JP2004091349A - 感染性疾患予防用及び/又は治療用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性及び効果に優れた感染性疾患予防用及び/又は治療用組成物を提供すること。
【解決手段】エルダーと、エキナセア、セイヨウヤナギ及びビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12などのビタミンB類、ビタミンA類、ビタミンC類、ビタミンD類、ビタミンE類、ビタミンK類、ビタミンP類、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、ビオチン、葉酸、ニコチンアミド、ニコチン酸などのビタミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を配合してなる感染性疾患予防用及び/又は治療用組成物、食品組成物であり、安全性において優れた組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】エルダーと、エキナセア、セイヨウヤナギ及びビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12などのビタミンB類、ビタミンA類、ビタミンC類、ビタミンD類、ビタミンE類、ビタミンK類、ビタミンP類、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、ビオチン、葉酸、ニコチンアミド、ニコチン酸などのビタミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を配合してなる感染性疾患予防用及び/又は治療用組成物、食品組成物であり、安全性において優れた組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な感染性疾患予防用・治療用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】インフルエンザ等のウイルスや細菌による感染性疾患は、時に大流行し、学校や職場などの集団社会に大きな影響を与える事がある。特に風邪を引き起こすウイルスは種類が多い上、変異を容易に起こし風邪が直ったばかりでもまた違ったウイルスで風邪を引いてしまうことが良くあり、著しい体力の低下、衰弱化を引き起こしてしまう。このため、ウイルスに対するワクチンや抗ウイルス剤の開発がなされてきたが、未だ十分満足できるものはなく、その治療には対症療法が中心となっている。また、近年、医薬品や食品に対して安全性が強く求められるようになり、感染性疾患の予防や治療剤ついても、安全性の高い成分を有効成分とするものが望まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安全性に優れるとともに、優れた効果を有する感染性疾患の予防用・治療用組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は既に安全性が十分立証されているハーブに着目して検討を行った。そして、イスラエル等でインフルエンザの治療に用いられているエルダーと免疫力を高める作用が知られているエキナセア、また、関節や腰などの痛みを緩和させることが知られているセイヨウヤナギ及び各種ビタミン類を組み合わせて併用することで、エルダー単独では発揮されなかった効果が相乗的に得られ、極めて優れた感染性疾患の予防・治療に効果を示し、感染性疾患予防用・治療用組成物として有効であることを見出した。
【0005】
すなわち、本発明は、
1.エルダーと、エキナセア、セイヨウヤナギ及びビタミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を配合してなる感染性疾患予防用及び/又は治療用組成物、及び
2.エルダーと、エキナセア、セイヨウヤナギ及びビタミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を配合してなる食品用組成物、
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を説明する。
本発明の感染性疾患予防用及び/又は治療用組成物に用いられるエルダー(Sambucus nigra、Sambucus williamsii)は、北アフリカ、ヨーロッパ、西アジアに分布し、日本でも各地で栽培される落葉低木である。伝承的には止血、消炎、利尿、鎮痛剤に用いられてきた。このため、筋骨の損傷や水腫、腎炎、関節リウマチ、痛風などの諸痛、諸出血などに有効とされてきたものである。
【0007】
エキナセア(Echinacea purpurea、Echinacea angustifolia、Echinacea pallida、Echinacea simulata、Echinacea paradoxa、Echinacea atrorubens)とは、アメリカミネソタ州に分布し、乾性土壌に生え、特に草原に多く見られる多年草である。エキナセア根には感染症に対する抵抗性を増強する作用があり、また腫瘍細胞にも有効と言われている。その他血液中の不純物を排泄させる浄血作用もある。
【0008】
セイヨウヤナギ(Salix alba、Salix cinerea、Salix fragilis、Salix nigra、Salix purupurea)とは、北欧で昔から解熱、鎮痛、消炎で用いられてきたハーブで、現在もドイツを始めとしてリュウマチ、関節痛、腰痛などの医薬品として用いられているものである。
【0009】
植物は、葉、茎、芽、花、木質部、木皮部(樹皮)などの地上部及び、根、塊茎などの地下部、種子、樹脂などすべての部位の乾燥物、その抽出物、その加水分解物が使用可能である。
【0010】
本発明に用いる植物は、乾燥させた乾燥物、その粉砕物、それらを圧搾抽出して得られる搾汁等をそのまま使用することも可能で、さらに、その抽出物を使用することもできる。適当な溶媒で抽出し、場合によっては加水分解処理を加え、不溶部分を濾過等で取り除きこの濾過液から溶媒を除去した後にカラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段を用いて得られた、抽出物、加水分解物、その精製物を使用することも可能である。抽出に用いる溶媒としてはメタノール、エタノール、プロパノール、1,3ブチレングリコール等のアルコール類、エーテル、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム等の有機溶媒、水等が挙げられる。これら溶媒は単独で用いても良く、また2種以上混合して用いても良い。
【0011】
抽出条件は、特に限定されないが、例えば、温度は5〜95℃、好ましくは15〜85℃で常温でも好適に抽出することが出来る。圧力は常圧、加圧、減圧の何れでも良い。抽出時間は選定した溶媒によっても異なるが数分〜数時間であり、反復抽出、振とう抽出、抽出時間の延長等により抽出効率を高めることができる。また、加水分解を行う場合、エステラーゼのような酵素による分解や、乳酸菌や酵母などの微生物による分解、塩酸、硫酸、酢酸、リン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸等の酸による分解、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリによる分解等が挙げられる。加水分解条件は、特に限定されないが酵素や微生物を用いる場合は使用する酵素や微生物の至適温度、pHに合わせ、通常、10〜55℃、pH3〜8、5〜24時間程度、加水分解を行う。酸やアルカリを用いて加水分解を行う場合、通常、2〜15質量%の濃度で常温〜60にて0.5〜24時間程度、加水分解を行う。これら抽出物や抽出加水分解物は、必要に応じてpH調整を行った後、凍結乾燥、減圧蒸留、減圧・真空乾燥、スプレードライなどの公知の方法で濃縮乾燥物を得ことが出来る。精製処理の方法については特に限定されないが、例えば、順相及び逆相クロマトグラフィーによる精製、再結晶、再沈殿、脱色処理、脱臭処理等を組み合わせて精製することができる。
【0012】
「ビタミン類」には、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB6、ビタミンB12などのビタミンB類、ビタミンA類、ビタミンC類(アスコルビン酸、その誘導体)、ビタミンD類、ビタミンE類、ビタミンK類、ビタミンP類(ルチンやヘスペリジン)、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、ビオチン、葉酸、ニコチンアミド、ニコチン酸等が含まれる。また、これらビタミン類は、誘導体として、及び塩類として使用でき、単独で、又は2種以上一緒に用いる事が出来る。
【0013】
エルダーと、エキナセア、セイヨウヤナギ及びビタミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を併用することにより、インフルエンザのようなウィルスや細菌による感染性疾患の予防、治療において、エルダー単独の適用では得られない優れた効果が得られる。
【0014】
本発明の感染性疾患予防用及び/又は治療用組成物は、経口用あるいは非経口用の食品、医薬等として使用できる。栄養補助食品、機能性食品、健康食品、特定保健用食品、美容食品等として使用しても良い。投与方法としては、有効成分を経口投与又は非経口投与の何れでも良く、非経口投与の場合、直腸内投与、注射などである。投与方法に適した固体又は液体の医薬用無毒性担体と混合して、慣用の医薬製剤の形態で投与することができる。形態としては、例えば、粉末、散剤、顆粒、錠剤、カプセル、などの固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤などの液剤、凍結乾燥製剤などが挙げられ、これらの製剤は常套手段により調製することが可能である。医薬品用無毒性担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングルコール、ヒドロキシエチレンデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、ゼラチン、アルブミン、水、生理食塩水などが挙げられる。必要に応じて、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤などの添加剤を適宜添加することも可能である。また、食品としては、ジュースのような飲料に配合することもできる。
【0015】
本発明の植物の有効投与量は、対象者の年齢、体重、症状、投与経路、投与スケジュール、製剤形態などにより、適宜選択決定されるが、例えば、エルダーを経口用として投与する場合、成人1日あたり0.01〜5000mgが好ましく、特に好ましくは10〜1000mgで、更に好ましくは70〜500mgである。ビタミン類は、それぞれの1日必要量に応じて適宜配合することができる。例えば、ビタミンCとしては成人1日あたり10〜2000mg、特に好ましくは100〜1000mgである。ビタミンB1としては成人1日あたり0.1〜100mg、特に好ましく5〜30mgである。ビタミンB2としては成人1日あたり0.1〜100mg、特に好ましく5〜30mgである。ヘスペリジンとしては成人1日あたり0.1〜200mg、特に好ましく30〜100mgである。これらは1日数回に分けて投与しても良い。
【0016】
【実施例】以下に実施例を挙げて具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
【0017】
[実施例1]
エルダー果実エキス末を用いて常法に従って、下記組成のハードカプセルを製造した。
(組 成) (配合量(mg)/1カプセル)
エルダー果実エキス末 40
ビタミンC 50
ビタミンB1 2.5
ビタミンB2 2.5
ヘスペリジン 15
難消化性デキストリン 140
合計 250
【0018】
[実施例2]
エルダー果実エキス末、エキナセアプルプレアエキス末、セイヨウヤナギエキス末を用いて常法に従って、下記組成のハードカプセルを製造した。
(組 成) (配合量(mg)/1カプセル)
エルダー果実エキス末 40
エキナセアプルプレアエキス末 60
セイヨウヤナギエキス末 75
ビタミンC 50
ビタミンB1 2.5
ビタミンB2 2.5
ヘスペリジン 15
難消化性デキストリン 5
合計 250
【0019】
[実施例3]風邪に対する治療効果
実施例1と2で製造したハードカプセルを用いて風邪に関するアンケート調査を行った。風邪による熱、悪寒、関節痛等を訴える被験者15名(24〜34歳)を集め、実施例1と2で製造したハードカプセルを実薬として、対照薬としてエルダー果実エキス末40mgと難消化性デキストリン210mgを配合したカプセルを用い、各群5名、1回2カプセルを朝、昼、夕の食後3回に分け3日間摂取させた。表1にその結果を示す。結果より、エルダー単独にも効果が見られたが、エルダーにビタミン類を加えた群及び更にエルダーにビタミン群とエキナセアとセイヨウヤナギを加えた群の方がより、改善効果が実体感として認められたことがわかった。
【0020】
【表1】
【0021】
[実施例4]風邪に対する予防効果
実施例2で製造したハードカプセルを用いて風邪に関するアンケート調査を行った。ある職場で風邪が蔓延している時期に、まだ風邪症状を訴えていない健常人12名(26〜44歳)を集め、実施例2で製造したハードカプセルを実薬として、対照製剤としてエルダー果実エキス末40mgと難消化性デキストリン210mgを配合したカプセルを用い、各群6名、1回2カプセルを朝と夕の食後2回に分け2週間摂取させた。表2にその結果を示す。その結果、対照群に比べ実施例2で製造した製剤は風邪に対する予防に明らかな効果を示した。
【0022】
【表2】
【0023】
以下に処方例を示す。
[錠剤の製造]
エルダー果実エキス末、エキナセアプルプレアエキス末、セイヨウヤナギエキス末を用いて常法に従って、下記組成の錠剤を製造した。
(組 成) (配合;質量%)
エルダー果実エキス末 8
エキナセアプルプレアエキス末 12
セイヨウヤナギエキス末 15
ビタミンC 14
ビタミンB1 1
ビタミンB2 1
ヘスペリジン 2
難消化性デキストリン 15
卵殻カルシウム 21
でんぷん 8
ショ糖脂肪酸エステル 3
【0024】
[ジュースの製造]
常法に従って、下記組成のジュースを製造した。
(組 成) (配合;質量%)
果糖ブトウ糖液糖 5.00
クエン酸 10.4
ビタミンC 0.50
香料 0.02
色素 0.10
エルダー果実エキス末 5.0
エキナセアプルプレアエキス末 5.0
精製水 73.98
【0025】
【発明の効果】本発明により、安全性に優れるとともに、感染性疾患の予防、治療に優れた効果を有する組成物を提供することができる。
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な感染性疾患予防用・治療用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】インフルエンザ等のウイルスや細菌による感染性疾患は、時に大流行し、学校や職場などの集団社会に大きな影響を与える事がある。特に風邪を引き起こすウイルスは種類が多い上、変異を容易に起こし風邪が直ったばかりでもまた違ったウイルスで風邪を引いてしまうことが良くあり、著しい体力の低下、衰弱化を引き起こしてしまう。このため、ウイルスに対するワクチンや抗ウイルス剤の開発がなされてきたが、未だ十分満足できるものはなく、その治療には対症療法が中心となっている。また、近年、医薬品や食品に対して安全性が強く求められるようになり、感染性疾患の予防や治療剤ついても、安全性の高い成分を有効成分とするものが望まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安全性に優れるとともに、優れた効果を有する感染性疾患の予防用・治療用組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は既に安全性が十分立証されているハーブに着目して検討を行った。そして、イスラエル等でインフルエンザの治療に用いられているエルダーと免疫力を高める作用が知られているエキナセア、また、関節や腰などの痛みを緩和させることが知られているセイヨウヤナギ及び各種ビタミン類を組み合わせて併用することで、エルダー単独では発揮されなかった効果が相乗的に得られ、極めて優れた感染性疾患の予防・治療に効果を示し、感染性疾患予防用・治療用組成物として有効であることを見出した。
【0005】
すなわち、本発明は、
1.エルダーと、エキナセア、セイヨウヤナギ及びビタミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を配合してなる感染性疾患予防用及び/又は治療用組成物、及び
2.エルダーと、エキナセア、セイヨウヤナギ及びビタミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を配合してなる食品用組成物、
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を説明する。
本発明の感染性疾患予防用及び/又は治療用組成物に用いられるエルダー(Sambucus nigra、Sambucus williamsii)は、北アフリカ、ヨーロッパ、西アジアに分布し、日本でも各地で栽培される落葉低木である。伝承的には止血、消炎、利尿、鎮痛剤に用いられてきた。このため、筋骨の損傷や水腫、腎炎、関節リウマチ、痛風などの諸痛、諸出血などに有効とされてきたものである。
【0007】
エキナセア(Echinacea purpurea、Echinacea angustifolia、Echinacea pallida、Echinacea simulata、Echinacea paradoxa、Echinacea atrorubens)とは、アメリカミネソタ州に分布し、乾性土壌に生え、特に草原に多く見られる多年草である。エキナセア根には感染症に対する抵抗性を増強する作用があり、また腫瘍細胞にも有効と言われている。その他血液中の不純物を排泄させる浄血作用もある。
【0008】
セイヨウヤナギ(Salix alba、Salix cinerea、Salix fragilis、Salix nigra、Salix purupurea)とは、北欧で昔から解熱、鎮痛、消炎で用いられてきたハーブで、現在もドイツを始めとしてリュウマチ、関節痛、腰痛などの医薬品として用いられているものである。
【0009】
植物は、葉、茎、芽、花、木質部、木皮部(樹皮)などの地上部及び、根、塊茎などの地下部、種子、樹脂などすべての部位の乾燥物、その抽出物、その加水分解物が使用可能である。
【0010】
本発明に用いる植物は、乾燥させた乾燥物、その粉砕物、それらを圧搾抽出して得られる搾汁等をそのまま使用することも可能で、さらに、その抽出物を使用することもできる。適当な溶媒で抽出し、場合によっては加水分解処理を加え、不溶部分を濾過等で取り除きこの濾過液から溶媒を除去した後にカラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段を用いて得られた、抽出物、加水分解物、その精製物を使用することも可能である。抽出に用いる溶媒としてはメタノール、エタノール、プロパノール、1,3ブチレングリコール等のアルコール類、エーテル、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム等の有機溶媒、水等が挙げられる。これら溶媒は単独で用いても良く、また2種以上混合して用いても良い。
【0011】
抽出条件は、特に限定されないが、例えば、温度は5〜95℃、好ましくは15〜85℃で常温でも好適に抽出することが出来る。圧力は常圧、加圧、減圧の何れでも良い。抽出時間は選定した溶媒によっても異なるが数分〜数時間であり、反復抽出、振とう抽出、抽出時間の延長等により抽出効率を高めることができる。また、加水分解を行う場合、エステラーゼのような酵素による分解や、乳酸菌や酵母などの微生物による分解、塩酸、硫酸、酢酸、リン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸等の酸による分解、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリによる分解等が挙げられる。加水分解条件は、特に限定されないが酵素や微生物を用いる場合は使用する酵素や微生物の至適温度、pHに合わせ、通常、10〜55℃、pH3〜8、5〜24時間程度、加水分解を行う。酸やアルカリを用いて加水分解を行う場合、通常、2〜15質量%の濃度で常温〜60にて0.5〜24時間程度、加水分解を行う。これら抽出物や抽出加水分解物は、必要に応じてpH調整を行った後、凍結乾燥、減圧蒸留、減圧・真空乾燥、スプレードライなどの公知の方法で濃縮乾燥物を得ことが出来る。精製処理の方法については特に限定されないが、例えば、順相及び逆相クロマトグラフィーによる精製、再結晶、再沈殿、脱色処理、脱臭処理等を組み合わせて精製することができる。
【0012】
「ビタミン類」には、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB6、ビタミンB12などのビタミンB類、ビタミンA類、ビタミンC類(アスコルビン酸、その誘導体)、ビタミンD類、ビタミンE類、ビタミンK類、ビタミンP類(ルチンやヘスペリジン)、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、ビオチン、葉酸、ニコチンアミド、ニコチン酸等が含まれる。また、これらビタミン類は、誘導体として、及び塩類として使用でき、単独で、又は2種以上一緒に用いる事が出来る。
【0013】
エルダーと、エキナセア、セイヨウヤナギ及びビタミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を併用することにより、インフルエンザのようなウィルスや細菌による感染性疾患の予防、治療において、エルダー単独の適用では得られない優れた効果が得られる。
【0014】
本発明の感染性疾患予防用及び/又は治療用組成物は、経口用あるいは非経口用の食品、医薬等として使用できる。栄養補助食品、機能性食品、健康食品、特定保健用食品、美容食品等として使用しても良い。投与方法としては、有効成分を経口投与又は非経口投与の何れでも良く、非経口投与の場合、直腸内投与、注射などである。投与方法に適した固体又は液体の医薬用無毒性担体と混合して、慣用の医薬製剤の形態で投与することができる。形態としては、例えば、粉末、散剤、顆粒、錠剤、カプセル、などの固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤などの液剤、凍結乾燥製剤などが挙げられ、これらの製剤は常套手段により調製することが可能である。医薬品用無毒性担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングルコール、ヒドロキシエチレンデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、ゼラチン、アルブミン、水、生理食塩水などが挙げられる。必要に応じて、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤などの添加剤を適宜添加することも可能である。また、食品としては、ジュースのような飲料に配合することもできる。
【0015】
本発明の植物の有効投与量は、対象者の年齢、体重、症状、投与経路、投与スケジュール、製剤形態などにより、適宜選択決定されるが、例えば、エルダーを経口用として投与する場合、成人1日あたり0.01〜5000mgが好ましく、特に好ましくは10〜1000mgで、更に好ましくは70〜500mgである。ビタミン類は、それぞれの1日必要量に応じて適宜配合することができる。例えば、ビタミンCとしては成人1日あたり10〜2000mg、特に好ましくは100〜1000mgである。ビタミンB1としては成人1日あたり0.1〜100mg、特に好ましく5〜30mgである。ビタミンB2としては成人1日あたり0.1〜100mg、特に好ましく5〜30mgである。ヘスペリジンとしては成人1日あたり0.1〜200mg、特に好ましく30〜100mgである。これらは1日数回に分けて投与しても良い。
【0016】
【実施例】以下に実施例を挙げて具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
【0017】
[実施例1]
エルダー果実エキス末を用いて常法に従って、下記組成のハードカプセルを製造した。
(組 成) (配合量(mg)/1カプセル)
エルダー果実エキス末 40
ビタミンC 50
ビタミンB1 2.5
ビタミンB2 2.5
ヘスペリジン 15
難消化性デキストリン 140
合計 250
【0018】
[実施例2]
エルダー果実エキス末、エキナセアプルプレアエキス末、セイヨウヤナギエキス末を用いて常法に従って、下記組成のハードカプセルを製造した。
(組 成) (配合量(mg)/1カプセル)
エルダー果実エキス末 40
エキナセアプルプレアエキス末 60
セイヨウヤナギエキス末 75
ビタミンC 50
ビタミンB1 2.5
ビタミンB2 2.5
ヘスペリジン 15
難消化性デキストリン 5
合計 250
【0019】
[実施例3]風邪に対する治療効果
実施例1と2で製造したハードカプセルを用いて風邪に関するアンケート調査を行った。風邪による熱、悪寒、関節痛等を訴える被験者15名(24〜34歳)を集め、実施例1と2で製造したハードカプセルを実薬として、対照薬としてエルダー果実エキス末40mgと難消化性デキストリン210mgを配合したカプセルを用い、各群5名、1回2カプセルを朝、昼、夕の食後3回に分け3日間摂取させた。表1にその結果を示す。結果より、エルダー単独にも効果が見られたが、エルダーにビタミン類を加えた群及び更にエルダーにビタミン群とエキナセアとセイヨウヤナギを加えた群の方がより、改善効果が実体感として認められたことがわかった。
【0020】
【表1】
【0021】
[実施例4]風邪に対する予防効果
実施例2で製造したハードカプセルを用いて風邪に関するアンケート調査を行った。ある職場で風邪が蔓延している時期に、まだ風邪症状を訴えていない健常人12名(26〜44歳)を集め、実施例2で製造したハードカプセルを実薬として、対照製剤としてエルダー果実エキス末40mgと難消化性デキストリン210mgを配合したカプセルを用い、各群6名、1回2カプセルを朝と夕の食後2回に分け2週間摂取させた。表2にその結果を示す。その結果、対照群に比べ実施例2で製造した製剤は風邪に対する予防に明らかな効果を示した。
【0022】
【表2】
【0023】
以下に処方例を示す。
[錠剤の製造]
エルダー果実エキス末、エキナセアプルプレアエキス末、セイヨウヤナギエキス末を用いて常法に従って、下記組成の錠剤を製造した。
(組 成) (配合;質量%)
エルダー果実エキス末 8
エキナセアプルプレアエキス末 12
セイヨウヤナギエキス末 15
ビタミンC 14
ビタミンB1 1
ビタミンB2 1
ヘスペリジン 2
難消化性デキストリン 15
卵殻カルシウム 21
でんぷん 8
ショ糖脂肪酸エステル 3
【0024】
[ジュースの製造]
常法に従って、下記組成のジュースを製造した。
(組 成) (配合;質量%)
果糖ブトウ糖液糖 5.00
クエン酸 10.4
ビタミンC 0.50
香料 0.02
色素 0.10
エルダー果実エキス末 5.0
エキナセアプルプレアエキス末 5.0
精製水 73.98
【0025】
【発明の効果】本発明により、安全性に優れるとともに、感染性疾患の予防、治療に優れた効果を有する組成物を提供することができる。
Claims (2)
- エルダーと、エキナセア、セイヨウヤナギ及びビタミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を配合してなる感染性疾患予防用及び/又は治療用組成物。
- エルダーと、エキナセア、セイヨウヤナギ及びビタミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を配合してなる食品用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002252816A JP2004091349A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 感染性疾患予防用及び/又は治療用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002252816A JP2004091349A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 感染性疾患予防用及び/又は治療用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004091349A true JP2004091349A (ja) | 2004-03-25 |
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JP (1) | JP2004091349A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007204408A (ja) * | 2006-01-31 | 2007-08-16 | Lotte Holdings Ltd | 線毛運動活性化剤及びそれを含む飲食品 |
WO2008142619A1 (en) * | 2007-05-17 | 2008-11-27 | Izun Pharmaceuticals Corporation | Use of herbal compositions in the protection and enhancement of extracellular matrix components |
WO2010083855A1 (de) | 2008-12-22 | 2010-07-29 | Maria Clementine Martin Klosterfrau Vertriebsgesellschaft Mbh | Zusammensetzung zur behandlung von entzündlichen erkrankungen des mund- und rachenraums |
WO2022125794A1 (en) * | 2020-12-11 | 2022-06-16 | PPC Pharmaceuticals, LLC | Composition and delivery system for immune system support |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002252816A patent/JP2004091349A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007204408A (ja) * | 2006-01-31 | 2007-08-16 | Lotte Holdings Ltd | 線毛運動活性化剤及びそれを含む飲食品 |
WO2008142619A1 (en) * | 2007-05-17 | 2008-11-27 | Izun Pharmaceuticals Corporation | Use of herbal compositions in the protection and enhancement of extracellular matrix components |
WO2010083855A1 (de) | 2008-12-22 | 2010-07-29 | Maria Clementine Martin Klosterfrau Vertriebsgesellschaft Mbh | Zusammensetzung zur behandlung von entzündlichen erkrankungen des mund- und rachenraums |
WO2022125794A1 (en) * | 2020-12-11 | 2022-06-16 | PPC Pharmaceuticals, LLC | Composition and delivery system for immune system support |
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