JP2004085311A - 円筒状物体に取付けられるノズルとこのノズルを備えた原子炉圧力容器 - Google Patents
円筒状物体に取付けられるノズルとこのノズルを備えた原子炉圧力容器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】RPVの取替えを行うに際し、ノズルの高さを小さくし、既設の原子炉遮蔽壁内に搬入できるRPVとする。また、加工が容易でかつ資源の無駄をなくすることの可能なノズル構造とする。
【解決手段】原子炉圧力容器1の胴板1Aにに設けられて配管を接続するノズル8を、前記胴板1Aに取付けられた管台9と、この管台の先端に形成されたノズルエンド10とで構成し、前記ノズルエンド10を、前記管台9よりも薄肉の短管部と、この短管部と前記管台9を接続する形状変更部とで構成し、前記形状変更部は、前記管台9及び短管部と同心で、かつ、肉厚が管台9側から短管部側に向かって直線的に減少しているとともに、最大肉厚は管台9先端の肉厚よりも小さいものとする。
【選択図】 図2
【解決手段】原子炉圧力容器1の胴板1Aにに設けられて配管を接続するノズル8を、前記胴板1Aに取付けられた管台9と、この管台の先端に形成されたノズルエンド10とで構成し、前記ノズルエンド10を、前記管台9よりも薄肉の短管部と、この短管部と前記管台9を接続する形状変更部とで構成し、前記形状変更部は、前記管台9及び短管部と同心で、かつ、肉厚が管台9側から短管部側に向かって直線的に減少しているとともに、最大肉厚は管台9先端の肉厚よりも小さいものとする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉圧力容器などの円筒状物体の円筒胴部に取付けられるノズルおよびこのノズルを備えた原子炉圧力容器に係り、特に、ノズルの高さを低減できるノズル構造やノズルの軽量化に配慮したノズル構造とそれらのノズルを備えた原子炉圧力容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、沸騰水型原子力発電所では、原子炉圧力容器(RPV)1は、図6に示すように、原子炉建家5Aに設けられた原子炉格納容器3内の原子炉本体基礎6上に中空円筒を縦に立てた形で設置される。原子炉格納容器3は、コンクリートで形成された生体遮蔽壁4で覆われ、かつ原子炉建家基礎5上に設置される。また、RPV1の周りには、原子炉遮蔽壁2が配置されている。
【0003】
RPV1内には、多数の燃料集合体を装荷した炉心が設けられている。原子炉建家に導入された冷却材(沸騰水型原子力発電所では水)は、炉心下方から炉心に流入した後、炉心で加熱されて沸騰し、気泡を含んだ気液混合状態となって炉心上方の気液分離器に導かれ、乾燥器(ドライヤー)を経て液体成分が除去された蒸気がタービン建家へ供給されて発電が行われる。
【0004】
このような運転が行われ、運転時間が長くなるにつれて、各設備・機器の補修、取替えが適宜行われている。
【0005】
しかし、RPV、RPVの内部にある炉内構造物(例えば、前記気水分離器、前記乾燥器、シュラウド、ジェットポンプ、炉心支持板、制御棒及び制御棒案内管等)、RPVの外部にある炉外構造物(例えば、制御棒駆動機構、インコアモニタハウジング等)については、比較的容易に着脱可能な構造となっている炉外構造物のみが補修取替えが行われている。RPV及び炉内構造物については、予め通常予定される供用期間が終了するまで使用可能な構造、強度としてあり、補修、取替えを行うことは考慮されていなかった。
【0006】
一方、近年、我が国においては、新しい原子力発電所を建設することが難しくなっており、既存の発電所をできるだけ長期間使うことが課題となっている。そのため、従来取替えを行っていなかったRPVを含め、劣化した各種設備・機器を適切な時期に交換し、発電所の寿命を延ばす必要がある。
【0007】
ところで、最大の設備であるRPVについては、従来、建設時には、炉外構造物とは分離された状態で単独で建家内に搬入し、原子炉建家内の原子炉格納容器内に設けられた原子炉本体基礎上に据え付けた後、別途搬入した例えば約180本の制御棒駆動機構ハウジングや約40本のインコアモニタハウジングを、原子炉本体基礎上に据え付けられたRPVに取付けていた。
【0008】
その後、RPVの外側にコンクリートの原子炉遮蔽壁を設置したり、RPVのノズルと取り合う各種の配管の設置が行われた。
【0009】
RPVの取替えを行う場合、前記建設時のRPVの搬入と異なり、運転している原子力発電所を一時的に停止させて工事を行うため、放射化したRPVを短時間で搬出し、新しいRPVを短時間で搬入して据付け、プラント停止期間をできるだけ短縮することが重要になる。
【0010】
以下、RPVを取り換える場合の手順の概要、特にRPVのノズルの処理を重点に、図7〜図12を参照して説明する。
【0011】
図7に、取替え前のRPV1の設置状況を示す。図8は、RPV1の搬出に先だって原子炉建家5Aの上部及び原子炉格納容器3の上蓋を開放した状況を示す。RPV1の円筒胴には、冷却系及び循環系等の配管と接続する多数のノズル8が、円筒胴の軸線と直交する方向に、外周側に突出して設置されている。RPV1の周囲には、原子炉遮蔽壁2が円筒状に設置されており、RPV1の搬出は、この原子炉遮蔽壁2の軸線に沿って、上方に引き抜くように行われる。
【0012】
ノズルの形状は大小様々であり、RPV1を建家から搬出するためには、まず、前記ノズル、例えば図8、図13、及び図14に示すノズル8と取合配管13を切断個所17で切断する。切断個所17で切断することにより、切断後のノズル8の先端と原子炉遮蔽壁2の内面の間に隙間11が形成され、RPV1を上方に搬出することが可能になる。
【0013】
ノズル8はRPVの複数個所に設置されており、その全てのノズルについて、切断個所17での切断を行う。この切断で、全てのノズルについて前記隙間11が確保され、RPV1を上方に引き抜くことが可能になる。
【0014】
図9に、RPV1を上方に引き抜き、原子炉建家から搬出している状況を示し、図10に、RPV1の搬出が終わり、原子炉遮蔽壁2の内部が空いている状態を示す。
【0015】
図11は取り替えられる新しいRPV1が搬入されている状況を、図12は新しいRPV1の設置が終わった状態を示している。
【0016】
以下、取り替えのRPVの搬入について述べる。取り替えのRPVが搬入される環境はプラント新設時と異なり、原子炉遮蔽壁2が設置されている状態でRPVの搬入が行われる。プラント新設時には、RPV1の設置が終わった状態で原子炉遮蔽壁2が設置されたから、RPVのノズルの長さは、原子炉遮蔽壁2に干渉することはなかった。しかし、プラント稼動後にRPVの搬入が行われる場合、ノズル先端が設置済みの原子炉遮蔽壁2の内周面に接触しないようにする必要がある。
【0017】
RPVのノズルのうち、比較的ノズル外径の大きいものについては、図13に示すように、プラント新設時に設計されたノズルと同一の構造、つまり、RPV外周面からノズル先端までの距離(ノズル高さ)が同じでは、搬入時に、ノズル先端と原子炉遮蔽壁2の内周面との間に隙間11を確保することができなくなり、RPVの搬入が不可能になるという問題がある。つまり、隙間11を確保するためには、プラント新設時と同様のノズル構造とすることを避け、プラント新設時とは異なるノズル構造を採用する必要がある。
【0018】
上述のように、ノズル高さがRPVの搬出、搬入に影響しており、RPVの取り替え難易性を評価するキーポイントである。まず、従来技術のRPVのノズル構造について説明する。
【0019】
RPVの比較的大径のノズル8は、基本的に、図13に示すように、RPVの胴板1Aの開口12に嵌め込まれる管台9と、この管台9の先端部分をなすノズルエンド10で構成されている。管台9はRPVの胴板1Aの開口12を補強する部分であり、ノズルエンド10は、取合配管13を接続する部分である。
【0020】
管台9は、RPVの胴板1Aの開口12に嵌め込まれる、前記胴板1Aと同厚の環状部と、この環状部からRPVの半径方向外方に延びる肉厚の円筒部(管台部)からなり、ノズルエンド10は、前記円筒部(管台部)の先端から外径を前記取合い配管13の外径に減少させるテーパ部21と、前記取合い配管13の外径と同じ外径の短管部26からなっている。前記環状部、円筒部(管台部)、テーパ部21、及び短管部26は、内径は同じになっている。
【0021】
前記短管部は、ノズルエンド10と前記取合い配管13の溶接部15の検査(RPV供用期間中の検査)を行えるようにするために設けられている。管台9の円筒部(管台部)と短管部26の間のテーパ部21は、円筒部(管台部)の外径から短管部の外径へ外径を変化させる形状変更部であり、テーパ部21の管台部側端部の外径は、管台部先端の外径と一致し、テーパ部21の短管部側端部の外径は短管部の外径と一致(テーパ部と短管部の接続部はRが付けられている)していて、管台9の剛性とノズルエンド10の剛性の相違を緩和するようになっている。
【0022】
上記ノズル構造とするのは、ノズル8の円形の穴20の周辺の疲れ解析(疲労評価)を行なう場合、内圧に対してのみ適用できる形状を採用することで、疲れ解析が簡単になるためである。すなわち、応力係数が使用できる前提条件としてのノズル形状であって、具体的には、応力係数が使用できる管台形状は、穴20、胴板厚1B、管台厚9A、ノズルエンド厚10Aの条件により、ノズル内面コーナR23、ノズル外面コーナR24、テーパ角度21A、及びノズルエンドコーナR25が制限されている。換言すると、従来技術でのノズル構造は、かなり保守的な構造となっている。このため、一般にノズル8自体が大型化していて、構造強度健全性の観点ではかなり裕度を持っている。例えば、形状不連続部の応力評価点16における疲れ累積係数は、ノズルの外荷重条件及び熱負荷の程度に左右されるものの、許容値1.0に対して0.001程度と極めて小さく、十分な強度健全性を示している。
【0023】
しかし、先に述べたように、保守的な構造を採用していることからノズル8が大型化し、これに伴なってノズル高さが大きくなり、RPVの取替えを行う場合、原子炉遮蔽壁2内に搬入できない。
【0024】
また、金属製の円筒状物体の壁面(円筒胴部)に開口を設け、この開口に管台とノズルエンドからなるノズルを図16に示すように溶接により取付けたものを、ノズルエンド側から管台側に向かってノズル軸線方向に見た図を、図18に示す。
【0025】
先に述べたようにノズルの管台は円筒胴部の開口を補強する役割をもっているが、図18に示すように、管台をノズル軸線に直交する平面で切った断面において、管台4は内外周ともに真円になっている。ノズルに発生する円筒胴部軸方向(以下、軸方向という)の応力をσl,円筒胴部円周方向(以下、円周方向という)の応力をσcとし、それぞれの応力に対し、荷重を受け持つ管台の軸方向、円周方向の断面をそれぞれSl,Scとする。図20に示すように、平均半径Rm,板厚tの円筒形物体が内圧Pを受けた場合、薄肉円筒における材料力学の公式を用いて、σl,σcはそれぞれ下記の式で表される。
【0026】
σl=PRm/2t
σc=PRm/t
つまり、σc=2σlとなるため、従来の管台の寸法は、軸方向に比べて発生応力の大きい円周方向の荷重を受け持つSc断面に生ずる応力が、所定の許容応力以下となるように、設計されている。
【0027】
図19に、円筒胴部に取付けた図18に示すノズルを、図18のA−A線で切断した断面を示す。図19の左半分は円周方向断面、右半分は軸方向断面を、それぞれ示している。
【0028】
従来、円筒胴部の計算上必要な板厚がTsrのとき、円筒胴部のノズルを取付けた状態で形成されている開口の補強として、面積補強の観点から、開口の面積を補強が必要な面積Arとし、円筒胴部と管台の補強に有効な面積(A1,A2)を合計してAcとし、Ac≧Arとなるようにしてある。
【0029】
先に述べたように、円筒胴部における、内圧による応力は、軸方向の応力が円周方向の応力の1/2倍である。一方、ノズル部において内圧により発生する応力は、管台のノズル軸線に直交する平面での断面形状が、内径面、外周面ともに同心の真円であることから、管台の円周方向いずれの位置においても均一となる。したがって、ノズル全体に発生する応力は、円筒胴部に発生する応力の影響を受けて不均一となっている。
【0030】
先に述べたように、円筒胴部に内圧により発生する応力は、軸方向の応力が円周方向の応力の1/2倍であるため、管台のノズル軸線に直交する平面での断面形状が、内径面、外周面ともに同心の真円であると、軸方向荷重を受持つ方向(円周方向断面)の管台厚さが必要な厚さを超えて厚くなり、資源の無駄となり不経済であった。
【0031】
特許文献1には、上記資源の無駄をなくしてノズルを軽量化するノズル構造が提案されている。特許文献1に記載されたノズル構造は、図21に示すように、管台部分400Aのノズルの穴を楕円にし、ノズルエンド500の真円のノズル穴に滑らかに移行させる構成である。図22に、図21のA−A線矢視断面を示す。つまり、円周方向断面における管台肉厚を軸方向断面における管台肉厚よりも薄くし、円周方向断面における管台肉厚が必要以上に厚くならないようにしてある。しかし、この構成ではノズルの穴を楕円から真円に滑らかに移行させるため、ノズル穴の形状が複雑になり、加工が難しくなる問題があった。
【0032】
【特許文献1】
特公平6−65919号公報
【発明が解決しようとする課題】
RPVの取替えを行う場合、新しいRPVは設置済の原子炉遮蔽壁2内に搬入することになるが、上記従来のRPVのノズル構造のままでは、ノズル高さが高いため、ノズル先端が原子炉遮蔽壁に当り、RPVを原子炉遮蔽壁2内に搬入することができない。
【0033】
また、従来のノズル構造は、軸方向荷重を受持つ方向(円周方向断面)の管台厚さが必要な厚さを超えて厚くなり、資源の無駄となり不経済であった。特許文献1に提案されたノズル構造は、ノズルの穴の形状が複雑になり、加工が難しくなる問題があった。
【0034】
本発明の第1の課題は、管台とノズルエンドからなるノズルの高さを小さくすることにある。本発明の第2の課題は、管台とノズルエンドからなるノズルについて、加工が容易でかつ上記資源の無駄をなくすることの可能なノズル構造とすることにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、管台部とノズルエンドの短管部を接続する部分の形状を変更することで、ノズル高さを小さくすることを可能とした。
【0036】
すなわち、上記第1の課題を解決する本発明の第1の手段は、管台とノズルエンドからなるノズルの、管台とノズルエンドの短管部を接続する形状変更部の肉厚を、管台側から短管部に向かって直線的に減少させたこと、すなわち、肉厚をテーパ状に変化させるとともに形状変更部の最大肉厚を管台先端の肉厚よりも小さくしたことを特徴とする。
【0037】
形状変更部の管台側の肉厚を管台先端の肉厚よりも小さくすることで、同じテーパ角度であっても、短管部の肉厚にまで肉厚を小さくするためのテーパ部の長さが短くて済み、ノズル高さを小さくすることができる。
【0038】
上記第1の課題を解決する本発明の第2の手段は、管台とノズルエンドからなるノズルの、管台部とノズルエンドの短管部を、管台部の肉厚と短管部の肉厚の差よりも小さい半径の曲面をもつ形状変更部で接続したことを特徴とする。
【0039】
管台部の肉厚と短管部の肉厚の差よりも小さい半径の曲面をもつ形状変更部で接続することにより、ノズルの高さを、従来のテーパ部で接続する場合よりも小さくできる。
【0040】
上記第2の課題を解決する本発明は、管台とノズルエンドからなるノズルにおいて、その管台をノズル軸線に直交する平面で切った断面におけるノズル穴形状を真円とし、該断面における管台の肉厚を、当該ノズルが円筒状物体の壁面に取付けた状態で前記真円の中心を通って前記円筒状物体の軸線に平行な直線が管台と交わる部分で最も厚く、同じく前記真円の中心を通って前記円筒状物体の軸線に直交する直線が管台と交わる部分で最も小さく、前記最も厚い部分から前記最も薄い部分の間で滑らかに変化させたものである。
【0041】
このように、管台の肉厚を、当該ノズルが円筒状物体の壁面に取付けた状態で前記真円の中心を通って前記円筒状物体の軸線に平行な直線が管台と交わる部分で最も厚くし、同じく前記真円の中心を通って前記円筒状物体の軸線に直交する直線が管台と交わる部分で最も小さくし、その間で肉厚を滑らかに変化させることにより、管台各部の肉厚を管台に生じることが予測される応力が許容範囲内になるとともに、不必要に厚い肉厚になることを避けることが可能になる。
【0042】
管台の肉厚を、当該ノズルが円筒状物体の壁面に取付けた状態で前記真円の中心を通って前記円筒状物体の軸線に平行な直線が管台と交わる部分で最も厚くし、同じく前記真円の中心を通って前記円筒状物体の軸線に直交する直線が管台と交わる部分で最も小さくし、その間で肉厚を滑らかに変化させるには、例えば、管台の外径を、ノズル穴と同心の楕円とし、かつノズルを前記円筒状物体に取付けるときに前記円筒状物体の軸線に平行になる方向を、前記楕円の長軸とすればよい。
【0043】
楕円の形状としては、管台をその長径を含む平面で切った断面における補強に有効な全断面積Acが、ノズルを前記円筒状物体に取り付けた状態で前記円筒状物体のノズル取付け位置に形成される開口を前記長径を含む平面で切った断面における補強の対象となる断面積Ar以上(Ac≧Ar)であり、管台をその短径を含む平面で切った断面における補強に有効な全断面積Ac’が、ノズルを前記円筒状物体に取り付けた状態で前記円筒状物体のノズル取付け位置に形成される開口を前記短径を含む平面で切った断面における補強の対象となる断面積Ar’の1/2以上(Ac’≧(1/2)Ar’)となるように、楕円の長径、短径を設定すればよい。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本実施の形態に係る原子力発電所の原子炉圧力容器1が据え付けられた状態を示す断面図である。原子炉圧力容器(RPV)1は、図に示すように、原子炉建家に設けられた原子炉格納容器3内の原子炉本体基礎6上に中空円筒を縦に立てた形で設置される。原子炉格納容器3は、コンクリートで形成された生体遮蔽壁4で覆われ、かつ原子炉建家基礎5上に設置される。また、RPV1の周りには、原子炉遮蔽壁2が円筒状に配置されている。
【0045】
図2は、図1のA部、すなわちノズル8を拡大して示すもので、ノズル8は、RPVの胴板1Aの開口12に嵌め込まれる管台9と、この管台9の先端部分をなすノズルエンド10で構成されている。管台9はRPVの胴板1Aの開口12を補強する部分であり、ノズルエンド10は、取合配管13を接続する部分である。
【0046】
管台9は、RPVの胴板1Aの開口12に嵌め込まれる、前記胴板1Aと同厚の環状部と、この環状部からRPVの半径方向外方に延びる肉厚の円筒部(以下、管台部という)からなり、ノズルエンド10は、前記管台部の先端に形成され、管台側の形状変更部と、前記取合い配管13が接続される、前記取合い配管13の外径と同じ外径の短管部からなっている。前記環状部の周囲は、胴板1Aに、溶接部14で溶接されている。前記環状部、管台部、形状変更部、及び短管部は、内部の流体流路の内径は同じで同心になっている。
【0047】
前記短管部は、ノズルエンド10と前記取合い配管13の溶接部15の検査(RPV供用期間中の検査)を行えるようにするために設けられている。管台9の円筒部(管台部)と短管部の間の形状変更部は、管台部の外径から短管部の外径へ外径を変化させる部分であり、管台9の剛性とノズルエンド10の剛性の相違をここで変化(移行)させるようになっている。
【0048】
管台9は胴板1Aの開口12を補強するために設ける部分であり、なかでも管台部は、胴板1Aに形成される開口20を補強する役割を持つ。この補強部分の大きさを決める方法として、一般的な面積補強計算による方法と、ノズルエンド10までの範囲を詳細な応力評価を行なって大きさを決める詳細解析・評価による方法の二つがある。
【0049】
ノズルエンド10は、管台9と取合い配管13を接続するためのものである。ノズルエンド10の管台9に接する部分、すなわち前記形状変更部はテーパ部22となっている。これは、管台9の剛性がノズルエンド10の剛性より大きいことから剛性の差による発生応力の差を緩和すること及び応力集中係数を2程度に減少させるために設けられている。図2においては、テーパ部22の高さhは、ノズルエンド10の肉厚と管台9の肉厚の差Hの10%程度以上、テーパ部22と短管部外面10bの接続点及びテーパ部22と管台部の先端肉厚面9bの接続点はR=3〜5mmの曲面とする必要がある。
【0050】
このような構造とすることで、応力評価点16に発生する応力は、従来技術である図13に示すノズル8の応力評価点16と比較して、外荷重、内圧及び熱負荷による1次+2次応力は約2倍となる。
【0051】
この原因は、従来構造と比較して、管台9の剛性とノズルエンド10の剛性の差の度合いが大きいためである。すなわち、図13に示す従来構造で存在していたテーパ部21が果たしていたクッションの大きさよりも、図2に示すテーパ部22が果たすクッションが小さいためである。そして、1次+2次応力が大きくなることに伴ない、疲れ累積係数も約5倍に大きくなる。しかし、疲れ累積係数は許容値1.0に対して約0.1であり、強度健全性は十分確保できる。
【0052】
次に、本実施の形態のノズルの特徴と、このノズルを備えたRPV1の原子炉遮蔽壁2内への搬入および取合い配管との接続について説明する。上述のように、本実施の形態のノズルは、強度安全性に対する余裕は従来技術のノズル構造に比して多少低下するものの、許容値を十分満足できる構造であり、強度健全性は確保できる。
【0053】
本実施の形態によれば、従来技術の場合とテーパ角度を同じにした場合、図3に示す寸法Sだけ、ノズル高さを小さくすることができる。図3の場合、従来技術の場合のノズルエンド先端位置K1に対してノズルエンド先端位置K2となり、ノズルエンド10から短管28が削除されたことに相当する。その結果、取合い配管13は従来よりも長くなるものの、ノズル側で斜線テーパ部19が削減され、全体として重量が低減される。
【0054】
そしてノズル高さを小さくすることで、原子炉遮蔽壁2内面とノズル8の先端の間に隙間11を形成することが可能になり、RPV1の原子炉遮蔽壁2内への搬入が可能になる。
【0055】
図4に、大径のノズルを本実施の形態に係る構造のノズルとしたRPVを原子炉遮蔽壁2内に搬入する状態を示す。RPV1を原子炉遮蔽壁2内に搬入し、原子炉本体基礎6に据え付けたら、ノズルエンド10の先端と取合い配管13を接続する。
【0056】
RPV取外し時に、ノズルと取合い配管13の接続部が切断され、残った取合い配管13の切断部は新たな溶接のために開先加工される。この配管13の開先加工された新たな接続点と、搬入された新たなRPVのノズルのノズルエンド10先端の間には、図2に示すように復旧用短管27が嵌め込まれ、その端部がノズルエンド10と溶接部15で、取合い配管13と溶接部15Aで、それぞれ溶接される。
【0057】
なお、復旧用短管27には耐SCC性に優れた材料を使用するとともに、その両端の溶接(ノズルエンド10との溶接及び取合い配管13との溶接)には、耐SCC性に優れた溶接方法を採用し、取り替えたRPVと配管の品質を向上させ、信頼性を向上させるのが望ましい。
【0058】
本発明の第2の実施の形態を図5を参照して説明する。本実施の形態と前記第1の実施の形態の相違点は、ノズルの管台部とノズルエンドの短管部を接続する形状変更部の外周面を、ノズルをその軸線を含む平面で切った断面でみたとき、滑らかな曲線18となる面で構成した点である。図5の場合、前記滑らかな曲線18は、管台部の先端肉厚面9bとノズルエンド10の外周面に接する円弧である。この円弧の半径は、管台部の肉厚と前記短管部の肉厚の差よりも小さい値としてある。したがって、形状変更部の最大肉厚は管台部の肉厚よりも小さい。形状変更部は、ノズルの管台部とノズルエンドの接続部分の応力集中係数を2程度とするために設けるもので、円弧の半径は、少なくとも5〜15mmとするのが望ましい。
【0059】
このように、ノズルの管台部とノズルエンドの短管部を接続する形状変更部の外周面を、ノズルをその軸線を含む平面で切った断面でみたとき、滑らかな曲線18となる面で構成することによっても、強度健全性を要求される範囲に維持し、かつ、ノズルの高さを従来技術の場合よりも小さくすることが可能になる。また、従来技術の場合に比べ、前記第1の実施の形態と同様に、ノズルの体積、すなわち重量及びコストを低減させることができる。
【0060】
上記第1、第2の実施の形態は請求項1〜4に対応するものであるが、次ぎに請求項5〜7に対応する第3の実施の形態につき、図15〜図17を参照して説明する。
【0061】
本実施の形態のノズル300は、図16に示すように、円筒形物体100の円筒胴部200に、円筒形物体100の軸線にノズル軸線を直交させて取付けられる。図17に、図16の矢印方向から見たノズル300の平面図を示す。図15は、図17のA―A線矢視断面図で、左半分は円筒胴部の円周方向断面、右半分は円筒胴部の軸方向断面である。
【0062】
図15、図16に示すように、ノズル300は、円筒形物体100の円筒胴部200に取付けられる管台400と、管台400の円筒胴部200に取付けられる側とは反対側の端部に管台400と同心に結合されたノズルエンド500とから形成されている。
【0063】
そして、図16に示すように、ノズルエンド500は、管台400よりも薄肉で配管が接続される短管部500Aと、管台400と短管部500Aの間にあって管台400の外径を前記短管部500Aの外径と同じ径でかつ同心に変化させる円錐状の形状変更部500Bとで構成されている。
【0064】
ノズル300の穴は、管台400をノズル軸線に直交する平面で切った断面上では内径dの真円となっており、一方、管台400の外周面は図17に示すように、前記断面上では前記真円と同心の、長径a,短径bの楕円となっている。そして楕円の長軸が円筒胴部200の軸線に平行で、楕円の短軸が円筒胴部200の円周方向に平行になっている。
【0065】
円筒胴部200には、ノズル300を取付けた状態で内径dの開口が形成されており、この開口による断面積減少分を、管台400で補償する。
【0066】
図15において、円筒胴部の板厚Tsは、計算上必要な板厚Tsrよりも大きくしてある。斜線部Arは円筒胴部軸方向の補償(円筒胴部円周方向の応力に対する補償。以下、補強という)が必要な断面面積、すなわち補強の対象となる断面積を示し、横線部A1、縦線部A2は、それぞれ斜線部Arの補強に有効な面積を示している。横線部A1、縦線部A2の合計を軸方向断面の補強に有効な断面積Ac(=A1+A2)とする。同様に、斜線部Ar’は円筒胴部円周方向の補償(円筒胴部軸方向の応力に対する補償。以下、補強という)が必要な断面面積を示し、横線部A1’、縦線部A2’は、それぞれ斜線部Ar’の補強に有効な面積を示している。横線部A1’、縦線部A2’の合計を円周方向断面の補強に有効な断面積Ac’(=A1’+A2’)とする。
【0067】
Tnrは、ノズル300の内圧等、円筒胴部の内圧による応力以外の外力にに起因する応力を許容範囲内にするのに必要な肉厚である。
【0068】
円筒状物体の内圧によって円筒胴部軸方向に発生する応力σlは、先に述べたように、同じ内圧によって円筒胴部円周方向に発生する応力σcの1/2であるから、ArとAc、Ar’とAc’は、それぞれ次の式で示される条件を満たす必要がある。
【0069】
Ac≧Ar …………(1)
Ac’≧(1/2)Ar’ …………(2)
補強を最小限にすると、Ac=Ar、Ac’=(1/2)Ar’となる。Ar>(1/2)Ar’であるから、補強を必要最小限にしたばあい、Ac>Ac’、すなわち、円周方向の補強有効面積は軸方向の補強有効面積よりも少なくてよい。
【0070】
本実施の形態では、図17に示すように、管台400の断面は外周が前記真円と同心の楕円となっており、この楕円の長軸が円筒胴部200の軸線に平行で、楕円の短軸が円筒胴部200の円周方向に平行になっている。したがって、円筒胴部200の円周方向の断面(ノズル軸線を含み円筒胴部軸方向に直交する平面での断面、図15の左半分)で示される円周方向断面の補強有効面積Ac’は、図15、図17からも分かるように、軸方向の断面で示される軸方向の補強有効面積Acよりも少なくなっている。
【0071】
Ac及びAc’の値を前記式(1)、式(2)の値を満たすとともにそれ以外の必要条件を満たすできるだけ小さい値に定め、それに基づいて前記楕円の長径と短径を定めればよい。管台400の肉厚は、肉厚が最大である円筒胴部軸方向から、肉厚が最小である円筒胴部円周方向へ滑らかに変化し、円筒胴部に取付けられたノズルに、円筒状物体の内圧により発生する応力を、均一化することが可能になる。
【0072】
管台の形状を上記形状にすることで、円周方向の補強有効面積が、必要な値よりも過剰になるのが避けられ、ノズル内径の加工が容易でかつ資源の無駄が少ない管台とすることが可能になる。
【0073】
図23に、図17に示す上記実施の形態のノズルの平面図と、図18に示す従来技術のノズルであって、図17に示す上記実施の形態のノズルと同じノズル穴径のノズルの平面図を重ねて示した。実線420が本発明の第3の実施の形態に係るノズルの管台400の外周輪郭線で、破線410が従来技術に係るノズルの管台400の外周輪郭線である。図で明らかなように、本実施の形態に係るノズルが斜線で示した厚み部分だけ小さくなり、それだけ軽量化されている。
【0074】
本発明のノズルはその穴径が大口径(管台厚さが増大)のなればなるほど、効果を発揮し、例えば、ノズル穴内径2000mmで管台の厚みが従来技術の場合500mmであったノズルに本発明を適用して、管台の外形を、長径3000mm、短径2500mmの楕円形にすると、約20%の質量低減が可能になる。
【0075】
以上説明した軸方向発生応力と円周方向発生応力の関係は薄肉円筒の場合であるが、軸方向応力に比べ円周方向の応力が大きいという傾向は厚肉円筒物体についてもいえることであり、本発明は原子炉圧力容器などの圧力容器についても適用できる。
【0076】
なお、上記実施の形態では、管台400のノズル軸線を含む円筒胴部円周方向平面における肉厚を、管台400のノズル軸線を含む円筒胴部軸方向平面における肉厚よりも薄くし、その間の肉厚を滑らかに変化させるために、管台400の断面の外形を、円筒胴部軸方向を長径とする楕円としたが、管台400のノズル軸線を含む円筒胴部円周方向平面における肉厚を、管台400のノズル軸線を含む円筒胴部軸方向平面における肉厚よりも薄くし、その間の肉厚を滑らかに変化させる形状で、前記式(1)、(2)を満たすものであれば必ずしも楕円でなくともよい。例えば、円筒胴部軸方向を長径とする長円であってもよいし、それ以外の曲線を採用してもよい。
【0077】
また、前記第1、第2の実施の形態に示したノズルに、第3の実施の形態の思想、すなわち、管台400のノズル軸線を含む円筒胴部軸方向断面での肉厚を円筒胴部円周方向の応力に対応して円筒胴部の開口を補強する厚みにするとともに、管台400のノズル軸線を含む円筒胴部円周方向断面の肉厚を円筒胴部軸方向の応力に対応して円筒胴部の開口を補強する厚みにし、その間の方向の肉厚を滑らかに変化させるようにしてもよい。このようにすれば、ノズルの高さが低くなるとともに、ノズルが軽量化され、資源の無駄が少なくなる。管台材料に高価な金属材料が用いられる場合、コストの低減が可能になる。
【0078】
【発明の効果】
請求項1〜4に係る発明によれば、管台とこの管台に接続して形成されたノズルエンドからなるノズルの高さを小さくできるので、原子炉遮蔽壁が設置された状態でRPVを原子炉遮蔽壁内に搬入、据付けすることが可能になるとともに、ノズルに必要な資源を少なくできる。
【0079】
また、請求項5〜7に係る発明によれば、管台とこの管台に接続して形成されたノズルエンドからなるノズルを、加工が容易でかつ資源の無駄をなくすることの可能なノズル構造とすることが可能になる。
【0080】
請求項
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る原子炉圧力容器が原子炉遮蔽壁内に設置されている状態を示す断面図である。
【図2】図1のA部の詳細を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るノズルと従来技術に係るノズルを比較して示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る原子炉圧力容器が原子炉遮蔽壁内に搬入される状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るノズルを示す断面図である。
【図6】従来技術の原子炉圧力容器が原子炉遮蔽壁内に設置されている状態を示す断面図である。
【図7】従来技術の原子炉圧力容器が原子炉遮蔽壁内に設置されている状態を示す断面図である。
【図8】従来技術の原子炉圧力容器のノズルを、原子炉圧力容器搬出のために切断した状態を示す断面図である。
【図9】従来技術の原子炉圧力容器を原子炉格納容器から搬出する状態を示す断面図である。
【図10】原子炉圧力容器が原子炉格納容器から搬出された状態を示す断面図である。
【図11】新しい原子炉圧力容器が原子炉遮蔽壁内に搬入される状態を示す断面図である。
【図12】新しい原子炉圧力容器が原子炉遮蔽壁内に設置された状態を示す断面図である。
【図13】従来技術のノズル構造を示す断面図である。
【図14】従来技術のノズルを、原子炉圧力容器搬出のために切断した状態を示す断面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係るノズルの断面図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係るノズルを円筒状物体に取付けた状態を示す斜視図である。
【図17】図16のB矢視平面図である。
【図18】従来技術に係るノズルを示す平面図である。
【図19】図18に示すノズルのA−A線矢視断面図である。
【図20】内圧が加わった円筒状物体の胴部壁面に発生する応力の方向を説明する斜視図である。
【図21】従来技術の他の例に係るノズルを示す平面図である。
【図22】図21に示すノズルのA−A線矢視断面図である。
【図23】図17と図18を重ねて表示した平面図である。
【符号の説明】
1 原子炉圧力容器
1A 原子炉圧力容器の胴板
1B 胴板厚
2 原子炉遮蔽壁
3 原子炉格納容器
4 生体遮蔽壁
5 原子炉建家基礎
5A 原子炉建家
6 原子炉本体基礎
8 ノズル
9 管台
9A 管台厚
9b 管台の先端肉厚面
10 ノズルエンド
10a ノズルエンド厚
10b 短管部外面
11 隙間
12 穴(開口)
13 取合い配管
14 溶接部
15、15A 溶接部
16 応力評価点
17 切断個所
18 曲線
19 斜線テーパ部
20 穴
21 テーパ部
21A テーパ角度
22 テーパ部
23 ノズル内面コーナR
24 ノズル外面コーナR
25 ノズルエンドコーナR
26 短管部
27 復旧用短管
28 短管
100 円筒状物体
200 円筒胴部
300 ノズル
400管台
500 ノズルエンド
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉圧力容器などの円筒状物体の円筒胴部に取付けられるノズルおよびこのノズルを備えた原子炉圧力容器に係り、特に、ノズルの高さを低減できるノズル構造やノズルの軽量化に配慮したノズル構造とそれらのノズルを備えた原子炉圧力容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、沸騰水型原子力発電所では、原子炉圧力容器(RPV)1は、図6に示すように、原子炉建家5Aに設けられた原子炉格納容器3内の原子炉本体基礎6上に中空円筒を縦に立てた形で設置される。原子炉格納容器3は、コンクリートで形成された生体遮蔽壁4で覆われ、かつ原子炉建家基礎5上に設置される。また、RPV1の周りには、原子炉遮蔽壁2が配置されている。
【0003】
RPV1内には、多数の燃料集合体を装荷した炉心が設けられている。原子炉建家に導入された冷却材(沸騰水型原子力発電所では水)は、炉心下方から炉心に流入した後、炉心で加熱されて沸騰し、気泡を含んだ気液混合状態となって炉心上方の気液分離器に導かれ、乾燥器(ドライヤー)を経て液体成分が除去された蒸気がタービン建家へ供給されて発電が行われる。
【0004】
このような運転が行われ、運転時間が長くなるにつれて、各設備・機器の補修、取替えが適宜行われている。
【0005】
しかし、RPV、RPVの内部にある炉内構造物(例えば、前記気水分離器、前記乾燥器、シュラウド、ジェットポンプ、炉心支持板、制御棒及び制御棒案内管等)、RPVの外部にある炉外構造物(例えば、制御棒駆動機構、インコアモニタハウジング等)については、比較的容易に着脱可能な構造となっている炉外構造物のみが補修取替えが行われている。RPV及び炉内構造物については、予め通常予定される供用期間が終了するまで使用可能な構造、強度としてあり、補修、取替えを行うことは考慮されていなかった。
【0006】
一方、近年、我が国においては、新しい原子力発電所を建設することが難しくなっており、既存の発電所をできるだけ長期間使うことが課題となっている。そのため、従来取替えを行っていなかったRPVを含め、劣化した各種設備・機器を適切な時期に交換し、発電所の寿命を延ばす必要がある。
【0007】
ところで、最大の設備であるRPVについては、従来、建設時には、炉外構造物とは分離された状態で単独で建家内に搬入し、原子炉建家内の原子炉格納容器内に設けられた原子炉本体基礎上に据え付けた後、別途搬入した例えば約180本の制御棒駆動機構ハウジングや約40本のインコアモニタハウジングを、原子炉本体基礎上に据え付けられたRPVに取付けていた。
【0008】
その後、RPVの外側にコンクリートの原子炉遮蔽壁を設置したり、RPVのノズルと取り合う各種の配管の設置が行われた。
【0009】
RPVの取替えを行う場合、前記建設時のRPVの搬入と異なり、運転している原子力発電所を一時的に停止させて工事を行うため、放射化したRPVを短時間で搬出し、新しいRPVを短時間で搬入して据付け、プラント停止期間をできるだけ短縮することが重要になる。
【0010】
以下、RPVを取り換える場合の手順の概要、特にRPVのノズルの処理を重点に、図7〜図12を参照して説明する。
【0011】
図7に、取替え前のRPV1の設置状況を示す。図8は、RPV1の搬出に先だって原子炉建家5Aの上部及び原子炉格納容器3の上蓋を開放した状況を示す。RPV1の円筒胴には、冷却系及び循環系等の配管と接続する多数のノズル8が、円筒胴の軸線と直交する方向に、外周側に突出して設置されている。RPV1の周囲には、原子炉遮蔽壁2が円筒状に設置されており、RPV1の搬出は、この原子炉遮蔽壁2の軸線に沿って、上方に引き抜くように行われる。
【0012】
ノズルの形状は大小様々であり、RPV1を建家から搬出するためには、まず、前記ノズル、例えば図8、図13、及び図14に示すノズル8と取合配管13を切断個所17で切断する。切断個所17で切断することにより、切断後のノズル8の先端と原子炉遮蔽壁2の内面の間に隙間11が形成され、RPV1を上方に搬出することが可能になる。
【0013】
ノズル8はRPVの複数個所に設置されており、その全てのノズルについて、切断個所17での切断を行う。この切断で、全てのノズルについて前記隙間11が確保され、RPV1を上方に引き抜くことが可能になる。
【0014】
図9に、RPV1を上方に引き抜き、原子炉建家から搬出している状況を示し、図10に、RPV1の搬出が終わり、原子炉遮蔽壁2の内部が空いている状態を示す。
【0015】
図11は取り替えられる新しいRPV1が搬入されている状況を、図12は新しいRPV1の設置が終わった状態を示している。
【0016】
以下、取り替えのRPVの搬入について述べる。取り替えのRPVが搬入される環境はプラント新設時と異なり、原子炉遮蔽壁2が設置されている状態でRPVの搬入が行われる。プラント新設時には、RPV1の設置が終わった状態で原子炉遮蔽壁2が設置されたから、RPVのノズルの長さは、原子炉遮蔽壁2に干渉することはなかった。しかし、プラント稼動後にRPVの搬入が行われる場合、ノズル先端が設置済みの原子炉遮蔽壁2の内周面に接触しないようにする必要がある。
【0017】
RPVのノズルのうち、比較的ノズル外径の大きいものについては、図13に示すように、プラント新設時に設計されたノズルと同一の構造、つまり、RPV外周面からノズル先端までの距離(ノズル高さ)が同じでは、搬入時に、ノズル先端と原子炉遮蔽壁2の内周面との間に隙間11を確保することができなくなり、RPVの搬入が不可能になるという問題がある。つまり、隙間11を確保するためには、プラント新設時と同様のノズル構造とすることを避け、プラント新設時とは異なるノズル構造を採用する必要がある。
【0018】
上述のように、ノズル高さがRPVの搬出、搬入に影響しており、RPVの取り替え難易性を評価するキーポイントである。まず、従来技術のRPVのノズル構造について説明する。
【0019】
RPVの比較的大径のノズル8は、基本的に、図13に示すように、RPVの胴板1Aの開口12に嵌め込まれる管台9と、この管台9の先端部分をなすノズルエンド10で構成されている。管台9はRPVの胴板1Aの開口12を補強する部分であり、ノズルエンド10は、取合配管13を接続する部分である。
【0020】
管台9は、RPVの胴板1Aの開口12に嵌め込まれる、前記胴板1Aと同厚の環状部と、この環状部からRPVの半径方向外方に延びる肉厚の円筒部(管台部)からなり、ノズルエンド10は、前記円筒部(管台部)の先端から外径を前記取合い配管13の外径に減少させるテーパ部21と、前記取合い配管13の外径と同じ外径の短管部26からなっている。前記環状部、円筒部(管台部)、テーパ部21、及び短管部26は、内径は同じになっている。
【0021】
前記短管部は、ノズルエンド10と前記取合い配管13の溶接部15の検査(RPV供用期間中の検査)を行えるようにするために設けられている。管台9の円筒部(管台部)と短管部26の間のテーパ部21は、円筒部(管台部)の外径から短管部の外径へ外径を変化させる形状変更部であり、テーパ部21の管台部側端部の外径は、管台部先端の外径と一致し、テーパ部21の短管部側端部の外径は短管部の外径と一致(テーパ部と短管部の接続部はRが付けられている)していて、管台9の剛性とノズルエンド10の剛性の相違を緩和するようになっている。
【0022】
上記ノズル構造とするのは、ノズル8の円形の穴20の周辺の疲れ解析(疲労評価)を行なう場合、内圧に対してのみ適用できる形状を採用することで、疲れ解析が簡単になるためである。すなわち、応力係数が使用できる前提条件としてのノズル形状であって、具体的には、応力係数が使用できる管台形状は、穴20、胴板厚1B、管台厚9A、ノズルエンド厚10Aの条件により、ノズル内面コーナR23、ノズル外面コーナR24、テーパ角度21A、及びノズルエンドコーナR25が制限されている。換言すると、従来技術でのノズル構造は、かなり保守的な構造となっている。このため、一般にノズル8自体が大型化していて、構造強度健全性の観点ではかなり裕度を持っている。例えば、形状不連続部の応力評価点16における疲れ累積係数は、ノズルの外荷重条件及び熱負荷の程度に左右されるものの、許容値1.0に対して0.001程度と極めて小さく、十分な強度健全性を示している。
【0023】
しかし、先に述べたように、保守的な構造を採用していることからノズル8が大型化し、これに伴なってノズル高さが大きくなり、RPVの取替えを行う場合、原子炉遮蔽壁2内に搬入できない。
【0024】
また、金属製の円筒状物体の壁面(円筒胴部)に開口を設け、この開口に管台とノズルエンドからなるノズルを図16に示すように溶接により取付けたものを、ノズルエンド側から管台側に向かってノズル軸線方向に見た図を、図18に示す。
【0025】
先に述べたようにノズルの管台は円筒胴部の開口を補強する役割をもっているが、図18に示すように、管台をノズル軸線に直交する平面で切った断面において、管台4は内外周ともに真円になっている。ノズルに発生する円筒胴部軸方向(以下、軸方向という)の応力をσl,円筒胴部円周方向(以下、円周方向という)の応力をσcとし、それぞれの応力に対し、荷重を受け持つ管台の軸方向、円周方向の断面をそれぞれSl,Scとする。図20に示すように、平均半径Rm,板厚tの円筒形物体が内圧Pを受けた場合、薄肉円筒における材料力学の公式を用いて、σl,σcはそれぞれ下記の式で表される。
【0026】
σl=PRm/2t
σc=PRm/t
つまり、σc=2σlとなるため、従来の管台の寸法は、軸方向に比べて発生応力の大きい円周方向の荷重を受け持つSc断面に生ずる応力が、所定の許容応力以下となるように、設計されている。
【0027】
図19に、円筒胴部に取付けた図18に示すノズルを、図18のA−A線で切断した断面を示す。図19の左半分は円周方向断面、右半分は軸方向断面を、それぞれ示している。
【0028】
従来、円筒胴部の計算上必要な板厚がTsrのとき、円筒胴部のノズルを取付けた状態で形成されている開口の補強として、面積補強の観点から、開口の面積を補強が必要な面積Arとし、円筒胴部と管台の補強に有効な面積(A1,A2)を合計してAcとし、Ac≧Arとなるようにしてある。
【0029】
先に述べたように、円筒胴部における、内圧による応力は、軸方向の応力が円周方向の応力の1/2倍である。一方、ノズル部において内圧により発生する応力は、管台のノズル軸線に直交する平面での断面形状が、内径面、外周面ともに同心の真円であることから、管台の円周方向いずれの位置においても均一となる。したがって、ノズル全体に発生する応力は、円筒胴部に発生する応力の影響を受けて不均一となっている。
【0030】
先に述べたように、円筒胴部に内圧により発生する応力は、軸方向の応力が円周方向の応力の1/2倍であるため、管台のノズル軸線に直交する平面での断面形状が、内径面、外周面ともに同心の真円であると、軸方向荷重を受持つ方向(円周方向断面)の管台厚さが必要な厚さを超えて厚くなり、資源の無駄となり不経済であった。
【0031】
特許文献1には、上記資源の無駄をなくしてノズルを軽量化するノズル構造が提案されている。特許文献1に記載されたノズル構造は、図21に示すように、管台部分400Aのノズルの穴を楕円にし、ノズルエンド500の真円のノズル穴に滑らかに移行させる構成である。図22に、図21のA−A線矢視断面を示す。つまり、円周方向断面における管台肉厚を軸方向断面における管台肉厚よりも薄くし、円周方向断面における管台肉厚が必要以上に厚くならないようにしてある。しかし、この構成ではノズルの穴を楕円から真円に滑らかに移行させるため、ノズル穴の形状が複雑になり、加工が難しくなる問題があった。
【0032】
【特許文献1】
特公平6−65919号公報
【発明が解決しようとする課題】
RPVの取替えを行う場合、新しいRPVは設置済の原子炉遮蔽壁2内に搬入することになるが、上記従来のRPVのノズル構造のままでは、ノズル高さが高いため、ノズル先端が原子炉遮蔽壁に当り、RPVを原子炉遮蔽壁2内に搬入することができない。
【0033】
また、従来のノズル構造は、軸方向荷重を受持つ方向(円周方向断面)の管台厚さが必要な厚さを超えて厚くなり、資源の無駄となり不経済であった。特許文献1に提案されたノズル構造は、ノズルの穴の形状が複雑になり、加工が難しくなる問題があった。
【0034】
本発明の第1の課題は、管台とノズルエンドからなるノズルの高さを小さくすることにある。本発明の第2の課題は、管台とノズルエンドからなるノズルについて、加工が容易でかつ上記資源の無駄をなくすることの可能なノズル構造とすることにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、管台部とノズルエンドの短管部を接続する部分の形状を変更することで、ノズル高さを小さくすることを可能とした。
【0036】
すなわち、上記第1の課題を解決する本発明の第1の手段は、管台とノズルエンドからなるノズルの、管台とノズルエンドの短管部を接続する形状変更部の肉厚を、管台側から短管部に向かって直線的に減少させたこと、すなわち、肉厚をテーパ状に変化させるとともに形状変更部の最大肉厚を管台先端の肉厚よりも小さくしたことを特徴とする。
【0037】
形状変更部の管台側の肉厚を管台先端の肉厚よりも小さくすることで、同じテーパ角度であっても、短管部の肉厚にまで肉厚を小さくするためのテーパ部の長さが短くて済み、ノズル高さを小さくすることができる。
【0038】
上記第1の課題を解決する本発明の第2の手段は、管台とノズルエンドからなるノズルの、管台部とノズルエンドの短管部を、管台部の肉厚と短管部の肉厚の差よりも小さい半径の曲面をもつ形状変更部で接続したことを特徴とする。
【0039】
管台部の肉厚と短管部の肉厚の差よりも小さい半径の曲面をもつ形状変更部で接続することにより、ノズルの高さを、従来のテーパ部で接続する場合よりも小さくできる。
【0040】
上記第2の課題を解決する本発明は、管台とノズルエンドからなるノズルにおいて、その管台をノズル軸線に直交する平面で切った断面におけるノズル穴形状を真円とし、該断面における管台の肉厚を、当該ノズルが円筒状物体の壁面に取付けた状態で前記真円の中心を通って前記円筒状物体の軸線に平行な直線が管台と交わる部分で最も厚く、同じく前記真円の中心を通って前記円筒状物体の軸線に直交する直線が管台と交わる部分で最も小さく、前記最も厚い部分から前記最も薄い部分の間で滑らかに変化させたものである。
【0041】
このように、管台の肉厚を、当該ノズルが円筒状物体の壁面に取付けた状態で前記真円の中心を通って前記円筒状物体の軸線に平行な直線が管台と交わる部分で最も厚くし、同じく前記真円の中心を通って前記円筒状物体の軸線に直交する直線が管台と交わる部分で最も小さくし、その間で肉厚を滑らかに変化させることにより、管台各部の肉厚を管台に生じることが予測される応力が許容範囲内になるとともに、不必要に厚い肉厚になることを避けることが可能になる。
【0042】
管台の肉厚を、当該ノズルが円筒状物体の壁面に取付けた状態で前記真円の中心を通って前記円筒状物体の軸線に平行な直線が管台と交わる部分で最も厚くし、同じく前記真円の中心を通って前記円筒状物体の軸線に直交する直線が管台と交わる部分で最も小さくし、その間で肉厚を滑らかに変化させるには、例えば、管台の外径を、ノズル穴と同心の楕円とし、かつノズルを前記円筒状物体に取付けるときに前記円筒状物体の軸線に平行になる方向を、前記楕円の長軸とすればよい。
【0043】
楕円の形状としては、管台をその長径を含む平面で切った断面における補強に有効な全断面積Acが、ノズルを前記円筒状物体に取り付けた状態で前記円筒状物体のノズル取付け位置に形成される開口を前記長径を含む平面で切った断面における補強の対象となる断面積Ar以上(Ac≧Ar)であり、管台をその短径を含む平面で切った断面における補強に有効な全断面積Ac’が、ノズルを前記円筒状物体に取り付けた状態で前記円筒状物体のノズル取付け位置に形成される開口を前記短径を含む平面で切った断面における補強の対象となる断面積Ar’の1/2以上(Ac’≧(1/2)Ar’)となるように、楕円の長径、短径を設定すればよい。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本実施の形態に係る原子力発電所の原子炉圧力容器1が据え付けられた状態を示す断面図である。原子炉圧力容器(RPV)1は、図に示すように、原子炉建家に設けられた原子炉格納容器3内の原子炉本体基礎6上に中空円筒を縦に立てた形で設置される。原子炉格納容器3は、コンクリートで形成された生体遮蔽壁4で覆われ、かつ原子炉建家基礎5上に設置される。また、RPV1の周りには、原子炉遮蔽壁2が円筒状に配置されている。
【0045】
図2は、図1のA部、すなわちノズル8を拡大して示すもので、ノズル8は、RPVの胴板1Aの開口12に嵌め込まれる管台9と、この管台9の先端部分をなすノズルエンド10で構成されている。管台9はRPVの胴板1Aの開口12を補強する部分であり、ノズルエンド10は、取合配管13を接続する部分である。
【0046】
管台9は、RPVの胴板1Aの開口12に嵌め込まれる、前記胴板1Aと同厚の環状部と、この環状部からRPVの半径方向外方に延びる肉厚の円筒部(以下、管台部という)からなり、ノズルエンド10は、前記管台部の先端に形成され、管台側の形状変更部と、前記取合い配管13が接続される、前記取合い配管13の外径と同じ外径の短管部からなっている。前記環状部の周囲は、胴板1Aに、溶接部14で溶接されている。前記環状部、管台部、形状変更部、及び短管部は、内部の流体流路の内径は同じで同心になっている。
【0047】
前記短管部は、ノズルエンド10と前記取合い配管13の溶接部15の検査(RPV供用期間中の検査)を行えるようにするために設けられている。管台9の円筒部(管台部)と短管部の間の形状変更部は、管台部の外径から短管部の外径へ外径を変化させる部分であり、管台9の剛性とノズルエンド10の剛性の相違をここで変化(移行)させるようになっている。
【0048】
管台9は胴板1Aの開口12を補強するために設ける部分であり、なかでも管台部は、胴板1Aに形成される開口20を補強する役割を持つ。この補強部分の大きさを決める方法として、一般的な面積補強計算による方法と、ノズルエンド10までの範囲を詳細な応力評価を行なって大きさを決める詳細解析・評価による方法の二つがある。
【0049】
ノズルエンド10は、管台9と取合い配管13を接続するためのものである。ノズルエンド10の管台9に接する部分、すなわち前記形状変更部はテーパ部22となっている。これは、管台9の剛性がノズルエンド10の剛性より大きいことから剛性の差による発生応力の差を緩和すること及び応力集中係数を2程度に減少させるために設けられている。図2においては、テーパ部22の高さhは、ノズルエンド10の肉厚と管台9の肉厚の差Hの10%程度以上、テーパ部22と短管部外面10bの接続点及びテーパ部22と管台部の先端肉厚面9bの接続点はR=3〜5mmの曲面とする必要がある。
【0050】
このような構造とすることで、応力評価点16に発生する応力は、従来技術である図13に示すノズル8の応力評価点16と比較して、外荷重、内圧及び熱負荷による1次+2次応力は約2倍となる。
【0051】
この原因は、従来構造と比較して、管台9の剛性とノズルエンド10の剛性の差の度合いが大きいためである。すなわち、図13に示す従来構造で存在していたテーパ部21が果たしていたクッションの大きさよりも、図2に示すテーパ部22が果たすクッションが小さいためである。そして、1次+2次応力が大きくなることに伴ない、疲れ累積係数も約5倍に大きくなる。しかし、疲れ累積係数は許容値1.0に対して約0.1であり、強度健全性は十分確保できる。
【0052】
次に、本実施の形態のノズルの特徴と、このノズルを備えたRPV1の原子炉遮蔽壁2内への搬入および取合い配管との接続について説明する。上述のように、本実施の形態のノズルは、強度安全性に対する余裕は従来技術のノズル構造に比して多少低下するものの、許容値を十分満足できる構造であり、強度健全性は確保できる。
【0053】
本実施の形態によれば、従来技術の場合とテーパ角度を同じにした場合、図3に示す寸法Sだけ、ノズル高さを小さくすることができる。図3の場合、従来技術の場合のノズルエンド先端位置K1に対してノズルエンド先端位置K2となり、ノズルエンド10から短管28が削除されたことに相当する。その結果、取合い配管13は従来よりも長くなるものの、ノズル側で斜線テーパ部19が削減され、全体として重量が低減される。
【0054】
そしてノズル高さを小さくすることで、原子炉遮蔽壁2内面とノズル8の先端の間に隙間11を形成することが可能になり、RPV1の原子炉遮蔽壁2内への搬入が可能になる。
【0055】
図4に、大径のノズルを本実施の形態に係る構造のノズルとしたRPVを原子炉遮蔽壁2内に搬入する状態を示す。RPV1を原子炉遮蔽壁2内に搬入し、原子炉本体基礎6に据え付けたら、ノズルエンド10の先端と取合い配管13を接続する。
【0056】
RPV取外し時に、ノズルと取合い配管13の接続部が切断され、残った取合い配管13の切断部は新たな溶接のために開先加工される。この配管13の開先加工された新たな接続点と、搬入された新たなRPVのノズルのノズルエンド10先端の間には、図2に示すように復旧用短管27が嵌め込まれ、その端部がノズルエンド10と溶接部15で、取合い配管13と溶接部15Aで、それぞれ溶接される。
【0057】
なお、復旧用短管27には耐SCC性に優れた材料を使用するとともに、その両端の溶接(ノズルエンド10との溶接及び取合い配管13との溶接)には、耐SCC性に優れた溶接方法を採用し、取り替えたRPVと配管の品質を向上させ、信頼性を向上させるのが望ましい。
【0058】
本発明の第2の実施の形態を図5を参照して説明する。本実施の形態と前記第1の実施の形態の相違点は、ノズルの管台部とノズルエンドの短管部を接続する形状変更部の外周面を、ノズルをその軸線を含む平面で切った断面でみたとき、滑らかな曲線18となる面で構成した点である。図5の場合、前記滑らかな曲線18は、管台部の先端肉厚面9bとノズルエンド10の外周面に接する円弧である。この円弧の半径は、管台部の肉厚と前記短管部の肉厚の差よりも小さい値としてある。したがって、形状変更部の最大肉厚は管台部の肉厚よりも小さい。形状変更部は、ノズルの管台部とノズルエンドの接続部分の応力集中係数を2程度とするために設けるもので、円弧の半径は、少なくとも5〜15mmとするのが望ましい。
【0059】
このように、ノズルの管台部とノズルエンドの短管部を接続する形状変更部の外周面を、ノズルをその軸線を含む平面で切った断面でみたとき、滑らかな曲線18となる面で構成することによっても、強度健全性を要求される範囲に維持し、かつ、ノズルの高さを従来技術の場合よりも小さくすることが可能になる。また、従来技術の場合に比べ、前記第1の実施の形態と同様に、ノズルの体積、すなわち重量及びコストを低減させることができる。
【0060】
上記第1、第2の実施の形態は請求項1〜4に対応するものであるが、次ぎに請求項5〜7に対応する第3の実施の形態につき、図15〜図17を参照して説明する。
【0061】
本実施の形態のノズル300は、図16に示すように、円筒形物体100の円筒胴部200に、円筒形物体100の軸線にノズル軸線を直交させて取付けられる。図17に、図16の矢印方向から見たノズル300の平面図を示す。図15は、図17のA―A線矢視断面図で、左半分は円筒胴部の円周方向断面、右半分は円筒胴部の軸方向断面である。
【0062】
図15、図16に示すように、ノズル300は、円筒形物体100の円筒胴部200に取付けられる管台400と、管台400の円筒胴部200に取付けられる側とは反対側の端部に管台400と同心に結合されたノズルエンド500とから形成されている。
【0063】
そして、図16に示すように、ノズルエンド500は、管台400よりも薄肉で配管が接続される短管部500Aと、管台400と短管部500Aの間にあって管台400の外径を前記短管部500Aの外径と同じ径でかつ同心に変化させる円錐状の形状変更部500Bとで構成されている。
【0064】
ノズル300の穴は、管台400をノズル軸線に直交する平面で切った断面上では内径dの真円となっており、一方、管台400の外周面は図17に示すように、前記断面上では前記真円と同心の、長径a,短径bの楕円となっている。そして楕円の長軸が円筒胴部200の軸線に平行で、楕円の短軸が円筒胴部200の円周方向に平行になっている。
【0065】
円筒胴部200には、ノズル300を取付けた状態で内径dの開口が形成されており、この開口による断面積減少分を、管台400で補償する。
【0066】
図15において、円筒胴部の板厚Tsは、計算上必要な板厚Tsrよりも大きくしてある。斜線部Arは円筒胴部軸方向の補償(円筒胴部円周方向の応力に対する補償。以下、補強という)が必要な断面面積、すなわち補強の対象となる断面積を示し、横線部A1、縦線部A2は、それぞれ斜線部Arの補強に有効な面積を示している。横線部A1、縦線部A2の合計を軸方向断面の補強に有効な断面積Ac(=A1+A2)とする。同様に、斜線部Ar’は円筒胴部円周方向の補償(円筒胴部軸方向の応力に対する補償。以下、補強という)が必要な断面面積を示し、横線部A1’、縦線部A2’は、それぞれ斜線部Ar’の補強に有効な面積を示している。横線部A1’、縦線部A2’の合計を円周方向断面の補強に有効な断面積Ac’(=A1’+A2’)とする。
【0067】
Tnrは、ノズル300の内圧等、円筒胴部の内圧による応力以外の外力にに起因する応力を許容範囲内にするのに必要な肉厚である。
【0068】
円筒状物体の内圧によって円筒胴部軸方向に発生する応力σlは、先に述べたように、同じ内圧によって円筒胴部円周方向に発生する応力σcの1/2であるから、ArとAc、Ar’とAc’は、それぞれ次の式で示される条件を満たす必要がある。
【0069】
Ac≧Ar …………(1)
Ac’≧(1/2)Ar’ …………(2)
補強を最小限にすると、Ac=Ar、Ac’=(1/2)Ar’となる。Ar>(1/2)Ar’であるから、補強を必要最小限にしたばあい、Ac>Ac’、すなわち、円周方向の補強有効面積は軸方向の補強有効面積よりも少なくてよい。
【0070】
本実施の形態では、図17に示すように、管台400の断面は外周が前記真円と同心の楕円となっており、この楕円の長軸が円筒胴部200の軸線に平行で、楕円の短軸が円筒胴部200の円周方向に平行になっている。したがって、円筒胴部200の円周方向の断面(ノズル軸線を含み円筒胴部軸方向に直交する平面での断面、図15の左半分)で示される円周方向断面の補強有効面積Ac’は、図15、図17からも分かるように、軸方向の断面で示される軸方向の補強有効面積Acよりも少なくなっている。
【0071】
Ac及びAc’の値を前記式(1)、式(2)の値を満たすとともにそれ以外の必要条件を満たすできるだけ小さい値に定め、それに基づいて前記楕円の長径と短径を定めればよい。管台400の肉厚は、肉厚が最大である円筒胴部軸方向から、肉厚が最小である円筒胴部円周方向へ滑らかに変化し、円筒胴部に取付けられたノズルに、円筒状物体の内圧により発生する応力を、均一化することが可能になる。
【0072】
管台の形状を上記形状にすることで、円周方向の補強有効面積が、必要な値よりも過剰になるのが避けられ、ノズル内径の加工が容易でかつ資源の無駄が少ない管台とすることが可能になる。
【0073】
図23に、図17に示す上記実施の形態のノズルの平面図と、図18に示す従来技術のノズルであって、図17に示す上記実施の形態のノズルと同じノズル穴径のノズルの平面図を重ねて示した。実線420が本発明の第3の実施の形態に係るノズルの管台400の外周輪郭線で、破線410が従来技術に係るノズルの管台400の外周輪郭線である。図で明らかなように、本実施の形態に係るノズルが斜線で示した厚み部分だけ小さくなり、それだけ軽量化されている。
【0074】
本発明のノズルはその穴径が大口径(管台厚さが増大)のなればなるほど、効果を発揮し、例えば、ノズル穴内径2000mmで管台の厚みが従来技術の場合500mmであったノズルに本発明を適用して、管台の外形を、長径3000mm、短径2500mmの楕円形にすると、約20%の質量低減が可能になる。
【0075】
以上説明した軸方向発生応力と円周方向発生応力の関係は薄肉円筒の場合であるが、軸方向応力に比べ円周方向の応力が大きいという傾向は厚肉円筒物体についてもいえることであり、本発明は原子炉圧力容器などの圧力容器についても適用できる。
【0076】
なお、上記実施の形態では、管台400のノズル軸線を含む円筒胴部円周方向平面における肉厚を、管台400のノズル軸線を含む円筒胴部軸方向平面における肉厚よりも薄くし、その間の肉厚を滑らかに変化させるために、管台400の断面の外形を、円筒胴部軸方向を長径とする楕円としたが、管台400のノズル軸線を含む円筒胴部円周方向平面における肉厚を、管台400のノズル軸線を含む円筒胴部軸方向平面における肉厚よりも薄くし、その間の肉厚を滑らかに変化させる形状で、前記式(1)、(2)を満たすものであれば必ずしも楕円でなくともよい。例えば、円筒胴部軸方向を長径とする長円であってもよいし、それ以外の曲線を採用してもよい。
【0077】
また、前記第1、第2の実施の形態に示したノズルに、第3の実施の形態の思想、すなわち、管台400のノズル軸線を含む円筒胴部軸方向断面での肉厚を円筒胴部円周方向の応力に対応して円筒胴部の開口を補強する厚みにするとともに、管台400のノズル軸線を含む円筒胴部円周方向断面の肉厚を円筒胴部軸方向の応力に対応して円筒胴部の開口を補強する厚みにし、その間の方向の肉厚を滑らかに変化させるようにしてもよい。このようにすれば、ノズルの高さが低くなるとともに、ノズルが軽量化され、資源の無駄が少なくなる。管台材料に高価な金属材料が用いられる場合、コストの低減が可能になる。
【0078】
【発明の効果】
請求項1〜4に係る発明によれば、管台とこの管台に接続して形成されたノズルエンドからなるノズルの高さを小さくできるので、原子炉遮蔽壁が設置された状態でRPVを原子炉遮蔽壁内に搬入、据付けすることが可能になるとともに、ノズルに必要な資源を少なくできる。
【0079】
また、請求項5〜7に係る発明によれば、管台とこの管台に接続して形成されたノズルエンドからなるノズルを、加工が容易でかつ資源の無駄をなくすることの可能なノズル構造とすることが可能になる。
【0080】
請求項
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る原子炉圧力容器が原子炉遮蔽壁内に設置されている状態を示す断面図である。
【図2】図1のA部の詳細を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るノズルと従来技術に係るノズルを比較して示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る原子炉圧力容器が原子炉遮蔽壁内に搬入される状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るノズルを示す断面図である。
【図6】従来技術の原子炉圧力容器が原子炉遮蔽壁内に設置されている状態を示す断面図である。
【図7】従来技術の原子炉圧力容器が原子炉遮蔽壁内に設置されている状態を示す断面図である。
【図8】従来技術の原子炉圧力容器のノズルを、原子炉圧力容器搬出のために切断した状態を示す断面図である。
【図9】従来技術の原子炉圧力容器を原子炉格納容器から搬出する状態を示す断面図である。
【図10】原子炉圧力容器が原子炉格納容器から搬出された状態を示す断面図である。
【図11】新しい原子炉圧力容器が原子炉遮蔽壁内に搬入される状態を示す断面図である。
【図12】新しい原子炉圧力容器が原子炉遮蔽壁内に設置された状態を示す断面図である。
【図13】従来技術のノズル構造を示す断面図である。
【図14】従来技術のノズルを、原子炉圧力容器搬出のために切断した状態を示す断面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係るノズルの断面図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係るノズルを円筒状物体に取付けた状態を示す斜視図である。
【図17】図16のB矢視平面図である。
【図18】従来技術に係るノズルを示す平面図である。
【図19】図18に示すノズルのA−A線矢視断面図である。
【図20】内圧が加わった円筒状物体の胴部壁面に発生する応力の方向を説明する斜視図である。
【図21】従来技術の他の例に係るノズルを示す平面図である。
【図22】図21に示すノズルのA−A線矢視断面図である。
【図23】図17と図18を重ねて表示した平面図である。
【符号の説明】
1 原子炉圧力容器
1A 原子炉圧力容器の胴板
1B 胴板厚
2 原子炉遮蔽壁
3 原子炉格納容器
4 生体遮蔽壁
5 原子炉建家基礎
5A 原子炉建家
6 原子炉本体基礎
8 ノズル
9 管台
9A 管台厚
9b 管台の先端肉厚面
10 ノズルエンド
10a ノズルエンド厚
10b 短管部外面
11 隙間
12 穴(開口)
13 取合い配管
14 溶接部
15、15A 溶接部
16 応力評価点
17 切断個所
18 曲線
19 斜線テーパ部
20 穴
21 テーパ部
21A テーパ角度
22 テーパ部
23 ノズル内面コーナR
24 ノズル外面コーナR
25 ノズルエンドコーナR
26 短管部
27 復旧用短管
28 短管
100 円筒状物体
200 円筒胴部
300 ノズル
400管台
500 ノズルエンド
Claims (8)
- 円筒状物体の円筒胴部に取付けられる管台と、この管台の端部に該管台と同心に形成されたノズルエンドとを含んでなるノズルであって、前記ノズルエンドは、前記管台よりも薄肉の短管部と、この短管部と前記管台のノズルエンド側端部間に介在する形状変更部を含んで構成され、
前記形状変更部は、肉厚を前記管台から遠ざかるにつれて直線的に減少させるよう構成され、形状変更部の肉厚が最小の位置で前記短管部が形状変更部に接続されているとともに、形状変更部の管台側肉厚を管台のノズルエンド側先端の肉厚よりも小さくしたことを特徴とする、円筒状物体に取付けられるノズル。 - 請求項1記載のノズルにおいて、前記形状変更部の管台側端部の肉厚は、少なくとも、前記短管部の肉厚と管台の肉厚の差の1/10を前記短管部の肉厚に加えたものであることを特徴とする円筒状物体に取付けられるノズル。
- 円筒状物体の円筒胴部に取付けられる管台と、この管台の端部に該管台と同心に形成されたノズルエンドとを含んでなるノズルであって、前記ノズルエンドは、前記管台よりも薄肉の短管部と、この短管部と前記管台のノズルエンド側端部間に介在する形状変更部を含んで構成され、前記形状変更部は、該形状変更部をノズル軸線を含む平面で切った断面で、外周面が一方を前記短管部の外周に接し他方を前記管台の先端肉厚面に接する曲線であるとともに、この曲線は半径が管台の肉厚と短管部の肉厚の差よりも小さい円弧を含んでいることを特徴とする円筒状物体に取付けられるノズル。
- 請求項3記載のノズルにおいて、前記円弧の半径は、少なくとも5mmであることを特徴とする円筒状物体に取付けられるノズル。
- 円筒状物体の円筒胴部に取付けられる管台と、この管台の端部に該管台と同心に形成されたノズルエンドとを含んでなるノズルであって、その管台をノズル軸線に直交する平面で切った断面におけるノズル穴形状が円形であり、該断面における管台の肉厚は、当該ノズルが円筒状物体の円筒胴部壁面に取付けられた状態で前記円形の中心を通って前記円筒状物体の軸線に平行な直線が管台と交わる部分で最も厚く、同じく前記円形の中心を通って前記円筒状物体の軸線に直交する方向の直線が管台と交わる部分で最も薄く、前記最も厚い部分から前記最も薄い部分の間で管台の外周に沿って滑らかに変化していることを特徴とする円筒状物体に取付けられるノズル。
- 請求項5記載のノズルにおいて、管台をノズル軸線に直交する平面で切った断面における管台外形が、前記円筒状物体の軸線方向を長軸とする楕円形であることを特徴とする円筒状物体に取付けられるノズル。
- 請求項6記載のノズルにおいて、管台をその長径を含む平面で切った断面における補強に有効な全断面積が、ノズルを前記円筒状物体に取り付けた状態で前記円筒状物体のノズル取付け位置に形成される開口を前記長径を含む平面で切った断面における補強の対象となる断面積以上であり、管台をその短径を含む平面で切った断面における補強に有効な全断面積が、ノズルを前記円筒状物体に取り付けた状態で前記円筒状物体のノズル取付け位置に形成される開口を前記短径を含む平面で切った断面における補強の対象となる断面積の1/2以上であることを特徴とする円筒状物体に取付けられるノズル。
- 配管を接続するノズルを胴板に備えてなる原子炉圧力容器であって、前記ノズルは、請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の円筒状物体に取付けられるノズルを含むことを特徴とする原子炉圧力容器。
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-
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