JP2004085923A - マスクパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】補正パラメータ数が増加してもOPC処理に要する時間を短縮することができるマスクパターン形成方法を提供する。
【解決手段】複数の透過率の位相シフト領域を有するマスクパターンの光近接効果補正技術を用いたマスクパターン形成方法であって、単層の位相シフトマスクを想定した光近接効果補正を行うOPC処理工程と、光近接効果補正後に透過率を決定する工程と、透過率の決定後透過率に対応するマスクバイアスをかける工程を含む。複数の透過率のうち最も低い透過率の位相シフトマスクの光近接効果補正を行う。 透過率をマスクパターン線幅とパターン間距離から決定する。または透過率を光近接効果補正量から決定する。
【選択図】 図4
【解決手段】複数の透過率の位相シフト領域を有するマスクパターンの光近接効果補正技術を用いたマスクパターン形成方法であって、単層の位相シフトマスクを想定した光近接効果補正を行うOPC処理工程と、光近接効果補正後に透過率を決定する工程と、透過率の決定後透過率に対応するマスクバイアスをかける工程を含む。複数の透過率のうち最も低い透過率の位相シフトマスクの光近接効果補正を行う。 透過率をマスクパターン線幅とパターン間距離から決定する。または透過率を光近接効果補正量から決定する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する分野】
この発明は、マスクパターン形成方法に関し、とくに半導体のリソグラフィープロセスにおける、位相シフトマスクの光近接効果補正技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスは微細化の一途をたどり、0.10μm以下のパターン形成技術が必要となってきており、ArFエキシマレーザ(193nm)を用いたリソグラフィの開発が行われている。一方、システムLSIの高機能化に伴い、高速で高性能なロジック部を形成する技術が必要とされている。高性能なロジック部を加工するためには、フォトリソグラフィにおいて、微細なパターンと大きなパターンの両方のプロセスマージンを確保しつつ、高精度にパターン形成できる露光技術が必要である。このような技術としては、複数の透過率の位相シフト領域を有するマスクを利用する方法が知られている(特開2000−231183)。
【0003】
一方、パターン寸法を精度良く制御するためには、位相シフトマスクの利用だけでは不十分であり、光近接効果補正(OPC)技術が必須である。
【0004】
単層の位相シフト領域を持つマスクにおけるOPCの手順を図9を参照しながら説明する。OPCは被補正パターン自身の寸法と隣接パターンの寸法及びその距離で決定される。例えば図9(a)に示す補正パターンであるラインパターン111Aにおいて、左側の線幅補正量ΔL01は、パターン111の線幅L0、近接ラインパターン112の線幅L1、およびパターン111と隣接パターン112との距離S1で決定される。すなわちΔL01=f(L0,L1,S1) であり、図9(b)に示すラインパターン111Bのようになる。右側補正量(ΔL02)も同様にして近接ラインパターン113に対して決定され、ΔL02=f(L0,L2,S2)となり、最終的に仕上がるマスク寸法はこれらの和すなわち、L′=L0+ΔL01+ΔL02となる。つまり線幅補正量ΔL0nは3つの補正パラメータ(L0、Sn,Ln)の組み合わせで決定され、OPC仕様はこの組み合わせついて記述するものとなる。なおLnによる寸法変動の影響が小さい場合にはL0,Snの2補正パラメータの補正仕様にしても構わない。
【0005】
次に、図10に単層の位相シフト領域を持つマスクのOPC補正フローを示す。パターンレイアウトを作成し、上記のようにOPC仕様すなわちΔL0n=f(L0,Ln,Sn)を作成し、作成されたパターンレイアウトについて被補正パターンの補正パラメータを抽出し、OPC仕様に基づきOPC処理を行い、マスクパターンを出力する。
【0006】
複数の透過率の位相シフト領域を形成したマスクにおいても、同様の方法でOPCを行うことができる。たとえば、2種の異なる透過率の位相シフトマスク領域をもつトライトーンマスクの場合、図11に示すように、OPC補正量(ΔL)は各パターンの透過率T0、T1、T2も変数に加わるため、計5個のパラメータにより決定されるようになる。従ってOPCも5補正パラメータに基づく仕様となる。すなわち、図11(a)のラインパターン131Aの両側にパターン132、133がある場合において、左側の線幅補正量ΔL01は、ΔL01=f(L0,T0,L1,T1,S1)となり、右側の線幅補正量ΔL02は、ΔL02=f(L0,T0,L2,T2,S2)となり、マスク寸法L′=L0+ΔL01+ΔL02となり、図11(b)のラインパターン131Bとなる。
【0007】
図12にトライトーンマスクのOPCフローを示す。パターンレイアウトおよびOPC仕様すなわちΔL0n=f(L0,T0,Ln,Tn,Sn)を作成する。作成されたパターンレイアウトについてまず各パターンの透過率を決定する。その後被補正パターンの上記した補正パラメータを抽出し、予め作成しておいたOPC仕様に基づきOPC処理を行いマスクパターンを出力する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のトライトーンマスクのOPCフローにおいては、一層のマスクに比べ補正パラメータが増加する。一般にOPCの補正パラメータ数が増加するとその組み合わせも指数関数的に増加するため、データ取得、OPC仕様作成、及びOPC処理に要する時間は飛躍的に上昇してしまう。
【0009】
したがって、この発明の目的は、補正パラメータ数が増加してもOPC処理に要する時間を短縮することができるマスクパターン形成方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のマスクパターン形成方法は、複数の透過率の位相シフト領域を有するマスクパターンの光近接効果補正技術を用いたマスクパターン形成方法であって、単層の位相シフトマスクを想定した光近接効果補正を行う工程と、光近接効果補正後に透過率を決定する工程と、透過率の決定後透過率に対応するマスクバイアスをかける工程を含むものである。
【0011】
請求項1記載のマスクパターン形成方法によれば、複数の透過率の位相シフト領域を有するマスクパターンの光近接効果補正において、単層の位相シフトマスクを想定した光近接効果補正を行った後、透過率を決定し、更に適切なマスクバイアスをかけることで、飛躍的にOPC処理に要する時間を短縮できる。
【0012】
請求項2記載のマスクパターン形成方法は、請求項1において、複数の透過率のうち最も低い透過率の位相シフトマスクの光近接効果補正を行うものである。。
【0013】
請求項2記載のマスクパターン形成方法によれば、請求項1と同様な効果のほか、複数の透過率のうち最も低い透過率の位相シフトマスクの光近接効果補正を行うことで、どのようなパターンに対しても補正することが可能となる。
【0014】
請求項3記載のマスクパターン形成方法は、請求項1において、透過率をマスクパターン線幅とパターン間距離から決定するものである。
【0015】
請求項3記載のマスクパターン形成方法によれば、請求項1と同様な効果のほか、透過率の決定をマスクパターン線幅とパターン間距離の両者から決定することにより、より高精度に補正を行うことができる。
【0016】
請求項4記載のマスクパターン形成方法は、請求項1において、透過率を光近接効果補正量から決定するものである。
【0017】
請求項4記載のマスクパターン形成方法によれば、請求項1と同様な効果のほか、透過率の決定を光近接効果補正量から決定することで処理ステップを削減できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施の形態を図1から図6により説明する。まず、一実施形態を実現できる原理について説明する。
【0019】
透過率の異なるマスクパターンの寸法の相関性について図1から図3を用いて説明する。図1は透過率HTが3%、6%、15%の位相シフトマスクパターンの光強度分布を示している。マスク線幅Lは0.12μm、ピッチは0.24μm、開口数NA=0.60のArF光源における特性であり、マスクパターン中心からの距離に対して各パターンの光強度値をプロットしている。この図より任意の光強度値においては、高透過率になるほどマスク中心からの距離が遠くなる、つまり解像寸法が太ることが分かる。光強度値は露光量の逆数に比例するため、これは、同一露光量においては高透過率になるほど解像寸法が太ることを示している。
【0020】
図2に0.24μmピッチにおいて解像線幅が0.12μmに仕上がるように各位相シフトマスクにバイアスを掛けた場合の光強度分布をしめす。バイアス量は透過率6%のマスクを基準にすると、透過率3%においてはマスク線幅を太め、透過率15%においてはマスク線幅を細めている。これらのグラフは一致していることがわかる。つまり、透過率が異なっても、マスクバイアスをかけることで光学特性は等価となり、同じ寸法・同等のプロセスマージンを持ったパターンを解像させることができることを示している。この等価関係を調べた結果を図3に示す。このグラフは6%位相シフトマスクを基準にした場合の、種々透過率の位相シフトマスクパターンの寸法相関性をプロットしている。種々の透過率のマスクに対して光学的等価関係が成立することがわかる。Crはクロムマスクである。
【0021】
この等価関係を利用したOPC手法の詳細を以下に説明する。図4に高低2種の透過率を有するトライトーンマスクにおけるOPCフローを示す。まず低透過率マスクパターンのOPC補正仕様すなわちΔL0n=f(L0,Ln,Sn)を作成する。また、低透過率マスクと高透過率マスクの寸法の等価関係を調べ、低透過率マスクから高透過率マスクへの寸法変換仕様を作成する。次に作成されたパターンレイアウトについて被補正パターンの補正パラメータを抽出し、全てのパターンを低透過率パターンとみなし、低透過率マスクのOPC仕様に基づいたOPC処理を行う。ここでは単層マスクと同じ3つの補正パラメータで処理できる。その後高透過率マスク領域を決定し、前述の寸法変換仕様に基づき高透過率マスクパターン領域にバイアスをかけ最終OPCパターンを出力する。
【0022】
このようなフローでOPC処理を行えば、補正パラメータ数が単層マスクと同じにまで削減できるのでOPC処理に要する時間が飛躍的に短縮できる。
【0023】
なお、前述の実施の形態は低透過率マスクから高透過率マスクへ変換を行う例を示したが、その逆、つまり高透過率から低透過率へ変換するのは難しい。高透過率マスクでは大きなパターンの中心は明るくなってしまうため、上手く解像しないことがある。このため高透過率マスクの補正は困難となる場合がある。従って低透過率から高透過率へ変換する方が、どのようなパターンに対しても補正を行うことができる。
【0024】
ここで、図5に種々の透過率の位相シフトマスクのピッチ寸法に対する解像寸法の依存性を示す。横軸は1:1ラインアンドスペース(L/S)パターンのマスク線幅(L)を表しており、例えばL/S=0.14μmでピッチ=0.28μmということである。縦軸は解像寸法(CD)である。
【0025】
この特性は狭ピッチになるに従って線形性が急激に悪化しており、その傾向は透過率が高くなるに従ってより悪化している。このことより、比較的緩いピッチにおいてはプロセスマージンの増加効果の大きい高透過率を用いることが好ましく、狭ピッチおいては低透過率を使用することが望ましい。通常、位相シフトマスクの透過率は図4のフローにおいて図6のフローに示すようにマスク線幅により決定するが、図5の結果よりそれだけでは不十分なことがあることが分かる。従って、図6に代えて図7のフローに示すように線幅とスペースの両方から透過率を決定すれば、より高精度な補正を行うことができる。
【0026】
更に図5より、緩やかなピッチのところにおいては寸法がマスク幅に対して細くなり、狭ピッチについてはピッチの縮小に伴って寸法がマスク幅に対して太くなる傾向がある。その傾向を利用して、補正量の正負より各パターンが狭ピッチ状態のパターンか否かを判断することも可能となる。従って、図8に示すようにOPC補正量よりピッチ状態を判断し透過率を決定することもできる。
【0027】
なお、前述の実施の形態では透過率は高低2種のものについて示したが、3種類以上の透過率を有するマスクについても同様に補正を行うことができる。つまり、最初に単層を想定したOPCを行い、透過率の設定時に他の透過率パターンを決定すればよい。この場合、パターンに応じ最適な透過率を選択することで、更にプロセスマージンが広く高精度な補正が可能となる。
【0028】
上記の実施の形態のマスクパターンをもつマスクを利用してレジストパターン等を形成することができる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1記載のマスクパターン形成方法によれば、複数の透過率の位相シフト領域を有するマスクパターンの光近接効果補正において、単層の位相シフトマスクを想定した光近接効果補正を行った後、透過率を決定し、更に適切なマスクバイアスをかけることで、飛躍的にOPC処理に要する時間を短縮できる。
【0030】
請求項2記載のマスクパターン形成方法によれば、請求項1と同様な効果のほか、複数の透過率のうち最も低い透過率の位相シフトマスクの光近接効果補正を行うことで、どのようなパターンに対しても補正することが可能となる。
【0031】
請求項3記載のマスクパターン形成方法によれば、請求項1と同様な効果のほか、透過率の決定をマスクパターン線幅とパターン間距離の両者から決定することにより、より高精度に補正を行うことができる。
【0032】
請求項4記載のマスクパターン形成方法によれば、請求項1と同様な効果のほか、透過率の決定を光近接効果補正量から決定することで処理ステップを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】透過率の異なる位相シフトマスクパターンの光強度分布を示すグラフである
【図2】図1のマスクパターンにバイアスを掛けた場合の光強度分布を示すグラフである。
【図3】異なる透過率の光学的等価関係を示すグラフである。
【図4】本発明の一実施の形態における光近接効果補正の処理フローである。
【図5】種々の透過率の位相シフトマスクのピッチ寸法に対する解像寸法の依存性を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施の形態における、線幅により透過率を決定する光近接効果補正の処理フローである。
【図7】本発明の第一の実施の形態における、線幅およびスペースにより透過率を決定する光近接効果補正の処理フローである。
【図8】本発明の一実施の形態における、補正量により透過率を決定する光近接効果補正の処理フローである。
【図9】1層マスクにおける光近接効果補正の概要を示す図である。
【図10】1層マスクにおける光近接効果補正の処理フローである。
【図11】透過率の異なる位相シフトマスクにおける従来の光近接効果補正の概要を示す図である。
【図12】透過率の異なる位相シフトマスクにおける従来の光近接効果補正の処理フローである。
【符号の説明】
111 被補正パターン
112 左側隣接パターン
113 右側隣接パターン
【発明の属する分野】
この発明は、マスクパターン形成方法に関し、とくに半導体のリソグラフィープロセスにおける、位相シフトマスクの光近接効果補正技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスは微細化の一途をたどり、0.10μm以下のパターン形成技術が必要となってきており、ArFエキシマレーザ(193nm)を用いたリソグラフィの開発が行われている。一方、システムLSIの高機能化に伴い、高速で高性能なロジック部を形成する技術が必要とされている。高性能なロジック部を加工するためには、フォトリソグラフィにおいて、微細なパターンと大きなパターンの両方のプロセスマージンを確保しつつ、高精度にパターン形成できる露光技術が必要である。このような技術としては、複数の透過率の位相シフト領域を有するマスクを利用する方法が知られている(特開2000−231183)。
【0003】
一方、パターン寸法を精度良く制御するためには、位相シフトマスクの利用だけでは不十分であり、光近接効果補正(OPC)技術が必須である。
【0004】
単層の位相シフト領域を持つマスクにおけるOPCの手順を図9を参照しながら説明する。OPCは被補正パターン自身の寸法と隣接パターンの寸法及びその距離で決定される。例えば図9(a)に示す補正パターンであるラインパターン111Aにおいて、左側の線幅補正量ΔL01は、パターン111の線幅L0、近接ラインパターン112の線幅L1、およびパターン111と隣接パターン112との距離S1で決定される。すなわちΔL01=f(L0,L1,S1) であり、図9(b)に示すラインパターン111Bのようになる。右側補正量(ΔL02)も同様にして近接ラインパターン113に対して決定され、ΔL02=f(L0,L2,S2)となり、最終的に仕上がるマスク寸法はこれらの和すなわち、L′=L0+ΔL01+ΔL02となる。つまり線幅補正量ΔL0nは3つの補正パラメータ(L0、Sn,Ln)の組み合わせで決定され、OPC仕様はこの組み合わせついて記述するものとなる。なおLnによる寸法変動の影響が小さい場合にはL0,Snの2補正パラメータの補正仕様にしても構わない。
【0005】
次に、図10に単層の位相シフト領域を持つマスクのOPC補正フローを示す。パターンレイアウトを作成し、上記のようにOPC仕様すなわちΔL0n=f(L0,Ln,Sn)を作成し、作成されたパターンレイアウトについて被補正パターンの補正パラメータを抽出し、OPC仕様に基づきOPC処理を行い、マスクパターンを出力する。
【0006】
複数の透過率の位相シフト領域を形成したマスクにおいても、同様の方法でOPCを行うことができる。たとえば、2種の異なる透過率の位相シフトマスク領域をもつトライトーンマスクの場合、図11に示すように、OPC補正量(ΔL)は各パターンの透過率T0、T1、T2も変数に加わるため、計5個のパラメータにより決定されるようになる。従ってOPCも5補正パラメータに基づく仕様となる。すなわち、図11(a)のラインパターン131Aの両側にパターン132、133がある場合において、左側の線幅補正量ΔL01は、ΔL01=f(L0,T0,L1,T1,S1)となり、右側の線幅補正量ΔL02は、ΔL02=f(L0,T0,L2,T2,S2)となり、マスク寸法L′=L0+ΔL01+ΔL02となり、図11(b)のラインパターン131Bとなる。
【0007】
図12にトライトーンマスクのOPCフローを示す。パターンレイアウトおよびOPC仕様すなわちΔL0n=f(L0,T0,Ln,Tn,Sn)を作成する。作成されたパターンレイアウトについてまず各パターンの透過率を決定する。その後被補正パターンの上記した補正パラメータを抽出し、予め作成しておいたOPC仕様に基づきOPC処理を行いマスクパターンを出力する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のトライトーンマスクのOPCフローにおいては、一層のマスクに比べ補正パラメータが増加する。一般にOPCの補正パラメータ数が増加するとその組み合わせも指数関数的に増加するため、データ取得、OPC仕様作成、及びOPC処理に要する時間は飛躍的に上昇してしまう。
【0009】
したがって、この発明の目的は、補正パラメータ数が増加してもOPC処理に要する時間を短縮することができるマスクパターン形成方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のマスクパターン形成方法は、複数の透過率の位相シフト領域を有するマスクパターンの光近接効果補正技術を用いたマスクパターン形成方法であって、単層の位相シフトマスクを想定した光近接効果補正を行う工程と、光近接効果補正後に透過率を決定する工程と、透過率の決定後透過率に対応するマスクバイアスをかける工程を含むものである。
【0011】
請求項1記載のマスクパターン形成方法によれば、複数の透過率の位相シフト領域を有するマスクパターンの光近接効果補正において、単層の位相シフトマスクを想定した光近接効果補正を行った後、透過率を決定し、更に適切なマスクバイアスをかけることで、飛躍的にOPC処理に要する時間を短縮できる。
【0012】
請求項2記載のマスクパターン形成方法は、請求項1において、複数の透過率のうち最も低い透過率の位相シフトマスクの光近接効果補正を行うものである。。
【0013】
請求項2記載のマスクパターン形成方法によれば、請求項1と同様な効果のほか、複数の透過率のうち最も低い透過率の位相シフトマスクの光近接効果補正を行うことで、どのようなパターンに対しても補正することが可能となる。
【0014】
請求項3記載のマスクパターン形成方法は、請求項1において、透過率をマスクパターン線幅とパターン間距離から決定するものである。
【0015】
請求項3記載のマスクパターン形成方法によれば、請求項1と同様な効果のほか、透過率の決定をマスクパターン線幅とパターン間距離の両者から決定することにより、より高精度に補正を行うことができる。
【0016】
請求項4記載のマスクパターン形成方法は、請求項1において、透過率を光近接効果補正量から決定するものである。
【0017】
請求項4記載のマスクパターン形成方法によれば、請求項1と同様な効果のほか、透過率の決定を光近接効果補正量から決定することで処理ステップを削減できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施の形態を図1から図6により説明する。まず、一実施形態を実現できる原理について説明する。
【0019】
透過率の異なるマスクパターンの寸法の相関性について図1から図3を用いて説明する。図1は透過率HTが3%、6%、15%の位相シフトマスクパターンの光強度分布を示している。マスク線幅Lは0.12μm、ピッチは0.24μm、開口数NA=0.60のArF光源における特性であり、マスクパターン中心からの距離に対して各パターンの光強度値をプロットしている。この図より任意の光強度値においては、高透過率になるほどマスク中心からの距離が遠くなる、つまり解像寸法が太ることが分かる。光強度値は露光量の逆数に比例するため、これは、同一露光量においては高透過率になるほど解像寸法が太ることを示している。
【0020】
図2に0.24μmピッチにおいて解像線幅が0.12μmに仕上がるように各位相シフトマスクにバイアスを掛けた場合の光強度分布をしめす。バイアス量は透過率6%のマスクを基準にすると、透過率3%においてはマスク線幅を太め、透過率15%においてはマスク線幅を細めている。これらのグラフは一致していることがわかる。つまり、透過率が異なっても、マスクバイアスをかけることで光学特性は等価となり、同じ寸法・同等のプロセスマージンを持ったパターンを解像させることができることを示している。この等価関係を調べた結果を図3に示す。このグラフは6%位相シフトマスクを基準にした場合の、種々透過率の位相シフトマスクパターンの寸法相関性をプロットしている。種々の透過率のマスクに対して光学的等価関係が成立することがわかる。Crはクロムマスクである。
【0021】
この等価関係を利用したOPC手法の詳細を以下に説明する。図4に高低2種の透過率を有するトライトーンマスクにおけるOPCフローを示す。まず低透過率マスクパターンのOPC補正仕様すなわちΔL0n=f(L0,Ln,Sn)を作成する。また、低透過率マスクと高透過率マスクの寸法の等価関係を調べ、低透過率マスクから高透過率マスクへの寸法変換仕様を作成する。次に作成されたパターンレイアウトについて被補正パターンの補正パラメータを抽出し、全てのパターンを低透過率パターンとみなし、低透過率マスクのOPC仕様に基づいたOPC処理を行う。ここでは単層マスクと同じ3つの補正パラメータで処理できる。その後高透過率マスク領域を決定し、前述の寸法変換仕様に基づき高透過率マスクパターン領域にバイアスをかけ最終OPCパターンを出力する。
【0022】
このようなフローでOPC処理を行えば、補正パラメータ数が単層マスクと同じにまで削減できるのでOPC処理に要する時間が飛躍的に短縮できる。
【0023】
なお、前述の実施の形態は低透過率マスクから高透過率マスクへ変換を行う例を示したが、その逆、つまり高透過率から低透過率へ変換するのは難しい。高透過率マスクでは大きなパターンの中心は明るくなってしまうため、上手く解像しないことがある。このため高透過率マスクの補正は困難となる場合がある。従って低透過率から高透過率へ変換する方が、どのようなパターンに対しても補正を行うことができる。
【0024】
ここで、図5に種々の透過率の位相シフトマスクのピッチ寸法に対する解像寸法の依存性を示す。横軸は1:1ラインアンドスペース(L/S)パターンのマスク線幅(L)を表しており、例えばL/S=0.14μmでピッチ=0.28μmということである。縦軸は解像寸法(CD)である。
【0025】
この特性は狭ピッチになるに従って線形性が急激に悪化しており、その傾向は透過率が高くなるに従ってより悪化している。このことより、比較的緩いピッチにおいてはプロセスマージンの増加効果の大きい高透過率を用いることが好ましく、狭ピッチおいては低透過率を使用することが望ましい。通常、位相シフトマスクの透過率は図4のフローにおいて図6のフローに示すようにマスク線幅により決定するが、図5の結果よりそれだけでは不十分なことがあることが分かる。従って、図6に代えて図7のフローに示すように線幅とスペースの両方から透過率を決定すれば、より高精度な補正を行うことができる。
【0026】
更に図5より、緩やかなピッチのところにおいては寸法がマスク幅に対して細くなり、狭ピッチについてはピッチの縮小に伴って寸法がマスク幅に対して太くなる傾向がある。その傾向を利用して、補正量の正負より各パターンが狭ピッチ状態のパターンか否かを判断することも可能となる。従って、図8に示すようにOPC補正量よりピッチ状態を判断し透過率を決定することもできる。
【0027】
なお、前述の実施の形態では透過率は高低2種のものについて示したが、3種類以上の透過率を有するマスクについても同様に補正を行うことができる。つまり、最初に単層を想定したOPCを行い、透過率の設定時に他の透過率パターンを決定すればよい。この場合、パターンに応じ最適な透過率を選択することで、更にプロセスマージンが広く高精度な補正が可能となる。
【0028】
上記の実施の形態のマスクパターンをもつマスクを利用してレジストパターン等を形成することができる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1記載のマスクパターン形成方法によれば、複数の透過率の位相シフト領域を有するマスクパターンの光近接効果補正において、単層の位相シフトマスクを想定した光近接効果補正を行った後、透過率を決定し、更に適切なマスクバイアスをかけることで、飛躍的にOPC処理に要する時間を短縮できる。
【0030】
請求項2記載のマスクパターン形成方法によれば、請求項1と同様な効果のほか、複数の透過率のうち最も低い透過率の位相シフトマスクの光近接効果補正を行うことで、どのようなパターンに対しても補正することが可能となる。
【0031】
請求項3記載のマスクパターン形成方法によれば、請求項1と同様な効果のほか、透過率の決定をマスクパターン線幅とパターン間距離の両者から決定することにより、より高精度に補正を行うことができる。
【0032】
請求項4記載のマスクパターン形成方法によれば、請求項1と同様な効果のほか、透過率の決定を光近接効果補正量から決定することで処理ステップを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】透過率の異なる位相シフトマスクパターンの光強度分布を示すグラフである
【図2】図1のマスクパターンにバイアスを掛けた場合の光強度分布を示すグラフである。
【図3】異なる透過率の光学的等価関係を示すグラフである。
【図4】本発明の一実施の形態における光近接効果補正の処理フローである。
【図5】種々の透過率の位相シフトマスクのピッチ寸法に対する解像寸法の依存性を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施の形態における、線幅により透過率を決定する光近接効果補正の処理フローである。
【図7】本発明の第一の実施の形態における、線幅およびスペースにより透過率を決定する光近接効果補正の処理フローである。
【図8】本発明の一実施の形態における、補正量により透過率を決定する光近接効果補正の処理フローである。
【図9】1層マスクにおける光近接効果補正の概要を示す図である。
【図10】1層マスクにおける光近接効果補正の処理フローである。
【図11】透過率の異なる位相シフトマスクにおける従来の光近接効果補正の概要を示す図である。
【図12】透過率の異なる位相シフトマスクにおける従来の光近接効果補正の処理フローである。
【符号の説明】
111 被補正パターン
112 左側隣接パターン
113 右側隣接パターン
Claims (4)
- 複数の透過率の位相シフト領域を有するマスクパターンの光近接効果補正技術を用いたマスクパターン形成方法であって、単層の位相シフトマスクを想定した光近接効果補正を行う工程と、光近接効果補正後に透過率を決定する工程と、前記透過率の決定後前記透過率に対応するマスクバイアスをかける工程を含むマスクパターン形成方法。
- 複数の透過率のうち最も低い透過率の位相シフトマスクの光近接効果補正を行う請求項1記載のマスクパターン形成方法。
- 透過率をマスクパターン線幅とパターン間距離から決定する請求項1記載のマスクパターン形成方法。
- 透過率を光近接効果補正量から決定する請求項1記載のマスクパターン形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002247207A JP2004085923A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | マスクパターン形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002247207A JP2004085923A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | マスクパターン形成方法 |
Publications (1)
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007140485A (ja) * | 2005-10-18 | 2007-06-07 | Sharp Corp | シミュレーションにおけるパラメータ抽出装置及びパラメータ抽出方法と、この方法により作成したマスクパターンデータ及びこのマスクパターンデータにより作成したフォトマスクと半導体装置 |
CN102998895A (zh) * | 2011-09-13 | 2013-03-27 | 华邦电子股份有限公司 | 光学邻近修正掩膜 |
-
2002
- 2002-08-27 JP JP2002247207A patent/JP2004085923A/ja active Pending
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