JP2004093676A - ラビング装置および方法ならびに液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶表示装置の製造工程で用いられるラビング装置のラビングローラの撓み量を可及的に低減すること。
【解決手段】上面にガラス基板20を載置、固定するステージ12と、ステージ12の上方において水平に回転自在に両端支持されると共に、ステージ12に対して所定方向Xに相対的に移動自在に配設されたラビングローラ14とを具備し、ラビングローラ14によりガラス基板20上の配向膜の表面を一方向にラビング処理するラビング装置10において、ラビングローラ12が、その中心軸線に沿った中央部分が細く形成されて成る。
【選択図】 図1
【解決手段】上面にガラス基板20を載置、固定するステージ12と、ステージ12の上方において水平に回転自在に両端支持されると共に、ステージ12に対して所定方向Xに相対的に移動自在に配設されたラビングローラ14とを具備し、ラビングローラ14によりガラス基板20上の配向膜の表面を一方向にラビング処理するラビング装置10において、ラビングローラ12が、その中心軸線に沿った中央部分が細く形成されて成る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置の製造工程で用いるラビング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、2枚のガラス基板の間に液晶層を形成し、該2枚のガラス基板の一方の内面にスイッチング素子を配設し、他方の内面にカラーフィルタを配設して形成されている。そして、上記液晶層とガラス基板の間には、当該液晶層を構成する液晶分子の配向するための配向膜が形成されている。配向膜は、ガラス基板上に塗布されたポリイミド等の樹脂層から成り、該配向層が硬化した後にラビング装置によりラビング処理することで、配向層の表面に所定の方向の多数の擦れ傷を形成することにより、液晶を所定方向に配向するようになっている。
【0003】
ラビング装置は、ガラス基板を載置、固定したステージの上方に回転自在に支持されたラビングローラを具備しており、該ラビングローラの表面には両面テープ等により起毛布(ラビング布)が接着されている。ラビングローラを回転させながら、その起毛部分においてガラス基板の配向層の表面に対して接触させ、こすることにより配向層の表面には所定方向に延びる多数の擦過傷が形成され、この擦過傷に沿って液晶が配向される。
【0004】
液晶表示装置の輝度や応答性を均一にするためには、ラビング処理において配向層の表面に擦過傷を均一に形成し、以て液晶を均一に配向することが非常に重要となり、配向層の表面の擦過傷はその方向のみらず、幅、長さ、深さも均一に形成することが重要である。そのために、ラビングローラとガラス基板の位置決め、特に、ラビングローラとガラス基板の表面との間の距離を均一に保つことが必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近時、液晶表示装置の分野では、大画面化が進められる一方、一枚の大判のガラス基板から多数の液晶パネルを切り出して製造コストを低減することが求められており、大型のガラス基板をラビングしなければならなくなっている。そのために、ラビングローラもまた長いローラが必要となっている。図4に示すように、ラビングローラ100は従来からステージ(図示せず)の上方において軸受け102、104により両端支持されており、軸受け102、104によるラビングローラの軸受け距離(スパン)Lが大きくなると、ラビングローラ100は、図4において二点鎖線で示すように、その中心軸線Oに沿った中央部分が重力により下に垂れ下がるように撓み変形する。両端支持された梁の中央部分での変形量または撓み量δはスパンLの四乗に比例する。そのために、比較的小型のガラス基板をラビングする場合には、ラビングローラ100のスパンLも小さく撓み量δも小さいが、近時の大型のガラス基板をラビングするために長尺化されたラビングローラ100では、撓み量δは無視することのできない大きさとなっている。
【0006】
本発明は、こうした従来技術の問題点を解決することを技術課題としており、液晶表示装置の製造工程で用いられるラビング装置のラビングローラの撓み量を可及的に低減することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、上面にガラス基板を載置、固定するステージと、前記ステージの上方において水平に回転自在に両端支持されると共に、前記ステージに対して所定方向に相対的に移動自在に配設されたラビングローラとを具備し、前記ラビングローラにより前記ガラス基板上の配向膜の表面を一方向にラビング処理するラビング装置において、前記ラビングローラが、その中心軸線に沿った中央部分が細く形成されて成る中空筒状のローラ部材と、前記ローラ部材の表面に付着されているラビング布とを具備して成るラビング装置を要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、上面にガラス基板を載置、固定するステージと、前記ステージの上方において水平に回転自在に両端支持されると共に、前記ステージに対して所定方向に相対的に移動自在に配設されたラビングローラとを具備し、前記ラビングローラにより前記ガラス基板上の配向膜の表面を一方向にラビング処理するラビング装置において、前記ラビングローラが、繊維強化プラスチックにより中空円筒状に形成されて成るローラ部材と、前記ローラ部材の表面に付着されているラビング布とを具備して成るラビング装置を要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、ガラス基板の表面に透明電極を設け、該透明電極上にポリイミド系配向膜を形成し、該配向膜をラビング処理した一対のガラス基板の間に液晶材料を封入する工程を含む液晶表示素子の製造法において、その中心軸線に沿った中央部分が細く形成されて成る中空筒状のローラ部材と、前記ローラ部材の表面に付着されているラビング布とを具備して成るラビングローラをガラス基板を載置、固定するステージの上方において水平に回転自在に両端支持し、前記ステージに配向膜を形成したガラス基板を前記配向膜を上方に向けて載置、固定し、前記ラビングローラをそのラビング布において前記配向膜の表面に接触させた状態で回転させ、前記ラビングローラを前記ステージに対して所定方向に相対的に移動させることを含む液晶表示素子の製造法を要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の本発明は、ガラス基板の表面に透明電極を設け、該透明電極上にポリイミド系配向膜を形成し、該配向膜をラビング処理した一対のガラス基板の間に液晶材料を封入する工程を含む液晶表示素子の製造法において、繊維強化プラスチックにより中空円筒状に形成されて成るローラ部材と、前記ローラ部材の表面に付着されているラビング布とを具備して成るラビングローラをガラス基板を載置、固定するステージの上方において水平に回転自在に両端支持し、前記ステージに配向膜を形成したガラス基板を前記配向膜を上方に向けて載置、固定し、前記ラビングローラをそのラビング布において前記配向膜の表面に接触させた状態で回転させ、前記ラビングローラを前記ステージに対して所定方向に相対的に移動させることを含む液晶表示素子の製造法を要旨とする。
【0011】
更に、本発明の他の特徴によれば、請求項3または4に記載の製造方法により製造された液晶表示装置が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1を参照すると、ラビング装置10は、その上面にガラス基板20を真空チャック(図示せず)により固定するステージ12を有しており、該ステージ12の上方には、アルミニウム合金製のコア(図示せず)の外表面に起毛布(図示せず)を接着したラビングローラ14が横断方向に延設されている。ステージ12とラビングローラ14はラビングローラ14は、矢印Xで示すように、水平一方向に互いに相対的に往復移動自在になっている。また、ラビングローラ14は、その両端において一対の軸受け(図3参照)により、中心軸線Oを中心として回転自在に支持されている。更に、ラビングローラ14は、中心軸線Oに対して垂直な鉛直軸線周りに旋回自在として、ガラス基板20の表面の配向層に斜め方向の擦過傷を形成できるようにしてもよい。
【0013】
本実施形態によるラビングローラ14は、ステージ12の上方において軸受け16a、16bにより両端支持したときに(図3参照)、ガラス基板20との接触面14aが概ね直線状となるように、中心軸線Oに沿った中心部分が両端と比較して細く糸巻き状または鼓状に形成されている(図2参照)。より好ましくは、ラビングローラ14の中心軸線Oに沿った中央部分を細く形成して、中心軸線Oを含む平面とラビングローラ14の外表面が形成する交線が四次曲線により決定されるようにする。
【0014】
上記ラビングローラ14の糸巻き状または鼓状の外表面は、ラビングローラ14を両端支持したときの自重による撓みを相殺または低減するように、アルミニウム合金製の中空円筒ワークの表面をNC旋盤等により切削加工することにより形成される。その際、両端支持梁の撓み量を示す四次曲線で定義される工具経路に沿って、前記アルミニウム合金製の中空円筒ワークの表面に対してバイトを移動させことが好ましい。また、ワークとバイトとの接触によりワークがバイトから逃げるように変形する場合には、ワークの中央部分においてバイトと反対側の表面に接触するストッパまたは逃げ止めを設けてもよい。
【0015】
以下、本発明による液晶表示素子の製造方法を説明する。
先ず、一対の透明基板上に透明電極が設けられ、該透明電極上に有機高分子物質、特にポリイミドからなる配向膜が形成される。一般にポリイミド化合物は溶媒に不溶であるため、この前駆体であるテトラカルボン酸二無水物とジアミノ化合物の縮合によって得られるポリアミック酸を溶媒に溶かして、基板上に塗布した後、加熱してイミド化する方法が用いられる。より詳細には、ポリアミック酸を溶剤に溶解し、0.1〜30重量%溶液、好ましくは1〜10重量%溶液に調製し、この溶液を刷毛塗り法、浸積法、回転塗布法、スプレー法、印刷法などにより基板上に塗布することにより塗膜が形成される。この塗膜は、50〜150℃、好ましくは80〜120℃で溶媒を蒸発させた後、150℃〜400℃、好ましくは、180℃〜280℃で加熱処理を行い、更に、脱水閉環反応によりポリベンジルイミド系高分子膜からなる液晶配向膜が形成される。
【0016】
こうして形成された配向膜を有するガラス基板が、その配向膜を上側にした状態でラビング装置10のステージ12の上面に載置、固定される。そして、ラビングローラ14をガラス基板の上方で水平に保持すると共に、ラビングローラ14の表面にの表面に付着されているラビング布において配向膜に接触させた状態で、該ラビングローラ14を回転させながら、ステージ12とラビングローラ14を互いに相対的に水平方向に移動させ、配向膜の表面に多数の擦過傷を形成しラビングを行う。
【0017】
その後、純水、アルコール類、芳香族炭化水素類などの洗浄液により配向膜の表面が洗浄処理される。洗浄方法としてはブラッシング、ジェットスプレー、蒸気洗浄あるいは超音波洗浄などが挙げられる。これらの方法は単独で行っても良いし併用しても良い。
【0018】
こうして配向処理および洗浄処理された該2枚のガラス基板によりセルが形成され、液晶を注入した後、注入口が封止され液晶表示装置が形成される。内部を真空状態にした真空チャンバ(図示せず)内で液晶を基板上に散布した後、基板を重ね合わせ液晶が漏れないように密封することにより液晶表示素子を形成してもよい。
【0019】
既述した実施形態ではラビングローラ14はアルミニウム合金から中空円筒状に形成されているが、本発明はこれに限定されない。本発明の他の好ましい実施形態ではラビングローラは、繊維強化プラスチック、特に炭素繊維強化プラスチックにより中空円筒状に形成することができる。炭素繊維強化プラスチックはアルミニウム合金と比較して軽量で剛性が高いために、両端支持した場合に撓み量が格段に小さく、ローラの中心軸線に沿った中央部分を細く形成しなくとも近時のガラス基板の大型化の要請に応えることが可能となる。
【0020】
【発明の効果】
請求項1または3に記載の本発明によれば、ラビングローラの中心軸線に沿った中央部分を細く形成したので、ラビングローラをガラス基板の上方で両端支持したときに、ラビングローラの中心軸線に沿ったラビングローラの表面とガラス基板の表面との間の距離の変化を除去または低減することが可能となり、配向層に均一な多数の擦過傷を形成することが可能となる。
【0021】
請求項2または4に記載の本発明によれば、ラビングローラを繊維強化プラスチックから中空円筒状に形成したので、従来のアルミニウム合金製のラビングローラと比較して、ラビングローラを両端支持し場合の撓み量を低減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラビング装置の略示斜視図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態によるラビングローラの略示側面図である。
【図3】図2のラビングローラを両端支持した場合のローラの変形を示した略示側面図である。
【図4】従来技術によるラビングローラを両端支持した場合のローラの変形を示した略示側面図である。
【符号の説明】
10…ラビング装置
12…ステージ
14…ラビングローラ
16a…軸受け
16b…軸受け
20…ガラス基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置の製造工程で用いるラビング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、2枚のガラス基板の間に液晶層を形成し、該2枚のガラス基板の一方の内面にスイッチング素子を配設し、他方の内面にカラーフィルタを配設して形成されている。そして、上記液晶層とガラス基板の間には、当該液晶層を構成する液晶分子の配向するための配向膜が形成されている。配向膜は、ガラス基板上に塗布されたポリイミド等の樹脂層から成り、該配向層が硬化した後にラビング装置によりラビング処理することで、配向層の表面に所定の方向の多数の擦れ傷を形成することにより、液晶を所定方向に配向するようになっている。
【0003】
ラビング装置は、ガラス基板を載置、固定したステージの上方に回転自在に支持されたラビングローラを具備しており、該ラビングローラの表面には両面テープ等により起毛布(ラビング布)が接着されている。ラビングローラを回転させながら、その起毛部分においてガラス基板の配向層の表面に対して接触させ、こすることにより配向層の表面には所定方向に延びる多数の擦過傷が形成され、この擦過傷に沿って液晶が配向される。
【0004】
液晶表示装置の輝度や応答性を均一にするためには、ラビング処理において配向層の表面に擦過傷を均一に形成し、以て液晶を均一に配向することが非常に重要となり、配向層の表面の擦過傷はその方向のみらず、幅、長さ、深さも均一に形成することが重要である。そのために、ラビングローラとガラス基板の位置決め、特に、ラビングローラとガラス基板の表面との間の距離を均一に保つことが必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近時、液晶表示装置の分野では、大画面化が進められる一方、一枚の大判のガラス基板から多数の液晶パネルを切り出して製造コストを低減することが求められており、大型のガラス基板をラビングしなければならなくなっている。そのために、ラビングローラもまた長いローラが必要となっている。図4に示すように、ラビングローラ100は従来からステージ(図示せず)の上方において軸受け102、104により両端支持されており、軸受け102、104によるラビングローラの軸受け距離(スパン)Lが大きくなると、ラビングローラ100は、図4において二点鎖線で示すように、その中心軸線Oに沿った中央部分が重力により下に垂れ下がるように撓み変形する。両端支持された梁の中央部分での変形量または撓み量δはスパンLの四乗に比例する。そのために、比較的小型のガラス基板をラビングする場合には、ラビングローラ100のスパンLも小さく撓み量δも小さいが、近時の大型のガラス基板をラビングするために長尺化されたラビングローラ100では、撓み量δは無視することのできない大きさとなっている。
【0006】
本発明は、こうした従来技術の問題点を解決することを技術課題としており、液晶表示装置の製造工程で用いられるラビング装置のラビングローラの撓み量を可及的に低減することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、上面にガラス基板を載置、固定するステージと、前記ステージの上方において水平に回転自在に両端支持されると共に、前記ステージに対して所定方向に相対的に移動自在に配設されたラビングローラとを具備し、前記ラビングローラにより前記ガラス基板上の配向膜の表面を一方向にラビング処理するラビング装置において、前記ラビングローラが、その中心軸線に沿った中央部分が細く形成されて成る中空筒状のローラ部材と、前記ローラ部材の表面に付着されているラビング布とを具備して成るラビング装置を要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、上面にガラス基板を載置、固定するステージと、前記ステージの上方において水平に回転自在に両端支持されると共に、前記ステージに対して所定方向に相対的に移動自在に配設されたラビングローラとを具備し、前記ラビングローラにより前記ガラス基板上の配向膜の表面を一方向にラビング処理するラビング装置において、前記ラビングローラが、繊維強化プラスチックにより中空円筒状に形成されて成るローラ部材と、前記ローラ部材の表面に付着されているラビング布とを具備して成るラビング装置を要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、ガラス基板の表面に透明電極を設け、該透明電極上にポリイミド系配向膜を形成し、該配向膜をラビング処理した一対のガラス基板の間に液晶材料を封入する工程を含む液晶表示素子の製造法において、その中心軸線に沿った中央部分が細く形成されて成る中空筒状のローラ部材と、前記ローラ部材の表面に付着されているラビング布とを具備して成るラビングローラをガラス基板を載置、固定するステージの上方において水平に回転自在に両端支持し、前記ステージに配向膜を形成したガラス基板を前記配向膜を上方に向けて載置、固定し、前記ラビングローラをそのラビング布において前記配向膜の表面に接触させた状態で回転させ、前記ラビングローラを前記ステージに対して所定方向に相対的に移動させることを含む液晶表示素子の製造法を要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の本発明は、ガラス基板の表面に透明電極を設け、該透明電極上にポリイミド系配向膜を形成し、該配向膜をラビング処理した一対のガラス基板の間に液晶材料を封入する工程を含む液晶表示素子の製造法において、繊維強化プラスチックにより中空円筒状に形成されて成るローラ部材と、前記ローラ部材の表面に付着されているラビング布とを具備して成るラビングローラをガラス基板を載置、固定するステージの上方において水平に回転自在に両端支持し、前記ステージに配向膜を形成したガラス基板を前記配向膜を上方に向けて載置、固定し、前記ラビングローラをそのラビング布において前記配向膜の表面に接触させた状態で回転させ、前記ラビングローラを前記ステージに対して所定方向に相対的に移動させることを含む液晶表示素子の製造法を要旨とする。
【0011】
更に、本発明の他の特徴によれば、請求項3または4に記載の製造方法により製造された液晶表示装置が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1を参照すると、ラビング装置10は、その上面にガラス基板20を真空チャック(図示せず)により固定するステージ12を有しており、該ステージ12の上方には、アルミニウム合金製のコア(図示せず)の外表面に起毛布(図示せず)を接着したラビングローラ14が横断方向に延設されている。ステージ12とラビングローラ14はラビングローラ14は、矢印Xで示すように、水平一方向に互いに相対的に往復移動自在になっている。また、ラビングローラ14は、その両端において一対の軸受け(図3参照)により、中心軸線Oを中心として回転自在に支持されている。更に、ラビングローラ14は、中心軸線Oに対して垂直な鉛直軸線周りに旋回自在として、ガラス基板20の表面の配向層に斜め方向の擦過傷を形成できるようにしてもよい。
【0013】
本実施形態によるラビングローラ14は、ステージ12の上方において軸受け16a、16bにより両端支持したときに(図3参照)、ガラス基板20との接触面14aが概ね直線状となるように、中心軸線Oに沿った中心部分が両端と比較して細く糸巻き状または鼓状に形成されている(図2参照)。より好ましくは、ラビングローラ14の中心軸線Oに沿った中央部分を細く形成して、中心軸線Oを含む平面とラビングローラ14の外表面が形成する交線が四次曲線により決定されるようにする。
【0014】
上記ラビングローラ14の糸巻き状または鼓状の外表面は、ラビングローラ14を両端支持したときの自重による撓みを相殺または低減するように、アルミニウム合金製の中空円筒ワークの表面をNC旋盤等により切削加工することにより形成される。その際、両端支持梁の撓み量を示す四次曲線で定義される工具経路に沿って、前記アルミニウム合金製の中空円筒ワークの表面に対してバイトを移動させことが好ましい。また、ワークとバイトとの接触によりワークがバイトから逃げるように変形する場合には、ワークの中央部分においてバイトと反対側の表面に接触するストッパまたは逃げ止めを設けてもよい。
【0015】
以下、本発明による液晶表示素子の製造方法を説明する。
先ず、一対の透明基板上に透明電極が設けられ、該透明電極上に有機高分子物質、特にポリイミドからなる配向膜が形成される。一般にポリイミド化合物は溶媒に不溶であるため、この前駆体であるテトラカルボン酸二無水物とジアミノ化合物の縮合によって得られるポリアミック酸を溶媒に溶かして、基板上に塗布した後、加熱してイミド化する方法が用いられる。より詳細には、ポリアミック酸を溶剤に溶解し、0.1〜30重量%溶液、好ましくは1〜10重量%溶液に調製し、この溶液を刷毛塗り法、浸積法、回転塗布法、スプレー法、印刷法などにより基板上に塗布することにより塗膜が形成される。この塗膜は、50〜150℃、好ましくは80〜120℃で溶媒を蒸発させた後、150℃〜400℃、好ましくは、180℃〜280℃で加熱処理を行い、更に、脱水閉環反応によりポリベンジルイミド系高分子膜からなる液晶配向膜が形成される。
【0016】
こうして形成された配向膜を有するガラス基板が、その配向膜を上側にした状態でラビング装置10のステージ12の上面に載置、固定される。そして、ラビングローラ14をガラス基板の上方で水平に保持すると共に、ラビングローラ14の表面にの表面に付着されているラビング布において配向膜に接触させた状態で、該ラビングローラ14を回転させながら、ステージ12とラビングローラ14を互いに相対的に水平方向に移動させ、配向膜の表面に多数の擦過傷を形成しラビングを行う。
【0017】
その後、純水、アルコール類、芳香族炭化水素類などの洗浄液により配向膜の表面が洗浄処理される。洗浄方法としてはブラッシング、ジェットスプレー、蒸気洗浄あるいは超音波洗浄などが挙げられる。これらの方法は単独で行っても良いし併用しても良い。
【0018】
こうして配向処理および洗浄処理された該2枚のガラス基板によりセルが形成され、液晶を注入した後、注入口が封止され液晶表示装置が形成される。内部を真空状態にした真空チャンバ(図示せず)内で液晶を基板上に散布した後、基板を重ね合わせ液晶が漏れないように密封することにより液晶表示素子を形成してもよい。
【0019】
既述した実施形態ではラビングローラ14はアルミニウム合金から中空円筒状に形成されているが、本発明はこれに限定されない。本発明の他の好ましい実施形態ではラビングローラは、繊維強化プラスチック、特に炭素繊維強化プラスチックにより中空円筒状に形成することができる。炭素繊維強化プラスチックはアルミニウム合金と比較して軽量で剛性が高いために、両端支持した場合に撓み量が格段に小さく、ローラの中心軸線に沿った中央部分を細く形成しなくとも近時のガラス基板の大型化の要請に応えることが可能となる。
【0020】
【発明の効果】
請求項1または3に記載の本発明によれば、ラビングローラの中心軸線に沿った中央部分を細く形成したので、ラビングローラをガラス基板の上方で両端支持したときに、ラビングローラの中心軸線に沿ったラビングローラの表面とガラス基板の表面との間の距離の変化を除去または低減することが可能となり、配向層に均一な多数の擦過傷を形成することが可能となる。
【0021】
請求項2または4に記載の本発明によれば、ラビングローラを繊維強化プラスチックから中空円筒状に形成したので、従来のアルミニウム合金製のラビングローラと比較して、ラビングローラを両端支持し場合の撓み量を低減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラビング装置の略示斜視図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態によるラビングローラの略示側面図である。
【図3】図2のラビングローラを両端支持した場合のローラの変形を示した略示側面図である。
【図4】従来技術によるラビングローラを両端支持した場合のローラの変形を示した略示側面図である。
【符号の説明】
10…ラビング装置
12…ステージ
14…ラビングローラ
16a…軸受け
16b…軸受け
20…ガラス基板
Claims (5)
- 上面にガラス基板を載置、固定するステージと、前記ステージの上方において水平に回転自在に両端支持されると共に、前記ステージに対して所定方向に相対的に移動自在に配設されたラビングローラとを具備し、前記ラビングローラにより前記ガラス基板上の配向膜の表面を一方向にラビング処理するラビング装置において、
前記ラビングローラが、その中心軸線に沿った中央部分が細く形成されて成る中空筒状のローラ部材と、前記ローラ部材の表面に付着されているラビング布とを具備して成るラビング装置。 - 上面にガラス基板を載置、固定するステージと、前記ステージの上方において水平に回転自在に両端支持されると共に、前記ステージに対して所定方向に相対的に移動自在に配設されたラビングローラとを具備し、前記ラビングローラにより前記ガラス基板上の配向膜の表面を一方向にラビング処理するラビング装置において、
前記ラビングローラが、繊維強化プラスチックにより中空円筒状に形成されて成るローラ部材と、前記ローラ部材の表面に付着されているラビング布とを具備して成るラビング装置。 - ガラス基板の表面に透明電極を設け、該透明電極上にポリイミド系配向膜を形成し、該配向膜をラビング処理した一対のガラス基板の間に液晶材料を封入する工程を含む液晶表示素子の製造法において、
その中心軸線に沿った中央部分が細く形成されて成る中空筒状のローラ部材と、前記ローラ部材の表面に付着されているラビング布とを具備して成るラビングローラをガラス基板を載置、固定するステージの上方において水平に回転自在に両端支持し、
前記ステージに配向膜を形成したガラス基板を前記配向膜を上方に向けて載置、固定し、
前記ラビングローラをそのラビング布において前記配向膜の表面に接触させた状態で回転させ、
前記ラビングローラを前記ステージに対して所定方向に相対的に移動させることを含む液晶表示素子の製造法。 - ガラス基板の表面に透明電極を設け、該透明電極上にポリイミド系配向膜を形成し、該配向膜をラビング処理した一対のガラス基板の間に液晶材料を封入する工程を含む液晶表示素子の製造法において、
繊維強化プラスチックにより中空円筒状に形成されて成るローラ部材と、前記ローラ部材の表面に付着されているラビング布とを具備して成るラビングローラをガラス基板を載置、固定するステージの上方において水平に回転自在に両端支持し、
前記ステージに配向膜を形成したガラス基板を前記配向膜を上方に向けて載置、固定し、
前記ラビングローラをそのラビング布において前記配向膜の表面に接触させた状態で回転させ、
前記ラビングローラを前記ステージに対して所定方向に相対的に移動させることを含む液晶表示素子の製造法。 - 請求項3または4に記載の製造方法により製造された液晶表示装置。
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