JP2004096209A - ダイバーシチアンテナ装置及びこれを用いたカード型モジュール並びに通信機 - Google Patents

ダイバーシチアンテナ装置及びこれを用いたカード型モジュール並びに通信機 Download PDF

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Abstract

【課題】指向性ダイバーシチの性能を高めたアンテナ装置およびこのアンテナ装置を用いたカード型モジュールを提供する。
【解決手段】回路基板の一面側に第1のアンテナと第2のアンテナを空間を介して配置し、第1のアンテナと第2のアンテナの何れか一方もしくは両方を選択的に送受信回路に接続して送受信を行うダイバーシチアンテナ装置であって、第1のアンテナと第2のアンテナは、送受信周波数の波長(λ)に対し、λ/2またはλ/4で励振する放射電極と、接地電極と、給電電極とを基体表面に備えた表面実装型のチップアンテナであり、第1のチップアンテナと第2のチップアンテナを回路基板の角部に対向配置し、第1のチップアンテナから回路基板上に励振される対角線方向の共振電流と第2のチップアンテナから回路基板上に励振される対角線方向の共振電流とが略直交するようになしたものである。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノート型パソコン等の情報端末装置に挿入して無線回線上でデータ通信を行う際に使用するカード型モジュール及びこのカード型モジュールや携帯電話などの通信機内に装備するダイバーシチアンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近ではノート型パソコンや携帯電話等の携帯情報端末装置の急速な普及に伴い、これらの携帯端末を用いて無線回線上でデータ通信を行う例が多くなっている。例えばGHz帯を用いた無線LANによるデータ通信には、予めアンテナ装置を内蔵した携帯情報端末装置であるとかノート型パソコン等にアンテナ装置を備えた無線情報端末を接続して利用されている。このうち、後者の場合、アンテナ装置を有するカード型の無線情報媒体(カード型モジュール)をノート型パソコン等のスロット接続部に挿入することによって接続しているのが一般的である。
【0003】
ノート型パソコンの大きさ及び形状は、近年、多種多様化している。このため、ノート型パソコンに接続されるカード型モジュールのアンテナ装置は、これらの様々なノート型パソコンの機種に左右されることなく、アンテナ特性を維持してデータ通信を確実に行うことが望まれている。
また、通常ノート型パソコン等は様々な状態において使用されるため、無線基地局(中継器)と端末との相対位置が不特定であることから、このような条件下においても安定に通信を行うためには、端末側アンテナの全方位に指向性が分布する方が望ましい。さらに、端末と基地局それぞれのアンテナについて、互いに電界放射の偏波面が同一方向であることが望ましく、反面、アンテナの偏波面が互いに直交し、ある方向に対して一つの偏波しか送受信できないようなアンテナ特性ではデータ通信に支障を来たす。
ところが、単一のモノポール型あるいはダイポール型アンテナで全方位指向性を実現することは理論上不可能であり、これを解決するため、指向性あるいは偏波面の異なる2つ以上のアンテナを組み合わせて、どちらか受信状態の良好なアンテナの受信信号を用いるダイバーシチアンテナ装置が実用化されている。
【0004】
従来、携帯情報端末等に用いられるダイバーシチアンテナとして、アンテナ工学ハンドブック(オーム社、586ページ)に記載されるごとく、2つ以上のアンテナを空間的に離して配置し、複数のアンテナの中から受信感度の良いアンテナを選択する空間ダイバーシチアンテナが一般的である。例えば、特開平9−326626号公報では電波の強さが位置により変化するフェージング現象を防止するように、プリント基板の両側隅部にF型の導電性パターンアンテナを設けた無線カード用のダイバーシチアンテナが開示されている。
また、偏波面の異なる2つ以上のアンテナを組み合わせて、どちらか受信状態の良いアンテナを用いる偏波ダイバーシチ方式のアンテナ事例として、例えば、特開2002−16434号公報がある。本例では、チップサイズの小型アンテナ(以下、チップアンテナと略す)とホイップアンテナをそれぞれ用いた場合が開示されている。ここでは各々類似した放射指向性の相互干渉により、ダイバーシチ効果が得にくくなる問題に対し、回路基板へのチップアンテナの取付け位置を規定することによって前記問題を改善する手段が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、携帯電話やカード型モジュール等の小型無線端末に用いられるダイバーシチ用アンテナとしては、ホイップアンテナと比較して小型軽量化、かつ端末内部の回路基板上に実装容易なチップアンテナを用いることが多くなってきている。さらにこのチップアンテナとしては、偏波面の方向性を問わない円偏波特性を持ったパッチアンテナかあるいは垂直偏波と水平偏波それぞれの偏波特性を満たした複数個のアンテナを使用することが好ましい。しかしながら、一般にカード型モジュールの大きさには制限があり、回路基板とアンテナと共に小形である必要がある。この点で前者のパッチアンテナはGHz帯と言えども大型になりカード内に内蔵するには無理がある。この点後者では少なくとも2個のアンテナを必要とするが小形化して収めることは可能である。しかし部品管理や製造上の観点から言うと、アンテナは一種類の方が望ましく種類の違うアンテナを用いることは好まれない。また、特定の方向からの電波を積極的に受信できるようになした指向性ダイバーシチアンテナの特性も必要とされる。以上のことより、特にカード型モジュールでは、より簡単な構成によって空間、偏波、指向性ダイバーシチの性能を兼ね備えたアンテナ装置が望まれている。
【0006】
本発明は、回路基板上に垂直偏波と水平偏波の両方の偏波特性を持った同種の表面実装型アンテナを空間的に離して配置した空間ダイバーシチアンテナであって、さらに指向性ダイバーシチの性能を高めたアンテナ装置およびこのアンテナ装置を用いたカード型モジュールや通信機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、送受信周波数の波長(λ)に対し、λ/2またはλ/4で励振するようになしたチップアンテナを2個対向配置したものであって、このとき励振に同期して回路基板を流れる共振電流の方向が略直交するようになし水平方向の指向性を強調し合うことを知見し本発明に想到した。
即ち、本発明は、回路基板に第1のアンテナと第2のアンテナを空間を介して配置し、前記第1のアンテナと第2のアンテナの何れか一方、もしくは両方を選択的に送受信回路に接続して送受信を行うダイバーシチアンテナ装置であって、前記第1のアンテナと第2のアンテナは、送受信周波数の波長(λ)に対し、λ/2またはλ/4で励振する放射電極と、接地電極と、給電電極とを基体表面に備えた表面実装型のチップアンテナであり、前記第1のチップアンテナと第2のチップアンテナを回路基板の角部に対向配置し、前記第1のチップアンテナから回路基板上に励振される対角線方向の共振電流と第2のチップアンテナから回路基板上に励振される対角線方向の共振電流とが略直交するようにしたダイバーシチアンテナ装置である。
【0008】
本発明のダイバーシチアンテナ装置は、前記第1のチップアンテナと第2のチップアンテナを対称の電極を有するチップアンテナとなし、前記第1のチップアンテナの接地電極が前記回路基板の長手方向の一辺側に向くように配置し、前記第2のチップアンテナの接地電極が前記回路基板の一辺と対向する他辺側に向くように配置して、各々のチップアンテナによって回路基板上に励振される共振電流の方向を対称的に略直交させたものである。共振電流は電流モードが立った状況にあり、このとき回路基板側に流れる共振電流は接地電極付近を基点として対角線上に流れることが知見された。よって、接地電極側を外側に向けた点対称な配置(ミラー配置)はより対称的な水平方向の指向性を示し良好となる。
【0009】
本発明のダイバーシチアンテナ装置は、前記第1のチップアンテナと第2のチップアンテナを同一の電極を有するチップアンテナとなし、それぞれのチップアンテナの接地電極が前記回路基板の一辺側に向くように配置して、各々のチップアンテナによって回路基板上に励振される共振電流の方向を非対称的に略直交させたものである。接地電極の位置が左右または上下でずれる分、指向性は若干非対称性を示す。しかし、基板に対するチップアンテナの占有率は極小さいので非対称性を許容できる仕様の場合は有効であり、尚且つここでは同じチップアンテナを用いることのメリットが高い。
【0010】
本発明のダイバーシチアンテナ装置は、前記第1のチップアンテナと第2のチップアンテナが対向する方向の回路基板の長さ(Ls)に対する前記チップアンテナの長手方向の長さ(La)の比(La/Ls)を1/10〜2/5とすることが好ましい。また、短辺から0.5〜1mm程度下方に離した位置に設けることが望ましい。
また、本発明のダイバーシチアンテナ装置は、前記第1のチップアンテナと第2のチップアンテナの何れか一方が前記回路基板に設けられた接地導体の上に配置され、他方は接地導体が設けられていない領域に配置することが出来る。この場合、接地導体上に配置したチップアンテナにより垂直偏波特性の向上が期待できる。他方、非接地導体上に配したチップアンテナにより放射効率向上のほか伝播周波数の広帯域化が期待できる。
【0011】
本発明は、上記の何れかに記載のダイバーシチアンテナ装置を具備したカード型モジュールであって、前記第1のチップアンテナと第2のチップアンテナの長手方向がモジュールの長手方向に対して直交するように配置し、当該カード型モジュールを情報端末装置に挿入して使用するとき、前記ダイバーシチアンテナ装置の部分は前記情報端末装置から外部に突き出した部位に形成されていることを特徴とするカード型モジュールである。
また、本発明は、上記の何れかに記載のダイバーシチアンテナ装置を具備した通信機である。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に本発明のダイバーシチアンテナ装置の概略図を示す。まず本発明では表面実装型チップアンテナの構造は特定しないが、少なくとも送受信周波数の波長(λ)に対しλ/2またはλ/4で励振するものであって、基体表面には放射電極、接地電極及び給電電極の各機能を持った電極パターンを印刷形成したものを用いることが望ましい。例えば後述する図3に示すアンテナは、アンテナ基体10の上面に略L字状或いはJ字状の放射電極11を、隣合う奥側面にも放射電極12を、さらに下面に接地電極13を形成し、前側面に給電電極14を備えている。この電極構成によって垂直偏波と水平偏波の両方の偏波特性を発揮出来るようにしている。また、図に示す回路基板3上にはアンテナ基体のみを図示し他の線路や部品は省いている。ここでは基板表面に接地導体30を有し接地導体上に前記チップアンテナを実装しており基体裏面の接地電極13を介してグランドをとっている。
【0013】
さて、図1において第1のアンテナ1Aと第2のアンテナ1Bは空間を介して対向配置した空間ダイバーシチアンテナの構成をとっている。ここで第1のアンテナ1Aと第2のアンテナ1Bは同じ基体に対し個々の電極パターンを対称的に形成したもので同じ電極構造であると言える。これはパターン印刷工程だけを変更すれば良く容易に製造できる。基板上への配置については右上角隅において接地電極13側を回路基板の一辺3R側に向けて短辺3Uと平行に配置し、さらに第2のアンテナ1Bは、左上角隅において接地電極13側を前記一辺3Rと対向する他辺3L側に向けて短辺3Uと平行に配置している。即ち、同じ電極構造を持ったアンテナ1Aと1Bではあるが、それぞれの接地側が側辺に向くように点対称に対向配置したものである。このとき第1と第2のアンテナを流れる電流はそれぞれのアンテナ基体の周りをループ状に流れ水平方向と垂直方向に放射するが、これに同期して第1のアンテナ1Aであれば基板導体上に接地電極付近を基点とする実線36で示す対角線にも電流が流れ、他方、第2のアンテナ1Bからも基板導体上に接地電極付近を基点とする破線35で示す対角線にも電流が流れ、両者の電流は対称的に略直交するようになる。
【0014】
これらの電流は基板対角が放射される電波の略4分の1波長(λ/4)、あるいは略2分の1波長(λ/2)の場合、電流モードが立った共振状態となることから、基板からの電波も放射されやすくなり、アンテナ利得が最大となる。アンテナ指向性は基板対角線上の共振電流の方向に対し略同心円状に分布し、これにより図1に示すように、対角線上にヌル点を有し水平偏波成分の指向性をもった放射だけをアンテナ並びに基板全体から取り出すことが出来る。よって、実線46で示す指向性のパターンと破線45で示す指向性のパターンの放射が加わり、それぞれが補完し合い無指向性の放射となり特に水平方向の指向性ダイバーシチアンテナとして良好な特性を示すものとなる。
また、第1、第2のチップアンテナの長手方向の寸法Laは回路基板の短辺3Uの寸法Lsに対して1/3程度と基板に対して十分に小さく、また短辺3Uからの寸法hも1/10程度と基板長手寸法に対してわずかである。このように基板に対して小さなチップアンテナでありながら、基板対角線上に発生する共振電流を利用しているので水平方向の指向性を強調すると共に小型化が図られる。
【0015】
図2は第1のチップアンテナと第2のチップアンテナの他の配置例を示している。本例では両チップアンテナは同一の電極構造を持つ同一種のアンテナであり、接地電極13が基板の長手方向側面3R側に向くように対向配置している。寸法は上記と同様である。この場合は接地電極の位置が基板に対し左右非対称となるが、対角線上の共振電流は実線37、破線38で示すように略直交するように発生する。そして図示していないが水平偏波成分の指向性をもった放射パターンが加わる。これは、上記例のミラー対象の場合に比べれば指向性パターンは若干崩れるが許容できる範囲でダイバーシチアンテナとしては無指向性の放射となり特に水平方向の指向性ダイバーシチアンテナとして良好な特性を示すものとなる。また、この場合は同一のアンテナを用いるので管理が容易で簡単かつ安価に製造できる。
【0016】
次に、表面実装型のチップアンテナの一例を図3、図4に示す。図3のものは回路基板の接地導体の上に実装する場合に適したアンテナであり、低温焼結型セラミックス等の誘電体からなり、その誘電率は8〜30程度である。基体サイズは、長さ8〜12mm×幅2〜4mm×高さ1〜3mm程度となし、送受信周波数の波長(λ)に対しλ/4で励振するように直方体状の基体10の基体上面にL字状あるいはJ字状に形成され一端を開放端とした放射電極11と、奥側面にも放射電極11の他端に繋がった放射電極12を設け、さらに下面に連続して接地電極13を、手前の前側面に給電電極14をそれぞれ印刷パターンにより形成したものである。尚、他の電極15や側面まで延長された電極は面実装時の半田固定用として用いる。従って、これをLGA(Land Grid Array)やBGA(Ball GridArray)とすることもできるので必須なものではない。給電電極14と放射電極11の開放端との間は容量結合となし、ここでインピーダンス整合を取り易くしており、放射電極11の角部は丸めて放射利得を稼いでいる。また接地電極13は接地導体上に載置されて確実にグランドをとっている。これらの電極により共振回路を構成しており、図示しない高周波電源から給電電極14を介して信号が共振回路に入力されると、共振回路内で放射電極が励振され結果的にその一部のエネルギーが空中に放射されアンテナとして機能する。また、放射電極11と基板グランド(接地導体)との容量性結合を介し、基板と垂直方向に共振電流が流れることから、基板グランド面と水平方向には一様な指向性(無指向性)が得られる。これは基板面に対し垂直偏波となり、図1に示した基板対角線を流れる共振電流によって生ずる水平偏波成分と相まって偏波ダイバーシチを構成する。
【0017】
図4のものは回路基板でも接地導体のない領域(非地導体領域)に実装する場合に適したアンテナであり、上記同様の基体20の上面にL字状の一端が開放された放射電極21と、奥側面に放射電極21の他端に繋がり長手方向に延びる放射電極22と、さらに下面に連続した接地電極23と、前側面に設けた給電電極24をそれぞれ印刷パターンにより形成したものである。共振回路の機能などについては図3のものと同様であるが、アンテナを接地導体の無い領域に実装した場合は無指向性がとれる反面、占有面積をとられるのでアンテナ基体はより小型化する必要がある。これは誘電率の大きい材料を用いることで解決できるが、逆に帯域幅が小さくなる。そこで、ここでは放射電極22を長手方向に延びるストライプ状としインダクタンス成分を増やして帯域幅の低下を補っている。図4に示すアンテナは、図3のアンテナに比べて放射電極21と基板グランド(接地導体)との距離が遠いため、これらの結合容量が小さいことから、基板と垂直方向の共振電流は小さい。このため、基板面との垂直偏波成分は少ないが、反面、アンテナから効率良く電波を放射できるほか、伝播周波数の広帯域を図れる利点がある。
【0018】
図5、図6はダイバーシチアンテナ装置の他の例を示すものでチップアンテナの配置を変えたものである。即ち、第1のチップアンテナと第2のチップアンテナの一方(図5)あるいは両方(図6)を基体の長手方向が基板の長手方向に対して平行に配置したものである。図1、図2の例では直交していたので基板角部でのアンテナ占有面積が実質的に小さくカード型モジュールなどでの使用が望ましい。しかし、通信機などの回路基板には回路設計上、直交の場合や平行の場合があり得る。図5、図6のように長手方向に平行に配したチップアンテナの例でも対角線上に共振電流が発生するものでこれらが略直交することを確認している。これらの例では水平偏波のパターン対象性や方向性がくずれる可能性があるものの利用価値は十分にある。
【0019】
次に、図7はカード型モジュールの例を示す概略図であり、モジュール本体50の内部は図示せず、アンテナ装置部分も樹脂ケース等を取り除いた状態で示している。矢印方向にモジュール本体50をノート型パソコン等のスロット部に挿入し、アンテナを搭載したアンテナ装置部分はスロット外に位置するようにする。従って、無線装置の周囲に水平方向と垂直方向のどこにも電波を効率良く放射することができる。また、アンテナを筐体外部に設けることにより、アンテナから放射される電磁波の一部が筐体内部に漏洩するのを防止できるため、雑音が減少し受信性能の向上が図れる利点もある。図7は図4のアンテナを実装した一実施例であり、アンテナ装置以外の要素は示していない。アンテナ装置は回路基板3の左右隅部に接地導体30のない領域31を有しており、この部分にアンテナ2Aの接地電極23側が回路基板の一辺3R側に向くように配置し、他方、アンテナ2A’の接地電極23側が一辺3L側に向くように対向配置している。接地電極23は接地導体30の渡し部32に置かれてグランドを取っており、給電電極24はストリップライン33により電源側と接続されている。
本例は図1に示した実施例に対して接地導体の無い領域(非接地導体)にアンテナを実装した場合を示している。この例では放射効率と帯域幅の向上が図られると共に回路基板3には対角線上に共振電流が略直交するように流れ、その結果、特に水平方向に指向性をもった指向性ダイバーシチアンテナを得ることが出来る。
【0020】
図8は、また別のカード型モジュールの実施例である。この例では図3に示したアンテナ1Aを接地導体30上に実装し、他方図4に示したアンテナ2A’を接地導体の無い領域(非接地導体)31の上に実装したアンテナ装置である。アンテナ1Aの接地電極13は回路基板3の一辺3R側を向いており、アンテナ2A’の接地電極23は回路基板のもう一つの一辺3L側に向けて配置しているので点対称に対向配置した例である。電流モードや指向性については上記実施例と同様であるので説明は省略する。接地導体の上に直接アンテナを実装した場合は垂直偏波の特性が向上しやすい。垂直偏波特性と水平偏波特性のバランスと放射利得、帯域幅などのアンテナ特性と回路基板の設計を考慮し、接地導体の上に置く場合、接地導体の無い領域に置く場合、または両者の組み合わせである場合があるので適宜選択することが好ましい。
【0021】
次に以下のような試験を行った。
プリント基板(長手40mm、短辺30mm、厚さ1mm)の上に、図3に示したアンテナ(寸法10×3×2mm)を図2のように実装した構造モデルを作成し、これについて電磁界シミュレーションにより電界並びに磁界を求めることにより、カード型モジュールのアンテナ動作原理を検証した。図9(a)(b)は上記モデルについての電流密度のシミュレーション結果であり、(a)はチップアンテナ1A’に給電したとき、(b)はチップアンテナ1Aに給電したときを示し、基板での電流密度が高いほど濃く色づけ表示してある。しかし実際のシミュレーション結果のままでは濃淡は分かりずらいので層間を模写している。図9のシミュレーション結果より、チップアンテナ1A及び1Bにそれぞれ給電した場合、電流密度の層が対角線上に円弧に広がることが分かる。このときの電流方向は層間の一部に矢印で加えたように法線方向にあり、よって、基板対角線上に共振電流が流れることが分かった。そして(a)(b)はまったくの対象ではないがほぼ対称的であり(本発明では非対称的と言っている)、両者の共振電流は互いに略直交していることを確認した。尚、図1の場合のシミュレーション結果はこれよりもさらに対象性の高い結果、ほぼ図9(b)が左右対称に現われたような態様(必ずしも対象ではないが本発明では対象的と言っている)が得られた。このようにして電磁界シミュレーションにより共振電流の流れ方向や状況を確認できる。
【0022】
さらに、上記のシミュレーション条件において、電界と磁界の計算値をもとに基板面と水平方向の指向性を求めた結果を図10に示す。図10(a)はチップアンテナ1A’に給電したとき、(b)はチップアンテナ1Aに給電したときを示している。円周上はカード型モジュール基板の水平面であり0°は基板の長手(アンテナ実装)方向を指す。また、同心円上はアンテナの絶対利得を示す。同図から、チップアンテナ1A’に給電する場合は図9(a)に示す共振電流の方向にヌル点があり、他方チップアンテナ1Aを給電する場合は図9(b)に示す共振電流の方向にヌル点がある。そして、これらとほぼ直交する基板対角線方向に指向性(利得の最大値)が得られることがわかる。チップアンテナ1A’、1Aの両方に給電した場合水平方向の指向性が高められことになり、こららの結果は本発明の目的とする指向性ダイバーシチ効果を確認できるものである。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明のアンテナ装置は、第1のチップアンテナと第2のチップアンテナを回路基板の角部に対向配置し、対角線上に略交差する共振電流を発生せしめたので水平方向の無指向性の放射が加わり、空間ダイバーシチアンテナの特性を持つことができていると共に特に水平方向の指向性ダイバーシチの性能を高めたアンテナ装置となった。これらのチップアンテナは回路基板に対し占有面積が小さくアンテナ装置全体の小型化ができると共に、同一種のチップアンテナを用いることができるので製造上また管理上の利点がある。
また、これらのアンテナ装置を組みこんだカード型モジュールを情報端末装置のスロット部に挿入して使用するとき、アンテナ装置の部分は情報端末装置から外部に突き出した部位に形成するようにしているので指向性ダイバーシチの性能が損なわれることなく高効率のダイバーシチ効果が得られる。
また、以上のアンテナ装置を通信機に内蔵した場合も水平方向の指向性ダイバーシチ性能の高い通信機を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明するためのアンテナ装置の上面図である。
【図2】本発明の他の実施例を説明するためのアンテナ装置の上面図である。
【図3】本発明のアンテナ装置に用いる表面実装型チップアンテナの一例を示す斜視図である。
【図4】本発明のアンテナ装置に用いる表面実装型チップアンテナの他の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明のアンテナ装置の他の実施例を示す上面図である。
【図6】本発明のアンテナ装置のさらに他の実施例を示す上面図である。
【図7】本発明のカード型モジュールの一実施例を示す斜視図である。
【図8】本発明のカード型モジュールの他の一実施例を示す斜視図である。
【図9】本発明の電流密度のシミュレーション結果を示す模式図である。
【図10】本発明の指向性のシミュレーション結果を示す図である。
【符号の説明】
1A、1A’、1B、2A、2A’:表面実装型チップアンテナ
3:回路基板
4:アンテナ装置
5:カード型モジュール
10、20:アンテナ基体
11、12、21、22:放射電極
13、23:接地電極
14、24:給電電極
15、25:半田接続用のダミー電極
3R、3L:回路基板の一辺
30:地導体
31:地導体の無い領域
35:第2のアンテナの電流方向
36:第1のアンテナの電流方向
45:第2のアンテナの指向性パターン
46:第1のアンテナの指向性パターン

Claims (7)

  1. 回路基板に第1のアンテナと第2のアンテナを空間を介して配置し、前記第1のアンテナと第2のアンテナの何れか一方、もしくは両方を選択的に送受信回路に接続して送受信を行うダイバーシチアンテナ装置であって、
    前記第1のアンテナと第2のアンテナは、送受信周波数の波長(λ)に対し、λ/2またはλ/4で励振する放射電極と、接地電極と、給電電極とを基体表面に備えた表面実装型のチップアンテナであり、
    前記第1のチップアンテナと第2のチップアンテナを回路基板の角部に対向配置し、前記第1のチップアンテナから回路基板上に励振される対角線方向の共振電流と第2のチップアンテナから回路基板上に励振される対角線方向の共振電流とが略直交することを特徴とするダイバーシチアンテナ装置。
  2. 前記第1のチップアンテナと第2のチップアンテナを対称の電極を有するチップアンテナとなし、前記第1のチップアンテナの接地電極が前記回路基板の長手方向の一辺側に向くように配置し、前記第2のチップアンテナの接地電極が前記回路基板の一辺と対向する他辺側に向くように配置し、各々のチップアンテナによって回路基板上に励振される共振電流の方向を略直交するようにしたことを特徴とする請求項1記載のダイバーシチアンテナ装置。
  3. 前記第1のチップアンテナと第2のチップアンテナを同一の電極を有するチップアンテナとなし、それぞれの接地電極が前記回路基板の一辺側に向くように配置し、各々のチップアンテナによって回路基板上に励振される共振電流の方向を非対称的に略直交するようにしたことを特徴とする請求項1記載のダイバーシチアンテナ装置。
  4. 前記第1のチップアンテナと第2のチップアンテナが対向する方向の回路基板の長さ(Ls)に対する前記チップアンテナの長手方向の長さ(La)の比(La/Ls)を1/10〜2/5としたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のダイバーシチアンテナ装置。
  5. 前記第1のチップアンテナと第2のチップアンテナの何れか一方が前記回路基板に設けられた接地導体の上に配置され、他方は接地導体が設けられていない領域に配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のダイバーシチアンテナ装置。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のダイバーシチアンテナ装置を具備したカード型モジュールであって、前記第1のチップアンテナと第2のチップアンテナの長手方向がモジュールの長手方向に対して直交するように配置し、当該カード型モジュールを情報端末装置に挿入して使用するとき、前記ダイバーシチアンテナ装置の部分は前記情報端末装置から外部に突き出した部位に形成されていることを特徴とするカード型モジュール。
  7. 請求項1〜5の何れかに記載のダイバーシチアンテナ装置を具備したことを特徴とする通信機。
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