JP2004096148A - 無線ネットワークシステムおよびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数箇所に配置されている各無線アクセスポイント毎に、その使用周波数チャンネルを設定する場合に、テスト用電波として通常のデータ通信で使用可能な電波を用いて各アクセスポイント間で実際に行った受信状況を評価することによって、最適な使用周波数チャンネルを自動設定できるようにする。
【解決手段】マスタアクセスポイントAP1は、各アクセスポイント1にテスト用電波を個別に発信すべきことの指示する。アクセスポイント1からテスト用電波が発信される毎に、この発信元以外の各アクセスポイント1が受信したテスト用電波の受信状況を取得する。発信元別に取得した各アクセスポイントの受信状況を解析し、通常のデータ通信で使用可能な複数チャンネル分の周波数の中から解析結果にしたがって各アクセスポイントに割当てる為の使用周波数チャンネルを決定し、この使用周波数チャンネルを対応するアクセスポイント1に設定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、有線路を介して複数の無線アクセスポイントを接続配置した無線ネットワークシステムおよびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、会社等において、同軸ケーブル等の有線でパーソナルコンピュータ同士の接続を不要とする無線LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)は、オフィス空間の有効活用や配置換え等に柔軟に対応することができる為、益々、そのニーズが高まっている。この無線LANは、パケット交換を行う中継機としての無線アクセスポイントを構内の複数箇所に配置することによって、パーソナルコンピュータやPDA等の携帯情報機器とアクセスポイントとの間で無線通信を行うようにしたものであり、各アクセスポイントは、有線LAN(構内基幹網)を介して接続されている。
【0003】
ここで、アクセスポイントを構内の複数箇所に配置する場合、無線の干渉による通信機能障害や通信速度の向上の為にもアクセスポイント毎にその使用周波数チャンネルを適正に割当てる必要がある。この場合、従来においては、アクセスポイント毎に、その周波数割当を全て手操作で個別に行う方法の他、専用の周波数を用いて周波数割当を自動的に行う方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、周波数割当を全て手操作を行うことは、無線通信に関する専門的な知識が要求されると共に、アクセスポイントの設置数が多くなればなる程、多くの労力が要求されるという問題がある。
また、専用の周波数を用いて周波数割当を自動的に行うものにおいては、人為的な作業が削減されるが、アクセスポイント毎に自動割当用として、特殊な回路を追加する必要がある為、コスト高を招く。
【0005】
この発明の課題は、複数箇所に配置されている各無線アクセスポイント毎に、その使用周波数チャンネルを設定する場合に、テスト用電波として通常のデータ通信で使用可能な電波を用いて各アクセスポイント間で実際に行った受信状況を評価することによって、最適な使用周波数チャンネルを自動設定できるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、有線路を介して複数の無線アクセスポイントを接続配置した無線ネットワークシステムにおいて、各アクセスポイントに対してテスト用電波を個別に発信すべきことを指示する発信指示手段と、この発信指示に応答して何れのアクセスポイントから通常のデータ通信で使用可能な電波がテスト用電波として発信される毎に、この発信元以外の各アクセスポイントが受信したテスト用電波の受信状況を当該各アクセスポイントから取得する取得手段と、この取得手段によって発信元別に取得した各アクセスポイントの受信状況を解析し、通常のデータ通信で使用可能な複数チャンネル分の周波数の中から前記解析結果にしたがって各アクセスポイントに割当てる為の使用周波数チャンネルを決定する決定手段と、この決定手段によってアクセスポイント毎に決定された使用周波数チャンネルを対応するアクセスポイントに設定する設定手段とを具備するものである。
更に、コンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項6記載の発明)。
【0007】
したがって、請求項1、6記載の発明は、各アクセスポイントに対してテスト用電波を個別に発信すべきことの指示に応答して、何れのアクセスポイントからテスト用電波が発信される毎に、この発信元以外の各アクセスポイントが受信したテスト用電波の受信状況を当該各アクセスポイントから取得すると共に、発信元別に取得した各アクセスポイントの受信状況を解析し、通常のデータ通信で使用可能な複数チャンネル分の周波数の中から当該解析結果にしたがって各アクセスポイントに割当てる為の使用周波数チャンネルを決定し、この使用周波数チャンネルを対応するアクセスポイントに設定するようにしたから、各アクセスポイント間で実際に行った受信状況を評価することによって、近接するアクセスポイント間での無線干渉による混信を防いだ最適な使用周波数チャンネルを自動設定することができ、また、テスト用電波として通常のデータ通信で使用可能な電波を用いることで、従来のようにアクセスポイント毎に特別な回路を追加する必要はなく、コスト高を抑えることが可能となる。
【0008】
なお、請求項1記載の発明は次のようなものであってもよい。
前記発信指示手段は、各アクセスポイントを時系的に順次選択しながらテスト用電波を個別に発信すべきことを指示し、前記取得手段は、前記発信指示手段によって選択されたアクセスポイントがテスト用電波を発信している間に、この発信元以外の各アクセスポイントが受信したテスト用電波の受信状況を当該各アクセスポイントから取得する(請求項2記載の発明)。
したがって、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を有する他に、各アクセスポイントを時系列的に順次選択しながらテスト用電波を個別に発信すべきことを指示し、選択されたアクセスポイントがテスト用電波を発信している間に、この発信元以外の各アクセスポイントが受信したテスト用電波の受信状況を当該各アクセスポイントから取得するようにしたから、テスト用電波として同一周波数の電波を使用したとしても、混信することなく、発信元別に各アクセスポイントの受信状況を確実に取得することが可能となる。
【0009】
各アクセスポイントに対して周囲環境のノイズ電波を受信すべてことを指示する受信指示手段と、この受信指示に応答してアクセスポイントが受信したノイズ電波の周波数を取得する取得手段とを設け、前記決定手段は、使用周波数チャンネルを割当てる際に、何れかのアクセスポイントの周囲にノイズが存在する場合には、そのアクセスポイントが受信したノイズ電波の周波数に重複しない周波数を当該アクセスポイントに割当てる使用周波数チャンネルとして決定する(請求項3記載の発明)。
したがって、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を有する他に、各アクセスポイントに対して周囲環境のノイズ電波を受信すべてことの指示に応答してアクセスポイントが受信したノイズ電波の周波数を取得するようにしたから、使用周波数チャンネルを割当てる際に、何れかのアクセスポイントの周囲にノイズが存在する場合には、そのアクセスポイントが受信したノイズ電波の周波数に重複しない周波数を当該アクセスポイントに割当てる使用周波数チャンネルとして決定することができ、アクセスポイントの近くに在る電気機器等が発生するノイズに影響されない使用周波数チャンネルを設定することが可能となる。
【0010】
通常のデータ通信で使用可能な複数チャンネル分の周波数の中からノイズの影響を受けない周波数をテスト用電波として選択する(請求項4記載の発明)。
したがって、請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を有する他に、何れかのアクセスポイントの周囲にノイズが存在する場合、通常のデータ通信で使用可能な複数チャンネル分の周波数の中からノイズの影響を受けない周波数をテスト用電波として選択するようにしたから、ノイズの影響を受けずに、テストを正確に行うことが可能となる。
【0011】
有線路を介して接続されている各アクセスポイントのうち、マスタ装置として機能する何れかのアクセスポイントは、各アクセスポイントに対してテスト用電波を個別に発信すべきことを指示し、この発信指示に応答して何れのアクセスポイントから通常のデータ通信で使用可能な電波がテスト用電波として発信される毎に、この発信元以外の各アクセスポイントが受信したテスト用電波の受信状況を当該各アクセスポイントから取得し、発信元別に取得した各アクセスポイントの受信状況を解析することによって各アクセスポイントに割当てる為の使用周波数チャンネルを決定して対応するアクセスポイントに設定する(請求項5記載の発明)。
したがって、請求項5記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を有する他に、有線路を介して接続されている各アクセスポイントのうち、マスタ装置として機能する何れかのアクセスポイントが上述した各種の機能を実行することができ、特別なコントローラ等をネットワーク上に設けなくても、自己を含む全てのアクセスポイントに対して最適な使用周波数チャンネルを自動設定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図15を参照してこの発明の一実施形態を説明する。
図1は、この実施形態における無線ネットワークシステムの全体構成を示したブロック図である。
この無線ネットワークシステムは、パケット交換を行う中継機としての無線アクセスポイント1を構内の複数箇所に配置することによって、パーソナルコンピュータやPDA等の携帯情報機器とアクセスポイント1との間で無線通信を行うようにしたものであり、各アクセスポイント1は、構内基幹網(有線LAN)2を介して接続されている。各アクセスポイント1は、通常のデータ通信で使用可能な電波として、例えば、23チャンネル分の周波数チャンネルを有し、その中から選択設定された周波数チャンネルを使用して、パーソナルコンピュータやPDA等の携帯情報機器との間でデータ通信を行う。
【0013】
図2は、各アクセスポイント1の配置状態を例示した図であり、図示の例では、6台のアクセスポイント1が設置されている状態を示している。
各アクセスポイント1のうち、その何れか1台のアクセスポイント1は、マスタ装置として機能し、他の各アクセスポイント1は、スレーブ装置として機能するようになっている。なお、以下、マスタ装置として機能するアクセスポイント1をマスタアクセスポイントAP1と称し、また、スレーブ装置として機能するアクセスポイント1をスレーブアクセスポイントAP2〜AP6と称し、更に、アクセスポイントAP1〜AP6を単にアクセスポイント1と総称する。
また、図示の例では、アクセスポイントAP3、AP6の近傍にノイズを発生する電子機器(ノイズ発生機器)3が存在していることを示している。
【0014】
マスタアクセスポイントAP1は、有線LAN2上に接続されている各スレーブアクセスポイントAP2〜AP6を特定する為に、スレーブアクセスポイントAP2〜AP6へ有線LAN2を介してスレーブ検出信号を一斉同報によって送信するようにしている。このスレーブ検出信号を受信したスレーブアクセスポイントAP2〜AP6は、予め設定されている自己のスレーブ識別子(この実施形態においてはMAKアドレス)をマスタアクセスポイントAP1へ有線LAN2を介して返送する。マスタアクセスポイントAP1は、何れからのスレーブアクセスポイントAP2〜AP6から送信されて来たMAKアドレスを受信すると、受信した順にその「MAKアドレス」をポイント管理テーブル11に順次格納すると共に、「全接続台数」を計数してポイント管理テーブル11に格納するアクセスポイント管理処理を行う。
【0015】
図3は、マスタアクセスポイントAP1側に設けられているポイント管理テーブル11の内容を示した図である。
このポイント管理テーブル11は、自己(マスタアクセスポイントAP1)に対応してその「MAKアドレス」を記憶する他に、スレーブアクセスポイントAP2〜AP6から送信されて来た「MAKアドレス」を受信する毎に、その受信した順に「AP2」、「AP3」、‥‥「AP6」に対応して、その「MAKアドレス」を順次記憶する構成となっている。
【0016】
そして、マスタアクセスポイントAP1は、ポイント管理テーブル11内のレコード数を「全接続台数」として計数してポイント管理テーブル11に記憶するようにしている。
なお、上述のポイント管理処理は、定期的、例えば、1日に1回実行されるもので、システム内に新たなスレーブアクセスポイントが追加設置される毎に、マスタアクセスポイントAP1は、新たなスレーブ番号として、次の「AP7」‥‥を生成してポイント管理テーブル11追加登録すると共に、その「MAKアドレス」を追加登録し、更には、「全接続台数」を更新するようにしている。
【0017】
マスタアクセスポイントAP1は、ポイント管理テーブル11をアクセスし、その先頭のアクセスポイント1から最終のアクセスポイント1までを1台ずつ指定しながらその「MAKアドレス」を読み出し、この「MAKアドレス」対応のアクセスポイントに対して、その周囲に存在しているノイズ発生機器3による影響を検出すべきことを指示する。このノイズ検出指示に応答してアクセスポイント1から送信されて来たノイズの周波数を受信すると、マスタアクセスポイントAP1は、そのノイズの周波数と共にノイズの影響を受けるアクセスポイント1を後述する電波受信状態テーブル12内に記憶保持するようにしている。
【0018】
更に、マスタアクセスポイントAP1は、ポイント管理テーブル11をアクセスし、その先頭のアクセスポイント1から最終のアクセスポイント1までを1台ずつ指定しながらその「MAKアドレス」を読み出し、この「MAKアドレス」対応のアクセスポイント1に対してテスト用電波を個別に発信すべきことを指示すると共に、他の全てのアクセスポイント1に対してテスト用電波を受信すべきことを指示する。つまり、各アクセスポイント1を時系列的に順次選択しながらテスト用電波を個別に発信すべきことを指示し、これに応答して選択指定されたアクセスポイント1がテスト用電波を発信している間に、この発信元以外の各アクセスポイント1に対してテスト用電波を受信すべきことを指示する。この場合、通常のデータ通信で使用可能な23チャンネル分の周波数の中から任意に選択設定された周波数(ノイズの影響を受けない周波数)をテスト用電波として使用するようにしている。なお、テスト用電波の送信元/受信先としては、自己(マスタアクセスポイントAP1)を含む。
【0019】
上述の発信指示を受信した何れのアクセスポイント1は、通常のデータ通信で使用可能な電波をテスト用電波として発信し、このテスト用電波を受信した他のアクセスポイント1は、テスト用電波を正常に受信することができたか否かの受信状況をマスタアクセスポイントAP1に対して報告するようにしている。そして、マスタアクセスポイントAP1は、テスト用電波を発信した発信元別に受信取得した各アクセスポイント1の受信状況を電波受信状態テーブル12に格納する。なお、この場合、マスタアクセスポイントAP1とスレーブアクセスポイントAP2〜AP6との送受信は、有線LAN2を介して行われる。
【0020】
図4は、マスタアクセスポイントAP1側に設けられている電波受信状態テーブル12の内容を示した図である。
この電波受信状態テーブル12は、テスト用電波の送信元毎に、テスト用電波の受信先に関する受信状況を記憶管理するもので、テスト用電波の送信元/受信先が自己(マスタアクセスポイントAP1)の場合も含み、テスト用電波の送信元「AP1」、「AP2」〜「AP6」毎に、テスト用電波の受信先「AP1」、「AP2」〜「AP6」に関する受信状況を記憶管理する構成となっている。つまり、行方向に送信元「AP1」、「AP2」〜「AP6」、列方向に受信先「AP1」、「AP2」〜「AP6」を配置したマトリックス上の各項目を有するテーブル構成となっている。
【0021】
なお、図中、“白丸”のマークは、アクセスポイント1間において互いにテスト用電波を正常に受信することができた場合を示している。したがって、例えば、マスタアクセスポイントAP1とスレーブアクセスポイントAP2との間ではテスト用電波を互いに受信することができた場合であるから、発信元が「AP1」、受信先が「AP2」の場合、対応する表項目内には、“白丸”のマークが付加され、発信元が「AP2」、受信先が「AP1」の場合、対応する表項目内にも、“白丸”のマークが付加される。
【0022】
また、“三角”のマークは、アクセスポイント1間においてその一方が受信できたが、他方が受信できなかった場合、つまり、混信の可能性がある場合を示している。したがって、マスタアクセスポイントAP1とスレーブアクセスポイントAP3との間ではテスト用電波を一方が受信できたが、他方が受信できなかった場合であるから、発信元が「AP1」、受信先が「AP3」の場合、対応する表項目内には、“三角”のマークが付加され、発信元が「AP3」、受信先が「AP1」の場合、対応する表項目内にも、“三角”のマークが付加される。
【0023】
また、電波受信状態テーブル5には、「ノイズ」の項目も設けられており、図中“黒丸”のマークは、ノイズ発生機器3からノイズの影響を直接受けていることを示している。また、「ノイズ」の項目に対応する「設定ch」は、ノイズの周波数チャンネルを示している。なお、図示の例では、図2の場合を例示したもので、スレーブアクセスポイントAP3、AP6の近傍にノイズ発生機器3が存在し、そのノイズの周波数チャンネルは「ch3」であり、スレーブアクセスポイントAP3、AP6は、このノイズの影響を直接受けていることを示している。
【0024】
マスタアクセスポイントAP1は、この電波受信状態テーブル12の内容を参照することによって、アクセスポイント1毎にその使用周波数チャンネルを割当てるようにしている。すなわち、マスタアクセスポイントAP1は、電波受信状態テーブル12の内容を解析することによって各アクセスポイント1に割当てる為の使用周波数チャンネルを決定するが、その際、近接するアクセスポイント1間での無線干渉による混信を防ぎ、かつ、ノイズの影響を受けない最適な使用周波数チャンネルを決定し、対応するアクセスポイント1に設定する処理を行う。なお、図中、各発信元に対応する「設定ch」は、そのアクセスポイント1毎に割当てられた使用周波数チャンネルを示している。
【0025】
図5は、アクセスポイント1の基本的構成要素を示したブロック図である。
CPU101は、記憶装置102内のオペレーティングシステムや各種アプリケーションソフトにしたがってこのアクセスポイント1の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶装置102は、プログラム記憶領域とデータ記憶領域とを有し、このプログラム記憶領域内には、オペレーティングシステムの他に、各種アプリケーションプログラムが格納され、また、データ記憶領域には、上述したポイント管理テーブル11、電波受信状態テーブル12等が格納され、磁気的、光学的、半導体メモリ等やその駆動系によって構成されている。
この記録装置102はハードディスク等の固定的なメモリの他、CD−ROM、DVD等の着脱自在な記憶媒体を装着可能な構成であってもよい。この記憶装置102内のプログラムやデータは、必要に応じてRAM(例えば、スタティックRAM)103にロードされたり、RAM103内のデータが記憶装置102にセーブされる。なお、RAM103内には、プログラム実行領域と作業領域とを有している。
【0026】
更に、CPU101は有線通信装置104を介して他の電子機器側のプログラム/データを直接アクセスして使用したり、有線通信装置104を介してダウンロード受信することもできる。一方、CPU101にはその入出力周辺デバイスである入力装置105、表示装置106、無線通信装置107がバスラインを介して接続されており、入出力プログラムにしたがってCPU101はそれらの動作を制御する。
【0027】
次に、この実施形態における無線ネットワークシステムの動作アルゴリズムを図6〜図11に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作を逐次実行する。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードにしたがった動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体の他、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0028】
図6および図7は、自動設定スイッチ(図示せず)がオン操作された際に実行開始されるマスタアクセスポイントAP1側の周波数チャンネル設定処理を示したフローチャートである。この場合、各スレーブアクセスポイントAP2〜AP6からMAKアドレスを取得し、ポイント管理テーブル11を作成する上述のアクセスポイント管理処理を実行した後において、自動設定スイッチがオン操作されたものとする。
先ず、マスタアクセスポイントAP1は、自己の周囲に存在するノイズ発生機器3からの影響を測定する為に、周囲ノイズの受信すると共に、受信したノイズ周波数を判別し(ステップA1)、周囲ノイズがあれば、そのノイズ周波数をマスタアクセスポイントAP1に対応付けて電波受信状態テーブル12に登録する(ステップA1)。なお、図2の例では、マスタアクセスポイントAP1は、ノイズの影響を全く受けていないので、図4に示す電波受信状態テーブル12には、ノイズ周波数の登録は行われない。
【0029】
同様に、他の各スレーブアクセスポイントAP2〜AP6に対しても、その周囲に存在するノイズ発生機器3からの影響があるかをチェックする為の処理を行う。先ず、マスタアクセスポイントAP1は、ポイント管理テーブル11から「全接続台数」を読み出した後(ステップA3)、アドレスカウンタn(図示せず)に初期値として“2”をセットする(ステップA4)。このアドレスカウンタnの値にしたがってポイント管理テーブル11をアクセスし、このカウンタ値に対応付けられているアクセスポイントAP(n)の「MAKアドレス」を読み出し(ステップA5)、このアクセスポイントAP(n)宛てに有線LAN2を介して周囲のノイズ検出指示を送信する(ステップA6)。この場合、アドレスカウンタnの値は、“2”であるからスレーブアクセスポイントAP2に対してノイズ検出指示が行われる。
【0030】
図8は、マスタアクセスポイントAP1からノイズ検出指示を受けた場合に、各スレーブアクセスポイントAP2〜AP6側で実行開始される周囲ノイズ検出処理を示したフローチャートである。
先ず、スレーブアクセスポイントAP2〜AP6は、有線LAN2からの受信待機状態において(ステップB1)、何らかの指示を受信すると(ステップB2)、その指示はノイズ検出指示かを判別する(ステップB3)。いま、マスタアクセスポイントAP1は、スレーブアクセスポイントAP2に対してノイズ検出指示を送信した場合であるから、スレーブアクセスポイントAP2は、周囲のノイズを受信し、そのノイズの周波数を判別する(ステップB4)。そして、このノイズ周波数をマスタアクセスポイントAP1へ送信報告する(ステップB5)。
【0031】
図12は、ノイズ発生機器3から発生されたノイズをその周囲に設置されているアクセスポイント1が受信した状態を示した図である。なお、図中、円で囲んだ領域は、ノイズ電波到達領域を示している。
ここで、ノイズ発生機器3から周波数チャンネル「ch3」と略同様のノイズが発生している場合において、そのノイズの電波到達領域の圏内に設置されているアクセスポイントAP3、AP6は、このノイズ電波を直接受信するが、この電波到達領域の圏外に設置されているその他のアクセスポイントは、ノイズ電波に影響されないことを示している。
【0032】
マスタアクセスポイントAP1は、ノイズ周波数の受信待ち状態において(図6のステップA7)、スレーブアクセスポイントAP2から送信されて来たノイズの周波数を受信すると、そのノイズの周波数を電波受信状態テーブル12内に登録するが(ステップA8)、図2の例では、スレーブアクセスポイントAP2は、ノイズの影響を受けていないので、図4に示す電波受信状態テーブル12には、ノイズ周波数の登録は行われない。
【0033】
次に、アドレスカウンタnの値に「1」を加算する更新処理を行った後(ステップA9)、その「カウンタ値n」と「全接続台数」とを比較し、「カウンタ値n」が「全接続台数」を越えたかを調べるが(ステップA10)、いま、カウンタ値は「3」に更新された場合であるから、ポイント管理テーブル11をアクセスし、このカウンタ値に対応付けられているアクセスポイントAP(n)の「MAKアドレス」を読み出し(ステップA5)、このアクセスポイントAP(n)宛てに有線LAN2を介して周囲のノイズ検出指示を送信する(ステップA6)。この場合、スレーブアクセスポイントAP3に対してノイズ検出指示が行われるが、このスレーブアクセスポイントAP3は、図2で示すように、ノイズ発生機器3から発生された周波数チャンネル「ch3」と略同様のノイズを受信する為、図4に示ように、電波受信状態テーブル12には、そのノイズの周波数「ch3」と共に、スレーブアクセスポイントAP2に対応して“黒丸”のマークが電波受信状態テーブル12に付加される。
【0034】
以下、アドレスカウンタnの値を更新しながらカウンタ値に対応付けられているアクセスポイントAP(n)にノイズ検出指示を送信し、ノイズ情報を電波受信状態テーブル12に登録する処理を繰り返す(ステップA5〜A10)。
ここで、アドレスカウンタnの値が「全接続台数」に達した場合(ステップA10)、マスタアクセスポイントAP1は、電波受信状態テーブル12の内容を参照し、通常のデータ通信で使用可能な23チャンネル分の周波数の中からノイズの影響を受けない周波数をテスト用の電波として選択する(ステップA11)。この場合、図4の電波受信状態テーブル12の例では、ノイズの周波数「ch3」以外の周波数がテスト用電波として選択される。
【0035】
そして、自己のアクセスポインタAP1からテスト用電波を発信すると共に(ステップA12)、他のスレーブアクセスポイントAP2〜AP6に対してテスト用電波を受信すべきことを指示した後(ステップA13)、何れからのスレーブアクセスポイントから受信状況が送信されて来るまで待機する(ステップA14)。
図13は、テスト用電波として周波数チャンネルとして「ch1」を選択した場合において、マスタアクセスポインタAP1からその周囲のスレーブアクセスポイントに対してテスト用電波を発信した状態を示している。この場合、テスト用電波の到達領域は、図中、円で囲んだ領域であり、スレーブアクセスポイントAP2、AP4は、この電波到達領域の圏内にあるが、その他のスレーブアクセスポイントは、電波到達領域の圏外となっている。
【0036】
図9は、マスタアクセスポイントAP1からテスト用電波受信指示を受けた場合に、各アクセスポイント1側で実行開始されるテスト用電波受信処理を示したフローチャートである。
先ず、アクセスポイント1は、有線LAN2からの受信待機状態において(ステップC1)、何らかの指示を受信すると(ステップC2)、その指示はテスト用電波受信指示かを判別する(ステップC3)。いま、マスタアクセスポイントAP1は、各スレーブアクセスポイントAP2〜AP6に対してテスト用電波受信指示を送信した場合であるから、他のアクセスポイント、この場合には、マスタアクセスポイントAP1から送信されて来たテスト用電波を受信し、テスト用電波を正常に受信することができたか、つまり、受信/非受信を判別し(ステップC4)、その結果を受信状況としてマスタアクセスポイントAP1へ送信報告する(ステップC5)。
【0037】
この場合、スレーブアクセスポイントAP2、AP4は、マスタアクセスポイントAP1から送信されて来たテスト用電波「ch1」の到達領域内にあるが、その他のスレーブアクセスポイントは、電波到達領域の圏外となっている為、スレーブアクセスポイントAP2、AP4は、受信状況として“受信”、その他のスレーブアクセスポイントは、受信状況として“非受信”をマスタアクセスポイントAP1へ送信報告する。
【0038】
マスタアクセスポイントAP1は、スレーブアクセスポイントから受信状況が送信されて来るまで待機している状態において(図6のステップA14)、何れからのスレーブアクセスポイントから受信状況が送信されて来ると、それを受信してRAM103内のワーク域にセットする(ステップA15)。以下、全てのスレーブアクセスポイントから受信状況を取得してワーク域にセットし終わるまで(ステップA16)、上述の動作を繰り返す(ステップA14〜A16)。
【0039】
次に、アドレスカウンタn(図示せず)に初期値として“2”をセットする(ステップA17)。このアドレスカウンタnの値にしたがってポイント管理テーブル11をアクセスし、このカウンタ値に対応付けられているアクセスポイントAP(n)の「MAKアドレス」を読み出し(ステップA18)、このアクセスポイントAP(n)宛てに有線LAN2を介してテスト用電波の発信指示を送信する(ステップA19)。
そして、図7のステップA20に移り、アクセスポイントAP(n)以外のアクセスポイントに対してテスト用電波の受信指示を行った後、何れからのアクセスポイントから受信状況が送信されて来るまで待機する(ステップA21)。
【0040】
図10は、マスタアクセスポイントAP1からテスト用電波発信指示を受けた場合に、スレーブアクセスポイント側で実行開始されるテスト用電波発信処理を示したフローチャートである。
先ず、スレーブアクセスポイントは、有線LAN2からの受信待機状態において(ステップD1)、何らかの指示を受信すると(ステップD2)、その指示はテスト用電波発信指示かを判別する(ステップD3)。いま、マスタアクセスポイントAP1は、スレーブアクセスポイントAP2に対してテスト用電波発信指示を送信した場合であるから、スレーブアクセスポイントAP2は、マスタアクセスポイントAP1によって特定された「ch1」の周波数チャンネルをテスト用電波として発信する(ステップD4)。
【0041】
図14は、テスト用電波として周波数チャンネルとして「ch1」を選択した場合において、スレーブアクセスポインタAP2からその周囲のアクセスポイントに対してテスト用電波を発信した状態を示している。
この場合、スレーブアクセスポインタAP2から発信されたテスト用電波の到達領域は、図中、円で囲んだ領域であり、アクセスポイントAP1、AP3、AP5は、この電波到達領域の圏内にあるが、その他のアクセスポイントは、電波到達領域の圏外となっている。
【0042】
ここで、マスタアクセスポイントAP1は、テスト用電波の発信元であるスレーブアクセスポインタAP2を除く、他のアクセスポイントから受信状況を取得すると、それをRAM103内のワーク域にセットする(図7のステップA22)。以下、アクセスポインタAP2を除く、全てのアクセスポイントから受信状況をを取得してワーク域にセットし終わるまで(ステップA23)、上述の動作を繰り返す(ステップA21〜A23)。
【0043】
次に、アドレスカウンタnの値に「1」を加算する更新処理を行った後(ステップA24)、その「カウンタ値n」と「全接続台数」とを比較し、「カウンタ値n」が「全接続台数」を越えたかを調べるが(ステップA25)、いま、カウンタ値は「3」に更新された場合であるから、ポイント管理テーブル11をアクセスし、このカウンタ値に対応付けられているアクセスポイントAP(n)の「MAKアドレス」を読み出し(図6のステップA18)、このアクセスポイントAP3宛てに有線LAN2を介してテスト用電波の発信指示を送信すると共に(ステップA19)、アクセスポイントAP3以外のアクセスポイントに対してテスト用電波の受信指示を行う(ステップA20)。
【0044】
以下、アドレスカウンタnの値を更新しながら上述の動作を繰り返す(ステップA18〜A25)。いま、アドレスカウンタnの値が「全接続台数」に達した場合(ステップA25)、マスタアクセスポイントAP1は、アクセスポイント1毎にその使用周波数チャンネルを割当て設定する処理に移る(ステップA26〜A31)。
先ず、RAM103内のワーク域にセットされている発信元別の受信状況を解析し(ステップA26)、その解析結果を電波受信状態テーブル12にセットする(ステップA27)。
【0045】
すなわち、RAM103内のワーク域内には、テスト用電波の発信元に対応して受信先である各アクセスポイント毎にテスト電波の受信/非受信を示す受信状況がセットされており、このワーク域の内容を参照することによって、アクセスポイント間において互いにテスト用電波を正常に受信することができか、あるいは一方のみが受信できたか、何れも受信することができなかったかの解析を行い(ステップA26)、その解析結果を電波受信状態テーブル12内の対応する表項目内ににセットするが、その際、互いにテスト用電波を正常に受信することができた場合には、対応する相互の表項目内に“白丸”のマークを付加し、一方のみが受信できた場合には、対応する相互の表項目内に “三角”のマークを付加し、何れも受信することができなかった場合には、対応する相互の表項目を空欄とする(ステップA27)。
【0046】
このようにして電波受信状態テーブル12が生成されると、ステップA28に移り、電波受信状態テーブル12内にセットされているノイズ周波数を読み出し、通常のデータ通信で使用可能な23チャンネル分の周波数の中からノイズ周波数を除いた周波数チャンネルを選択対象チャンネルとして決定する(ステップA29)。この場合、ノイズ周波数は「ch3」であるので、「ch3」以外の周波数チャンネルを選択対象チャンネルとして決定される。そして、この選択対象チャンネルの中から自己(マスタアクセスポイントAP1)に割当てるべき使用周波数チャンネルを決定する(ステップA29)。いま、マスタアクセスポイントAP1に割当てるべき使用周波数チャンネルとして「ch1」を決定したものとする(図4参照)。
【0047】
次に、電波受信状態テーブル12を参照して、他のスレーブアクセスポイントAP2〜AP6に割当てるべき使用周波数チャンネルを決定する(ステップA30)。
先ず、スレーブアクセスポイントAP2の使用周波数チャンネルを決定するが、その際、電波受信状態テーブル12内において、「AP2」と「AP1」の表項目には相互に“白丸” のマークが付加されている関係にある。したがって、「AP1」に対して割当て済みの「ch1」を選択することができない為、次の「ch2」を「AP2」の使用周波数チャンネルとして決定する(図4参照)。
【0048】
次に、スレーブアクセスポイントAP3の使用周波数チャンネルを決定するが、その際、電波受信状態テーブル12内において、「AP3」と「AP1」の表項目には相互に“三角” のマークが付加されている関係にある為、「AP1」に対して割当て済みの「ch1」を選択することはできず、また、「AP3」と「AP2」の表項目には相互に“白丸” のマークが付加されている関係にある為、「AP2」に対して割当て済みの「ch2」を選択することはできず、更に、スレーブアクセスポイントAP3は、その周囲に存在するノイズ発生機器3からの影響を受けており、そのノイズ周波数「ch3」もを選択することはできない。したがって、次の「ch4」を「AP3」の使用周波数チャンネルとして決定する(図4参照)。
【0049】
次に、スレーブアクセスポイントAP4の使用周波数チャンネルを決定する。この場合、「AP3」以外の全てに“白丸”あるいは “三角”のマークが付加されている関係にある。つまり、スレーブアクセスポイントAP4から発信したテスト用電波は、全てのアクセスポイントに到着しており、他のアクセスポイントに対して既に割当てた同一の使用周波数チャンネル「ch1」、「ch2」、「ch4」を選択することができない為、「ch3」を「AP4」の使用周波数チャンネルとして決定する(図4参照)。
【0050】
スレーブアクセスポイントAP5は、全てのアクセスポイントに“白丸”あるいは “三角”のマークが付加されている為、他のアクセスポイントに対して既に割当てた同一の使用周波数チャンネル「ch1」〜「ch4」を選択することができない為、「ch5」を「AP5」の使用周波数チャンネルとして決定する(図4参照)。更に、スレーブアクセスポイントAP6は、電波受信状態テーブル12内において、「AP6」と「AP1」の表項目には相互に空欄となっている関係にある。したがって、同じ周波数を使用したとしても混信することがない為、「ch1」を「AP6」の使用周波数チャンネルとして決定する(図4参照)。
【0051】
このようにして各アクセスポイントに割当てるべき使用周波数チャンネルとを決定し終わると、アドレスカウンタnの値に基づいてポイント管理テーブル11をアクセスし、このカウンタ値に対応付けられているアクセスポイントAP(n)の「MAKアドレス」を読み出すと共に、電波受信状態テーブル12から該当する決定周波数チャンネルを読み出し、このアクセスポイントAP(n)宛てに有線LAN2を介して決定周波数チャンネルの設定を指示する(ステップA31)。
【0052】
図11は、マスタアクセスポイントAP1からの周波数チャンネル設定指示に応じてスレーブアクセスポイントAP2〜AP6側で実行される周波数チャンネル設定処理を示したフローチャートである。
先ず、スレーブアクセスポイントは、有線LAN2からの受信待機状態において(ステップE1)、何らかの指示を受信すると(ステップE2)、その指示は周波数チャンネル設定指示かを判別する(ステップE3)。いま、周波数チャンネル設定指示を受信したものとすると、スレーブアクセスポイント2は、マスタアクセスポイントAP1によって決定された使用周波数チャンネルを自己のデータ通信用の周波数として設定する処理を行う(ステップE4)。
【0053】
図15は、電波受信状態テーブル12の内容にしたがって各アクセスポイント1に使用周波数チャンネルを割当て設定した状態を示した図であり、近接する各アクセスポイント1間においては、無線干渉による混信を防いだ最適な使用周波数チャンネルが設定され、かつ、ノイズによる影響もなく、各アクセスポイント1と携帯情報機器等の間でのデータ通信を確実に行うことが可能となる。
【0054】
以上のように、この実施形態においてマスタアクセスポイントAP1は、各アクセスポイント1に対してテスト用電波を個別に発信すべきことの指示に応答して、何れのアクセスポイント1からテスト用電波が発信される毎に、この発信元以外の各アクセスポイント1が受信したテスト用電波の受信状況を当該各アクセスポイント1から取得すると共に、発信元別に取得した各アクセスポイントの受信状況を解析し、通常のデータ通信で使用可能な複数チャンネル分の周波数の中から当該解析結果にしたがって各アクセスポイントに割当てる為の使用周波数チャンネルを決定し、この使用周波数チャンネルを対応するアクセスポイント1に設定するようにしたから、各アクセスポイント1間で実際に行った受信状況を評価することによって、近接するアクセスポイント1間での無線干渉による混信を防いだ最適な使用周波数チャンネルを自動設定することができ、また、テスト用電波として通常のデータ通信で使用可能な電波を用いることで、従来のようにアクセスポイント毎に特別な回路を追加する必要はなく、コスト高を抑えることが可能となる。
【0055】
この場合、有線LAN2を介して接続されている各アクセスポイント1のうち、マスタアクセスポイントAP1がテスト用電波の発信指示を行ったり、テスト用電波の受信状況を発信元別に取得して解析し、この解析結果にしたがって各アクセスポイント1に割当てる為の使用周波数チャンネルを決定して設定する一連の機能を実行するようにしたから、特別なコントローラ等をネットワーク上に設けなくても、自己を含む全てのアクセスポイント1に対して最適な使用周波数チャンネルを自動設定することができる。
【0056】
マスタアクセスポイントAP1は、各アクセスポイント1を時系列的に順次選択しながらテスト用電波を個別に発信すべきことを指示し、選択されたアクセスポイント1がテスト用電波を発信している間に、この発信元以外の各アクセスポイント1が受信したテスト用電波の受信状況を当該各アクセスポイント1から取得するようにしたから、テスト用電波として同一周波数の電波を使用したとしても、混信することなく、発信元別に各アクセスポイント1の受信状況を確実に取得することが可能となる。
【0057】
マスタアクセスポイントAP1は、各アクセスポイント1に対して周囲環境のノイズ電波を受信すべてことの指示し、これに応答して各アクセスポイント1が受信したノイズ電波の周波数を取得するようにしたから、使用周波数チャンネルを割当てる際に、何れかのアクセスポイント1の周囲にノイズが存在する場合には、そのアクセスポイントが受信したノイズ電波の周波数に重複しない周波数を当該アクセスポイント1に割当てる使用周波数チャンネルとして決定することができ、アクセスポイントの近くに在る電気機器等が発生するノイズに影響されない使用周波数チャンネルを設定することが可能となる。
この場合、何れかのアクセスポイント1の周囲にノイズが存在する場合、通常のデータ通信で使用可能な複数チャンネル分の周波数の中からノイズの影響を受けない周波数をテスト用電波として選択するようにしたから、ノイズの影響を受けずに、テストを正確に行うことが可能となる。
【0058】
なお、上述した実施形態においては、自動設定スイッチがオン操作されることによって各アクセスポイントに使用周波数チャンネルを自動設定する処理を開始するようにしたが、周囲の電波環境の変化に対応させる為に、一定時間毎に周波数チャンネル自動設定処理を開始するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、マスタアクセスポイントAP1は、各アクセスポイント1を時系列的に順次選択しながらテスト用電波を個別に発信すべきことを指示するようにしたが、全てのアクセスポイントにおいて異なる周波数のテスト用電波を使用するようにすれば、時系列に限らず、同時であってもよい。
【0059】
一方、コンピュータに対して、上述した各手段を実行させるためのプログラムコードをそれぞれ記録した記録媒体(例えば、CD−ROM、フロッピィデスク、RAMカード等)を提供するようにしてもよい。
すなわち、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードを有する記録媒体であって、有線路を介して接続配置されている複数の無線アクセスポイントに対してテスト用電波を個別に発信すべきことを指示する機能と、この発信指示に応答して何れのアクセスポイントから通常のデータ通信で使用可能な電波がテスト用電波として発信される毎に、この発信元以外の各アクセスポイントが受信したテスト用電波の受信状況を当該各アクセスポイントから取得する機能と、発信元別に取得した各アクセスポイントの受信状況を解析し、通常のデータ通信で使用可能な複数チャンネル分の周波数の中から前記解析結果にしたがって各アクセスポイントに割当てる為の使用周波数チャンネルを決定する機能と、アクセスポイント毎に決定された使用周波数チャンネルを対応するアクセスポイントに設定する機能とを実現させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体を提供するようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】
この発明(請求項1記載の発明)によれば、各アクセスポイントに対してテスト用電波を個別に発信すべきことの指示に応答して、何れのアクセスポイントからテスト用電波が発信される毎に、この発信元以外の各アクセスポイントが受信したテスト用電波の受信状況を当該各アクセスポイントから取得すると共に、発信元別に取得した各アクセスポイントの受信状況を解析し、通常のデータ通信で使用可能な複数チャンネル分の周波数の中から当該解析結果にしたがって各アクセスポイントに割当てる為の使用周波数チャンネルを決定し、この使用周波数チャンネルを対応するアクセスポイントに設定するようにしたから、各アクセスポイント間で実際に行った受信状況を評価することによって、近接するアクセスポイント間での無線干渉による混信を防いだ最適な使用周波数チャンネルを自動設定することができ、また、テスト用電波として通常のデータ通信で使用可能な電波を用いることで、従来のようにアクセスポイント毎に特別な回路を追加する必要はなく、コスト高を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無線ネットワークシステムの全体構成を示したブロック図。
【図2】各アクセスポイント1の配置状態を例示した図。
【図3】マスタアクセスポイントAP1側に設けられているポイント管理テーブル11の内容を示した図。
【図4】マスタアクセスポイントAP1側に設けられている電波受信状態テーブル12の内容を示した図。
【図5】アクセスポイント1の基本的構成要素を示したブロック図。
【図6】自動設定スイッチがオン操作された際に実行開始されるマスタアクセスポイントAP1側の周波数チャンネル設定処理を示したフローチャート。
【図7】図6に続く、周波数チャンネル設定処理を示したフローチャート。
【図8】マスタアクセスポイントAP1からノイズ検出指示を受けた場合に、各スレーブアクセスポイントAP2〜AP6側で実行開始される周囲ノイズ検出処理を示したフローチャート。
【図9】マスタアクセスポイントAP1からテスト用電波受信指示を受けた場合に、各アクセスポイント1側で実行開始されるテスト用電波受信処理を示したフローチャート。
【図10】マスタアクセスポイントAP1からテスト用電波発信指示を受けた場合に、スレーブアクセスポイント側で実行開始されるテスト用電波発信処理を示したフローチャート。
【図11】マスタアクセスポイントAP1からの周波数チャンネル設定指示に応じてスレーブアクセスポイントAP2〜AP6側で実行される周波数チャンネル設定処理を示したフローチャート。
【図12】ノイズ発生機器3から発生されたノイズをその周囲に設置されているアクセスポイント1が受信した状態を示した図。
【図13】テスト用電波として周波数チャンネルとして「ch1」を選択した場合において、マスタアクセスポインタAP1からその周囲のスレーブアクセスポイントに対してテスト用電波を発信した状態を示した図。
【図14】テスト用電波として周波数チャンネルとして「ch1」を選択した場合において、スレーブアクセスポインタAP2からその周囲のアクセスポイントに対してテスト用電波を発信した状態を示した図。
【図15】電波受信状態テーブル12の内容にしたがって各アクセスポイント1に使用周波数チャンネルを割当て設定した状態を示した図。
【符号の説明】
1 アクセスポイント
AP1 マスタアクセスポイント
AP2〜AP6 スレーブアクセスポイント
2 有線LAN
3 ノイズ発生機器
11 ポイント管理テーブル
12 電波受信状態テーブル
101 CPU
102 記憶装置
104 有線通信装置
107 無線通信装置

Claims (6)

  1. 有線路を介して複数の無線アクセスポイントを接続配置した無線ネットワークシステムにおいて、
    各アクセスポイントに対してテスト用電波を個別に発信すべきことを指示する発信指示手段と、
    この発信指示に応答して何れのアクセスポイントから通常のデータ通信で使用可能な電波がテスト用電波として発信される毎に、この発信元以外の各アクセスポイントが受信したテスト用電波の受信状況を当該各アクセスポイントから取得する取得手段と、
    この取得手段によって発信元別に取得した各アクセスポイントの受信状況を解析し、通常のデータ通信で使用可能な複数チャンネル分の周波数の中から前記解析結果にしたがって各アクセスポイントに割当てる為の使用周波数チャンネルを決定する決定手段と、
    この決定手段によってアクセスポイント毎に決定された使用周波数チャンネルを対応するアクセスポイントに設定する設定手段と、
    を具備したことを特徴とする無線ネットワークシステム。
  2. 前記発信指示手段は、各アクセスポイントを時系列的に順次選択しながらテスト用電波を個別に発信すべきことを指示し、
    前記取得手段は、前記発信指示手段によって選択されたアクセスポイントがテスト用電波を発信している間に、この発信元以外の各アクセスポイントが受信したテスト用電波の受信状況を当該各アクセスポイントから取得する、
    ようにしたことを特徴とする請求項1記載の無線ネットワークシステム。
  3. 各アクセスポイントに対して周囲環境のノイズ電波を受信すべてことを指示する受信指示手段と、
    この受信指示に応答してアクセスポイントが受信したノイズ電波の周波数を取得する取得手段と、
    を設け、前記決定手段は、使用周波数チャンネルを割当てる際に、何れかのアクセスポイントの周囲にノイズが存在する場合には、そのアクセスポイントが受信したノイズ電波の周波数に重複しない周波数を当該アクセスポイントに割当てる使用周波数チャンネルとして決定する、
    ようにしたことを特徴とする請求項1記載の無線ネットワークシステム。
  4. 通常のデータ通信で使用可能な複数チャンネル分の周波数の中からノイズの影響を受けない周波数をテスト用電波として選択する、
    ようにしたことを特徴とする請求項3記載の無線ネットワークシステム。
  5. 有線路を介して接続されている各アクセスポイントのうち、マスタ装置として機能する何れかのアクセスポイントは、
    各アクセスポイントに対してテスト用電波を個別に発信すべきことを指示し、この発信指示に応答して何れのアクセスポイントから通常のデータ通信で使用可能な電波がテスト用電波として発信される毎に、この発信元以外の各アクセスポイントが受信したテスト用電波の受信状況を当該各アクセスポイントから取得し、発信元別に取得した各アクセスポイントの受信状況を解析することによって各アクセスポイントに割当てる為の使用周波数チャンネルを決定し、この使用周波数チャンネルを対応するアクセスポイントに設定する、
    ようにしたことを特徴とする請求項1記載の無線ネットワークシステム。
  6. コンピュータに対して、
    有線路を介して接続配置されている複数の無線アクセスポイントに対してテスト用電波を個別に発信すべきことを指示する機能と、
    この発信指示に応答して何れのアクセスポイントから通常のデータ通信で使用可能な電波がテスト用電波として発信される毎に、この発信元以外の各アクセスポイントが受信したテスト用電波の受信状況を当該各アクセスポイントから取得する機能と、
    発信元別に取得した各アクセスポイントの受信状況を解析し、通常のデータ通信で使用可能な複数チャンネル分の周波数の中から前記解析結果にしたがって各アクセスポイントに割当てる為の使用周波数チャンネルを決定する機能と、
    アクセスポイント毎に決定された使用周波数チャンネルを対応するアクセスポイントに設定する機能と、
    を実現させるためのプログラム。
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