JP2004091708A - ナノコンポジット組成物及びガスバリア層 - Google Patents
ナノコンポジット組成物及びガスバリア層 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004091708A JP2004091708A JP2002256992A JP2002256992A JP2004091708A JP 2004091708 A JP2004091708 A JP 2004091708A JP 2002256992 A JP2002256992 A JP 2002256992A JP 2002256992 A JP2002256992 A JP 2002256992A JP 2004091708 A JP2004091708 A JP 2004091708A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- metal
- dendritic
- polymer
- dendrimer
- particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 0 *c1cc(OCc2ccccc2)cc(OCc2ccccc2)c1 Chemical compound *c1cc(OCc2ccccc2)cc(OCc2ccccc2)c1 0.000 description 2
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【課題】パソコン、AV機器、携帯型情報通信機器、ゲームやシミュレーション機器、及び、車載用のナビゲーションシステム等、種々の分野の表示装置、蛍光体によって透過放射線を可視光及び/又は紫外放射線に変換するためのX線写真用増感パネル等の放射線発光パネル、タッチパネル、センサー、太陽電池、無機EL、及び有機ELなどの電極や太陽熱利用のための選択透過膜、電磁波シールドなどに好適に利用されるナノコンポジット組成物及びガスバリア層に関する。
【解決手段】金属イオンを配位した樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを、含有することを特徴とするナノコンポジット組成物である。金属粒子及び合金粒子から選ばれるいずれかの金属系粒子を含有する樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを、含有することを特徴とするナノコンポジット組成物である。該ナノコンポジット組成物を用いたガスバリア層である。
【選択図】 なし
【解決手段】金属イオンを配位した樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを、含有することを特徴とするナノコンポジット組成物である。金属粒子及び合金粒子から選ばれるいずれかの金属系粒子を含有する樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを、含有することを特徴とするナノコンポジット組成物である。該ナノコンポジット組成物を用いたガスバリア層である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パソコン、AV機器、携帯型情報通信機器、ゲームやシミュレーション機器、及び、車載用のナビゲーションシステム等、種々の分野の表示装置、蛍光体によって透過放射線を可視光及び/又は紫外放射線に変換するためのX線写真用増感パネル等の放射線発光パネル、タッチパネル、センサー、太陽電池、無機EL及び有機ELなどの電極や太陽熱利用のための選択透過膜、電磁波シールドなどに好適に利用されるナノコンポジット組成物及びガスバリア層に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、情報機器、通信機器等に、STN型液晶表示装置、MIN液晶表示装置、TFT液晶表示装置等が使用されている。これらの液晶表示装置用の基板としては、厚み1mm以下のホウケイ酸ガラス板、ソーダライムガラス板、無アルカリガラス板等が用いられているが、ガラス基板は、耐衝撃性が低く、落下によって割れる等の問題があるため、プラスチック基板で代替させるニーズが高い。
【0003】
しかしながら、前記プラチック基板は、ガラス基板に比べ、酸素等に対するガスバリア性が低い。このため、好適に液晶の性能を維持するためには、高いガスバリア性が必要とされ、プラスチック基板にガスバリア性を付与する技術が種々検討されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、ガスバリア層として、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ビニルアルコール及びその共重合体等の樹脂で形成された層や、二酸化珪素等の無機化合物等の蒸着層等が開示されている。
また、特許文献2には、厚み0.0015〜0.25mmの超薄ガラスをプラスチックに貼り付ける方法が開示されている。
【0005】
近年、技術の更なる発達により、前記ガラス基板及びプラスチック性基板に代替し得るより高性能の材料の開発が強く望まれており、前記ガラス基板が有する問題を解決し得、更に、前記プラスチック性基板に比べ、平面性、ITO電極との密着性、強度、セル厚の均一化の容易性等に優れ、特にガスバリア性に優れた材料が強く要請されている。
【0006】
【特許文献1】
特許第3054235号公報
【特許文献2】
特許第3059866号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、諸要請に応え、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、金属イオンを配位した樹状分岐分子及び金属粒子を含有する樹状分岐分子から選ばれるいずれかの樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを含有し、有機及び無機マトリックス中への分散性に優れ、均一な素材が得られ、軽量化・薄型化が容易で、衝撃に強く強度が高く、ガスバリア性に優れた高性能なナノコンポジット組成物及びガスバリア層を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段については、以下の通りである。即ち、
<1> 金属イオンを配位した樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを、含有することを特徴とするナノコンポジット組成物である。
<2> 金属粒子及び合金粒子から選ばれるいずれかの金属系粒子を含有する樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを、含有することを特徴とするナノコンポジット組成物である。
<3> 金属系粒子が、数平均粒径(D50)が500nm以下の金属微粒子である前記<2>に記載のナノコンポジット組成物である。
<4> 樹状分岐分子が、樹状分岐ポリマー及びデンドロンから選択される前記<1>から<3>のいずれかに記載のナノコンポジット組成物である。
<5> 樹状分岐ポリマーが、デンドリマーである前記<4>に記載のナノコンポジット組成物である。
<6> デンドリマーの表面に金属イオンと相互作用を示さない官能基を有する前記<5>に記載のナノコンポジット組成物である。
<7> 樹状分岐ポリマーが、ハイパーブランチポリマーである前記<4>に記載のナノコンポジット組成物である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載のナノコンポジット組成物を層状乃至は膜状に形成してなることを特徴とするガスバリア層である。
【0009】
本発明のナノコンポジット組成物は、第1に、金属イオンを配位した樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを、含有する。また、本発明のナノコンポジット組成物は、第2に、金属粒子及び合金粒子から選ばれるいずれかの金属系粒子を含有する樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを、含有する。このため、有機及び無機マトリックスへの分散性が高く、機械的物性が向上し、ガスバリア性も向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
(ナノコンポジット組成物)
本発明のナノコンポジット組成物は、第1の態様として、金属イオンを配位した樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを含み、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本発明のナノコンポジット組成物は、第2の態様として、金属粒子及び合金粒子から選ばれるいずれかの金属系粒子を含有する樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを含み、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【0011】
−金属イオンを配位した樹状分岐分子、金属系粒子を含有する樹状分岐分子−
前記樹状分岐分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定されるが、金属イオン配位型又は金属粒子含有型のいずれであっても構わない。
【0012】
(金属イオン)
前記金属イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、周期律表において、水素、ホウ素、炭素、窒素、及びリンを除く、1A(アルカリ金属)、2A(アルカリ土類金属)、3A、4A、5A、6A、7A、8、1B、2B(以上遷移元素)、3B、4B、及び5Bの各族に属する元素の陽イオンが好適である。
具体的な陽イオンとしては、Li+ ,Na+,K+ ,Rb+ ,Cs+ ,Fr+ 等のアルカリ金属陽イオン、Be2+,Mg2+,Ca2+,Sr2+,Ba2+,Ra2+等のアルカリ土類金属陽イオン、Sc3+,Y3+等のスカンジウム族陽イオン、Ti2+,Ti3+,Ti4+,Zr+ ,Zr2+,Zr3+,Zr4+,Hf+ ,Hf2+,Hf3+,Hf4+等のチタン族陽イオン、V+ ,V2+,V3+,V4+,V5+,Nb+ ,Nb2+,Nb3+,Nb4+,Nb5+,Ta+ ,Ta2+,Ta3+,Ta4+,Ta5+等のバナジウム族陽イオン、Cr+ ,Cr2+,Cr3+,Cr4+,Cr5+,Cr6+,Mo+ ,Mo2+,Mo3+,Mo4+,Mo5+,Mo6+,W+ ,W2+,W3+,W4+,W5+,W6+,等のクロム族陽イオン、Mn+ ,Mn2+,Mn3+,Mn4+,Mn5+,Mn6+,Mn7+,Tc+ ,Tc2+,Tc3+,Tc4+,Tc5+,Tc6+,Tc7+,Re+ ,Re2+,Re3+,Re4+,Re5+,Re6+,Re7+等のマンガン族陽イオン、Fe+ ,Fe2+,Fe3+,Fe4+,Fe6+,Ru+ ,Ru2+,Ru3+,Ru4+,Ru5+,Ru6+,Ru7+,Ru8+,Os+ ,Os2+,Os3+,Os4+,Os5+,Os6+,Os7+,Os8+等の鉄族陽イオン、Co+ ,Co2+,Co3+,Co4+,Co5+,Rh+ ,Rh2+,Rh3+,Rh4+,Rh5+,Rh6+,Ir+ ,Ir2+,Ir3+,Ir4+,Ir5+,Ir6+等のコバルト族陽イオン、Ni+ ,Ni2+,Ni3+,Ni4+,Pd+ ,Pd2+,Pd3+,Pd4+,Pt2+,Pt3+,Pt4+,Pt5+,Pt6+等のニッケル族陽イオン、Cu+ ,Cu2+,Cu3+,Cu4+,Ag+ ,Ag2+,Ag3+,Au+ ,Au2+,Au3+,Au5+,Au7+等の銅族陽イオン、Zn2+,Cd+ ,Cd2+,Hg+,Hg2+等の亜鉛族陽イオン、La2+,La3+,Ce2+,Ce3+,Ce4+,Pr2+,Pr3+,Pr4+,Nd2+,Nd3+,Nd4+,Pm2+,Pm3+,Sm2+,Sm3+,Eu2+,Eu3+,Gd2+,Gd3+,Tb2+,Tb3+,Tb4+,Dy2+,Dy3+,Dy4+,Ho2+,Ho3+,Er2+,Er3+,Tm2+,Tm3+,Yb2+,Yb3+,Lu2+,Lu3+等のランタノイド陽イオン、Ac3+,Th4+,Pa3+,Pa4+,Pa5+,U3+,U4+,U5+,U6+,Np3+,Np4+,Np5+,Np6+,Pu3+,Pu4+,Pu5+,Pu6+,Am2+,Am3+,Am4+,Am5+,Am6+,Cm3+,Cm4+,Bk3+,Bk4+,Cf2+,Cf3+,Cf4+,Es2+,Es3+,Fm2+,Fm3+,Md2+,Md3+,No2+,No3+等のアクチノイド陽イオン、Al3+,Ga2+,Ga3+,In+ ,In2+,In3+,Tl+ ,Tl2+,Tl3+等の3B族陽イオン、Si2+,Si4+,Ge2+,Ge4+,Sn2+,Sn4+,Pb2+,Pb4+等の4B族陽イオン、As3+,As5+,Sb+ ,Sb3+,Sb5+,Bi+ ,Bi3+,Bi5+等の5B族陽イオン等が挙げられ、これらの中でも、Ti、Fe、Co、Ni、Zr、Mo、Ru、Rh、Ag、Cd、Sn、Ir、Pt、Au、Pb、Biなどのイオンが好ましい。
【0013】
(金属系粒子)
前記金属系粒子としては、金属粒子及び合金粒子の少なくともいずれかの金属系粒子であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属系粒子の数平均粒径(D50)は500nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、80nm以下が更に好ましい。
前記金属系粒子の数平均粒径(D50)が、500nm未満であれば、有機及び無機マトリックスへの分散性が高く、機械的物性が向上し、ガスバリア性も向上する。
前記金属としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、金属そのものであってもよいし、金属カルコゲナイド、金属ハロゲン化合物などであってもよく、前記金属としては、Ti、Fe、Co、Ni、Zr、Mo、Ru、Rh、Ag、Cd、Sn、Ir、Pt、Au、Pb、Bi、これらの合金等が挙げられる。
【0014】
前記合金としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記金属として例示したものと、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、ランタノイド系列の元素及びアクチノイド系列の元素から選択したものとの合金、などが挙げられる。
前記金属系粒子を含有する樹状分岐分子の場合における、前記金属系粒子の含有量としては、0.01〜30質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。
【0015】
(樹状分岐分子)
前記樹状分岐分子としては、樹状分岐構造を有する分子であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹状分岐ポリマー、デンドロンなどが挙げられる。
前記樹状分岐ポリマーとしては、例えば、ハイパーブランチポリマー、分岐の中心であるコアより規則的に逐次分岐されたデンドリマー、などが好適に挙げられる。
前記デンドロンは、コアに分岐のない置換基を残しながら他は規則的に逐次分岐された構造体である。
前記デンドリマー及びデンドロンの世代数については、特に制限はないが、通常1〜6世代が合成の容易性の点から好ましく、1〜4世代がより好ましい。
【0016】
前記樹状分岐分子の質量平均分子量は、特に制限されないが、200〜1,000,000が好ましく、500〜500,000がより好ましい。
また、樹状分岐分子の平均粒径は、特に制限されないが、1〜100nmが好ましく、1〜50nmがより好ましい。
【0017】
前記樹状分岐分子は、樹状分岐構造をその構造の一部に有する分子であってもよく、例えば、前記樹状分岐分子の表面の官能性基を、高分子又は他の材料と結合させてなる分子であってもよく、或いは、前記樹状分岐分子をその構造の一部として有する分子であってもよく、具体的には、デンドリマーの表面が高分子主鎖に結合した分子、或いは、デンドロンの分岐の中心が高分子主鎖に結合した分子、などであってもよい。
【0018】
前記樹状分岐分子がS原子やN原子のような金属イオンを配位可能なサイトを有する場合、そのサイト数は実質的に均一であり、金属イオン溶液を添加することにより、金属イオンは配位サイトに配位される。例えば、金属イオンの添加量が過剰であっても、配位サイト当たり等量金属イオンしか配位しないため、配位サイトの数以上に金属イオンが配位されることはない。即ち、配位金属イオンの量は、樹状分岐分子の配位サイトの数で決まる。
【0019】
本発明に使用可能な樹状分岐分子の構造例としては、例えば、C.J.Hawkerら;J.Am.Chem.Soc.,112巻,7638−7647頁(1990)に報告例のある3,5−ジオキシベンジル基等のジオキシベンジル基を繰返し単位とするポリベンジルエーテルデンドリマー構造、A.Morikawaら;Macromolecules,26巻,6324−6329頁(1993)、T.M.Millerら;J.Am.Chem.Soc.,115巻,356−357頁(1993)、C.J.Hawkerら;Macromolecules,29巻,4370−4380頁(1996)、A.Morikawa;Macromolecules,31巻,5999−6009頁(1998)、A.Morikawaら;Macromolecules,32巻,1062−1068頁(1999)、A.Morikawaら;Polymer Journal,32巻,234−242頁(2000)、A.Morikawaら;Polymer Journal,32巻,255−262頁(2000)に報告例のある様々な繰返し単位を有するポリエーテルケトンデンドリマー構造、D.A.Tomaliaら;Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、29巻、138−175頁(1990)に報告のあるポリアミドアミン(略称PAMAM)デンドリマー構造、E.M.M.de Brabander−van denBergら;Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,32巻,1308頁(1993)に報告例のあるポリプロピレンイミンデンドリマー構造、M.Jayaramanら;J.Am.Chem.Soc.、120巻、12996−12997頁(1998)に報告例のある脂肪族ポリエーテルデンドリマー構造、H.Ihreら;Macromolecules,31巻,4061−4068頁(1998)に報告例のある脂肪族ポリエステルデンドリマー構造等が挙げられ、合成のしやすさと安定性から前記ポリプロピレンイミン構造、前記ポリアミドアミン構造、前記脂肪族ポリエーテル構造、前記ポリベンジルエーテル構造、前記脂肪族ポリエステル構造、等が好ましい。
【0020】
前記デンドリマーとしては、例えば、G.R.Newkome,C.N.Moorefield、F.フェグトレ著「Dendrimers and Dendrons」(2001年、WILEY‐VCH発行)、C.J.Hawkeret al;J.Chem.Soc.,Commun.,第1010頁(1990年)、D.A.Tomalia et al;Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,29巻,第138頁(1990年)、C.J.Hawker et al;J.Am.Chem.Soc.,112巻、第7638頁(1990年)、J.M.J.Frechet,;Science、263巻、第1710頁(1994年)などの文献に記述されているものを使用することが可能である。
前記デンドリマーの具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、以下に示すデンドリマー(1)〜(8)が好適に挙げられる。
【0021】
<デンドリマー(1)>
【化1】
【0022】
<デンドリマー(2)>
【化2】
【0023】
<デンドリマー(3)>
【化3】
【0024】
<デンドリマー(4)>
【化4】
【0025】
<デンドリマー(5)>
【化5】
【0026】
<デンドリマー(6)>
【化6】
【0027】
<デンドリマー(7)>
【化7】
【0028】
<デンドリマー(8)>
【化8】
【0029】
前記デンドリマーのうち、トリメチレンイミン骨格を含むデンドリマーの製造方法としては、特に制限はなく、適宜選定することができるが、以下の方法などが挙げられる。
例えば、国際特許(WO−A)第9314147号明細書、及び国際特許(WO−A)第9502008号明細書などに記載されているように、アンモニア及び2個以上の1級アミノ基を含有する化合物を出発物質とし、アクリロニトリルを反応させてシアノエチル化した後、ニトリル基を触媒の存在下で、水素又はアンモニアを用いて1級アミノ基に還元し(G1)、次いで、シアノエチル化と1級アミノ基への還元を3度繰り返して(G2→G3→G4)合成する方法などが挙げられる。
前記製造方法においては、出発物質として、アンモニアの他、1級アミノ基、アルコール、フェノール、チオール、チオフェノール及び2級アミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する化合物を用いてもよい。
【0030】
前記デンドリマーのうち、アミドアミン骨格を含むデンドリマーの製造方法としては、特に制限はなく、適宜選定することができるが、以下の方法などが挙げられる。
例えば、特公平7−2840号公報、特公平7−57735号公報、特公平7−57736号公報、特開平7−267879号公報、及び、特開平11−140180号公報に記載されているように、先ず、第1級アミノ基を有する化合物を出発物質とし、そのアミノ基に2当量のメチルアクリレートを反応させ(マイケル付加反応)、窒素分枝部を有する2官能のメチルエステル化合物とし、次いでメチルエステルに対し1級アミノ基を有するジアミン化合物の一方を反応させ(エステル/アミド交換反応)、他方の1級アミノ基を残す(G1)。次いで、2当量のメチルアクリレートとの反応により、メチルエステルに対し1級アミノ基を有するジアミン化合物の一方を反応させ、他方の1級アミノ基を残す反応を3度繰り返して(G2→G3→G4)合成する方法などが挙げられる。
前記製造方法においては、出発物質として、アンモニアのほか、1級アミノ基、アルコール、フェノール、チオール、チオフェノール、及び、2級アミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する化合物を用いてもよい。
【0031】
前記デンドリマーの表面官能基は、適当な化学反応により他の種類の官能基に変換することが可能である。例えば、表面官能基がアミノ基である場合には、このアミノ基に目的の官能基を有する化合物をマイケル反応させることにより、表面官能基をアミノ基から他の官能基へと変換することができる。
この場合、前記デンドリマーの表面には金属イオンと相互作用を示さない官能基を有することが好ましい。前記金属イオンと相互作用を示さない官能基としては−OH、ベンジル基、メトキシ基などヘテロ原子を有さない基が好適であり、例えば、各種アルコール、カルボキシエステル、芳香族炭化水素、アルコキシル、アルキルなどが挙げられる。
なお、前記デンドリマーとしては、市販品を用いることもできる。
【0032】
前記ハイパーブランチポリマーとしては、例えば、石津浩二編著「分岐ポリマーのナノテクノロジー」(2000年、株式会社 アイピーシー)の成書に記述されているハイパーブランチポリマーなどが挙げられる。
前記ハイパーブランチポリマーの具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、以下に示すハイパーブランチポリマー(1)〜(2)が好適に挙げられる。
【0033】
<ハイパーブランチポリマー(1)>
【化9】
【0034】
<ハイパーブランチポリマー(2)>
【化10】
【0035】
前記ハイパーブランチポリマーの製造方法としては、例えば、M.Suzuki et al;Macromolecules,25巻,7071頁(1992)、同31巻,1716頁(1998)に記載されているように、一級アミンを求核成分とし、パラジウム触媒による環状化合物の開環重合による合成方法等が挙げられる。
なお、前記ハイパーブランチポリマーとしては、市販品を用いることもできる。
【0036】
前記デンドロンの具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、以下に示すデンドロン(1)〜(18)が好適に挙げられる。
【0037】
<デンドロン(1)>
【化11】
【0038】
<デンドロン(2)>
【化12】
【0039】
<デンドロン(3)>
【化13】
【0040】
<デンドロン(4)>
【化14】
【0041】
<デンドロン(5)>
【化15】
【0042】
<デンドロン(6)>
【化16】
【0043】
<デンドロン(7)>
【化17】
【0044】
<デンドロン(8)>
【化18】
【0045】
<デンドロン(9)>
【化19】
【0046】
<デンドロン(10)>
【化20】
【0047】
<デンドロン(11)>
【化21】
【0048】
<デンドロン(12)>
【化22】
【0049】
<デンドロン(13)>
【化23】
【0050】
<デンドロン(14)>
【化24】
【0051】
<デンドロン(15)>
【化25】
【0052】
<金属イオン配位デンドロン(16)>
【化26】
【0053】
<金属イオン配位デンドロン(17)>
【化27】
【0054】
<金属イオン配位デンドロン(18)>
【化28】
なお、前記デンドロンとしては、市販品を用いることもできる。
【0055】
<金属イオンを配位した樹状分岐分子又は金属系粒子を含有した樹状分岐分子の製造方法等>
前記樹状分岐分子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定できるが、例えば、S原子やN原子のように金属イオンが配位が可能な構造を有する樹状分岐分子の内部に、1種又は2種以上の金属イオンを一定量に制御して固定させた後、還元することにより、金属系粒子が包含された樹状分岐分子を効率良く製造することができる。
前記還元試薬としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、アスコルビン酸、などが挙げられる。
また、樹状分岐分子の内部に、1種又は2種以上の金属イオンを一定量に制御し、静電相互作用させて固定させた後、還元処理することにより金属粒子が含有された樹状分岐分子を効率良く製造することができる。例えば、3級アミンを塩酸酸性下において4級アミンとし、この4級アミンを金属酸アニオンと静電的相互作用させることにより、金属粒子が含有された樹状分岐分子を製造することができる。
【0056】
前記デンドロンに金属イオンを担持させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、含有目的とする金属イオンを含む溶液中にデンドロンを添加し、攪拌し、更に還元処理することにより、金属イオン担持デンドロンが得られる。
【0057】
前記樹状分岐ポリマーは、実質的に均一な粒径を有し、かつ、小粒径である。また、前記金属系粒子は、小サイズであり、かつ、均一なサイズを有するのが好ましい。該金属系粒子は、前記樹状分岐ポリマー内部の金属配位能を利用して、金属イオン量の配位量を制御し、次いで、還元することにより形成される。従って、包含される金属粒子・合金粒子等の金属系粒子のサイズが効率的に、均一にかつ小粒径に制御されるため好ましい。
【0058】
前記樹状分岐ポリマーにおいて、包含された金属粒子は、包含されていることにより粒子間の凝集が抑制されている。また、包含された金属粒子表面への物質透過が好適に制御されている。
【0059】
(バウンドポリマー)
前記バウンドポリマーとしては、バウンドポリマーとなり易く、かつ、接着性に優れた樹脂が好適であり、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系ポリマー;ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド;ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等のオルガノポリシロキサン;エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレンアクリル酸エチルコポリマー等のエチレン系コポリマー;ポリプロピレン、エチレンプロピレンコポリマー等のオレフィンポリマー;スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系ブロック共重合体;ポリスチレン;ポリアミド;ポリエステル;ポリカーボネート;ポリフェニレンエーテル;ポリアセタール;ポリフェニレンサルファイド;ポリウレタン;フェノール樹脂;エポキシ樹脂等が好適に用いられる。
これらの樹脂は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0060】
前記液晶表示装置用基板などに用いる場合には、接着性に優れた、ホットメルト系樹脂、等が好ましい。
前記ホットメルト系樹脂としては、例えば、オレフィン系のポリマー(三井化学(株)製「アドマー(QB510、QB550、QF500、QF551、NB508、NF528、NF308、NF528等)」、三井・デュポンポリケミカル(株)社製「CMPS(V201、V3032、V70、V7063H、V8021、V203、V6061、VN503等)」、旭メルト社製「アサヒメルト」、エイ・シー・アイ・リミテッド社製「ホットメルト」、住友スリーエム社製「ECシリーズ」、積水化学社製「エスダイン」、ダイアボンド工業社製「メルトロン」、新田ゼラチン社製「ニッタイト」、ノガワケミカル社製「ダイアボンド」、ヒロダイン工業社製「ヒロダイン」等)、ナイロン6等のポリアミド系のポリマー(旭メルト社製「アサヒメルト」、エイ・シー・アイ・リミテッド社製「ホットメルト」、ダイアボンド工業社製「メルトロン」、ノガワケミカル社製「ダイアボンド」等)、塩化ビニル系のポリマー(エイ・シー・アイ・リミテッド社製「ホットメルト」等)、ゴム系のポリマー(エイ・シー・アイ・リミテッド社製「ホットメルト」、カネボウ・ウヌエスシー社製「ベルメルト」、ダイアボンド工業社製「メルトロン」、ノガワケミカル社製「ダイアボンド」、ヒロダイン工業社製「ヒロダイン」等)、ポリエステル系のポリマー(エイ・シー・アイ・リミテッド社製「ホットメルト」、ノガワケミカル社製「ダイアボンド」等)、エレタン系反応型ポリマー(カネボウ・ウヌエスシー社製「ボンドマスター」、同社製「インスタントロック」等)、ビニル系ポリマー(サイデン化学社製「HMシリーズ」、積水化学社製「エスダイン」等)、酢酸ビニル系ポリマー(松栄化学社製「インスターボンド」、住友スリーエム社製「ECシリーズ」、セメダイン社製「HMシリーズ」、ソニーケミカル社製「HMシリーズ」、岡田化学工業社製「テクノリンク」、新田ゼラチン社製「ニッタイト」、ヒロダイン工業社製「ヒロダイン」等)、ポリエステル系のポリマー(エイ・シー・アイ・リミテッド社製「ホットメルト」等)が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、接着力、耐久性が高く、機械特性、耐熱性、耐薬品性、成形加工性等に優れる点で、オレフィン系のポリマー、ナイロン6等のポリアミド系のポリマー等が好ましく、特に、三井化学(株)製「アドマー」、三井・デュポンポリケミカル(株)製「CMPS」等が好ましい。
【0061】
前記金属イオンを配位した樹状分岐分子又は金属系粒子を含有した樹状分岐分子の添加量は、バウンドポリマー100質量部に対し0.01〜30質量部が好ましく、0.05〜10質量部がより好ましい。
前記樹状分岐分子の添加量が少なすぎるとガスバリア効果が充分に発揮し得なくなる場合がある。
【0062】
本発明のナノコンポジット組成物には、その特性を損わない範囲で、必要に応じて、顔料、熱安定剤、難燃剤、酸化防止剤、耐候剤、離型剤、可塑剤、強化剤などを含有することができる。
【0063】
本発明においては、樹状分岐分子とバウンドポリマーとを含有するナノコンポジット組成物の製造方法は特に制限されない。例えば、樹状分岐ポリマーとバウンドポリマーとの共通溶媒(例えば、ジメチルアセトアミド)に両者を溶解し混合した後、当該共通溶媒を除去することによりナノコンポジット組成物を得ることができる。また、融点若しくは軟化点以上に樹脂を加熱し、その温度で樹状分岐ポリマーを添加し混合することによりナノコンポジット組成物を得ることができる。
別の方法としては、樹脂となるべきモノマーに樹状分岐ポリマーを添加した後、当該モノマーを熱や光等で重合する方法が挙げられる。また、樹脂が2液又は2液以上の反応液を混合して架橋するようなものである場合、この反応液の少なくとも一つに樹状分岐ポリマーを予め添加しておき、その後、反応液を混合して架橋させナノコンポジット組成物を得ることもできる。
【0064】
(ガスバリア層)
前記本発明のナノコンポジット組成物を膜状乃至は層状に形成することでガスバリア層が得られる。
前記ガスバリア層を作製する方法としては、特に制限されないが、バウンドポリマーが架橋構造を有しないものである場合は、ナノコンポジット組成物を溶融若しくは溶媒で溶解させバーコーター等を用いて膜状に成形する方法が挙げられる。一方、バウンドポリマーが架橋構造を有するものである場合は架橋前にバーコーター等を用いて膜状に成形する必要がある。また、樹状分岐ポリマーとバウンドポリマーとを共通溶媒を用いて混合しナノコンポジット組成物を製造する場合は、樹状分岐ポリマーとバウンドポリマーとが溶解した溶液をキャストすることで製膜が可能である。
【0065】
前記ガスバリア層の厚さは、特に制限されないが、ガス透過性の効率の観点から5μm〜3mmが好ましく、10μm〜1mmがより好ましい。また、ガスバリア層の形状も特に制限されず、フィルム状でもよく管状に成形したものであってもよい。また、複数のガスバリア層を積層したものでもよい。
【0066】
本発明のガスバリア層は、パソコン、AV機器、携帯型情報通信機器、ゲームやシミュレーション機器、及び、車載用のナビゲーションシステム等、種々の分野の表示装置、蛍光体によって透過放射線を可視光及び/又は紫外放射線に変換するためのX線写真用増感パネル等の放射線発光パネル、タッチパネル、センサー、太陽電池、無機EL、及び有機ELなどの電極や太陽熱利用のための選択透過膜、電磁波シールドなどに好適に利用される。
【0067】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0068】
〔実施例1〕
(a)金属イオン−デンドリマー錯体の調製
50ml三角フラスコを使用して、15mMのK2〔PtCl4〕水溶液10.0ml(15.0×10−5モル)を20ml滴下ロートに移した。0.5mMのデンドリマー〔商品名:Starburst(ポリアミドアミン型デンドリマー(PAMAM)、Aldrich社製、第4世代、表面に64個のOH基を有する)〕の水溶液5.0mlを別の50ml三角フラスコに入れた後、マグネティックスターラーで攪拌しながら、白金イオン溶液を室温で5分間かけて滴下した後、40℃で4時間攪拌した。
【0069】
(b)粒子入りデンドリマーの調製
透析した白金イオン−デンドリマー錯体に窒素ガスバブリングを3時間行った。更に、窒素雰囲気を保持しながら、75.0×10−5モルの水素化ホウ素ナトリウムを少しずつ加え、室温で16時間静置した。次いで、反応液を透析用セルロースチューブ(VISKASE社製)に移し、300mlの脱イオン水に対する1日透析を2回実施して、粒子入りデンドリマーを得た。
【0070】
(c)粒子入りデンドリマーの測定
粒子入りデンドリマーは、窒素原子量を元素分析(パーキンエルマー社、2400)と、白金イオン量を原子吸光分析法(日立製作所、Z5010)で測定し、白金イオン量/N原子量の比が60/62であることを確認した。粒子の粒子サイズをTEMで観察したところ、粒子サイズの揃った粒子が観察され、その直径は1.3nmであった。
【0071】
次に、ポリメチルメタクリレート100質量部と、前記粒子入りデンドリマー50質量部とを、ジメチルアセトアミドに溶解させて、この溶液をシャーレにキャストし、室温で24時間乾燥することによりジメチルアセトアミドを除去し、厚さ300μmの実施例1のガスバリア膜を得た。
【0072】
〔実施例2〕
(a)金属イオン−デンドリマー錯体の調製
50ml三角フラスコを使用して、10mMのH2〔AuCl4〕水溶液10.0ml(10.0×10−4モル)を20ml滴下ロートに移した。0.5mMのDAB−AM−32(Polypropylenimine dotriacontaamine Dendrimer;Aldrich社製、第3世代、32個のアミノ基を表面に有する)の水溶液5.0mlを別の50ml三角フラスコに入れた後、マグネティックスターラーで攪拌しながら、金イオン溶液を室温で5分間かけて滴下した後、1時間静置した。
反応液を透析用セルロースチューブ(VISKASE社)に移し、300mlの脱イオン水に対する1日透析を2回実施した。
【0073】
(b)粒子入りデンドリマーの調製
透析した金イオン−デンドリマー錯体に窒素ガスバブリングを3時間行った。更に、窒素雰囲気を保持しながら、所定量の水素化ホウ素ナトリウムを少しずつ加え、10分間静置して粒子入りデンドリマーを得た。
【0074】
(c)粒子入りデンドリマーの測定
粒子入りデンドリマーは、窒素原子量を元素分析(パーキンエルマー社、2400)と、金イオン量を原子吸光分析法(日立製作所、Z5010)で測定し、金イオン量/N原子量の比が1/1であることを確認した。粒子入りデンドリマー中のAuの粒子サイズをTEMで観察したところ、1.3nmであった。
【0075】
次に、ポリメチルメタクリレート100質量部と、前記粒子入りデンドリマー50質量部とを、ジメチルアセトアミドに溶解させて、この溶液をシャーレにキャストし、室温で24時間乾燥することによりジメチルアセトアミドを除去し、厚さ300μmの実施例2のガスバリア膜を得た。
【0076】
〔比較例1〕
比較例1として、ポリメチルメタクリレートのみをジメチルアセトアミドに溶解させて、この溶液をシャーレにキャストし、室温で24時間乾燥することによりジメチルアセトアミドを除去し、厚さ300μmの比較例1のガスバリア膜を得た。
【0077】
得られた実施例1,2及び比較例1のガスバリア膜について、酸素ガス、二酸化炭素ガス及び水蒸気ガスの透過係数をガス透過装置で測定した。結果を表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、有機及び無機マトリックスへの分散性が高く、優れたガスバリア性を有し、パソコン、AV機器、携帯型情報通信機器、ゲームやシミュレーション機器、及び、車載用のナビゲーションシステム等、種々の分野の表示装置、蛍光体によって透過放射線を可視光及び/又は紫外放射線に変換するためのX線写真用増感パネル等の放射線発光パネル、タッチパネル、センサー、太陽電池、無機EL、及び有機ELなどの電極や太陽熱利用のための選択透過膜、電磁波シールドなどに好適に利用することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パソコン、AV機器、携帯型情報通信機器、ゲームやシミュレーション機器、及び、車載用のナビゲーションシステム等、種々の分野の表示装置、蛍光体によって透過放射線を可視光及び/又は紫外放射線に変換するためのX線写真用増感パネル等の放射線発光パネル、タッチパネル、センサー、太陽電池、無機EL及び有機ELなどの電極や太陽熱利用のための選択透過膜、電磁波シールドなどに好適に利用されるナノコンポジット組成物及びガスバリア層に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、情報機器、通信機器等に、STN型液晶表示装置、MIN液晶表示装置、TFT液晶表示装置等が使用されている。これらの液晶表示装置用の基板としては、厚み1mm以下のホウケイ酸ガラス板、ソーダライムガラス板、無アルカリガラス板等が用いられているが、ガラス基板は、耐衝撃性が低く、落下によって割れる等の問題があるため、プラスチック基板で代替させるニーズが高い。
【0003】
しかしながら、前記プラチック基板は、ガラス基板に比べ、酸素等に対するガスバリア性が低い。このため、好適に液晶の性能を維持するためには、高いガスバリア性が必要とされ、プラスチック基板にガスバリア性を付与する技術が種々検討されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、ガスバリア層として、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ビニルアルコール及びその共重合体等の樹脂で形成された層や、二酸化珪素等の無機化合物等の蒸着層等が開示されている。
また、特許文献2には、厚み0.0015〜0.25mmの超薄ガラスをプラスチックに貼り付ける方法が開示されている。
【0005】
近年、技術の更なる発達により、前記ガラス基板及びプラスチック性基板に代替し得るより高性能の材料の開発が強く望まれており、前記ガラス基板が有する問題を解決し得、更に、前記プラスチック性基板に比べ、平面性、ITO電極との密着性、強度、セル厚の均一化の容易性等に優れ、特にガスバリア性に優れた材料が強く要請されている。
【0006】
【特許文献1】
特許第3054235号公報
【特許文献2】
特許第3059866号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、諸要請に応え、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、金属イオンを配位した樹状分岐分子及び金属粒子を含有する樹状分岐分子から選ばれるいずれかの樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを含有し、有機及び無機マトリックス中への分散性に優れ、均一な素材が得られ、軽量化・薄型化が容易で、衝撃に強く強度が高く、ガスバリア性に優れた高性能なナノコンポジット組成物及びガスバリア層を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段については、以下の通りである。即ち、
<1> 金属イオンを配位した樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを、含有することを特徴とするナノコンポジット組成物である。
<2> 金属粒子及び合金粒子から選ばれるいずれかの金属系粒子を含有する樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを、含有することを特徴とするナノコンポジット組成物である。
<3> 金属系粒子が、数平均粒径(D50)が500nm以下の金属微粒子である前記<2>に記載のナノコンポジット組成物である。
<4> 樹状分岐分子が、樹状分岐ポリマー及びデンドロンから選択される前記<1>から<3>のいずれかに記載のナノコンポジット組成物である。
<5> 樹状分岐ポリマーが、デンドリマーである前記<4>に記載のナノコンポジット組成物である。
<6> デンドリマーの表面に金属イオンと相互作用を示さない官能基を有する前記<5>に記載のナノコンポジット組成物である。
<7> 樹状分岐ポリマーが、ハイパーブランチポリマーである前記<4>に記載のナノコンポジット組成物である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載のナノコンポジット組成物を層状乃至は膜状に形成してなることを特徴とするガスバリア層である。
【0009】
本発明のナノコンポジット組成物は、第1に、金属イオンを配位した樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを、含有する。また、本発明のナノコンポジット組成物は、第2に、金属粒子及び合金粒子から選ばれるいずれかの金属系粒子を含有する樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを、含有する。このため、有機及び無機マトリックスへの分散性が高く、機械的物性が向上し、ガスバリア性も向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
(ナノコンポジット組成物)
本発明のナノコンポジット組成物は、第1の態様として、金属イオンを配位した樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを含み、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本発明のナノコンポジット組成物は、第2の態様として、金属粒子及び合金粒子から選ばれるいずれかの金属系粒子を含有する樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを含み、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【0011】
−金属イオンを配位した樹状分岐分子、金属系粒子を含有する樹状分岐分子−
前記樹状分岐分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定されるが、金属イオン配位型又は金属粒子含有型のいずれであっても構わない。
【0012】
(金属イオン)
前記金属イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、周期律表において、水素、ホウ素、炭素、窒素、及びリンを除く、1A(アルカリ金属)、2A(アルカリ土類金属)、3A、4A、5A、6A、7A、8、1B、2B(以上遷移元素)、3B、4B、及び5Bの各族に属する元素の陽イオンが好適である。
具体的な陽イオンとしては、Li+ ,Na+,K+ ,Rb+ ,Cs+ ,Fr+ 等のアルカリ金属陽イオン、Be2+,Mg2+,Ca2+,Sr2+,Ba2+,Ra2+等のアルカリ土類金属陽イオン、Sc3+,Y3+等のスカンジウム族陽イオン、Ti2+,Ti3+,Ti4+,Zr+ ,Zr2+,Zr3+,Zr4+,Hf+ ,Hf2+,Hf3+,Hf4+等のチタン族陽イオン、V+ ,V2+,V3+,V4+,V5+,Nb+ ,Nb2+,Nb3+,Nb4+,Nb5+,Ta+ ,Ta2+,Ta3+,Ta4+,Ta5+等のバナジウム族陽イオン、Cr+ ,Cr2+,Cr3+,Cr4+,Cr5+,Cr6+,Mo+ ,Mo2+,Mo3+,Mo4+,Mo5+,Mo6+,W+ ,W2+,W3+,W4+,W5+,W6+,等のクロム族陽イオン、Mn+ ,Mn2+,Mn3+,Mn4+,Mn5+,Mn6+,Mn7+,Tc+ ,Tc2+,Tc3+,Tc4+,Tc5+,Tc6+,Tc7+,Re+ ,Re2+,Re3+,Re4+,Re5+,Re6+,Re7+等のマンガン族陽イオン、Fe+ ,Fe2+,Fe3+,Fe4+,Fe6+,Ru+ ,Ru2+,Ru3+,Ru4+,Ru5+,Ru6+,Ru7+,Ru8+,Os+ ,Os2+,Os3+,Os4+,Os5+,Os6+,Os7+,Os8+等の鉄族陽イオン、Co+ ,Co2+,Co3+,Co4+,Co5+,Rh+ ,Rh2+,Rh3+,Rh4+,Rh5+,Rh6+,Ir+ ,Ir2+,Ir3+,Ir4+,Ir5+,Ir6+等のコバルト族陽イオン、Ni+ ,Ni2+,Ni3+,Ni4+,Pd+ ,Pd2+,Pd3+,Pd4+,Pt2+,Pt3+,Pt4+,Pt5+,Pt6+等のニッケル族陽イオン、Cu+ ,Cu2+,Cu3+,Cu4+,Ag+ ,Ag2+,Ag3+,Au+ ,Au2+,Au3+,Au5+,Au7+等の銅族陽イオン、Zn2+,Cd+ ,Cd2+,Hg+,Hg2+等の亜鉛族陽イオン、La2+,La3+,Ce2+,Ce3+,Ce4+,Pr2+,Pr3+,Pr4+,Nd2+,Nd3+,Nd4+,Pm2+,Pm3+,Sm2+,Sm3+,Eu2+,Eu3+,Gd2+,Gd3+,Tb2+,Tb3+,Tb4+,Dy2+,Dy3+,Dy4+,Ho2+,Ho3+,Er2+,Er3+,Tm2+,Tm3+,Yb2+,Yb3+,Lu2+,Lu3+等のランタノイド陽イオン、Ac3+,Th4+,Pa3+,Pa4+,Pa5+,U3+,U4+,U5+,U6+,Np3+,Np4+,Np5+,Np6+,Pu3+,Pu4+,Pu5+,Pu6+,Am2+,Am3+,Am4+,Am5+,Am6+,Cm3+,Cm4+,Bk3+,Bk4+,Cf2+,Cf3+,Cf4+,Es2+,Es3+,Fm2+,Fm3+,Md2+,Md3+,No2+,No3+等のアクチノイド陽イオン、Al3+,Ga2+,Ga3+,In+ ,In2+,In3+,Tl+ ,Tl2+,Tl3+等の3B族陽イオン、Si2+,Si4+,Ge2+,Ge4+,Sn2+,Sn4+,Pb2+,Pb4+等の4B族陽イオン、As3+,As5+,Sb+ ,Sb3+,Sb5+,Bi+ ,Bi3+,Bi5+等の5B族陽イオン等が挙げられ、これらの中でも、Ti、Fe、Co、Ni、Zr、Mo、Ru、Rh、Ag、Cd、Sn、Ir、Pt、Au、Pb、Biなどのイオンが好ましい。
【0013】
(金属系粒子)
前記金属系粒子としては、金属粒子及び合金粒子の少なくともいずれかの金属系粒子であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属系粒子の数平均粒径(D50)は500nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、80nm以下が更に好ましい。
前記金属系粒子の数平均粒径(D50)が、500nm未満であれば、有機及び無機マトリックスへの分散性が高く、機械的物性が向上し、ガスバリア性も向上する。
前記金属としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、金属そのものであってもよいし、金属カルコゲナイド、金属ハロゲン化合物などであってもよく、前記金属としては、Ti、Fe、Co、Ni、Zr、Mo、Ru、Rh、Ag、Cd、Sn、Ir、Pt、Au、Pb、Bi、これらの合金等が挙げられる。
【0014】
前記合金としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記金属として例示したものと、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、ランタノイド系列の元素及びアクチノイド系列の元素から選択したものとの合金、などが挙げられる。
前記金属系粒子を含有する樹状分岐分子の場合における、前記金属系粒子の含有量としては、0.01〜30質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。
【0015】
(樹状分岐分子)
前記樹状分岐分子としては、樹状分岐構造を有する分子であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹状分岐ポリマー、デンドロンなどが挙げられる。
前記樹状分岐ポリマーとしては、例えば、ハイパーブランチポリマー、分岐の中心であるコアより規則的に逐次分岐されたデンドリマー、などが好適に挙げられる。
前記デンドロンは、コアに分岐のない置換基を残しながら他は規則的に逐次分岐された構造体である。
前記デンドリマー及びデンドロンの世代数については、特に制限はないが、通常1〜6世代が合成の容易性の点から好ましく、1〜4世代がより好ましい。
【0016】
前記樹状分岐分子の質量平均分子量は、特に制限されないが、200〜1,000,000が好ましく、500〜500,000がより好ましい。
また、樹状分岐分子の平均粒径は、特に制限されないが、1〜100nmが好ましく、1〜50nmがより好ましい。
【0017】
前記樹状分岐分子は、樹状分岐構造をその構造の一部に有する分子であってもよく、例えば、前記樹状分岐分子の表面の官能性基を、高分子又は他の材料と結合させてなる分子であってもよく、或いは、前記樹状分岐分子をその構造の一部として有する分子であってもよく、具体的には、デンドリマーの表面が高分子主鎖に結合した分子、或いは、デンドロンの分岐の中心が高分子主鎖に結合した分子、などであってもよい。
【0018】
前記樹状分岐分子がS原子やN原子のような金属イオンを配位可能なサイトを有する場合、そのサイト数は実質的に均一であり、金属イオン溶液を添加することにより、金属イオンは配位サイトに配位される。例えば、金属イオンの添加量が過剰であっても、配位サイト当たり等量金属イオンしか配位しないため、配位サイトの数以上に金属イオンが配位されることはない。即ち、配位金属イオンの量は、樹状分岐分子の配位サイトの数で決まる。
【0019】
本発明に使用可能な樹状分岐分子の構造例としては、例えば、C.J.Hawkerら;J.Am.Chem.Soc.,112巻,7638−7647頁(1990)に報告例のある3,5−ジオキシベンジル基等のジオキシベンジル基を繰返し単位とするポリベンジルエーテルデンドリマー構造、A.Morikawaら;Macromolecules,26巻,6324−6329頁(1993)、T.M.Millerら;J.Am.Chem.Soc.,115巻,356−357頁(1993)、C.J.Hawkerら;Macromolecules,29巻,4370−4380頁(1996)、A.Morikawa;Macromolecules,31巻,5999−6009頁(1998)、A.Morikawaら;Macromolecules,32巻,1062−1068頁(1999)、A.Morikawaら;Polymer Journal,32巻,234−242頁(2000)、A.Morikawaら;Polymer Journal,32巻,255−262頁(2000)に報告例のある様々な繰返し単位を有するポリエーテルケトンデンドリマー構造、D.A.Tomaliaら;Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、29巻、138−175頁(1990)に報告のあるポリアミドアミン(略称PAMAM)デンドリマー構造、E.M.M.de Brabander−van denBergら;Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,32巻,1308頁(1993)に報告例のあるポリプロピレンイミンデンドリマー構造、M.Jayaramanら;J.Am.Chem.Soc.、120巻、12996−12997頁(1998)に報告例のある脂肪族ポリエーテルデンドリマー構造、H.Ihreら;Macromolecules,31巻,4061−4068頁(1998)に報告例のある脂肪族ポリエステルデンドリマー構造等が挙げられ、合成のしやすさと安定性から前記ポリプロピレンイミン構造、前記ポリアミドアミン構造、前記脂肪族ポリエーテル構造、前記ポリベンジルエーテル構造、前記脂肪族ポリエステル構造、等が好ましい。
【0020】
前記デンドリマーとしては、例えば、G.R.Newkome,C.N.Moorefield、F.フェグトレ著「Dendrimers and Dendrons」(2001年、WILEY‐VCH発行)、C.J.Hawkeret al;J.Chem.Soc.,Commun.,第1010頁(1990年)、D.A.Tomalia et al;Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,29巻,第138頁(1990年)、C.J.Hawker et al;J.Am.Chem.Soc.,112巻、第7638頁(1990年)、J.M.J.Frechet,;Science、263巻、第1710頁(1994年)などの文献に記述されているものを使用することが可能である。
前記デンドリマーの具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、以下に示すデンドリマー(1)〜(8)が好適に挙げられる。
【0021】
<デンドリマー(1)>
【化1】
【0022】
<デンドリマー(2)>
【化2】
【0023】
<デンドリマー(3)>
【化3】
【0024】
<デンドリマー(4)>
【化4】
【0025】
<デンドリマー(5)>
【化5】
【0026】
<デンドリマー(6)>
【化6】
【0027】
<デンドリマー(7)>
【化7】
【0028】
<デンドリマー(8)>
【化8】
【0029】
前記デンドリマーのうち、トリメチレンイミン骨格を含むデンドリマーの製造方法としては、特に制限はなく、適宜選定することができるが、以下の方法などが挙げられる。
例えば、国際特許(WO−A)第9314147号明細書、及び国際特許(WO−A)第9502008号明細書などに記載されているように、アンモニア及び2個以上の1級アミノ基を含有する化合物を出発物質とし、アクリロニトリルを反応させてシアノエチル化した後、ニトリル基を触媒の存在下で、水素又はアンモニアを用いて1級アミノ基に還元し(G1)、次いで、シアノエチル化と1級アミノ基への還元を3度繰り返して(G2→G3→G4)合成する方法などが挙げられる。
前記製造方法においては、出発物質として、アンモニアの他、1級アミノ基、アルコール、フェノール、チオール、チオフェノール及び2級アミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する化合物を用いてもよい。
【0030】
前記デンドリマーのうち、アミドアミン骨格を含むデンドリマーの製造方法としては、特に制限はなく、適宜選定することができるが、以下の方法などが挙げられる。
例えば、特公平7−2840号公報、特公平7−57735号公報、特公平7−57736号公報、特開平7−267879号公報、及び、特開平11−140180号公報に記載されているように、先ず、第1級アミノ基を有する化合物を出発物質とし、そのアミノ基に2当量のメチルアクリレートを反応させ(マイケル付加反応)、窒素分枝部を有する2官能のメチルエステル化合物とし、次いでメチルエステルに対し1級アミノ基を有するジアミン化合物の一方を反応させ(エステル/アミド交換反応)、他方の1級アミノ基を残す(G1)。次いで、2当量のメチルアクリレートとの反応により、メチルエステルに対し1級アミノ基を有するジアミン化合物の一方を反応させ、他方の1級アミノ基を残す反応を3度繰り返して(G2→G3→G4)合成する方法などが挙げられる。
前記製造方法においては、出発物質として、アンモニアのほか、1級アミノ基、アルコール、フェノール、チオール、チオフェノール、及び、2級アミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する化合物を用いてもよい。
【0031】
前記デンドリマーの表面官能基は、適当な化学反応により他の種類の官能基に変換することが可能である。例えば、表面官能基がアミノ基である場合には、このアミノ基に目的の官能基を有する化合物をマイケル反応させることにより、表面官能基をアミノ基から他の官能基へと変換することができる。
この場合、前記デンドリマーの表面には金属イオンと相互作用を示さない官能基を有することが好ましい。前記金属イオンと相互作用を示さない官能基としては−OH、ベンジル基、メトキシ基などヘテロ原子を有さない基が好適であり、例えば、各種アルコール、カルボキシエステル、芳香族炭化水素、アルコキシル、アルキルなどが挙げられる。
なお、前記デンドリマーとしては、市販品を用いることもできる。
【0032】
前記ハイパーブランチポリマーとしては、例えば、石津浩二編著「分岐ポリマーのナノテクノロジー」(2000年、株式会社 アイピーシー)の成書に記述されているハイパーブランチポリマーなどが挙げられる。
前記ハイパーブランチポリマーの具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、以下に示すハイパーブランチポリマー(1)〜(2)が好適に挙げられる。
【0033】
<ハイパーブランチポリマー(1)>
【化9】
【0034】
<ハイパーブランチポリマー(2)>
【化10】
【0035】
前記ハイパーブランチポリマーの製造方法としては、例えば、M.Suzuki et al;Macromolecules,25巻,7071頁(1992)、同31巻,1716頁(1998)に記載されているように、一級アミンを求核成分とし、パラジウム触媒による環状化合物の開環重合による合成方法等が挙げられる。
なお、前記ハイパーブランチポリマーとしては、市販品を用いることもできる。
【0036】
前記デンドロンの具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、以下に示すデンドロン(1)〜(18)が好適に挙げられる。
【0037】
<デンドロン(1)>
【化11】
【0038】
<デンドロン(2)>
【化12】
【0039】
<デンドロン(3)>
【化13】
【0040】
<デンドロン(4)>
【化14】
【0041】
<デンドロン(5)>
【化15】
【0042】
<デンドロン(6)>
【化16】
【0043】
<デンドロン(7)>
【化17】
【0044】
<デンドロン(8)>
【化18】
【0045】
<デンドロン(9)>
【化19】
【0046】
<デンドロン(10)>
【化20】
【0047】
<デンドロン(11)>
【化21】
【0048】
<デンドロン(12)>
【化22】
【0049】
<デンドロン(13)>
【化23】
【0050】
<デンドロン(14)>
【化24】
【0051】
<デンドロン(15)>
【化25】
【0052】
<金属イオン配位デンドロン(16)>
【化26】
【0053】
<金属イオン配位デンドロン(17)>
【化27】
【0054】
<金属イオン配位デンドロン(18)>
【化28】
なお、前記デンドロンとしては、市販品を用いることもできる。
【0055】
<金属イオンを配位した樹状分岐分子又は金属系粒子を含有した樹状分岐分子の製造方法等>
前記樹状分岐分子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定できるが、例えば、S原子やN原子のように金属イオンが配位が可能な構造を有する樹状分岐分子の内部に、1種又は2種以上の金属イオンを一定量に制御して固定させた後、還元することにより、金属系粒子が包含された樹状分岐分子を効率良く製造することができる。
前記還元試薬としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、アスコルビン酸、などが挙げられる。
また、樹状分岐分子の内部に、1種又は2種以上の金属イオンを一定量に制御し、静電相互作用させて固定させた後、還元処理することにより金属粒子が含有された樹状分岐分子を効率良く製造することができる。例えば、3級アミンを塩酸酸性下において4級アミンとし、この4級アミンを金属酸アニオンと静電的相互作用させることにより、金属粒子が含有された樹状分岐分子を製造することができる。
【0056】
前記デンドロンに金属イオンを担持させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、含有目的とする金属イオンを含む溶液中にデンドロンを添加し、攪拌し、更に還元処理することにより、金属イオン担持デンドロンが得られる。
【0057】
前記樹状分岐ポリマーは、実質的に均一な粒径を有し、かつ、小粒径である。また、前記金属系粒子は、小サイズであり、かつ、均一なサイズを有するのが好ましい。該金属系粒子は、前記樹状分岐ポリマー内部の金属配位能を利用して、金属イオン量の配位量を制御し、次いで、還元することにより形成される。従って、包含される金属粒子・合金粒子等の金属系粒子のサイズが効率的に、均一にかつ小粒径に制御されるため好ましい。
【0058】
前記樹状分岐ポリマーにおいて、包含された金属粒子は、包含されていることにより粒子間の凝集が抑制されている。また、包含された金属粒子表面への物質透過が好適に制御されている。
【0059】
(バウンドポリマー)
前記バウンドポリマーとしては、バウンドポリマーとなり易く、かつ、接着性に優れた樹脂が好適であり、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系ポリマー;ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド;ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等のオルガノポリシロキサン;エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレンアクリル酸エチルコポリマー等のエチレン系コポリマー;ポリプロピレン、エチレンプロピレンコポリマー等のオレフィンポリマー;スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系ブロック共重合体;ポリスチレン;ポリアミド;ポリエステル;ポリカーボネート;ポリフェニレンエーテル;ポリアセタール;ポリフェニレンサルファイド;ポリウレタン;フェノール樹脂;エポキシ樹脂等が好適に用いられる。
これらの樹脂は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0060】
前記液晶表示装置用基板などに用いる場合には、接着性に優れた、ホットメルト系樹脂、等が好ましい。
前記ホットメルト系樹脂としては、例えば、オレフィン系のポリマー(三井化学(株)製「アドマー(QB510、QB550、QF500、QF551、NB508、NF528、NF308、NF528等)」、三井・デュポンポリケミカル(株)社製「CMPS(V201、V3032、V70、V7063H、V8021、V203、V6061、VN503等)」、旭メルト社製「アサヒメルト」、エイ・シー・アイ・リミテッド社製「ホットメルト」、住友スリーエム社製「ECシリーズ」、積水化学社製「エスダイン」、ダイアボンド工業社製「メルトロン」、新田ゼラチン社製「ニッタイト」、ノガワケミカル社製「ダイアボンド」、ヒロダイン工業社製「ヒロダイン」等)、ナイロン6等のポリアミド系のポリマー(旭メルト社製「アサヒメルト」、エイ・シー・アイ・リミテッド社製「ホットメルト」、ダイアボンド工業社製「メルトロン」、ノガワケミカル社製「ダイアボンド」等)、塩化ビニル系のポリマー(エイ・シー・アイ・リミテッド社製「ホットメルト」等)、ゴム系のポリマー(エイ・シー・アイ・リミテッド社製「ホットメルト」、カネボウ・ウヌエスシー社製「ベルメルト」、ダイアボンド工業社製「メルトロン」、ノガワケミカル社製「ダイアボンド」、ヒロダイン工業社製「ヒロダイン」等)、ポリエステル系のポリマー(エイ・シー・アイ・リミテッド社製「ホットメルト」、ノガワケミカル社製「ダイアボンド」等)、エレタン系反応型ポリマー(カネボウ・ウヌエスシー社製「ボンドマスター」、同社製「インスタントロック」等)、ビニル系ポリマー(サイデン化学社製「HMシリーズ」、積水化学社製「エスダイン」等)、酢酸ビニル系ポリマー(松栄化学社製「インスターボンド」、住友スリーエム社製「ECシリーズ」、セメダイン社製「HMシリーズ」、ソニーケミカル社製「HMシリーズ」、岡田化学工業社製「テクノリンク」、新田ゼラチン社製「ニッタイト」、ヒロダイン工業社製「ヒロダイン」等)、ポリエステル系のポリマー(エイ・シー・アイ・リミテッド社製「ホットメルト」等)が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、接着力、耐久性が高く、機械特性、耐熱性、耐薬品性、成形加工性等に優れる点で、オレフィン系のポリマー、ナイロン6等のポリアミド系のポリマー等が好ましく、特に、三井化学(株)製「アドマー」、三井・デュポンポリケミカル(株)製「CMPS」等が好ましい。
【0061】
前記金属イオンを配位した樹状分岐分子又は金属系粒子を含有した樹状分岐分子の添加量は、バウンドポリマー100質量部に対し0.01〜30質量部が好ましく、0.05〜10質量部がより好ましい。
前記樹状分岐分子の添加量が少なすぎるとガスバリア効果が充分に発揮し得なくなる場合がある。
【0062】
本発明のナノコンポジット組成物には、その特性を損わない範囲で、必要に応じて、顔料、熱安定剤、難燃剤、酸化防止剤、耐候剤、離型剤、可塑剤、強化剤などを含有することができる。
【0063】
本発明においては、樹状分岐分子とバウンドポリマーとを含有するナノコンポジット組成物の製造方法は特に制限されない。例えば、樹状分岐ポリマーとバウンドポリマーとの共通溶媒(例えば、ジメチルアセトアミド)に両者を溶解し混合した後、当該共通溶媒を除去することによりナノコンポジット組成物を得ることができる。また、融点若しくは軟化点以上に樹脂を加熱し、その温度で樹状分岐ポリマーを添加し混合することによりナノコンポジット組成物を得ることができる。
別の方法としては、樹脂となるべきモノマーに樹状分岐ポリマーを添加した後、当該モノマーを熱や光等で重合する方法が挙げられる。また、樹脂が2液又は2液以上の反応液を混合して架橋するようなものである場合、この反応液の少なくとも一つに樹状分岐ポリマーを予め添加しておき、その後、反応液を混合して架橋させナノコンポジット組成物を得ることもできる。
【0064】
(ガスバリア層)
前記本発明のナノコンポジット組成物を膜状乃至は層状に形成することでガスバリア層が得られる。
前記ガスバリア層を作製する方法としては、特に制限されないが、バウンドポリマーが架橋構造を有しないものである場合は、ナノコンポジット組成物を溶融若しくは溶媒で溶解させバーコーター等を用いて膜状に成形する方法が挙げられる。一方、バウンドポリマーが架橋構造を有するものである場合は架橋前にバーコーター等を用いて膜状に成形する必要がある。また、樹状分岐ポリマーとバウンドポリマーとを共通溶媒を用いて混合しナノコンポジット組成物を製造する場合は、樹状分岐ポリマーとバウンドポリマーとが溶解した溶液をキャストすることで製膜が可能である。
【0065】
前記ガスバリア層の厚さは、特に制限されないが、ガス透過性の効率の観点から5μm〜3mmが好ましく、10μm〜1mmがより好ましい。また、ガスバリア層の形状も特に制限されず、フィルム状でもよく管状に成形したものであってもよい。また、複数のガスバリア層を積層したものでもよい。
【0066】
本発明のガスバリア層は、パソコン、AV機器、携帯型情報通信機器、ゲームやシミュレーション機器、及び、車載用のナビゲーションシステム等、種々の分野の表示装置、蛍光体によって透過放射線を可視光及び/又は紫外放射線に変換するためのX線写真用増感パネル等の放射線発光パネル、タッチパネル、センサー、太陽電池、無機EL、及び有機ELなどの電極や太陽熱利用のための選択透過膜、電磁波シールドなどに好適に利用される。
【0067】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0068】
〔実施例1〕
(a)金属イオン−デンドリマー錯体の調製
50ml三角フラスコを使用して、15mMのK2〔PtCl4〕水溶液10.0ml(15.0×10−5モル)を20ml滴下ロートに移した。0.5mMのデンドリマー〔商品名:Starburst(ポリアミドアミン型デンドリマー(PAMAM)、Aldrich社製、第4世代、表面に64個のOH基を有する)〕の水溶液5.0mlを別の50ml三角フラスコに入れた後、マグネティックスターラーで攪拌しながら、白金イオン溶液を室温で5分間かけて滴下した後、40℃で4時間攪拌した。
【0069】
(b)粒子入りデンドリマーの調製
透析した白金イオン−デンドリマー錯体に窒素ガスバブリングを3時間行った。更に、窒素雰囲気を保持しながら、75.0×10−5モルの水素化ホウ素ナトリウムを少しずつ加え、室温で16時間静置した。次いで、反応液を透析用セルロースチューブ(VISKASE社製)に移し、300mlの脱イオン水に対する1日透析を2回実施して、粒子入りデンドリマーを得た。
【0070】
(c)粒子入りデンドリマーの測定
粒子入りデンドリマーは、窒素原子量を元素分析(パーキンエルマー社、2400)と、白金イオン量を原子吸光分析法(日立製作所、Z5010)で測定し、白金イオン量/N原子量の比が60/62であることを確認した。粒子の粒子サイズをTEMで観察したところ、粒子サイズの揃った粒子が観察され、その直径は1.3nmであった。
【0071】
次に、ポリメチルメタクリレート100質量部と、前記粒子入りデンドリマー50質量部とを、ジメチルアセトアミドに溶解させて、この溶液をシャーレにキャストし、室温で24時間乾燥することによりジメチルアセトアミドを除去し、厚さ300μmの実施例1のガスバリア膜を得た。
【0072】
〔実施例2〕
(a)金属イオン−デンドリマー錯体の調製
50ml三角フラスコを使用して、10mMのH2〔AuCl4〕水溶液10.0ml(10.0×10−4モル)を20ml滴下ロートに移した。0.5mMのDAB−AM−32(Polypropylenimine dotriacontaamine Dendrimer;Aldrich社製、第3世代、32個のアミノ基を表面に有する)の水溶液5.0mlを別の50ml三角フラスコに入れた後、マグネティックスターラーで攪拌しながら、金イオン溶液を室温で5分間かけて滴下した後、1時間静置した。
反応液を透析用セルロースチューブ(VISKASE社)に移し、300mlの脱イオン水に対する1日透析を2回実施した。
【0073】
(b)粒子入りデンドリマーの調製
透析した金イオン−デンドリマー錯体に窒素ガスバブリングを3時間行った。更に、窒素雰囲気を保持しながら、所定量の水素化ホウ素ナトリウムを少しずつ加え、10分間静置して粒子入りデンドリマーを得た。
【0074】
(c)粒子入りデンドリマーの測定
粒子入りデンドリマーは、窒素原子量を元素分析(パーキンエルマー社、2400)と、金イオン量を原子吸光分析法(日立製作所、Z5010)で測定し、金イオン量/N原子量の比が1/1であることを確認した。粒子入りデンドリマー中のAuの粒子サイズをTEMで観察したところ、1.3nmであった。
【0075】
次に、ポリメチルメタクリレート100質量部と、前記粒子入りデンドリマー50質量部とを、ジメチルアセトアミドに溶解させて、この溶液をシャーレにキャストし、室温で24時間乾燥することによりジメチルアセトアミドを除去し、厚さ300μmの実施例2のガスバリア膜を得た。
【0076】
〔比較例1〕
比較例1として、ポリメチルメタクリレートのみをジメチルアセトアミドに溶解させて、この溶液をシャーレにキャストし、室温で24時間乾燥することによりジメチルアセトアミドを除去し、厚さ300μmの比較例1のガスバリア膜を得た。
【0077】
得られた実施例1,2及び比較例1のガスバリア膜について、酸素ガス、二酸化炭素ガス及び水蒸気ガスの透過係数をガス透過装置で測定した。結果を表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、有機及び無機マトリックスへの分散性が高く、優れたガスバリア性を有し、パソコン、AV機器、携帯型情報通信機器、ゲームやシミュレーション機器、及び、車載用のナビゲーションシステム等、種々の分野の表示装置、蛍光体によって透過放射線を可視光及び/又は紫外放射線に変換するためのX線写真用増感パネル等の放射線発光パネル、タッチパネル、センサー、太陽電池、無機EL、及び有機ELなどの電極や太陽熱利用のための選択透過膜、電磁波シールドなどに好適に利用することができる。
Claims (8)
- 金属イオンを配位した樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを、含有することを特徴とするナノコンポジット組成物。
- 金属粒子及び合金粒子から選ばれるいずれかの金属系粒子を含有する樹状分岐分子と、バウンドポリマーとを、含有することを特徴とするナノコンポジット組成物。
- 金属系粒子が、数平均粒径(D50)が500nm以下の金属微粒子である請求項2に記載のナノコンポジット組成物。
- 樹状分岐分子が、樹状分岐ポリマー及びデンドロンから選択される請求項1から3のいずれかに記載のナノコンポジット組成物。
- 樹状分岐ポリマーが、デンドリマーである請求項4に記載のナノコンポジット組成物。
- デンドリマーの表面に金属イオンと相互作用を示さない官能基を有する請求項5に記載のナノコンポジット組成物。
- 樹状分岐ポリマーが、ハイパーブランチポリマーである請求項4に記載のナノコンポジット組成物。
- 請求項1から7のいずれかに記載のナノコンポジット組成物を層状乃至は膜状に形成してなることを特徴とするガスバリア層。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002256992A JP2004091708A (ja) | 2002-09-02 | 2002-09-02 | ナノコンポジット組成物及びガスバリア層 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002256992A JP2004091708A (ja) | 2002-09-02 | 2002-09-02 | ナノコンポジット組成物及びガスバリア層 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004091708A true JP2004091708A (ja) | 2004-03-25 |
Family
ID=32062046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002256992A Pending JP2004091708A (ja) | 2002-09-02 | 2002-09-02 | ナノコンポジット組成物及びガスバリア層 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004091708A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006333567A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Mitsubishi Electric Corp | ガス絶縁開閉装置 |
JP2010195889A (ja) * | 2009-02-24 | 2010-09-09 | Lion Corp | 金属超微粒子分散体およびその製造方法 |
WO2012141216A1 (ja) * | 2011-04-12 | 2012-10-18 | 国立大学法人九州大学 | ハイパーブランチポリマー、金属微粒子及び有機酸を含む無電解めっき下地剤 |
WO2012141215A1 (ja) * | 2011-04-12 | 2012-10-18 | 日産化学工業株式会社 | ハイパーブランチポリマー及び金属微粒子を含む無電解めっき下地剤 |
-
2002
- 2002-09-02 JP JP2002256992A patent/JP2004091708A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006333567A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Mitsubishi Electric Corp | ガス絶縁開閉装置 |
JP4522318B2 (ja) * | 2005-05-24 | 2010-08-11 | 三菱電機株式会社 | ガス絶縁開閉装置 |
JP2010195889A (ja) * | 2009-02-24 | 2010-09-09 | Lion Corp | 金属超微粒子分散体およびその製造方法 |
WO2012141216A1 (ja) * | 2011-04-12 | 2012-10-18 | 国立大学法人九州大学 | ハイパーブランチポリマー、金属微粒子及び有機酸を含む無電解めっき下地剤 |
WO2012141215A1 (ja) * | 2011-04-12 | 2012-10-18 | 日産化学工業株式会社 | ハイパーブランチポリマー及び金属微粒子を含む無電解めっき下地剤 |
US9650534B2 (en) | 2011-04-12 | 2017-05-16 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | Primer for electroless plating comprising hyperbranched polymer and metal fine particles |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2050792B1 (en) | Metal nanoparticle dispersion and production process of the same | |
Dong et al. | Silsesquioxane‐containing hybrid nanomaterials: fascinating platforms for advanced applications | |
US6995234B2 (en) | Nanocomposites of dendritic polymers | |
TWI363771B (en) | Organo-inorganic compound nanofiber, organo-inorganic compound structrue, and method for producing the same | |
KR101041880B1 (ko) | 은 함유 나노 구조체의 제조 방법 및 은 함유 나노 구조체 | |
JP4704258B2 (ja) | 樹枝状ポリマーのナノコンポジット | |
US7384546B2 (en) | Multi-layered macromolecules and methods for their use | |
US20060083925A1 (en) | Well-defined nanosized building blocks for organic/inorganic nanocomposites | |
US7786188B2 (en) | Nanocomposites of dendritic polymers | |
CN102071487B (zh) | 一种有机-无机纳米复合膜的制备方法 | |
JP2004091708A (ja) | ナノコンポジット組成物及びガスバリア層 | |
CN101230142A (zh) | 在聚合物中形成磁性纳米颗粒化学改性分散体的方法 | |
Sheng et al. | Ternary Rare Earth Inorganic–Organic Hybrids with a Mercapto‐Functionalized Si–O Linkage and a Polymer Chain: Coordination Bonding Assembly and Luminescence | |
Wang et al. | Living photolytic ring‐opening polymerization of amino‐functionalized [1] ferrocenophanes: synthesis and layer‐by‐layer self‐assembly of well‐defined water‐soluble polyferrocenylsilane polyelectrolytes | |
JP3603645B2 (ja) | デンドロン側鎖を有するポリフェニレンエチニレン、並びにこれを含有する樹脂組成物、発光性塗料、及び発光性シート状成形体 | |
TWI301842B (en) | Novel polyester, and resin composition containing the same | |
JP4026663B1 (ja) | 金属ナノ粒子分散体の製造方法 | |
Yang et al. | Recent Advances on Fabrication of Polymeric Composites Based on Multicomponent Reactions for Bioimaging and Environmental Pollutant Removal | |
Liu et al. | Cross-linked polymer modified layered double hydroxide nanosheet stabilized CsPbBr3 perovskite quantum dots for white light-emitting diode | |
JP2004094045A (ja) | 光散乱・反射部材 | |
JP2008038180A (ja) | 金属ナノ粒子分散体、およびその製造方法 | |
JP2007197503A (ja) | エポキシ変性ポリアルキレンイミン及びその製造方法 | |
JPWO2008102680A1 (ja) | ハイパーブランチポリマー及びその製造方法 | |
Morikawa et al. | Preparation of poly (ether ketone) dendrons with graded structures | |
JP3384929B2 (ja) | 芳香族ポリアミド及びシリカからなるハイブリッド体、その製造方法及びそれを含有する液状組成物 |