー制御装置
14 固定側型盤
15 可動側型盤
16 型締め装置
17 制御装置
20 キャビティ
21 固定側金型
22 可動側金型
23 樹脂成形品
51 不活性ガスボンベ
52 SCF注入装置
53 ガス供給管
54 ガス供給管
71 フィルム巻出し装置
72 フィルム巻取り装置
73 ガイドロール
74 ガイドロール
75 ロールホルダ
76 ロールホルダ
120 スクリュー
121 計量部
122 可塑化部
123 溶融部
124 ノズル
1001 金型
1002 金型
1003 フローフロント
1004 ファウンテンフロー
1005 気泡
1006 気泡
A 樹脂の流動方向

Claims (9)

  1. 成形前の熱可塑性樹脂材料に不活性ガスを浸透させ、射出成形機によって射出成形することにより、微細なセル構造の発泡構造体を成形するための発泡構造体の成形方法であって、
    前記射出成形機の金型内に、前記発泡構造体を装飾する装飾部材を配置する配置工程と、
    前記装飾部材が配置された金型内に溶融状態の前記熱可塑性樹脂材料を射出する射出工程とを備えることを特徴とする発泡構造体の成形方法。
  2. 前記配置工程では、前記金型の固定側の金型部材と可動側の金型部材の間にフィルムを挟持させ、前記発泡構造体の表面の少なくとも一部にフィルム層を形成することを特徴とする請求項1に記載の発泡構造体の成形方法。
  3. 前記フィルムには意匠デザインが施されていることを特徴とする請求項2に記載の発泡構造体の成形方法。
  4. 前記配置工程では、前記金型の固定側の金型部材と可動側の金型部材の間に転写層を有する転写フィルムを挟持させ、前記発泡構造体の表面の少なくとも一部に転写層を転写することを特徴とする請求項1に記載の発泡構造体の成形方法。
  5. 前記転写フィルムの転写層には意匠デザインが施されていることを特徴とする請求項4に記載の発泡構造体の成形方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の成形方法により成形されたことを特徴とする発泡構造体。
  7. 前記発泡構造体は所定の装置の外観を構成する部品であり、前記フィルム層又は転写層を外観面とすることを特徴とする請求項6に記載の発泡構造体。
  8. 前記発泡構造体の表面に形成された前記フィルム層又は転写層は、前記熱可塑性樹脂に対して相溶性のある材質からなることを特徴とする請求項6又は7に記載の発泡構造体。
  9. 前記発泡構造体の表面に形成された前記フィルム層又は転写層の重量は、前記発泡構造体の重量の0.5%以下の重量であることを特徴とする請求項8に記載の発泡構造体。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007055122A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Ube Machinery Corporation Ltd 熱可塑性樹脂の多層成形方法
JP7543966B2 (ja) 2021-03-30 2024-09-03 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 発泡成形体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007055122A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Ube Machinery Corporation Ltd 熱可塑性樹脂の多層成形方法
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