JP2004092672A - 弁電動駆動装置のシール機構 - Google Patents

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Kazuma Yamaguchi
山口 和磨
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Tomoe Technical Research Co Ltd
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Abstract

【課題】単一のシール構造で外部シールと内部シールの両方のシールを同時に達成可能とせんとするものである。
【解決手段】弁棒に連結されるウォームギアとモータ及び両者を接続する減速伝導機構とを内部に配置したケーシング内から外方に、ウォーム軸に連結されるレバー連結軸を臨ませ、該レバー連結軸の外端に整合してケーシングの外面にキャップを挿着可能な凹部を形成し、該凹部に板状のキャップをネジにより着脱自在に取付け、該キャップの内端面にOリングを装着し、外端面中央に手動操作可能なレバーを係入する盲貫の穴を形成して、キャップをレバーで取り外し、レバー連結軸にレバーを連結して、弁棒を手動で操作可能としたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する分野】
この発明は、弁駆動装置のシール機構に関し、特に90度回転式回転弁を駆動する駆動装置のシール機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来公知の90度の開閉角度を有するバルブの電動駆動装置は、図5に示すように、本体ケース(1)とフロントカバー(2)とからなるケーシング内に平歯車列(3)とウォームギヤ(4)からなる減速機構とモータ(5)とを内装し、モータ(5)からの出力を減速機構(3)(4)を介して弁棒(6)に伝達して駆動回転する構造となっている。かかるモータを駆動源とする電動駆動装置において、配管前若しくは直後或いは点検時など、通電されていないときに弁を開閉する必要がある。かかる場合手動による操作装置が必要となる。図5の構造において、手動で回動操作可能なハンドル車(7)をフロントカバー(2)の外部に配置し、該ハンドル車(7)を平歯車列(3)若しくはウォームギヤ(4)にクラッチ機構(8)を介して連結し、クラッチ機構(8)の切り替えによりハンドル車(7)の手動回転力を弁棒(6)に伝達するようにしたものは公知であり、例えば実公平3−9577号公報に開示されている。クラッチ機構(8)は、モータ(5)による駆動回転時にハンドル車(8)を動力伝達系から切り離し、ハンドル車の意図しない回転による危険発生を防止している。手動操作機構としては、ハンドル車に代って、図6に示すような連結自在なレバー(9)の使用も可能である。レバー(9)は、レバー連結穴(10)に挿脱自在であり、必要時にのみレバーを動力伝達系(3)(4)に連結して手動操作する。着脱自在なレバーを使用する場合、レバー(9)の離脱によりモータ駆動時に供回りする部材が外部に露出していないため、クラッチ機構は不要となる。
【0003】
手動操作機構を備える装置にあっては、外部から操作可能なハンドル車、レバー等を内部の機動力伝達機構と連結する連結部分に、シール機構を施して内部からのグリースや油の漏出や外部からの水、ゴミ等の侵入を防止する必要がある。更に、手動操作装置の連結軸(11)の防食対策も必要とされる。着脱自在なレバー構造のものにあっては、腐食に強いステンレスのような材質を用いたり、或いは入力軸の先端を表面処理している。ハンドル車を用いる構造にあっては、フロントカバーから外部に露出している軸をステンレスで形成したり或いは表面処理している。又、着脱自在なレバー構造の場合、軸を耐腐食性材質の使用や表面処理に代って、図7に示すようなキャップ(12)を被嵌してシールを行うものも提案されている。キャップ(12)は、ゴム等の弾性密封材質で形成され、連結部の突出した部分に密に嵌合してシールし、外部からの水、ゴミ等の侵入を防止すると共に、内部で回転している軸(11)を隠蔽し見栄えを良くすることが出来る。内部から漏出するグリース、油等は軸(11)のOリング(13)でシールしている。従って、かかるキャップでシールする構造にあっては、外部からのシールのためにキャップを必要とし、内部からのシールのためにOリングを必要とし、二重のシール機構を要することになる。
【0004】
しかも、レバーの着脱に際してキャップを着脱する必要があり、手間がかかると共にキャップが弾性で取付けられているため振動や他物との接触で脱落するおそれもある。又、Oリングを取付けるためのOリング溝加工を要するが、Oリング溝加工は、軸(12)が小径であるため通常フロントカバーに形成されるが、内径加工となるため加工が困難であるとともに加工精度、表面荒さ精度が必要となるため、加工コストが上昇するおそれがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、単一のシール構造で外部シールと内部シールの両方のシールを同時に達成可能とせんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためにこの発明が採った手段は、弁棒に連結されるウォームギアとモータ及び両者を接続する減速伝導機構とを内部に配置したケーシング内から外方に、ウォーム軸に連結されるレバー連結軸を臨ませ、該レバー連結軸の外端に整合してケーシングの外面にキャップを挿着可能な凹部を形成し、該凹部に板状のキャップをネジにより着脱自在に取付け、該キャップの内端面にOリングを装着し、外端面中央に手動操作可能なレバーを係入する盲貫の穴を形成して、キャップをレバーで取り外し、レバー連結軸にレバーを連結して、弁棒を手動で操作可能としたことを特徴とする。
【0007】
キャップは、合成樹脂の成型品であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の好ましい実施の形態を、以下に詳細に説明する。図1〜4を参照して、(1)は本体ケースであり、フロントカバー(2)と共に弁駆動装置のケーシングを構成する。本体ケース(1)とフロントカバー(2)とからなるケーシング内には、駆動力源である電動モータ(5)と弁棒(6)を連結されたウォームホイール(4a)が配設される。ウォームホイール(4a)はウォーム(4b)と噛合してウォームギア(4)を構成しており、該ウォームギア(4)のウォーム軸(4c)に平歯車列からなる減速伝導機構(3)を介してモータ(5)が連結される。ウォーム軸(4c)の一端は、レバー連結軸(11)としてフロントカバー(2)から外部に臨んでおり、レバー(9)を連結自在である。レバー連結軸(11)にはレバー(9)を連結するための断面方形の連結穴(10)が先端から穿孔されている。レバー連結軸(11)とフロントカバー(2)とは従来のOリングのようなシール部材を介することなく接触しており、両者の接触部位でのシールは行われていない。
【0009】
レバー連結軸(11)の外端に整合してフロントカバー(2)の外面には、環状突部(14)により区画されるキャップ受入れ凹部(15)が形成される。(16)は、レバー連結軸(11)の外端を隠蔽するキャップであって、合成樹脂製の円板からなり、キャップ受入れ凹部(15)内にネジ(17)で着脱自在に螺挿される。キャップ(16)の内端面にはOリング溝(18)が環状に形成され、該Oリング溝(18)に挿着されたOリング(13)によりフロントカバー(2)とキャップ(16)との間がシールされる。キャップ(16)の外端面中央には、盲貫のレバー係入穴(19)が穿孔されている。キャップ(16)をネジ(17)でキャップ受入れ凹部(15)に装着すると、Oリング(13)がフロントカバー(2)に密着してシールが達成され、内部からのグリース、油等の漏出が防止されると共に、外部からのゴミ、水等の侵入も防止される。
【0010】
レバー(9)をレバー連結軸(11)に連結して手動操作を行う場合には、予め本体ケースの側面に仮設されているレバー(9)を取り外してキャップ(16)のレバー係入穴(19)に係入しレバーを回転してキャップ(16)を取り外す。次にレバー(9)をレバー連結軸(11)の連結穴(10)に係入し連結して、ウォーム軸(4c)を回転しウォーム(4b)及びウォームホイール(4a)を介して弁棒(6)を手動で駆動回転する。すなわち、レバー(9)でキャップ(16)を取り外し、且つレバー連結軸(11)を駆動回転する。手動操作後、キャップ(16)を再びレバー(9)で螺着する。キャップ(16)は、合成樹脂、例えばABS樹脂、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等で形成するので、金型成形により周側面の取付け用ネジ、Oリング溝、レバー連結穴等の形成が簡単となる。
【0011】
【発明の効果】
この発明によれば、単一のシール機構、部品で内部からのグリース、油等の漏出を防止するシールと、外部からの水、ゴミ等の侵入を防止するシールの両方を達成することが出来る。Oリングはキャップに取付けられておりケーシングや軸には取付けられていないため、コストの低下を図ることが出来る。又、Oリングは摺動による摩耗がなく、シール機能を長期にわたって安定させることが出来る。キャップは、ネジ込み式であるため、振動や接触による脱落のおそれがなく、しかもゴム弾性による保持構造ではないためゴムの劣化による脱落のおそれもない。更に、キャップの取付け、取外しは、レバーで行うことが出来、特別な工具を要しないため、手動操作の一連の作業として行うことが出来る。本構造は、高い加工精度を必要としない構造であるにもかかわらず、確実なシール機能を得ることが出来、部品点数も増加することがない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる駆動装置の断面図
【図2】図1H部分の拡大断面図
【図3】フロントカバーの拡大断面図
【図4】キャップの拡大断面図
【図5】従来の駆動装置の断面図
【図6】従来のレバー式の拡大断面図
【図7】従来のレバー式のキャップを被嵌した拡大断面図
【符号の説明】
(1)本体ケース
(2)フロントカバー
(3)平歯車列
(4)ウォームギア
(5)モータ
(6)弁棒
(7)ハンドル車
(8)クラッチ
(9)レバー
(10)レバー連結穴
(11)連結軸
(12)キャップ
(13)Oリング
(14)環状突部
(15)キャップ受入れ凹部
(16)キャップ
(17)ネジ
(18)Oリング溝
(19)レバー係入穴

Claims (2)

  1. 弁棒に連結されるウォームギアとモータ及び両者を接続する減速伝導機構とを内部に配置したケーシングから外方に、ウォーム軸に連結されるレバー連結軸を臨ませ、該レバー連結軸の外端に整合してケーシングの外面にキャップを挿着可能な凹部を形成し、該凹部に板状のキャップをネジにより着脱自在に取付け、該キャップの内端面にOリングを装着し、外端面中央に手動操作可能なレバーを係入する盲貫の穴を形成して、キャップをレバーで取り外し、レバー連結軸にレバーを連結して、弁棒を手動で操作可能としたことを特徴とする弁電動駆動装置のシール機構。
  2. キャップが合成樹脂の成型品であることを特徴とする請求項1記載のシール機構。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100727463B1 (ko) * 2006-01-02 2007-06-13 주식회사 아이토크콘트롤즈 밸브용 액추에이터
CN103148275A (zh) * 2013-03-19 2013-06-12 苏州市凯泰机械有限公司 一种圆柱齿轮传动的阀门手动装置
CN103148270A (zh) * 2013-03-19 2013-06-12 苏州市凯泰机械有限公司 一种二级行星轮阀门控制装置

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