JP2004091135A - エレベータの脱レール検出装置 - Google Patents

エレベータの脱レール検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】非接触型検出機構を採用した構成でありながら、センサ付近にバッテリ等の電源を設置する必要がなく、また、カウンタウェイト用テールコードを不要とするエレベータの脱レール検出装置を提供すること。
【解決手段】2本のガイドレール6間には交流電源部24により交流電圧E(例えば、0.7V)が印加されている。電極部23a〜23d及び2本のガイドレール6は静電容量C0を有するコンデンサとして機能する。エレベータ運転中に地震が発生してカウンタウェイト4に脱レールが発生すると、この静電容量が小さくなり、脱レール検出部25は脱レール発生信号をエレベータ制御装置10に出力する。これによりエレベータの運転は停止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗りかごとカウンタウェイトとがメインロープにより連結された形式のエレベータシステムにおいて用いられる脱レール検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図11は、例えば、特開平11−79588号公報に開示されている従来装置の概略構成を示す説明図である。この図において、あるビル内に昇降路1が設置され、この昇降路1の上方に機械室2が設置されている。昇降路1内には、乗りかご3及びカウンタウェイト4が配置されている。カウンタウェイト4は、ガイドシュー5a〜5dを介して、昇降路1に沿って配設された2本のガイドレール6に昇降動自在に取り付けられている。なお、乗りかご3も、図示は省略されているが、カウンタウェイト4と同様にガイドシューを介してガイドレールに昇降動自在に取り付けられている。
【0003】
機械室2には巻上シーブ7及びガイドシーブ8が設置されており、乗りかご3とカウンタウェイト4とは、メインロープ9により巻上シーブ7及びガイドシーブ8を介して互いに連結されている。機械室2には、また、エレベータ制御装置10が設置されており、このエレベータ制御装置10と乗りかご3との間は信号の送受信を行うためのテールコード11が接続されている。
【0004】
ガイドシュー5a〜5dには、接触型又は非接触型の脱レール検出機構が取り付けられており、この脱レール検出機構からの検出信号が配線材12及びカウンタウェイト用テールコード13を介して乗りかご3に送られ、更に、乗りかご3からテールコード11を介してエレベータ制御装置10に送られるようになっている。
【0005】
図12は、上記の脱レール検出機構の構成を示す説明図であり、(a)は接触型検出機構、(b)は非接触型検出機構を示している。まず、図12(a)において、ガイドシュー5a(他のガイドシュー5b〜5dも同様の構成である)には凹部5a1が形成されており、この凹部5a1内にガイドレール6の凸部6aが嵌装されている。凸部6aの端面には脱レール検出ローラ14が当接されているが、この脱レール検出ローラ14はガイドシュー5a内から突出している支持部材15により支持されている。この支持部材15には鍔部15aが設けられており、この鍔部15aの下方にはコイルバネ16が介挿されている。したがって、脱レール検出ローラ14はコイルバネ16のバネ力により凸部6aの端面に対して弾撥付勢されて圧接した状態になっている。
【0006】
鍔部15aの上方の位置にはマイクロスイッチ17が配設されており、レバー部17aが鍔部15aの上面に接触した状態となっている。図示の状態はマイクロスイッチ17がオフの状態であり、レバー部17aがプランジャ17bを押圧して、これを一定量以上変位させるとマイクロスイッチ17はオンの状態に切り換わるようになっている。そして、マイクロスイッチ17から発せられる検出信号は信号線18を介して上記の配線材12に送られ、更にエレベータ制御装置10に送られるようになっている。
【0007】
また、図12(b)において、ガイドシュー5a内には、投光センサ19、受光センサ20、及びセンサ制御部21が設けられている。通常時には、投光センサ19から発せられる光信号は凸部6aに遮られて受光センサ20に到達しないが、凸部6aが凹部5a1から外れると、この光信号は受光センサ20により受光される。センサ制御部21は、このときの受光センサ20の受光を検知し、信号線22を介してエレベータ制御装置10に検出信号を送信するようになっている。
【0008】
次に、図11及び図12の動作につき説明する。エレベータ制御装置10は、乗り場呼び及びかご呼びに応答して巻上シーブ7を駆動し、乗りかご3を目的階まで移動させる。このとき、カウンタウェイト4はガイドレール6に沿って乗りかご3の移動方向とは反対方向に移動する。このようなエレベータ運転が行われている間に地震が発生し、ガイドシュー5a〜5dのうちにガイドレール6から外れるものが発生したとする。
【0009】
このとき、図12(a)の接触型検出機構では、凸部6aが凹部5a1内から飛び出すことにより、コイルバネ16のバネ力により脱レール検出ローラ14及び鍔部15aが上方に変位する。これにより、レバー部17aが鍔部15aにより押し上げられ、レバー部17aはプランジャ17bを押圧するので、マイクロスイッチ17はオンになる。そして、このオン信号は信号線18を介して配線材12に送られ、更にエレベータ制御装置10に送られる。エレベータ制御装置10は、このオン信号を脱レール検出信号として入力し、直ちにエレベータの運転を停止する。
【0010】
また、図12(b)の非接触型検出機構では、凸部6aが凹部5a1内から飛び出すことにより、投光センサ19から発せられる光信号が凸部6aに遮られることなく受光センサ20に到達する。したがって、センサ制御部21は、このときの受光センサ20の受光を検知して脱レール検出信号をエレベータ制御装置10に送信する。これにより、エレベータ制御装置10は直ちにエレベータの運転を停止する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来装置では、上述した図11及び図12の構成を採用することにより、カウンタウェイトの脱レールを検出した場合に直ちにエレベータの運転を停止するようにしていた。しかし、従来装置は次のような課題を有するものであった。
【0012】
すなわち、図12(a)の接触型検出機構では、脱レール検出ローラ14が常時凸部6aの端面に当接しているため、この端面が摩耗したり、異音が発生したりするという問題が生じ、メインテナンスを頻繁に行わなければならなかった。このような摩耗や異音の問題を回避するという観点からは図12(b)の非接触型検出機構を採用することが好ましい。
【0013】
しかし、図12(b)の非接触型検出機構では、投光センサ19及び受光センサ20の駆動電源として、これらセンサの付近にバッテリを設けなければならず、そのため充電やその他のメインテナンスをやはり頻繁に行わなければならなかった。
【0014】
また、接触型検出機構及び非接触型検出機構のいずれを採用したとしてもカウンタウェイト用テールコード13を設けなければならないが、地震が発生した場合にはこのコードが昇降路1内に配設されている機器類に引っ掛かってしまい、故障や事故を引き起こす虞を有していた。
【0015】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、非接触型検出機構を採用した構成でありながら、センサ付近にバッテリ等の電源を設置する必要がなく、また、カウンタウェイト用テールコードを不要とするエレベータの脱レール検出装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、メインロープにより乗りかごに連結されたカウンタウェイトが、昇降路に沿って配設された少なくとも2本以上のガイドレールにガイドシューを介して昇降動自在に取り付けられているエレベータシステムにおいて、前記ガイドシュー又はその付近に取り付けられた電極部と、一対の前記ガイドレール間に交流電圧を印加する交流電源部と、前記電極部と前記ガイドレールとの間に発生する静電容量の変化に基づいて前記カウンタウェイトが脱レールしたことを検出する脱レール検出部と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記脱レール検出部は、前記一対のガイドレール間の交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、前記整流回路からの直流電圧の低域成分のみを通過させるローパスフィルタと、前記ローパスフィルタからの検出信号と基準信号との比較に基づいて脱レールの有無を判定する脱レール判定回路と、を有するものである、ことを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記一対のガイドレール間が電気的に絶縁された状態にある、ことを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記一対のガイドレール間が電気的に絶縁されていない状態にある、ことを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記電極部のガイドレール対向面上に絶縁体が貼付されている、ことを特徴とする。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至3、請求項5のいずれかに記載の発明において、前記一対のガイドレールのうちの一方が接地されている、ことを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記ガイドシューに代えてローラガイド機構を用いた、ことを特徴とする。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記交流電源部を2つの交流電源部により構成し、一方の交流電源部及び他方の交流電源部をそれぞれ前記一対のガイドレールの上端部側及び下端部側に接続した、ことを特徴とする。
【0024】
請求項9記載の発明は、昇降路に沿って配設された少なくとも2本以上の乗りかご用ガイドレールにローラガイド機構介して乗りかごが昇降動自在に取り付けられているエレベータシステムにおいて、前記ローラガイド機構又はその付近に取り付けられた電極部と、一対の前記ガイドレールの上端部側及び下端部側にそれぞれ接続され、この一対の前記ガイドレール間に交流電圧を印加する2つの交流電源部と、前記電極部と前記ガイドレールとの間に発生する静電容量の変化に基づいて前記ガイドレールがいずれかの個所で破断したことを検出するレール破断検出部と、を備えたことを特徴とする。
【0025】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、前記レール破断検出部は、前記一対のガイドレール間の交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、前記整流回路からの直流電圧の低域成分のみを通過させるローパスフィルタと、前記ローパスフィルタからの検出信号と基準信号との比較に基づいてレール破断の有無を判定するレール破断判定回路と、を有するものである、ことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1乃至図8に基づき説明する。但し、図11及び図12で説明したのと同様の構成要素には同一符号を付して重複した説明を省略する。
【0027】
図1は、本発明の第1の実施形態の概略構成図である。図1が図11と異なる点は、ガイドシュー5a〜5dにそれぞれ電極部23a〜23dが取り付けられると共に、配線材12及びカウンタウェイト用テールコード13が省略されている点と、機械室2内に交流電源部24及び脱レール検出部25が配設されると共に、一対すなわち2本のガイドレール6の上端部と交流電源部24とがリード線26により接続され、また、脱レール検出部25からの検出信号が信号線27によりエレベータ制御装置10に送られるようになっている点である。
【0028】
電極部23a〜23dは、例えば、銅、又はアルミ等の良伝導体により形成されており、ガイドレール6の端面から所定距離だけ離間した位置に配設されて、ガイドレール6との間に静電容量を発生させることができるようになっている。
【0029】
図2は、この実施形態における交流電源部24、脱レール検出部25、電極部23a〜23d、及びガイドレール6の接続関係を示した回路図である。この図において、C0は2本のガイドレール6と電極部23a〜23dとの間の静電容量、R1及びLは2本のガイドレール6の抵抗及びインダクタンス、Eは交流電源部24により2本のガイドレール6間に印加される電圧(数百ミリボルト程度)をそれぞれ示している。なお、この実施形態では2本のガイドレール6は互いに電気的に絶縁された状態にあるものとする。
【0030】
脱レール検出部25は、ブリッジ接続された複数のダイオード28により形成される整流回路29と、コンデンサC1、抵抗R2,R3、及び増幅器30により形成されるローパスフィルタ31と、ローパスフィルタ31からの脱レール検出信号V1と基準信号Vrefとの比較に基づき脱レールか否かを判定し、その判定結果をエレベータ制御装置10に出力する脱レール判定回路32とを有している。
【0031】
ここで、静電容量C0(F)は、下記の(1)式により求めることができる。(1)式中のεは電極部23a〜23dと2本のガイドレール6との間の誘電率、Aは電極部23a〜23dの面積(m2:mの2乗)、dは電極部23a〜23dと2本のガイドレール6との間のギャップ(m)である。そして、脱レール検出信号V1は、(2)式で示すように、(1)式で求められる静電容量C0の関数f(C0)で表すことができる。
【0032】
C0=ε・A/d    … (1)
V1=f(C0)    … (2)
次に、上記のように構成される本実施形態の動作につき説明する。エレベータ制御装置10が、乗り場呼び及びかご呼びに応答して乗りかご3及びカウンタウェイト4を昇降路1内で昇降動させている間、2本のガイドレール6間には交流電源部24により交流電圧E(例えば、0.7V)が印加されている。電極部23a〜23d及び2本のガイドレール6は静電容量C0を有するコンデンサとして機能し、このコンデンサの両端の交流電圧が整流回路29に入力される。整流回路29は、この交流電圧の入力に基づく直流電圧をローパスフィルタ31に出力する。ローパスフィルタ31は、入力した直流電圧のノイズ分を除去し、低域成分を脱レール検出信号V1として脱レール判定回路32に出力する。脱レール判定回路32は、この脱レール検出信号V1と基準信号Vrefとを比較するが、正常な状態すなわちカウンタウェイト4に脱レール現象が発生していない状態であれば、V1>Vrefであり、脱レール判定回路32は「0」信号を正常である旨の信号としてエレベータ制御装置10に出力する。したがって、エレベータ制御装置10は、そのまま変わらずにエレベータ運転を継続する。
【0033】
しかし、エレベータ運転中に地震が発生してカウンタウェイト4に脱レールが発生すると、(1)式中のdが極端に大きくなるためC0が非常に小さくなる。そのため、V1<Vrefとなり、脱レール判定回路32は「1」信号を脱レール発生信号としてエレベータ制御装置10に出力する。これにより、エレベータ制御装置10は直ちにエレベータ運転を停止する。
【0034】
上述した第1の実施形態では、交流電源部24により2本のガイドレール6に印加される交流電圧によって電極部23a〜23dが脱レール検出センサとして機能するようになっている。そして、本来的にはカウンタウェイト4の移動経路としての役割しか持たないガイドレール6を電極部23a〜23dの電源供給経路として利用しているので、従来のようなカウンタウェイト用テールコード13を用いる必要がなくなり、また、バッテリのような電源装置を電極部23a〜23dの付近に配設する必要もなくなっている。また、機械室2に最も近いガイドレール6の上端部をリード線26により交流電源部24に接続しているので、リード線26の長さも短くすることができ、配線の際の施工も簡単に行うことができる。
【0035】
次に、本発明の第2の実施形態につき説明する。上記実施形態は2本のガイドレール6が互いに電気的に絶縁された状態であったが、この第2の実施形態は2本のガイドレール6が互いに電気的に絶縁されていない状態となっている。本発明は、2本のガイドレール6間に数百ミリボルト程度の交流電圧を印加しておき、この2本のガイドレール6と電極部23a〜23dとの間の静電容量の変化に基づき脱レールの有無を検出するものであるから、2本のガイドレール6間は絶縁されていた方が、脱レール時とそうでないときとの静電容量の変化が大きくなり好ましいものと言える。しかし、実際には鉄骨部材等により2本のガイドレール6間が連結されており、絶縁状態になっていない場合もある。第2の実施形態は、このような場合にも、第1の実施形態と同様に脱レールを検出できることを示すものである。
【0036】
図3は、この第2の実施形態における交流電源部24、脱レール検出部25、電極部23a〜23d、及びガイドレール6の接続関係を示した回路図である。図3が図2と異なる点は、交流電源部24と脱レール検出部25との間に接続されている抵抗や静電容量の接続状態及びそれらの値などである。すなわち、2つの抵抗R11はそれぞれ2本のガイドレール6の各抵抗分を示しており、その間に介挿されている抵抗R12は2本のガイドレール6間をつなぐ連結部材の抵抗分を示している。また、C01は一方のガイドレール6と電極部23a,23bとの間の静電容量、C02は他方のガイドレール6と電極部23c,23dとの間の静電容量を示しており、L1は2本のガイドレール6及び連結部材のインダクタンスを示している。なお、2本のガイドレール6の各抵抗は等しくR11となっているのに対し、静電容量の方はC01,C02と異なった値になっているのは、ガイドレール6に対する位置又は姿勢が電極部23a,23b側と電極部23c,23d側とでは異なるのが通常だからである。この第2の実施形態の動作は第1の実施形態の場合と同様であるため重複した説明を省略する。
【0037】
図4は、本発明の第3の実施形態の要部についての概略構成図である。この実施形態では、図1における電極部23a〜23dの代わりに、ガイドシュー5a,5b間及び5c,5d間に挟まれるように配設された長寸状の電極部33a,33bを用いている。そして、図5は図4のV−V線矢視図であり、この図に示すように、電極部33aのガイドレール対向面となる凹部33a1の内面上には絶縁体34が貼付されている。この絶縁体34を貼付することにより、カウンタウェイト4又はカウンタウェイト4上に設けられている部材からの電気的影響を遮断することができ、正確な静電容量C0を得ることができる。
【0038】
図6は、本発明の第4の実施形態の概略構成図である。図6が図1と異なる点は、2本のガイドレール6のうちの一方が下端部に接続されたケーブル35を介して接地されている点である。このような接地により、基準となる電源ラインを安定させることができ正確な静電容量C0を得ることができるので、高い信頼性で脱レールを検出することができる。なお、図6に示した例ではケーブル35を一方のガイドレール6の下端部に接続しているが、下端部以外の他の個所に接続するようにしてもよい。
【0039】
図7は、本発明の第5の実施形態の要部についての概略構成図である。この実施形態におけるカウンタウェイト4は、図1に示したようなガイドシュー5a〜5dではなく、ローラガイド機構36a〜36dを介して2本のガイドレール6に昇降動自在に取り付けられている。そして、電極部23a〜23dはこれらローラガイド機構36a〜36dに取り付けられている。
【0040】
図8は、図7の一部すなわちローラガイド機構36a及び電極部23aの付近を示した一部拡大図である(ローラガイド機構36b〜36dも同様の構成である)。この図に示すように、ローラガイド機構36aは、カウンタウェイト4に固着された台座37と、台座37に取り付けられ支持部材38と、支持部材38に軸支され凸部6aの端面に当接するローラ39と、台座37に取り付けられた取付座40と、取付座40に固定された支持部材41と、支持部材41にボルト部材を介して取り付けられた支持部材42と、支持部材42に軸支され凸部6aの一方の側面に当接するローラ43と、取付座40に立設された支持部材44と、支持部材44に固着された取付部材45と、を有している。そして、この取付部材45に電極部23aが取り付けられている。なお、図示されているガイドレール6の凸部6aの側面は一方の側面であり、他方の側面にも同様のローラ43が同様の構成により当接している。
【0041】
カウンタウェイト4は、通常は図1に示したように、ガイドシュー5a〜5dを介してガイドレール6に昇降動自在に取り付けられるが、エレベータの型式によっては上記のようなローラガイド機構36a〜36dを介して取り付けられることもある。このようなローラガイド機構を用いた構成によれば、ガイドレールからの脱レールはより発生しにくくなるが、本実施形態はこのようなローラガイド機構を用いた構成に対しても電極部を取り付けることが可能なことを示している。なお、図1等の概略構成図においては、乗りかご3のガイドレールに対する取付構造の図示は省略しているが、実際は上記のようなローラガイド機構を用いた取付構造を採用している。
【0042】
図9は、本発明の第6の実施形態の概略構成図である。この実施形態は、ガイドレール6がいずれかの個所で破断した場合に、この破断を直ちに検出する機能を備えたものである。図9が図1と異なる点は、機械室2内に配設されている交流電源部を第1の交流電源部24Aとすると共に、最下階に第2の交流電源部24Bを配設し、2本のガイドレール6の下端部をこの第2の交流電源部24Bに接続している点である。
【0043】
図10は、この実施形態における交流電源部24A,24B、脱レール検出部25、電極部23a〜23d、及びガイドレール6の接続関係を示した回路図であり、(a)は正常時の回路図、(b)はレール破断時の回路図を示している。図10(a)において、C0は2本のガイドレール6と電極部23a〜23dとの間の静電容量、R1及びLは2本のガイドレール6の抵抗及びインダクタンス、Eは交流電源部24により2本のガイドレール6間に印加される電圧(数百ミリボルト程度)をそれぞれ示している。また、図10(b)において、C0A,R1A,LAは、それぞれ破断個所より上側部分における静電容量、抵抗、インダクタンスを示し、C0B,R1B,LBは、それぞれ破断個所より下側部分における静電容量、抵抗、インダクタンスを示している。なお、この実施形態では2本のガイドレール6は互いに電気的に絶縁された状態にあるものとする。
【0044】
次に、この第6の実施形態の動作につき説明する。正常時すなわちレール破断が発生していない時には、図10(a)の回路状態でエレベータの運転が行われている。この状態において脱レール現象が発生した場合には、既述した各実施形態と同様に、脱レール発生信号としての「1」信号をエレベータ制御装置10に出力する。
【0045】
そして、正常にエレベータの運転を行っている間に地震が発生し、ガイドレール6がいずれかの個所で破断した時には回路状態は図10(b)に切り換わる。すなわち、静電容量がC0からC0A及びC0Bに変化するため、脱レール検出部25はこの変化をレール破断の発生と判別して「1」信号をエレベータ制御装置10に出力する。これにより、エレベータ制御装置10は直ちに運転を停止し、カウンタウェイト4を破断個所の手前で停止させて、脱レールを未然に防止することができる。
【0046】
この第6の実施形態の構成は、カウンタウェイト側のガイドレールのレール破断を検出するためのものであったが、同様の構成を乗りかご側に対しても適用し、乗りかご側のガイドレールのレール破断についても検出することができる。但し、この場合、乗りかご側ではローラガイド機構を用いており、脱レール現象は発生しにくくなっているので、この構成は脱レールというよりもレール破断を主として検出するための構成と言える。したがって、図10における脱レール検出部25、更にこの脱レール検出部25内の脱レール判定回路32は、それぞれ「レール破断検出部25」及び「レール破断判定部32」に読み換えるものとする。
【0047】
なお、既述した各実施形態では、交流電源部24,24A、脱レール検出部25等は機械室2内に配設された構成となっているが、近時は機械室2を設置しないタイプのエレベータシステムが広汎に施工されている。したがって、これら交流電源部24,24A、脱レール検出部25等は機械室2以外の他の個所に配設する場合もある。
【0048】
また、既述した各実施形態では、ガイドレール6が2本の場合につき説明したが、必ずしも2本の場合に限定する必要はなく、ガイドレールが3本以上であっても本発明の技術を適用することは可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、非接触型検出機構を採用した構成でありながら、センサ付近にバッテリ等の電源を設置する必要がなく、また、カウンタウェイト用テールコードを不要とするエレベータの脱レール検出装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の概略構成図。
【図2】第1の実施形態における交流電源部24、脱レール検出部25、電極部23a〜23d、ガイドレール6の接続関係を示した回路図。
【図3】第2の実施形態における交流電源部24、脱レール検出部25、電極部23a〜23d、ガイドレール6の接続関係を示した回路図。
【図4】本発明の第3の実施形態の要部についての概略構成図。
【図5】図4のV−V線矢視図。
【図6】本発明の第4の実施形態の概略構成図。
【図7】本発明の第5の実施形態の要部についての概略構成図。
【図8】図7のローラガイド機構36a及び電極部23aの付近を示した一部拡大図。
【図9】本発明の第6の実施形態の概略構成図。
【図10】第6の実施形態における交流電源部24A,24B、脱レール検出部25、電極部23a〜23d、及びガイドレール6の接続関係を示した回路図。
【図11】従来装置の概略構成を示す説明図。
【図12】図12において用いられる脱レール検出機構の説明図であり、(a)は接触型検出機構、(b)は非接触型検出機構を示している。
【符号の説明】
1 昇降路
2 機械室
3 乗りかご
4 カウンタウェイト
5a〜5d ガイドシュー
5a1 凹部
6 ガイドレール
6a 凸部
7 巻上シーブ
8 ガイドシーブ
9 メインロープ
10 エレベータ制御装置
11 テールコード
12 配線材
13 カウンタウェイト用テールコード
14 脱レール検出ローラ
15 支持部材
15a 鍔部
16 コイルバネ
17 マイクロスイッチ
17a レバー部
17b プランジャ
18 信号線
19 投光センサ
20 受光センサ
21 センサ制御部
22 信号線
23a〜23d 電極部
24 交流電源部
24A 第1の交流電源部
24B 第2の交流電源部
25 脱レール検出部
26 リード線
27 信号線

Claims (10)

  1. メインロープにより乗りかごに連結されたカウンタウェイトが、昇降路に沿って配設された少なくとも2本以上のガイドレールにガイドシューを介して昇降動自在に取り付けられているエレベータシステムにおいて、
    前記ガイドシュー又はその付近に取り付けられた電極部と、
    一対の前記ガイドレール間に交流電圧を印加する交流電源部と、
    前記電極部と前記ガイドレールとの間に発生する静電容量の変化に基づいて前記カウンタウェイトが脱レールしたことを検出する脱レール検出部と、
    を備えたことを特徴とするエレベータの脱レール検出装置。
  2. 前記脱レール検出部は、
    前記一対のガイドレール間の交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、
    前記整流回路からの直流電圧の低域成分のみを通過させるローパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタからの検出信号と基準信号との比較に基づいて脱レールの有無を判定する脱レール判定回路と、
    を有するものである、
    ことを特徴とする請求項1記載のエレベータの脱レール検出装置。
  3. 前記一対のガイドレール間が電気的に絶縁された状態にある、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のエレベータの脱レール検出装置。
  4. 前記一対のガイドレール間が電気的に絶縁されていない状態にある、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のエレベータの脱レール検出装置。
  5. 前記電極部のガイドレール対向面上に絶縁体が貼付されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエレベータの脱レール検出装置。
  6. 前記一対のガイドレールのうちの一方が接地されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至3、請求項5のいずれかに記載のエレベータの脱レール検出装置。
  7. 前記ガイドシューに代えてローラガイド機構を用いた、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のエレベータの脱レール検出装置。
  8. 前記交流電源部を2つの交流電源部により構成し、一方の交流電源部及び他方の交流電源部をそれぞれ前記一対のガイドレールの上端部側及び下端部側に接続した、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のエレベータの脱レール検出装置。
  9. 昇降路に沿って配設された少なくとも2本以上の乗りかご用ガイドレールにローラガイド機構介して乗りかごが昇降動自在に取り付けられているエレベータシステムにおいて、
    前記ローラガイド機構又はその付近に取り付けられた電極部と、
    一対の前記ガイドレールの上端部側及び下端部側にそれぞれ接続され、この一対の前記ガイドレール間に交流電圧を印加する2つの交流電源部と、
    前記電極部と前記ガイドレールとの間に発生する静電容量の変化に基づいて前記ガイドレールがいずれかの個所で破断したことを検出するレール破断検出部と、
    を備えたことを特徴とするエレベータの脱レール検出装置。
  10. 前記レール破断検出部は、
    前記一対のガイドレール間の交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、
    前記整流回路からの直流電圧の低域成分のみを通過させるローパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタからの検出信号と基準信号との比較に基づいてレール破断の有無を判定するレール破断判定回路と、
    を有するものである、
    ことを特徴とする請求項9記載のエレベータの脱レール検出装置。
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JP2014055043A (ja) * 2012-09-12 2014-03-27 Hitachi Ltd エレベーター装置及びこれに用いる脱レール検出装置
CN110234587A (zh) * 2017-02-08 2019-09-13 通力股份公司 用于确定电梯中的轿厢及配重的重量的方法

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