JP2004092978A - 燃焼装置、並びに、湯水加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃焼装置2は、燃焼筒11の下方に拡散防止部材19を備えている。拡散防止部材19は、略円筒形の形状を有する本体部19aを有し、その両端にそれぞれ外フランジ部19bと内フランジ部19cとを備えている。内フランジ部19cは、燃焼筒11の開口面積を縮小するものであり、燃焼筒11内に噴霧され、拡散防止部材19内に流入した燃焼ガス等を一時的に滞留させるものである。本体部19aの周囲および内フランジ部19cの全周には、それぞれ複数の連通孔19d,19eが設けられている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯器等の湯水加熱装置に好適に使用できる燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、給湯装置等に代表される湯水加熱装置には、石油等の液体燃料を噴霧して燃焼させる燃焼装置が多用されている。図6は、燃料を噴霧して燃焼させる燃焼装置を備えた湯水加熱装置を示す正面図である。図6において、100は給湯装置であり、101は燃焼装置である。燃焼装置101は、燃料噴射ノズル104とノズル収納筒102と燃焼筒103と送風機105とを有する。燃焼筒103の下流側には燃焼筒103内において燃料が燃焼することにより発生した高温の燃焼ガス通過する燃焼室115と熱交換器116とが設けられている。
【0003】
燃料噴射ノズル104は、ノズル収納筒102内に収納され、外部から供給された燃料を燃焼筒103内に噴霧するものである。燃料噴射ノズル104から噴霧された燃料は、燃焼筒103内で火炎を形成して燃焼する。
【0004】
ノズル収納筒102内には、前記した燃料噴射ノズル104の他に、点火プラグ106が内蔵されており、燃料噴射ノズル104から噴射された燃料は、点火プラグ106によって点火される。
【0005】
燃焼筒103は図6に示す様に二段形状の筒体であり、ノズル収納筒102に接続された第1燃焼筒107と、当該第1燃焼筒107に連続する第2燃焼筒108とから構成されている。
【0006】
燃焼装置101では、燃料噴射ノズル104において噴霧された燃料の大部分が燃焼筒103内において燃焼され、高温の燃焼ガスを発生する。燃料の燃焼により発生した高温のガスは、燃焼筒103の下流側に隣接する燃焼室115内を流れ、熱交換器116内の湯水を加熱する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の給湯装置100では、燃焼筒103において発生した高温の燃焼ガスによって燃焼室115が過度に高温となることを防止するため、燃焼室115の周囲には水管が巻き付けられている。そのため、燃焼室115の壁面は水管内を流れる湯水との熱交換によって冷却され、比較的低温となる。
【0008】
従来の給湯装置100では、燃料噴霧ノズル104において噴霧された燃料のうち、燃焼筒103内において燃焼しきれなかったものは、燃焼ガスと共に燃焼室115内に流入し、その一部が燃焼室115に付着する。上記したように、燃焼室115は、冷却され比較的低温となっているため、燃焼室115に付着した燃料は冷却され液化してしまい、燃焼されることなく排出されていた。そのため、従来の給湯装置100および燃焼装置101では、燃料噴射ノズル104から噴霧された燃料の一部を未燃成分として排出してしまい、十分なエネルギー効率を得られない虞があった。
【0009】
また、従来の給湯装置100では、燃焼作動に伴い燃焼筒103内に形成される火炎が直接熱交換器116に接触することによって不完全燃焼を起し、一酸化炭素やNOx 等の未燃成分が発生する虞があった。そのため、従来の燃焼装置101を用いる場合は、未燃性分の発生を抑制すべく燃焼室115の高さを高くする必要があり、これが給湯装置100の小型化の支障となっていた。
【0010】
そこで、本発明は上記した問題に鑑み、燃焼部内に噴霧された燃料の液化を防止し、完全燃焼することができると共に、湯水加熱装置の小型化が可能な燃焼装置および当該燃焼装置を備えた湯水加熱装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記した問題を解決すべく提供される請求項1に記載の発明は、燃料を噴霧する噴霧手段と、当該噴霧手段により噴霧された燃料を燃焼させる燃焼部とを具備した燃焼装置において、前記燃焼部は、内外を連通し、燃焼部内に空気を導入する空気導入口を有し、前記燃焼部よりも下流側であって、燃料の燃焼時における前記燃焼部内の圧力よりも低圧である部分には、燃焼部内に噴射される燃料の噴射方向に沿う方向へ延伸した壁部を有する拡散防止部材が設けられていることを特徴とする燃焼装置である。
【0012】
本発明の燃焼装置は、燃料を燃焼させる燃焼部と、拡散防止部材とを有し、燃料の燃焼時における前記燃焼部内の圧力は、拡散防止部材内の圧力よりも高い。そのため、拡散防止部材の内部には、燃焼部内に導入される燃料や空気、あるいは燃料の燃焼により発生する燃焼ガス等が流れ込み、拡散防止部材の外部から内部への気体の流入がない。そのため、上記した構成によれば、燃料の燃焼時に燃焼部内に導入される燃料や空気、あるいは燃料の燃焼により発生する燃焼ガス等の燃焼部の下流側における拡散を防止することができる。
【0013】
本発明の燃焼装置では、燃焼部の下流側に拡散防止部材を具備しているため、噴霧手段において噴霧された燃料は、噴霧手段による燃料の噴霧方向に対して交差する方向への広がりが抑制され、一時的に拡散防止部材内に滞留する。また同様に、燃焼部における燃料の燃焼に伴い発生する高温の燃焼ガスも、一時的に拡散防止部材の内部に滞留する。
【0014】
一方、本発明の燃焼装置では、燃料が燃焼し火炎が形成される燃焼部に隣接した位置に拡散防止部材が設けられているため、拡散防止部材は比較的高温である。また、拡散防止部材は、内部に一時的に滞留している高温の燃焼ガスによっても加熱され、高温となっている。そのため、上記した構成によれば、燃焼されずに燃焼部内を流れてきた燃料を、拡散防止部材において加熱して高温とすることにより燃料の液化を防止し、大部分を完全燃焼することができる。
【0015】
上記したように、本発明の燃焼装置は、燃焼部内に噴霧された燃料の大部分を完全燃焼させることができるため、一酸化炭素等やNOx 等の有毒ガスや、スス等の未燃成分の発生量が極めて少ない。従って、本発明によれば、スス等の未燃成分の堆積に伴う燃焼装置の故障を防止すると共に、エネルギー効率が高く、環境に調和した燃焼作動を行うことができる。
【0016】
また、請求項1と同様の課題を解決すべく提供される請求項2に記載の発明は、燃料を噴霧する噴霧手段と、当該噴霧手段により噴霧された燃料を燃焼させる燃焼部とを具備した燃焼装置において、外部から空気が導入される空気室と、当該空気室の下流側に隣接する燃焼室とを有し、前記燃焼部は、内外を連通し、燃焼部内に空気を導入する空気導入口を有し、前記燃焼部よりも下流側には、前記燃焼部に連続し、燃焼部内に噴射される燃料の噴射方向に沿う方向へ延伸した壁部を有する拡散防止部材を有し、前記燃焼部は前記空気室内に収納されており、前記拡散防止部材は前記燃焼室内に収納されていることを特徴とする燃焼装置である。
【0017】
本発明の燃焼装置は、燃料を燃焼させる燃焼部と、拡散防止部材とを有する。燃焼部が収納されている空気室は、空気が外部から導入される部分であり、拡散防止部材が収納されている燃焼室内よりも内圧が高い。そのため、燃焼部内に導入される燃料や空気、あるいは燃料の燃焼により発生する燃焼ガスは、燃焼部から拡散防止部材の内部へと流れ込み、燃焼室内へと流出する。
【0018】
本発明の燃焼装置では、燃焼部の下流側に拡散防止部材を具備しているため、噴霧手段において噴霧された燃料は、噴霧手段による燃料の噴霧方向に対して交差する方向に広がることなく、拡散防止部材内に一時滞留する。また同様に、燃焼部における燃料の燃焼に伴い発生する高温の燃焼ガスも、一時的に拡散防止部材の内部に滞留する。
【0019】
一方、本発明の燃焼装置では、燃料が燃焼し火炎が形成される燃焼部と拡散防止部材とが連続しているため、拡散防止部材は前記火炎によって加熱されるなどして比較的高温となる。また、拡散防止部材の内部に一時的に滞留する燃焼ガスは、燃料の燃焼によって発生したものであるため高温である。そのため、燃焼部内において燃焼されずに拡散防止部材内に流入した燃料の大部分は、拡散防止部材内において加熱され、液化することなく完全燃焼される。
【0020】
本発明の燃焼装置は、燃焼部を通過した燃料が拡散防止部材内において気体状態に維持されるため、拡散防止部材内に滞留している間に燃料の大部分が完全燃焼される。そのため、本発明の燃焼装置では、燃料の不完全燃焼に伴い発生する一酸化炭素等やNOx 等の有毒ガスや、スス等の未燃成分の発生量が極めて少ない。従って、本発明によれば、スス等の未燃成分の堆積に伴う燃焼装置の故障を防止すると共に、エネルギー効率が高く、環境に調和した燃焼作動を行うことができる。
【0021】
請求項3に記載の発明は、拡散防止部材は、燃料の流れの下流側に相当する位置に、燃焼部の開口面積を縮小し、燃焼部内に噴霧された燃料を拡散防止部材内に滞留させる滞留手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置である。
【0022】
本発明の燃焼装置では、拡散防止部材が、燃焼部の開口面積を縮小する滞留手段を具備しているため、燃焼部内に噴霧されたものの、燃焼部内において燃焼されずに拡散防止部材に至った燃料は、拡散防止部材内に滞留する。本発明の燃焼装置では、燃焼部に近接あるいは隣接する位置に拡散防止部材があるため、拡散防止部材は比較的高温である。そのため、拡散防止部材内に滞留している燃料は、拡散防止部材に接触するなどして加熱され、高温となり気化する。
【0023】
本発明の燃焼装置では、拡散防止部材内に滞留している燃料の大部分が気体状態であるため、完全燃焼される。そのため、上記した構成によれば、未燃成分の発生を最小限に抑制することができる。
【0024】
また上記したように、本発明の燃焼装置は、噴霧手段において噴霧された燃料の大部分を完全燃焼することができるため、一酸化炭素や窒素酸化物(NOx )等の有毒ガスの発生量が極めて少なく、環境に調和した燃焼作動を行うことができる。また、本発明の燃焼装置は、燃料の大部分を完全燃焼することができるため、スス等の未燃成分の発生量も少なく、これらの未燃成分の付着や堆積に伴う燃焼装置の故障が殆ど起こらない。
【0025】
請求項4に記載の発明は、拡散防止部材の壁面及び/又は滞留手段には、拡散防止部材の内外を連通する連通孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0026】
本発明の燃焼装置では、拡散防止部材の壁面及び/又は滞留手段に拡散防止部材の内外を連通する連通孔が設けられているため、燃料の燃焼により発生する燃焼ガスや火炎を前記連通孔から拡散防止部材の外側へと逃がすことにより、拡散防止部材の下流側へと流れる燃焼ガスの流速を安定化させると共に、燃料の燃焼により形成される火炎が燃料の噴霧方向に延伸するのを防止することができる。
【0027】
本発明の燃焼装置では、燃焼部内において形成された火炎の一部が、拡散防止部材の連通孔から拡散防止部材の外側に出る。そのため、燃焼部内において形成された火炎は、拡散防止部材において燃料の噴霧方向に対して交差する方向に広がり、燃料の噴霧方向には延伸しない。即ち、本発明の燃焼装置では、燃焼部内において形成された火炎が、燃焼部の下流側にある拡散防止部材において面的に広がる。従って、本発明の燃焼装置を採用すれば、給湯装置等に代表される湯水加熱装置において燃焼装置と熱交換器との間に介在し、燃焼ガスが通過する燃焼室を小型化しつつ、燃焼状態を安定化することができる。
【0028】
本発明の燃焼装置は、燃焼状態が安定しているため、噴霧手段において噴霧された燃料の大部分を完全燃焼することができる。そのため、本発明の燃焼装置によれば、燃焼作動に伴い発生する一酸化炭素やNOx 等の有毒ガスや、スス等の未燃成分の発生を最小限に抑制することができる。従って、上記した構成によれば、環境に調和した燃焼作動を行うと共に、スス等の付着や堆積に伴う燃焼装置の故障を最小限に抑制することができる。
【0029】
また、上記請求項1乃至4のいずれかに記載の燃焼装置は、燃焼部の外部から空気導入口を介して空気が燃焼部内に導入され、噴霧手段により燃料が燃焼部内に噴射され、燃焼部内に導入された空気と前記燃料とが混合され燃焼されることにより火炎が形成されるものであり、燃焼部内において形成される火炎、燃料の燃焼により発生する燃焼ガス、燃焼部内に導入された空気、あるいは燃焼部内に噴霧された燃料の一部又は全部は、拡散防止部材の連通孔から導出されることを特徴とするものであっても良い。(請求項5)
【0030】
本発明の燃焼装置では、燃焼部内において形成される火炎、燃料の燃焼により発生する燃焼ガス、燃焼部内に導入された空気、あるいは燃焼部内に噴霧された燃料の一部又は全部が拡散防止部材の連通孔から導出される。そのため、燃焼部内において形成される火炎や、燃焼部内に噴霧され拡散防止部材の内部に流入した燃料が燃焼することにより形成される火炎は、拡散防止部材の連通孔から導出される。従って、本発明の燃焼装置では、燃料の燃焼により形成される火炎が燃料の噴霧方向に対して交差する方向に広がり、燃料の噴霧方向にはさほど延伸しない。よって、本発明の燃焼装置によれば、湯水加熱装置において燃焼装置と熱交換器との間に介在される燃焼室を小型化しつつ、燃焼状態の安定化を図ることができる。即ち、本発明によれば、給湯装置等の湯水加熱装置を小型化することができる。
【0031】
上記した構成によれば、燃料の燃焼状態を安定し、噴霧手段から噴霧された燃料の大部分を完全燃焼することができる。そのため、本発明の燃焼装置によれば燃焼作動に伴い発生する一酸化炭素やNOx 等の有毒ガスや、スス等の未燃成分の発生量を極微量に抑制し、環境に調和した燃焼作動を行うことができる。また、本発明の燃焼装置は、スス等の未燃成分の発生量が少ないため、未燃成分の付着や堆積に伴う燃焼装置の故障が殆ど起こらない。
【0032】
また、上記請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼装置において、拡散防止部材は、燃焼部に対して着脱自在に装着されていることを特徴とするものであってもよい。(請求項6)
【0033】
また、上記した請求項1乃至6のいずれかに記載の燃焼装置は、燃焼部と、水を加熱する熱交換部を有し、燃焼部で発生した燃焼ガスを熱交換部に送り、熱交換部で水を加熱する湯水加熱装置の燃焼部として採用することが可能である。(請求項7)
【0034】
【発明の実施の形態】
続いて、本発明の一実施形態である燃焼装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態である給湯器および燃焼装置の内部構造を示す正面図である。図2は、図1に示す燃焼装置において採用されている燃焼筒を示す斜視図である。図3は、本実施形態の燃焼装置に採用されている拡散防止部材を示す斜視図である。図4は、図2に示す燃焼筒および図3に示す拡散防止部材の分解斜視図である。図5は、図1に示す燃焼装置の要部断面図である。
【0035】
本実施形態の給湯器1(湯水加熱装置)は、図1の様に、箱形の本体ケース7の内部に燃焼装置2を内蔵したものである。燃焼装置2の下流側には、燃焼室3(燃焼部)と熱交換器4とが順に配されている。熱交換器4の下流側には排気ダクト5が接続されており、その下流端には排気ガスを排出する排気トップ6が設けられている。
【0036】
燃焼装置2の下流側の燃焼室3は、燃焼装置2で発生した高温の燃焼ガスを熱交換器4へ導く空間である。燃焼室3の周囲には、内部を通過する燃焼ガスによる外壁の加熱を防止するための水管3aが外周壁に沿って巻き付けられている。また、熱交換器4は、水管4aを流動する湯水を燃焼装置2で発生した燃焼ガスの熱との熱交換により昇温させるものである。そして、熱交換器4で熱交換された燃焼ガスは、排気ダクト5を経由して排気ガスとして排気トップ6から排出される。
【0037】
燃焼装置2は、箱形の空気室10の内部に燃焼筒11(燃焼部)を配すると共に、空気室10の上部に燃料噴霧手段15と送風機12とを設け、空気室10の下部であって燃焼筒11に連続する位置に拡散防止部材19を設けたものである。
【0038】
また、燃焼筒11の上端側、すなわち燃焼筒11内に噴霧される燃料の上流側に相当する部位には、一次空気導入筒13及びノズル収納筒14が装着されている。ノズル収納筒14には、液体燃料を燃焼筒11の内部に噴射する燃料噴射ノズル16と、これにより噴射される液体燃料に点火する点火プラグ17とが収納されている。
【0039】
燃焼筒11は、図2の様に、円筒体を3段に積み重ねた形状であり、上流側の第1火炎形成部20と、第1火炎形成部20の下流に連続する第2火炎形成部21と、第2火炎形成部21の下流に連続する燃焼空間部22とで構成される。
燃焼筒11の上流側には、図2の様に、一次空気導入筒13とノズル収納筒14が圧入装着され、これら、燃焼筒11、一次空気導入筒13及びノズル収納筒14が一体化された状態で空気室10に装着される。
【0040】
燃焼筒11は、図2の様に、上流側に位置する円筒形の第1火炎形成部20と、当該第1火炎形成部20よりも外径が大きく下流側に連続する円筒形の第2火炎形成部21と、当該第2火炎形成部20よりも更に外径が大きく下流側に連続する円筒形の燃焼空間部22とを一体化した形状である。即ち、燃焼筒11は、外径の異なる3つの円筒体を一体化したもので、各円筒体の中心軸は略一致している。
【0041】
第1火炎形成部20と第2火炎形成部21とは、主として燃焼噴射ノズル16から噴射された燃料を燃焼させて火炎を形成させる部位である。従って、燃焼装置2において、燃焼筒11の第2火炎形成部21よりも上流側は、一般にバーナと称される部分に相当する。一方、第2火炎形成部21に連続する燃焼空間部22は、主として第1及び第2の火炎形成部20,21で発生した燃焼ガスを下流側へ向けて通過させる部位である。また、燃焼空間部22は、第1火炎形成部20及び第2火炎形成部21において燃焼しきれずに燃料の流れの下流側に至った燃料を燃焼する部位としても機能する。
【0042】
第1火炎形成部20は、上端側、即ち燃料の流れの上流側に相当する位置(図4中 上方側)に閉塞面20eを有し、当該閉塞面20eの中央部には開口20aが設けられ、当該開口20aに隣接する位置に放射状に複数の旋回導入口20bが配されている。旋回導入口20bは、閉塞面20eの一部を略方形状に内方へ向けて切り起こして旋回羽根20gを形成したものであり、この切り起こしに伴って開口20fが形成される。旋回導入口20bは、開口20fから旋回羽根20gに沿って空気を導入することにより、第1火炎形成部20の中心軸の周りに上流側から見て反時計方向へ旋回する気流を生じさせる機能を有する。
【0043】
第1火炎形成部20の下流側近傍の外周壁には、全周に渡って複数の空気導入口20c,20dが放射状に配列されている。空気導入口20c,20dは、共に第1火炎形成部20、即ち燃焼筒11の内外を連通するものである。空気導入口20c,20dは、燃焼筒11の外部にある空気を燃焼筒11の内部に導入するものである。さらに具体的には、空気導入口20c,20dは、送風機12により空気室10内に導入される空気を、燃焼筒11内に導入するものである。
【0044】
第2火炎形成部21は、第1火炎形成部20よりも大径の円筒体であり、両者の接続部には上流側に面する段部21aが形成されている。また、段部21aには、複数の旋回導入口21bが配されている。旋回導入口21bは、段部21aの一部をプレス加工等によって内方へ向けて陥没させることにより形成されるものであり、これにより燃焼筒11の周囲にある空気を燃焼筒11の内部へと導入する開口21eと、燃焼筒11の周囲にある空気を開口21eに案内し、開口21eから導入される空気の流れ方向を所定方向に向ける空気案内部21fとが形成される。さらに詳細には、空気導入口21bは、燃焼筒11の周囲にある空気を空気案内部21fによって開口21eに案内することにより、燃焼筒11の周囲の空気を段部21aの内面に沿いつつ中心軸の周りに向かう方向へ導入するものである。この旋回導入口21bを介して導入された空気は、第1火炎形成部20内に導入された空気の旋回流と同一方向に旋回する気流を形成する。さらに具体的には、旋回導入口21bを介して導入された空気は、第2火炎形成部21の中心軸の周りに、燃焼筒11内を流れる燃料の上流側(図4中 上方側)から見て反時計方向へ旋回する気流を生じさせる機能を持つ。
【0045】
第2火炎形成部21の下流側近傍の外周壁には、全周に渡って複数の空気導入口21c,21dが配列されている。空気導入口21c,21dは、第2火炎形成部21の内外、換言すれば燃焼筒11の内外を連通するものである。空気導入口21c,21dは、燃焼筒11の外側にある空気を第2火炎形成部21の内側、即ち燃焼筒11の内側に導入するものである。さらに具体的には、空気導入口21c,21dは、送風機12により空気室10内に導入される空気を、第2火炎形成部21の内側、即ち燃焼筒11の内側に導入するものである。
【0046】
燃焼空間部22は、第2火炎形成部21よりも更に大径の円筒体である。燃焼空間部22と第2火炎形成部21との接続部には上流側に面する段部22aが形成され、当該段部22aには、複数の旋回導入口22bが配されている。旋回導入口22bは、前記した第2火炎形成部21の旋回導入口21bと略同一の形状および機能を有するものである。
【0047】
旋回導入口22bは、段部22aの一部をプレス加工等によって内方へ向けて陥没させることにより形成されるものである。旋回導入口22bは、燃焼筒11の周囲にある空気を燃焼筒11の内部へと導入する開口22eと、燃焼筒11の周囲にある空気を開口22e側へ案内し、開口22eから導入される空気の流れ方向を所定方向に向ける空気案内部22fとが形成される。さらに詳細には、空気導入口21bは、燃焼筒11の周囲にある空気を空気案内部22fによって開口21eに案内することにより、燃焼筒11の周囲の空気を段部22aの内面に沿いつつ中心軸の周りに向かう方向へ導入するものである。この旋回導入口22bを介して導入された空気は、第1火炎形成部20内および第2火炎形成部21内に導入された空気の旋回流と同一方向に旋回する気流を形成する。さらに具体的には、旋回導入口22bを介して導入された空気は、第2火炎形成部21の中心軸の周りに、燃焼筒11内を流れる燃料の上流側(図4中 上方側)から見て反時計方向へ旋回する気流を生じさせる機能を持つ。
【0048】
燃焼空間部22の下流側近傍の外周壁には、全周に渡って複数の空気導入口22cが配列されている。空気導入口22cは、第2火炎形成部20の内外、即ち燃焼筒11の内外を連通するものである。空気導入口22cは、燃焼筒11の外側にある空気を燃焼空間部22の内側に導入するものである。さらに具体的には、空気導入口22cは、送風機12により空気室10内に導入される空気を、燃焼空間部22の内側に導入するものである。燃焼空間部22の下流端は径方向外方へ向けて折曲されており、これによりフランジ部22dが形成されている。
【0049】
燃焼筒11の下流側に接続される拡散防止部材19は、図3に示すように円筒形の形状を有し、両端が開口している。拡散防止部材19は、大別して筒状の本体部19a(壁部)と、外フランジ部19bと、内フランジ部19c(滞留手段)と、開口19fとを有する。本体部19aは、開口径が上記した燃焼筒11の下端(図3中 下方側)にある燃焼空間部22の開口径と略同一の開口径を有する円筒体であり、その軸方向の長さは、前記開口径よりも短い。本体部19aは、燃焼部11内に噴射される燃料の噴射方向に沿う方向に延伸した壁部を形成するものである。本体部19aの下端側、即ち燃焼筒11を通過し拡散防止部材19内に流入した燃料や空気、燃焼ガスの下流側であり、燃焼筒11内に形成される火炎の先端側に相当する部位には、本体部19aの全周にわたって複数の連通孔19dが等間隔で設けられている。連通孔19dは、拡散防止部材19内に流入した燃料、空気、並びに、燃焼筒11内に形成される火炎の一部を拡散防止部材19の外側に導出する部分であると共に、連通孔19dから導出される燃料が燃焼し、火炎を形成する部分でもある。即ち、連通孔19dの一部から燃焼筒11において形成された火炎の先端が導出され、連通孔19dの一部には連通孔19dから導出される燃料の燃焼により火炎が形成される。
【0050】
外フランジ部19bは、拡散防止部材19の一端側を外側に折り曲げることにより形成された部分である。拡散防止部材19と燃焼筒11との間に介在される空気室10の底板32(隔壁)に固定される部分である。即ち、拡散防止部材19は、外フランジ部19bを空気室10の底板32に固定することにより、燃焼筒11に連続するように固定される。
【0051】
内フランジ部19cは、拡散防止部材19の一端側を径方向内側、即ち燃料噴射ノズル16における燃料の噴射方向に対して交差する方向であって、燃焼筒11の内径方向に折り返した部分であり、本体部19aに対して略垂直である。内フランジ部19cは、本体部19aの開口面積を縮小するものであり、燃焼筒11内に噴霧され、下流側に流れる燃料を拡散防止部材19内に滞留させる滞留手段として機能する。
【0052】
内フランジ部19cは、平面視がリング状であり、その全周にわたって複数の連通孔19eが略等間隔に設けられている。連通孔19eは、本体部19aに設けられている連通孔19dと同様に拡散防止部材19の内外を連通するものである。連通孔19eは、拡散防止部材19内に流入した燃料、空気、並びに、燃焼筒11内において形成される火炎および燃焼ガスの一部を拡散防止部材19の外側に導出する部分である。またさらに、連通孔19eは、拡散防止部材19内に滞留している燃料が連通孔19eから噴出し、燃焼することによって火炎を形成する部分でもある。
【0053】
開口19fは、拡散防止部材19の下流側、即ち内フランジ19c側の端部にあり、周囲を内フランジ部19cによって取り囲まれる部分である。開口19fは、拡散防止部材19の上流側、即ち空気室10の底面32に固定される外フランジ19b側の開口よりも開口面積が小さい。換言すれば、開口19fは、本体部19aの下流側の端部の開口径を内フランジ部19cによって絞ったものである。
【0054】
燃焼筒11に装着される一次空気導入筒13は、上流側の大径部13aと、大径部13aよりも僅かに径の小さい下流側の小径部13cとを有する円筒体であり、大径部13aは小径部13cに比べて軸方向の高さの大部分を占めている。大径部13aの下流側近傍には全周に渡って複数の空気導入口13dが放射状に配列され、大径部13aの上流端13bは全周に渡って径方向外方へ向けて僅かに折曲されている。この一次空気導入筒13の小径部13cの内径は、燃焼筒11の第1火炎形成部20の外径と略同一である。
【0055】
ノズル収納筒14は有底円筒体であり、上流端は水平に折曲されてフランジ部14bが形成され、下流側の底面14cの中央には開口14dが設けられている。また、周部14aの外径は上流側に向かうに連れて僅かに広がるテーパ形状とされ、周部14aから底面14cに掛かる部位は大きく湾曲した形状である。周部14aの上流側には、複数の空気導入口14eが放射状に配列されており、周部14aの外径は一次空気導入筒13の大径部13aの内径と略同一である。
【0056】
ノズル収納筒14は、底面14c側を一次空気導入筒13の大径部13a側から圧入することにより一体化される。ここで、前記したように、ノズル収納筒14の周部14aはテーパ形状であるので、ノズル収納筒14を一次空気導入筒13に圧入すると、図2の様に、一次空気導入筒13の上流端13bとノズル収納筒14のフランジ部14bとの間に所定の間隔を有する状態で固定される。
【0057】
ノズル収納筒14を装着した一次空気導入筒13は、その小径部13cを燃焼筒11の第1火炎形成部20に挿通することにより、燃焼筒11に装着されて一体化される。この状態では、ノズル収納筒14の開口14dと燃焼筒11の第1火炎形成部20の開口20aとが重なり合っており、これによりノズル収納筒14から燃焼筒11の内部に至る燃料噴射のための開口が形成されている。
【0058】
空気室10は箱形状であり、図5の様に対向する天板29と底板32とを有する。底板32には大きな開口32aが設けられており、開口32aの周縁に沿って円筒形の遮蔽筒34が上流側へ向けて設けられている。
【0059】
空気室10内には、燃焼筒11が位置決めされて固定されている。さらに詳細には、燃焼筒11は、ノズル収納筒14及び一次空気導入筒13を装着した状態で空気室10内に収納されている。燃焼筒11は、空気室10の底板32に設けられた開口32aに挿通されている。空気室10の天板29には、ノズル収納筒14のフランジ部14bが当接している。燃焼空間部22のフランジ部22dは、底板32の遮蔽筒34の内周壁に当接しつつ嵌入されており、これにより燃焼筒11が位置決めされている。
【0060】
空気室10の底板32の裏面側(図5 下方側)、即ち底板32の燃焼室3側には、固定金具33を用いて図4に示すように拡散防止部材19の外フランジ部19bが当接するように固定されている。即ち、空気室10の底板32には、外フランジ部19bが燃焼筒11内に噴霧された燃料の上流側に位置し、内フランジ部19cが燃料の上流側に位置する姿勢となるように拡散防止部材19が固定金具33によって着脱自在に固定されている。固定金具33は、図4に示すように、外フランジ部19bに沿う形状の段部33aを有する環状の部材である。拡散防止部材19は、外フランジ部19bを固定金具33の段部33aに係合させ、固定金具33をネジ止めすることにより底板32に着脱自在に固定されている。
【0061】
次に、図5を参照して、本実施形態の燃焼装置2における空気の流れおよび火炎の形成状態を説明する。
送風機12により空気室10内へ供給される空気の一部は、ノズル収納筒14の空気導入口14eを介して一次空気として内部に導入される。また、空気室10内へ供給される空気の一部は、一次空気導入筒13の空気導入口13dから内部へ流入する。空気導入口13dから内部に導入された空気は、ノズル収納筒14と一次空気導入筒13との間の狭い隙間を通り、燃焼筒11の第1火炎形成部20に設けた旋回導入口20bから燃焼筒11の内部に一次空気として旋回流を形成しながら流入する。そして、旋回流を形成しながら流入した空気は、ノズル収納筒14の空気導入口14eから導入された空気と共に第1火炎形成部20の開口20aの近傍で燃料噴射ノズル16から噴射される液体燃料と混合され着火される。
【0062】
一方、空気室10内に導入された空気の一部は、第1火炎形成部20の空気導入口20c,20d、第2火炎形成部21の空気導入口21c,21dあるいは、燃焼空間部22の空気導入口22cから燃焼筒11の内部に導入される。即ち、空気室10内に導入された空気の一部は、空気導入口20c,20d,21c,21d,22cから燃焼筒11内に二次空気として導入され、燃料の燃焼に寄与する。
【0063】
一方、空気室10内に導入された空気の一部は、第1火炎形成部20と第2火炎形成部21との境界部にある段部21aに設けられた旋回導入口21bから燃焼筒11内に導入される。旋回導入口21bから燃焼筒11内に導入された空気は、第2火炎形成部21の内壁に沿うように流れ込み、燃焼筒11内に旋回流を形成する。燃焼筒11内に噴霧された燃料や、空気導入口20c,20d,21c,21dから導入された空気は、旋回導入口21bから導入された空気の旋回流により十分混合された後、大部分が完全燃焼される。
【0064】
また同様に、空気室10内の空気の一部は、第2火炎形成部21と燃焼空間部22との境界部にある段部22aに設けられている旋回導入口22bから燃焼空間部22内に導入される。旋回導入口22bから燃焼空間部22内に流入した空気は、燃焼空間部22の内壁に沿って流れ、燃焼空間部22内に旋回流を形成する。燃焼筒11内において燃焼しきれずに燃焼空間部22内に流入した燃料や、空気導入口22cから導入された空気は、旋回導入口22bから導入された空気により形成される旋回流により十分混合され、大部分が完全燃焼される。
【0065】
燃焼筒11内に噴霧された燃料が燃焼している場合、燃焼筒11内の圧力は、拡散防止部材19の内圧よりも高い。そのため、燃焼装置2では、燃焼筒11内に噴霧されたものの、燃焼筒11内および燃焼空間部22内において燃焼しきれなかった燃料や、燃料の燃焼により発生した燃焼ガスは、燃焼筒11の下流側に接続されている拡散防止部材19の本体部19a内に流入する。また、燃焼量が多い場合は、燃料の燃焼によって燃焼筒11内に形成される火炎が拡散防止部材19内に至る。
【0066】
拡散防止部材19の下流側の端部には、燃料噴射ノズル16における燃料の噴射方向に対して交差する方向に折り返された内フランジ部19cが設けられているため、拡散防止部材19の本体部19a内に流れ込んだ燃料や高温の燃焼ガスは一時的に本体部19aの内部に滞留する。換言すれば、本体部19a内に流れ込んだ燃料や高温の燃焼ガスの流れは、内フランジ部19cによって阻止される。
【0067】
燃焼筒11内における燃料の燃焼に伴い発生する火炎や燃焼ガスの一部は、拡散防止部材19の開口19fから下流側、即ち熱交換器4側に向けて噴出する。また、拡散防止部材19の内部に形成される火炎の残部は、本体部19aの連通孔19dあるいは内フランジ部19cの連通孔19eから拡散防止部材19の外側に導出される。
【0068】
拡散防止部材19の本体部19aは、火炎や高温の燃焼ガス等によって加熱され高温となっている。そのため、拡散防止部材19内に滞留している燃料は、燃料の燃焼によって発生した高温の燃焼ガスや、拡散防止部材19に接触するなどして加熱されて気体状態となり、大部分が完全燃焼される。拡散防止部材19内に流入した燃料や空気は、本体部19aの連通孔19dや内フランジ部19cの連通孔19eから拡散防止部材19の外側に向けて噴出すると共に、連通孔19d,19eに火炎を形成する。
【0069】
本実施形態の燃焼装置2では、燃焼筒11内において形成された火炎の一部が、拡散防止部材19の連通孔19d,19eから拡散防止部材19の外側に向けて導出される。また、燃焼筒11内において燃焼しきれずに拡散防止部材19内に流入した燃料も、大部分が燃焼され連通孔19d,19eに火炎を形成する。そのため、本実施形態の燃焼装置2では、火炎が、拡散防止部材19の全周に形成される。従って、本実施形態の燃焼装置2では、燃焼筒11内に形成される火炎は燃料の噴霧方向に対して交差する方向に広がり、燃料の噴霧方向にはさほど延伸しない。即ち、燃焼装置2では、燃焼筒11内において形成された火炎が、燃焼筒11の下流側にある拡散防止部材19において面的に広がる。
【0070】
本実施形態の燃焼装置2では、燃料の燃焼により形成される火炎が拡散防止部材19において面的に広がるため、火炎の上下方向の長さが短い。そのため、燃焼装置2において発生する火炎や燃焼ガスは、燃料の噴霧方向に対して交差する方向に面的に広がり、熱交換器4全体を略均等に加熱することができる。従って、燃焼装置2によれば、給湯器1において燃焼装置2と熱交換器4との間に介在し、高温の燃焼ガスが通過する燃焼室3を小型化しつつ、熱交換器4内を流れる湯水を効率よく加熱することができる。
【0071】
上記したように、本実施形態の燃焼装置2は、燃焼筒11に連続する位置に拡散防止部材19を設け、燃焼筒11内において燃焼しきれずに下流側に流れた燃料や、燃料の燃焼により発生した燃焼ガスを一時的に拡散防止部材19内に滞留させると共に、拡散防止部材19内に流入した燃料を加熱して燃料の液化を防止することにより燃料を完全燃焼させるものである。本実施形態の燃焼装置では、燃料の不完全燃焼に伴い発生する一酸化炭素等やNOx 等の有毒ガスや、スス等の未燃成分の発生量が極めて少ない。従って、本実施形態の燃焼装置2は、エネルギー効率が高く、環境に調和した燃焼作動を行うことができる。
【0072】
また上記した給湯器1(湯水加熱装置)は、燃焼装置2において発生した高温の燃焼ガスを熱交換器4側に送り、この高温の燃焼ガスとの熱交換により水管4a内を流れる湯水と熱交換を行うものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。さらに具体的には、本発明の湯水加熱装置は、例えば湯水が溜められる貯留部と、貯留部を貫通する燃焼ガス通路部を有し、燃焼部で発生した燃焼ガスを燃焼ガス通路部に導入して貯留部内の水を加熱することを特徴とするものであってもよい。
【0073】
上記実施形態では、拡散防止部材19として、筒状の本体部19aと外フランジ部19bと内フランジ部19cとを備えたものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、筒状の本体部19aを備えた構成であればいかなる形状、構成を有するものであってもよい。また、本体部19aと、外フランジ部19bあるいは内フランジ部19cを別途作成するなどして一体化してもよい。
【0074】
拡散防止部材19は、円筒形であったが、本発明はこれに限定されるものではなくいかなる形状のものであってもよい。
【0075】
上記実施形態において連通孔19d,19eはいずれも複数であったが、本発明はこれに限定されるものでなく、推奨されない形態ではあるが単一であってもよい。また、連通孔19dは、拡散防止部材19の下端側に全周にわたって等間隔に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、燃料や空気の流れや、連通孔19dから外側に向けて形成される火炎の状態等に応じて連通孔19dの形成位置、密度等を適宜調整することも可能である。
【0076】
また、上記実施形態では、本体部19aに連通孔19dを設け、内フランジ部19cに連通孔19eを設けた構成を例示したが、本発明の燃焼装置において採用される拡散防止部材19では、連通孔19d,19eを必ずしも設ける必要はない。即ち、拡散防止部材19は、連通孔19d,19eのいずれか一方、あるいは双方を備えない構成とすることも可能である。
【0077】
上記実施形態では、拡散防止部材19が、外フランジ部19bを空気室10の底板32に固定する構造を例示したが、本発明において拡散防止部材19は燃焼筒11に連続するように固定されていればよく、例えば外フランジ部19bを燃焼筒11の下端側に直接溶接するなどして固定するなどして固定してもよい。
【0078】
拡散防止部材19の内フランジ部19cは、本体部19aに対して略垂直に形成されたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば燃焼筒11内に噴霧される燃料の下流側に向かうに従って断面積が縮小する錐状の形状に形成されたものであっても良い。
【0079】
なお、上記した給湯器1、並びに、燃焼装置2は、本発明の一実施形態を示すものであり、これをもって本発明を限定するものではない。
【0080】
【発明の効果】
請求項1および2に記載の発明によれば、燃焼部内において燃焼されずに拡散防止部材内に流入した燃料を拡散防止部材内において気体状態に維持し、完全燃焼することができる。
【0081】
請求項3に記載の発明によれば、燃焼筒内に噴霧されたものの、燃焼筒内において燃焼されずに拡散防止部材に至った燃料を拡散防止部材内に滞留させ、加熱ることにより燃料の大部分を気体状態に維持し、完全燃焼することができる。
【0082】
請求項4および5に記載の発明によれば、燃焼部内において形成された火炎を拡散防止部材において面的に広げると共に、火炎の全長を短縮するとができる。そのため、本発明の燃焼装置によれば、給湯装置等に代表される湯水加熱装置において燃焼装置と熱交換器との間に介在し、燃焼ガスが通過する燃焼室を小型化しつつ、熱交換器を略均一に加熱することができる。
【0083】
請求項6に記載の発明によれば、拡散防止部材を既存の燃焼装置にも容易に着脱することができる。本発明によれば、既存の燃焼装置の燃焼特性を容易に改善することができる。
【0084】
請求項7に記載の湯水加熱装置は、上記請求項1乃至6のいずれかに記載の燃焼装置を備えたものであるため、高効率かつ精度よく湯水を加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である給湯器および燃焼装置の内部構造を示す正面図である。
【図2】図1に示す燃焼装置において採用されている燃焼筒を示す斜視図である。
【図3】本実施形態の燃焼装置に採用されている拡散防止部材を示す斜視図である。
【図4】図2に示す燃焼筒および図3に示す拡散防止部材の分解斜視図である。
【図5】図1に示す燃焼装置の要部断面図である。
【図6】従来技術の湯水加熱装置および燃焼装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1 給湯器(湯水加熱装置)
2 燃焼装置
3 燃焼室(燃焼部)
4 熱交換器
10 空気室
11 燃焼筒(燃焼部)
20 第1火炎形成部
20c,20d 空気導入口
21 第2火炎形成部
21c,21d 空気導入口
32 底板(隔壁)
Claims (7)
- 燃料を噴霧する噴霧手段と、当該噴霧手段により噴霧された燃料を燃焼させる燃焼部とを具備した燃焼装置において、前記燃焼部は、内外を連通し、燃焼部内に空気を導入する空気導入口を有し、前記燃焼部よりも下流側であって、燃料の燃焼時における前記燃焼部内の圧力よりも低圧である部分には、燃焼部内に噴射される燃料の噴射方向に沿う方向へ延伸した壁部を有する拡散防止部材が設けられていることを特徴とする燃焼装置。
- 燃料を噴霧する噴霧手段と、当該噴霧手段により噴霧された燃料を燃焼させる燃焼部とを具備した燃焼装置において、外部から空気が導入される空気室と、当該空気室の下流側に隣接する燃焼室とを有し、前記燃焼部は、内外を連通し、燃焼部内に空気を導入する空気導入口を有し、前記燃焼部よりも下流側には、前記燃焼部に連続し、燃焼部内に噴射される燃料の噴射方向に沿う方向へ延伸した壁部を有する拡散防止部材を有し、前記燃焼部は前記空気室内に収納されており、前記拡散防止部材は前記燃焼室内に収納されていることを特徴とする燃焼装置。
- 拡散防止部材は、燃料の流れの下流側に相当する位置に、燃焼部の開口面積を縮小し、燃焼部内に噴霧された燃料を拡散防止部材内に滞留させる滞留手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置。
- 拡散防止部材の壁面及び/又は滞留手段には、拡散防止部材の内外を連通する連通孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼装置。
- 燃焼部の外部から空気導入口を介して空気が燃焼部内に導入され、噴霧手段により燃料が燃焼部内に噴射され、燃焼部内に導入された空気と前記燃料とが混合され燃焼されることにより火炎が形成されるものであり、燃焼部内において形成される火炎、燃料の燃焼により発生する燃焼ガス、燃焼部内に導入された空気、あるいは燃焼部内に噴霧された燃料の一部又は全部は、拡散防止部材の連通孔から導出されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の燃焼装置。
- 拡散防止部材は、燃焼部に対して着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼装置。
- 燃焼部と、水を加熱する熱交換部を有し、燃焼部で発生した燃焼ガスを熱交換部に送り、熱交換部で水を加熱する湯水加熱装置において、燃焼部には請求項1乃至6のいずれかに記載の燃焼装置を具備していることを特徴とする湯水加熱装置。
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