JP2004089799A - 中空糸膜束用補強材 - Google Patents

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Abstract

【課題】中空糸膜束の収容固定が容易な中空糸膜束用補強材の提供。
【解決手段】中空糸膜束用補強材10は、環状外枠11、複数の仕切り板12により囲まれた扇形孔a〜hを有している。これらの扇形孔a〜h内に中空糸膜束の端部を挿入し、接着剤で固着することで、ケースハウジング内への収容作業が容易となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空糸膜束用補強材及び中空糸膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
液出入口を有するケースハウジング内に所要数の中空糸膜束を収容し、ケースハウジング内への液(原水、透過水等)の出入りを前記液出入口のみにより行うタイプの中空糸膜モジュールがあり、このようなタイプのものは、比較的大型のモジュールに適用されることが多い。
【0003】
しかし、このようなタイプの中空糸膜モジュールを製造するとき、ケースハウジング内には複数の中空糸膜からなる中空糸膜束を数多く収容することになるため、その収容作業は繁雑となり、大きな労力を要することになる。
【0004】
また、上記した中空糸膜モジュールを用いて濾過運転するとき、液出入口から原水等が出入りすることなるため、液出入口に面した位置にある中空糸膜束のみが、原水等の出入りに伴う圧力を受け続けることになる。特に、液出入口がケースハウジングの側面上方にある場合は、中空糸膜束の上方のみが圧力を受けることになり、複数の中空糸膜束が揺れて、互いに衝突を繰り返すことになる。
【0005】
このような事態が生じた場合、前記中空糸膜束を構成する中空糸膜の断線等の破損が生じやすく、中空糸膜束の内、特定部位の中空糸膜の交換頻度が高くなるという問題があり、交換作業による濾過運転の中断、運転コストの上昇等の問題が生じる。
【0006】
本発明は、中空糸膜束の収容固定作業を簡便化できる中空糸膜束用補強材、及びそれを用いた中空糸膜モジュールを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、課題の解決手段として、環状外枠と、外枠内を8以上の扇形孔に分ける仕切り板との組み合わせからなり、扇形孔内において中空糸膜束を支持するための中空糸膜束用補強材を提供するものである。
【0008】
このような中空糸膜束用補強材を用いることにより、中空糸膜束の支持固定が容易となるため、ケースハウジング内に中空糸膜束を収容固定して中空糸膜モジュールを製造するときの作業が容易となるほか、液出入口からの液出入りに伴う流れによって中空糸膜束同士が揺れて衝突を繰り返し、破損することが防止される。
【0009】
請求項2の発明は、課題の他の解決手段として、環状外枠と、外枠内を8以上の扇形孔に分ける仕切り板との組み合わせからなり、扇形孔内において中空糸膜束を支持するための中空糸膜束用補強材であり、更に中空糸膜モジュールに取り付けたときに液出入口からの液出入りによる液圧を緩和するための緩衝板が付設されている中空糸膜束を支持するための中空糸膜束用補強材を提供するものである。
【0010】
このような中空糸膜束用補強材を用いることにより、請求項1の発明と同様の作用がなされるほか、液出入口からの液出入りによる液圧が緩和されるため、液の出入りに伴う流れによって中空糸膜束同士が揺れて衝突を繰り返し、破損することが防止される。
【0011】
請求項3〜6は、本発明の課題を解決する上で、請求項1、2等の発明の好ましい態様に係る発明である。
【0012】
請求項7の発明は、課題の他の解決手段として、液出入口を有する縦長のケースハウジング内に、複数本の中空糸膜の一端又は両端が接着剤で一体化された複数の中空糸膜束が収容された中空糸膜モジュールであり、複数の中空糸膜束が、請求項1及び4〜6のいずれか1記載の中空糸膜束用補強材の扇形孔に収容され、接着剤により外枠と仕切り板に固定されており、更に中空糸膜束用補強材がケースハウジングに固定されている中空糸膜モジュールを提供するものである。
【0013】
このような中空糸膜束用補強材を用いることにより、中空糸膜束の支持固定が容易となるため、ケースハウジング内に中空糸膜束を収容固定して中空糸膜モジュールを製造するときの作業が容易ほか、液出入口からの液出入りに伴う流れによって中空糸膜束同士が揺れて衝突を繰り返し、破損することが防止される。
【0014】
請求項8の発明は、課題の他の解決手段として、液出入口を有する縦長のケースハウジング内に、複数本の中空糸膜の一端又は両端が接着剤で一体化された複数の中空糸膜束が収容された中空糸膜モジュールであり、複数の中空糸膜束が、請求項2〜6のいずれか1記載の中空糸膜束用補強材の扇形孔に収容され、接着剤により外枠と仕切り板に固定されており、更に中空糸膜束用補強材が、緩衝板が液出入口に正対するようにケースハウジングに配置されている中空糸膜モジュールを提供するものである。
【0015】
このような中空糸膜束用補強材を用いることにより、請求項7の発明と同様の作用がなされるほか、液出入口からの液出入りによる液圧が緩和されるため、液の出入りに伴う流れによって中空糸膜束同士が揺れて衝突を繰り返し、破損することが防止される。
【0016】
請求項9〜14は、本発明の課題を解決する上で、請求項7、8等の発明の好ましい態様に係る発明である。
【0017】
【発明の実施の形態】
(1)中空糸膜束用補強材の実施形態
以下、図面により、本発明の中空糸膜束用補強材を説明する。図1は中空糸膜束用補強材の平面図、図2は図1の正面図、図3は他実施形態の中空糸膜束用補強材の平面図、図4は図3の正面図である。なお、図1、図3では、中空糸膜束の収容状態を説明するため、扇形孔hのみに中空糸膜束を示している。
【0018】
図1、図2に示す中空糸膜束用補強材10は、環状外枠11と、環状外枠11内を仕切る複数の仕切り板12との組み合わせからなり、複数の仕切り板12は、環状外枠11と中央部の基点部13との間を連結している。中空糸膜束用補強材10は、軽量で高強度にするため、繊維強化樹脂製であることが好ましい。
【0019】
環状外枠11内は、環状外枠11の一部周辺(円弧)と、2つの仕切り板12とで囲まれた8つの扇形孔a〜hを有しており、扇形孔は8以上であれば特に上限は制限されず、適用する中空糸膜モジュールの大きさ等に応じて適宜設定する。中空糸膜束用補強材10を使用して中空糸膜モジュールを製造するとき、扇形孔a〜h内に中空糸膜束116を収容し、接着剤118で固定する。
【0020】
環状外枠11内の面積Aに対する扇形孔a〜hの全占有面積Aの割合(A/A)は、好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上である。前記割合を65%以上にすることにより、単位面積当たりの中空糸膜束の充填率(収容本数)増加させることができ、その結果、有効膜面積を増加させることができるので、中空糸膜モジュールの濾過性能を向上させることができる。なお、Aは、Aから仕切り板12の面積を引いた値である。
【0021】
環状外枠11の幅Wは、好ましくは1〜30mm、より好ましくは5〜20mm、更に好ましくは7〜15mmであり、厚みTは、好ましくは10〜200mm、より好ましくは20〜100mm、更に好ましくは30〜60mmである。
【0022】
仕切り板12の幅Wは、好ましくは1〜30mm、より好ましくは5〜20mm、更に好ましくは7〜15mmであり、厚みTは、好ましくは10〜200mm、より好ましくは20〜100mm、更に好ましくは30〜60mmである。
【0023】
図3に示す中空糸膜束用補強材20は、緩衝板30を有するほかは、図1、図2に示す中空糸膜束用補強材10と同じ構造及び寸法のものである。
【0024】
環状外枠21と、環状外枠21内を仕切る複数の仕切り板22との組み合わせからなり、複数の仕切り板22は、環状外枠21と中央部の基点部23との間を連結している。中空糸膜束用補強材20は、軽量で高強度にするため、繊維強化樹脂製であることが好ましい。
【0025】
環状外枠21内は、環状外枠21の一部周辺(円弧状辺)と、2つの仕切り板22とに囲まれた8つの扇形孔a〜hを有しており、扇形孔は8以上であれば特に上限は制限されず、適用するケースハウジングの大きさ等に応じて適宜設定する。中空糸膜束用補強材20を使用して中空糸膜モジュールを製造するとき、扇形孔a〜h内に中空糸膜束116を収容し、接着剤118で固定する。
【0026】
環状外枠21内の面積Aに対する扇形孔a〜hの全占有面積Aの割合(A/A)は、好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上である。前記割合を65%以上にすることにより、単位面積当たりの中空糸膜束の充填率(収容本数)増加させることができ、その結果、有効膜面積を増加させることができるので、中空糸膜モジュールの濾過性能を向上させることができる。なお、Aは、Aから仕切り板22の面積を引いた値である。
【0027】
環状外枠21及び仕切り板22の幅及び厚みは、図1、図2で示す環状外枠11及び仕切り板12の幅及び厚みと同じ数値範囲にすることができる。
【0028】
中空糸膜束用補強材20では、扇形孔d、eの部分に緩衝板30が設けられている。
【0029】
緩衝板30は、一方向に突き出たアーチ状の緩衝面31と、2枚の支持板32、33とを有しており、環状外枠21及び仕切り板22と一体化されている。支持板32、33は、枠体にしても良く、孔を設けても良い。緩衝面31は、中央部が1本の仕切り板22に当接(又は接した状態で固着)され、2枚の支持板32、33は、それぞれ1本の仕切り板22と環状外枠21に接した状態で固着されている。
【0030】
このように緩衝板30を支持枠20と一体にすることにより、透過水を用いた逆圧洗浄水等による液圧を受けた場合でも、緩衝板30が変形したり、脱落したりすることが防止される。
【0031】
(2)中空糸膜モジュールの実施形態
以下、図面により、本発明の中空糸膜モジュールを説明する。図5は、中空糸膜モジュールの概略部分断面図、図7は、他実施形態である中空糸膜モジュールの概略部分断面図であり、いずれの図面も筒状本体部とキャップは断面を示すが、他は断面ではなく、ハッチングは部材ごとの区別を明確にするために付した。図6は、図5の半径方向への概略断面図であり、図5における中空糸膜補強材の取付状態を説明するための図である。なお、図6では、中空糸膜束の収容状態を説明するため、扇形孔eのみに中空糸膜束を示している。
【0032】
図5で示す中空糸膜モジュール100は、筒状本体部112と、上部キャップ114と下部キャップ115とから外殻(ケースハウジング)が形成されている。なお、下部キャップ115を設けずに、筒状本体部112の下部を閉塞して底部を設けても良い。これらの筒状本体部112、上部キャップ114、下部キャップ115は、繊維強化樹脂又はステンレス製であることが好ましい。
【0033】
上部キャップ114には、フランジ114bを有する上部出入口(濃縮液出口、透過水出口、逆圧洗浄水の供給口又は原水供給口)114aが設けられており、下部キャップ115には、フランジ115bを有する下部液出入口(原水供給口、濃縮液出口、透過水出口又は逆圧洗浄水の供給口)115aが設けられている。
【0034】
上部出入口114aには、例えば濃縮液ラインを形成するパイプ140を接続するが、このとき、上部出入口114aのフランジ114bと、パイプ140のフランジ141との間にはシール材を介在させることが望ましい。
【0035】
下部出入口115aには、例えば原水ラインを形成するパイプ142を接続するが、このとき、上部出入口115aのフランジ115bと、パイプ142のフランジ143との間にはシール材を介在させることが望ましい。
【0036】
筒状本体部112の側面上方部には、前記側面から外側に突き出た状態で、筒状の透過水出入口120(以下、120は透過水出入口とするが、原水供給口又は濃縮液出口にすることもできる。)が設けられている。これらの透過水出入口120の開口部側には、同形状の保護出入口125を、ねじ込み等の手段により、着脱自在に取り付けることが望ましい。
【0037】
このような保護出入口125を取り付けることにより、例えば原水槽と連結するためのパイプを透過水出入口120に直接接続せずに保護出入口125を介して接続することができるので、取付作業により透過水出入口120が破損することが防止される。そして、保護出入口125を着脱自在にすることで、保護出入口125が破損した場合には、容易に交換することができる。
【0038】
筒状本体部112の両端開口部においては、上部キャップ114側に中空糸膜束用補強材20が配置され、下部キャップ115側に中空糸膜束用補強材10が配置されている。中空糸膜束用補強材10、20は、筒状本体部112の内周面に接着固定されている。
【0039】
中空糸膜束用補強材20の扇形孔a〜h内には、図3、図5に示すように、中空糸膜束116の上端部が挿入され、中空糸膜束116を構成する中空糸膜同士、並びに中空糸膜束116、環状外枠11及び仕切り板12が互いに樹脂(接着剤)118で固着一体化されている。なお、中空糸膜束用補強材20は、緩衝板30が原水供給口120に正対するように配置されている。
【0040】
中空糸膜束用補強材10の扇形孔a〜h内には、図1、図5に示すように、中空糸膜束116の下端部が挿入され、中空糸膜束116を構成する中空糸膜同士、並びに中空糸膜束116、環状外枠11及び仕切り板12が互いに接着剤118で固着一体化されている。
【0041】
なお、必要に応じて、中空糸膜束116の両端側以外にも、1又は2以上の中空糸膜束用補強材10を配置することができる。
【0042】
このように中空糸膜束用補強材20及び中空糸膜束用補強材10を併用することにより、中空糸膜束116の支持固定が容易となるほか、液の出入りに伴う流れによって中空糸膜束116同士が揺れて衝突を繰り返し、破損することが防止される。
【0043】
更に中空糸膜用補強材20は緩衝板30を備えているので、透過水出入口120から供給される逆圧洗浄水(透過水を使用)が直接中空糸膜束116に当たることが防止されるため、中空糸膜束116に対する液圧が緩和される。緩衝板30の面積は、前記作用をなすため、原液供給口120の開口面積の1.2倍以上にすることが好ましく、1.5倍以上にすることがより好ましい。
【0044】
緩衝板30は、緩衝面31と2枚の支持板32、33の3面からなるものであるから、上方側及び下方側は開口しており(但し、上方側開口部は気泡抜き用の小さな孔)、透過水出入口120から供給された逆圧洗浄水は、緩衝面30に当たった後、主に前記の下方開口部から中空糸膜束116に供給される。このとき、支持板32、33を枠体にするか、又は支持板32、33に孔を設けて、下方開口部に加え、支持板32、33側からも原液を供給できるようにしても良い。
【0045】
中空糸膜束用補強材20又は中空糸膜束用補強材10の設置位置における筒状本体部112の内径(D)と、中空糸膜束116を固定する接着剤118の厚み(t)との比率(t/D)は、好ましくは1/7以下、より好ましくは1/8以下、更に好ましくは1/9以下である。なお、接着剤118の厚みtは、環状外枠21又は11の厚み以下となる。
【0046】
中空糸膜束用補強材20、10を使用しないで中空糸膜束116の端部を接着剤118で固定する場合、同等の補強効果を得ようとすると接着剤118の厚みが厚くなってしまい(中空糸膜束116が接着剤118で覆われる部分の長さが長くなる。)、その結果、有効膜面積の低下が大きくなる。しかし、中空糸膜束用補強材20、10を使用することにより、樹脂で覆われる部分(樹脂封止部分)の長さを短くできるので、有効膜面積の低下が小さい。
【0047】
中空糸膜束116の長さ(L)に対する接着剤で覆われた部分の長さ(中空糸膜束116の端面から接着剤で覆われた部分の長さ)(L)の比率(L/L)は、好ましくは1/10以下、より好ましくは1/11以下、更に好ましくは1/12以下である。なおLは、環状外枠21又は11の厚み以下となる。
【0048】
/Lを上記範囲に設定することにより、中空糸膜束116における樹脂封止部分Lを短くできるので、有効膜面積の低下が小さい。
【0049】
中空糸膜束用補強材20、10の扇形孔a〜hの合計面積に対する中空糸膜束116の充填面積率(第1充填面積率)は、好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%以上であり、かつ中空糸膜束用補強材20、10の設置位置における筒状本体部112の幅方向断面積に対する中空糸膜束116の充填面積率(第2充填面積率)は、好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下、更に好ましくは40%以下である。
【0050】
第1充填面積率を上記範囲に設定することにより、単位面積当たりの中空糸膜の充填率(収容本数)を増加させることができ、その結果、有効膜面積を増加させることができるので、中空糸膜モジュールの濾過性能を向上させることができる。
【0051】
第2充填面積率を上記範囲に設定することにより、中空糸膜束116間に液の移動を円滑にするための空隙を確保できるので、場所により液濃度に差が生じることが防止され、濾過性能を向上させることができる。
【0052】
図5に示すとおり、ケースハウジングの両端側に配置された2つの中空糸膜束用補強材20、10により、中空糸膜束116が両端側で支持固定されているとき、2つの中空糸膜束用補強材20、10の取付位置にずれがないことが重要となる。これらの取付位置にずれが生じた場合には、中空糸膜束116に捻れが生じ、中空糸膜が破損する原因となる。
【0053】
このため、このような事態が生じないように、例えば、図6に示すような、位置決め手段を付設することが望ましい。
【0054】
筒状本体部112の内壁面、具体的には、中空糸膜束用補強材20が配置された上部内壁面と、中空糸膜束用補強材10が配置された下部内壁面に、それぞれ内側方向への2つの位置決め凸部130a、130bを設ける。
【0055】
一方、中空糸膜束用補強材20、10においても(図6では、中空糸膜束用補強材10を図示)、前記位置決め凸部130a、130bに対応する位置に、位置決め凹部15a、15bを設ける。
【0056】
そして、中空糸膜束用補強材20、10に両端が固定された中空糸膜束116を筒状本体部112内に収容するとき、位置決め凸部130aと位置決め凹部15a、位置決め凸部130bと位置決め凹部15bとが互いに合わさるようにして収容する。
【0057】
このような位置決め手段を使用することにより、2つの中空糸膜束用補強材20、10の取付位置が、同じ部位を基準とするずれ角度が1°以下になるように収容することができる。
【0058】
図7で示す中空糸膜モジュール200は、2つの中空糸膜束用補強材20、10が、ステンレス製の支持棒50に接続されている形態であり、他の構造は図5の中空糸膜モジュール100と同じである。
【0059】
支持棒50は、両端部が中空糸膜束用補強材20の基点部23と、中空糸膜束用補強材10の基点部13に、ボルト等の固定手段により固着されている。
【0060】
このような支持棒50を有する中空糸膜束用補強材を使用することにより、図6で示すような位置決め手段が不要となるほか、中空糸膜束116の収容固定作業も容易となる。更に、下部キャップ115から供給される原水や透過水出入口120から供給される逆圧洗浄水の水圧により、中空糸膜束用補強材20、10が変形することを抑制する効果もある。
【0061】
図5〜図7に示した中空糸膜モジュールにおいて、筒状本体部112の内径(D)と、中空糸膜束116に含まれる中空糸膜1本の外径(d)との比(d/D)は、好ましくは1/125〜1/900、より好ましくは1/200〜1/700、更に好ましくは1/300〜1/500である。
【0062】
d/D比を上記範囲に設定することにより、単位面積当たりの中空糸膜の充填率(収容本数)を増加させることができ、その結果、有効膜面積を増加させることができるので、中空糸膜モジュールの濾過性能を向上させることができる。
【0063】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0064】
実施例1
図5に示すような中空糸膜モジュールを作製した。中空糸膜束用補強材は、図1、2で示される中空糸膜束用補強材10と、図3、4で示される中空糸膜束用補強材20を用いた。詳細は次のとおりである。
【0065】
(ケースハウジング)
筒状本体部112は、内径450mm(D)、外径463mm、長さ1110mmのFRP製のものを用い、両端にはSUS製の上部及び下部キャップ114、115を取り付けた。114aが濃縮液出口、115aが原水供給口となる。
【0066】
(透過水出入口120)
筒状本体部112の端部から210mmの位置に、開口径228mmの出入口を設け、更にOリングを介し、塩化ビニル樹脂製の保護出入口125を取り付けた。
【0067】
(中空糸膜束用補強材20)
環状外枠11の幅(W)は12mm、厚み(T)は50mm、仕切り板12の幅(W)は10mm、厚み(T)は50mm
緩衝板30の緩衝面31の面積は、透過水出入口120の面積の1.5倍
環状外枠11内の面積(A)は158,962.5mm
扇形a〜hの全占有面積(A)は120,000mm
(中空糸膜束用補強材10)
環状外枠11の幅(W)は12mm、厚み(T)は50mm、仕切り板12の幅(W)は10mm、厚み(T)は50mm
(中空糸膜)
内径0.8mm(d)、外径1.3mm、長さ(L)1110mmの酢酸セルロース系中空糸膜を用い、中空糸膜束用補強材20の扇形孔a〜c、f〜hには、各6215本を挿入し、扇形孔d、eには、各3785本を挿入し、遠心シール機(東邦機械工業(株)製,横型遠心成型機)により、筒状本体部12の両端側に位置する中空糸膜相互、及び中空糸膜と中空糸膜束用補強材20、10の環状外枠の内周面とをウレタン系接着剤で接着封止した。接着剤の厚み(t)(接着剤で固着一体化された中空糸膜の一端側の長さL)は50mm(両端で100mm)、有効膜面積は110mであった。
【0068】
t/D=50/450=1/9
/L=50/1110=0.045
d/D=0.8/450
/A(中空糸膜束用補強材20)=120,000/158,962.5=0.75
実施例2
中空糸膜束用補強材20、10のそれぞれに、図6で示すような位置決め部材を設けたものを用いた他は実施例1と同様にして、中空糸膜モジュールを作製した。但し、扇形孔b、fの面積はやや小さくなるが、実質的な差異はない。
【0069】
このような位置決め部材を備えた中空糸膜束用補強材20、10を用いることにより、中空糸膜束用補強材20、10の取付位置のずれ角度は全くなくなった。
【0070】
実施例3
図7で示すような支持棒50を有する他は実施例1と同様の中空糸膜モジュールを作製した。支持棒50は、外径15mmのSUS製で、両端面の雄ネジ部を中空糸膜束用補強材20、10の基点部23、13に設けられた貫通孔(内径16mm)に通した後、螺子止めした。
【0071】
このような支持棒50で連結された中空糸膜束用補強材20、10を用いることにより、中空糸膜束用補強材20、10の取付位置のずれ角度は全くなくなった。
【0072】
【発明の効果】
本発明の中空糸膜束用補強材を使用することにより、中空糸膜モジュールを製造する際、中空糸膜束の収容固定が容易となり、作業性が向上する。
【0073】
本発明の中空糸膜束用補強材を使用した中空糸膜モジュールを用いて濾過運転したとき、中空糸膜束が一端側又は両端側で互いに固定されているので、ケースハウジング内に原水等の液が出入りする際の液圧で中空糸膜束が揺れ、中空糸膜束同士が衝突して中空糸膜が損傷することが防止される。更に中空糸膜束用補強材に緩衝板を付設することにより、ケースハウジング内に収容された中空糸膜に対する原水等の液出入りに伴う圧力が減少されるので、中空糸膜が損傷することが防止される。このため、本発明の中空糸膜モジュールを使用することにより、長期間、安定した濾過運転ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中空糸膜束用補強材の平面図。
【図2】図1の正面図。
【図3】他実施形態の中空糸膜束用補強材の平面図。
【図4】図3の正面図。
【図5】中空糸膜モジュールの概略縦断面図。
【図6】他実施形態の中空糸膜モジュールの半径方向の概略断面図。
【図7】他実施形態の中空糸膜モジュールの概略縦断面図
【符号の説明】
10、20 中空糸膜束用補強材
11、21 環状外枠
12、22 仕切り板
13、23 基点部
30 緩衝板
100、200 中空糸膜モジュール
112 筒状本体部
114 上部キャップ
115 下部キャップ
116 中空膜束
118 接着剤
120 透過水出入口

Claims (14)

  1. 環状外枠と、外枠内を8以上の扇形孔に分ける仕切り板との組み合わせからなり、扇形孔内において中空糸膜束を支持するための中空糸膜束用補強材。
  2. 環状外枠と、外枠内を8以上の扇形孔に分ける仕切り板との組み合わせからなり、扇形孔内において中空糸膜束を支持するための中空糸膜束用補強材であり、更に中空糸膜モジュールに取り付けたときに液出入口からの液出入りによる液圧を緩和するための緩衝板が付設されている中空糸膜束を支持するための中空糸膜束用補強材
  3. 緩衝板が、1つの扇形孔又は2以上の扇形孔にまたがり、扇形孔を周方向に沿うように仕切って設けられた、平面形状がアーチ状のものである請求項2記載の中空糸膜束用補強材。
  4. 環状外枠内の面積に対する扇形孔の占有面積の割合が65%以上である請求項1〜3のいずれか1記載の中空糸膜束用補強材。
  5. 環状外枠の幅が1〜30mm、厚みが10〜200mmで、仕切り板の幅が1〜30mm、厚みが10〜200mmである請求項1〜4のいずれか1記載の中空糸膜束用補強材。
  6. 繊維強化樹脂からなる請求項1〜5のいずれか1記載の中空糸膜束用補強材。
  7. 液出入口を有する縦長のケースハウジング内に、複数本の中空糸膜の一端又は両端が接着剤で一体化された複数の中空糸膜束が収容された中空糸膜モジュールであり、複数の中空糸膜束が、請求項1及び4〜6のいずれか1記載の中空糸膜束用補強材の扇形孔に収容され、接着剤により環状外枠と仕切り板に固定されており、更に中空糸膜束用補強材がケースハウジングに固定されている中空糸膜モジュール。
  8. 液出入口を有する縦長のケースハウジング内に、複数本の中空糸膜の一端又は両端が接着剤で一体化された複数の中空糸膜束が収容された中空糸膜モジュールであり、複数の中空糸膜束が、請求項2〜6のいずれか1記載の中空糸膜束用補強材の扇形孔に収容され、接着剤により外枠と仕切り板に固定されており、更に中空糸膜束用補強材が、緩衝板が液出入口に正対するようにケースハウジングに配置されている中空糸膜モジュール。
  9. ケースハウジングの中空糸膜束用補強材の設置位置における内径(D)と、中空糸膜束を固定する接着剤の厚み(t)との比率(t/D)が1/7以下である請求項7又は8記載の中空糸膜モジュール。
  10. 中空糸膜束の長さ(L)に対する接着剤で一体化された部分の長さ(L)の比率(L/L)が1/10以下である請求項7〜9のいずれか1記載の中空糸膜モジュール。
  11. 中空糸膜束用補強材の扇形孔の面積に対する中空糸膜束の充填面積率が50%以上であり、かつケースハウジングの中空糸膜束用補強材の設置位置における幅方向断面積に対する中空糸膜束の充填面積率が50%以下である請求項7〜10のいずれか1記載の中空糸膜モジュール。
  12. ケースハウジングの両端側に配置された中空糸膜束用補強材により、中空糸膜束が両端側で支持固定されており、前記2つの中空糸膜束用補強材の取付位置が、同じ部位を基準とするずれ角度が1°以下になるように、ケースハウジング内に設けられた位置決め部材により調整されている請求項7〜11のいずれか1記載の中空糸膜モジュール。
  13. 中空糸膜束用補強材が、ケースハウジング内に設けられたステンレス製の支持棒に接続されている請求項7〜12のいずれか1記載の中空糸膜モジュール。
  14. ケースハウジングの本体部の内径(D)と、中空糸膜束に含まれる中空糸膜1本の外径(d)との比(d/D)が1/125〜1/900である請求項7〜13のいずれか1記載の中空糸膜モジュール。
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