JP2004085230A - ガス検出装置 - Google Patents

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Kenji Masuda
増田 堅司
Kazuhisa Shigemori
重森 和久
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

【課題】定在ガスのガス濃度と突発ガスのガス濃度とを安価な手段で検出する。
【解決手段】外部空気が流入するチャンバ(40)と、チャンバ(40)に流入した外部空気からチャンバ(40)の外部空気のガス濃度を検出するガスセンサ(20)とを備え、ガスセンサ(20)の基準値を較正するための較正動作を行う。較正動作の開始前のセンサ出力に基づくガス濃度と定在ガス基準レベルとの差を予め設定された閾値と比較して定在ガスレベルを導出し、定在ガス信号を出力する定在ガス部(81)を備えている。センサ出力に基づくガス濃度と予め設定された突発ガス用0レベルとの差を予め設定された閾値と比較して突発ガスレベルを導出し、突発ガス信号を出力する突発ガス部(82)を備えている。そして、導出された定在ガス濃度を表示する定在ガス表示部と、突発ガス濃度を表示する突発ガス表示部とを備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス濃度を検出するガス検出装置に関し、特に、ガスレベルの導出対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、空気清浄機に搭載されているガスセンサは、温湿度のドリフトを補正できない。したがって、清浄状態、例えば、ガスレベル0が一定時間続くと、そのときのセンサ出力(瞬時値若しくはある期間の平均値)で仮想0レベルを設定する。そして、任意の時間におけるガスセンサ出力と仮想0レベルの差に応じてガスレベル、例えば、ガスレベル0〜ガスレベル3を決めている。
【0003】
このように、仮想0レベルを設定することにより、温湿度のドリフトがあっても煙草などの突発ガスを検知することができ、そのガス濃度に応じたガスレベルの表示を可能としている。
【0004】
しかし、空気清浄機の浄化性能が不十分であるため、煙草などの突発ガスが発生した後、清浄レベルまで復帰するのに長時間を要する。実際に室内空気が浄化されるのに1〜2時間程度が必要である。ガスセンサ出力が実際のガスレベルをそのまま表示すると、長時間にわたって高濃度のガスレベル(例えば、ガスレベル2〜3)を表示してしまい、空気清浄機の使用者に違和感を与えてしまう。
【0005】
そこで、特許第2563263号及び特許第2586524号公報に開示されているように、所定時間が経過すると、仮想0レベルを上昇させるようにしている。この結果、ガスレベルを強制的に低下させる等のソフト的処置を施し、使用者の体感に合わせるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のガスセンサは、温湿度に依存するドリフトによる誤検出を抑制するため、突発ガスのみを検出するアルゴリズムを採用している。この結果、緩やかに変化する低濃度の定在ガスは検出できなくなっていた。
【0007】
しかしながら、昨今、ホルムアルデヒド(HCHO)やトルエンを代表とする揮発性有機化合物(VOC)のように、建材や家具から長期間に渡り徐々に放散される低濃度の定在ガスが、シックハウス、シックスクール、シックビルディングなどの原因物質の一つとして問題視されている。したがって、空気清浄機や換気装置において、自動運転制御用又は浄化効果の可視化用として装置に組込可能な低濃度の定在ガスの検出手段の要求が高まっている。
【0008】
一方、特開2001−41916号公報に開示されているように、ガスセンサのセンサ出力の基準値を構成するガス検出装置がある。しかしながら、このガス検出装置では、定在ガスを検出するものと、突発ガスを検出するものとを2台設ける必要があり、コスト高になるという問題がある。
【0009】
本発明は、斯かる点に鑑みて成されたもので、定在ガスのガス濃度と突発ガスのガス濃度とを安価な手段でもって検出することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
図1に示すように、請求項1に係る発明は、外部空気が流入するチャンバ(40)と、該チャンバ(40)に流入した外部空気からチャンバ(40)の外部空気のガス濃度を検出するガスセンサ(20)と、該ガスセンサ(20)の基準値を較正するための較正動作を行う較正手段(73)とを備えたガス検出装置を前提としている。そして、上記ガスセンサ(20)が出力する1つのセンサ出力に基づいて、チャンバの外部空気に定常的に存在する定在ガスのガス濃度と、チャンバの外部空気に突発的に発生する突発ガスのガス濃度とを導出する導出手段(80)を備えている。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記導出手段(80)が、較正動作の開始前のガスセンサ(20)のセンサ出力に基づくガス濃度と定在ガス基準レベルとの差を予め設定された閾値と比較して定在ガスレベルを導出し、定在ガス信号を出力する定在ガス部(81)を備える構成としている。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記導出手段(80)が、ガスセンサ(20)のセンサ出力に基づくガス濃度と予め設定された突発ガス基準レベルとの差を予め設定された閾値と比較して突発ガスレベルを導出し、突発ガス信号を出力する突発ガス部(82)を備える構成としている。
【0013】
また、請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、上記導出手段(80)が、較正手段(73)の較正動作が開始された後、所定時間が経過するまで、上記突発ガス部(82)が較正動作の開始前の突発ガス信号を出力し続けるように突発ガス部(82)の突発ガスレベルを維持させるレベル維持部(83)を備える構成としている。
【0014】
また、請求項5に係る発明は、請求項3に係る発明において、上記突発ガス部(82)が、較正動作の開始前のガスセンサ(20)のセンサ出力に基づくガス濃度を突発ガス基準レベルに設定し、較正手段(73)が較正動作を行う毎に突発ガス基準レベルを更新するように構成されている。
【0015】
また、請求項6に係る発明は、請求項4に係る発明において、上記レベル維持部(83)が、較正動作の開始前の突発ガスレベルから低いガスレベルに複数レベルに維持するように複数の維持部(8a)を備える構成としている。
【0016】
また、請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明において、上記複数の維持部(8a)が、後段の維持部(8a)にいくにしたがって維持時間が長く設定されている。
【0017】
また、請求項8に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記導出手段(80)は、上記レベル維持部(83)のレベル維持動作中にガス濃度が維持レベルに基づく所定値まで変動すると、レベル維持部(83)のレベル維持動作を終了させる終了部(84)を備える構成としている。
【0018】
また、請求項9に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記導出手段(80)の出力信号を受けてガスレベルに対応して機器類の制御量を変更して機器類の制御信号を出力する信号制御手段(72)を備える構成としている。
【0019】
また、請求項10に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記導出手段(80)の出力信号を受けて定在ガス濃度を表示する定在ガス表示手段(91)と、突発ガス濃度を表示する突発ガス表示手段(92)とを備える構成としている。
【0020】
また、請求項11に係る発明は、請求項10に係る発明において、上記定在ガス表示手段(91)と突発ガス表示手段(92)とは、定在ガス表示手段(91)を低濃度側に位置し、突発ガス表示手段(92)が高濃度側に位置するように配置されている。
【0021】
すなわち、本発明では、ガスセンサ(20)が対象ガスのガス濃度を検出する場合、外部空気がチャンバ(40)内に流入して拡散する。この外部空気がガスセンサ(20)に供給される。該ガスセンサ(20)は、対象のガス濃度に対応したセンサ出力を出力し、導出手段(80)がガス濃度を算出する。そして、例えば、請求項9に係る発明では、信号制御手段(72)が制御信号を出力し、例えば、室内ファンの回転数などが変更される。
【0022】
更に、較正手段(73)は、前回の較正動作Sが終了した後、例えば、所定時間が経過すると、較正動作Sを実行し、チャンバ(40)の内部空気を清浄化し、清浄空気がガスセンサ(20)に供給される。そして、上記ガスセンサ(20)は、清浄空気のガス濃度を検出する。その後、較正を終了すると、導出手段(80)は、較正の終了時におけるセンサ出力によってガスセンサ(20)の基準値を基に測定動作を再開する。
【0023】
一方、上記導出手段(80)は、ガスセンサ(20)が出力する1つのセンサ出力に基づき、定在ガスレベルと突発ガスレベルとを導出し、請求項10及び請求項11に係る発明では、表示手段(90)が定在ガスレベルと突発ガスレベルとを別個に表示する。
【0024】
また、請求項2に係る発明では、上記導出手段(80)の定在ガス部(81)が、定在ガス基準レベルと較正動作前のガス濃度との差を導出し、予め設定された閾値と比較して定在ガスレベルを導出する。
【0025】
また、請求項3に係る発明では、上記導出手段(80)の突発ガス部(82)が、突発ガス基準レベルとガスセンサ(20)のセンサ出力との差を用い、この差と予め設定された閾値とを比較することによって突発ガスレベルを導出する。
【0026】
また、請求項4に係る発明では、基準値の較正を行うと、レベル維持部(83)が較正動作の開始時に算出された突発ガスレベルを所定の維持時間だけ維持する。その後、上記所定の維持時間が終了すると、突発ガスレベルの維持動作を終了し、通常のセンサ出力と突発ガス基準レベルとの差に応じて突発ガスレベルを導出する。
【0027】
また、請求項5に係る発明では、上記導出手段(80)の突発ガス部(82)が、較正動作の開始前のガスセンサ(20)のセンサ出力に基づくガス濃度を突発ガス基準レベルに設定し、較正手段(73)が較正動作を行う毎に突発ガス基準レベルを更新する。
【0028】
また、請求項6に係る発明では、上記レベル維持部(83)の複数の維持部(8a)が、較正動作の開始前の突発ガスレベルから低いガスレベルに複数レベルに維持する。
【0029】
また、請求項7に係る発明では、上記複数の維持部(8a)は、後段の維持部(8a)にいくにしたがって維持時間が長くなる。
【0030】
また、請求項8に係る発明では、上記導出手段(80)の終了部(84)が、上記レベル維持部(83)のレベル維持動作中にガス濃度が維持レベルに基づく所定値まで変動すると、レベル維持部(83)のレベル維持動作を終了させる。
【0031】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
【0032】
図1に示すように、本実施形態のガス検出装置(10)は、例えば、空気調和装置の室内機や空気清浄機に設けられている。そして、該ガス検出装置(10)は、外部空気である室内空気のガス濃度を検出するもので、例えば、室内のホルムアルデヒドなどの他、煙草や焼き肉臭などの対象ガスのガス濃度を検出するものである。
【0033】
上記ガス検出装置(10)は、ガスセンサ(20)と清浄空気の生成手段(30)とを備えている。上記生成手段(30)は、チャンバ(40)に熱触媒(50)及び触媒ヒータ(60)が設けられて構成されている。そして、上記熱触媒(50)と触媒ヒータ(60)とが清浄手段(31)を構成している。
【0034】
上記チャンバ(40)は、所定容量の容器状に形成されている。具体的に、上記チャンバ(40)は、高熱伝導率材料で形成され、ほぼカップ状の本体(41)と、該本体(41)の上部を閉鎖する上部板(42)とより構成されている。そして、上記本体(41)の上部には、チャンバ(40)の外部と内部とを連通する開口(43)が形成されている。該開口(43)は、室内空気がチャンバ(40)に流入して拡散するように形成されている。
【0035】
尚、上記チャンバ(40)は、熱触媒(50)の負荷を小さくすると共に、測定時の対象ガスに対する応答性を良くするため、容積が極力小さいことが望ましい。つまり、上記チャンバ(40)の容量は、熱触媒(50)並びに触媒ヒータ(60)のサイズ及び電気容量に応じて、温度上昇を避けるための下限値が存在し、数ミリリットルから数十ミリリットル程度である。
【0036】
上記ガスセンサ(20)は、半導体センサで構成され、チャンバ(40)の本体(41)に取り付けられている。そして、上記ガスセンサ(20)のセンサ部がチャンバ(40)内に位置している。
【0037】
上記熱触媒(50)と触媒ヒータ(60)とは、チャンバ(40)の内部の中央下部に配置されている。上記触媒ヒータ(60)は、熱触媒(50)を活性化させるための駆動源であって、電気ヒータで構成されている。
【0038】
上記熱触媒(50)は、ガスセンサ(20)の基準値を較正するために清浄空気を生成するための触媒である。上記熱触媒(50)は、例えば、触媒成分が担体に担持されて構成され、マンガン系触媒、バナジウム系触媒又はモリブデン系触媒等の熱触媒で構成されている。
【0039】
上記熱触媒(50)の担体としては、例えば、活性アルミナ、セリア、ジルコニア、シリカ及びゼオライト等から選ばれた1種類以上の金属酸化物又は該金属酸化物と金属の複合酸化物との混合物が採用されている。
【0040】
上記触媒成分としては、例えば、Ag、Pd、Pt、Mn及びRhのうちから選ばれた1種類以上の金属、該金属を含有する合金若しくは該金属の酸化物、又はこれらの2種類以上の混合物が採用されている。
【0041】
また、上記熱触媒(50)は、例えば、触媒成分が担体に担持されたものを網状に形成された金属等の基材に担持させてもよく、また、熱触媒(50)は、触媒成分のみからなるものを網状に形成された金属等の基材に担持させてもよい。
【0042】
上記触媒ヒータ(60)は、熱触媒(50)に接合されるか、又は重ね合わされ、該触媒ヒータ(60)への通電によって熱触媒(50)が活性化するように構成されている。
【0043】
また、上記触媒ヒータ(60)と熱触媒(50)との構成は、ヒータフィラメントに熱触媒を直接に塗布したものでもよい。
【0044】
また、上記触媒ヒータ(60)にプレートやフィン等の伝熱部材を取り付け、該伝熱部材に熱触媒(50)をコーティングしてもよい。
【0045】
また、上記熱触媒(50)の焼結体を形成し、該焼結体に触媒ヒータ(60)を巻き付けてもよい。
【0046】
また、上記熱触媒(50)を粉末状とし、この粉末状熱触媒と触媒ヒータ(60)とを管状保持材に充填するか、網状保持材で挟み込むようにしてもよい。
【0047】
また、本実施形態の清浄手段(31)は、熱触媒(50)と触媒ヒータ(60)とで構成したが、機能を満たすものであれば他の構成としてもよい。例えば、上記清浄手段(31)は、光触媒と紫外線源とで構成してもよく、また、プラズマ触媒とプラズマ発生源とで構成してもよい。
【0048】
一方、上記ガスセンサ(20)にはコントローラ(70)が接続されている。該コントローラ(70)は、ガスセンサ(20)の基準値の較正制御手段(71)と、ガス濃度を導出する導出手段(80)と、信号制御手段(72)とを備えている。
【0049】
上記較正制御手段(71)は、ガスセンサ(20)の基準値の較正動作を所定時間毎に実行するように構成され、較正制御手段(71)によって触媒ヒータ(60)が通電によって加熱する。そして、上記較正制御手段(71)と生成手段(30)とによって較正手段(73)が構成されている。
【0050】
上記導出手段(80)は、ガスセンサ(20)が出力する1つのセンサ出力に基づいて、チャンバの外部空気に定常的に存在する定在ガスのガス濃度と、チャンバの外部空気に突発的に発生する突発ガスのガス濃度とを導出するように構成されている。そして、上記導出手段(80)は、定在ガス部(81)と突発ガス部(82)とレベル維持部(83)とを備えている。尚、上記定在ガスとは、HCHOやVOCなどの徐々に放散される低濃度のガスをいい、突発ガスとは、煙草や焼き肉臭のように急激に上昇する高濃度のガスをいう。
【0051】
上記定在ガス部(81)は、較正動作の開始前のガスセンサ(20)のセンサ出力に基づくガス濃度と定在ガス基準レベルとの差を予め設定された閾値と比較して定在ガスレベルを導出し、定在ガス信号を出力するように構成されている。
【0052】
上記突発ガス部(82)は、ガスセンサ(20)のセンサ出力に基づくガス濃度と予め設定された突発ガス基準レベルとの差を予め設定された閾値と比較して突発ガスレベルを導出し、突発ガス信号を出力するように構成されている。
【0053】
上記レベル維持部(83)は、較正手段(73)の較正動作が開始された後、所定時間が経過するまで、上記突発ガス部(82)が較正動作の開始前の突発ガス信号を出力し続けるように突発ガス部(82)の突発ガスレベルを維持させるように構成されている。
【0054】
上記信号制御手段(72)は、導出手段(80)が導出したガスレベルの出力信号を受け、ガスレベルに対応して機器類の制御量を変更し、機器類の制御信号を出力するように構成されている。例えば、上記信号制御手段(72)は、空気調和装置の室内機や空気清浄機に設けられているファンの回転数を変更する制御信号を出力する。
【0055】
そこで、上記定在ガス及び突発ガスの導出の原理について説明する。先ず、定在ガスレベルについて図2に基づき説明する。
【0056】
上記定在ガスレベルMLは、触媒を活性化させる較正動作S前のセンサ出力と、定在ガス基準レベルLTとの差を用い、予め設定された閾値によって設定される。
【0057】
つまり、上記定在ガス基準レベルLTは、較正手段(73)によって較正されたガスセンサ(20)の基準値に相当し、図2に示すように、この基準値である定在ガス基準レベルLTと較正動作S前のガス濃度との差、例えば、差Aを導出する。そして、この差Aが予め設定された閾値と比較し、定在ガスレベルMLを導出する。この差Aの場合は、例えば、定在ガスのレベル1となる。
【0058】
この定在ガスのレベル1は、次の較正動作Sの終了まで維持され、図2においては、次の較正動作Sの終了時には、基準値である定在ガス基準レベルLTと較正動作前のガス濃度との差Bを導出する。この差Bの場合は、例えば、定在ガスのレベル2となる。
【0059】
このように、較正動作毎に基準値である定在ガス基準レベルLTを更新し、定在ガスレベルMLを導出する。
【0060】
尚、較正動作S前のセンサ出力は、較正動作Sの開始時のセンサ出力であってもよいし、悪影響を与えない範囲であれば較正動作Sの開始前の一定時間における平均値を用いてもよい。
【0061】
また、図2においては、上記定在ガスレベルMLは、低濃度から高濃度へと突発的にセンサ出力が上昇しているよう表れているが、実際の定在ガスは徐々に上昇する。
【0062】
低濃度の定在ガスは、本来、徐々に上昇するものであり、そのレベル表示において途中の急峻な変動を対象とする必要はない。したがって、次の基準値の更新まで定在ガスレベルMLを維持するだけで機能としては十分である。
【0063】
閾値は、例えば、事前に把握しているセンサ特性を用いて設定すればよい。例えば、低濃度トルエンの検出特性は、図3に示すとおりとなる。
【0064】
この場合、図4に示すように、トルエンが0.1ppmに相当するセンサ出力の差が生ずると、定在ガスのレベル0から定在ガスのレベル1へとレベルが上昇する。尚、トルエンが0ppm以下に相当するセンサ出力になった場合、定在ガスのレベル3に設定している。この理由は、較正動作中に急激にセンサ出力が上昇した場合に対応するためである。
【0065】
つまり、較正動作Sに要する時間は、システムの機械的設定によって異なるが、通常1秒〜30秒である。この較正動作Sの間において、ガスセンサ(20)のセンサ出力が急激に上昇すると、較正動作Sの前後の出力差が負側に大きくなる。その場合は、雰囲気ガス濃度が高いと判断させるためである。定在ガスは、急激なガス濃度の上昇を想定していないが、上述のように、定在ガスのレベル3に設定し、次回の較正動作Sまでの間、低い定在ガスレベルMLが保持されることによる違和感を少しでも抑制することができる。
【0066】
尚、基準値である定在ガス基準レベルLTの更新の時間間隔が長いと、その間は、定在ガスレベルMLが更新されない。このため、使用者が違和感を覚えてしまうので、基準値の更新間隔は、体感に合った範囲で設定するのが好ましい。一般的には、10分以内で、5分以内が好ましい。
【0067】
次に、突発ガスレベルの導出原理について図5に基づいて説明する。
【0068】
上記突発ガス基準レベルである仮想的な突発ガス用0レベルLZ(突発ガス零レベル)を導入する。この突発ガス用0レベルLZとガスセンサ(20)のセンサ出力との差を用い、この差と予め設定された閾値とを比較することによって突発ガスレベルRLを導出する。
【0069】
更に、触媒を活性化させる較正動作Sが開始されると、較正動作Sの直前、実際には較正動作Sの開始時に算出された突発ガスレベルRLを所定の維持時間だけ維持する(図5HL参照)。この維持時間は、較正動作Sの期間中又はセンサ出力が雰囲気ガス濃度レベルまで復帰するまでの時間である。つまり、上記維持時間は、使用者が違和感を覚えぬように、体感に合った範囲で設定する。一般的には、10分以内で、5分以内が好ましい。
【0070】
上記維持時間の終了後は、突発ガスレベルRLの維持動作を終了し、通常のセンサ出力と突発ガス用0レベルLZとの差に応じて突発ガスレベルRLを実時間で表示する。この結果、使用者に違和感を与えることなく突発ガスレベルRLが表示される。
【0071】
一方、上記維持時間、つまり、不感期間(較正動作Sの期間+復帰時間)において、直前の突発ガスレベルRLを維持することにより、使用者の体感に合った表示が可能となる。しかし、この維持時間が長く、例えば、維持時間が20〜30分に設定されていると、煙草を1本喫煙したのみであるにも拘わらず、その間、突発ガスレベルRLが更新されないため、使用者に違和感を与えてしまう。突発ガスとして最も一般的な喫煙を想定すると、上記維持時間は、10分以内で、5分以内が好ましい。
【0072】
更に、上記コントローラ(70)は、表示手段(90)を備えている。該表示手段(90)は、図6に示すように、定在ガス表示部(91)と突発ガス表示部(92)とを個別に備えている。
【0073】
上記定在ガス表示部(91)は、導出手段(80)の定在ガス部(81)の出力信号を受けて定在ガス濃度を表示する定在ガス表示手段を構成している。上記突発ガス表示部(92)は、導出手段(80)の突発ガス部(82)の出力信号を受けて突発ガス濃度を表示する突発ガス表示手段を構成している。
【0074】
上記定在ガス表示部(91)及び突発ガス表示部(92)は、LEDバーグラフで構成され、定在ガス表示部(91)が左側に、突発ガス表示部(92)が右側に配置されている。更に、上記定在ガス表示部(91)及び突発ガス表示部(92)は、4つのバー部(93)を有し、4段階表示するように構成され、定在ガスレベルMLをレベル0〜レベル3で表示し、突発ガスレベルRLをレベル0〜レベル3で表示するように構成されている。
【0075】
また、上記定在ガス表示部(91)及び突発ガス表示部(92)は、横長に構成され、例えば、4つのバー部(93)が水平方向に配置され、中央部のガス濃度が低く、左右に行くに従ってガス濃度が高くなるように構成されている。
【0076】
そこで、上記表示手段(90)が定在ガス表示部(91)と突発ガス表示部(92)とを個別に設けるようにした理由について説明する。
【0077】
上述したように、定在ガスは、HCHOやVOCなどの徐々に放散される低濃度のガスであり、突発ガスは、煙草や焼き肉臭のように急激に上昇する高濃度のガスである。したがって、脱臭又は除去効果を可視化する場合、別々に表現することが使用者にとって解かりやすい。つまり、使用者は、2種類のガスレベルが表示されることによりガス種の概略推定が可能となり、居室のガス環境を知ることができる。特に、定在ガスは、人間が感じることができない低濃度であることが多いため、使用者が受けるメリットは大きい。
【0078】
そこで、上述したように、上記表示手段(90)が定在ガス表示部(91)と突発ガス表示部(92)とを個別に設けるようにしている。
【0079】
尚、上記表示手段(90)は、図7に示すように、定在ガス表示部(91)が定在ガスレベルMLを2つのバー部(93)で2段階表示するようにしてもよい。
【0080】
つまり、定在ガスレベルMLと突発ガスレベルRLは、その特性上、閾値に大小の違いがある。定在ガスレベルMLは、低濃度であるため閾値を突発ガスレベルRLより低く設定される。
【0081】
したがって、定在ガスレベルMLの高レベルと突発ガスレベルRLの低レベルとが、閾値の関係で濃度領域が重複する場合がある。その際、使用者に無用な誤解を与える危険性を避けるため、定在ガスレベルMLは、低レベルのみの2段階表示にしている。
【0082】
尚また、上記表示手段(90)は、各ガスレベルを4段階又は2段階で表示しているが、レベル数は、特に限定されるものではない。また、上記表示手段(90)は、LEDバーグラフの他、液晶等によるバーグラフ、数値表示、絵、アニメーション、動画、又は音(音楽)などを用いてもよく、また、定在ガスレベルMLと突発ガスレベルRLとを別々の表示を行うようにしてもよい。
【0083】
〈作用〉
次に、上述したガス検出装置(10)の検出動作について説明する。
【0084】
先ず、ガスセンサ(20)が室内の対象ガスのガス濃度を検出する場合、触媒ヒータ(60)への通電を停止している。この通電の停止により、熱触媒(50)が活性化することがないので、室内空気が開口(43)を介してチャンバ(40)内に流入し、拡散する。この室内空気がガスセンサ(20)の感ガス部(26)に供給される。
【0085】
上記ガスセンサ(20)は、この室内空気から対象ガス濃度に対応したセンサ出力を出力し、導出手段(80)がガス濃度を算出し、信号制御手段(72)が制御信号を出力し、例えば、室内ファンの回転数などが変更される。
【0086】
一方、コントローラ(70)の較正手段(73)は、前回の較正動作Sが終了した後、例えば、所定時間が経過すると、較正動作Sを実行する。つまり、上記較正制御手段(71)の制御信号によって触媒ヒータ(60)への通電が開始される。この通電により、熱触媒(50)が活性化し、チャンバ(40)の内部空気が清浄され、清浄空気がガスセンサ(20)に供給される。
【0087】
そして、上記ガスセンサ(20)は、清浄空気のガス濃度を検出する。その後、上記較正制御手段(71)は、所定時間が経過するか、又はガスセンサ(20)のセンサ出力の変化率が所定値以下になると、較正の終了を判定する。導出手段(80)は、較正の終了時におけるセンサ出力によってガスセンサ(20)の零点(基準値)を較正する。その後、通常の測定動作を再開する。
【0088】
上記導出手段(80)は、ガスセンサ(20)が出力する1つのセンサ出力に基づき、定在ガスレベルMLと突発ガスレベルRLとを導出し、表示手段(90)が定在ガスレベルMLと突発ガスレベルRLとを別個に表示する。
【0089】
つまり、上記導出手段(80)の定在ガス部(81)は、図2に示すように、基準値である定在ガス基準レベルLTと較正動作S前のガス濃度との差を導出する。例えば、差Aの場合は、定在ガスのレベル1となる。
【0090】
この定在ガスのレベル1は、次の較正動作Sの終了まで維持され、図2においては、次の較正動作Sの終了時には、基準値である定在ガス基準レベルLTと較正動作S前のガス濃度との差Bを導出する。この差Bの場合は、例えば、定在ガスのレベル2となる。このように、較正動作S毎に基準値である定在ガス基準レベルLTを更新し、定在ガスレベルMLを導出する。
【0091】
また、上記導出手段(80)の突発ガス部(82)は、図5に示すように、仮想的な突発ガス用0レベルLZとガスセンサ(20)のセンサ出力との差を用い、この差と予め設定された閾値とを比較することによって突発ガスレベルRLを導出する。
【0092】
更に、基準値の較正を行うと、レベル維持部(83)が較正動作Sの開始時に算出された突発ガスレベルRLを所定の維持時間だけ維持する(図5HL参照)。その後、上記維持時間が終了すると、突発ガスレベルRLの維持動作を終了し、通常のセンサ出力と突発ガス用0レベルLZとの差に応じて突発ガスレベルRLを実時間で表示する。
【0093】
また、表示手段(90)は、例えば、図6に示すように、定在ガスレベルMLと突発ガスレベルRLとをLEDバーグラフによって別個に表示する。
【0094】
〈実施形態1の効果〉
以上のように、本実施形態によれば、ガスセンサ(20)の1つのセンサ出力によって定在ガスレベルMLと突発ガスレベルRLとを導出するようにしたために、低濃度のガスをも確実に検出することができる。
【0095】
また、上記定在ガスと突発ガスとをそれぞれ検出する装置を設ける必要がないので、構成を簡素化することができると共に、安価にすることができる。
【0096】
また、上記定在ガス基準レベルLTを較正動作Sによって更新するので、定在ガスを正確に検出することができる。
【0097】
また、較正動作Sの開始前のガスセンサ(20)のセンサ出力に基づいて定在ガスレベルMLを導出するので、定在ガスレベルMLを正確に導出することができる。
【0098】
また、予め設定された突発ガス用0レベルLZに基づいて突発ガスレベルRLを導出するので、突発ガスレベルRLを正確に導出することができる。
【0099】
また、較正動作Sを開始すると、突発ガスレベルRLを維持するようにしたので、突発ガスレベルRLの変動が抑制され、使用者の違和感をなくすることができる。
【0100】
また、上記定在ガス表示部(91)が定在ガスの濃度を表示し、上記突発ガス表示部(92)が突発ガスの濃度を表示するので、定在ガスと突発ガスとを別個に且つ確実に識別することができる。
【0101】
また、上記定在ガス表示部(91)を低濃度側に、突発ガス表示部(92)を高濃度側に配置するようにすると、使用者に無用な誤解を与える危険性を避けることができる。
【0102】
また、上記信号制御手段(72)が導出手段(80)が導出したガスレベルに基づいて機器類の制御量を変更するので、ガスレベルに一致した制御を確実に行わせることができる。
【0103】
【発明の実施の形態2】
以下、本発明の実施形態2を図面に基づいて詳細に説明する。
【0104】
本実施形態は、図8に示し、前実施形態1が突発ガス用0レベルLZを一定にしていたのに代わり、突発ガス用0レベルLZを較正動作S毎に更新するようにしたものである。
【0105】
一般に、機器の脱臭能力は、ガス濃度が低濃度になるほど効率が低下する。特に、住宅用空気清浄機の場合、機器自身の脱臭能力が低いので、煙草の臭いを除去するのに数時間を要する。センサ出力をそのまま表示すると、使用者に違和感を与えることになる。つまり、人間の嗅覚は麻痺してしまうにも拘わらず、不必要に長時間に亘って高い突発ガスレベルRLが表示されているよう感じる。
【0106】
そこで、本実施形態では、導出手段(80)の突発ガス部(82)が較正手段(73)の較正動作S毎に較正動作Sの開始時のセンサ出力に基づき突発ガス用0レベルLZを更新するようにしている。この結果、突発ガスレベルRLの表示に対する違和感が低減される。
【0107】
具体的に、図8において、較正動作Sが開始されると、導出手段(80)の突発ガス部(82)は、それ以降の突発ガス用0レベルLZを較正動作Sの開始時の突発ガスレベルRLに更新する。したがって、その後、喫煙による突発ガスによってセンサ出力が急上昇すると、突発ガスレベルRLが突発ガスのレベル1に変更される。
【0108】
更に、次の較正動作Sが開始すると、較正動作Sの開始時の突発ガスレベルRLを維持時間だけ維持する動作(HL)が開始された後、較正開始時のセンサ出力で突発ガス用0レベルLZが更新される。
【0109】
したがって、センサ出力が所定時間後に雰囲気ガスレベルまで復帰すると、突発ガス用0レベルLZが先の較正動作Sの開始時のセンサ出力で更新されているため、突発ガスレベルRLは、突発ガス用0レベルLZよりも低くなるため突発ガスのレベル0になる。
【0110】
このように、較正動作Sの開始時のセンサ出力で突発ガス用0レベルLZを更新すると、ガス検出装置(10)を住宅用空気清浄機に搭載した場合、喫煙時において、徐々にガス濃度が低下していく際も、較正動作Sの時間間隔以上に長く突発ガスレベルRLが高く表示されることがなくなる。この結果、使用者の違和感を解消することができる。
【0111】
これに対し、図9に示すように、突発ガス用0レベルLZを順次上昇させることが考えられる。つまり、較正動作Sを開始すると、突発ガス用0レベルLZを1レベルだけ上昇させる。この結果、違和感なく突発ガスレベルRLを順次下げることができる。
【0112】
ところが、突発ガス用0レベルLZを順次上昇させると、下記の如く不具合が生ずる。空気清浄機などの脱臭除去能力、又は装置の使用する場所や容積との関係で、高濃度の突発ガスの低下具合が中途半端に速い場合がある。その際、図10Dに示すように、突発ガスレベルRLが一旦低下した後(突発ガスのレベル0)、新たな突発ガスが発生していないにも拘わらず、再び突発ガスレベルRLが上昇するという不具合が発生し、体感に合わなくなる。
【0113】
そこで、本発明は、上述したように、較正動作S毎に較正動作Sの開始時のセンサ出力で更新するようにしている。
【0114】
【発明の実施の形態3】
以下、本発明の実施形態3を図面に基づいて詳細に説明する。
【0115】
本実施形態は、図1に鎖線で示すように、前実施形態1がレベル維持部(83)が較正動作Sの開始時の突発ガスレベルRLを維持するようにしたの代わり、第1の維持部(8a)と第2の維持部(8a)とを設けるようにしたものである。
【0116】
つまり、上記第1の維持部(8a)は、較正動作Sの開始前の突発ガスレベルRLを維持させるように構成されている。また、上記第2の維持部(8a)は、第1の維持部(8a)に連続し、該第1の維持部(8a)の突発ガスレベルRLよりも低いガスレベルに所定の維持時間が経過するまで維持させるように構成されている。
【0117】
つまり、図11に示すように、突発ガスが高濃度である場合、較正動作Sを開始した後、維持時間が経過すると、突発ガスレベルRLが高レベルから急激に零レベルまで下がる(図11E参照)。この結果、使用者に新たな違和感を与えることになる。
【0118】
また、開口(43)のコンダクタンスの設定によっては、較正動作Sの終了後における復帰時間が長くなる場合がある。この場合、突発ガスレベルRLを維持する維持時間を長くする必要が生じ、これもまた違和感を引き起こす。
【0119】
そこで、本実施形態では、突発ガスレベルRLを維持する第1の維持時間と第2の維持時間とを設定し、突発ガスレベルRLを段階的に下げるようにした。
【0120】
具体的に、図12に示すように、第1の維持部(8a)による第1の維持時間(HL1)の終了後、第2の維持部(8a)による第2の維持時間(HL2)が設定される。そして、第2の維持部(8a)は、第1の維持部(8a)で維持された突発ガスレベルRLより1レベル低い突発ガスレベルRLを維持する。この結果、突発ガスレベルRLは段階的に下がり、体感と一致する。
【0121】
尚、本実施形態は、2つの維持部(8a)を設けるようにしたが、レベル数に応じて3つ以上の維持部(8a)を設けるようにしてもよく、要するに、突発ガスのレベル0まで段階的に下げるようにすればよい。
【0122】
また、第1の維持部(8a)の維持時間は短く、第2の維持部(8a)、第3の維持部(8a)の維持時間を徐々に長くすると、より体感に合ってくるため好ましい。つまり、上記維持部(8a)は、後段の維持部(8a)にいくにしたがって維持時間が長くなっている。
【0123】
【発明の実施の形態4】
以下、本発明の実施形態4を図面に基づいて詳細に説明する。
【0124】
本実施形態は、図1に鎖線で示すように、前実施形態1がレベル維持部(83)によって維持時間が経過するまで、突発ガスレベルRLを維持するようにしたの代えて、維持動作の終了部(84)を設けるようにしたものである。
【0125】
上記終了部(84)は、レベル維持部(83)のレベル維持動作中に、ガスセンサ(20)のセンサ出力に基づくガス濃度が維持レベルまで変動すると、レベル維持部(83)のレベル維持動作を終了させるように構成されている。
【0126】
つまり、突発ガスが連発する場合がある。その際、レベル維持部(83)の維持時間内は、突発ガスレベルRLが維持されるため、維持時間内に次の突発ガスが発生しても突発ガスレベルRLは更新されず、新たな違和感が生じる。
【0127】
そこで、本実施形態では、レベル維持部(83)のレベル維持動作を終了させるようにしたものである。具体的に、図13に示すように、レベル維持部(83)の維持動作中であっても、ガスセンサ(20)出力と突発ガス用0レベルLZとの差が、維持されている突発ガスレベルRLと同レベルになると(図13F点参照)、突発ガスレベルRLの維持を終了し、実時間で突発ガスレベルRLを設定する。これによって、違和感が解消される。尚、上記終了部(84)は、レベル維持部(83)のレベル維持動作中にガス濃度が維持レベルに基づく所定値まで変動すると、レベル維持部(83)のレベル維持動作を終了させるものであればよい。
【0128】
【実施例】
次に、上述したガス検出装置(10)によるガス検出の実験結果について、図14〜図19に基づいて説明する。
【0129】
図14及び図17は、従来の較正動作Sを行わないガスセンサ(20)のセンサ出力と該センサ出力にって表示される従来のガスレベルを示している。また、図15及び図16と図18及び図19は、本発明の基準値を較正するガスセンサ(20)のセンサ出力と該センサ出力にって表示されるガスレベルを示している。
【0130】
各図14〜図19は、横軸が時間を示し、左側の第1縦軸がセンサ出力を示し、右側の第2縦軸がガスレベルを示している。
【0131】
また、各ガスレベルは4段階表示とし(レベル0〜レベル3)、基準値を較正する較正動作Sの時間間隔は、10分であり、較正時間(触媒活性化時間)は30秒であり、レベル維持部(83)が突発ガスレベルRLを維持する維持時間は、触媒活性化の開始時から第1の維持部(8a)が3分、第2の維持部(8a)が5分、第3の維持部(8a)が2分としている。
【0132】
測定場所は一般住宅であり、図14〜図16は、12畳洋リビング(16時00分〜0時00分)であり、図17〜図19は、6畳洋室(0時00分〜9時00分)である。
【0133】
図14〜図16の12畳洋リビングにおいては、18時30分頃、それまで開けていた窓を閉め、18時45分頃から4人が夕食を取った。その後、深夜まで臭気がこもっていた。
【0134】
本発明では、この図15から明らかなように、突発ガスレベルRLは、零レベルであるが、図16から明らかなように、深夜まで臭気がこもっていることを定在ガスレベルMLとして正しく検出している。しかしながら、図14から明らかなように、従来ガスレベルOLは、清浄レベル(零レベル)となっており、臭気を検出していないこととなっている。
【0135】
また、図17〜図19の6畳洋室においては、換気をした後、1時00分頃から4時30分頃にかけて7回喫煙しており、その後、市販の消臭スプレーを部屋内に噴射した。
【0136】
図14に示すように、従来ガスセンサ(20)は、煙草のような突発ガスを正しく検出し、体感に合わせてガスレベルを低下させているのがわかる。
【0137】
一方、本発明では、図18に示すように、突発ガスレベルRLを従来ガスセンサ(20)によるガスレベルと遜色無く検出されており、違和感もない。また、本発明では、図19に示すように、定在ガスレベルMLも表示しており、従来ガスセンサ(20)や突発ガスレベルRLが清浄レベル(零レベル)であっても、基準時の較正によって5時40分頃までガスの存在を検出している。
【0138】
【発明の効果】
したがって、本発明によれば、ガスセンサ(20)の1つのセンサ出力によって定在ガスレベルと突発ガスレベルとを導出するようにしたために、低濃度のガスをも確実に検出することができる。
【0139】
また、定在ガスと突発ガスとをそれぞれ検出する装置を設ける必要がないので、構成を簡素化することができると共に、安価にすることができる。
【0140】
また、定在ガス基準レベルを較正動作によって更新するようにすると、定在ガスを正確に検出することができる。
【0141】
また、請求項2に係る発明によれば、較正動作の開始前のガスセンサ(20)のセンサ出力に基づいて定在ガスレベルを導出するので、定在ガスレベルを正確に導出することができる。
【0142】
また、請求項3に係る発明によれば、予め設定された突発ガス基準レベルに基づいて突発ガスレベルを導出するので、突発ガスレベルを正確に導出することができる。
【0143】
また、請求項4に係る発明によれば、較正動作を開始すると突発ガスレベルを維持するようにしたので、突発ガスレベルの変動が抑制され、使用者の違和感をなくすることができる。
【0144】
また、請求項5に係る発明によれば、較正動作の開始時のセンサ出力で突発ガス基準レベルを更新するようにすると、徐々にガス濃度が低下していく際、長く突発ガスレベルが高く表示されることがなくなり、使用者の違和感を解消することができる。
【0145】
また、請求項6に係る発明によれば、上記レベル維持部(83)が、複数の突発ガスレベルに維持するようにすると、突発ガスレベルが段階的に下がるようにすることができ、体感と一致させることができる。
【0146】
また、請求項7に係る発明によれば、上記レベル維持部(83)が維持する突発ガスレベルを段階的に長くするので、より体感と一致させることができる。
【0147】
また、請求項8に係る発明によれば、上記レベル維持部(83)のレベル維持動作を途中で終了させるようにするので、レベル維持中に次の突発ガスが発生しても突発ガスレベルを検出することができるので、違和感が解消することができる。
【0148】
また、請求項9に係る発明によれば、信号制御手段(72)が導出手段(80)が導出したガスレベルに基づいて機器類の制御量を変更するので、ガスレベルに一致した制御を確実に行わせることができる。
【0149】
また、請求項10に係る発明によれば、上記定在ガス表示部(91)が定在ガスの濃度を表示し、上記突発ガス表示部(92)が突発ガスの濃度を表示するので、定在ガスと突発ガスとを別個に且つ確実に識別することができる。
【0150】
また、請求項11に係る発明によれば、上記定在ガス表示手段(91)を低濃度側に、突発ガス表示手段(92)を高濃度側に配置するようにすると、使用者に無用な誤解を与える危険性を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態1の定在ガスの濃度変化及びガスレベルを示す特性図である。
【図3】実施形態1のトルエン濃度に対するセンサ出力を示す特性図である。
【図4】実施形態1のトルエン濃度に対するガスレベルを示す特性図である。
【図5】実施形態1の突発ガスの濃度変化及びガスレベルを示す特性図である。
【図6】実施形態1の表示手段を示す構成図である。
【図7】実施形態1の他の表示手段を示す構成図である。
【図8】実施形態2の突発ガスの濃度変化及びガスレベルを示す特性図である。
【図9】実施形態2の突発ガスの他のレベル処理を示す特性図である。
【図10】実施形態2の突発ガスの他のレベル処理を示す他の特性図である。
【図11】実施形態3の突発ガスの濃度変化及びガスレベルの比較を示すための特性図である。
【図12】実施形態3の突発ガスの濃度変化及びガスレベルを示す特性図である。
【図13】実施形態4の突発ガスの濃度変化及びガスレベルを示す特性図である。
【図14】実施例を示す従来のセンサ出力及びガスレベルの特性図である。
【図15】実施例を示す本発明における突発ガスのセンサ出力及びガスレベルの特性図である。
【図16】実施例を示す本発明における定在ガスのセンサ出力及びガスレベルの特性図である。
【図17】実施例を示す従来のセンサ出力及びガスレベルの他の特性図である。
【図18】実施例を示す本発明における突発ガスのセンサ出力及びガスレベルの他の特性図である。
【図19】実施例を示す本発明における定在ガスのセンサ出力及びガスレベルの他の特性図である。
【符号の説明】
10      ガス検出装置
20      ガスセンサ
40      チャンバ
43      開口
70      コントローラ
72      信号制御手段
73      較正手段
80      導出手段
81      定在ガス部
82      突発ガス部
83      レベル維持部
84      終了部
8a      維持部
90      表示手段
91      定在ガス表示部(定在ガス表示手段)
92      突発ガス表示部(突発ガス表示手段)

Claims (11)

  1. 外部空気が流入するチャンバ(40)と、
    該チャンバ(40)に流入した外部空気からチャンバ(40)の外部空気のガス濃度を検出するガスセンサ(20)と、
    該ガスセンサ(20)の基準値を較正するための較正動作を行う較正手段(73)とを備えたガス検出装置において、
    上記ガスセンサ(20)が出力する1つのセンサ出力に基づいて、チャンバの外部空気に定常的に存在する定在ガスのガス濃度と、チャンバの外部空気に突発的に発生する突発ガスのガス濃度とを導出する導出手段(80)を備えているガス検出装置。
  2. 請求項1において、
    上記導出手段(80)は、較正動作の開始前のガスセンサ(20)のセンサ出力に基づくガス濃度と定在ガス基準レベルとの差を予め設定された閾値と比較して定在ガスレベルを導出し、定在ガス信号を出力する定在ガス部(81)を備えているガス検出装置。
  3. 請求項1において、
    上記導出手段(80)は、ガスセンサ(20)のセンサ出力に基づくガス濃度と予め設定された突発ガス基準レベルとの差を予め設定された閾値と比較して突発ガスレベルを導出し、突発ガス信号を出力する突発ガス部(82)を備えているガス検出装置。
  4. 請求項3において、
    上記導出手段(80)は、較正手段(73)の較正動作が開始された後、所定時間が経過するまで、上記突発ガス部(82)が較正動作の開始前の突発ガス信号を出力し続けるように突発ガス部(82)の突発ガスレベルを維持させるレベル維持部(83)を備えているガス検出装置。
  5. 請求項3において、
    上記突発ガス部(82)は、較正動作の開始前のガスセンサ(20)のセンサ出力に基づくガス濃度を突発ガス基準レベルに設定し、較正手段(73)が較正動作を行う毎に突発ガス基準レベルを更新するように構成されているガス検出装置。
  6. 請求項4において、
    上記レベル維持部(83)は、較正動作の開始前の突発ガスレベルから低いガスレベルに複数レベルに維持するように複数の維持部(8a)を備えているガス検出装置。
  7. 請求項6において、
    上記複数の維持部(8a)は、後段の維持部(8a)にいくにしたがって維持時間が長く設定されているガス検出装置。
  8. 請求項1において、
    上記導出手段(80)は、上記レベル維持部(83)のレベル維持動作中にガス濃度が維持レベルに基づく所定値まで変動すると、レベル維持部(83)のレベル維持動作を終了させる終了部(84)を備えているガス検出装置。
  9. 請求項1において、
    上記導出手段(80)の出力信号を受けてガスレベルに対応して機器類の制御量を変更して機器類の制御信号を出力する信号制御手段(72)を備えているガス検出装置。
  10. 請求項1において、
    上記導出手段(80)の出力信号を受けて定在ガス濃度を表示する定在ガス表示手段(91)と、突発ガス濃度を表示する突発ガス表示手段(92)とを備えているガス検出装置。
  11. 請求項10において、
    上記定在ガス表示手段(91)と突発ガス表示手段(92)とは、定在ガス表示手段(91)を低濃度側に位置し、突発ガス表示手段(92)が高濃度側に位置するように配置されているガス検出装置。
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