JP2004094747A - 販売支援サーバ、販売支援システム、販売支援方法及び販売支援プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】販売会社に適正な見積り価格を算出させ、顧客に質の高いサービスを提供すること。
【解決手段】販売会社が見積りを入力する見積り入力用画面に、見積り価格を算出する際に参考となる情報として、その顧客の見積依頼回数501、前回の担当者名502、顧客情報503、顧客の車両購入履歴504、見積りを希望している仕様情報505、その仕様でのメーカ希望小売価格506、自動返答用の見積り価格507、前回提示した見積り価格508、顧客により入力された希望購入価格509、見積り可能最低価格510を表示する。
【選択図】 図5
【解決手段】販売会社が見積りを入力する見積り入力用画面に、見積り価格を算出する際に参考となる情報として、その顧客の見積依頼回数501、前回の担当者名502、顧客情報503、顧客の車両購入履歴504、見積りを希望している仕様情報505、その仕様でのメーカ希望小売価格506、自動返答用の見積り価格507、前回提示した見積り価格508、顧客により入力された希望購入価格509、見積り可能最低価格510を表示する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、販売支援サーバ、販売支援システム、販売支援方法、販売支援プログラム並びに記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ネットワークを介して顧客に様々なパーツを選択させ、選択したパーツを組み合わせた車両の希望小売価格を提示するサービスが存在する。このようなサービスはBTO(Build To Order)と呼ばれ、基本的には、製造メーカーが管理するサーバと、クライアント端末との間のネットワークで情報をやりとりする。しかし、最近では、メーカーが希望小売価格を提示するのみならず、BTOサービスの一環として、車両の販売会社が独自に決定した見積り価格を顧客に提示することも行っている。このように見積り価格を提示する場合、メーカーのサーバは、あらかじめ用意していた定型文に、販売会社から送られてきた見積り価格の記載を埋め込み、見積り価格を要求してきたすべての顧客に対し、自動的にメールで返答していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のシステムでは、メールで定型文を送り返すだけなので、顧客に対して味気ない印象を与えかねない。また、販売会社と顧客とのコミュニケーションが希薄になり、顧客がなぜその見積り価格での購入をやめたのか、見積り価格がどのくらい安ければ購入を決めていたのかなど、店頭販売で得ることのできた情報が得られなくなっていた。
【0004】
従って、そのようなシステムは見積り価格を更新する材料に乏しく、見積り価格はほぼ一定であった。これにより、一部の顧客からは、見積り価格が高すぎるとの声や、車両購入時の値段交渉を楽しむことができないという不満の声もあった。
【0005】
かといって、顧客からの見積り要求に応じて闇雲に見積り価格を算定すると、販売員がその顧客に対して過去に提示した見積り価格よりも不適正に高い見積り価格を提示してしまう可能性があり、顧客に対して強い不快感を与えかねない。
【0006】
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、販売会社に適正な見積り価格を算出させ、顧客に質の高いサービスを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
車両の販売会社が使用する販社端末と、顧客が使用するクライアント端末と、顧客を識別する顧客情報と該顧客に対して提示した見積り価格と該見積り価格についての仕様情報とを関連づけて記憶したデータベースと、に対してネットワークを介して相互に通信可能な販売支援サーバであって、
前記クライアント端末から、前記顧客情報と、車両の仕様を特定する仕様情報と、見積り要求とを受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段で受信した前記顧客情報に基づいて前記データベースから、前記顧客に対して過去に提示した見積り価格を読出し、前記第1受信手段で受信した顧客情報及び前記仕様情報とともに、前記販社端末に送信する送信手段と、
を含むことを特徴とする。
【0008】
前記送信手段は、前記データベースから読出した見積り価格についての前記仕様情報と、前記第1受信手段で受信した前記仕様情報とを比較し、その仕様差を前記販社端末に送信することを特徴とする。
【0009】
前記データベースは、更に前記見積り価格を算定した者の算定者識別情報を記憶しており、
前記送信手段は、前記データベースから、過去に提示した前記見積り価格と共にその見積り価格を算定した者についての算定者識別情報も読出し、前記販社端末に送信することを特徴とする。
【0010】
前記送信手段で前記販社端末に送信した前記仕様情報に対応する見積り価格を前記販社端末から受信する第2受信手段を更に有し、
前記送信手段は、前記第2受信手段で受信した前記見積り価格が、前記顧客に対して過去に提示した前記見積り価格よりも高い場合には、前記販社端末に警告し、確認を求めることを特徴とする。
【0011】
前記送信手段で前記販社端末に送信した前記仕様情報に対応する見積り価格を前記販社端末から受信する第2受信手段を更に有し、
前記送信手段は、前記データベースから読出した見積り価格についての前記仕様情報と前記第1受信手段で受信した前記仕様情報との仕様差を考慮して、前記第2受信手段で受信した前記見積り価格と、前記顧客に対して過去に提示した前記見積り価格とを比較し、前記第2受信手段で受信した前記見積り価格が不適正に高い場合には、前記販社端末に警告し、確認を求めることを特徴とする。
【0012】
前記送信手段は、前記顧客に対して過去に提示した前記見積り価格に基づいて、前記クライアント端末に返信すべき最適な見積り価格を算出し、前記販社端末に送信することを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係るシステムは、
車両の販売会社が使用する販社端末と、顧客が使用するクライアント端末と、顧客を識別する顧客情報と該顧客に対して提示した見積り価格と該見積り価格についての仕様情報とを関連づけて記憶したデータベースと、車両の製造会社が管理する販売支援サーバと、をネットワークを介して相互に通信可能とした販売支援システムであって、
前記販売支援サーバは、
前記クライアント端末から、前記顧客情報と、車両の仕様を特定する仕様情報と、見積り要求とを受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段で受信した前記顧客情報に基づいて前記データベースから、前記顧客に対して過去に提示した見積り価格を読出し、前記第1受信手段で受信した顧客情報及び前記仕様情報とともに、前記販社端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
車両の販売会社が使用する販社端末と、顧客が使用するクライアント端末と、顧客を識別する顧客情報と該顧客に対して提示した見積り価格と該見積り価格についての仕様情報とを関連づけて記憶したデータベースと、車両の製造会社が管理する販売支援サーバと、を用いた販売支援方法であって、
前記販売支援サーバが前記クライアント端末から、前記顧客情報と、車両の仕様を特定する仕様情報と、見積り要求とを受信する受信ステップと、
前記販売支援サーバが、前記受信ステップで受信した前記顧客情報に基づいて前記データベースから、前記顧客に対して過去に提示した見積り価格を読出し、前記受信ステップで受信した顧客情報及び前記仕様情報とともに、前記販社端末に送信する送信ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、
車両の販売会社が使用する販社端末と、顧客が使用するクライアント端末と、顧客を識別する顧客情報と該顧客に対して提示した見積り価格と該見積り価格についての仕様情報とを関連づけて記憶したデータベースと、車両の製造会社が管理する販売支援サーバと、を用いて顧客に対する見積り価格の提示を行う販売支援プログラムであって、
コンピュータに、
前記クライアント端末から、前記顧客情報と、車両の仕様を特定する仕様情報と、見積り要求とを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した前記顧客情報に基づいて前記データベースから、前記顧客に対して過去に提示した見積り価格を読出し、前記受信ステップで受信した顧客情報及び前記仕様情報とともに、前記販社端末に送信する送信ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明に係る記憶媒体は上記販売支援プログラムを格納したことを特徴とする。
【0017】
【発明の効果】
上記の本発明によれば、販売会社に適正な見積り価格を算出させ、顧客に質の高いサービスを提供することができる。
【0018】
請求項1に係る発明によれば、販売会社は、同一の顧客に過去に提示した見積り価格を参照して、今回提示できる見積り価格の上限を把握することができる。つまり、同一顧客に対し誤って前回よりも高い見積り価格を提示することを防止し、適正な見積り価格を提示することができる。
【0019】
また、請求項2に係る販売支援サーバは、前回の見積依頼の対象となった仕様と、今回の見積依頼の対象となる仕様との仕様差を販売会社に送信するので、販売会社はこの仕様差を考慮に入れて適正な見積り価格を提示することができる。
【0020】
また、請求項3に係る販売支援サーバは、過去に提示した見積り価格の算定者を販売会社に知らせることができるので、販売会社は、同じ顧客に対して常に同じ販売員に見積りを算定させることが可能となり、適正な見積り価格を提示しやすくなる。
【0021】
また、請求項4に係る販売支援サーバは、同一顧客に対し誤って前回よりも高い見積り価格を提示しそうな場合に販売会社に警告するため、更に確実に適正な見積り価格を提示することができる。
【0022】
また、請求項5に係る販売支援サーバは、前回の見積りとの仕様差を考慮した上で、同一顧客に対し誤って不適正に高い見積り価格を提示しそうな場合に、販売会社に警告するため、更に確実に適正な見積り価格を提示することができる。
【0023】
また、請求項6に係る販売支援サーバは、前記顧客に対して過去に提示した前記見積り価格に基づいて、前記クライアント端末に返信すべき最適な見積り価格を販売会社に提示するので、販売会社は、更に適正な見積り価格を顧客に提示しやすくなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素の相対配置、表示画面等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0025】
まず、本発明の実施形態としての販売支援システムは、ネットワークを介して顧客に様々なパーツを選択させ、選択したパーツを組み合わせた車両の希望小売価格及び見積り価格を提示するBTO(Build To Order)サービスを提供するものである。
【0026】
従って、以下の実施形態において個別仕様車とは、本販売支援システムのBTOサービスを利用して、複数のパーツや色などの選択肢の中から、顧客が自分の好みに応じた仕様を選択して組み合わせた車両である。
【0027】
また、顧客とは、本実施形態に係るシステムにアクセスして、そのサービスを受けることが可能な者であって、個別仕様車の購入を検討している見込み客等である。
【0028】
<システム全体の構成>
図1は、本実施形態に係る販売支援システムの全体構成を示す概念図である。
【0029】
同図において、販売支援システムは、車両の販売支援サーバとしてのBTOサーバ1と、クライアント端末であるデスクトップコンピュータ2やPDA3と、販売会社ごとに設置され管理されている販社端末4(4a〜4c)とを含み、これらはそれぞれインターネット5及びイントラネット6を介して相互に通信可能となっている。なお、ここでは、図面の関係上、クライアント端末は2つ、販社端末は3つしか示していないが、本システムがこれ以上の数のクライアント端末や販社端末を含みうることは言うまでもない。
【0030】
このうち、BTOサーバ1は、更にデータベース100とも通信可能であり、デスクトップコンピュータ2やPDA3における操作や、販社端末4からの指示に応じて、データベース8への各種情報の書き込み・読み出しが可能である。
【0031】
更に、図示はしていないが、BTOサーバ1は、BTOサービス用の画面をデスクトップコンピュータ2やPDA3に表示するためのプラグインを含むウェブコンテンツや、デスクトップコンピュータ2やPDA3から車両の仕様情報を受信し、受信した仕様情報に応じた希望小売価格や見積り価格をデータベース8から読出してそれらの端末に返信するためのCGI(Common Gateway Interface)プログラムを備えている。また、BTOサーバ1は、IPアドレスを割り当てられた一般的なサーバのハードウェア構成を有しており、通信デバイスの他、CPUやメモリ、ハードディスクなどを備え、インターネット上の他のサーバやデータベースへのアクセスが可能となっている。
【0032】
これにより、顧客は、インターネットを介してBTOサーバ1にアクセスし、BTOサーバに用意されているウェブコンテンツを、デスクトップコンピュータ2やPDA3にインストールされたブラウザで閲覧しながら、所望の個別仕様車の見積り価格を取得することができる。
【0033】
デスクトップコンピュータ2やPDA3や販社端末4a、4b、4cは、一般的な情報端末であって、少なくとも、TCP/IPなどの一般的な通信プロトコルを利用した通信デバイス、その通信デバイスを利用してインターネット3上のサーバにアクセスしてウェブコンテンツを閲覧するためのブラウザ、及び、インターネットの接続された端末との間でメールのやりとりを行うメーラーを有している。もちろん、ブラウザやメーラーを実行するためのCPUやメモリも実装されている。
【0034】
一方、データベース8には、図のように、顧客情報データベース801、見積り価格データベース802、メーカー希望小売価格データベース803、販売会社別返送メール書式データベース804、参考情報データベース805、市場相場価格データベース806が含まれている。そして、それぞれのデータベースには以下の情報が適宜関連付けがなされた状態で記憶されている。
【0035】
顧客情報データベース801:顧客名称、顧客ID、パスワード、メールアドレス、住所、電話番号、見積り要求ID等の情報を相互に関連づけて記憶している。なお、見積り要求IDは、過去に要求した見積りに関するデータを識別する情報であり、この見積り要求IDを参照することによって、見積り価格データベースから、見積依頼回数はもちろん、見積り依頼及び回答の日時や見積りを行なった販売会社についての情報を読出すことが可能である。
【0036】
見積り価格データベース802:顧客が個別仕様車を特定するために予め用意された複数の仕様情報と、この仕様情報によって特定される個別仕様車を販売する際の見積り価格とを相互に関連づけて記憶している。なお、この見積り価格は、販売会社別に記憶されており、過去の見積り履歴なども記憶している。
【0037】
メーカー希望小売価格データベース803:仕様情報によって特定される複数の個別仕様車と、それぞれの個別仕様車に対してメーカーが予め設定しているメーカー希望小売価格とを相互に関連づけて記憶している。
【0038】
返送メール書式データベース804:顧客からの見積依頼に対して見積り価格を提示する際に用いられる書式データ(テンプレート情報)を記憶している。本実施形態においては、見積りの回答は電子メールによって行われるため、この書式データはメーラーに対応したテンプレート形式となっている。
【0039】
参考情報データベース805:販売会社の販売員が見積り価格を算定する際に参考となる情報として、販売会社ごとの販売履歴などを記憶している。
【0040】
市場相場価格データベース806:他の車両メーカーが販売している各種車両に関する価格情報を記憶している。例えば、個々の販売会社が見積り価格を顧客に提示したり、或いは見積り価格データベースのデータを更新したりする際に参照される。
【0041】
また、ここでは図示していないが、データベース8には、この他にも販売会社についての情報(販売員や住所など)を格納したデータベースや、各車種ごとに選択可能なパーツについての情報を格納したデータベースなどが含まれている。
次に、見積り価格データベース802の詳しい内容について、図2を用いて説明する。図のように見積り価格データベース802は、全販売会社のそれぞれについて個別に用意されている。
【0042】
そして、各販売会社用の見積り価格データベース802には、以下のデータが含まれる。
【0043】
最新見積り価格データ802a:顧客からの見積依頼に対して自動提示する見積り価格が記憶される。販売会社が個別的に顧客に返答した見積り価格は、例外的な場合を除き、原則として自動返答用の見積り価格としてここに格納される。ただし、見積り価格の新鮮さを維持するため、ここに記憶された見積り価格は所定期間経過後に自動的に消去される。従って、顧客から見積依頼があっても、その仕様情報に対応する見積り価格が格納されていない可能性もある。また、このデータは、販売会社の代表者の承諾の元での操作によっても入力・更新できる。
【0044】
見積り価格履歴データ802b:顧客に対して過去に見積りを行った価格であって、最新の見積り価格でないものが記憶されている。つまり、ここに記憶されているのは、一度は最新見積り価格データ802aとして記憶されたが、更新により上書きされた見積り価格、或いは所定期間経過したことにより削除された見積り価格である。
【0045】
自動返答禁止顧客データ802c:自動返答を行ってはならない顧客のIDが記憶されている。得意先などには、自動返答による悪い印象を回避する必要がある。そこで、このデータ802cを参照することによって、自動返答を行っても良い相手か否かを判定している。
【0046】
見積り回数データ802d:顧客ごとに見積り要求を行った回数を記憶したデータである。同じ販売会社に対して何度も見積り要求を行って来ている顧客は、かなり購買意欲が高いと考えられる。従って、そのような顧客とより親密な関係を築き、車両の購入を促すために、顧客ごとに見積り要求をカウントし、所定の回数を超えた顧客は、有望な見込み客として、自動返答禁止データ802cに登録し、自動返答を禁止させる。
【0047】
例外見積り価格データ802e:例えば、販売会社の諸般の事情(販売状況の改善)のために例外的に低い見積り価格を提示した場合など、販売会社で個別的に算出した見積り価格が通常自動返答される見積り価格と大きくかけ離れている場合には、例外的な見積り価格データとして、ここに格納される。
【0048】
仕様グループデータ802f:見積り要求を受信して、最新見積り価格データ802aを参照する際に、検索すべき仕様グループを記憶している。つまりこのデータは、見積り要求と共に受信した仕様情報がどの仕様グループに属しているかを判断するために用いられる。そして、このデータを用いて仕様グループが分かると、最新見積り価格データ802aのその仕様グループに対応する見積り価格を検索する。
【0049】
例えば、見積り要求された仕様が、ベースモデルAタイプ+エンジンB+ミッション4段AT+タイヤC+インテリアDタイプ+オーディオEタイプだとする。そして、例えば、仕様グループデータ802fの中に、ベースモデルとエンジンとミッションの組合せによって定義されたグループが含まれているとする。この場合、受信した仕様情報から、仕様グループデータ802fを検索して、ベースモデルAタイプ+エンジンB+ミッション4段ATによって定義されたグループXが導き出される。すると、次に、最新見積り価格データ802aの中で、グループXに属する個別仕様車のいずれかについて見積り価格が記憶されているか否か検索する。そして、グループXに属する個別仕様車のうち、ベースモデルAタイプ+エンジンB+ミッション4段AT+タイヤC+インテリアDタイプ+オーディオFタイプについて見積り価格200万円が最新見積り価格データ802aとして記憶されているとすると、見積り要求のあった仕様情報とオーディオのタイプのみ異なるだけなので、オーディオの差額が2万円だとすると、その差額分の補正を加えて、200+2=202万円という見積り価格を自動的に算出し提示する。グループXに属する個別仕様車に対して全く見積り価格が記憶されていない場合には、販売会社が個別的に見積り価格を算出することになる。
【0050】
つまり、見積り価格データベースは、個別仕様車の一部についてのみ見積り価格を記憶しており、見積依頼として受信した仕様情報の見積り価格が最新見積り価格データとして記憶されていない場合には、その仕様情報に近い仕様の見積り価格を読出し、読出した見積り価格に補正を加えて、クライアント端末に送信する。これによれば、データベースの記憶容量を削減でき、見積り価格の更新作業が容易になる。
【0051】
見積り可能最低価格データ802g:販売会社内で各仕様の車両につけることが許可されている最低の価格が格納される。
【0052】
自動返答許容値設定データ802h:見積り価格を最新見積り価格データ802aから読出して自動返答するか否かの判定に用いられる。自動返答見積り価格と市場相場価格との許容価格差や、自動返答見積り価格と顧客が購入を希望する希望価格との許容価格差などが格納されている。
【0053】
見積り返答販売員データ802i:見積りの返答を行った販売員が各見積り要求に関連づけられて格納されている。
【0054】
なお、ここでは見積り価格データベース802が、販売会社ごとに用意されているとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、販売会社の販売員ごとに用意して、販売員ごとに異なる見積り価格を顧客に提示できるシステムとしても良い。顧客が販売店(販売会社)に来店して商談する場合には、販売員が個人的に決定した見積り額を提示することができる。従って、販売員ごとに見積り価格を記憶しておくことは、より人対人の販売形態に近い態様で顧客にサービスを提供できることになる。
【0055】
また、ここでは最新見積り価格データ802aには、販売会社が個別的に算定した見積り価格が、記憶されており、しかも、一定期間経過後消去されるものとしているため、顧客が選択しうる全ての個別仕様車に対応する見積り価格は記憶されていない。しかし、本発明はこれに限定されず、全ての個別仕様車に対応する見積り価格を記憶しておき、一定期間ごとに見直しを促す構成でも良い。
【0056】
また、BTOサーバ1は、製造会社によって管理されているが、見積り価格データベースに含まれる見積り価格データは、製造会社によって更新されることはなく、販社端末からのアクセスによってのみ更新可能となっている。従って、製造会社は見積り価格をコントロールすることはできず、見積り価格は、販売会社が独自に設定できる。
【0057】
<サービス利用時の処理の流れ>
次に、図3乃至図8を用いて、本販売支援システムを用いたサービス提供処理の流れについて説明する。
【0058】
まず、顧客が、クライアント端末としてのデスクトップコンピュータ2やPDA3を用いてインターネットに接続し、BTOサーバ1のURL(例えば、HTTP://www.BTO.comなど)にアクセスする。これに対し、BTOサーバ1は、予め用意しているWebコンテンツをクライアント端末に表示させる。
【0059】
図4は、そのWebコンテンツの表示画面の一例を示す図である。この画面は、仕様の設定及びメーカ希望小売価格の表示を行う画面であり、仕様選択フィールド401と、選択された仕様に基づく車両の外観表示フィールド402と、内装表示フィールド403と、メーカー希望小売価格表示フィールド404と、選択済みの詳細仕様リスト表示フィールド405とを含む。
【0060】
仕様選択フィールド401は、エンジンを選択するステップ1、駆動系(2輪駆動か4輪駆動かなど)を選択するステップ2、外装を選択するステップ3、内装を選択するステップ4、電装系を選択するステップ5、そして、販売会社ごとに独自に用意している販売会社オプションを選択するステップ6の6つのステップで仕様を決定できるように、各ステップごとにタブが用意されている。
【0061】
顧客が、ステップS301で各タブを選択して、エンジンや駆動系などをそれぞれ選択すると、その情報がBTOサーバ1に送られる。BTOサーバ1では、ステップS302でその選択に応じた外観イメージや内装イメージ、そして希望小売価格をそれぞれデータベースから読出す。そしてステップS303でその希望小売価格についての情報をクライアント端末に返信する。これにより、クライアント端末上では、ステップS304で外観表示フィールド402や内装表示フィールド403に表示されたイメージ及びメーカー希望小売価格表示フィールド404の価格などが、顧客の仕様選択操作に応じてリアルタイムに変更されることになる。
【0062】
すなわち、図4の画面を表示させた状態で顧客がクライアント端末を操作して仕様を選択していくことにより、図3における、仕様選択操作受付(S301)、データベース検索(S302)、希望小売価格返答(S303)、希望小売価格表示(S304)が繰り返し行われる。
【0063】
図4の仕様選択画面において、顧客からある程度の仕様選択情報が入力されると、見積要求ボタン406及び商談申込ボタン407が選択可能となる。通常の手順では、顧客は、商談申込ボタン407を選択する前に見積要求ボタン406を選択する。見積要求ボタン406が選択され、BTOサーバ1が見積り要求を受信すると、BTOサーバ1は、クライアント端末に対し、販売会社選択画面及び顧客情報入力画面を表示するための表示データを送信し、見積り価格を算定する販売会社の選択を要求し、更に簡単な顧客情報の入力を要求し、見積要求ボタン406が選択された時点の図4の仕様選択画面をBTOサーバ1内に保存する。
【0064】
ここで要求する顧客情報は、他の顧客との識別に用いられるものであり、必ずしも住所や本名を含むものではないが、本システムでは電子メールで見積り価格を返答するため、少なくとも電子メールアドレスを含む。ただし、本発明は、見積り価格の返答を電子メールで行うことに限定するものではない。つまり、図4の仕様選択画面上に見積り価格表示フィールドを設け、そのフィールドに表示する方法を用いても良い。その場合には、顧客情報として電子メールアドレスを要求する必要はなく、BTOサーバ1内で顧客を識別するための顧客IDのみでもよい。もちろん、その他にパスワード等を要求してもかまわない。
【0065】
また、顧客情報の入力画面には、更に、希望価格入力欄及びコメント欄が用意されており、この価格なら購入しても良いと思われる価格を入力したり、或いは販売会社に対してコメントしたりすることが可能となっている。
【0066】
更に、見積を要求してきた回数に応じて、入力を要する顧客情報を増やしても良い。例えば、1回目の見積要求は電子メールアドレスの入力によって可能であるが、2回目には、電子メールアドレスが入力された時点で顧客情報データベース801及び見積り回数データベース802dを検索して、見積依頼回数が2回以上であること及び未だ住所や氏名が入力されていないことが分かった場合には、更なる顧客情報が入力されないと見積要求ボタン406が選択できないように制御しても良い。このようにすれば、顧客がいたずらに何度も見積りを要求することがなくなり、サーバの負荷や販売会社の負担を軽減することができる。
【0067】
なお、図4のような仕様選択画面を表示する前に、顧客にこれらの顧客情報の入力を要求しても良い。その場合には、データベース検索処理S302と同時に、顧客の顧客情報を顧客情報データベース801に登録する処理を行うことになる。
【0068】
図3のステップS305において、クライアント端末で販売会社が選択され、顧客情報が入力されると、その情報がBTOサーバ1に送信され、BTOサーバ1はステップS306において、受信した仕様情報及び顧客情報と見積り価格データベース802とから、見積り価格を自動返答しても良いか否か判定する。
【0069】
自動返答しても良いと判定した場合には、ステップS307に進み、仕様情報を用いて見積り価格データベース802から見積り価格を読出す。そして、ステップS311に進み、返送メール書式データベースから803から読出した電子メールのテンプレートに、データベースから読出した見積り価格を埋込み、クライアント端末に送信する。同時に販売会社に対しても、どの顧客にどのような見積り価格を自動返答したかを通知する(S323)。
【0070】
一方、自動返答すべきでないと判定した場合には、ステップS308に進み、仕様情報及び顧客情報を販社端末4に送信して、個別的な見積りの算定を依頼する。なお、本実施形態では、販売会社に対する見積り依頼を販売会社宛の電子メールで行う。
【0071】
BTOサーバ1は、販売会社が見積価格を入力するためのウェブコンテンツを有しており、見積り依頼メールにそのページへアクセスするためのURLを埋め込む。つまり、販売会社に対する見積依頼メールには、見積入力用URLが埋め込まれており、ステップS309において、販売会社の担当者が販社端末4で見積依頼メールを受信し、メールを開いてそのURLを選択すると、販社端末4のWebブラウザが、BTOサーバ1内のその見積依頼に対応したウェブコンテンツにアクセスするようになっている。その結果、販社端末4のディスプレイには図5のような画面が表示される。
【0072】
図5は、見積り入力用画面の例を示す図である。図5に示すように、見積り入力用画面には、見積り価格を算出する際に参考となる情報として、その顧客の見積依頼回数501、前回の担当者名502、顧客情報503、顧客の車両購入履歴504、見積りを希望している仕様情報505、その仕様でのメーカ希望小売価格506、自動返答用の見積り価格507、前回提示した見積り価格508、顧客により入力された希望購入価格509、見積り可能最低価格510、見積り価格入力欄511が示されている。
【0073】
これにより、例えば、見積依頼回数501を参照すれば、その顧客に対する最初の見積り提示なのか、再度の見積り提示なのかを判断できる。また、同一の顧客に前回提示した見積り価格508を参照すれば、今回提示できる見積り価格の上限が把握できる。なぜなら、同一顧客に対し前回よりも高い見積り価格を提示することは、顧客に対して非常に不誠実であり、顧客の信頼を失うことになりかねないからである。つまり、前回提示した見積り価格508は、販売員にとって、見積り価格の規制手段として機能する。
【0074】
また、前回提示した見積り価格508の右側には仕様検証ボタン515が設けられており、その仕様検証ボタン515を選択すると前回の見積依頼の対象となった仕様と、今回の見積依頼の対象となる仕様との仕様差がBTOサーバ1から送信され、販社端末に表示される。もちろん、前回の見積りの対象となった仕様情報のみを表示して、販売員に今回の見積り対象の仕様情報と比較させても良い。仕様差が存在する場合には、販売員は、前回提示した見積り価格508とを合わせて考慮することにより、今回、不適正に高い見積り価格を提示しないように慎重に見積り価格を算定することができる。
【0075】
図5のページで参考情報ボタン514が選択されると、図6に示す参考情報画面が表示される。参考情報としては、競合車種情報601、見積り車両の落札状況602、現在の顧客についての競合情報603、などが参考情報データベース805から読出され、販社端末に送信されて表示される。
【0076】
競合情報603には、その顧客がどのような販売店に対して見積りを依頼しているのかが示されている。ここで示される販売店は、同じBTOシステムを共有する販売店であって、まだ見積りを提示していない販売店も含まれている。
【0077】
競合情報603には、見積りを依頼されている販売店のうち、最も顧客の住所に近い販売店、その顧客が購入したことのある販売店、その顧客にサービスを提供したことのある販売店、更には懇意にしている販売員なども示されている。なお、もちろんこれらの情報は、顧客を完全に特定した場合に表示されるものであり、氏名や住所などの本質的な情報が入力されていない段階では、これらの競合情報603は表示されない。
【0078】
また、この競合情報603に示される販売店には、所定の基準に基づいて優先順位が付されている。この優先順位は、販売するのが望ましい販売店から順番に1〜nの番号が付されることによって示される。ただし、この優先順位は絶対的なものではなく、あくまでも目安である。例えば、顧客の住所と近距離の販売会社から順番に並べるだけでも良いし、顧客が見積り要求を行った順番に並べるだけでも良い。すなわち、図6の競合情報603ではC販売店が見積り順位1位として表示されているが、必ずC販売店が最低の見積り価格を提示しなければならないわけでもなく、顧客住所から近いので顧客とってはC販売店が最安値の見積りを提示した方が望ましいという程度のものである。
【0079】
以上のように、販売会社の販売員は、図5及び図6の画面から、見積りを算定するのに有用な情報を得ることができる。
【0080】
販売員が算定した見積り価格は、原則として自動返答用の最新見積り価格データ802aとして見積り価格データベース802に格納される。このため、販売員には、闇雲に低い見積り価格を提示しないように、慎重な見積り価格の算定を求める必要がある。図5や図6に示した参考情報は、そのような慎重な見積り価格の算定に寄与し、最新見積り価格データ802aが不適正なペースで下がることを防止できる。
【0081】
これらの参考情報から個別的に見積り価格を算定し、図5の入力欄511に見積り価格が入力され、OKボタン512が選択されると、図3のステップS310でBTOサーバ1にその見積り価格を送信する。
【0082】
BTOサーバ1は、受信した見積り価格が適正なものか否か判定し、不適正と判断すると、ステップS311に進む前に、販社端末に警告を送信し、承認を求める。具体的には、前回同じ顧客に提示した見積り価格と、受信した見積り価格とを、仕様差を考慮に入れつつ比較し、受信した見積り価格が高すぎないか判定する。前回の見積り要求と今回の見積り要求とで仕様差が無い場合には、前回提示の見積り価格よりも高ければ不適正と判断する。また、仕様差がある場合には、前回提示の見積り価格に仕様差を加味した見積り価格を算出し、その見積り価格よりも今回提示しようとする見積り価格が高い場合には不適正と判断する。また、更に、所定の最低価格を下回る価格を受信した場合にも不適正と判断する。
【0083】
承認取得ボタン513が選択されると、不図示の承認取得画面が表示され、その画面で所定のパスワードが入力された上でなら、入力欄511に入力された見積り価格がどのような値であったとしても適正なものと判定し、ステップS311に進む。
【0084】
ここで、見積り可能最低価格510は、販売会社内でその仕様の車両につけることが許可されている最低の価格である。これは、見積価格データベース802に格納されており、販売会社の特定の人間のみが更新可能なようにプロテクトされている。これにより、販売会社の販売員が許可無く不当に安い価格で車両を販売すること及び、前回の見積り価格よりも高い価格を見積りとして提示することを防止する。
【0085】
図5では、入力欄511は空白であるが、図5の表示時点で、前回提示した見積り価格及び前回見積りと今回見積りの仕様差などから導き出された推奨見積り価格を入力して表示する構成としても良い。これにより、販売員の見積り価格決定が容易になる。また、同じ顧客からすでに所定回数以上の見積依頼があった場合には、前回提示した見積り価格以下の金額を入力欄511に入力できないように制御してもよい。これによれば、顧客が見積依頼するたびに見積り価格が下がり続けることを防止することができる。
【0086】
また、入力欄511には、前回の担当者以外の者が入力できないようにすることも可能である。例えば、販売店の担当者ID及びパスワードをBTOサーバ1に登録しておき、前回担当者502のID及びパスワードの入力がなければ、入力欄511が変更できないようにすればよい。このような入力欄511に対する入力の制御は、BTOサーバ1に用意されたJAVA(登録商標)スクリプトやCGIプログラムやプラグインによって可能となる。CGIプログラムやプラグインを用いて、ウェブコンテンツへのデータ入力を制御することはすでに公知であるため、ここでは具体的なプログラムの内容は省略する。
【0087】
BTOサーバ1は、更に、ステップS310で、入力欄511に入力された見積り価格が適正と判定すると、この見積り価格を見積り価格データベースに格納する処理を行う。具体的には、どのような形で見積り価格データベース802に保存するかを選択する画面のデータを販社端末4に送信し、そのような画面を表示させる。販売会社の担当者は、その状態で販社端末4を操作することにより、個別的に算出・返答した見積り価格を、最新の自動返答見積り価格データとして保存するか、或いは、例外的な見積り価格データとして保存するかを選択できる。これにより、見積り価格データベースに記憶された自動返答用の見積り価格を適当な機会に更新させることができ、販売会社に過大な負担をかけることなく、適切な見積りを提示することができる。また、販社端末に対し、見積り価格データベースに記憶された自動返答用の見積り価格を上書きするか否かを問い合せるので、不適正な見積り価格が自動返答用として記憶されることを防止できる。つまり、販社端末は、自動返答用の見積り価格を更新する機会を十分に得ることができ、かつ、適正な見積り価格が自動送信されるようにコントロールできる。
【0088】
例えば、販売会社で個別的に算出した見積り価格をその後、自動返答される見積り価格として格納する場合には、最新の自動返答見積り価格データとして保存する。一方、販売会社で個別的に算出した見積り価格が、通常自動返答される見積り価格と大きくかけ離れている場合には、例外的な見積り価格データとして保存し、自動返答用の見積り価格を更新しないこととする。つまり、例外的に算出した見積り価格を自動返答用の見積り価格とは別途保存しておくので、自動返答用の見積り価格が低下しすぎたりすることもなく、適正な見積りを提示することができる。
【0089】
ここで、自動返答見積り価格データとして保存すると選択した場合には、販売会社の代表者の認証が必要となる。つまり、代表者のID及びパスワードを入力する画面が更に表示され、その入力がなければ例外的な見積り価格データとしてしか保存できないことになっている。これにより、販売会社において、所定の承認者のみがその承認IDを知っているような管理体制にしておけば、その販売会社における販売員が勝手にデータベースを上書きすることができず、より厳格に自動返答用の見積り価格をコントロールできる。
【0090】
また、自動返答用の見積り価格が上書きされると、更新前の見積り価格が、履歴として、見積り価格履歴データ802bに格納される。つまり、自動返答用の見積り価格を上書きする際に、過去の見積り価格をデータベース内に残しておくので、見積り価格の変動履歴を容易に把握することができる。このような変動履歴は、自動返答用の見積り価格をどのように更新すれば良いかを判断する際の参照情報として利用することができ、販売会社が自動返答用の見積り価格を更新しやすくなる。ひいては、見積り価格の機動的な更新によって顧客の購買意欲を喚起させることができる。
【0091】
なお、ここでは、選択画面を表示して販売会社担当者に選択を促す構成としたが、BTOサーバ1が自動的に選択しても良い。例えば、入力された見積り価格と自動返答用見積り価格との差が所定範囲にあるか否かを判定して、所定範囲内であれば自動返答用見積り価格データとして保存するという制御でもよい。
【0092】
また、言うまでもなく、販社端末からの直接の見積り価格更新操作によっても見積り価格データベースの最新見積り価格データを更新することができる。つまり、顧客からの見積依頼が無い場合にでも販社端末から直接の見積り価格更新処理を行うことができる。これにより、販売会社の販売員が適宜データベースを更新することができるため、見積り価格の機動的な更新によって顧客の購買意欲を喚起させることができる。
【0093】
次に、BTOサーバ1は、ステップS311において、受信した適正な見積り価格を盛り込んだ電子メールを作成し、クライアント端末に見積り価格提示メールを送信する。
【0094】
BTOサーバ1は、クライアント端末に提示する見積り価格を取得すると、見積要求ボタン406を選択した時点の図4の仕様選択画面に、更に見積り価格表示フィールド及び販売会社表示フィールドを加えた画面を生成し、固有のURLを割り当てる。そして、クライアント端末に送信される見積り価格提示メールに、この固有のURLを埋め込む。
【0095】
なお、見積り価格提示メールに記載すべきコメントをが作成しても良い。その場合には、ステップS310において、そのコメントが販社端末からBTOサーバ1に送信される。これにより、顧客に応じた文面の見積り価格提示メールをクライアント端末に送信することができ、より販売会社と顧客との関係を親密なものとすることができる。
【0096】
クライアント端末は、ステップS312で見積り価格提示メールを受信し、さらに埋め込まれたURLにアクセスすれば、見積要求ボタン406を選択した時点の図4の仕様選択画面に更に販売会社及びその販売会社での見積り価格をブラウザに表示することができる。したがって顧客は、見積り価格メールにて提示された見積り価格に不満がある場合には、仕様選択フィールド401を操作することによって、ステップS301に戻って仕様を検討しなおしたり、あるいは、再度見積要求ボタン406を押してステップS305に進み、他の販売会社に対して見積の要求を行ったりすればよい。もちろん、同じ販売会社に再度見積要求を行ってもよい。一方、顧客は、見積り価格メールにて提示された見積り価格に不満がない場合には、図4の画面で商談申込ボタンを選択すればよい。
【0097】
ステップS313で図4の画面で商談申込ボタン407が選択されると、詳細な顧客情報を入力する画面をクライアント端末に送信し、そこで入力された顧客情報が、仕様情報と販売会社情報と見積り価格と共にBTOサーバ1に送信される。
【0098】
BTOサーバ1では、商談申込を受け付けると、どの顧客がどの販売会社に対してどのような見積り価格で商談申込みを行ったのかを記憶し、さらに、ステップS314において、商談申込みの対象となった販売会社に対して、詳しい顧客情報と仕様情報及び見積り価格を含んだ商談申込通知を送信する。なお、各商談申込通知には、その商談を識別するための商談番号が付与されている。
【0099】
ステップS315において商談申込通知を受信した販売会社は、ステップS316に進んで、顧客との具体的な商談に入る。このステップS316では、例えば、料金の支払方法や納期、車の下取り価格などの情報交換を、メールを用いて、或いは販売員と顧客が直接話し合うことによって行い、最終的に、ステップS311で顧客が料金を支払い、販売会社が車両としての個別仕様車を納入することによって商談が終了する。
【0100】
商談が成立した販売会社は、ステップS317において、販社端末4でBTOサーバ1にアクセスして商談結果を入力する。ここでは、商談結果として、商談申込通知に付された商談番号と、最終的な販売額とを入力すればよい。
【0101】
BTOサーバ1では、ステップS318で商談結果を記憶し、更にステップS319に進んで、見積りを行った全ての販売会社に対してその結果(商談成立情報)を通達する。この通達は、図7に示すような文面のメールによって行われる。つまり、見積り依頼日701、顧客名702、顧客ID703、商談成立日704、商談成立販売会社名705、メール受信販売会社で提示した見積り価格706、商談成立販売会社が提示した見積り価格707、メール受信販売会社で見積りを出した仕様708、商談成立販売会社で見積りを出した仕様709が商談に入れなかった全販売会社に通知される。ここで、このメールの見出しを「商談不成立通知」としたのは、受信した販売会社にとって商談が不成立となったことを示すものだからである。つまり、第1販売会社にとっての商談成立情報は、第2販売会社に対する商談不成立通知となる。なお、この商談不成立通知には、上記項目の他、商談成立販売会社の販売状況を示す情報を含めても良い。
【0102】
各販売会社は、ステップS320において、販社端末4でこのような商談成立通知を受信すると、自社で付けた見積りが他社の見積りと比べてどれほど高かったのか、どれほどの見積りを出していれば顧客は購入を決めていたのかなど、見積り価格データベースの更新を行う際に参考になる情報を得ることができる。
【0103】
なお、図7に示すメールには、販売会社の自動返答用見積り価格を変更するためのページにアクセスするURLが埋め込まれていることが望ましい。そうすれば、販売会社は、そのメールに基づいて見直した見積り価格をすぐにデータベースに反映させることができる。
【0104】
また、見積りを要求した顧客が何れの販売会社とも商談に入っていない場合には、ステップS321で、BTOサーバ1が、図8に示すフォロー要請メールを各販売会社(或いは優先販売会社のみ)に送信する。フォロー要請メールとは、見積りを要求した顧客に対して購買意欲の確認をするように、販売会社に要請するためのメールである。図のように、このフォローメールには、販売会社の担当者名や、顧客のメールアドレスなどのほか、その顧客についての情報を表示するページへのURLや、その顧客が見積りを要求した仕様情報を表示するページへのURLが埋め込まれている。
【0105】
BTOサーバ1は、最後の見積り価格送信処理からの日数をカウントし、商談申込や商談成立情報の受信が無いままで例えば1ヶ月といった所定の期間が経過すると、自動的にフォロー要請メールを送信するようにプログラムされている。
【0106】
販売会社担当者は、販社端末4によって図8のフォロー要請メールを受信した場合には、その顧客に対して、フォローが必要か否か判断し、必要であれば、その顧客に直接フォローメール(見積りを要求した顧客に対して購買意欲の確認をするメール)を送信するなどして購入を促す。
【0107】
なお、BTOサーバ1が、最後の見積り価格送信処理からの日数をカウントし、商談申込や商談成立情報の受信が無いままで所定期間が経過した場合に、自動的に顧客に対しフォローメールを送信しても良い。
【0108】
<見積り自動返答の可否判定>
次に、図3のステップS306における判定内容について、図9を用いて詳しく説明する。
【0109】
まず、ステップS901で、クライアント端末から仕様情報及び顧客情報並びに見積り要求を受け付けると、ステップS902に進み、見積り要求に含まれる顧客情報を用いてデータベースを検索し、見積り履歴があるか否か判定する。見積り履歴があれば、ステップS903に進み、更に、履歴として残っている見積り要求が、今回の見積り要求の対象となった販売会社と同一販売会社に対するのか否か判定する。同一販売会社に対する見積り要求であれば、更にステップS904に進み、前回の見積り要求から所定期間内になされたものか否かを判定する。ステップS904で前回の見積り要求から所定期間内であれば、ステップS308に進み、仕様情報及び顧客情報を販社端末4に送信して、個別的な見積りの算定を依頼する。
【0110】
これらの判定により、同じ販売会社に対して所定期間内に何度も見積りを要求している場合には、購買意欲が高い顧客と判断して、個別的な見積りを行うことが可能となる。これにより、購買意欲が高い顧客に対し、より丁寧に対応することができる。なお、ステップS904とステップS308との間に、同じ仕様に対する見積り要求かを判定する処理及び、見積り要求が所定回数(3回又は4回など)以上かを判定する処理を挟み、同じ仕様に対して同じ販売会社に何度も見積り要求を行っている顧客は、見積り価格を下げることのみを目的とした顧客と判断して、見積り価格を自動返答してもよい。
【0111】
見積り履歴が無い場合、或いは、見積り履歴があっても、同一販売会社に対するものではない場合や、前回の見積りから所定期間以上経過している場合には、ステップS905に進み、自動返答禁止条件の検証を行う。
【0112】
この自動返答禁止条件の検証においては、自動返答禁止顧客データ802cを参照し、その顧客が、自動返答を行ってはならないものとして記憶されているか否かを判定する。これにより、得意客など、購買意欲が旺盛で非常に有望な見込み客だと判断できる顧客に対しては、丁寧な見積り提示を行うことができ、興味本位で見積りを要求してきた顧客と区別した対応を行うことができる。また、顧客からの見積依頼データに、顧客のコメントが含まれているか否かによっても判定する。これにより、コメントを添えて見積り要求を行った顧客は、購買意欲が高い顧客と見なして、より丁寧に対応することができる。逆に、コメントがない顧客は、購買意欲が高い可能性が比較的低いため、自動返答により見積り価格を提示し、販売会社の負担を軽減することができる。
【0113】
自動返答禁止顧客データ802cにその顧客が記憶されているか、又は、コメントがあれば、ステップS308に進み、仕様情報及び顧客情報を販社端末4に送信して、個別的な見積りの算定を依頼する。
【0114】
自動返答禁止条件に該当しなければ、ステップS906に進み、仕様情報を元に、最新見積り価格データ802aを参照する。そして、データベース802における見積り価格の更新から所定期間を経過したか否かを判定し、所定期間を経過していれば、ステップS308に進む。
【0115】
つまり、最新見積り価格データ802aに格納された見積り価格から、見積依頼を受けた仕様に対応する見積り価格を検索し、その見積り価格がいつ更新されたかを読出し、その更新日が、見積り返答日よりも、例えば6ヶ月以上まえであれば、その見積り価格は自動返答するには古すぎると判断して、個別的な見積りを行う。
【0116】
次に、ステップS906で、その仕様情報に対応する自動送信用見積り価格が最新見積り価格データ802aとして格納されているか否か判定し、格納されていない場合には、ステップS308に進む。
【0117】
さらに、ステップS906では、市場相場価格データベース806を参照して、最新見積り価格データ802aから読み出した見積り価格が、市場相場価格とかけ離れていないかを判定し、かけ離れていればステップS308に進む。つまり、仕様情報を用いて、市場相場価格データベース806から、比較対照となる車種の市場相場価格を読出し、最新見積り価格データ802aの見積り価格と比べて、その差が許容範囲内か否か判定し、許容範囲を超えていれば、最新見積り価格データ802の見積り価格は自動返答に適さないと判断して個別的な見積りを行う。
【0118】
これらの判定により、データベース内の自動返答用見積り価格が適正か否か判断し、適正だと判断した場合には、ステップS907に進んで、顧客から希望購入価格の入力があるか否か判定する。入力がなければ、ステップS908に進み、データベースから読出した自動返答用見積り価格を電子メールによって顧客に提示する。
【0119】
希望価格の入力があった場合には、ステップS909に進み、その希望価格と自動返答用見積り価格とで、どちらが高いかを判定する。希望価格よりも自動返答用見積り価格が低い場合には、何ら問題がないため、ステップS908に進み、データベースから読出した自動返答用見積り価格を電子メールによって顧客に提示する。
【0120】
ステップS909で、希望価格よりも自動返答用見積り価格の方が高いと判断すると、ステップS910に進んで、その価格差を算出し、その価格差が所定範囲内であるか否かを判定する。価格差が所定範囲内に無ければ、自動返答用の見積り価格が、顧客の希望からかけ離れて高いということになるため、自動返答をすると問題が大きいと判断し、ステップS308に進んで、個別的な見積りを行う。
【0121】
ステップS910での価格差が所定範囲内であれば、希望価格通りの見積り価格を提示すれば顧客の購買意欲が高まると考えられるため、ステップS911に進み、見積り価格として、希望価格と同じ価格を提示する。
【0122】
<本実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態に係る販売支援システムによれば、見積り価格を更新する材料を豊富に得ることができ、見積り価格を機動的に更新できる。また、顧客からの見積り価格が高すぎるとの声等を反映させることもできるため、顧客は、車両購入時の値段交渉を楽しむことが可能となる。
【0123】
更に、販売会社の販売員がすべての顧客に対し1回1回見積り価格を算定する訳ではなく、適宜、自動返答を行うため、販売会社での業務処理が煩雑になるということもない。
【0124】
すなわち、販売会社の業務処理と、顧客の要望とのバランスを考慮して、質の高いサービスを提供することができる。
【0125】
<他の実施形態>
尚、本発明は、上述したBTOサーバ1のCPUが、図3や図9で説明した各処理を実現可能なプログラムを何らかの記憶媒体から読み出して実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体としては読み書き可能な半導体メモリや、ハードディスクの他、光ディスクや磁気ディスクや光磁気ディスク等のあらゆる記憶デバイスを採用することができ、そのような記憶媒体やプログラムそのものも本発明の範疇に含まれる。従って、インターネット等を利用することにより電気通信回線を通じて伝達されるデータも本発明の範疇に含まれうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としての販売支援システムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態としての販売支援システムの見積り価格データベースの内部構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態としての販売支援システムによるサービス提供方法を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態に係るBTOサーバ1が提示する仕様選択画面の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るBTOサーバ1が提示する見積り入力画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るBTOサーバ1が提示する参考情報画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るBTOサーバ1が送信する商談不成立通知用電子メールの一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るBTOサーバ1が送信するフォロー要請用電子メールの一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るBTOサーバ1における自動返答の可否を判定する方法を示すフローチャートである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、販売支援サーバ、販売支援システム、販売支援方法、販売支援プログラム並びに記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ネットワークを介して顧客に様々なパーツを選択させ、選択したパーツを組み合わせた車両の希望小売価格を提示するサービスが存在する。このようなサービスはBTO(Build To Order)と呼ばれ、基本的には、製造メーカーが管理するサーバと、クライアント端末との間のネットワークで情報をやりとりする。しかし、最近では、メーカーが希望小売価格を提示するのみならず、BTOサービスの一環として、車両の販売会社が独自に決定した見積り価格を顧客に提示することも行っている。このように見積り価格を提示する場合、メーカーのサーバは、あらかじめ用意していた定型文に、販売会社から送られてきた見積り価格の記載を埋め込み、見積り価格を要求してきたすべての顧客に対し、自動的にメールで返答していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のシステムでは、メールで定型文を送り返すだけなので、顧客に対して味気ない印象を与えかねない。また、販売会社と顧客とのコミュニケーションが希薄になり、顧客がなぜその見積り価格での購入をやめたのか、見積り価格がどのくらい安ければ購入を決めていたのかなど、店頭販売で得ることのできた情報が得られなくなっていた。
【0004】
従って、そのようなシステムは見積り価格を更新する材料に乏しく、見積り価格はほぼ一定であった。これにより、一部の顧客からは、見積り価格が高すぎるとの声や、車両購入時の値段交渉を楽しむことができないという不満の声もあった。
【0005】
かといって、顧客からの見積り要求に応じて闇雲に見積り価格を算定すると、販売員がその顧客に対して過去に提示した見積り価格よりも不適正に高い見積り価格を提示してしまう可能性があり、顧客に対して強い不快感を与えかねない。
【0006】
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、販売会社に適正な見積り価格を算出させ、顧客に質の高いサービスを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
車両の販売会社が使用する販社端末と、顧客が使用するクライアント端末と、顧客を識別する顧客情報と該顧客に対して提示した見積り価格と該見積り価格についての仕様情報とを関連づけて記憶したデータベースと、に対してネットワークを介して相互に通信可能な販売支援サーバであって、
前記クライアント端末から、前記顧客情報と、車両の仕様を特定する仕様情報と、見積り要求とを受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段で受信した前記顧客情報に基づいて前記データベースから、前記顧客に対して過去に提示した見積り価格を読出し、前記第1受信手段で受信した顧客情報及び前記仕様情報とともに、前記販社端末に送信する送信手段と、
を含むことを特徴とする。
【0008】
前記送信手段は、前記データベースから読出した見積り価格についての前記仕様情報と、前記第1受信手段で受信した前記仕様情報とを比較し、その仕様差を前記販社端末に送信することを特徴とする。
【0009】
前記データベースは、更に前記見積り価格を算定した者の算定者識別情報を記憶しており、
前記送信手段は、前記データベースから、過去に提示した前記見積り価格と共にその見積り価格を算定した者についての算定者識別情報も読出し、前記販社端末に送信することを特徴とする。
【0010】
前記送信手段で前記販社端末に送信した前記仕様情報に対応する見積り価格を前記販社端末から受信する第2受信手段を更に有し、
前記送信手段は、前記第2受信手段で受信した前記見積り価格が、前記顧客に対して過去に提示した前記見積り価格よりも高い場合には、前記販社端末に警告し、確認を求めることを特徴とする。
【0011】
前記送信手段で前記販社端末に送信した前記仕様情報に対応する見積り価格を前記販社端末から受信する第2受信手段を更に有し、
前記送信手段は、前記データベースから読出した見積り価格についての前記仕様情報と前記第1受信手段で受信した前記仕様情報との仕様差を考慮して、前記第2受信手段で受信した前記見積り価格と、前記顧客に対して過去に提示した前記見積り価格とを比較し、前記第2受信手段で受信した前記見積り価格が不適正に高い場合には、前記販社端末に警告し、確認を求めることを特徴とする。
【0012】
前記送信手段は、前記顧客に対して過去に提示した前記見積り価格に基づいて、前記クライアント端末に返信すべき最適な見積り価格を算出し、前記販社端末に送信することを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係るシステムは、
車両の販売会社が使用する販社端末と、顧客が使用するクライアント端末と、顧客を識別する顧客情報と該顧客に対して提示した見積り価格と該見積り価格についての仕様情報とを関連づけて記憶したデータベースと、車両の製造会社が管理する販売支援サーバと、をネットワークを介して相互に通信可能とした販売支援システムであって、
前記販売支援サーバは、
前記クライアント端末から、前記顧客情報と、車両の仕様を特定する仕様情報と、見積り要求とを受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段で受信した前記顧客情報に基づいて前記データベースから、前記顧客に対して過去に提示した見積り価格を読出し、前記第1受信手段で受信した顧客情報及び前記仕様情報とともに、前記販社端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
車両の販売会社が使用する販社端末と、顧客が使用するクライアント端末と、顧客を識別する顧客情報と該顧客に対して提示した見積り価格と該見積り価格についての仕様情報とを関連づけて記憶したデータベースと、車両の製造会社が管理する販売支援サーバと、を用いた販売支援方法であって、
前記販売支援サーバが前記クライアント端末から、前記顧客情報と、車両の仕様を特定する仕様情報と、見積り要求とを受信する受信ステップと、
前記販売支援サーバが、前記受信ステップで受信した前記顧客情報に基づいて前記データベースから、前記顧客に対して過去に提示した見積り価格を読出し、前記受信ステップで受信した顧客情報及び前記仕様情報とともに、前記販社端末に送信する送信ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、
車両の販売会社が使用する販社端末と、顧客が使用するクライアント端末と、顧客を識別する顧客情報と該顧客に対して提示した見積り価格と該見積り価格についての仕様情報とを関連づけて記憶したデータベースと、車両の製造会社が管理する販売支援サーバと、を用いて顧客に対する見積り価格の提示を行う販売支援プログラムであって、
コンピュータに、
前記クライアント端末から、前記顧客情報と、車両の仕様を特定する仕様情報と、見積り要求とを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した前記顧客情報に基づいて前記データベースから、前記顧客に対して過去に提示した見積り価格を読出し、前記受信ステップで受信した顧客情報及び前記仕様情報とともに、前記販社端末に送信する送信ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明に係る記憶媒体は上記販売支援プログラムを格納したことを特徴とする。
【0017】
【発明の効果】
上記の本発明によれば、販売会社に適正な見積り価格を算出させ、顧客に質の高いサービスを提供することができる。
【0018】
請求項1に係る発明によれば、販売会社は、同一の顧客に過去に提示した見積り価格を参照して、今回提示できる見積り価格の上限を把握することができる。つまり、同一顧客に対し誤って前回よりも高い見積り価格を提示することを防止し、適正な見積り価格を提示することができる。
【0019】
また、請求項2に係る販売支援サーバは、前回の見積依頼の対象となった仕様と、今回の見積依頼の対象となる仕様との仕様差を販売会社に送信するので、販売会社はこの仕様差を考慮に入れて適正な見積り価格を提示することができる。
【0020】
また、請求項3に係る販売支援サーバは、過去に提示した見積り価格の算定者を販売会社に知らせることができるので、販売会社は、同じ顧客に対して常に同じ販売員に見積りを算定させることが可能となり、適正な見積り価格を提示しやすくなる。
【0021】
また、請求項4に係る販売支援サーバは、同一顧客に対し誤って前回よりも高い見積り価格を提示しそうな場合に販売会社に警告するため、更に確実に適正な見積り価格を提示することができる。
【0022】
また、請求項5に係る販売支援サーバは、前回の見積りとの仕様差を考慮した上で、同一顧客に対し誤って不適正に高い見積り価格を提示しそうな場合に、販売会社に警告するため、更に確実に適正な見積り価格を提示することができる。
【0023】
また、請求項6に係る販売支援サーバは、前記顧客に対して過去に提示した前記見積り価格に基づいて、前記クライアント端末に返信すべき最適な見積り価格を販売会社に提示するので、販売会社は、更に適正な見積り価格を顧客に提示しやすくなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素の相対配置、表示画面等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0025】
まず、本発明の実施形態としての販売支援システムは、ネットワークを介して顧客に様々なパーツを選択させ、選択したパーツを組み合わせた車両の希望小売価格及び見積り価格を提示するBTO(Build To Order)サービスを提供するものである。
【0026】
従って、以下の実施形態において個別仕様車とは、本販売支援システムのBTOサービスを利用して、複数のパーツや色などの選択肢の中から、顧客が自分の好みに応じた仕様を選択して組み合わせた車両である。
【0027】
また、顧客とは、本実施形態に係るシステムにアクセスして、そのサービスを受けることが可能な者であって、個別仕様車の購入を検討している見込み客等である。
【0028】
<システム全体の構成>
図1は、本実施形態に係る販売支援システムの全体構成を示す概念図である。
【0029】
同図において、販売支援システムは、車両の販売支援サーバとしてのBTOサーバ1と、クライアント端末であるデスクトップコンピュータ2やPDA3と、販売会社ごとに設置され管理されている販社端末4(4a〜4c)とを含み、これらはそれぞれインターネット5及びイントラネット6を介して相互に通信可能となっている。なお、ここでは、図面の関係上、クライアント端末は2つ、販社端末は3つしか示していないが、本システムがこれ以上の数のクライアント端末や販社端末を含みうることは言うまでもない。
【0030】
このうち、BTOサーバ1は、更にデータベース100とも通信可能であり、デスクトップコンピュータ2やPDA3における操作や、販社端末4からの指示に応じて、データベース8への各種情報の書き込み・読み出しが可能である。
【0031】
更に、図示はしていないが、BTOサーバ1は、BTOサービス用の画面をデスクトップコンピュータ2やPDA3に表示するためのプラグインを含むウェブコンテンツや、デスクトップコンピュータ2やPDA3から車両の仕様情報を受信し、受信した仕様情報に応じた希望小売価格や見積り価格をデータベース8から読出してそれらの端末に返信するためのCGI(Common Gateway Interface)プログラムを備えている。また、BTOサーバ1は、IPアドレスを割り当てられた一般的なサーバのハードウェア構成を有しており、通信デバイスの他、CPUやメモリ、ハードディスクなどを備え、インターネット上の他のサーバやデータベースへのアクセスが可能となっている。
【0032】
これにより、顧客は、インターネットを介してBTOサーバ1にアクセスし、BTOサーバに用意されているウェブコンテンツを、デスクトップコンピュータ2やPDA3にインストールされたブラウザで閲覧しながら、所望の個別仕様車の見積り価格を取得することができる。
【0033】
デスクトップコンピュータ2やPDA3や販社端末4a、4b、4cは、一般的な情報端末であって、少なくとも、TCP/IPなどの一般的な通信プロトコルを利用した通信デバイス、その通信デバイスを利用してインターネット3上のサーバにアクセスしてウェブコンテンツを閲覧するためのブラウザ、及び、インターネットの接続された端末との間でメールのやりとりを行うメーラーを有している。もちろん、ブラウザやメーラーを実行するためのCPUやメモリも実装されている。
【0034】
一方、データベース8には、図のように、顧客情報データベース801、見積り価格データベース802、メーカー希望小売価格データベース803、販売会社別返送メール書式データベース804、参考情報データベース805、市場相場価格データベース806が含まれている。そして、それぞれのデータベースには以下の情報が適宜関連付けがなされた状態で記憶されている。
【0035】
顧客情報データベース801:顧客名称、顧客ID、パスワード、メールアドレス、住所、電話番号、見積り要求ID等の情報を相互に関連づけて記憶している。なお、見積り要求IDは、過去に要求した見積りに関するデータを識別する情報であり、この見積り要求IDを参照することによって、見積り価格データベースから、見積依頼回数はもちろん、見積り依頼及び回答の日時や見積りを行なった販売会社についての情報を読出すことが可能である。
【0036】
見積り価格データベース802:顧客が個別仕様車を特定するために予め用意された複数の仕様情報と、この仕様情報によって特定される個別仕様車を販売する際の見積り価格とを相互に関連づけて記憶している。なお、この見積り価格は、販売会社別に記憶されており、過去の見積り履歴なども記憶している。
【0037】
メーカー希望小売価格データベース803:仕様情報によって特定される複数の個別仕様車と、それぞれの個別仕様車に対してメーカーが予め設定しているメーカー希望小売価格とを相互に関連づけて記憶している。
【0038】
返送メール書式データベース804:顧客からの見積依頼に対して見積り価格を提示する際に用いられる書式データ(テンプレート情報)を記憶している。本実施形態においては、見積りの回答は電子メールによって行われるため、この書式データはメーラーに対応したテンプレート形式となっている。
【0039】
参考情報データベース805:販売会社の販売員が見積り価格を算定する際に参考となる情報として、販売会社ごとの販売履歴などを記憶している。
【0040】
市場相場価格データベース806:他の車両メーカーが販売している各種車両に関する価格情報を記憶している。例えば、個々の販売会社が見積り価格を顧客に提示したり、或いは見積り価格データベースのデータを更新したりする際に参照される。
【0041】
また、ここでは図示していないが、データベース8には、この他にも販売会社についての情報(販売員や住所など)を格納したデータベースや、各車種ごとに選択可能なパーツについての情報を格納したデータベースなどが含まれている。
次に、見積り価格データベース802の詳しい内容について、図2を用いて説明する。図のように見積り価格データベース802は、全販売会社のそれぞれについて個別に用意されている。
【0042】
そして、各販売会社用の見積り価格データベース802には、以下のデータが含まれる。
【0043】
最新見積り価格データ802a:顧客からの見積依頼に対して自動提示する見積り価格が記憶される。販売会社が個別的に顧客に返答した見積り価格は、例外的な場合を除き、原則として自動返答用の見積り価格としてここに格納される。ただし、見積り価格の新鮮さを維持するため、ここに記憶された見積り価格は所定期間経過後に自動的に消去される。従って、顧客から見積依頼があっても、その仕様情報に対応する見積り価格が格納されていない可能性もある。また、このデータは、販売会社の代表者の承諾の元での操作によっても入力・更新できる。
【0044】
見積り価格履歴データ802b:顧客に対して過去に見積りを行った価格であって、最新の見積り価格でないものが記憶されている。つまり、ここに記憶されているのは、一度は最新見積り価格データ802aとして記憶されたが、更新により上書きされた見積り価格、或いは所定期間経過したことにより削除された見積り価格である。
【0045】
自動返答禁止顧客データ802c:自動返答を行ってはならない顧客のIDが記憶されている。得意先などには、自動返答による悪い印象を回避する必要がある。そこで、このデータ802cを参照することによって、自動返答を行っても良い相手か否かを判定している。
【0046】
見積り回数データ802d:顧客ごとに見積り要求を行った回数を記憶したデータである。同じ販売会社に対して何度も見積り要求を行って来ている顧客は、かなり購買意欲が高いと考えられる。従って、そのような顧客とより親密な関係を築き、車両の購入を促すために、顧客ごとに見積り要求をカウントし、所定の回数を超えた顧客は、有望な見込み客として、自動返答禁止データ802cに登録し、自動返答を禁止させる。
【0047】
例外見積り価格データ802e:例えば、販売会社の諸般の事情(販売状況の改善)のために例外的に低い見積り価格を提示した場合など、販売会社で個別的に算出した見積り価格が通常自動返答される見積り価格と大きくかけ離れている場合には、例外的な見積り価格データとして、ここに格納される。
【0048】
仕様グループデータ802f:見積り要求を受信して、最新見積り価格データ802aを参照する際に、検索すべき仕様グループを記憶している。つまりこのデータは、見積り要求と共に受信した仕様情報がどの仕様グループに属しているかを判断するために用いられる。そして、このデータを用いて仕様グループが分かると、最新見積り価格データ802aのその仕様グループに対応する見積り価格を検索する。
【0049】
例えば、見積り要求された仕様が、ベースモデルAタイプ+エンジンB+ミッション4段AT+タイヤC+インテリアDタイプ+オーディオEタイプだとする。そして、例えば、仕様グループデータ802fの中に、ベースモデルとエンジンとミッションの組合せによって定義されたグループが含まれているとする。この場合、受信した仕様情報から、仕様グループデータ802fを検索して、ベースモデルAタイプ+エンジンB+ミッション4段ATによって定義されたグループXが導き出される。すると、次に、最新見積り価格データ802aの中で、グループXに属する個別仕様車のいずれかについて見積り価格が記憶されているか否か検索する。そして、グループXに属する個別仕様車のうち、ベースモデルAタイプ+エンジンB+ミッション4段AT+タイヤC+インテリアDタイプ+オーディオFタイプについて見積り価格200万円が最新見積り価格データ802aとして記憶されているとすると、見積り要求のあった仕様情報とオーディオのタイプのみ異なるだけなので、オーディオの差額が2万円だとすると、その差額分の補正を加えて、200+2=202万円という見積り価格を自動的に算出し提示する。グループXに属する個別仕様車に対して全く見積り価格が記憶されていない場合には、販売会社が個別的に見積り価格を算出することになる。
【0050】
つまり、見積り価格データベースは、個別仕様車の一部についてのみ見積り価格を記憶しており、見積依頼として受信した仕様情報の見積り価格が最新見積り価格データとして記憶されていない場合には、その仕様情報に近い仕様の見積り価格を読出し、読出した見積り価格に補正を加えて、クライアント端末に送信する。これによれば、データベースの記憶容量を削減でき、見積り価格の更新作業が容易になる。
【0051】
見積り可能最低価格データ802g:販売会社内で各仕様の車両につけることが許可されている最低の価格が格納される。
【0052】
自動返答許容値設定データ802h:見積り価格を最新見積り価格データ802aから読出して自動返答するか否かの判定に用いられる。自動返答見積り価格と市場相場価格との許容価格差や、自動返答見積り価格と顧客が購入を希望する希望価格との許容価格差などが格納されている。
【0053】
見積り返答販売員データ802i:見積りの返答を行った販売員が各見積り要求に関連づけられて格納されている。
【0054】
なお、ここでは見積り価格データベース802が、販売会社ごとに用意されているとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、販売会社の販売員ごとに用意して、販売員ごとに異なる見積り価格を顧客に提示できるシステムとしても良い。顧客が販売店(販売会社)に来店して商談する場合には、販売員が個人的に決定した見積り額を提示することができる。従って、販売員ごとに見積り価格を記憶しておくことは、より人対人の販売形態に近い態様で顧客にサービスを提供できることになる。
【0055】
また、ここでは最新見積り価格データ802aには、販売会社が個別的に算定した見積り価格が、記憶されており、しかも、一定期間経過後消去されるものとしているため、顧客が選択しうる全ての個別仕様車に対応する見積り価格は記憶されていない。しかし、本発明はこれに限定されず、全ての個別仕様車に対応する見積り価格を記憶しておき、一定期間ごとに見直しを促す構成でも良い。
【0056】
また、BTOサーバ1は、製造会社によって管理されているが、見積り価格データベースに含まれる見積り価格データは、製造会社によって更新されることはなく、販社端末からのアクセスによってのみ更新可能となっている。従って、製造会社は見積り価格をコントロールすることはできず、見積り価格は、販売会社が独自に設定できる。
【0057】
<サービス利用時の処理の流れ>
次に、図3乃至図8を用いて、本販売支援システムを用いたサービス提供処理の流れについて説明する。
【0058】
まず、顧客が、クライアント端末としてのデスクトップコンピュータ2やPDA3を用いてインターネットに接続し、BTOサーバ1のURL(例えば、HTTP://www.BTO.comなど)にアクセスする。これに対し、BTOサーバ1は、予め用意しているWebコンテンツをクライアント端末に表示させる。
【0059】
図4は、そのWebコンテンツの表示画面の一例を示す図である。この画面は、仕様の設定及びメーカ希望小売価格の表示を行う画面であり、仕様選択フィールド401と、選択された仕様に基づく車両の外観表示フィールド402と、内装表示フィールド403と、メーカー希望小売価格表示フィールド404と、選択済みの詳細仕様リスト表示フィールド405とを含む。
【0060】
仕様選択フィールド401は、エンジンを選択するステップ1、駆動系(2輪駆動か4輪駆動かなど)を選択するステップ2、外装を選択するステップ3、内装を選択するステップ4、電装系を選択するステップ5、そして、販売会社ごとに独自に用意している販売会社オプションを選択するステップ6の6つのステップで仕様を決定できるように、各ステップごとにタブが用意されている。
【0061】
顧客が、ステップS301で各タブを選択して、エンジンや駆動系などをそれぞれ選択すると、その情報がBTOサーバ1に送られる。BTOサーバ1では、ステップS302でその選択に応じた外観イメージや内装イメージ、そして希望小売価格をそれぞれデータベースから読出す。そしてステップS303でその希望小売価格についての情報をクライアント端末に返信する。これにより、クライアント端末上では、ステップS304で外観表示フィールド402や内装表示フィールド403に表示されたイメージ及びメーカー希望小売価格表示フィールド404の価格などが、顧客の仕様選択操作に応じてリアルタイムに変更されることになる。
【0062】
すなわち、図4の画面を表示させた状態で顧客がクライアント端末を操作して仕様を選択していくことにより、図3における、仕様選択操作受付(S301)、データベース検索(S302)、希望小売価格返答(S303)、希望小売価格表示(S304)が繰り返し行われる。
【0063】
図4の仕様選択画面において、顧客からある程度の仕様選択情報が入力されると、見積要求ボタン406及び商談申込ボタン407が選択可能となる。通常の手順では、顧客は、商談申込ボタン407を選択する前に見積要求ボタン406を選択する。見積要求ボタン406が選択され、BTOサーバ1が見積り要求を受信すると、BTOサーバ1は、クライアント端末に対し、販売会社選択画面及び顧客情報入力画面を表示するための表示データを送信し、見積り価格を算定する販売会社の選択を要求し、更に簡単な顧客情報の入力を要求し、見積要求ボタン406が選択された時点の図4の仕様選択画面をBTOサーバ1内に保存する。
【0064】
ここで要求する顧客情報は、他の顧客との識別に用いられるものであり、必ずしも住所や本名を含むものではないが、本システムでは電子メールで見積り価格を返答するため、少なくとも電子メールアドレスを含む。ただし、本発明は、見積り価格の返答を電子メールで行うことに限定するものではない。つまり、図4の仕様選択画面上に見積り価格表示フィールドを設け、そのフィールドに表示する方法を用いても良い。その場合には、顧客情報として電子メールアドレスを要求する必要はなく、BTOサーバ1内で顧客を識別するための顧客IDのみでもよい。もちろん、その他にパスワード等を要求してもかまわない。
【0065】
また、顧客情報の入力画面には、更に、希望価格入力欄及びコメント欄が用意されており、この価格なら購入しても良いと思われる価格を入力したり、或いは販売会社に対してコメントしたりすることが可能となっている。
【0066】
更に、見積を要求してきた回数に応じて、入力を要する顧客情報を増やしても良い。例えば、1回目の見積要求は電子メールアドレスの入力によって可能であるが、2回目には、電子メールアドレスが入力された時点で顧客情報データベース801及び見積り回数データベース802dを検索して、見積依頼回数が2回以上であること及び未だ住所や氏名が入力されていないことが分かった場合には、更なる顧客情報が入力されないと見積要求ボタン406が選択できないように制御しても良い。このようにすれば、顧客がいたずらに何度も見積りを要求することがなくなり、サーバの負荷や販売会社の負担を軽減することができる。
【0067】
なお、図4のような仕様選択画面を表示する前に、顧客にこれらの顧客情報の入力を要求しても良い。その場合には、データベース検索処理S302と同時に、顧客の顧客情報を顧客情報データベース801に登録する処理を行うことになる。
【0068】
図3のステップS305において、クライアント端末で販売会社が選択され、顧客情報が入力されると、その情報がBTOサーバ1に送信され、BTOサーバ1はステップS306において、受信した仕様情報及び顧客情報と見積り価格データベース802とから、見積り価格を自動返答しても良いか否か判定する。
【0069】
自動返答しても良いと判定した場合には、ステップS307に進み、仕様情報を用いて見積り価格データベース802から見積り価格を読出す。そして、ステップS311に進み、返送メール書式データベースから803から読出した電子メールのテンプレートに、データベースから読出した見積り価格を埋込み、クライアント端末に送信する。同時に販売会社に対しても、どの顧客にどのような見積り価格を自動返答したかを通知する(S323)。
【0070】
一方、自動返答すべきでないと判定した場合には、ステップS308に進み、仕様情報及び顧客情報を販社端末4に送信して、個別的な見積りの算定を依頼する。なお、本実施形態では、販売会社に対する見積り依頼を販売会社宛の電子メールで行う。
【0071】
BTOサーバ1は、販売会社が見積価格を入力するためのウェブコンテンツを有しており、見積り依頼メールにそのページへアクセスするためのURLを埋め込む。つまり、販売会社に対する見積依頼メールには、見積入力用URLが埋め込まれており、ステップS309において、販売会社の担当者が販社端末4で見積依頼メールを受信し、メールを開いてそのURLを選択すると、販社端末4のWebブラウザが、BTOサーバ1内のその見積依頼に対応したウェブコンテンツにアクセスするようになっている。その結果、販社端末4のディスプレイには図5のような画面が表示される。
【0072】
図5は、見積り入力用画面の例を示す図である。図5に示すように、見積り入力用画面には、見積り価格を算出する際に参考となる情報として、その顧客の見積依頼回数501、前回の担当者名502、顧客情報503、顧客の車両購入履歴504、見積りを希望している仕様情報505、その仕様でのメーカ希望小売価格506、自動返答用の見積り価格507、前回提示した見積り価格508、顧客により入力された希望購入価格509、見積り可能最低価格510、見積り価格入力欄511が示されている。
【0073】
これにより、例えば、見積依頼回数501を参照すれば、その顧客に対する最初の見積り提示なのか、再度の見積り提示なのかを判断できる。また、同一の顧客に前回提示した見積り価格508を参照すれば、今回提示できる見積り価格の上限が把握できる。なぜなら、同一顧客に対し前回よりも高い見積り価格を提示することは、顧客に対して非常に不誠実であり、顧客の信頼を失うことになりかねないからである。つまり、前回提示した見積り価格508は、販売員にとって、見積り価格の規制手段として機能する。
【0074】
また、前回提示した見積り価格508の右側には仕様検証ボタン515が設けられており、その仕様検証ボタン515を選択すると前回の見積依頼の対象となった仕様と、今回の見積依頼の対象となる仕様との仕様差がBTOサーバ1から送信され、販社端末に表示される。もちろん、前回の見積りの対象となった仕様情報のみを表示して、販売員に今回の見積り対象の仕様情報と比較させても良い。仕様差が存在する場合には、販売員は、前回提示した見積り価格508とを合わせて考慮することにより、今回、不適正に高い見積り価格を提示しないように慎重に見積り価格を算定することができる。
【0075】
図5のページで参考情報ボタン514が選択されると、図6に示す参考情報画面が表示される。参考情報としては、競合車種情報601、見積り車両の落札状況602、現在の顧客についての競合情報603、などが参考情報データベース805から読出され、販社端末に送信されて表示される。
【0076】
競合情報603には、その顧客がどのような販売店に対して見積りを依頼しているのかが示されている。ここで示される販売店は、同じBTOシステムを共有する販売店であって、まだ見積りを提示していない販売店も含まれている。
【0077】
競合情報603には、見積りを依頼されている販売店のうち、最も顧客の住所に近い販売店、その顧客が購入したことのある販売店、その顧客にサービスを提供したことのある販売店、更には懇意にしている販売員なども示されている。なお、もちろんこれらの情報は、顧客を完全に特定した場合に表示されるものであり、氏名や住所などの本質的な情報が入力されていない段階では、これらの競合情報603は表示されない。
【0078】
また、この競合情報603に示される販売店には、所定の基準に基づいて優先順位が付されている。この優先順位は、販売するのが望ましい販売店から順番に1〜nの番号が付されることによって示される。ただし、この優先順位は絶対的なものではなく、あくまでも目安である。例えば、顧客の住所と近距離の販売会社から順番に並べるだけでも良いし、顧客が見積り要求を行った順番に並べるだけでも良い。すなわち、図6の競合情報603ではC販売店が見積り順位1位として表示されているが、必ずC販売店が最低の見積り価格を提示しなければならないわけでもなく、顧客住所から近いので顧客とってはC販売店が最安値の見積りを提示した方が望ましいという程度のものである。
【0079】
以上のように、販売会社の販売員は、図5及び図6の画面から、見積りを算定するのに有用な情報を得ることができる。
【0080】
販売員が算定した見積り価格は、原則として自動返答用の最新見積り価格データ802aとして見積り価格データベース802に格納される。このため、販売員には、闇雲に低い見積り価格を提示しないように、慎重な見積り価格の算定を求める必要がある。図5や図6に示した参考情報は、そのような慎重な見積り価格の算定に寄与し、最新見積り価格データ802aが不適正なペースで下がることを防止できる。
【0081】
これらの参考情報から個別的に見積り価格を算定し、図5の入力欄511に見積り価格が入力され、OKボタン512が選択されると、図3のステップS310でBTOサーバ1にその見積り価格を送信する。
【0082】
BTOサーバ1は、受信した見積り価格が適正なものか否か判定し、不適正と判断すると、ステップS311に進む前に、販社端末に警告を送信し、承認を求める。具体的には、前回同じ顧客に提示した見積り価格と、受信した見積り価格とを、仕様差を考慮に入れつつ比較し、受信した見積り価格が高すぎないか判定する。前回の見積り要求と今回の見積り要求とで仕様差が無い場合には、前回提示の見積り価格よりも高ければ不適正と判断する。また、仕様差がある場合には、前回提示の見積り価格に仕様差を加味した見積り価格を算出し、その見積り価格よりも今回提示しようとする見積り価格が高い場合には不適正と判断する。また、更に、所定の最低価格を下回る価格を受信した場合にも不適正と判断する。
【0083】
承認取得ボタン513が選択されると、不図示の承認取得画面が表示され、その画面で所定のパスワードが入力された上でなら、入力欄511に入力された見積り価格がどのような値であったとしても適正なものと判定し、ステップS311に進む。
【0084】
ここで、見積り可能最低価格510は、販売会社内でその仕様の車両につけることが許可されている最低の価格である。これは、見積価格データベース802に格納されており、販売会社の特定の人間のみが更新可能なようにプロテクトされている。これにより、販売会社の販売員が許可無く不当に安い価格で車両を販売すること及び、前回の見積り価格よりも高い価格を見積りとして提示することを防止する。
【0085】
図5では、入力欄511は空白であるが、図5の表示時点で、前回提示した見積り価格及び前回見積りと今回見積りの仕様差などから導き出された推奨見積り価格を入力して表示する構成としても良い。これにより、販売員の見積り価格決定が容易になる。また、同じ顧客からすでに所定回数以上の見積依頼があった場合には、前回提示した見積り価格以下の金額を入力欄511に入力できないように制御してもよい。これによれば、顧客が見積依頼するたびに見積り価格が下がり続けることを防止することができる。
【0086】
また、入力欄511には、前回の担当者以外の者が入力できないようにすることも可能である。例えば、販売店の担当者ID及びパスワードをBTOサーバ1に登録しておき、前回担当者502のID及びパスワードの入力がなければ、入力欄511が変更できないようにすればよい。このような入力欄511に対する入力の制御は、BTOサーバ1に用意されたJAVA(登録商標)スクリプトやCGIプログラムやプラグインによって可能となる。CGIプログラムやプラグインを用いて、ウェブコンテンツへのデータ入力を制御することはすでに公知であるため、ここでは具体的なプログラムの内容は省略する。
【0087】
BTOサーバ1は、更に、ステップS310で、入力欄511に入力された見積り価格が適正と判定すると、この見積り価格を見積り価格データベースに格納する処理を行う。具体的には、どのような形で見積り価格データベース802に保存するかを選択する画面のデータを販社端末4に送信し、そのような画面を表示させる。販売会社の担当者は、その状態で販社端末4を操作することにより、個別的に算出・返答した見積り価格を、最新の自動返答見積り価格データとして保存するか、或いは、例外的な見積り価格データとして保存するかを選択できる。これにより、見積り価格データベースに記憶された自動返答用の見積り価格を適当な機会に更新させることができ、販売会社に過大な負担をかけることなく、適切な見積りを提示することができる。また、販社端末に対し、見積り価格データベースに記憶された自動返答用の見積り価格を上書きするか否かを問い合せるので、不適正な見積り価格が自動返答用として記憶されることを防止できる。つまり、販社端末は、自動返答用の見積り価格を更新する機会を十分に得ることができ、かつ、適正な見積り価格が自動送信されるようにコントロールできる。
【0088】
例えば、販売会社で個別的に算出した見積り価格をその後、自動返答される見積り価格として格納する場合には、最新の自動返答見積り価格データとして保存する。一方、販売会社で個別的に算出した見積り価格が、通常自動返答される見積り価格と大きくかけ離れている場合には、例外的な見積り価格データとして保存し、自動返答用の見積り価格を更新しないこととする。つまり、例外的に算出した見積り価格を自動返答用の見積り価格とは別途保存しておくので、自動返答用の見積り価格が低下しすぎたりすることもなく、適正な見積りを提示することができる。
【0089】
ここで、自動返答見積り価格データとして保存すると選択した場合には、販売会社の代表者の認証が必要となる。つまり、代表者のID及びパスワードを入力する画面が更に表示され、その入力がなければ例外的な見積り価格データとしてしか保存できないことになっている。これにより、販売会社において、所定の承認者のみがその承認IDを知っているような管理体制にしておけば、その販売会社における販売員が勝手にデータベースを上書きすることができず、より厳格に自動返答用の見積り価格をコントロールできる。
【0090】
また、自動返答用の見積り価格が上書きされると、更新前の見積り価格が、履歴として、見積り価格履歴データ802bに格納される。つまり、自動返答用の見積り価格を上書きする際に、過去の見積り価格をデータベース内に残しておくので、見積り価格の変動履歴を容易に把握することができる。このような変動履歴は、自動返答用の見積り価格をどのように更新すれば良いかを判断する際の参照情報として利用することができ、販売会社が自動返答用の見積り価格を更新しやすくなる。ひいては、見積り価格の機動的な更新によって顧客の購買意欲を喚起させることができる。
【0091】
なお、ここでは、選択画面を表示して販売会社担当者に選択を促す構成としたが、BTOサーバ1が自動的に選択しても良い。例えば、入力された見積り価格と自動返答用見積り価格との差が所定範囲にあるか否かを判定して、所定範囲内であれば自動返答用見積り価格データとして保存するという制御でもよい。
【0092】
また、言うまでもなく、販社端末からの直接の見積り価格更新操作によっても見積り価格データベースの最新見積り価格データを更新することができる。つまり、顧客からの見積依頼が無い場合にでも販社端末から直接の見積り価格更新処理を行うことができる。これにより、販売会社の販売員が適宜データベースを更新することができるため、見積り価格の機動的な更新によって顧客の購買意欲を喚起させることができる。
【0093】
次に、BTOサーバ1は、ステップS311において、受信した適正な見積り価格を盛り込んだ電子メールを作成し、クライアント端末に見積り価格提示メールを送信する。
【0094】
BTOサーバ1は、クライアント端末に提示する見積り価格を取得すると、見積要求ボタン406を選択した時点の図4の仕様選択画面に、更に見積り価格表示フィールド及び販売会社表示フィールドを加えた画面を生成し、固有のURLを割り当てる。そして、クライアント端末に送信される見積り価格提示メールに、この固有のURLを埋め込む。
【0095】
なお、見積り価格提示メールに記載すべきコメントをが作成しても良い。その場合には、ステップS310において、そのコメントが販社端末からBTOサーバ1に送信される。これにより、顧客に応じた文面の見積り価格提示メールをクライアント端末に送信することができ、より販売会社と顧客との関係を親密なものとすることができる。
【0096】
クライアント端末は、ステップS312で見積り価格提示メールを受信し、さらに埋め込まれたURLにアクセスすれば、見積要求ボタン406を選択した時点の図4の仕様選択画面に更に販売会社及びその販売会社での見積り価格をブラウザに表示することができる。したがって顧客は、見積り価格メールにて提示された見積り価格に不満がある場合には、仕様選択フィールド401を操作することによって、ステップS301に戻って仕様を検討しなおしたり、あるいは、再度見積要求ボタン406を押してステップS305に進み、他の販売会社に対して見積の要求を行ったりすればよい。もちろん、同じ販売会社に再度見積要求を行ってもよい。一方、顧客は、見積り価格メールにて提示された見積り価格に不満がない場合には、図4の画面で商談申込ボタンを選択すればよい。
【0097】
ステップS313で図4の画面で商談申込ボタン407が選択されると、詳細な顧客情報を入力する画面をクライアント端末に送信し、そこで入力された顧客情報が、仕様情報と販売会社情報と見積り価格と共にBTOサーバ1に送信される。
【0098】
BTOサーバ1では、商談申込を受け付けると、どの顧客がどの販売会社に対してどのような見積り価格で商談申込みを行ったのかを記憶し、さらに、ステップS314において、商談申込みの対象となった販売会社に対して、詳しい顧客情報と仕様情報及び見積り価格を含んだ商談申込通知を送信する。なお、各商談申込通知には、その商談を識別するための商談番号が付与されている。
【0099】
ステップS315において商談申込通知を受信した販売会社は、ステップS316に進んで、顧客との具体的な商談に入る。このステップS316では、例えば、料金の支払方法や納期、車の下取り価格などの情報交換を、メールを用いて、或いは販売員と顧客が直接話し合うことによって行い、最終的に、ステップS311で顧客が料金を支払い、販売会社が車両としての個別仕様車を納入することによって商談が終了する。
【0100】
商談が成立した販売会社は、ステップS317において、販社端末4でBTOサーバ1にアクセスして商談結果を入力する。ここでは、商談結果として、商談申込通知に付された商談番号と、最終的な販売額とを入力すればよい。
【0101】
BTOサーバ1では、ステップS318で商談結果を記憶し、更にステップS319に進んで、見積りを行った全ての販売会社に対してその結果(商談成立情報)を通達する。この通達は、図7に示すような文面のメールによって行われる。つまり、見積り依頼日701、顧客名702、顧客ID703、商談成立日704、商談成立販売会社名705、メール受信販売会社で提示した見積り価格706、商談成立販売会社が提示した見積り価格707、メール受信販売会社で見積りを出した仕様708、商談成立販売会社で見積りを出した仕様709が商談に入れなかった全販売会社に通知される。ここで、このメールの見出しを「商談不成立通知」としたのは、受信した販売会社にとって商談が不成立となったことを示すものだからである。つまり、第1販売会社にとっての商談成立情報は、第2販売会社に対する商談不成立通知となる。なお、この商談不成立通知には、上記項目の他、商談成立販売会社の販売状況を示す情報を含めても良い。
【0102】
各販売会社は、ステップS320において、販社端末4でこのような商談成立通知を受信すると、自社で付けた見積りが他社の見積りと比べてどれほど高かったのか、どれほどの見積りを出していれば顧客は購入を決めていたのかなど、見積り価格データベースの更新を行う際に参考になる情報を得ることができる。
【0103】
なお、図7に示すメールには、販売会社の自動返答用見積り価格を変更するためのページにアクセスするURLが埋め込まれていることが望ましい。そうすれば、販売会社は、そのメールに基づいて見直した見積り価格をすぐにデータベースに反映させることができる。
【0104】
また、見積りを要求した顧客が何れの販売会社とも商談に入っていない場合には、ステップS321で、BTOサーバ1が、図8に示すフォロー要請メールを各販売会社(或いは優先販売会社のみ)に送信する。フォロー要請メールとは、見積りを要求した顧客に対して購買意欲の確認をするように、販売会社に要請するためのメールである。図のように、このフォローメールには、販売会社の担当者名や、顧客のメールアドレスなどのほか、その顧客についての情報を表示するページへのURLや、その顧客が見積りを要求した仕様情報を表示するページへのURLが埋め込まれている。
【0105】
BTOサーバ1は、最後の見積り価格送信処理からの日数をカウントし、商談申込や商談成立情報の受信が無いままで例えば1ヶ月といった所定の期間が経過すると、自動的にフォロー要請メールを送信するようにプログラムされている。
【0106】
販売会社担当者は、販社端末4によって図8のフォロー要請メールを受信した場合には、その顧客に対して、フォローが必要か否か判断し、必要であれば、その顧客に直接フォローメール(見積りを要求した顧客に対して購買意欲の確認をするメール)を送信するなどして購入を促す。
【0107】
なお、BTOサーバ1が、最後の見積り価格送信処理からの日数をカウントし、商談申込や商談成立情報の受信が無いままで所定期間が経過した場合に、自動的に顧客に対しフォローメールを送信しても良い。
【0108】
<見積り自動返答の可否判定>
次に、図3のステップS306における判定内容について、図9を用いて詳しく説明する。
【0109】
まず、ステップS901で、クライアント端末から仕様情報及び顧客情報並びに見積り要求を受け付けると、ステップS902に進み、見積り要求に含まれる顧客情報を用いてデータベースを検索し、見積り履歴があるか否か判定する。見積り履歴があれば、ステップS903に進み、更に、履歴として残っている見積り要求が、今回の見積り要求の対象となった販売会社と同一販売会社に対するのか否か判定する。同一販売会社に対する見積り要求であれば、更にステップS904に進み、前回の見積り要求から所定期間内になされたものか否かを判定する。ステップS904で前回の見積り要求から所定期間内であれば、ステップS308に進み、仕様情報及び顧客情報を販社端末4に送信して、個別的な見積りの算定を依頼する。
【0110】
これらの判定により、同じ販売会社に対して所定期間内に何度も見積りを要求している場合には、購買意欲が高い顧客と判断して、個別的な見積りを行うことが可能となる。これにより、購買意欲が高い顧客に対し、より丁寧に対応することができる。なお、ステップS904とステップS308との間に、同じ仕様に対する見積り要求かを判定する処理及び、見積り要求が所定回数(3回又は4回など)以上かを判定する処理を挟み、同じ仕様に対して同じ販売会社に何度も見積り要求を行っている顧客は、見積り価格を下げることのみを目的とした顧客と判断して、見積り価格を自動返答してもよい。
【0111】
見積り履歴が無い場合、或いは、見積り履歴があっても、同一販売会社に対するものではない場合や、前回の見積りから所定期間以上経過している場合には、ステップS905に進み、自動返答禁止条件の検証を行う。
【0112】
この自動返答禁止条件の検証においては、自動返答禁止顧客データ802cを参照し、その顧客が、自動返答を行ってはならないものとして記憶されているか否かを判定する。これにより、得意客など、購買意欲が旺盛で非常に有望な見込み客だと判断できる顧客に対しては、丁寧な見積り提示を行うことができ、興味本位で見積りを要求してきた顧客と区別した対応を行うことができる。また、顧客からの見積依頼データに、顧客のコメントが含まれているか否かによっても判定する。これにより、コメントを添えて見積り要求を行った顧客は、購買意欲が高い顧客と見なして、より丁寧に対応することができる。逆に、コメントがない顧客は、購買意欲が高い可能性が比較的低いため、自動返答により見積り価格を提示し、販売会社の負担を軽減することができる。
【0113】
自動返答禁止顧客データ802cにその顧客が記憶されているか、又は、コメントがあれば、ステップS308に進み、仕様情報及び顧客情報を販社端末4に送信して、個別的な見積りの算定を依頼する。
【0114】
自動返答禁止条件に該当しなければ、ステップS906に進み、仕様情報を元に、最新見積り価格データ802aを参照する。そして、データベース802における見積り価格の更新から所定期間を経過したか否かを判定し、所定期間を経過していれば、ステップS308に進む。
【0115】
つまり、最新見積り価格データ802aに格納された見積り価格から、見積依頼を受けた仕様に対応する見積り価格を検索し、その見積り価格がいつ更新されたかを読出し、その更新日が、見積り返答日よりも、例えば6ヶ月以上まえであれば、その見積り価格は自動返答するには古すぎると判断して、個別的な見積りを行う。
【0116】
次に、ステップS906で、その仕様情報に対応する自動送信用見積り価格が最新見積り価格データ802aとして格納されているか否か判定し、格納されていない場合には、ステップS308に進む。
【0117】
さらに、ステップS906では、市場相場価格データベース806を参照して、最新見積り価格データ802aから読み出した見積り価格が、市場相場価格とかけ離れていないかを判定し、かけ離れていればステップS308に進む。つまり、仕様情報を用いて、市場相場価格データベース806から、比較対照となる車種の市場相場価格を読出し、最新見積り価格データ802aの見積り価格と比べて、その差が許容範囲内か否か判定し、許容範囲を超えていれば、最新見積り価格データ802の見積り価格は自動返答に適さないと判断して個別的な見積りを行う。
【0118】
これらの判定により、データベース内の自動返答用見積り価格が適正か否か判断し、適正だと判断した場合には、ステップS907に進んで、顧客から希望購入価格の入力があるか否か判定する。入力がなければ、ステップS908に進み、データベースから読出した自動返答用見積り価格を電子メールによって顧客に提示する。
【0119】
希望価格の入力があった場合には、ステップS909に進み、その希望価格と自動返答用見積り価格とで、どちらが高いかを判定する。希望価格よりも自動返答用見積り価格が低い場合には、何ら問題がないため、ステップS908に進み、データベースから読出した自動返答用見積り価格を電子メールによって顧客に提示する。
【0120】
ステップS909で、希望価格よりも自動返答用見積り価格の方が高いと判断すると、ステップS910に進んで、その価格差を算出し、その価格差が所定範囲内であるか否かを判定する。価格差が所定範囲内に無ければ、自動返答用の見積り価格が、顧客の希望からかけ離れて高いということになるため、自動返答をすると問題が大きいと判断し、ステップS308に進んで、個別的な見積りを行う。
【0121】
ステップS910での価格差が所定範囲内であれば、希望価格通りの見積り価格を提示すれば顧客の購買意欲が高まると考えられるため、ステップS911に進み、見積り価格として、希望価格と同じ価格を提示する。
【0122】
<本実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態に係る販売支援システムによれば、見積り価格を更新する材料を豊富に得ることができ、見積り価格を機動的に更新できる。また、顧客からの見積り価格が高すぎるとの声等を反映させることもできるため、顧客は、車両購入時の値段交渉を楽しむことが可能となる。
【0123】
更に、販売会社の販売員がすべての顧客に対し1回1回見積り価格を算定する訳ではなく、適宜、自動返答を行うため、販売会社での業務処理が煩雑になるということもない。
【0124】
すなわち、販売会社の業務処理と、顧客の要望とのバランスを考慮して、質の高いサービスを提供することができる。
【0125】
<他の実施形態>
尚、本発明は、上述したBTOサーバ1のCPUが、図3や図9で説明した各処理を実現可能なプログラムを何らかの記憶媒体から読み出して実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体としては読み書き可能な半導体メモリや、ハードディスクの他、光ディスクや磁気ディスクや光磁気ディスク等のあらゆる記憶デバイスを採用することができ、そのような記憶媒体やプログラムそのものも本発明の範疇に含まれる。従って、インターネット等を利用することにより電気通信回線を通じて伝達されるデータも本発明の範疇に含まれうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としての販売支援システムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態としての販売支援システムの見積り価格データベースの内部構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態としての販売支援システムによるサービス提供方法を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態に係るBTOサーバ1が提示する仕様選択画面の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るBTOサーバ1が提示する見積り入力画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るBTOサーバ1が提示する参考情報画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るBTOサーバ1が送信する商談不成立通知用電子メールの一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るBTOサーバ1が送信するフォロー要請用電子メールの一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るBTOサーバ1における自動返答の可否を判定する方法を示すフローチャートである。
Claims (10)
- 車両の販売会社が使用する販社端末と、顧客が使用するクライアント端末と、顧客を識別する顧客情報と該顧客に対して提示した見積り価格と該見積り価格についての仕様情報とを関連づけて記憶したデータベースと、に対してネットワークを介して相互に通信可能な販売支援サーバであって、
前記クライアント端末から、前記顧客情報と、車両の仕様を特定する仕様情報と、見積り要求とを受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段で受信した前記顧客情報に基づいて前記データベースから、前記顧客に対して過去に提示した見積り価格を読出し、前記第1受信手段で受信した顧客情報及び前記仕様情報とともに、前記販社端末に送信する送信手段と、
を含むことを特徴とする販売支援サーバ。 - 前記送信手段は、
前記データベースから読出した見積り価格についての前記仕様情報と、前記第1受信手段で受信した前記仕様情報とを比較し、その仕様差を前記販社端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の販売支援サーバ。 - 前記データベースは、更に前記見積り価格を算定した者の算定者識別情報を記憶しており、
前記送信手段は、前記データベースから、過去に提示した前記見積り価格と共にその見積り価格を算定した者についての算定者識別情報も読出し、前記販社端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の販売支援サーバ。 - 前記送信手段で前記販社端末に送信した前記仕様情報に対応する見積り価格を前記販社端末から受信する第2受信手段を更に有し、
前記送信手段は、前記第2受信手段で受信した前記見積り価格が、前記顧客に対して過去に提示した前記見積り価格よりも高い場合には、前記販社端末に警告し、確認を求めることを特徴とする請求項1に記載の販売支援サーバ。 - 前記送信手段で前記販社端末に送信した前記仕様情報に対応する見積り価格を前記販社端末から受信する第2受信手段を更に有し、
前記送信手段は、前記データベースから読出した見積り価格についての前記仕様情報と前記第1受信手段で受信した前記仕様情報との仕様差を考慮して、前記第2受信手段で受信した前記見積り価格と、前記顧客に対して過去に提示した前記見積り価格とを比較し、前記第2受信手段で受信した前記見積り価格が不適正に高い場合には、前記販社端末に警告し、確認を求めることを特徴とする請求項1に記載の販売支援サーバ。 - 前記送信手段は、前記顧客に対して過去に提示した前記見積り価格に基づいて、前記クライアント端末に返信すべき最適な見積り価格を算出し、前記販社端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の販売支援サーバ。
- 車両の販売会社が使用する販社端末と、顧客が使用するクライアント端末と、顧客を識別する顧客情報と該顧客に対して提示した見積り価格と該見積り価格についての仕様情報とを関連づけて記憶したデータベースと、車両の製造会社が管理する販売支援サーバと、をネットワークを介して相互に通信可能とした販売支援システムであって、
前記販売支援サーバは、
前記クライアント端末から、前記顧客情報と、車両の仕様を特定する仕様情報と、見積り要求とを受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段で受信した前記顧客情報に基づいて前記データベースから、前記顧客に対して過去に提示した見積り価格を読出し、前記第1受信手段で受信した顧客情報及び前記仕様情報とともに、前記販社端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする販売支援システム。 - 車両の販売会社が使用する販社端末と、顧客が使用するクライアント端末と、顧客を識別する顧客情報と該顧客に対して提示した見積り価格と該見積り価格についての仕様情報とを関連づけて記憶したデータベースと、車両の製造会社が管理する販売支援サーバと、を用いた販売支援方法であって、
前記販売支援サーバが前記クライアント端末から、前記顧客情報と、車両の仕様を特定する仕様情報と、見積り要求とを受信する受信ステップと、
前記販売支援サーバが、前記受信ステップで受信した前記顧客情報に基づいて前記データベースから、前記顧客に対して過去に提示した見積り価格を読出し、前記受信ステップで受信した顧客情報及び前記仕様情報とともに、前記販社端末に送信する送信ステップと、
を含むことを特徴とする販売支援方法。 - 車両の販売会社が使用する販社端末と、顧客が使用するクライアント端末と、顧客を識別する顧客情報と該顧客に対して提示した見積り価格と該見積り価格についての仕様情報とを関連づけて記憶したデータベースと、を用いて顧客に対する見積り価格の提示を行う販売支援プログラムであって、
コンピュータに、
前記クライアント端末から、前記顧客情報と、車両の仕様を特定する仕様情報と、見積り要求とを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した前記顧客情報に基づいて前記データベースから、前記顧客に対して過去に提示した見積り価格を読出し、前記受信ステップで受信した顧客情報及び前記仕様情報とともに、前記販社端末に送信する送信ステップと、
を実行させることを特徴とする販売支援プログラム。 - 請求項9に記載の販売支援プログラムを格納したことを特徴とする記憶媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002257024A JP2004094747A (ja) | 2002-09-02 | 2002-09-02 | 販売支援サーバ、販売支援システム、販売支援方法及び販売支援プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002257024A JP2004094747A (ja) | 2002-09-02 | 2002-09-02 | 販売支援サーバ、販売支援システム、販売支援方法及び販売支援プログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109035031A (zh) * | 2018-06-04 | 2018-12-18 | 安行惠保(北京)科技发展有限公司 | 车辆查勘信息处理方法及其系统 |
-
2002
- 2002-09-02 JP JP2002257024A patent/JP2004094747A/ja active Pending
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CN109035031A (zh) * | 2018-06-04 | 2018-12-18 | 安行惠保(北京)科技发展有限公司 | 车辆查勘信息处理方法及其系统 |
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