JP2004094995A - 光学ピックアップ装置の位相調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ディスク50に対してレーザ光を照射することにより記録再生を行う光学ピックアップ12における光学系の位相を調整するに際して、瑕部65を有する調整用光ディスク60を用意する。そして、この瑕部65の近傍に生じている位相異常領域における記録トラックを繰り返し再生しながら、光学ピックアップ12に位相補償機構として備えられた1/2波長板36を回転操作し、このときに得られるRF信号の信号レベルの変化が最小となる位置に1/2波長板36の回転角度を調整する。これにより、光学ピックアップ12における光学系の位相を、調整用光ディスク60ひいては光ディスク50の方位に合致させて高精度に調整することができる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクに対して所定の波長域の光を照射して戻り光を検出することにより、当該光ディスクに記録された情報を読み取る光学ピックアップ装置における光学系の位相を調整する位相調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば画像データや音声データなどの大容量データを記録する記録媒体として、光ディスクが広く利用されている。光ディスクは、例えばポリカーボネート等の樹脂材料によって円板状に成形されたディスク基板上に信号記録層を備えており、この信号記録層に同心円状に或い螺旋状に設定された記録トラックに沿って光ディスク装置によりレーザ光を照射することにより、情報信号の記録及び/又は再生(以下、記録再生という。)が行われる。光ディスクは、記録再生の手法に応じて、再生専用光ディスク、相変化型光ディスク、或いは光磁気ディスクなどに大別される。
【0003】
再生専用光ディスクは、記録データに応じてピットと称される物理的な凹凸形状が予め信号記録層に形成されており、記録トラックに沿って照射されたレーザ光が信号記録層で反射した戻り光の光量変化を検出することにより再生が行われる。
【0004】
相変化型光ディスクは、信号記録層に有機色素材料が用いられており、記録データに応じて変調されたレーザ光が照射されることにより、この信号記録層に記録マークが形成され、情報信号が記録される。この相変化型光ディスクを再生する際には、記録時よりも弱い出力のレーザ光を記録トラックに沿って照射し、記録マークが形成された部位と記録マークが形成されていない部位とで反射率が異なることによる戻り光量の変化を検出することにより、記録された情報信号を得る。
【0005】
光磁気ディスクは、信号記録層に磁性材料が用いられており、レーザ光の照射とともに外部磁界の印加が行われることにより情報信号の記録が行われる。光磁気ディスクに対する記録方式としては、光変調方式と磁界変調方式との2つが知られている。
【0006】
光変調方式では、所定の方向に磁化がそろえられて初期化された信号記録層に対して、所定のバイアス磁界を印加した状態で、記録する情報信号に応じて変調されたパルス状のレーザ光を記録トラックに沿って照射する。これにより、レーザ光が照射されて昇温された部分の信号記録層に、バイアス磁界に対応した磁化方向とされた記録マークが形成され、記録が行われる。
【0007】
また、磁界変調方式では、光磁気ディスクの信号記録層に対して、所定の出力でレーザ光を記録トラックに沿って照射するとともに、記録する情報信号に応じて変調された外部磁界を印加する。これにより、レーザ光が照射されて昇温された部分に、変調された外部磁界に応じた磁化方向とされた記録マークが形成され、記録が行われる。
【0008】
一方、光磁気ディスクを再生する際には、記録トラックに沿って記録時よりも弱い出力でレーザ光を照射し、信号記録層からの戻り光を検出する。このとき、いわゆる磁気カー効果により信号記録層でレーザ光の偏光面が回転することから、戻り光の光量差を検出することにより記録マークの有無を検出することができ、記録された情報信号が得られる。
【0009】
上述のように、光ディスクの各種に対して記録再生を行う際には、いずれもレーザ光を照射することが必要となる。そこで、上述のような光ディスクに対して記録再生を行う光ディスク装置には、記録時に記録信号に応じたレーザ光を光ディスクに照射したり、或いは再生時に照射したレーザ光が光ディスクに反射して戻ってきた戻り光を検出し、検出した戻り光を電気信号に変換してRF信号を出力する光学ピックアップ装置が搭載されている。
【0010】
このような光学ピックアップ装置は、光ディスクに対する記録再生を確実に行い、例えば、特定の光ディスク装置で再生可能であった光ディスクが他の光ディスク装置では再生不能であるといった事態を回避するために、光学系の位相を装置毎に揃えておく必要がある。このように光学ピックアップ装置における光学系の位相を調整する手法としては、従来から以下のような手法が採用されている。
【0011】
すなわち、所定の調整用光ディスクを光ディスク装置で再生して、この光ディスク装置に搭載された光学ピックアップによって光ディスクから戻り光を電気信号に変換出力したRF信号を観察する。そして、光学ピックアップの光学系に備えられた1/2波長板などを回転操作することにより、情報信号とノイズとの比であるCNR(Code Noise Ratio)が最大となるように光学系の位相を調整する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年では、コンピュータ装置や各種の映像機器・音声機器などで取り扱うデータ量が飛躍的に増加しており、これら機器における記録媒体として用いられる光ディスクにおいても大容量化、ひいては高記録密度化が要求され、また光ディスク装置における高転送レート化が要求されている。
【0013】
そこで、近年では、光磁気ディスクにおける一層の高記録密度化を達成するための技術として、磁気超解像(MSR:Magnetically induced Super Resolution)方式による記録再生技術が注目されている。磁気超解像方式では、温度により磁気特性が異なる複数の磁性層を備えた信号記録層を有する光磁気ディスクを用いて記録再生を行うことにより、照射するレーザ光のスポット径よりも幅狭の記録マークに対する記録再生を可能としている。このような磁気超解像方式では、再生時に高いレーザ出力が必要であり、従来の光磁気ディスクに対する再生時のレーザ出力が1.5mW程度であるのに対して、例えば4.5mW程度とおよそ3倍のレーザ出力が必要となる。
【0014】
また、光ディスク装置の高転送レート化を実現するためには、光ディスクを高速で回転駆動するとともに、回転の高速化に対応してレーザ光の出力を増大させることが必要となる。
【0015】
しかしながら、このようにレーザ光の出力を増大させると、レーザ光自身に含まれるノイズ成分も増大し、このノイズ成分が光ディスクからの戻り光を変換したRF信号に対して及ぼす影響も顕著となる。また、レーザ光の出力を増大させると、光ディスクの読み取り面に生じた微小な瑕(キズ)や、ポリカーボネート等により形成されたディスク基板自身に生じている光学位相的な歪み成分、信号記録層の物理的な歪みに起因する光学位相的な歪み成分、或いは温度変化に伴う光学位相的な歪み成分などがRF信号に及ぼす影響も顕著となる。
【0016】
したがって、高記録密度化や高転送レート化に対応するためには、光学ピックアップ装置における光学系の位相を高精度に調整して、上述したような要因によるRF信号の劣化を防止することが重要である。
【0017】
しかしながら、先に述べたように、CNRを観察しながら波長板の回転角度を調整する従来の位相調整手法では、以下で説明するような問題があった。
【0018】
第1の問題としては、波長板の回転角度に対してCNRの変化が緩慢であるという点である。すなわち、波長板を回転操作してもCNRに変化が認められない角度領域が広く、高精度な位相調整を行うことができない。したがって、光学ピックアップ装置毎に光学的な位相のばらつきが大きくなってしまう。このため、従来の手法により位相調整を行った光学ピックアップ装置を用いると、特定の光ディスク装置では再生できた光ディスクが他の光ディスク装置では再生できないなどといった事態が生じ、光ディスク装置同士の互換性が著しく損なわれてしまう。
【0019】
第2の問題としては、従来の手法では光学ピックアップ装置を位相調整する際に、ディスク基板に生じている光学位相的な歪み成分(ディスクの方位)が考慮されないという点である。このディスクの方位とは、ディスク基板の原料となる樹脂材料を射出成形などによって成形する際に生じる光学的な位相の方向であると考えられており、一般にはディスク中心から放射状に存在するものである。このようなディスクの方位がRF信号に及ぼす影響は、高記録密度化に伴ってピットや記録マークが微小化し、レーザ光の出力が増大するに従って顕著となり、エラーレートの悪化を招いてしまうといった問題があった。
【0020】
そこで本発明は、上述した従来の実情に鑑みてなされたものであり、光学ピックアップ装置における光学的な位相を高精度に且つ確実に調整することが可能な位相調整方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る光学ピックアップ装置の位相調整方法は、光ディスクに対して所定の波長域の光を照射して戻り光を検出することにより、当該光ディスクに記録された情報を読み取る光学ピックアップ装置における光学系の位相を調整する位相調整方法において、位相異常が生じている位相異常領域を有する所定の調整用光ディスクに対して、上記光学ピックアップ装置により上記位相異常領域の位置で読み取り動作を行ったときに得られる出力信号レベルの変化が最小となるように上記光学ピックアップ装置の戻り光学系に備えられた位相補償機構を調整することを特徴とするものである。
【0022】
以上のように構成された位相調整方法では、CNRを観察しながら光学ピックアップ装置における光学系の位相を調整する従来の手法と異なり、調整用光ディスクの位相異常領域の位置で得られる出力信号(RF信号)レベルの変化に基づいて光学系の位相を調整している。RF信号は光ディスクの位相異常領域で急峻に変化するため、このRF信号に基づいて位相を調整することによって調整目標とする位相位置を極めて高精度に確定することが可能となる。この点と併せて、所定の調整用光ディスクを用いて位相を調整していることから、光学ピックアップ装置毎の位相のばらつきを効果的に抑制することができる。
【0023】
また、調整用光ディスクの位相異常領域を利用して位相を調整していることから、調整後の光学ピックアップ装置の光学系は、この調整用光ディスクに生じている光学位相的な歪み成分(ディスクの方位)に即した位相に調整することができる。
【0024】
なお、位相を調整する際に用いる位相異常領域としては、上記調整用光ディスクの情報読み取り面に生じた物理的な瑕部の近傍で、戻り光の光量が正常である記録トラックのうち、上記瑕部に最も近い位置に存在する記録トラックを選択することが望ましい。このような位相異常領域の位置で位相調整のための読み取り動作を行うことにより、RF信号に生じる変化が最も大きく得られることから、調整目標とする位相位置を決定することが容易となる。
【0025】
また、位相を調整する際に用いる位相異常領域としては、読み取り動作を行ったときに正弦波形状の出力信号レベルの変化が得られる領域を選択しても望ましい。
【0026】
RF信号の出力は、瑕部の物理的な形状などによって異なる波形で得られるが、正弦波形状のレベル変化が得られる位相異常領域を選択して、この位置で位相調整を行うことにより、RF信号に生じる変化が最も大きく得られ、調整目標とする位相位置を決定することが容易となる。また、このようにRF信号の出力波形に基づいて位相調整を行う調整用光ディスクの位相異常領域を決定することにより、調整用光ディスクに生じている物理的な瑕部の形状などを目視するなどして予め位相異常領域を設定することが不要となり、各種信号処理技術のみを用いて位相調整を実現することができる。
【0027】
なお、先に説明したように、上記調整用光ディスクの情報読み取り面に生じた物理的な瑕部の近傍で、戻り光の光量が正常である記録トラックのうち、上記瑕部に最も近い位置に存在する記録トラックを選択した場合には、得られるRF信号の出力波形は正弦波形状となる。
【0028】
また、上記出力信号レベルの変化を最小とするに際しては、上記位相補償機構として備えられた1/2波長板を光軸を中心として回転操作することが望ましい。例えば、記録トラックの追従(トラッキング)を行う手法として楕円偏光検出法を採用した光学ピックアップ装置には、位相補償機構として1/2波長板が具備されている。そこで、この1/2波長板を回転操作することにより、RF信号の出力レベル変化が最小となるように調整することができる。ただし、本発明により位相を調整する光学ピックアップ装置の位相補償機構は、その構造や部材について特に限定されるものではない。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は、光ディスクに記録された情報を読み取る光学ピックアップ装置の位相調整方法に関する。そこで、以下では先ず、本発明の適用対象とする光学ピックアップ装置を搭載した光ディスク装置の一例として、図1に示すような光ディスク装置10について説明する。
【0030】
なお、以下で説明する光ディスク装置10は、磁気超解像方式の光磁気ディスクに対して記録再生を行う装置であるが、本発明は、光ディスクの種類や記録再生方式について特に限定されるものではなく、光ディスクに対して所定の波長域の光を照射して戻り光を検出することにより、当該光ディスクに記録された情報を読み取る光学ピックアップ装置における光学系の位相を調整する際に広く適用可能であることは勿論である。
【0031】
光ディスク装置10は、図1に示すように、光磁気ディスク50を所定の角速度又は線速度で回転駆動するスピンドルモータ11と、光磁気ディスク50に対してレーザ光を照射する光学ピックアップ12と、光磁気ディスク50に対して所定のバイアス磁界を印加するバイアスマグネット13と、光学ピックアップ12から出力されるRF信号の2値化を行う2値化部14と、光磁気ディスク50に対して記録再生を行う信号に対して各種信号処理を行う信号処理部15と、外部に接続されたホスト装置100との間で信号の入出力を行うODC(Optical Disk Controller)部16と、光ディスク装置10全体の動作を制御する制御部17と、光学ピックアップ12に照射するレーザ光の出力を制御するパワー制御部18と、バイアスマグネット13により印加する磁界の強度を制御するマグネット制御部19とを具備している。
【0032】
光学ピックアップ12は、光磁気ディスク50に対してレーザ光を照射するとともに、このレーザ光が光磁気ディスク50の信号記録層から反射して戻ってきた戻り光を検出する光学系を有している。また、光学ピックアップ12には、光学系の他に各種の電気・電子回路が組み込まれており、戻り光を光電変換及び電流電圧変換して、この戻り光の光量変化に応じて電圧が変化するRF信号を2値化部14に出力する。また、この電気・電子回路により、検出した戻り光に基づいて、光磁気ディスク50に照射するレーザ光のビームスポットの記録トラックに対するデフォーカス量やデトラッキング量を示すフォーカスサーボ信号やトラッキングサーボ信号を生成し、これらを信号処理部15に出力する。なお、光ディスク装置10で採用するフォーカシング技術やトラッキング技術については特に限定されるものではないが、本例に係る光ディスク装置10では、いわゆる楕円偏光方式が採用されているものとする。
【0033】
また、光学ピックアップ12は、図示しない駆動機構により、光磁気ディスク50の径方向に移動自在とされており、光磁気ディスク50の任意の位置にレーザ光を照射することが可能とされている。この駆動機構や上述した電気・電子回路は、従来と同等の構成とすればよいため、ここでの詳細な説明は省略する。また、光学ピックアップ12の光学系についての詳細は後述する。
【0034】
バイアスマグネット13は、光磁気ディスク50を介して光学ピックアップ12と対向する位置に配設されており、記録再生時に光磁気ディスク50に対して所定の強度のバイアス磁界を印加する。バイアスマグネット13は、印加する磁界の強度をマグネット制御部19によって制御される。
【0035】
2値化部14は、光磁気ディスク50に対して記録再生する情報信号に対し、「0」と「1」との2値に符号化する処理を行う。2値化部14には、光磁気ディスク50の再生時に、光学ピックアップ12から出力されるRF信号に対して2値化処理を施し、信号処理部15及びODC部16に出力する。また、記録時には信号処理部15から入力された信号に対して2値化処理を施し、処理後の信号を信号処理部15に出力する。
【0036】
信号処理部15は、光学ピックアップ12から出力されるフォーカスサーボ信号及びトラッキングサーボ信号に基づいて、光学ピックアップ12に対して、レーザ光のフォーカス制御及びトラッキング制御を行う。また、信号処理部15は、スピンドルモータ11に対するサーボ制御や、光学ピックアップ12を駆動する駆動機構の制御を行うことにより、光磁気ディスク50の回転駆動の制御、及び光学ピックアップ12の位置決め制御を行う。また、信号処理部15は、マグネット制御部19に対して、バイアスマグネット13により印加する外部磁界の強さを示す信号を出力する。
【0037】
ODC部16は、外部に接続されたホスト装置100に対する各種信号の入出力処理や、光磁気ディスク50に対して記録再生を行う情報信号のエンコード/デコード処理を行う。また、ODC部16は、記録再生対象とする光磁気ディスク50の種類やホスト装置100から入力される記録再生要求の内容に応じて、2値化部14における動作モードの切替や、レーザ光の発光タイミングとして用いるクロック信号の生成を行う。
【0038】
制御部17は、光ディスク装置10の各部に接続されており、各部の動作を統括制御することにより、光ディスク装置10全体としての動作を集中して制御する機能を有している。制御部17は、例えばCPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の各種半導体チップを組み合わせて構成されており、例えばROMに記録された動作プログラムに従って、光ディスク装置10全体の動作を制御する。
【0039】
パワー制御部18は、光学ピックアップ12により照射するレーザ光の出力を制御する機能を有しており、記録再生を行う光磁気ディスク50の種類や記録再生特性に応じてレーザ光の出力が最適となるように制御したり、光磁気ディスク50に対する記録動作及び再生動作、或いは初期化動作などの動作状況に応じてレーザ光の出力が最適となるように制御する。
【0040】
マグネット制御部19は、信号処理部15から入力される信号に応じて、バイアスマグネット13に対して出力する電圧値を制御し、これにより光磁気ディスク50に対して印加する外部磁界の強度を制御する。
【0041】
以上のように構成された光ディスク装置10は、磁気超解像方式により光磁気ディスク50に対して記録再生を行う。なお、光ディスク装置10は、光磁気ディスク50だけでなく、他の各種光ディスクに対する記録再生を行うことが可能に構成されていてもよい。また、上述した各部のうちの一部(例えば、2値化部14、信号処理部15、及び制御部17)が一体に構成されていてもよい。
【0042】
つぎに、光学ピックアップ12に備えられる光学系の一例について、図2を参照しながら説明する。
【0043】
光学ピックアップ12に備えられる光学系は、図2に示すように、レーザ光を出射する光源としての半導体レーザ30と、コリメータレンズ31と、ビームスプリッタ32と、ミラー33と、対物レンズ34と、1/4波長板35と、1/2波長板36と、集光レンズ37と、偏光ビームスプリッタ38と、第1の光検出器39と、第2の光検出器40とを有している。
【0044】
この光学系において、半導体レーザ30から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ31によって平行光とされ、ビームスプリッタ32を通過した後にミラー33によって光磁気ディスク50の主面に向けて反射される。ミラー33によって反射されたレーザ光は、対物レンズ34により収束されて光磁気ディスク50の信号記録層に照射される。この信号記録層で反射して戻ってくる戻り光は、ビームスポットの位置での信号記録層の磁化状態に応じて偏光面が僅かに回転した楕円偏光ビームとなる。
【0045】
戻り光は、対物レンズ34によって平行光とされた後に、ミラー33によって反射されてビームスプリッタ32に入射され、このビームスプリッタ32の反射面で反射して1/4波長板35以降の各部によって構成された信号検出系に導かれる。
【0046】
1/4波長板35を通過した戻り光は、1/2波長板36に入射して、s偏光ビーム及びp偏光ビームからなるビームに変換され、集光レンズ37によって集光された後に偏光ビームスプリッタ38に入射する。偏光ビームスプリッタ38に入射した戻り光は、この偏光ビームスプリッタ38の偏光面によって、直進するp偏光ビームと進行方向が90°偏向されたs偏向ビームとに分離される。これらp偏向ビーム及びs偏向ビームは、それぞれ第1の光検出器39及び第2の光検出器40に入射する。
【0047】
ここで、第1の光検出器39及び第2の光検出器40は、図2中に模式的に示すように、それぞれ4分割された受光部を有するフォトダイオードによって構成されている。なお、図中においては、第1の光検出器39及び第2の光検出器40における4つの受光部を、それぞれ受光部39A,39B,39C,39D及び受光部40A,40B,40C,40Dで示す。同図においては、受光部39A,39Dと受光部39B,39Cとの間の分割線、及び受光部40A,40Dと受光部40B,40Cとの間の分割線が光磁気ディスク50の記録トラックに対応しており、受光部39A,39Bと受光部39C,39Dとの間の分割線、及び受光部40A,40Bと受光部40C,40Dとの間の分割線が記録トラックと直交する方向に対応している。
【0048】
光学ピックアップ12においては、第1の光検出器39における各受光部39A〜39Dからの出力A〜Dを加減演算することによりフォーカス誤差信号EF=(A+C)―(B+D)を得てフォーカスサーボ回路に供給してフォーカスサーボ信号を出力する。また、各出力を加減することによりトラッキング誤差信号ET=(A+D)―(B+C)を得てトラッキングサーボ回路に供給してトラッキングサーボ信号を出力する。また、第1の光検出器39における各受光部39A〜39Dからの出力A〜Dと、第2の光検出器40における各受光部40A〜40Dからの出力A’〜D’とを加減演算することによってRF信号(A+B+C+D)―(A’+B’+C’+D’)を得て出力する。なお、光学ピックアップ12には、上述した加減演算回路や、フォーカスサーボ回路及びトラッキングサーボ回路が備えられるが、図2での図示は省略する。
【0049】
以上のように構成された光学ピックアップ12においては、1/4波長板35及び1/2波長板36が位相補償機構としての機能を有している。
【0050】
ところで、光ディスク装置10は、磁気超解像方式により光磁気ディスク50に対する記録再生を行う装置であることから、特に再生時に照射するレーザ光の出力が通常の光ディスクに対して記録再生を行う場合よりも大とされている。したがって、レーザ光自身に含まれるノイズ成分が通常の記録再生時よりも増大し、このノイズ成分が光ディスクからの戻り光を変換したRF信号に対して及ぼす影響も顕著となる。また、レーザ光の出力を増大させると、光ディスクの読み取り面に生じた微小な瑕(キズ)や、ポリカーボネート等により形成されたディスク基板自身に生じている光学位相的な歪み成分、信号記録層の物理的な歪みに起因する光学位相的な歪み成分、或いは温度変化に伴う光学位相的な歪み成分などがRF信号に及ぼす影響も顕著となる。
【0051】
このため、上述の要因による影響を抑制して高品質な再生信号を得るためには、光学ピックアップ12における光学系の位相を高精度に調整することが重要となる。そこで、以下では、上述した光学ピックアップ12の光学系の位相を本発明を適用して調整する手法の具体的な一例について説明する。
【0052】
このとき、図3に示すような調整用光ディスク60を用意する。調整用光ディスク60は、光学ピックアップ12によって記録再生の対象とする光磁気ディスク50と同等の構成とされたものである。なお、図3は、調整用光ディスク60を主面側からみた平面図である。調整用光ディスク60は、円板状の信号記録面61の中央部に、チャッキング用のハブ62が形成されている。
【0053】
また、調整用光ディスク60は、図4に示すように、レーザ光の入射面となるディスク基板又はカバー層に生じた物理的な傷、若しくは信号記録層とディスク基板又はカバー層との間に混入した塵埃等の異物などによって形成された瑕部65を有している。なお、図4は、図3中に矢印Aで示す囲み部を拡大して示す要部拡大図である。
【0054】
調整用光ディスク60は、図4に示すように、信号記録層上に複数の記録トラック66が形成されており、これら記録トラックに沿って情報信号が記録されることとなるが、瑕部65が存在する部位の記録トラックにおいてはレーザ光の反射光量が大きく変動するため、この部位での記録再生は不可とされる。
【0055】
また、図4中に矢印Bで示す瑕部65の周辺領域においては、レーザ光の反射光量に変動が生じないものの、瑕部65の影響によりレーザ光の入射面に応力が生じており、これにより光学的な位相異常が生じている。このため、この瑕部65の周辺領域においては、再生時に得られるRF信号に変動がみられる。以下では、図4中に矢印Bで示す瑕部65の周辺領域のことを、便宜上「位相異常領域」と称することとする。
【0056】
ここで、瑕部65に掛かる位置に存在する記録トラック(図4中においては記録トラック66a,66b,66c)を光ディスク装置10により再生した場合に得られるRF信号の出力波形の一例を図5に示す。この記録トラックにおいては、瑕部65の位置で戻り光の光量が大きく変動するため、図5中において矢印Cで示すように、RF信号の波形が台形状に変化する。すなわち、図5中における矢印Cの区間が、この記録トラックにおける瑕部65が存在する区間に対応している。
【0057】
したがって、この記録トラックにおける瑕部65の位置では、正常な記録再生を行うことができない。このような記録トラックは、光ディスク装置10に備わるディフェクトマネジメント機構によって予め記録再生対象から除外されるため、記録再生は行われない。なお、ディフェクトマネジメント機構としては、従来から各種の方式が広く利用されており、本発明の要旨から外れるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0058】
一方、位相異常領域に掛かる位置に存在する記録トラック(図4中においては記録トラック66d〜66h)を光ディスク装置10により再生した場合に得られるRF信号の出力波形の一例を図6に示す。この記録トラックにおいては、瑕部65により生じた位相異常の影響により、図6中に老いて矢印Dで示すように、RF信号の波形が正弦波状に変化する。すなわち、図6中における矢印Dの区間が、この記録トラックにおける位相異常領域に掛かる区間に対応している。
【0059】
このように、位相異常領域においてRF信号に正弦波状の変化がみられる原因としては、位相異常領域内で瑕部65を中心とした径方向に応力が働いているため、この応力の影響による光学的な位相の変化と、調整用光ディスク60におけるレーザ光の入射面に元来存在する光学的な位相(ディスクの方位)とを合成した位相成分が作用しているためであると考えられる。
【0060】
なお、例えば、調整用光ディスク60の信号記録面に、図7(a)に示すような段差状の部位が存在する場合には、この部位で再生時に得られるRF信号は、図7(b)のような出力波形となる。なお、図7(a)は、調整用光ディスク60の断面を模式的に示す図であり、ディスク基板67と、信号記録層68と、カバー層又はディスク基板69との積層構造を示す図である。
【0061】
すなわち、この段差状の部位(段差部67a)における端部の位置では、戻り光の光量が変化するため、図7(b)に示すようにRF信号に大きな変動が見られるものの、段差部67aにおける平滑な頂部の位置では、戻り光の光量に変化が見られず、通常のRF信号波形が得られることとなる。したがって、段差部67aの端部位置では記録再生に支障があるものの、段差部67aにおける頂部の位置では、記録再生に問題が生じない。したがって、光ディスク装置10のディフェクトマネジメント機構が機能することにより、このような段差部67aに掛かる記録トラックは、記録再生の除外対象とならない場合がある。
【0062】
そこで、調整用光ディスク60を用いて光学ピックアップ12の光学位相を調整する際には、上述したような各RF信号の波形のうち、図6に示すような正弦波形状の出力波形が得られるような記録トラックの位置で調整作業を行う。
【0063】
なお、この調整作業は、RF信号出力が正弦波形状となるような記録トラックをいずれか選択すればよいが、瑕部65に掛からず、且つ瑕部65に最も近い位置に存在する記録トラック(例えば、図4においては記録トラック66f又は記録トラック66g)を選択することが望ましい。これにより、RF信号に生じる変化が最も大きく得られることから、以下で説明するようにして調整目標とする位相位置を決定することが容易となる。
【0064】
光学ピックアップ12における光学位相の調整作業は、上述のように選出した記録トラックを位相異常領域の周辺位置で光ディスク装置10により繰り返し再生しながら、光学ピックアップ12に位相補償機構として備えられた1/2波長板36を僅かずつ回転操作することにより行う。そして、このときに得られるRF信号の出力信号レベルの変化が最小となる位置に1/2波長板36の回転位置を調整する。
【0065】
ここで、1/2波長板36を回転させたときに得られるRF信号の出力波形の変化について具体的に説明する。
【0066】
まず、1/2波長板36の回転位置が調整目標とする位置に合致した場合に得られるRF信号の出力波形の一例を、図8に示す。このときの1/2波長板36の角度は、基準位置からα°であるものとする。
【0067】
つぎに、1/2波長板36の角度を調整目標から−x°だけ回転させた場合に得られるRF信号の出力波形の一例を、図9に示す。なお、xは所定の微小な値とする。また、1/2波長板36の角度を調整目標からx°だけ回転させた場合に得られるRF信号の出力波形の一例を、図10に示す。
【0068】
図8乃至図10から明らかであるように、1/2波長板36の回転位置が調整目標位置に合致した場合には、得られるRF信号の出力波形が平坦となり、信号レベル変化が最小となる。また、1/2波長板36の回転位置が調整目標位置からずれると、得られるRF信号の出力波形には正弦波形状の変化が現れるとともに、調整目標位置から正負方向に1/2波長板36の角度を変位させると、出力波形にみられる正弦波形状の変化も逆相となる。
【0069】
ここで、図8乃至図10に示す波形は、調整用光ディスク60に何も情報信号が記録されていない状態で再生したときに得られたRF信号出力を示している。したがって、図8乃至図10に示す波形にみられる細かな変動は、RF信号に含まれるノイズ成分によるものである。ここで、図8と図9及び図10とを比較すると、1/2波長板36の回転位置を調整目標位置に合致させたときに、ノイズ成分が著しく減少していることが明らかである。したがって、1/2波長板36を上述のようにして調整することによって、光学ピックアップ12の光学系位相の調整を図ることにより、RF信号に含まれるノイズ成分を著しく低減させて、エラーレートを劇的に低減することが可能である。
【0070】
以下では、上述した光学的位相の調整手法と、従来から採用されているCNRに基づく調整手法とを比較した場合について、図11を参照しながら説明する。
【0071】
図11における実線は、上述した位相異常領域の位置で再生を行いながら1/2波長板36を回転させたときに得られるRF信号の信号レベルの変化を示しており、図11における点線は、1/2波長板36を回転させたときに得られるCNRの変化を示している。
【0072】
図11から明らかであるように、CNRの変化は、1/2波長板36の回転角度に対して緩慢であり、1/2波長板36を回転操作してもCNRに大きな変化が認められない角度領域が広い。したがって、従来の調整手法では、1/2波長板36の回転角度を最もの望ましい角度βに調整することが困難であり、高精度な位相調整を行うことができない。
【0073】
しかしながら、本発明を適用した調整手法においては、図11中の実線で示すように、1/2波長板36の回転角度に応じてRF信号の出力信号レベルが急峻に変化しており、調整目標とする角度αを容易に決定することができる。したがって、1/2波長板36の回転角度を高精度に調整し、これによって光学ピックアップ12における光学系の位相を高精度に調整することができる。
【0074】
したがって、本発明を適用した手法により光学ピックアップ12の光学的位相を調整することにより、光学ピックアップ12毎の光学的位相のばらつきを効果的に抑制することができる。これにより、例えば磁気超解像方式の光磁気ディスクに対応するため、或いは転送レートを向上するためなどに再生時のレーザ光出力を増大した場合であっても、特定の光ディスク装置では再生できた光ディスクが他の光ディスク装置では再生できないといった事態が生じることがなく、光ディスク装置同士で高い互換性を確保することができる。
【0075】
ところで、図11に示すように、従来手法による1/2波長板36の調整目標角度βと、本発明を適用した手法による1/2波長板36の調整目標角度αとは一致していない。この角度αと角度βとの角度差は、以下のような理由により生じるものと考えられる。
【0076】
すなわち、従来の手法では、CNR変化に基づいて1/2波長板36の回転角度を調整するに際して、光ディスク側の光学的な位相が全く考慮されていないのに対して、本発明を適用した手法においては、位相異常領域の位置で得られるRF信号のレベル変化に基づいて1/2波長板36の回転角度が調整されており、光学ピックアップ12の位相が光ディスク側の光学位相的な歪み成分であるディスクの方位に合致した状態に調整されている。したがって、角度αと角度βとの角度差は、光ディスクの方位に相当する位相のずれ量に等しいものであると考えられる。
【0077】
本発明を適用した手法では、光学ピックアップ12における光学的な位相を光ディスクの方位に合致させることができることから、図8を参照して説明したように、RF信号に含まれるノイズ成分を低減することができる。
【0078】
したがって、本発明を適用した手法によれば、光ディスク装置10におけるBER(Byte Error Rate)を向上することができるだけでなく、光ディスクに存在する位相異常領域で生じるBERムラを解消することができる。また、光学ピックアップ12における光学系の位相を高精度に調整することができることから、レーザ光の出力マージンを拡大することができ、さらに大きなレーザ光出力を用いても安定した記録再生を行うことが可能となる。
【0079】
なお、上述においては、本発明の実施の形態として、磁気超解像方式により光磁気ディスク50に対して記録再生を行う光ディスク装置10に備えられる光学ピックアップ12における光学系の位相を調整する場合について具体的に説明したが、本発明は、各種の光ディスクに対して記録再生を行う場合に用いられる光学ピックアップに対して広く適用することが可能であることは勿論である。
【0080】
また、上述の説明においては、光学ピックアップ12における光学系の位相を調整するに際して、1/2波長板36を回転操作するものとしたが、位相調整の対象としては、特に1/2波長板36に限定されるものではなく、光学ピックアップ12に備えられる他の位相補償機構を調整することにより光学系の位相を調整するとしてもよい。
【0081】
【発明の効果】
本発明では、CNRを観察しながら光学ピックアップ装置における光学系の位相を調整する従来の手法と異なり、調整用光ディスクの位相異常領域の位置で得られる出力信号(RF信号)レベルの変化に基づいて光学系の位相を調整している。RF信号は光ディスクの位相異常領域で急峻に変化するため、このRF信号に基づいて位相を調整することによって調整目標とする位相位置を極めて高精度に確定することが可能となる。この点と併せて、所定の調整用光ディスクを用いて位相を調整していることから、光学ピックアップ装置毎の位相のばらつきを効果的に抑制することができる。
【0082】
したがって、光ディスクの高記録密度化や光ディスク装置の高転送レート化に対応してレーザ光の出力を増大させた場合であっても、本発明により光学系の位相が高精度に調整された光学ピックアップ装置を利用すれば、RF信号の劣化を防止することができ、安定且つ確実な記録再生を実現することができる。また、本発明によれば光学ピックアップ装置毎の位相のばらつきを効果的に抑制できることから、例えば特定の光ディスク装置では再生できた光ディスクが他の光ディスク装置では再生できないなどといった事態が生じることを防止して、光ディスク装置同士の互換性を向上させることができる。
【0083】
また、本発明では、調整用光ディスクの位相異常領域を利用して位相を調整していることから、調整後の光学ピックアップ装置の光学系は、この調整用光ディスクに生じている光学位相的な歪み成分(ディスクの方位)に即した位相に調整することができる。
【0084】
したがって、レーザ光の出力を増大させた場合であっても、ディスクの方位がRF信号に及ぼす影響を抑制することができ、エラーレートの悪化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る位相調整方法を採用する光ディスク装置の一例を示す機能ブロック図である。
【図2】同光ディスク装置に搭載される光学ピックアップに備えられる光学系の一例を示す模式図である。
【図3】本発明に係る位相調整方法で用いる調整用光ディスクの概略を示す概略平面図である。
【図4】同調整用光ディスクに存在する瑕部近傍について模式的に示す要部拡大図である。
【図5】同調整用光ディスクの瑕部に掛かる位置に存在する記録トラックを再生した場合に得られるRF信号の出力波形の一例を示す模式図である。
【図6】同調整用光ディスクの瑕部周辺に存在する位相異常領域に掛かる位置に存在する記録トラックを再生した場合に得られるRF信号の出力波形の一例を示す模式図である。
【図7】同調整用光ディスクの別の瑕部における場合の例について説明する図であり、図7(a)は、この別の瑕部の概略を示す要部拡大断面図であり、図7(b)は、図7(a)に示す断面形状の瑕部に掛かる位置に存在する記録トラックを再生した場合に得られるRF信号の出力波形の一例を示す模式図である。
【図8】同調整用光ディスクの位相異常領域において、1/2波長板を調整目標位置(角度α°)まで回転させたときに得られるRF信号の出力波形の一例を示す模式図である。
【図9】同調整用光ディスクの位相異常領域において、1/2波長板を調整目標位置から−x°だけ回転させたときに得られるRF信号の出力波形の一例を示す模式図である。
【図10】同調整用光ディスクの位相異常領域において、1/2波長板を調整目標位置からx°だけ回転させたときに得られるRF信号の出力波形の一例を示す模式図である。
【図11】本発明に係る位相調整方法におkる1/2波長板の角度に対するRF信号の信号レベル変化と、従来の位相調整方法における1/2波長板の角度に対するCNR変化との様子を示す模式図である。
【符号の説明】
10 光ディスク装置、11 スピンドルモータ、12 光学ピックアップ、30 半導体レーザ、31 コリメータレンズ、32 ビームスプリッタ、33ミラー、34 対物レンズ、35 1/4波長板、36 1/2波長板、37集光レンズ、38 偏向ビームスプリッタ、39 第1の光検出器、40 第2の光検出器、50 光磁気ディスク、60 調整用光ディスク、65 瑕部、66 記録トラック
Claims (4)
- 光ディスクに対して所定の波長域の光を照射して戻り光を検出することにより、当該光ディスクに記録された情報を読み取る光学ピックアップ装置における光学系の位相を調整する位相調整方法において、
位相異常が生じている位相異常領域を有する所定の調整用光ディスクに対して、上記光学ピックアップ装置により上記位相異常領域の位置で読み取り動作を行ったときに得られる出力信号レベルの変化が最小となるように上記光学ピックアップ装置の戻り光学系に備えられた位相補償機構を調整すること
を特徴とする光学ピックアップ装置の位相調整方法。 - 上記位相異常領域としては、上記調整用光ディスクの情報読み取り面に生じた物理的な瑕部の近傍で、戻り光の光量が正常である記録トラックのうち、上記瑕部に最も近い位置に存在する記録トラックを選択すること
を特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ装置の位相調整方法。 - 上記位相異常領域としては、読み取り動作を行ったときに正弦波形状の出力信号レベルの変化が得られる領域を選択すること
を特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ装置の位相調整方法。 - 上記出力信号レベルの変化を最小とするに際しては、上記位相補償機構として備えられた1/2波長板を光軸を中心として回転操作すること
を特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ装置の位相調整方法。
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