JP2004092945A - ガス処理設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加圧下において可燃物Pを燃焼又は熱分解した際に発生した排ガスGを、この排ガスGによって駆動するガスタービン14に送る過程に、ガス処理設備13を設ける。そして、このガス処理設備13を、ガスG中の煤塵Bを集塵しうるろ材41が備えられたろ過式集塵機40と、このろ過式集塵機40の下流に備えられた遠心式集塵機50と、で構成する。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧下において可燃物を燃焼又は熱分解した際に発生した排ガスを、この排ガスによって駆動するガスタービンに送る過程に設けられるガス処理設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化防止の観点から可燃物の持つエネルギーを最大限に有効利用しようと種々の試みがなされている。その中の1つに、加圧下において可燃物を燃焼又は熱分解(以下、これらをあわせて単に熱処理ともいう。)し、その際に発生した高温・高圧のガス(排ガス)でガスタービンを駆動することによりエネルギー回収を図るというものがある。
【0003】
しかるに、かかる高温・高圧の排ガス中に一定以上の量、大きさの煤塵が含まれていると、この煤塵がタービンを損傷・磨耗し、あるいはタービンに付着するため、設備の安定した運転が妨げられる。
【0004】
そこで、現在は、高温・高圧の排ガスを、この排ガスによって駆動するガスタービンに送る過程にガス中の煤塵を除去するガス処理設備を設けることにより対応を図っている。そして、かかるガス処理設備には、▲1▼排ガスを液体と接触させる湿式集塵機からなる設備、▲2▼排ガスをろ材に通すバグフィルタなどのろ過式集塵機からなる設備、▲3▼遠心力を利用する遠心式集塵機からなる設備、▲4▼遠心式集塵機とこの下流に備えられたろ過式集塵機とからなる設備、がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、まず、湿式集塵機からなる設備(▲1▼)には、「液体との接触により排ガスの温度が低下するため、エネルギー損失になる」という問題がある。また、ろ過式集塵機からなる設備(▲2▼)には、「損傷したろ材の破片がガスタービンに入り込み、タービンを損傷させる虞がある」という問題がある。さらに、遠心式集塵機からなる設備(▲3▼)には、「集塵性能が特にろ過式集塵機からなる設備に比して劣る」という問題がある。そして、遠心式集塵機及びその下流に備えられたろ過式集塵機からなる設備(▲4▼)にも、「損傷したろ材の破片がタービンを損傷させる虞がある」といった問題の他、「ろ過式集塵機への煤塵が小粒径のもののみとなるため、ろ材の目に煤塵が詰まり易くなる」といった問題がある。
【0006】
そこで、本発明の主たる課題は、エネルギー損失を生じさせることがなく、タービンを損傷させる虞もない上に、集塵性能にも優れるガス処理設備を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は、次の通りである。
<請求項1記載の発明>
加圧下において可燃物を燃焼又は熱分解した際に発生した排ガスを、この排ガスによって駆動するガスタービンに送る過程に設けられるガス処理設備であって、
前記ガス中の煤塵を集塵しうるろ材が備えられたろ過式集塵機と、このろ過式集塵機の下流に備えられた遠心式集塵機とを有することを特徴とするガス処理設備。
【0008】
<請求項2記載の発明>
遠心式集塵機の接ガス部が金属製である請求項1記載のガス処理設備。
【0009】
<請求項3記載の発明>
遠心式集塵機にブローダウン手段が備わる請求項1又は請求項2記載のガス処理設備。
【0010】
<請求項4記載の発明>
遠心式集塵機からガスタービンに移行する清浄ガス中の煤塵濃度を測定する煤塵濃度計を備え、この煤塵濃度計による測定値が所定値以上となった場合のみにおいてブローダウン手段を作動させるようにした請求項3記載のガス処理設備。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明に係るガス処理設備は、可燃物が燃焼された場合に発生する排ガスの他、可燃物が熱分解された場合に発生する排ガスなどをも処理対象とすることができるが、本実施の形態では、可燃物が燃焼された場合に発生する排ガスを処理対象とする場合について、説明する。
【0012】
図1に、本実施の形態に係るガス処理設備13が備えられた燃焼処理設備の構成例を示した。
本燃焼処理設備には、燃焼炉1が備えられている。この燃焼炉1の上部には、スプレーノズル等が備えられた複数の可燃物Pの供給口2が設けられている(なお、図1においては、供給口2を1つしか示していない。)。これらの供給口2は、可燃物供給路3(供給路は、例えば管などで構成することができる。以下で説明する他の供給路や排気路についても同様である。)によって供給ポンプ4を介して可燃物Pの貯槽5と接続されている。可燃物供給路3には、燃焼用空気Aの供給路6が接続されている。貯槽5に貯留された廃液や下水汚泥等からなる高水分含有量の可燃物Pは、供給ポンプ4によって昇圧され、燃焼用空気Aとともに供給口2から燃焼炉1内に噴霧供給される。噴霧供給された可燃物Pは、燃焼炉1内において燃焼される。
【0013】
燃焼炉1の上部には、スプレーノズル等が備えられた複数の補助燃料Rの供給口7が設けられている(なお、図1においては、供給口7を1つしか示していない。)。これらの供給口7には、補助燃料Rの供給路9が接続されている。この供給路9には、供給路6から分岐する燃焼用空気Aの供給路8が接続されている。補助燃料Rは、燃焼用空気Aとともに燃焼炉1内に噴射供給され、燃焼炉1内において燃焼される。なお、補助燃料Rとしては、例えば、灯油、軽油等の液体燃料、微粉炭等の固体燃料、LNG等の気体燃料などを使用することができる。
【0014】
燃焼炉1の炉底部には、可燃物Pに含有された無機分の灰を排出する灰分排出口10が設けられている。また、燃焼炉1の炉頂部には、可燃物Pの燃焼により発生した煤塵を含む燃焼排ガスGを排気する排気口11が設けられている。この排気口11は、ガス処理設備13と排気路12を介して接続されている。
【0015】
ここで、本発明に係るガス処理設備について説明する。
本発明に係るガス処理設備は、バグフィルタなどからなるろ過式集塵機と、このろ過式集塵機の下流に備えられたサイクロンなどからなる遠心式集塵機と、から主になるものである。本発明においては、ガス処理設備を、かかるろ過式集塵機と遠心式集塵機とで構成し、湿式集塵機を使用しないので処理対象となるガスの温度が低下するといったエネルギー損失が生じない。また、ろ過式集塵機の「下流に」遠心式集塵装置が備えられるので、ろ材の破片はかかる遠心式集塵装置によって集塵されガスタービンに入り込む余地がなく、したがってタービンの損傷が防止される。さらに、ろ過式集塵機が備えられるので、優れた集塵性能が得られる。その他、ろ過式集塵機が遠心式集塵機よりも「上流」に備えられるので、ろ過集塵機へ供給される煤塵が小粒径のものに限られることがなく大小さまざまなものとなり、したがってろ材の目詰まりが緩和される、との効果も得られる。
【0016】
本発明において使用することができるろ過式集塵機は、その種類が特に限定されるものではない。内部にろ材が備えられ、このろ材に含塵ガスを通すことにより集塵を行う公知のものを使用することができる。
【0017】
また、本発明において使用することができる遠心式集塵機も、その種類が特に限定されるものではない。遠心力により煤塵とガスとを分離する公知のものを使用することができる。
【0018】
ただし、遠心式集塵機の接ガス部は、金属製であるのが好ましい。この点、遠心式集塵機の接ガス部は、高温ガスを処理対象とする場合、通常、キャスタブル等の耐火材で形成されている。キャスタブル等の耐火材は、耐火性には優れるものの温度変化などによりクラックが発生し、破片が形成される虞がある。破片が形成されれば、当然、ガスタービンに入り込み、タービンを損傷する虞がある。しかし、接ガス部を金属製とすれば、かかる虞はない。
【0019】
また、本発明において使用する遠心式集塵機は、含塵ガスの一部を抜き出す機構、すなわちブローダウン手段が備わるものであるのが好ましい。集塵効率を向上させるためである。
【0020】
ところで、ブローダウン手段を備えたことによる集塵効率の向上効果は、含塵ガスの流量、組成、温度、圧力や、煤塵の濃度、比重、粒度、形状などによって若干異なるものの、一般的には、ブローダウン比が0〜10%の場合はブローダウン比にほぼ比例し、10%を超える場合はほぼ一定であるとされている。したがって、集塵効率の向上という観点からは、ブローダウン比を10%程度にするのが好ましいということになる。しかしながら、10%もの高温・高圧ガスを抜き出して放出することはエネルギーの多大な損失となる。そこで、本発明に係るガス処理設備においては、遠心式集塵機からの清浄ガス中の煤塵濃度を測定する煤塵濃度計を備え、この煤塵濃度計による測定値が所定値以上となった場合のみにおいてブローダウン手段を作動させるのが好ましい。煤塵濃度計による測定値が所定値以上となった場合、つまり集塵効率が低下した場合のみにおいてブローダウン手段が作動するように構成することにより、集塵効率の向上という効果を期待することができながら、エネルギー損失を最小限に抑えることができるようになるためである。
【0021】
次に、以上のガス処理設備を具体化した本実施の形態のガス処理設備13について、説明する。
ガス処理設備13は、図2に示すように、排気路12を介して燃焼炉1の排気口11と接続されたろ過式集塵機40と、このろ過式集塵機40の下流に供給路23を介して接続された遠心式集塵機50と、から主になっている。
【0022】
ろ過式集塵機40は、内部にろ材41,41…が備えられており、このろ材41,41…に、排気路12を介して供給された燃焼炉1からの燃焼排ガスGが通され、除塵されるようになっている。ろ材41,41…により除塵された燃焼排ガスGは、供給路23を介して遠心集塵機50に供給される。
【0023】
この遠心式集塵機50は、図3に示すように、円筒状の筒部53と、この筒部53の下端に一体的に設けられた下端に向かってつぼまっていく形態の円錐部54と、この円錐部54の下端に一体的に設けられた集塵室55と、筒部53の側面に取り付けられたガス供給口51と、筒部53の上面にこの筒部53と同軸となるように取り付けられた筒状のガス排気口52と、から主になっている。
【0024】
円錐部54と集塵室55との境界部分は開口しており(以下、この部分を開口部54aという。)、また、集塵室55の下端部も開口している(以下,この部分を開口部55aという。)。
【0025】
ガス供給口51は、ろ過式集塵機40からの燃焼排ガスGを、筒部53内に供給するためのものであり、供給された燃焼排ガスGが筒部53内で旋回するように筒部53に対して接線方向に取り付けられている。
【0026】
本実施の形態において、遠心式集塵機50の接ガス部、すなわち筒部53、円錐部54、ガス供給口51及びガス排気口52それぞれの内壁は、全て金属製となっている。この金属の種類は、特に限定されるものではないが、耐熱性という観点からは、オーステナイト系ステンレス、特に、SUS304、SUS310Sであるのが好ましい。
【0027】
ガス供給口51から供給された燃焼排ガスGは、筒部53内を旋回しながら下方へ移動する。燃焼排ガスGは、円錐部54内においても旋回を続ける。このような旋回過程において、燃焼排ガスG中の煤塵や、ろ材の破片など(これらをあわせて単に煤塵Bともいう。)は、遠心力により外方へ(内壁面に向かって)移動するので、軸部のガスは煤塵Bが除去され、ないし煤塵の濃度が低下したクリーンな燃焼排ガス(清浄ガス)となる。
【0028】
内壁面まで移動した煤塵Bは、円錐部54の内壁面を滑り落ち、開口部54aを通って集塵室55に集められる。他方、煤塵Bの除去された清浄ガスGは、ガス排気口53から排気される。この排気口53は、排気路24を介して後述する補助燃焼炉19に接続されており、清浄ガスGが補助燃焼炉19内において再燃焼されるようになっている。
【0029】
ところで、本実施の形態に係るガス処理設備13においては、かかる排気路24の途中に清浄ガスG中の煤塵濃度を測定する煤塵濃度計60が備えられている。また、集塵室55の開口部55aには、ディフューザー31が接続されている。さらに、このディフューザー31は、図2に示すように、途中に仕切弁62aが備えられた供給路27を介して圧縮空気Aの流通する供給路6に接続されており、また、途中に仕切弁62bが備えられた供給路25を介して予熱器15に通じる供給路28にも接続されている。そして、煤塵濃度計60による測定値が所定値以上となった場合には、図示しないブローダウン手段の作動により、仕切弁62a及び62bが開放される。これにより、集塵室55内の煤塵Bは、ブローダウンガスとともに開口部55aを通してディフューザー31に供給され、供給路6から供給路27を介して送られてきた圧縮空気Aによって、供給路25を介して、供給路28に送られることになる。
【0030】
清浄ガスGの供給される補助燃焼炉19には、前記清浄ガスGを供給するための供給路24の他、燃焼用空気Aの供給路6から分岐する供給路26と、補助燃料R´の供給路20と、ガスタービン14に接続された排気路21と、が接続されている。補助燃焼炉19に供給された補助燃料R´及び清浄ガスGは、燃焼用空気Aによって燃焼され、この燃焼により発生した燃焼排ガスGは、排気路21を介してガスタービン14に送られ、ガスタービン14を駆動する。
【0031】
補助燃料R´としては、例えば、灯油グレード以上の液体燃料や、LNG等の気体燃料などを使用することができる。前述の補助燃料Rとしても、これらの燃料(灯油グレード以上の液体燃料や、LNG等の気体燃料など)を使用する場合は、供給路20を供給路9から分岐させて、補助燃焼炉19に補助燃料Rが供給されるように構成することもできる。
【0032】
燃焼炉1において発生した燃焼排ガスGの圧力が低い場合などは、補助燃焼炉19に供給する補助燃料R´の量を多くし、補助燃焼炉19からガスタービン14に送られる燃焼排ガスGの量を増加させる。これにより、空気Cを十分な圧力にまで加圧して燃焼炉1に供給することができ、燃焼炉1内の高圧状態を安定的に維持することができるようになる。この操作は、燃焼処理設備の運転当初などであるために燃焼炉1内が十分な圧力にまで昇圧されていないときにも行うことができ、したがって燃焼炉1内が所定の高圧状態となるまでの立ち上がり時間を短縮させるのに役立たせることができる。
【0033】
なお、本実施の形態においては、ガス処理設備13からの清浄ガスGを、供給路24を介して補助燃焼炉19に送る形態としたが、この形態に限られるものではない。例えば、ガス処理設備13からの清浄ガスGを、直接ガスタービン14に送る形態とすることもできる。
【0034】
ガスタービン14の駆動に利用された燃焼排ガスGは、さらに供給路28を介して予熱器15に通され熱源として利用される。熱源として利用された燃焼排ガスGは、供給路29を介して排ガス処理装置16に送られ、清浄化処理された後、大気中に放出される。
【0035】
本実施の形態において、上記ガスタービン14には、コンプレッサー17が連結されており、ガスタービン14の駆動にともなって、駆動されるようになっている。このコンプレッサー17には空気Cが供給される。コンプレッサー17に供給された空気Cは、圧縮されて加圧された後、供給路30を介して上記予熱器15に送られる。予熱器15において、圧縮空気Cは、燃焼排ガスGの熱によって(ブローダウンガスが予熱器15に送られている場合は、ブローダウンガスの熱によっても)加熱され、高温・高圧の燃焼用空気Aとして供給路6並びにこの供給路6から分岐する供給路8及び供給路26に送られる。以上のようにして燃焼炉1には、コンプレッサー17によって加圧された高圧の燃焼用空気Aが供給されるので、燃焼炉1内では常圧よりも高圧の状態で可燃物Pが燃焼されることになる。
【0036】
この燃焼に際して発生した高温の燃焼排ガスGは、燃焼炉1内が高圧であることから高圧状態のまま排気口11から排出される。したがって、その熱エネルギーを回収することができるとともに、その圧力(膨張)エネルギーをも回収することができることになる。本実施の形態では、ガスタービン14によって、燃焼排ガスGの圧力エネルギー及び熱エネルギーが回収され、また、予熱器15によってガスタービン14を経てもなお残る熱エネルギーが回収される。
【0037】
ところで、本実施の形態において、かかる燃焼炉1内の圧力は、0.2〜1.0MPaとなるように設定されている。燃焼炉1内の圧力が0.2MPaを下回ると、排気口11から排気され、排気路12、補助燃焼炉19及び排気路21を介してガスタービン14に供給される燃焼排ガスGの圧力が小さくなるため、補助燃焼炉19内に供給する補助燃料Rの量を増加させなければガスタービン14を駆動することができなくなり、効率的なエネルギー回収が阻害される虞がある。他方、燃焼炉1内の圧力を1.0MPaを上回らせるには、燃焼炉1をより高強度の耐圧構造としなげればならず、エネルギーの回収効率が向上することを考慮してもかえって非経済的になる虞がある。
【0038】
本実施の形態においては、ガスタービン14にコンプレッサー17を介して発電機18が連結されている。ガスタービン14によって回収されたエネルギーに、コンプレッサー17を駆動してもまだ余剰がある場合には、かかる発電機18が駆動される。これにより、燃焼排ガスGのエネルギーが余すところなく回収され有効利用されることになる。
【0039】
ただし、ガスタービン14によって回収されたエネルギーの利用形態は、以上の形態に限られるものではない。例えば、燃焼炉1に供給される燃焼用空気Aとして、ガスタービン14からのエネルギーによることなく独自に駆動するコンプレッサーで加圧されたものを利用し、ガスタービン14からのエネルギーが発電機によって全て利用されるようにすることができる。
【0040】
ところで、本実施の形態では、コンプレッサー17と予熱器15とを供給路30を介して直接接続しているが、図1中に点線で示すように、コンプレッサー17と予熱器15との間にガスタービン14によって駆動する酸素PSA装置22を介装させることもできる。この点、酸素PSA装置は、周知のとおり加圧された空気中の窒素を吸着し酸素濃度を増大させるためのものである。したがって、かかる形態(酸素PSA22を介装させた形態)とすると、燃焼用空気Aの酸素濃度が増すことになるので、燃焼用空気Aを燃焼炉1に供給した際の可燃物Pの燃焼効率が向上することになる。これにより、補助燃料Rの使用量が削減され、より一層経済的な燃焼処理が実現される。
【0041】
また、高酸素濃度の燃焼用空気Aによって可燃物Pや補助燃料R、補助燃料R´を燃焼した際に発生する燃焼排ガスGは、その組成の大部分が水蒸気と二酸化炭素とになる。したがって、かかる燃焼排ガスGを、例えば上記排ガス処理装置16において冷却すれば、水蒸気が凝縮するので、燃焼排ガスGは二酸化炭素主体のものとなる。これにより、窒素が大部分を占める通常の空気の利用により発生した燃焼排ガスGの場合と比べ、二酸化炭素の回収や除去が容易となるので、近年の地球温暖化の原因ともされる二酸化炭素の排出量の削減にも寄与することが可能な燃焼処理設備を提供することが可能となる。
【0042】
<実施例>
次に、図1に示した燃焼処理設備を用いて、本実施の形態に係るガス処理設備13の効果について検討した。
本実施例では、コンプレッサー17によって加圧された空気Cを、酸素PSA装置22を介することなく直接予熱器15に供給して予熱した後、燃焼用空気Aとして燃焼炉1に供給した。可燃物Pとしては、廃液を用いた。廃液は、水分が89wt%、有機分が11wt%、有機分の発熱量が27MJ/kgであった。この廃液を、昇圧能力1.5MPaの供給ポンプ4により38000kg/hで燃焼炉1に供給し、燃焼させた。この際、温度保持のための補助燃料Rとしての灯油も供給し、燃焼させた。灯油の供給量は、850l/hとした。燃焼炉1内の圧力は、0.5MPa、温度は850℃であった。また、燃焼炉1から排出される燃焼排ガスGの量は14500m3N/hであった。他方、補助燃焼炉19にも補助燃料R´としての灯油を供給し、燃焼させた。灯油の供給量は、50l/hとした。補助燃焼炉19から排出される燃焼排ガスGをガスタービン14に供給し、コンプレッサー17を駆動させて空気Cを加圧した。このときの、ガスタービン14入口での流量は15000m3N/hであり、コンプレッサー17の吐出空気量は約10000m3N/hであった。また、ガスタービン14の入口排ガスの温度は880℃、圧力は0.46MPaであった。運転を3ヶ月間行ったが、タービンに損傷は生じず、また、煤塵の付着も生じなかった。
【0043】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、エネルギー損失を生じさせることがなく、タービンを損傷させる虞もない上に、集塵性能にも優れるガス処理設備及びガス処理方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス処理設備を使用するのに好適な燃焼処理設備のフロー図である。
【図2】本実施の形態に係るガス処理設備のフロー図である。
【図3】遠心集塵装置の断面図である。
【符号の説明】
1…燃焼炉、13…ガス処理設備、14…ガスタービン、15…予熱器、16…排ガス処理装置、17…コンプレッサー、18…発電機、19…補助燃焼炉、22…酸素PSA装置、31…ディフューザー、40…ろ過式集塵装置、41…ろ材、50…遠心式集塵機、60…煤塵濃度計、62a,b…仕切弁、A…燃焼用空気、B…煤塵、C…空気、G…燃焼排ガス、P…可燃物、R,R´…補助燃料。
Claims (4)
- 加圧下において可燃物を燃焼又は熱分解した際に発生した排ガスを、この排ガスによって駆動するガスタービンに送る過程に設けられるガス処理設備であって、
前記ガス中の煤塵を集塵しうるろ材が備えられたろ過式集塵機と、このろ過式集塵機の下流に備えられた遠心式集塵機とを有することを特徴とするガス処理設備。 - 遠心式集塵機の接ガス部が金属製である請求項1記載のガス処理設備。
- 遠心式集塵機にブローダウン手段が備わる請求項1又は請求項2記載のガス処理設備。
- 遠心式集塵機からガスタービンに移行する清浄ガス中の煤塵濃度を測定する煤塵濃度計を備え、この煤塵濃度計による測定値が所定値以上となった場合のみにおいてブローダウン手段を作動させるようにした請求項3記載のガス処理設備。
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