JP2004095177A - 磁気シールド機能を備えた磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気シールド機能を備えた磁気ディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ディスクドライブ本体の軽量かつ薄型化を妨げることなく、外部磁界の影響を効果的に回避できる磁気シールド機能を有する磁気ディスク装置を提供することにある。
【解決手段】相対的に透磁率の高い鉄系磁性材またはパーマロイ系磁性材からなる螺子200により、トップカバー2とボトムベース3とを結合した構造の磁気ディスク装置が開示されている。トップカバー2及びボトムベース3が上部シールド部と下部シールド部に相当し、これらの上部及び下部の各シールド部を側面シールド部に相当する螺子200により結合した磁気シールド構造を実現している。
【選択図】   図20

Description

 本発明は、一般的には磁気ディスク装置に関し、特に磁気シールド効果を改善した磁気ディスク装置に関する。
 近年、ハードディスクドライブを代表とする磁気ディスク装置(以下ディスクドライブと表記する場合がある)は、高記録密度化を図るために、従来の長手磁気記録方式の改善と共に、垂直磁気記録方式の開発が推進されている。
 垂直磁気記録方式を適用したディスクドライブは、一般的には単磁極ヘッドと、2層構造のディスク媒体とを使用するヘッド・ディスクアセンブリ機構(HDA機構)を備えたものである。このようなディスクドライブでは、ドライブの外部から侵入する外乱磁界を単磁極ヘッドが集束して、当該ヘッドの記録磁極の直下でのディスク媒体上のデータを消去してしまう現象が確認されている。このため、垂直磁気記録方式を適用したディスクドライブでは、長手磁気記録方式と比較して、磁気シールド機能に関する技術が重要である。
 ディスクドライブの磁気シールド機能に関する先行技術として、ドライブの外部磁界、外部または内部の電磁ノイズをシールドする技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
 また、ドライブ内部の残留磁化に起因する磁束密度を小さくできるドライブのハウジング構造が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。さらに、ディスクドライブのHDA機構に含まれるボイスコイルモータ(VCM)の漏洩磁界を減少させて、外部装置の誤動作を防ぐ技術も提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
特開平6−236674号公報 特開平8−45261号公報 特開平4−301272号公報
 前述の先行技術は、従来の長手磁気記録方式のディスクドライブを想定したものであり、特に単磁極ヘッドを使用する垂直磁気記録方式のドライブに対する磁気シールド効果については検証されていない。要するに、先行技術には、垂直磁気記録方式のディスクドライブを実現する上で、効果的な外部磁界の遮断方法については言及されていない。
 垂直磁気記録方式のディスクドライブでは、前述したように、単磁極ヘッドと2層構造のディスク媒体とを組み合わせた構成を備えているため、外部磁界がディスク媒体へ与える影響を抑制する必要がある。即ち、同ドライブの構造としては、単磁極ヘッドの主磁極からの磁束が、2層構造のディスク媒体の記録層を通過し、その記録層下に設けられた軟磁性層を通過して、単磁極ヘッドの副磁極側へ戻る磁気的回路が形成される。この磁気的回路により、ディスク媒体の記録層には、データが記録されることになる。従って、単磁極ヘッドではなく、外部磁界がディスク媒体に印加されると、同様の磁気的回路が形成されることなり、結果としてディスク媒体上の記録データが消去するという現象を招く。
 このような外部磁界の影響を回避するために、ディスクドライブ本体を磁性材料からなる筐体により構成したり、当該筐体全体に磁気シールド部材を設けることが考えられる。しかしながら、このような方法では、ドライブ本体の重量が大きくなり、かつ大型化するため、ディスクドライブの軽量かつ薄型化を阻む要因となる。
 そこで、本発明の目的は、ディスクドライブ本体の軽量かつ薄型化を妨げることなく、外部磁界の影響を効果的に回避できる磁気シールド機能を有する磁気ディスク装置を提供することにある。
 本発明の観点に従った磁気ディスク装置は、磁気ディスク及び当該磁気ディスクの両面のそれぞれに対応する複数の磁気ヘッドを有するディスクドライブ機構を収納し、上平面を構成する上部の磁気シールド部材と、下平面を構成する下部の磁気シールド部材とを磁性材からなる螺子部材により結合してなる磁気シールド構造の筐体を備えているものである。
 本発明によれば、ディスクドライブ本体の軽量かつ薄型化を妨げることなく、外部磁界の影響を効果的に回避できる磁気シールド機能を有する磁気ディスク装置を提供することができる。特に、垂直磁気記録方式のディスクドライブに適用すれば、外部磁界に対して有効な磁気シールド効果を得ることができる。
 以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
 図1は、本実施形態に関係するディスクドライブの外観を示す図である。
 同実施形態のディスクドライブは、垂直磁気記録方式を適用したドライブを想定し、HDA機構などのドライブ機構及び制御回路群が筐体1に収納された構造である。垂直磁気記録方式のドライブは、磁気ヘッドとしては単磁極型のライトヘッドと、GMR(giant magnetoresistive)素子を使用したリードヘッドとが同一スライダ上に実装された複合型磁気ヘッドを有する。また、同ドライブは、ディスク媒体としては、2層構造の垂直磁気記録用ディスク媒体を有する。
 筐体1は、図1に示すように、トップカバー2とボトムベース3とを有し、それぞれが螺子4により締結されている。また、制御回路群を実装しているプリント回路基板(PCB)5が、図示しない螺子によりボトムベース3に締結されている。PCB5は、コネクタ6を介して外部システム(ホストシステム)とのデータ送受信を行なうインターフェースを有する。
 さらに、同実施形態では、テープ状または箔状の磁気シールド部材7が、筐体1の上面、下面、側面を巻き付けるように設けられている。磁気シールド部材7は、相対的に透磁率(μ)が高い例えばパーマロイ(登録商標)、珪素鋼材、あるいはアモルファスリボン(米国のストラテジ・ヒューマニティ・テクノロジー社の製品名)等の磁性材料、あるいは鉄系材料(特に鉄の合金材)からなる。磁気シールド部材7は、筐体1の上面、下面、側面を巻き付ける程度の長さを有すると共に、図2に示すように、磁気ヘッド13の移動範囲20をカバーできる程度の幅(W)を有する。
 ここで、HDA機構は、スピンドルモータ11に取り付けられたディスク媒体10と、アクチュエータ12に搭載された磁気ヘッド13とを有する。前述したように、ディスク媒体10は、2層構造の垂直磁気記録用ディスク媒体であり、ドライブの駆動時にはスピンドルモータ11により回転される。また、磁気ヘッド13は前述の複合型磁気ヘッドであり、アクチュエータ12のボイスコイルモータにより、ディスク媒体10上を半径方向に移動可能に構成されている(移動範囲20)。
(作用効果)
 同実施形態の磁気シールド部材7により、筐体1の外部磁界による外部磁場を抑制することが可能となる。特に、磁気シールド部材7の幅(W)に対応する磁気ヘッド13の移動範囲20に対して、外部磁界による影響を効果的に回避することが可能となる。従って、外部磁界が単磁極ヘッドを介して2層構造のディスク媒体10に印加されることを抑制できるため、結果としてディスク媒体10上の記録データが消去するという現象を未然に防止することができる。
 さらに、同実施形態の磁気シールド部材7は、テープ状又は箔状であり、かつ筐体1の限定された範囲のみに設けられる。従って、筐体1のサイズ(特に厚み)が著しく大きくなったり、また重量が重くなるような事態を回避できる。このため、特に垂直磁気記録方式のディスクドライブにおいて、有効な磁気シールド効果を得ることができると共に、小型かつ軽量化を実現することが可能である。
 以下図3から図6を参照して、同実施形態の効果を具体的に説明する。
 まず、図5は、筐体1のトップカバー2を磁性材である鉄系部材の場合(50)と、非磁性材であるアルミ系部材の場合(51)における磁界強度(マイナス方向)の比較を示す図である。ここでは、トップカバー2の上部から静磁場(外部DC磁場)を印加した場合に、その上部と下部の磁界強度を示す。この比較結果から、トップカバー2を非磁性材にした場合(51)には、外部磁界が筐体1の内部まで通過することが確認できる。また、トップカバー2を磁性材とした場合(50)には、トップカバー2が外部磁界を遮断するのに優れた効果を有することが確認できる。
 一方、図6は、外部一様磁場、例えばヘルムホルツコイル等による磁場発生機から印加される磁界中に、前記の鉄系部材のトップカバー2を挿入した場合の上部と下部の磁界強度を示す。測定結果60〜62は、トップカバー2の厚さを0.1〜0.5mmの範囲で変化させた場合を示す。いずれの場合でも、磁気シールド効果を得られないことが確認できる。要するに、鉄系部材のような磁性部材からなるトップカバー2を使用したディスクドライブでは、一方向であるカバー上部から外部磁界が印加された場合のみ、外部磁界を遮断する磁気シールド効果が得られる。
 これに対して、同実施形態は、磁気シールド部材7を、図1に示すように、筐体1のトップカバー2だけでなく、ボトムベース3及び側面のそれぞれを巻き付ける構成である。即ち、同実施形態は、筐体1に対して、環状磁気シールド構成を実現している。この場合、同実施形態は、上部シールド部(上面のシールド部材)と下部シールド部(下面のシールド部材)とを側面で繋ぎ、磁束のパスを形成することにより、その環状シールド部材7の内部に磁気ヘッド13が位置するような構成である。図3は、外部印加磁界において、同実施形態の環状シールド構造での測定結果30と、平面シールド構造での測定結果31とを比較して示す図である。なお、いずれの測定結果もカバーの厚さを変化させた場合を示す。図3から明白であるように、同実施形態の環状シールド構造(30)は、平面シールド構造(31)と比較して、外部磁界に対する遮断効果(磁気シールド効果)が優れている。
 更に、同実施形態の磁気シールド構成は、筐体1の全面をカバーすることなく、限定されたテープ幅(W)により所定の範囲をカバーするものである。従って、筐体1の全面をカバーする場合と比較して、材料及び製造コストの軽減を図ることができる。図4は、同実施形態の磁気シールド部材7におけるテープ幅(W)の決定に係わるシミュレーションでの計算結果を示している。これは、外部磁界としてヘルムホルツコイル等を利用し、一様な外部磁場を印加した場合に、磁気ヘッド13に加わる磁界強度を計算したものである。
 具体的には、テープ幅(W)は、磁気ヘッド13がディスク媒体10の中心に位置している状態を基準としたパラメータから算出されている。パラメータとしては、例えばテープの厚みを0.4mm、比透磁率(μ)を1000として設定されている。この計算結果から、相対的にテープ幅(W)を広げた方が磁気シールド効果は期待できるが、あまり広くしても磁気シールド効果の飽和が発生し、冗長となることが分かる。要するに、図2に示すように、磁気ヘッド13の移動軌跡をカバーできる幅(W)があれば十分であり、それよりも当該幅を広げても効果がないことが確認された。具体的には、磁気シールド部材7の幅(W)としては、40mm以下程度を上限として、10mm〜30mm程度の範囲が適当である。
(磁気シールド部材の材料選定)
 同実施形態の磁気シールド部材7は、前述したように、例えばパーマロイなどの相対的に透磁率の大きい磁性材料から構成される。透磁率の大きい材料は、磁束を集め易い性質があるため、磁気シールド効果が大きい。しかし、同実施形態の構成は、磁気シールド部材7を上面、下面、側面に巻き付けた環状シールド構造であるため、側面に外部磁界による磁束が集中して、飽和磁化が発生する。
 このため、磁気シールド部材7の磁性材料として、透磁率(μ)が高いだけでなく、飽和磁束密度(Bs)が高いものが望ましい。例えば珪素鋼材はBsが2.0程度である。
 また、側面での飽和磁化を抑制する構成として、磁気シールド部材7において、側面には、上面と下面の磁性材料とは異なる磁性材料を使用することが有効である。具体的には、上面と下面の磁性材料としては、相対的に透磁率(μ)が高く、飽和磁束密度(Bs)が低い材料を使用する。一方、側面の磁性材料としては、相対的に透磁率(μ)が低く、飽和磁束密度(Bs)が高い材料を使用する。換言すれば、材料を複合化した環状シールド構造を有する磁気シールド構成である。
 さらに、上面及び下面のシールド部材の厚み(t1)と、側面部のシールド部材の厚み(t2)との関係を「t1<t2」にすることで、側面部の磁束の集中による飽和を回避できる。このため、前記関係を満足するように、上面、下面、側面の磁気シールドを構成することで、さらなる磁気シールド効果を得ることができる。ここで、上面、下面、側面のそれぞれの磁気シールド部材の材料が異なる場合、または同種の場合のいずれであっても、これらを独立して組み合わせる構成でよい。
(第1の実施形態の変形例)
 以下図7から図16を参照して、同実施形態の変形例を説明する。
 まず、変形例1として、図7に示すように、筐体1の上面(トップカバー2)または下面(ボトムベース3)において、磁気シールド部材7が、磁気ヘッド13の移動範囲(移動軌跡に相当する範囲)20に対向する部分のみに設けられて、それ以外の部分には存在しないような構成である。このような構成であれば、磁気ヘッド13の移動範囲20に対向する必要最小限の部分のみに磁性材料を使用するため、結果として磁気シールド部材7の材料コストを削減できる効果がある。
 但し、この場合においても、同実施形態の範囲である側面シールド部材については、必須要件である。
 図8は、変形例2に関する図である。同実施形態では、磁気ヘッド13の移動軌跡が円弧を描くような場合、ディスク媒体10の半径中心を基点とすると、図4に示すように、外周部(40)と内周部(41)とでは、外部磁界に対する遮断効果(磁気シールド効果)が異なることが確認されている。本変形例2は、このような内外周部の磁気シールド効果の差を軽減するための構成である。即ち、本変形例は、図8に示すように、磁気シールド部材7において、ディスク媒体10の内周部に対応する幅(W1)を相対的に狭くし、外周部に対応する幅(W2)を相対的に広くする構成である。これにより、内外周部の磁気シールド効果がほぼ同等になるように調整することが可能となる。
 図9は、変形例3に関する図である。本変形例3は、前記の変形例1と変形例2の各構成を組み合わせたものである。即ち、図9に示すように、磁気シールド部材7が、磁気ヘッド13の移動範囲(移動軌跡に相当する範囲)20に対向する部分のみに設けられている。さらに、ディスク媒体10の内周部に対応する幅(W1)を相対的に狭くし、外周部に対応する幅(W2)を相対的に広くする構成である。従って、磁気ヘッド13の移動範囲20に対向する必要最小限の部分のみに磁性材料を使用するため、結果として磁気シールド部材7の材料コストを削減できる効果がある。また、内外周部の磁気シールド効果がほぼ同等になるように調整することが可能となる。
 図10は、変形例4に関する図である。本変形例4は、磁気ヘッド13の移動範囲(移動軌跡に相当する範囲)20及びその軌跡に沿う領域に対向する部分にも、磁気シールド部材7を設ける構成である。このような構成であれば、磁気ヘッド13の移動範囲20を効率的に磁気シールドすることが可能となるため、相対的に磁気シールド部材7のテープ幅(W)を狭くすることが可能となる。従って、磁気シールド部材7の材料コストの軽減化を図ることができる。具体的には、テープ幅(W)を例えば10mm程度狭くすることが可能となる。但し、適切な幅(W)としては、40mm以下程度が上限である。
 図11は、変形例5に関する図である。本変形例5は、変形例4の構成と基本的に同様であるが、変形例4が磁気ヘッド13の移動軌跡に合わせて磁気シールド部材7を円弧状に形成した場合に対して、磁気シールド部材7を直線形状に形成した構成である。この場合でも、変形例4と同様の効果を得ることができる。
 ここで、同実施形態及び各変形例において、例えばディスクドライブの製造工程の最終段階または工場の出荷時に、当該磁気シールド部材7を筐体1に設ける作業が行なわれる。当該磁気シールド部材7は、筐体1の外側に取り付けられるため、製品として出荷されたディスクドライブの外部磁界シールドを保証する一種の品質表示としても利用できる。即ち、図12に示すように、筐体1から磁気シールド部材7の一部又は全部が剥がされた状態の場合には、当該ディスクドライブに対する外部磁界シールドを保証できないことを意味する。換言すれば、製品として出荷されたディスクドライブが故障した場合に、磁気シールド部材7の有無により、外部磁界を要因とする故障であるか否かなど、ユーザ側において故障診断を行なう上で有効と考えられる。
 図13は、変形例6に関する図である。本変形例6は、前記の変形例5において、直線形状の磁気シールド部材7を、磁気ヘッド13の移動範囲(移動軌跡に相当する範囲)20に対向する部分のみに設けたものである。
 図14から図16は、変形例7として、磁気シールド部材7の材料選定に関する図である。
 図14は、特に比透磁率(μ)に関する検討結果を示す図である。ここでは、磁気シールド部材7のテープ厚みを0.4mm程度とし、テープ幅(W)を28mm程度とした場合である。図14に示すように、一般的に、比透磁率(μ)が大きいほど、外部磁界に対する磁気シールド効果が有効であることが確認された。なお、前述したように、ディスク媒体10の外周部(140)と内周部(141)とでは、外部磁界に対する遮断効果(磁気シールド効果)が異なる。
 図15は、磁気シールド部材7を設けない場合において、特に磁気ヘッド13に含まれる単磁極型ライトヘッドの直下でのディスク媒体10上で、記録データが消去する外部磁界の程度を示す図である。即ち、外部磁界の強度に対して、ディスク媒体10からの再生信号の振幅劣化の程度を示している。図15から、信号振幅の劣化が95%未満になると、ディスク媒体10から記録データが消去する程度に外部磁界が影響していると推定できる。このような検討結果と、図14に示す検討結果とから、磁気シールド部材7の材料選定として、最低でも1000以上の比透磁率(μ)を有する磁性材が望ましい。
 図16は、磁気シールド部材7のテープ厚みに関する検討結果を示す図である。
 図16は、比透磁率(μ)を1000とし、テープ幅(W)を28mm程度とした場合に、ディスク媒体10の外周部(160)と内周部(161)とに分けて、テープ厚みに対する外部磁界の程度を示す。図16に示すように、一般的には、磁気シールド部材7の厚みが厚くなるほど、外部磁界に対する磁気シールド効果が有効であることが確認できる。しかし、ある程度の厚さで、磁気シールド効果が飽和することが確認できる。また、磁気シールド部材7の厚みは、結果として筐体1の薄型化を損なう要因になる。そこで、磁気シールド効果及びドライブの薄型化等、ディスクドライブとして総合的に判断した場合に、磁気シールド部材7の厚みは、0.1mm以上で、0.4mm以下が望ましい。但し、シールド材の磁気特性及びシールド構造によっては、0.05mm以上で、0.4mm以下が望ましい。
(第2の実施形態)
 図17及び図18は、本発明の第2の実施形態に関する図である。同実施形態は、磁気シールド部材を筐体1の外側ではなく、筐体1の内部で、かつディスク媒体10及び磁気ヘッド13の近傍に配置させた構成である。
 同実施形態の垂直磁気記録方式のディスクドライブは、図17に示すように、例えばアルミ合金のような非磁性材からなる筐体100の内部に、ディスク媒体10、スピンドルモータ(SPM)11及び磁気ヘッド13等のドライブ機構を収納した構造である。このような構造のディスクドライブは、鉄系磁性部材などの筐体を使用したドライブと比較して、軽量化が可能となる。但し、外部磁界に対する磁気シールド効果を得るために、図17に示すように、磁気ヘッド13の移動軌跡に対向するトップカバー及びボトムベースの各内面に、磁性材170を設けることが考えられる。しかし、この構造は、静磁場がトップカバー側及びボトムカバー側から印加されたときのみ有効であり、ディスクドライブ全体に印加される外部磁界に対して、必ずしも良好な磁気シールド効果を得ることができない。また、薄型化を図るために、各磁気ヘッド13と筐体100の内面との間隔は、非常に限定されている。このため、それらの間隔に磁性材170が配置された場合に、磁気ヘッド13に対する対衝撃性等を考慮して、磁性材170と磁気ヘッド13との間に所定のクリアランスを確保する必要性があるため、ドライブの薄型化を妨げる要因となる。
 そこで、同実施形態の構成は、図18に示すように、例えばU字形状の磁気シールド部材180を使用して、磁気ヘッド13の近傍ではあるが、アクチュエータ12及び磁気ヘッド13に対向する領域以外で、ディスク媒体10上に配置したものである。磁気シールド部材180は、鉄系やパーマロイなどの比透磁率(μ)が1000以上の磁性材からなる。
 このような構成であれば、外部磁界の影響で磁気ヘッド13の近傍に印加される磁束を、磁気シールド部材180により効果的にパスさせることができるため、磁気ヘッド13の近傍に印加される外部磁界の影響を軽減することができる。また、各磁気ヘッド13の移動範囲上には、磁気シールド部材180が配置されないため、十分なクリアランスを確保できると共に、筐体100の薄型化を図ることができる。このような構造を、いわばオフセットシールド構造と呼ぶことができる。
 更に、同実施形態のU字形状の磁気シールド部材180は、上部シールド部180Aと下部シールド部180Bとを、継手シールド部180Cにより結合した構造である。このため、上部及び下部のシールド部180A,180Bに印加された外部磁束を、磁気抵抗の少ないパスである継手シールド部180Cに通過させることができる。従って、外部磁界に対する良好な磁気シールド効果を得ることができる。
(第2の実施形態の変形例)
 図19は、第2の実施形態の変形例に関する図である。本変形例は、筐体100の上面に相当するトップカバーの一部100A及びボトムベース部の一部100Bを凹部(オフセット部)形状に構成し、当該凹部にU字形状の磁気シールド部材190をはめ込む構造である。磁気シールド部材190は、トップカバーの一部100A上に配置される上部シールド部190Aと、ボトムベース部の一部100Bに配置される下部シールド部190Bとを有する。そして、上部及び下部のシールド部190A,190Bを結合し、かつ筐体100の側面の一部を構成する継手シールド部190Cを有する。このような構成の場合でも、第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
 図20は、本発明の第3の実施形態に関する図である。同実施形態は、同図(A)に示すように、特別の磁気シールド部材を使用することなく、鉄系又はパーマロイ系の磁性材からなるトップカバー2及びボトムベース3を有する筐体の内部に、ディスク媒体10、スピンドルモータ(SPM)11及び磁気ヘッド13等のドライブ機構を収納した構造のディスクドライブである。更に、同実施形態のドライブは、同図(B)に示すように、相対的に透磁率の高い鉄系磁性材またはパーマロイ系磁性材からなる螺子200により、トップカバー2とボトムベース3とを結合した構造である。
 要するに、同実施形態の構成は、トップカバー2及びボトムベース3が上部シールド部と下部シールド部に相当し、これらの上部及び下部の各シールド部を側面シールド部に相当する螺子200により結合した構造である。従って、テープ状又は箔状の磁気シールド部材のような特別の部材を使用することなく、簡単な構造により磁気シールド構造を実現している。また、構造的にはディスクドライブの上部、下部の領域から外部磁界が印加された場合でも、外部磁束を各シールド部にパスさせて、特に磁気ヘッド13の近傍に対する磁気シールド効果を有効に機能させることができる。従って、同実施形態の磁気シールド構造を、垂直磁気記録方式のディスクドライブに適用した場合に、外部磁界の影響によりディスク媒体10上の記録データが消去するような事態を未然に回避することが可能となる。
(第4の実施形態)
 図21は、本発明の第4の実施形態に関する図である。同実施形態は、ドライブ機構を筐体1に収納したディスクドライブを、さらに磁性材料からなるシールドケース210に収納した構成である。要するに、同実施形態は、外部磁界に対する完全シールド構造のディスクドライブである。このような構造であれば、パーソナルコンピュータに搭載される垂直磁気記録方式や長手磁気記録方式などのいずれのディスクドライブだけでなく、各種の用途にも適用可能となる。特に、外部磁界の影響を受け易い使用環境でのディスクドライブに効果的である。具体的には、例えばナビゲーション・システム(Navigation System)や、オーディオ・ビュジュアル(Audio Visual)機器などの車載用の装置にしようされるディスクドライブである。また、電力機器や送配電機器のデータストレージ用として使用されるディスクドライブにも有効である。要するに、同実施形態の完全シールド構造のディスクドライブは、外部磁界や、外部ノイズを完全に遮断し、高信頼性を要求されるシステムや装置のディスクドライブとして有効である。
 なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施形態に関するディスクドライブの外観を示す図。 同実施形態に関するドライブ機構の構成を説明するための図。 同実施形態に関する磁気シールド部材の環状構造における効果を説明するための図。 同実施形態に関する磁気シールド部材の幅を決定するためのシミュレーション結果を示す図。 同実施形態に関係するトップカバーの磁気シールド効果を説明するための図。 同実施形態に関係するトップカバーの磁気シールド効果を説明するための図。 同実施形態の変形例1に関するドライブ機構の構成を説明するための図。 同実施形態の変形例2に関するドライブ機構の構成を説明するための図。 同実施形態の変形例3に関するドライブ機構の構成を説明するための図。 同実施形態の変形例4に関するドライブ機構の構成を説明するための図。 同実施形態の変形例5に関するドライブ機構の構成を説明するための図。 同実施形態及び各変形例に関する効果を説明するための図。 同実施形態の変形例6に関するドライブ機構の構成を説明するための図。 同実施形態の変形例7に関する磁気シールド部材の材料選定について説明するための図。 同実施形態の変形例7に関する磁気シールド部材の材料選定について説明するための図。 同実施形態の変形例7に関する磁気シールド部材の材料選定について説明するための図。 本発明の第2の実施形態に関するディスクドライブの構成を示す図。 第2の実施形態に関するディスクドライブの要部を示す図。 第2の実施形態の変形例に関するディスクドライブの要部を示す図。 本発明の第3の実施形態に関するディスクドライブの構成を示す図。 本発明の第4の実施形態に関するディスクドライブの構成を示す図。
符号の説明
 1…筐体、2…トップカバー、3…ボトムベース、4…螺子、
 5…プリント回路基板(PCB)、6…コネクタ、7…磁気シールド部材、
 10…ディスク媒体(磁気ディスク)、11…スピンドルモータ(SPM)、
 12…アクチュエータ、13…磁気ヘッド、20…磁気ヘッドの移動範囲、
 100…筐体(非磁性材)、170…磁性材、180…磁気シールド部材、
 190…磁気シールド部材、200…螺子(磁性材)、201…シールドケース。

Claims (1)

  1.  磁気ディスク及び当該磁気ディスクの両面のそれぞれに対応する複数の磁気ヘッドを有するディスクドライブ機構を収納し、
     上平面を構成する上部の磁気シールド部材と、下平面を構成する下部の磁気シールド部材とを、磁性材からなる螺子部材により結合してなる磁気シールド構造の筐体を備えていることを特徴とする磁気ディスク装置。
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