JP2004097315A - 生体断層画像の輪郭データ抽出方法および装置 - Google Patents

生体断層画像の輪郭データ抽出方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】生体断層画像(2次元医用画像)から3次元モデル構築に必要な対象とする領域の輪郭データを短時間に自動抽出することができる輪郭データ抽出方法および装置を提供する。
【解決手段】対象領域の2次元画像を入力する対象領域入力ステップ(A)と、生体断層画像から前記2次元画像に基づき遺伝的アルゴリズムによるパターン認識を用いてその画像上の対象領域を認識する対象領域認識ステップ(B)と、生体断層画像を認識された対象領域だけにする画像前処理ステップ(C)と、認識された対象領域の輪郭データを抽出する輪郭データ抽出ステップ(D)とを有する。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体断層画像から臓器又は血管領域の輪郭データを自動抽出する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MR(Magnetic Resonannce)画像やCT(Computed Tomography)画像等の生体断層画像から、特定の臓器又は血管領域の座標値データを得るために、従来は、対象とする領域の輪郭をデジタイザーを用いて手作業で抽出していた。そのため、数値計算用の3次元モデリングを構築するような場合、数百枚におよぶ多数の2次元医用画像から手作業の画像処理をへて、必要な座標値データを抽出する必要があり、多大な労力と時間を要する問題点があった。
【0003】
すなわちこれまでは、手作業により医用画像における対象とする領域(例えば血管領域)の輪郭にマウスを当てて、座標値データを読み取っていた。医用画像が数百枚あり、かつ、1枚の医用画像につき必要とする数十点の座標データがあり、手作業によるデータ抽出は時間と労力が必要であり、また、単純作業なので精神的に苦痛であった。
【0004】
なお、生体断層画像から対象とする領域を抽出する手段として、[特許文献1]の「画像処理方法および装置」では、遺伝的なアルゴリズムを用いている。また、遺伝的なアルゴリズムに関しては、[非特許文献1]に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−213127号公報
【非特許文献1】
D.E.Goldberg,”Genetic Algorithms inSearching,Optimization,and Machine Learning”,Addition−Wesley,Reading,1989
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
[特許文献1]の「画像処理方法および装置」では、例えば脳の白質・灰白質の分類作業を短時間に効率的に行うことができる。しかし、分類作業後、その境界領域の座標値データを得るためには、従来同様にデジタイザーを用いて手作業で抽出する必要があり、そのため、数値計算用の3次元モデリングを構築するような場合には、依然として多大な労力と時間を要する問題点があった。
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、生体断層画像(2次元医用画像)から3次元モデル構築に必要な対象とする領域の輪郭データを短時間に自動抽出することができる輪郭データ抽出方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、対象領域の2次元画像を入力する対象領域入力ステップ(A)と、生体断層画像から前記2次元画像に基づき遺伝的アルゴリズムによるパターン認識を用いてその画像上の対象領域を認識する対象領域認識ステップ(B)と、生体断層画像を認識された対象領域だけにする画像前処理ステップ(C)と、認識された対象領域の輪郭データを抽出する輪郭データ抽出ステップ(D)とを有する、ことを特徴とする生体断層画像の輪郭データ抽出方法が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、生体断層画像を画像表示する画像表示装置(2)と、該画像表示装置上の特定領域を指示する領域指示装置(4)と、画像表示装置上の画像を画像処理する画像処理装置(6)と、画像処理により得られたデータを出力する出力装置(8)とを備え、画像表示装置に生体断層画像を画像表示し、領域指示装置により生体断層画像の特定領域を指示して対象領域の2次元画像を入力し、画像処理装置により生体断層画像から前記2次元画像に基づき遺伝的アルゴリズムによるパターン認識を用いてその画像上の対象領域を認識し、生体断層画像を認識された対象領域だけに前処理し、認識された対象領域の輪郭データを抽出し、出力装置により輪郭データを出力する、ことを特徴とする生体断層画像の輪郭データ抽出装置が提供される。
【0010】
さらに、本発明によれば、コンピュータを用いて、生体断層画像を画像表示し、生体断層画像の特定領域を指示して対象領域の2次元画像を入力し、生体断層画像から前記2次元画像に基づき遺伝的アルゴリズムによるパターン認識を用いてその画像上の対象領域を認識し、生体断層画像を認識された対象領域だけに前処理し、認識された対象領域の輪郭データを抽出し、輪郭データを出力する、ことを特徴とする生体断層画像の輪郭データ抽出用プログラムが提供される。
【0011】
上記本発明の方法および装置によれば、領域指示装置(4)を用いて対象領域入力ステップ(A)において対象領域(例えば血管領域)の2次元画像を入力するので、画像処理装置(6)を用いた対象領域認識ステップ(B)においてこの2次元画像をテンプレートとして遺伝的アルゴリズムによるパターン認識を用いてその画像上の対象領域を容易に認識することができる。
【0012】
また、画像前処理ステップ(C)で生体断層画像を認識された対象領域だけにするので、輪郭データ抽出ステップ(D)における輪郭の抽出ミスを低減できる。
【0013】
さらに、輪郭データ抽出ステップ(D)において、認識された対象領域の輪郭データを抽出するので、デジタイザーを用いた手作業の抽出作業が不要となり、労力と時間を大幅に低減して、3次元モデル構築に必要な対象領域の輪郭データを短時間に自動抽出することができる。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記対象領域入力ステップ(A)において、対象領域テンプレートを作成し、前記対象領域認識ステップ(B)において、対象領域テンプレートの中心座標と倍率を変化させて一致する領域を対象領域としてパターン認識し、画像前処理ステップ(C)において、パターン認識によって得られた中心座標と倍率を用いて対象領域の外側領域を消去する。
この方法により、パターン認識により画像上の対象領域を容易に認識することができ、かつ対象とする領域の輪郭の座標データを確実に抽出することができる。
【0015】
前記輪郭データ抽出ステップ(D)において、edgeエネルギーを擬似ユークリッド距離変換を用いて計算する。
この方法により、従来の方法では計算が難しかった凹形状の場合においても確実に解が収束し、解が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0017】
図1は、本発明による生体断層画像の輪郭データ抽出装置の模式的構成図である。この図に示すように本発明の輪郭データ抽出装置10は、生体断層画像を画像表示する画像表示装置2と、画像表示装置上の特定領域を指示する領域指示装置4と、画像表示装置上の画像を画像処理する画像処理装置6と、画像処理により得られたデータを出力する出力装置8とを備える。
例えば、画像表示装置2はCRT、領域指示装置4はマウス、画像処理装置6はコンピュータ(PC)、出力装置8は、プリンタ、記憶媒体である。
【0018】
また、この輪郭データ抽出装置10において、生体断層画像の輪郭データ抽出用プログラムが、画像処理装置6の記憶装置(ハードディスク、ROM、又はRAM)に記憶される。なおこの輪郭データ抽出用プログラムは、外部記憶装置、例えばFD、CD−ROM、テープ等に記憶し、必要時に、画像処理装置6の記憶装置に記憶するようになっていてもよい。
【0019】
輪郭データ抽出用プログラムは、コンピュータを用いて、生体断層画像を画像表示し、生体断層画像の特定領域を指示して対象領域の2次元画像を入力し、生体断層画像から前記2次元画像に基づき遺伝的アルゴリズムによるパターン認識を用いてその画像上の対象領域を認識し、生体断層画像を認識された対象領域だけに前処理し、認識された対象領域の輪郭データを抽出し、輪郭データを出力するようになっている。
【0020】
また、輪郭データ抽出装置10は、画像表示装置2に生体断層画像を画像表示し、領域指示装置4により生体断層画像の特定領域を指示して対象領域の2次元画像を入力し、画像処理装置6により生体断層画像から前記2次元画像に基づき遺伝的アルゴリズムによるパターン認識を用いてその画像上の対象領域を認識し、生体断層画像を認識された対象領域だけに前処理し、認識された対象領域の輪郭データを抽出し、出力装置8により輪郭データを出力するようになっている。
【0021】
図2は、本発明の方法を示すフローチャートである。以下に図2を用いて、本発明の方法を説明する。
【0022】
本発明の方法は、対象領域入力ステップ(A)、対象領域認識ステップ(B)、  画像前処理ステップ(C)および輪郭データ抽出ステップ(D)からなる。
対象領域入力ステップ(A)では、対象領域の2次元画像を入力する。対象領域認識ステップ(B)では、生体断層画像から前記2次元画像に基づき遺伝的アルゴリズムによるパターン認識を用いてその画像上の対象領域を認識する。画像前処理ステップ(C)では、生体断層画像を認識された対象領域だけにする。輪郭データ抽出ステップ(D)では、認識された対象領域の輪郭データを抽出する。
【0023】
対象領域入力ステップ(A)では、図7に示すCT画像(512×512画素)における血管領域(円形)の輪郭の座標データを抽出する。まず最初に、GAによるパターン認識を用いて、コンピュータに血管領域を認識させる。パターン認識方法はテンプレートマッチング法を用いる。
GAにおける染色体は、中心座標xc,ycと回転角度α、倍率kの4つのパラメータをそれぞれ8ビットで表現し、合計32ビットからなる0と1の数列である。この染色体を持つ多数の個体が交叉、淘汰、突然変異を繰返すことで最適な解を探索する。以下に計算手順を示す。
【0024】
(1) 原画像とテンプレート画像を入力する。
(2) 32ビットの情報を持つ個体を多数生成する。各個体の情報がランダムに設定される。
(3) GAにおける選択、交叉、突然変異の操作により個体を生成する。
(4) 各個体の適応度を評価
(5) 3と4を最良の個体の適応度が条件を満足するまで繰返す。
【0025】
対象領域認識ステップ(B)において最初に原画像を二値化する(図8)。次に、血管領域テンプレート(50×50画素)を作成する(図9)。このテンプレートを用いてGAによるパターン認識により画像上の血管領域を認識する。血管領域を認識した結果を図10に示す。
【0026】
特定された血管領域の近傍には骨、他の血管および内臓などがあり、それらのエッジが次の段階の改良Snakeによる輪郭抽出時に、誤輪郭の原因となるので、血管領域以外は消去する。消去の方法は、GAによるパターン認識によって得られた中心座標と倍率の値を用いて自動的に設定される範囲の画像を消去する。
【0027】
消去される範囲は、[数1]の(1)〜(4)で計算される範囲であり、X_lower以下、X_upper以上、Y_lower以下、Y_upper以上の範囲の画像について消去する(図11)。消去処理を施した画像の結果を図12に示す。
【0028】
【数1】
Figure 2004097315
【0029】
血管輪郭は本発明の改良Snakeにより求める。Snakeとは、Snake形状と画像エッジなどを手がかりに、画像中から特定の対象領域の検出を行う手段である。Snakeに関しては以下の[文献1]に開示されている。
【0030】
[文献1]
MICHAEL KASS,”Snakes:Active ContourModels”,Interernational Journal of Computer Vision,321−331(1988)
【0031】
血管領域だけとなった画像に対して、1次微分フィルターをかけて、血管領域のエッジを検出する。さらに、検出されたエッジに対して、擬似ユークリッド距離変換(水平・垂直方向の距離の増分1、対角方向の距離の増分20.5をそれぞれ2,3で近似することにより定義される)を施し画像エネルギーを生成する(図13)。血管領域まわりにSnakeの制御点の初期値を自動的に設定し、エネルギー最小化計算において解が収束した時、血管輪郭上にある制御点の座標値が求まる(エネルギー最小化計算は[文献1]を参照)。
【0032】
図14に制御点が初期位置から血管領域の輪郭まで移動して、輪郭を捉えるまでの軌跡を示す。また表1に最終的に得られた座標値データを示す。
【0033】
【表1】
Figure 2004097315
【0034】
上述した本発明の方法および装置によれば、領域指示装置4を用いて対象領域入力ステップ(A)において対象領域(例えば血管領域)の2次元画像を入力するので、画像処理装置6を用いた対象領域認識ステップ(B)においてこの2次元画像をテンプレートとして遺伝的アルゴリズムによるパターン認識を用いてその画像上の対象領域を容易に認識することができる。
【0035】
また、画像前処理ステップ(C)で生体断層画像を認識された対象領域だけにするので、輪郭データ抽出ステップ(D)における輪郭の抽出ミスを低減できる。
さらに、輪郭データ抽出ステップ(D)において、認識された対象領域の輪郭データを抽出するので、デジタイザーを用いた手作業の抽出作業が不要となり、労力と時間を大幅に低減して、3次元モデル構築に必要な対象領域の輪郭データを短時間に自動抽出することができる。
【0036】
また、対象領域入力ステップ(A)において、対象領域テンプレートを作成し、対象領域認識ステップ(B)において、対象領域テンプレートの中心座標と倍率を変化させて一致する領域を対象領域としてパターン認識し、画像前処理ステップ(C)において、パターン認識によって得られた中心座標と倍率を用いて対象領域の外側領域を消去することにより、パターン認識により画像上の対象領域を容易に認識することができ、かつ対象とする領域の輪郭の座標データを確実に抽出することができる。
【0037】
さらに輪郭データ抽出ステップ(D)において、edgeエネルギーを擬似ユークリッド距離変換を用いて計算することにより、従来の方法では計算が難しかった凹形状の場合においても確実に解が収束し、解が得られる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
以下の例では、CT画像における腎動脈まわりの血管領域の自動抽出例を示す。
【0039】
1. はじめに
本発明では、医用画像の血管領域の輪郭を自動的に抽出する方法を提案する。本発明では、数値流体手法を用いて、血流動態解析を試みている。数値解析用の3次元血管モデルは、CT,MRIなどの医用計測機器から得られた医用画像に映し出された血管領域を抽出し、高さ方向に積み上げることで構築している。血管領域の輪郭抽出作業は、輪郭の代表点の座標値を計測し、記録するものであり、医用画像が多数枚あると労力と時間がかかり、数値血流解析の医療への応用を考えるとネックとなる部分であった。
この問題点を解決するために、本発明では、遺伝的アルゴリズム(以下GAとよぶ)によるパターン認識とSnakeによる輪郭抽出を用いて血管領域の輪郭を自動的に抽出する方法を提案した。自動化で難しいところは、骨や内臓などが写っている画像から対象とする領域を正確に計算機に認識させることである。本発明ではGAを用いたテンプレート方式によるパターン認識を採用した。さらに、認識された血管領域の輪郭抽出は、Kassらが提案したエネルギー最小化原理を応用したSnakeを採用した。ここでは、CT画像における腎動脈まわりの血管輪郭を抽出の対象とする。図3に腎動脈と大動脈を示す。
【0040】
2. 方法
図2に本発明で提案する血管領域抽出の自動化の手順を示した。CT画像上の対象とする腎動脈の血管領域にはGAを用いてパターン認識する。パターン認識はテンプレートマッチング法を採用する。GAにおける染色体は、中心座標x、yと回転角度α、倍率kの4つのパラメータ(図4)それぞれ8ビットで表現し、合計32ビットからなる0と1の数列である。この染色体を持つ多数の固体が交叉、淘汰、突然変異を繰り返すことで最適な解を探索する。
【0041】
図2において、最初に原画像を二値化する。次に、血管領域テンプレートを用いてGAによるパターン認識により画像上の血管領域を特定する。血管輪郭はSnakeにより求める。Snakeはsnake形状と画像エッジなどを手がかりに、画像中から特定の対象領域の検出を行う手法である。Snake形状については内部のスプラインエネルギーが与えられ、一定の滑らかさを持つように調整され、さらに画像のエッジ部分を検出することによる外部エネルギーとの和から形状が決定された閉曲線である。
【0042】
特定された血管領域の近傍には骨、他の血管および内臓などがあり、それらのエッジがSnakeの輪郭抽出時に、誤輪郭の原因となるので、血管領域以外は消去する。血管領域だけとなった画像に対して、一次微分フィルターをかけて、血管領域のエッジを検出する。さらに、検出されたエッジによる画像エネルギーを生成する。血管領域のまわりにSnakeの制御点の初期値を設定し、エネルギー最小化計算において解が収束した時、血管輪郭上にある制御点の座標値が求まる。
【0043】
3. 理論
3.1 GAによるパターンマッチング法
パターンマッチング法は、テンプレートマッチング法を採用した。中央のx、y座標値、倍率、回転角度の遺伝情報をもつ個体を複数生成し、この個体集団内で交叉、突然変異、淘汰により最適個体を探索する(図5)ことで、目標とする血管領域をマッチングする。遺伝情報であるx、y座標値、倍率、回転角度はそれぞれ8ビットの1,0情報を持ち、一個の遺伝子は32ビットからなる。数値の表現はグレイコードを用いた。交叉は2点交叉、突然変異は利用者が突然変異率を指定する。淘汰はエリート保存戦略を採用した。適応度はテンプレート画像と原画像の輝度値の差をテンプレート画素数で割ったものを1からひいた値として計算した。
【0044】
3.2 Snakeによる輪郭抽出
Snakeは輪郭曲線が持つ内部エネルギーと画像が持つ画像エネルギーの和を変分法による最小化原理により、エネルギー最小輪郭曲線を求める方法である。全体エネルギーEsnekeは内部エネルギーと画像エネルギーの和であり[数2]の式(1)で定義される。
内部エネルギーは[数2]の式(2)で定義される。
式(1)(2)におけるα,βは利用者が設定するパラメータであり、αを変えることによってSnakeの収縮しようとする力をコントロールすることができる。また、βを調整することによってSnakeの曲がりやすさを変えることができる。
【0045】
画像エネルギーは[数2]の式(3)で定義される。ここで、Elineは画像中の輝度関数であり、[数2]の式(4)で定義される。
Eedgeはエッジエネルギーであり、式(5)で定義される。
ここで、d(x、y)は画像中の任意の画素の最近傍エッジからの擬似ユークリッド距離を表している。全体エネルギーの最小値を式(6)(7)の変分法で求める。
行列式にまとめると式(8)(9)となる。
これをオイラー法の反復法で解くとすると式(10)(11)となる。
式(10)(11)におけるγは、計算の収束の速さを調整するパラメータである。Snakeは制御点の初期値を輪郭に周りに設定し(図6)、反復計算により輪郭上に収束する。
【0046】
【数2】
Figure 2004097315
【0047】
3.  結果と検討
ここでは実際のCT画像の場合に適用し、得られた結果を示す。図7に示すCT画像(512×512画素)を用い、この図において大動脈の円形に近い血管領域が示されている。この画像を二値化した画像を図8に示す。次にパターン認識に用いるテンプレート画像を作成する。数枚の二値化された画像から大動脈部分を取り出し、それらを平均化したものをテンプレート画像(50×50画素)とした(図9)。GAにおけるパラメータの値は、突然変異率は0.8、交叉率は0.8、個体数は130、計算の終了条件は適応度が0.96以上とし、すべての画像における認識処理で同じ値を適用した。作成したテンプレート画像を用いて、GAのパターン認識により大動脈の血管領域が特定された結果を図10(a)に示す。また、他の画像についても正確に大動脈領域が認識され(図10(b))、認識率は100%であった。
【0048】
次に、大動脈領域の輪郭をSnakeにより抽出する。Snakeは画像におけるエッジからの距離を画像エネルギーとして定義し、それを手がかりに輪郭を抽出する方法である。対象とする領域のエッジ近傍に他の領域のエッジが存在すると、そのエッジを捉えてしまう可能性がある。図7に示す腹部画像でも、骨、内臓や他の血管の領域のエッジが存在し、Snakeの輪郭抽出の障害となる。ここでは、認識された領域以外の領域はすべて消去する。他の領域を消去し、大動脈領域だけの図を図12に示す。
【0049】
図12において血管領域のエッジを一次微分により輪郭を抽出する。次にエッジによる画像エネルギーを生成する。画像エネルギーはエッジからの擬似ユークリッド距離変換(水平・垂直方向の距離の増分1、対角方向の距離の増分20.5をそれぞれ2,3で近似)により定義される。
【0050】
図13に擬似ユークリッド距離変換により得られた画像エネルギー分布を示す。黒色が画像エネルギーが0、白色が画像エネルギーが255である。血管領域のエッジから距離が離れるほど色が薄くなる。
【0051】
次に、GAによるパターン認識から得られた領域の中心点座標を中心として円状にSnakeの制御点の初期値20点を自動的に設定する(初期点の数は任意に指摘できる)。Snakeのパラメータの値は表2に示す(他の画像の場合でも同じパラメータ値を用いた)。反復計算は制御点が輪郭を捉えるまでに行った。
【0052】
【表2】
Figure 2004097315
【0053】
制御点が初期値から輪郭まで移動する軌跡を図14に示す。図15に他の画像の場合についても結果を示す。
【0054】
4.  結論
GAによるパターン認識とSnakeを用いて、腹部のCT医用画像から血管領域の輪郭データを自動抽出する方法を提案した。数十枚に適用した結果、本手法が有効であることがわかった。
【0055】
なお、本発明は上述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0056】
【発明の効果】
上述したように、本発明の生体断層画像の輪郭データ抽出方法および装置は、生体断層画像(2次元医用画像)から3次元モデル構築に必要な対象とする領域の輪郭データを短時間に自動抽出することができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による生体断層画像の輪郭データ抽出装置の模式的構成図である。
【図2】本発明の方法を示すフローチャートである。
【図3】腎動脈と大動脈を示す図である。
【図4】テンプレートと変数を示す図である。
【図5】GAの概要図である。
【図6】Snakeの概念図である。
【図7】CT画像のディスプレー上の中間調画像である。
【図8】二値化された画像である。
【図9】テンプレート画像である。
【図10】認識された大動脈領域を示す図である。
【図11】消去される画像範囲を示す図である。
【図12】血管領域だけの画像である。
【図13】擬似ユークリッド距離変換により得られた画像エネルギー分布図である。
【図14】制御点の初期値から輪郭までの移動軌跡を示す図である。
【図15】本発明による輪郭抽出例を示す図である。
【符号の説明】
2 画像表示装置(CRT)、
4 領域指示装置(マウス)、
6 画像処理装置(コンピュータ)、
8 出力装置、
10 輪郭データ抽出装置

Claims (5)

  1. 対象領域の2次元画像を入力する対象領域入力ステップ(A)と、生体断層画像から前記2次元画像に基づき遺伝的アルゴリズムによるパターン認識を用いてその画像上の対象領域を認識する対象領域認識ステップ(B)と、生体断層画像を認識された対象領域だけにする画像前処理ステップ(C)と、認識された対象領域の輪郭データを抽出する輪郭データ抽出ステップ(D)とを有する、ことを特徴とする生体断層画像の輪郭データ抽出方法。
  2. 前記対象領域入力ステップ(A)において、対象領域テンプレートを作成し、
    前記対象領域認識ステップ(B)において、対象領域テンプレートの中心座標と倍率を変化させて一致する領域を対象領域としてパターン認識し、
    画像前処理ステップ(C)において、パターン認識によって得られた中心座標と倍率を用いて対象領域の外側領域を消去する、ことを特徴とする請求項1に記載の生体断層画像の輪郭データ抽出方法。
  3. 前記輪郭データ抽出ステップ(D)において、edgeエネルギーを擬似ユークリッド距離変換を用いて計算する、ことを特徴とする請求項1に記載の生体断層画像の輪郭データ抽出方法。
  4. 生体断層画像を画像表示する画像表示装置(2)と、該画像表示装置上の特定領域を指示する領域指示装置(4)と、画像表示装置上の画像を画像処理する画像処理装置(6)と、画像処理により得られたデータを出力する出力装置(8)とを備え、
    画像表示装置に生体断層画像を画像表示し、領域指示装置により生体断層画像の特定領域を指示して対象領域の2次元画像を入力し、画像処理装置により生体断層画像から前記2次元画像に基づき遺伝的アルゴリズムによるパターン認識を用いてその画像上の対象領域を認識し、生体断層画像を認識された対象領域だけに前処理し、認識された対象領域の輪郭データを抽出し、出力装置により輪郭データを出力する、ことを特徴とする生体断層画像の輪郭データ抽出装置。
  5. コンピュータを用いて、生体断層画像を画像表示し、生体断層画像の特定領域を指示して対象領域の2次元画像を入力し、生体断層画像から前記2次元画像に基づき遺伝的アルゴリズムによるパターン認識を用いてその画像上の対象領域を認識し、生体断層画像を認識された対象領域だけに前処理し、認識された対象領域の輪郭データを抽出し、輪郭データを出力する、ことを特徴とする生体断層画像の輪郭データ抽出用プログラム。
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