JP2004092097A - 打設材打設方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】建造物の基礎や土間、あるいは、道路となる敷地に打設材を打設する打設材打設方法に関する。
【解決手段】該敷地を整地した後に板状材2を敷設し、その上に打設材3を打設する。
【選択図】 図1
【解決手段】該敷地を整地した後に板状材2を敷設し、その上に打設材3を打設する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建造物の基礎、土間、あるいは道路工事において、整地した地面の上へコンクリートやアスファルト等の打設材を打設するにあたり、打設材中への土砂の巻き込みを防止し、均質な打設材層を形成する技術に関し、特に簡便な作業により、安価で効果的な打設材打設を可能とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
建造物の基礎や土間の施工あるいは道路工事において、上層にコンクリートやアスファルト等の打設材を打設する場合が多い。これら打設材の施工にあたっては下層となる地面を整地し、事前工事を行なった上で打設材の打設を行なう。
以下では、代表例として、建造物の基礎におけるコンクリート打設による打設材打設方法について説明する。
【0003】
建造物の基礎の施工にあたっては、図7に示すように地面1を所定の広さおよび深さに掘削して整地等をした後に、砕石5を敷き詰め、この砕石5の表面にコンクリートを打設して砕石5を固定する事前工事を行なう。この、事前工事におけるコンクリートを捨てコン6という。そして、その捨てコン6上に、基礎の打設材としてのコンクリート3を打設する。
【0004】
この場合、事前工事を行なうことで、打設材(コンクリート)3の打設に際して整地された地面から土砂等がコンクリート中に巻き込まれるのを防止することができる。
ところが、上記の事前工事をしないでそのままコンクリートの打設を行なうと、整地された地面から土砂等がコンクリートの下層部に巻き込まれ、コンクリート中に土砂が混入した状態で固化する恐れがある。
【0005】
基礎や土間等に打設されるコンクリートは、建造物の設計において所定の強度等を保持するため、その厚みや材質等が厳密に規定されているが、そこに土砂等の異物が混入すると、設計上で要求される強度等が発揮できない可能性が出てくる。
ところで、捨てコン施工には、打設材となるコンクリートの打設前の敷地を平坦にできるという利点が有り、また、これに上部建造物施工のための墨出し等を行なうことができるといった利点もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の事前工事を行なうことには種々の問題があった。
第1の問題は、砕石、捨てコンの施工に伴い、 作業工数が多くなることである。建造物の基礎等の施工場所へ砕石を敷き詰めるには、重量物である砕石を施工場所へ運び、また、これを均すのに重機が必要となる。さらに、捨てコンを流した後にこれを乾燥し養生するための時間が必要となるため、工期的にも3〜5日間程度の期間が必要となる。
【0007】
第2の問題は、従来の砕石、捨てコンの施工を伴う事前工事においては、その後に、打設材となるコンクリートを打設するに際して、コンクリートを所定の大きさに打設するため、コンクリートを敷設する外側に型枠を設置することが必要になる。すなわち、図8に示すように、型枠30を施工するために、地面を所定の基礎の面積に加えてさらにその外側に型枠30とその型枠30を固定する型枠固定具31を設置するだけの空間を掘削しなければならない。そのため、必要以上に地面を掘削することが必要となり、 工数増や、その掘削に伴う掘削土量の増加が問題となる。
【0008】
本発明は、以上のような従来の砕石、捨てコンの施工を伴う事前工事における問題を解決し、簡便な作業により、安価で効果的な打設材打設を可能とする打設材打設方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、 以下の各項記載の打設材打設方法によって上記課題を解決した。
▲1▼ 建造物の基礎や土間、あるいは、道路となる敷地に打設材を打設するにあたり、該敷地を整地した後に板状材を敷設し、その上に打設材を打設することを特徴とする打設材打設方法。
▲2▼ 前記板状材を敷設するに際し、 敷設した板状材を、その上方から押圧した後に打設材を打設することを特徴とする上記▲1▼に記載の打設材打設方法。
▲3▼ 前記板状材を敷設後、打設材を打設する前に、 前記板状材上に錘を載設して固定し、 および/または、前記板状材を鋲で地面に係着して固定することを特徴とする上記▲1▼または▲2▼に記載の打設材打設方法。
▲4▼ 前記板状材を、山形板状材、リブ付板状材、または、波形板状材とし、それぞれ、その山形部、リブ部、 または、波形部を地面に圧着してなることを特徴とする上記▲1▼〜▲3▼のいずれかに記載の打設材打設方法。
▲5▼ 前記板状材を、厚さ0.12〜2.0mm の鉄板とすることを特徴とする上記▲1▼〜▲4▼のいずれかに記載の打設材打設方法。
▲6▼ 前記板状材が、厚さ0.12〜2.0 mmの鉄板に幅5〜150mm ピッチで高さ5〜100mmの山状突起又はリブを設けた鉄板であることを特徴とする上記▲1▼〜▲5▼のいずれかに記載の打設材打設方法。
▲7▼ 前記敷地を掘削し、 掘削した端部壁面あるいは立ち上がり面に前記板状材を当接して固定することを特徴とする上記▲1▼〜▲6▼のいずれかに記載の打設材打設方法。
▲8▼ 前記敷地を掘削して布基礎ビーム部を形成し、 形成した該布基礎ビーム部の端部壁面に前記板状材を当接して固定し、かつ、該布基礎ビーム部の底面に前記板状材を敷設することを特徴とする上記▲1▼〜▲7▼のいずれかに記載の打設材打設方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る打設材打設方法における基礎等の基本的な構造を図1に示す。
地面1を、必要に応じて所定の広さ、深さに掘削し、その表面を整地した後に、板状材2を敷き、その上に打設材となるコンクリート3を打設する。
ここで板状材2としては、コンクリート3を打設した際に地面1から土砂等を巻き上げてコンクリート3中に土砂が混入するのを防止することができる材料であれば特に限定せずに好適に使用することができ、例えば、鉄板、木板、合成樹脂板等は言うまでもなく、ゴム板、織物状の繊維板等としてもよい。
【0011】
鉄板とする場合、その板厚を0.12〜2.0mm 程度とする薄板であっても強度的には特に問題ない。なお、板厚が0.12mm未満であれば、強度的に不足する場合が発生し、 一方、2.0mm を超えると、 その重量によって取り扱いが困難となるにもかかわらず、強度的には2.0mm 程度の場合と大きな差が認められない。
なお、板状材2の形状は平板としてもよいし、また、ゴムや織物状の繊維のように弾力性のある薄膜状のものとしても良い。
【0012】
特に、板状材2を鉄板とする場合、市販の波板を好適に利用することができる。市販の波板の場合、0.15mm程度の薄板でも強度が十分に向上されているので、取り扱いが容易であり、また波板同士が重なり合うので、輸送も効率的である。また、平板を加工して図2(a)に示すような下面に山状突起を設けた鉄板を用いると、山状突起が地面に食い込んでコンクリート打設の精度を上げることができる。
【0013】
さらに地面への食い込みを向上させるには、鋼板を図2(b)に示すように折り返してリブを設けた鉄板とするリブ付板状材22も使用することができる。
この山状突起やリブは、幅5〜150mm ピッチで高さ5〜 100mmで設けることが好ましい。幅が5mmに満たないと山状突起やリブを地面に食い込ませるのが困難であり、板状材の地面への固定がし難い。また幅を 150mmを超えて開けておくと板状材としての強度が低下し、工事現場への輸送時や施工途中に変形等がし易くなるため好ましくない。高さも5mm未満の場合、地面の凹凸との高さの差があまりなく、板状材を地面に固定させることが難しい。 100mmを超えた高さの山状突起やリブでは地面へ食い込ませるのに多大な力が必要となり板状材の地面への固定が難しい。
【0014】
ところで、板状材として鉄板を用いる場合、 打設材打設に際して、上部建造物の支持に必要な鉄骨等を固定するためのアンカーセットを溶接により板状材に固定できる。
一方、 従来の砕石、捨てコンによる事前工事では、硬化した捨てコンの所定位置にアンカーセットを据付けるにあたって、鉄板をホールインアンカーで固定し、これにアンカーセットを固定するという方法を取るため、ホールインアンカーの養生等で時間が掛かっていた。本発明では、 このアンカーセットの固定を現地溶接で行なうことができるため、現地施工を非常に簡素化することができる。
【0015】
また、本発明では、整地した敷地上に敷く板状材を、コンクリート打設前に更に上からローラ等で押圧することもできる。これにより、板状材と地面との隙間を埋めて密着することができ、板状材の固定が安定する。特に、 板状材を鉄板とする場合は、鉄板自体の剛性が高いため、押圧することで平坦度が向上し、 打設材(コンクリート)の施工精度を上げることができる。
【0016】
一方、 板状材の材質がゴムや織物状の繊維の場合は、打設材(コンクリート)打設によってその荷重により板状材が変形するので、必ずしも必要ではない。
一方、 板状材を鉄板とし、その形状を、波形板状材や図2に例示のような山形板状材21やリブ付板状材22とする場合、 押圧することで地面に鉄板が食い込むために、地面に固定され非常に好適である。
【0017】
また、図3(a)に示すように、波形板状材23を適用する場合、 波形押え枠11をコンクリートや木材、ゴム、合成樹脂、鉄等で形成しておき、これを波板の上に置いて押圧すると波板の形状を壊さずに押圧することができ、好適である。また、より簡便には、図3(b)に示すように波形板状材23の谷部に、その波の深さより若干大きい径のパイプ、丸棒等の円柱材12を置き、その上から押圧するようにしても良い。これらの波形押え枠11や円柱材12は、押圧後に別の波形板状材へ移動させて何度でも再利用することができる。また、この他に、押圧に使用するローラホイールに波板の波型に適合する溝を設け、これを用いて押圧することもできる(図示せず)。
【0018】
ところで、本発明においては、打設材(コンクリート)を打設する際に、コンクリートの流れによって板状材がずれたり、はがれたりするのを防ぐために、板状材を種々の固定具で地面に固定するようにしてもよい。
この場合、地面に固定した固定具は、コンクリート施工後にコンクリートに埋め込まれることになるため、コンクリートの強度等を過度に阻害しない材料とする必要がある。
【0019】
たとえば、岩石、小さなコンクリートブロック、鉄製ブロック等を錘にして局部的に荷重を掛けて固定することができる。この場合、錘の大きさを、高さ50mm、幅500mm 、奥行き500mm 程度に収まるものとすれば、特にコンクリート施工に害を与えることはない。また、錘の代わりに鋲止めすることもできる。
また、板状材を敷設後に降雨等により水溜まりができる場合には、板状材に5mm以下程度の径の穴を開けておき、水抜きとすることができる。もちろん板状材施工後であっても打設材の打設前に水抜き穴を開けて水抜きすることもできる。
【0020】
本発明では、更にコンクリートの端部壁面の形状、あるいは布基礎のビーム形状を板状材で形成し、これを固定した後にコンクリートを施工することを好適とする。
図4に、コーナー部板状材24の端部を形成した状態の一例を示す。図4では、 掘削した地面の壁面に直接コーナー部板状材24を当て、鋲やボルト等の固定具32で固定する。こうすることで、コーナー部板状部材24が動いてずれることもなくなり、容易にコンクリート打設を行なうことが可能となる。本発明では、地面の掘削をコンクリート打設範囲だけとすれば良いので、図8に示す従来例のように、コンクリート打設範囲の外側に型枠固定具31を設ける必要がなく、掘削範囲を最小限として小さくすることができる。
【0021】
また、図5(a)に示すように、掘削した地面1の壁面となる端部コーナー部においても同様に、コーナー部板状材24をそのコーナー形状に合わせて形成して固定することができる。ここで、板状材の場合には曲げ加工も容易であることから、図5(b)に示す折返し付コーナー部板状材25のように、 壁面を構成する板状材の一部を端部壁面に曲げて立ち上げることでコンクリート施工の型枠としても容易に利用することができる。
【0022】
ところで、本発明の打設材打設方法では、敷地への打設材打設として、 図6に示すように、 布基礎ビーム部13でもビームの立ち上がり面にビーム部板状材26を当接して固定することにより、コンクリート部分と一体的にかつ一度に打設材打設施工が可能となる。
図6に示す例の場合、ビーム部の立ち上がり面を固定する支え用の固定具14は、ビーム部を形成するコンクリート内に埋め込まれることになるが、固定具14の間隔を 500mm以上離して設置するなどの対策をとることで、ビーム部の強度低下等の悪影響を除くことができる。
【0023】
以上、本発明についての詳細の説明を、建造物の基礎のコンクリート打設を例示して説明した。
ただし、本発明が、 土間や道路工事等におけるコンクリートやアスファルト打設においても、全く同様の課題を有していることは明らかであり、本発明の打設材打設方法を適用することで作業を簡素化することができ、 大幅な工数の削減が期待できる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の実施により、コンクリート等の打設材打設に際しての事前工事を簡便にすることができ、短工期を実現し、 かつ、安価に施工することが可能となる。また、本発明では、 敷地を掘削するに際しても、 必要最小限の掘削とすることができ、掘削量の減少と工期短縮が期待できる。
【0025】
特に、板状材として鉄板を使用することで、汎用品を使用することができ、施工材が安価でかつ極めて入手容易とできる。そのうえ、薄い鉄板の板状材でよいため、その輸送や施工を容易とできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の打設材打設方法を説明するための断面模式図である。
【図2】本発明の打設材打設方法に、山形板状材(a)と、リブ付板状材(b)を適用した例を示す模式図である。
【図3】本発明の打設材打設方法に波形板状材を適用した例を示す模式図である。
【図4】本発明の打設材打設方法における端部の形成方法を例示する模式図である。
【図5】本発明におけるコーナー部の形成方法を示す断面模式図である。
【図6】本発明における布基礎ビーム部の形成方法を示す断面模式図である。
【図7】従来の打設材打設方法を示す断面模式図である。
【図8】従来の打設材打設における型枠固定方法を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 地面
2 板状材
3 打設材(コンクリート、アスファルト)
5 砕石
6 捨てコン
11 波型押え枠
12 円柱材(パイプ材、丸棒材)
13 布基礎ビーム部
14 固定具
21 山形板状材
22 リブ付板状材
23 波形板状材
24 コーナー部板状材
25 折返し付コーナー部板状材
26 ビーム部板状材
30 型枠
31 型枠固定具
32 固定具(鋲、ボルト)
【発明の属する技術分野】
本発明は建造物の基礎、土間、あるいは道路工事において、整地した地面の上へコンクリートやアスファルト等の打設材を打設するにあたり、打設材中への土砂の巻き込みを防止し、均質な打設材層を形成する技術に関し、特に簡便な作業により、安価で効果的な打設材打設を可能とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
建造物の基礎や土間の施工あるいは道路工事において、上層にコンクリートやアスファルト等の打設材を打設する場合が多い。これら打設材の施工にあたっては下層となる地面を整地し、事前工事を行なった上で打設材の打設を行なう。
以下では、代表例として、建造物の基礎におけるコンクリート打設による打設材打設方法について説明する。
【0003】
建造物の基礎の施工にあたっては、図7に示すように地面1を所定の広さおよび深さに掘削して整地等をした後に、砕石5を敷き詰め、この砕石5の表面にコンクリートを打設して砕石5を固定する事前工事を行なう。この、事前工事におけるコンクリートを捨てコン6という。そして、その捨てコン6上に、基礎の打設材としてのコンクリート3を打設する。
【0004】
この場合、事前工事を行なうことで、打設材(コンクリート)3の打設に際して整地された地面から土砂等がコンクリート中に巻き込まれるのを防止することができる。
ところが、上記の事前工事をしないでそのままコンクリートの打設を行なうと、整地された地面から土砂等がコンクリートの下層部に巻き込まれ、コンクリート中に土砂が混入した状態で固化する恐れがある。
【0005】
基礎や土間等に打設されるコンクリートは、建造物の設計において所定の強度等を保持するため、その厚みや材質等が厳密に規定されているが、そこに土砂等の異物が混入すると、設計上で要求される強度等が発揮できない可能性が出てくる。
ところで、捨てコン施工には、打設材となるコンクリートの打設前の敷地を平坦にできるという利点が有り、また、これに上部建造物施工のための墨出し等を行なうことができるといった利点もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の事前工事を行なうことには種々の問題があった。
第1の問題は、砕石、捨てコンの施工に伴い、 作業工数が多くなることである。建造物の基礎等の施工場所へ砕石を敷き詰めるには、重量物である砕石を施工場所へ運び、また、これを均すのに重機が必要となる。さらに、捨てコンを流した後にこれを乾燥し養生するための時間が必要となるため、工期的にも3〜5日間程度の期間が必要となる。
【0007】
第2の問題は、従来の砕石、捨てコンの施工を伴う事前工事においては、その後に、打設材となるコンクリートを打設するに際して、コンクリートを所定の大きさに打設するため、コンクリートを敷設する外側に型枠を設置することが必要になる。すなわち、図8に示すように、型枠30を施工するために、地面を所定の基礎の面積に加えてさらにその外側に型枠30とその型枠30を固定する型枠固定具31を設置するだけの空間を掘削しなければならない。そのため、必要以上に地面を掘削することが必要となり、 工数増や、その掘削に伴う掘削土量の増加が問題となる。
【0008】
本発明は、以上のような従来の砕石、捨てコンの施工を伴う事前工事における問題を解決し、簡便な作業により、安価で効果的な打設材打設を可能とする打設材打設方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、 以下の各項記載の打設材打設方法によって上記課題を解決した。
▲1▼ 建造物の基礎や土間、あるいは、道路となる敷地に打設材を打設するにあたり、該敷地を整地した後に板状材を敷設し、その上に打設材を打設することを特徴とする打設材打設方法。
▲2▼ 前記板状材を敷設するに際し、 敷設した板状材を、その上方から押圧した後に打設材を打設することを特徴とする上記▲1▼に記載の打設材打設方法。
▲3▼ 前記板状材を敷設後、打設材を打設する前に、 前記板状材上に錘を載設して固定し、 および/または、前記板状材を鋲で地面に係着して固定することを特徴とする上記▲1▼または▲2▼に記載の打設材打設方法。
▲4▼ 前記板状材を、山形板状材、リブ付板状材、または、波形板状材とし、それぞれ、その山形部、リブ部、 または、波形部を地面に圧着してなることを特徴とする上記▲1▼〜▲3▼のいずれかに記載の打設材打設方法。
▲5▼ 前記板状材を、厚さ0.12〜2.0mm の鉄板とすることを特徴とする上記▲1▼〜▲4▼のいずれかに記載の打設材打設方法。
▲6▼ 前記板状材が、厚さ0.12〜2.0 mmの鉄板に幅5〜150mm ピッチで高さ5〜100mmの山状突起又はリブを設けた鉄板であることを特徴とする上記▲1▼〜▲5▼のいずれかに記載の打設材打設方法。
▲7▼ 前記敷地を掘削し、 掘削した端部壁面あるいは立ち上がり面に前記板状材を当接して固定することを特徴とする上記▲1▼〜▲6▼のいずれかに記載の打設材打設方法。
▲8▼ 前記敷地を掘削して布基礎ビーム部を形成し、 形成した該布基礎ビーム部の端部壁面に前記板状材を当接して固定し、かつ、該布基礎ビーム部の底面に前記板状材を敷設することを特徴とする上記▲1▼〜▲7▼のいずれかに記載の打設材打設方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る打設材打設方法における基礎等の基本的な構造を図1に示す。
地面1を、必要に応じて所定の広さ、深さに掘削し、その表面を整地した後に、板状材2を敷き、その上に打設材となるコンクリート3を打設する。
ここで板状材2としては、コンクリート3を打設した際に地面1から土砂等を巻き上げてコンクリート3中に土砂が混入するのを防止することができる材料であれば特に限定せずに好適に使用することができ、例えば、鉄板、木板、合成樹脂板等は言うまでもなく、ゴム板、織物状の繊維板等としてもよい。
【0011】
鉄板とする場合、その板厚を0.12〜2.0mm 程度とする薄板であっても強度的には特に問題ない。なお、板厚が0.12mm未満であれば、強度的に不足する場合が発生し、 一方、2.0mm を超えると、 その重量によって取り扱いが困難となるにもかかわらず、強度的には2.0mm 程度の場合と大きな差が認められない。
なお、板状材2の形状は平板としてもよいし、また、ゴムや織物状の繊維のように弾力性のある薄膜状のものとしても良い。
【0012】
特に、板状材2を鉄板とする場合、市販の波板を好適に利用することができる。市販の波板の場合、0.15mm程度の薄板でも強度が十分に向上されているので、取り扱いが容易であり、また波板同士が重なり合うので、輸送も効率的である。また、平板を加工して図2(a)に示すような下面に山状突起を設けた鉄板を用いると、山状突起が地面に食い込んでコンクリート打設の精度を上げることができる。
【0013】
さらに地面への食い込みを向上させるには、鋼板を図2(b)に示すように折り返してリブを設けた鉄板とするリブ付板状材22も使用することができる。
この山状突起やリブは、幅5〜150mm ピッチで高さ5〜 100mmで設けることが好ましい。幅が5mmに満たないと山状突起やリブを地面に食い込ませるのが困難であり、板状材の地面への固定がし難い。また幅を 150mmを超えて開けておくと板状材としての強度が低下し、工事現場への輸送時や施工途中に変形等がし易くなるため好ましくない。高さも5mm未満の場合、地面の凹凸との高さの差があまりなく、板状材を地面に固定させることが難しい。 100mmを超えた高さの山状突起やリブでは地面へ食い込ませるのに多大な力が必要となり板状材の地面への固定が難しい。
【0014】
ところで、板状材として鉄板を用いる場合、 打設材打設に際して、上部建造物の支持に必要な鉄骨等を固定するためのアンカーセットを溶接により板状材に固定できる。
一方、 従来の砕石、捨てコンによる事前工事では、硬化した捨てコンの所定位置にアンカーセットを据付けるにあたって、鉄板をホールインアンカーで固定し、これにアンカーセットを固定するという方法を取るため、ホールインアンカーの養生等で時間が掛かっていた。本発明では、 このアンカーセットの固定を現地溶接で行なうことができるため、現地施工を非常に簡素化することができる。
【0015】
また、本発明では、整地した敷地上に敷く板状材を、コンクリート打設前に更に上からローラ等で押圧することもできる。これにより、板状材と地面との隙間を埋めて密着することができ、板状材の固定が安定する。特に、 板状材を鉄板とする場合は、鉄板自体の剛性が高いため、押圧することで平坦度が向上し、 打設材(コンクリート)の施工精度を上げることができる。
【0016】
一方、 板状材の材質がゴムや織物状の繊維の場合は、打設材(コンクリート)打設によってその荷重により板状材が変形するので、必ずしも必要ではない。
一方、 板状材を鉄板とし、その形状を、波形板状材や図2に例示のような山形板状材21やリブ付板状材22とする場合、 押圧することで地面に鉄板が食い込むために、地面に固定され非常に好適である。
【0017】
また、図3(a)に示すように、波形板状材23を適用する場合、 波形押え枠11をコンクリートや木材、ゴム、合成樹脂、鉄等で形成しておき、これを波板の上に置いて押圧すると波板の形状を壊さずに押圧することができ、好適である。また、より簡便には、図3(b)に示すように波形板状材23の谷部に、その波の深さより若干大きい径のパイプ、丸棒等の円柱材12を置き、その上から押圧するようにしても良い。これらの波形押え枠11や円柱材12は、押圧後に別の波形板状材へ移動させて何度でも再利用することができる。また、この他に、押圧に使用するローラホイールに波板の波型に適合する溝を設け、これを用いて押圧することもできる(図示せず)。
【0018】
ところで、本発明においては、打設材(コンクリート)を打設する際に、コンクリートの流れによって板状材がずれたり、はがれたりするのを防ぐために、板状材を種々の固定具で地面に固定するようにしてもよい。
この場合、地面に固定した固定具は、コンクリート施工後にコンクリートに埋め込まれることになるため、コンクリートの強度等を過度に阻害しない材料とする必要がある。
【0019】
たとえば、岩石、小さなコンクリートブロック、鉄製ブロック等を錘にして局部的に荷重を掛けて固定することができる。この場合、錘の大きさを、高さ50mm、幅500mm 、奥行き500mm 程度に収まるものとすれば、特にコンクリート施工に害を与えることはない。また、錘の代わりに鋲止めすることもできる。
また、板状材を敷設後に降雨等により水溜まりができる場合には、板状材に5mm以下程度の径の穴を開けておき、水抜きとすることができる。もちろん板状材施工後であっても打設材の打設前に水抜き穴を開けて水抜きすることもできる。
【0020】
本発明では、更にコンクリートの端部壁面の形状、あるいは布基礎のビーム形状を板状材で形成し、これを固定した後にコンクリートを施工することを好適とする。
図4に、コーナー部板状材24の端部を形成した状態の一例を示す。図4では、 掘削した地面の壁面に直接コーナー部板状材24を当て、鋲やボルト等の固定具32で固定する。こうすることで、コーナー部板状部材24が動いてずれることもなくなり、容易にコンクリート打設を行なうことが可能となる。本発明では、地面の掘削をコンクリート打設範囲だけとすれば良いので、図8に示す従来例のように、コンクリート打設範囲の外側に型枠固定具31を設ける必要がなく、掘削範囲を最小限として小さくすることができる。
【0021】
また、図5(a)に示すように、掘削した地面1の壁面となる端部コーナー部においても同様に、コーナー部板状材24をそのコーナー形状に合わせて形成して固定することができる。ここで、板状材の場合には曲げ加工も容易であることから、図5(b)に示す折返し付コーナー部板状材25のように、 壁面を構成する板状材の一部を端部壁面に曲げて立ち上げることでコンクリート施工の型枠としても容易に利用することができる。
【0022】
ところで、本発明の打設材打設方法では、敷地への打設材打設として、 図6に示すように、 布基礎ビーム部13でもビームの立ち上がり面にビーム部板状材26を当接して固定することにより、コンクリート部分と一体的にかつ一度に打設材打設施工が可能となる。
図6に示す例の場合、ビーム部の立ち上がり面を固定する支え用の固定具14は、ビーム部を形成するコンクリート内に埋め込まれることになるが、固定具14の間隔を 500mm以上離して設置するなどの対策をとることで、ビーム部の強度低下等の悪影響を除くことができる。
【0023】
以上、本発明についての詳細の説明を、建造物の基礎のコンクリート打設を例示して説明した。
ただし、本発明が、 土間や道路工事等におけるコンクリートやアスファルト打設においても、全く同様の課題を有していることは明らかであり、本発明の打設材打設方法を適用することで作業を簡素化することができ、 大幅な工数の削減が期待できる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の実施により、コンクリート等の打設材打設に際しての事前工事を簡便にすることができ、短工期を実現し、 かつ、安価に施工することが可能となる。また、本発明では、 敷地を掘削するに際しても、 必要最小限の掘削とすることができ、掘削量の減少と工期短縮が期待できる。
【0025】
特に、板状材として鉄板を使用することで、汎用品を使用することができ、施工材が安価でかつ極めて入手容易とできる。そのうえ、薄い鉄板の板状材でよいため、その輸送や施工を容易とできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の打設材打設方法を説明するための断面模式図である。
【図2】本発明の打設材打設方法に、山形板状材(a)と、リブ付板状材(b)を適用した例を示す模式図である。
【図3】本発明の打設材打設方法に波形板状材を適用した例を示す模式図である。
【図4】本発明の打設材打設方法における端部の形成方法を例示する模式図である。
【図5】本発明におけるコーナー部の形成方法を示す断面模式図である。
【図6】本発明における布基礎ビーム部の形成方法を示す断面模式図である。
【図7】従来の打設材打設方法を示す断面模式図である。
【図8】従来の打設材打設における型枠固定方法を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 地面
2 板状材
3 打設材(コンクリート、アスファルト)
5 砕石
6 捨てコン
11 波型押え枠
12 円柱材(パイプ材、丸棒材)
13 布基礎ビーム部
14 固定具
21 山形板状材
22 リブ付板状材
23 波形板状材
24 コーナー部板状材
25 折返し付コーナー部板状材
26 ビーム部板状材
30 型枠
31 型枠固定具
32 固定具(鋲、ボルト)
Claims (8)
- 建造物の基礎や土間、あるいは、道路となる敷地に打設材を打設するにあたり、
該敷地を整地した後に板状材を敷設し、その上に打設材を打設することを特徴とする打設材打設方法。 - 前記板状材を敷設するに際し、
敷設した板状材を、その上方から押圧した後に打設材を打設することを特徴とする請求項1に記載の打設材打設方法。 - 前記板状材を敷設後、打設材を打設する前に、 前記板状材上に錘を載設して固定し、 および/または、前記板状材を鋲で地面に係着して固定することを特徴とする請求項1または2に記載の打設材打設方法。
- 前記板状材を、山形板状材、リブ付板状材、または、波形板状材とし、それぞれ、その山形部、リブ部、または、波形部を地面に圧着してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の打設材打設方法。
- 前記板状材を、厚さ0.12〜2.0mm の鉄板とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の打設材打設方法。
- 前記板状材が、厚さ0.12〜2.0 mmの鉄板に幅5〜150mm ピッチで高さ5〜 100mmの山状突起又はリブを設けた鉄板であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の打設材打設方法。
- 前記敷地を掘削し、 掘削した端部壁面あるいは立ち上がり面に前記板状材を当接して固定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の打設材打設方法。
- 前記敷地を掘削して布基礎ビーム部を形成し、 形成した該布基礎ビーム部の端部壁面に前記板状材を当接して固定し、かつ、該布基礎ビーム部の底面に前記板状材を敷設することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の打設材打設方法。
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