JP2004084700A - バタフライ弁の付設方法及び付設用器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】バタフライ弁が付設された流体通路を新設する場合、弁の現物なしで配管すると、あとで弁を挿入した時、配管誤差のため配管の先の方では配管を大きく移動させなければならないという事態を生じた。このため、従来はバタフライ弁の提供を受けてから流体通路を敷設してきた。これでは、弁の提供がおくれると、通路の敷設がおくれることとなった。この発明は、この不都合を避けようとするものである。
【解決手段】バタフライ弁と主要部が同大の模型を用意し、模型を付設して流体通路を敷設し、あとでフランジ間の拡張具を使用して模型を流体通路から外し、そのあとに弁を付設することとする。また、同じ拡張具を使用して弁の取り換えを行うことができる。
【選択図】 図4
【解決手段】バタフライ弁と主要部が同大の模型を用意し、模型を付設して流体通路を敷設し、あとでフランジ間の拡張具を使用して模型を流体通路から外し、そのあとに弁を付設することとする。また、同じ拡張具を使用して弁の取り換えを行うことができる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、バタフライ弁の付設方法に関するものであり、バタフライ弁を付設した流体通路を新たに設けたり、流体通路に付設したバタフライ弁を取り換えたりする際のバタフライ弁の付設方法に関するものである。とくに、この発明は、バタフライ弁としてウエハー形バタフライ弁を用いて、流体通路を新設したり又は弁の取り換えを行ったりするのに便利な弁の付設方法である。また、この発明は、弁を付設するためにフランジの間を広げるのに適した弁の付設用器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流体輸送用の管には弁が付設され、流量の調整が行われる。弁としてはバタフライ弁、とくにウエハー形のバタフライ弁が多く用いられる。
【0003】
バタフライ弁は流体輸送用の管に対をなして対向するフランジを付設し、フランジの間にバタフライ弁を挿入し、フランジ同士を締め付けることによって管に取り付けれられる。バタフライ弁には、管に向かう面にフランジを備えているものと、フランジを備えていないものとがある。フランジを備えていないバタフライ弁は、ウエハー形のバタフライ弁と呼ばれている。ウエハー形のバタフライ弁は、管に向かう面に柔軟性を持ったシートリングの側面を僅かに突出させているのが普通である。ウエハー形のバタフライ弁は、突出しているシートリングの側面を管に付設されたフランジの面に当接させてフランジの間に挟まれ、フランジの間にさしわたされたボルトとナットとによって締め付けられて、フランジ間に固定される。
【0004】
図1は、ウエハー形のバタフライ弁が、管に付設されてなる流体通路の一部切欠側面図である。図1において、1はウエハー形バタフライ弁であり、2は管であり、3は管2に付設されたフランジであり、4はボルトである。フランジ3はその周囲に等しい間隔をおいて多数の孔が穿設されており、その孔にボルト4が通され、ナット5により対向する2個のフランジを締め付けてバタフライ弁1を一体に保持している。こうして、バタフライ弁は2個のフランジの間に固定される。
【0005】
図1のような流体通路を新設するときは、従来はバタフライ弁1、管2、フランジ3、ボルト4及びナット5等の資材がすべて揃うのを待って、流体通路を敷設することとされた。しかし、バタフライ弁1は、仕様によってその構造及び材質が変更されるものであって、注文によって製作されることが多く、しかも他の材料、例えば管2及びフランジ3に比べて構造が複雑であるため、他の資材より提供の遅れることが多い。
【0006】
弁の提供が遅れた場合は、流体通路の設置は必然的に遅れることとなった。なぜならば、バタフライ弁の現物を用いないで、バタフライ弁の大きさを予測して配管すると、あとでそこに弁の現物を付設した場合に、多数の弁を付設した流路の先では配管を大きく移動させなければならない、というような事態が往々にして生じたからである。それは、要するに1個の弁では予測値と現実の大きさとの間の差違が小さくても、多数の弁を付設すると、その先では差違が倍増されることになるからである。このため、流路の設置は、前述のように、弁の到着を待って行うこととなったのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上述のような流体通路の設置のおくれを無くしようとするものである。すなわち、この発明は、弁の提供を待たずに、流体輸送管を敷設しておき、弁が提供されたあとで、流体通路に弁を付設することとし、しかもこのように弁をあとで付設しても、流体通路の先の方で大きな誤差を生ぜず、従って先の方の配管を移動させるような事態を招来しないような、流体通路の敷設方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題解決のための手段】
この発明者は、主要部がウエハー形のバタフライ弁と同大の模型を用意し、弁の代わりに模型を使用して、模型を弁と全く同様に管の間に付設して、予め配管することによって上記の課題を解決しようとした。ところが、模型と弁と同様に管に付設されたフランジの間に付設すると、模型がフランジに強固に接着された状態となるために、模型をあとでフランジから取り除くことが厄介で煩瑣となる。そこで、この発明者は、模型をフランジから取り除くことを容易にするために、特殊な器具、機能から云えば、フランジ間の拡張具を使用することを試み、その結果、拡張具を用いると模型の取り除きが容易となることを見出した。
【0009】
また、上述の拡張具は、流体通路を新設する際の模型の取り除きに使用できるだけでなく、既設の流体通路において、弁の交換のために古い弁を取り除くのにも使用でき、これによって弁の交換が容易になることを見出した。この発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
【0010】
この発明は、流体通路を新設する際のウエハー形バタフライ弁の付設方法を提供するものである。その方法は、流体輸送用の管に対をなして対向するフランジを付設し、フランジの間にウエハー形バタフライ弁に相当する大きさを持った模型を挿入し、フランジの周囲に複数個の締付具を配置し、締付具でフランジ同士を締め付けることによって模型をフランジ間に固定して流体通路を構成し、その後にフランジ周囲の締付具を緩めるとともに、フランジ周囲の上半部に位置する締付具を取り除き、代わりにネジ機構により伸縮可能な拡張具をフランジ間に挿入し、拡張具を伸長させてフランジの少なくとも上半部を開き、模型を上方へ移動させてフランジの間から脱出させ、そのあとに新しいウエハー形バタフライ弁を挿入し、拡張具を取り除き、代わりにフランジ間に締付具を付設し、フランジ同士を締付具で締め付けて弁をフランジ間に固定することを特徴とするものである。
【0011】
また、この発明は、既設の流体通路において古い弁を新しい弁に取り換える際の弁の付設方法を提供するものである。その方法は、流体輸送用管に対をなして対向するフランジを付設し、フランジの間にウエハー形のバタフライ弁を挿入し、フランジの周囲に複数個の締付具を配置し、締付具でフランジ同士を締め付けることによって弁をフランジ間に固定して流体通路を構成し、その後に、フランジ周囲の締付具を緩めるとともに、フランジ周囲の上半部に位置する締付具を取り除き、代わりにネジ機構により伸縮可能な拡張具をフランジ間に挿入し、拡張具を伸長させてフランジの少なくとも上半部を開き、弁を上方へ移動させてフランジの間から脱出させ、そのあとに新しいウエハー形バタフライ弁を挿入し、拡張具を取り除き、代わりにフランジ間に締付具を付設し、フランジ同士を締付具で締め付けて弁をフランジ間に固定することを特徴とするものである。
【0012】
また、この発明は、フランジの間を開くのに適した拡張具を提供するものである。その拡張具は、長いネジ部を持ったロングボルトとロングナットとを噛み合わせてネジ機構により伸縮する伸縮体を構成し、伸縮体の両端に圧接部を付設し、圧接部の端には伸縮方向に垂直に広がってフランジに当接する平坦面を形成し、ロングボルトとロングナットのうちの一方を回転可能とし、回転可能とされた側に付設されている圧接部には回転体との間に、上記平坦面と平行な摺動面を形成したことを特徴とするものである。
【0013】
この発明を実施の一例について図面に基づき説明すると、次のとおりである。図2ないし図5は、ウエハー形のバタフライ弁を用いてこの発明方法によって流体通路を新設するときの状態を示した流体通路の側面図である。図6は、この発明に係る拡張具の使用状態における断面図である。図7はないし図9は、この発明方法によって既設の弁を取り換えるときの状態を示した流体通路の側面図である。
【0014】
図2ないし図5は、付設しようとする弁と主要部が同じ形状及び大きさの弁の模型を用意し、この発明方法に従って、模型を管の間に固定し、その後模型を取り外して行く状態を示している。
【0015】
図2は、所定の位置に配置した管2に1対の対向するフランジ3を付設し、フランジ3,3の間に模型6を挿入した状態を示している。模型6は、主要部が設置すべき弁に相当する形状及び大きさに作られている。模型6の主要部とは、フランジ3に対向する面61及び62の形状及び大きさと、面61と62との間の距離を指し、これらが設置すべき弁の距離に正確に一致すべきことを意味している。ウエハー形のバタフライ弁では、面61と62とに柔軟なゴム製のシートリングが僅かに突出しているのが普通であるから、模型6の面61と62には、そのシートリングに相当するパッキン7を模型6とフランジ3との間に介在させる。
【0016】
模型6は、金属で作られることが好ましい。しかし、それ以外の硬い材料、例えば合成樹脂、木材等で作られていてもよい。図2では模型6にアイボルト63が付設されているが、アイボルト63は模型6を吊り下げてフランジ間に運ぶのに便利なように付設したものである。
【0017】
図2に示したように、フランジ3,3の間に挿入された模型6は、その後、図3に示したように、ボルト4とナット5からなる締付具によって対向するフランジ3の間に固定される。その固定の態様は、図1に示した弁の普通の固定と変りがない。すなわち、フランジ3には周囲方向に等しい間隔をおいて複数個の孔が穿設されているので、これらの孔にボルト4を通し、ボルト4にナット5を嵌め締め付けることによって、模型6はフランジ3,3の間に固定される。
【0018】
弁の設置が必要とされるすべての個所に、図3に示したように次々と模型6を固定して、流体通路を敷設する。こうして模型6が固定された通路は、弁が提供されるまでそのまま放置される。この放置期間が暫らく続くと、フランジ3と模型6との間にはパッキン7が介在しており、また締付具による締め付けは、実際の弁を締め付けるときとほぼ同じような強い力でなされているから、模型6はフランジ3に対して強く接着するに至る。そのため、その後は締付具を緩めただけでは、模型6をフランジ3,3から引き離すことができなくなっている。
【0019】
この発明では、弁が提供されると、模型を取り外し、代わりに弁をフランジ間に固定することが必要となる。模型を取り外すために、まずフランジの周囲に付設されているすべての締付具を緩める。次いで、締付具を取り外すこととなるが、その場合、フランジ周囲の上半部に位置する締付具だけをすべて取り除くこととし、フランジ周囲の下半部に位置する締付具は少なくともその一部を残すようにする。これは、フランジ間に捩れなどの位置移動を生じさせないためと、模型が不慮の落下を起こすのを防ぐためである。このような締付具の除去までは、一般に問題なく容易に行うことができる。
【0020】
ところが、模型6をフランジ3の間から脱出させることは、締付具を取り外しただけでは容易にできない。それは、模型がフランジ間に固定された状態で暫らく放置されると、前述のように、模型はフランジの間に強く接着するに至るからである。そのために、模型6を無理にフランジ3から引き離すことが必要となる。この場合、模型6とフランジ3との間に楔などを無理に挿入すると、フランジを傷つけることになる。そこで、この発明では模型をフランジから引き離すために、ネジ機構により伸縮可能な拡張具10を用いることとする。
【0021】
拡張具10は、図6に示したように長いネジ部を持ったロングボルト11と、同じく長いネジ部を持ったロングナット12とを噛み合わせて、ネジ機構により伸縮可能な伸縮体を作り、その両端に圧接部13と14とを付設して構成されたものである。圧接部13と14との端には、伸縮方向に垂直に広がってフランジに当接される平坦面15と16とが、それぞれ形成されている。
【0022】
ロングボルト11とロングナット12のうち、何れか一方が回転される。図6ではロングナット12が回転されるようになっている。回転されるロングナット12に付設された圧接部14は、ロングナット12との間に摺動面17が形成されている。摺動面17は平坦面16と平行に延びている。摺動面17には複数個のスリッププレート18が介在して、ロングナット12が回転されても、圧接部14は回転しないようにされている。図6に示した例では、圧接部14は円板状の頭を持った栓の形状にされていて、足に該当する小径部がロングナット12の孔内に嵌まり、ロングナット12に対して回転可能な状態に置かれているので、ロングナット12が回転されても、圧接部14は回転しないこととなる。
【0023】
この発明では、上述のような拡張具10を図4に示すように、フランジ3の上半部より下方に当接し、伸長させる。このとき、伸長具10は、弁の中心を通る垂直面に対して左右対称の位置に設けて、左右対称に伸長させることが好ましい。伸長させるにはロングナット12を回転させる。すると、拡張具10は両端に位置する平坦面15と16とをそれぞれフランジ3に当接し、圧接部をフランジ面上で静止させた状態で伸長するから、フランジ3,3を傷つけないで、その間を徐々に開くことができる。このとき、フランジ3の下半部に残っている締付具は、既に緩められているから、上半部の開きは下半部に及んで、模型6はフランジ3から離れることとなる。必要ならば、下半部にさらに別の拡張具10を追加して付設してもよい。
【0024】
こうして、拡張具10により模型6とフランジ3との間が離されると、図5に示したように、模型6はパッキン7を伴なってフランジ3から離れる。この状態になると、アイボルト63を吊り上げて、模型6をフランジ3,3の間で上方に移動させ、フランジの間から脱出させることができる。こうして、模型6をフランジ3,3の間から脱出させたあとで、模型の位置していたところに弁を挿入する。
【0025】
フランジ3,3間に挿入された弁は、さきに模型6がフランジ間に固定されたのと全く同様にして、フランジ3,3間にボルト4をさしわたし、ナット5を締め付けて固定される。こうして、流体通路を新たに設置することができる。
【0026】
上述の流体通路を新設する方法は、弁の模型を流体通路に組み込み、あとで模型を取り除いて弁とおきかえる点に特色を持っている。この模型の取り除きの技術は、既に述べたように、既設の流体通路において、古い弁を新しい弁に取り換えようとする場合に、古い弁を除去するのに適用できる。従って、この発明は、別の面では既設の流体通路において、弁を取り換えようとする場合の弁の付設方法を提供するものである。図7ないし図9は、このような場合の弁の付設方法の一例を示している。
【0027】
図7では、ウエハー形のバタフライ弁1が、管2に付設されたフランジ3,3の間に挟持され、ボルト4及びナット5により締め付けられて固定されている。このバタフライ弁1は、フランジ3に向かう面上にシートリングの側面を突出させているから、シートリングの側面がフランジ3に押圧されて密接している。このため、ナット5を回転させボルト4を緩めただけでは、弁1の当接面をフランジ3から離すことができない。
【0028】
そこで、まず弁1に無理な力を加えても、対向するフランジ3,3が捩れるなどの位置移動を起こさないようにするために、管2に付設されている支点21に支持体22を付設して、支持体22の端を周囲に固定する。次いで、すべてのナット5を緩めて、2つのフランジ3,3の間に開くことのできる余地を設ける。その後、フランジ3の上半部にあるボルト4をすべて外し、そのあとに拡張具10を付設して、図8に示したような状態にする。
【0029】
拡張具10は唯1個でなく、必要に応じて多数付設する。こうして拡張具10を伸長させる。すると、2つのフランジ3の間が開いて図9に示したような状態となり、2つのフランジ3は何れも弁1の面から離れる。この状態となったとき、弁1を上方へ移動させて、フランジ3の間から脱出させる。こうして古い弁1を流体通路から外すことができる。
【0030】
古い弁が取り除かれたあとに、新しい弁1を挿入し、その後は、さきに模型を固定したのと全く同じようにして、フランジ3の間に新しい弁1を固定する。すなわち、新しい弁を挿入した後、拡張具10を取り除き、代わりに2つのフランジ3,3間にボルト4をさしわたし、ボルト4をナット5で締め付けて、2つのフランジ3,3の間に新しい弁を固定する。こうして弁を取り換えることができる。
【0031】
【発明の効果】
この発明に係る拡張具、すなわちバタフライ弁の付設用器具では、伸縮可能な伸縮体の両端に圧接部を付設し、圧接部の端には伸縮方向に垂直に広がってフランジに当接する平坦面を形成したので、初めに伸縮体を縮めて平坦面を対向するフランジの間に当接させ、その後に伸縮体を伸長させることによって、フランジの間を広げることができる。伸縮体は、長いネジ部を持ったロングボルトとロングナットとの噛み合わせで構成されているから、ボルト又はナットの一方を回転させることにより、とくにその回転力の調節によって希望する速度で、フランジの間を広げることができる。また、ボルトとナットのうち、回転する側に付設された圧接部では、回転体との間に平坦面と平行な摺動面を形成したので、回転体が回転しても圧接部は回転しないで、平坦面を常に静止した状態でフランジに当接させており、従ってフランジ面を傷つけることがない。このため、この弁付設用器具によれば、フランジ間を円滑に容易に広げることができ、従って、フランジ間に挟んだ模型又は古いバタフライ弁を、容易にフランジから引き離し、脱出させることができる。こうして弁の付設を容易にする。
【0032】
また、流体通路を新設する際のこの発明方法によれば、流体輸送用管に対をなして対向するフランジを付設し、フランジ間にウエハー形のバタフライ弁に相当する大きさを持った模型を挿入し、フランジの周囲に複数個の締付具を配置し、締付具でフランジ同士を締め付け、模型を弁と全く同様にフランジ間に固定して流体通路を構成するので、ウエハー形バタフライ弁の提供を待たずに配管できる。しかも、その配管は多数の弁を付設した場合でも位置の変更を要しないで、そのまま模型を弁に取り換えて流体通路として使用できるものとなる。従って、ウエハー形バタフライ弁の提供がおくれても、配管の新設を予定通りに完成させることができる。
【0033】
また、模型を使用した配管では模型が配管のフランジに強く接着していて、模型とフランジとの間を引き離すことが一般に困難であるが、この発明では、フランジと模型との間を固定している締付具を緩めるとともに、フランジ周囲の上半部に位置する締付具を取り除き、代わりにネジ機構により伸縮可能な拡張具をフランジ間に挿入し、拡張具を伸長させてフランジの少なくとも上半部を開くこととするので、模型を落下させないで上方へ移動させることができ、従って模型をフランジから容易に脱出させることができる。その後は、模型を除いたあとに新しいウエハー形のバタフライ弁を挿入し、フランジ間を締付具で締め付けて弁をフランジ間に固定すれば足りるから、この流体通路の新設は容易である。
【0034】
また、既設の流体通路において、古くなったウエハー形バタフライ弁を取り換える際に、この発明方法によれば、バタフライ弁の取り換えが容易となる。すなわち、流体輸送用管に対をなして対向するフランジを付設し、フランジ間にウエハー形のバタフライ弁を挿入し、フランジの周囲に複数個の締付具を配置し、締付具でフランジ同士を締め付けて弁をフランジ間に固定して、既設の流体通路を形成しているので、弁はフランジに強く接着している。従って、その後に締付具を緩めただけでは、弁をフランジから容易に引き離すことができないのが普通である。ところが、この発明では、フランジ周囲に付設されている締付具を緩めるとともに、フランジ周囲の上半部に位置する締付具を取り除き、代わりにネジ機構により伸縮可能な拡張具をフランジ間に挿入し、拡張具を伸長させてフランジの少なくとも上半部を開くこととしたので、弁を上方へ容易に移動させることができ、従って弁をフランジの間から容易に脱出させることができる。その後は、こうして弁を取り除いたあとに新しいウエハー形のバタフライ弁を挿入し、フランジ間を締付具で締め付けて弁をフランジ間に固定すれば足りるので、弁の取り換えは容易である。
【0035】
このように、この発明は、弁の模型を用いて流体通路の新設を行うことができることとし、また既設の流体通路において、弁の取り換えを容易にできることとする、という効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウエハー形バタフライ弁が付設された流体通路の側面図である。
【図2】この発明方法により、模型をフランジ間に挿入したときの流体通路の側面図である。
【図3】この発明方法により、模型をフランジ間に固定したときの流体通路の側面図である。
【図4】この発明方法により、フランジの上半部に位置する締付具を取り除き、あとに拡張具を挿入したときの流体通路の側面図である。
【図5】この発明方法により、拡張具によりフランジ間を広げたときの流体通路の側面図である。
【図6】この発明に係るバタフライ弁の付設用器具(拡張具)の作動時の一部断面拡大図である。
【図7】この発明方法により、ウエハー形バタフライ弁を取り換えようとするときの、流体通路の側面図である。
【図8】この発明方法により、ウエハー形バタフライ弁を流体通路から取り除こうとするときの、流体通路の側面図である。
【図9】この発明方法により、拡張具を伸長させてフランジの間を広げてウエハー形バタフライ弁をフランジの間から脱出させようとするときの流体通路の側面図である。
【符号の説明】
1 ウエハー形バタフライ弁
2 管
3 フランジ
4 ボルト
5 ナット
6 模型
7 パッキン
10 バタフライ弁の付設用器具(拡張具)
11 ロングボルト
12 ロングナット
13、14 圧接部
15、16 平坦面
17 摺動面
18 スリッププレート
21 支点
22 支持体
61、62 模型6のフランジ3に向かう面
63 アイボルト
【発明の属する技術分野】
この発明は、バタフライ弁の付設方法に関するものであり、バタフライ弁を付設した流体通路を新たに設けたり、流体通路に付設したバタフライ弁を取り換えたりする際のバタフライ弁の付設方法に関するものである。とくに、この発明は、バタフライ弁としてウエハー形バタフライ弁を用いて、流体通路を新設したり又は弁の取り換えを行ったりするのに便利な弁の付設方法である。また、この発明は、弁を付設するためにフランジの間を広げるのに適した弁の付設用器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流体輸送用の管には弁が付設され、流量の調整が行われる。弁としてはバタフライ弁、とくにウエハー形のバタフライ弁が多く用いられる。
【0003】
バタフライ弁は流体輸送用の管に対をなして対向するフランジを付設し、フランジの間にバタフライ弁を挿入し、フランジ同士を締め付けることによって管に取り付けれられる。バタフライ弁には、管に向かう面にフランジを備えているものと、フランジを備えていないものとがある。フランジを備えていないバタフライ弁は、ウエハー形のバタフライ弁と呼ばれている。ウエハー形のバタフライ弁は、管に向かう面に柔軟性を持ったシートリングの側面を僅かに突出させているのが普通である。ウエハー形のバタフライ弁は、突出しているシートリングの側面を管に付設されたフランジの面に当接させてフランジの間に挟まれ、フランジの間にさしわたされたボルトとナットとによって締め付けられて、フランジ間に固定される。
【0004】
図1は、ウエハー形のバタフライ弁が、管に付設されてなる流体通路の一部切欠側面図である。図1において、1はウエハー形バタフライ弁であり、2は管であり、3は管2に付設されたフランジであり、4はボルトである。フランジ3はその周囲に等しい間隔をおいて多数の孔が穿設されており、その孔にボルト4が通され、ナット5により対向する2個のフランジを締め付けてバタフライ弁1を一体に保持している。こうして、バタフライ弁は2個のフランジの間に固定される。
【0005】
図1のような流体通路を新設するときは、従来はバタフライ弁1、管2、フランジ3、ボルト4及びナット5等の資材がすべて揃うのを待って、流体通路を敷設することとされた。しかし、バタフライ弁1は、仕様によってその構造及び材質が変更されるものであって、注文によって製作されることが多く、しかも他の材料、例えば管2及びフランジ3に比べて構造が複雑であるため、他の資材より提供の遅れることが多い。
【0006】
弁の提供が遅れた場合は、流体通路の設置は必然的に遅れることとなった。なぜならば、バタフライ弁の現物を用いないで、バタフライ弁の大きさを予測して配管すると、あとでそこに弁の現物を付設した場合に、多数の弁を付設した流路の先では配管を大きく移動させなければならない、というような事態が往々にして生じたからである。それは、要するに1個の弁では予測値と現実の大きさとの間の差違が小さくても、多数の弁を付設すると、その先では差違が倍増されることになるからである。このため、流路の設置は、前述のように、弁の到着を待って行うこととなったのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上述のような流体通路の設置のおくれを無くしようとするものである。すなわち、この発明は、弁の提供を待たずに、流体輸送管を敷設しておき、弁が提供されたあとで、流体通路に弁を付設することとし、しかもこのように弁をあとで付設しても、流体通路の先の方で大きな誤差を生ぜず、従って先の方の配管を移動させるような事態を招来しないような、流体通路の敷設方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題解決のための手段】
この発明者は、主要部がウエハー形のバタフライ弁と同大の模型を用意し、弁の代わりに模型を使用して、模型を弁と全く同様に管の間に付設して、予め配管することによって上記の課題を解決しようとした。ところが、模型と弁と同様に管に付設されたフランジの間に付設すると、模型がフランジに強固に接着された状態となるために、模型をあとでフランジから取り除くことが厄介で煩瑣となる。そこで、この発明者は、模型をフランジから取り除くことを容易にするために、特殊な器具、機能から云えば、フランジ間の拡張具を使用することを試み、その結果、拡張具を用いると模型の取り除きが容易となることを見出した。
【0009】
また、上述の拡張具は、流体通路を新設する際の模型の取り除きに使用できるだけでなく、既設の流体通路において、弁の交換のために古い弁を取り除くのにも使用でき、これによって弁の交換が容易になることを見出した。この発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
【0010】
この発明は、流体通路を新設する際のウエハー形バタフライ弁の付設方法を提供するものである。その方法は、流体輸送用の管に対をなして対向するフランジを付設し、フランジの間にウエハー形バタフライ弁に相当する大きさを持った模型を挿入し、フランジの周囲に複数個の締付具を配置し、締付具でフランジ同士を締め付けることによって模型をフランジ間に固定して流体通路を構成し、その後にフランジ周囲の締付具を緩めるとともに、フランジ周囲の上半部に位置する締付具を取り除き、代わりにネジ機構により伸縮可能な拡張具をフランジ間に挿入し、拡張具を伸長させてフランジの少なくとも上半部を開き、模型を上方へ移動させてフランジの間から脱出させ、そのあとに新しいウエハー形バタフライ弁を挿入し、拡張具を取り除き、代わりにフランジ間に締付具を付設し、フランジ同士を締付具で締め付けて弁をフランジ間に固定することを特徴とするものである。
【0011】
また、この発明は、既設の流体通路において古い弁を新しい弁に取り換える際の弁の付設方法を提供するものである。その方法は、流体輸送用管に対をなして対向するフランジを付設し、フランジの間にウエハー形のバタフライ弁を挿入し、フランジの周囲に複数個の締付具を配置し、締付具でフランジ同士を締め付けることによって弁をフランジ間に固定して流体通路を構成し、その後に、フランジ周囲の締付具を緩めるとともに、フランジ周囲の上半部に位置する締付具を取り除き、代わりにネジ機構により伸縮可能な拡張具をフランジ間に挿入し、拡張具を伸長させてフランジの少なくとも上半部を開き、弁を上方へ移動させてフランジの間から脱出させ、そのあとに新しいウエハー形バタフライ弁を挿入し、拡張具を取り除き、代わりにフランジ間に締付具を付設し、フランジ同士を締付具で締め付けて弁をフランジ間に固定することを特徴とするものである。
【0012】
また、この発明は、フランジの間を開くのに適した拡張具を提供するものである。その拡張具は、長いネジ部を持ったロングボルトとロングナットとを噛み合わせてネジ機構により伸縮する伸縮体を構成し、伸縮体の両端に圧接部を付設し、圧接部の端には伸縮方向に垂直に広がってフランジに当接する平坦面を形成し、ロングボルトとロングナットのうちの一方を回転可能とし、回転可能とされた側に付設されている圧接部には回転体との間に、上記平坦面と平行な摺動面を形成したことを特徴とするものである。
【0013】
この発明を実施の一例について図面に基づき説明すると、次のとおりである。図2ないし図5は、ウエハー形のバタフライ弁を用いてこの発明方法によって流体通路を新設するときの状態を示した流体通路の側面図である。図6は、この発明に係る拡張具の使用状態における断面図である。図7はないし図9は、この発明方法によって既設の弁を取り換えるときの状態を示した流体通路の側面図である。
【0014】
図2ないし図5は、付設しようとする弁と主要部が同じ形状及び大きさの弁の模型を用意し、この発明方法に従って、模型を管の間に固定し、その後模型を取り外して行く状態を示している。
【0015】
図2は、所定の位置に配置した管2に1対の対向するフランジ3を付設し、フランジ3,3の間に模型6を挿入した状態を示している。模型6は、主要部が設置すべき弁に相当する形状及び大きさに作られている。模型6の主要部とは、フランジ3に対向する面61及び62の形状及び大きさと、面61と62との間の距離を指し、これらが設置すべき弁の距離に正確に一致すべきことを意味している。ウエハー形のバタフライ弁では、面61と62とに柔軟なゴム製のシートリングが僅かに突出しているのが普通であるから、模型6の面61と62には、そのシートリングに相当するパッキン7を模型6とフランジ3との間に介在させる。
【0016】
模型6は、金属で作られることが好ましい。しかし、それ以外の硬い材料、例えば合成樹脂、木材等で作られていてもよい。図2では模型6にアイボルト63が付設されているが、アイボルト63は模型6を吊り下げてフランジ間に運ぶのに便利なように付設したものである。
【0017】
図2に示したように、フランジ3,3の間に挿入された模型6は、その後、図3に示したように、ボルト4とナット5からなる締付具によって対向するフランジ3の間に固定される。その固定の態様は、図1に示した弁の普通の固定と変りがない。すなわち、フランジ3には周囲方向に等しい間隔をおいて複数個の孔が穿設されているので、これらの孔にボルト4を通し、ボルト4にナット5を嵌め締め付けることによって、模型6はフランジ3,3の間に固定される。
【0018】
弁の設置が必要とされるすべての個所に、図3に示したように次々と模型6を固定して、流体通路を敷設する。こうして模型6が固定された通路は、弁が提供されるまでそのまま放置される。この放置期間が暫らく続くと、フランジ3と模型6との間にはパッキン7が介在しており、また締付具による締め付けは、実際の弁を締め付けるときとほぼ同じような強い力でなされているから、模型6はフランジ3に対して強く接着するに至る。そのため、その後は締付具を緩めただけでは、模型6をフランジ3,3から引き離すことができなくなっている。
【0019】
この発明では、弁が提供されると、模型を取り外し、代わりに弁をフランジ間に固定することが必要となる。模型を取り外すために、まずフランジの周囲に付設されているすべての締付具を緩める。次いで、締付具を取り外すこととなるが、その場合、フランジ周囲の上半部に位置する締付具だけをすべて取り除くこととし、フランジ周囲の下半部に位置する締付具は少なくともその一部を残すようにする。これは、フランジ間に捩れなどの位置移動を生じさせないためと、模型が不慮の落下を起こすのを防ぐためである。このような締付具の除去までは、一般に問題なく容易に行うことができる。
【0020】
ところが、模型6をフランジ3の間から脱出させることは、締付具を取り外しただけでは容易にできない。それは、模型がフランジ間に固定された状態で暫らく放置されると、前述のように、模型はフランジの間に強く接着するに至るからである。そのために、模型6を無理にフランジ3から引き離すことが必要となる。この場合、模型6とフランジ3との間に楔などを無理に挿入すると、フランジを傷つけることになる。そこで、この発明では模型をフランジから引き離すために、ネジ機構により伸縮可能な拡張具10を用いることとする。
【0021】
拡張具10は、図6に示したように長いネジ部を持ったロングボルト11と、同じく長いネジ部を持ったロングナット12とを噛み合わせて、ネジ機構により伸縮可能な伸縮体を作り、その両端に圧接部13と14とを付設して構成されたものである。圧接部13と14との端には、伸縮方向に垂直に広がってフランジに当接される平坦面15と16とが、それぞれ形成されている。
【0022】
ロングボルト11とロングナット12のうち、何れか一方が回転される。図6ではロングナット12が回転されるようになっている。回転されるロングナット12に付設された圧接部14は、ロングナット12との間に摺動面17が形成されている。摺動面17は平坦面16と平行に延びている。摺動面17には複数個のスリッププレート18が介在して、ロングナット12が回転されても、圧接部14は回転しないようにされている。図6に示した例では、圧接部14は円板状の頭を持った栓の形状にされていて、足に該当する小径部がロングナット12の孔内に嵌まり、ロングナット12に対して回転可能な状態に置かれているので、ロングナット12が回転されても、圧接部14は回転しないこととなる。
【0023】
この発明では、上述のような拡張具10を図4に示すように、フランジ3の上半部より下方に当接し、伸長させる。このとき、伸長具10は、弁の中心を通る垂直面に対して左右対称の位置に設けて、左右対称に伸長させることが好ましい。伸長させるにはロングナット12を回転させる。すると、拡張具10は両端に位置する平坦面15と16とをそれぞれフランジ3に当接し、圧接部をフランジ面上で静止させた状態で伸長するから、フランジ3,3を傷つけないで、その間を徐々に開くことができる。このとき、フランジ3の下半部に残っている締付具は、既に緩められているから、上半部の開きは下半部に及んで、模型6はフランジ3から離れることとなる。必要ならば、下半部にさらに別の拡張具10を追加して付設してもよい。
【0024】
こうして、拡張具10により模型6とフランジ3との間が離されると、図5に示したように、模型6はパッキン7を伴なってフランジ3から離れる。この状態になると、アイボルト63を吊り上げて、模型6をフランジ3,3の間で上方に移動させ、フランジの間から脱出させることができる。こうして、模型6をフランジ3,3の間から脱出させたあとで、模型の位置していたところに弁を挿入する。
【0025】
フランジ3,3間に挿入された弁は、さきに模型6がフランジ間に固定されたのと全く同様にして、フランジ3,3間にボルト4をさしわたし、ナット5を締め付けて固定される。こうして、流体通路を新たに設置することができる。
【0026】
上述の流体通路を新設する方法は、弁の模型を流体通路に組み込み、あとで模型を取り除いて弁とおきかえる点に特色を持っている。この模型の取り除きの技術は、既に述べたように、既設の流体通路において、古い弁を新しい弁に取り換えようとする場合に、古い弁を除去するのに適用できる。従って、この発明は、別の面では既設の流体通路において、弁を取り換えようとする場合の弁の付設方法を提供するものである。図7ないし図9は、このような場合の弁の付設方法の一例を示している。
【0027】
図7では、ウエハー形のバタフライ弁1が、管2に付設されたフランジ3,3の間に挟持され、ボルト4及びナット5により締め付けられて固定されている。このバタフライ弁1は、フランジ3に向かう面上にシートリングの側面を突出させているから、シートリングの側面がフランジ3に押圧されて密接している。このため、ナット5を回転させボルト4を緩めただけでは、弁1の当接面をフランジ3から離すことができない。
【0028】
そこで、まず弁1に無理な力を加えても、対向するフランジ3,3が捩れるなどの位置移動を起こさないようにするために、管2に付設されている支点21に支持体22を付設して、支持体22の端を周囲に固定する。次いで、すべてのナット5を緩めて、2つのフランジ3,3の間に開くことのできる余地を設ける。その後、フランジ3の上半部にあるボルト4をすべて外し、そのあとに拡張具10を付設して、図8に示したような状態にする。
【0029】
拡張具10は唯1個でなく、必要に応じて多数付設する。こうして拡張具10を伸長させる。すると、2つのフランジ3の間が開いて図9に示したような状態となり、2つのフランジ3は何れも弁1の面から離れる。この状態となったとき、弁1を上方へ移動させて、フランジ3の間から脱出させる。こうして古い弁1を流体通路から外すことができる。
【0030】
古い弁が取り除かれたあとに、新しい弁1を挿入し、その後は、さきに模型を固定したのと全く同じようにして、フランジ3の間に新しい弁1を固定する。すなわち、新しい弁を挿入した後、拡張具10を取り除き、代わりに2つのフランジ3,3間にボルト4をさしわたし、ボルト4をナット5で締め付けて、2つのフランジ3,3の間に新しい弁を固定する。こうして弁を取り換えることができる。
【0031】
【発明の効果】
この発明に係る拡張具、すなわちバタフライ弁の付設用器具では、伸縮可能な伸縮体の両端に圧接部を付設し、圧接部の端には伸縮方向に垂直に広がってフランジに当接する平坦面を形成したので、初めに伸縮体を縮めて平坦面を対向するフランジの間に当接させ、その後に伸縮体を伸長させることによって、フランジの間を広げることができる。伸縮体は、長いネジ部を持ったロングボルトとロングナットとの噛み合わせで構成されているから、ボルト又はナットの一方を回転させることにより、とくにその回転力の調節によって希望する速度で、フランジの間を広げることができる。また、ボルトとナットのうち、回転する側に付設された圧接部では、回転体との間に平坦面と平行な摺動面を形成したので、回転体が回転しても圧接部は回転しないで、平坦面を常に静止した状態でフランジに当接させており、従ってフランジ面を傷つけることがない。このため、この弁付設用器具によれば、フランジ間を円滑に容易に広げることができ、従って、フランジ間に挟んだ模型又は古いバタフライ弁を、容易にフランジから引き離し、脱出させることができる。こうして弁の付設を容易にする。
【0032】
また、流体通路を新設する際のこの発明方法によれば、流体輸送用管に対をなして対向するフランジを付設し、フランジ間にウエハー形のバタフライ弁に相当する大きさを持った模型を挿入し、フランジの周囲に複数個の締付具を配置し、締付具でフランジ同士を締め付け、模型を弁と全く同様にフランジ間に固定して流体通路を構成するので、ウエハー形バタフライ弁の提供を待たずに配管できる。しかも、その配管は多数の弁を付設した場合でも位置の変更を要しないで、そのまま模型を弁に取り換えて流体通路として使用できるものとなる。従って、ウエハー形バタフライ弁の提供がおくれても、配管の新設を予定通りに完成させることができる。
【0033】
また、模型を使用した配管では模型が配管のフランジに強く接着していて、模型とフランジとの間を引き離すことが一般に困難であるが、この発明では、フランジと模型との間を固定している締付具を緩めるとともに、フランジ周囲の上半部に位置する締付具を取り除き、代わりにネジ機構により伸縮可能な拡張具をフランジ間に挿入し、拡張具を伸長させてフランジの少なくとも上半部を開くこととするので、模型を落下させないで上方へ移動させることができ、従って模型をフランジから容易に脱出させることができる。その後は、模型を除いたあとに新しいウエハー形のバタフライ弁を挿入し、フランジ間を締付具で締め付けて弁をフランジ間に固定すれば足りるから、この流体通路の新設は容易である。
【0034】
また、既設の流体通路において、古くなったウエハー形バタフライ弁を取り換える際に、この発明方法によれば、バタフライ弁の取り換えが容易となる。すなわち、流体輸送用管に対をなして対向するフランジを付設し、フランジ間にウエハー形のバタフライ弁を挿入し、フランジの周囲に複数個の締付具を配置し、締付具でフランジ同士を締め付けて弁をフランジ間に固定して、既設の流体通路を形成しているので、弁はフランジに強く接着している。従って、その後に締付具を緩めただけでは、弁をフランジから容易に引き離すことができないのが普通である。ところが、この発明では、フランジ周囲に付設されている締付具を緩めるとともに、フランジ周囲の上半部に位置する締付具を取り除き、代わりにネジ機構により伸縮可能な拡張具をフランジ間に挿入し、拡張具を伸長させてフランジの少なくとも上半部を開くこととしたので、弁を上方へ容易に移動させることができ、従って弁をフランジの間から容易に脱出させることができる。その後は、こうして弁を取り除いたあとに新しいウエハー形のバタフライ弁を挿入し、フランジ間を締付具で締め付けて弁をフランジ間に固定すれば足りるので、弁の取り換えは容易である。
【0035】
このように、この発明は、弁の模型を用いて流体通路の新設を行うことができることとし、また既設の流体通路において、弁の取り換えを容易にできることとする、という効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウエハー形バタフライ弁が付設された流体通路の側面図である。
【図2】この発明方法により、模型をフランジ間に挿入したときの流体通路の側面図である。
【図3】この発明方法により、模型をフランジ間に固定したときの流体通路の側面図である。
【図4】この発明方法により、フランジの上半部に位置する締付具を取り除き、あとに拡張具を挿入したときの流体通路の側面図である。
【図5】この発明方法により、拡張具によりフランジ間を広げたときの流体通路の側面図である。
【図6】この発明に係るバタフライ弁の付設用器具(拡張具)の作動時の一部断面拡大図である。
【図7】この発明方法により、ウエハー形バタフライ弁を取り換えようとするときの、流体通路の側面図である。
【図8】この発明方法により、ウエハー形バタフライ弁を流体通路から取り除こうとするときの、流体通路の側面図である。
【図9】この発明方法により、拡張具を伸長させてフランジの間を広げてウエハー形バタフライ弁をフランジの間から脱出させようとするときの流体通路の側面図である。
【符号の説明】
1 ウエハー形バタフライ弁
2 管
3 フランジ
4 ボルト
5 ナット
6 模型
7 パッキン
10 バタフライ弁の付設用器具(拡張具)
11 ロングボルト
12 ロングナット
13、14 圧接部
15、16 平坦面
17 摺動面
18 スリッププレート
21 支点
22 支持体
61、62 模型6のフランジ3に向かう面
63 アイボルト
Claims (3)
- 流体輸送用管に対をなして対向するフランジを付設し、フランジの間にウエハー形のバタフライ弁に相当する大きさを持った模型を挿入し、フランジの周囲に複数個の締付具を配置し、締付具でフランジ同士を締め付けることによって模型をフランジ間に固定して流体通路を構成し、その後にフランジ周囲の締付具を緩めるとともに、フランジ周囲の上半部に位置する締付具を取り除き、代わりにネジ機構により伸縮可能な拡張具をフランジ間に挿入し、拡張具を伸長させてフランジの少なくとも上半部を開き、模型を上方へ移動させてフランジの間から脱出させ、そのあとに新しいウエハー形のバタフライ弁を挿入し、拡張具を取り除き、代わりにフランジ間に締付具を付設し、フランジ同士を締付具で締め付けて弁をフランジ間に固定することを特徴とする、バタフライ弁の付設方法。
- 流体輸送用管に対をなして対向するフランジを付設し、フランジの間にウエハー形のバタフライ弁を挿入し、フランジの周囲に複数個の締付具を配置し、締付具でフランジ同士を締め付けることによって弁をフランジ間に固定して流体通路を構成し、その後にフランジ周囲の締付具を緩めるとともに、フランジ周囲の上半部に位置する締付具を取り除き、代わりにネジ機構により伸縮可能な拡張具をフランジ間に挿入し、拡張具を伸長させてフランジの少なくとも上半部を開き、弁を上方へ移動させてフランジの間から脱出させ、そのあとに新しいウエハー形のバタフライ弁を挿入し、拡張具を取り除き、代わりにフランジ間に締付具を付設し、フランジ同士を締付具で締め付けて弁をフランジ間に固定することを特徴とする、バタフライ弁の付設方法。
- 長いネジ部を持ったロングボルトとロングナットとを噛み合わせて、ネジ機構により伸縮する伸縮体を構成し、伸縮体の両端に圧接部を付設し、圧接部の端には伸縮方向に垂直に広がってフランジに当接する平坦面を形成し、ロングボルトとロングナットのうちの一方を回転可能として、回転可能とされた側に付設されている圧接部には回転体との間に、上記平坦面と平行な摺動面を形成したことを特徴とする、バタフライ弁の付設用器具。
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Cited By (2)
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KR101934553B1 (ko) * | 2016-08-11 | 2019-01-02 | (주)플로트론 | 스몰 볼륨 프로바의 밸브 교환장치 |
CN110549280A (zh) * | 2019-09-29 | 2019-12-10 | 广船国际有限公司 | 蝶阀定位工装及使用方法 |
-
2002
- 2002-08-23 JP JP2002242898A patent/JP2004084700A/ja active Pending
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Effective date: 20050722 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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