JP2004096177A - 復調器,並びにこれを用いた受信機,車載器,及び路側装置 - Google Patents
復調器,並びにこれを用いた受信機,車載器,及び路側装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004096177A JP2004096177A JP2002251076A JP2002251076A JP2004096177A JP 2004096177 A JP2004096177 A JP 2004096177A JP 2002251076 A JP2002251076 A JP 2002251076A JP 2002251076 A JP2002251076 A JP 2002251076A JP 2004096177 A JP2004096177 A JP 2004096177A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- frequency
- signal
- sampling
- converter
- demodulator
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Traffic Control Systems (AREA)
- Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
Abstract
【課題】デジタル無線通信で使用される復調器に含まれる回路に要求される動作周波数を,より低くするための技術を提供する。
【解決手段】本発明による復調器(20)は,所定の搬送波周波数でデジタル変調がなされている入力信号(19)をサンプリングするA/D変換器(22)と,A/D変換器(22)が生成するデジタルデータ(24)に対して復調演算を行って受信データ(21)を再生する演算器(23)とを含む。A/D変換器(22)が入力信号(19)をサンプリングするサンプリング周波数fSは,入力信号(19)のナイキスト周波数よりも小さく,且つ,前記搬送波周波数をfとし,前記デジタル変調のベースバンド信号の帯域幅をBとして,下記条件:
を満足するように選択されている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明による復調器(20)は,所定の搬送波周波数でデジタル変調がなされている入力信号(19)をサンプリングするA/D変換器(22)と,A/D変換器(22)が生成するデジタルデータ(24)に対して復調演算を行って受信データ(21)を再生する演算器(23)とを含む。A/D変換器(22)が入力信号(19)をサンプリングするサンプリング周波数fSは,入力信号(19)のナイキスト周波数よりも小さく,且つ,前記搬送波周波数をfとし,前記デジタル変調のベースバンド信号の帯域幅をBとして,下記条件:
を満足するように選択されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,復調器,並びにこれを用いた受信機,車載器,及び路側装置に関する。本発明は,特に,デジタル変調された無線通信信号を復調するための復調器,並びにこれを用いた受信機,車載器,及び路側装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルデータを無線によって通信するデジタル無線通信が広範囲な用途で使用されている。ETC(Electronic Toll Collection:自動料金収受システム)で使用される車載器と路側装置との間の無線通信は,デジタル無線通信の典型的な用途の一つである。
【0003】
デジタル無線通信に使用されるデジタル復調器は,小型化,消費電力の低減,及びコストの低減が望まれている。かかる要求を満足するためのデジタル無線通信用復調装置が公開特許公報(特開平11−98208)に開示されている。公知のそのデジタル無線通信用復調装置は,デジタル信号によって周波数変調または位相変調された信号を受信する受信手段と、該受信した信号を中間周波数の信号に変換する周波数変換手段と、前記変換された中間周波数信号の位相を検出する位相検出手段と、前記検出された位相情報をサンプリングするサンプリング手段と、前記サンプリングされた前記受信信号の位相情報のサンプリング点数を増やすためのオーバーサンプリング手段と、前記オーバーサンプリング手段の出力から前記中間周波数信号の検波を行う検波手段と、前記検波手段の出力から送信情報を復調する復調手段とを具備する。公知のそのデジタル無線通信用復調装置は,受信特性を劣化させることなく位相成分抽出用計数器の動作周波数や中間周波数を低く抑えることができ、消費電力の低減化が可能である。
【0004】
デジタル復調器に含まれている回路に要求される動作周波数は、一層に低いことが望まれる。該デジタル復調器が含んでいる回路に要求される動作周波数がより低いことは、デジタル復調器の低価格化を可能にする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は,デジタル無線通信で使用される復調器に含まれる回路に要求される動作周波数を,より低くするための技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下に,[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて,課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は,[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されている。但し,付加された番号・符号は,[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0007】
本発明による復調器(20他)は,所定の搬送波周波数でデジタル変調がなされている入力信号(19)をサンプリングするA/D変換器(22)と,A/D変換器(22)が生成するデジタルデータ(24)に対して復調演算を行って受信データ(21)を再生する演算器(23)とを含む。A/D変換器(22)が入力信号(19)をサンプリングするサンプリング周波数fSは,入力信号(19)のナイキスト周波数よりも小さく,且つ,前記搬送波周波数をfとし,前記デジタル変調のベースバンド信号の帯域幅をBとして,下記条件:
【数6】
を満足するように選択されている。当該復調器(20)では,アンダーサンプリングが行われ,且つ,サンプリング周波数fSが上記条件を満足するように定められているため,エイリアシングによる受信データ(21)の再生への悪影響を回避しながら,A/D変換器(22)の動作周波数を低減可能である。
【0008】
本発明による復調器(31)は,所定の搬送波周波数でデジタル変調がなされている入力信号(19)を,互いに異なる位相で,且つ,実質的に同一のサンプリング周波数fSでサンプリングする複数のA/D変換器(33−1〜33−M)と,複数のA/D変換器(33−1〜33−M)のそれぞれが生成するデジタルデータ(36−1〜36−M)に対して復調演算を行って受信データ(21)を再生する演算器(35)とを含む。前記サンプリング周波数fSは,前記入力信号のナイキスト周波数よりも小さく,且つ,前記搬送波周波数をfとし,前記デジタル変調のベースバンド信号の帯域幅をBとして,下記条件:
【数7】
を満足するように選択されている。当該復調器では,一の入力信号(19)のサンプリングに複数のA/D変換器(33−1〜33−M)が使用され,A/D変換器(33−1〜33−M)それぞれの動作周波数を低減することが可能である。
【0009】
前記サンプリング周波数fSは,
【数8】
なるfmax,fminについて,下記式:
fmax≦fS≦fmin,
を満足するように選択されていることが好適である。このようにサンプリング周波数fSが選択されていることにより,より確実にエイリアシングを回避することができる。
【0010】
当該復調器(91)は,更に,クロック調整器(94)を含み,演算器(91)は,デジタルデータ(95)に基づいて,複数の復調方式のうちから一の復調方式を選択復調方式として選択し,且つ前記選択復調方式に従って前記復調演算を行い,クロック調整器(94)は,前記選択復調方式に応答して,入力信号(19)をサンプリングするタイミングを指示するクロック信号(96)を生成し,A/D変換器(92)は,クロック信号(96)に同期して入力信号(19)をサンプリングすることが好ましい。
【0011】
演算器(20他)は,前記復調演算の手順が記述されたプログラムを記憶するプログラム格納器(25)を備え,前記プログラムは,書き換え可能であることが好ましい。
【0012】
本発明による受信機は,所定の搬送波周波数でデジタル変調がなされている入力信号(17)を増幅し,増幅入力信号(19)を生成する増幅器(18)と,復調器(21)とを含む。復調器(21)は,増幅入力信号(19)をサンプリングするA/D変換器(22)と,A/D変換器(22)が生成するデジタルデータに対して復調演算を行って受信データを再生する演算器(23)とを備得ている。A/D変換器(22)が増幅入力信号(19)をサンプリングするサンプリング周波数fSは,入力信号(17)のナイキスト周波数よりも小さく,且つ,前記搬送波周波数をfとし,前記デジタル変調のベースバンド信号の帯域幅をBとして,下記条件:
【数9】
を満足するように選択されている。増幅器(18)のゲインは,デジタルデータ(24)に基づいて調整される
【0013】
本発明による受信機は,第1搬送波周波数でデジタル変調がなされている高周波信号(7)に,変換用周波数を有する信号(16)を乗算して前記第1搬送波周波数より低い第2搬送波周波数で変調されている中間周波数信号(17)を生成する周波数変換器(14)と,中間周波数信号(17)を増幅して増幅中間周波数信号(19)を生成するアンプ(18)と,復調器(21)とを含む。復調器(21)は,増幅中間周波数信号(19)をサンプリングするA/D変換器(22)と,A/D変換器(22)が生成するデジタルデータ(24)に対して復調演算を行って受信データ(21)を再生する演算器(23)とを備えている。A/D変換器(22)が増幅中間周波数信号(19)をサンプリングするサンプリング周波数fSは,中間周波数信号(17)のナイキスト周波数よりも低く,且つ,前記搬送波周波数をfとし,前記デジタル変調のベースバンド信号の帯域幅をBとして,下記条件:
【数10】
を満足するように選択されている。変換用周波数は,デジタルデータ(24)に応じて調整される。
【0014】
上記の復調機及び受信機は,車両(1)に搭載され,路側に設けられる路側装置(3)と無線による通信を行う車載器(2)に好適に使用され,また,路側に設けられ,車載器(2)と無線による通信を行う路側装置(3)に好適に使用される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下,添付図面を参照しながら,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の一形態を説明する。
【0016】
(実施の第1形態)
本発明の実施の第1形態では,図2に示されているように,車両1に搭載された車載器2と,路側に設けられた路側装置3との間で無線通信が行われる。車載器2と路側装置3とには,図3に示されているように,それぞれ,送信機4と受信機5とアンテナ6とが搭載され,車載器2と路側装置3との間の無線通信は,送信機4と受信機5とアンテナ6とによって行われる。送信機4は,デジタル変調によってRF信号7を生成し,RF信号7をアンテナ6を介して発信する。RF信号7の搬送波周波数はギガヘルツ帯であり,ETCシステムでは,RF信号7の搬送波周波数は,5.8GHzである。
【0017】
受信機5は,アンテナ6によってRF信号7を受信する。図1は,受信機5の構成を示している。受信機5は,アンテナ6に接続された高周波アンプ11を備えている。高周波アンプ11は,アンテナ6によって受信されたRF信号7を増幅し,増幅RF信号12を生成する。増幅RF信号12は,周波数変換器13に入力される。
【0018】
周波数変換器13は,発振器14とミキサ15とを備えている。発振器14は,RF信号7の搬送波周波数よりも微少に小さい周波数を有する高周波信号16を生成する。ETCシステムでは,高周波信号16の周波数は,5.76GHzである。ミキサ15は,高周波アンプ11が生成する増幅RF信号12と,発振器14が生成する高周波信号16とを乗じ,中間周波数帯のIF信号17を生成する。このような構成を有する周波数変換器13は,ギガヘルツ帯の増幅RF信号12を中間周波数帯のIF信号17に変換する機能を果たす。IF信号17は,中間周波数帯アンプ18に入力される。
【0019】
中間周波数帯アンプ18は,IF信号17を増幅し,増幅IF信号19を生成する。増幅IF信号19は,復調器20に入力される。
【0020】
復調器20は,増幅IF信号19を復調して,受信データ21を再生する。復調器20は,A/D変換器22とデジタル復調演算回路23とを含む。A/D変換器22は,増幅IF信号19をサンプリングして,サンプリングデータ24を生成する。サンプリングデータ24は,デジタル復調演算回路23に入力される。
【0021】
デジタル復調演算回路23は,メモリ25とプログラマブルハードウエア26とを含む。メモリ25は,サンプリングデータ24に対して行われる復調演算の手順が記述されたプログラムを保存するプログラム格納領域25aと,該復調演算のワークエリアである復調処理エリア25bとを有している。メモリ25は,該プログラムを不揮発的に,且つ,書き換え可能に保持する。該プログラムは,書き換え可能である。プログラマブルハードウエア26は,プログラム格納領域25aに格納されているプログラムを実行する。プログラマブルハードウエア26は,典型的には,CPU(Central Processing Unit),プログラマブルゲートアレイ,及びDSP(Digital Signal Processor)で構成される。プログラム格納領域25aに格納されているプログラムの実行により,サンプリングデータ24に対する復調演算が行われ,受信データ21が再生される。
【0022】
デジタル復調演算回路23は,送受信インターフェース27に接続されている。送受信インターフェース27は,プログラム格納領域25aに記憶されているプログラムの更新に使用される。プログラム格納領域25aに記憶されているプログラムを更新する場合,送受信インターフェース27は,外部装置28に接続される。外部装置28から送受信インターフェース27を介してデジタル復調演算回路23にプログラムがダウンロードされ,復調演算の実行に使用されるプログラムが更新される。復調演算の実行に使用されるプログラムが書き換え可能であることは,該プログラムの更新が可能であり,従って送受信方式の変更に柔軟に対応可能である点で好ましい。
【0023】
A/D変換器22の動作周波数を低減するために,A/D変換器22による増幅IF信号19のサンプリングには,アンダーサンプリングが適用される。即ち,A/D変換器22のサンプリング周波数fSは,増幅IF信号19のナイキスト周波数(即ち,IF信号17の搬送波周波数fIFの2倍)より小さい。一般に,ナイキストの定理によると,サンプリングデータ24から増幅IF信号19の波形を完全に再生するためには,増幅IF信号19のサンプリングの周波数は,増幅IF信号19のナイキスト周波数以上でなくてはならない。従って,アンダーサンプリングでは,増幅IF信号19の波形の完全な再生は不可能である。
【0024】
しかし,サンプリングデータ24から受信データ21を生成するためには,受信データ21の判別ができれば十分であり,増幅IF信号19の完全な再生は必要とされない。受信データ21の判別は,増幅IF信号19に含まれるベースバンド信号(変調波)の成分が損なわれていなければ可能である。
【0025】
かかる観点から,A/D変換器22が増幅IF信号19をサンプリングするサンプリング周波数fSは,下記条件:
【数11】
を満足するように決定される。ここでfIFは,IF信号17の搬送波周波数であり,Bは,ベースバンド信号の帯域幅である。
【0026】
式(1)を満足するようなサンプリング周波数fSで増幅IF信号19をサンプリングすることにより,エイリアシングを回避し,ベースバンド信号のスペクトルを再現可能である。図4(a)は,A/D変換器22が生成するサンプリングデータ24をA/D変換器22からデジタル復調演算回路23に伝送する伝送信号の周波数スペクトルである。サンプリングデータ24を伝送する信号の周波数スペクトルには,ベースバンド信号のスペクトルが折り返されて繰り返される。図4(b)に示されているように,ベースバンド信号のスペクトルが,k・fSから(2k+1)fS/2の間に収まっていれば,エイリアシングが起こらずベースバンド信号を再現可能である。ここでkは,自然数である。この条件は,下記式:
【数12】
によって表される。式(2),(3)をまとめると,式(1)が得られる。ゆえに,式(1)を満足するようなサンプリング周波数fSで増幅IF信号19をサンプリングすることにより,ベースバンド信号のスペクトルを再現可能である。このように,式(1)を満足する条件で増幅IF信号19をアンダーサンプリングすることにより,受信データ21の再生に影響を及ぼすことなく,A/D変換器22の動作周波数を低減することができる。
【0027】
エイリアシングを確実に回避するためには,
【数13】
なるfmax,fminについて,サンプリング周波数fSが下記式:
fmax≦fS≦fmin, …(6)
を満足するように選択されることが好適である。このように,サンプリング周波数fSを選択することにより,マージンが得られ,エイリアシングをより確実に回避できる。
【0028】
以上に説明されているように,本実施の形態では,復調器20に含まれるA/D変換器22が増幅IF信号19をサンプリングするサンプリング周波数fSが,式(1)を満足するように選択され,受信データ21の再生に影響を及ぼすことなくA/D変換器22の動作周波数の低減が可能である。A/D変換器22の動作周波数の低減は,A/D変換器22の低コスト化を可能にする点で好適である。
【0029】
(実施の第2形態)
本発明の実施の第2形態では,A/D変換器の動作周波数を一層に低減するために車載器2,路側装置3に含まれる受信機5の構成が変更される。図5は,実施の第2形態の受信機5を示す。実施の第2形態では,実施の第1形態の受信機5で使用される復調器20の代わりに,復調器31が使用される。復調器31では,増幅IF信号19のサンプリングが複数のA/D変換器で行われ、実効的なサンプリング周波数fSを保ったまま,複数のA/D変換器それぞれの動作周波数が低減されている。
【0030】
より詳細には,復調器31は,分配器32と,A/D変換器33−1〜33−Mと,並列アンダーサンプリングタイミング発生器34と,デジタル復調演算回路35とを含む。分配器32は,増幅IF信号19をA/D変換器33−1〜33−Mのそれぞれに分配する。A/D変換器33−1〜33−Mは,それぞれ,増幅IF信号19に対してアンダーサンプリングを行い,それぞれ,サンプリングデータ36−1〜36−Mを生成する。A/D変換器33−1〜33−Mのサンプリング周波数fSは同一である。
【0031】
A/D変換器33−1〜33−Mが増幅IF信号19をサンプリングするタイミングは,並列アンダーサンプリングタイミング発生器34によって指示される。並列アンダーサンプリングタイミング発生器34は,A/D変換器33−1〜33−Mがサンプリングを行うタイミングの位相を互いに2π/Mだけずらす。
【0032】
A/D変換器33−1〜33−Mがそれぞれ生成するサンプリングデータ36−1〜36−Mは,デジタル復調演算回路35に入力される。デジタル復調演算回路35は,サンプリングデータ36−1〜36−Mから受信データ21を再生する。
【0033】
デジタル復調演算回路35は,メモリ37とプログラマブルハードウエア38とを含む。メモリ37は,サンプリングデータ36−1〜36−Mに対して行われる復調演算の手順が記述されたプログラムを保存するプログラム格納領域37aと,該復調演算のワークエリアである復調処理エリア37bとを有している。メモリ37は,該プログラムを不揮発的に,且つ,書き換え可能に保持する。該プログラムは,書き換え可能である。プログラマブルハードウエア38は,プログラム格納領域37aに格納されているプログラムを実行する。プログラム格納領域37aに格納されているプログラムの実行により,サンプリングデータ36−1〜36−Mに対する復調演算が行われ,受信データ21が再生される。
【0034】
A/D変換器33−1〜33−Mそれぞれが増幅IF信号19をサンプリングするサンプリング周波数fSは,上記の式(1)を満足するように選択される。これにより,エイリアシングを回避し,ベースバンド信号のスペクトルを損なうことなく増幅IF信号19のサンプリングが行われる。
【0035】
更に,A/D変換器33−1〜33−Mは,互いに異なるタイミングで増幅IF信号19をサンプリングするため,A/D変換器33−1〜33−Mは,全体としては,サンプリング周波数M・fSで動作する一のA/D変換器と等価の動作をすることになる。これは,逆に,増幅IF信号19をサンプリングするサンプリング周波数が固定されている場合には,A/D変換器33−1〜33−Mのサンプリング周波数をM分の一にすることができることを意味している。このように,M個のA/D変換器33−1〜33−Mを使用することにより,A/D変換器33−1〜33−Mそれぞれの動作周波数をM分の一に抑制可能であり,A/D変換器33−1〜33−Mの動作周波数の一層の低減が可能である。
【0036】
本実施の形態において、図6に示されているように,並列アンダーサンプリングタイミング発生器34の代わりに遅延回路39−1〜39−Mを使用することも可能である。分配器31によって分波された増幅IF信号19は,それぞれ遅延回路39−1〜39−Mによって遅延されてA/D変換器33−1〜33−Mに入力される。遅延回路39−1〜39−Mは,それぞれ異なる遅延時間を有しており,これにより,A/D変換器33−1〜33−Mが増幅IF信号19をサンプリングするタイミングの位相が,互いに2π/Mだけずらされる。
【0037】
また,本実施において,実施の第1形態と同様に,A/D変換器33−1〜33−Mのそれぞれがサンプリングをおこなうサンプリング周波数fSが,式(4)〜式(6)を満足するように定められることは,エイリアシングをより確実に回避可能である点で好適である。
【0038】
(実施の第3形態)
実施の第3形態では,ASK(Amplitude Shift Keying)によって生成されたRF信号7の受信及び復調が行われる。図7に示されているように,実施の第3形態の受信機5では,ASKによって生成されたRF信号7の受信及び復調が可能であるように,実施の第1形態で使用される復調器20の代わりに,復調器41が使用される。復調器41は,増幅IF信号19をASK復調して受信データ21を再生する。
【0039】
復調器41は,A/D変換器42とASK復調タイミング発生器43とデジタル復調演算回路44とを備えている。A/D変換器42は,増幅IF信号19をアンダーサンプリングしてサンプリングデータ45を生成する。A/D変換器42がアンダーサンプリングを行うことにより,A/D変換器42の動作周波数が低減されている。
【0040】
A/D変換器42が増幅IF信号19をサンプリングするタイミングは,ASK復調タイミング発生器43によって生成されるサンプリングタイミング発生信号46によって指定される。図8に示されているように,サンプリングタイミング発生信号46は,増幅IF信号19の周期をTとしたとき,周期k・Tを有している。サンプリングタイミング発生信号46は,周期k・Tに一のパルスを有し,A/D変換器42は,該パルスが入力されると,増幅IF信号19をサンプリングする。
【0041】
A/D変換器42のサンプリング周波数fSは,上述のkを用いて,上述の式(1):
【数14】
なる条件を満足するように定められる。これにより,ベースバンド信号のスペクトルを損なうことなく増幅IF信号19のサンプリングが可能である。
【0042】
図7に示されているように,デジタル復調演算回路44は,サンプリングデータ45から受信データ21を再生する。デジタル復調演算回路44は,メモリ47とプログラマブルハードウエア48とを含む。メモリ47は,サンプリングデータ45をASK復調する復調演算の手順が記述されたASK復調プログラムを保存するASK復調プログラム格納領域47aと,該復調演算のワークエリアである復調処理エリア47bとを有している。メモリ47は,該プログラムを不揮発的に,且つ,書き換え可能に保持し,該プログラムは,書き換え可能である。プログラマブルハードウエア48は,プログラム格納領域47aに格納されているASK復調プログラムを実行する。プログラム格納領域47aに格納されているプログラムの実行により,サンプリングデータ45に対する復調演算が行われ,受信データ21が再生される。
【0043】
図9は,デジタル復調演算回路44の動作を示す。A/D変換器42が増幅IF信号19をアンダーサンプリングすることによって生成されたサンプリングデータ43は2乗され,2乗サンプリングデータ49が生成される。2乗サンプリングデータ49から低周波成分が取り出され,低周波成分データ50が生成される。低周波成分データ50は,2値化されて符号化され,受信データ21が生成される。このようなデジタル復調演算回路44の動作により,増幅IF信号19を復調して受信データ21を再生することが可能である。
【0044】
実施の第3形態では,A/D変換器42のサンプリング周波数fSが式(1)を満足するように定められ,受信データ21の再生に影響を及ぼすことなくA/D変換器42の動作周波数の低減が可能である。更に,ASK復調タイミング発生器43が設けられ,デジタル復調演算回路44の動作がASK復調を実行可能に構成されることにより,ASKによって変調されたRF信号7の復調が実現されている。
【0045】
本実施の形態において,実施の第1形態と同様に,A/D変換器42のそれぞれがサンプリングをおこなうサンプリング周波数fSが,式(4)〜式(6)を満足するように定められることは,エイリアシングをより確実に回避可能である点で好適である。
【0046】
(実施の第4形態)
実施の第4形態では,BPSK(Binary Phase Shift Keying)によって生成されたRF信号7の受信及び復調が行われる。図10に示されているように,実施の第4形態の受信機5では,BPSKによって生成されたRF信号7の受信及び復調が可能であるように,実施の第1形態で使用される復調器20の代わりに,復調器51が使用される。復調器51は,増幅IF信号19をBPSK復調して受信データ21を再生する。
【0047】
復調器51は,A/D変換器52とBPSK復調タイミング発生器53とデジタル復調演算回路54とを備えている。A/D変換器52は,増幅IF信号19をアンダーサンプリングしてサンプリングデータ55を生成する。A/D変換器52がアンダーサンプリングを行うことにより,A/D変換器52の動作周波数が低減されている。
【0048】
A/D変換器52が増幅IF信号19をサンプリングするタイミングは,BPSK復調タイミング発生器53によって生成されるサンプリングタイミング発生信号56によって指定される。図11に示されているように,サンプリングタイミング発生信号56は,増幅IF信号19の周期をTとして,周期k・Tを有している。サンプリングタイミング発生信号56は,一の周期毎に一のパルスを有し,A/D変換器52は,該パルスが入力されると,増幅IF信号19をサンプリングする。
【0049】
A/D変換器52のサンプリング周波数fSは,上述のkを用いて,式(1):
【数15】
なる条件を満足するように定められる。これにより,ベースバンド信号のスペクトルを損なうことなく増幅IF信号19のサンプリングが可能である。
【0050】
更に,A/D変換器52のサンプリング周波数fSは,デジタル復調演算回路54によるBPSK復調を可能にするために,下記式:
fS=l・fSIG, (l=1,2,3…) …(7)
を満足するように定められる。ここでfSIGは,ベースバンド信号の周波数であり,データ伝送速度の逆数である。式(7)の条件は,デジタル復調演算回路54によるBPSK復調において,ベースバンド信号の一周期分だけの遅延演算が行われることと関係している。
【0051】
図10に示されているように,デジタル復調演算回路54は,サンプリングデータ55から受信データ21を再生する。デジタル復調演算回路54は,メモリ57とプログラマブルハードウエア58とを含む。メモリ57は,サンプリングデータ55をBPSK復調する復調演算の手順が記述されたBPSK復調プログラムを保存するBPSK復調プログラム格納領域57aと,該復調演算のワークエリアである復調処理エリア57bとを有している。メモリ57は,該プログラムを不揮発的に,且つ,書き換え可能に保持し,該プログラムは,書き換え可能である。プログラマブルハードウエア58は,プログラム格納領域57aに格納されているBPSK復調プログラムを実行する。プログラム格納領域57aに格納されているプログラムの実行により,サンプリングデータ55に対する復調演算が行われ,受信データ21が再生される。
【0052】
図12は,デジタル復調演算回路54の動作を示す。デジタル復調演算回路54は,遅延検波によって受信データ21を再生する。A/D変換器52が増幅IF信号19をアンダーサンプリングすることによって生成されたサンプリングデータ53は2つに分配される。分配されたサンプリングデータ53のうちの一方はベースバンド信号の周期(1/fSIG)だけ遅延され遅延サンプリングデータ59が生成される。サンプリングデータ53と,遅延された遅延サンプリングデータ59とが乗じられ,乗算データ60が生成される。乗算データ60から低周波成分が取り出され,低周波成分データ61が生成される。低周波成分データ61は,2値化されて符号化され,受信データ21が生成される。このようなデジタル復調演算回路54の動作により,増幅IF信号19を復調して受信データ21を再生することが可能である。
【0053】
実施の第4形態では,A/D変換器52のサンプリング周波数fSが式(1)を満足するように定められ,受信データ21の再生に影響を及ぼすことなくA/D変換器52の動作周波数の低減が可能である。更に,サンプリング周波数fSが式(7)を満足するように定められ,BPSK復調タイミング発生器53が設けられ,更にデジタル復調演算回路54の動作がBPSK復調を実行可能に構成されることにより,BPSKによって変調されたRF信号7の復調が実現されている。
【0054】
本実施の形態において,実施の第1形態と同様に,A/D変換器52のそれぞれがサンプリングをおこなうサンプリング周波数fSが,式(4)〜式(6)を満足するように定められることは,エイリアシングをより確実に回避可能である点で好適である。
【0055】
(実施の第5形態)
実施の第5形態では,QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)によって生成されたRF信号7の受信及び復調が行われる。図13に示されているように,実施の第5形態の受信機5では,QPSKによって生成されたRF信号7の受信及び復調が可能であるように,実施の第1形態で使用される復調器20の代わりに,復調器71が使用される。復調器71は,増幅IF信号19をQPSK復調して受信データ21を再生する。
【0056】
復調器71は,A/D変換器72とQPSK復調タイミング発生器73とデジタル復調演算回路74とを備えている。A/D変換器72は,増幅IF信号19をアンダーサンプリングしてサンプリングデータ75を生成する。A/D変換器72がアンダーサンプリングを行うことにより,A/D変換器72の動作周波数が低減されている。
【0057】
A/D変換器72が増幅IF信号19をサンプリングするタイミングは,BPSK復調タイミング発生器73によって生成されるサンプリングタイミング発生信号76によって指定される。図14に示されているように,サンプリングタイミング発生信号76は,増幅IF信号19の周期をTとして,周期k・Tを有している。サンプリングタイミング発生信号76は,一の周期毎に一のパルスを有し,A/D変換器72は,該パルスが入力されると,増幅IF信号19をサンプリングする。
【0058】
A/D変換器72のサンプリング周波数fSは,デジタル復調演算回路74によるQPSK復調を可能にするために,上述のkを用いて,下記条件:
【数16】
なる条件を満足するように定められる。この条件は,デジタル復調演算回路74によるQPSK復調において,ベースバンド信号の一周期分(1/fSIG)だけデータを遅延させる遅延演算と,サンプリング周期(1/fS)だけデータを遅延させる遅延計算とが行われることに関係している。
【0059】
式(8)〜式(10)を満足するように定められたサンプリング周波数fSは,上述の式(1)を満足するため,かかるサンプリング周波数fSを使用することにより,ベースバンド信号のスペクトルを損なうことなく増幅IF信号19のサンプリングが可能である。
【0060】
図13に示されているように,デジタル復調演算回路74は,サンプリングデータ75から受信データ21を再生する。デジタル復調演算回路74は,メモリ77とプログラマブルハードウエア78とを含む。メモリ77は,サンプリングデータ75をQPSK復調する復調演算の手順が記述されたQPSK復調プログラムを保存するQPSK復調プログラム格納領域77aと,該復調演算のワークエリアである復調処理エリア77bとを有している。メモリ77は,該プログラムを不揮発的に,且つ,書き換え可能に保持し,該プログラムは,書き換え可能である。プログラマブルハードウエア78は,プログラム格納領域77aに格納されているQPSK復調プログラムを実行する。プログラム格納領域77aに格納されているプログラムの実行により,サンプリングデータ75に対する復調演算が行われ,受信データ21が再生される。
【0061】
図15は,デジタル復調演算回路74の動作を示す。サンプリングデータ75が分配されて,サンプリングデータ75と同一のサンプリングデータ75−1,75−2が生成される。サンプリングデータ75−2はベースバンド信号の周期(1/fSIG)だけ遅延され,第1遅延サンプリングデータ79が生成される。更に,第1遅延サンプリングデータ79から,A/D変換器72のサンプリング周期(1/fS)だけ遅延された第2遅延サンプリングデータ80が生成される。サンプリングデータ75−1と第1遅延サンプリングデータ79とが,0°系復調演算に使用され,サンプリングデータ75−1と第2遅延サンプリングデータ80とが90°系復調演算に使用される。
【0062】
0°系復調演算では,サンプリングデータ75−1と第1遅延サンプリングデータ79とが乗じられ,乗算データ81が生成される。乗算データ81から低周波成分が取り出され,低周波成分データ82が生成される。低周波成分データ82は,2値化されて符号化され,0°系データ83が生成される。
【0063】
一方,90°系復調演算では,サンプリングデータ75−1と第2遅延サンプリングデータ80とが乗じられ,乗算データ84が生成される。乗算データ84から低周波成分が取り出され,低周波成分データ85が生成される。低周波成分データ85は,2値化されて符号化され,90°系データ86が生成される。
【0064】
生成された0°系データ83と90°系データ86とが統合されて,受信データ21が再生される。このようなデジタル復調演算回路74の動作により,増幅IF信号19をQPSK復調して受信データ21を再生することが可能である。
【0065】
実施の第5形態では,A/D変換器72のサンプリング周波数fSが式(8)〜式(10)を満足するように定められ,該サンプリング周波数fSは,式(1)を満足する。このため,受信データ21の再生に影響を及ぼすことなくA/D変換器52の動作周波数の低減が可能である。更に,サンプリング周波数fSが式(8)〜式(10)を満足するように定められ,QPSK復調タイミング発生器73が設けられ,更にデジタル復調演算回路74の動作がQPSK復調を実行可能に構成されることにより,QPSKによって変調されたRF信号7の復調が実現されている。
【0066】
(実施の第6形態)
実施の第6形態では,RF信号7がASK,BPSK,及びQPSKのいずれのデジタル変調方式で変調されていても受信データ21の再生が可能であるように,図16に示されているように,実施の第1形態で使用される復調器20の代わりに,復調器91が使用される。復調器91は,増幅IF信号19を復調して受信データ21を再生する。
【0067】
復調器91は,A/D変換器92とデジタル復調演算器93とクロック調整器94とを含む。A/D変換器92は,増幅IF信号19をアンダーサンプリングしてサンプリングデータ95を生成する。A/D変換器92がアンダーサンプリングを行うことにより,A/D変換器92の動作周波数が低減されている。
【0068】
A/D変換器92のサンプリング周波数fSは,式(1):
【数17】
なる条件を満足するように定められる。これにより,ベースバンド信号のスペクトルを損なうことなく増幅IF信号19のサンプリングが可能である。
【0069】
A/D変換器92が増幅IF信号19をサンプリングするタイミングは,クロック調整器94によって生成されるサンプリングタイミング発生信号96によって指定される。クロック調整器94は,図17に示されているように,ASK復調タイミング発生器94a,BPSK復調タイミング発生器94b,及びQPSK復調タイミング発生器94cを含む。
【0070】
サンプリングタイミング発生信号96の生成は,ASK復調タイミング発生器94a,BPSK復調タイミング発生器94b,及びQPSK復調タイミング発生器94cのいずれかによって排他的に行われる。ASK復調タイミング発生器94aは,ASK復調に適したタイミングを指示するようにサンプリングタイミング発生信号96を生成する。BPSK復調タイミング発生器94bは,BPSK復調に適したタイミングを指示するように,即ち,A/D変換器92のサンプリング周波数fSが上述の式(7)を満足するようなタイミングでサンプリングすることを指示するようにサンプリングタイミング発生信号96を生成する。QPSK復調タイミング発生器94cは,QPSK復調に適したタイミングを指示するように,即ち,A/D変換器92のサンプリング周波数fSが上述の式(8)〜式(10)を満足するようなタイミングでサンプリングすることを指示するようにサンプリングタイミング発生信号96を生成する。ASK復調タイミング発生器94a,BPSK復調タイミング発生器94b,及びQPSK復調タイミング発生器94cのいずれがサンプリングタイミング発生信号96の発生に使用されるかは,デジタル復調演算回路93によって指定される。
【0071】
図16に示されているように,デジタル復調演算回路93は,A/D変換器92によって生成されるサンプリングデータ95から受信データ21を再生する。デジタル復調演算回路93は,メモリ97とプログラマブルハードウエア98とを含む。メモリ97は,サンプリングデータ95を復調する復調演算の手順が記述された復調プログラムを保存する復調プログラム格納領域97aと,該復調演算のワークエリアである復調処理エリア97bとを有している。メモリ97は,該プログラムを不揮発的に,且つ,書き換え可能に保持し,該プログラムは,書き換え可能である。プログラマブルハードウエア98は,プログラム格納領域97aに格納されている復調プログラムを実行する。プログラム格納領域97aに格納されているプログラムの実行により,サンプリングデータ95に対する復調演算が行われ,受信データ21が再生される。
【0072】
デジタル復調演算回路93による復調演算は,以下の過程で行われる。デジタル復調演算回路93は,RF信号7がASK,BPSK,及びQPSKのいずれのデジタル変調方式で変調されているかを知らない。そこで,デジタル復調演算回路93は,QPSK復調,BPSK復調,及びASK復調を,順番に試行する。この順番で試行が行われるのは以下の理由による。デジタル変調方式としてQPSKが使用されているときにA/D変換器92のサンプリング周波数fSに課せられる条件は,自動的に,BPSKが使用されているときにA/D変換器92のサンプリング周波数fSに課せられる条件を満足する。更に,BPSKが使用されているときにA/D変換器92のサンプリング周波数fSに課せられる条件は,自動的に,ASKが使用されているときにA/D変換器92のサンプリング周波数fSに課せられる条件を満足する。ゆえに,QPSK復調によって受信データ21の再生が可能であれば,RF信号7はQPSKで復調されていると推定される。QPSK復調によっては受信データ21の再生ができないが,BPSK復調によって受信データ21の再生が可能であれば,RF信号7はQPSKで復調されていると推定される。QPSK復調及びBPSK復調のいずれでも受信データ21の再生が出来なければ,RF信号7はASKで復調されていると推定される。このため,デジタル復調演算回路93は,QPSK復調,BPSK復調,及びASK復調を,順番に試行して,適正な復調方式を推定する。
【0073】
より詳細には,RF信号7の受信が始まると,デジタル復調演算回路93は,クロック調整器94にQPSK復調タイミング発生器94cによってサンプリングタイミング発生信号96を生成することを指示する。A/D変換器92は,QPSK復調に適したタイミングでサンプリングを行い,サンプリングデータ95を生成する。デジタル復調演算回路93は,実施の第5形態と同一の動作により,QPSK復調演算を行う。QPSK復調演算の結果,適正な受信データ21が得られた場合には,そのまま,QPSK復調演算を継続する。
【0074】
一方,QPSK復調演算の結果,適正な受信データ21が得られない場合には,デジタル復調演算回路93は,クロック調整器94にBPSK復調タイミング発生器94bによってサンプリングタイミング発生信号96を生成することを指示する。A/D変換器92は,BPSK復調に適したタイミングでサンプリングを行い,サンプリングデータ95を生成する。デジタル復調演算回路93は,実施の第4形態と同一の動作により,BPSK復調演算を行う。BPSK復調演算の結果,適正な受信データ21が得られた場合には,そのまま,BPSK復調演算を継続する。
【0075】
一方,BPSK復調演算の結果,適正な受信データ21が得られない場合には,デジタル復調演算回路93は,クロック調整器94にASK復調タイミング発生器94aによってサンプリングタイミング発生信号96を生成することを指示する。A/D変換器92は,ASK復調に適したタイミングでサンプリングを行い,サンプリングデータ95を生成する。デジタル復調演算回路93は,実施の第3形態と同一の動作により,ASK復調演算を行う。
【0076】
デジタル復調演算回路93が以上に説明された動作を行うことにより,本実施の形態では,RF信号7がASK,BPSK,及びQPSKのいずれのデジタル変調方式で変調されていても受信データ21の再生が可能である。
【0077】
(実施の第7形態)
実施の第7形態では,図18に示されているように,実施の第1形態の受信機5に含まれる復調器20にゲイン調整器101が追加される。ゲイン調整器101は,A/D変換器22が生成するサンプリングデータ24の値に基づいて,中間周波数帯アンプ18のゲインを調整する。
【0078】
中間周波数帯アンプ18のゲインが調整されることにより,A/D変換器22に適正な電圧を有する増幅IF信号19を入力可能である。増幅IF信号19の電圧が,A/D変換器22の最大入力電圧以上であると,A/D変換器22が出力するサンプリングデータ24が飽和してしまい,復調ができなくなる。一方,増幅IF信号19の電圧が過小であると,A/D変換器22の分解能が不足し,復調ができなくなる。中間周波数帯アンプ18のゲインが調整されることにより,これらの不具合が防止される。
【0079】
なお,中間周波数帯アンプ18のゲインに代えて,又は,中間周波数帯アンプ18のゲインに加えて,高周波アンプ11のゲインの調整がゲイン調整器101によって行われることが可能である。
【0080】
更に,図19に示されているように,デジタル復調演算回路23が中間周波数帯アンプ18(及び/又は高周波アンプ11)のゲイン調整機能を有していることも可能である。この場合,デジタル復調演算回路23は,中間周波数帯アンプ18(及び/又は高周波アンプ11)のゲインを指示するゲイン調整信号102を出力し,中間周波数帯アンプ18(及び/又は高周波アンプ11)は指示されたゲインを有するように設定される。
【0081】
(実施の第8形態)
実施の第8形態では,図20に示されているように,実施の第1形態の受信機5に周波数調整器103が追加される。周波数調整器103は,A/D変換器22が生成するサンプリングデータ24の値に基づいて,周波数変換器13の発振器14が生成する高周波信号16の周波数を調整する。サンプリングデータ24の値が意味を有する値となるように,高周波信号16の周波数は調整される。
【0082】
このような構成は、アンテナ6によって受信されるRF信号7の搬送波周波数が不明である場合でも,適正な周波数を有するIF信号17を生成することが可能であり,従って,RF信号7の搬送波周波数が不明である場合でも,受信データ21の再生が可能である。
【0083】
図21に示されているように,デジタル復調演算回路23が高周波信号16のの周波数を調整機能を有していることも可能である。この場合,デジタル復調演算回路23は,高周波信号16の周波数を指示する周波数調整信号104を出力し,発振器14は指示された周波数の高周波信号16を生成するように設定される。
【0084】
【発明の効果】
本発明により,デジタル無線通信で使用される復調器に含まれる回路に要求される動作周波数を,より低くするための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第1形態を示す。
【図2】図2は,車両1に搭載される車載器2と,路側装置3とを示す図である。
【図3】図3は,車載器2と路側装置3との構成を示すブロック図である。
【図4】図4(a)は,サンプリングデータ24を伝送する信号の周波数スペクトルを示す図であり,図4(b)は,その拡大図である。
【図5】図5は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第2形態を示す。
【図6】図6は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第2形態の変形例を示す。
【図7】図7は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第3形態を示す。
【図8】図8は,サンプリングタイミング発生信号46の波形を示す図である。
【図9】図9は,デジタル復調演算回路44の動作を示す機能ブロック図である。
【図10】図10は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第4形態を示す。
【図11】図11は,サンプリングタイミング発生信号56の波形を示す図である。
【図12】図12は,デジタル復調演算回路54の動作を示す機能ブロック図である。
【図13】図13は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第5形態を示す。
【図14】図14は,サンプリングタイミング発生信号76の波形を示す図である。
【図15】図15は,デジタル復調演算回路74の動作を示す機能ブロック図である。
【図16】図16は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第6形態を示す。
【図17】図17は,クロック調整器94を示す。
【図18】図18は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第7形態を示す。
【図19】図19は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第7形態の変形例を示す。
【図20】図20は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第8形態を示す。
【図21】図21は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第8形態の変形例を示す。
【符号の説明】
1:車両
2:車載器
3:路側装置
4:送信機
5:受信機
6:アンテナ
7:RF信号
11:高周波アンプ
12:増幅RF信号
13:周波数変換器
14:発振器
15:ミキサ
16:高周波信号
17:IF信号
18:中間周波数帯アンプ
19:増幅IF信号
20:復調器
21:受信データ
22:A/D変換器
23:デジタル復調演算回路
24:サンプリングデータ
25:メモリ
25a:プログラム格納領域
25b:復調処理エリア
26:プログラマブルハードウエア
27:送受信インターフェース
28:外部装置
31:復調器
32:分配器
33−1〜33−M:A/D変換器
34:並列アンダーサンプリングタイミング発生器
35:デジタル復調演算回路
36−1〜36−M:サンプリングデータ
37:メモリ
38:プログラマブルハードウエア
39−1〜39−M:遅延回路
41:復調器
42:A/D変換器
43:ASK復調タイミング発生器
44:デジタル復調演算回路
45:サンプリングデータ
46:サンプリングタイミング発生信号
47:メモリ
47a:ASK復調プログラム格納領域
47b:復調処理エリア
48:プログラマブルハードウエア
49:2乗サンプリングデータ
50:低周波成分データ
51:復調器
52:A/D変換器
53:BPSK復調タイミング発生器
54:デジタル復調演算回路
55:サンプリングデータ
56:サンプリングタイミング発生信号
57:メモリ
57a:BPSK復調プログラム格納領域
57b:復調処理エリア
58:プログラマブルハードウエア
59:遅延サンプリングデータ
60:乗算データ
61:低周波成分データ
71:復調器
72:A/D変換器
73:QPSK復調タイミング発生器
74:デジタル復調演算回路
75,75−1,75−2:サンプリングデータ
76:サンプリングタイミング発生信号
77:メモリ
77a:QPSK復調プログラム格納領域
77b:復調処理エリア
78:プログラマブルハードウエア
79:第1遅延サンプリングデータ
80:第2遅延サンプリングデータ
81:乗算データ
82:低周波成分データ
83:0°系データ
84:乗算データ
85:低周波成分データ
86:90°系データ
91:復調器
92:A/D変換器
93:デジタル復調演算器
94:クロック調整器
94a:ASK復調タイミング発生器
94b:BPSK復調タイミング発生器
94c:QPSK復調タイミング発生器
95:サンプリングデータ
96:サンプリングタイミング発生信号
97:メモリ
97a:復調プログラム格納領域
97b:復調処理エリア
98:プログラマブルハードウエア
101:ゲイン調整器
102:ゲイン調整信号
103:周波数調整器
104:周波数調整信号
【発明の属する技術分野】
本発明は,復調器,並びにこれを用いた受信機,車載器,及び路側装置に関する。本発明は,特に,デジタル変調された無線通信信号を復調するための復調器,並びにこれを用いた受信機,車載器,及び路側装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルデータを無線によって通信するデジタル無線通信が広範囲な用途で使用されている。ETC(Electronic Toll Collection:自動料金収受システム)で使用される車載器と路側装置との間の無線通信は,デジタル無線通信の典型的な用途の一つである。
【0003】
デジタル無線通信に使用されるデジタル復調器は,小型化,消費電力の低減,及びコストの低減が望まれている。かかる要求を満足するためのデジタル無線通信用復調装置が公開特許公報(特開平11−98208)に開示されている。公知のそのデジタル無線通信用復調装置は,デジタル信号によって周波数変調または位相変調された信号を受信する受信手段と、該受信した信号を中間周波数の信号に変換する周波数変換手段と、前記変換された中間周波数信号の位相を検出する位相検出手段と、前記検出された位相情報をサンプリングするサンプリング手段と、前記サンプリングされた前記受信信号の位相情報のサンプリング点数を増やすためのオーバーサンプリング手段と、前記オーバーサンプリング手段の出力から前記中間周波数信号の検波を行う検波手段と、前記検波手段の出力から送信情報を復調する復調手段とを具備する。公知のそのデジタル無線通信用復調装置は,受信特性を劣化させることなく位相成分抽出用計数器の動作周波数や中間周波数を低く抑えることができ、消費電力の低減化が可能である。
【0004】
デジタル復調器に含まれている回路に要求される動作周波数は、一層に低いことが望まれる。該デジタル復調器が含んでいる回路に要求される動作周波数がより低いことは、デジタル復調器の低価格化を可能にする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は,デジタル無線通信で使用される復調器に含まれる回路に要求される動作周波数を,より低くするための技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下に,[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて,課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は,[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されている。但し,付加された番号・符号は,[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0007】
本発明による復調器(20他)は,所定の搬送波周波数でデジタル変調がなされている入力信号(19)をサンプリングするA/D変換器(22)と,A/D変換器(22)が生成するデジタルデータ(24)に対して復調演算を行って受信データ(21)を再生する演算器(23)とを含む。A/D変換器(22)が入力信号(19)をサンプリングするサンプリング周波数fSは,入力信号(19)のナイキスト周波数よりも小さく,且つ,前記搬送波周波数をfとし,前記デジタル変調のベースバンド信号の帯域幅をBとして,下記条件:
【数6】
を満足するように選択されている。当該復調器(20)では,アンダーサンプリングが行われ,且つ,サンプリング周波数fSが上記条件を満足するように定められているため,エイリアシングによる受信データ(21)の再生への悪影響を回避しながら,A/D変換器(22)の動作周波数を低減可能である。
【0008】
本発明による復調器(31)は,所定の搬送波周波数でデジタル変調がなされている入力信号(19)を,互いに異なる位相で,且つ,実質的に同一のサンプリング周波数fSでサンプリングする複数のA/D変換器(33−1〜33−M)と,複数のA/D変換器(33−1〜33−M)のそれぞれが生成するデジタルデータ(36−1〜36−M)に対して復調演算を行って受信データ(21)を再生する演算器(35)とを含む。前記サンプリング周波数fSは,前記入力信号のナイキスト周波数よりも小さく,且つ,前記搬送波周波数をfとし,前記デジタル変調のベースバンド信号の帯域幅をBとして,下記条件:
【数7】
を満足するように選択されている。当該復調器では,一の入力信号(19)のサンプリングに複数のA/D変換器(33−1〜33−M)が使用され,A/D変換器(33−1〜33−M)それぞれの動作周波数を低減することが可能である。
【0009】
前記サンプリング周波数fSは,
【数8】
なるfmax,fminについて,下記式:
fmax≦fS≦fmin,
を満足するように選択されていることが好適である。このようにサンプリング周波数fSが選択されていることにより,より確実にエイリアシングを回避することができる。
【0010】
当該復調器(91)は,更に,クロック調整器(94)を含み,演算器(91)は,デジタルデータ(95)に基づいて,複数の復調方式のうちから一の復調方式を選択復調方式として選択し,且つ前記選択復調方式に従って前記復調演算を行い,クロック調整器(94)は,前記選択復調方式に応答して,入力信号(19)をサンプリングするタイミングを指示するクロック信号(96)を生成し,A/D変換器(92)は,クロック信号(96)に同期して入力信号(19)をサンプリングすることが好ましい。
【0011】
演算器(20他)は,前記復調演算の手順が記述されたプログラムを記憶するプログラム格納器(25)を備え,前記プログラムは,書き換え可能であることが好ましい。
【0012】
本発明による受信機は,所定の搬送波周波数でデジタル変調がなされている入力信号(17)を増幅し,増幅入力信号(19)を生成する増幅器(18)と,復調器(21)とを含む。復調器(21)は,増幅入力信号(19)をサンプリングするA/D変換器(22)と,A/D変換器(22)が生成するデジタルデータに対して復調演算を行って受信データを再生する演算器(23)とを備得ている。A/D変換器(22)が増幅入力信号(19)をサンプリングするサンプリング周波数fSは,入力信号(17)のナイキスト周波数よりも小さく,且つ,前記搬送波周波数をfとし,前記デジタル変調のベースバンド信号の帯域幅をBとして,下記条件:
【数9】
を満足するように選択されている。増幅器(18)のゲインは,デジタルデータ(24)に基づいて調整される
【0013】
本発明による受信機は,第1搬送波周波数でデジタル変調がなされている高周波信号(7)に,変換用周波数を有する信号(16)を乗算して前記第1搬送波周波数より低い第2搬送波周波数で変調されている中間周波数信号(17)を生成する周波数変換器(14)と,中間周波数信号(17)を増幅して増幅中間周波数信号(19)を生成するアンプ(18)と,復調器(21)とを含む。復調器(21)は,増幅中間周波数信号(19)をサンプリングするA/D変換器(22)と,A/D変換器(22)が生成するデジタルデータ(24)に対して復調演算を行って受信データ(21)を再生する演算器(23)とを備えている。A/D変換器(22)が増幅中間周波数信号(19)をサンプリングするサンプリング周波数fSは,中間周波数信号(17)のナイキスト周波数よりも低く,且つ,前記搬送波周波数をfとし,前記デジタル変調のベースバンド信号の帯域幅をBとして,下記条件:
【数10】
を満足するように選択されている。変換用周波数は,デジタルデータ(24)に応じて調整される。
【0014】
上記の復調機及び受信機は,車両(1)に搭載され,路側に設けられる路側装置(3)と無線による通信を行う車載器(2)に好適に使用され,また,路側に設けられ,車載器(2)と無線による通信を行う路側装置(3)に好適に使用される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下,添付図面を参照しながら,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の一形態を説明する。
【0016】
(実施の第1形態)
本発明の実施の第1形態では,図2に示されているように,車両1に搭載された車載器2と,路側に設けられた路側装置3との間で無線通信が行われる。車載器2と路側装置3とには,図3に示されているように,それぞれ,送信機4と受信機5とアンテナ6とが搭載され,車載器2と路側装置3との間の無線通信は,送信機4と受信機5とアンテナ6とによって行われる。送信機4は,デジタル変調によってRF信号7を生成し,RF信号7をアンテナ6を介して発信する。RF信号7の搬送波周波数はギガヘルツ帯であり,ETCシステムでは,RF信号7の搬送波周波数は,5.8GHzである。
【0017】
受信機5は,アンテナ6によってRF信号7を受信する。図1は,受信機5の構成を示している。受信機5は,アンテナ6に接続された高周波アンプ11を備えている。高周波アンプ11は,アンテナ6によって受信されたRF信号7を増幅し,増幅RF信号12を生成する。増幅RF信号12は,周波数変換器13に入力される。
【0018】
周波数変換器13は,発振器14とミキサ15とを備えている。発振器14は,RF信号7の搬送波周波数よりも微少に小さい周波数を有する高周波信号16を生成する。ETCシステムでは,高周波信号16の周波数は,5.76GHzである。ミキサ15は,高周波アンプ11が生成する増幅RF信号12と,発振器14が生成する高周波信号16とを乗じ,中間周波数帯のIF信号17を生成する。このような構成を有する周波数変換器13は,ギガヘルツ帯の増幅RF信号12を中間周波数帯のIF信号17に変換する機能を果たす。IF信号17は,中間周波数帯アンプ18に入力される。
【0019】
中間周波数帯アンプ18は,IF信号17を増幅し,増幅IF信号19を生成する。増幅IF信号19は,復調器20に入力される。
【0020】
復調器20は,増幅IF信号19を復調して,受信データ21を再生する。復調器20は,A/D変換器22とデジタル復調演算回路23とを含む。A/D変換器22は,増幅IF信号19をサンプリングして,サンプリングデータ24を生成する。サンプリングデータ24は,デジタル復調演算回路23に入力される。
【0021】
デジタル復調演算回路23は,メモリ25とプログラマブルハードウエア26とを含む。メモリ25は,サンプリングデータ24に対して行われる復調演算の手順が記述されたプログラムを保存するプログラム格納領域25aと,該復調演算のワークエリアである復調処理エリア25bとを有している。メモリ25は,該プログラムを不揮発的に,且つ,書き換え可能に保持する。該プログラムは,書き換え可能である。プログラマブルハードウエア26は,プログラム格納領域25aに格納されているプログラムを実行する。プログラマブルハードウエア26は,典型的には,CPU(Central Processing Unit),プログラマブルゲートアレイ,及びDSP(Digital Signal Processor)で構成される。プログラム格納領域25aに格納されているプログラムの実行により,サンプリングデータ24に対する復調演算が行われ,受信データ21が再生される。
【0022】
デジタル復調演算回路23は,送受信インターフェース27に接続されている。送受信インターフェース27は,プログラム格納領域25aに記憶されているプログラムの更新に使用される。プログラム格納領域25aに記憶されているプログラムを更新する場合,送受信インターフェース27は,外部装置28に接続される。外部装置28から送受信インターフェース27を介してデジタル復調演算回路23にプログラムがダウンロードされ,復調演算の実行に使用されるプログラムが更新される。復調演算の実行に使用されるプログラムが書き換え可能であることは,該プログラムの更新が可能であり,従って送受信方式の変更に柔軟に対応可能である点で好ましい。
【0023】
A/D変換器22の動作周波数を低減するために,A/D変換器22による増幅IF信号19のサンプリングには,アンダーサンプリングが適用される。即ち,A/D変換器22のサンプリング周波数fSは,増幅IF信号19のナイキスト周波数(即ち,IF信号17の搬送波周波数fIFの2倍)より小さい。一般に,ナイキストの定理によると,サンプリングデータ24から増幅IF信号19の波形を完全に再生するためには,増幅IF信号19のサンプリングの周波数は,増幅IF信号19のナイキスト周波数以上でなくてはならない。従って,アンダーサンプリングでは,増幅IF信号19の波形の完全な再生は不可能である。
【0024】
しかし,サンプリングデータ24から受信データ21を生成するためには,受信データ21の判別ができれば十分であり,増幅IF信号19の完全な再生は必要とされない。受信データ21の判別は,増幅IF信号19に含まれるベースバンド信号(変調波)の成分が損なわれていなければ可能である。
【0025】
かかる観点から,A/D変換器22が増幅IF信号19をサンプリングするサンプリング周波数fSは,下記条件:
【数11】
を満足するように決定される。ここでfIFは,IF信号17の搬送波周波数であり,Bは,ベースバンド信号の帯域幅である。
【0026】
式(1)を満足するようなサンプリング周波数fSで増幅IF信号19をサンプリングすることにより,エイリアシングを回避し,ベースバンド信号のスペクトルを再現可能である。図4(a)は,A/D変換器22が生成するサンプリングデータ24をA/D変換器22からデジタル復調演算回路23に伝送する伝送信号の周波数スペクトルである。サンプリングデータ24を伝送する信号の周波数スペクトルには,ベースバンド信号のスペクトルが折り返されて繰り返される。図4(b)に示されているように,ベースバンド信号のスペクトルが,k・fSから(2k+1)fS/2の間に収まっていれば,エイリアシングが起こらずベースバンド信号を再現可能である。ここでkは,自然数である。この条件は,下記式:
【数12】
によって表される。式(2),(3)をまとめると,式(1)が得られる。ゆえに,式(1)を満足するようなサンプリング周波数fSで増幅IF信号19をサンプリングすることにより,ベースバンド信号のスペクトルを再現可能である。このように,式(1)を満足する条件で増幅IF信号19をアンダーサンプリングすることにより,受信データ21の再生に影響を及ぼすことなく,A/D変換器22の動作周波数を低減することができる。
【0027】
エイリアシングを確実に回避するためには,
【数13】
なるfmax,fminについて,サンプリング周波数fSが下記式:
fmax≦fS≦fmin, …(6)
を満足するように選択されることが好適である。このように,サンプリング周波数fSを選択することにより,マージンが得られ,エイリアシングをより確実に回避できる。
【0028】
以上に説明されているように,本実施の形態では,復調器20に含まれるA/D変換器22が増幅IF信号19をサンプリングするサンプリング周波数fSが,式(1)を満足するように選択され,受信データ21の再生に影響を及ぼすことなくA/D変換器22の動作周波数の低減が可能である。A/D変換器22の動作周波数の低減は,A/D変換器22の低コスト化を可能にする点で好適である。
【0029】
(実施の第2形態)
本発明の実施の第2形態では,A/D変換器の動作周波数を一層に低減するために車載器2,路側装置3に含まれる受信機5の構成が変更される。図5は,実施の第2形態の受信機5を示す。実施の第2形態では,実施の第1形態の受信機5で使用される復調器20の代わりに,復調器31が使用される。復調器31では,増幅IF信号19のサンプリングが複数のA/D変換器で行われ、実効的なサンプリング周波数fSを保ったまま,複数のA/D変換器それぞれの動作周波数が低減されている。
【0030】
より詳細には,復調器31は,分配器32と,A/D変換器33−1〜33−Mと,並列アンダーサンプリングタイミング発生器34と,デジタル復調演算回路35とを含む。分配器32は,増幅IF信号19をA/D変換器33−1〜33−Mのそれぞれに分配する。A/D変換器33−1〜33−Mは,それぞれ,増幅IF信号19に対してアンダーサンプリングを行い,それぞれ,サンプリングデータ36−1〜36−Mを生成する。A/D変換器33−1〜33−Mのサンプリング周波数fSは同一である。
【0031】
A/D変換器33−1〜33−Mが増幅IF信号19をサンプリングするタイミングは,並列アンダーサンプリングタイミング発生器34によって指示される。並列アンダーサンプリングタイミング発生器34は,A/D変換器33−1〜33−Mがサンプリングを行うタイミングの位相を互いに2π/Mだけずらす。
【0032】
A/D変換器33−1〜33−Mがそれぞれ生成するサンプリングデータ36−1〜36−Mは,デジタル復調演算回路35に入力される。デジタル復調演算回路35は,サンプリングデータ36−1〜36−Mから受信データ21を再生する。
【0033】
デジタル復調演算回路35は,メモリ37とプログラマブルハードウエア38とを含む。メモリ37は,サンプリングデータ36−1〜36−Mに対して行われる復調演算の手順が記述されたプログラムを保存するプログラム格納領域37aと,該復調演算のワークエリアである復調処理エリア37bとを有している。メモリ37は,該プログラムを不揮発的に,且つ,書き換え可能に保持する。該プログラムは,書き換え可能である。プログラマブルハードウエア38は,プログラム格納領域37aに格納されているプログラムを実行する。プログラム格納領域37aに格納されているプログラムの実行により,サンプリングデータ36−1〜36−Mに対する復調演算が行われ,受信データ21が再生される。
【0034】
A/D変換器33−1〜33−Mそれぞれが増幅IF信号19をサンプリングするサンプリング周波数fSは,上記の式(1)を満足するように選択される。これにより,エイリアシングを回避し,ベースバンド信号のスペクトルを損なうことなく増幅IF信号19のサンプリングが行われる。
【0035】
更に,A/D変換器33−1〜33−Mは,互いに異なるタイミングで増幅IF信号19をサンプリングするため,A/D変換器33−1〜33−Mは,全体としては,サンプリング周波数M・fSで動作する一のA/D変換器と等価の動作をすることになる。これは,逆に,増幅IF信号19をサンプリングするサンプリング周波数が固定されている場合には,A/D変換器33−1〜33−Mのサンプリング周波数をM分の一にすることができることを意味している。このように,M個のA/D変換器33−1〜33−Mを使用することにより,A/D変換器33−1〜33−Mそれぞれの動作周波数をM分の一に抑制可能であり,A/D変換器33−1〜33−Mの動作周波数の一層の低減が可能である。
【0036】
本実施の形態において、図6に示されているように,並列アンダーサンプリングタイミング発生器34の代わりに遅延回路39−1〜39−Mを使用することも可能である。分配器31によって分波された増幅IF信号19は,それぞれ遅延回路39−1〜39−Mによって遅延されてA/D変換器33−1〜33−Mに入力される。遅延回路39−1〜39−Mは,それぞれ異なる遅延時間を有しており,これにより,A/D変換器33−1〜33−Mが増幅IF信号19をサンプリングするタイミングの位相が,互いに2π/Mだけずらされる。
【0037】
また,本実施において,実施の第1形態と同様に,A/D変換器33−1〜33−Mのそれぞれがサンプリングをおこなうサンプリング周波数fSが,式(4)〜式(6)を満足するように定められることは,エイリアシングをより確実に回避可能である点で好適である。
【0038】
(実施の第3形態)
実施の第3形態では,ASK(Amplitude Shift Keying)によって生成されたRF信号7の受信及び復調が行われる。図7に示されているように,実施の第3形態の受信機5では,ASKによって生成されたRF信号7の受信及び復調が可能であるように,実施の第1形態で使用される復調器20の代わりに,復調器41が使用される。復調器41は,増幅IF信号19をASK復調して受信データ21を再生する。
【0039】
復調器41は,A/D変換器42とASK復調タイミング発生器43とデジタル復調演算回路44とを備えている。A/D変換器42は,増幅IF信号19をアンダーサンプリングしてサンプリングデータ45を生成する。A/D変換器42がアンダーサンプリングを行うことにより,A/D変換器42の動作周波数が低減されている。
【0040】
A/D変換器42が増幅IF信号19をサンプリングするタイミングは,ASK復調タイミング発生器43によって生成されるサンプリングタイミング発生信号46によって指定される。図8に示されているように,サンプリングタイミング発生信号46は,増幅IF信号19の周期をTとしたとき,周期k・Tを有している。サンプリングタイミング発生信号46は,周期k・Tに一のパルスを有し,A/D変換器42は,該パルスが入力されると,増幅IF信号19をサンプリングする。
【0041】
A/D変換器42のサンプリング周波数fSは,上述のkを用いて,上述の式(1):
【数14】
なる条件を満足するように定められる。これにより,ベースバンド信号のスペクトルを損なうことなく増幅IF信号19のサンプリングが可能である。
【0042】
図7に示されているように,デジタル復調演算回路44は,サンプリングデータ45から受信データ21を再生する。デジタル復調演算回路44は,メモリ47とプログラマブルハードウエア48とを含む。メモリ47は,サンプリングデータ45をASK復調する復調演算の手順が記述されたASK復調プログラムを保存するASK復調プログラム格納領域47aと,該復調演算のワークエリアである復調処理エリア47bとを有している。メモリ47は,該プログラムを不揮発的に,且つ,書き換え可能に保持し,該プログラムは,書き換え可能である。プログラマブルハードウエア48は,プログラム格納領域47aに格納されているASK復調プログラムを実行する。プログラム格納領域47aに格納されているプログラムの実行により,サンプリングデータ45に対する復調演算が行われ,受信データ21が再生される。
【0043】
図9は,デジタル復調演算回路44の動作を示す。A/D変換器42が増幅IF信号19をアンダーサンプリングすることによって生成されたサンプリングデータ43は2乗され,2乗サンプリングデータ49が生成される。2乗サンプリングデータ49から低周波成分が取り出され,低周波成分データ50が生成される。低周波成分データ50は,2値化されて符号化され,受信データ21が生成される。このようなデジタル復調演算回路44の動作により,増幅IF信号19を復調して受信データ21を再生することが可能である。
【0044】
実施の第3形態では,A/D変換器42のサンプリング周波数fSが式(1)を満足するように定められ,受信データ21の再生に影響を及ぼすことなくA/D変換器42の動作周波数の低減が可能である。更に,ASK復調タイミング発生器43が設けられ,デジタル復調演算回路44の動作がASK復調を実行可能に構成されることにより,ASKによって変調されたRF信号7の復調が実現されている。
【0045】
本実施の形態において,実施の第1形態と同様に,A/D変換器42のそれぞれがサンプリングをおこなうサンプリング周波数fSが,式(4)〜式(6)を満足するように定められることは,エイリアシングをより確実に回避可能である点で好適である。
【0046】
(実施の第4形態)
実施の第4形態では,BPSK(Binary Phase Shift Keying)によって生成されたRF信号7の受信及び復調が行われる。図10に示されているように,実施の第4形態の受信機5では,BPSKによって生成されたRF信号7の受信及び復調が可能であるように,実施の第1形態で使用される復調器20の代わりに,復調器51が使用される。復調器51は,増幅IF信号19をBPSK復調して受信データ21を再生する。
【0047】
復調器51は,A/D変換器52とBPSK復調タイミング発生器53とデジタル復調演算回路54とを備えている。A/D変換器52は,増幅IF信号19をアンダーサンプリングしてサンプリングデータ55を生成する。A/D変換器52がアンダーサンプリングを行うことにより,A/D変換器52の動作周波数が低減されている。
【0048】
A/D変換器52が増幅IF信号19をサンプリングするタイミングは,BPSK復調タイミング発生器53によって生成されるサンプリングタイミング発生信号56によって指定される。図11に示されているように,サンプリングタイミング発生信号56は,増幅IF信号19の周期をTとして,周期k・Tを有している。サンプリングタイミング発生信号56は,一の周期毎に一のパルスを有し,A/D変換器52は,該パルスが入力されると,増幅IF信号19をサンプリングする。
【0049】
A/D変換器52のサンプリング周波数fSは,上述のkを用いて,式(1):
【数15】
なる条件を満足するように定められる。これにより,ベースバンド信号のスペクトルを損なうことなく増幅IF信号19のサンプリングが可能である。
【0050】
更に,A/D変換器52のサンプリング周波数fSは,デジタル復調演算回路54によるBPSK復調を可能にするために,下記式:
fS=l・fSIG, (l=1,2,3…) …(7)
を満足するように定められる。ここでfSIGは,ベースバンド信号の周波数であり,データ伝送速度の逆数である。式(7)の条件は,デジタル復調演算回路54によるBPSK復調において,ベースバンド信号の一周期分だけの遅延演算が行われることと関係している。
【0051】
図10に示されているように,デジタル復調演算回路54は,サンプリングデータ55から受信データ21を再生する。デジタル復調演算回路54は,メモリ57とプログラマブルハードウエア58とを含む。メモリ57は,サンプリングデータ55をBPSK復調する復調演算の手順が記述されたBPSK復調プログラムを保存するBPSK復調プログラム格納領域57aと,該復調演算のワークエリアである復調処理エリア57bとを有している。メモリ57は,該プログラムを不揮発的に,且つ,書き換え可能に保持し,該プログラムは,書き換え可能である。プログラマブルハードウエア58は,プログラム格納領域57aに格納されているBPSK復調プログラムを実行する。プログラム格納領域57aに格納されているプログラムの実行により,サンプリングデータ55に対する復調演算が行われ,受信データ21が再生される。
【0052】
図12は,デジタル復調演算回路54の動作を示す。デジタル復調演算回路54は,遅延検波によって受信データ21を再生する。A/D変換器52が増幅IF信号19をアンダーサンプリングすることによって生成されたサンプリングデータ53は2つに分配される。分配されたサンプリングデータ53のうちの一方はベースバンド信号の周期(1/fSIG)だけ遅延され遅延サンプリングデータ59が生成される。サンプリングデータ53と,遅延された遅延サンプリングデータ59とが乗じられ,乗算データ60が生成される。乗算データ60から低周波成分が取り出され,低周波成分データ61が生成される。低周波成分データ61は,2値化されて符号化され,受信データ21が生成される。このようなデジタル復調演算回路54の動作により,増幅IF信号19を復調して受信データ21を再生することが可能である。
【0053】
実施の第4形態では,A/D変換器52のサンプリング周波数fSが式(1)を満足するように定められ,受信データ21の再生に影響を及ぼすことなくA/D変換器52の動作周波数の低減が可能である。更に,サンプリング周波数fSが式(7)を満足するように定められ,BPSK復調タイミング発生器53が設けられ,更にデジタル復調演算回路54の動作がBPSK復調を実行可能に構成されることにより,BPSKによって変調されたRF信号7の復調が実現されている。
【0054】
本実施の形態において,実施の第1形態と同様に,A/D変換器52のそれぞれがサンプリングをおこなうサンプリング周波数fSが,式(4)〜式(6)を満足するように定められることは,エイリアシングをより確実に回避可能である点で好適である。
【0055】
(実施の第5形態)
実施の第5形態では,QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)によって生成されたRF信号7の受信及び復調が行われる。図13に示されているように,実施の第5形態の受信機5では,QPSKによって生成されたRF信号7の受信及び復調が可能であるように,実施の第1形態で使用される復調器20の代わりに,復調器71が使用される。復調器71は,増幅IF信号19をQPSK復調して受信データ21を再生する。
【0056】
復調器71は,A/D変換器72とQPSK復調タイミング発生器73とデジタル復調演算回路74とを備えている。A/D変換器72は,増幅IF信号19をアンダーサンプリングしてサンプリングデータ75を生成する。A/D変換器72がアンダーサンプリングを行うことにより,A/D変換器72の動作周波数が低減されている。
【0057】
A/D変換器72が増幅IF信号19をサンプリングするタイミングは,BPSK復調タイミング発生器73によって生成されるサンプリングタイミング発生信号76によって指定される。図14に示されているように,サンプリングタイミング発生信号76は,増幅IF信号19の周期をTとして,周期k・Tを有している。サンプリングタイミング発生信号76は,一の周期毎に一のパルスを有し,A/D変換器72は,該パルスが入力されると,増幅IF信号19をサンプリングする。
【0058】
A/D変換器72のサンプリング周波数fSは,デジタル復調演算回路74によるQPSK復調を可能にするために,上述のkを用いて,下記条件:
【数16】
なる条件を満足するように定められる。この条件は,デジタル復調演算回路74によるQPSK復調において,ベースバンド信号の一周期分(1/fSIG)だけデータを遅延させる遅延演算と,サンプリング周期(1/fS)だけデータを遅延させる遅延計算とが行われることに関係している。
【0059】
式(8)〜式(10)を満足するように定められたサンプリング周波数fSは,上述の式(1)を満足するため,かかるサンプリング周波数fSを使用することにより,ベースバンド信号のスペクトルを損なうことなく増幅IF信号19のサンプリングが可能である。
【0060】
図13に示されているように,デジタル復調演算回路74は,サンプリングデータ75から受信データ21を再生する。デジタル復調演算回路74は,メモリ77とプログラマブルハードウエア78とを含む。メモリ77は,サンプリングデータ75をQPSK復調する復調演算の手順が記述されたQPSK復調プログラムを保存するQPSK復調プログラム格納領域77aと,該復調演算のワークエリアである復調処理エリア77bとを有している。メモリ77は,該プログラムを不揮発的に,且つ,書き換え可能に保持し,該プログラムは,書き換え可能である。プログラマブルハードウエア78は,プログラム格納領域77aに格納されているQPSK復調プログラムを実行する。プログラム格納領域77aに格納されているプログラムの実行により,サンプリングデータ75に対する復調演算が行われ,受信データ21が再生される。
【0061】
図15は,デジタル復調演算回路74の動作を示す。サンプリングデータ75が分配されて,サンプリングデータ75と同一のサンプリングデータ75−1,75−2が生成される。サンプリングデータ75−2はベースバンド信号の周期(1/fSIG)だけ遅延され,第1遅延サンプリングデータ79が生成される。更に,第1遅延サンプリングデータ79から,A/D変換器72のサンプリング周期(1/fS)だけ遅延された第2遅延サンプリングデータ80が生成される。サンプリングデータ75−1と第1遅延サンプリングデータ79とが,0°系復調演算に使用され,サンプリングデータ75−1と第2遅延サンプリングデータ80とが90°系復調演算に使用される。
【0062】
0°系復調演算では,サンプリングデータ75−1と第1遅延サンプリングデータ79とが乗じられ,乗算データ81が生成される。乗算データ81から低周波成分が取り出され,低周波成分データ82が生成される。低周波成分データ82は,2値化されて符号化され,0°系データ83が生成される。
【0063】
一方,90°系復調演算では,サンプリングデータ75−1と第2遅延サンプリングデータ80とが乗じられ,乗算データ84が生成される。乗算データ84から低周波成分が取り出され,低周波成分データ85が生成される。低周波成分データ85は,2値化されて符号化され,90°系データ86が生成される。
【0064】
生成された0°系データ83と90°系データ86とが統合されて,受信データ21が再生される。このようなデジタル復調演算回路74の動作により,増幅IF信号19をQPSK復調して受信データ21を再生することが可能である。
【0065】
実施の第5形態では,A/D変換器72のサンプリング周波数fSが式(8)〜式(10)を満足するように定められ,該サンプリング周波数fSは,式(1)を満足する。このため,受信データ21の再生に影響を及ぼすことなくA/D変換器52の動作周波数の低減が可能である。更に,サンプリング周波数fSが式(8)〜式(10)を満足するように定められ,QPSK復調タイミング発生器73が設けられ,更にデジタル復調演算回路74の動作がQPSK復調を実行可能に構成されることにより,QPSKによって変調されたRF信号7の復調が実現されている。
【0066】
(実施の第6形態)
実施の第6形態では,RF信号7がASK,BPSK,及びQPSKのいずれのデジタル変調方式で変調されていても受信データ21の再生が可能であるように,図16に示されているように,実施の第1形態で使用される復調器20の代わりに,復調器91が使用される。復調器91は,増幅IF信号19を復調して受信データ21を再生する。
【0067】
復調器91は,A/D変換器92とデジタル復調演算器93とクロック調整器94とを含む。A/D変換器92は,増幅IF信号19をアンダーサンプリングしてサンプリングデータ95を生成する。A/D変換器92がアンダーサンプリングを行うことにより,A/D変換器92の動作周波数が低減されている。
【0068】
A/D変換器92のサンプリング周波数fSは,式(1):
【数17】
なる条件を満足するように定められる。これにより,ベースバンド信号のスペクトルを損なうことなく増幅IF信号19のサンプリングが可能である。
【0069】
A/D変換器92が増幅IF信号19をサンプリングするタイミングは,クロック調整器94によって生成されるサンプリングタイミング発生信号96によって指定される。クロック調整器94は,図17に示されているように,ASK復調タイミング発生器94a,BPSK復調タイミング発生器94b,及びQPSK復調タイミング発生器94cを含む。
【0070】
サンプリングタイミング発生信号96の生成は,ASK復調タイミング発生器94a,BPSK復調タイミング発生器94b,及びQPSK復調タイミング発生器94cのいずれかによって排他的に行われる。ASK復調タイミング発生器94aは,ASK復調に適したタイミングを指示するようにサンプリングタイミング発生信号96を生成する。BPSK復調タイミング発生器94bは,BPSK復調に適したタイミングを指示するように,即ち,A/D変換器92のサンプリング周波数fSが上述の式(7)を満足するようなタイミングでサンプリングすることを指示するようにサンプリングタイミング発生信号96を生成する。QPSK復調タイミング発生器94cは,QPSK復調に適したタイミングを指示するように,即ち,A/D変換器92のサンプリング周波数fSが上述の式(8)〜式(10)を満足するようなタイミングでサンプリングすることを指示するようにサンプリングタイミング発生信号96を生成する。ASK復調タイミング発生器94a,BPSK復調タイミング発生器94b,及びQPSK復調タイミング発生器94cのいずれがサンプリングタイミング発生信号96の発生に使用されるかは,デジタル復調演算回路93によって指定される。
【0071】
図16に示されているように,デジタル復調演算回路93は,A/D変換器92によって生成されるサンプリングデータ95から受信データ21を再生する。デジタル復調演算回路93は,メモリ97とプログラマブルハードウエア98とを含む。メモリ97は,サンプリングデータ95を復調する復調演算の手順が記述された復調プログラムを保存する復調プログラム格納領域97aと,該復調演算のワークエリアである復調処理エリア97bとを有している。メモリ97は,該プログラムを不揮発的に,且つ,書き換え可能に保持し,該プログラムは,書き換え可能である。プログラマブルハードウエア98は,プログラム格納領域97aに格納されている復調プログラムを実行する。プログラム格納領域97aに格納されているプログラムの実行により,サンプリングデータ95に対する復調演算が行われ,受信データ21が再生される。
【0072】
デジタル復調演算回路93による復調演算は,以下の過程で行われる。デジタル復調演算回路93は,RF信号7がASK,BPSK,及びQPSKのいずれのデジタル変調方式で変調されているかを知らない。そこで,デジタル復調演算回路93は,QPSK復調,BPSK復調,及びASK復調を,順番に試行する。この順番で試行が行われるのは以下の理由による。デジタル変調方式としてQPSKが使用されているときにA/D変換器92のサンプリング周波数fSに課せられる条件は,自動的に,BPSKが使用されているときにA/D変換器92のサンプリング周波数fSに課せられる条件を満足する。更に,BPSKが使用されているときにA/D変換器92のサンプリング周波数fSに課せられる条件は,自動的に,ASKが使用されているときにA/D変換器92のサンプリング周波数fSに課せられる条件を満足する。ゆえに,QPSK復調によって受信データ21の再生が可能であれば,RF信号7はQPSKで復調されていると推定される。QPSK復調によっては受信データ21の再生ができないが,BPSK復調によって受信データ21の再生が可能であれば,RF信号7はQPSKで復調されていると推定される。QPSK復調及びBPSK復調のいずれでも受信データ21の再生が出来なければ,RF信号7はASKで復調されていると推定される。このため,デジタル復調演算回路93は,QPSK復調,BPSK復調,及びASK復調を,順番に試行して,適正な復調方式を推定する。
【0073】
より詳細には,RF信号7の受信が始まると,デジタル復調演算回路93は,クロック調整器94にQPSK復調タイミング発生器94cによってサンプリングタイミング発生信号96を生成することを指示する。A/D変換器92は,QPSK復調に適したタイミングでサンプリングを行い,サンプリングデータ95を生成する。デジタル復調演算回路93は,実施の第5形態と同一の動作により,QPSK復調演算を行う。QPSK復調演算の結果,適正な受信データ21が得られた場合には,そのまま,QPSK復調演算を継続する。
【0074】
一方,QPSK復調演算の結果,適正な受信データ21が得られない場合には,デジタル復調演算回路93は,クロック調整器94にBPSK復調タイミング発生器94bによってサンプリングタイミング発生信号96を生成することを指示する。A/D変換器92は,BPSK復調に適したタイミングでサンプリングを行い,サンプリングデータ95を生成する。デジタル復調演算回路93は,実施の第4形態と同一の動作により,BPSK復調演算を行う。BPSK復調演算の結果,適正な受信データ21が得られた場合には,そのまま,BPSK復調演算を継続する。
【0075】
一方,BPSK復調演算の結果,適正な受信データ21が得られない場合には,デジタル復調演算回路93は,クロック調整器94にASK復調タイミング発生器94aによってサンプリングタイミング発生信号96を生成することを指示する。A/D変換器92は,ASK復調に適したタイミングでサンプリングを行い,サンプリングデータ95を生成する。デジタル復調演算回路93は,実施の第3形態と同一の動作により,ASK復調演算を行う。
【0076】
デジタル復調演算回路93が以上に説明された動作を行うことにより,本実施の形態では,RF信号7がASK,BPSK,及びQPSKのいずれのデジタル変調方式で変調されていても受信データ21の再生が可能である。
【0077】
(実施の第7形態)
実施の第7形態では,図18に示されているように,実施の第1形態の受信機5に含まれる復調器20にゲイン調整器101が追加される。ゲイン調整器101は,A/D変換器22が生成するサンプリングデータ24の値に基づいて,中間周波数帯アンプ18のゲインを調整する。
【0078】
中間周波数帯アンプ18のゲインが調整されることにより,A/D変換器22に適正な電圧を有する増幅IF信号19を入力可能である。増幅IF信号19の電圧が,A/D変換器22の最大入力電圧以上であると,A/D変換器22が出力するサンプリングデータ24が飽和してしまい,復調ができなくなる。一方,増幅IF信号19の電圧が過小であると,A/D変換器22の分解能が不足し,復調ができなくなる。中間周波数帯アンプ18のゲインが調整されることにより,これらの不具合が防止される。
【0079】
なお,中間周波数帯アンプ18のゲインに代えて,又は,中間周波数帯アンプ18のゲインに加えて,高周波アンプ11のゲインの調整がゲイン調整器101によって行われることが可能である。
【0080】
更に,図19に示されているように,デジタル復調演算回路23が中間周波数帯アンプ18(及び/又は高周波アンプ11)のゲイン調整機能を有していることも可能である。この場合,デジタル復調演算回路23は,中間周波数帯アンプ18(及び/又は高周波アンプ11)のゲインを指示するゲイン調整信号102を出力し,中間周波数帯アンプ18(及び/又は高周波アンプ11)は指示されたゲインを有するように設定される。
【0081】
(実施の第8形態)
実施の第8形態では,図20に示されているように,実施の第1形態の受信機5に周波数調整器103が追加される。周波数調整器103は,A/D変換器22が生成するサンプリングデータ24の値に基づいて,周波数変換器13の発振器14が生成する高周波信号16の周波数を調整する。サンプリングデータ24の値が意味を有する値となるように,高周波信号16の周波数は調整される。
【0082】
このような構成は、アンテナ6によって受信されるRF信号7の搬送波周波数が不明である場合でも,適正な周波数を有するIF信号17を生成することが可能であり,従って,RF信号7の搬送波周波数が不明である場合でも,受信データ21の再生が可能である。
【0083】
図21に示されているように,デジタル復調演算回路23が高周波信号16のの周波数を調整機能を有していることも可能である。この場合,デジタル復調演算回路23は,高周波信号16の周波数を指示する周波数調整信号104を出力し,発振器14は指示された周波数の高周波信号16を生成するように設定される。
【0084】
【発明の効果】
本発明により,デジタル無線通信で使用される復調器に含まれる回路に要求される動作周波数を,より低くするための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第1形態を示す。
【図2】図2は,車両1に搭載される車載器2と,路側装置3とを示す図である。
【図3】図3は,車載器2と路側装置3との構成を示すブロック図である。
【図4】図4(a)は,サンプリングデータ24を伝送する信号の周波数スペクトルを示す図であり,図4(b)は,その拡大図である。
【図5】図5は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第2形態を示す。
【図6】図6は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第2形態の変形例を示す。
【図7】図7は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第3形態を示す。
【図8】図8は,サンプリングタイミング発生信号46の波形を示す図である。
【図9】図9は,デジタル復調演算回路44の動作を示す機能ブロック図である。
【図10】図10は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第4形態を示す。
【図11】図11は,サンプリングタイミング発生信号56の波形を示す図である。
【図12】図12は,デジタル復調演算回路54の動作を示す機能ブロック図である。
【図13】図13は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第5形態を示す。
【図14】図14は,サンプリングタイミング発生信号76の波形を示す図である。
【図15】図15は,デジタル復調演算回路74の動作を示す機能ブロック図である。
【図16】図16は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第6形態を示す。
【図17】図17は,クロック調整器94を示す。
【図18】図18は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第7形態を示す。
【図19】図19は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第7形態の変形例を示す。
【図20】図20は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第8形態を示す。
【図21】図21は,本発明による復調器,受信機,車載器,及び路側装置の実施の第8形態の変形例を示す。
【符号の説明】
1:車両
2:車載器
3:路側装置
4:送信機
5:受信機
6:アンテナ
7:RF信号
11:高周波アンプ
12:増幅RF信号
13:周波数変換器
14:発振器
15:ミキサ
16:高周波信号
17:IF信号
18:中間周波数帯アンプ
19:増幅IF信号
20:復調器
21:受信データ
22:A/D変換器
23:デジタル復調演算回路
24:サンプリングデータ
25:メモリ
25a:プログラム格納領域
25b:復調処理エリア
26:プログラマブルハードウエア
27:送受信インターフェース
28:外部装置
31:復調器
32:分配器
33−1〜33−M:A/D変換器
34:並列アンダーサンプリングタイミング発生器
35:デジタル復調演算回路
36−1〜36−M:サンプリングデータ
37:メモリ
38:プログラマブルハードウエア
39−1〜39−M:遅延回路
41:復調器
42:A/D変換器
43:ASK復調タイミング発生器
44:デジタル復調演算回路
45:サンプリングデータ
46:サンプリングタイミング発生信号
47:メモリ
47a:ASK復調プログラム格納領域
47b:復調処理エリア
48:プログラマブルハードウエア
49:2乗サンプリングデータ
50:低周波成分データ
51:復調器
52:A/D変換器
53:BPSK復調タイミング発生器
54:デジタル復調演算回路
55:サンプリングデータ
56:サンプリングタイミング発生信号
57:メモリ
57a:BPSK復調プログラム格納領域
57b:復調処理エリア
58:プログラマブルハードウエア
59:遅延サンプリングデータ
60:乗算データ
61:低周波成分データ
71:復調器
72:A/D変換器
73:QPSK復調タイミング発生器
74:デジタル復調演算回路
75,75−1,75−2:サンプリングデータ
76:サンプリングタイミング発生信号
77:メモリ
77a:QPSK復調プログラム格納領域
77b:復調処理エリア
78:プログラマブルハードウエア
79:第1遅延サンプリングデータ
80:第2遅延サンプリングデータ
81:乗算データ
82:低周波成分データ
83:0°系データ
84:乗算データ
85:低周波成分データ
86:90°系データ
91:復調器
92:A/D変換器
93:デジタル復調演算器
94:クロック調整器
94a:ASK復調タイミング発生器
94b:BPSK復調タイミング発生器
94c:QPSK復調タイミング発生器
95:サンプリングデータ
96:サンプリングタイミング発生信号
97:メモリ
97a:復調プログラム格納領域
97b:復調処理エリア
98:プログラマブルハードウエア
101:ゲイン調整器
102:ゲイン調整信号
103:周波数調整器
104:周波数調整信号
Claims (10)
- 請求項1に記載の復調器において,
更に,クロック調整器を含み,
前記演算器は,前記デジタルデータに基づいて,複数の復調方式のうちから一の復調方式を選択復調方式として選択し,且つ前記選択復調方式に従って前記復調演算を行い,
前記クロック調整器は,前記選択復調方式に応答して,前記入力信号をサンプリングするタイミングを指示するクロック信号を生成し,
前記A/D変換器は,前記クロック信号に同期して前記入力信号をサンプリングする
復調器。 - 請求項1から請求項4のいずれか一に記載の復調器において,
前記演算器は,前記復調演算の手順が記述されたプログラムを記憶するプログラム格納器を備え,
前記プログラムは,書き換え可能である
復調器。 - 請求項1〜請求項5に記載の復調器を含む
受信機。 - 所定の搬送波周波数でデジタル変調がなされている入力信号を増幅し,増幅入力信号を生成する増幅器と,
復調器
とを含み,
前記復調器は,
前記増幅入力信号をサンプリングするA/D変換器と,
前記A/D変換器が生成するデジタルデータに対して復調演算を行って受信データを再生する演算器
とを備え,
前記A/D変換器が前記増幅入力信号をサンプリングするサンプリング周波数fSは,前記増幅入力信号のナイキスト周波数よりも小さく,且つ,前記搬送波周波数をfとし,前記デジタル変調のベースバンド信号の帯域幅をBとして,下記条件:
前記増幅器のゲインは,前記デジタルデータに基づいて調整される
受信機。 - 第1搬送波周波数でデジタル変調がなされている高周波信号に,変換用周波数を有する信号を乗算して前記第1搬送波周波数より低い第2搬送波周波数で変調されている中間周波数信号を生成する周波数変換器と,
前記中間周波数信号を増幅して増幅中間周波数信号を生成するアンプと,
復調器
とを含み,
前記復調器は,
前記増幅中間周波数信号をサンプリングするA/D変換器と,
前記A/D変換器が生成するデジタルデータに対して復調演算を行って受信データを再生する演算器
とを備え,
前記A/D変換器が前記増幅中間周波数信号をサンプリングするサンプリング周波数fSは,前記増幅中間周波数信号のナイキスト周波数よりも小さく,且つ,前記搬送波周波数をfとし,前記デジタル変調のベースバンド信号の帯域幅をBとして,下記条件:
前記変換用周波数は,前記デジタルデータに応じて調整される
受信機。 - 車両に搭載され,路側に設けられる路側装置と無線による通信を行う車載器であって,
請求項6から請求項8のいずれか一の請求項に記載の受信機を含む
車載器。 - 路側に設けられ,車両に搭載された車載器と無線による通信を行う路側装置であって,
請求項6から請求項8のいずれか一の請求項に記載の受信機を含む
路側装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002251076A JP2004096177A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 復調器,並びにこれを用いた受信機,車載器,及び路側装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002251076A JP2004096177A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 復調器,並びにこれを用いた受信機,車載器,及び路側装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004096177A true JP2004096177A (ja) | 2004-03-25 |
Family
ID=32057751
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002251076A Withdrawn JP2004096177A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 復調器,並びにこれを用いた受信機,車載器,及び路側装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004096177A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006180373A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-06 | Kddi Corp | アンダーサンプリングにおけるサンプリング周波数決定方法及びプログラム |
JP2008154121A (ja) * | 2006-12-20 | 2008-07-03 | Sony Corp | 無線通信装置 |
WO2018003113A1 (ja) * | 2016-07-01 | 2018-01-04 | 三菱電機株式会社 | 受信装置 |
-
2002
- 2002-08-29 JP JP2002251076A patent/JP2004096177A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006180373A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-06 | Kddi Corp | アンダーサンプリングにおけるサンプリング周波数決定方法及びプログラム |
JP4501679B2 (ja) * | 2004-12-24 | 2010-07-14 | Kddi株式会社 | アンダーサンプリングにおけるサンプリング周波数決定方法及びプログラム |
JP2008154121A (ja) * | 2006-12-20 | 2008-07-03 | Sony Corp | 無線通信装置 |
US8050365B2 (en) | 2006-12-20 | 2011-11-01 | Sony Corporation | Radio communication device |
WO2018003113A1 (ja) * | 2016-07-01 | 2018-01-04 | 三菱電機株式会社 | 受信装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20070140382A1 (en) | Bandpass sampling receiver and the sampling method | |
US8155250B2 (en) | Receiver with frequency offset compensation for M-state phase modulation | |
EP2234277A1 (en) | Phase noise correction circuit, transmission device, reception device, radio device, radio communication system, and phase noise correction method | |
US10965504B2 (en) | Method for generating a pulse-position-modulated signal, demodulation method and corresponding computer program product and devices | |
JP4366808B2 (ja) | タイミングエラー検出回路および復調回路とその方法 | |
US9660692B2 (en) | Apparatus and method to perform a double correlation | |
JPH07202750A (ja) | スペクトラム拡散受信方法及び受信機 | |
KR20060121126A (ko) | 대역통과 샘플링 수신기 및 샘플링 방법 | |
US8125258B2 (en) | Phase synchronization device and phase synchronization method | |
JP6325942B2 (ja) | 無線通信装置および集積回路 | |
US20100215127A1 (en) | Method for estimating a carrier-frequency shift in a telecommunication signals receiver, notably a mobile device | |
JPH11168516A (ja) | Dcオフセットキャンセラーおよびこれを備えた受信機と通信システムとdcオフセットキャンセル方法 | |
TWI672034B (zh) | 相位同步裝置 | |
EP0677815A2 (en) | Radio-card communications system | |
JP3917637B2 (ja) | 無線通信システム、無線送信機、無線受信機および無線通信方法 | |
JP2004096177A (ja) | 復調器,並びにこれを用いた受信機,車載器,及び路側装置 | |
JP4360972B2 (ja) | 通信装置 | |
JP2017046109A (ja) | ベースバンド集積回路及び無線通信装置 | |
JP2000069096A (ja) | 自動周波数制御回路 | |
CN112039543B (zh) | 用于通过射频信道接收遥测消息的片上系统 | |
EP3185495B1 (en) | Signal processing device and method | |
JP4493669B2 (ja) | プリアンブルパターン識別方法及び周波数偏差検出方法並びにシンボルタイミング検出方法 | |
US8634445B2 (en) | Pulse modulation and demodulation in a multiband UWB communication system | |
JP2009135844A (ja) | 周波数制御装置、周波数制御方法、及び、プログラム | |
JP2007134975A (ja) | デジタル変復調装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051101 |