JP2004097623A - 機器メンテナンス方法、機器メンテナンスシステム、及びこのメンテナンス方法を適用される治療装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機器に備えられた監視/操作手段によって調整などが行える機器メンテナンス方法、及び機器メンテナンスシステムを提供する。
【解決手段】機器20の状態をモニタするとともに機器20に対して操作指令を与える監視/操作手段10を備え、通常の使用時とは異なる特殊な手続きをすることで、前記監視/操作手段10によって、機器20のモニタの他にメンテナンス作業を行うことも可能とした。治療装置においては、水位センサや温度センサの補正、装置動作のエラー判定設定などのほかに、温度センサを取り外すことなく、温度調節器の校正や調整をすることも可能である。これらは、治療装置の動作に関する重要な部分であるので、誤って使用者が操作しないようにパスワードなどの特殊な手続きによって保護する。
【選択図】 図1
【解決手段】機器20の状態をモニタするとともに機器20に対して操作指令を与える監視/操作手段10を備え、通常の使用時とは異なる特殊な手続きをすることで、前記監視/操作手段10によって、機器20のモニタの他にメンテナンス作業を行うことも可能とした。治療装置においては、水位センサや温度センサの補正、装置動作のエラー判定設定などのほかに、温度センサを取り外すことなく、温度調節器の校正や調整をすることも可能である。これらは、治療装置の動作に関する重要な部分であるので、誤って使用者が操作しないようにパスワードなどの特殊な手続きによって保護する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機器メンテナンス方法、機器メンテナンスシステム、及びこのメンテナンス方法を適用される治療装置に関する。特に治療装置に関しては、温浴方式の治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在では、様々な機器がコンピュータ制御の対象となっている。一般消費者向けの機器では、コンピュータ(マイコン)を機器に内蔵したケースがほとんどである。しかしながら、業務用の大型機器、特に機器本体を遠隔操作するようなものでは、機器本体に市販のパーソナルコンピュータ(パソコン)を組み合わせ、このパソコンに専用のアプリケーションプログラムをインストールして運転を行うものも多い。これらの機器でメンテナンスを行う場合、パソコンに別途インストールされたメンテナンス作業専用のプログラムを立ち上げて調整作業を行うことがある。また、メンテナンスを行うときに、機器の設置場所に、メーカのサービス技術者がパソコンを持ち込んで機器に接続し、そのパソコンにインストールされたメンテナンス作業専用のプログラムを立ち上げて調整作業を行うことがある。
【0003】
このような大型機器の一例として、医療用機器の分野における、温熱治療に使用される治療装置がある。温熱治療は、癌やHIV感染症(エイズ)などの治療に適用される。これは、癌細胞あるいはHIVウィルスが正常細胞より熱に対する耐性が低いことを利用し、癌細胞あるいはHIVウィルスが死滅する温度(一般的には42.5゜C)まで体温を上げて治療を行うものである。温熱治療は、体温を上げる部位の範囲により、局部加熱治療と全身温熱治療に分けられる。
【0004】
局部加熱治療は、患部が特定されている場合はその作用を目視で確認しながら治療を進めることができ、有効である。しかしながら癌細胞が他組織に転移していたり、また1箇所に偏在することのないHIVウィルスを相手にする場合には利用することができない。
【0005】
全身温熱治療の方式としては、体外で血液を加熱する体外循環方式や遠赤外線を照射する遠赤外線方式といったものがある。前者は外科手術が必要、後者は体温変化が遅く、またヒータによる熱傷の危険があるといった具合に、それぞれ固有の問題がある。そこで最近では、被治療者の身体を湯に浸漬する温浴方式が注目されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−33626号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
機器本体に市販のパーソナルコンピュータ(パソコン)を組み合わせて運転を行う場合においては、機器を制御するアプリケーションプログラムとは別にメンテナンス作業専用のプログラムをインストールして立ち上げる必要があり、たいへん不便である。また、複数のプログラムを必要とすることで、プログラムの製作に手間とコストがかかり、使用者が機器を導入する際にもコストがかさむ場合がある。さらに、パソコンなどを別途持ち込んで、機器に接続して調整を行う場合、パソコンを持ち込むための手間や労力を必要とする。
【0008】
また、温浴方式の温熱治療の治療装置は、外部の温水器からの温水や治療装置のヒータを使用して治療槽の水温を上昇させたり、冷水を使用して水温を下降させたりする機能を有しており、通常、温度調節器、温度センサ、水位センサ等を備えている。これらのセンサ類は時間の経過や外乱などによって計測精度が落ちる可能性があるため、定期的な校正を必要とする。また、設定温度に対するオーバーシュートを発生させないために、これを考慮した加熱/冷却動作をさせなければならない。加熱/冷却動作は、治療装置の設置場所などの動作環境に影響されるので、状況に応じて調整しなければならない。このような校正や調整のたびに複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンを別途持ち込んだりするのは、一般的なメンテナンス作業のみを必要とする機器以上に、非常に不便である。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、機器のメンテナンス時に、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりすることを必要とせず、機器に備えられた監視/操作手段のみによって調整などが行える機器メンテナンス方法、及び機器メンテナンスシステムを提供することを目的とする。また、温熱治療の治療装置においては、治療装置に備えられた監視/操作手段によって、センサの校正や加熱/冷却動作の調整などが行える機器メンテナンス方法を適用される治療装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、機器メンテナンス方法において、機器の状態をモニタするとともに機器に対して操作指令を与える監視/操作手段を備え、通常の使用時とは異なる特殊な手続きをして、前記監視/操作手段に機器のメンテナンス作業画面を表示させ、該メンテナンス作業画面を使用して、機器の調整を行うこととした。
【0011】
この構成によれば、機器に備えられた監視/操作手段によって、調整などのメンテナンス作業を行うことができるようにしたので、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする必要がなく、作業の負担も極めて少なくなる。
【0012】
また、本発明は、機器メンテナンス方法において、前記機器が、治療槽内の湯に被治療者の身体を浸漬し、被治療者の体温を所定温度に上昇させ、且つこれを維持して治療を行う治療装置であることとした。
【0013】
この構成によれば、治療装置に備えられた監視/操作手段によって、センサの校正や加熱/冷却動作の調整などのメンテナンス作業を行うことができるようにしたので、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする必要がなく、作業の負担も極めて少なくなる。
【0014】
また、本発明は、治療槽内の湯に被治療者の身体を浸漬し、被治療者の体温を所定温度に上昇させ、且つこれを維持して治療を行う、前記機器メンテナンス方法を適用される治療装置である。
【0015】
この構成によれば、治療装置の通常のモニタや操作とメンテナンス作業が、治療装置に備えられた監視/操作手段によって可能となり便利である。
【0016】
また、前記治療装置は、温度センサを取り外すことなく、温度調節器の校正や調整が可能である。
【0017】
この構成によれば、治療装置に組み込まれた温度調節器を手作業で分解するなどする必要がなくなり、治療装置に備えられた監視/操作手段の画面だけを見て校正や調整が可能となり便利である。
【0018】
また、前記治療装置は、前記メンテナンス設定画面から入力された情報を保持する不揮発性記憶装置を備える。
【0019】
この構成によれば、治療装置の電源をOFFにした場合でも情報が消去されず、次にメンテナンス作業をする機会に再度情報を参照することが可能となる。また、個々の治療装置固有のデータが外部に出ることがない。
【0020】
また、本発明では以下のように機器メンテナンスシステムを構成する。
(a)機器
(b)前記機器の状態をモニタするとともに機器に対して操作指令を与えることが可能な監視/操作手段
(c)通常の使用時とは異なる特殊な手続きをすることによって、前記監視/操作手段に機器のメンテナンス作業画面を表示させ、該メンテナンス作業画面を使用して、機器の調整を行うことを可能とする、監視/操作手段にインストールされたアプリケーションプログラム。
【0021】
この構成によれば、機器に備えられた監視/操作手段によって調整などが行えるようにしたので、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする必要がなく、作業の負担も極めて少なくなる。
【0022】
また、本発明は、機器メンテナンスシステムにおいて、前記機器が、治療槽内の湯に被治療者の身体を浸漬し、被治療者の体温を所定温度に上昇させ、且つこれを維持して治療を行う治療装置であることとした。
【0023】
この構成によれば、治療装置に備えられた監視/操作手段によって、センサの校正や加熱/冷却動作の調整などのメンテナンス作業を行うことができるようにしたので、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする必要がなく、作業の負担も極めて少なくなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。
【0025】
図1は、本発明の機器メンテナンスシステムの構成図である。10は、機器20の状態をモニタするとともに機器20に対して操作指令を与える監視/操作手段である。監視/操作手段10には、市販のパソコンが使用され、主演算装置やハードディスクなどが組み込まれた本体や、監視状況を表示するCRTモニタや液晶モニタなどの表示装置、操作手段としてのキーボードなどを備え、アプリケーションプログラムがインストールされている。機器20の例としては、業務用の大型機器、特に本体を遠隔操作するような機器などが挙げられる。このように、機器本体に市販のパソコンを組み合わせ、このパソコンに専用のアプリケーションプログラムをインストールして運転を行うものの例としては、温浴方式の温熱治療の治療装置などが挙げられる。
【0026】
監視/操作手段10へ送られる使用者からの指令を受けて、監視/操作手段10にインストールされたアプリケーションプログラムが、モニタする機器20の状態を画面に表示し、機器20に対する操作を実行する。機器20の状態のモニタなどを使用者が行う「通常の使用」に対して、メーカのサービス技術者などが機器20のメンテナンス作業を行う「特殊な使用」がある。「特殊な使用」のとき、メーカのサービス技術者は、アプリケーションプログラムを操作して、通常の使用時に表示される画面とは異なるメンテナンス作業画面を表示する必要がある。このメンテナンス作業画面による操作は、機器20の動作に関わる重要な部分に触れるため、安全上、機器20の使用者による「通常の使用」のときには操作ができないようにしておく必要がある。そこで、パスワードを使用するなど、「通常の使用」のときとは異なる特殊な手続きを踏んで、メンテナンス作業画面が表示されるようにする。このように、本発明では、機器20に対する通常の監視/操作で使用するためにインストールされたアプリケーションプログラムによって、メンテナンス作業も行えることを特徴としている。
【0027】
図2は、図1の機器メンテナンスシステムの応用例を示す構成図である。図2には、機器として温浴方式の温熱治療の治療装置が示されている。図3は、治療装置の温度等を制御する制御系のブロック図である。温浴方式の温熱治療の治療装置本体21は、被治療者Hの身体を湯31に浸漬するための治療槽30と、湯31の温度を制御する制御部40を備える。治療槽30には、湯31の水位を検知する水位センサ51と湯31の温度を検知する温度センサ52が槽内に固定され、これらのセンサの情報は制御部40に送られる。また、治療槽30には、循環パイプ55と冷水パイプ56が接続される。循環パイプ55には、制御部40内においてヒータ53が取り付けられており、治療槽30からの湯31がヒータ53で加熱され、また治療槽30に還る構造になっている。冷水パイプ56には、冷水バルブ54が取り付けられており、湯31を冷却するときに外部から冷水が注入される。冷水バルブ54は電磁バルブなどで構成され、冷水パイプ56からの水量を自在に調節する。
【0028】
制御部40は、モニタ装置42、不揮発性記憶装置43、温度調節器44、及びこれらを制御する制御装置41を備える。モニタ装置42は、水位センサ51と温度センサ52からの情報をモニタする。不揮発性記憶装置43には、メンテナンス作業で決定された設定値やモニタ装置42から得られたモニタ情報などが保存される。温度調節器44は、湯31の温度を検知する温度センサ52と湯31の温度を調節するヒータ53、冷水バルブ54から成る。温度センサ52によって検知された湯31の温度は、モニタ装置42でモニタされ、制御装置41にその温度情報が送られる。制御装置41は、予め設定された温度とモニタ装置42から送られてきた湯31の温度情報を比較して、温度が低い場合には温度調節器44のヒータ53に、温度が高い場合には冷水バルブ54に制御信号を送る。湯31が常に設定温度になるように、自動的に加熱/冷却動作を制御することが可能である。
【0029】
また、治療装置は治療装置本体21の状態をモニタするとともに制御装置41に対して操作指令を与える監視/操作手段10を備える。監視/操作手段10には、治療装置本体21に操作指令を送り、或いはモニタ情報を表示するためのアプリケーションプログラムが予めインストールされている。治療槽30の水温や水位、治療装置本体21の動作状態などのモニタ情報は、使用者の操作指令によって、モニタ装置42から監視/操作手段10に送られる。使用者が設定温度などを変更したい場合には、アプリケーションプログラムを介して制御装置41に温度変更の指令が送られ、温度調節器44が制御され、設定温度情報が不揮発性記憶装置43に保存される。
【0030】
図4は治療装置の監視/制御手段にインストールされたアプリケーションプログラムの通常使用画面である。通常使用画面60では、モニタされた治療槽30の水温が中央のグラフ領域70に表示される。グラフの縦軸や横軸などの表示設定は、グラフ表示ボタン71で変更可能である。治療装置の運転は、運転開始ボタン77や運転停止ボタン78で操作し、動作設定や動作確認は、動作設定ボタン72、動作確認ボタン73で行う。保存ボタン75、呼出ボタン76を操作することによって、治療槽30の水温や水位、治療装置本体21の動作状態などのモニタ情報の保存/呼出が可能である。治療装置の使用を終了するときには、終了ボタン79をクリックする。
【0031】
サービス技術者によるメンテナンスを必要とするときには、アプリケーションプログラムがパスワードの入力を要求する。メンテナンス作業画面においては、治療装置本体21の動作に関する各種設定が可能である。たとえば、水位センサ51や温度センサ52の補正、装置動作のエラー判定設定などである。また、温度センサ52を取り外すことなく、温度調節器44の校正や調整も可能である。メンテナンス作業は、治療装置の動作に関する重要な部分であるので、誤って使用者が操作しないようにパスワードで保護している。
【0032】
図5はパスワード入力画面である。図4の通常使用画面60において、メンテナンスボタン74をクリックすると、アプリケーションプログラムがパスワードを要求するため、パスワード入力ウィンドウ81が開く。ここでパスワードを入力し、予め設定されたパスワードと一致すると、図6のメンテナンス作業画面となる。メンテナンス作業画面62では、メンテナンス作業ウィンドウ82が開き、水温や水位などの治療装置の動作に関する設定が可能である。
【0033】
図7は、本発明の機器メンテナンス方法を適用される治療装置の監視/制御手段にインストールされたアプリケーションプログラムのフローチャートである。まず、治療装置がステップS1で電源ONされると、アプリケーションプログラムが起動する。アプリケーションプログラムが起動すると、ステップS2にて、治療装置に備えられた不揮発性記憶装置から様々な初期設定値が呼び出され、その設定値に基づいて治療装置のモニタが開始される(ステップS3)。
【0034】
通常の使用時においては、このまま治療装置のモニタが続けられる。温熱治療の治療装置ではこのとき、モニタ画面には治療槽の水温や水位、動作状態などが、使用者の操作指令によって表示される。これらは、数値やグラフなどで表示される。使用者が必要とするときには、これらのモニタ情報を保存したり、過去に保存した情報を呼び出したりすることも可能である。また、治療装置に異常が発生したとき、或いは使用者の操作に誤りがあったときなどにおいては、画面にエラー表示がなされる。
【0035】
このような通常の使用時とは異なり、ステップS4のようにサービス技術者によるメンテナンス作業が必要とされるときにおいては、ステップS5にてメンテナンスボタンをクリックする。メンテナンスボタンがクリックされると、モニタ画面上にパスワード要求画面が表示される(ステップS6)。ここでパスワードを入力して(ステップS7)、それが正しいものと一致すると(ステップS8)、ステップS9にてメンテナンス作業画面が表示される。
【0036】
メンテナンス作業画面においては、治療装置の動作に関する各種設定が可能である。たとえば、水位センサや温度センサの補正、装置動作のエラー判定設定などである。また、温度センサを取り外すことなく、温度調節器の校正や調整も可能である。これにより、治療装置に組み込まれた温度調節器を手作業で分解するなどする必要がない。これらは、治療装置の動作に関する重要な部分であるので、使用者が誤って操作しないように、メンテナンス作業画面は前記のようにパスワードなどによって保護している。
【0037】
メンテナンス作業後は、OKボタンのクリック(ステップS11)によって、作業設定値が治療装置に備えられた不揮発性記憶装置に保存され(ステップS12)、その設定値にて治療装置の運転が開始される(ステップS13)。その後は、通常のモニタが続けられる(ステップS14)。
【0038】
上記のように本発明の実施形態を示したが、この他、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明の上記構成によれば、機器メンテナンス方法において、機器の状態をモニタするとともに機器に対して操作指令を与える監視/操作手段を備え、通常の使用時とは異なる特殊な手続きをして、前記監視/操作手段に機器のメンテナンス作業画面を表示させ、該メンテナンス作業画面を使用して、機器の調整を行うこととした。複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする場合においては、そのための手間や労力を必要とし、たいへん不便である。これに対し、本発明は、機器に備えられた監視/操作手段によって調整などのメンテナンス作業を行うことができるようにしたので、作業の負担が極めて少なくなる。さらに、機器の構成を簡素化することができ、機器を安価に提供することも可能である。また、パスワードを使用するなど、機器の通常の使用時とは異なる手続きを使用することによって、使用者が機器の動作に関わる重要な部分を操作することを防ぐことができる。
【0040】
また、本発明は、機器メンテナンス方法において、前記機器が、治療槽内の湯に被治療者の身体を浸漬し、被治療者の体温を所定温度に上昇させ、且つこれを維持して治療を行う治療装置であることとした。これにより、治療装置に備えられた監視/操作手段によって、センサの校正や加熱/冷却動作の調整などが行えるようにしたので、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする必要がなく、作業の負担も極めて少なくなる。さらに、機器の構成を簡素化することができ、機器を安価に提供することも可能である。また、このような治療装置では、水はねや湯気を避けるため、治療装置とは切り離して監視/操作手段を設けるのが機器構成上望ましい。監視/操作手段が治療装置本体から離れている構成の場合、治療装置本体と監視/操作手段を見比べながらではなく、監視/操作手段の画面だけを見てメンテナンス作業を行えるとたいへん好都合である。本発明は、まさにこれを実現したものである。
【0041】
また、本発明は、治療槽内の湯に被治療者の身体を浸漬し、被治療者の体温を所定温度に上昇させ、且つこれを維持して治療を行う、前記機器メンテナンス方法を適用される治療装置であることとしたので、治療装置の通常のモニタや操作とメンテナンス作業が、治療装置に備えられた監視/操作手段によって可能となり便利である。さらに、機器の構成を簡素化することができ、機器を安価に提供することも可能である。また、治療装置本体と監視/操作手段を見比べながらではなく、監視/操作手段の画面だけを見てメンテナンス作業を行うことが可能であるので、たいへん好都合である。
【0042】
また、前記治療装置は、温度センサを取り外すことなく、温度調節器の校正や調整が可能であることとしたので、治療装置に組み込まれた温度調節器を手作業で分解するなどする必要がなく、治療装置に備えられた監視/操作手段の画面だけを見て校正や調整が可能となり便利である。治療装置本体と監視/操作手段を見比べながらメンテナンス作業をする必要がないので、その結果、作業の手間が省け、作業時間も短縮することが可能となる。
【0043】
また、前記治療装置は、前記メンテナンス設定画面から入力された情報を保持する不揮発性記憶装置を備えることとしたので、治療装置の電源をOFFにした場合でも情報が消去されず、次にメンテナンス作業をする機会に再度情報を参照することが可能となる。この結果、サービス技術者がメンテナンスをするたびに情報を入力する手間を省くことが可能となる。また、個々の治療装置固有のデータが外部に出ることがないので、データ管理が煩雑になることがなく、誤って他の装置のデータが使用されることがない。
【0044】
また、以下のように機器メンテナンスシステムを構成した。
(a)機器
(b)前記機器の状態をモニタするとともに機器に対して操作指令を与えることが可能な監視/操作手段
(c)通常の使用時とは異なる特殊な手続きをすることによって、前記監視/操作手段に機器のメンテナンス作業画面を表示させ、該メンテナンス作業画面を使用して、機器の調整を行うことを可能とする、監視/操作手段にインストールされたアプリケーションプログラム。
【0045】
このため、機器に備えられた監視/操作手段によって調整などが行えるようにしたので、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする必要がなく、作業の負担も極めて少なくなる。さらに、構成を簡素化することができ、安価に提供することが可能である。
【0046】
また、本発明は、機器メンテナンスシステムにおいて、前記機器が、治療槽内の湯に被治療者の身体を浸漬し、被治療者の体温を所定温度に上昇させ、且つこれを維持して治療を行う治療装置であることとした。これにより、治療装置に備えられた監視/操作手段によって、センサの校正や加熱/冷却動作の調整などが行えるようにしたので、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする必要がなく、作業の負担も極めて少なくなる。さらに、機器の構成を簡素化することができ、機器を安価に提供することも可能である。また、治療装置本体と監視/操作手段を見比べながらではなく、監視/操作手段の画面だけを見てメンテナンス作業を行うことが可能であるので、たいへん好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】機器メンテナンスシステムの構成図
【図2】図1の機器メンテナンスシステムを治療装置に応用した例を示す構成図
【図3】図2に示す治療装置の温度等を制御する制御系のブロック図
【図4】図2に示す治療装置の監視/制御手段にインストールされたアプリケーションプログラムの通常使用画面
【図5】図2に示す治療装置の監視/制御手段にインストールされたアプリケーションプログラムのパスワード入力画面
【図6】図2に示す治療装置の監視/制御手段にインストールされたアプリケーションプログラムのメンテナンス作業画面
【図7】図2に示す治療装置の監視/制御手段にインストールされたアプリケーションプログラムのフローチャート
【符号の説明】
10 監視/制御手段
20 機器
21 治療装置本体
40 制御部
41 制御装置
42 モニタ装置
43 不揮発性記憶装置
44 温度調節器
51 水位センサ
52 温度センサ
60 通常使用画面
62 メンテナンス作業画面
【発明の属する技術分野】
本発明は、機器メンテナンス方法、機器メンテナンスシステム、及びこのメンテナンス方法を適用される治療装置に関する。特に治療装置に関しては、温浴方式の治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在では、様々な機器がコンピュータ制御の対象となっている。一般消費者向けの機器では、コンピュータ(マイコン)を機器に内蔵したケースがほとんどである。しかしながら、業務用の大型機器、特に機器本体を遠隔操作するようなものでは、機器本体に市販のパーソナルコンピュータ(パソコン)を組み合わせ、このパソコンに専用のアプリケーションプログラムをインストールして運転を行うものも多い。これらの機器でメンテナンスを行う場合、パソコンに別途インストールされたメンテナンス作業専用のプログラムを立ち上げて調整作業を行うことがある。また、メンテナンスを行うときに、機器の設置場所に、メーカのサービス技術者がパソコンを持ち込んで機器に接続し、そのパソコンにインストールされたメンテナンス作業専用のプログラムを立ち上げて調整作業を行うことがある。
【0003】
このような大型機器の一例として、医療用機器の分野における、温熱治療に使用される治療装置がある。温熱治療は、癌やHIV感染症(エイズ)などの治療に適用される。これは、癌細胞あるいはHIVウィルスが正常細胞より熱に対する耐性が低いことを利用し、癌細胞あるいはHIVウィルスが死滅する温度(一般的には42.5゜C)まで体温を上げて治療を行うものである。温熱治療は、体温を上げる部位の範囲により、局部加熱治療と全身温熱治療に分けられる。
【0004】
局部加熱治療は、患部が特定されている場合はその作用を目視で確認しながら治療を進めることができ、有効である。しかしながら癌細胞が他組織に転移していたり、また1箇所に偏在することのないHIVウィルスを相手にする場合には利用することができない。
【0005】
全身温熱治療の方式としては、体外で血液を加熱する体外循環方式や遠赤外線を照射する遠赤外線方式といったものがある。前者は外科手術が必要、後者は体温変化が遅く、またヒータによる熱傷の危険があるといった具合に、それぞれ固有の問題がある。そこで最近では、被治療者の身体を湯に浸漬する温浴方式が注目されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−33626号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
機器本体に市販のパーソナルコンピュータ(パソコン)を組み合わせて運転を行う場合においては、機器を制御するアプリケーションプログラムとは別にメンテナンス作業専用のプログラムをインストールして立ち上げる必要があり、たいへん不便である。また、複数のプログラムを必要とすることで、プログラムの製作に手間とコストがかかり、使用者が機器を導入する際にもコストがかさむ場合がある。さらに、パソコンなどを別途持ち込んで、機器に接続して調整を行う場合、パソコンを持ち込むための手間や労力を必要とする。
【0008】
また、温浴方式の温熱治療の治療装置は、外部の温水器からの温水や治療装置のヒータを使用して治療槽の水温を上昇させたり、冷水を使用して水温を下降させたりする機能を有しており、通常、温度調節器、温度センサ、水位センサ等を備えている。これらのセンサ類は時間の経過や外乱などによって計測精度が落ちる可能性があるため、定期的な校正を必要とする。また、設定温度に対するオーバーシュートを発生させないために、これを考慮した加熱/冷却動作をさせなければならない。加熱/冷却動作は、治療装置の設置場所などの動作環境に影響されるので、状況に応じて調整しなければならない。このような校正や調整のたびに複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンを別途持ち込んだりするのは、一般的なメンテナンス作業のみを必要とする機器以上に、非常に不便である。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、機器のメンテナンス時に、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりすることを必要とせず、機器に備えられた監視/操作手段のみによって調整などが行える機器メンテナンス方法、及び機器メンテナンスシステムを提供することを目的とする。また、温熱治療の治療装置においては、治療装置に備えられた監視/操作手段によって、センサの校正や加熱/冷却動作の調整などが行える機器メンテナンス方法を適用される治療装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、機器メンテナンス方法において、機器の状態をモニタするとともに機器に対して操作指令を与える監視/操作手段を備え、通常の使用時とは異なる特殊な手続きをして、前記監視/操作手段に機器のメンテナンス作業画面を表示させ、該メンテナンス作業画面を使用して、機器の調整を行うこととした。
【0011】
この構成によれば、機器に備えられた監視/操作手段によって、調整などのメンテナンス作業を行うことができるようにしたので、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする必要がなく、作業の負担も極めて少なくなる。
【0012】
また、本発明は、機器メンテナンス方法において、前記機器が、治療槽内の湯に被治療者の身体を浸漬し、被治療者の体温を所定温度に上昇させ、且つこれを維持して治療を行う治療装置であることとした。
【0013】
この構成によれば、治療装置に備えられた監視/操作手段によって、センサの校正や加熱/冷却動作の調整などのメンテナンス作業を行うことができるようにしたので、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする必要がなく、作業の負担も極めて少なくなる。
【0014】
また、本発明は、治療槽内の湯に被治療者の身体を浸漬し、被治療者の体温を所定温度に上昇させ、且つこれを維持して治療を行う、前記機器メンテナンス方法を適用される治療装置である。
【0015】
この構成によれば、治療装置の通常のモニタや操作とメンテナンス作業が、治療装置に備えられた監視/操作手段によって可能となり便利である。
【0016】
また、前記治療装置は、温度センサを取り外すことなく、温度調節器の校正や調整が可能である。
【0017】
この構成によれば、治療装置に組み込まれた温度調節器を手作業で分解するなどする必要がなくなり、治療装置に備えられた監視/操作手段の画面だけを見て校正や調整が可能となり便利である。
【0018】
また、前記治療装置は、前記メンテナンス設定画面から入力された情報を保持する不揮発性記憶装置を備える。
【0019】
この構成によれば、治療装置の電源をOFFにした場合でも情報が消去されず、次にメンテナンス作業をする機会に再度情報を参照することが可能となる。また、個々の治療装置固有のデータが外部に出ることがない。
【0020】
また、本発明では以下のように機器メンテナンスシステムを構成する。
(a)機器
(b)前記機器の状態をモニタするとともに機器に対して操作指令を与えることが可能な監視/操作手段
(c)通常の使用時とは異なる特殊な手続きをすることによって、前記監視/操作手段に機器のメンテナンス作業画面を表示させ、該メンテナンス作業画面を使用して、機器の調整を行うことを可能とする、監視/操作手段にインストールされたアプリケーションプログラム。
【0021】
この構成によれば、機器に備えられた監視/操作手段によって調整などが行えるようにしたので、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする必要がなく、作業の負担も極めて少なくなる。
【0022】
また、本発明は、機器メンテナンスシステムにおいて、前記機器が、治療槽内の湯に被治療者の身体を浸漬し、被治療者の体温を所定温度に上昇させ、且つこれを維持して治療を行う治療装置であることとした。
【0023】
この構成によれば、治療装置に備えられた監視/操作手段によって、センサの校正や加熱/冷却動作の調整などのメンテナンス作業を行うことができるようにしたので、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする必要がなく、作業の負担も極めて少なくなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。
【0025】
図1は、本発明の機器メンテナンスシステムの構成図である。10は、機器20の状態をモニタするとともに機器20に対して操作指令を与える監視/操作手段である。監視/操作手段10には、市販のパソコンが使用され、主演算装置やハードディスクなどが組み込まれた本体や、監視状況を表示するCRTモニタや液晶モニタなどの表示装置、操作手段としてのキーボードなどを備え、アプリケーションプログラムがインストールされている。機器20の例としては、業務用の大型機器、特に本体を遠隔操作するような機器などが挙げられる。このように、機器本体に市販のパソコンを組み合わせ、このパソコンに専用のアプリケーションプログラムをインストールして運転を行うものの例としては、温浴方式の温熱治療の治療装置などが挙げられる。
【0026】
監視/操作手段10へ送られる使用者からの指令を受けて、監視/操作手段10にインストールされたアプリケーションプログラムが、モニタする機器20の状態を画面に表示し、機器20に対する操作を実行する。機器20の状態のモニタなどを使用者が行う「通常の使用」に対して、メーカのサービス技術者などが機器20のメンテナンス作業を行う「特殊な使用」がある。「特殊な使用」のとき、メーカのサービス技術者は、アプリケーションプログラムを操作して、通常の使用時に表示される画面とは異なるメンテナンス作業画面を表示する必要がある。このメンテナンス作業画面による操作は、機器20の動作に関わる重要な部分に触れるため、安全上、機器20の使用者による「通常の使用」のときには操作ができないようにしておく必要がある。そこで、パスワードを使用するなど、「通常の使用」のときとは異なる特殊な手続きを踏んで、メンテナンス作業画面が表示されるようにする。このように、本発明では、機器20に対する通常の監視/操作で使用するためにインストールされたアプリケーションプログラムによって、メンテナンス作業も行えることを特徴としている。
【0027】
図2は、図1の機器メンテナンスシステムの応用例を示す構成図である。図2には、機器として温浴方式の温熱治療の治療装置が示されている。図3は、治療装置の温度等を制御する制御系のブロック図である。温浴方式の温熱治療の治療装置本体21は、被治療者Hの身体を湯31に浸漬するための治療槽30と、湯31の温度を制御する制御部40を備える。治療槽30には、湯31の水位を検知する水位センサ51と湯31の温度を検知する温度センサ52が槽内に固定され、これらのセンサの情報は制御部40に送られる。また、治療槽30には、循環パイプ55と冷水パイプ56が接続される。循環パイプ55には、制御部40内においてヒータ53が取り付けられており、治療槽30からの湯31がヒータ53で加熱され、また治療槽30に還る構造になっている。冷水パイプ56には、冷水バルブ54が取り付けられており、湯31を冷却するときに外部から冷水が注入される。冷水バルブ54は電磁バルブなどで構成され、冷水パイプ56からの水量を自在に調節する。
【0028】
制御部40は、モニタ装置42、不揮発性記憶装置43、温度調節器44、及びこれらを制御する制御装置41を備える。モニタ装置42は、水位センサ51と温度センサ52からの情報をモニタする。不揮発性記憶装置43には、メンテナンス作業で決定された設定値やモニタ装置42から得られたモニタ情報などが保存される。温度調節器44は、湯31の温度を検知する温度センサ52と湯31の温度を調節するヒータ53、冷水バルブ54から成る。温度センサ52によって検知された湯31の温度は、モニタ装置42でモニタされ、制御装置41にその温度情報が送られる。制御装置41は、予め設定された温度とモニタ装置42から送られてきた湯31の温度情報を比較して、温度が低い場合には温度調節器44のヒータ53に、温度が高い場合には冷水バルブ54に制御信号を送る。湯31が常に設定温度になるように、自動的に加熱/冷却動作を制御することが可能である。
【0029】
また、治療装置は治療装置本体21の状態をモニタするとともに制御装置41に対して操作指令を与える監視/操作手段10を備える。監視/操作手段10には、治療装置本体21に操作指令を送り、或いはモニタ情報を表示するためのアプリケーションプログラムが予めインストールされている。治療槽30の水温や水位、治療装置本体21の動作状態などのモニタ情報は、使用者の操作指令によって、モニタ装置42から監視/操作手段10に送られる。使用者が設定温度などを変更したい場合には、アプリケーションプログラムを介して制御装置41に温度変更の指令が送られ、温度調節器44が制御され、設定温度情報が不揮発性記憶装置43に保存される。
【0030】
図4は治療装置の監視/制御手段にインストールされたアプリケーションプログラムの通常使用画面である。通常使用画面60では、モニタされた治療槽30の水温が中央のグラフ領域70に表示される。グラフの縦軸や横軸などの表示設定は、グラフ表示ボタン71で変更可能である。治療装置の運転は、運転開始ボタン77や運転停止ボタン78で操作し、動作設定や動作確認は、動作設定ボタン72、動作確認ボタン73で行う。保存ボタン75、呼出ボタン76を操作することによって、治療槽30の水温や水位、治療装置本体21の動作状態などのモニタ情報の保存/呼出が可能である。治療装置の使用を終了するときには、終了ボタン79をクリックする。
【0031】
サービス技術者によるメンテナンスを必要とするときには、アプリケーションプログラムがパスワードの入力を要求する。メンテナンス作業画面においては、治療装置本体21の動作に関する各種設定が可能である。たとえば、水位センサ51や温度センサ52の補正、装置動作のエラー判定設定などである。また、温度センサ52を取り外すことなく、温度調節器44の校正や調整も可能である。メンテナンス作業は、治療装置の動作に関する重要な部分であるので、誤って使用者が操作しないようにパスワードで保護している。
【0032】
図5はパスワード入力画面である。図4の通常使用画面60において、メンテナンスボタン74をクリックすると、アプリケーションプログラムがパスワードを要求するため、パスワード入力ウィンドウ81が開く。ここでパスワードを入力し、予め設定されたパスワードと一致すると、図6のメンテナンス作業画面となる。メンテナンス作業画面62では、メンテナンス作業ウィンドウ82が開き、水温や水位などの治療装置の動作に関する設定が可能である。
【0033】
図7は、本発明の機器メンテナンス方法を適用される治療装置の監視/制御手段にインストールされたアプリケーションプログラムのフローチャートである。まず、治療装置がステップS1で電源ONされると、アプリケーションプログラムが起動する。アプリケーションプログラムが起動すると、ステップS2にて、治療装置に備えられた不揮発性記憶装置から様々な初期設定値が呼び出され、その設定値に基づいて治療装置のモニタが開始される(ステップS3)。
【0034】
通常の使用時においては、このまま治療装置のモニタが続けられる。温熱治療の治療装置ではこのとき、モニタ画面には治療槽の水温や水位、動作状態などが、使用者の操作指令によって表示される。これらは、数値やグラフなどで表示される。使用者が必要とするときには、これらのモニタ情報を保存したり、過去に保存した情報を呼び出したりすることも可能である。また、治療装置に異常が発生したとき、或いは使用者の操作に誤りがあったときなどにおいては、画面にエラー表示がなされる。
【0035】
このような通常の使用時とは異なり、ステップS4のようにサービス技術者によるメンテナンス作業が必要とされるときにおいては、ステップS5にてメンテナンスボタンをクリックする。メンテナンスボタンがクリックされると、モニタ画面上にパスワード要求画面が表示される(ステップS6)。ここでパスワードを入力して(ステップS7)、それが正しいものと一致すると(ステップS8)、ステップS9にてメンテナンス作業画面が表示される。
【0036】
メンテナンス作業画面においては、治療装置の動作に関する各種設定が可能である。たとえば、水位センサや温度センサの補正、装置動作のエラー判定設定などである。また、温度センサを取り外すことなく、温度調節器の校正や調整も可能である。これにより、治療装置に組み込まれた温度調節器を手作業で分解するなどする必要がない。これらは、治療装置の動作に関する重要な部分であるので、使用者が誤って操作しないように、メンテナンス作業画面は前記のようにパスワードなどによって保護している。
【0037】
メンテナンス作業後は、OKボタンのクリック(ステップS11)によって、作業設定値が治療装置に備えられた不揮発性記憶装置に保存され(ステップS12)、その設定値にて治療装置の運転が開始される(ステップS13)。その後は、通常のモニタが続けられる(ステップS14)。
【0038】
上記のように本発明の実施形態を示したが、この他、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明の上記構成によれば、機器メンテナンス方法において、機器の状態をモニタするとともに機器に対して操作指令を与える監視/操作手段を備え、通常の使用時とは異なる特殊な手続きをして、前記監視/操作手段に機器のメンテナンス作業画面を表示させ、該メンテナンス作業画面を使用して、機器の調整を行うこととした。複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする場合においては、そのための手間や労力を必要とし、たいへん不便である。これに対し、本発明は、機器に備えられた監視/操作手段によって調整などのメンテナンス作業を行うことができるようにしたので、作業の負担が極めて少なくなる。さらに、機器の構成を簡素化することができ、機器を安価に提供することも可能である。また、パスワードを使用するなど、機器の通常の使用時とは異なる手続きを使用することによって、使用者が機器の動作に関わる重要な部分を操作することを防ぐことができる。
【0040】
また、本発明は、機器メンテナンス方法において、前記機器が、治療槽内の湯に被治療者の身体を浸漬し、被治療者の体温を所定温度に上昇させ、且つこれを維持して治療を行う治療装置であることとした。これにより、治療装置に備えられた監視/操作手段によって、センサの校正や加熱/冷却動作の調整などが行えるようにしたので、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする必要がなく、作業の負担も極めて少なくなる。さらに、機器の構成を簡素化することができ、機器を安価に提供することも可能である。また、このような治療装置では、水はねや湯気を避けるため、治療装置とは切り離して監視/操作手段を設けるのが機器構成上望ましい。監視/操作手段が治療装置本体から離れている構成の場合、治療装置本体と監視/操作手段を見比べながらではなく、監視/操作手段の画面だけを見てメンテナンス作業を行えるとたいへん好都合である。本発明は、まさにこれを実現したものである。
【0041】
また、本発明は、治療槽内の湯に被治療者の身体を浸漬し、被治療者の体温を所定温度に上昇させ、且つこれを維持して治療を行う、前記機器メンテナンス方法を適用される治療装置であることとしたので、治療装置の通常のモニタや操作とメンテナンス作業が、治療装置に備えられた監視/操作手段によって可能となり便利である。さらに、機器の構成を簡素化することができ、機器を安価に提供することも可能である。また、治療装置本体と監視/操作手段を見比べながらではなく、監視/操作手段の画面だけを見てメンテナンス作業を行うことが可能であるので、たいへん好都合である。
【0042】
また、前記治療装置は、温度センサを取り外すことなく、温度調節器の校正や調整が可能であることとしたので、治療装置に組み込まれた温度調節器を手作業で分解するなどする必要がなく、治療装置に備えられた監視/操作手段の画面だけを見て校正や調整が可能となり便利である。治療装置本体と監視/操作手段を見比べながらメンテナンス作業をする必要がないので、その結果、作業の手間が省け、作業時間も短縮することが可能となる。
【0043】
また、前記治療装置は、前記メンテナンス設定画面から入力された情報を保持する不揮発性記憶装置を備えることとしたので、治療装置の電源をOFFにした場合でも情報が消去されず、次にメンテナンス作業をする機会に再度情報を参照することが可能となる。この結果、サービス技術者がメンテナンスをするたびに情報を入力する手間を省くことが可能となる。また、個々の治療装置固有のデータが外部に出ることがないので、データ管理が煩雑になることがなく、誤って他の装置のデータが使用されることがない。
【0044】
また、以下のように機器メンテナンスシステムを構成した。
(a)機器
(b)前記機器の状態をモニタするとともに機器に対して操作指令を与えることが可能な監視/操作手段
(c)通常の使用時とは異なる特殊な手続きをすることによって、前記監視/操作手段に機器のメンテナンス作業画面を表示させ、該メンテナンス作業画面を使用して、機器の調整を行うことを可能とする、監視/操作手段にインストールされたアプリケーションプログラム。
【0045】
このため、機器に備えられた監視/操作手段によって調整などが行えるようにしたので、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする必要がなく、作業の負担も極めて少なくなる。さらに、構成を簡素化することができ、安価に提供することが可能である。
【0046】
また、本発明は、機器メンテナンスシステムにおいて、前記機器が、治療槽内の湯に被治療者の身体を浸漬し、被治療者の体温を所定温度に上昇させ、且つこれを維持して治療を行う治療装置であることとした。これにより、治療装置に備えられた監視/操作手段によって、センサの校正や加熱/冷却動作の調整などが行えるようにしたので、複数のプログラムを立ち上げたり、パソコンなどの外部端末を別途持ち込んだりする必要がなく、作業の負担も極めて少なくなる。さらに、機器の構成を簡素化することができ、機器を安価に提供することも可能である。また、治療装置本体と監視/操作手段を見比べながらではなく、監視/操作手段の画面だけを見てメンテナンス作業を行うことが可能であるので、たいへん好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】機器メンテナンスシステムの構成図
【図2】図1の機器メンテナンスシステムを治療装置に応用した例を示す構成図
【図3】図2に示す治療装置の温度等を制御する制御系のブロック図
【図4】図2に示す治療装置の監視/制御手段にインストールされたアプリケーションプログラムの通常使用画面
【図5】図2に示す治療装置の監視/制御手段にインストールされたアプリケーションプログラムのパスワード入力画面
【図6】図2に示す治療装置の監視/制御手段にインストールされたアプリケーションプログラムのメンテナンス作業画面
【図7】図2に示す治療装置の監視/制御手段にインストールされたアプリケーションプログラムのフローチャート
【符号の説明】
10 監視/制御手段
20 機器
21 治療装置本体
40 制御部
41 制御装置
42 モニタ装置
43 不揮発性記憶装置
44 温度調節器
51 水位センサ
52 温度センサ
60 通常使用画面
62 メンテナンス作業画面
Claims (7)
- 機器の状態をモニタするとともに機器に対して操作指令を与える監視/操作手段を備え、通常の使用時とは異なる特殊な手続きをして、前記監視/操作手段に機器のメンテナンス作業画面を表示させ、該メンテナンス作業画面を使用して、機器の調整を行うことを特徴とする機器メンテナンス方法。
- 前記機器が、治療槽内の湯に被治療者の身体を浸漬し、被治療者の体温を所定温度に上昇させ、且つこれを維持して治療を行う治療装置であることを特徴とする請求項1に記載の機器メンテナンス方法。
- 治療槽内の湯に被治療者の身体を浸漬し、被治療者の体温を所定温度に上昇させ、且つこれを維持して治療を行う、請求項1に記載の機器メンテナンス方法を適用される治療装置。
- 前記治療装置は、温度センサを取り外すことなく、温度調節器の校正や調整が可能であることを特徴とする請求項3に記載の治療装置。
- 前記治療装置は、前記メンテナンス設定画面から入力された情報を保持する不揮発性記憶装置を備えることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の治療装置。
- 以下の構成を備えた機器メンテナンスシステム:
(a)機器
(b)前記機器の状態をモニタするとともに機器に対して操作指令を与えることが可能な監視/操作手段
(c)通常の使用時とは異なる特殊な手続きをすることによって、前記監視/操作手段に機器のメンテナンス作業画面を表示させ、該メンテナンス作業画面を使用して、機器の調整を行うことを可能とする、監視/操作手段にインストールされたアプリケーションプログラム。 - 前記機器が、治療槽内の湯に被治療者の身体を浸漬し、被治療者の体温を所定温度に上昇させ、且つこれを維持して治療を行う治療装置であることを特徴とする請求項6に記載の機器メンテナンスシステム。
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JP2016531646A (ja) * | 2013-10-02 | 2016-10-13 | マイコ マシネンバウ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー | 洗浄デバイスを較正する方法 |
JP2020087089A (ja) * | 2018-11-28 | 2020-06-04 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | メンテナンス支援方法、及びメンテナンス支援用プログラム |
-
2002
- 2002-09-11 JP JP2002265826A patent/JP2004097623A/ja not_active Withdrawn
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