JP2004095013A - 光ディスク用積層シート - Google Patents
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Abstract
【課題】積層シートをロール状に巻いたとき、その巻圧が分散され、合い紙の挟み込みを必要とすることない光ディスク用積層シートを提供する。
【解決手段】光ディスク4の記録層6を保護する光透過性フィルム2と、この光透過性フィルムと該光透過性フィルムの一側面に設けた粘着層7により剥離可能に積層された保持フィルム1とを有する光ディスク用積層シートWにあって、光透過性フィルムが、光ディスク外形状に打ち抜かれて、保持フィルムに対して該光ディスク外形状20で剥離自在に残存したとき、光ディスク外形状以外の部位において保持フィルムに積層して残存する光透過性フィルムは、光ディスク外形状で残存した光透過性フィルムの周部を覆うように保持フィルムに設けた。
【選択図】図3
【解決手段】光ディスク4の記録層6を保護する光透過性フィルム2と、この光透過性フィルムと該光透過性フィルムの一側面に設けた粘着層7により剥離可能に積層された保持フィルム1とを有する光ディスク用積層シートWにあって、光透過性フィルムが、光ディスク外形状に打ち抜かれて、保持フィルムに対して該光ディスク外形状20で剥離自在に残存したとき、光ディスク外形状以外の部位において保持フィルムに積層して残存する光透過性フィルムは、光ディスク外形状で残存した光透過性フィルムの周部を覆うように保持フィルムに設けた。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、550nm以下の短波長のレーザー光を照射することにより情報の記録および再生等を行う光ディスクに用いる光透過性フィルムを、その構成の一部に含む光ディスク用積層シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今、より多くの情報量を記録するための媒体として、短波長のレーザー光、特に波長が405nmのレーザー光の照射により情報の記録及び再生を行う光情報記録媒体が開発されている。これに用いられる光ディスクは厚さ1.1mmのディスク基板上に記録層を有し、更に厚さ100μmの光透過性フィルムが記録層を保護する目的で積層された構成となっている。
【0003】
従来、この光透過性フィルムを積層する方法として、光ディスク基板の記録層上に紫外線硬化型の接着剤をスピンコート法により塗布し、光透過性フィルム基材を貼り合わせた後に紫外線照射を行い固着させる方法と、片面に粘着加工された光透過性フィルムの粘着面が光ディスクの記録層と合わさるようにして貼り合わせる方法がある。
【0004】
このうち、粘着加工された光透過性フィルムを用いる場合、効率よく連続して光ディスク基板に貼り合わせを行うためには、光ディスク外形状に打ち抜き加工された光透過性フィルムが、保持フィルムに保持された形状であることが好ましい。
しかし、このように打ち抜き加工された積層シートをロール状に巻いた場合、光ディスク外形状と隣り合う部分に、既に取り除かれた光透過性フィルムの厚み分があって段差を有すること、および、巻かれた一周ごとにこの段差位置がずれることから、粘着剤に押し跡を作り、これが巻き跡として光透過性フィルムに残ってしまう。この跡がついた光透過性フィルムを用いて作成された光ディスクは、情報の書き込みや読み出し等でエラーを生じるため、これを防ぐ意味でロール状に巻く際には、本質的には不要である合い紙を挟む等の対策が必要であり、作業性の低下、コストアップにつながっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した状況にかんがみなされたもので、光ディスクの記録層を保護する光透過性フィルムと、この光透過性フィルムと該光透過性フィルムの一側面に設けた粘着層により剥離可能に積層された保持フィルムとを有する光ディスク用積層シートにあって、光透過性フィルムが、光ディスク外形状に打ち抜かれて、保持フィルムに対して該光ディスク外形状で剥離自在に残存したとき、光ディスク外形状以外の部位において保持フィルムに積層して残存する光透過性フィルムは、光ディスク外形状で残存した光透過性フィルムの周部を覆うように保持フィルムに設けたことにより、積層シートをロール状に巻いたとき、その巻圧が分散され、合い紙の挟み込みを必要とすることない光ディスク用積層シートを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するための本発明の手段は、
光ディスクの記録層を保護する光透過性フィルムと、この光透過性フィルムと該光透過性フィルムの一側面に設けた粘着層により剥離可能に積層された保持フィルムとを有する光ディスク用積層シートにあって、
前記光透過性フィルムが、前記光ディスク外形状に打ち抜かれて、前記保持フィルムに対して該光ディスク外形状で剥離自在に残存したとき、
前記光ディスク外形状以外の部位において前記保持フィルムに積層して残存する光透過性フィルムは、前記光ディスク外形状で残存した光透過性フィルムの周部を覆うように前記保持フィルムに設けた光ディスク用積層シートの構成にある。
【0007】
また、
光ディスク用積層シートは、一側面に粘着層を有する保持フィルムと、該保持フィルムの粘着層側へその一側面を積層してその他側面に粘着層を有する光透過性フィルムと、この光透過性フィルムの粘着層側へ積層した離型フィルムとを有し、
これら保持フィルムと光透過性フィルムと離型フィルムとを順次積層した各々のフィルムの界面を順次a,bとしたとき、各界面a,bの接着力がb<aとなるように構成される。
【0008】
更に、
光ディスク用積層シートは、一側面に粘着層を有する保持フィルムと、該保持フィルムの粘着層側へその一側面を積層してその他側面に粘着層を有する表面保護フィルムと、この表面保護フィルムの他側面へその一側面を積層してその他側面に粘着層を有する光透過性フィルムと、この光透過性フィルムの粘着層側へ積層した離型フィルムとを有し、
これら保持フィルムと表面保護フィルムと光透過性フィルムと離型フィルムとを順次積層した各々のフィルムの界面を順次c,d,eとしたとき、各界面c,d,eの接着力がe<c<dとなるように構成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る一実施例の光ディスク用積層シートについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
この光ディスク用積層シートWは、光ディスク外形状に打ち抜いた後の該光ディスク用積層シートWをロール状に巻いたとき、その巻圧が分散され、合い紙の挟み込みを必要とすることないものである。
本発明実施例の光ディスク用積層シートWは、図1(a)に示すように、離型フィルムと兼用した保持フィルム1と、光透過性フィルム2とにより構成されたり、図1(b)に示すように、保持フィルム1と、光透過性フィルム2と、離型フィルム3とにより構成されたり、図1(c)に示すように、保持フィルム1と、表面保護フィルム12と、光透過性フィルム2と、離型フィルム3とにより構成されるものである。
【0010】
なお、光ディスク4は、例えば、図2に示すように、1.1mmの厚さをもつ光ディスク基板5上に、金属反射層等からなる記録層6と、該記録層6を保護するための光透過性フィルム2が積層された構造をしており、この光透過性フィルム2を通して、記録層6へ向けてレーザー光を照射することで情報の記録・再生を行うものである。
ここで、光ディスク基板5は、プラスチック材料、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂を射出成型することにより作成されるが、光学的には透明である必要はなく、また、必ずしもプラスチック材料である必要もない。したがって、ガラス、セラミックス、金属等で作ることもできる。これらの中で、加工適性、耐湿性、寸法安定性の点から、通常はポリカーボネート樹脂が使用される。
【0011】
前記した記録層6は、金属反射層、光磁気記録層、有機色素層、層変化記録層等あるいは、これらの組み合わせからなるものである。
この記録層6を傷などから守るための保護層としての光透過性フィルム2が記録層6上に積層されており、本発明実施例の光ディスク用積層シートWは、この光透過性フィルム2が保持フィルム1上に連続して保持されている。
【0012】
そして、前記した保持フィルム1は、いわゆる、一般的にキャリアフィルムと呼ばれるものであって、一側面に離型層(図示してないが、図1(a)における、粘着層7に該当)若しくは図1(a)に示すように、一側面に粘着層7を有するフィルムで、光ディスク基材5の記録層6へ後記する光透過性フィルム2を貼着する前工程において、光ディスク外形状に成形されたこの光透過性フィルム2を保持させておくもので、すなわちこの保持フィルム1は光透過性フィルム2を光ディスク4の形状に半抜き加工する時の支持基材となり、貼り合わせ工程で搬送フィルムとなるものである。
この保持フィルム1は、適度な厚みと強度、寸法安定性を必要とするもので、25μm以上、好ましくは38μm以上の厚みを持つポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンフィルムの片面に粘着加工若しくは離型加工を施したものや、ポリオレフィン等基材フィルムの熱可塑性樹脂と、粘着剤成分を共に押し出して積層する方法により得られたフィルムが用いられる。また、2種以上のフィルムを積層した構成をとることもできる。これらの中では、ポリエステルフィルムを基材に用いたものが良好であって、比較的、高い強度性を発揮し、ロール状に巻いて保管等を行った際にその保形性を有する。
なお、粘着層形成には、アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤,シリコーン系粘着剤等が用いられ、離型処理する場合は、シリコーン系、フッ素系等の離型剤を塗布する方法などがとられる。
【0013】
前記した光透過性フィルム2は、光透過性フィルム基材8と粘着層9で構成されている。光透過性フィルム基材8としては透明度や寸法安定性が高く、複屈折が小さいフィルム、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、アクリルなどのフィルムが好ましく、中でもポリカーボネートが、フィルムとしての透明性を得ることができると共に、光学特性が良好であって、かつ、複屈折が極めて少ない点で最も好ましい。
また、前記した粘着層9は、アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤,シリコーン系粘着剤、また、必要に応じて、UV硬化タイプなど一般的に知られている粘着剤からなり、透明性、耐候性や経済性の点からアクリル系粘着剤が特に好ましい。更には、基材と屈折率が近い物がより好ましい。
【0014】
光透過性フィルムの厚みは90〜110μmであり、光透過性フィルム基材8と粘着層9の厚さ割合は、95:5〜50:50で、更に好ましくは、90:10〜65:35である。
光透過性フィルム基材8に粘着層9を形成する方法としては、前述した粘着剤を直接、光透過性フィルム基材8に塗工する方法の他、離型処理されたフィルムの離型面に粘着剤を塗工してから、光透過性フィルム基材8を貼り合わせることで粘着剤を転写させる方法などを採ることもできる。
【0015】
前記した離型フィルム3は、光透過性フィルム2における粘着層9側へ積層してあって、光ディスク4の記録層6へこの光透過性フィルム2を貼着するまでの工程において、粘着層9を保護するものである。
この離型フィルム3は、粘着剤との離型性が良い、もしくは良くするように少なくとも一側面が離型処理されたフィルムであり、この離型面が光透過性フィルム2の粘着層9と合わせた形で積層される。
該離型フィルム3を離型処理する方法としては、シリコーン系、フッ素系等の離型剤を塗布する方法などがとられる。そして、この離型フィルム3は、合わせられる光透過性フィルム2の粘着面への影響を考慮して表面が平滑なものが好ましく、厚さに関しては薄すぎると打痕等が粘着層9にダメージを生じやすく、逆に厚すぎると経済的でないため12〜100μmが好ましく、中でも20〜60μmが最も好ましい。
本発明実施例の光ディスク用積層シートWの一形態では、図1(b)に示すように、前記したこれら保持フィルム1と光透過性フィルム2と離型フィルム3とを順次積層し、各々のフィルム1,2,3の界面を順次a,bとしたとき、各界面a,bの接着力がb<aとなるように構成されている。
【0016】
また、本発明実施例の光ディスク用積層シートWの別形態では、図1(c)に示すように、保持フィルム1、表面保護フィルム12、光透過性フィルム2、離型フィルム3が順次積層されており、保持フィルム1と表面保護フィルム12との界面をc、表面保護フィルム12と光透過性フィルム2の界面をd、光透過性フィルム2と離型フィルム3の界面eとしたときに、各界面c,d,eの剥離力がe<c<dとなるように設計されている。
【0017】
ここで、その一側面が保持フィルム1の粘着層7に積層されている表面保護フィルム12は、その他側面に粘着層11を有するフィルムであって、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のフィルムの他側面に粘着加工を施したものや、ポリオレフィン等基材フィルムの熱可塑性樹脂と、粘着剤成分を共に押し出して積層する方法により得られたフィルムが用いられる。この表面保護フィルム12は、保持フィルム1に支持されているために特別なフィルム強度は必要としない。
この表面保護フィルム12を共押し出し法により得られたフィルムを用いることにより、該フィルムをローコストにより作成することができる。
【0018】
これら光ディスク用積層シートWは、その積層された状態にあっては、図3に示すように、光ディスク外形状より大きい周囲に余白10を有する状態の矩形状(長尺状)に形成されている。
【0019】
この矩形状の光ディスク用積層シートWにあって、光透過性フィルム2が、図3においてクロス線で示すように、光透過性フィルム2から光ディスク外形状20に打ち抜かれて、保持フィルム1に対して該光ディスク外形状20で剥離自在に残存したとき、光ディスク外形状20以外の部位において、保持フィルム1に積層して残存する光透過性フィルム2は、光ディスク外形状20で残存した光透過性フィルム2の周部を覆うように保持フィルム1に設けてある。
すなわち、図4に示すように、保持フィルム1の反対側から、いわゆる、光透過性フィルム2側から該保持フィルム1表面に至るまでを光ディスク外形状(平面形状円形)20および任意に残す形状21に半抜き加工し、更に、光ディスク外形状20における内周部22を丸く全抜き加工する。
【0020】
この任意に残す形状21に行う半抜き加工は、例えば、図3(a)に示すように、矩形状(長尺状)に形成された光ディスク用積層シートWの長手方向において両サイド部分、すなわち、光ディスク外形状20が連続して複数個連なる方向に平行して、この外形状20を挟んでその両側に設けられる。これにより、光ディスク外形状20は任意に残す形状21によってその周部を覆われる。
また、図3(b)に示す場合には、光ディスク外形状20の周縁部と任意に残す形状21との間に、該光ディスク外形状20である光透過性フィルム2が容易に剥離できる程度の隙間23をもってこの任意に残す形状21を形成する。
この隙間23は、図3(c)に示すように、光ディスク外形状20と略同心円状に設けることもできる。この方法は、光ディスク用積層シートWをロール状に巻いたとき、その巻圧を分散させる意味では前者(図3(a)に示すタイプ)より効果的である。
【0021】
そして、保持フィルム1上の光透過性フィルム2あるいは離型フィルム3、表面保護フィルム12等を、光ディスク外形状20の外部に余白10を作るように取り除くことで、保持フィルム1上に、光ディスク外形状20を有し、保持フィルム1の面積の約68%以上を光透過性フィルム2等が積層された構成の光ディスク用積層シートWを得ることができる。
【0022】
得られた光ディスク用積層シートWは、ロール状に巻いた状態で保持しても、光ディスク外形状20の押し跡が残らず、この光ディスク用積層シートWを用い、光透過性フィルム2をディスク基板5の記録層6に貼り合せて作成した光ディスク4を用いて情報の書き込みや、読み出し、再生を行ってもエラーを生じなかった。
【0023】
ここで、この光ディスク用積層シートWの一実施形態(図1(b)に示すタイプ)で、光ディスク基板5への光透過性フィルム2の貼り合わせ加工を行う際には、図5(a)に示すように、該光ディスク用積層シートWの離型フィルム3を取り除いて、該光透過性フィルム2の粘着層9を露出させ、慣用の加工機によって、図5(b)に示すように、光ディスク基板5の記録層6面と光透過性フィルム2の粘着層9との貼り合わせ加工を行う。
そして、これら光ディスク基板5の記録層6面と光透過性フィルム2の粘着層9との貼り合わせ終了後に、図5(b)に示すように、保持フィルム1と光透過性フィルム2付きの光ディスク4とを引き離す。
このとき、保持フィルム1は、その一側面に設けた粘着層7ごと一緒に剥がれるもので、光ディスク4には、図6に示すように、光ディスク基板5の記録層6に対して光透過性フィルム基材8に設けた粘着層9を介して光透過性フィルム2が積層された状態となった完成品が得られる。
なお、この光ディスク用積層シートWにあって、図1(a)に示すように、離型フィルムと兼用した保持フィルム1と、光透過性フィルム2とにより構成されたもの、あるいは、図1(c)に示すように、保持フィルム1と、表面保護フィルム12と、光透過性フィルム2と、離型フィルム3とにより構成されるものであって、前記同様の作用・効果を奏するもので、その詳細な説明は省略する。
【0024】
次に、本発明実施例に係る光ディスク用積層シートWの各実施例を比較例と比較して説明する。
〔実施例1〕
一側面にシリコーン系離型剤を塗工してなる50μm厚の二軸延伸ポリエステルフィルムの離型面に、nブチルアクリレートを主成分モノマーとし、2.2´−azobis−isobutylonitrileを触媒とし、窒素気流下、酢酸エチル中で重合して得た重合度Mw=80−100万、固形分30%の永久接着タイプのアクリル系粘着剤を、コロネートLと重量比で100:2に配合し、固形分で22g/m2塗工、100℃、3分間乾燥して粘着層を形成した。
更に、厚さ80μmの流延法ポリカーボネートフィルム(商品名ピュアエース:帝人株式会社製)を貼り合わせることにより、離型フィルムに光透過性フィルムが積層された構成のフィルムを得た。
この光ディスク用積層シートを、150mm巾にスリットした後、光透過性フィルム側から光ディスク外形状、および両サイドを10mmずつ残すように半抜き加工、光ディスク内周部を全抜き加工し、ディスク外部の光透過性フィルムを取り除くことで、図3(a)に示すように、保持フィルムの上に、光ディスク外形状および両サイドの光透過性フィルムが積層された本発明実施例の構成の光ディスク用積層シートを長尺のロール巻き状態で得、さらにこの状態で常温にて2週間放置した。
保持フィルムから光透過性フィルムを剥がし、1.1mmの厚さのポリカーボネート基板にAg膜のスパッタリングおよび含金属アゾ系色素のスピンコート塗布により記録層を形成したディスク基板に貼り合わせることにより、405nmの波長で書き込みのできる光ディスクを得た。
光透過性フィルムにはロール巻き状態の際に生じる光ディスク外形状の押し跡が無く、得られた光ディスクは情報の書き込みや、該情報の再生・読み出しの際にエラーを生じなかった。
【0025】
〔実施例2〕
厚み38μmの二軸延伸ポリエステルフィルムの一側面に、2―エチルヘキシルアクリレート/メチルメタアクリレート/酢酸ビニル/ヒドロキシエチルメタアクリレート/アクリル酸の各モノマーを重量で40/40/16/1/3比で配合し、2.2´−azobis−isobutylonitrileを触媒とし、窒素気流下、酢酸エチル中で重合して得た重合度Mw=70−80万、固形分30%の再剥離型アクリル系粘着剤を、コロネートLと重量比で100:3に配合し、固形分で20g/m2塗工、100℃3分間乾燥して粘着層7を形成し、保持フィルム1とした。
次に、一側面にシリコーン系離型剤を塗工してなる25μm厚の二軸延伸ポリエステルフィルム8の離型面に、実施例1同様の方法で得た永久接着タイプのアクリル系粘着剤を、コロネートLと重量比で100:2に配合し、固形分で22g/m2塗工、100℃、3分間乾燥して粘着層を形成した。
更に、厚さ80μmの流延法ポリカーボネートフィルム(商品名ピュアエース:帝人株式会社製)を貼り合わせることにより、光透過性フィルムに離型フィルムが積層された構成のフィルムを得た。
最後に、保持フィルムの粘着層と前述した積層フィルムのポリカーボネートフィルム面を貼り合わせて積層シートを得た。
保持フィルム1と光透過性フィルム2、離型フィルム3と光透過性フィルム2の180°剥離による剥離力はそれぞれ0.3N/50mmと0,1N/50mmであった。
この光ディスク用積層シートWを、150mm巾にスリットした後、離型フィルム側から光透過性フィルムまでを、図3(b)に示すように、光ディスク外形状および光ディスク外径よりに5mm大きく半抜き加工し、光ディスク内周部を全抜き加工し、ディスク外周部の離型フィルムと光透過性フィルムを取り除くことで、図3(b)に示すように、保持フィルム1の上に、光ディスク外形状を含む光透過性フィルムと離型フィルムが積層された本発明実施例の構成の光ディスク用積層シートを長尺のロール巻き状態で得、更に、この状態で常温にて2週間放置した。
離型フィルムを剥離し、記録層6を形成したディスク基板5を貼り合わせてから保持フィルムより引き離すことで、405nmの波長で書き込みのできる光ディスクを得た。
ディスク基板への貼り合せ作業は、光透過性フィルムが保持フィルムに保持されているために連続して安定して行うことができ、得られた光ディスクは反りが無かった。また光透過性フィルムにはロール巻き状態の際に生じる光ディスク外形状の押し跡が無く、得られた光ディスクは情報の書き込みや、該情報の再生・読み出しの際にエラーを生じなかった。
【0026】
〔実施例3〕
密度0.898g/cm3 のエチレン−α−オレフィン共重合体80重量%、密度0.923g/cm3 の低密度ポリエチレンからなる粘着剤層形成用樹脂混合物と密度0.940g/cm3 の高密度ポリエチレンとをフラットダイから共押出しして、総厚60μm、粘着剤層厚さが15μmの積層フィルムからなる表面保護フィルムを製造した。
厚さ80μmのポリカーボネートフィルムに前記作成した表面保護フィルムを積層し、更に、この表面保護フィルム上に前記実施例2と同様の方法で作成した保持フィルムを積層した。
次に、実施例2と同様に片面にシリコーン系離型剤が塗工された25μm厚の二軸延伸ポリエステルフィルムの離型面にアクリル粘着層を形成し、前述ポリカーボネートフィルムの保護フィルムが積層されていない面を貼り合わせることにより、積層フィルムを得た。
保持フィルムと表面保護フィルム、表面保護フィルムと光透過性フィルム、光透過性フィルムと離型フィルムの180°剥離による剥離力はそれぞれ0.25、0.4、0.1(N/50mm)であった。
この光ディスク用積層シートを150mm巾にスリットした後、実施例2と同様の形状で離型フィルム側から表面保護フィルムまでを半抜き加工、さらに光ディスク内周部を全抜き加工し、ディスク外周部の離型フィルム、光透過性フィルム、保護フィルムを取り除くことで、図3(a)に示すように、保持フィルムの上に、表面保護フィルム、光透過性フィルム、離型フィルムが光ディスク外形状を含む形で積層された本発明実施例の構成を持つ光ディスク用積層シートを長尺のロール巻き状態で得、さらにこの状態で常温にて2週間放置した。
離型フィルムを剥離し、ディスク基板を貼り合わせてから保持フィルムより引き離すことで、表面保護フィルム12が付いた405nmの波長で書き込みのできる光ディスク4を得た。
ディスク基板への貼り合せ作業は、光透過性フィルムが保持フィルムに保持されているために連続して安定して行うことができ、得られた光ディスクは反りが無かった。また光透過性フィルムにはロール巻き状態の際に生じる光ディスク外形状の押し跡が無く、得られた光ディスクは情報の書き込みや、該情報の再生・読み出しの際にエラーを生じなかった。
更に、表面保護フィルム12がついているために、光ディスク4の表面に擦り傷をつけることなく、カートリッジへのディスク封入をすることができた。
【0027】
[比較例1]
実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た後、140mm巾にスリットし、光透過性フィルムを光ディスク外形状に半抜き加工、光ディスク内周部を全抜き加工し、ディスク外部の光透過性フィルムを取り除くことで、離型フィルムを保持フィルムとして光ディスク外形状の光透過性フィルムが積層された構成のフィルムを得、さらにこの状態で常温にて2週間放置した。
放置後、ディスク基板に光透過性フィルムを貼り合せて光ディスクを得た。得られた光ディスクには光透過性フィルムにディスク形状の押し跡があったため記録の書き込み、再生の際にエラーを生じた。
[比較例2]
実施例2と同様の方法で保持フィルム上に光透過性フィルムと離型フィルムが積層されたフィルムを得た後、140mm巾にスリットし、離型フィルム側から光透過性フィルムまでを光ディスク外形状に半抜き加工、光ディスク内周部を全抜き加工し、ディスク外部の離型フィルムと光透過性フィルムを取り除くことで、保持フィルム上に光ディスク外形状の光透過性フィルムと離型フィルムが積層された構成のフィルムが得られた。さらにこの状態で常温にて2週間放置した。
放置後、ディスク基板に光透過性フィルムを貼り合せて光ディスクを得た。得られた光ディスクには光透過性フィルムにディスク形状の押し跡があったため記録の書き込み、再生の際にエラーを生じた。
【0028】
なお、光ディスク用積層シートWは、図1(b)に示すように、保持フィルム1と光透過性フィルム2と離型フィルム3とを順次積層した各々のフィルム1,2,3の界面を順次a,bとしたとき、各界面a,bの接着力がb<aとなるように構成されている。
これにより、界面a,bの接着力がa<bであると、離型フィルム3を剥がそうとする際に、その与えられた剥離力は、該離型フィルム3の粘着層9には掛からず、前記剥離力が光透過性フィルム基材8に設けた粘着層7側に先に働いて、その結果、保持フィルム1から光透過性フィルム2が剥がれてしまう不都合を生じ、そのため、光ディスク基板5と光透過性フィルム2との貼り合わせ加工を円滑で流麗にかつ確実に行うことができない。
そのため、光ディスク用積層シートW1にあって、光ディスク基板5への光透過性フィルム2の貼り合わせ加工を行う際には、必ず、離型フィルム3を剥がそうとしたとき、まずこの粘着層において該離型フィルム3に剥離を生じさせる必要があって、この作用の条件は、界面a,bの接着力をa>bに設計する。
【0029】
また、更には、光ディスク用積層シートWは、図1(c)に示すように、保持フィルム1と表面保護フィルム12と光透過性フィルム2と離型フィルム3とを順次積層した各々のフィルム1,12,2,3の界面を順次c,d,eとしたとき、各界面c,d,eの接着力がe<c<dとなるように構成されている。
これにより、離型フィルム3を剥がそうとする際に、前述した界面c,eの接着力がc<eであると、その与えられた剥離力は、該離型フィルム3の粘着層9には掛からず、前記剥離力が光透過性フィルム基材8に設けた粘着層7側に先に働いて、その結果、保持フィルム1から光透過性フィルム2が剥がれてしまう不都合を生じ、そのため、光ディスク基板5と光透過性フィルム2との貼り合わせ加工を円滑で流麗にかつ確実に行うことができない。
更に、前述した界面d,eの接着力がd<eであると、その与えられた剥離力は、該離型フィルム3の粘着層9には掛からず、前記剥離力が表面保護フィルム12に設けた粘着層11側に先に働いて、その結果、離型フィルム3と一緒に光透過性フィルム2が保持フィルム1から剥がれてしまう不都合を生じ、そのため、そもそも光透過性フィルム2を光ディスク基板5へ貼り合わせる加工を行うことができない。
更にまた、前述した界面c,dの接着力がc>dであると、その与えられた剥離力は、保持フィルム1の粘着層7には掛からず、前記剥離力が表面保護フィルム12に設けた粘着層11側に先に働いて、その結果、光透過性フィルム2から表面保護フィルム12が剥がれ、この表面保護フィルム12は保持フィルム1側に残ってしまう不都合を生じる。
そのため、光ディスク用積層シートW1にあって、光ディスク基板5への光透過性フィルム2の貼り合わせ加工を行う際には、必ず、離型フィルム3を剥がそうとしたとき、まず、この粘着層において該離型フィルム3に剥離を生じさせる必要性と、次に、光透過性フィルム2の表面保護フィルム12と保持フィルム1との剥離を生じさせる必要性から、これらの接着力の条件は、これら界面c,d,eに対してe<c<dに設計する。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、光ディスク外形状の光透過性フィルムがキャリアフィルムに保持された構成の積層シートで、光ディスク外形状以外にも光透過性フィルム等が保持フィルム上に残されているため、巻圧が分散され、合い紙を挟み込むことなくとも押し跡をつくらないため、ロール状に巻いた状態で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク用積層シートの各実施例の要部を示す縦断面図である。
【図2】図1における光ディスク用積層シートを用いる光ディスクを示す斜視図である。
【図3】図1における光ディスク用積層シートの切り抜きを施した状態の一部を示す要部の平面図である。
【図4】図1における光ディスク用積層シートの切り抜きを施した状態の一部を示す要部の断面図である。
【図5】図1における光ディスク用積層シートの使用の各状態を示す要部の縦断面図である。
【図6】図1における光ディスク用積層シートを光ディスクに積層させた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
W…光ディスク用積層シート.1…保持フィルム.2…光透過性フィルム.3…離型フィルム.4…光ディスク.12…表面保護フィルム.
【発明が属する技術分野】
本発明は、550nm以下の短波長のレーザー光を照射することにより情報の記録および再生等を行う光ディスクに用いる光透過性フィルムを、その構成の一部に含む光ディスク用積層シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今、より多くの情報量を記録するための媒体として、短波長のレーザー光、特に波長が405nmのレーザー光の照射により情報の記録及び再生を行う光情報記録媒体が開発されている。これに用いられる光ディスクは厚さ1.1mmのディスク基板上に記録層を有し、更に厚さ100μmの光透過性フィルムが記録層を保護する目的で積層された構成となっている。
【0003】
従来、この光透過性フィルムを積層する方法として、光ディスク基板の記録層上に紫外線硬化型の接着剤をスピンコート法により塗布し、光透過性フィルム基材を貼り合わせた後に紫外線照射を行い固着させる方法と、片面に粘着加工された光透過性フィルムの粘着面が光ディスクの記録層と合わさるようにして貼り合わせる方法がある。
【0004】
このうち、粘着加工された光透過性フィルムを用いる場合、効率よく連続して光ディスク基板に貼り合わせを行うためには、光ディスク外形状に打ち抜き加工された光透過性フィルムが、保持フィルムに保持された形状であることが好ましい。
しかし、このように打ち抜き加工された積層シートをロール状に巻いた場合、光ディスク外形状と隣り合う部分に、既に取り除かれた光透過性フィルムの厚み分があって段差を有すること、および、巻かれた一周ごとにこの段差位置がずれることから、粘着剤に押し跡を作り、これが巻き跡として光透過性フィルムに残ってしまう。この跡がついた光透過性フィルムを用いて作成された光ディスクは、情報の書き込みや読み出し等でエラーを生じるため、これを防ぐ意味でロール状に巻く際には、本質的には不要である合い紙を挟む等の対策が必要であり、作業性の低下、コストアップにつながっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した状況にかんがみなされたもので、光ディスクの記録層を保護する光透過性フィルムと、この光透過性フィルムと該光透過性フィルムの一側面に設けた粘着層により剥離可能に積層された保持フィルムとを有する光ディスク用積層シートにあって、光透過性フィルムが、光ディスク外形状に打ち抜かれて、保持フィルムに対して該光ディスク外形状で剥離自在に残存したとき、光ディスク外形状以外の部位において保持フィルムに積層して残存する光透過性フィルムは、光ディスク外形状で残存した光透過性フィルムの周部を覆うように保持フィルムに設けたことにより、積層シートをロール状に巻いたとき、その巻圧が分散され、合い紙の挟み込みを必要とすることない光ディスク用積層シートを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するための本発明の手段は、
光ディスクの記録層を保護する光透過性フィルムと、この光透過性フィルムと該光透過性フィルムの一側面に設けた粘着層により剥離可能に積層された保持フィルムとを有する光ディスク用積層シートにあって、
前記光透過性フィルムが、前記光ディスク外形状に打ち抜かれて、前記保持フィルムに対して該光ディスク外形状で剥離自在に残存したとき、
前記光ディスク外形状以外の部位において前記保持フィルムに積層して残存する光透過性フィルムは、前記光ディスク外形状で残存した光透過性フィルムの周部を覆うように前記保持フィルムに設けた光ディスク用積層シートの構成にある。
【0007】
また、
光ディスク用積層シートは、一側面に粘着層を有する保持フィルムと、該保持フィルムの粘着層側へその一側面を積層してその他側面に粘着層を有する光透過性フィルムと、この光透過性フィルムの粘着層側へ積層した離型フィルムとを有し、
これら保持フィルムと光透過性フィルムと離型フィルムとを順次積層した各々のフィルムの界面を順次a,bとしたとき、各界面a,bの接着力がb<aとなるように構成される。
【0008】
更に、
光ディスク用積層シートは、一側面に粘着層を有する保持フィルムと、該保持フィルムの粘着層側へその一側面を積層してその他側面に粘着層を有する表面保護フィルムと、この表面保護フィルムの他側面へその一側面を積層してその他側面に粘着層を有する光透過性フィルムと、この光透過性フィルムの粘着層側へ積層した離型フィルムとを有し、
これら保持フィルムと表面保護フィルムと光透過性フィルムと離型フィルムとを順次積層した各々のフィルムの界面を順次c,d,eとしたとき、各界面c,d,eの接着力がe<c<dとなるように構成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る一実施例の光ディスク用積層シートについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
この光ディスク用積層シートWは、光ディスク外形状に打ち抜いた後の該光ディスク用積層シートWをロール状に巻いたとき、その巻圧が分散され、合い紙の挟み込みを必要とすることないものである。
本発明実施例の光ディスク用積層シートWは、図1(a)に示すように、離型フィルムと兼用した保持フィルム1と、光透過性フィルム2とにより構成されたり、図1(b)に示すように、保持フィルム1と、光透過性フィルム2と、離型フィルム3とにより構成されたり、図1(c)に示すように、保持フィルム1と、表面保護フィルム12と、光透過性フィルム2と、離型フィルム3とにより構成されるものである。
【0010】
なお、光ディスク4は、例えば、図2に示すように、1.1mmの厚さをもつ光ディスク基板5上に、金属反射層等からなる記録層6と、該記録層6を保護するための光透過性フィルム2が積層された構造をしており、この光透過性フィルム2を通して、記録層6へ向けてレーザー光を照射することで情報の記録・再生を行うものである。
ここで、光ディスク基板5は、プラスチック材料、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂を射出成型することにより作成されるが、光学的には透明である必要はなく、また、必ずしもプラスチック材料である必要もない。したがって、ガラス、セラミックス、金属等で作ることもできる。これらの中で、加工適性、耐湿性、寸法安定性の点から、通常はポリカーボネート樹脂が使用される。
【0011】
前記した記録層6は、金属反射層、光磁気記録層、有機色素層、層変化記録層等あるいは、これらの組み合わせからなるものである。
この記録層6を傷などから守るための保護層としての光透過性フィルム2が記録層6上に積層されており、本発明実施例の光ディスク用積層シートWは、この光透過性フィルム2が保持フィルム1上に連続して保持されている。
【0012】
そして、前記した保持フィルム1は、いわゆる、一般的にキャリアフィルムと呼ばれるものであって、一側面に離型層(図示してないが、図1(a)における、粘着層7に該当)若しくは図1(a)に示すように、一側面に粘着層7を有するフィルムで、光ディスク基材5の記録層6へ後記する光透過性フィルム2を貼着する前工程において、光ディスク外形状に成形されたこの光透過性フィルム2を保持させておくもので、すなわちこの保持フィルム1は光透過性フィルム2を光ディスク4の形状に半抜き加工する時の支持基材となり、貼り合わせ工程で搬送フィルムとなるものである。
この保持フィルム1は、適度な厚みと強度、寸法安定性を必要とするもので、25μm以上、好ましくは38μm以上の厚みを持つポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンフィルムの片面に粘着加工若しくは離型加工を施したものや、ポリオレフィン等基材フィルムの熱可塑性樹脂と、粘着剤成分を共に押し出して積層する方法により得られたフィルムが用いられる。また、2種以上のフィルムを積層した構成をとることもできる。これらの中では、ポリエステルフィルムを基材に用いたものが良好であって、比較的、高い強度性を発揮し、ロール状に巻いて保管等を行った際にその保形性を有する。
なお、粘着層形成には、アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤,シリコーン系粘着剤等が用いられ、離型処理する場合は、シリコーン系、フッ素系等の離型剤を塗布する方法などがとられる。
【0013】
前記した光透過性フィルム2は、光透過性フィルム基材8と粘着層9で構成されている。光透過性フィルム基材8としては透明度や寸法安定性が高く、複屈折が小さいフィルム、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、アクリルなどのフィルムが好ましく、中でもポリカーボネートが、フィルムとしての透明性を得ることができると共に、光学特性が良好であって、かつ、複屈折が極めて少ない点で最も好ましい。
また、前記した粘着層9は、アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤,シリコーン系粘着剤、また、必要に応じて、UV硬化タイプなど一般的に知られている粘着剤からなり、透明性、耐候性や経済性の点からアクリル系粘着剤が特に好ましい。更には、基材と屈折率が近い物がより好ましい。
【0014】
光透過性フィルムの厚みは90〜110μmであり、光透過性フィルム基材8と粘着層9の厚さ割合は、95:5〜50:50で、更に好ましくは、90:10〜65:35である。
光透過性フィルム基材8に粘着層9を形成する方法としては、前述した粘着剤を直接、光透過性フィルム基材8に塗工する方法の他、離型処理されたフィルムの離型面に粘着剤を塗工してから、光透過性フィルム基材8を貼り合わせることで粘着剤を転写させる方法などを採ることもできる。
【0015】
前記した離型フィルム3は、光透過性フィルム2における粘着層9側へ積層してあって、光ディスク4の記録層6へこの光透過性フィルム2を貼着するまでの工程において、粘着層9を保護するものである。
この離型フィルム3は、粘着剤との離型性が良い、もしくは良くするように少なくとも一側面が離型処理されたフィルムであり、この離型面が光透過性フィルム2の粘着層9と合わせた形で積層される。
該離型フィルム3を離型処理する方法としては、シリコーン系、フッ素系等の離型剤を塗布する方法などがとられる。そして、この離型フィルム3は、合わせられる光透過性フィルム2の粘着面への影響を考慮して表面が平滑なものが好ましく、厚さに関しては薄すぎると打痕等が粘着層9にダメージを生じやすく、逆に厚すぎると経済的でないため12〜100μmが好ましく、中でも20〜60μmが最も好ましい。
本発明実施例の光ディスク用積層シートWの一形態では、図1(b)に示すように、前記したこれら保持フィルム1と光透過性フィルム2と離型フィルム3とを順次積層し、各々のフィルム1,2,3の界面を順次a,bとしたとき、各界面a,bの接着力がb<aとなるように構成されている。
【0016】
また、本発明実施例の光ディスク用積層シートWの別形態では、図1(c)に示すように、保持フィルム1、表面保護フィルム12、光透過性フィルム2、離型フィルム3が順次積層されており、保持フィルム1と表面保護フィルム12との界面をc、表面保護フィルム12と光透過性フィルム2の界面をd、光透過性フィルム2と離型フィルム3の界面eとしたときに、各界面c,d,eの剥離力がe<c<dとなるように設計されている。
【0017】
ここで、その一側面が保持フィルム1の粘着層7に積層されている表面保護フィルム12は、その他側面に粘着層11を有するフィルムであって、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のフィルムの他側面に粘着加工を施したものや、ポリオレフィン等基材フィルムの熱可塑性樹脂と、粘着剤成分を共に押し出して積層する方法により得られたフィルムが用いられる。この表面保護フィルム12は、保持フィルム1に支持されているために特別なフィルム強度は必要としない。
この表面保護フィルム12を共押し出し法により得られたフィルムを用いることにより、該フィルムをローコストにより作成することができる。
【0018】
これら光ディスク用積層シートWは、その積層された状態にあっては、図3に示すように、光ディスク外形状より大きい周囲に余白10を有する状態の矩形状(長尺状)に形成されている。
【0019】
この矩形状の光ディスク用積層シートWにあって、光透過性フィルム2が、図3においてクロス線で示すように、光透過性フィルム2から光ディスク外形状20に打ち抜かれて、保持フィルム1に対して該光ディスク外形状20で剥離自在に残存したとき、光ディスク外形状20以外の部位において、保持フィルム1に積層して残存する光透過性フィルム2は、光ディスク外形状20で残存した光透過性フィルム2の周部を覆うように保持フィルム1に設けてある。
すなわち、図4に示すように、保持フィルム1の反対側から、いわゆる、光透過性フィルム2側から該保持フィルム1表面に至るまでを光ディスク外形状(平面形状円形)20および任意に残す形状21に半抜き加工し、更に、光ディスク外形状20における内周部22を丸く全抜き加工する。
【0020】
この任意に残す形状21に行う半抜き加工は、例えば、図3(a)に示すように、矩形状(長尺状)に形成された光ディスク用積層シートWの長手方向において両サイド部分、すなわち、光ディスク外形状20が連続して複数個連なる方向に平行して、この外形状20を挟んでその両側に設けられる。これにより、光ディスク外形状20は任意に残す形状21によってその周部を覆われる。
また、図3(b)に示す場合には、光ディスク外形状20の周縁部と任意に残す形状21との間に、該光ディスク外形状20である光透過性フィルム2が容易に剥離できる程度の隙間23をもってこの任意に残す形状21を形成する。
この隙間23は、図3(c)に示すように、光ディスク外形状20と略同心円状に設けることもできる。この方法は、光ディスク用積層シートWをロール状に巻いたとき、その巻圧を分散させる意味では前者(図3(a)に示すタイプ)より効果的である。
【0021】
そして、保持フィルム1上の光透過性フィルム2あるいは離型フィルム3、表面保護フィルム12等を、光ディスク外形状20の外部に余白10を作るように取り除くことで、保持フィルム1上に、光ディスク外形状20を有し、保持フィルム1の面積の約68%以上を光透過性フィルム2等が積層された構成の光ディスク用積層シートWを得ることができる。
【0022】
得られた光ディスク用積層シートWは、ロール状に巻いた状態で保持しても、光ディスク外形状20の押し跡が残らず、この光ディスク用積層シートWを用い、光透過性フィルム2をディスク基板5の記録層6に貼り合せて作成した光ディスク4を用いて情報の書き込みや、読み出し、再生を行ってもエラーを生じなかった。
【0023】
ここで、この光ディスク用積層シートWの一実施形態(図1(b)に示すタイプ)で、光ディスク基板5への光透過性フィルム2の貼り合わせ加工を行う際には、図5(a)に示すように、該光ディスク用積層シートWの離型フィルム3を取り除いて、該光透過性フィルム2の粘着層9を露出させ、慣用の加工機によって、図5(b)に示すように、光ディスク基板5の記録層6面と光透過性フィルム2の粘着層9との貼り合わせ加工を行う。
そして、これら光ディスク基板5の記録層6面と光透過性フィルム2の粘着層9との貼り合わせ終了後に、図5(b)に示すように、保持フィルム1と光透過性フィルム2付きの光ディスク4とを引き離す。
このとき、保持フィルム1は、その一側面に設けた粘着層7ごと一緒に剥がれるもので、光ディスク4には、図6に示すように、光ディスク基板5の記録層6に対して光透過性フィルム基材8に設けた粘着層9を介して光透過性フィルム2が積層された状態となった完成品が得られる。
なお、この光ディスク用積層シートWにあって、図1(a)に示すように、離型フィルムと兼用した保持フィルム1と、光透過性フィルム2とにより構成されたもの、あるいは、図1(c)に示すように、保持フィルム1と、表面保護フィルム12と、光透過性フィルム2と、離型フィルム3とにより構成されるものであって、前記同様の作用・効果を奏するもので、その詳細な説明は省略する。
【0024】
次に、本発明実施例に係る光ディスク用積層シートWの各実施例を比較例と比較して説明する。
〔実施例1〕
一側面にシリコーン系離型剤を塗工してなる50μm厚の二軸延伸ポリエステルフィルムの離型面に、nブチルアクリレートを主成分モノマーとし、2.2´−azobis−isobutylonitrileを触媒とし、窒素気流下、酢酸エチル中で重合して得た重合度Mw=80−100万、固形分30%の永久接着タイプのアクリル系粘着剤を、コロネートLと重量比で100:2に配合し、固形分で22g/m2塗工、100℃、3分間乾燥して粘着層を形成した。
更に、厚さ80μmの流延法ポリカーボネートフィルム(商品名ピュアエース:帝人株式会社製)を貼り合わせることにより、離型フィルムに光透過性フィルムが積層された構成のフィルムを得た。
この光ディスク用積層シートを、150mm巾にスリットした後、光透過性フィルム側から光ディスク外形状、および両サイドを10mmずつ残すように半抜き加工、光ディスク内周部を全抜き加工し、ディスク外部の光透過性フィルムを取り除くことで、図3(a)に示すように、保持フィルムの上に、光ディスク外形状および両サイドの光透過性フィルムが積層された本発明実施例の構成の光ディスク用積層シートを長尺のロール巻き状態で得、さらにこの状態で常温にて2週間放置した。
保持フィルムから光透過性フィルムを剥がし、1.1mmの厚さのポリカーボネート基板にAg膜のスパッタリングおよび含金属アゾ系色素のスピンコート塗布により記録層を形成したディスク基板に貼り合わせることにより、405nmの波長で書き込みのできる光ディスクを得た。
光透過性フィルムにはロール巻き状態の際に生じる光ディスク外形状の押し跡が無く、得られた光ディスクは情報の書き込みや、該情報の再生・読み出しの際にエラーを生じなかった。
【0025】
〔実施例2〕
厚み38μmの二軸延伸ポリエステルフィルムの一側面に、2―エチルヘキシルアクリレート/メチルメタアクリレート/酢酸ビニル/ヒドロキシエチルメタアクリレート/アクリル酸の各モノマーを重量で40/40/16/1/3比で配合し、2.2´−azobis−isobutylonitrileを触媒とし、窒素気流下、酢酸エチル中で重合して得た重合度Mw=70−80万、固形分30%の再剥離型アクリル系粘着剤を、コロネートLと重量比で100:3に配合し、固形分で20g/m2塗工、100℃3分間乾燥して粘着層7を形成し、保持フィルム1とした。
次に、一側面にシリコーン系離型剤を塗工してなる25μm厚の二軸延伸ポリエステルフィルム8の離型面に、実施例1同様の方法で得た永久接着タイプのアクリル系粘着剤を、コロネートLと重量比で100:2に配合し、固形分で22g/m2塗工、100℃、3分間乾燥して粘着層を形成した。
更に、厚さ80μmの流延法ポリカーボネートフィルム(商品名ピュアエース:帝人株式会社製)を貼り合わせることにより、光透過性フィルムに離型フィルムが積層された構成のフィルムを得た。
最後に、保持フィルムの粘着層と前述した積層フィルムのポリカーボネートフィルム面を貼り合わせて積層シートを得た。
保持フィルム1と光透過性フィルム2、離型フィルム3と光透過性フィルム2の180°剥離による剥離力はそれぞれ0.3N/50mmと0,1N/50mmであった。
この光ディスク用積層シートWを、150mm巾にスリットした後、離型フィルム側から光透過性フィルムまでを、図3(b)に示すように、光ディスク外形状および光ディスク外径よりに5mm大きく半抜き加工し、光ディスク内周部を全抜き加工し、ディスク外周部の離型フィルムと光透過性フィルムを取り除くことで、図3(b)に示すように、保持フィルム1の上に、光ディスク外形状を含む光透過性フィルムと離型フィルムが積層された本発明実施例の構成の光ディスク用積層シートを長尺のロール巻き状態で得、更に、この状態で常温にて2週間放置した。
離型フィルムを剥離し、記録層6を形成したディスク基板5を貼り合わせてから保持フィルムより引き離すことで、405nmの波長で書き込みのできる光ディスクを得た。
ディスク基板への貼り合せ作業は、光透過性フィルムが保持フィルムに保持されているために連続して安定して行うことができ、得られた光ディスクは反りが無かった。また光透過性フィルムにはロール巻き状態の際に生じる光ディスク外形状の押し跡が無く、得られた光ディスクは情報の書き込みや、該情報の再生・読み出しの際にエラーを生じなかった。
【0026】
〔実施例3〕
密度0.898g/cm3 のエチレン−α−オレフィン共重合体80重量%、密度0.923g/cm3 の低密度ポリエチレンからなる粘着剤層形成用樹脂混合物と密度0.940g/cm3 の高密度ポリエチレンとをフラットダイから共押出しして、総厚60μm、粘着剤層厚さが15μmの積層フィルムからなる表面保護フィルムを製造した。
厚さ80μmのポリカーボネートフィルムに前記作成した表面保護フィルムを積層し、更に、この表面保護フィルム上に前記実施例2と同様の方法で作成した保持フィルムを積層した。
次に、実施例2と同様に片面にシリコーン系離型剤が塗工された25μm厚の二軸延伸ポリエステルフィルムの離型面にアクリル粘着層を形成し、前述ポリカーボネートフィルムの保護フィルムが積層されていない面を貼り合わせることにより、積層フィルムを得た。
保持フィルムと表面保護フィルム、表面保護フィルムと光透過性フィルム、光透過性フィルムと離型フィルムの180°剥離による剥離力はそれぞれ0.25、0.4、0.1(N/50mm)であった。
この光ディスク用積層シートを150mm巾にスリットした後、実施例2と同様の形状で離型フィルム側から表面保護フィルムまでを半抜き加工、さらに光ディスク内周部を全抜き加工し、ディスク外周部の離型フィルム、光透過性フィルム、保護フィルムを取り除くことで、図3(a)に示すように、保持フィルムの上に、表面保護フィルム、光透過性フィルム、離型フィルムが光ディスク外形状を含む形で積層された本発明実施例の構成を持つ光ディスク用積層シートを長尺のロール巻き状態で得、さらにこの状態で常温にて2週間放置した。
離型フィルムを剥離し、ディスク基板を貼り合わせてから保持フィルムより引き離すことで、表面保護フィルム12が付いた405nmの波長で書き込みのできる光ディスク4を得た。
ディスク基板への貼り合せ作業は、光透過性フィルムが保持フィルムに保持されているために連続して安定して行うことができ、得られた光ディスクは反りが無かった。また光透過性フィルムにはロール巻き状態の際に生じる光ディスク外形状の押し跡が無く、得られた光ディスクは情報の書き込みや、該情報の再生・読み出しの際にエラーを生じなかった。
更に、表面保護フィルム12がついているために、光ディスク4の表面に擦り傷をつけることなく、カートリッジへのディスク封入をすることができた。
【0027】
[比較例1]
実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た後、140mm巾にスリットし、光透過性フィルムを光ディスク外形状に半抜き加工、光ディスク内周部を全抜き加工し、ディスク外部の光透過性フィルムを取り除くことで、離型フィルムを保持フィルムとして光ディスク外形状の光透過性フィルムが積層された構成のフィルムを得、さらにこの状態で常温にて2週間放置した。
放置後、ディスク基板に光透過性フィルムを貼り合せて光ディスクを得た。得られた光ディスクには光透過性フィルムにディスク形状の押し跡があったため記録の書き込み、再生の際にエラーを生じた。
[比較例2]
実施例2と同様の方法で保持フィルム上に光透過性フィルムと離型フィルムが積層されたフィルムを得た後、140mm巾にスリットし、離型フィルム側から光透過性フィルムまでを光ディスク外形状に半抜き加工、光ディスク内周部を全抜き加工し、ディスク外部の離型フィルムと光透過性フィルムを取り除くことで、保持フィルム上に光ディスク外形状の光透過性フィルムと離型フィルムが積層された構成のフィルムが得られた。さらにこの状態で常温にて2週間放置した。
放置後、ディスク基板に光透過性フィルムを貼り合せて光ディスクを得た。得られた光ディスクには光透過性フィルムにディスク形状の押し跡があったため記録の書き込み、再生の際にエラーを生じた。
【0028】
なお、光ディスク用積層シートWは、図1(b)に示すように、保持フィルム1と光透過性フィルム2と離型フィルム3とを順次積層した各々のフィルム1,2,3の界面を順次a,bとしたとき、各界面a,bの接着力がb<aとなるように構成されている。
これにより、界面a,bの接着力がa<bであると、離型フィルム3を剥がそうとする際に、その与えられた剥離力は、該離型フィルム3の粘着層9には掛からず、前記剥離力が光透過性フィルム基材8に設けた粘着層7側に先に働いて、その結果、保持フィルム1から光透過性フィルム2が剥がれてしまう不都合を生じ、そのため、光ディスク基板5と光透過性フィルム2との貼り合わせ加工を円滑で流麗にかつ確実に行うことができない。
そのため、光ディスク用積層シートW1にあって、光ディスク基板5への光透過性フィルム2の貼り合わせ加工を行う際には、必ず、離型フィルム3を剥がそうとしたとき、まずこの粘着層において該離型フィルム3に剥離を生じさせる必要があって、この作用の条件は、界面a,bの接着力をa>bに設計する。
【0029】
また、更には、光ディスク用積層シートWは、図1(c)に示すように、保持フィルム1と表面保護フィルム12と光透過性フィルム2と離型フィルム3とを順次積層した各々のフィルム1,12,2,3の界面を順次c,d,eとしたとき、各界面c,d,eの接着力がe<c<dとなるように構成されている。
これにより、離型フィルム3を剥がそうとする際に、前述した界面c,eの接着力がc<eであると、その与えられた剥離力は、該離型フィルム3の粘着層9には掛からず、前記剥離力が光透過性フィルム基材8に設けた粘着層7側に先に働いて、その結果、保持フィルム1から光透過性フィルム2が剥がれてしまう不都合を生じ、そのため、光ディスク基板5と光透過性フィルム2との貼り合わせ加工を円滑で流麗にかつ確実に行うことができない。
更に、前述した界面d,eの接着力がd<eであると、その与えられた剥離力は、該離型フィルム3の粘着層9には掛からず、前記剥離力が表面保護フィルム12に設けた粘着層11側に先に働いて、その結果、離型フィルム3と一緒に光透過性フィルム2が保持フィルム1から剥がれてしまう不都合を生じ、そのため、そもそも光透過性フィルム2を光ディスク基板5へ貼り合わせる加工を行うことができない。
更にまた、前述した界面c,dの接着力がc>dであると、その与えられた剥離力は、保持フィルム1の粘着層7には掛からず、前記剥離力が表面保護フィルム12に設けた粘着層11側に先に働いて、その結果、光透過性フィルム2から表面保護フィルム12が剥がれ、この表面保護フィルム12は保持フィルム1側に残ってしまう不都合を生じる。
そのため、光ディスク用積層シートW1にあって、光ディスク基板5への光透過性フィルム2の貼り合わせ加工を行う際には、必ず、離型フィルム3を剥がそうとしたとき、まず、この粘着層において該離型フィルム3に剥離を生じさせる必要性と、次に、光透過性フィルム2の表面保護フィルム12と保持フィルム1との剥離を生じさせる必要性から、これらの接着力の条件は、これら界面c,d,eに対してe<c<dに設計する。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、光ディスク外形状の光透過性フィルムがキャリアフィルムに保持された構成の積層シートで、光ディスク外形状以外にも光透過性フィルム等が保持フィルム上に残されているため、巻圧が分散され、合い紙を挟み込むことなくとも押し跡をつくらないため、ロール状に巻いた状態で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク用積層シートの各実施例の要部を示す縦断面図である。
【図2】図1における光ディスク用積層シートを用いる光ディスクを示す斜視図である。
【図3】図1における光ディスク用積層シートの切り抜きを施した状態の一部を示す要部の平面図である。
【図4】図1における光ディスク用積層シートの切り抜きを施した状態の一部を示す要部の断面図である。
【図5】図1における光ディスク用積層シートの使用の各状態を示す要部の縦断面図である。
【図6】図1における光ディスク用積層シートを光ディスクに積層させた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
W…光ディスク用積層シート.1…保持フィルム.2…光透過性フィルム.3…離型フィルム.4…光ディスク.12…表面保護フィルム.
Claims (3)
- 光ディスクの記録層を保護する光透過性フィルムと、この光透過性フィルムと該光透過性フィルムの一側面に設けた粘着層により剥離可能に積層された保持フィルムとを有する光ディスク用積層シートにあって、
前記光透過性フィルムが、前記光ディスク外形状に打ち抜かれて、前記保持フィルムに対して該光ディスク外形状で剥離自在に残存したとき、
前記光ディスク外形状以外の部位において前記保持フィルムに積層して残存する光透過性フィルムは、前記光ディスク外形状で残存した光透過性フィルムの周部を覆うように前記保持フィルムに設けたことを特徴とする光ディスク用積層シート。 - 光ディスク用積層シートは、一側面に粘着層を有する保持フィルムと、該保持フィルムの粘着層側へその一側面を積層してその他側面に粘着層を有する光透過性フィルムと、この光透過性フィルムの粘着層側へ積層した離型フィルムとを有し、
これら保持フィルムと光透過性フィルムと離型フィルムとを順次積層した各々のフィルムの界面を順次a,bとしたとき、各界面a,bの接着力がb<aとなるように構成されたことを特徴とする請求項1記載の光ディスク用積層シート。 - 光ディスク用積層シートは、一側面に粘着層を有する保持フィルムと、該保持フィルムの粘着層側へその一側面を積層してその他側面に粘着層を有する表面保護フィルムと、この表面保護フィルムの他側面へその一側面を積層してその他側面に粘着層を有する光透過性フィルムと、この光透過性フィルムの粘着層側へ積層した離型フィルムとを有し、
これら保持フィルムと表面保護フィルムと光透過性フィルムと離型フィルムとを順次積層した各々のフィルムの界面を順次c,d,eとしたとき、各界面c,d,eの接着力がe<c<dとなるように構成されたことを特徴とする請求項1記載の光ディスク用積層シート。
Priority Applications (1)
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JP2002252454A JP2004095013A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 光ディスク用積層シート |
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ID=32058712
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JP (1) | JP2004095013A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009081543A1 (ja) * | 2007-12-25 | 2009-07-02 | Mitsubishi Plastics, Inc. | 積層シート及びその製造方法 |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002252454A patent/JP2004095013A/ja active Pending
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WO2009081543A1 (ja) * | 2007-12-25 | 2009-07-02 | Mitsubishi Plastics, Inc. | 積層シート及びその製造方法 |
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