JP2004093935A - 光ファイバ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも2層のコアと、コアに外接する第1クラッド層と、第1クラッド層に外接する第2クラッド層とを有し、シングルモード動作可能な波長帯で使用しうる光ファイバであって、前記第1クラッド層における塩素濃度が、前記第2クラッド層における塩素濃度の1.5倍以上5倍以下である光ファイバ。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長分割多重(WDM)光伝送に好適に用いられる光ファイバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信需要の急激な増大により、光ファイバを用いた光伝送路における伝送容量拡大の検討が活発に行われている。それに伴い、WDM光伝送システムにおける大容量化、すなわちチャンネル数の増大や伝送帯域の拡大が進行している。
また、光伝送路を構成する光ファイバの分散または分散スロープのうち少なくとも一方を補償する光ファイバ等の必要性が高まっている。
このような光ファイバとして、屈折率分布が比較的複雑な光ファイバが提案されている。ここで、これらの光ファイバの屈折率分布形状の例を図4〜図7に示す。
図4は、従来の光ファイバの屈折率分布の第1例を示す説明図である。ここで、41は第1コア層の、42は第2コア層の、43はクラッド層の屈折率分布を示す。
また、図5は、従来の光ファイバの屈折率分布の第2例を示す説明図である。ここで、51は第1コア層の、52は第2コア層の、53はクラッド層の屈折率分布を示す。
また、図6は、従来の光ファイバの屈折率分布の第3例を示す説明図である。ここで、61は第1コア層の、62は第2コア層の、63は第3コア層の、64はクラッド層の屈折率分布を示す。
また、図7は、従来の光ファイバの屈折率分布の第4例を示す説明図である。ここで、71は第1コア層の、72は第2コア層の、73は第3コア層の、74は第4コア層の、75はクラッド層の屈折率分布を示す。
ところで、上述の各光ファイバには、屈折率を大きくするための添加物としてゲルマニウムが含まれ、また、屈折率を小さくするための添加物としてフッ素が含まれているのが一般的である。そして、従来の光ファイバは、屈折率分布の調整のために添加物の量を調整することが一般的である。
【0003】
しかし、上述の各光ファイバのクラッド層は実質的にシリカ(SiO2)によって構成されることが多く、光ファイバの線引の際の高温状態では、コア層とクラッド層との間の粘度の差が大きくなり、光ファイバに形成された後に、特にコア層とクラッド層との界面に大きい残留応力が発生していた。そして、この残留応力により、光ファイバの伝送損失に線引炉温依存性が生じたり、伝送損失そのものの増加などが生じており、改善が求められていた。
なお、屈折率分布が単純な光ファイバについては、2層のクラッドを設け、軟化温度が内側から外側へ向けて高くなるものが特開平2−81004号公報に開示されている。しかし、この公報に開示された範囲では、コア層とクラッド層との界面に発生する残留応力の低減については十分満足しうるものではなく、また屈折率分布が比較的複雑な光ファイバについては記載も示唆もされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上述の問題点を解決するため、屈折率分布が比較的複雑な光ファイバであって、特にコア層とクラッド層との界面付近の残留応力が小さく、伝送損失の線引炉温依存性が少なく、また伝送損失そのものが小さい光ファイバを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(1)少なくとも2層のコアと、コアに外接する第1クラッド層と、第1クラッド層に外接する第2クラッド層とを有し、シングルモード動作可能な波長帯で使用しうる光ファイバであって、前記第1クラッド層における塩素濃度が、前記第2クラッド層における塩素濃度の1.5倍以上5倍以下であることを特徴とする光ファイバ、及び
(2)前記コア径をa、前記第1クラッド層の外径をbとした際、aに対するbの割合b/aが1.5以上3以下であることを特徴とする(1)項記載の光ファイバ
を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の光ファイバの好ましい一実施形態における、線引時の温度での粘度分布(a)、塩素濃度(b)および屈折率分布(c)の一例を示す説明図である。図1において、11は第1コア層、12は第2コア層、13は第3コア層、14は第1クラッド層、15は第2クラッド層である。
ここで、本明細書における粘度、コア、クラッドについて説明する。
(1)粘度:線引時の温度における粘度を意味し、例えば、1200℃以上1700℃以下の温度域における粘度が挙げられる。
(2)コア:塩素以外の屈折率を上下させる添加物が導入された、クラッドより高い屈折率を有する、光ファイバ内の光の伝送に直接的な影響を及ぼす領域を意味する。
(3)クラッド:上記(2)に記述されたコアを取り囲み、コアより低い屈折率を有する、光ファイバの屈折率分布の基準となる領域を意味する。なお、本発明の光ファイバには、クラッドの中間部分にリングが配置されているようなものや、クラッドの外部にガラス層が配置されているようなものも含まれる。
【0007】
本発明の光ファイバにおいては、図1(b)のように、第1クラッド層14および第2クラッド層15に塩素が含まれている。例えば、第2クラッド層15の塩素濃度を1000ppm以上2000ppm以下とすることができるが、第1クラッド層14の塩素濃度は第2クラッド層15のそれの1.5倍以上5倍以下とする。このようにすることにより、線引時の残留応力が第3コア層13と第1クラッド層14との界面にかかることがほとんどなくなり、線引時の特性の変化が小さい光ファイバを得ることが可能となる。
なお、本実施形態の光ファイバにおいては、第2クラッド層15にも塩素が含有されているが、これは光ファイバ母材を線引して光ファイバを得る際の線引加熱炉の温度を下げて線引時における屈折率分布の変化を抑えることを考慮しているためであり、第2クラッド層15における塩素濃度は、500ppm以上であることが好ましい。
【0008】
本発明の光ファイバにおける少なくとも2層のコア、第1クラッド層、第2クラッド層の各粘度又は軟化温度は、この順に上昇する(内側から外側へ向けて高くなる)ように形成されることが好ましい。
【0009】
本発明の光ファイバは、少なくとも2層のコアと前記の塩素濃度を有する第1クラッド層及び第2クラッド層とを有する母材を常法により線引してファイバ化することによって製造される。
本発明の光ファイバにおいては、第1クラッド層と第2クラッド層との界面の位置、すなわち、第1クラッド層の外径(b)は、前記b/aで1.5以上であることが好ましく、1.5以上3以下であることがより好ましい。これは、b/aが1.5未満となるとガラス中のOH基に由来する1380nm帯の伝送損失の影響があり、3を越えると第1クラッド層の残留応力吸収能が低下するおそれがあるためである。
本発明において、コアは少なくとも2層設けられる。
【0010】
第1クラッド層の屈折率の第2クラッド層に対する比屈折率差の絶対値は、0.02%以下であると、屈折率分布に関しては第1クラッド層と第2クラッド層とを実質的に同一視することが可能となる。本発明における第1クラッド層を、図4〜図7に例示される屈折率分布構造を有する光ファイバに適用することができる。
【0011】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
本実施形態を、波長1550nmにおける分散値が約+5ps/nm/km、また分散スロープが約+0.05ps/nm2/kmの非零分散シフト光ファイバ(NZDSF)に適用して、第1クラッド層における塩素濃度が第2クラッド層における塩素濃度の1.5倍以上5倍以下になるように実際に試作し、本発明の光ファイバ試料を得た。
ここで、第2クラッド層に対する第1コア層、第2コア層、第3コア層、第1クラッド層の比屈折率差は、それぞれ0.70%、−0.20%、0.20%、0.01%であった。
また、本発明との比較用として、光ファイバ特性が上記NZDSFとほぼ同等であるが、第1クラッド層における塩素濃度が第2クラッド層における塩素濃度の1.5倍以上5倍以下の範囲にはない光ファイバを作製した。比較用光ファイバ試料の第2クラッド層に対する第1クラッド層の比屈折率差はほぼ0%であった。
これらについて、線引炉温に対する伝送損失の依存性を調査したものを図2に示す。図2より、本発明の試料は比較例の試料と比較して、伝送損失の線引炉温依存性が少なく、また伝送損失そのものも小さくなっていることがわかる。
【0012】
実施例2
前記b/aを約1.25〜3.5にした以外は実施例1の本発明試料と同様に光ファイバを作製した。これらの本発明試料について、b/aと伝送損失の関係を調査したものを図3に示す。
図3より、b/aは1.5以上3以下において伝送損失をさらに安定して小さくできることがわかる。
なお、本発明の実施形態は上記のものに限らず、適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0013】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の光ファイバは、線引時のコア層とクラッド層との界面付近の残留応力が小さく、伝送損失の線引炉温依存性が少なく、伝送損失自体も低減されているという優れた効果を奏する。これにより、光ファイバ特性に合わせた線引炉温を選定することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の光ファイバの粘度分布、塩素濃度および屈折率分布の一例を示す概略説明図である。
【図2】実施例1の本発明試料と比較例試料についての、伝送損失の線引炉温依存性を示したグラフである。
【図3】実施例2の本発明試料についての、第1クラッド層の外径とコア径の比b/aと伝送損失の関係を示したグラフである。
【図4】従来の光ファイバの屈折率分布構造の第1例を示す説明図である。
【図5】従来の光ファイバの屈折率分布構造の第2例を示す説明図である。
【図6】従来の光ファイバの屈折率分布構造の第3例を示す説明図である。
【図7】従来の光ファイバの屈折率分布構造の第4例を示す説明図である。
【符号の説明】
11 第1コア層
12 第2コア層
13 第3コア層
14 第1クラッド層
15 第2クラッド層
Claims (2)
- 少なくとも2層のコアと、コアに外接する第1クラッド層と、第1クラッド層に外接する第2クラッド層とを有し、シングルモード動作可能な波長帯で使用しうる光ファイバであって、前記第1クラッド層における塩素濃度が、前記第2クラッド層における塩素濃度の1.5倍以上5倍以下であることを特徴とする光ファイバ。
- 前記コア径をa、前記第1クラッド層の外径をbとした際、aに対するbの割合b/aが1.5以上3以下であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ。
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