【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細胞表面におけるｃ−ｋｉｔの発現を阻害するｃ−ｋｉｔ発現阻害剤、毛薄色化剤及び美白用組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
日焼け後の色素沈着やシミ・ソバカスは、一般に皮膚の紫外線暴露による刺激やホルモンの異常又は遺伝的要素等によって皮膚内に存在する色素細胞（メラノサイト）が活性化されメラニン産生が亢進した結果生じるものと考えられている。また、毛髪や体毛の色もメラニンの産生量に依存している。
【０００３】
一方、ｃ−ｋｉｔは、造血細胞の増殖、分化を促す膜結合型の増殖因子として知られているステムセルファクター（Ｓｔｅｍ ｃｅｌｌ ｆａｃｔｏｒ、以下「ＳＣＦ」という）の受容体として、造血幹細胞の表面に発現している。
【０００４】
近年、ｃ−ｋｉｔが造血細胞の他に、肥満細胞や生殖細胞の表面にも発現していることが明らかになり、ＳＣＦが肥満細胞上のｃ−ｋｉｔレセプターに結合することにより、肥満細胞が遊走、分化・増殖し、これにより喘息やアトピー性皮膚炎等の即時型アレルギーが引き起こされることが報告されている（非特許文献１参照）。
【０００５】
そして最近では、ｃ−ｋｉｔの構造と機能の解析が進み、ｃ−ｋｉｔがメラノサイトにも発現し、ｃ−ｋｉｔ遺伝子の異常により皮膚色素細胞の部分的欠如が起こることや、胎生期におけるメラノプラストの遊走と増殖維持にｃ−ｋｉｔが必要であること等が報告され、メラニンの生産にＳＣＦ及びｃ−ｋｉｔが深く関与すると考えられている（非特許文献２参照）。
【０００６】
従って、メラノサイトや肥満細胞表面上でのｃ−ｋｉｔの発現を阻害し、ＳＣＦの当該細胞表面への結合を特異的に阻害することができれば、メラニンの過剰産生やアレルギー反応を抑制することができ、皮膚の褐色化、シミ・ソバカスの発生の予防及び防止、毛髪や体毛の薄色化、更には関連するアレルギー疾患の予防及び治療が可能となる。
【０００７】
しかしながら、細胞表面上におけるｃ−ｋｉｔの発現を調節する物質は、これまでに全く知られていない。
【０００８】
本発明の目的は、メラノサイトや肥満細胞上におけるｃ−ｋｉｔの発現を阻害し、医薬又は化粧料として有用なｃ−ｋｉｔ発現阻害剤、毛薄色化剤及び美白用組成物を提供することにある。
【０００９】
【非特許文献１】
Ｊ．Ｉｍｍｕｎｏｌ １９９６ Ｍａｙ １５；１５６（１０）， ３９４５−３９５１
【非特許文献２】
Ｊ．Ｉｎｖｅｓｔ Ｄｅｒｍａｔｏｌ １１１， ｐ２３３−２３８， １９９８
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、細胞表面におけるｃ−ｋｉｔの発現を特異的に阻害する天然物を探索したところ、特定の植物又はその抽出物に、ｃ−ｋｉｔの発現阻害活性があり、メラニンの過剰産生に起因する色素沈着やシミ・ソバカスの発生抑制、毛の薄色化、即時型アレルギーの発生予防又は治療のための医薬又は化粧料として有用であることを見出した。
【００１１】
すなわち本発明は、ゴシュユ、チクセツニンジン、マオウ、ウワウルシ若しくはアラビアゴム又はそれらの抽出物を含有するｃ−ｋｉｔ発現阻害剤、毛薄色化剤及び美白用組成物を提供するものである。
【００１２】
【発明の実施の形態】
本発明のｃ−ｋｉｔ発現阻害剤とは、細胞表面、特に肥満細胞やメラノサイト表面上におけるｃ−ｋｉｔの発現を阻害し、メラニンの過剰生成に伴う皮膚の褐色化やシミ・ソバカスの発生の予防又は防止効果、毛髪や体毛の薄色化効果、又はアレルギー性皮膚炎等の即時型アレルギーの予防又は治療効果を有するものをいう。
また、毛薄色化剤とは、毛のメラニン量を低減化し、毛の色を薄くする剤のこといい、この毛薄色化剤を用いることにより、髪の色を明るくしたり、むだ毛を目立たなくすることが可能である。
【００１３】
本発明におけるゴシュユとは、ミカン科（Ｒｕｔａｃｅａｅ）のＥｖｏｄｉａ ｒｕｔａｅｃａｒｐａ Ｂｅｎｔｈａｍ又はＥｖｏｄｉａ ｏｆｆｉｃｉｎａｌｉｓ Ｄｏｄｅを、チクセツニンジンとは、ウコギ科（Ａｒａｌｉａｃｅａｅ）のトチバニンジン Ｐａｎａｘ ｊａｐｏｎｉｃｕｓ Ｃ． Ａ． Ｍｅｙｅｒを、マオウとは、マオウ科（Ｅｐｈｅｄｒａｃｅａｅ）のＥ． ｓｉｎｉｃａ Ｓｔａｐｆ又はその他同属植物を、ウワウルシとは、ツツジ科（Ｅｒｃａｃｅａｅ）のＡｒｃｔｏｓｔａｐｈｙｌｏｓ ｕｗａ−ｕｒｓｉ （Ｌ．） Ｓｐｒｅｎｇｅｌをそれぞれ意味する。
また、アラビアゴムとは、マメ科（Ｌｅｇｕｍｉｎｏｓａｅ）のＡｃａｃｉａ ｓｅｎｅｇａｌ Ｗｉｌｌｄｅｎｏｗ又はその他同属植物の幹及び枝から得た分泌物をいう。
【００１４】
上記植物は、その植物の全草、葉、樹皮、枝、果実又は根等をそのまま又は粉砕して用いることができるが、ゴシュユについては果実を、トチバニンジンについては根茎を、マオウについては茎を、ウワウルシについては葉を使用するのが好ましい。
【００１５】
また、本発明における抽出物とは、上記植物又はアラビアゴムを常温又は加温下にて抽出するか又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得られる各種溶媒抽出液、その希釈液、その濃縮液又はその乾燥末を意味するものである。
【００１６】
本発明の抽出物を得るために用いられる抽出溶剤としては、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができる。例えば、水；メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類；プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類；アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類；酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類；テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類；ポリエチレングリコール等のポリエーテル類；ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類；ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類；ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類；ピリジン類等が挙げられ、これらは混合物として用いることができる。
【００１７】
上記の抽出物は、そのまま用いることもできるが、当該抽出物を希釈、濃縮若しくは凍結乾燥した後、粉末又はペースト状に調製して用いることもできる。
また、液々分配等の技術により、上記抽出物から不活性な夾雑物を除去して用いることもでき、本発明においてはこのようなものを用いることが好ましい。これらは、必要により公知の方法で脱臭、脱色等の処理を施してから用いてもよい。
【００１８】
尚、本発明の植物、アラビアゴム又はそれらの抽出物は、２種以上を混合して用いてもよい。
【００１９】
本発明の植物、アラビアゴム又はそれらの抽出物は、後記実施例に示すようにメラノサイトにおけるｃ−ｋｉｔの発現阻害活性を有し、これの有効量を含有させればｃ−ｋｉｔ発現阻害剤、毛薄色化剤及び美白用組成物が得られる。斯かる有効成分の含有量は、上記植物及びアラビアゴムとしては、乾燥重量換算で当該組成物中に０．１〜２０重量％、特に０．５〜１０重量％含有することが好ましく、抽出物としては、固形分換算で０．０００１〜１０重量％、特に０．００１〜５重量％含有することが好ましい。
【００２０】
本発明のｃ−ｋｉｔ発現阻害剤、毛薄色化剤又は美白用組成物には、皮膚化粧料に配合される薬効成分、例えば微粒子酸化亜鉛、酸化チタン、パーソールＭＣＸ、パーソール１７８９等の紫外線吸収剤、アスコルビン酸等のビタミン類、ヒアルロン酸ナトリウム等の保湿剤、ホルモン剤、及びコウジ酸、アルブチン、プラセンタエキス、カミツレエキス、ルシノール等の他の美白成分を添加配合することができる。
【００２１】
本発明のｃ−ｋｉｔ発現阻害剤、毛薄色化剤又は美白用組成物は、外用剤の他、内服剤、注射剤等、種々の形態の製剤とすることができるが、通常は、医薬品、医薬部外品、化粧品等の外用剤として用いることが好ましい。
【００２２】
また、本発明のｃ−ｋｉｔ発現阻害剤、毛薄色化剤又は美白用組成物を外用剤として用いる場合は、例えばクリーム、ローション、乳剤、軟膏、ゲル、パック、フォーム、エッセンス、スティック、パウダー等とするのが好ましい。
【００２３】
斯かる外用剤には、化粧品、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種成分、例えばチョーク、タルク、フラー土、カオリン、デンプン、ゴム、コロイドシリカナトリウムポリアクリレート等の粉体；例えば鉱油、植物油、シリコーン油等の油又は油状物質；例えばソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、グリセロールモノオレエート、高分子シリコーン界面活性剤等の乳化剤；パラ−ヒドロキシベンゾエートエステル等の防腐剤；ブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤；グリセロール、ソルビトール、２−ピロリドン−５−カルボキシレート、ジブチルフタレート、ゼラチン、ポリエチレングリコール等の湿潤剤；トリエタノールアミン又は水酸化ナトリウムのような塩基を伴う乳酸等の緩衝剤；グリセロールエーテル及び合成、動物性又は植物性セラミド等の界面活性剤；密ろう、オゾケライトワックス、パラフィンワックス等のワックス類；増粘剤；活性増強剤；着色料；香料等、を必要に応じ適宜組合せて用いることができる。
【００２４】
本発明のｃ−ｋｉｔ発現阻害剤、毛薄色化剤又は美白用組成物の使用量は、有効成分の含有量により異なるが、例えばクリーム状、軟膏状の場合、皮膚面１ｃｍ２当たり１〜２０ｍｇ、液状製剤の場合、同じく１〜１０ｍｇ使用するのが好ましい。
【００２５】
【実施例】
製造例１ ゴシュユ抽出物の製造
原料１０ｇに対し、５０％エタノール２５ｍＬで約１０日間かけて室温で抽出した。その後ろ過してエキスを得た。
【００２６】
製造例２
製造例１に準じて下記表１に示す各抽出物を調製した。
【００２７】
【表１】
【００２８】
実施例１ ｃ−ｋｉｔ発現阻害活性
９６穴と２４穴プレートにヒト培養メラノサイトを播種し、セミコンフルエントになるまで培養後、表２に示す各抽出物を０．１％（ｖ／ｖ）の濃度で添加し、さらに４日間培養した。ｃ−ｋｉｔの発現量は、２４穴プレートに１２５Ｉ−ＳＣＦ（１ｎＭ）を加え、室温下にて９０分間反応させた後、メラノサイトへの１２５Ｉ−ＳＣＦ結合量をγ−カウンターで測定することにより求めた。その際１２５Ｉ−ＳＣＦに対してその１００倍量の未標識ＳＣＦを加えることで非特異的結合量とした。５０％ＥｔＯＨを終濃度で０．１％になるように添加した時の測定値から非特異的結合分の値を差し引いた値を１００％とし、これに対する相対値で評価した。
また、植物抽出物の細胞毒性のチェックは９６穴プレートにａｌａｍａＢｌｕｅを添加し、９０分間反応後の吸光度を測定することで求めた。毒性のない呼吸活性を１００％としたときの各種植物抽出物の呼吸活性を示す。
なお、ＳＣＦの添加によりｃ−ｋｉｔの発現は減少することから、ｃ−ｋｉｔ発現阻害剤の陽性コントロールとした。結果を表２に併せて示す。
【００２９】
【表２】
【００３０】
表２に示したとおり、本発明の抽出物は、ｃ−ｋｉｔの発現を阻害することが認められた。
【００３１】
実施例２ ＵＶＢ誘導色素沈着形成抑制効果
（１）ＵＶＢの照射
６週齢、雌の褐色モルモット６匹の背部に色素沈着形成誘導可能な３００ｍＪ／ｃｍ２、２回２日の条件でＵＶＢを照射した。
（２）植物抽出物の塗布
７０％ＥｔＯＨをベースに製造例１で得られたゴシュユ抽出物を５％（ｖ／ｖ）の濃度で配合した。ＵＶＢ照射の１週間前から１日３回塗布し、ＵＶＢ照射後もゴシュユ抽出物の塗布を継続した。
（３）色差計による測定
ゴシュユ抽出物、溶媒コントロールである７０％ＥｔＯＨ塗布部位の明度（Ｌ値）を塗布前、１回目のＵＶＢ照射の直前、その日からさらに７、１４、２１日後に色彩色差計（日本電色工業３００Ａ）にて測定し、塗布前のＬ値との差（ｄＬ）を算出して黒化度の指標とした。結果を図１に示す。
図１より、ゴシュユ抽出物はＵＶＢ誘導色素沈着形成を抑制することが示された。
【００３２】
実施例３ 毛薄色化効果
（１）植物抽出物の塗布
毛の成長が休止期にある６週齢のＣ５７ＢＬ／６Ｊマウスの背部皮膚を抜毛し、成長期を誘導した。その直後からポリエチレングリコール（ＰＥＧ）４００とＰＥＧ３４００を９５：５の比率で混合したものをベースにゴシュユ抽出物を０．７％（ｗ／ｖ）で配合して塗布を開始した。次の休止期に入ったことが確認できるまで２５日間一日あたり２回の塗布を行った（Ｃ５７ＢＬ／６Ｊマウスは成長期の誘導後１８日前後で休止期に入ることが知られている）。
（２）メラニン量の定量
ゴシュユ抽出物を２５日間連続塗布した背部毛を回収し、デジケータ内で十分乾燥後、Ｓｏｌｕｅｎｅ−３５０と水を９：１で混合した溶液に２ｍｇ／ｍｌの濃度になるように溶解し、７０℃で１時間加熱溶解した。その後室温で２時間放置後、４９０ｎｍの波長における吸光度を測定し、毛における単位重量あたりのメラニン量を求めた。シグマ社製のメラニンを溶解して２段階希釈系列を作成し、これをメラニン量のスタンダードとして、塗布したサンプルのメラニン合成阻害効果を評価した。結果を図２に示す。
【００３３】
【発明の効果】
本発明のｃ−ｋｉｔ発現阻害剤、毛薄色化剤及び美白用組成物は、皮膚におけるメラニンの過剰産生を抑制し、日焼け後の色素沈着やシミ・ソバカスの予防又は防止、毛髪及び体毛の薄色化、アレルギー性皮膚炎等の即時型アレルギー疾患の予防又は治療に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、ＵＶＢ誘導色素沈着形成抑制効果を示す図である。
【図２】図２は、メラニン合成阻害効果を示す図である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a c-kit expression inhibitor that inhibits c-kit expression on a cell surface, a hair thinning agent, and a whitening composition.
[0002]
Problems to be solved by the prior art and the invention
Pigmentation and spots and freckles after sunburn are generally the result of the activation of pigment cells (melanocytes) present in the skin due to the stimulation of the skin due to exposure to ultraviolet rays, hormonal abnormalities or genetic factors, etc., resulting in enhanced melanin production. It is believed that. The color of hair and body hair also depends on the amount of melanin produced.
[0003]
On the other hand, c-kit is expressed on the surface of hematopoietic stem cells as a receptor for stem cell factor (Stem cell factor, hereinafter referred to as “SCF”) known as a membrane-bound growth factor that promotes proliferation and differentiation of hematopoietic cells. are doing.
[0004]
In recent years, it has been revealed that c-kit is expressed not only on hematopoietic cells but also on the surface of mast cells and germ cells, and the binding of SCF to the c-kit receptor on mast cells allows mast cells to be expressed. It has been reported that they migrate, differentiate and proliferate, thereby causing immediate allergy such as asthma and atopic dermatitis (see Non-Patent Document 1).
[0005]
Recently, analysis of the structure and function of c-kit has progressed, and c-kit is also expressed in melanocytes, and abnormalities in the c-kit gene cause partial absence of skin pigment cells, and melanoplasts during embryonic development It is reported that c-kit is required for the migration and maintenance of growth of S. cerevisiae, and it is thought that SCF and c-kit are deeply involved in the production of melanin (see Non-Patent Document 2).
[0006]
Therefore, if the expression of c-kit on melanocytes and mast cell surfaces can be inhibited and the binding of SCF to the cell surface can be specifically inhibited, overproduction of melanin and allergic reactions can be suppressed. , Skin browning, prevention and prevention of occurrence of spots and freckles, lightening of hair and body hair, and prevention and treatment of related allergic diseases.
[0007]
However, no substance that regulates c-kit expression on the cell surface has been known at all.
[0008]
An object of the present invention is to provide a c-kit expression inhibitor, a hair thinning agent, and a whitening composition that inhibit c-kit expression on melanocytes and mast cells, and are useful as pharmaceuticals or cosmetics. is there.
[0009]
[Non-patent document 1]
J. Immunol 1996 May 15; 156 (10), 3945-3951.
[Non-patent document 2]
J. Invest Dermatol 111, p233-238, 1998.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have searched for a natural product that specifically inhibits c-kit expression on the cell surface, and found that a specific plant or an extract thereof has c-kit expression inhibitory activity, resulting in overproduction of melanin. It has been found that it is useful as a pharmaceutical or cosmetic for suppressing the occurrence of pigmentation and spots and freckles caused by the above, making the hair lighter, and preventing or treating the occurrence of immediate allergy.
[0011]
That is, the present invention provides a c-kit expression inhibitor, a hair lightening agent, and a composition for whitening, containing goshuyu, ginseng, ephedra, eel, or gum arabic or an extract thereof.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The c-kit expression inhibitor of the present invention inhibits c-kit expression on cell surfaces, particularly mast cells and melanocyte surfaces, and prevents skin browning and the occurrence of spots and freckles due to excessive production of melanin. Or an effect having a preventive effect, a lightening effect on hair or body hair, or a preventive or therapeutic effect on immediate allergy such as allergic dermatitis.
In addition, a hair lightening agent is an agent that reduces the amount of melanin in hair and lightens the color of hair. By using this hair thinning agent, the hair is lightened or waste hair is used. Can be made less noticeable.
[0013]
Goshuyu in the present invention refers to Evodia rutaecarpa Bentham or Evodia officinalis Dode of the Rutaceae family (Rutaceae), and the ginseng ginseng refers to the paniculitis Panonyus panonicus Panonyus of the family Araliaceae. A. Meyer and ephedra are E. elegans of the family Ephedraaceae. Sinica Stapf or other congener plants, and Uwaurushi means Arctostaphylos uwa-ursi (L.) Spregel of the family Ercaceae, respectively.
Gum arabic refers to secretions obtained from the stem and branches of Acacia senegal Willdenow of Leguminosae or other similar plants.
[0014]
The above-mentioned plant can be used as it is or by crushing the whole plant, leaves, bark, branches, fruits, roots, etc. of the plant, but it is possible to use fruits for Goshuyu, rhizomes for Panax ginseng, stems for ephedra, It is preferable to use leaves for ouwarushi.
[0015]
Further, the extract in the present invention refers to various solvent extracts obtained by extracting the plant or gum arabic at room temperature or under heating or by using an extraction device such as a Soxhlet extractor, and a dilution thereof. Liquid, its concentrated liquid or its dried powder.
[0016]
As the extraction solvent used for obtaining the extract of the present invention, any of a polar solvent and a non-polar solvent can be used. For example, water; alcohols such as methanol, ethanol, propanol, and butanol; polyhydric alcohols such as propylene glycol and butylene glycol; ketones such as acetone and methyl ethyl ketone; esters such as methyl acetate and ethyl acetate; tetrahydrofuran and diethyl ether Chain and cyclic ethers such as polyethylene glycol; polyethers such as polyethylene glycol; halogenated hydrocarbons such as dichloromethane, chloroform and carbon tetrachloride; hydrocarbons such as hexane, cyclohexane, petroleum ether; and fragrances such as benzene and toluene. Group hydrocarbons; pyridines and the like, which can be used as a mixture.
[0017]
The above extract may be used as it is, or may be used after being diluted, concentrated or freeze-dried, and then prepared in powder or paste form.
In addition, the extract can be used by removing inactive contaminants from the extract by a technique such as liquid-liquid distribution, and such an extract is preferably used in the present invention. These may be used after being subjected to a treatment such as deodorization and decoloration by a known method as necessary.
[0018]
The plant, gum arabic or an extract thereof may be used in combination of two or more.
[0019]
The plant of the present invention, gum arabic or an extract thereof has a c-kit expression inhibitory activity in melanocytes as shown in Examples described below, and a c-kit expression inhibitor if an effective amount thereof is contained, A hair lightening agent and a whitening composition are obtained. The content of such an active ingredient is preferably 0.1 to 20% by weight, particularly 0.5 to 10% by weight, in terms of dry weight, of the plant and gum arabic in the composition, and the extract The content is preferably 0.0001 to 10% by weight, particularly 0.001 to 5% by weight in terms of solid content.
[0020]
The c-kit expression inhibitor, hair lightening agent or whitening composition of the present invention may contain a medicinal component incorporated in skin cosmetics, for example, ultraviolet absorption of fine particles of zinc oxide, titanium oxide, Persol MCX, Persol 1789 and the like. Agents, vitamins such as ascorbic acid, humectants such as sodium hyaluronate, hormonal agents, and other whitening ingredients such as kojic acid, arbutin, placenta extract, chamomile extract and rucinol.
[0021]
The c-kit expression inhibitor, hair thinning agent or whitening composition of the present invention can be made into various forms of preparations such as internal preparations, injections, and the like, in addition to external preparations. It is preferably used as an external preparation for quasi-drugs and cosmetics.
[0022]
When the c-kit expression inhibitor, hair lightening agent or whitening composition of the present invention is used as an external preparation, for example, creams, lotions, emulsions, ointments, gels, packs, foams, essences, sticks, powders It is preferable that
[0023]
Such external preparations include various components used in cosmetics, quasi-drugs, pharmaceuticals, etc., for example, powders such as chalk, talc, fuller's earth, kaolin, starch, rubber, colloidal silica sodium polyacrylate, etc .; Oils or oils such as silicone oils; emulsifiers such as sorbitan trioleate, sorbitan tristearate, glycerol monooleate, polymeric silicone surfactants; preservatives such as para-hydroxybenzoate esters; butylhydroxytoluene; Antioxidants; wetting agents such as glycerol, sorbitol, 2-pyrrolidone-5-carboxylate, dibutyl phthalate, gelatin, polyethylene glycol; buffers such as lactic acid with a base such as triethanolamine or sodium hydroxide; glycerol ether And surfactants such as synthetic, animal or vegetable ceramides; waxes such as beeswax, ozokerite wax, and paraffin wax; thickeners; activity enhancers; coloring agents; Can be used.
[0024]
The amount of the c-kit expression inhibitor, hair thinning agent or whitening composition of the present invention varies depending on the content of the active ingredient. For example, in the case of creams and ointments, 1 to 2 per cm 2 of skin surface In the case of 20 mg and a liquid preparation, it is also preferable to use 1 to 10 mg.
[0025]
【Example】
Production Example 1 Extraction of 10 g of a raw material of a Goshuyu extract was performed with 25 mL of 50% ethanol over about 10 days at room temperature. Thereafter, the mixture was filtered to obtain an extract.
[0026]
Production Example 2
Each extract shown in Table 1 below was prepared according to Production Example 1.
[0027]
[Table 1]
[0028]
Example 1 c-kit expression inhibitory activity Human cultured melanocytes were seeded on 96-well and 24-well plates, and cultured until they became semi-confluent. Each extract shown in Table 2 was at a concentration of 0.1% (v / v). And further cultured for 4 days. The expression amount of c-kit is determined by adding 125 I-SCF (1 nM) to a 24-well plate, reacting at room temperature for 90 minutes, and measuring the amount of 125 I-SCF binding to melanocytes using a γ-counter. Determined by At that time, a non-specific binding amount was obtained by adding 100 times the amount of unlabeled SCF to 125 I-SCF. The value obtained by subtracting the value of non-specific binding from the value measured when 50% EtOH was added to a final concentration of 0.1% was defined as 100%, and the relative value was evaluated.
The cytotoxicity of the plant extract was checked by adding alamaBlue to a 96-well plate and measuring the absorbance after the reaction for 90 minutes. The respiratory activity of various plant extracts is shown assuming that the nontoxic respiratory activity is 100%.
Since the expression of c-kit was reduced by the addition of SCF, it was used as a positive control for c-kit expression inhibitor. The results are shown in Table 2.
[0029]
[Table 2]
[0030]
As shown in Table 2, the extract of the present invention was found to inhibit the expression of c-kit.
[0031]
Example 2 Inhibitory Effect of UVB-Induced Pigmentation Formation (1) Irradiation with UVB 6 weeks old, 6 female brown guinea pigs were irradiated with UVB under the condition of 300 mJ / cm 2 , which can induce pigmentation twice, twice for 2 days. did.
(2) Application of plant extract The Goshuyu extract obtained in Production Example 1 was blended at a concentration of 5% (v / v) based on 70% EtOH. The application was performed three times a day from one week before the UVB irradiation, and the application of the Goshuyu extract was continued after the UVB irradiation.
(3) Measurement by color difference meter Color difference between the extract of Goshuyu extract and the lightness (L value) of the 70% EtOH application site as a solvent control before application, immediately before the first UVB irradiation, and 7, 14, and 21 days after that day The difference (dL) from the L value before coating was calculated as an index of the degree of blackening by measuring with a meter (Nippon Denshoku Industries 300A). The results are shown in FIG.
FIG. 1 shows that Goshuyu extract inhibits UVB-induced pigmentation formation.
[0032]
Example 3 Hair lightening effect (1) Application of plant extract The back skin of a 6-week-old C57BL / 6J mouse in which the growth of hair was in a telogen was induced, and the growth phase was induced. Immediately after that, a mixture of polyethylene glycol (PEG) 400 and PEG 3400 at a ratio of 95: 5 was mixed with a Goshuyu extract at 0.7% (w / v) to start application. Twice application was performed per day for 25 days until it was confirmed that the next telogen was entered (C57BL / 6J mice are known to enter a telogen around 18 days after induction of the anagen). .
(2) Quantification of Melanin Amount of back hair to which Goshuyu extract was continuously applied for 25 days was collected, dried sufficiently in a desiccator, and then adjusted to a concentration of 2 mg / ml in a solution obtained by mixing Solution-350 and water at a ratio of 9: 1. And dissolved by heating at 70 ° C. for 1 hour. Then, after standing at room temperature for 2 hours, the absorbance at a wavelength of 490 nm was measured to determine the amount of melanin per unit weight of hair. A two-step dilution series was prepared by dissolving melanin manufactured by Sigma and using this as a standard for the amount of melanin, the melanin synthesis inhibitory effect of the applied sample was evaluated. FIG. 2 shows the results.
[0033]
【The invention's effect】
The c-kit expression inhibitor, hair lightening agent and whitening composition of the present invention suppresses overproduction of melanin in the skin, and prevents or prevents pigmentation and spots and freckles after tanning, and hair and body hair. It is effective in preventing or treating immediate allergic diseases such as lightening and allergic dermatitis.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing the effect of inhibiting UVB-induced pigmentation formation.
FIG. 2 is a diagram showing a melanin synthesis inhibitory effect.
