JP2004097161A - 貝類採取用爪およびこれを用いた貝類採取装置 - Google Patents

貝類採取用爪およびこれを用いた貝類採取装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小石や岩などがコイルバネ部よりも下方の部分にぶつかりコイルバネ部には直接ぶつからないような構造とすることにより、コイルバネ部が衝撃をよく吸収して破損を防ぐことができるとともに、掻出アームの狭持される部分が繰り返しの掻きだし操作や衝撃によって摩耗しても簡単には抜け落ちないようにした貝類採取用爪およびこれを用いた貝類採取装置を提供する。
【解決手段】衝撃を吸収するコイルバネ部が形成されたアーム本体と、アーム本体の先端側に取付けられて貝類を掻き出す掻出アームと、アーム本体と掻出アームを狭持して連結する1対の連結板とを有し、アーム本体は基端側を略U字形状のU字状固定部に形成し、先端側を屈曲された屈曲部に形成し、コイルバネ部をU字状固定部に隣接して形成し、掻出アームは連結板に狭持される側の一端部を拡幅部に形成し、連結板はアーム本体の屈曲部に合致する屈曲溝および拡幅部に合致する拡幅溝を形成した。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貝類採取用爪およびこれを用いた貝類採取装置に係り、特に、海底の起伏に富んだ砂地に生息するホタテ貝等を掻き出して浮遊させ桁網内に採取するのに好適な貝類採取用爪およびこれを用いた貝類採取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、海底の砂地に生息しているホタテ等の貝類を採取する漁法として桁網漁法が行われている。例えば、図10および図11に示すように、漁船にワイヤー6が連結されており、このワイヤー6の端部に八尺と呼ばれる鉄製の熊手状の爪7が形成された漁具8が取り付けられている。そして、漁船によって前記漁具8を海底で曳行することにより、熊手状爪7が海底の砂地に隠れているホタテ貝9を掻き出して浮かせたところを後方に取り付けられた袋網10内へと取り入れるようになっている。
【0003】
しかしながら、海底は平坦な砂地とは限らず、むしろ起伏に富んだクレーターのような場所にホタテ貝9は生息している。このため、従来の八尺では熊手状爪7がホタテ貝9に届かずに上方を通過してホタテ貝9を掘り起こすことができない場合がある。また、クレバス等の裂け目や起伏に富んだ海底においては、漁具8が上下に激しくバウンドする。これにより、漁具8が海底に着地する際に熊手状爪7がホタテ貝9を押し潰し、割れ貝や砕け貝の原因になっていた。
【0004】
また、熊手状爪7は、摩耗や折れ曲がり等の損傷が激しいが、損傷部分はガスカッターにより切断して新たな熊手状爪7を溶接により接合するようになっており、時間やコストのかかる作業を強いられていた。
【0005】
以上のような問題を解決することを目的として、特開2002−51668号公報には、コイル部を有するアーム部と、爪と、両者を連結する1対の狭持板とを有するホタテ桁網における爪先が提案されている(特許文献1参照)。これによれば、爪が1対の狭持板によって狭持されているため爪の交換が容易であり、コイル部により爪が海底から受ける力を吸収でき、また、狭持板によってアーム部と爪との接合部にかかる力を分散させるので衝撃や振動を緩和できるとされる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−51668号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、海底は砂地ばかりではなく、小石や岩が散在している海底も多く存在する。例えば、北海道の枝幸や浜頓別等の宗谷管内の海底には石原と呼ばれる石や岩が散在した海底にホタテ貝が生息している。このような海底で使用される貝類採取用爪や貝類採取装置には、砂地とは異なり石や岩に衝突することを前提とした工夫が必要とされる。
【0008】
この点、前述した特開2002−51668号公報に記載されたホタテ桁網の爪先においては、衝撃を緩和するコイル部が形成されているものの、その形成位置がアーム部の中央位置であるため、本来、最も応力が集中する基端部の固定部分が衝撃から守られる構造となっていない。特に、前記発明では、コイル部から前方斜め上方に向けて前方杆部が形成され、コイル部の位置を海底からの高さを変えないようにするという特徴を備えているが、かえって石や岩などが前記コイル部に直接衝突しやすいという欠点が生じ、コイル部の衝撃吸収作用が全く機能しない。これでは、その衝撃をまともに受けてアーム部が折れ曲がったり、脱落してしまうという問題がある。
【0009】
さらに、上記特開2002−51668号公報に記載のホタテ桁網における爪先においては、各爪が海底に対して略垂直方向下方を向くように設けられている。したがって、海底の起伏の深さが3mにもなる深い凹部に生息するホタテ貝を掘り起こすことができない場合が多く、より一層の改善が望まれていた。
【0010】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、石原の小石や岩などがコイルバネ部よりも下方の部分にぶつかりコイルバネ部には直接ぶつからないような構造とすることにより、前記コイルバネ部が衝撃をよく吸収して破損を防ぐことができるとともに、掻出アームの狭持される部分が繰り返しの掻き出し操作や衝撃によって摩耗しても簡単には抜け落ちないようにした貝類採取用爪およびこれを用いた貝類採取装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る貝類採取用爪の特徴は、海底等で曳行されて帆立貝等の貝類を採取する貝類採取装置に取り付けられて貝類を掻き出すための貝類採取用爪であって、この貝類採取用爪は、衝撃を吸収するコイルバネ部が形成されたアーム本体と、このアーム本体の先端側に取り付けられて貝類を掻き出すための掻出アームと、前記アーム本体および前記掻出アームを狭持して連結する1対の連結板とを有しており、前記アーム本体は、その基端側を略U字形状のU字状固定部に形成しているとともに、その先端側を屈曲された屈曲部に形成し、前記コイルバネ部を前記U字状固定部に隣接するようにして形成しており、前記掻出アームは、前記連結板に狭持される側の一端部を幅方向に拡大した拡幅部に形成し、前記連結板は、それぞれ内側に前記アーム本体の屈曲部に合致する屈曲溝および前記拡幅部に合致する拡幅溝を形成している点にある。
【0012】
そして、このような構成を採用したことにより、コイルバネ部がU字状固定部に可能な限り近接して設けられるので、そのコイルバネ部よりも先端側にかかる衝撃を前記コイルバネ部が吸収して緩和するという作用を有し、また、掻出アームの狭持される端部が幅方向に拡幅されているため、砂地を掻き出す動作によって根本が摩耗しても抜け落ちにくいという作用を奏する。また、アーム本体と掻出アームとが連結板によって連結されているので、各部が破損したときに破損部品だけを交換すればよい。
【0013】
また、本発明において、1対の前記連結板は、4mm以上5mm以下の鉄板により形成することが好ましい。これにより、重量と強度とのバランスがよくなり、適度な重量で脱落の心配が少ないとともに、ホタテ貝が生息する海底において、固い砂地や石、岩などに衝突するような衝撃を受けても簡単に曲がったりせず、掻出アームを強固に狭持する。
【0014】
また、本発明では、前記アーム本体のアーム部とU字状固定部とは同一平面上に形成されているとともに、前記掻出アームは前記アーム本体に対して略直角をなすように連結されていることが好ましい。これにより、貝類採取装置の八尺に取り付けられたときに、コイルバネ部の海底からの高さがより高い位置に設定されるため、岩などに衝突した際の衝撃をコイルバネ部で吸収できる確率を高くすることができるとともに、掻出アームが砂地の深い位置まで刺さり易いし、貝類の下面に入り込み易い角度を形成するという作用を奏する。
【0015】
さらに、本発明に係る貝類採取装置の特徴は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の貝類採取用爪を後方に袋状の漁網を備えた八尺に取り付けて構成される貝類採取装置であって、前記貝類採取用爪のアーム本体が曳行方向に対して45度〜70度の角度をなすように前記八尺に固定されており、掻出アームが海底等の砂地に鋭角に刺さるようになっていることが好ましい。
【0016】
そして、このような構成を採用したことにより、アーム本体が曳行方向に対して45度〜70度の傾斜角で八尺に固定されるため、U字状固定部から掻出アームの先端までの垂直方向距離が長くなり、コイルバネ部が高い位置に設定できるため、石や岩がコイルバネ部に直接衝突するのを回避できるという作用を有する。また、掻出アームはより深い砂地の掻き出しが可能となるので、起伏に富んだ深い凹状の海底でも貝類の下に入り込んで効果的に掘り起こすという作用を奏する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る貝類採取用爪およびこれを用いた貝類採取装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態である貝類採取用爪1Aを示す側面図であり、図2は、図1中の矢印A方向からみた下面図である。
【0018】
図1および図2に示すように、本実施形態の貝類採取用爪1Aは、衝撃を吸収するコイルバネ部2cが形成されたアーム本体2と、このアーム本体2の先端側に取り付けられて貝類を掻き出すための掻出アーム3と、前記アーム本体2および前記掻出アーム3を狭持して連結する1対の連結板4とを有している。
【0019】
アーム本体2は、鉄鋼材料を素材としており、その基端側には、後述する貝類採取装置5の取付用板5aに取り付けるための略U字形状をしたU字状固定部2aが形成され、先端側には、連結板4に狭持されて抜け落ちを防止するための屈曲部2bが形成されている。また、屈曲部2bは、図1に示すように、アーム本体2の先端側が所定角度だけ折り曲げられており、連結板4に狭持されたときに抜け落ちにくくされている。
【0020】
また、アーム本体2には、U字状固定部2aの固定に必要な領域を残して可能な限り固定位置近くにコイルバネ部2cが形成されている。このため、貝類採取用爪1Aが、コイルバネ部2cよりも屈曲部2b側において受ける衝撃はすべてコイルバネ部2cによって吸収されて緩和される。すなわち、貝類採取用爪1Aにかかる応力は、U字状固定部2aで最大となりこの部分での破損率が高いが、コイルバネ部2cの配置がU字状固定部2aに近ければ近いほど、その応力が作用する衝撃をコイルバネ部2cによって吸収して応力を小さくすることができる。
【0021】
なお、図1に示すように、本実施形態においては、アーム本体2のアーム部とU字状固定部2aとは同一平面上に形成されている。これにより、貝類採取装置の八尺に取り付けられたときに、角部等の応力が集中しやすい部位を不要に形成することなく、コイルバネ部2cの海底からの高さをより高い位置に設定できるため、岩などに衝突した際の衝撃をコイルバネ部2cで吸収できる確率を高くすることができるという作用を奏する。
【0022】
また、コイルバネ部2cのバネ定数やコイル有効径は、海底の状況に応じて適宜変更することができる。例えば、本実施形態においては、材料の引張り強さ、衝撃の吸収、緩和作用と海底の掻き出し作用とのバランスを考慮して、バネ定数が約1700N/mm以上、コイル有効径が約45〜75mmのコイルバネ部2cを有するアーム本体2を使用している。
【0023】
つぎに、掻出アーム3は、鉄鋼によって棒状に形成されており、その一端には1対の連結板4に狭持されるために幅方向に拡幅された拡幅部3aが形成され、他端には海底の砂地に刺さって貝類を掻き出す掻出部3bが形成されている。図3(a)に示すように、拡幅部3aは、掻出アーム3の本体部分の径より幅方向に突出するように形成されており、連結板4に狭持されると拡幅部3aがストッパーの役目を果たすようになっている。これにより、拡幅部3aが使用により摩耗しても掻出アーム3が簡単には脱落しない。また、本実施形態では、図3の(b)に示すように、棒状の部材の一端部を両側から圧潰することにより拡幅部3aを形成している。
【0024】
図4に、本実施形態における連結板4の側面図を示す。連結板4は、圧延鋼材等の金属により形成される一対の左右対称な合わせ板から構成される。この連結板4は、アーム本体2および掻出アーム3を強固に狭持するものであるため、アーム本体2や掻出アーム3と異なり、非弾性材料を選択するのが好ましい。また、連結板4はアーム本体2と掻出アーム3との連結角度に合わせて略L字形状に形成されており、各連結板4の内側には掻出アーム3の拡幅部3aを狭持するための掻出アーム狭持溝4a、およびアーム本体2の屈曲部2bを狭持するための屈曲溝4bが形成されている。そして、図1および図4に示すように、掻出アーム狭持溝4aは拡幅部3aを狭持する拡幅溝4a1と、拡幅部3a以外の部分を狭持する非拡幅溝4a2とから構成されている。
【0025】
図5は、図4に示す連結板4の(a)A−A線の一部断面図、(b)B−B線の断面図、(c)C−C線の断面図、(d)D−D線の断面図、および(e)非拡幅溝4a2が拡幅部3aの抜け方向を係止する状態を示している。
【0026】
図5(a)および図5(b)に示すように、拡幅溝4a1は拡幅部3aの形状に合わせて形成されており、わずかに凹んだ偏平形状の溝として形成されている。これにより、拡幅溝4a1は拡幅部3aと密着し、掻出アーム3を強固に狭持する。また、図5(a)および図5(c)に示すように、非拡幅溝4a2は掻出アーム3の丸棒状の外周面を保持するために2つの平面によって溝が形成されており、1対の連結板4を合わせると略菱形形状を形成する。これにより、非拡幅溝4a2は掻出アーム2の外周面を狭持するとともに、抜け方向においては、図5(e)に示すように、非拡幅溝4a2の端部に拡幅部3aが引っ掛かるので掻出アーム3の脱落防止のストッパーとしての役目をも果たす。
【0027】
一方、図4および図5に示すように、屈曲溝4bは屈曲部2bの形状に合わせて途中で所定角度に折れ曲げられており、また、その断面は半円形状に形成されている。これにより、屈曲溝4bは屈曲部2bの外周面に半円形状に湾曲した溝面で接触する。これにより、図1および図4の左右方向においては、屈曲溝4bと屈曲部2bとが互いに係合する。
【0028】
そして、図1および図2に示すように、連結板4によりアーム本体2と掻出アーム3を狭持し、ボルトとナットにより締めつけて固定する。なお、本実施形態においては、図4に示すように、掻出アーム狭持溝4a近傍に4つ、屈曲溝4b近傍に3つのボルト穴4cを設けている。しかしながら、ボルト穴4cの位置や数は締めつけ具合を考慮して適宜変更することができる。
【0029】
なお、本実施形態においては、アーム本体2と掻出アーム3とは約90度の角度をなすように連結されている。これにより、掻出アーム3が砂地に対してより深い位置まで刺さるし、ホタテ貝のように薄い平板状の貝類を傷つけないように下面へ差し込むことができるという作用を奏する。
【0030】
また、貝類採取用爪1Aにおける連結板4の厚さは、強度と重量のバランスを考慮して決定される。そこで、数種の厚さの連結板4により構成された貝類採取用爪1Aを実際の漁と同じ条件で海底を曳行することにより耐久性を検討した。その結果、厚さが4mm未満の連結板4は、石や岩が多い海底では曲がったり破損するものが多い。このため交換頻度が高くなってしまいコストがかかる。一方、厚さが5mmを超える連結板4は、強度が増すがそれだけ重量も増すため貝類採取装置5からの脱落が懸念される。そこで連結板4の厚さが約4mm以上5mm以下であれば、適度な重量でありながら十分な強度を確保でき、本実施形態では4.5mmを選択している。
【0031】
図6および図7は、本発明に係る貝類採取用爪の他の実施形態を示すものであり、2つの貝類採取用爪が一体的に連結された構成になっている。なお、本実施形態の構成のうち、前述した貝類採取用爪1Aで説明した構成と同一若しくは相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。本実施形態の貝類採取用爪1Bは、長さの異なるアーム本体2を有する2つの貝類採取用爪1Aが連結U字状固定部2dにより一体的に連結された状態に形成されている。このような構成によれば、より多くの爪を効率的に取り付けることができるし、アーム本体2の長さを異ならせることで各掻出アーム3の掻出部3bが砂地に対して異なる深さや位置に刺さって掻き出すことになるため、貝類の採取効率が向上する。
【0032】
つぎに、本実施形態の貝類採取用爪1Aおよび貝類採取用爪1Bを用いた貝類採取装置5について図面を参照しつつ説明する。
【0033】
図8は、本発明の実施形態である貝類採取装置5を示す斜視図であり、図9はその側面図である。なお、本実施形態の構成のうち、従来の技術で説明した構成と同一若しくは相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
【0034】
図8および図9に示すように、本実施形態の貝類採取装置5は、従来の漁具である八尺8に貝類採取用爪1Aおよび貝類採取用爪1Bを取り付けるための取付用板5aが設けられている。その取付用板5aには、貝類採取用爪1AのU字状固定部2aおよび貝類採取用爪1Bの連結U字状固定部2dがそれぞれボルトとナットにより締結されている。本実施形態では、爪が2つあるダブルの貝類採取用爪1Bを取付用板5aの両端部に取り付けるとともに、それ以外の中央側位置にはアーム本体2の長さが異なるシングルの貝類採取用爪1Aを選択して取り付けている。
【0035】
また、曳行方向に対する貝類採取用爪1Aおよび貝類採取用爪1Bの取付角度は、漁場における砂地の硬さや漁船の曳行速度、八尺の重量等により決定される。ただ、曳行方向に対するアーム本体2の角度をいろいろ変えて実際の漁を行ってもらったところ、コイルバネ部2cが高い位置にあるほど破損するケースは少なく、またホタテ貝9の採取率も良好であった。特に、取付用板5aとの位置関係や一般的な漁場の砂地や起伏状況、石や岩の散在状況を考慮すると曳航方向に対してアーム本体2が約45度〜70度程度に傾斜するように固定されることが好ましい。この範囲であれば、U字状固定部2aおよび連結U字状固定部2dから掻出アーム3の先端までの垂直方向距離が長くなり、コイルバネ部2cが海底から高い位置に設定できるため、石や岩がコイルバネ部2cに直接衝突するのを回避できる。また、掻出アーム3はアーム本体2と直角をなしているため、より深い砂地の掻き出しが可能となるので、起伏に富んだ深い凹状の海底でも貝類の下に入り込んで効果的に掘り起こすことができる。
【0036】
しかしながら、曳航方向に対するアーム本体2の取付角度はこれに限らず、砂地の硬さや漁船の曳行速度、および貝類採取装置5の重量や熊手状爪7の数などを総合的に考慮して、バランスの取れた角度を適宜選択することができる。
【0037】
なお、本発明の実施形態の各構成は前述したものに限るものではなく、適宜変更することができる。
【0038】
例えば、本実施形態の屈曲部2bは45度に屈曲させているが、これに限らない。すなわち、より脱落防止効果を高めたければ角度を大きくすればよく、脱落の心配があまり無ければ角度を小さくしてもよい。また、貝類採取装置5に取り付ける貝類採取用爪1Aおよび貝類採取用爪1Bの数やアーム本体2の長さも特に限定されるものではなく、衝撃の吸収効果や貝類の採取率を考慮して適宜決定される。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、石原の小石や岩などがコイルバネ部よりも下方の部分にぶつかってコイルバネ部には直接ぶつからないような構造とすることにより、前記コイルバネ部が衝撃をよく吸収して破損を防ぐことができるとともに、掻出アームの狭持される部分が繰り返しの掻き出し操作や衝撃によって摩耗しても簡単には抜け落ちないようにできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る貝類採取用爪の一実施形態を示す側面図である。
【図2】図1に示す本実施形態の貝類採取用爪を矢印A方向から見た下面図である。
【図3】本実施形態における掻出アームを示す(a)側面図および(b)正面図である。
【図4】本実施形態における連結板の側面図である。
【図5】図4に示す連結板における(a)A−A線の一部断面図、(b)B−B線の断面図、(c)C−C線の断面図、(d)D−D線の断面図、および(e)非拡幅溝が拡幅部を係止する状態を示す図である。
【図6】本発明に係る貝類採取用爪の他の実施形態を示す側面図である。
【図7】図6に示す他の実施形態の下面図である。
【図8】本発明に係る貝類採取装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図9】本実施形態の貝類採取装置を示す側面図である。
【図10】従来の貝類採取装置(八尺)の斜視図である。
【図11】従来の貝類採取装置(八尺)の側面図である。
【符号の説明】
1A,1B 貝類採取用爪
2 アーム本体
2a U字状固定部
2b 屈曲部
2c コイルバネ部
2d 連結U字状固定部
3 掻出アーム
3a 拡幅部
3b 掻出部
4 連結板
4a 掻出アーム狭持溝
4a1 拡幅溝
4a2 非拡幅溝
4b 屈曲溝
4c ボルト穴
5 貝類採取装置
5a 取付用板
6 ワイヤー
7 熊手状爪
8 漁具(八尺)
9 ホタテ貝
10 袋網

Claims (4)

  1. 海底等で曳行されて帆立貝等の貝類を採取する貝類採取装置に取り付けられて貝類を掻き出すための貝類採取用爪であって、この貝類採取用爪は、衝撃を吸収するコイルバネ部が形成されたアーム本体と、このアーム本体の先端側に取り付けられて貝類を掻き出すための掻出アームと、前記アーム本体および前記掻出アームを狭持して連結する1対の連結板とを有しており、
    前記アーム本体は、その基端側を略U字形状のU字状固定部に形成しているとともに、その先端側を屈曲された屈曲部に形成し、前記コイルバネ部を前記U字状固定部に隣接するようにして形成しており、
    前記掻出アームは、前記連結板に狭持される側の一端部を幅方向に拡大した拡幅部に形成し、
    前記連結板は、それぞれ内側に前記アーム本体の屈曲部に合致する屈曲溝および前記拡幅部に合致する拡幅溝を形成していることを特徴とする貝類採取用爪。
  2. 請求項1において、1対の前記連結板は、4mm以上5mm以下の厚さの鉄板により形成することを特徴とする貝類採取用爪。
  3. 請求項2において、前記アーム本体のアーム部とU字状固定部とは同一平面上に形成されているとともに、前記掻出アームは前記アーム本体に対して略直角をなすように連結されていることを特徴とする貝類採取用爪。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の貝類採取用爪を後方に袋状の漁網を備えた八尺に取り付けて構成される貝類採取装置であって、前記貝類採取用爪のアーム本体が曳行方向に対して45度〜70度の角度をなすように前記八尺に固定されており、掻出アームが海底等の砂地に鋭角に刺さるようになっていることを特徴とする貝類採取装置。
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