JP2004093072A - 気体加湿システムにおける高分子膜の加湿方法及びその気体加湿システム - Google Patents

気体加湿システムにおける高分子膜の加湿方法及びその気体加湿システム Download PDF

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Abstract

【課題】気体加湿装置の加湿性能を低下させ製品寿命を短くする要因となり得る、被加湿流路を形成する水蒸気透過性高分子膜の膨潤収縮挙動を抑制することが可能な、水蒸気透過性高分子膜の加湿方法及び気体加湿システムを提供することにある。
【解決手段】加湿流体16が供給される加湿流路4内に、水蒸気透過性高分子膜によって形成された被加湿流路5が、その両端部を支持部材6,7に固着支持されて架設されてなる気体加湿装置1において、上記被加湿流路5に対する被加湿ガス14の流入出が停止し、且つ、上記加湿流路4に対する加湿流体16の供給が停止した状態にあっても、加湿流路4から加湿流体16を排出するための大気に連通された排出管路35を遮断して、上記加湿流路4内に水を含む加湿流体16を封じ込めて滞留させることにより、上記被加湿流路5を形成する水蒸気透過性高分子膜を湿潤状態に保持する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水蒸気透過性高分子膜が用いられた気体加湿装置を備え、特に固体高分子型燃料電池に適した気体加湿システムにおいて、上記水蒸気透過性高分子膜を加湿する方法、及び、その方法を実施するための気体加湿システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の成分からなる混合ガスから特定の成分ガスを選択的に透過させる性質を有する高分子膜を用いたガス分離装置は、特開昭62−074434号,特開昭63−224714号などにより知られている。
この種のガス分離装置は、上記高分子膜からなるガス分離用の中空糸を複数本束ねて形成した糸束の両端部を、例えばエポキシ樹脂等のような耐熱性の熱硬化性樹脂で成形した樹脂壁(ポッティング材)内に埋設し固着支持させることにより糸束エレメントを形成し、この糸束エレメントをケース体内に内蔵したものであり、上記中空糸を形成する高分子膜を水蒸気透過性高分子膜とすることにより、気体加湿装置としても利用することができる。
【0003】
ところが、上記従来のガス分離装置を気体加湿装置として利用する場合、上記中空糸の両端部が上記樹脂壁に埋設され固着支持されている一方で、上記中空糸を形成する水蒸気透過性高分子膜は、特性上、湿潤状態と乾燥状態とにおける膨潤収縮挙動が大きいため、使用を繰り返すと、中空糸がその径方向及び長手方向に湿潤膨脹と乾燥収縮とを繰り返すことにより、中空糸の端部と樹脂壁との固着部分に力が繰り返し作用し、該固着部分が剥離したり、該固着部分にて樹脂壁に微細なクラックが生じたりして、該固着部分における中空糸と樹脂壁との間のシール性が劣化してしまう虞があり、結果として、気体加湿装置が充分な加湿性能を発揮することができなくなるばかりでなく、製品寿命をも短くしてしまう虞があるという問題点があった。
特に、高分子膜の水蒸気透過性がより優れているほど、その膨潤収縮挙動が大きくなるため、上記各問題点はより深刻化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その課題は、気体加湿装置の加湿性能を低下させ製品寿命を短くする要因となり得る、被加湿流路を形成する水蒸気透過性高分子膜の膨潤収縮挙動を抑制することが可能な、気体加湿システムにおける水蒸気透過性高分子膜の加湿方法及びその気体加湿システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る気体加湿システムにおける高分子膜の加湿方法は、中空のケース体内に、加湿流体が供給される加湿流路と、水蒸気透過性高分子膜により形成されて該加湿流路内に架設された被加湿ガスを流すための被加湿流路とを備え、該被加湿流路の両端部が上記ケース体内の支持部材に固着支持されてなる気体加湿装置に、加湿源から上記加湿流路に対して加湿流体を供給するための供給管路と、該加湿流路から加湿流体を排出するための大気に連通された排出管路とを接続した気体加湿システムにおける上記高分子膜の加湿方法であって、上記被加湿流路に対する被加湿ガスの流入出が停止され、且つ、上記加湿源からの上記加湿流路に対する加湿流体の供給が停止された状態においては、上記排出管路を遮断して、上記加湿流路内に加湿流体を滞留させることにより、被加湿流路を形成する上記高分子膜を湿潤状態に保つことを特徴とするものである。
【0006】
上記加湿方法によれば、水蒸気透過性高分子膜により形成された被加湿流路を、加湿システムの稼働時のみならず、被加湿ガスの流入出が停止され、且つ、加湿流体の供給が停止された加湿システムの停止時にあっても膨潤状態に保つことができ、被加湿流路の湿潤及び乾燥に伴う径方向及び長手方向への膨潤収縮挙動を抑制することができるため、被加湿流路と支持部材との固着部分の剥離等、被加湿流路の膨潤収縮挙動に伴う不具合の発生を防ぐことができ、気体加湿装置の加湿性能が低下して製品寿命が短くなるのを防止することができる。
なお、上記加湿流体は、水を気相又は気液2相の状態で含むガスであっても良い。
【0007】
上記高分子膜の加湿方法における気体加湿装置の具体例においては、上記被加湿流路が水蒸気透過性高分子膜からなる中空糸の糸束により形成されていると共に、上記支持部材が熱硬化性樹脂からなっており、上記中空糸の糸束の両端部が上記支持部材に埋設され、固着支持されている。また、上記水蒸気透過性高分子膜として、水蒸気選択透過性を有するフッ素系イオン交換膜を採用している。
【0008】
なお、上記高分子膜の加湿方法において、上記被加湿流路に対する被加湿ガスの流入出を再開させるにあたって、被加湿流路をエアーパージすることにより、該被加湿流路内に溜まった水分を一旦排除すると、被加湿ガスの過加湿を防止することができ、より好適である。
【0009】
そして、上記加湿方法における気体加湿システムは、固体高分子型燃料電池の気体加湿システムとしても利用することができ、上記燃料電池のアノードに供給するための水素を含むアノードガス及び/又はカソードに供給するための酸素を含むカソードガスを、被加湿ガスとして上記被加湿流路に導入すると同時に、上記燃料電池のカソードにおいて生成された水を気相又は気液2相の状態で含むカソードオフガスを、加湿流体として上記加湿流路に供給することも可能である。
【0010】
更に、上記高分子膜の加湿方法は、上記被加湿流路に被加湿ガスを導入する導入管路及び/又は上記被加湿流路から被加湿ガスを送り出す送出管路には、該被加湿流路に対する被加湿ガスの流入出を制御するための被加湿ガス制御弁が設けられ、上記供給管路は、上記被加湿ガス制御弁によって被加湿流路に対する被加湿ガスの流入出が停止された状態において、上記加湿流路に対する加湿流体の供給を停止する加湿源に接続されており、上記排出管路には、上記被加湿ガス制御弁によって被加湿流路に対する被加湿ガスの流入出が停止された状態において、該排出管路を遮断するための排出制御弁が設けられている気体加湿システムによって実施することが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、上記本発明に用いられる気体加湿装置1の一例を示している。図中2は中空のケース体であって、円筒形をした外筒10と、この外筒10の軸方向の両端部にそれぞれ螺着等の手段で取り付けられたヘッドキャップ11,12とにより構成されおり、その内部に、加湿流路4と、該加湿流路4内に架設され、水の透過性に優れる水蒸気透過性高分子膜により形成された被加湿流路5とを備えている。
上記一方のヘッドキャップ11には、例えば水素を含んだガスや酸素を含んだガス等の乾燥した被加湿ガス14を上記被加湿流路5に導入するための導入口11aが設けられ、他方のヘッドキャップ12には、該被加湿流路5から加湿された被加湿ガス14を送り出すための送出口12aが設けられており、また、上記外筒10の外周には、加湿源から例えば水を気相又は気液2相の状態で含むガス等の加湿流体16を上記加湿流路4に供給するための供給口10aと、該加湿流路4から該加湿流体16を排出するための排出口10bとが設けられている。
【0012】
そして、水蒸気透過性高分子膜からなる上記被加湿流路5の両端部は、樹脂からなる支持部材6,7に密着して埋設され、固着支持されており、被加湿流路5と支持部材6,7との間は気密にシールされている。また、支持部材6,7は、上記ケース体2内において、被加湿ガス14の上記導入口11a及び送出口12aがそれぞれ連通された導入側空間部17及び送出側空間部18と、上記加湿流路4とを気密に仕切っており、上記被加湿流路5が該支持部材6,7を貫通して、その両端が上記導入側空間部17及び送出側空間部18に対してそれぞれ開口している。
【0013】
更に、具体的に説明すると、上記ケース体2は、外筒10の両端開口に対して一対のヘッドキャップ11,12をそれぞれ、外筒10の両端部外周に設けられたネジに、ヘッドキャップ11,12の内面に設けられたネジを螺合させることにより、組み立てられている。また、上記外筒の内面両端部には、筒状のリング8,9が気密に嵌合固定されており、その外側端面がそれぞれ、上記ヘッドキャップ11,12の内面に設けられたパッキン11b、12bに当接して、上記螺合部とケース体2内との間の気密性を保っている。
【0014】
一方、上記被加湿流路5は、例えばフッ素系イオン交換膜等の水の透過性に優れる水蒸気透過性高分子膜からなる多数の中空糸5aの糸束によって形成され、上記支持部材6,7は、所謂ポッティング材であって、例えばエポキシ樹脂やポリウレタン樹脂等の成形性及びシール性に優れた熱硬化性樹脂により形成されており、上記中空糸5aの糸束の両端部が、該支持部材6,7にそれぞれ気密に埋設されて、固着支持されている。なお、上記中空糸5aの両端部を支持部材6,7に固着するにあたっては、接着剤を用いることもできる。
そして、上記リング8,9内には、上記中空糸5aの糸束の両端部を固着支持する支持部材6,7が気密に嵌着され、各中空糸5aが該支持部材6,7を貫通して、その両端がヘッドキャップ11,12内に形成された上記導入側空間部17及び送出側空間部18に対してそれぞれ開口している。また、上記外筒10内の加湿流路4内には、上記供給口10aから供給された加湿流体16を、該加湿流路4内に架設され被加湿流路5を形成する中空糸5aの糸束の長手方向に沿わせて、上記排出口10bへと導くための筒状のガイド3が設けられている。
【0015】
このような構成を有する気体加湿装置1において、上記供給口10aから加湿流路4に加湿流体16を供給すると共に、上記導入口11aから加湿流路4内に架設された中空糸5aの糸束からなる被加湿流路5に被加湿ガス14を導入すると、上記被加湿ガス14は、各中空糸5a内を流れて送出口12aから送り出され、一方、上記加湿流体16は、上記加湿流路4中における各中空糸5aの間を該各中空糸5aの長手方向に沿って流れて排出口10bから排出されるが、このとき該加湿流体16の水が中空糸5aを透過して被加湿ガス14中に取り込まれるため、加湿された被加湿ガス14が送出口12aから送り出される。なお、上記被加湿ガス14と加湿流体16とが中空糸5aを介して向流的に接触するように、加湿流体16の供給口10aが被加湿ガス14の送出口12a側に設けられ、加湿流体16の排出口15bは被加湿ガス14の導入口11a側に設けられている。
【0016】
図2は、本発明に係る気体加湿システムの一実施例を示す模式図であって、上述した図1に示すような構成を有する気体加湿装置1を固体高分子型燃料電池20に適用したものを例示している。
固体高分子型燃料電池20は、アノード(陽極)21及びカソード(陰極)22からなる電極と、該電極間に介在された高分子電解質膜23とから構成されおり、送出管路31を通じて上記アノード21に水素を含むアノードガスが供給され、カソードガス管路32を通じて上記カソード22に酸素を含むカソードガスが供給されることにより、両電極においてPt等の触媒作用によって次式に示すような反応が行われる。
アノード:H→2H+2e
カソード:2H+1/2O+2e→H
すなわち、アノード21において、水素をプロトンと電子とにする反応が行われ、該プロトンが水和状態(H・xHO)となって上記高分子電解質膜23を透過し、カソード22において、該プロトンと酸素及び電子とから水を生成する反応が行われる。
【0017】
ここで、上記高分子電解質膜23は、例えばフッ素系イオン交換膜からなっており、湿潤状態において高いプロトン導電性を示す性質を有していることから、上記反応を連続して行わせるためには、上記アノードガス及びカソードガスを加湿することにより、該高分子電解質膜23を湿潤状態に維持する必要性がある。
そこで、本実施例においては、上記アノードガスを導入管路30を通じて上記気体加湿装置1に導入する一方で、上記カソード22を加湿源として、そこで生成された水を気相又は気液2相の状態で含む上記反応後のカソードガスすなわちカソードオフガスを、供給管路34を通じて上記気体加湿装置1に供給することにより、アノードガスを加湿してから上記送出管路31を通じてアノード21へと供給している。また、図示は省略するが、上記カソードガスについても、適宜の加湿手段において加湿してから上記カソードガス管路32を通じてカソード22へと供給している。
なお、アノードにて反応を終えたアノードガスもオフガスとしてアノードオフガス管路33を通じて排出される。
【0018】
具体的には、上記気体加湿装置1における被加湿流路5の導入口11aには、図示しないアノードガス供給源から乾燥したアノードガスを被加湿ガス14として上記被加湿流路5に導入するための導入管路30が接続され、一方、その送出口12aには、気体加湿装置1内で加湿されたアノードガスを上記燃料電池20のアノード21に対して送り出すための送出管路31が接続されている。なおここでは、水素を含むアノードガスのリークを防止するため、上記被加湿流路5を形成する水蒸気透過性高分子膜として、物理的な孔が形成されていない例えばフッ素系イオン交換膜等の非多孔質高分子膜を用いている。
また、上記気体加湿装置1における加湿流路4の供給口10aには、カソード22から水を含むカソードオフガスを加湿流体16として上記加湿流路4に供給するための供給管路34が接続され、一方、その排出口10bには、気体加湿装置1内で上記アノードガスを加湿し終えたカソードオフガスを上記加湿流路4から排出するための大気に連通された排出管路35が接続されている。
【0019】
そして、上記導入管路30及び送出管路31には、気体加湿装置1の被加湿流路5に対するアノードガスの流入出を制御するための導入制御弁30a及び送出制御弁31aがそれぞれ設けられており、これら制御弁30a,31aの何れか一方若しくは両方を閉じることにより、被加湿流路5に対するアノードガスの流入出を停止できるようになっている。なお、被加湿流路5に対するアノードガスの流入出が停止されると、上記燃料電池20のアノード21に対するアノードガスの供給、及び、カソード22における水の生成も停止されるため、カソード22から上記加湿流路4に対する、加湿流体16としてのカソードオフガスの供給も同時に停止されることとなる。
すなわち、上記導入制御弁30a及び/又は送出制御弁31aによって上記被加湿流路5に対するアノードガスの流入出を停止することにより、気体加湿システムを停止することができる。
【0020】
一方、上記供給管路34には、上述のようにして気体加湿システムを停止させた状態において、該供給管路34を遮断し、加湿流路4に対するガスの供給を停止させるための供給制御弁34aが設けられている。また、大気に連通された上記排出管路35には、同じく気体加湿システムを停止させた状態において、該排出管路35を遮断して上記加湿流路4を大気から遮断することにより、上記加湿流路4内に水を含んだカソードオフガスを封じ込めて滞留させるための排出制御弁35aが設けられている。
【0021】
ここで、上記各制御弁30a,31a,34a,35aは、全て手動で制御するものであっても良いし、図示しない制御手段により、導入制御弁30a及び/又は送出制御弁31aが閉じられた状態を検知して、その他の制御弁(供給制御弁34a,排出制御弁35a)が自動的に閉じられるようにしても良い。
また、上記燃料電池20のカソード22に対してカソードガスを供給するカソードガス管路32に別途制御弁を設けても良く、その制御弁を制御することにより、カソード22に対するカソードガスの供給を制御することができるばかりでなく、気体加湿装置1に対するカソードオフガスの供給をも制御することができる。なお、上記供給制御弁34aに代えてカソードガス管路32に上記制御弁を設けても良い。
【0022】
次に、上記気体加湿システムによる、気体加湿装置1における被加湿流路5(中空糸5aの糸束)を形成する水蒸気透過性高分子膜の加湿方法を説明する。
まず、上記気体加湿システムが稼働している状態、すなわち、上記導入制御弁30a及び送出制御弁31aが開かれ、気体加湿装置1対してアノードガスが導入管路30及び送出管路31を通じて流入出している状態においては、上記燃料電池20に加湿されたアノードガス及びカソードガスが供給され、上記反応によりカソード22にて水が生成されていることから、上記供給制御弁34a及び排出制御弁35aが開かれて、上記加湿源から気体加湿装置1に対して水を含むカソードオフガスが供給管路34を通じて供給されると共に、該気体加湿装置1内で上記アノードガスを加湿し終えたカソードオフガスが、上記排出管路35を通じて大気に放出される。したがって、上記加湿流路4内に架設された被加湿流路5を形成する水蒸気透過性高分子膜を湿潤状態に保持することができる。
【0023】
一方、上記気体加湿システムが停止している状態、すなわち、上記導入制御弁30a及び/又は送出制御弁31aが閉じられて気体加湿装置1対するアノードガスの流入出が停止され、且つ、加湿源としてのカソード22での水の生成が停止されて加湿流路4に対する加湿流体16としてのカソードオフガスの供給が停止された状態においては、上記供給制御弁34aを閉じて供給管路34を遮断することにより、加湿流路4に対するガスの供給を停止させる。また同時に、上記排出制御弁35aを閉じて大気に連通された排出管路35を遮断し、加湿流路4を大気から遮断することにより、水を含むカソードオフガスを該加湿流路4内に封じ込めて滞留させる。したがって、気体加湿システムの停止中であっても、加湿流路4内に残留した水が大気中に放散されてしまうことが無く、稼働中と同様、上記加湿流路4内に架設された被加湿流路5を形成する上記高分子膜を湿潤状態に保持することができる。
なお、上記被加湿流路に対する被加湿流ガスの流入出を再開させて気体加湿システムを再び稼働させるにあたっては、気体加湿システムの停止中に上記高分子膜を透過して上記被加湿流路5内に溜まった水を、該被加湿流路5をエアーパージすることにより一旦排除する。そうすることにより、アノードガスの過加湿を防止することができる。
【0024】
このように上記本発明の実施例に係る気体加湿システムによれば、気体加湿システムの稼働中はもちろん、気体加湿システムの停止中にあっても、被加湿流路5を形成する水蒸気透過性高分子膜を乾燥させることなく湿潤状態に保持することが可能となり、該高分子膜の膨潤収縮挙動を抑制することができる。したがって、被加湿流路5すなわち中空糸5aの両端部と支持部材6,7との固着部分が剥離したり、該固着部分にて上記支持部材6,7に微細なクラックが生じたりして、被加湿流路5の両端部と支持部材6,7との間のシール性が劣化する等、上記高分子膜の膨潤収縮挙動によって生ずる虞のある不具合を未然に防止することが可能となり、気体加湿装置1の加湿性能が低下したり製品寿命が短くなるのを防止することができる。
【0025】
ここで本実施例においては、加湿源を構成するカソード22にて生成された水を気相又は気液2相の状態で含むカソードオフガスを加湿流体16として利用したが、燃料電池20における図示しない冷却水の循環系を加湿源とし、その冷却水を加湿流体16として上記加湿流路4に供給するようにしても良いし、専用の加湿源を別途設けても良い。
また本実施例においては、上記被加湿流路5は、水蒸気透過性高分子膜からなる中空糸5aの糸束によって形成されているが、水蒸気透過性高分子膜を重ね合わせてその一対の端部同士を結合した積層状、或いは、それを巻回したスパイラル状等、様々な形態に形成されていても良いのはもちろんである。
また、気体加湿装置1の構造は、被加湿流路5の両端部が支持部材6,7によって固着支持されているものであれば良く、図1に示したものに限られるものではない。例えば、被加湿ガスを2種類以上とし、それに対応させて加湿流路4内に複数の被加湿流路5を架設しても良い。
更に、上記気体加湿システムは、固体高分子型燃料電池用のみならず、その他、気体の加湿を必要とする全ての装置やシステム等に適用可能であることは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】
このように、本発明に係る気体加湿システムにおける高分子膜の加湿方法及びその気体加湿システムによれば、被加湿流路に対する被加湿ガスの流入出が停止され、且つ、加湿源からの加湿流路に対する加湿流体の供給が停止された状態にあっても、排出管路を遮断して加湿流体を加湿流路内に滞留させ、該加湿流路内に残留した加湿流体の大気への放散を防止することにより、該被加湿流路を形成する水蒸気透過性高分子膜を乾燥させることなく湿潤状態に保持することが可能となり、該高分子膜の膨潤収縮挙動を抑制することができる。
したがって、被加湿流路の両端部と支持部材との固着部分が剥離したり、該固着部分にて上記支持部材に微細なクラックが生じたりして、被加湿流路の両端部と支持部材との間のシール性が劣化する等、上記高分子膜の膨潤収縮挙動によって生ずる虞のある不具合を未然に防止することができ、結果として、気体加湿装置の加湿性能が低下し、製品寿命が短くなるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る気体加湿システムにおいて使用される気体加湿装置の一例を示している。
【図2】本発明に係る気体加湿システムの一実施例を示す模式図である。
【符号の説明】
1     気体加湿装置
2     ケース体
4     加湿流路
5     被加湿流路
5a    中空糸
6,7   支持部材
14    被加湿ガス
16    加湿流体
20    固体高分子型燃料電池
21    アノード
22    カソード(加湿源)
30    導入管路
30a   導入制御弁(被加湿ガス制御弁)
31    送出管路
31a   送出制御弁(被加湿ガス制御弁)
34    供給管路
34a   供給制御弁
35    排出管路
35a   排出制御弁

Claims (7)

  1. 中空のケース体内に、加湿流体が供給される加湿流路と、水蒸気透過性高分子膜により形成されて該加湿流路内に架設された被加湿ガスを流すための被加湿流路とを備え、該被加湿流路の両端部が上記ケース体内の支持部材に固着支持されてなる気体加湿装置に、加湿源から上記加湿流路に対して加湿流体を供給するための供給管路と、該加湿流路から加湿流体を排出するための大気に連通された排出管路とを接続した気体加湿システムにおける上記高分子膜の加湿方法であって、
    上記被加湿流路に対する被加湿ガスの流入出が停止され、且つ、上記加湿源からの上記加湿流路に対する加湿流体の供給が停止された状態においては、上記排出管路を遮断して、上記加湿流路内に加湿流体を滞留させることにより、被加湿流路を形成する上記高分子膜を湿潤状態に保つことを特徴とする気体加湿システムにおける高分子膜の加湿方法。
  2. 上記被加湿流路は水蒸気透過性高分子膜からなる中空糸の糸束により形成されていると共に、上記支持部材は熱硬化性樹脂からなっており、上記中空糸の糸束の両端部が上記支持部材に埋設され、固着支持されていることを特徴とする請求項1に記載の気体加湿システムにおける高分子膜の加湿方法。
  3. 上記水蒸気透過性高分子膜がフッ素系イオン交換膜であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の気体加湿システムにおける高分子膜の加湿方法。
  4. 上記被加湿流路に対する被加湿流ガスの流入出を再開させるにあたって、被加湿流路をエアーパージすることにより、該被加湿流路内に溜まった水を一旦排除することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の気体加湿システムにおける高分子膜の加湿方法。
  5. 上記加湿流体が、水を気相又は気液2相の状態で含むガスであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の気体加湿システムにおける高分子膜の加湿方法。
  6. 上記気体加湿システムが固体高分子型燃料電池用気体加湿システムであって、
    上記被加湿流路に導入される被加湿ガスが、上記燃料電池のアノードに供給するための水素を含むアノードガス及び/又はカソードに供給するための酸素を含むカソードガスであり、
    上記加湿流体が、上記燃料電池のカソードにおいて生成された水を含むカソードオフガスであることを特徴とする請求項5に記載の気体加湿システムおける高分子膜の加湿方法。
  7. 請求項1〜6に記載された加湿方法を実施するための気体加湿システムであって、
    上記被加湿流路に被加湿ガスを導入する導入管路及び/又は上記被加湿流路から被加湿ガスを送り出す送出管路には、該被加湿流路に対する被加湿ガスの流入出を制御するための被加湿ガス制御弁が設けられ、
    上記供給管路は、上記被加湿ガス制御弁によって被加湿流路に対する被加湿ガスの流入出が停止された状態において、上記加湿流路に対する加湿流体の供給を停止する加湿源に接続されており、
    上記排出管路には、上記被加湿ガス制御弁によって被加湿流路に対する被加湿ガスの流入出が停止された状態において、該排出管路を遮断するための排出制御弁が設けられていることを特徴とする気体加湿システム。
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