JP2004089472A - ゲーム情報処理装置、ゲーム情報処理プログラム - Google Patents

ゲーム情報処理装置、ゲーム情報処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】着手の意味を感覚的に容易に把握することを可能にする。
【解決手段】対戦ゲームの着手情報を入力してゲームの状況を表す盤面状態を配石レジスタ404に記憶しておく。パターンマッチング/データ取得システム403は、着手情報の入力に伴って盤面状態から当該着手情報と関連する部分的な盤面状態を切り出し、配石パターンテーブル407に記憶された照合用パターンとの比較により所定の状態にあるか否かを判別し、所定の状態にあると判別された場合に、着手情報の盤面状態に対する意味を表現する出力データ(文字データ、音声データ408、画像データ409)を出力する。
【選択図】  図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、囲碁、将棋、チェス等の対戦ゲームを行うためのゲーム情報処理装置、ゲーム情報処理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パーソナルコンピュータなどで囲碁などのゲームを実行させるゲームプログラムでは、対局(対戦)における着手時に石を打つリアルな音を鳴らしたり、その着手によって例えば囲碁の「あたり」の状態になった場合にはそれを自動判定して「あたりです」と音声ガイドを出力したり、あるいは着手した時点で使った考慮時間を自動表示するといった様々なユーザインフォーメーション機能が備えられていた。
【0003】
それらの機能は大別すると3種類に分類できる。
第1はリアリティを高めるための機能であり、通常の碁盤と碁石を用いての対局の雰囲気に近づけるためのもので、石音を鳴らすのが代表例である。第2はゲームの進行に有効あるいは必要な情報を明示するための機能であり、消費時間表示やアゲハマ数の表示等が相当する。第3は、上達の助けとなる情報を発するための機能であり、前述した「あたりです」の状態を教えてくれる機能などが相当する。
一般に、囲碁や将棋のようなゲームは長い伝統を持ち、単なるゲームというよりは一種の芸事、文化と考える人も多いため、このようなゲームプログラムの付加機能も実用的なものが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の囲碁プログラムでは、前述した第3の機能により「あたり」の状態を自動判定して音声ガイドすることができていたが、実際の対局では「あたり」の状態となった時点でガイドがあったとしても、その後の着手に十分に生かすことができない。むしろ「あたり」の状態となる前の着手の意味が通知された方が、その後の着手を考える上で有効であるが、従来の囲碁プログラムでは着手の意味を通知することができなかった。特に、囲碁の概念を十分に把握していない初心者にとっては、着手が持つ意味が専門的に説明されるよりも感覚的に捉えられる方が好ましいが、従来の実用的な付加機能においては、このような観点からの有効な機能が実現できていなかった。
【0005】
本発明は、前記のような問題に鑑みなされたもので、着手の意味を感覚的に容易に把握することが可能なゲーム情報処理装置、ゲーム情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、対戦ゲームの着手情報が入力される入力手段と、前記入力手段によって入力された着手情報に基づいてゲームの状況を表す盤面状態を記憶する記憶手段と、前記入力手段による着手情報の入力に伴って、前記記憶手段に記憶された盤面状態から当該着手情報と関連する部分的な盤面状態を切り出す部分切り出し手段と、前記部分切り出し手段によって切り出された部分的な盤面状態が所定の状態にあるか否かを判別する判別手段と、前記所定の状態ごとに対応づけられた前記着手情報の盤面状態に対する意味を表現する出力データを記憶するデータ記憶手段と、前記判別手段によって前記部分的な盤面状態が所定の状態にあると判別された場合に、前記データ記憶手段に記憶された当該所定の状態と対応づけられた出力データを出力する出力手段とを具備したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態におけるゲーム情報処理装置を実現するシステムの構成を示す外観図である。本実施形態のゲーム情報処理装置は、囲碁ゲームを対象とし、例えばパーソナルコンピュータに囲碁ゲームプログラムがインストールされることにより実現されるものとする。
【0008】
図1に示すシステムでは、画像表示用のディスプレイ101、CPUやメモリ、ハードディスク装置などの記憶メディアが収納されたパーソナルコンピュータ(PC)本体102、音声出力用のスピーカー103、各種の指示を入力するためのキーボード104及びマウス105が設けられている。
【0009】
図2は、本実施例におけるシステムの主要な構成を示すブロック図である。
【0010】
図2に示すように、本システムには、キーボード/マウス入力部201、ROM202、CPU203、RAM204、サウンドシステム205、表示システム206が含まれている。
【0011】
キーボード/マウス入力部201は、キーボード104あるいはマウス105からのユーザから指示されたデータを入力してCPU203に通知する。
【0012】
ROM202は、着手に応じて出力されるインフォーメーション用の音声・文字・画像データや、そのときの配石パターンに応じたインフォーメーションを決定するためのテーブルデータ等が記憶されている。なお、これらのデータは、ROM202に記憶される代わりに、図示せぬハードディスク装置に記憶させておき、必要に応じて読み出してRAM204に記憶させてアクセスされる構成としても良い。
【0013】
CPU203は、RAM204に記憶されたゲーム情報処理プログラムを実行し、キーボード/マウス入力部201から通知されるデータに応じて囲碁ゲームを進行させる。本実施形態では、ゲーム情報処理プログラムに設けられた機能により、着手に対して各種のインフォメーションを出力することができる。
【0014】
RAM204は、対局の配石を記憶するためのレジスタや各種設定状態を記憶するためのレジスタが含まれる。詳細については後述する。
【0015】
サウンドシステム205は、CPU203における処理に伴って、スピーカー103を通じて音声を出力させる。
【0016】
表示システム206は、CPU203における処理に伴って、ディスプレイ101において各種の情報を表示させる。
【0017】
図3は、本実施形態のシステムにおいて囲碁ゲームプログラムを実行する場合のディスプレイ101により表示されるメイン画面の一例を示す図である。
図3に示すように、ディスプレイ画面301には、中央に対局用の盤面が表示される盤面表示部302が設けられている。対局に際しては、盤面表示部302に表示された盤面において、マウス105を使って着点(着手する個所)にカーソルを移動させクリックすることで着手を指示することができる。着点には石(黒石または白石)が表示される。また、対局相手がコンピュータである場合には、コンピュータ(対局プログラム)が着手を決定しだい、自動的に盤面に表示される。盤面表示部302の下部には、対局における現在の状況などをユーザに対して通知するためのメッセージが表示されるメッセージ表示部304が設けられている。さらに、盤面表示部302の左側には、2人の対局者(黒番、白番)それぞれの対局情報、例えば残り時間、アゲハマの数、コミなどの情報が表示され、対局の進行に従って自動更新され表示される。また、盤面表示部302の右側上部にはコマンド選択部305が設けられている。例えば、コマンド選択部305には、新規のゲーム開始を指示するための「次のゲーム開始」、対局中に誤って着手を入力してしまった場合に取り消しを指示するための「一手戻し」、終局と判断したことを指示するための「終局宣言」、投了を指示するための「投了」など、ゲーム進行を司るための複数のボタンが配列されている。
【0018】
以上は通常の囲碁対局を実行するために設けられているものであるが、本実施形態のシステムでは、さらに盤面表示部302の右側下部にインフォメーション分類設定/表示部307が設けられている。図3に示すように、インフォメーション分類設定/表示部307には、着手イメージ選択部308、出力形態選択部309、文字表示部310、絵表示部311が設けられている。
【0019】
着手イメージ選択部308には、2人の対局者のうちどちらの「着手イメージ」(後述する)をインフォーメーションとして出力させるかを選択するための選択ボタン、すなわち「打った人」ボタンと「打たれた人」ボタンとが設けられている。着手イメージ選択部308に設けられたボタンは、マウス105の操作によりカーソルを移動させクリックすることで選択可能である。「打った人」ボタンをクリックしてONにすれば、直前の着手を打った対局者からみたその着手のイメージが音声や画像表現あるいは文字によりインフォメーションとして出力され、「打たれた人」をONにすれば打たれた方の対局者からみたその着手のイメージが同様にしてインフォメーションとして出力される。
【0020】
なお、「着手イメージ」とは、対局者が着手に対して抱く囲碁特有のイメージのことを指す。例えば、図3の盤面表示部302に示す盤面では、11手目に黒が「4の16」(左下星)に打って、白石2つを切断した場面である(直前の着手は石を示す丸の中にさらに小さな丸を表示してそれ以前の他の着手と区別できるように表示されている)。そのような着手は相手の石を分断することによってダメージを与え弱体化するために打たれることが多く、一般的な「切断」(切り)のイメージに非常に近いものがある。それを何らかの形で表現するとすれば例えば「チョキン」「バッサリ」といった擬音表現や、はさみでものを切り離す映像表現などが考えられるが、本実施例のゲーム情報処理装置ではそれを実際に音声や画像でユーザへインフォメーションとして出力する。これにより、囲碁ゲームの新しい楽しみを提供したり、初心者が囲碁のイメージをつかみやすくするための一種の教育効果を得ることができる。一つの着手に対してそれを打った対局者が感じる着手イメージと打たれた対局者が感じる着手イメージは相反するものであり、例えば先の「切断」を例に取ると、切断した側は快感を感じ、逆に切られた側はそれが有効な切断であれば身を切られたような痛みを感じる。すなわち、出力すべきインフォメーションが異なるため、着手イメージ選択部308において何れかを選択させることで、出力するインフォメーションの内容(着手イメージ)を切り替えることができる。
【0021】
出力形態選択部309は、出力させるインフォメーション(着手イメージ)の表現形態を選択するための操作部であり、「音声」(例えば人間の声や効果音など)、画面での「文字表示」、及び画面での静止画像あるいは動画像による「絵表示」の3種類を各々独立にON/OFFできる(何れか一つあるいは任意の組み合わせを指定することができる)。ON/OFFの方法は、前述した着手イメージ選択部308に対する操作と同様に、マウス105によりカーソルを任意のボタンに移動させてでクリックすればよい。
【0022】
図3の状態では、3種すべてが選択されており、「4の16」の黒石が着手された直後にその手を打った側の声で「チョキーン」と出力され、同時に画面の文字表示部310に「チョキーン!」と表示され、さらに絵表示部311にはさみで血管を切断した画像が表示される。ちなみに、もし着手イメージ選択部308で「打たれた人」が選択されていた場合には、後述する図13に示した「打たれた人用」のインフォメーションに示す「ぎゃ〜」という悲鳴と痛々しい泣き顔が出力される。
【0023】
図4は、本実施形態におけるインフォメーション出力に関係する機能の構成を示すブロック図である。
【0024】
図4に示すように、CPU203は、ゲーム情報処理プログラムを実行することで、入力情報分岐システム401、着手決定システム402、パターンマッチング/データ取得システム403の機能を実現する。
【0025】
入力情報分岐システム401は、キーボード/マウス入力部201から入力されるユーザ入力がコマンド等の選択か着手の入力かを判別して、入力された情報の出力先を分岐させる。すなわち、入力情報分岐システム401は、コマンド選択部305、着手イメージ選択部308、出力形態選択部309に対する操作によって入力された入力情報については、RAM204の着手イメージ発信者選択状況レジスタ405または出力形態選択状況レジスタ406に出力し、盤面表示部302に対する操作によって入力された入力情報(着手情報)については、パターンマッチング/データ取得システム403及びRAM204の配石レジスタ404に出力する。
【0026】
着手決定システム402は、ユーザの対局相手としてコンピュータが指定された場合に、配石レジスタ404に記憶された現在の配石をもとにコンピュータ側の着手を決定する。着手決定システム402は、決定した着手の着手情報をパターンマッチング/データ取得システム403及び配石レジスタ404に出力する。
【0027】
パターンマッチング/データ取得システム403は、入力情報分岐システム401から取得される着手情報に対して、配石レジスタ404に記憶された現在の配石をもとにインフォメーションを出力するためのマッチングコードを生成し、このマッチングコードと配石パターンテーブル407から取得される照合用パターンとの照合を実行する。そして、照合によって適合する照合用パターンが得られた場合には、パターンマッチング/データ取得システム403はこの適合した照合用パターンに対応したデータ(出力すべきインフォメーションを示すデータ(後述するパターン分類No.データ(図11参照)))を用いたパターンコードを取得し、さらにパターンマッチング/データ取得システム403は、このパターンコードに対応したインフォメーションデータを音声データ408あるいは画像データ409から取得して、サウンドシステム205及び表示システム206を通じて出力させる。
【0028】
RAM204には、配石レジスタ404、着手イメージ発信者選択状況レジスタ405、出力形態選択状況レジスタ406が設けられる。
【0029】
配石レジスタ404は、入力情報分岐システム401及び着手決定システム402から出力される着手情報に基づき、現在の盤面における配石の状態を記録している(詳細については図5に示す)。
【0030】
着手イメージ発信者選択状況レジスタ405は、着手イメージ選択部308において設定された着手イメージ発信者(「打った人」「打たれた人」)の状況を記憶する(詳細については図6に示す)。
【0031】
出力形態選択状況レジスタ406は、文字表示部310において設定された出力形態(「音声」「文字表示」「絵表示」)の状況を記憶する(詳細については図7に示す)。
【0032】
ROM202には、配石パターンテーブル407、音声データ408、画像データ409が記憶される。
【0033】
配石パターンテーブル407は、パターンマッチング/データ取得システム403によって生成されたマッチングコードとの照合対象となる照合用パターンが記録されている。この配石パターンテーブル407に記憶される照合用パターンは、着手に対してインフォメーションを出力すべき配石パターンを表している。また、この照合用パターンには、出力すべきインフォメーションを示すデータ(後述するパターン分類No.データ)が対応づけられている。従って、照合用パターンが異なっていても、出力すべきインフォメーションが同じである場合には、同一のパターン分類No.データが対応づけられることになる。
【0034】
音声データ408は、配石パターンテーブル407に記憶されたパターンコードにより指定されるインフォメーションとして出力すべき音声のデータである。
画像データ409は、配石パターンテーブル407に記憶されたパターンコードにより指定されるインフォメーションとして出力すべき画像のデータである。
なお、図示していないが、音声データ408、画像データ409と同様にして文字データもROM202に記憶されているものとする。
【0035】
図5には配石レジスタ404の具体的な内容を示している。
配石レジスタ404は、現在の盤面における配石の状態を表すために、実際の碁盤に対応しやすいよう横方向の盤上位置Xと縦方向の盤上位置Yによる二次元マトリクスで表している。碁盤の着点は19×19=361であるが、配石レジスタ404ではその左右上下に1列増やして21×21のパラメータを備えるようにした。21×21のパラメータを備えるようにした理由は、マッチングコードの作成や、着手に対するルールの判定などのためにある特定の着手の着点の周辺配石状況を取得する際に、盤端の着手に対しても盤端以外の着手と同じ方法で処理することができるようにするために盤の周囲に1路追加したものである。
【0036】
通常、碁盤の着点を示す方法は、先に列の番号、後に行の番号を書いて、例えば「4の16」という具合に呼ぶ。「4の16」は左から4番目の縦線と上から16番目の横線の交点である。各アドレスは、それぞれ盤上の1点に対応しており、その点の配石状況を2bitデータで記憶する。例えば、「4の16」に黒石が着手された場合には、X=4,Y=16のアドレスのデータが空点を表す「01」から黒石を表す「10」に変更される。なお、本実施形態では、各データ値は、それぞれ以下の状態を表すものとして説明する。すなわち、「01」は黒白どちらも置かれていない空点、「10」は黒石が置かれている着点、「11」は白石が置かれている着点、「00」は実際の盤に存在しない点(周辺予備アドレス)をそれぞれ表している。従って、X=0または20、Y=0または20の周辺予備アドレス合計76のデータは常に「00」であり、変化することはない。それ以外のアドレスは初期値が「01」で、対局の進行に従って着手された点のアドレスのデータが「10」もしくは「11」などの値に変化してゆく。CPU203から特定のアドレスがコールされるとそのアドレスの現在のデータ値が配石レジスタ404から読み出され、CPU203へ返されるので、配石状況をCPU203側で認識することができる。
【0037】
図5(a)に示す配石レジスタ404の例では、図5(b)に示す盤面の例に表すように、「4の3」に白石が着手されているのでX=4,Y=3のアドレスのデータが「11」となっている。同様にして、「3の17」に黒石が着手されているのでX=3,Y=17のアドレスのデータが「10」、「4の17」に白石が着手されているのでX=4,Y=17のアドレスのデータが「11」となっている。
【0038】
なお、図5では、実際の碁盤に対応しやすいように二次元マトリクスで図示したが、内部的には21×21=441個のアドレスを持つものであれば他の形態でもよい。
【0039】
図6は、着手イメージ発信者選択状況レジスタ405の内容を示している。着手イメージ発信者選択状況レジスタ405には、ユーザが着手イメージ選択部308を操作することによって選択した着手イメージ発信者を示すデータ(例えば2bitデータ)が記憶される。すなわち、着手イメージ選択部308において「打った人」が選択された場合には「01」、「打たれた人」が選択された場合には「10」が記憶される。なお、「00」「11」のデータは無効である。
【0040】
図7は、出力形態選択状況レジスタ406の内容を示している。出力形態選択状況レジスタ406には、ユーザが出力形態選択部309を操作することによって選択した出力形態を示すデータ(例えば3bitデータ)が記憶される。すなわち、第1ビットは音声の出力のOFF/ONを示すデータであり、「0」が音声OFF、「1」が音声ONを表している。同様にして、第2ビットは文字表示のOFF/ONを示すデータであり、「0」が文字表示OFF、「1」が文字表示ONを表し、第3ビットは絵表示のOFF/ONを示すデータであり、「0」が絵表示OFF、「1」が絵表示ONをそれぞれ表している。
【0041】
図8は、パターンマッチング/データ取得システム403によって生成されるマッチングコードの詳細な内容を示す図である。図8に示すマッチングコードは、着点の周辺8点の部分局面を対象としている例を示している。
【0042】
図8に示すように、マッチングコードは、3byteのデータからなり、下位2byteが該当着手の周辺の配石状況、すなわち例えば着手の周辺8点の配石状況のデータ(以降これを「周辺配石データ」と呼ぶ)を示し、上位1byteが着手イメージ選択部308と出力形態選択部309とにおいて選択された状態、すなわち着手イメージ発信者選択状況レジスタ405と出力形態選択状況レジスタ406に記憶されたデータ(以降これを「インフォーメーション分類選択データ」と呼ぶ)の内容を示している。
【0043】
また、図8の例では、周辺配石データ2byteのうち、上位1byteは着点に対して斜め方向の4点(図8(b)中の(1)〜(4))の配石状態を示し、下位1byteは上下左右方向の4点(図8(b)中の(5)〜(8))の配石状態を示している。データフォーマットは、石が置かれていない場合のデータ内容については配石レジスタ404のデータと同じであるが(「00」は盤外点(無効)、「01」は空点)、石が置かれている場合には、それが該当着手の石と異なる色の石か同じ色の石かによってそれぞれ「10」と「11」を割り当ててデータの変換が行われるようにしている。これは着手イメージ発信者分類の「打った人」と「打たれた人」という分類方法に対応させるためであり、黒番あるいは白番の何れが着手をしたとしても、どちらが着手したのかを区別することなく、「打った人」「打たれた人」にとってその配石状況でのその着手がどのような着手イメージであるかを、共通の配石パターンテーブルを用いて判別することができるようになる。
【0044】
なお、図8は、着手の周辺の配石状況として、着手の周辺8点を対象としているが、周辺8点以外の位置を対象とすることもできる。この場合、8点を超える場合には、例えば周辺配石データを3バイト以上としてマッチングコードを生成することで実現できる。例えば、インフォメーションを出力すべき局面を判断するための配石パターンテーブル407に記憶される照合用パターンが対象としている範囲を周辺配石データとして切り出すものとする。
【0045】
インフォーメーション分類選択データ1byteは、上位4bitに出力形態選択状況レジスタ406の記憶内容が、また下位4bitに着手イメージ発信者選択状況レジスタ405の記憶内容がそのままコピーされる。
【0046】
図9は、パターンマッチング/データ取得システム403によって生成されるパターンコードの内容を示している。
パターンコードは、出力すべきインフォーメーションに1対1で対応する2byteデータであり、上位1byteが着手イメージ選択部308及び出力形態選択部309の選択状態から決定されるインフォーメーション分類に対応するデータ(以降、「インフォーメーション分類データ」と呼ぶ)であり、下位1byteがマッチングコードの下位2byte(周辺配石データ)と配石パターンテーブル407に記憶された照合用パターンとの照合によって得られるデータ(以降「パターン分類No.データ」と呼ぶ)である。「パターン分類No.データ」は、照合用パターン(すなわち着手周辺の配石パターン)をインフォーメーションの内容ごとに整理して分類し直した連番データであり、照合用パターンが異なる場合であっても出力すべきインフォメーションが同じであれば同じデータが用いられる。
【0047】
次に、本実施形態のシステムにおけるゲーム情報処理装置の動作について説明する。
まず、図10に示すフローチャートを参照しながら、ユーザ操作による入力に対する処理について説明する。ここでは、囲碁ゲームプログラムが起動され、囲碁ゲームの対局が実行されているものとする。
【0048】
キーボード104あるいはマウス105が操作されることで、ディスプレイ画面301上で入力操作が行われると、入力情報分岐システム401は、キーボード/マウス入力部201を通じて、キーボード104あるいはマウス105からのユーザ入力を受け付ける(図4(1))。
【0049】
入力情報分岐システム401は、ユーザ入力が盤面表示部302における着手入力であるか、コマンド選択部305、着手イメージ選択部308、出力形態選択部309の何れかにおけるコマンド入力であるかを判別する(ステップA1,A2)。
【0050】
ここで、コマンド入力であった場合、そのコマンド入力がコマンド選択部305におけるものであれば、入力情報分岐システム401が囲碁ゲームプログラムに対して指示を出すことによって入力された機能が実行される。また、入力情報分岐システム401は、着手イメージ選択部308におけるコマンド入力、すなわち着手イメージ発信者を選択する「打った人」ボタンあるいは「打たれた人」ボタンに対する入力であれば(ステップA3,Yes)、RAM204の着手イメージ発信者選択状況レジスタ405を選択されたボタンの内容に変更する(ステップA4)(図4(2))。こうして、囲碁ゲームの対局者(すなわち「打った人」ボタンあるいは「打たれた人」)の何れに対してインフォメーションを出力するか設定しておくことで、この設定された対局者に対する着手イメージをインフォメーションとして出力することができる。
【0051】
また、入力情報分岐システム401は、出力形態選択部309におけるコマンド入力、すなわち着手に対するインフォメーションの出力形態である「音声」「文字表示」「絵表示」を選択する入力であれば(ステップA5,Yes)、RAM204の出力形態選択状況レジスタ406の内容を選択された出力形態に変更する(ステップA6)(図4(2))。
【0052】
そして、これらのコマンド入力に対応した設定が行われることで、以後、着手によって特定の配石パターンとなった場合に、着手イメージ発信者選択状況レジスタ405、出力形態選択状況レジスタ406に記憶された内容に従ってインフォメーションが出力されるようになる。
【0053】
一方、入力情報分岐システム401は、ユーザ入力が着手入力であった場合、着手された位置を示す着手情報を配石レジスタ404に記憶させると共に、パターンマッチング/データ取得システム403に着手があったことを通知して着手処理を実行させる(ステップA7)。なお、囲碁ゲームプログラムでは、一般に、入力された着手を処理する際に、着手情報が正しい着手を示しているかなどのルールを自動判定する処理を実行して、着手が正しくない場合には、入力された着手情報を無効にする機能を有している。
【0054】
なお、ユーザの対局相手がコンピュータであり、着手決定システム402により着手情報が入力された場合にも着手処理が実行される。
【0055】
次に、パターンマッチング/データ取得システム403は、配石パターンテーブル407に記憶された照合用パターンをカウントするためのパターン番号カウンタを初期値1に設定し(ステップA8)、パターン番号カウンタ番目の照合用パターンを取得する(ステップA9)。
【0056】
パターンマッチング/データ取得システム403は、配石パターンテーブル407から取得した照合用パターンとの照合対象とする部分局面を、着手情報をもとにして配石レジスタ404から切り出し、図8に示す部分局面を表す周辺配石データを含むマッチングコードの生成を実行する(ステップA10)。すなわち、パターンマッチング/データ取得システム403は、着手イメージ発信者選択状況レジスタ405と出力形態選択状況レジスタ406に記憶された内容をもとにマッチングコードの上位1byteを生成し、以下に続く2byteからなる周辺配石データを配石レジスタ404に記憶された今回の着手情報の周辺のデータから生成する。
【0057】
図11には、周辺配石データを生成するために着手情報の周辺のデータを切り出す部分局面の切り出し処理のフローチャートを、また図12には、その処理で用いるデータテーブルのデータ構造を示した。
【0058】
まず、パターンマッチング/データ取得システム403は、配石パターンテーブル407から取得した現在注目している照合用パターンの「切り出すマス目数」を取得する(ステップB1)。ここでは、着点の周辺8点による図8(b)に示すような配列に対する照合用パターンを対象とするものとする。従って、ここでの「切り出すマス目数」は図12のデータテーブルに示すように、「8」となる。
【0059】
すると次に、パターンマッチング/データ取得システム403は、「切り出すマス目数」をカウントするためのマス目カウンタに初期値1をセットし(ステップB2)、マス目カウンタ番目の着点に対する切り出し位置の相対座標を取得する(ステップB3)。例えば、図12の例では、「マス目相対位置1」として(−1,−1)が指定されているので、図8(b)に示す例のように、着点の左上(1)の位置が切り出し位置とされる。
【0060】
すると、パターンマッチング/データ取得システム403は、配石レジスタ404を参照して、切り出し位置の相対座標の配石データTを取得する(ステップB4)。
【0061】
ここで、データTの値が「00」(無効を表す)である場合、そのままTの値をマッチングコード(周辺配石データ)の該当ビットにコピーする(ステップB5,B10)。例えば、着点の左上(1)が切り出し位置の相対座標である場合、周辺配石データの1byte目の先頭2ビットにコピーする。また、データTの値が「01」(空点を表す)である場合、同様にして、そのままTの値をマッチングコード(周辺配石データ)の該当ビットにコピーする(ステップB6,B10)。
【0062】
一方、データTの値が着手情報が示す着手の色C(白あるいは黒)と一致する場合(ステップB7、Yes)には、Tの値を着点の石と同色の石が存在することを表す「11」にして、マッチングコード(周辺配石データ)の該当ビットにコピーする(ステップB8,B10)。また、データTの値が着手情報が示す着手の色C(白あるいは黒)と一致しない場合(ステップB7、No)には、Tの値を着点の石と異なる石が存在することを表す「10」に変換して、マッチングコード(周辺配石データ)の該当ビットにコピーする(ステップB9,B10)。
【0063】
こうして、マス目カウンタ番目の切り出しが完了すると、マス目カウンタの値を+1することで、切り出し位置の対象を変更する(ステップB11)。ここで、「切り出すマス目数」の全てについて切り出しが完了していなければ(ステップB12,No)、パターンマッチング/データ取得システム403は、前述と同様にして、マス目カウンタ番目の着点に対する切り出し位置の相対座標を取得し、その相対座標のデータTをマッチングコードにコピーする(ステップB3〜B11)。従って、図8(b)に示す例では、図12に示されるようなデータテーブルの各マス目相対位置データを順次取得することによって、相対座標(1)〜(8)までの全てのマス目のデータTが切り出されて、順次、周辺配石データにコピーされ、マッチングコードが生成される。
【0064】
また、マッチングコードの周辺配石データは、着点の石の色と異なる石、あるいは同色の石に応じて、配石レジスタ404から得られるデータTがステップB8,B9において変換されるため、黒番あるいは白番の何れが着手をしたとしても、同じように着手による配石状況を判別できるようになっている。すなわち、後述する照合用のパターンとの比較結果をもとに、着手イメージ発信者分類の「打った人」と「打たれた人」のそれぞれにとって、どのような着手イメージであるかを判別できる。
【0065】
パターンマッチング/データ取得システム403は、上述した部分パターン切り出し処理によって周辺配石データを含むマッチングコードを生成すると、配石パターンテーブル407から取得した現在注目している照合用パターンと切り出し局面(周辺配石データ部分)との比較を行なう(ステップA11)。
【0066】
ここで、両パターンが「一致している」などの所定の条件に適合しない場合、すなわち照合用パターンと周辺配石パターン(切り出した部分局面)とが一致しない場合(ステップA12、No)、パターンマッチング/データ取得システム403は、現在対象として照合用パターンが示す配石状況にないものとして、次の照合用パターンに対する処理に移行するためにパターン番号カウンタに+1する(ステップA13)。なお、ここでは「一致している」か否かを判断する他にも、例えば、切り出した現在局面が、照合用パターンを「含んでいる」といった条件で判断する方法も可能である。
【0067】
ここで、配石パターンテーブル407に記憶された全ての照合用パターンについての処理が終了していなければ、パターンマッチング/データ取得システム403は、前述と同様にして、次の照合用パターンを取得して、この照合用パターンに対するマッチングコードを生成して両者の比較を行なう。
【0068】
なお、配石パターンテーブル407から取得される照合用パターンが前述した説明のように、着点の周辺8点以外を対象としている場合には、部分局面切り出し処理において、照合用パターンに対応する「切り出すマス目数」に従う部分局面の切り出し(周辺配石データの生成)を実行してマッチングコードが生成されるものとする。この場合には、図12に示すパターン切り出し用データとして、あらかじめ別のものを用意しておくなどの方法によって実現する。また、各照合用パターン毎に異なる範囲を部分局面として切り出しても良く、その場合には、図12のパターン切り出し用データを各照合用パターンごとに用意するなどの方法によって実現できる。
【0069】
一方、照合用パターンと切り出し局面(マッチングコード)との比較によって「一致する」などの所定の条件に適合すると判別された場合(ステップA12,Yes)、パターンマッチング/データ取得システム403は、条件に適合した照合用パターンのパターン番号に対応する出力データを取得して(ステップ15)、マッチングコードに応じたパターンコードを生成する(図4(5))。
【0070】
すなわち、各照合用パターンには、出力すべきインフォメーションを示すパターン分類No.データが対応づけられており、このパターン分類No.データと、マッチングコードのインフォメーション分類選択データ(出力形態選択状況、着手イメージ発信者選択状況)をもとにした、図9に示すようなパターンコードを取得する。
【0071】
パターンマッチング/データ取得システム403は、パターンコードのインフォメーション分類データに含まれる出力形態定義部が、出力形態として「音声」「文字表示」「絵表示(画像)」の何れを示すかを判別する(ステップA16,A18,A20)。
【0072】
ここで出力形態として「音声」が指定されていると判別されると(ステップA16、Yes)、パターンマッチング/データ取得システム403は、パターンコードに含まれるパターン分類No.データが示す音声データ408をインフォメーションデータとして取得し、サウンドシステム205を通じてスピーカー103から出力させる(ステップA17)。
【0073】
同様にして、出力形態として「絵表示(画像)」が指定されている判別されると(ステップA18,Yes)、パターンマッチング/データ取得システム403は、パターンコードに含まれるパターン分類No.データが示す画像データ409をインフォメーションデータとして取得し、表示システム206を通じてディスプレイ画面301の絵表示部311において出力させる(ステップA19)。
【0074】
また、出力形態として「文字」が指定されていると判別されると(ステップA20,Yes)、パターンマッチング/データ取得システム403は、パターンコードに含まれるパターン分類No.データが示す文字データをインフォメーションデータとして取得し、表示システム206を通じてディスプレイ画面301の文字表示部310において出力させる(ステップA21)。
なお、これらの「音声」「文字表示」「絵表示」の指定は、複数のものが選択されていてもよい。従って、設定された出力形態に応じて、出力データとして文字データ、音声データ、画像データの何れか1つもしくは任意の組み合わせで出力することができる。
【0075】
図13には、実際に着手された盤面配石状況と、マッチングコードとパターンコード及び最終的に出力されるインフォーメーションの対応例を示している。
【0076】
図13(1)の盤面配石状況における(A)(B)(C)は、何れも白番の着手によって黒石を「切断」した例を示している。
【0077】
配石状況が(A)の例では、マッチングコード(周辺配石データ)は「0101111001101001」になる。そしてこれを配石パターンテーブル407の照合用パターンと照合することによって、例えば「00011010」というパターン分類Noデータを取得することができる。なお、このパターン分類Noデータは、10進数に直すと26でありパターン分類の中の27番目のパターン「切断」に該当することを示している。この「切断」パターンに対応するインフォメーションデータの内容としては、「チョキーン」音(打った人用音声)、「ぎゃー」音(打たれた人用音声)、「チョキーン!」の文字(打った人用文字表示)、「ぎゃ〜!」の文字(打たれた人用文字表示)、打った人用絵表示、打たれた人用絵表示が用意されている。このインフォメーションデータからパターンコードの上位1バイトが示すインフォメーション分類データ(出力形態、着手イメージ発信者)に応じたインフォメーションデータが取得されて出力される。
【0078】
なお、配石状況(B)(C)の場合についても、配石パターンテーブル407と照合用パターンとの照合によって、配石状況(A)の場合と同じパターン分類No.データが取得され、同様にして「切断」パターンに対応するインフォメーションデータのうちインフォメーション分類データに応じたものが出力される。
【0079】
また、配石状況(D)は、白番の着手によって黒石をおさえつけた例(マガリの例)を示している。
【0080】
配石状況が(D)の例では、マッチングコード(周辺配石データ)は「0110110101101101」になる。これを配石パターンテーブル407の照合用パターンと照合することによって、例えば「00011011」というパターン分類Noデータを取得することができる。なお、このパターン分類Noデータは、10進数に直すと27でありパターン分類の中の28番目のパターン「マガリ」に該当することを示している。この「マガリ」パターンに対応するインフォメーションデータの内容としては、「ぐいっ」(打った人用音声)、「固いねー」(打たれた人用音声)などが用意されている。そして、このインフォメーションデータのなかからパターンコードのインフォメーション分類データ(出力形態、着手イメージ発信者)に応じたインフォメーションデータが取得されて出力される。
【0081】
このようにして、着手に対して、この着手による配石状況のイメージを「音声」「文字表示」「絵表示」などの具体的な形でユーザに提示でき、着手の意味を容易に把握することができ、囲碁の対局をいっそう楽しいものとすることができる。また、囲碁の概念を十分に把握していない初心者にとっては着手の意味やニュアンスが感覚的に捉えやすくなり、上達の助けにもなる。
【0082】
なお、前述した部分局面切り出し処理では、配石レジスタ404に記憶された実際の盤面における配石を対象として部分局面の切り出しを行って照合用パターンとの比較を行っているが、部分局面を着手情報の盤面状態に対する意味が変わらない形式に変更した上で照合用パターンとの比較に供するようにしても良い。すなわち、囲碁の盤面では配石を90°ごとに回転させたそれぞれの盤面、さらには0°、90°、180°、270°回転させ、さらにその左右を入れ替えた盤面における着手の意味は全て同じである。従って、配石パターンテーブル407に、回転させた盤面及び左右入れ替えた盤面の何れか1つの状態を対象とした照合用パターンを用意しておけば、盤面状態で表される全ての所定の状態を表すパターンを用意していなくても、配石レジスタ404から切り出した部分局面を90°ごとに回転させた局面、左右を入れ替えた局面のそれぞれについて照合を行なうことで、着手による盤面状況を判別することができるようになる。なお、配石レジスタ404に記憶された盤面を90°ごとに回転させたものと、左右を入れ替えたものとを予め用意した上で部分切り出しを行っても同様にして盤面状況を判別することができる。
【0083】
また、部分局面(あるいは盤面)を回転あるいは左右入れ替えするのではなく、周辺配石データ(マッチングコード)を生成するために、着点の周辺からデータTを取得する際に(図11、ステップB4)、そのデータ取得の順番を、盤面(部分局面)を回転させた場合、及び左右入れ替えた場合に相当する順番に変更して行なうことにより、同様の部分切り出しを実行することができる。
【0084】
また、切り出した部分局面を回転等させるかわりに、各照合用パターンを回転等させて、そのパターンそれぞれと部分局面とを比較するように構成しても良いのは言うまでもない。
【0085】
なお、当然ながら、配石パターンテーブル407に盤面(部分局面)を回転させた場合及び左右入れ替えた場合のそれぞれに対応する参照用パターンを用意しておけば、部分局面の切り出しの際に前述したような、盤面(部分局面)の回転や盤面の左右入れ替えなどの処理は不要である。
【0086】
なお、前述した説明では、説明を簡単にするために「切断」(切り)を例にしているが、その他にも「ノビ」「ケイマ」「一間トビ」「ノゾキ」など各種の状況を対象とすることができる。「ノビ」の時には「グイッ」「ニョキ」など、「ケイマ」の時には「ビョーン」など、「一間トビ」の時には「ピョン」「ジャンプ」など、「ノゾキ」の時には「じろっ」「チラリン」など、着手による状況を感覚的に把握できるような各種のインフォメーション(それぞれの音声、文字表示、絵表示用のデータ)を用意して、適宜、出力させることができる。また、石をハマとして「アゲる」場合には、「パクッ」「ガぶり」などのインフォメーションとしたり、他とは異なるインフォメーションを出力させるようにしても良い。
【0087】
また、着手イメージ発信者の選択項目を増やして、両対局者を同時選択できるようにし、一手着手されると、「打った人」に対する「チョキーン」という「切断」を表すインフォメーションを出力し、一定時間が経過した後に「打たれた人」に対する「ぎゃ〜」のインフォメーションを出力するといったことも可能である。
【0088】
また、前述した説明は、図1に示すような、スタンドアロンタイプのシステムによって実現されるものとしているが、図14に示すような、ネットワーク対局を行なうシステムに適用することができる。
【0089】
図14に示すシステムは、電子囲碁対局サーバ501がパーソナルコンピュータ、PDA(personal digital assistant)、携帯電話端末、ゲーム専用端末などにより実現される囲碁対局端末502,503とインターネットなどを含む各種ネットワーク504を介して接続されることで、囲碁対局端末502,503の間で対局させることができる。
【0090】
電子囲碁対局サーバ501には、前述したインフォメーションの出力に係わる機能、すなわち図4に示すCPU203、ROM202、RAM204により実現されている機能が設けられているものとする。
【0091】
電子囲碁対局サーバ501は、例えば囲碁対局端末502から入力されるユーザ入力(着手データ)を取得すると、対局相手の囲碁対局端末503にゲームを進行させるためのゲームデータを出力する。また、着手情報をもとに前述したように状況を判別して、インフォメーションを出力すべきと判別できた場合には、インフォメーションデータをゲームデータと共に囲碁対局端末503に送出して、着手を打たれた方の端末である囲碁対局端末503において出力させる(着手イメージ発信者選択が「打たれた人」の場合)。また、着手イメージ発信者選択が「打った人」の場合には、着手を行った方の端末である囲碁対局端末502にインフォメーションデータを送出して、囲碁対局端末502において出力させる。さらに、着手イメージ発信者選択を「打たれた人」「打った人」の両方とし、それぞれに対する異なるインフォメーションデータを送出して出力させるようにしても良い。
【0092】
ここで、一般に音声や画像のデータは非常に大きなサイズのデータとなるので、例えば、あらかじめ各端末に音声や画像のデータをCD−ROMや通信等により配信しておき、実際の対局時には、サーバは単に端末で再生すべきデータの番号等のみを送信するようにしてもよい。このようにすることで、一局ごとの通信データ量が減少するため、データ通信料を安価にすることができ、また、対局の進行を迅速なものとすることができる。
【0093】
また、前述した説明では、囲碁ゲームを対象として説明しているが、将棋、チェス、オセロゲーム、ダイヤモンドゲームなど、その他の着手によって状況が変化するゲームを対象とすることができる。
【0094】
例えば、将棋の場合には、「王手」「両どり」などの盤面の状況を表すインフォメーションの他、「持ち駒を打った」場合に武将が馳せ参じる様な盤面の状況を表す場合と異なる別の絵表示(画像)や音声を出力させるようにしても良い。
【0095】
また、チェスの場合には、「チェック」「チェックメイト」「キャスリング」などの状況となった場合に、インフォメーションを出力することができる。
【0096】
このように、対象とするゲームに応じた状況を感覚的に捉えることができる各種のインフォメーションを用意しておき、その状況となった場合に適宜出力することで、ゲームに対する興味を高め、上達の助けとすることもできる。
【0097】
なお、盤面の配列状況を判別する場合、囲碁では90°ごとの回転、将棋やチェスでは180°の回転によって、盤面の配列状況を着手者が何れの対局者であるかにかかわらず統一させることができるが、ダイヤモンドゲームでは盤面を60°あるいは30°回転させることで、他のゲームと同様にして盤面を統一することができる。盤面の配列を統一化させることによって、配石パターンテーブル407に記憶される照合用パターンの数を減らすことができ、また処理の効率化を図ることができる。
【0098】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、前述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られるので有れば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0099】
また、前述した各実施形態において記載した処理は、コンピュータに実行させることのできるゲーム情報処理プログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。ゲームを実行させるコンピュータは、記録媒体に記録されたゲーム情報処理プログラムを読み込み、または通信媒体を介してゲーム情報処理プログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【0100】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、着手情報の入力に伴って盤面状態から当該着手情報と関連する部分的な盤面状態を切り出し、この盤面状態が所定の状態にあると判別された場合に、着手情報の盤面状態に対する意味を表現する出力データを出力するので、着手の意味を感覚的に容易に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるゲーム情報処理装置を実現するシステムの構成を示す外観図。
【図2】本実施例におけるシステムの主要な構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態のシステムにおいて囲碁ゲームプログラムを実行する場合のディスプレイ101により表示されるメイン画面の一例を示す図。
【図4】本実施形態におけるインフォメーション出力に関係する機能の構成を示すブロック図。
【図5】配石レジスタ404の具体的な内容を示す図。
【図6】着手イメージ発信者選択状況レジスタ405の内容を示す図。
【図7】出力形態選択状況レジスタ406の内容を示す図。
【図8】パターンマッチング/データ取得システム403によって生成されるマッチングコードの詳細な内容を示す図。
【図9】パターンマッチング/データ取得システム403によって生成されるパターンコードの内容を示す図。
【図10】本実施形態におけるユーザ操作による入力に対する処理について説明するためのフローチャート。
【図11】本実施形態における周辺配石データを生成するために着手情報の周辺のデータを切り出す部分局面の切り出し処理を説明するためのフローチャート。
【図12】本実施形態における周辺配石データを生成するための、着手情報の周辺のデータを切り出す部分局面の切り出し処理に用いられる、パターン切り出し用データテーブルのデータ構造を示す図。
【図13】実際に着手された盤面配石状況と、マッチングコードとパターンコード及び最終的に出力されるインフォーメーションの対応例を示す図。
【図14】ネットワーク対局を行なうシステムの一例を示す図。
【符号の説明】
101…ディスプレイ
102…PC本体
103…スピーカー
104…キーボード
105…マウス
201…キーボード/マウス入力部
202…ROM
203…CPU
204…RAM
205…サウンドシステム
206…表示システム
301…ディスプレイ画面
303…残り時間表示部
304…メッセージ表示部
305…コマンド選択部
307…インフォメーション分類設定/表示部
308…着手イメージ選択部
309…出力形態選択部
310…文字表示部
311…絵表示部
401…入力情報分岐システム
402…着手決定システム
403…パターンマッチング/データ取得システム
404…配石レジスタ
405…着手イメージ発信者選択状況レジスタ
406…出力形態選択状況レジスタ
407…配石パターンテーブル
408…音声データ
409…画像データ

Claims (9)

  1. 対戦ゲームの着手情報が入力される入力手段と、
    前記入力手段によって入力された着手情報に基づいてゲームの状況を表す盤面状態を記憶する記憶手段と、
    前記入力手段による着手情報の入力に伴って、前記記憶手段に記憶された盤面状態から当該着手情報と関連する部分的な盤面状態を切り出す部分切り出し手段と、
    前記部分切り出し手段によって切り出された部分的な盤面状態が所定の状態にあるか否かを判別する判別手段と、
    前記所定の状態ごとに対応づけられた前記着手情報の盤面状態に対する意味を表現する出力データを記憶するデータ記憶手段と、
    前記判別手段によって前記部分的な盤面状態が所定の状態にあると判別された場合に、前記データ記憶手段に記憶された当該所定の状態と対応づけられた出力データを出力する出力手段と
    を具備したことを特徴とするゲーム情報処理装置。
  2. 前記データ記憶手段に記憶される出力データは、
    前記着手情報の盤面状態に対する意味を表現するものであることを特徴とする請求項1記載のゲーム情報処理装置。
  3. 前記部分切り出し手段は、
    前記記憶手段に記憶された盤面状態から切り出す部分的な盤面状態を、前記入力手段によって入力された着手情報と同じ対戦ゲームの対戦者側からの入力情報に基づく着手と異なる着手とに変換することを特徴とする請求項1記載のゲーム情報処理装置。
  4. 前記判別手段は、
    前記所定の状態を表すパターンを記憶するパターン記憶手段と、
    前記部分切り出し手段により切り出された部分的な盤面状態と前記パターン記憶手段に記憶されたパターンとを比較し、同一であった場合に前記部分的な盤面状態が所定の状態にあると判別するパターン判別手段とを具備したことを特徴とする請求項1記載のゲーム情報処理装置。
  5. 前記判別手段は、
    前記部分切り出し手段により切り出された前記部分的な盤面状態を前記入力手段により入力された着手情報の盤面状態に対する意味が変わらない形式に変更する変更手段をさらに具備し、
    前記パターン判別手段は、前記変更手段によって変更された部分的な盤面状態と前記パターン記憶手段に記憶されたパターンとを比較することを特徴とする請求項3記載のゲーム情報処理装置。
  6. 前記出力手段によって出力される出力データの出力形態を設定する出力形態設定手段を有し、
    前記データ記憶手段は、前記所定の盤面状態ごとに複数の出力形態に対応する出力データを記憶し、
    前記出力手段は、前記出力形態設定手段により設定された出力形態に応じた出力データを前記データ記憶手段から取得して出力することを特徴とする請求項1記載のゲーム情報処理装置。
  7. 前記出力手段は、前記出力形態設定手段により設定された出力形態に応じて、前記出力データとして文字データ、音声データ、画像データの何れか1つもしくは任意の組み合わせで出力することを特徴とする請求項5記載のゲーム情報処理装置。
  8. 対戦ゲームの対戦者の何れに対して出力データを出力するかを設定する出力設定手段をさらに具備し、
    前記出力手段は、前記出力設定手段により設定された対戦者に対して出力データを出力することを特徴とする請求項1記載のゲーム情報処理装置。
  9. コンピュータを、
    対戦ゲームの着手情報が入力される入力手段と、
    前記入力手段によって入力された着手情報に基づいてゲームの状況を表す盤面状態を記憶する記憶手段と、
    前記入力手段による着手情報の入力に伴って、前記記憶手段に記憶された盤面状態から当該着手情報と関連する部分的な盤面状態を切り出す部分切り出し手段と、
    前記部分切り出し手段によって切り出された部分的な盤面状態が所定の状態にあるか否かを判別する判別手段と、
    前記所定の状態ごとに対応づけられた前記着手情報の盤面状態に対する意味を表現する出力データを記憶するデータ記憶手段と、
    前記判別手段によって前記部分的な盤面状態が所定の状態にあると判別された場合に、前記データ記憶手段に記憶された当該所定の状態に対応づけられた出力データを出力する出力手段とに機能させるためのゲーム情報処理プログラム。
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