JP2004088997A - 積層コイル及びこれを用いたブラシレスモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 絶縁体層を積層してなる積層体に導体パターンで形成したコイルからなる複数のコイル極を一体化したn相モータ用(nは2以上の自然数)の積層コイルであって、積層コイルは積層体の外表面に形成した入力端子及び出力端子と、入力端子とコイル極を接続する第1の接続線路と、同相のコイル極を直列接続する第2の接続線路を備え、第1の接続線路と第2の接続線路は積層体に導体パターンで形成し、コイル極を第1の接続線路と第2の接続線路とに挟んだ絶縁体層に形成したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
このような偏平ブラシレスモータは、図14から図16に示すように3相8極構造のシート状コイル50を回転子マグネット100の磁極面に対向させて、固定子ヨークに積層固定しモータ磁極部を形成している。1相のコイルは8極の偏平コイル1枚で形成され、隣接するコイル極間は一筆書き的に導線を直列接続し、かつ互いに逆極性に成るように巻かれている。これを同心状に積層固定し、各コイルはヨークや印刷回路基板(PCB)などのコイル保持物125により保持され、各コイルの端部は印刷回路基板(PCB)120のパターン面にはんだ等で接続している。前記シート状コイル50は、薄い絶縁シート210の面上にエッチングやめっき等により渦巻状のパターン導体を施しコイル極200を形成したものである。
また第2の従来例のコイルは、外部端子電極が形成されたグリーンシート基板に複数のコイルシートを積層しているが、コイルが形成された円形部分の厚みと外部端子電極が形成された矩形部分の厚みが異なり、その積層コイルの形状は生産性に乏しく、また外部端子電極部分の機械的強度を得る為に、コイル導体パターンが形成されていないグリーンシート基板を厚く構成することが必要となり、その結果積層コイルの厚みが増加し、また外部端子電極部分が積層コイルの面積を大きくし、その結果ブラシレスモータの外形寸法が大きくなるといった問題があった。
そこで本発明の目的は、量産性に富み、回転ムラやトルクリップルといったモータ効率に優れ、高強度で小型・薄型の積層コイルとこれを用いたブラシレスモータを提供することを目的とする。
前記積層体の略中央部には、ブラシレスモータの回転軸及び/又は軸受を配置する貫通孔を有し、前記第1の接続線路を前記貫通孔を囲む環状導体部と前記環状導体部と入力端子との接続を行う第1の導体部と、前記環状導体部から延出しコイル極との接続を行う第2の導体部とで構成するのが好ましい。そして、前記入力端子、出力端子及び第1の接続線路とを積層体の一主面上に形成するのも好ましい。また、第2の接続線路は半径が異なる円周に形成された2つの円弧状部と、前記2つの円弧状部を接続する放射状部とを有するように構成するのも好ましい。
本発明の積層コイルは、複数相のコイル極を構成するコイルが同一層に一面上に形成されるが、同相のコイル極を構成するコイルは隣り合わないように、且つモータ回転軸の周りに180°対称に配置され、互いに第2の接続線路を介して接続される。このように構成することでコイル極の巻数をより多くし、さらに各コイル極と回転子の永久磁石との間の距離を実質的に同一とすることが出来るのでモータ特性の向上を可能とする。なお、安定したモータの回転状態を得るには積層コイルにおける各相のコイル極数の総和が相ごとに同じであるのが望ましい。
そこで、第2の接続線路の前記環状導体部を貫通孔を囲むように配置すれば、モータの回転性能を阻害することがない。そして、コイル極との接続を行う第2の導体部と入力端子との接続を行う第1の導体部とを前記環状導体部から放射状に延出形成すれば、わずかではあるもののコイル有効長を増加させるのでモータ性能が向上する。
そして本発明においては、前記入力端子、出力端子及び第1の接続線路とが積層体の一主面に形成し、印刷回路基板(PCB)との接続を容易にしている。入力端子、出力端子は、それぞれLGA(Land Grid Array)やBGA(Ball Grid Array)とするのが好ましい。
前記コイル極はモータ回転軸の周りに環状に形成されるので、積層コイルを環状としても良いが、環状に形成する為には金型で打ち抜く等の手段が別途必要となり個片化が困難であるが、本発明によれば後述するように複数の積層体を内包する積層基板から個片の積層コイルを形成するのが容易である。そして、矩形平板状積層体の同一主面において、コイル極と積層方向に重複しないように主面の異なる四隅に入力端子と出力端子を形成すれば、実質的に積層コイルを大型化することが無いとともに、モータ性能を劣化させる事もなく好ましい。さらには、入出力端子を比較的大きく形成出来るのでPCBとの端子接続強度を向上させることも出来、コイル極が形成されない積層体のスペースを有効に使用することが出来る。
このように構成すれば、第1のコイルと第2のコイルとに一定な方向に電流が印可され、ひとつのコイル極として動作し、コイル極の巻数をより多くすることが出来るので、モータを高トルク化することが出来る。
そして、異なる相のコイル極をモータ回転軸の周りに等角度間隔で配置するのが好ましく、同相のコイル極がモータ回転軸の回転中心に180°で回転対称な位置に配置するのが好ましい。実質的に同じ大きさのコイル極をモータ回転軸の周りに等角度間隔で配置すると、各コイル極の逆起電力がモータの回転軸に対して軸対称に発生するので、モータの回転精度を向上させることが出来る。
前記コイルを扇型のスパイラルコイルであって、モータの回転軸を中心として該開角度を55°以下とするのも好ましい。前記のようにモータの回転軸を中心として扇型スパイラルコイルを配置する場合、回転軸を中心として放射状に延びる線路部分がトルク特性に寄与するコイル有効長となり高トルクが得られるので好ましい。そして前記スパイラル状コイルの開角はスパイラル状コイルを構成する導体パターンの幅や、コイル数、モータ総数により適宜設定されるが、3相モータで6極構造である場合にはその開角の上限を55°以下として設定するのが好ましい。
以下本発明の一実施例に係る積層コイルとこれを用いたブラシレスモータについて説明する。
図1は本発明の一実施態様による積層コイルの斜視図であり、図2その内部構造を示す分解図である。この積層コイルは、低温焼成が可能なセラミック材料(LTCC材料)からなる厚さ20μm〜200μmのグリーンシート上にAgやCuなどを主体とする導電ペーストを印刷して所望の導体パターンを形成し、導体パターンを有するグリーンシートを適宜積層し、焼成することにより複数のコイル極を一体化したものである。コイル極を形成する導体パターンの幅は、ほぼ100μm〜400μmである。
まずドクターブレード法などの公知のシート成形方法により、セラミックス粉末、バインダ、及び可塑剤よりなるセラミックスラリーを、ポリエチレンテレフタレートフィルムからなるキャリアフィルム上に均一な厚さで塗布し、数十μmから数百μmのグリーンシートを形成する。そして乾燥後のグリーンシートを、キャリアシートが付いたまま所定の寸法に裁断する。セラミックス粉末としては、1000℃以下で焼結可能な例えばAl2O3を主成分としSiO2、SrO、CaO、PbO、Na2O及びK2Oの少なくとも1種を複成分とする低温焼結可能な誘電体材料であり、また他の例では、Al2O3を主成分としMgO、SiO2及びGdOの少なくとも1種を複成分として含む低温焼結可能な誘電体材料である。また他の例では、Bi2O3、Y2O3、CaCO3、Fe2O3、In2O3及びV2O5の少なくとも1種を含む低温焼結可能な磁性セラミック材料であって、セラミックス成分を工夫して低温焼結化させている。
本実施例においては、主成分がAl,Si,Sr,Tiの酸化物で構成され、Al,Si,Sr,TiをそれぞれAl2O3、SiO2、SrO、TiO2に換算し合計100質量%としたとき、Al2O3換算で10〜60質量%、SiO2換算で25〜60質量%、SrO換算で7.5〜50質量%、TiO2換算で20質量%以下のAl,Si,Sr,Tiを含有し、前記合計100質量%に対し副成分として、Bi2O3換算で0.1〜10質量%のBiを含有する誘電体セラミックスを用いた。この誘電体セラミックスの基本特性は、誘電率が7〜9で、JIS R 1601で規定される曲げ強さ試験方法の3点曲げ(試料形状 長さ36mm、幅4mm、厚さ3mm、支点間距離30mm)による抗折強度が240MPa以上であり、ヤング率が110GPa以上であり、LTCC材料としては高い抗折強度とヤング率を備えるものである。
その後、前記積層体のモータ回転軸の回転中心となる部分を金型により打ち抜いたり、レーザ加工処理を行いφ2mmの貫通孔10を形成した。
そして、平板状積層体の主面に互いに平行な複数の分割溝とこの分割溝320と直交する複数の分割溝320を、それぞれほぼ0.1mmの深さとなるように鋼刃で刻設した。前記分割溝の深さは、分割のし易さや、取り扱い易さ等から、50μm〜300μmの範囲で適宜設定される。その後、平板状成形体を脱脂・焼結して65mm×60mm×0.3mmの積層基板300(積層コイルの集合体)とした。前記積層基板300の外表面には積層コイルの入出力端子等が形成されており、これに無電解めっきによりNiめっき、Auめっきを施した。めっき処理の後分割溝にそって分割して、外形寸法が図1に示す8mm×8mm×0.3mmのブラシレスモータ用積層コイル1とした。
なお、前記積層体の両主面にAl2O3などの1000℃以下で焼結しないセラミック層などの拘束層を設けて焼結し、平面的な収縮を抑制してブラシレスモータ用積層コイルとするのも好ましい。
まず最下層の第1層には、同相のコイル極を接続するための第2の接続線路300a、300b、300cが形成されている。これら第2の接続線路はそれそれ後述するモータ回転軸の周りに等角度間隔で配置され、前記モータ回転軸を中心とする2つの円弧状部と、モータ回転軸中心から放射状に形成され前記2つ円弧状部を接続する放射状部を有している。
本実施例においては、第2の接続線路を前記のように構成してモータ回転軸の回転中心に180°で回転対称な位置に配置される同相のコイル極を接続するようにしているが、前記2つの円弧状部をモータ回転軸を中心とする円周上に配置することでモータの回転特性を阻害せず、わずかであるがトルク特性を向上させることが出来る。
また前記第2の接続線路を積層体内部に形成しているが、積層体の主面に導電ペーストを印刷したり、転写するなどして形成してもよく、その場合には少なくとも1層のグリーンシートを削減できるので、わずかであるが積層コイルを薄型化できるので好ましい。
上記6つのコイルは、第1のコイルパターン251h、252h、253hと第2のコイルパターン251g、252g、253gにより構成され、第1のコイルパターン251h、252h、253hは外周側から内周側に時計方向に巻回され、外周端部に第2の接続線路と接続するためのスルーホール部(図2中黒丸で表示)を有し、第2のコイルパターン251g、252g、253gは外周側から内周側に時計方向に巻回され、内周端部に第2の接続線路と接続するためのスルーホール部が形成されている。
図4(a)に示すように、第1のコイルパターン251h、252h、253hと第2のコイルパターン251g、252g、253gはモータ回転軸の周りに交互に配置されている。第1のコイルパターン251h、252h、253hと第2のコイルパターン251g、252g、253gはともに外周側から内周側に時計方向に巻回されており、本発明の積層コイルにおいては、これらを第2のコイルと呼ぶ。
本実施例においては、モータ回転軸に対して180°の回転対称の位置にあるコイルパターンは第2の接続線路により直列に接続され、同相のコイル極となる。すなわち、第1のコイルパターン251hと第2のコイルパターン251gは第2の接続線路300aにより接続され、第1のコイルパターン252hと第2のコイルパターン252gは第2の接続線路300bにより接続され、第1のコイルパターン253hと第2のコイルパターン253gは第2の接続線路300cにより接続され、それぞれコイル極を構成する。つまり接続線路300aは図3に示す第2相のコイル極61の中点を、接続線路300bは第1相のコイル極60の中点を、接続線路300cは第3相のコイル極62の中点をそれぞれ構成している。
第3層で内周側から外周側に時計方向に巻回された第3のコイルパターン251f、252f、253fは、第2層に形成された第1のコイルパターン251h、252h、253h(外周側から内周側に時計方向に巻回されている)と積層方向に重なり合う。また第3層に形成された第4のコイルパターン251e、252e、253e(内周側から外周側に時計方向に巻回されている)は、第2層に形成された第2のコイルパターン251g、252g、253g(外周側から内周側に時計方向に巻回されている)と積層方向に重なり合う。第2層及び第3層の対応するコイルはそれぞれスルーホール部を介して同じ巻回方向に接続されている。
第3のコイルパターン251f、252f、253fと第4のコイルパターン251e、252e、253e はともに内周側から外周側に時計方向に巻回されており、本発明の積層コイルにおいては、これらを第1のコイルと呼ぶ。
第2〜5層に形成され積層方向に重なり合う同相のスパイラル状コイルは、例えばコイルパターン251a、251c、251e、251gに着目すれば、内周側から外周側に時計方向に巻回された第1のコイル(251a)と、第1のコイル(251a)の外周端と接続し外周側から内周側に時計方向に巻回された第2のコイル(251c)と、第2のコイル(251c)の内周端と接続し内周側から外周側に時計方向に巻回された第1のコイル(251e)と、第1のコイル(251e)の外周端と接続し外周側から内周側に時計方向に巻回された第2のコイル(251g)とで構成して同じ巻回方向としているので、第1のコイルと第2のコイルには一定の方向に電流が印可される。
本実施例においては、各コイルを4ターンとし、かつ平面的に異なる領域に形成された同相のコイル極を接続して、1相当たりのコイルの巻き数を32ターンと多くしているので、モータの高トルク化を達成することができる。コイルの巻き数は、コイルが形成された層の数を増減することにより、容易に調整することができる。
本実施例においては、それぞれのコイルを4回巻き回されたスパイラル状コイルとしている。トルク性能を向上させる為には巻き数を多くすることが望ましいが、コイルを構成する導体パターンの幅を小さく形成してコイル巻き数を増加させようとしても、それに伴い直流抵抗が増加するといった問題や、モータの相数やその外形寸法によるコイル形成領域の制約などにより、2〜6ターンが適当である。
コイルの形状は扇型とするのが好ましい。このコイルの開角θは、モータの相数やコイル数などで決定され、隣のコイルと接触しない程度に、適当なコイル巻数が得られるに適宜設定され、本実施例においては50°としている。さらにコイルの好まし構成の一例として、図5(c)に示すコイルがある。このように回転軸を中心としてトルク特性に寄与するコイルの線路部分(コイル有効長L)を放射状に延びるようにすれば、発生する力がモータの回転に最も効率的に作用し高トルクが得られるので好ましい。
そしてコイルのトルク特性に寄与しない円周部分をモータ回転軸の中心円周にそって円弧状として、モータの回転性能を阻害しないようにしている。
積層方向に隣り合うコイルの間隔が狭い場合に、積層向に重なり合うようにコイルを配置して積層圧着すると、コイルがつぶれたり、歪むなどする変形が生じたり、コイルが形成された部分と、されない部分とで均一な圧着圧力が作用せず、その結果デラミネーション(層間剥離)や微少なひびが発生するといった場合がある。そこで前記のように構成することでコイルのつぶれや歪みを低減し、デラミネーション等の発生を抑制している。
また、グリーンシートはコイルの導体よりも変形しやすいため、コイルを千鳥状に積層するとコイルパターン251b、251d、251f,251hが、例えばコイルパターン251d、251hに着目すれば、前記コイルパターン251d、251h間に存在するグリーンシートにコイルパターンが圧着時に押込まれるようになるので、そのを狭く形成することが出来る。したがってコイルが実質的に密状態で形成されることとなり、導体占積率を向上させることができる。
このようにして図8に二点破線でコイル間の接続状態を示すように、入力端子INから出力端子OUT1間に配置される第1相のコイル極60をコイル252a〜252hで形成し、入力端子INから出力端子OUT2間に配置される第2相のコイル極61をコイル251a〜251hで形成し、入力端子INから出力端子OUT3間に配置される第3相のコイル極62をコイル253a〜253hで形成した。
前記積層体の略中央部に形成された貫通孔10の中心が回転子の軸の中心とほぼ一致する。前記貫通孔10は積層体を金型により打ち抜いたり、レーザ加工などにより形成されるが、コイルや入力・出力端子等を形成する工程とは別工程で形成されるので、貫通孔が所望の位置とはずれしまう事がある。このような場合において、図7に示すように前記環状導体部210を前記貫通孔を囲むように形成しておけば、貫通孔中心410と環状導体部中心400との貫通孔形成における位置ずれの確認が容易であるとともに、三次元測定器などの計測機器により、それぞれの中心位置を計測すれば、ずれ量の定量化も容易となる。その結果、積層コイルの良否判定を容易にかつ定量的に行うことが出来る。
以上のようにして、8mm×8mm×0.3mmのブラシレスモータ用積層コイルを作成した。なお、積層コイルの主面にオーバーコートガラスでコート層を形成するのも本発明の範囲内である。
本実施例では、本発明の積層コイルを用いて構成したブラシレスモータの一例を示す。図11に示すブラシレスモータは、図12に示した多数のセットとなるN極とS極が交互に配置された環状マグネット100を支持体となるヨーク105aに配置した第1の回転子101aと、この第1の回転子101aの中央に結合された回転軸130と、前記第1の回転子101aと所定の磁気空隙を介して配置され電磁気力を印加する積層コイル1を備えた固定子125と、前記積層コイル1に形成されたコイル極50に駆動電流を周期的に供給する電気信号制御部を備え、積層コイル1に形成された入力・出力端子と電気的接続する回路パターンが形成されたPCBと、第1の回転子101aが円滑に回転するように固定子125にブッシングを介して固定され、第1の回転子101aに連結された回転軸を支持する軸受け150を備えた3駆動電源を用いたるものである。本実施例に用いた積層コイル1は、実施例1で開示したものと同様なのでその説明を省く。ここで用いる環状マグネット100としては、Nd−Fe−B焼結磁石、Sm−Co焼結磁石等の希土類焼結磁石、Nd−Fe−B、Sm−Fe−N、Sm−Co等の希土類ボンド磁石あるいはフェライト焼結磁石等の保持力の高い永久磁石材料を使用する。好ましくは固有保持力iHcが残留磁束密度Brより高い永久磁石材料を使用することで磁石厚さを薄くできる。環状マグネット100の形状としてはリング状あるいは、リングを分割した扇形や円形、矩形のものを用いることができる。
さらに、積層コイル1に第1の回転子101aの磁極センサのランドを設けて実装してもよい。この磁極センサは、回転子の磁極の位置に対応したコイル極を励磁して、一定方向の回転方向の回転力を得るものであるが、ホール素子を用いることが多い。ホール素子と回路パターンが形成されたPCBとの接続のための線路パターンを積層コイル1に形成することも出来る。また、FG(Frequency Generator)コイルを積層コイル1の内部又は主面に構成してもよいし、積層コイル1にキャビティを設けてホール素子を配置してもよい。このように構成すれば第1の回転子101aと固定子125との磁気空隙を大きくすること無く、薄型で高出力のモータを得る事が出来た。
なお、本実施例ではPCBを用いているが、積層コイル1を平面的に大きくに構成して基板化し、前記電気信号制御部を積層コイル基板に構成することも本発明の範囲内である。
図13に本発明に係るブラシレスモータの他の例を示す。
このブラシレスモータは、図12に示した多数のセットとなるN極とS極が交互に配置された環状マグネット100を支持体となるヨーク105aに配置した第1の回転子101aと、前記環状マグネット100aと反対極性となり対向位置に配置される環状マグネット100bを支持体となるヨーク105bに配置した第2の回転子101bと、この第1の回転子101aと第2の回転子101bの中央に結合された回転軸130と、前記第1の回転子101aと第2の回転子101aと所定の空隙を介して設けられ前記第1及び第2の回転子に互いに逆方向の電磁気力を与える積層コイル1を備えた固定子125と、前記積層コイル1に形成されたコイル極50に駆動電流を周期的に供給する電気信号制御部を備え、積層コイル1に形成された入力・出力端子と電気的接続する回路パターンが形成されたPCBと、第1及び第2の回転子101a、101bが円滑に回転するように固定子125にブッシング140を介して固定され、第1及び第2の回転子に連結された回転軸を支持する軸受け150を備え、3駆動電源を用いるものである。本実施例に用いた積層コイル1は平面的に大きくに構成して基板化したものであり、駆動電流を周期的に供給する電気信号制御部などの回路パターンを一体的に形成したものである。他の構成はほぼ実施例1で開示したものと同様なのでその説明を省く。
10 貫通孔
60 第1のコイル極
61 第2のコイル極
62 第3のコイル極
200、201a、201b、201c、210 第1の接続線路
251a〜251h、252a〜252h、253a〜253h コイル
300a〜300c 第2のコイル
Claims (14)
- 絶縁体層を積層してなる積層体に導体パターンで形成したコイルからなる複数のコイル極を一体化したn相モータ用(nは2以上の自然数)の積層コイルであって、前記積層コイルは前記積層体の外表面に形成された入力端子及び出力端子と、前記入力端子とコイル極を接続する第1の接続線路と、同相のコイル極を直列接続する第2の接続線路を備え、前記第1の接続線路と前記第2の接続線路は積層体に導体パターンで形成されており、前記コイル極が第1の接続線路と第2の接続線路とに挟まれた絶縁体層に形成されることを特徴とする積層コイル。
- 前記コイル極の数がnの倍数であり、相毎のコイル極数が等しいことを特徴とする請求項1に記載の積層コイル。
- nが2又は3であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層コイル。
- 前記積層体の略中央部には、ブラシレスモータの回転軸及び/又は軸受を配置する貫通孔を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層コイル。
- 前記第1の接続線路は、前記積層体の略中央部に形成された貫通孔を囲む環状導体部と、前記環状導体部と入力端子との接続を行う第1の導体部と、前記環状導体部から延出しコイル極との接続を行う第2の導体部を有することを特徴とする請求項4に記載の積層コイル。
- 前記入力端子、出力端子及び第1の接続線路とが積層体の一主面上に形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の積層コイル。
- 前記第2の接続線路は、半径が異なる円周に形成された2つの円弧状部と、前記2つの円弧状部を接続する放射状部とを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の積層コイル。
- 絶縁体層を積層してなる積層体に導体パターンで形成した複数のコイルからなるコイル極を一体化した3相モータ用の積層コイルであって、前記積層体は矩形平板状に形成され、1つの入力端子及び3つの出力端子のそれぞれを積層体の同一主面の異なる四隅に形成することを特徴とする積層コイル。
- 前記コイル極は複数の絶縁体層に形成され積層方向に重なり合うコイルを接続してなり、少なくとも内周側から外周側へと時計方向に巻回された第1のコイルと、外周側から内周側へと時計方向に巻回された第2のコイルとで構成され、第1のコイルと第2のコイルとを積層体に形成されたスルーホールで接続し、もって前記第1のコイルと前記第2のコイルを同じ巻回方向とすることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の積層コイル。
- 異なる相のコイル極をモータ回転軸の周りに等角度間隔で配置したことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の積層コイル。
- 同相のコイル極がモータ回転軸の回転中心に180°で回転対称な位置に配置されることを特徴とする請求項10に記載の積層コイル。
- 前記コイルが扇型のスパイラルコイルであって、モータの回転軸を中心として該開角を55°以下としたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の積層コイル。
- 請求項1乃至12のいずれかに記載の積層コイルを固定子として用いたブラシレスモータであって、前記積層コイルを互いに異なる磁極が隣接する永久磁石を備えた回転子に磁気空隙を介して対向配置したことを特徴とするブラシレスモータ。
- 積層コイルの異なる相のコイル極毎に、電流を周期的に供給する電気信号制御部を備えることを特徴とする請求項13に記載のブラシレスモータ。
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