JP2004089774A - 気体の吸着放出方法及びその装置 - Google Patents

気体の吸着放出方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】安価で効率的に特定気体に対する吸着、放出を実施する。
【解決手段】特定気体を吸着する吸着物質5を収納した容器4と、容器内に振動を印加するための振動発生装置6と、容器内に特定気体を含む原気体を供給する経路に設けられた供給バルブ3と、容器から特定気体の含有率が低下した原気体を外部装置へ取出す出力バルブ11と、容器から特定気体の含有率が上昇した原気体を排出するための排気バルブ13a、13bとを備えている。そして、出力バルブ及び排気バルブを閉じた状態で供給バルブを介して原気体を容器内に供給してから所定の吸着期間経過後に出力バルブを所定の出力期間だけ開き、その後、出力バルブ及び供給バルブを閉じると共に排気バルブを所定の放出期間だけ開く。また、吸着期間T振動発生装置へ吸着促進の周波数域を指定すると共に放出期間T振動発生装置へ放出促進の周波数域を指定する。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器に収納された吸着物質に対して容器内の圧力を上昇又は低下させることによって、この吸着物質に対して特定気体を吸着又は放出させる気体の吸着方法、気体の放出方法、気体の吸着装置、気体の放出装置、及び気体の分離濃縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
純度がさほど要求されない大量の酸素を安価に製造する手法の一つとして、空気中に20%程度含まれる酸素の濃度を増加する手法がある。この手法を採用した酸素製造装置においては、吸着物質を収納した容器内にコンプレッサーで圧縮された空気を導入し、吸着物質で空気中に大量に含まれる窒素を吸着させることによって容器内に導入された空気中の酸素濃度を相対的に増加させる。具体的には、容器内の圧力が増加すると、時間経過と共に容器内に存在する空気に含まれる窒素が大量に吸着物質に吸着する。その結果、空気中の酸素濃度が相対的に増加する。
【0003】
この酸素濃度が増加した空気を容器外へ取出す。その後、容器内と外気と連通することにより、容器内の圧力を低下させる。すると、吸着物質に吸着された窒素が放出して容器内に戻り、その後容器外へ排気される。酸素濃度が増加した空気を再度コンプレッサーで圧縮して、容器内へ導入することにより、さらに酸素濃度を増加することができる。そして、このようにして、得られた酸素濃度が増加した空気を例えば冷却して液化酸素を製造する。
【0004】
なお、吸着する気体の種別に応じて吸着物質の種別や物理的特性が異なる。例えば、窒素分子を効率的に吸着する吸着物質として、天然又は合成のゼオライト(沸石)が実用化されている。
【0005】
また、この吸着物質が存在する環境(容器内)の気圧を上昇することによって、この吸着物質に特定の気体を吸着させて貯蔵でき、必要な時に、吸着物質が存在する環境(容器内)の気圧を減圧することにより、この貯蔵された特定の気体を取出すことができる気体貯蔵装置を構築することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、特定気体を効率的に吸着物質に吸着させ、吸着物質に吸着された特定気体を効率的に放出させるためには、この吸着物質が存在する環境(容器)の気圧を大きく変化させるとともに、ある程度以上の吸着時間及び放出時間が必要である。
【0007】
上述したように、酸素製造装置で安価で効率的に高濃度の酸素を大量に製造するためには、コンプレッサーの電力料金の節減や、吸着期間(時間)及び放出期間(時間)の短縮を図る必要があった。このような課題を解消する一つの手法として、吸着物質を大量に使用することが考えられるが、吸着物質を大量に使用すると、吸着物質の材料費が上昇するとともに設備費が上昇する。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、少ない費用で、従来の吸着物質の量や材料を変更することなく、設備の維持費(ランニングコスト)を節減でき、安価で効率的に特定気体に対する吸着、放出が実施できる気体の吸着方法、気体の放出方法、気体の吸着装置、気体の放出装置、及び気体の分離濃縮装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記の課題を解決するために行った検討の結果、吸着物質を収納した容器内の気体に特定の周波数域の振動を印加することによって、吸着物質に対する特定気体の吸着及び放出の促進を図ることができることを見出した。
【0010】
そこで、本発明は、特定気体を吸着する吸着物質を収納した容器に吸着すべき特定気体又はこの特定気体を含む原気体を注入して容器内の気圧を上昇させることによって、特定気体を吸着物質に吸着させる気体の吸着方法において、容器内の特定気体又は原気体に予め定められた吸着促進の周波数域の振動を印加して、特定気体の前記吸着物質に対する吸着を促進する。
【0011】
また別の発明は、上述した気体の吸着方法において、容器内の特定気体又は原気体に印加する振動の吸着促進の周波数域は、吸着物質の物理特性及び吸着させる特定気体の種別に応じて設定される。
【0012】
また別の発明は、上述した気体の吸着方法において、容器内の特定気体又は原気体に、騒音又は機械的振動又は流体的振動として印加されている振動のうち吸着を阻害する周波数の振動を検出して、この検出した振動の位相を反転して容器内の特定気体又は原気体に印加して、吸着を阻害する振動と相殺する。
【0013】
さらに別の発明は、特定気体が吸着された吸着物質を収納した容器内の気圧を低下させることによって、吸着物質に吸着された特定気体を放出させる気体の放出方法において、容器内の特定気体に予め定められた放出促進の周波数域の振動を印加して、特定気体の吸着物質からの放出を促進する。
【0014】
また別の発明は、上述した気体の放出方法において、容器内の特定気体に印加する振動の放出促進の周波数域は、吸着物質の物理特性及び放出させる気体の種別に応じて設定される。
【0015】
また別の発明は、上述した気体の放出方法において、容器内の特定気体に騒音又は機械的振動又は流体的振動として印加されている振動のうち放出を阻害する周波数の振動を検出して、この検出した振動の位相を反転して容器内の特定気体に印加して、放出を阻害する振動と相殺する。
【0016】
このように構成された気体の吸着方法及び気体の放出方法の動作原理を説明する。
先ず、気体の吸着方法においては、吸着物質が収納された容器内の気体に予め定められた吸着促進の周波数域の例えば音波等の振動を印加することによって、この気体が、印加された振動の吸着促進の周波数に応じて吸着物質の気体を吸着する場所の表面等で流体の振動により、微細な乱れを生起する。この乱れが、吸着物質の隙間を層流となって流れる気体の各分子が吸着物質の気体を吸着する場所の表面等において捕獲(トラップ)されやすくなり、吸着が促進されると考えられる。
【0017】
また、気体の放出方法においては、吸着物質が収納された容器内の気体に予め定められた放出促進の周波数域の例えば音波等の振動を印加することによって、一旦吸着物質に捕獲(トラップ)された分子が振動によって解放されやすくなり、放出が促進されると考えられる。
【0018】
このように、同一の気体を同一の吸着物質に対する吸着を促進する振動の周波数域すなわち吸着促進の周波数域と、吸着物質に対する放出を促進する振動の周波数域すなわち放出促進の周波数域との2種類の周波数域が存在する。
【0019】
このことは、気体を吸着物質に対して吸着動作期間中に放出促進の周波数域の振動が雑振動として混入した場合、吸着物質に対する吸着動作が阻害されることになる。そこで、本発明においては、この吸着を阻害する振動を検出して、この検出した振動の位相を反転して容器内の気体に印加して、吸着を阻害する振動と相殺することによって、結果的に、吸着を阻害する振動を低減でき、さらに吸着促進を図ることができる。
【0020】
同様に、放出動作期間中に吸着促進の周波数域の振動が雑振動として混入した場合、吸着物質からの気体の放出動作が阻害されることになる。そこで、この吸着を阻害する振動を検出して、この検出した振動の位相を反転して容器内の気体に印加して、放出を阻害する振動と相殺することによって、結果的に、放出を阻害する振動を低減でき、さらに放出促進を図ることができる。
【0021】
一般に、容器内の気体圧力の変化量を大きくすると吸着物質に対する特定気体の吸着量及び放出量は増大する。また、吸着期間(時間)及び放出期間(時間)を長くすると特定気体の吸着量及び放出量は増大する。
【0022】
振動を印加することにより吸着又は放出が促進されることは特定気体の吸着量及び放出量が増大することを意味するので、容器内の気体圧力の変化量を小さく、かつ吸着期間(時間)及び放出期間(時間)を短縮しても、振動を印加しない状態と同程度の吸着量及び放出量を得ることが可能である。
【0023】
したがって、容器内の気圧を加圧、減圧するためのエネルギーを小さくでき、かつ吸着期間(時間)及び放出期間(時間)を短縮でき、設備の維持費(ランニングコスト)を節減でき、安価で効率的に特定気体に対する吸着、放出を実施できる。
【0024】
また、別の発明は、特定気体を吸着する吸着物質を収納した容器に吸着すべき特定気体又はこの特定気体を含む原気体を注入して容器内の気圧を上昇させることによって、特定気体を前記吸着物質に吸着させる気体の吸着装置において、容器内の特定気体又は原気体に予め定められた吸着促進の周波数域の振動を印加して、特定気体の吸着物質に対する吸着を促進するようにしている。
【0025】
さらに、別の発明は、特定気体が吸着された吸着物質を収納した容器内の気圧を低下させることによって、吸着物質に吸着された気体を放出させる気体の放出装置において、容器内の特定気体に予め定められた放出促進の周波数域の振動を印加して、特定気体の吸着物質からの放出を促進するようにしている。
【0026】
このように構成された気体の吸着装置及び気体の放出装置においても、先に説明した気体の吸着方法及び気体の放出方法とほぼ同様の作用効果を奏することが可能である。
【0027】
さらに別の発明は、原気体に含まれる特定気体以外の気体の濃度を上昇させる気体の分離濃縮装置である。そして、この気体の分離濃縮装置は、
原気体中に含まれる特定気体を吸着放出する吸着物質を収納した容器と、この容器内の特定気体に対して指定された周波数域の振動を印加するための振動発生装置と、容器内に特定気体を含む原気体を供給する経路に設けられた供給バルブと、容器から特定気体の含有率が低下した原気体を外部装置へ取出す経路に設けられた出力バルブと、容器から特定気体の含有率が上昇した原気体を排出するための排気バルブと、出力バルブ及び排気バルブを閉じた状態で供給バルブを介して原気体を容器内に供給してから所定の吸着期間経過後に出力バルブを所定の出力期間だけ開き、その後、出力バルブ及び供給バルブを閉じると共に排気バルブを所定の放出期間だけ開くバルブ制御手段と、吸着期間振動発生装置へ吸着促進の周波数域を指定すると共に放出期間振動発生装置へ放出促進の周波数域を指定する周波数域制御手段とを備えている。
【0028】
このように構成された気体の分離濃縮装置においては、吸着物質を収納した容器内において供給された原気体に含まれる特定気体は吸着期間内に吸着物質に吸着される。そして、この特定気体が吸着され、特定気体以外の気体の含有率が上昇した原気体が外部装置へ取出される。その後、放出期間の間、排気バルブを開放して容器内の気圧を低下させて、吸着物質に吸着されている特定気体を放出させる。
【0029】
この吸着期間に吸着促進の周波数域の音波が容器内に印加され、放出期間に放出促進の周波数域の音波が容器内に印加される。よって、特定気体と分離された特定気体以外の気体の濃度が上昇した原気体が得られる。
【0030】
また、上述した振動発生装置として、音響装置、カルマン渦による振動装置、機械的振動板による振動装置、ピエゾフィルム及びピエゾ効果を用いた振動装置、又はこれらを組み合わせた装置、あるいは共振装置を組み合わせた装置等が推奨される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の気体の吸着方法及び気体の放出方法が適用された第1実施形態の気体の分離濃縮装置の概略構成を示す模式図である。この第1実施形態の気体の分離濃縮装置においては、原気体としての空気中に存在する特定気体としての窒素を吸着物質に吸着させることによって、結果的に酸素の含有率が高い空気を取出して、例えば液体酸素製造装置等の酸素使用設備へ供給する。
【0032】
図1において、コンプレッサー1は大気中の空気aを取込んで例えば40kPaまで圧縮して、供給導管2及び供給バルブ3を介して円筒形状の容器4へ供給する。コンプレッサー1から供給される空気aの圧力は例えば40kPaに維持されている。高圧に耐える容器4内には、吸着物質5が複数層に亘って収納されている。この実施形態装置においては、特定気体としての空気中の窒素(窒素分子N)を主に吸着するゼオライト(沸石)を吸着物質5として採用している。
【0033】
この容器4内における上方位置に振動発生装置の一種である音響装置としてのスピーカ6が配設されている。このスピーカ6の下面と上面とを同一気圧に維持してスピーカ6の破損を防止するために、スピーカ6の下面と上面とを連通する連通管7が設けられている。
【0034】
容器4の側壁の上部位置に導管8の一端が取付けられ、導管8の他端は、酸素使用設備12に接続された出力管9と、窒素使用設備46に接続された排気管10aと、大気に連通する排気管10bとに分岐されている。出力管9には出力バルブ11が取付けられ、排気管10aには排気バルブ13aが取付けられ、他方の排気管10bには排気バルブ13bが取付けられている。
【0035】
そして、供給バルブ3(V)、排気バルブ13a(V)、排気バルブ13b(V)、出力バルブ11(V)は、それぞれ電磁バルブで構成されており、各バルブ3、13a、13b、11の開閉はバルブ開閉駆動部14で一括して制御される。各バルブ3、13a、13b、11は通電されたときのみ開き、通電されない状態では閉鎖状態を維持する。また、コンプレッサー1は、コンプレッサー駆動部15からの駆動信号にて駆動制御される。
【0036】
信号発生器16は、コンピュータからなる制御装置17からの指示に基づいて、吸着促進の周波数域内の一つの周波数Fである1kHzの信号、又は放出促進の周波数域内の一つの周波数Fである300Hzの信号を生成して、増幅器18へ送出する。なお、吸着促進の1kHzの周波数F及び放出促進の300Hzの周波数Fは実験的に求めた値である。増幅器18は、入力された各信号を増幅してそれぞれ音波信号として、スピーカ6へ印加する。スピーカ6は、印加された1kHzの音波信号又は300Hzの音波信号を、それぞれ、1kHzの振動としての音波又は300Hzの振動としての音波として出力する。
【0037】
前記コンピュータからなる制御装置17は、信号発生器16へ周波数F、Fの出力指示を送出するとともに、バルブ開閉駆動部14へ各バルブ3、13a、13b、11に対する開閉信号を送出する。さらに、制御装置17はコンプレッサー駆動部15を介してコンプレッサー1を運転制御する。
【0038】
そして、制御装置17は、図2に示すタイムチャートに従って、各バルブ3、13a、13b、11を開閉制御し、容器4内に印加する音波の印加タイミング及び音波の周波数を制御する。
【0039】
制御装置17は、電源投入されると、コンプレッサー駆動部15を介してコンプレッサー1を起動して、コンプレッサー1から供給管2へ供給される空気aの圧力を例えば40kPaに維持させておく。この状態においては、各バルブ3、13a、13b、11は閉鎖状態を維持している。また、この状態においては、容器4内の圧力は大気圧(=9.8kPa)である。
【0040】
空気aの圧力が40kPaに維持された状態において、時刻tから時刻tまでの期間Tだけ供給バルブ3を開放する。その結果、40kPaの空気aが容器4内に充填され、容器4内の圧力は9.8kPaから40kPaの初期圧力まで上昇する。また、時刻tから時刻tまでの吸着期間Tだけ、信号発生器16を駆動して、吸着促進の周波数F(=1kHz)の音波を容器4内の気体(空気)に印加する。したがって、この吸着期間Tに容器4内の空気aに含まれる窒素(窒素分子)の一部がゼオライト(沸石)からなる吸着物質5に吸着される。この結果、容器4内の空気aに含まれる窒素の含有率が低下するので、相対的に容器4内の空気aに含まれる酸素の含有率が上昇する。
【0041】
吸着期間Tが終了した時刻tから時刻tまでの出力期間Tだけ出力バルブ11を開放する。その結果、酸素の含有率が高い空気、すなわち酸素濃縮された空気が出力管9を介して、酸素使用設備12へ出力される。
【0042】
次に、出力期間Tが終了した時刻tから時刻tまで排気バルブ13aを開放して、容器4内と低圧状態の窒素使用設備46内とを連通させ、容器4内の気圧を低下させる。さらに、出力期間Tが終了した時刻tから時刻tまでの放出期間Tだけ信号発生器16を駆動して、放出促進の周波数F(=300Hz)の音波を容器4内の気体(空気)に印加する。したがって、この放出期間Tに容器4内の吸着物質5に吸着された状態の特定気体である窒素(窒素分子)が放出されて、排気バルブ13aを介して窒素使用設備46内へ出力(排気)される。
【0043】
放出期間Tが終了した時刻tから時刻tまでの期間Tだけ、排気バルブ13b及び供給バルブ3を開放して、高圧の空気aを容器4内へ供給して、この容器4内に残留している吸着物質5から放出された窒素を大量に含む空気を排気バルブ13bを介して大気へ排気する。
【0044】
以上で、容器4への空気取込から、酸素濃縮された空気の取出し、分離された窒素の取出し、及び残留空気の排出に至る一つのシーケンス処理が終了したので、時刻t以降、次のシーケンス処理を実施する。
【0045】
このように構成された第1実施形態の気体の分離濃縮装置においては、吸着物質5を収納した容器4内においてコンプレッサー1から供給バルブ3を介して供給された高圧の空気に含まれる特定気体である窒素の一部は吸着期間T内に吸着物質5に吸着される。この吸着期間Tにおいて吸着促進の周波数F(=1kHz)の音波が印加されているので、より大量の窒素が吸着物質5に吸着される。
【0046】
そして、この窒素の一部が吸着され、窒素以外の気体である酸素の含有率が上昇した空気が出力バルブ11を介して酸素使用設備12へ送出される。
【0047】
その後、放出期間Tの間、排気バルブ13aが開放され、容器4内の気圧が低下するので、吸着物質5に吸着されている窒素が放出して容器4外の窒素使用設備46へ排出される。この放出期間T内に放出促進の周波数F(=300Hz)の音波が印加されているので、より大量の窒素が吸着物質5から放出される。
【0048】
(第2実施形態)
図3は本発明の第2実施形態に係わる気体の分離濃縮装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すの第1実施形態の気体の分離濃縮装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0049】
この第2実施形態の気体の分離濃縮装置においては、容器4内には、吸着促進又は放出促進のための振動としての音波を印加するためのスピーカ6の他に、吸着阻害又は放出阻害の音波を相殺するため振動としての音波を印加するためのスピーカ25が設けられている。
【0050】
さらに、吸着物質5が収納された容器4の内壁にこの容器4の気体に印加されている騒音を含めた広い周波数領域を有する振動としての音波を検出するマイク20が取付けられている。このマイク20で検出された広い周波数領域を有する音信号は信号抽出器22へ入力される。
【0051】
この信号抽出器22は、入力された音信号のうちのコンピュータからなる制御装置17aから指定された、吸着を阻害する音波の周波数F(=300Hz)、又は放出を阻害する音波の周波数F(=1kHz)を有する信号成分を阻害信号として抽出して、次の位相反転部23へ送出する。位相反転部23は、入力された阻害信号の位相を180°反転して増幅器24へ送出する。
【0052】
増幅器24は、入力された位相反転された阻害信号の信号レベルをマイク20で検出された阻害信号の信号レベルに調整して、スピーカ25へ送出する。スピーカ25は、入力された位相反転された阻害信号を音波に変換して、容器4内へ印加する。
その結果、容器4内の存在している阻害音は、スピーカ25から印加された180°位相反転された阻害音と相殺される。
【0053】
そして、制御部17aは、第1実施形態の気体の分離濃縮装置における制御装置17と同様に、図2に示すタイムチャートに従って、各バルブ3、13a、13b、11を開閉制御し、信号発生器16及びスピーカ6を用いて容器4内に印加する音波の印加タイミング及び音波の周波数を制御する。
【0054】
さらに、この第2実施形態の気体の分離濃縮装置における制御装置17aは、図2のタイムチャートにおける時刻tから時刻tまでの窒素を吸着物質5に吸着させている吸着期間Tにおいて、吸着を阻害する音波の周波数F(=300Hz)を信号抽出部22へ印加する。したがって、この吸着期間Tにおいて容器4内の空気に雑音として印加されている吸着を阻害する音波は相殺されて、そのレベルは大幅に低下する。よって、吸着期間Tにおいて、窒素が吸着物質5により効率的に吸着される。
【0055】
さらに、制御装置17aは、図2のタイムチャートにおける時刻tから時刻tまでの窒素を吸着物質5から放出させている放出期間Tにおいて、放出を阻害する音波の周波数F(=1kHz)を信号抽出部22へ印加する。したがって、この放出期間Tにおいて容器4内の空気に雑音として印加されている放出を阻害する音波は相殺されて、そのレベルは大幅に低下する。よって、放出期間Tにおいて、窒素が吸着物質5からより効率的に放出される。
【0056】
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態に係わる気体の分離濃縮装置の概略構成を示す模式図である。図1に示す第1実施形態の気体の分離濃縮装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0057】
この第3実施形態の気体の分離濃縮装置においては、容器4内には、吸着促進又は放出促進のための音波を印加するためのスピーカ6の代わりに、複数層に亘って収納された各吸着物質5の隣接位置に、それぞれピエゾフィルム45が配設されている。各ピエゾフィルム45には、第1実施形態の気体の分離濃縮装置と同様に、信号発生器16から、吸着促進の周波数Fである1kHzの信号、又は放出促進の周波数Fである300Hzの信号が、増幅器46で増幅されて印加される。
【0058】
各ピエゾフィルム45は、信号が印加されると、信号が有する周波数で振動するので、吸着促進の周波数F(=1kHz)の振動、又は放出促進の周波数F(=300Hz)の振動を容器4内の気体(空気)に印加する。各振動を印加する期間(タイミング)は、図1に示すの第1実施形態の気体の分離濃縮装置と同じである。
【0059】
したがって、図1に示す第1実施形態の気体の分離濃縮装置とほぼ同様の作用効果を奏することが可能である。
【0060】
なお、本発明は上述した第1、第2、第3実施形態に限定するものではない。第1、第2、第3実施形態の気体の分離濃縮装置においては、特定気体としての窒素を吸収物質5に吸着させる気体の吸着装置と、特定気体としての窒素を吸収物質5から放出させる気体の放出装置とを1台の気体の分離濃縮装置に組込んだが、気体の吸着装置と気体の放出装置とを個別の装置として分離することも可能である。
【0061】
さらに、第1、第2、第3実施形態の気体の分離濃縮装置においては、特定気体として窒素を採用し、吸収物質5としてゼオライトを採用したが、特にこの組合せに限定されることはない。吸着目標の特定気体が定まれば、この特定気体を吸着する物理的特性を有した吸着物質5を採用すればよい。この場合、吸着を促進する音波(振動)の周波数F、及び放出を促進する音波(振動)の周波数Fを実験的に求めればよい。
【0062】
例えば、二酸化炭素(CO)やメタンに対しては吸着物質として活性炭を採用し、水や水素(H)に対してはゼオライト以外の吸着物質としてシリカゲルやカーボンナノチューブや水素吸着金属粉末等を採用すればよい。
【0063】
さらに、第1、第2、第3実施形態の気体の分離濃縮装置においては、特定気体として窒素を採用し、原気体として空気を採用した。しかし、原気体として、高炉ガス、コークス炉ガス等の排ガスを採用し、この排ガスから、水素(H)、炭酸ガス(CO)、アルコール分等の回収(濃縮)を図ることができる。
【0064】
(確認試験)
発明者は、上述した各実施形態の効果を確認するために、図5に示す実験装置を用いて、吸着物質に対する気体の吸着実験、及び吸着物質からの気体の放出実験を実施した。
【0065】
この実験装置においては、ゼオライトからなる吸着物質31を収納した容器32内の上部位置に振動ととしての音波を与えるためのスピーカ33が取付けられている。このスピーカ33は発振器34から増幅器35を介して入力された音波信号を音波に変換して容器32内の気体(窒素N単体又は窒素を含有する空気)に振動を印加する。さらに、吸着物質31を収納しないサブタンク35及び高圧の窒素又は空気が充填されたガスボンベ36が設けられている。
【0066】
ガスボンベ36から窒素単体又は窒素を含有する空気が減圧弁37で減圧されて、バルブ38を介してサブタンク35へ供給され、サブタンク35からバルブ39を介して容器32へ供給される。容器32内の窒素単体又は窒素を含有する空気はバルブ39、40を介して大気中に排気される。容器32内及びサブタンク35内の圧力はそれぞれ圧力計41、42で測定される。さらに、容器32内及びサブタンク35内の温度はそれぞれ温度計43、44で測定される。
【0067】
このような構成の試験装置において、次の測定条件で容器32内における気体(窒素)の吸着物質31(ゼオライト)に対する吸着量及び放出量の計時変化の測定を実施した。
【0068】
被吸着気体(ガスボンベに充填)…純度99.99%の窒素、空気中の窒素
印加音波の周波数…印加無し、20Hz、300Hz、1kHz、20kHz
目標初期圧力…18kPa、30kPa、48kPa、60kPa
吸着物質の充填率…80%(体積比)
吸着測定時間…40分(2400秒)
放出測定時間…20分(1200秒)
そして、上述した測定条件毎に次の手順で測定を実施した。
【0069】
(1)各バルブ38、39、40を閉じる
(2)ガスボンベ36の減圧弁37を一つの測定条件の圧力に設定
(3)バルブ38を開けて被吸着気体(窒素又は空気)をガスボンベ36からサブタンク35に導入
(4)サブタンク38内の圧力が安定したことの確認後バルブ38を閉じる
(5)発振器34を起動して、測定条件の周波数の音波の印加を開始する
(6)容器32内の圧力、及び温度の計測を開始する
(7)バルブ39を5秒間開放して、容器32内に被吸着気体(窒素又は空気)を供給した後、バルブ39を閉じる
(8)吸着試験験時間(2400秒)の終了後、各バルブ39、40を開放して容器32及びサブタンク35内の圧力を大気圧まで低下させる
(9)放出試験時間(1200秒)経過後、各バルブ39、40を閉鎖する
(10)音波の印加を停止する。
【0070】
次に、測定された容器32内の圧力Pから吸着物質31に吸着された被吸着気体(窒素)の吸着量Qの算出方法を説明する。密閉された容器32内で窒素が吸着されると、容器32内の圧力Pが吸着量Qに対応する分だけ低下するので、その圧力低下分から吸着量Qを算出することが可能である。吸着開始時点(時間t=0)の圧力(初期圧力)をP(0)、時間t経過後の圧力をP(t)とすると、時間t経過後の吸着量Q(t)は下式で示される。
【0071】
Q(t)=[P(0)―P(t)]v/RT mol
となる。ここで、v:被吸着気体の容積、R:気体定数(=8.3143J/(K・mol))、T:温度である。
【0072】
以下、測定結果を図面を用いて説明する。
図6は、初期圧力P(0)が約48kPa、吸着物質31の容器32に対する充填率が80%における印加振動(音波)の印加周波数条件(印加無し、20Hz、300Hz、1kHz、20kHz)をパラメータとした、吸着時の容器32内の圧力P(t)の期間変化を示す図である。印加無しを含めて何れの印加周波数条件においても、吸着開始直後から約10秒間は圧力が大きく減少し、それ以降は、ほぼ一定の割合で減少する。図7は、図6の吸着直後から200秒間を拡大したグラフである。
【0073】
この圧力低下分から、前述した変換式を用いて算出した窒素の吸着量Q(t)の時間変化特性を図8及び図9に示す。この吸着量Q(t)の時間変化特性でも理解できるように、吸着開始直後は、非常に吸着量Qが大きいが、約20秒経過以降は、ほぼ一定の割合で増加している。
【0074】
表1に単位時間当たりの吸着量(吸着速度)の推移を示す。
【0075】
【表1】
Figure 2004089774
【0076】
この表1からも理解できるように、例えば、振動(音波)を印加しない場合、吸着開始後10秒経過した時点では単位時間当たりの吸着量Qは4.14×10−2cc/sec/ccであるのに対し、1800〜2400秒経過した時点では単位時間当たりの吸着量Qは4.07×10−4cc/sec/ccと2桁低下する。印加する振動(音波)の周波数に関しては、20Hz、3000Hzの低い周波数域では吸着量を減少させる効果を、1kHz、20kHzの高い周波数域では吸着量を増加させる効果を示している。
【0077】
容器32に最初に供給する被吸収気体(窒素)の初期圧力P(0)を18kPa、30kPa、48kPa、60kPaに変更した場合における各吸着量Qを計測した結果を図10に示す。この図10においては、最も吸着を促進する効果のある周波数F(=1kHz)の振動(音波)を印加した場合と、最も吸着を抑制する効果のある周波数F(=300Hz)の振動(音波)を印加した場合とを、振動(音波)を印加しない場合と共に示す。
【0078】
図11は、吸着終了後に、バルブ40を開放して、容器32及びサブタンク35内の圧力を大気圧まで低下させる放出期間において、吸着物質31から放出された被吸収気体(窒素)の積算放出量の測定された時間変化を示す図である。この図でも理解できるように、周波数F(=300Hz)の振動(音波)を印加した場合は、振動(音波)を印加しない場合に比較して、被吸収気体(窒素)を吸着物質31から放出させる効果を3倍以上に大きく促進できることが確認できた。
【0079】
図6〜図11は容器31内に窒素のみを供給した場合の実験結果であるが、多成分系である空気の場合について、吸着実験を実施し、空気中の窒素の吸着量を計測した。その結果を窒素のみを供給した場合の実験結果との対比で図12に示す。
【0080】
すなわち、図12は容器32内の気体(窒素単体、又は空気)に印加する振動(音波)の周波数と窒素の吸着量との関係を示す図である。窒素単体の場合、20Hz、300Hzの低周波数の振動(音波)の印加により窒素の吸着量が減少し、1kHz、20kHzの低周波数の振動(音波)の印加により窒素の吸着量が増加することが確認できる。多成分系である空気の場合においても、窒素のみの単一成分と同様の傾向を示していることが確認できる。
【0081】
このように、単体又は空気中に含まれる被吸収気体(窒素)を吸着物質31に吸着させる吸着期間に、吸着を促進する周波数F(=1kHz)の振動(音波)を容器32内の気体に印加することにより吸着を促進でき、被吸収気体(窒素)を吸着物質31から放出させる放出期間に、放出を促進する周波数F(=300Hz)の振動(音波)を容器32内の気体に印加することにより放出を促進できることが確認できた。
【0082】
図13は、容器32内の圧力Pと吸着量Qとの関係を示す図である。中央の実線で示す吸着量特性Yが振動(音波)を印加しない条件を示し、上側の破線で示す吸着量特性Yが吸着を促進する周波数F(=1kHz)の振動(音波)を印加した条件を示し、下側の一点鎖線で示す吸着量特性Yが放出を促進する周波数F(=300Hz)の振動(音波)を印加した条件を示す。容器32内における大気圧Pから規定量の吸着量Qを得るために必要な圧力上昇量を、振動(音波)を印加しない条件の圧力上昇量(P―P)に比較して、周波数F(=1kHz)の振動(音波)を印加した条件の圧力上昇量(P―P)まで大幅に抑制できる。
【0083】
同様に、容器32内における規定量の放出量を得るために必要な圧力降下量を、振動(音波)を印加しない条件の圧力降下量に比較して、周波数F(=300kHz)の振動(音波)を印加した条件の圧力降下量まで大幅に抑制できる。
【0084】
したがって、容器32の必要な圧力変化量を小さくできるので、例えば図1、図3におけるコンプレッサー1の電力消費量を大幅に節減できる。発明者の試算では、振動(音波)を印加しない場合の初期圧力20、40、60kPaを、振動(音波)を印加する場合に必要な場合の初期圧力13、33、54kPaまで低下でき、電力消費量は、それぞれ、54、21、11%低減できる。
また、初期圧力20、40、60kPaを変更しない場合は、得られる吸着量をそれぞれ、33、15、9%増加できる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の気体の吸着方法、気体の放出方法、気体の吸着装置、気体の放出装置、及び気体の分離濃縮装置においては、少ない費用で、従来の吸着物質の量や材料を変更することなく、設備の維持費(ランニングコスト)を節減でき、安価で効率的に特定気体に対する吸着、放出が実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気体の吸着方法及び気体の放出方法が適用された第1実施形態に係わる気体の分離濃縮装置の概略構成を示す模式図
【図2】同第1実施形態の気体の分離濃縮装置の動作を示すタイムチャート
【図3】本発明の第2実施形態に係わる気体の分離濃縮装置の概略構成を示す模式図
【図4】本発明の第3実施形態に係わる気体の分離濃縮装置の概略構成を示す模式図
【図5】本発明の効果を確認するための試験装置の概略構成を示す模式図
【図6】容器内の圧力の時間変化を実験的に求めた図
【図7】図6の要部を拡大して示す図
【図8】窒素の吸着量の時間変化を実験的に求めた図
【図9】図8の要部を拡大して示す図
【図10】窒素の吸着量と初期圧力との関係を実験的に求めた図
【図11】窒素の放出量の時間変化を実験的に求めた図
【図12】窒素の吸着量と印加された振動(音波)の周波数との関係を実験的に求めた図
【図13】容器32内の圧力Pと吸着量Qとの関係を示す図
【符号の説明】
1…コンプレッサー
2…供給管
3…供給バルブ
4…容器
5…吸着物質
6、25…スピーカ
7…連通管
9…出力管
10a、10b…排気管
11…出力管
12…酸素使用設備
13a、13b…排気バルブ
14…バルブ開閉駆動部
15…コンプレッサー駆動部
16…信号発生部
17、17a…制御部
20…マイク
22…信号抽出部
23…位相反転部
45…ピエゾフィルム
46…窒素使用設備

Claims (10)

  1. 特定気体を吸着する吸着物質を収納した容器に吸着すべき特定気体又はこの特定気体を含む原気体を注入して容器内の気圧を上昇させることによって、前記特定気体を前記吸着物質に吸着させる気体の吸着方法において、
    前記容器内の特定気体又は原気体に予め定められた吸着促進の周波数域の振動を印加して、前記特定気体の前記吸着物質に対する吸着を促進することを特徴とする気体の吸着方法。
  2. 前記容器内の特定気体又は原気体に印加する振動の吸着促進の周波数域は、前記吸着物質の物理特性及び吸着させる特定気体の種別に応じて設定されることを特徴とする請求項1記載の気体の吸着方法。
  3. 前記容器内の特定気体又は原気体に、騒音又は機械的振動又は流体的振動として印加されている振動のうち吸着を阻害する周波数の振動を検出して、この検出した振動の位相を反転して前記容器内の特定気体又は原気体に印加して、前記吸着を阻害する振動と相殺することを特徴とする請求項1又は2記載の気体の吸着方法。
  4. 特定気体が吸着された吸着物質を収納した容器内の気圧を低下させることによって、前記吸着物質に吸着された特定気体を放出させる気体の放出方法において、
    前記容器内の特定気体に予め定められた放出促進の周波数域の振動を印加して、前記特定気体の前記吸着物質からの放出を促進することを特徴とする気体の放出方法。
  5. 前記容器内の特定気体に印加する振動の放出促進の周波数域は、前記吸着物質の物理特性及び放出させる気体の種別に応じて設定されることを特徴とする請求項4記載の気体の放出方法。
  6. 前記容器内の特定気体に騒音又は機械的振動又は流体的振動として印加されている振動のうち放出を阻害する周波数の振動を検出して、この検出した振動の位相を反転して前記容器内の特定気体に印加して、前記放出を阻害する振動と相殺することを特徴とする請求項4又は5記載の気体の放出方法。
  7. 特定気体を吸着する吸着物質を収納した容器に吸着すべき特定気体又はこの特定気体を含む原気体を注入して容器内の気圧を上昇させることによって、前記特定気体を前記吸着物質に吸着させる気体の吸着装置において、
    前記容器内の特定気体又は原気体に予め定められた吸着促進の周波数域の振動を印加して、前記特定気体の前記吸着物質に対する吸着を促進することを特徴とする気体の吸着装置。
  8. 特定気体が吸着された吸着物質を収納した容器内の気圧を低下させることによって、前記吸着物質に吸着された気体を放出させる気体の放出装置において、
    前記容器内の特定気体に予め定められた放出促進の周波数域の振動を印加して、前記特定気体の前記吸着物質からの放出を促進することを特徴とする気体の放出装置。
  9. 原気体中に含まれる特定気体を吸着放出する吸着物質を収納した容器と、
    この容器内の特定気体に対して指定された周波数域の振動を印加するための振動発生装置と、
    前記容器内に前記特定気体を含む原気体を供給する経路に設けられた供給バルブと、
    前記容器から特定気体の含有率が低下した原気体を外部装置へ取出す経路に設けられた出力バルブと、
    前記容器から特定気体の含有率が上昇した原気体を排出するための排気バルブと、
    前記出力バルブ及び排気バルブを閉じた状態で前記供給バルブを介して前記原気体を前記容器内に供給してから所定の吸着期間経過後に前記出力バルブを所定の出力期間だけ開き、その後、出力バルブ及び供給バルブを閉じると共に排気バルブを所定の放出期間だけ開くバルブ制御手段と、
    前記吸着期間前記振動発生装置へ吸着促進の周波数域を指定すると共に前記放出期間前記振動発生装置へ放出促進の周波数域を指定する周波数域制御手段と
    を備えた気体の分離濃縮装置。
  10. 前記振動発生装置は、音響装置、カルマン渦による振動装置、機械的振動板による振動装置、ピエゾフィルム及びピエゾ効果を用いた振動装置のうちのいずれか一つの装置、又はこれらを組み合わせた装置、あるいは共振装置を組み合わせた装置であることを特徴とする請求項9記載の気体の分離濃縮装置。
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