JP2004085120A - 燃焼器 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、パイロット比を低くする際にパイロットノズルに供給するパイロット空気を調整することで、燃焼振動を抑制した燃焼器を提供することを目的とする。
【解決手段】パイロットスワラ6の下流側であるパイロットノズル2の下流側先端の外周に追加スワラ8を設ける。この追加スワラのスロート面積をパイロットスワラ6よりも狭いものとすることによって、パイロットコーン4の下流側に供給されるパイロット空気量を減らすことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】パイロットスワラ6の下流側であるパイロットノズル2の下流側先端の外周に追加スワラ8を設ける。この追加スワラのスロート面積をパイロットスワラ6よりも狭いものとすることによって、パイロットコーン4の下流側に供給されるパイロット空気量を減らすことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンなどに備えられる燃焼器に関するもので、特に、燃料を拡散して燃焼させるパイロットノズルと燃料と空気とを混合して燃焼させるメインノズルとを備えた燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大気汚染を低減させるために、ガスタービンを利用した発電施設において、その排気ガス中に含まれるNOxの低減が求められている。ガスタービンにおけるNOxは、ガスタービンを回転させるために燃焼動作を行う燃焼器において発生する。そのため、従来より、燃焼器で発生するNOxの低減化を図るために、燃料と空気とを混合して燃焼(予混燃焼)させるメインノズルを備えた燃焼器が用いられている。
【0003】
このメインノズルによる予混燃焼を行うことによって、燃焼器からのNOx排出量を低減させることができるが、その燃焼状態は不安定であり、燃焼振動が発生する。そのため、この燃焼振動を抑制して安定な燃焼状態とするために、燃料を拡散して燃焼(拡散燃焼)させるパイロットノズルを更に備えた燃焼器が用いられている。このようにパイロットノズル及びメインノズルが備えられた燃焼器の概略構成図を、図14に示す。
【0004】
図14に示すように、燃焼器本体1内には、その中央にパイロットノズル2が挿入されるとともに、メインノズル3がパイロットノズル2の周囲に配置されるように挿入される。そして、パイロットノズル2の先端部分を覆うようにパイロットコーン4が設けられ、又、メインノズル3の先端部分を覆うようにメインバーナ5が設けられる。又、パイロットノズル2の先端部分周囲にパイロットスワラ6が設けられるとともに、メインノズル3の先端部分周囲にメインスワラ7が設けられ、パイロットノズル2及びメインノズル3が支持される。
【0005】
このように構成される燃焼器において、パイロットノズル2の先端部分周辺が、図15のように構成される。パイロットノズル2の先端の外周に、複数の燃料噴射口21が設けられ、燃料を拡散噴射する(このパイロットノズル2より噴射される燃料を「パイロット燃料」とする)。又、燃焼器本体1を通じてパイロットノズル2周囲に供給される空気(パイロット空気)は、パイロットスワラ6を通過した後、パイロットコーン4の内壁を沿って流れる。
【0006】
又、メインノズル3より噴射される燃料(メイン燃料)が、メインスワラ7を通過した空気(メイン空気)とともに、メインバーナ5に流入されると、メインバーナ5内で混合されて、メインバーナ5より混合されたメイン燃料及びメイン空気が流出する。このように、メイン空気とメイン燃料が混合された予混合気がメインバーナ5より流出されると、メインバーナ5の下流側先端(尚、「下流」とは、燃料及び空気の流れに対して下流であることを意味する)より燃焼器本体1の内壁に向かって燃焼される。よって、パイロットノズル2によって拡散噴射されたパイロット燃料によるパイロット拡散火炎が拡散して燃焼されることにより、メインバーナ5からの予混合気による燃焼が維持される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようにパイロットノズル2及びメインノズル3を備えた燃焼器において、その燃焼状態を安定に保つには、パイロットノズル2の拡散燃焼による保炎効果が必要である。しかしながら、パイロットノズル2で燃焼させると、NOxの発生率が大きいため、NOxを低減させるにはパイロットノズル2での燃焼を抑える必要がある。
【0008】
そこで、燃焼器に供給される全燃料に対するパイロットノズルに供給される燃料の比(パイロット比)を低くして、燃焼器によるNOxの排出量を低減させているが、上述したように、パイロット比を低くした場合、パイロットノズル2によるパイロット拡散火炎の温度が低くなり、燃焼不安定が起こりやすくなる。そのため、パイロット拡散火炎の保炎効果が得られなくなり、燃焼振動が発生して燃焼状態が不安定なものとなるため、ガスタービンにおけるエネルギー効率が悪くなる。
【0009】
このような問題を鑑みて、本発明は、パイロット比を低くする際にパイロットノズルに供給するパイロット空気を調整することで、燃焼不安定による燃焼振動を抑制した燃焼器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の燃焼器は、燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラとを備える燃焼器において、前記パイロットスワラの下流側に設けられるとともに、その内壁が前記パイロットノズルの外壁と当接し、又、その外壁が前記パイロットコーンの内壁と当接する追加スワラを備え、前記追加スワラの気体が通過するスロート面積が、前記パイロットスワラよりも狭いことを特徴とする。
【0011】
このようにすることで、パイロットノズル外周を流れるとともにパイロットスワラを通過するパイロット空気が、スロート面積の狭い追加スワラを通過するため、パイロットコーンの下流側に供給されるパイロット空気量が低減するように調整することができる。このような追加スワラを、パイロットノズルの下流側先端近傍に設けるようにしても構わない。又、追加スワラを、パイロットコーンの下流側に設けられたテーパ部の根本付近に設けるようにしても構わない。
【0012】
このとき、請求項2に記載するように、前記追加スワラを通過する気体の流れに対する羽の角度が、前記パイロットスワラよりも大きくする。例えば、パイロットスワラの羽の角度が60°のとき、追加スワラの羽の角度を70〜80°とする。
【0013】
又、請求項3に記載するように、前記追加スワラを前記パイロットコーンに固着することで、固着を外すことにより追加スワラの取り外しを容易に行うことができ、試験運転や実機運転を行ったとき、適切なパイロット空気に調整可能な追加スワラを確認することができる。
【0014】
又、請求項4に記載の燃焼器は、燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラとを備える燃焼器において、前記パイロットコーンの上流側先端の上流側近傍に設置されて前記パイロットコーンの上流側先端の開口部を覆うとともに複数の孔が設けられたリング状の多孔板を備えることを特徴とする。
【0015】
このようにすることで、リング状の多孔板に設けられる孔の面積によって、パイロットコーンの上流側先端の開口率が設定される。よって、パイロットコーンの下流側に最終的に供給されるパイロット空気量が、この多孔板の位置及び孔の面積によって調整されることになる。
【0016】
このとき、請求項5に記載するように、前記多孔板が、前記パイロットノズルが挿入されるとともに前記メインノズルに燃料を供給するメイン燃料マニホールドに設置されて前記パイロットノズルの外周に設けられる円筒状の支持部によって支持されるようにしても構わない。こうすることで、パイロットノズルがメイン燃料マニホールド及び支持部に挿入した状態となるため、パイロットノズルだけを燃焼器より取り外すことが可能となる。又、請求項6に記載するように、前記多孔板が、前記パイロットノズルの外壁に接合されて支持されるようにしても構わない。
【0017】
又、請求項7に記載の燃焼器は、燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラと、前記パイロットノズルが挿入されるとともに前記メインノズルに燃料を供給するメイン燃料マニホールドとを備える燃焼器において、前記パイロットノズルの外壁を前記メイン燃料マニホールドから前記パイロットコーンの上流側先端まで覆う円筒であるとともに、前記パイロットコーンの上流側先端の開口部を覆う流量調整部を備え、該流量調整部の下流側先端を上流側に遷移することによって、前記パイロットコーンの上流側先端における開口率を大きくすることを特徴とする。
【0018】
このようにすることで、流量調整部を前記パイロットコーンの上流側先端に近づけることによって、パイロットコーンに流入するパイロット空気量を絞ることができ、又、流量調整部を前記パイロットコーンの上流側先端から遠ざけることによって、パイロットコーンに流入するパイロット空気量を増やすことができる。尚、この流量調整部を、以下の実施形態においては、「パイロット空気調整部」としている。
【0019】
このとき、請求項8に記載するように、前記流量調整部の下流側先端に、前記パイロットコーンの上流側先端の開口部を覆う鍔を設けるようにしても構わない。そして、請求項9に記載するように、前記流量調整部と前記パイロットスワラとの間に設けられるとともに複数の孔を備えるリング状の多孔板を設けて、前記多孔板の外壁が前記パイロットコーンの内壁に当接させるとともに、前記多孔板の内壁が前記パイロットノズルの外壁に当接させることで、前記流量調整部と前記パイロットコーンの上流側先端との隙間を通って流入するパイロット空気の剥離による影響を低減する。
【0020】
又、請求項10に記載するように、前記流量調整部の下流側先端に、下流側に向かって細くなる尖頭部を設け、該尖頭部における最も太い外径を前記パイロットコーンの上流側先端の外径以上の太さとしても構わない。このとき、尖頭部とパイロットコーンの上流側先端によって、ニードル弁が形成される。又、尖頭部によってパイロットコーンにパイロット空気が滑らかに流入するので、パイロット空気の剥離を防ぐことができる。このとき、更に、請求項11に記載するように、前記パイロットコーンの上流側先端に、上流側に向かって広がった鍔を設けて、前記流量調整部により前記パイロットコーンの上流側先端の開口率を0とするとき、前記鍔の内壁に前記尖頭部の外壁を当接させる。
【0021】
又、請求項12に記載するように、前記流量調整部の下流側先端に、下流側に向かって細くなる円錐状の弁体を前記流量調整部の周方向に複数設けるとともに、前記パイロットコーンの上流側先端に、その外壁が前記パイロットコーンの内壁と当接するとともにその内壁が前記パイロットノズルの外壁に当接する前記弁体と対を成す複数の孔を備えた多孔板を設け、前記弁体の円錐の底面における外径を、前記多孔板の孔の内径以上の太さとしても構わない。
【0022】
このとき、弁体と多孔板の孔とによってニードル弁が形成される。このように、複数のニードル弁が周方向に形成された形状とすることによって、パイロットコーンに流入するパイロット空気を周方向及び径方向に分散することができ、その偏りを低減することができる。
【0023】
請求項13に記載する燃焼器は、請求項7〜請求項12のいずれかに記載の燃焼器において、前記流量調整部にフランジを設け、前記フランジと前記メイン燃料マニホールドとの間にスペーサを設置し、該スペーサの厚みによって、前記パイロットコーンの上流側先端の開口率を変化させることを特徴とする。
【0024】
又、請求項14に記載の燃焼器は、請求項7〜請求項13のいずれかに記載の燃焼器において、前記流量調整部内部に設けられるとともに燃料を前記流量調整部の下流側先端に導いて前記パイロットコーンに噴出する燃料管が設けられることを特徴とする。
【0025】
このようにすることで、パイロットコーンにおけるパイロットスワラよりも上流の部分に燃料を供給することができるため、パイロットスワラを通過してパイロットコーンの下流側に供給される気体を燃料と空気が混合した予混合気とすることができ、パイロットノズルによる拡散炎の保炎性を高めることができる。
【0026】
又、請求項15に記載の燃焼器は、請求項7〜請求項14のいずれかに記載の燃焼器において、前記流量調整部において、その下流側先端の外径が、前記メイン燃料マニホールドに挿入されている部分の外径よりも小さいことを特徴とする。このようにすることで、メイン燃料マニホールドに挿入された前記流量調整部を下流側より抜き取ることで取り外すことができる。
【0027】
又、請求項4〜請求項15のいずれかに記載の燃焼器において、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の燃焼器に備えられる特徴を備えるようにしても構わない。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の燃焼器について説明する。
【0029】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における燃焼器の概略構成図であり、又、図2は、パイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図である。尚、図1及び図2において、図14及び図15と同一の部分については、同一の符号を付す。
【0030】
図1の燃焼器は、図14の燃焼器と同様、燃焼器本体1の中心部分に下流側先端部分がパイロットコーン4によって覆われたパイロットノズル2が設置されるとともに、パイロットのノズル2の周囲に下流側先端部分がメインバーナ5によって覆われた複数のメインノズル3が設置される。そして、パイロットノズル2の下流側の外壁面にパイロットスワラ6が設けられることにより、パイロットノズル2がパイロットコーン4の中心部に設置されるように支持される。又、メインノズル3の下流側の外壁面にメインスワラ7が設けられることにより、メインノズル3がメインバーナ5の中心部に設置されるように支持される。更に、パイロットスワラ6の更に下流側に、空気量を調整するための追加スワラ8を設ける。
【0031】
このように構成されるとき、図2のように、パイロットコーン4は、下流側先端に向かって放射状に広がったテーパ形状となっている。(以下、この放射状に広がった部分を、「コーン内周テーパ部」と呼ぶ。)そして、コーン内周テーパ部41の上流側の付け根部近傍に、追加スワラ8が溶接止め、あるいはボルト止め等の固着手段81によって設置される。即ち、追加スワラ8の内壁がパイロットノズル2の下流側先端の外壁に接するように設置され、この追加スワラ8よりも上流側に、パイロットコーン4の鋳造部品であるパイロットスワラ6が設けられる。
【0032】
この追加スワラ8において、そのパイロット空気を通過させるスロート面積がパイロットスワラ6よりも狭くなる。即ち、例えば、パイロットスワラ6に設けられる羽のパイロット空気の流れに対する角度が60°である場合、追加スワラ8に設けられる羽のパイロット空気の流れに対する角度を70〜80°とする。更に、追加スワラ8は、パイロットコーン4に設置される際、下流側から挿入されて設置される。
【0033】
このように、スロート面積の狭い追加スワラ8をパイロットスワラ6の下流に設けることによって、既存のパイロットスワラ6を変更することなく、追加スワラ8でコーン内周テーパ部41に供給するパイロット空気量を減らすことができる。又、追加スワラ8は固着手段81を外すことによって容易に取り外すことができるので、試験運転や実機運転などにより、最適な追加スワラ8を選択することができる。更に、パイロットスワラ6と2段構成とすることによって、追加スワラ8が燃焼振動などの原因により外れた場合でも、鋳造部品であるパイロットスワラ6があるので、続けて燃焼器の運転を行うことができる。
【0034】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図3は、本実施形態における燃焼器の概略構成図であり、又、図4は、パイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図である。尚、図3及び図4において、図14及び図15と同一の部分については、同一の符号を付す。
【0035】
図3の燃焼器は、図14の燃焼器に対して、パイロットコーン4の上流側先端を覆うリング状の多孔板10と、メインノズル3にメイン燃料を供給する燃焼器本体1の上流側に設置されるメイン燃料マニホールド9に接合して多孔板10を支持する円筒状の支持部11とを付加した構成となる。このとき、支持部11の内壁によってパイロットノズル2の外壁が覆われた状態となる。又、複数の孔が設けられた多孔板10は、図4のように、その内壁がパイロットノズル2の外壁に近接するように設けられるとともに、パイロットコーン4の上流側先端近傍位置に設置される。
【0036】
このようにすることで、パイロット空気が支持部11の外周側を流れた後、多孔板10に設けられた複数の孔を通じて、パイロットコーン4に流れ込む。よって、多孔板10に設けられた孔の大きさ及び数によって、パイロットコーン4に流れ込むパイロット空気量が調整されるため、パイロットスワラ6を通過して最終的にコーン内周テーパ部41に供給されるパイロット空気量が調整されることになる。
【0037】
このように、メイン燃料マニホールド9に設けられた支持部11によってパイロット空気量を調整する多孔板10を設けることで、燃焼器からノズル側を抜くのみで、多孔板10の交換などができる。よって、試験運転や実機運転などにより、最適な多孔板10を選択することができる。又、パイロットノズル2の点検や交換を行う際、燃焼器からパイロットノズル2のみを抜くことが可能である。
【0038】
尚、本実施形態において、図5に示すように、多孔板10の内壁部をパイロットノズル2の外壁部に接合させることによって、図4と同一の位置に多孔板10を支持し、支持部11を削除した構成としても構わない。
【0039】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。図6は、本実施形態における燃焼器の概略構成図であり、又、図7は、パイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図である。尚、図6及び図7において、図14及び図15と同一の部分については、同一の符号を付す。
【0040】
図6の燃焼器は、図14の燃焼器に対して、パイロットコーン4の上流側に設けられるとともにパイロットコーン4へ流入するパイロット空気量を調整するパイロット空気調整部12を付加した構成となる。このパイロット空気調整部12は、メイン燃料マニホールド9に挿入されるとともに、パイロットノズル2のパイロットコーン4よりも上流側部分を覆うような円筒として構成される。又、パイロット空気調整部12には、メイン燃料マニホールド9よりも上流側にフランジ13が設けられ、メイン燃料マニホールド9とフランジ13との間にスペーサ14が設置されることで、パイロット空気調整部12の設置位置が決定される。
【0041】
更に、スペーサ14とパイロット空気調整部12は、フランジ13よりボルト(不図示)が締結されることによってメイン燃料マニホールド9に固定される。そして、パイロット空気調整部12の内壁とパイロットノズル2の外壁によって構成される空間を燃焼器本体1外部でシールするために、メイン燃料マニホールド9にパイロット空気調整部12が挿入された位置において、パイロット空気調整部12とパイロットノズル2との間にグランドパッキンなどのシール部材15が設けられる。
【0042】
このように構成されるとき、図7のように、パイロット空気調整部12の下流側先端に、パイロットコーン4の上流側先端を覆うリング形状の鍔16が設けられる。この鍔16は、図7(a)のように、スペーサ14がパイロット空気調整部12とメイン燃料マニホールド9との間に設置されないとき、鍔16とパイロットコーン4の上流側先端とが当接し、鍔16とパイロットコーン4の上流側先端との距離lが0となるように設けられる。
【0043】
そして、パイロット空気調整部12のフランジ13とメイン燃料マニホールド9との間にスペーサ14を設置することによって、図7(b)のように、鍔16とパイロットコーン4の上流側先端との距離lがスペーサ14の厚みと等しい値となる。即ち、スペーサ14の厚み分、鍔16とパイロットコーン4の上流側先端との間に隙間を設けることができ、スペーサ14の厚みを変更することで、パイロットコーン4に流入するパイロット空気量を調整することができる。
【0044】
又、パイロットコーン4内には、その上流側先端とパイロットスワラ6との間に、複数の孔が設けられたリング状の多孔板17が設けられる。この多孔板17は、外壁がパイロットコーン4の内壁と当接するとともに、内壁がパイロットノズル2の外壁と当接する。今、鍔16とパイロットコーン4の上流側先端とで形成される隙間より流入するパイロット空気がパイロットコーン4の内壁側で剥離するが、多孔板17の複数の孔を通ることにより、パイロットスワラ6に流入するパイロット空気について、その剥離による影響を防ぐことができる。
【0045】
更に、パイロット空気調整部12において、図8のように、パイロットスワラ6の上流側先端近傍の外径φbが、メイン燃料マニホールド9のパイロット空気調整部12が嵌合される穴径φaよりも小さくなるような形状とすることにより、パイロット空気調整部12がメイン燃料マニホールド9から取り外すことが可能となる。尚、このとき、パイロット空気調整部12は、図8のように、メイン燃料マニホールド9に挿入される部分よりも下流側の部分の外径がφaとなるような構成とし、パイロット空気調整部12の位置をスペーサ14の厚みによって移動させた場合でも、パイロット空気調整部12とメイン燃料マニホールド9との間に隙間ができないような構成とされる。
【0046】
尚、本実施形態において、パイロット空気調整部12に鍔16を設けるような構成としたが、パイロット空気調整部12のパイロットコーン4に面する底面がパイロットコーン4の上流側先端を覆うような形状の円筒によって、パイロット空気調整部12を構成するようにしても構わない。
【0047】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。図9は、本実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図である。尚、図9において、図7と同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。又、本実施形態の燃焼器の構成は、第3の実施形態と同様、図6又は図8の概略構成図によって表される。
【0048】
図9の燃焼器は、第3の実施形態(図7)の燃焼器と異なり、パイロット空気調整部12a(図6又は図8のパイロット空気調整部12に相当する)の下流側先端に、その先端に向かって細くなった尖頭部18が設けられた構成となる。又、パイロットコーン4a(図6又は図8のパイロットコーン4に相当する)の上流側先端に、その上流側に向かって広がったベルマウス形状の鍔19が設けられる。
【0049】
そして、スペーサ14がパイロット空気調整部12aとメイン燃料マニホールド9との間に設置されないとき、図9(a)のように、パイロット空気調整部12aにおける尖頭部18の最も径の太い部分が、パイロットコーン4aの鍔19に当接し、尖頭部18と鍔19との距離laが0となる。即ち、このとき、尖頭部18が、鍔19とパイロットスワラ6との間の位置に設置されることとなる。
【0050】
又、パイロット空気調整部12aとメイン燃料マニホールド9との間にスペーサ14を設置することによって、図9(b)のように、尖頭部18と鍔19との距離laがスペーサ14の厚みと等しい値となる。即ち、スペーサ14の厚み分、尖頭部18と鍔19との間に隙間を設けることができ、スペーサ14の厚みを変更することで、パイロットコーン4に流入するパイロット空気量を調整することができる。このように、尖頭部18と鍔19によって、尖頭部18が弁体となるニードル弁が構成される。
【0051】
上述のように燃焼器を構成するとき、パイロット空気調整部12aを、下流側先端を削ることで尖頭部18が設けられた円筒形状としても構わないし、第3の実施形態と同様、下流側先端に鍔を設けて、当該鍔に尖頭部18を設置したような構成としても構わない。このような尖頭部18が設けられることによって、パイロットコーン4a内に流入するパイロット空気が、尖頭部18の外壁に沿って流入するため、パイロットコーン4aの内壁側における剥離を防ぐことができる。よって、第3の実施形態のように、多孔板17を設ける必要がない。
【0052】
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態について、図面を参照して説明する。図10は、本実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図である。尚、図10において、図9と同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。又、本実施形態の燃焼器の構成は、第4の実施形態と同様、図6又は図8の概略構成図によって表される。
【0053】
図10の燃焼器は、第4の実施形態(図9)の燃焼器と異なり、パイロット空気調整部12b(図6又は図8のパイロット空気調整部12に相当する)の下流側先端に、その先端に向かって細くなった円錐形状の弁体31が周方向に複数設けられた構成となる。又、パイロットコーン4の上流側先端に、周方向に弁体31と同数の孔33が設けられたリング状の多孔板32が挿入される。この多孔板32は、その外壁がパイロットコーン4の内壁と当接するとともに、その内壁がパイロットノズル2の外壁と当接する。
【0054】
又、図11のように、パイロットコーン4の下流側から見たとき、弁体31と孔33とが重なる位置にそれぞれを設け、孔33内に弁体31が挿入できるようにする。このように構成することで、弁体31と多孔板32の孔33によって、ニードル弁が形成される。更に、孔33は、多孔板32の径方向において、その中心が外壁と内壁との中間付近に位置するように形成される。
【0055】
そして、スペーサ14がパイロット空気調整部12bとメイン燃料マニホールド9との間に設置されないとき、図10(a)のように、パイロット空気調整部12bの弁体31における外壁が多孔板32の孔33における内壁と当接し、図11(a)のように、弁体31の外壁と孔33の内壁との距離lbが0となる。
【0056】
又、パイロット空気調整部12bとメイン燃料マニホールド9との間にスペーサ14を設置することによって、図10(b)のように、弁体31の外壁と孔33の内壁に隙間ができる。よって、図11(b)のように、弁体31の外壁と孔33の内壁との距離lbがスペーサ14の厚みに応じた値となる。即ち、スペーサ14の厚みに応じた分、弁体31の外壁と孔33の内壁との間に隙間を設けることができ、スペーサ14の厚みを変更することで、パイロットコーン4に流入するパイロット空気量を調整することができる。
【0057】
上述のように燃焼器を構成するとき、パイロット空気調整部12bを、下流側先端の底面部分に弁体31が設けられた円筒形状としても構わないし、第3の実施形態と同様、下流側先端に鍔を設けて、当該鍔に弁体31を設置したような構成としても構わない。本実施形態において、弁体31と多孔板32とが設けられることによって、パイロットコーン4に流入するパイロット空気が、多孔板32に設けられた孔33を通過して流れることで、その流速が周方向及び径方向に偏ることを防ぐことができる。
【0058】
<第6の実施形態>
本発明の第6の実施形態について、図面を参照して説明する。図12は、本実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図である。尚、図12において、図7と同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。又、本実施形態の燃焼器の構成は、第3の実施形態と同様、図6又は図8の概略構成図によって表される。
【0059】
図12の燃焼器は、第3の実施形態(図7)の燃焼器と異なり、パイロット空気調整部12c(図6又は図8のパイロット空気調整部12に相当する)において、燃料を通す燃料管34が複数設けられる。この燃料管34は、フランジ13からパイロット空気調整部12cの下流側先端の鍔16まで設けられている。この燃料管34は、図13のように、下流側先端から見たとき、周方向に等間隔に設けられる。尚、パイロット空気調整部12cの形状は、第3の実施形態における燃焼器のパイロット空気調整部12と同一の形状である。
【0060】
このように構成されることで、パイロット空気調整部12cの鍔16とパイロットコーン4の上流側先端とによって形成される隙間より流入するパイロット空気と、燃料管34を通じた後に鍔16より流出する燃料とが、パイロットコーン4のパイロットスワラ6よりも上流側で混合される。このように燃料とパイロット空気が混合された予混合気が、パイロットスワラ6を通過してコーン内周テーパ部41に供給される。
【0061】
尚、本実施形態において、パイロット空気調整部12cを第3の実施形態における燃焼器のパイロット空気調整部12と同一の形状としたが、第4及び第5の実施形態における燃焼器のパイロット空気調整部12a,12bと同一の形状としても構わない。又、第2〜第6の実施形態において、第1の実施形態と同様、追加スワラがパイロットスワラよりも下流側に設けられるようにしても構わない。
【0062】
【発明の効果】
本発明によると、スロート面積の狭い追加スワラをパイロットスワラよりも下流側に設けることで、パイロットコーンの下流側に供給されるパイロット空気量が低減するように調整することができる。又、パイロットコーン上流側先端近傍に多孔板が設けられることによって、その孔の面積によりパイロットコーン内部に供給される空気量を調整することができる。又、流量調整部の下流側先端の位置をパイロットコーンの上流側先端に対して相対的に移動させることで、パイロットコーン内部に供給される空気量を調整することができる。このようにパイロット空気量を調整することで、パイロットコーン内での燃空比を高くすることができ、パイロット拡散火炎の保炎性を向上させる。更に、流量調整部に燃料管を設けることで、パイロットコーンのパイロットスワラよりも上流側に燃料を供給することができるので、パイロットスワラの下流側に燃料と空気が混合された予混合気を供給することができる。よって、この予混合気により燃空比を高めることができ、パイロット拡散火炎の保炎性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における燃焼器本体の概略断面図。
【図2】図1の燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図。
【図3】第2の実施形態における燃焼器本体の概略断面図。
【図4】図3の燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図。
【図5】第2の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の別の構成を示す図。
【図6】第3〜第6の実施形態における燃焼器本体の概略断面図。
【図7】第3の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図。
【図8】第3〜第6の実施形態における燃焼器本体の別の構成を示す概略断面図。
【図9】第4の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図。
【図10】第5の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図。
【図11】第5の実施形態における燃焼器の多孔板と弁体と関係を示す図。
【図12】第6の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図。
【図13】第6の実施形態における燃焼器の燃料管の位置関係を示す図。
【図14】従来の燃焼器の構成を示す概略構成図。
【図15】図14のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図。
【符号の説明】
1 燃焼器本体
2 パイロットノズル
3 メインノズル
4 パイロットコーン
5 メインバーナ
6 パイロットスワラ
7 メインスワラ
8 追加スワラ
9 メイン燃料マニホールド
10 多孔板
11 支持部
12 パイロット空気調整部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンなどに備えられる燃焼器に関するもので、特に、燃料を拡散して燃焼させるパイロットノズルと燃料と空気とを混合して燃焼させるメインノズルとを備えた燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大気汚染を低減させるために、ガスタービンを利用した発電施設において、その排気ガス中に含まれるNOxの低減が求められている。ガスタービンにおけるNOxは、ガスタービンを回転させるために燃焼動作を行う燃焼器において発生する。そのため、従来より、燃焼器で発生するNOxの低減化を図るために、燃料と空気とを混合して燃焼(予混燃焼)させるメインノズルを備えた燃焼器が用いられている。
【0003】
このメインノズルによる予混燃焼を行うことによって、燃焼器からのNOx排出量を低減させることができるが、その燃焼状態は不安定であり、燃焼振動が発生する。そのため、この燃焼振動を抑制して安定な燃焼状態とするために、燃料を拡散して燃焼(拡散燃焼)させるパイロットノズルを更に備えた燃焼器が用いられている。このようにパイロットノズル及びメインノズルが備えられた燃焼器の概略構成図を、図14に示す。
【0004】
図14に示すように、燃焼器本体1内には、その中央にパイロットノズル2が挿入されるとともに、メインノズル3がパイロットノズル2の周囲に配置されるように挿入される。そして、パイロットノズル2の先端部分を覆うようにパイロットコーン4が設けられ、又、メインノズル3の先端部分を覆うようにメインバーナ5が設けられる。又、パイロットノズル2の先端部分周囲にパイロットスワラ6が設けられるとともに、メインノズル3の先端部分周囲にメインスワラ7が設けられ、パイロットノズル2及びメインノズル3が支持される。
【0005】
このように構成される燃焼器において、パイロットノズル2の先端部分周辺が、図15のように構成される。パイロットノズル2の先端の外周に、複数の燃料噴射口21が設けられ、燃料を拡散噴射する(このパイロットノズル2より噴射される燃料を「パイロット燃料」とする)。又、燃焼器本体1を通じてパイロットノズル2周囲に供給される空気(パイロット空気)は、パイロットスワラ6を通過した後、パイロットコーン4の内壁を沿って流れる。
【0006】
又、メインノズル3より噴射される燃料(メイン燃料)が、メインスワラ7を通過した空気(メイン空気)とともに、メインバーナ5に流入されると、メインバーナ5内で混合されて、メインバーナ5より混合されたメイン燃料及びメイン空気が流出する。このように、メイン空気とメイン燃料が混合された予混合気がメインバーナ5より流出されると、メインバーナ5の下流側先端(尚、「下流」とは、燃料及び空気の流れに対して下流であることを意味する)より燃焼器本体1の内壁に向かって燃焼される。よって、パイロットノズル2によって拡散噴射されたパイロット燃料によるパイロット拡散火炎が拡散して燃焼されることにより、メインバーナ5からの予混合気による燃焼が維持される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようにパイロットノズル2及びメインノズル3を備えた燃焼器において、その燃焼状態を安定に保つには、パイロットノズル2の拡散燃焼による保炎効果が必要である。しかしながら、パイロットノズル2で燃焼させると、NOxの発生率が大きいため、NOxを低減させるにはパイロットノズル2での燃焼を抑える必要がある。
【0008】
そこで、燃焼器に供給される全燃料に対するパイロットノズルに供給される燃料の比(パイロット比)を低くして、燃焼器によるNOxの排出量を低減させているが、上述したように、パイロット比を低くした場合、パイロットノズル2によるパイロット拡散火炎の温度が低くなり、燃焼不安定が起こりやすくなる。そのため、パイロット拡散火炎の保炎効果が得られなくなり、燃焼振動が発生して燃焼状態が不安定なものとなるため、ガスタービンにおけるエネルギー効率が悪くなる。
【0009】
このような問題を鑑みて、本発明は、パイロット比を低くする際にパイロットノズルに供給するパイロット空気を調整することで、燃焼不安定による燃焼振動を抑制した燃焼器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の燃焼器は、燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラとを備える燃焼器において、前記パイロットスワラの下流側に設けられるとともに、その内壁が前記パイロットノズルの外壁と当接し、又、その外壁が前記パイロットコーンの内壁と当接する追加スワラを備え、前記追加スワラの気体が通過するスロート面積が、前記パイロットスワラよりも狭いことを特徴とする。
【0011】
このようにすることで、パイロットノズル外周を流れるとともにパイロットスワラを通過するパイロット空気が、スロート面積の狭い追加スワラを通過するため、パイロットコーンの下流側に供給されるパイロット空気量が低減するように調整することができる。このような追加スワラを、パイロットノズルの下流側先端近傍に設けるようにしても構わない。又、追加スワラを、パイロットコーンの下流側に設けられたテーパ部の根本付近に設けるようにしても構わない。
【0012】
このとき、請求項2に記載するように、前記追加スワラを通過する気体の流れに対する羽の角度が、前記パイロットスワラよりも大きくする。例えば、パイロットスワラの羽の角度が60°のとき、追加スワラの羽の角度を70〜80°とする。
【0013】
又、請求項3に記載するように、前記追加スワラを前記パイロットコーンに固着することで、固着を外すことにより追加スワラの取り外しを容易に行うことができ、試験運転や実機運転を行ったとき、適切なパイロット空気に調整可能な追加スワラを確認することができる。
【0014】
又、請求項4に記載の燃焼器は、燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラとを備える燃焼器において、前記パイロットコーンの上流側先端の上流側近傍に設置されて前記パイロットコーンの上流側先端の開口部を覆うとともに複数の孔が設けられたリング状の多孔板を備えることを特徴とする。
【0015】
このようにすることで、リング状の多孔板に設けられる孔の面積によって、パイロットコーンの上流側先端の開口率が設定される。よって、パイロットコーンの下流側に最終的に供給されるパイロット空気量が、この多孔板の位置及び孔の面積によって調整されることになる。
【0016】
このとき、請求項5に記載するように、前記多孔板が、前記パイロットノズルが挿入されるとともに前記メインノズルに燃料を供給するメイン燃料マニホールドに設置されて前記パイロットノズルの外周に設けられる円筒状の支持部によって支持されるようにしても構わない。こうすることで、パイロットノズルがメイン燃料マニホールド及び支持部に挿入した状態となるため、パイロットノズルだけを燃焼器より取り外すことが可能となる。又、請求項6に記載するように、前記多孔板が、前記パイロットノズルの外壁に接合されて支持されるようにしても構わない。
【0017】
又、請求項7に記載の燃焼器は、燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラと、前記パイロットノズルが挿入されるとともに前記メインノズルに燃料を供給するメイン燃料マニホールドとを備える燃焼器において、前記パイロットノズルの外壁を前記メイン燃料マニホールドから前記パイロットコーンの上流側先端まで覆う円筒であるとともに、前記パイロットコーンの上流側先端の開口部を覆う流量調整部を備え、該流量調整部の下流側先端を上流側に遷移することによって、前記パイロットコーンの上流側先端における開口率を大きくすることを特徴とする。
【0018】
このようにすることで、流量調整部を前記パイロットコーンの上流側先端に近づけることによって、パイロットコーンに流入するパイロット空気量を絞ることができ、又、流量調整部を前記パイロットコーンの上流側先端から遠ざけることによって、パイロットコーンに流入するパイロット空気量を増やすことができる。尚、この流量調整部を、以下の実施形態においては、「パイロット空気調整部」としている。
【0019】
このとき、請求項8に記載するように、前記流量調整部の下流側先端に、前記パイロットコーンの上流側先端の開口部を覆う鍔を設けるようにしても構わない。そして、請求項9に記載するように、前記流量調整部と前記パイロットスワラとの間に設けられるとともに複数の孔を備えるリング状の多孔板を設けて、前記多孔板の外壁が前記パイロットコーンの内壁に当接させるとともに、前記多孔板の内壁が前記パイロットノズルの外壁に当接させることで、前記流量調整部と前記パイロットコーンの上流側先端との隙間を通って流入するパイロット空気の剥離による影響を低減する。
【0020】
又、請求項10に記載するように、前記流量調整部の下流側先端に、下流側に向かって細くなる尖頭部を設け、該尖頭部における最も太い外径を前記パイロットコーンの上流側先端の外径以上の太さとしても構わない。このとき、尖頭部とパイロットコーンの上流側先端によって、ニードル弁が形成される。又、尖頭部によってパイロットコーンにパイロット空気が滑らかに流入するので、パイロット空気の剥離を防ぐことができる。このとき、更に、請求項11に記載するように、前記パイロットコーンの上流側先端に、上流側に向かって広がった鍔を設けて、前記流量調整部により前記パイロットコーンの上流側先端の開口率を0とするとき、前記鍔の内壁に前記尖頭部の外壁を当接させる。
【0021】
又、請求項12に記載するように、前記流量調整部の下流側先端に、下流側に向かって細くなる円錐状の弁体を前記流量調整部の周方向に複数設けるとともに、前記パイロットコーンの上流側先端に、その外壁が前記パイロットコーンの内壁と当接するとともにその内壁が前記パイロットノズルの外壁に当接する前記弁体と対を成す複数の孔を備えた多孔板を設け、前記弁体の円錐の底面における外径を、前記多孔板の孔の内径以上の太さとしても構わない。
【0022】
このとき、弁体と多孔板の孔とによってニードル弁が形成される。このように、複数のニードル弁が周方向に形成された形状とすることによって、パイロットコーンに流入するパイロット空気を周方向及び径方向に分散することができ、その偏りを低減することができる。
【0023】
請求項13に記載する燃焼器は、請求項7〜請求項12のいずれかに記載の燃焼器において、前記流量調整部にフランジを設け、前記フランジと前記メイン燃料マニホールドとの間にスペーサを設置し、該スペーサの厚みによって、前記パイロットコーンの上流側先端の開口率を変化させることを特徴とする。
【0024】
又、請求項14に記載の燃焼器は、請求項7〜請求項13のいずれかに記載の燃焼器において、前記流量調整部内部に設けられるとともに燃料を前記流量調整部の下流側先端に導いて前記パイロットコーンに噴出する燃料管が設けられることを特徴とする。
【0025】
このようにすることで、パイロットコーンにおけるパイロットスワラよりも上流の部分に燃料を供給することができるため、パイロットスワラを通過してパイロットコーンの下流側に供給される気体を燃料と空気が混合した予混合気とすることができ、パイロットノズルによる拡散炎の保炎性を高めることができる。
【0026】
又、請求項15に記載の燃焼器は、請求項7〜請求項14のいずれかに記載の燃焼器において、前記流量調整部において、その下流側先端の外径が、前記メイン燃料マニホールドに挿入されている部分の外径よりも小さいことを特徴とする。このようにすることで、メイン燃料マニホールドに挿入された前記流量調整部を下流側より抜き取ることで取り外すことができる。
【0027】
又、請求項4〜請求項15のいずれかに記載の燃焼器において、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の燃焼器に備えられる特徴を備えるようにしても構わない。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の燃焼器について説明する。
【0029】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における燃焼器の概略構成図であり、又、図2は、パイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図である。尚、図1及び図2において、図14及び図15と同一の部分については、同一の符号を付す。
【0030】
図1の燃焼器は、図14の燃焼器と同様、燃焼器本体1の中心部分に下流側先端部分がパイロットコーン4によって覆われたパイロットノズル2が設置されるとともに、パイロットのノズル2の周囲に下流側先端部分がメインバーナ5によって覆われた複数のメインノズル3が設置される。そして、パイロットノズル2の下流側の外壁面にパイロットスワラ6が設けられることにより、パイロットノズル2がパイロットコーン4の中心部に設置されるように支持される。又、メインノズル3の下流側の外壁面にメインスワラ7が設けられることにより、メインノズル3がメインバーナ5の中心部に設置されるように支持される。更に、パイロットスワラ6の更に下流側に、空気量を調整するための追加スワラ8を設ける。
【0031】
このように構成されるとき、図2のように、パイロットコーン4は、下流側先端に向かって放射状に広がったテーパ形状となっている。(以下、この放射状に広がった部分を、「コーン内周テーパ部」と呼ぶ。)そして、コーン内周テーパ部41の上流側の付け根部近傍に、追加スワラ8が溶接止め、あるいはボルト止め等の固着手段81によって設置される。即ち、追加スワラ8の内壁がパイロットノズル2の下流側先端の外壁に接するように設置され、この追加スワラ8よりも上流側に、パイロットコーン4の鋳造部品であるパイロットスワラ6が設けられる。
【0032】
この追加スワラ8において、そのパイロット空気を通過させるスロート面積がパイロットスワラ6よりも狭くなる。即ち、例えば、パイロットスワラ6に設けられる羽のパイロット空気の流れに対する角度が60°である場合、追加スワラ8に設けられる羽のパイロット空気の流れに対する角度を70〜80°とする。更に、追加スワラ8は、パイロットコーン4に設置される際、下流側から挿入されて設置される。
【0033】
このように、スロート面積の狭い追加スワラ8をパイロットスワラ6の下流に設けることによって、既存のパイロットスワラ6を変更することなく、追加スワラ8でコーン内周テーパ部41に供給するパイロット空気量を減らすことができる。又、追加スワラ8は固着手段81を外すことによって容易に取り外すことができるので、試験運転や実機運転などにより、最適な追加スワラ8を選択することができる。更に、パイロットスワラ6と2段構成とすることによって、追加スワラ8が燃焼振動などの原因により外れた場合でも、鋳造部品であるパイロットスワラ6があるので、続けて燃焼器の運転を行うことができる。
【0034】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図3は、本実施形態における燃焼器の概略構成図であり、又、図4は、パイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図である。尚、図3及び図4において、図14及び図15と同一の部分については、同一の符号を付す。
【0035】
図3の燃焼器は、図14の燃焼器に対して、パイロットコーン4の上流側先端を覆うリング状の多孔板10と、メインノズル3にメイン燃料を供給する燃焼器本体1の上流側に設置されるメイン燃料マニホールド9に接合して多孔板10を支持する円筒状の支持部11とを付加した構成となる。このとき、支持部11の内壁によってパイロットノズル2の外壁が覆われた状態となる。又、複数の孔が設けられた多孔板10は、図4のように、その内壁がパイロットノズル2の外壁に近接するように設けられるとともに、パイロットコーン4の上流側先端近傍位置に設置される。
【0036】
このようにすることで、パイロット空気が支持部11の外周側を流れた後、多孔板10に設けられた複数の孔を通じて、パイロットコーン4に流れ込む。よって、多孔板10に設けられた孔の大きさ及び数によって、パイロットコーン4に流れ込むパイロット空気量が調整されるため、パイロットスワラ6を通過して最終的にコーン内周テーパ部41に供給されるパイロット空気量が調整されることになる。
【0037】
このように、メイン燃料マニホールド9に設けられた支持部11によってパイロット空気量を調整する多孔板10を設けることで、燃焼器からノズル側を抜くのみで、多孔板10の交換などができる。よって、試験運転や実機運転などにより、最適な多孔板10を選択することができる。又、パイロットノズル2の点検や交換を行う際、燃焼器からパイロットノズル2のみを抜くことが可能である。
【0038】
尚、本実施形態において、図5に示すように、多孔板10の内壁部をパイロットノズル2の外壁部に接合させることによって、図4と同一の位置に多孔板10を支持し、支持部11を削除した構成としても構わない。
【0039】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。図6は、本実施形態における燃焼器の概略構成図であり、又、図7は、パイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図である。尚、図6及び図7において、図14及び図15と同一の部分については、同一の符号を付す。
【0040】
図6の燃焼器は、図14の燃焼器に対して、パイロットコーン4の上流側に設けられるとともにパイロットコーン4へ流入するパイロット空気量を調整するパイロット空気調整部12を付加した構成となる。このパイロット空気調整部12は、メイン燃料マニホールド9に挿入されるとともに、パイロットノズル2のパイロットコーン4よりも上流側部分を覆うような円筒として構成される。又、パイロット空気調整部12には、メイン燃料マニホールド9よりも上流側にフランジ13が設けられ、メイン燃料マニホールド9とフランジ13との間にスペーサ14が設置されることで、パイロット空気調整部12の設置位置が決定される。
【0041】
更に、スペーサ14とパイロット空気調整部12は、フランジ13よりボルト(不図示)が締結されることによってメイン燃料マニホールド9に固定される。そして、パイロット空気調整部12の内壁とパイロットノズル2の外壁によって構成される空間を燃焼器本体1外部でシールするために、メイン燃料マニホールド9にパイロット空気調整部12が挿入された位置において、パイロット空気調整部12とパイロットノズル2との間にグランドパッキンなどのシール部材15が設けられる。
【0042】
このように構成されるとき、図7のように、パイロット空気調整部12の下流側先端に、パイロットコーン4の上流側先端を覆うリング形状の鍔16が設けられる。この鍔16は、図7(a)のように、スペーサ14がパイロット空気調整部12とメイン燃料マニホールド9との間に設置されないとき、鍔16とパイロットコーン4の上流側先端とが当接し、鍔16とパイロットコーン4の上流側先端との距離lが0となるように設けられる。
【0043】
そして、パイロット空気調整部12のフランジ13とメイン燃料マニホールド9との間にスペーサ14を設置することによって、図7(b)のように、鍔16とパイロットコーン4の上流側先端との距離lがスペーサ14の厚みと等しい値となる。即ち、スペーサ14の厚み分、鍔16とパイロットコーン4の上流側先端との間に隙間を設けることができ、スペーサ14の厚みを変更することで、パイロットコーン4に流入するパイロット空気量を調整することができる。
【0044】
又、パイロットコーン4内には、その上流側先端とパイロットスワラ6との間に、複数の孔が設けられたリング状の多孔板17が設けられる。この多孔板17は、外壁がパイロットコーン4の内壁と当接するとともに、内壁がパイロットノズル2の外壁と当接する。今、鍔16とパイロットコーン4の上流側先端とで形成される隙間より流入するパイロット空気がパイロットコーン4の内壁側で剥離するが、多孔板17の複数の孔を通ることにより、パイロットスワラ6に流入するパイロット空気について、その剥離による影響を防ぐことができる。
【0045】
更に、パイロット空気調整部12において、図8のように、パイロットスワラ6の上流側先端近傍の外径φbが、メイン燃料マニホールド9のパイロット空気調整部12が嵌合される穴径φaよりも小さくなるような形状とすることにより、パイロット空気調整部12がメイン燃料マニホールド9から取り外すことが可能となる。尚、このとき、パイロット空気調整部12は、図8のように、メイン燃料マニホールド9に挿入される部分よりも下流側の部分の外径がφaとなるような構成とし、パイロット空気調整部12の位置をスペーサ14の厚みによって移動させた場合でも、パイロット空気調整部12とメイン燃料マニホールド9との間に隙間ができないような構成とされる。
【0046】
尚、本実施形態において、パイロット空気調整部12に鍔16を設けるような構成としたが、パイロット空気調整部12のパイロットコーン4に面する底面がパイロットコーン4の上流側先端を覆うような形状の円筒によって、パイロット空気調整部12を構成するようにしても構わない。
【0047】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。図9は、本実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図である。尚、図9において、図7と同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。又、本実施形態の燃焼器の構成は、第3の実施形態と同様、図6又は図8の概略構成図によって表される。
【0048】
図9の燃焼器は、第3の実施形態(図7)の燃焼器と異なり、パイロット空気調整部12a(図6又は図8のパイロット空気調整部12に相当する)の下流側先端に、その先端に向かって細くなった尖頭部18が設けられた構成となる。又、パイロットコーン4a(図6又は図8のパイロットコーン4に相当する)の上流側先端に、その上流側に向かって広がったベルマウス形状の鍔19が設けられる。
【0049】
そして、スペーサ14がパイロット空気調整部12aとメイン燃料マニホールド9との間に設置されないとき、図9(a)のように、パイロット空気調整部12aにおける尖頭部18の最も径の太い部分が、パイロットコーン4aの鍔19に当接し、尖頭部18と鍔19との距離laが0となる。即ち、このとき、尖頭部18が、鍔19とパイロットスワラ6との間の位置に設置されることとなる。
【0050】
又、パイロット空気調整部12aとメイン燃料マニホールド9との間にスペーサ14を設置することによって、図9(b)のように、尖頭部18と鍔19との距離laがスペーサ14の厚みと等しい値となる。即ち、スペーサ14の厚み分、尖頭部18と鍔19との間に隙間を設けることができ、スペーサ14の厚みを変更することで、パイロットコーン4に流入するパイロット空気量を調整することができる。このように、尖頭部18と鍔19によって、尖頭部18が弁体となるニードル弁が構成される。
【0051】
上述のように燃焼器を構成するとき、パイロット空気調整部12aを、下流側先端を削ることで尖頭部18が設けられた円筒形状としても構わないし、第3の実施形態と同様、下流側先端に鍔を設けて、当該鍔に尖頭部18を設置したような構成としても構わない。このような尖頭部18が設けられることによって、パイロットコーン4a内に流入するパイロット空気が、尖頭部18の外壁に沿って流入するため、パイロットコーン4aの内壁側における剥離を防ぐことができる。よって、第3の実施形態のように、多孔板17を設ける必要がない。
【0052】
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態について、図面を参照して説明する。図10は、本実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図である。尚、図10において、図9と同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。又、本実施形態の燃焼器の構成は、第4の実施形態と同様、図6又は図8の概略構成図によって表される。
【0053】
図10の燃焼器は、第4の実施形態(図9)の燃焼器と異なり、パイロット空気調整部12b(図6又は図8のパイロット空気調整部12に相当する)の下流側先端に、その先端に向かって細くなった円錐形状の弁体31が周方向に複数設けられた構成となる。又、パイロットコーン4の上流側先端に、周方向に弁体31と同数の孔33が設けられたリング状の多孔板32が挿入される。この多孔板32は、その外壁がパイロットコーン4の内壁と当接するとともに、その内壁がパイロットノズル2の外壁と当接する。
【0054】
又、図11のように、パイロットコーン4の下流側から見たとき、弁体31と孔33とが重なる位置にそれぞれを設け、孔33内に弁体31が挿入できるようにする。このように構成することで、弁体31と多孔板32の孔33によって、ニードル弁が形成される。更に、孔33は、多孔板32の径方向において、その中心が外壁と内壁との中間付近に位置するように形成される。
【0055】
そして、スペーサ14がパイロット空気調整部12bとメイン燃料マニホールド9との間に設置されないとき、図10(a)のように、パイロット空気調整部12bの弁体31における外壁が多孔板32の孔33における内壁と当接し、図11(a)のように、弁体31の外壁と孔33の内壁との距離lbが0となる。
【0056】
又、パイロット空気調整部12bとメイン燃料マニホールド9との間にスペーサ14を設置することによって、図10(b)のように、弁体31の外壁と孔33の内壁に隙間ができる。よって、図11(b)のように、弁体31の外壁と孔33の内壁との距離lbがスペーサ14の厚みに応じた値となる。即ち、スペーサ14の厚みに応じた分、弁体31の外壁と孔33の内壁との間に隙間を設けることができ、スペーサ14の厚みを変更することで、パイロットコーン4に流入するパイロット空気量を調整することができる。
【0057】
上述のように燃焼器を構成するとき、パイロット空気調整部12bを、下流側先端の底面部分に弁体31が設けられた円筒形状としても構わないし、第3の実施形態と同様、下流側先端に鍔を設けて、当該鍔に弁体31を設置したような構成としても構わない。本実施形態において、弁体31と多孔板32とが設けられることによって、パイロットコーン4に流入するパイロット空気が、多孔板32に設けられた孔33を通過して流れることで、その流速が周方向及び径方向に偏ることを防ぐことができる。
【0058】
<第6の実施形態>
本発明の第6の実施形態について、図面を参照して説明する。図12は、本実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図である。尚、図12において、図7と同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。又、本実施形態の燃焼器の構成は、第3の実施形態と同様、図6又は図8の概略構成図によって表される。
【0059】
図12の燃焼器は、第3の実施形態(図7)の燃焼器と異なり、パイロット空気調整部12c(図6又は図8のパイロット空気調整部12に相当する)において、燃料を通す燃料管34が複数設けられる。この燃料管34は、フランジ13からパイロット空気調整部12cの下流側先端の鍔16まで設けられている。この燃料管34は、図13のように、下流側先端から見たとき、周方向に等間隔に設けられる。尚、パイロット空気調整部12cの形状は、第3の実施形態における燃焼器のパイロット空気調整部12と同一の形状である。
【0060】
このように構成されることで、パイロット空気調整部12cの鍔16とパイロットコーン4の上流側先端とによって形成される隙間より流入するパイロット空気と、燃料管34を通じた後に鍔16より流出する燃料とが、パイロットコーン4のパイロットスワラ6よりも上流側で混合される。このように燃料とパイロット空気が混合された予混合気が、パイロットスワラ6を通過してコーン内周テーパ部41に供給される。
【0061】
尚、本実施形態において、パイロット空気調整部12cを第3の実施形態における燃焼器のパイロット空気調整部12と同一の形状としたが、第4及び第5の実施形態における燃焼器のパイロット空気調整部12a,12bと同一の形状としても構わない。又、第2〜第6の実施形態において、第1の実施形態と同様、追加スワラがパイロットスワラよりも下流側に設けられるようにしても構わない。
【0062】
【発明の効果】
本発明によると、スロート面積の狭い追加スワラをパイロットスワラよりも下流側に設けることで、パイロットコーンの下流側に供給されるパイロット空気量が低減するように調整することができる。又、パイロットコーン上流側先端近傍に多孔板が設けられることによって、その孔の面積によりパイロットコーン内部に供給される空気量を調整することができる。又、流量調整部の下流側先端の位置をパイロットコーンの上流側先端に対して相対的に移動させることで、パイロットコーン内部に供給される空気量を調整することができる。このようにパイロット空気量を調整することで、パイロットコーン内での燃空比を高くすることができ、パイロット拡散火炎の保炎性を向上させる。更に、流量調整部に燃料管を設けることで、パイロットコーンのパイロットスワラよりも上流側に燃料を供給することができるので、パイロットスワラの下流側に燃料と空気が混合された予混合気を供給することができる。よって、この予混合気により燃空比を高めることができ、パイロット拡散火炎の保炎性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における燃焼器本体の概略断面図。
【図2】図1の燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図。
【図3】第2の実施形態における燃焼器本体の概略断面図。
【図4】図3の燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図。
【図5】第2の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の別の構成を示す図。
【図6】第3〜第6の実施形態における燃焼器本体の概略断面図。
【図7】第3の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図。
【図8】第3〜第6の実施形態における燃焼器本体の別の構成を示す概略断面図。
【図9】第4の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図。
【図10】第5の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図。
【図11】第5の実施形態における燃焼器の多孔板と弁体と関係を示す図。
【図12】第6の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図。
【図13】第6の実施形態における燃焼器の燃料管の位置関係を示す図。
【図14】従来の燃焼器の構成を示す概略構成図。
【図15】図14のパイロットノズル先端部分周辺の構成を示す図。
【符号の説明】
1 燃焼器本体
2 パイロットノズル
3 メインノズル
4 パイロットコーン
5 メインバーナ
6 パイロットスワラ
7 メインスワラ
8 追加スワラ
9 メイン燃料マニホールド
10 多孔板
11 支持部
12 パイロット空気調整部
Claims (15)
- 燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラとを備える燃焼器において、
前記パイロットスワラの下流側に設けられるとともに、その内壁が前記パイロットノズルの外壁と当接し、又、その外壁が前記パイロットコーンの内壁と当接する追加スワラを備え、
前記追加スワラの気体が通過するスロート面積が、前記パイロットスワラよりも狭いことを特徴とする燃焼器。 - 前記追加スワラを通過する気体の流れに対する羽の角度が、前記パイロットスワラよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の燃焼器。
- 前記追加スワラが前記パイロットコーンに固着されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃焼器。
- 燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラとを備える燃焼器において、
前記パイロットコーンの上流側先端の上流側近傍に設置されて前記パイロットコーンの上流側先端の開口部を覆うとともに複数の孔が設けられたリング状の多孔板を備えることを特徴とする燃焼器。 - 前記多孔板が、前記パイロットノズルが挿入されるとともに前記メインノズルに燃料を供給するメイン燃料マニホールドに設置されて前記パイロットノズルの外周に設けられる円筒状の支持部によって支持されることを特徴とする請求項4に記載の燃焼器。
- 前記多孔板が、前記パイロットノズルの外壁に接合されて支持されることを特徴とする請求項4に記載の燃焼器。
- 燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラと、前記パイロットノズルが挿入されるとともに前記メインノズルに燃料を供給するメイン燃料マニホールドとを備える燃焼器において、
前記パイロットノズルの外壁を前記メイン燃料マニホールドから前記パイロットコーンの上流側先端まで覆う円筒であるとともに、前記パイロットコーンの上流側先端の開口部を覆う流量調整部を備え、
該流量調整部の下流側先端を上流側に遷移することによって、前記パイロットコーンの上流側先端における開口率を大きくすることを特徴とする燃焼器。 - 前記流量調整部の下流側先端に、前記パイロットコーンの上流側先端の開口部を覆う鍔を設けることを特徴とする請求項7に記載の燃焼器。
- 前記流量調整部と前記パイロットスワラとの間に設けられるとともに複数の孔を備えるリング状の多孔板を有し、
前記多孔板の外壁が前記パイロットコーンの内壁に当接するとともに、前記多孔板の内壁が前記パイロットノズルの外壁に当接することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の燃焼器。 - 前記流量調整部の下流側先端に、下流側に向かって細くなる尖頭部を設け、
該尖頭部における最も太い外径が前記パイロットコーンの上流側先端の外径以上の太さであることを特徴とする請求項7に記載の燃焼器。 - 前記パイロットコーンの上流側先端に、上流側に向かって広がった鍔が設けられ、
前記流量調整部により前記パイロットコーンの上流側先端の開口率が0とされるとき、前記鍔の内壁に前記尖頭部の外壁が当接することを特徴とする請求項10に記載の燃焼器。 - 前記流量調整部の下流側先端に、下流側に向かって細くなる円錐状の弁体を前記流量調整部の周方向に複数設けるとともに、
前記パイロットコーンの上流側先端に、その外壁が前記パイロットコーンの内壁と当接するとともにその内壁が前記パイロットノズルの外壁に当接する前記弁体と対を成す複数の孔を備えた多孔板を設け、
前記弁体の円錐の底面における外径が、前記多孔板の孔の内径以上の太さであることを特徴とする請求項7に記載の燃焼器。 - 前記流量調整部にフランジを設け、
前記フランジと前記メイン燃料マニホールドとの間にスペーサを設置し、
該スペーサの厚みによって、前記パイロットコーンの上流側先端の開口率を変化させることを特徴とする請求項7〜請求項12のいずれかに記載の燃焼器。 - 前記流量調整部内部に設けられるとともに燃料を前記流量調整部の下流側先端に導いて前記パイロットコーンに噴出する燃料管が設けられることを特徴とする請求項7〜請求項13のいずれかに記載の燃焼器。
- 前記流量調整部において、その下流側先端の外径が、前記メイン燃料マニホールドに挿入されている部分の外径よりも小さいことを特徴とする請求項7〜請求項14のいずれかに記載の燃焼器。
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