JP2004092274A - 鋼棒支持固定用ブロック - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のコンクリートブロックは、コンクリート躯体内所定位置にPC鋼棒を固定保持する際の施工精度が低く、また粗モルタルセメントで構成されているため、強度不足による割裂、破壊などが生じ易く、品質の信頼性が悪い。
【解決手段】ブロック本体をコンクリート系、ポリマーコンクリート系又はポリマーセメントモルタル系の材質からなる構成とすることにより、品質への信頼性を向上できる。ブロック本体の円形上面部の中心部に形成された埋め込みプレートにより、鋼棒の集中荷重を分散でき、ブロック本体が従来に比べて高強度であることと相まって、ブロック本体の割裂、破壊を防止できる。また、ブロック本体の所定位置に墨出しマーカーを設けることにより、施工精度の向上と複雑な位置決め作業の労力の大幅な省力化ができる。ブロック本体を台形柱状であるため、コンクリート打設時のジャンカの発生や鋼棒位置のずれの発生を防止できる。
【選択図】 図1
【解決手段】ブロック本体をコンクリート系、ポリマーコンクリート系又はポリマーセメントモルタル系の材質からなる構成とすることにより、品質への信頼性を向上できる。ブロック本体の円形上面部の中心部に形成された埋め込みプレートにより、鋼棒の集中荷重を分散でき、ブロック本体が従来に比べて高強度であることと相まって、ブロック本体の割裂、破壊を防止できる。また、ブロック本体の所定位置に墨出しマーカーを設けることにより、施工精度の向上と複雑な位置決め作業の労力の大幅な省力化ができる。ブロック本体を台形柱状であるため、コンクリート打設時のジャンカの発生や鋼棒位置のずれの発生を防止できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鋼棒支持固定用ブロックに係り、特にPC(プレストレスコンクリート)構造物等におけるPC鋼棒や太径鋼材等の鋼棒を支持固定する鋼棒支持固定用ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
土木、建築構造物の橋脚、側壁、主柱等の施工時、コンクリート打設前の主要応力筋の組立において、PC鋼棒や太径鋼材等の鋼棒を支持固定するための鋼棒支持固定用ブロックとして、従来は図6に示す立方体形状のコンクリートブロック1を用いている。
【0003】
このコンクリートブロック1は、一般にサイコロブロックと呼称され、一辺が3cmから20cm程度の大きさであり、その上面に鋼棒の一端が載置されてこれを支持する。従って、この鋼棒によるコンクリートブロック1に対する荷重は、図6においてP方向にかかる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記の従来の鋼棒支持固定用ブロックであるコンクリートブロック1は、以下の数々の欠点を有している。
【0005】
(1)コンクリート2次製品の中では品質的には最下位に属するモルタルブロックで構成されているため、その強度δは例えば240〜300kg/cm2程度であり、比較的強度が小さい。
【0006】
(2)製作精度のバラツキが大きいために、コンクリートブロック1と、これを載置する既設のコンクリートベースとの間に必要な所要の保持空間が均一でない。
【0007】
(3)既設のコンクリートベースの上方所定の高さ位置にPC鋼棒の下端部を位置させるための空隙保持材としての使用目的から、コンクリートの品質に対する信頼性が低い。
【0008】
(4)上記の各要素に加えて、PC鋼棒の下端部との設置面が適切でないために、一部分に集中荷重を受け、容易に割裂、破壊する。例えば、固定支持するPC鋼棒の直径を32mm(従って、断面積Aは8.03cm2)、長さLを7.5m、重さWを47.4kgとすると、コンクリートブロック1への荷重は、W/Aで表され、約5.9kg/cm2となる。この荷重の値は、コンクリートブロック1の強度δの240〜300kg/cm2に比べてはるかに小さいので、通常であれば、コンクリートブロック1によりPC鋼棒の支持・固定は十分可能である。
【0009】
しかしながら、直接コンクリートブロック1上にPC鋼棒の下端部を載置した場合、最小接地面積はW/δで表されるので、δを240kg/cm2とした場合、最小接地面積は0.198cm2となる。このことは、
0.198=πr2より、r=0.25cm、R=2r=0.5cm
であるから、コンクリートブロック1へのPC鋼棒の最小接地面積は、直径Rが5mmの円面積が必要であることを意味する。
【0010】
ところが、コンクリートブロック1の表面の不陸により、PC鋼棒との接地面として上記の直径5mmの円面積の平坦面が得られないことがあり、この場合には、上記のように一部分に集中荷重を受け、コンクリートブロック1が割裂、破壊する。
【0011】
(5)施工時、設計の墨出し部分の上に直接コンクリートブロック1を設置するため、設計の墨出し部分の位置に正確にPC鋼棒を固定することが困難である。コンクリートブロック1の上面の中心位置が、設計の墨出し部分(コンクリートベース上に十字で記した位置)の上に正確に位置しているかどうか不明であり、更に、PC鋼棒をコンクリートブロック1の上面の中心位置に正確に位置させることが困難であるからである。
【0012】
(6)同様に、他の鋼材との締結作業時、コンクリートブロック1の上面にPC鋼棒を載せている形式のため、PC鋼棒が不安定な状態であり、組立時やコンクリート流し込み時の振動や流動圧によりPC鋼棒の設置位置が容易にずれてしまう。
【0013】
(7)施工時、コンクリートブロック1に割裂が生じたり、コンクリートブロック1上のPC鋼棒の設置位置が所定の位置からずれた場合、修復が非常に困難である。
【0014】
(8)コンクリートブロック1は粗モルタルコンクリートのため、基礎コンクリート打継ぎ面からの浸透水に対する遮水性が不透明である。
【0015】
(9)ブロック自体の形状がサイコロ型の立方体であるため、コンクリートブロック1及びその周囲へのコンクリート打設時のコンクリート流動性能の抵抗となり、コンクリートブロック1の側面のコンクリート部分にジャンカ(空隙)が生じたり、コンクリート打設時にコンクリートブロック1及びPC鋼棒の位置ずれが生じることがある。
【0016】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、上記の従来の各種欠点を悉く除去した鋼棒支持固定用ブロックを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、円形底面部が円形上面部に比し大径である台形柱状で、コンクリート系、ポリマーコンクリート系又はポリマーセメントモルタル系の材質からなるブロック本体を有し、ブロック本体の円形上面部の中心部に形成された凹部に、鋼棒の先端部を支持するための埋め込みプレートが設けられると共に、ブロック本体の所定位置に墨出しマーカーが設けられていることを特徴とする。
【0018】
この発明では、従来の粗モルタルコンクリートに替わり、ブロック本体をコンクリート系、ポリマーコンクリート系又はポリマーセメントモルタル系の材質からなる構成としたため、従来に比べて高強度の構成にできる。また、本発明では、ブロック本体の円形上面部の中心部に形成された凹部に、鋼棒の先端部を支持するための埋め込みプレートが、鋼棒が必要な最小の接地面積よりも大なる面積の平坦面を有する構成にできるため、鋼棒の集中荷重を分散できる。
【0019】
更に、この発明では、ブロック本体の所定位置に墨出しマーカーを設けるようにしたため、施工時、墨出しマーカーを基準にして設計の墨出し部分の上に正確に鋼棒支持固定用ブロックを設置して、コンクリートベース上に固定することができる(施工精度の向上を図ることができる)。また、更に本発明によれば、ブロック本体を台形柱状としたため、従来の立方体形状のコンクリートブロックに比べて、コンクリート打設時の流動性能に対して回り込みが容易な形状とすることができる。
【0020】
また、本発明は上記の目的を達成するため、上記の埋め込みプレートを、同径の複数枚の円板状プレートが積層された構造であり、複数枚の円板状プレートのうち最下層のプレートは上面が円形プレートであり、最下層のプレート以外のプレートは上層ほど径が大なる中心孔が穿設された上面が円環状のプレートであることを特徴とする。この発明では、最下層のプレート以外のいずれかのプレートの中心孔の径と同径の鋼棒の先端部を水平方向のずれを防止した状態で固定保持できる。
【0021】
また、上記の目的を達成するため、本発明は、ブロック本体の外周側面の所定高さ位置に、所定長さで、かつ、内壁にネジ部が螺刻された固定長ナットが設けられていることを特徴とする。この発明では、鋼棒及び支持固定ブロックの水平方向の固定及びブロックの転倒防止ができ、また、各方向の連結ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1(A)〜(C)は本発明になる鋼棒支持固定用ブロックの一実施の形態の斜視図、平面図、縦断面図、図1(D)は同図(B)のD−D断面図を示す。図1(A)〜(C)に示すように、本実施の形態の鋼棒支持固定用ブロック10は、円形状底面部が円形状上面部に比較して大径である台形柱状のブロック本体11を有し、そのブロック本体11の上面部の中心位置には、所定半径の円形の鋼棒支持固定用埋め込みプレート12が所定の深さの凹部に設けられており、また、90度角度間隔で4箇所に墨出しマーカー13が設けられている。
【0023】
また、鋼棒支持固定用ブロック10のブロック本体11の外周側面には鋼製バンドプレートが埋め込まれており、その所定高さ位置に墨出しマーカー13に対応した90度角度間隔の4箇所に、円周方向固定用埋め込み長ナット14が形成されると共に墨出しマーカー15の溝が形成されている。この埋め込み長ナット14は、図1(D)に示すように、ブロック本体11の側面から所定長さでブロック本体11の中心軸方向に内壁にネジ部が螺刻された構造である。なお、ブロック本体11の底部には調整用コンクリート16が所定の高さで設けられている。
【0024】
この実施の形態の鋼棒支持固定用ブロック10は、コンクリート系(一般コンクリート、高強度コンクリート、超高強度コンクリート、繊維補強コンクリートなど)か、ポリマーコンクリート系(レジンコンクリート、ポリマーモルタル、レジンモルタル、コンクリートポリマー複合体など)か、ポリマーセメントモルタル系(ポリマーセメントモルタル)により構成されている。鋼棒支持固定用ブロック10の強度δは、高強度コンクリートブロックにより構成した場合は、350〜450kg/cm2であり、レジンコンクリートブロックで構成した場合は、650〜800kg/cm2であり、いずれの場合も従来のコンクリートブロック1の強度δの240〜300kg/cm2に比べて大である。
【0025】
また、本実施の形態では、所定位置固定を兼ねた鋼製の埋め込みプレート12が設けられている点に特徴の一つがある。この埋め込みプレート12の構成について図2と共に詳細に説明する。図2(A)は鋼棒固定前の埋め込みプレート12の詳細断面図を示しており、埋め込みプレート12は、同一直径R1の4枚の鋼製の円板状のプレート12a、12b、12c及び12dが順次積層された構成である。円板状のプレート12a、12b、12c及び12dは、すべて表面が高精度の平坦面の構成とされている。
【0026】
ここで、最下層の第1のプレート12aは上面が円形であるが、その上の第2のプレート12bの上面形状は、直径R2の中心孔を有する円環状である。同様に、第2のプレート12bの上の第3のプレート12cは直径R3(>R2)の中心孔を有する上面が円環状のプレートであり、最上層の第4のプレート12dは直径R4(>R3)の中心孔を有する上面が円環状のプレートである。なお、一例として、R1=50mm、R2=21mm、R3=26mm、R4=32mmである。また、各プレート12a〜12dの各厚さは例えば、1.6mmである。
【0027】
かかる埋め込みプレート12の構成により、例えば直径17mm〜21mmの範囲内のPC鋼棒17を支持するときには、図2(B)に示すように、PC鋼棒17の先端部を埋め込みプレート12に載置することにより、第1のプレート12a上で、かつ、第2のプレート12bの中心孔内にPC鋼棒17の先端部が入り込んで動きが規制されるため、正確な位置決めができる。
【0028】
同様に、例えば直径23mm〜26mmの範囲内のPC鋼棒18を支持するときには、図2(C)に示すように、第2のプレート12b上で、かつ、第3のプレート12cの中心孔内にPC鋼棒18の先端部が入り込んで動きが規制されるため、正確な位置決めができ、例えば直径29mm〜32mmの範囲内のPC鋼棒19を支持するときには、図2(D)に示すように、第3のプレート12c上で、かつ、第4のプレート12dの中心孔内にPC鋼棒19の先端部が入り込んで動きが規制されるため、正確な位置決めができる。
【0029】
このように、本実施の形態では、その上面の埋め込みプレート12内に鋼棒の先端部が載置されてこれを支持する。従って、この鋼棒支持固定用ブロック10に対する鋼棒による荷重は、図3においてP方向にかかる。また、鋼棒支持固定用ブロック10の強度δが従来のコンクリートブロックよりも大であり、しかも埋め込みプレート12は、前述したPC鋼棒の最小接地面積である、直径5mmの円面積よりも大なる平坦面であるので集中荷重を分散し、鋼棒支持固定用ブロック10自体の割裂、破壊を防止でき、また複数のプレートにより水平方向のずれを防止できる。
【0030】
次に、鋼棒支持固定用ブロック10自体の固定方法について図4と共に説明する。同図中、図1(D)と同一構成部分には同一符号を付してある。図4に示すように、既設のコンクリートベース21上にL字型プレート22をアンカーボルト23で固定すると共に、L字型プレート22の所定位置に穿設された孔を通してボルト24を埋め込み長ナット14に螺合する。これにより、コンクリートベース21上の所定位置に鋼棒支持固定用ブロック10を強固に固定できる。
【0031】
なお、鋼棒支持固定用ブロック10には、墨出しマーカー13が設けられているため、施工時、墨出しマーカー13及び15を基準にして設計の墨出し部分の上に正確に鋼棒支持固定用ブロック10を設置して、図4に示した方法でコンクリートベース21上に固定することができ、この結果、この鋼棒支持固定用ブロック10の中心位置に正確に設けられた埋め込みプレート12内に先端部が支持固定されるPC鋼棒を、設計の墨出し部分に正確に位置させることができる。
【0032】
次に、本発明になる鋼棒支持固定用ブロックの製造方法の一実施の形態について、図5のフローチャートと共に説明する。まず、型枠の組立を行い、更に所定半径の円形の鋼棒支持固定用埋め込みプレート12の所定の深さでの取り付けと、固定用埋め込み長ナット14の取り付けを行う(ステップS1)。続いて、上記の型枠にコンクリートの打設を行う(ステップS2)。このコンクリートとしては、前述したように、コンクリート系(一般コンクリート、高強度コンクリート、超高強度コンクリート、繊維補強コンクリートなど)か、ポリマーコンクリート系(レジンコンクリート、ポリマーモルタル、レジンモルタル、コンクリートポリマー複合体など)か、ポリマーセメントモルタル系(ポリマーセメントモルタル)である。
【0033】
次に、養生を行う(ステップS3)。この養生としては、上記の材質では、大気養生、蒸気養生、加熱養生のうちのいずれかが採用される。また、材質がコンクリート系であれば、水中養生も可能である。このようにして養生して図1(A)に示した斜視図の鋼棒支持固定用ブロック10の硬化後に、型枠を分解して脱型が行われると共に、ブロックの表面処理が行われて鋼棒支持固定用ブロック10が製造される(ステップS4)。
【0034】
続いて、分解された型枠を清掃して(ステップS5)、その分解された型枠を、次の鋼棒支持固定用ブロック10の製造のための型枠として組み立てる(ステップS1)。以下、上記と同様の動作が繰り返される。一方、脱型後には製造された鋼棒支持固定用ブロック10は、パッケージされ(ステップS6)、製品発送される。
【0035】
このようにして、製造された鋼棒支持固定用ブロック10の材質が高強度コンクリートであるときには、その強度δは360〜450kg/cm2程度で、従来のコンクリートブロックの強度に比べて大であり、また、品質への信頼性が高い。また、鋼棒支持固定用ブロック10の材質がレジンコンクリートであるときには、その強度δは650〜800kg/cm2程度で、上記の高強度コンクリートの強度に比べて更に大であり、また、品質への信頼性が高く、低吸水性、電気絶縁性が高い、産廃処理材を充填資材としてリサイクル活用できる等の特長がある。
【0036】
上記の材質は、供用される構造物の使用目的に応じて使い分けることができる(例えば、原子力発電所、リニアモーターカー線路高架部等の基礎部は遮水性と電気絶縁性が求められる。)が、価格面ではレジンコンクリート製品は、高強度コンクリート製品の約1.5倍である。
【0037】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば墨出しマーカー13及び15は一方だけでもよく、また、埋め込みプレート12は4枚の鋼製プレートに限らず、1枚以上であればよい。更に、固定用埋め込み長ナット14は必ずしも設けなくてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、以下の数々の特長を有するものである。
【0039】
(1)従来の粗モルタルコンクリートに替わり、用途に応じてブロック本体をコンクリート系、ポリマーコンクリート系又はポリマーセメントモルタル系の材質からなる構成とすることにより、従来に比べて高強度の構成にしたため、鋼棒支持固定用ブロックの品質管理の向上ができ、品質への信頼性を向上できる。
【0040】
(2)ブロック本体の円形上面部の中心部に形成された、鋼棒の先端部を支持するための埋め込みプレートが、鋼棒が必要な最小の接地面積よりも大なる面積の平坦面を有する構成であることにより、鋼棒の集中荷重を分散でき、ブロック本体が従来に比べて高強度であることと相まって、ブロック本体の割裂、破壊を防止できる。
【0041】
(3)ブロック本体の所定位置に墨出しマーカーを設けることにより、施工時、墨出しマーカーを基準にして設計の墨出し部分の上に正確に鋼棒支持固定用ブロックを設置して、コンクリートベース上に固定することができるようにしたため、鋼棒支持固定用ブロックの中心位置に正確に設けられた埋め込みプレート内に先端部が支持固定されるPC鋼棒を、設計の墨出し部分に正確に位置させることができ、施工精度の向上と複雑な位置決め作業の労力の大幅な省力化ができる。
【0042】
(4)ブロック本体を台形柱状とすることにより、従来の立方体形状のコンクリートブロックに比べて、コンクリート打設時の流動性能に対して回り込みが容易な形状としたため、コンクリート打設時のコンクリート流動性能の抵抗とは殆どならず、ジャンカ(空隙)の発生やコンクリート流し込み時のブロック移動に伴う鋼棒位置のずれの発生を防止することができる。
【0043】
(5)埋め込みプレートを、同径の複数枚の円板状プレートが積層された構造とし、複数枚の円板状プレートのうち最下層のプレートは上面が円形プレートであり、最下層のプレート以外のプレートは上層ほど径が大なる中心孔が穿設された上面が円環状のプレートとすることにより、最下層のプレート以外のいずれかのプレートの中心孔の径と同径の鋼棒の先端部を水平方向のずれを防止した状態で、かつ、正確に位置決めした状態で固定支持できる。
【0044】
(6)他の鋼棒との緊結作業時、鋼棒が埋め込みプレート内で安定した状態で支持固定されているため、組立時やコンクリート流し込み時の振動や流動圧にかかわらず、支持位置のずれを防止できる。
【0045】
(7)ブロック本体の外周側面の所定高さ位置に、所定長さで、かつ、内壁にネジ部が螺刻された固定長ナットを設けることにより、鋼棒及び支持固定ブロックの水平方向の固定及びブロックの転倒防止ができ、また、各方向の連結ができるため、鋼棒支持固定用ブロックの設置及び連結作業の作業性を大幅に改善できる。
【0046】
(8)浸透水に対して低吸水性又は遮水性能の向上が期待できる。
【0047】
(9)ブロック本体の材質としてポリマー系を採用した場合は、電気の絶縁性能を向上できる。
【0048】
(10)ブロック本体の材質としてポリマー系を採用した場合は、産業処理材を充填資材としてリサイクル活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の斜視図、平面図、縦断面図等である。
【図2】図1中の埋め込みプレートの一実施の形態の詳細説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に対するPC鋼棒による荷重方向を示す図である。
【図4】図1の鋼棒支持固定用ブロック自体の固定方法説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態の製造方法説明用フローチャートである。
【図6】従来の鋼棒支持固定用ブロックの一例の斜視図である。
【符号の説明】
10 鋼棒支持固定用ブロック
11 ブロック本体
12 鋼棒支持固定用埋め込みプレート
12a、12b、12c及び12d 円板状のプレート
13、15 墨出しマーカー
14 埋め込み長ナット
16 調整用コンクリート
【発明の属する技術分野】
本発明は鋼棒支持固定用ブロックに係り、特にPC(プレストレスコンクリート)構造物等におけるPC鋼棒や太径鋼材等の鋼棒を支持固定する鋼棒支持固定用ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
土木、建築構造物の橋脚、側壁、主柱等の施工時、コンクリート打設前の主要応力筋の組立において、PC鋼棒や太径鋼材等の鋼棒を支持固定するための鋼棒支持固定用ブロックとして、従来は図6に示す立方体形状のコンクリートブロック1を用いている。
【0003】
このコンクリートブロック1は、一般にサイコロブロックと呼称され、一辺が3cmから20cm程度の大きさであり、その上面に鋼棒の一端が載置されてこれを支持する。従って、この鋼棒によるコンクリートブロック1に対する荷重は、図6においてP方向にかかる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記の従来の鋼棒支持固定用ブロックであるコンクリートブロック1は、以下の数々の欠点を有している。
【0005】
(1)コンクリート2次製品の中では品質的には最下位に属するモルタルブロックで構成されているため、その強度δは例えば240〜300kg/cm2程度であり、比較的強度が小さい。
【0006】
(2)製作精度のバラツキが大きいために、コンクリートブロック1と、これを載置する既設のコンクリートベースとの間に必要な所要の保持空間が均一でない。
【0007】
(3)既設のコンクリートベースの上方所定の高さ位置にPC鋼棒の下端部を位置させるための空隙保持材としての使用目的から、コンクリートの品質に対する信頼性が低い。
【0008】
(4)上記の各要素に加えて、PC鋼棒の下端部との設置面が適切でないために、一部分に集中荷重を受け、容易に割裂、破壊する。例えば、固定支持するPC鋼棒の直径を32mm(従って、断面積Aは8.03cm2)、長さLを7.5m、重さWを47.4kgとすると、コンクリートブロック1への荷重は、W/Aで表され、約5.9kg/cm2となる。この荷重の値は、コンクリートブロック1の強度δの240〜300kg/cm2に比べてはるかに小さいので、通常であれば、コンクリートブロック1によりPC鋼棒の支持・固定は十分可能である。
【0009】
しかしながら、直接コンクリートブロック1上にPC鋼棒の下端部を載置した場合、最小接地面積はW/δで表されるので、δを240kg/cm2とした場合、最小接地面積は0.198cm2となる。このことは、
0.198=πr2より、r=0.25cm、R=2r=0.5cm
であるから、コンクリートブロック1へのPC鋼棒の最小接地面積は、直径Rが5mmの円面積が必要であることを意味する。
【0010】
ところが、コンクリートブロック1の表面の不陸により、PC鋼棒との接地面として上記の直径5mmの円面積の平坦面が得られないことがあり、この場合には、上記のように一部分に集中荷重を受け、コンクリートブロック1が割裂、破壊する。
【0011】
(5)施工時、設計の墨出し部分の上に直接コンクリートブロック1を設置するため、設計の墨出し部分の位置に正確にPC鋼棒を固定することが困難である。コンクリートブロック1の上面の中心位置が、設計の墨出し部分(コンクリートベース上に十字で記した位置)の上に正確に位置しているかどうか不明であり、更に、PC鋼棒をコンクリートブロック1の上面の中心位置に正確に位置させることが困難であるからである。
【0012】
(6)同様に、他の鋼材との締結作業時、コンクリートブロック1の上面にPC鋼棒を載せている形式のため、PC鋼棒が不安定な状態であり、組立時やコンクリート流し込み時の振動や流動圧によりPC鋼棒の設置位置が容易にずれてしまう。
【0013】
(7)施工時、コンクリートブロック1に割裂が生じたり、コンクリートブロック1上のPC鋼棒の設置位置が所定の位置からずれた場合、修復が非常に困難である。
【0014】
(8)コンクリートブロック1は粗モルタルコンクリートのため、基礎コンクリート打継ぎ面からの浸透水に対する遮水性が不透明である。
【0015】
(9)ブロック自体の形状がサイコロ型の立方体であるため、コンクリートブロック1及びその周囲へのコンクリート打設時のコンクリート流動性能の抵抗となり、コンクリートブロック1の側面のコンクリート部分にジャンカ(空隙)が生じたり、コンクリート打設時にコンクリートブロック1及びPC鋼棒の位置ずれが生じることがある。
【0016】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、上記の従来の各種欠点を悉く除去した鋼棒支持固定用ブロックを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、円形底面部が円形上面部に比し大径である台形柱状で、コンクリート系、ポリマーコンクリート系又はポリマーセメントモルタル系の材質からなるブロック本体を有し、ブロック本体の円形上面部の中心部に形成された凹部に、鋼棒の先端部を支持するための埋め込みプレートが設けられると共に、ブロック本体の所定位置に墨出しマーカーが設けられていることを特徴とする。
【0018】
この発明では、従来の粗モルタルコンクリートに替わり、ブロック本体をコンクリート系、ポリマーコンクリート系又はポリマーセメントモルタル系の材質からなる構成としたため、従来に比べて高強度の構成にできる。また、本発明では、ブロック本体の円形上面部の中心部に形成された凹部に、鋼棒の先端部を支持するための埋め込みプレートが、鋼棒が必要な最小の接地面積よりも大なる面積の平坦面を有する構成にできるため、鋼棒の集中荷重を分散できる。
【0019】
更に、この発明では、ブロック本体の所定位置に墨出しマーカーを設けるようにしたため、施工時、墨出しマーカーを基準にして設計の墨出し部分の上に正確に鋼棒支持固定用ブロックを設置して、コンクリートベース上に固定することができる(施工精度の向上を図ることができる)。また、更に本発明によれば、ブロック本体を台形柱状としたため、従来の立方体形状のコンクリートブロックに比べて、コンクリート打設時の流動性能に対して回り込みが容易な形状とすることができる。
【0020】
また、本発明は上記の目的を達成するため、上記の埋め込みプレートを、同径の複数枚の円板状プレートが積層された構造であり、複数枚の円板状プレートのうち最下層のプレートは上面が円形プレートであり、最下層のプレート以外のプレートは上層ほど径が大なる中心孔が穿設された上面が円環状のプレートであることを特徴とする。この発明では、最下層のプレート以外のいずれかのプレートの中心孔の径と同径の鋼棒の先端部を水平方向のずれを防止した状態で固定保持できる。
【0021】
また、上記の目的を達成するため、本発明は、ブロック本体の外周側面の所定高さ位置に、所定長さで、かつ、内壁にネジ部が螺刻された固定長ナットが設けられていることを特徴とする。この発明では、鋼棒及び支持固定ブロックの水平方向の固定及びブロックの転倒防止ができ、また、各方向の連結ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1(A)〜(C)は本発明になる鋼棒支持固定用ブロックの一実施の形態の斜視図、平面図、縦断面図、図1(D)は同図(B)のD−D断面図を示す。図1(A)〜(C)に示すように、本実施の形態の鋼棒支持固定用ブロック10は、円形状底面部が円形状上面部に比較して大径である台形柱状のブロック本体11を有し、そのブロック本体11の上面部の中心位置には、所定半径の円形の鋼棒支持固定用埋め込みプレート12が所定の深さの凹部に設けられており、また、90度角度間隔で4箇所に墨出しマーカー13が設けられている。
【0023】
また、鋼棒支持固定用ブロック10のブロック本体11の外周側面には鋼製バンドプレートが埋め込まれており、その所定高さ位置に墨出しマーカー13に対応した90度角度間隔の4箇所に、円周方向固定用埋め込み長ナット14が形成されると共に墨出しマーカー15の溝が形成されている。この埋め込み長ナット14は、図1(D)に示すように、ブロック本体11の側面から所定長さでブロック本体11の中心軸方向に内壁にネジ部が螺刻された構造である。なお、ブロック本体11の底部には調整用コンクリート16が所定の高さで設けられている。
【0024】
この実施の形態の鋼棒支持固定用ブロック10は、コンクリート系(一般コンクリート、高強度コンクリート、超高強度コンクリート、繊維補強コンクリートなど)か、ポリマーコンクリート系(レジンコンクリート、ポリマーモルタル、レジンモルタル、コンクリートポリマー複合体など)か、ポリマーセメントモルタル系(ポリマーセメントモルタル)により構成されている。鋼棒支持固定用ブロック10の強度δは、高強度コンクリートブロックにより構成した場合は、350〜450kg/cm2であり、レジンコンクリートブロックで構成した場合は、650〜800kg/cm2であり、いずれの場合も従来のコンクリートブロック1の強度δの240〜300kg/cm2に比べて大である。
【0025】
また、本実施の形態では、所定位置固定を兼ねた鋼製の埋め込みプレート12が設けられている点に特徴の一つがある。この埋め込みプレート12の構成について図2と共に詳細に説明する。図2(A)は鋼棒固定前の埋め込みプレート12の詳細断面図を示しており、埋め込みプレート12は、同一直径R1の4枚の鋼製の円板状のプレート12a、12b、12c及び12dが順次積層された構成である。円板状のプレート12a、12b、12c及び12dは、すべて表面が高精度の平坦面の構成とされている。
【0026】
ここで、最下層の第1のプレート12aは上面が円形であるが、その上の第2のプレート12bの上面形状は、直径R2の中心孔を有する円環状である。同様に、第2のプレート12bの上の第3のプレート12cは直径R3(>R2)の中心孔を有する上面が円環状のプレートであり、最上層の第4のプレート12dは直径R4(>R3)の中心孔を有する上面が円環状のプレートである。なお、一例として、R1=50mm、R2=21mm、R3=26mm、R4=32mmである。また、各プレート12a〜12dの各厚さは例えば、1.6mmである。
【0027】
かかる埋め込みプレート12の構成により、例えば直径17mm〜21mmの範囲内のPC鋼棒17を支持するときには、図2(B)に示すように、PC鋼棒17の先端部を埋め込みプレート12に載置することにより、第1のプレート12a上で、かつ、第2のプレート12bの中心孔内にPC鋼棒17の先端部が入り込んで動きが規制されるため、正確な位置決めができる。
【0028】
同様に、例えば直径23mm〜26mmの範囲内のPC鋼棒18を支持するときには、図2(C)に示すように、第2のプレート12b上で、かつ、第3のプレート12cの中心孔内にPC鋼棒18の先端部が入り込んで動きが規制されるため、正確な位置決めができ、例えば直径29mm〜32mmの範囲内のPC鋼棒19を支持するときには、図2(D)に示すように、第3のプレート12c上で、かつ、第4のプレート12dの中心孔内にPC鋼棒19の先端部が入り込んで動きが規制されるため、正確な位置決めができる。
【0029】
このように、本実施の形態では、その上面の埋め込みプレート12内に鋼棒の先端部が載置されてこれを支持する。従って、この鋼棒支持固定用ブロック10に対する鋼棒による荷重は、図3においてP方向にかかる。また、鋼棒支持固定用ブロック10の強度δが従来のコンクリートブロックよりも大であり、しかも埋め込みプレート12は、前述したPC鋼棒の最小接地面積である、直径5mmの円面積よりも大なる平坦面であるので集中荷重を分散し、鋼棒支持固定用ブロック10自体の割裂、破壊を防止でき、また複数のプレートにより水平方向のずれを防止できる。
【0030】
次に、鋼棒支持固定用ブロック10自体の固定方法について図4と共に説明する。同図中、図1(D)と同一構成部分には同一符号を付してある。図4に示すように、既設のコンクリートベース21上にL字型プレート22をアンカーボルト23で固定すると共に、L字型プレート22の所定位置に穿設された孔を通してボルト24を埋め込み長ナット14に螺合する。これにより、コンクリートベース21上の所定位置に鋼棒支持固定用ブロック10を強固に固定できる。
【0031】
なお、鋼棒支持固定用ブロック10には、墨出しマーカー13が設けられているため、施工時、墨出しマーカー13及び15を基準にして設計の墨出し部分の上に正確に鋼棒支持固定用ブロック10を設置して、図4に示した方法でコンクリートベース21上に固定することができ、この結果、この鋼棒支持固定用ブロック10の中心位置に正確に設けられた埋め込みプレート12内に先端部が支持固定されるPC鋼棒を、設計の墨出し部分に正確に位置させることができる。
【0032】
次に、本発明になる鋼棒支持固定用ブロックの製造方法の一実施の形態について、図5のフローチャートと共に説明する。まず、型枠の組立を行い、更に所定半径の円形の鋼棒支持固定用埋め込みプレート12の所定の深さでの取り付けと、固定用埋め込み長ナット14の取り付けを行う(ステップS1)。続いて、上記の型枠にコンクリートの打設を行う(ステップS2)。このコンクリートとしては、前述したように、コンクリート系(一般コンクリート、高強度コンクリート、超高強度コンクリート、繊維補強コンクリートなど)か、ポリマーコンクリート系(レジンコンクリート、ポリマーモルタル、レジンモルタル、コンクリートポリマー複合体など)か、ポリマーセメントモルタル系(ポリマーセメントモルタル)である。
【0033】
次に、養生を行う(ステップS3)。この養生としては、上記の材質では、大気養生、蒸気養生、加熱養生のうちのいずれかが採用される。また、材質がコンクリート系であれば、水中養生も可能である。このようにして養生して図1(A)に示した斜視図の鋼棒支持固定用ブロック10の硬化後に、型枠を分解して脱型が行われると共に、ブロックの表面処理が行われて鋼棒支持固定用ブロック10が製造される(ステップS4)。
【0034】
続いて、分解された型枠を清掃して(ステップS5)、その分解された型枠を、次の鋼棒支持固定用ブロック10の製造のための型枠として組み立てる(ステップS1)。以下、上記と同様の動作が繰り返される。一方、脱型後には製造された鋼棒支持固定用ブロック10は、パッケージされ(ステップS6)、製品発送される。
【0035】
このようにして、製造された鋼棒支持固定用ブロック10の材質が高強度コンクリートであるときには、その強度δは360〜450kg/cm2程度で、従来のコンクリートブロックの強度に比べて大であり、また、品質への信頼性が高い。また、鋼棒支持固定用ブロック10の材質がレジンコンクリートであるときには、その強度δは650〜800kg/cm2程度で、上記の高強度コンクリートの強度に比べて更に大であり、また、品質への信頼性が高く、低吸水性、電気絶縁性が高い、産廃処理材を充填資材としてリサイクル活用できる等の特長がある。
【0036】
上記の材質は、供用される構造物の使用目的に応じて使い分けることができる(例えば、原子力発電所、リニアモーターカー線路高架部等の基礎部は遮水性と電気絶縁性が求められる。)が、価格面ではレジンコンクリート製品は、高強度コンクリート製品の約1.5倍である。
【0037】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば墨出しマーカー13及び15は一方だけでもよく、また、埋め込みプレート12は4枚の鋼製プレートに限らず、1枚以上であればよい。更に、固定用埋め込み長ナット14は必ずしも設けなくてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、以下の数々の特長を有するものである。
【0039】
(1)従来の粗モルタルコンクリートに替わり、用途に応じてブロック本体をコンクリート系、ポリマーコンクリート系又はポリマーセメントモルタル系の材質からなる構成とすることにより、従来に比べて高強度の構成にしたため、鋼棒支持固定用ブロックの品質管理の向上ができ、品質への信頼性を向上できる。
【0040】
(2)ブロック本体の円形上面部の中心部に形成された、鋼棒の先端部を支持するための埋め込みプレートが、鋼棒が必要な最小の接地面積よりも大なる面積の平坦面を有する構成であることにより、鋼棒の集中荷重を分散でき、ブロック本体が従来に比べて高強度であることと相まって、ブロック本体の割裂、破壊を防止できる。
【0041】
(3)ブロック本体の所定位置に墨出しマーカーを設けることにより、施工時、墨出しマーカーを基準にして設計の墨出し部分の上に正確に鋼棒支持固定用ブロックを設置して、コンクリートベース上に固定することができるようにしたため、鋼棒支持固定用ブロックの中心位置に正確に設けられた埋め込みプレート内に先端部が支持固定されるPC鋼棒を、設計の墨出し部分に正確に位置させることができ、施工精度の向上と複雑な位置決め作業の労力の大幅な省力化ができる。
【0042】
(4)ブロック本体を台形柱状とすることにより、従来の立方体形状のコンクリートブロックに比べて、コンクリート打設時の流動性能に対して回り込みが容易な形状としたため、コンクリート打設時のコンクリート流動性能の抵抗とは殆どならず、ジャンカ(空隙)の発生やコンクリート流し込み時のブロック移動に伴う鋼棒位置のずれの発生を防止することができる。
【0043】
(5)埋め込みプレートを、同径の複数枚の円板状プレートが積層された構造とし、複数枚の円板状プレートのうち最下層のプレートは上面が円形プレートであり、最下層のプレート以外のプレートは上層ほど径が大なる中心孔が穿設された上面が円環状のプレートとすることにより、最下層のプレート以外のいずれかのプレートの中心孔の径と同径の鋼棒の先端部を水平方向のずれを防止した状態で、かつ、正確に位置決めした状態で固定支持できる。
【0044】
(6)他の鋼棒との緊結作業時、鋼棒が埋め込みプレート内で安定した状態で支持固定されているため、組立時やコンクリート流し込み時の振動や流動圧にかかわらず、支持位置のずれを防止できる。
【0045】
(7)ブロック本体の外周側面の所定高さ位置に、所定長さで、かつ、内壁にネジ部が螺刻された固定長ナットを設けることにより、鋼棒及び支持固定ブロックの水平方向の固定及びブロックの転倒防止ができ、また、各方向の連結ができるため、鋼棒支持固定用ブロックの設置及び連結作業の作業性を大幅に改善できる。
【0046】
(8)浸透水に対して低吸水性又は遮水性能の向上が期待できる。
【0047】
(9)ブロック本体の材質としてポリマー系を採用した場合は、電気の絶縁性能を向上できる。
【0048】
(10)ブロック本体の材質としてポリマー系を採用した場合は、産業処理材を充填資材としてリサイクル活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の斜視図、平面図、縦断面図等である。
【図2】図1中の埋め込みプレートの一実施の形態の詳細説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に対するPC鋼棒による荷重方向を示す図である。
【図4】図1の鋼棒支持固定用ブロック自体の固定方法説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態の製造方法説明用フローチャートである。
【図6】従来の鋼棒支持固定用ブロックの一例の斜視図である。
【符号の説明】
10 鋼棒支持固定用ブロック
11 ブロック本体
12 鋼棒支持固定用埋め込みプレート
12a、12b、12c及び12d 円板状のプレート
13、15 墨出しマーカー
14 埋め込み長ナット
16 調整用コンクリート
Claims (3)
- 円形底面部が円形上面部に比し大径である台形柱状で、コンクリート系、ポリマーコンクリート系又はポリマーセメントモルタル系の材質からなるブロック本体を有し、該ブロック本体の円形上面部の中心部に形成された凹部に、鋼棒の先端部を支持するための埋め込みプレートが設けられると共に、前記ブロック本体の所定位置に墨出しマーカーが設けられていることを特徴とする鋼棒支持固定用ブロック。
- 前記埋め込みプレートは、同径の複数枚の円板状プレートが積層された構造であり、該複数枚の円板状プレートのうち最下層のプレートは上面が円形プレートであり、該最下層のプレート以外のプレートは上層ほど径が大なる中心孔が穿設された上面が円環状のプレートであることを特徴とする請求項1記載の鋼棒支持固定用ブロック。
- 前記ブロック本体の外周側面の所定高さ位置に、所定長さで、かつ、内壁にネジ部が螺刻された固定長ナットが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の鋼棒支持固定用ブロック。
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JP2002257271A JP2004092274A (ja) | 2002-09-03 | 2002-09-03 | 鋼棒支持固定用ブロック |
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JP2004092274A true JP2004092274A (ja) | 2004-03-25 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008500715A (ja) * | 2004-05-24 | 2008-01-10 | サメイション株式会社 | 発光装置用金属錯体 |
CN103938796A (zh) * | 2013-01-21 | 2014-07-23 | 高行友 | 现浇钢筋混凝土柱施工工法 |
JP2014141842A (ja) * | 2013-01-25 | 2014-08-07 | Saicon Industry Co Ltd | 太陽電池パネル設置構造体及びその形成方法 |
-
2002
- 2002-09-03 JP JP2002257271A patent/JP2004092274A/ja active Pending
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